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特許7280601販売支援システム、販売支援プログラム及び販売支援方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-16
(45)【発行日】2023-05-24
(54)【発明の名称】販売支援システム、販売支援プログラム及び販売支援方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0207 20230101AFI20230517BHJP
   G06Q 30/06 20230101ALI20230517BHJP
【FI】
G06Q30/0207
G06Q30/06
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019084710
(22)【出願日】2019-04-25
(65)【公開番号】P2020181421
(43)【公開日】2020-11-05
【審査請求日】2022-04-01
(73)【特許権者】
【識別番号】519154634
【氏名又は名称】株式会社フィルズ
(74)【代理人】
【識別番号】110001782
【氏名又は名称】弁理士法人ライトハウス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】飯田 百合子
【審査官】新里 太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-293324(JP,A)
【文献】特表2015-510185(JP,A)
【文献】特開2009-217761(JP,A)
【文献】特開2005-258771(JP,A)
【文献】特開2013-214195(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが店舗へ来店し、ユーザが所有する飲料容器に飲料を充填することで、店舗がユーザへ飲料を販売する販売方法を実現するための販売支援システムであって、
ユーザ端末と、ユーザ端末と通信接続が可能なサーバ装置とを備え、
ユーザ端末が、
飲料の購入が可能な複数の店舗に関する店舗情報を表示する店舗表示手段と、
ユーザの操作により、表示された少なくとも一の店舗での飲料の購入要求を送信する購入要求送信手段と
を備え、
サーバ装置が、
ユーザ端末から購入要求を受信する購入要求受信手段と、
購入要求を受信すると、飲料の購入についての決済を実行する決済実行手段と、
店舗が販売した飲料の数、量、又は種類に基づいて、該飲料を販売した店舗に環境スコアを付与するスコア付与手段と
を備え、
店舗表示手段により店舗情報が表示される頻度、順位及び/又は態様が、店舗毎に付与された環境スコアに応じて変動する、販売支援システム。
【請求項2】
サーバ装置と通信接続が可能な店舗端末とを備え、
サーバ装置が、
決済を実行したユーザに関するユーザ情報、及び、決済の対象となった飲料に関する商品情報を、店舗端末へ送信する情報送信手段と
を備え、
店舗端末が、
ユーザ情報及び商品情報を、サーバ装置から受信する情報受信手段と
を備える、請求項1に記載の販売支援システム。
【請求項3】
飲料の購入に応じて、該飲料を購入したユーザに環境ポイントを付与するポイント付与手段と
を備える、請求項1又は2に記載の販売支援システム。
【請求項4】
購入要求送信手段により飲料の購入要求を送信した際のユーザ端末の位置、又は、決済実行手段により決済を実行した際のユーザ端末の位置と、購入要求の対象となる飲料を販売した店舗の位置との距離を算定する距離算定手段と
を備える、請求項1~のいずれかに記載の販売支援システム。
【請求項5】
ユーザが店舗へ来店し、ユーザが所有する飲料容器に飲料を充填することで、店舗がユーザへ飲料を販売する販売方法を実現するためのコンピュータ装置において実行される販売支援プログラムであって、
コンピュータ装置を、
ユーザ端末から購入要求を受信する購入要求受信手段、
購入要求を受信すると、飲料の購入についての決済を実行する決済実行手段、
店舗が販売した飲料の数、量、又は種類に基づいて、該飲料を販売した店舗に環境スコアを付与するスコア付与手段
として機能させ、
環境スコアが、ユーザ端末において店舗情報が表示される頻度、順位及び/又は態様を変動させるものである、販売支援プログラム。
【請求項6】
ユーザ端末と、ユーザ端末と通信接続が可能なサーバ装置とを備え、ユーザが店舗へ来店し、ユーザが所有する飲料容器に飲料を充填することで、店舗がユーザへ飲料を販売する販売方法を実現するための販売支援システムにおいて実行される販売支援方法であって、
ユーザ端末において、
飲料の購入が可能な複数の店舗に関する店舗情報を表示する店舗表示ステップと、
ユーザの操作により、表示された少なくとも一の店舗での飲料の購入要求を送信する購入要求送信ステップと
を有し、
サーバ装置において、
ユーザ端末から購入要求を受信する購入要求受信ステップと、
購入要求を受信すると、飲料の購入についての決済を実行する決済実行ステップと、
店舗が販売した飲料の数、量、又は種類に基づいて、該飲料を販売した店舗に環境スコアを付与するスコア付与ステップと
を有し、
店舗表示ステップにより店舗情報が表示される頻度、順位及び/又は態様が、店舗毎に付与された環境スコアに応じて変動する、販売支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、販売支援システム、販売支援プログラム及び販売支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ペットボトルなどのプラスチック素材を利用した飲料容器が使用され、その消費量も増加の一途をたどっている。ペットボトルは、軽量で、柔軟性もあるが、丈夫であり、容器として非常に有用であるものの、その原料となる石油等の資源には限りがある。そのため、ペットボトルについては、リユース、リサイクルなども行われている。しかし、消費者が容器を持参して、その容器にて飲料を販売者から提供してもらうことを繰り返せば、そもそもペットボトルを使用する必要がなくなり、限りある資源の消費をより抑えることが可能となる。なお、飲料容器の素材としては、PET(ポリエチレンテレフタレート)のほか、ガラス、アルミ、スチールなどが用いられているが、これらの素材についても原料となる資源は限りあるものであり、PETと同様、消費者が容器を持参して、その容器にて飲料を販売者から提供してもらえば、資源の消費を抑えることにつながる。このような中、例えば、容器への充填比率に応じて予め規定された所定の基準値に応じて、二酸化炭素排出削減量を算出するシステムが開示されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2009-245153号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1は、商品の購入者がスコアを加算して特典を受けるものであり、消費者に対して資源の消費を抑えることを促すことができるものの、商品を提供する販売者に対して資源の消費を抑えることを促すものではなかった。
【0005】
本発明は、商品を提供する販売者に対して、資源の消費を抑えることを促すことができる販売支援システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、上記目的は、
[1]ユーザが店舗へ来店し、ユーザが所有する飲料容器に飲料を充填することで、店舗がユーザへ飲料を販売する販売方法を実現するための販売支援システムであって、ユーザ端末と、ユーザ端末と通信接続が可能なサーバ装置とを備え、ユーザ端末が、飲料の購入が可能な複数の店舗に関する店舗情報を表示する店舗表示手段と、ユーザの操作により、表示された少なくとも一の店舗での飲料の購入要求を送信する購入要求送信手段とを備え、サーバ装置が、ユーザ端末から購入要求を受信する購入要求受信手段と、購入要求を受信すると、飲料の購入についての決済を実行する決済実行手段と、飲料の購入に応じて、該飲料を販売した店舗に環境スコアを付与するスコア付与手段とを備え、店舗表示手段により店舗情報が表示される頻度、順位及び/又は態様が、店舗毎に付与された環境スコアに応じて変動する、販売支援システム;
[2]スコア付与手段が、店舗が販売した飲料の数又は量に基づいて、環境スコアを付与する、[1]に記載の販売支援システム;
[3]サーバ装置と通信接続が可能な店舗端末とを備え、サーバ装置が、決済を実行したユーザに関するユーザ情報、及び、決済の対象となった飲料に関する商品情報を、店舗端末へ送信する情報送信手段とを備え、店舗端末が、ユーザ情報及び商品情報を、サーバ装置から受信する情報受信手段とを備える、[1]又は[2]に記載の販売支援システム;
[4]飲料の購入に応じて、該飲料を購入したユーザに環境ポイントを付与するポイント付与手段とを備える、[1]~[3]のいずれかに記載の販売支援システム;
[5]購入要求送信手段により飲料の購入要求を送信した際のユーザ端末の位置、又は、決済実行手段により決済を実行した際のユーザ端末の位置と、購入要求の対象となる飲料を販売した店舗の位置との距離を算定する距離算定手段と
を備える、[1]~[4]のいずれかに記載の販売支援システム;
[6]ユーザが店舗へ来店し、ユーザが所有する飲料容器に飲料を充填することで、店舗がユーザへ飲料を販売する販売方法を実現するためのコンピュータ装置において実行される販売支援プログラムであって、コンピュータ装置を、ユーザ端末から購入要求を受信する購入要求受信手段、購入要求を受信すると、飲料の購入についての決済を実行する決済実行手段、飲料の購入に応じて、該飲料を販売した店舗に環境スコアを付与するスコア付与手段として機能させ、店舗表示手段により店舗情報が表示される頻度、順位及び/又は態様が、店舗毎に付与された環境スコアに応じて変動する、販売支援プログラム;
[7]ユーザ端末と、ユーザ端末と通信接続が可能なサーバ装置とを備え、ユーザが店舗へ来店し、ユーザが所有する飲料容器に飲料を充填することで、店舗がユーザへ飲料を販売する販売方法を実現するための販売支援システムにおいて実行される販売支援方法であって、ユーザ端末において、飲料の購入が可能な複数の店舗に関する店舗情報を表示する店舗表示ステップと、ユーザの操作により、表示された少なくとも一の店舗での飲料の購入要求を送信する購入要求送信ステップとを有し、サーバ装置において、ユーザ端末から購入要求を受信する購入要求受信ステップと、購入要求を受信すると、飲料の購入についての決済を実行する決済実行ステップと、飲料の購入に応じて、該飲料を販売した店舗に環境スコアを付与するスコア付与ステップとを有し、店舗表示ステップにより店舗情報が表示される頻度、順位及び/又は態様が、店舗毎に付与された環境スコアに応じて変動する、販売支援方法;
を提供することにより達成される。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、商品を提供する販売者に対して、資源の消費を抑えることを促すことができる販売支援システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施の形態にかかる販売支援システムの構成を示すブロック図である。
図2】本発明の実施の形態にかかるユーザ端末、店舗端末の構成を示すブロック図である。
図3】本発明の実施の形態にかかるサーバ装置の構成を示すブロック図である。
図4】本発明の実施の形態にかかる販売支援システムにおける商品購入処理のフローチャートを表す図である。
図5】本発明の実施の形態にかかる販売支援システムにおけるスコア付与処理のフローチャートを表す図である。
図6】本発明の実施の形態にかかる販売支援システムにおけるポイント付与処理のフローチャートを表す図である。
図7】本発明の実施の形態にかかる販売支援システムにおける表示画面の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態について説明をするが、本発明の趣旨に反しない限り、本発明は以下の実施の形態に限定されない。
【0010】
図1は、本発明の実施の形態にかかる販売支援システムの構成を示すブロック図である。図示するように、販売支援システムは、複数のユーザがそれぞれ操作する複数のユーザ端末1(1a、1b、1c・・・1z)と、サーバ装置2と、複数の店舗運営者がそれぞれ操作する店舗端末3(3a、3b、3c・・・3z)と、通信ネットワーク4とから構成されている。ユーザ端末1のそれぞれは、通信ネットワーク4を介して、サーバ装置2と通信接続が可能である。また、サーバ装置2は、通信ネットワーク4を介して、店舗端末のそれぞれと通信接続が可能である。
【0011】
ユーザ端末1は、特に限定されないが、ユーザが携帯をして持ち歩くことができるものであることが好ましい。ユーザ端末1としては、例えば、従来型の携帯電話、タブレット型端末、スマートフォンなどが挙げられる。店舗端末3は、店舗に設置されたもの、店員が携帯をして持ち歩くことができるもののいずれも採用することができる。ユーザ端末1としては、例えば、デスクトップ型・ノート型のパーソナルコンピュータ、従来型の携帯電話、タブレット型端末、スマートフォンなどが挙げられる。
【0012】
図2は、本発明の実施の形態にかかるユーザ端末又は店舗端末の構成を示すブロック図である。ユーザ端末1又は店舗端末3は、制御部11、RAM12、ストレージ部13、グラフィック処理部14、通信インタフェース15、インタフェース部16からなり、それぞれ内部バスにより接続されている。
【0013】
制御部11は、CPUやROMから構成される。制御部11は、ストレージ部13に格納されたプログラムを実行し、ユーザ端末1又は店舗端末3の制御を行なう。RAM12は、制御部11のワークエリアである。ストレージ部13は、プログラムやデータを保存するための記憶領域である。制御部11は、プログラム及びデータをRAM12から読み出して処理を行なう。制御部11は、RAM12にロードされたプログラム及びデータを処理することで、描画命令をグラフィック処理部14に出力する。
【0014】
グラフィック処理部14は表示部18に接続されている。表示部18は表示画面19を有している。制御部11が描画命令をグラフィック処理部14に出力すると、グラフィック処理部14は、表示画面19上に画像を表示するためのビデオ信号を出力する。ここで、表示部18はタッチセンサを備えるタッチパネルであってもよい。
【0015】
通信インタフェース15は無線又は有線により通信ネットワーク4に接続が可能であり、通信ネットワーク4を介して、サーバ装置2とデータを送受信することが可能である。通信インタフェース15を介して受信したデータは、RAM12にロードされ、制御部11により演算処理が行われる。インタフェース部16には外部メモリ17(例えば、SDカード等)が接続されている。
【0016】
図3は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、サーバ装置の構成を示すブロック図である。サーバ装置2は、制御部21、RAM22、ストレージ部23及び通信インタフェース24を少なくとも備え、それぞれ内部バスにより接続されている。
【0017】
制御部21は、CPUやROMから構成され、ストレージ部23に格納されたプログラムを実行し、サーバ装置2の制御を行う。また、制御部21は時間を計時する内部タイマを備えている。RAM22は、制御部21のワークエリアである。ストレージ部23は、プログラムやデータを保存するための記憶領域である。制御部21は、プログラム及びデータをRAM12から読み出し、ユーザ端末1から受信した情報等をもとに、プログラム実行処理を行う。
【0018】
次に、販売支援システムにおける商品購入処理について、説明する。図4は、本発明の実施の形態にかかる販売支援システムにおける商品購入処理のフローチャートを表す図である。まず、ユーザの操作によりユーザ端末1にダウンロードされたプログラムを起動すると、GPSによりユーザ端末1の位置が特定される(ステップS1)。
【0019】
次に、ユーザ端末1の表示画面に、ユーザ端末1の位置を含む近隣のマップが表示される(ステップS2)。マップ内には、ユーザ端末1の位置だけでなく、表示されているマップ内に存在する店舗の位置又は店舗の情報(以下、店舗情報という)が表示される。ここで店舗とは、飲料の販売を取り扱っている店舗である。店舗の位置及び店舗情報は、サーバ装置2にて予め登録されており、ユーザ端末1はサーバ装置2から店舗の位置及び店舗情報を取得する。
【0020】
なお、マップ内に表示される店舗は、店舗の種類ごとに表示を切り替えることが可能である。例えば、水を取り扱っている店舗のみを表示し、ワインを取り扱っている店舗のみを表示する、といったように表示を切り替えることができる。また、商品名を入力して検索をすることで、特定の商品のみを取り扱っている店舗を表示させることもできる。
【0021】
ユーザは、ユーザ端末1を操作して、マップ内に表示された店舗を選択する(ステップS3)。ユーザが店舗を選択すると、選択された店舗で販売している商品(飲料)が、ユーザ端末1に表示される(ステップS4)。店舗で販売している商品に関する情報(以下、商品情報という)は、サーバ装置2にて予め登録されており、ユーザ端末1はサーバ装置2から商品情報を取得する。ユーザは、ユーザ端末1を操作して、画面に表示された商品から購入を希望する商品を選択すると(ステップS5)、商品に関するより詳細な情報がユーザ端末1に表示される(ステップS6)。ここで確認できる詳細な情報とは、例えば、他のユーザによるレビューや飲料の特徴、成分などである。
【0022】
ユーザは、商品についての詳細な情報を確認したうえで、ユーザ端末1を操作して、選択した商品についての購入ボタンを押下して、購入を決定する(ステップS7)。購入が決定されると、サーバ装置2にて決済処理が実行される(ステップS8)。決済処理における決済方法は、特に限定されないが、例えば、銀行振り込みやクレジットカード払い等の方法で、ユーザにより支払いが行われる。
【0023】
決済処理が実行されると、サーバ装置2から、商品が購入された店舗が保有する店舗端末3へ、商品を購入したユーザに関するユーザ情報(例えば、ユーザID)と、購入された商品に関する情報(商品情報)が送信される(ステップS9)。店舗端末3では、ユーザ情報及び商品情報が表示画面に表示され(ステップS10)、店員は商品の購入手続きがされたことを確認することができる。
【0024】
ユーザは、店舗から離れた位置で、商品の購入のための手続きを行っているため、店舗にて、商品を受け取る必要がある。ユーザは、ステップS8にて決済処理を実行した後、店舗へ移動する。ユーザは、飲料容器を持参し、店舗にて、予め購入手続きをした商品(飲料)を、飲料容器に充填してもらうことで、受け取ることができる。ユーザは、商品を受け取る際に、ユーザ端末1の表示画面に表示されたユーザ情報と商品情報を店員に見せる。店員は、表示画面に表示された内容と、ステップS10にて表示されたユーザ情報と商品情報が一致していることを確認したうえで、商品をユーザに提供する。
【0025】
ユーザが商品を受け取る際における、店員の確認をとるためのユーザ端末1の表示画面としては、表示画面の上下で2つの表示領域を設け、一方の表示領域には、ユーザが確認するため情報を表示させ、もう一方の表示領域には、店員が確認するための情報を表示させることができる。ユーザと店員は相対して、それぞれ反対方向から表示画面を確認するため、一方の表示領域に表示される文字と、他方の表示領域に表示される文字は、上下が逆になるように表示することも可能である。
【0026】
店舗にて、ユーザに商品が提供されると、店員は、ユーザに商品を提供したことを、店舗端末3に入力する(ステップS11)。例えば、店舗端末3の表示画面に表示された商品情報ごとにチェックボックスが設けられており、このチェックボックスにチェックを付することで、店舗端末3に商品を提供したことを入力できる。入力がなされると、店舗端末3からサーバ装置2へ、ユーザに商品が提供された旨の情報が送信される(ステップS12))。
【0027】
サーバ装置2は、ユーザに商品が提供された旨の情報を受信する(ステップS12))。ユーザと店舗での取引が完了したことが、サーバ装置2の記憶手段に登録されて(ステップS13)、一連の処理は終了する。
【0028】
ステップS7では、商品を受け取るためにユーザが店舗を訪れる予定の日時等を、ユーザ端末1に入力したうえで、購入を決定することができる。ユーザが店舗を訪れる予定の日時は、ユーザ端末1からサーバ装置2へ送信され、ステップS9において、ユーザ情報、商品情報と共に、サーバ装置2から店舗端末3へと送信される。これにより店員は、ユーザが来店する日時を把握することができる。
【0029】
次に、販売支援システムにおけるスコア付与処理について、説明する。図5は、本発明の実施の形態にかかる販売支援システムにおけるスコア付与処理のフローチャートを表す図である。
【0030】
スコア付与処理は、ステップS8において決済処理が実行された場合、或いは、ステップS13においてユーザと店舗での取引が完了したことが、サーバ装置2の記憶手段に登録された場合に、スコア付与処理が開始される。
【0031】
スコア付与処理が開始されると、付与される環境スコアの特定が行われる(ステップS21)。付与される環境スコアの特定方法は、特に限定されないが、例えば、商品ごとに予め決められたスコアを用いてもよいし、販売した飲料の数、量、種類に応じて算定してもよい。
【0032】
例えば、店舗にて販売した飲料の数だけでなく、体積や質量などに応じて、付与される環境スコアを変動させることができる。例えば、500mlの飲料を販売した場合は1スコアとし、1Lの飲料を販売した場合は2スコアとするなど、販売した飲料の体積に比例して、環境スコアを付与することとしてもよい。
【0033】
また、販売した飲料の種類に応じて、付与される環境スコアを変化させてもよい。例えば、一般的に、ミネラルウォーターやジュースなどの清涼飲料はペットボトルで提供されることが多いが、日本酒やワインなどの酒類はガラス瓶で提供されることが多い。そのため、同じ体積の飲料であっても、清涼飲料のための容器の使用量を削減した場合と、酒類のための容器の使用量を削減した場合では、地球環境へ与える負荷が異なる。そこで、同じ体積の飲料を販売した場合であっても、飲料の種類に応じて、付与するスコアを変えることができる。
【0034】
サーバ装置2の記憶手段では、店舗テーブルが設定されている。店舗テーブルでは、店舗を一意に識別できる店舗IDと関連付けて、店舗で取り扱っている商品の商品情報及び環境スコアが記憶されている。ステップS21にて、付与される環境スコアが特定されると、環境スコアの付与の対象となっている店舗について、店舗テーブルに記憶された環境スコアに、新たに付与される環境スコアが加算される(ステップS22)。環境スコアが加算されることで、スコア付与処理は完了する。
【0035】
なお、環境スコアは店舗ごとに付与されるが、店舗がチェーン店である場合は、チェーン店ごとに環境スコアを付与し、加算してもよい。
【0036】
次に、販売支援システムにおけるポイント付与処理について、説明する。図6は、本発明の実施の形態にかかる販売支援システムにおけるポイント付与処理のフローチャートを表す図である。
【0037】
ポイント付与処理は、飲料を購入したユーザに環境ポイントを付与する処理である。ステップS8において決済処理が実行された場合、或いは、ステップS13においてユーザと店舗での取引が完了したことが、サーバ装置2の記憶手段に登録された場合に、ポイント付与処理が開始される。
【0038】
ポイント付与処理が開始されると、付与される環境ポイントの特定が行われる(ステップS31)。付与される環境ポイントの特定方法は、特に限定されないが、例えば、商品ごとに予め決められたポイントを用いてもよいし、購入した飲料の数、量、種類に応じて算定してもよい。例えば、購入した飲料の数をペットボトルの削減数として、環境ポイントを加算することができる。その他、例えば、購入した飲料の体積や質量などに応じて、付与される環境ポイントを変えることができる。また、購入した飲料の種類に応じて、付与される環境ポイントを変化させてもよい。
【0039】
サーバ装置2の記憶手段では、ユーザテーブルが設定されている。ユーザテーブルでは、ユーザを一意に識別できるユーザIDと関連付けて、商品の購入履歴及び環境ポイントが記憶されている。ステップS31にて、付与される環境ポイントが特定されると、ユーザがすでに保有している環境ポイントに、新たに付与される環境ポイントが加算される(ステップS32)。環境ポイントが加算されることで、ポイント付与処理は完了する。
【0040】
ユーザが保有する環境ポイントは、本発明の販売支援システムにおいて、商品を購入する際に利用することができる。ユーザは、環境ポイントを消費することで、通常に購入するよりもディスカウントして商品を購入することができる。
【0041】
本発明の販売支援システムでは、店舗ごとに付与された環境スコアに応じて、ステップS2において店舗情報が表示される頻度、順位及び/又は態様が変動する。図7は、本発明の実施の形態にかかる販売支援システムにおける表示画面の一例である。ステップS2では、ユーザ端末1の位置を含む近隣のマップと共に、マップ内に存在する店舗の位置又は店舗の情報(以下、店舗情報という)が表示される。表示画面19の中央には、マップ31が表示されている。マップ31内には、ユーザ端末1の位置を示すマーカー32と、複数の店舗のそれぞれの位置を示すマーカー33a~eが表示されている。また、マップの下側には、複数の店舗情報34a~cが表示されている。ユーザは、店舗情報34a~cのいずれかを選択することで、店舗の詳細な情報を閲覧することができる。
【0042】
例えば、ユーザ端末1の近隣にある店舗が多数存在する場合、すべての店舗情報を表示することができない場合がある。そのような場合に、表示の対象となる店舗の中で、付与された環境スコアが多い店舗を優先的に表示するようにすることができる。このようにすることで、より多くの環境スコアが付与された店舗についての店舗情報が表示される頻度が高くなる。
【0043】
この他、ユーザ端末1の近隣にある店舗が多数存在する場合、表示画面をスクロールさせることで、多数の店舗情報を表示することができる場合がある。そのような場合に、表示の対象となる店舗の中で、付与された環境スコアが多い店舗がより上側に順位が高くなるように表示することができる。
【0044】
また、付与された環境スコアが多い店舗については、他の店舗と異なる表示態様で表示することができる。例えば、店舗名の前に星型のマークや王冠のマークを設けたり、或いは、他の店舗とは違う色を用いて店舗情報を表示することで、環境スコアが多く付与された店舗であることが視認できるようにすることも可能である。
【0045】
ここでは、付与された環境スコアが多い店舗について、表示頻度を高くしたり、表示順位を高くしたり、或いは、他の店舗と異なる表示態様とする場合について記載をしたが、店舗ごとの環境スコアの比較は、所定期間に付与された環境スコアのみに限定して比較してもよい。例えば、表示している時点から遡って、1か月又は1週間といった期間を区切って、環境スコアの多寡を比較したうえで、店舗情報の表示に反映させることができる。
【0046】
本発明の販売支援システムでは、店舗ごとに付与された環境スコアに応じて、ステップS2において店舗情報が表示される頻度、順位及び/又は態様が変動するため、販売者としては、ユーザに飲料容器を持参してもらったうえでの飲料の販売を、より促進させようとの意識が働くため、結果として、限りのある資源の消費を抑えることにつながる。また、環境スコアは、店舗や企業などの販売者の環境に対する貢献度を示す指標であるから、環境スコアを分析して販売者にフィードバックをすることで、販売者の環境に対する意識を高めることができる。
【0047】
ところで、本発明の販売支援システムでは、ユーザがユーザ端末1にて商品を購入するための決済をした位置(又は、商品の購入を決定した位置)と、その商品を販売している店舗の位置は異なるものである。例えば、商品を購入するための決済をした位置と、店舗の位置との距離が大きい場合は、距離が離れているにもかかわらず、ユーザが商品を購入していることがわかる。そのため、この距離が大きい商品・店舗は、より魅力的な商品・店舗であるか、或いは、環境への取り組みが評価された店舗・商品であることがわかる。
【0048】
また、都市部であれば、この距離は短くなる傾向にあるが、地方であれば、この距離は長くなる傾向にある。或る店舗Aについて、店舗Aの商品が購入された際のユーザ端末1の位置と店舗の位置との距離の平均値と、店舗Aと同じ地域にある複数の他の店舗について、その店舗の商品が購入された際のユーザ端末1の位置と店舗の位置との距離の平均値とを比較することで、その商品・店舗が魅力的な商品であるか、環境への取り組みが評価された店舗・商品であるかを分析することが可能となる。
【0049】
ユーザ端末1では、ステップ7にて商品の購入を決定し、商品の購入要求をサーバ装置2に送信する際に、GPSにより特定されたユーザ端末1の位置情報を送信することができる。送信された位置情報は、サーバ装置2にて店舗テーブル等の記憶手段に登録される。サーバ装置2では、商品を購入するための決済をした位置情報と、予め登録した店舗の位置情報をもとに、これらの位置間の距離を算定することができる。
【0050】
また、本発明の販売支援システムは、店舗ごとに付与された環境スコアに応じて、ステップS2において店舗情報が表示される頻度、順位及び/又は態様が変動するものであるが、さらに、商品を購入するための決済をした位置と、店舗の位置との距離に応じて、加算される環境スコアを変動させることができる。より具体的には、例えば、商品の販売数が10本の場合は、加算される環境スコアは10ポイントとなるが、この距離が所定の距離を越えるような場合は、加算される環境スコアに所定の係数を乗じて、通常の1.5倍のポイント、つまり15ポイントの環境スコアを加算することができる。
【符号の説明】
【0051】
1 ユーザ端末、2 サーバ装置、3 店舗端末、4 通信ネットワーク
11 制御部、12 RAM、13 ストレージ部、14 グラフィック処理部、
15 通信インタフェース、16 インタフェース部、17 外部メモリ
21 制御部、22 RAM、23 ストレージ部、24 通信インタフェース
31 マップ、32 マーカー、33 マーカー、34 店舗情報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7