(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-16
(45)【発行日】2023-05-24
(54)【発明の名称】毛細管キャップ及びそれを用いた液体試料の取出方法
(51)【国際特許分類】
G01N 1/12 20060101AFI20230517BHJP
G01N 1/10 20060101ALI20230517BHJP
【FI】
G01N1/12 B
G01N1/10 V
G01N1/10 H
(21)【出願番号】P 2019194409
(22)【出願日】2019-10-25
【審査請求日】2022-08-04
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 (1)公開年月日 令和1年9月27日 公開した場所 大塚製薬株式会社 徳島研究所(徳島県徳島市川内町加賀須野463-10)
(73)【特許権者】
【識別番号】500016039
【氏名又は名称】株式会社シン・コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100205914
【氏名又は名称】堀越 総明
(74)【代理人】
【識別番号】100162189
【氏名又は名称】堀越 真弓
(72)【発明者】
【氏名】松浦 信二
(72)【発明者】
【氏名】矢代 浩
(72)【発明者】
【氏名】松下 純子
【審査官】野田 華代
(56)【参考文献】
【文献】特開昭62-278456(JP,A)
【文献】特開2001-124765(JP,A)
【文献】特表2003-522318(JP,A)
【文献】特開2001-124766(JP,A)
【文献】特開昭57-104863(JP,A)
【文献】国際公開第2001/001853(WO,A1)
【文献】登録実用新案第3050685(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 1/00-1/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
毛細管の開口端部を閉塞するように装着される毛細管キャップであって、
前記毛細管キャップは、一端側に毛細管の開口端部を挿入可能な開口部を有し、他端側に底部を有する有底の筒体状に形成され、
前記筒体の胴部の内壁には、周方向に突出する環状凸部が、前記開口部と前記底部との間に設けられ、
前記底部の底面は、尖端を備える器具の該尖端で押圧することによって破断可能な薄膜状に形成されていることを特徴とする毛細管キャップ。
【請求項2】
前記底部は、前記筒体の他端から所定距離開口部側に位置する上げ底状に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の毛細管キャップ。
【請求項3】
前記底部の底面は、前記底部から前記開口部に向かって隆起した凸レンズ形状に形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の毛細管キャップ。
【請求項4】
前記筒体の胴部の内壁に設けられた前記環状凸部は、前記筒体の底部近傍に配設されていることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の毛細管キャップ。
【請求項5】
前記毛細管キャップは、弾性を有するエラストマー材料で形成されていることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の毛細管キャップ。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1項に記載の毛細管キャップを両端部に装着した毛細管から、該毛細管内に収容されている液体試料を外部に取り出す方法であって、
前記毛細管キャップの一方を前記毛細管から取り外して、該毛細管の一方の開口端部を露出させる工程と、
前記毛細管の前記開口端部を下向きに保持する工程と、
前記毛細管キャップのもう一方は前記毛細管に装着したまま、尖端を備える器具の該尖端で該毛細管キャップの底面を押圧して該底面を破断する工程と、を有することを特徴とする液体試料の取出方法。
【請求項7】
請求項1~5のいずれか1項に記載の毛細管キャップを一対用いて、毛細管内に収容された血漿又は血清成分を保存する方法であって、
血液試料が採取された毛細管を遠心分離して、血漿又は血清成分と血球成分とに分離する工程と、
前記毛細管キャップの一方を、血漿又は血清成分側の前記毛細管の開口端部に装着する工程と、
血漿又は血清成分と血球成分との境界付近の位置で該毛細管を折断し、血漿又は血清成分が収容された毛細管を分取する工程と、
前記毛細管キャップのもう一方を、分取した毛細管の開口端部に装着する工程と、を有することを特徴とする、血漿又は血清成分の保存方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、血液等の液体試料を毛細管で微量採取した後、毛細管に収容された状態で液体試料を保存する際に、毛細管の開口端を封止するために用いる毛細管キャップに関する。また、この毛細管キャップを用いて、毛細管中から液体試料を簡易に取り出しする方法に関する。
【背景技術】
【0002】
血液検査のために血液を微量採取するにあたり、両端が開口した毛細管を用い、毛細管現象により血液を吸引採取することが行われている。毛細管に採取された血液は、遠心分離処理によって毛細管中で血漿又は血清成分と血球成分とに分離されるが、毛細管中で上清側に分離された血漿又は血清成分を分取する必要が生じる。
【0003】
そこで、従来から、ハート形のアンプルカッター(特許文献1の第1図参照)等を用いて、毛細管の血漿又は血清成分と血球成分との境界付近の外周面に傷を入れ、傷の位置で毛細管を折断して、毛細管ごと、血漿又は血清成分を分取することが行われている。
【0004】
また、特許文献2では、遠心分離後の毛細管をピペッターに装着し、血漿又は血清成分のレベルより若干上に予め形成しておいた毛細管のくびれ部1aにおいて毛細管を折り(特許文献2の
図5及び
図6参照)、くびれ部1aから下方を廃棄した後にピペッターを操作して、血漿又は血清成分を毛細管内から吐出させて血液検査に使用する、という血液検査方法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】実開昭56-66332号公報
【文献】特開昭62-278456号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、遠心分離処理により分離された血漿又は血清成分については、直ぐに検査等を行うことができず、一定期間凍結保存した後に検査等を行うことがある。その点において、特許文献1に記載のアンプルカッター等を用いて折断された毛細管は、その管内に血漿又は血清成分が収容されているが、両端が開口された状態である。毛細管内のような細い管内に収容された液体は、表面張力により開口端から流出し難い傾向があるが、何らかの衝撃が加わった際などには開口端から流出してしまうため、そのままの状態では保存することが困難である。そのため、血漿又は血清成分を直ぐに検査等に使用しない場合には、毛細管内にシリンジの針等を挿入して血漿又は血清成分を吸引し、別途用意した他の容器に移し替える必要があり、手間がかかっていた。
【0007】
また、特許文献2に記載された方法においても、血漿又は血清成分を直ぐに検査等に使用しない場合には、ピペッターを操作して、毛細管内から血漿又は血清成分を吐出させ、別途準備した他の容器に移し替えて保存する必要があり、手間がかかっていた。
【0008】
さらに、毛細管内に収容された血漿又は血清成分を他の容器に移し替えて保存するにあたっては、毛細管で採取される血漿又は血清成分の量は数十マイクロリットル程度であり、保存の際に用いられる一般的な容器の容量に比して極めて少量であるため、貴重な試料液が容器の内表面に馴染んでしまい、検査等に使用できる量が減ってしまうという問題を有していた。また、凍結保存を行った際には、容器内には多量の空気が含まれるため、昇華現象が生じ易く、血漿又は血清成分の濃度変化が生じるおそれも有していた。
【0009】
従って、本発明は従来技術の上述した問題点を解消するものであり、その目的は、毛細管内に血漿又は血清成分等の液体試料を収容した状態のまま、速やかに保存することができる毛細管キャップを提供することにある。
【0010】
また、本発明の他の目的は、上述した毛細管キャップを用いて、毛細管内に収容された血漿又は血清成分等の液体試料をできるだけロスすることなく、簡易に外部に取出しする方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の毛細管キャップは、毛細管の開口端部を閉塞するように装着される毛細管キャップであって、一端側に毛細管の開口端部を挿入可能な開口部を有し、他端側に底部を有する有底の筒体状に形成され、筒体の胴部の内壁には、周方向に突出する環状凸部が、開口部と底部との間に設けられ、底部の底面は、尖端を備える器具のこの尖端で押圧することによって破断可能な薄膜状に形成されている。
【0012】
本発明の毛細管キャップは、全体として有底筒体状に形成されており、その筒体の開口部から毛細管の開口端部を挿入して装着することにより、毛細管の開口端部を閉塞するように構成されている。筒体の胴部の内壁には、周方向に突出する環状凸部が設けられており、この環状凸部と、毛細管の開口端部近傍の外周面とが係合することにより、筒体内部の空間が液密に封止される。また、毛細管キャップの底部を構成する底面は、尖端で押圧することによって破断可能な薄膜状に形成されている。これにより、本発明の毛細管キャップを毛細管の一端に装着し、毛細管の他端は開口させた状態で、毛細管キャップの底面を破断することにより、破断された穴を介して毛細管の管内に空気を導入させることができる。毛細管の管内に空気を導入させると、毛細管の一端に圧力(所定の圧力又は大気圧)が加わるため、毛細管内に収容されていた液体は開口している他端から速やかに外部に流出するように作用する。このように、本発明の毛細管キャップを毛細管の開口端部に装着するのみで、液体試料を収容した状態の毛細管を速やかに保存することができ、さらに、毛細管キャップの底面を破断することにより、毛細管内に収容されている液体試料を簡易に外部に取出しすることができる。
【0013】
また、本発明の毛細管キャップの底部は、筒体の他端から所定距離開口部側に位置する上げ底状に設けられていることも好ましい。これにより、本発明の毛細管キャップの底部を構成する薄膜状の底面が上げ底として設けられるため、外部から接触し難い位置に配置され、意図しない底面の破損を防ぐと共に、毛細管キャップを毛細管に装着して使用している際に、底面近傍に収納されている毛細管の端部が外部から衝撃等を受けて破損することを防ぐことができる。
【0014】
本発明の毛細管キャップの底部の底面は、底部から開口部に向かって隆起した凸レンズ形状に形成されていることも好ましい。これにより、毛細管に毛細管キャップを装着する際に、毛細管キャップの内部において、毛細管の開口端部が毛細管キャップの薄膜状の底面に当接して押圧した場合、底面が押圧方向に沿って凸レンズ形状から平面状、さらには凹レンズ形状へと変化することにより、底面にかかる応力を分散させ、底面の破損を防ぐことを可能としている。
【0015】
また、本発明の毛細管キャップの筒体の胴部の内壁に設けられた環状凸部は、筒体の底部近傍に配設されていることも好ましい。これにより、毛細管キャップの底面と環状凸部とで囲まれる空間の体積を小さくすることができるため、毛細管内の圧力を大きく変化させることなく、毛細管キャップを毛細管の開口端部に装着することができる。
【0016】
また、本発明の毛細管キャップは、弾性を有するエラストマー材料で形成されていることも好ましい。これにより、毛細管キャップ自体が柔らかく変形するため、指でつまんで持ち易く、毛細管に装着し易い好適な材料が選択される。また、環状凸部で囲まれた部分の内径を毛細管の外径よりも小さいサイズに設計しても、環状凸部が伸縮しながら毛細管の外周面と液密に係合するため、確実に液密に封止するように形成することができる。
【0017】
また、本発明の液体試料の取出方法は、上述した毛細管キャップを両端部に装着した毛細管から、毛細管内に収容されている液体試料を外部に取り出す方法であって、毛細管キャップの一方を毛細管から取り外して、毛細管の一方の開口端部を露出させる工程と、毛細管の開口端部を下向きに保持する工程と、毛細管キャップのもう一方は毛細管に装着したまま、尖端を備える器具の尖端でこの毛細管キャップの底面を押圧して底面を破断する工程と、を有している。
【0018】
まず、本発明の毛細管キャップを両端部に装着した毛細管から、毛細管キャップの一方のみを取り外し、毛細管の一方の開口端部を露出させる。この露出した開口端部より液体試料が取出しされるため、毛細管の露出した開口端部を液体試料が流出し易いように下向きに保持する。このとき、毛細管の開口端部を下向きとしても、毛細管の他端側は毛細管キャップで閉塞されているため、毛細管内に収容されている液体試料は開口端部から流出せず、毛細管内に留まっている。そして、毛細管に装着されている毛細管キャップの底面を、尖端を備える器具で押圧して破断することにより、底面に穴が生じ、この穴を介して毛細管の管内に外部からの空気を導入させることができる。毛細管の管内に空気を導入させると、毛細管の一端には圧力(所定の圧力又は大気圧)が加わる。それゆえ、毛細管に対し、毛細管キャップが装着されている側から開口端部側へ圧力が加えられ、毛細管内に収容されていた液体試料は開口端部から速やかに外部に流出する。このように、毛細管の両端に装着されていた毛細管キャップの片方を取り外し、もう一方の毛細管キャップの底面を、尖端を備える器具で破断して外部からの空気を導入させることによって、毛細管内の圧力を変化させ、それによって毛細管内に収容されていた液体試料を外部に取出しすることができる。
【0019】
また、本発明の血漿又は血清成分の保存方法は、上述した毛細管キャップを一対用いて、毛細管内に収容された血漿又は血清成分を保存する方法であって、血液試料が採取された毛細管を遠心分離して、血漿又は血清成分と血球成分とに分離する工程と、毛細管キャップの一方を、血漿又は血清成分側の毛細管の開口端部に装着する工程と、血漿又は血清成分と血球成分との境界付近の位置で毛細管を折断し、血漿又は血清成分が収容された毛細管を分取する工程と、毛細管キャップのもう一方を、分取した毛細管の開口端部に装着する工程と、を有している。
【0020】
この方法によれば、採血後の毛細管を遠心分離した後、血漿又は血清成分側の毛細管の開口端部に毛細管キャップを装着する。なお、血球成分側の毛細管の端部は遠心分離処理のために封止部材で封止されているので、毛細管の両端が閉塞または封止された状態となる。この状態で、血漿又は血清成分と血球成分との境界付近の位置で毛細管を折断し、血漿又は血清成分が収容された毛細管を分取する。毛細管の折断により開口端部が生じるので、この開口端部に毛細管キャップを装着することにより、両端が毛細管キャップで閉塞され、血漿又は血清成分が収容された毛細管が得られる。この毛細管はそのまま保存することができ、また、上述した取出し方法に従って、毛細管内部に収容されている血漿又は血清試料を簡易に外部に取出すことが可能である。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、以下のような優れた効果を有する毛細管キャップ及びそれを用いた液体試料の取出方法を提供することができる。
(1)毛細管キャップを毛細管の開口端部に装着するのみで、液体試料を収容した状態の毛細管を速やかに保存することができる。
(2)毛細管キャップの底面を破断して外部からの空気を導入させることによって、毛細管内に収容されている液体試料を簡易に外部に取出しすることができ、毛細管内の液体試料を吸引するような装置は不要である。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の一実施形態に係る毛細管キャップを毛細管に装着して使用する状態を示す概略図である。
【
図2】
図1に示す毛細管キャップの(a)正面図(開口部側から見た図)、(b)背面図(底部側から見た図)、及び(c)
図2(a)のA-A線断面図である。
【
図3】毛細管キャップの使用方法の一例(液体試料の取出方法)を示すフロー図である。
【
図4】
図1に示す毛細管キャップの使用状態を概略的に示す説明図であって、(a)液体試料が内部に収容された毛細管の両端部に毛細管キャップが装着され、毛細管ごと保存等されている状態、(b)毛細管キャップの一方を取り外して、毛細管の一方の開口端部を露出させた状態、(c)毛細管の開口端部を下向きに保持した状態、(d)毛細管キャップの底面をマイクロピペットのチップ先端で押圧して底面を破断する状態、及び(e)毛細管キャップの底面を破断して外部からの空気を導入させることによって、毛細管内に収容されていた液体試料が開口端部から流出した状態、をそれぞれ示している。
【
図5】毛細管キャップの使用方法の他の例を示すフロー図である。
【
図6】
図1に示す毛細管キャップの他の使用状態を概略的に示す説明図であって、(a)血液が収容され、一端が封止部材で封止された毛細管を遠心分離処理して、血漿又は血清成分と血球成分とを分離させた状態、(b)血漿又は血清成分側の毛細管の開口端部に毛細管キャップを装着した状態、(c)血漿又は血清成分と血球成分との境界近傍で毛細管を折断した状態、及び(d)血漿又は血清成分が収容された毛細管の開口端部に毛細管キャップを装着して、毛細管の開口端部の両方を毛細管キャップで閉塞した状態、をそれぞれ示している。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明に係る毛細管キャップの実施形態を、
図1及び
図2を参照して説明する。
図1には、本発明の一実施形態に係る毛細管キャップ1を毛細管6の開口端部61に装着して使用する状態を概略的に示している。また、
図2では、本実施形態にかかる毛細管キャップ1の開口部4側から見た図(正面図)、底部5側から見た図(背面図)及び軸方向断面図を示している。本発明の毛細管キャップ1は、これらの図に示すように、全体として有底筒体状に形成されており、開口部4、胴部3及び底部5を有する筒体2から概略構成されている。
図2に示すように、筒体2は、正面視側(
図2(c)における左側)端部に開口部4を有し、背面視側(
図2(c)における右側)端部に底部5を有している。この開口部4側を前側、底部5側を後側として以下説明する。
【0024】
本実施形態における筒体2は、後側から前側に向かってやや拡径した円筒状に形成され、筒体2の内部には毛細管6の開口端部61及びその近傍が収容される収容部31が設けられている。筒体2の開口部4は、毛細管6の開口端部61を収容部31内にスムーズに挿入できる形状及び大きさに形成されており、開口部4と連続する胴部3内部の収容部31は毛細管6を受け入れ可能な大きさに形成されている。それゆえ、筒体2の胴部3の内径は毛細管6の外径よりも径大に形成されている。具体的には、毛細管6をスムーズに挿入できると共に、毛細管6への装着後の脱落を防ぐ観点から、胴部3の収容部31の内径は毛細管6の外径よりも0.2mm~0.4mmほど径大に形成されていることが好ましい。また、本実施形態における筒体2は、製造時に金型からスムーズに離型させるための抜き勾配が設けられているため、後側から前側に向かってやや拡径した円筒状に形成されているが、略同径の円筒状に形成されることも可能である。
【0025】
次に、筒体2の底部5について説明する。
図2に示すように、筒体2の底部5は、端部から所定距離開口部4側に位置する上げ底状に形成されている。それゆえ、底部5は、底面51と、底面51よりも後側(端部側)に位置すると共に筒体2の胴部3と連続している環状の脚部52とから構成されている。ここで、底面51はマイクロピペットのチップ先端等の尖端を備える器具で押圧することによって、容易に破断されるよう、薄膜状に形成されている。底面51の厚み51Tは、筒体2の胴部3部分の厚みよりも薄肉であり、胴部3部分の厚みの1/2以下の厚みであることが好ましく、1/3以下の厚みであることがより好ましい。具体的には、底面51の厚み51Tは、0.6mm以下であることが好ましく、0.4mm以下であることがより好ましい。特に限定されないが、本実施形態では、胴部3部分の厚みが約1.1mmであるところ、底面51の厚み51Tは約0.3mmに設計されている。これにより、マイクロピペットのチップ先端等の尖端を備える器具で押圧することによって、容易に底面51が破断される。このように、本実施形態に係る毛細管キャップ1では、毛細管6の開口端部61を閉塞するための底面51が容易に破断可能に形成されているところ、上述したように、底部5が上げ底状に設けられているため、薄膜状の底面51が外部から接触し難い位置に配置され、意図しない底面51の破損を防ぐことを可能としている。また、毛細管6に毛細管キャップ1を装着して使用している際に、毛細管キャップ1の底面51近傍に配置される毛細管6の端部61が外部から衝撃等を受けて破損することを防ぐ作用も有している。さらに、底部5が上げ底状に設けられているため、底部5には、底面51と脚部52とで囲まれた空間53が形成されており、底面51を押圧して破断する際にピペットのチップ先端等を差し込む位置が明確となるため、操作性が向上するという作用も有している。これらの観点から、脚部52の高さ(底面51の筒体2の端部からの距離)は、0.5mm~3mm程度が好ましく、0.7mm~1.5mm程度とすることがより好ましい。
【0026】
さらに、本実施形態における毛細管キャップ1では、底部5の薄膜状に形成された底面51は、その形が正面視で円形状に形成されているところ、底部5から開口部4に向かってやや隆起した凸レンズ形状に形成されている。これにより、筒体2の内部に毛細管6を収容したときに、毛細管6の開口端部61が底面51を押圧した場合、薄膜状の底面51が押圧方向に沿って凸レンズ形状から平面状、さらには凹レンズ形状へと変化することができるため、底面51にかかる応力が分散し、底面51の破損を防ぐことを可能としている。
【0027】
次に、筒体2の胴部3内部の収容部31について説明する。
図2に示すように、筒体2の胴部3の内壁3aには、毛細管6の外周面6bと液密に係合して、開口部4から挿入された毛細管の開口端部61からの液体試料の漏れを防ぐための環状凸部32が、開口部4と底部5との間に設けられている。本実施形態において、環状凸部32は、胴部3の内壁3aに周方向に突出する環状の凸部として形成されており、毛細管6の環状凸部32部分への差込及び抜出をスムーズに行えるよう、滑らかな凸部として形成されている。環状凸部32は、毛細管6の外周面6bに当接することによって収容部31内を液密に封止するように構成されており、それゆえ、環状凸部32で囲まれた部分の内径32Dは、毛細管6の外径と略同じであるか、それよりもやや小さいサイズに設計されることが好ましい。本実施形態においては、筒体2全体がエラストマー材料で形成されているため、毛細管6の外径よりも0.1mm~0.15mm程度小さい径となるように設計されている。なお、環状凸部32は、毛細管6の外周面6bと液密に係合可能な構造であればどのような構造としてもよく、例えば、胴部3の内壁3aの周方向に沿って突出する段状凸部として形成することも可能である。
【0028】
また、この環状凸部32は、上述したように、筒体2の開口部4と底部5との間に設けられているところ、本実施形態においては、底部5の近傍に設けられている。これにより、底部5の底面51と環状凸部32とで囲まれる空間の体積を小さくすることができるため、毛細管6内の圧力を大きく変化させることなく、毛細管キャップ1を毛細管6の開口端部61に装着することができる。より詳しく説明すると、開口部4近傍に環状凸部32が設けられると、底部5の底面51と環状凸部32とで囲まれた空間の体積が比較的大きくなるため、毛細管キャップ1を装着する際に、空間内に存在する空気が毛細管6の開口端部61を押圧し、毛細管6内の圧力を増大させる。それゆえ、毛細管キャップ1を取り外す際に、液体試料が毛細管6の開口端部61から漏出しやすくなり、液体試料をロスしたり、取り扱いが困難になる恐れが生じる。よって、環状凸部32は底部5の近傍に設けられることが好ましく、具体的には、筒体2の開口部4から底面5までの長さに対し、開口部4から約5/6~2/3程度の位置に形成されることがより好ましい。本実施形態においては、一例として、筒体2の開口部4から底面51までの軸方向の距離が5.2mmであるところ、環状凸部32の最も突出した部分から底面51までの軸方向の距離は0.9mmに設計されている。
【0029】
さらに、筒体2の胴部3内部の収容部31の構成について説明する。
図2に示すように、筒体2の胴部3の内壁3aには、開口部4近傍、すなわち、上述した環状凸部32よりも開口部4側に、ガイド部33が設けられている。このガイド部33は、開口部4から挿入された毛細管6の開口端部61の進入方向が収容部31の軸中心に位置するように案内し、環状凸部32と毛細管6の外周面6bとがスムーズに係合するように機能するものである。本実施形態におけるガイド部33は、具体的には、胴部3の内壁3aに周方向に等間隔に4つ配置された、なだらかな膨出部として形成され、その表面で毛細管6を当接支持すると共に、進入方向を案内するように構成されている。それゆえ、ガイド部33で囲まれた部分の最小内径33Dは、毛細管6の外径よりもやや大きいか、略同程度の径となるように設計される。なお、毛細管6がガイド部33に当接した際には、周方向に隣接するガイド部33との間に空気が通る隙間が形成されるため、毛細管6が環状凸部32と当接したときのような液密な係合は生じず、したがって、毛細管6内の圧力の変化は生じないようになっている。また、ガイド部33は、上述した作用効果を実現できる構造であればどのような構造としてもよく、配置位置や数も本実施形態のものに限定されない。
【0030】
本実施形態に係る毛細管キャップ1を構成する材料としては、ポリエチレン(低密度・高密度含む)、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリル樹脂、ポリアミド又はポリカーボネート等の熱可塑性樹脂の他、弾性を有するエラストマー材料が用いられる。毛細管6自体が非常に細い管であるため、それに用いる毛細管キャップ1も小さい器具(本実施形態では、外径約4mm、筒体2の長さ約6.5mm)であるところ、弾性を有するエラストマー材料を用いることにより、毛細管キャップ1が柔らかく変形するため、指でつまんで持ち易いと共に、毛細管6に装着し易いという作用に優れる。さらに、弾性を有するエラストマー材料を用いることにより、環状凸部32で囲まれた部分の内径32Dを毛細管6の外径よりも小さいサイズに設計しても、環状凸部32が伸縮しながら毛細管6の外周面6bと液密に係合するため、収容部31内を確実に液密に封止するように構成することができる。エラストマー材料としては、シリコーンゴム等の熱硬化性樹脂エラストマーの他、ポリスチレン系(TPS)、ポリウレタン系(TPU)、ポリアミド系(TPAE)、オレフィン系(TPO)、ポリ塩化ビニル系(TPVC)及びアクリル系等の熱可塑性樹脂エラストマー(TPE)を用いることができ、特に熱可塑性樹脂エラストマーが好適に用いられる。このような熱可塑性樹脂エラストマーを用いることにより、毛細管キャップ1を射出成型により製造して得ることができる。
【0031】
次に、
図1に基づき、毛細管6について説明する。毛細管6は毛細管現象を生じさせて血液等の液体試料を管内部に採取できる細管であり、内径が1mm程度、外径が1.6mm程度のものが好適に用いられる。毛細管6は、合成樹脂材料によるもの又はガラス材料のもの、いずれも用いることができる。また、毛細管6の内周面6aにはヘパリン又はEDTA等の血液抗凝固剤を塗布し、血液の凝結を防ぐための処理を施しておくことも可能である。また、毛細管の材料が合成樹脂製の場合には、毛細管6の軸方向に対して分割可能とするための傷(ノッチ)が設けられていても良い。ノッチは、毛細管6の外周面6bに形成された切り欠きであり、全周方向に連続的に又は不連続に形成されていても、周側面の一部に形成されていても良い。例えば、血液を採取した毛細管6に遠心分離処理を施した結果、血清成分又は血漿成分が分離される位置にノッチを形成しておけば、容易に毛細管6をその位置で折断することができる。なお、ノッチの位置は所望の成分や所望の量に合わせて位置決めすることができ、ノッチの数も複数備えることができる。
【0032】
次に、
図3及び
図4に基づいて、上述した毛細管キャップ1の使用方法について詳細に説明する。特に、本実施形態では、毛細管キャップ1を用いて毛細管6の内部に収容されている液体試料を外部に取出しする方法について説明する。
【0033】
図3に示すように、本実施形態に係る毛細管キャップ1の使用手順は、液体試料が内部に収容され、両端部に毛細管キャップ1が装着された毛細管6を準備する工程S1、毛細管キャップ1の一方を取り外して、毛細管6の一方の開口端部61を露出させる工程S2、露出した開口端部61を下向きに保持する工程S3、毛細管6に装着されている毛細管キャップ1の底面51を破断する工程S4、底面51の破断により生じた穴54を介して外部の空気を毛細管キャップ1内に導入させる工程S5、及び毛細管6内の液体試料を開口端部61から外部に流出させて回収する工程S6、とから一例として構成される。
【0034】
まず、
図4(a)に示すように、液体試料Bが内部に収容され、両方の開口端部61に毛細管キャップ1が装着された毛細管6を準備する。
【0035】
次に、
図4(b)に示すように、毛細管キャップ1の一方のみを取り外して、毛細管6の一方の開口端部61を露出させる。このとき、もう一方側に装着されている毛細管キャップ1は必ず装着したままとする。一方の毛細管キャップ1を取り外した後に、もう一方側の毛細管キャップを取り外そうとすると、この取り外しの際に、閉塞されていた開口端部61近傍の空気及び毛細管6内に収容されている液体試料Bが取り外し方向に引っ張られるため、毛細管キャップ1の収容部31内に液体試料Bが逆流する現象が生じやすく、液体試料をロスしてしまうおそれが生じる。また、両方の毛細管キャップ1を取り外してしまった後では、毛細管6内での表面張力により毛細管6内の液体試料Bが外部に流出し難くなるおそれを有する。そのため、取り外しする毛細管キャップ1は、毛細管6の一方のみとする。
【0036】
次に、
図4(c)に示すように、毛細管6の露出した開口端部61を下向きに保持する。このとき、毛細管6の開口端部61を下向きとしても、毛細管6の他端側は毛細管キャップ1で閉塞されているため、毛細管6内に収容されている液体試料Bは流出せず、毛細管6内に留まる。なお、下向きに保持する、とは毛細管6を垂直に保持するだけでなく、後述する工程により、毛細管6内から液体試料Bを外部に流出させることができる向きであれば、どのような角度又は方向に保持してもよい。
【0037】
次に、
図4(d)に示すように、毛細管6に装着されている毛細管キャップ1の底面51を、尖端を備える器具で押圧して破断させる。毛細管キャップ1の底面51は、薄膜状に形成されており、マイクロピペットのチップCの先端等で押圧することにより、容易に破断される。なお、本実施形態に係る毛細管キャップ1の底面51の厚みは0.3mm程度に設計されている。また、底面51の直径は、収容部31の内径(毛細管6の外径よりも0.2mm~0.4mmほど径大に形成)と略同程度の大きさであり、毛細管6の外径が1.6mm程度であるとすると、1.8~2mm程度と非常に小さい。ここで、本実施形態で示す毛細管キャップ1の底面51は上げ底状に形成されているため、底部5には、底面51と脚部52とで囲まれた小さな空間53が形成されている。そのため、毛細管キャップ1の底面51を破断する際には、この凹んでいる空間53及び脚部52の側面をガイドとして、この空間53にピペットのチップCの先端を差し込みして底面51を押圧すればよい。また、底面51を破断する際に使用される器具としては、例示したマイクロピペットのチップCに限定されず、尖端を備える器具であれば何でも使用することができるが、後述するように、外部空気の導入が容易となる観点から、マイクロピペットに取付けされたチップCが好適に用いられる。
【0038】
毛細管キャップ1の底面51を破断させることにより、
図4(e)に示すように、底面51に穴54が形成され、この穴54を介して毛細管6の管内に外部からの空気が導入される。本実施形態において、毛細管6内への空気の導入は、
図4(e)に示すように、底面51を破断して穴54を形成する際に用いたマイクロピペットのチップCを、底面51の穴54に差し込みした状態のまま、チップCが取付されたマイクロピペットのプッシュボタンを押下げてチップC内の空気を矢印方向に吐出させることによって行われる。これによって、大気圧以上の圧力を毛細管6の一端に加えることができるため、
図4(e)の上側から下側(毛細管キャップ1の底面51側から毛細管6の露出した開口端部61側)へ圧力が加わり、毛細管6内に収容されていた液体試料Bを下側の開口端部61から速やかに外部に流出させることができる。なお、底面51を破断することにより形成された穴54から外部の空気を毛細管6内に自然に流入させることにより、毛細管6内へ外部の空気を導入させることもでき、この場合には、毛細管6の一端には大気圧による圧力が加えられる。
【0039】
毛細管6の開口端部61から流出した液体試料Bは、マイクロチューブやサンプルウェル等の容器に回収され、直ちに試験に用いることができる。このように、毛細管6の両端に装着されていた毛細管キャップ1の片方を取り外し、もう一方の毛細管キャップ1の底面51を、尖端を備える器具で破断して外部からの空気を導入させることによって、毛細管6内の圧力を変化させ、それによって毛細管6内に収容されていた液体試料Bを外部に取出しすることができる。これにより、毛細管6内の液体試料Bを吸引するような装置は不要であるし、毛細管6内に収容されていた液体試料のロスも小さく、容易に毛細管6内に収容されていた液体試料Bを外部に取出することができる。
【0040】
次に、
図5及び
図6に基づいて、上述した毛細管キャップ1の他の使用方法について詳細に説明する。特に、本実施形態では、毛細管キャップ1を用いて毛細管6内に収容された血漿又は血清成分Sを保存する方法について説明する。
【0041】
図5に示すように、本実施形態に係る毛細管キャップ1の使用手順は、一端側が封止され、管内部に血液が収容された毛細管6を遠心分離処理する工程S11、血漿又は血清成分S側の毛細管6の開口端部61に毛細管キャップ1を装着する工程S12、血漿又は血清成分Sと血球成分Rとの境界近傍で毛細管6を折断する工程S13、血漿又は血清成分Sが収容された毛細管6を分取する工程S14、及び血漿又は血清成分Sが収容された毛細管6の開口端部61に毛細管キャップ1を装着する工程S15、とから一例として構成される。
【0042】
まず、内部に血液が採取され、一端側が封止部材Pで封止された毛細管6を遠心分離する。遠心分離処理された毛細管6は、
図6(a)に示すように、血液成分が、血漿又は血清成分Sと血球成分Rとに分離される。封止部材Pとしては、毛細管6の一端を封止でき、遠心分離に耐えることができるものであれば、どのような部材を用いてもよい。
【0043】
次に、
図6(b)に示すように、血漿又は血清成分S側の毛細管6の開口端部61に毛細管キャップ1を装着する。毛細管6の開口端部61を毛細管キャップ1の開口部4から挿入し、毛細管キャップ1の収容部31内に収容させる。毛細管6の開口端部6は胴部3の内壁3aに形成されたガイド部33に当接し、その進入方向が収容部31の軸中心に位置するように案内される。さらに毛細管6の開口端部61を収容部31内に進入させると、毛細管6の開口端部61は胴部3の内壁3aに形成された環状凸部32に当接し、開口端部61近傍の外周面6bと環状凸部32とが液密に係合する。このとき、環状凸部32の内径は、毛細管6の外径よりも小径に形成されているため、毛細管6の開口端部61近傍が環状凸部32に当接して係合する際に、係合前と比較すると比較的強い力で嵌めこむこととなり、これにより、両者が係合したことが判断される。なお、環状凸部32は、毛細管キャップ1の底面51近傍に設けられているため、環状凸部32を大きく超えて毛細管6を進入させると、薄膜状に形成された底面51を損なうおそれがある。そのため、毛細管6の開口端部61が環状凸部32に係合した後は、毛細管6をそれ以上底部5側に進入させないようにすることが好ましい。なお、本実施形態の毛細管キャップ1の底面51は、底部5から開口部4に向かってやや隆起した凸レンズ形状に形成されている。これにより、毛細管6を収容部31内に進入させた際に、毛細管6の開口端部61が底面51に当接してしまった場合、毛細管6が押圧した方向に沿って、底面51が凸レンズ形状から平面状、さらには凹レンズ形状へと変化して底面51にかかる応力が分散され、底面51の破損を防ぐことを可能としている。
【0044】
次に、
図6(c)に示すように、血漿又は血清成分Sと血球成分Rとの境界近傍で毛細管6を折断する。毛細管6の折断にあたっては、毛細管6の外周面6bの所望の位置にカッター等で傷(ノッチ)を入れ、傷(ノッチ)部分で毛細管6を折るように力を加えることにより、毛細管6が切断分離される。また、予めノッチが形成されている毛細管6を使用している場合には、このノッチ部分で折断することも可能である。これにより、毛細管6を、血漿又は血清成分Sが収容された部分と、血球成分Rが収容された部分とに、分けることができる。このうち、本実施形態にかかる方法では、毛細管6の血漿又は血清成分Sが収容された部分を分取する。
【0045】
毛細管6の血漿又は血清成分Sが収容された部分の一端(折断されなかった側)には、すでに毛細管キャップ1が装着されている。そこで、毛細管6の折断により新たに生じた開口端部61である他端側に、
図6(d)に示すように、毛細管キャップ1を装着させる。毛細管キャップ1の装着は、上述した説明において行われた方法と同様に行われ、その作用及び機能も同様である。このようにして、
図6(d)に示す両端に毛細管キャップ1が装着された毛細管6が得られる。毛細管6の開放端部61は毛細管キャップ1で閉塞されているので、このまま毛細管6ごと血漿又は血清成分Sを保存することが可能である。また、保存後に毛細管6内に収容された血漿又は血清成分Sを外部に取出しする際には、上述した液体試料の取出方法により、容易に外部に取出しすることが可能である。
【0046】
本発明は、上記の実施形態に限定されるものでなく、特許請求の範囲に記載された発明の要旨を逸脱しない範囲内での種々、設計変更した形態も技術的範囲に含むものである。
【符号の説明】
【0047】
1 毛細管キャップ
2 筒体
3 胴部
3a 内壁
31 収容部
32 環状凸部
32D 環状凸部の内径
33 ガイド部
33D ガイド部の最小内径
4 開口部
5 底部
51 底面
51T 底面の厚み
52 脚部
53 空間
54 穴
6 毛細管
6a 毛細管の内周面
6b 毛細管の外周面
61 開口端部
C ピペットのチップ
B 液体試料
S 血漿又は血清成分
R 血球成分
P 封止部材