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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-16
(45)【発行日】2023-05-24
(54)【発明の名称】体調行動監視システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/22 20180101AFI20230517BHJP
【FI】
G06Q50/22
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2023514124
(86)(22)【出願日】2022-09-26
(86)【国際出願番号】 JP2022035757
【審査請求日】2023-03-09
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】523070078
【氏名又は名称】余白文化株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003214
【氏名又は名称】弁理士法人服部国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】盧 朝華
【審査官】吉田 誠
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-61221(JP,A)
【文献】特開2008-113184(JP,A)
【文献】特開2016-59736(JP,A)
【文献】【2022新商品】myFirst Fone R1s マイファーストアールワン・スピード キッズ携帯 キッズ腕時計型見守,2022年04月12日,https://web.archive.org/web/20220412055656/https://jp.oaxis.com/products/myfirstfone_r1s
【文献】マイファーストフォン R1 取扱説明書,2022年02月09日,第1-12ページ,https://web.archive.org/web/20220209115848/https://oaxis.com/download/user-manuals/myfirst_fone_r1_jp.pdf
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに通信可能なサーバ装置(20)および端末装置(30)のうち少なくとも前記サーバ装置と通信可能なセンサ装置(10)を備え、1人以上の監視対象者の体調および行動を監視可能な体調行動監視システムであって、
前記センサ装置は、1人以上の前記監視対象者それぞれの身体に取り付け可能であり、
前記監視対象者の心拍数を生体情報として検出可能、かつ、前記監視対象者の所在を位置情報として検出可能な検出部(12)と、
前記検出部により検出した前記生体情報および/または前記位置情報を処理可能な処理部(100、200、300)と、
前記検出部により検出、または、前記処理部により処理された前記生体情報および/または前記位置情報に基づき表示情報を生成可能な表示情報生成部(22、32)と、
前記表示情報生成部により生成された前記表示情報を表示可能な表示部(33)と、
を備え
前記検出部は、第1所定期間(T1)毎に前記生体情報を検出し、第2所定期間(T2)毎に前記位置情報を検出し、
前記第1所定期間または前記第2所定期間の少なくとも一方を変更可能な所定期間変更部(23、37)をさらに備え、
前記検出部は、前記監視対象者の心拍数に加え、体温および血中酸素濃度を生体情報として検出可能であり、
前記所定期間変更部は、所定の条件である範囲外活動中条件に基づき「前記監視対象者は所定の地理的範囲外で活動中である」と判断した場合、「前記生体情報のうち体温および血中酸素濃度についての前記第1所定期間を、判断前よりも長くなるよう変更」する体調行動監視システム。
【請求項2】
前記検出部により検出した前記生体情報および/または前記位置情報が所定の条件を満たしたとき、アラートを出力可能なアラート部(13、34)をさらに備える請求項1に記載の体調行動監視システム。
【請求項3】
前記アラート部は、前記位置情報に基づき、前記監視対象者が所定の地理的範囲から外れたと判断した場合、アラートを出力する請求項2に記載の体調行動監視システム。
【請求項4】
前記端末装置と前記センサ装置との距離を検出可能な距離検出部(35)をさらに備え、
前記アラート部は、前記距離検出部により前記端末装置と前記センサ装置との距離が所定の距離以上であることを検出した場合、アラートを出力する請求項2に記載の体調行動監視システム。
【請求項5】
前記アラート部は、前記検出部により検出した前記生体情報の心拍数が0になったとき、「前記監視対象者の身体から前記センサ装置が取り外された」と判断し、アラートを出力する請求項2に記載の体調行動監視システム。
【請求項6】
前記表示情報生成部は、前記位置情報に基づき、前記監視対象者に対応する画像を地図画像の前記位置情報に対応する位置に重ねた表示情報を生成可能である請求項1に記載の体調行動監視システム。
【請求項7】
前記端末装置の所在である端末位置情報を検出可能な端末位置情報検出部(36)をさらに備え、
前記表示情報生成部は、前記位置情報と前記端末位置情報とに基づき、前記端末装置から前記監視対象者までの経路を地図画像に重ねた表示情報を生成可能である請求項1に記載の体調行動監視システム。
【請求項8】
前記所定期間変更部は、所定の条件である睡眠中条件に基づき「前記監視対象者は睡眠中である」と判断した場合、「前記第1所定期間を、判断前よりも短くなるよう変更」および/または「前記第2所定期間を、判断前よりも長くなるよう変更」する請求項1~7のいずれか一項に記載の体調行動監視システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、体調行動監視システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、監視対象者の体調等を監視可能な監視システムが知られている。例えば特許文献1の監視システムでは、監視対象者の体温、姿勢、心拍数、呼吸数等の生体情報を検出可能なセンサ装置を備え、センサ装置により検出した生体情報に基づき、監視対象者の体調を監視可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第6382433号公報
【発明の概要】
【0004】
ところで、監視対象者が例えば保育園等の園児または老人介護施設等に入居する高齢者等である場合、監視対象者の健康および安全確保の観点から、体調のみならず、行動についても監視することが望ましい。しかしながら、特許文献1の監視システムでは、センサ装置は監視対象者の生体情報しか検出できないため、監視対象者の所在等、行動を監視することはできない。
【0005】
本開示の目的は、監視対象者の体調に加え、行動も監視可能な体調行動監視システムを提供することにある。
【0006】
本開示は、互いに通信可能なサーバ装置および端末装置のうち少なくともサーバ装置と通信可能なセンサ装置を備え、1人以上の監視対象者の体調および行動を監視可能な体調行動監視システムであって、検出部と処理部と表示情報生成部と表示部とを備える。センサ装置は、1人以上の監視対象者それぞれの身体に取り付け可能である。検出部は、監視対象者の心拍数を生体情報として検出可能、かつ、監視対象者の所在を位置情報として検出可能である。処理部は、検出部により検出した生体情報および/または位置情報を処理可能である。表示情報生成部は、検出部により検出、または、処理部により処理された生体情報および/または位置情報に基づき表示情報を生成可能である。
【0007】
表示部は、表示情報生成部により生成された表示情報を表示可能である。そのため、監視者は、表示部に表示された表示情報を確認することにより、監視対象者の体調に加え、行動も監視可能である。
検出部は、第1所定期間(T1)毎に前記生体情報を検出し、第2所定期間(T2)毎に前記位置情報を検出する。
体調行動監視システムは、前記第1所定期間または前記第2所定期間の少なくとも一方を変更可能な所定期間変更部(23、37)をさらに備える。
検出部は、監視対象者の心拍数に加え、体温および血中酸素濃度を生体情報として検出可能である。
所定期間変更部は、所定の条件である範囲外活動中条件に基づき「監視対象者は所定の地理的範囲外で活動中である」と判断した場合、「前記生体情報のうち体温および血中酸素濃度についての前記第1所定期間を、判断前よりも長くなるよう変更」する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本開示についての上記目的およびその他の目的、特徴や利点は、添付の図面を参照しながら下記の詳細な記述により、より明確になる。その図面は、
図1図1は、一実施形態による体調行動監視システムのシステム構成例を示す図であり、
図2図2は、一実施形態による体調行動監視システムの機能構成例を示す図であり、
図3図3は、一実施形態による体調行動監視システムの表示部に表示される画面例を示す図であり、
図4図4は、一実施形態による体調行動監視システムの表示部に表示される画面例を示す図であり、
図5図5は、一実施形態による体調行動監視システムの表示部に表示される画面例を示す図であり、
図6図6は、一実施形態による体調行動監視システムの表示部に表示される画面例を示す図であり、
図7図7は、一実施形態による体調行動監視システムの表示部に表示される画面例を示す図であり、
図8図8は、一実施形態による体調行動監視システムの表示部に表示される画面例を示す図であり、
図9図9は、一実施形態による体調行動監視システムの表示部に表示される画面例を示す図であり、
図10図10は、一実施形態による体調行動監視システムの表示部に表示される画面例を示す図であり、
図11図11は、一実施形態による体調行動監視システムの表示部に表示される画面例を示す図であり、
図12図12は、一実施形態による体調行動監視システムの表示部に表示される画面例を示す図であり、
図13図13は、一実施形態による体調行動監視システムの表示部に表示される画面例を示す図であり、
図14図14は、一実施形態による体調行動監視システムの表示部に表示される画面例を示す図であり、
図15図15は、一実施形態による体調行動監視システムの表示部に表示される画面例を示す図であり、
図16図16は、一実施形態による体調行動監視システムの表示部に表示される画面例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、一実施形態による体調行動監視システムを図面に基づき説明する。
【0010】
(一実施形態)
一実施形態による体調行動監視システムを図1に示す。体調行動監視システム1は、互いに通信可能なサーバ装置20および端末装置30のうち少なくともサーバ装置20と通信可能なセンサ装置10を備え、1人以上の監視対象者の体調および行動を監視可能である。体調行動監視システム1は、検出部12と表示情報生成部22、表示情報生成部32と表示部33とを備える(図2参照)。図1、2に示すように、センサ装置10、サーバ装置20、端末装置30は、IPネットワーク等のネットワーク2を介して互いに通信可能である。
【0011】
本実施形態では、監視対象者は、例えば幼稚園の園児である。体調行動監視システム1は、主に幼稚園に登園してから降園するまでの園児の体調および行動を監視可能である。
【0012】
センサ装置10は、1人以上の監視対象者としての園児それぞれの身体に取り付け可能である。センサ装置10は、例えばバンドを有する腕時計型のウェアラブル装置であって、幼稚園に登園した園児の手首または足首等に取り付けられる。本実施形態では、センサ装置10は、複数の園児に取り付けることを想定している。
【0013】
センサ装置10は、取り付けられた園児の生体情報、位置情報、動作情報を検出可能な機器である。センサ装置10は、例えば演算処理部としてのプロセッサ、記憶部としてのROM、RAM、フラッシュメモリ等のストレージ、入出力インターフェースとしてのブザー、スピーカー、バイブレータ、LEDまたはディスプレイ等を有している。記憶部は、演算処理部における各種処理に必要な各種データやプログラム等を記憶する。センサ装置10の演算処理部は、非遷移的実体的記録媒体(記憶部)に格納されたプログラムを実行する。このプログラムが実行されることで、プログラムに対応する方法が実行される。
【0014】
図2に示すように、センサ装置10は、機能部または機能モジュールとして、処理部100、センサ通信部11、検出部12、アラート部13、センサ記憶部15、バッテリ14等を有している。つまり、検出部12、アラート部13は、センサ装置10に設けられている。処理部100は、入力された各種情報をデータ処理または計算等し、センサ通信部11、検出部12、アラート部13、バッテリ14、センサ記憶部15等に対し出力可能である。
【0015】
センサ通信部11は、例えばSIMカードモジュールを有し、携帯電話会社等の電話回線を通じてネットワーク2に接続することで、サーバ装置20および端末装置30と通信可能である。また、センサ通信部11は、例えば近距離無線通信が可能なブルートゥース(Bluetooth(登録商標))モジュールを有し、所定距離範囲内において端末装置30と直接通信可能である。
【0016】
検出部12は、心拍数検出部121、体温検出部122、血中酸素濃度検出部123、位置情報検出部124、動作検出部125を有している。心拍数検出部121は、例えばLEDおよびフォトダイオード等を用いた光学式の心拍センサを有し、センサ装置10を取り付けた園児の心拍数(脈拍数)(1分あたりの拍数:bpm:beat per minutes)を検出可能である。
【0017】
体温検出部122は、例えば温度センサを有し、センサ装置10を取り付けた園児の体温を検出可能である。血中酸素濃度検出部123は、例えばLEDおよびフォトダイオード等を用いた光学式の血中酸素濃度センサを有し、センサ装置10を取り付けた園児の血中酸素濃度(血中酸素飽和度)を検出可能である。
【0018】
位置情報検出部124は、例えばGNSS(Global Navigation Satellite System:全球測位衛星システム)の一つであるGPS(Global Positioning System)を利用したGPSモジュールを有し、センサ装置10を取り付けた園児の地球上における所在を位置情報として検出可能である。
【0019】
動作検出部125は、例えば加速度センサおよび角速度センサ(ジャイロセンサ)を有し、センサ装置10の加速度および角速度(回転)を検出し、センサ装置10を取り付けた園児の動きや姿勢等の動作を動作情報として検出可能である。動作検出部125により園児の動作情報を検出することで、うつぶせや仰向け等の園児の姿勢、転倒、睡眠状態等を推定することができる。また、動作検出部125により検出した動作情報を、園児の歩数カウントや消費カロリー計算に利用することもできる。
【0020】
ここで、位置情報検出部124は、動作検出部125で検出したセンサ装置10の加速度および角速度、ならびに、基地局測位技術により取得した情報に基づき、検出した位置情報を補正し、センサ装置10を取り付けた園児の位置情報を高精度に検出および算出可能である。つまり、動作検出部125により、位置情報検出部124による位置情報の検出精度を向上できる。
【0021】
このように、検出部12は、心拍数検出部121、体温検出部122、血中酸素濃度検出部123により監視対象者である園児の心拍数、体温、血中酸素濃度を生体情報として検出可能、かつ、位置情報検出部124により園児の所在を位置情報として検出可能である。また、検出部12は、動作検出部125により園児の動きや姿勢等の動作を動作情報として検出可能である。センサ装置10は、検出した生体情報、位置情報、動作情報を、例えば処理部100で処理し、センサ通信部11を経由してサーバ装置20または端末装置30に送信可能である。
【0022】
<8>検出部12は、心拍数検出部121、体温検出部122、血中酸素濃度検出部123により第1所定期間T1毎に生体情報を検出し、位置情報検出部124により第2所定期間T2毎に位置情報を検出する。第1所定期間T1および第2所定期間T2の初期値は、例えば1分である。そのため、センサ装置10を園児に取り付けた直後は、検出部12は、園児の心拍数、体温、血中酸素濃度、位置情報を1分毎に検出、すなわち、1分間隔で検出する。ここで、第1所定期間T1および第2所定期間T2の初期値は、1分以外、例えば30秒、2分等であってもよく、任意の値に変更可能である。
【0023】
また、検出部12は、動作検出部125により第3所定期間T3毎に動作情報を検出する。第3所定期間T3は、例えば0.625ms(高頻度)~1.28s(低頻度)の範囲で、状況に応じて可変に設定されている。ここで、第3所定期間T3は、0.625ms~1.28sの範囲以外の値であってもよく、任意の値に変更可能である。
【0024】
センサ記憶部15は、例えばセンサ装置10の記憶部の一部であり、検出部12により検出した生体情報、位置情報、動作情報等を時間(検出時刻)毎に記憶可能である。また、センサ記憶部15は、第1所定期間T1、第2所定期間T2、第3所定期間T3を記憶可能である。
【0025】
<2>アラート部13は、例えばブザー、スピーカー、バイブレータ、LEDまたはディスプレイ等を有し、ブザーからビープ音、スピーカーから音声、バイブレータから振動、LEDから光、ディスプレイから文字、画像等によるアラート(通知、警報)を出力可能である。バッテリ14は、例えばリチウムイオン二次電池等の充放電可能な二次電池であり、処理部100、センサ通信部11、検出部12、アラート部13、センサ記憶部15等に電力を供給する。
【0026】
処理部100、センサ通信部11、検出部12、アラート部13の少なくとも一部は、例えばセンサ装置10の記憶部に記憶されたプログラムにより実現される。本実施形態では、例えば処理部100、センサ通信部11、検出部12、アラート部13の少なくとも一部は、センサ装置10の記憶部に記憶されたプログラム、すなわち、センサ装置10にインストールされたファームウェアまたはアプリケーション等のソフトウェアにより実現される。
【0027】
サーバ装置20は、センサ装置10からの生体情報、位置情報、動作情報等を処理可能なコンピュータ機器である。サーバ装置20は、例えば演算処理部としてのプロセッサ、記憶部としてのROM、RAM、HDDまたはSSD等のストレージ、入出力インターフェースとしてのキーボード、マウス、ディスプレイ、スピーカー等を有している。記憶部は、演算処理部における各種処理に必要な各種データやプログラム等を記憶する。サーバ装置20の演算処理部は、非遷移的実体的記録媒体(記憶部)に格納されたプログラムを実行する。このプログラムが実行されることで、プログラムに対応する方法が実行される。
【0028】
図2に示すように、サーバ装置20は、機能部または機能モジュールとして、処理部200、サーバ通信部21、表示情報生成部22、所定期間変更部23、サーバ記憶部24等を有している。つまり、表示情報生成部22、所定期間変更部23は、サーバ装置20に設けられている。処理部200は、入力された各種情報をデータ処理または計算等し、サーバ通信部21、表示情報生成部22、所定期間変更部23、サーバ記憶部24等に対し出力可能である。サーバ通信部21は、例えば有線/無線LANモジュールを有し、有線または無線でネットワーク2に接続することで、センサ装置10および端末装置30と通信可能である。
【0029】
表示情報生成部22は、検出部12により検出した生体情報、位置情報、動作情報に基づき表示情報を生成可能である。なお、検出部12により検出された生体情報、位置情報、動作情報は、例えば処理部200によりデータ処理または計算等され、表示情報生成部22に出力される。すなわち、表示情報生成部22は、処理部200によりデータ処理または計算等された生体情報、位置情報、動作情報に基づき表示情報を生成可能である。表示情報生成部22により生成された表示情報は、後述する端末装置30に設けられた表示部33に表示される。
【0030】
<8>所定期間変更部23は、所定の条件に基づき、第1所定期間T1または第2所定期間T2を変更することで、センサ装置10の検出部12による生体情報または位置情報の検出タイミング(検出間隔)を変更可能である。また、所定期間変更部23は、所定の条件に基づき、第3所定期間T3を変更することで、センサ装置10の検出部12による動作情報の検出タイミング(検出間隔)を変更可能である。
【0031】
サーバ記憶部24は、例えばサーバ装置20の記憶部の一部であり、検出部12により検出した生体情報、位置情報、動作情報等を園児毎および時間(検出時刻)毎に記憶可能である。
【0032】
処理部200、サーバ通信部21、表示情報生成部22、所定期間変更部23の少なくとも一部は、例えばサーバ装置20の記憶部に記憶されたプログラムにより実現される。本実施形態では、例えば処理部200、表示情報生成部22、所定期間変更部23の少なくとも一部は、サーバ装置20の記憶部に記憶されたプログラム、すなわち、サーバ装置20にインストールされたファームウェアまたはアプリケーション等のソフトウェアにより実現される。
【0033】
端末装置30は、例えばタブレット、スマーフォン、パーソナルコンピュータ等の端末機器である。端末装置30は、センサ装置10またはサーバ装置20からの生体情報、位置情報、動作情報等を処理可能である。端末装置30としてのタブレット、スマーフォンは、例えば演算処理部としてのプロセッサ、記憶部としてのROM、RAM、ストレージ、入出力インターフェースとしてのタッチディスプレイ等を有している。端末装置30としてのパーソナルコンピュータは、例えば演算処理部としてのプロセッサ、記憶部としてのROM、RAM、HDDまたはSSD等のストレージ、入出力インターフェースとしてのキーボード、マウス、ディスプレイ、スピーカー等を有している。
【0034】
端末装置30の記憶部は、演算処理部における各種処理に必要な各種データやプログラム等を記憶する。端末装置30の演算処理部は、非遷移的実体的記録媒体(記憶部)に格納されたプログラムを実行する。このプログラムが実行されることで、プログラムに対応する方法が実行される。
【0035】
端末装置30としてのタブレット、スマーフォンは、例えば幼稚園の先生等、園児の保育者(監視者)が携帯、または、幼稚園内の所定の場所に設置して使用可能である。また、端末装置30としてのパーソナルコンピュータは、例えば幼稚園内の所定の場所に設置して使用可能である。
【0036】
図2に示すように、端末装置30は、機能部または機能モジュールとして、処理部300、端末通信部31、表示情報生成部32、表示部33、アラート部34、距離検出部35、端末位置情報検出部36、所定期間変更部37、端末記憶部38等を有している。つまり、表示情報生成部32、表示部33、アラート部34、距離検出部35、端末位置情報検出部36、所定期間変更部37は、端末装置30に設けられている。処理部300は、入力された各種情報をデータ処理または計算等し、端末通信部31、表示情報生成部32、表示部33、アラート部34、距離検出部35、端末位置情報検出部36、所定期間変更部37、端末記憶部38等に対し出力可能である。
【0037】
端末通信部31は、例えばSIMカードモジュールを有し、携帯電話会社等の電話回線を通じてネットワーク2に接続することで、サーバ装置20およびセンサ装置10と通信可能である。また、端末通信部31は、例えば無線LANモジュールを有し、無線でネットワーク2に接続することで、サーバ装置20およびセンサ装置10と通信可能である。また、端末通信部31は、例えばブルートゥース(Bluetooth(登録商標))モジュールを有し、所定距離範囲内においてセンサ装置10と直接通信可能である。
【0038】
表示情報生成部32は、サーバ装置20に設けられた表示情報生成部22と同様、検出部12により検出した生体情報、位置情報、動作情報に基づき表示情報を生成可能である。なお、検出部12により検出された生体情報、位置情報、動作情報は、例えば処理部300によりデータ処理または計算等され、表示情報生成部32に出力される。すなわち、表示情報生成部32は、処理部300によりデータ処理または計算等された生体情報、位置情報、動作情報に基づき表示情報を生成可能である。
【0039】
表示部33は、サーバ装置20に設けられた表示情報生成部22、表示情報生成部32により生成された表示情報を表示可能である。ここで、端末装置30がタブレットまたはスマートフォンの場合、表示部33は、入出力インターフェースとしてのタッチディスプレイに対応する。つまり、保育者は、表示部33を通じて端末装置30を操作したり、データを入力したりできる。なお、端末装置30がパーソナルコンピュータの場合、保育者は、キーボード、マウス等を通じて端末装置30を操作したり、データを入力したりできる。
【0040】
<2>アラート部34は、例えばブザー、スピーカー、バイブレータ、LEDまたはディスプレイ等を有し、ビープ音、音声、振動、光、文字、画像等によるアラート(通知、警報)を出力可能である。本実施形態では、端末装置30がタブレットまたはスマートフォンの場合、アラート部34は、例えばスピーカー、バイブレータまたはタッチディスプレイ(表示部33)を有し、スピーカーから音声、バイブレータから振動、タッチディスプレイから文字、画像等によるアラート(通知、警報)を出力可能である。また、端末装置30がパーソナルコンピュータの場合、アラート部34は、例えばスピーカーまたはディスプレイ(表示部33)を有し、スピーカーから音声、ディスプレイから文字、画像等によるアラート(通知、警報)を出力可能である。
【0041】
距離検出部35は、端末装置30とセンサ装置10との距離を検出可能である。距離検出部35は、例えば後述する端末位置情報検出部36により検出した端末装置30の所在である端末位置情報と、検出部12により検出したセンサ装置10(園児)の位置情報とに基づき、端末装置30とセンサ装置10との距離を検出可能である。また、距離検出部35は、例えば端末通信部31とセンサ通信部11との間のブルートゥース通信信号の強度等に基づき、端末装置30とセンサ装置10との距離を検出することも可能である。
【0042】
端末位置情報検出部36は、例えばGPSモジュールを有し、端末装置30の地球上における所在を端末位置情報として検出可能である。
【0043】
<8>所定期間変更部37は、サーバ装置20に設けられた所定期間変更部23と同様、所定の条件に基づき、第1所定期間T1または第2所定期間T2を変更することで、センサ装置10の検出部12による生体情報または位置情報の検出タイミング(検出間隔)を変更可能である。また、所定期間変更部37は、所定の条件に基づき、第3所定期間T3を変更することで、センサ装置10の検出部12による動作情報の検出タイミング(検出間隔)を変更可能である。
【0044】
本実施形態では、保育者は、システム上、第1所定期間T1、第2所定期間T2、第3所定期間T3を、任意の値(時間)に設定変更することができる。これにより、保育者は、センサ装置10の検出部12による生体情報、位置情報、動作情報の検出タイミング(検出間隔)を任意の時間に変更可能である。
【0045】
より具体的には、心拍数検出部121による心拍数の検出間隔である第1所定期間T1、体温検出部122による体温の検出間隔である第1所定期間T1、血中酸素濃度検出部123による血中酸素濃度の検出間隔である第1所定期間T1、位置情報検出部124による位置情報の検出間隔である第2所定期間T2、動作検出部125による動作情報の検出間隔である第3所定期間T3をそれぞれ任意の時間に変更可能である。
【0046】
端末記憶部38は、例えば端末装置30の記憶部の一部であり、検出部12により検出した生体情報、位置情報、動作情報等を園児毎および時間(検出時刻)毎に記憶可能である。
【0047】
処理部300、端末通信部31、表示情報生成部32、表示部33、アラート部34、距離検出部35、端末位置情報検出部36、所定期間変更部37の少なくとも一部は、例えば端末装置30の記憶部に記憶されたプログラムにより実現される。本実施形態では、例えば処理部300、表示情報生成部32、距離検出部35、所定期間変更部37の少なくとも一部は、端末装置30の記憶部に記憶されたプログラム、すなわち、端末装置30にインストールされたファームウェアまたはアプリケーション等のソフトウェアにより実現される。
【0048】
次に、体調行動監視システム1の機能について、図面に基づき説明する。
【0049】
図3~16は、端末装置30の表示部33に表示される画面を示すものである。
【0050】
図3に示す領域AA00をタップまたはクリックすることで表示される「ダッシュボード(Dashboard)」画面では、保育者は、センサ装置10を取り付けた園児の生体情報(体調)および位置情報(行動)の概況を確認することができる。例えば、画面の領域AA01には、生体情報(体調)の異常が検出された園児の名前およびアラート内容(異常の内容)等が表示される。アラート内容としては、例えば、心拍数が所定値(例えば60bpm)以下であることを検出したとき「徐脈」と表示され、心拍数が所定値(120bpm)以上であることを検出したとき「頻脈」と表示され、体温が所定値以下であることを検出したとき「低体温」と表示され、体温が所定値以上であることを検出したとき「高体温」と表示され、血中酸素濃度が所定値以下であることを検出したとき「低酸素」と表示される。これにより、保育者は、体調に異常が生じた園児を確認することができる。
【0051】
図3に示す画面の領域AA02には、検出した園児の位置情報に基づき、園児に対応する画像G01が、地図画像の前記位置情報に対応する位置に重ねて表示される。これにより、保育者は、園児の所在を視覚的に容易に確認することができる。
【0052】
図3に示す画面の領域AA03には、午睡(昼寝)時の園児の名前および心拍の情報等が表示される。例えば、心拍数が所定値(例えば60bpm)以下のとき「60bpm以下」と表示され、心拍数が所定値(例えば120bpm)以上のとき「120bpm以上」と表示され、心拍数が例えば60bpmより高く120bpmより低いとき「正常」と表示される。これにより、保育者は、午睡時の園児の心拍に関する体調(正異常)を確認することができる。なお、心拍数の正異常に関する基準は、上述の基準に限られず、任意の基準に変更可能である。
【0053】
上述のように、保育者は、図3に示す「ダッシュボード(Dashboard)」画面により、園児の生体情報および位置情報の概況を1つの画面で同時に確認することができ、園児の体調と行動とを同時かつ容易に監視(確認、把握)できる。
【0054】
図4に示す領域AB00をタップまたはクリックすることで表示される「午睡チェック」画面では、保育者が任意の時刻に「午睡モニタリング開始」ボタン(領域AB01)をタップまたはクリックすることで、園児の午睡モニタリング(午睡チェック)を開始することができる。
【0055】
図4に示す「午睡チェック」画面の領域AB02では、園児に取り付けたセンサ装置10のバッテリ14の状態および接続通信状況を確認できる。図4の例では、園児の「Bちゃん」のアイコンの右上に例えば黄色等の目立つ色で注意を促すマークM01が表示され、アイコンの下方のマークM02により、「Bちゃん」に取り付けたセンサ装置10のバッテリ14の残量が所定値以下になっていること、および、通信に異常が生じ、サーバ装置20または端末装置30に接続できていないことを示している。これにより、保育者は、午睡モニタリング開始前に異常が生じているセンサ装置10の状態を確認し、センサ装置10を交換する等の対処をすることができる。
【0056】
図4の領域AB02では、午睡モニタリング(午睡チェック)の対象園児を1人以上選択できる。図4では、「Aちゃん」~「Hちゃん」のうち、「Aちゃん」および「Bちゃん」が選択されていることを示している。
【0057】
図4に示す領域AB03では、午睡モニタリング中(午睡チェック時)に園児の状態を目視等で確認する「確認者」(チェック者)を複数の保育者の中から選択することができる。ここで、「確認者」は、1人以上選択できる。図4では、「小林健一」先生、「山本彩」先生、「福山湊」先生、「井上穂乃果」先生、「一柳由奈」先生のうち、「小林健一」先生および「一柳由奈」先生が選択されていることを示している。また、領域AB03に表示されていない保育者は、「新規追加」ボタンにより追加表示できる。「確認者」を複数選択することにより、園児の状態の確認を複数人で手分けして行うことができ、「確認者」1人当たりの負担を軽減できる。
【0058】
図4に示す領域AB04では、午睡モニタリングの予定時間を選択できる。図4では、「60分」、「30分」、「45分」、「90分」のうち、「60分」が選択されていることを示している。また、領域AB04の「カスタム」ボタンをタップまたはクリックすることで、午睡モニタリングの予定時間として、「60分」、「30分」、「45分」、「90分」以外の任意の時間を設定できる。
【0059】
図4の領域AB04で午睡モニタリングの予定時間を選択し、領域AB03で「確認者」を選択し、領域AB02で午睡モニタリングの対象園児を選択し、領域AB01の「午睡モニタリング開始」ボタンをタップまたはクリックすると、選択した園児の午睡モニタリングが開始される。
【0060】
図4に示す領域AB05のカレンダーのマークをタップまたはクリックすると、画面にカレンダーが表示され、過去の任意の日付を選択できる。任意の日付を選択(タップまたはクリック)すると、選択した過去の日付の午睡チェックの情報が画面に表示される。過去の日付の午睡チェックの情報は、サーバ記憶部24または端末記憶部38に記憶された、午睡チェック(午睡モニタリング)中のチェック時刻毎の園児毎の心拍の情報、「咳」等の状態に関する情報(チェック結果等)である。
【0061】
図4に示す領域AB06には、保育者のうち責任者の名前が表示される。最初、領域AB06には初期設定で設定した責任者(保育者)の名前が表示されるが、領域AB06をタップまたはクリックすることで、別の保育者に変更することができる。
【0062】
図5は、例えば、図4の領域AB04で「60分」を選択し、領域AB03で「小林健一」先生および「一柳由奈」先生を選択し、領域AB02で「Bちゃん」のみ選択した状態で11:01に「午睡モニタリング開始」ボタンをタップまたはクリックし、11:09に「Aちゃん」を対象園児として追加し、所定時間経過した状態を示している。本実施形態では、所定期間TT1毎に、午睡チェックを実施する。所定期間TT1の初期値は、例えば15分である。本実施形態では、午睡モニタリングの開始後、毎時0分、15分、30分、45分というように15分毎に午睡チェックが実施される。なお、保育者は、領域AC02をタップまたはクリックすることにより、午睡チェックの実施間隔を変更することができる。例えば午睡チェック実施間隔を10分に変更すると、所定期間TT1が10分に変更され、毎時0分、10分、20分、30分、40分、50分というように10分毎に午睡チェックが実施される。
【0063】
図5における現在時刻は11:52:57であるため、領域AC01において、第一~三回目のチェックまで実施済で、第四回目のチェックが12:00に予定されていることを示している。また、午睡モニタリングの対象で、午睡中(睡眠中)の園児である「Aちゃん」および「Bちゃん」のアイコンの右上には、対象の園児が午睡中(睡眠中)であることを示すマークM03が表示されている。
【0064】
任意の時刻において、まだ午睡モニタリングの対象となっていない園児の名前の横に表示されている「午睡開始」ボタンをタップまたはクリックすると、午睡モニタリングの対象園児として追加できる。また、午睡モニタリングの対象園児が起床した場合、園児の名前の横に表示されている「起床」ボタンをタップまたはクリックすると、その園児について個別に午睡モニタリングを終了できる。また、領域AC03の「全員起床」ボタンをタップまたはクリックすると、午睡モニタリング中の全ての園児の午睡モニタリングを一括で終了できる。なお、午睡モニタリングの終了予定時刻(午睡開始から、図4の領域AB04で選択した時間が経過した時刻)になると、「午睡モニタリングを終了するかどうか」の確認のためのウインドウがポップアップ表示される。
【0065】
図6に示すように、午睡チェックの予定時刻になると、午睡チェックを実施するためのウインドウが領域AD01にポップアップ表示される。このウインドウがポップアップ表示された時点では、午睡モニタリングの対象園児全員(図6の例では「Aちゃん」および「Bちゃん」)が選択されている。選択されている園児のアイコンをタップまたはクリックすると、選択が解除される。
【0066】
領域AD01の園児の名前の下方には、園児の心拍の状態が表示される。例えば、その時点で、心拍数が所定値(例えば60bpm)以下の状態が2分以上継続していたとき「60bpm以下」と表示され、心拍数が所定値(例えば120bpm)以上の状態が2分以上継続していたとき「120bpm以上」と表示され、心拍数が例えば60bpmより高く120bpmより低いとき「心拍正常」と表示される。なお、心拍数の正異常に関する基準は、上述の基準に限られず、任意の基準に変更可能である。
【0067】
午睡チェックを実施するためのウインドウが領域AD01にポップアップ表示されたら、保育者(確認者)は、目視等により対象園児の1人1人にうつぶせ等の異常が発生していないか確認する。領域AD01のポップアップ表示で複数の園児が選択されている状態で領域AD02の「まとめてチェック」ボタンをタップまたはクリックすると、選択されている園児全員を一括でチェック済にできる。ここで、領域AD03のボタンにより、確認者を追加または変更できる。領域AD04の「戻る」ボタンをタップまたはクリックすると、領域AD01のウインドウが消え、その回の午睡チェックが終了する。
【0068】
図6の領域AD05の「メモ」ボタンをタップまたはクリックすると、対象園児の状態等についてメモ(情報)を入力するためのウインドウが表示される(図7の領域AE01参照)。
【0069】
図7における領域AE02の「咳」、「痰」、「横向き」、「嘔吐」、「いびき」、「うつぶせ直し」、「熱」ボタンをタップまたはクリックすることで、対象園児の状態等について素早くメモを入力できる。また、保育者(確認者)は、領域AE03に、チェック時の園児の状態を自由に記入することもできる。
【0070】
サーバ記憶部24または端末記憶部38は、午睡チェック中の心拍の情報、「咳」等の状態に関する情報を園児毎および所定期間TT1毎に記憶する。ここで記憶された午睡チェック中の心拍の情報、「咳」等の状態に関する情報は、過去の日時の午睡チェックの情報(チェック結果等)を表示する際等に利用される。
【0071】
図8に示すように、午睡モニタリング中に、園児の体調に異常が生じ、検出部12が生体情報(体調)の異常を検出すると、領域AF01に「園児の体調に異常が生じていること」を示すアラートウインドウがポップアップ表示される。図8の例では、例えば心拍数検出部121が、「Bちゃん」の心拍数が「120bpm以上」の状態が2分間継続したことを検出し、「Bちゃん」の心拍数が「120bpm以上」になっていることが表示されている。ここで、保育者(確認者)が園児の状態を確認し、適切な処置を施すか、異常がないことを確認した後、領域AF02の「アラートを解除する」ボタンをタップまたはクリックすることにより、アラートを解除できる。なお、心拍数の正異常およびアラートに関する基準は、上述の基準に限られず、任意の基準に変更可能である。
【0072】
図9に示すように、領域AG01をタップまたはクリックし「午睡チェックシート」とすることにより、該当日の午睡チェックの情報をシート形式で表示できる。また、保育者は、領域AG02の「編集」ボタンをタップまたはクリックすることにより、午睡チェックの情報を修正(編集)できる。また、保育者は、領域AG03の「印刷」ボタンをタップまたはクリックすることにより、午睡チェックシート(午睡チェックの情報)を印刷できる。
【0073】
図10に示す領域AH00をタップまたはクリックすることで表示される「位置管理」画面では、保育者は、センサ装置10を取り付けた園児の位置情報(所在、行動)等を確認することができる。領域AH01には、検出した園児の位置情報に基づき、園児に対応する画像G01が、地図画像の前記位置情報に対応する位置に重ねて表示される。これにより、保育者は、園児の所在を視覚的に確認することができる。
【0074】
<6>領域AH01に表示される表示情報は、表示情報生成部22または表示情報生成部32が、検出部12の位置情報検出部124により検出した位置情報に基づき、園児に対応する画像G01を、地図画像の前記位置情報に対応する位置に重ねるように生成した画像である。
【0075】
保育者は、地図画像上の任意の領域(領域AH02)に、幼稚園の地理的範囲に対応する「園内エリア」を設定することができる。領域AH03には、「園内エリア」にいる園児、「園内エリア」にいない(「園外」にいる)園児、センサ装置10に接続できない園児の名前が表示される。図10の例では、領域AH01において園児の「Qちゃん」が「園内エリア」の外に表示され、領域AH03の「園外」の欄に「Qちゃん」が表示されている。これにより、保育者は、「Qちゃん」が「園外」にいることを容易に把握することができる。
【0076】
<3>アラート部34またはアラート部13は、検出した園児の位置情報に基づき、園児が所定の地理的範囲である「園内エリア」(領域AH02)から外れたと判断した場合、アラートを出力する。例えば端末装置30のアラート部34は、ディスプレイ(表示部33)から文字または画像により、または、スピーカーから音声により「園児が園内エリアから外れたこと」を示すアラートを出力することができる。また、例えばセンサ装置10のアラート部13は、ブザーからビープ音により、または、バイブレータから振動により「園児(自分)が園内エリアから外れたこと」を示すアラートを出力することができる。これにより、保育者および園児は、「園児(自分)が園内エリアから外れたこと」に気付くことができる。なお、アラート部34またはアラート部13によるアラートの出力は、センサ装置10毎、端末装置30毎に、保育者が任意にオンまたはオフに設定できる(以下、同じ)。
【0077】
図11に示すように、地図画像上の任意の園児の画像(例えば「Cちゃん」)をタップまたはクリックすると、領域AI01に該当の園児の名前と「サウンド再生」ボタン、「現在地からの経路」ボタン、「一日の軌跡」ボタンが表示される。「サウンド再生」ボタン(領域AI02)をタップまたはクリックすると、「Cちゃん」に取り付けられたセンサ装置10のブザーまたはスピーカーからビープ音または音声が出力される。これにより、例えば危険な場所にいる「Cちゃん」に対し注意を促すことができる。
【0078】
図12に示すように、「一日の軌跡」ボタン(領域AJ01)をタップまたはクリックすると、該当の園児の所在についての一日の軌跡(位置情報の履歴)が領域AJ02に表示される。一日の軌跡は、例えば、地図画像の時刻毎の園児の位置情報に対応する位置に、園児に対応する画像(園児画像)とともに時刻を表示し、園児画像を時刻の古いものから新しいもの順に線で結ぶことにより表示される(図12参照)。これにより、保育者は、園児の行動について一日の振り返りを行うことができる。園児の行動について振り返りを繰り返すことにより、危険な場所に立ち入ることが多い等、園児の行動の傾向を知ることができる。
【0079】
なお、一日の軌跡における各園児画像には、時刻だけでなく、例えば心拍数または心拍の情報(正異常)を表示してもよい。これにより、園児の行動と心拍数との関係を知ることができる。
【0080】
図12の領域AJ03の「現在地からの経路」ボタンをタップまたはクリックすると、端末装置30から園児までの経路が地図画像上に表示される。<7>ここで表示される表示情報は、表示情報生成部22または表示情報生成部32が、検出部12の位置情報検出部124により検出した位置情報と、端末位置情報検出部36により検出した端末位置情報とに基づき、端末装置30から園児までの経路を地図画像に重ねるように生成した画像である。
【0081】
図13に示すように、領域AK01をタップまたはクリックし「散歩モード」とすることにより、園外活動である散歩に適したモードにすることができる。「散歩モード」では、領域AK02の「目的地設定」ボタンをタップまたはクリックすることで、散歩の目的地を設定することができる。目的地設定では、地図画像の任意の位置に、目的地に対応する地理的範囲である「活動エリア」を設定できる。保育者は、園児等との散歩を開始するとき、領域AK03の「散歩開始」ボタンをタップする。
【0082】
「散歩開始」ボタンをタップすると、地図画像上に保育者(先生)に対応する画像(保育者画像)と、保育者画像を中心とする所定の大きさの円が表示される(図14の領域AL01参照)。領域AL02には、保育者から所定の距離(エリア)内である「安全エリア内」にいる園児、「安全エリア内」にいない(「安全エリア外」にいる)園児、センサ装置10に接続できない園児の名前が表示される。図14の例では、領域AL01において、園児の「Qちゃん」が、保育者X1を中心とする円C1(「安全エリア内」)、および、保育者X2を中心とする円C2(「安全エリア内」)の外に表示され、領域AL02の「安全エリア外」の欄に「Qちゃん」が表示されている。これにより、引率の保育者(保育者X1、X2)は、「Qちゃん」が「安全エリア外」にいることを容易に把握することができる。
【0083】
<4>アラート部34またはアラート部13は、距離検出部35により保育者が携帯する端末装置30と園児に取り付けられたセンサ装置10との距離が所定の距離以上であることを検出した場合、アラートを出力する。例えば端末装置30のアラート部34は、ディスプレイ(表示部33)から文字または画像により、または、スピーカーから音声により「園児が「安全エリア内」から外れたこと」を示すアラートを出力することができる。また、例えばセンサ装置10のアラート部13は、ブザーからビープ音により、または、バイブレータから振動により「園児(自分)が「安全エリア内」から外れたこと」を示すアラートを出力することができる。これにより、保育者および園児は、「園児(自分)が「安全エリア内」から外れたこと」に気付くことができる。なお、安全エリア内外およびアラートに関する基準は、上述の基準に限られず、任意の基準に変更可能である。
【0084】
保育者が目的地(「活動エリア」)に到着すると、領域AM01に、「活動エリア内」にいる園児、「活動エリア内」にいない(「活動エリア外」にいる)園児、センサ装置10に接続できない園児の名前が表示される(図15参照)。図15の例では、領域AM02において、園児の「Qちゃん」が「活動エリア」の外に表示され、領域AM01の「活動エリア外」の欄に「Qちゃん」が表示されている。これにより、保育者は、「Qちゃん」が「活動エリア外」にいることを容易に把握することができる。
【0085】
<3>アラート部34またはアラート部13は、検出した園児の位置情報に基づき、園児が所定の地理的範囲である「活動エリア」から外れたと判断した場合、アラートを出力する。例えば端末装置30のアラート部34は、ディスプレイ(表示部33)から文字または画像により、または、スピーカーから音声により「園児が活動エリアから外れたこと」を示すアラートを出力することができる。また、例えばセンサ装置10のアラート部13は、ブザーからビープ音により、または、バイブレータから振動により「園児(自分)が活動エリアから外れたこと」を示すアラートを出力することができる。これにより、保育者および園児は、「園児(自分)が活動エリアから外れたこと」に気付くことができる。なお、活動エリア内外およびアラートに関する基準は、上述の基準に限られず、任意の基準に変更可能である。
【0086】
図16に示す領域AN00をタップまたはクリックすることで表示される「体調アラート」画面では、保育者は、センサ装置10を取り付けた園児の体調(生体情報)に生じた異常(アラート内容)等を確認することができる。例えば、画面の領域AN01には、生体情報(体調)の異常が検出された園児の名前およびアラート内容(異常の内容)等が表示される。また、園児の名前の行には、異常が発生した場所(「発生地」)として「園内」または「園外」が表示される。これにより、保育者は、異常が園内で発生したのか、園外で発生したのかを容易に確認できる。なお、異常が発生した場所(「発生地」)としては、異常が発生したときに位置情報検出部124で検出した位置情報に基づき、「園内」または「園外」が表示される。
【0087】
領域AN01には、園児の名前の行に、異常発生時刻(「時間」)、「処理状態」、「処理人」が表示される。例えば、保育者が、「処理状態」が「未処理」となっている園児の体調を目視、測定、聞き取り等で実際に確認し、適切な処置を施すか、異常がないことを確認した後、領域AN02をタップまたはクリックすることで「処理状態」を「処理完了」にできる。
【0088】
次に、体調行動監視システム1の有する、さらなる機能について説明する。
【0089】
<9>所定期間変更部23または所定期間変更部37は、所定の条件である睡眠中条件に基づき「園児は睡眠中である」と判断した場合、「第1所定期間T1を、判断前よりも短くなるよう変更」および/または「第2所定期間T2を、判断前よりも長くなるよう変更」する。
【0090】
具体的には、上記「睡眠中条件」とは、例えば、「図4に示す「午睡チェック」画面で、保育者が「午睡モニタリング開始」ボタン(領域AB01)をタップまたはクリックしたとき」または「図5に示す画面で、保育者が「午睡開始」ボタンをタップまたはクリックしたとき」である。所定期間変更部23または所定期間変更部37は、園児毎、すなわち、センサ装置10毎に、睡眠中条件(睡眠開始条件)に基づき「園児は睡眠中である(睡眠を開始した)」と判断した場合、「第1所定期間T1を、例えば判断前の1分よりも短くなるよう30秒等に変更」および「第2所定期間T2を、例えば判断前の1分よりも長くなるよう10時間等に変更」する。これにより、午睡中、「生体情報を検出する間隔である第1所定期間T1を、判断前よりも短くなるよう変更」することで園児の午睡中(睡眠中)における体調に関する情報を高精度に検出しつつ、「位置情報を検出する間隔である第2所定期間T2を、判断前よりも長くなるよう変更」することでセンサ装置10の消費電力を低減しバッテリ14の持ちをよくすることができる。
【0091】
なお、上記「睡眠中条件(睡眠開始条件)」は、例えば、「図4に示す「午睡チェック」画面で、保育者が「午睡モニタリング開始」ボタン(領域AB01)をタップまたはクリックしたとき」または「図5に示す画面で、保育者が「午睡開始」ボタンをタップまたはクリックしたとき」、かつ、「園児が「園内エリア」にいるとき」であってもよい。また、上記「睡眠中条件(睡眠開始条件)」は、例えば、「検出部12が検出した園児の生体情報および/または動作情報に基づき、「園児は睡眠中である(睡眠を開始した)」と推定されたとき」であってもよい。
【0092】
また、上記「睡眠中条件」は、例えば、「図5に示す画面で、保育者が「起床」ボタンまたは「全員起床」ボタン(領域AC03)をタップまたはクリックしたとき」解除される。これにより、第1所定期間T1および第2所定期間T2が、変更前(判断前)の値に戻る。なお、上記「睡眠中条件」は、例えば、「検出部12が検出した園児の生体情報および/または動作情報に基づき、「園児は起床した(睡眠が終了した)」と推定されたとき」解除されてもよい。
【0093】
<10>所定期間変更部23または所定期間変更部37は、所定の条件である範囲外活動中条件に基づき「園児は所定の地理的範囲外で活動中である」と判断した場合、「生体情報のうち体温および血中酸素濃度についての第1所定期間T1を、判断前よりも長くなるよう変更」する。
【0094】
具体的には、上記「範囲外活動中条件」とは、例えば、「図13に示す「散歩モード」画面で、保育者が「散歩開始」ボタン(領域AK03)をタップしたとき」である。所定期間変更部23または所定期間変更部37は、範囲外活動中条件に基づき「園児は所定の地理的範囲外で活動中である(「散歩モード」、散歩中である)」と判断した場合、「生体情報のうち体温および血中酸素濃度についての第1所定期間T1を、例えば判断前の1分よりも長くなるよう10時間等に変更」する。これにより、「生体情報のうち体温および血中酸素濃度についての第1所定期間T1を、判断前よりも長くなるよう変更」することでセンサ装置10の消費電力を低減しバッテリ14の持ちをよくしつつ、園児の園外活動中における心拍数に関する情報のみ検出を継続できる。
【0095】
なお、上記「範囲外活動中条件」は、例えば、「図13に示す「散歩モード」画面で、保育者が「散歩開始」ボタン(領域AK03)をタップし、保育者が目的地に到着し、幼稚園に戻ってきたとき」解除される。
【0096】
<5>アラート部34は、検出部12により検出した生体情報の心拍数が突然0になったとき、「実際に心拍数が0になった」訳ではなく、「園児の身体からセンサ装置10が取り外された」と判断し、アラートを出力する。例えば端末装置30のアラート部34は、ディスプレイ(表示部33)から文字または画像により、または、スピーカーから音声により「園児の身体からセンサ装置10が取り外されたこと」を示すアラートを出力する。これにより、保育者は、「園児の身体からセンサ装置10が取り外されたこと」に気付くことができる。
【0097】
<2>アラート部34は、検出部12により検出した生体情報の心拍数、体温、血中酸素濃度のいずれかが所定の範囲外の値になったとき、「園児の体調に異常が生じている」と判断し、アラートを出力する。例えば端末装置30のアラート部34は、ディスプレイ(表示部33)から文字または画像により、または、スピーカーから音声により「園児の体調に異常が生じていること」を示すアラートを出力する。これにより、保育者は、「園児の体調に異常が生じていること」に気付くことができる。園児の心拍数に異常が生じていることを示すウインドウ(図8の領域AF01参照)のポップアップ表示は、アラート部34の作動の一例である。
【0098】
本実施形態では、複数の園児毎、園児に取り付けられたセンサ装置10毎に、アラート出力の条件(基準)、アラート出力のオン/オフ、アラート音量、検出部12による生体情報または位置情報の検出タイミング(検出間隔)等を設定変更可能である。
【0099】
以上説明したように、<1>本実施形態では、センサ装置10は、監視対象者としての園児の身体に取り付け可能である。検出部12は、園児の心拍数を生体情報として検出可能、かつ、園児の所在を位置情報として検出可能である。処理部100、200、300は、検出部12により検出した生体情報および/または位置情報を処理可能である。表示情報生成部22、32は、検出部12により検出、または、処理部100、200、300により処理された生体情報および/または位置情報に基づき表示情報を生成可能である。
【0100】
表示部33は、表示情報生成部22、32により生成された表示情報を表示可能である。そのため、監視者である保育者は、表示部33に表示された表示情報を確認することにより、園児の体調に加え、行動も監視可能である。
【0101】
体調行動監視システム1により園児の生体情報(体調)および位置情報(所在)を監視することで、例えば、幼稚園内での午睡中等における乳幼児突然死症候群(SIDS)の兆候に早く気付くことができるとともに、幼稚園内外における事故や怪我等の発生を抑制できる。
【0102】
また、<2>本実施形態では、検出部12により検出した生体情報および/または位置情報が所定の条件を満たしたとき、アラートを出力可能なアラート部13、34をさらに備える。これにより、保育者(監視者)は、園児(監視対象者)の体調または所在に関する異常に速やかに気付くことができる。
【0103】
また、<3>本実施形態では、アラート部13、34は、位置情報に基づき、園児が所定の地理的範囲から外れたと判断した場合、アラートを出力する。これにより、保育者(監視者)または園児(監視対象者)は、例えば、園児が幼稚園の敷地から外へ抜け出たことに速やかに気付くことができる。
【0104】
また、<4>本実施形態は、端末装置30とセンサ装置10との距離を検出可能な距離検出部35をさらに備える。アラート部13、34は、距離検出部35により端末装置30とセンサ装置10との距離が所定の距離以上であることを検出した場合、アラートを出力する。これにより、保育者(監視者)または園児(監視対象者)は、例えば、散歩中、園児(センサ装置10)が保育者(端末装置30)から所定の距離以上離れてしまったことに速やかに気付くことができる。
【0105】
また、<5>本実施形態では、アラート部13は、検出部12により検出した生体情報の心拍数が0になったとき、「園児(監視対象者)の身体からセンサ装置10が取り外された」と判断し、アラートを出力する。これにより、保育者(監視者)は、園児の身体からセンサ装置10が取り外されたことに速やかに気付くことができる。
【0106】
また、<6>本実施形態では、表示情報生成部22、32は、検出部12により検出した位置情報に基づき、園児(監視対象者)に対応する画像を地図画像の前記位置情報に対応する位置に重ねた表示情報を生成可能である。これにより、保育者は、園児の所在を視覚的に容易に確認することができる。
【0107】
また、<7>本実施形態は、端末装置30の所在である端末位置情報を検出可能な端末位置情報検出部36をさらに備える。表示情報生成部22、32は、検出部12により検出した位置情報と端末位置情報検出部36により検出した端末位置情報とに基づき、端末装置30から園児(監視対象者)までの経路を地図画像に重ねた表示情報を生成可能である。これにより、保育者は、園児までの経路を視覚的に容易に確認することができる。
【0108】
また、<8>本実施形態では、検出部12は、第1所定期間T1毎に生体情報を検出し、第2所定期間T2毎に位置情報を検出する。本実施形態は、第1所定期間T1または第2所定期間T2の少なくとも一方を変更可能な所定期間変更部23、37をさらに備える。これにより、例えば、特定の条件において、第1所定期間T1を短くなる変更することで体調に関する情報の検出精度(検出頻度)を高くしたり、第2所定期間T2を長くなるよう変更することでセンサ装置10のバッテリ14の持ちをよくしたりできる。
【0109】
また、<9>本実施形態では、所定期間変更部23、37は、所定の条件である睡眠中条件に基づき「園児(監視対象者)は睡眠中である」と判断した場合、「第1所定期間T1を、判断前よりも短くなるよう変更」および/または「第2所定期間T2を、判断前よりも長くなるよう変更」する。これにより、例えば、園児の午睡中において、第1所定期間T1を短くなる変更することで体調に関する情報の検出精度(検出頻度)を高くしつつ、第2所定期間T2を長くなるよう変更することでセンサ装置10のバッテリ14の持ちをよくすることができる。
【0110】
また、<10>本実施形態では、検出部12は、園児(監視対象者)の心拍数に加え、体温および血中酸素濃度を生体情報として検出可能である。そのため、園児の体調について、より詳細に監視できる。また、所定期間変更部23、37は、所定の条件である範囲外活動中条件に基づき「園児(監視対象者)は所定の地理的範囲外で活動中である」と判断した場合、「生体情報のうち体温および血中酸素濃度についての第1所定期間T1を、判断前よりも長くなるよう変更」する。これにより、散歩中等、園外活動中においては、心拍数に関する情報のみ検出を継続し体調を監視しつつ、センサ装置10のバッテリ14の持ちをよくすることができる。
【0111】
(他の実施形態)
他の実施形態では、<9-1>所定期間変更部23または所定期間変更部37は、所定の条件である睡眠中条件に基づき「園児は睡眠中である」と判断した場合、「第3所定期間T3を、判断前よりも長くなるよう変更」してもよい。
【0112】
具体的には、所定期間変更部23または所定期間変更部37は、園児毎、すなわち、センサ装置10毎に、睡眠中条件(睡眠開始条件)に基づき「園児は睡眠中である(睡眠を開始した)」と判断した場合、「第3所定期間T3を、例えば判断前の0.625ms~1.28sよりも長くなるよう10時間等に変更」する。これにより、午睡中、「動作情報を検出する間隔である第3所定期間T3を、判断前よりも長くなるよう変更」することでセンサ装置10の消費電力を低減しバッテリ14の持ちをよくすることができる。なお、上記「睡眠中条件」が解除されると、第3所定期間T3は、変更前(判断前)の値に戻る。
【0113】
また、他の実施形態では、<10-1>所定期間変更部23または所定期間変更部37は、所定の条件である範囲外活動中条件に基づき「園児は所定の地理的範囲外で活動中でない(「散歩モード」、散歩中でない)」と判断した場合、「第3所定期間T3を、判断前よりも長くなるよう変更」してもよい。これにより、「散歩モード」以外のとき、すなわち、散歩中でないとき、「動作情報を検出する間隔である第3所定期間T3を、判断前よりも長くなるよう変更」することでセンサ装置10の消費電力を低減しバッテリ14の持ちをよくすることができる。なお、上記「範囲外活動中条件」に基づき「園児は所定の地理的範囲外で活動中である(「散歩モード」、散歩中である)」と判断した場合、第3所定期間T3は、変更前(判断前)の値に戻る。
【0114】
また、上述の実施形態では、心拍数の正異常およびアラートに関する基準として、心拍数が所定値(例えば60bpm)以下のとき「60bpm以下」(異常:徐脈)と表示またはアラートされ、心拍数が所定値(例えば120bpm)以上のとき「120bpm以上」(異常:頻脈)と表示またはアラートされ、心拍数が例えば60bpmより高く120bpmより低いとき「心拍正常」(正常)と表示される例を示した。これに対し、他の実施形態では、例えば、午睡中は、「心拍数が40bpm以下になり、その(異常:徐脈)状態が2分間継続した場合」、または、「心拍数が170bpm以上になり、その(異常:頻脈)状態が2分間継続した場合」、画面表示および音声等により、園児が危険な状態であることを示すアラートを出力することとしてもよい。なお、心拍数の正異常を判断するための基準としての具体的な数値(心拍数、異常継続時間)は、監視対象の園児の年齢等に応じて設定/変更することが望ましい。
【0115】
また、他の実施形態では、「散歩モード」で目的地に向かっているとき、引率の保育者(先生)が1人の場合は、例えば、保育者が携帯する端末装置30から半径10m以内を「安全エリア内」とし、園児(センサ装置10)が「安全エリア内」から外れて30秒経過した場合、画面表示および音声等により、園児が危険な状態であることを示すアラートを出力することとしてもよい。
【0116】
また、他の実施形態では、「散歩モード」で目的地に向かっているとき、引率の保育者(先生)が2人以上の場合は、例えば、保育者間のスペースと、各保育者が携帯する端末装置30から半径5m以内とを「安全エリア内」とし、園児(センサ装置10)が「安全エリア内」から外れて30秒経過した場合、画面表示および音声等により、園児が危険な状態であることを示すアラートを出力することとしてもよい。
【0117】
また、他の実施形態では、「散歩モード」で目的地に到着したとき、引率の保育者(先生)の位置、人数とは関係なく、それぞれの目的地の地形に合わせて「安全エリア」(「活動エリア」)を設定し、例えば、園児(センサ装置10)が「安全エリア(活動エリア)内」から外れて1分経過した場合、画面表示および音声等により、園児が危険な状態であることを示すアラートを出力することとしてもよい。なお、園児の所在(居場所)の安全を判断するための基準としての具体的な数値(安全エリアの範囲の大きさ、園児(センサ装置10)と保育者の端末装置30との距離、異常状態の継続時間等)は、監視対象の園児の年齢等に応じて設定/変更することが望ましい。
【0118】
また、他の実施形態では、「散歩モード」のとき、例えば、動作検出部125により園児の転倒を検出し、さらに心拍数検出部121により心拍数の異常を検出し、その(異常)状態が30秒間継続した場合、画面表示および音声等により、園児が危険な状態であることを示すアラートを出力することとしてもよい。
【0119】
また、上述の実施形態では、表示情報生成部および所定期間変更部がサーバ装置および端末装置に設けられる例を示した。これに対し他の実施形態では、表示情報生成部および所定期間変更部は、サーバ装置または端末装置のいずれか一方に設けられることとしてもよい。
【0120】
また、上述の実施形態では、アラート部がセンサ装置および端末装置に設けられる例を示した。これに対し他の実施形態では、アラート部は、センサ装置または端末装置のいずれか一方に設けられることとしてもよい。
【0121】
また、上述の実施形態では、体調行動監視システムがサーバ装置および端末装置を備えない例を示した。これに対し他の実施形態では、体調行動監視システムは、センサ装置だけでなく、サーバ装置または端末装置の少なくとも一方を備えることとしてもよい。また、他の実施形態では、サーバ装置および端末装置は、複数設けられていてもよい。
【0122】
また、他の実施形態では、センサ装置は、サーバ装置とのみ通信可能であってもよい。また、他の実施形態では、体調行動監視システムは、アラート部を備えていなくてもよい。また、他の実施形態では、体調行動監視システムは、所定期間変更部を備えていなくてもよい。また、他の実施形態では、センサ装置は、監視対象者の身体に取り付け可能であれば、腕時計型に限らず、どのような形状であってもよい。
【0123】
また、上述の実施形態では、検出部が、監視対象者の心拍数に加え、体温および血中酸素濃度を生体情報として検出可能である例を示した。これに対し他の実施形態では、検出部は、監視対象者の心拍数のみ検出可能であってもよい。
【0124】
また、上述の実施形態では、監視対象者が「幼稚園の園児」、監視者が「幼稚園の先生等(保育者)」である例を示した。これに対し他の実施形態では、監視対象者は、例えば、「保育園、認定こども園等の教育保育施設の園児」、「老人介護施設等に入居する高齢者」、「病院等の医療施設等に入院する患者」等であってもよい。このように、本開示の体調行動監視システムは、体調および行動を監視することが望ましい、様々な属性の対象者を監視するのに用いることができる。
【0125】
また、上述の実施形態では、センサ装置を複数の監視対象者(園児)それぞれの身体に取り付け、複数の監視対象者の体調および行動を監視する例を示した。これに対し他の実施形態では、センサ装置を1人の監視対象者の身体に取り付け、1人の監視対象者の体調および行動を監視することもできる。
【0126】
また、上述の実施形態では、処理部100、センサ通信部11、検出部12、アラート部13の少なくとも一部が、センサ装置10の記憶部に記憶されたプログラム(ソフトウェア)により実現され、処理部200、サーバ通信部21、表示情報生成部22、所定期間変更部23の少なくとも一部が、サーバ装置20の記憶部に記憶されたプログラム(ソフトウェア)により実現され、処理部300、端末通信部31、表示情報生成部32、表示部33、アラート部34、距離検出部35、端末位置情報検出部36、所定期間変更部37の少なくとも一部が、端末装置30の記憶部に記憶されたプログラム(ソフトウェア)により実現される例を示した。これに対し他の実施形態では、処理部100、センサ通信部11、検出部12、アラート部13、処理部200、サーバ通信部21、表示情報生成部22、所定期間変更部23、処理部300、端末通信部31、表示情報生成部32、表示部33、アラート部34、距離検出部35、端末位置情報検出部36、所定期間変更部37は、専用回路等のハードウェアにより実現してもよい。
【0127】
本開示の特徴を以下の通り示す。
「請求項1」
互いに通信可能なサーバ装置(20)および端末装置(30)のうち少なくとも前記サーバ装置と通信可能なセンサ装置(10)を備え、1人以上の監視対象者の体調および行動を監視可能な体調行動監視システムであって、
前記センサ装置は、1人以上の前記監視対象者それぞれの身体に取り付け可能であり、
前記監視対象者の心拍数を生体情報として検出可能、かつ、前記監視対象者の所在を位置情報として検出可能な検出部(12)と、
前記検出部により検出した前記生体情報および/または前記位置情報を処理可能な処理部(100、200、300)と、
前記検出部により検出、または、前記処理部により処理された前記生体情報および/または前記位置情報に基づき表示情報を生成可能な表示情報生成部(22、32)と、
前記表示情報生成部により生成された前記表示情報を表示可能な表示部(33)と、
を備える体調行動監視システム。
「請求項2」
前記検出部により検出した前記生体情報および/または前記位置情報が所定の条件を満たしたとき、アラートを出力可能なアラート部(13、34)をさらに備える請求項1に記載の体調行動監視システム。
「請求項3」
前記アラート部は、前記位置情報に基づき、前記監視対象者が所定の地理的範囲から外れたと判断した場合、アラートを出力する請求項2に記載の体調行動監視システム。
「請求項4」
前記端末装置と前記センサ装置との距離を検出可能な距離検出部(35)をさらに備え、
前記アラート部は、前記距離検出部により前記端末装置と前記センサ装置との距離が所定の距離以上であることを検出した場合、アラートを出力する請求項2または3に記載の体調行動監視システム。
「請求項5」
前記アラート部は、前記検出部により検出した前記生体情報の心拍数が0になったとき、「前記監視対象者の身体から前記センサ装置が取り外された」と判断し、アラートを出力する請求項2~4のいずれか一項に記載の体調行動監視システム。
「請求項6」
前記表示情報生成部は、前記位置情報に基づき、前記監視対象者に対応する画像を地図画像の前記位置情報に対応する位置に重ねた表示情報を生成可能である請求項1~5のいずれか一項に記載の体調行動監視システム。
「請求項7」
前記端末装置の所在である端末位置情報を検出可能な端末位置情報検出部(36)をさらに備え、
前記表示情報生成部は、前記位置情報と前記端末位置情報とに基づき、前記端末装置から前記監視対象者までの経路を地図画像に重ねた表示情報を生成可能である請求項1~6のいずれか一項に記載の体調行動監視システム。
「請求項8」
前記検出部は、第1所定期間(T1)毎に前記生体情報を検出し、第2所定期間(T2)毎に前記位置情報を検出し、
前記第1所定期間または前記第2所定期間の少なくとも一方を変更可能な所定期間変更部(23、37)をさらに備える請求項1~7のいずれか一項に記載の体調行動監視システム。
「請求項9」
前記所定期間変更部は、所定の条件である睡眠中条件に基づき「前記監視対象者は睡眠中である」と判断した場合、「前記第1所定期間を、判断前よりも短くなるよう変更」および/または「前記第2所定期間を、判断前よりも長くなるよう変更」する請求項8に記載の体調行動監視システム。
「請求項10」
前記検出部は、前記監視対象者の心拍数に加え、体温および血中酸素濃度を生体情報として検出可能であり、
前記所定期間変更部は、所定の条件である範囲外活動中条件に基づき「前記監視対象者は所定の地理的範囲外で活動中である」と判断した場合、「前記生体情報のうち体温および血中酸素濃度についての前記第1所定期間を、判断前よりも長くなるよう変更」する請求項8または9に記載の体調行動監視システム。
【0128】
このように、本開示は、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の形態で実施可能である。
【0129】
本開示に記載の体調行動監視システム及びその手法は、コンピュータプログラムにより具体化された一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。あるいは、本開示に記載の体調行動監視システム及びその手法は、一つ以上の専用ハードウェア論理回路によってプロセッサを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。もしくは、本開示に記載の体調行動監視システム及びその手法は、一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリと一つ以上のハードウェア論理回路によって構成されたプロセッサとの組み合わせにより構成された一つ以上の専用コンピュータにより、実現されてもよい。また、コンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移有形記録媒体に記憶されていてもよい。
【0130】
本開示は、実施形態に基づき記述された。しかしながら、本開示は当該実施形態および構造に限定されるものではない。本開示は、様々な変形例および均等の範囲内の変形をも包含する。また、様々な組み合わせおよび形態、さらには、それらに一要素のみ、それ以上、あるいはそれ以下、を含む他の組み合わせおよび形態も、本開示の範疇および思想範囲に入るものである。
【要約】
センサ装置(10)を備え、1人以上の監視対象者の体調および行動を監視可能な体調行動監視システムであって、検出部(12)と処理部(100、200、300)と表示情報生成部(22、32)と表示部(33)とを備える。センサ装置(10)は、1人以上の監視対象者それぞれの身体に取り付け可能である。検出部(12)は、監視対象者の心拍数を生体情報として検出可能、かつ、監視対象者の所在を位置情報として検出可能である。処理部(100、200、300)は、検出部(12)により検出した生体情報および/または位置情報を処理可能である。表示情報生成部(22、32)は、検出部(12)により検出、または、処理部(100、200、300)により処理された生体情報および/または位置情報に基づき表示情報を生成可能である。表示部(33)は、表示情報生成部(22、32)により生成された表示情報を表示可能である。
図1
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