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特許7280847路上駐車情報通知装置、電光表示装置、路上駐車情報通知システム、路上駐車情報通知方法、及びコンピュータプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-16
(45)【発行日】2023-05-24
(54)【発明の名称】路上駐車情報通知装置、電光表示装置、路上駐車情報通知システム、路上駐車情報通知方法、及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/16 20060101AFI20230517BHJP
   B60W 40/04 20060101ALN20230517BHJP
   B60W 40/06 20120101ALN20230517BHJP
   B60W 30/08 20120101ALN20230517BHJP
【FI】
G08G1/16 A
B60W40/04
B60W40/06
B60W30/08
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2020040204
(22)【出願日】2020-03-09
(65)【公開番号】P2021140677
(43)【公開日】2021-09-16
【審査請求日】2021-12-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100114937
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 裕幸
(72)【発明者】
【氏名】神谷 尚保
(72)【発明者】
【氏名】稗圃 泰彦
【審査官】貞光 大樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-173637(JP,A)
【文献】特開2004-245610(JP,A)
【文献】特開2016-215691(JP,A)
【文献】特開2007-316827(JP,A)
【文献】特開2005-326963(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
路上駐車している路上駐車車両に搭載された撮像部であって前記路上駐車車両が路上駐車している駐車道路の道幅が推定可能な前記駐車道路の道路部分と前記路上駐車車両の車幅が推定可能な前記路上駐車車両の車体部分とが写るように前記路上駐車車両に設置された撮像部が撮像した撮像画像に基づいて前記駐車道路の道幅の推定値と前記路上駐車車両の車幅の推定値とを取得し、取得した前記駐車道路の道幅の推定値と前記路上駐車車両の車幅の推定値とに基づいて、前記路上駐車車両から前記駐車道路の道幅方向の端までの幅であって前記路上駐車車両以外の他の車両が前記路上駐車車両の横を通り抜けるための空き幅を推定する道路画像解析部と、
前記推定の結果の空き幅に基づいて、前記路上駐車車両以外の他の車両が前記駐車道路を通り抜けることができる通行可能性を判断する他車両通行判定部と、
前記通行可能性の判断の結果に基づいた通行困難情報を発信する通行困難通知部と、
を備える路上駐車情報通知装置。
【請求項2】
過去に通知された通行困難情報に関する路上駐車車両、駐車道路、曜日又は時間帯を示す情報である通行困難条件ごとに、通行困難が通知されてから解除されるまでの時間の実績を格納する通行困難時間格納部をさらに備え、
前記通行困難通知部は、今回の通行困難情報に該当する通行困難条件に関連付けられた前記実績に基づいて、通行困難が解除されるまでの見込み時間を今回の通行困難情報に含めて通知する、
請求項1に記載の路上駐車情報通知装置。
【請求項3】
道路の道幅を含む道路地図情報を格納する地図情報格納部と、
車両の車幅及び車長を含む車両情報を格納する車両情報格納部と、
をさらに備える請求項1又は2のいずれか1項に記載の路上駐車情報通知装置。
【請求項4】
前記道路地図情報に含まれる道路の中から、前記路上駐車車両が駐車している道路に前記路上駐車車両以外の他の車両が流入する道路を影響道路に選択する影響道路特定部をさらに備え、
前記通行困難通知部は、前記選択の結果の影響道路を走行する車両に報知される通行困難情報を発信する、
請求項に記載の路上駐車情報通知装置。
【請求項5】
前記路上駐車車両に対する適切な路上駐車の位置及び角度を算出する適切路上駐車位置角度算出部と、
前記算出の結果の路上駐車の位置及び角度を示す駐車方法情報を前記路上駐車車両に送信する駐車方法情報送信部と、
をさらに備える請求項1から4のいずれか1項に記載の路上駐車情報通知装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項に記載の路上駐車情報通知装置と通信を行う通信部と、
前記路上駐車情報通知装置から受信した通行困難情報を表示する電光表示部と、
を備える電光表示装置。
【請求項7】
請求項1から5のいずれか1項に記載の路上駐車情報通知装置と、
前記路上駐車情報通知装置から受信した通行困難情報を表示する電光表示装置と、
を備える路上駐車情報通知システム。
【請求項8】
路上駐車情報通知装置が、路上駐車している路上駐車車両に搭載された撮像部であって前記路上駐車車両が路上駐車している駐車道路の道幅が推定可能な前記駐車道路の道路部分と前記路上駐車車両の車幅が推定可能な前記路上駐車車両の車体部分とが写るように前記路上駐車車両に設置された撮像部が撮像した撮像画像に基づいて前記駐車道路の道幅の推定値と前記路上駐車車両の車幅の推定値とを取得し、取得した前記駐車道路の道幅の推定値と前記路上駐車車両の車幅の推定値とに基づいて、前記路上駐車車両から前記駐車道路の道幅方向の端までの幅であって前記路上駐車車両以外の他の車両が前記路上駐車車両の横を通り抜けるための空き幅を推定する道路画像解析ステップと、
前記路上駐車情報通知装置が、前記推定の結果の空き幅に基づいて、前記路上駐車車両以外の他の車両が前記駐車道路を通り抜けることができる通行可能性を判断する他車両通行判定ステップと、
前記路上駐車情報通知装置が、前記通行可能性の判断の結果に基づいた通行困難情報を発信する通行困難通知ステップと、
を含む路上駐車情報通知方法。
【請求項9】
前記路上駐車情報通知装置が、過去に通知された通行困難情報に関する路上駐車車両、駐車道路、曜日又は時間帯を示す情報である通行困難条件ごとに、通行困難が通知されてから解除されるまでの時間の実績を通行困難時間格納部に格納する通行困難時間格納ステップをさらに含み、
前記通行困難通知ステップは、今回の通行困難情報に該当する通行困難条件に関連付けられた前記実績に基づいて、通行困難が解除されるまでの見込み時間を今回の通行困難情報に含めて通知する、
請求項8に記載の路上駐車情報通知方法。
【請求項10】
路上駐車情報通知装置のコンピュータに、
路上駐車している路上駐車車両に搭載された撮像部であって前記路上駐車車両が路上駐車している駐車道路の道幅が推定可能な前記駐車道路の道路部分と前記路上駐車車両の車幅が推定可能な前記路上駐車車両の車体部分とが写るように前記路上駐車車両に設置された撮像部が撮像した撮像画像に基づいて前記駐車道路の道幅の推定値と前記路上駐車車両の車幅の推定値とを取得し、取得した前記駐車道路の道幅の推定値と前記路上駐車車両の車幅の推定値とに基づいて、前記路上駐車車両から前記駐車道路の道幅方向の端までの幅であって前記路上駐車車両以外の他の車両が前記路上駐車車両の横を通り抜けるための空き幅を推定する道路画像解析ステップと、
前記推定の結果の空き幅に基づいて、前記路上駐車車両以外の他の車両が前記駐車道路を通り抜けることができる通行可能性を判断する他車両通行判定ステップと、
前記通行可能性の判断の結果に基づいた通行困難情報を発信する通行困難通知ステップと、
を実行させるためのコンピュータプログラム。
【請求項11】
前記路上駐車情報通知装置のコンピュータに、
過去に通知された通行困難情報に関する路上駐車車両、駐車道路、曜日又は時間帯を示す情報である通行困難条件ごとに、通行困難が通知されてから解除されるまでの時間の実績を通行困難時間格納部に格納する通行困難時間格納ステップをさらに実行させ、
前記通行困難通知ステップは、今回の通行困難情報に該当する通行困難条件に関連付けられた前記実績に基づいて、通行困難が解除されるまでの見込み時間を今回の通行困難情報に含めて通知する、
請求項10に記載のコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、路上駐車情報通知装置、電光表示装置、路上駐車情報通知システム、路上駐車情報通知方法、及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の交通案内技術として例えば特許文献1が知られている。特許文献1に記載される従来技術では、道路を走行している走行車両の撮像部が撮像した当該走行車両の前方の撮像画像を解析して当該走行車両が走行している道路上の路上駐車車両の有無を含む事象情報を取得し、路上駐車車両の有無に基づき当該走行車両が走行すべき当該道路上の車線に関する案内情報を生成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-146461号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上述した従来技術では、道路を走行している走行車両が撮像した当該走行車両の前方の撮像画像に基づいて、当該走行車両が走行している道路上に存在する路上駐車車両が当該走行車両の走行に影響を及ぼすか否かを判断することはできる。しかしながら、走行車両がまだ走行していない道路上、例えば現在の走行地点の先で右折した先の道路に存在する路上駐車車両が当該走行車両の走行に影響を及ぼすか否かを判断することはできない。さらには、その右折した先の道路上を走行している他の車両が存在しない場合には、当該右折した先の道路上が撮像された撮像画像さえも取得することができない。
【0005】
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、その目的は、路上駐車している車両に搭載された撮像部が撮像した撮像画像を利用して当該路上駐車している車両以外の他の車両に交通案内を行うことを図ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明の一態様は、路上駐車している路上駐車車両に搭載された撮像部であって前記路上駐車車両が路上駐車している駐車道路の道幅が推定可能な前記駐車道路の道路部分と前記路上駐車車両の車幅が推定可能な前記路上駐車車両の車体部分とが写るように前記路上駐車車両に設置された撮像部が撮像した撮像画像に基づいて前記駐車道路の道幅の推定値と前記路上駐車車両の車幅の推定値とを取得し、取得した前記駐車道路の道幅の推定値と前記路上駐車車両の車幅の推定値とに基づいて、前記路上駐車車両から前記駐車道路の道幅方向の端までの幅であって前記路上駐車車両以外の他の車両が前記路上駐車車両の横を通り抜けるための空き幅を推定する道路画像解析部と、前記推定の結果の空き幅に基づいて、前記路上駐車車両以外の他の車両が前記駐車道路を通り抜けることができる通行可能性を判断する他車両通行判定部と、前記通行可能性の判断の結果に基づいた通行困難情報を発信する通行困難通知部と、を備える路上駐車情報通知装置である。
(2)本発明の一態様は、過去に通知された通行困難情報に関する路上駐車車両、駐車道路、曜日又は時間帯を示す情報である通行困難条件ごとに、通行困難が通知されてから解除されるまでの時間の実績を格納する通行困難時間格納部をさらに備え、前記通行困難通知部は、今回の通行困難情報に該当する通行困難条件に関連付けられた前記実績に基づいて、通行困難が解除されるまでの見込み時間を今回の通行困難情報に含めて通知する、上記(1)の路上駐車情報通知装置である。
)本発明の一態様は、道路の道幅を含む道路地図情報を格納する地図情報格納部と、車両の車幅及び車長を含む車両情報を格納する車両情報格納部と、をさらに備える上記(1)又は(2)のいずれかの路上駐車情報通知装置である。
)本発明の一態様は、前記道路地図情報に含まれる道路の中から、前記路上駐車車両が駐車している道路に前記路上駐車車両以外の他の車両が流入する道路を影響道路に選択する影響道路特定部をさらに備え、前記通行困難通知部は、前記選択の結果の影響道路を走行する車両に報知される通行困難情報を発信する、上記()の路上駐車情報通知装置である。
(5)本発明の一態様は、前記路上駐車車両に対する適切な路上駐車の位置及び角度を算出する適切路上駐車位置角度算出部と、前記算出の結果の路上駐車の位置及び角度を示す駐車方法情報を前記路上駐車車両に送信する駐車方法情報送信部と、をさらに備える上記(1)から(4)のいずれかの路上駐車情報通知装置である。
【0007】
(6)本発明の一態様は、上記(1)から(5)のいずれかの路上駐車情報通知装置と通信を行う通信部と、前記路上駐車情報通知装置から受信した通行困難情報を表示する電光表示部と、を備える電光表示装置である。
【0008】
(7)本発明の一態様は、上記(1)から(5)のいずれか1項に記載の路上駐車情報通知装置と、前記路上駐車情報通知装置から受信した通行困難情報を表示する電光表示装置と、を備える路上駐車情報通知システムである。
【0009】
(8)本発明の一態様は、路上駐車情報通知装置が、路上駐車している路上駐車車両に搭載された撮像部であって前記路上駐車車両が路上駐車している駐車道路の道幅が推定可能な前記駐車道路の道路部分と前記路上駐車車両の車幅が推定可能な前記路上駐車車両の車体部分とが写るように前記路上駐車車両に設置された撮像部が撮像した撮像画像に基づいて前記駐車道路の道幅の推定値と前記路上駐車車両の車幅の推定値とを取得し、取得した前記駐車道路の道幅の推定値と前記路上駐車車両の車幅の推定値とに基づいて、前記路上駐車車両から前記駐車道路の道幅方向の端までの幅であって前記路上駐車車両以外の他の車両が前記路上駐車車両の横を通り抜けるための空き幅を推定する道路画像解析ステップと、前記路上駐車情報通知装置が、前記推定の結果の空き幅に基づいて、前記路上駐車車両以外の他の車両が前記駐車道路を通り抜けることができる通行可能性を判断する他車両通行判定ステップと、前記路上駐車情報通知装置が、前記通行可能性の判断の結果に基づいた通行困難情報を発信する通行困難通知ステップと、を含む路上駐車情報通知方法である。
(9)本発明の一態様は、前記路上駐車情報通知装置が、過去に通知された通行困難情報に関する路上駐車車両、駐車道路、曜日又は時間帯を示す情報である通行困難条件ごとに、通行困難が通知されてから解除されるまでの時間の実績を通行困難時間格納部に格納する通行困難時間格納ステップをさらに含み、前記通行困難通知ステップは、今回の通行困難情報に該当する通行困難条件に関連付けられた前記実績に基づいて、通行困難が解除されるまでの見込み時間を今回の通行困難情報に含めて通知する、上記(8)の路上駐車情報通知方法である。
【0010】
10)本発明の一態様は、路上駐車情報通知装置のコンピュータに、路上駐車している路上駐車車両に搭載された撮像部であって前記路上駐車車両が路上駐車している駐車道路の道幅が推定可能な前記駐車道路の道路部分と前記路上駐車車両の車幅が推定可能な前記路上駐車車両の車体部分とが写るように前記路上駐車車両に設置された撮像部が撮像した撮像画像に基づいて前記駐車道路の道幅の推定値と前記路上駐車車両の車幅の推定値とを取得し、取得した前記駐車道路の道幅の推定値と前記路上駐車車両の車幅の推定値とに基づいて、前記路上駐車車両から前記駐車道路の道幅方向の端までの幅であって前記路上駐車車両以外の他の車両が前記路上駐車車両の横を通り抜けるための空き幅を推定する道路画像解析ステップと、前記推定の結果の空き幅に基づいて、前記路上駐車車両以外の他の車両が前記駐車道路を通り抜けることができる通行可能性を判断する他車両通行判定ステップと、前記通行可能性の判断の結果に基づいた通行困難情報を発信する通行困難通知ステップと、を実行させるためのコンピュータプログラムである。
(11)本発明の一態様は、前記路上駐車情報通知装置のコンピュータに、過去に通知された通行困難情報に関する路上駐車車両、駐車道路、曜日又は時間帯を示す情報である通行困難条件ごとに、通行困難が通知されてから解除されるまでの時間の実績を通行困難時間格納部に格納する通行困難時間格納ステップをさらに実行させ、前記通行困難通知ステップは、今回の通行困難情報に該当する通行困難条件に関連付けられた前記実績に基づいて、通行困難が解除されるまでの見込み時間を今回の通行困難情報に含めて通知する、上記(10)のコンピュータプログラムである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、路上駐車している車両に搭載された撮像部が撮像した撮像画像を利用して当該路上駐車している車両以外の他の車両に交通案内を行うことができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】第1実施形態に係る路上駐車情報通知システムの構成例を示すブロック図である。
図2】第1実施形態に係る電光表示装置の設置例を示す説明図である。
図3】第1実施形態に係る路上駐車情報通知方法の手順の例を示すフローチャートである。
図4】第2実施形態に係る路上駐車情報通知システムの構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照し、本発明の実施形態について説明する。
【0014】
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係る路上駐車情報通知システムの構成例を示すブロック図である。図1に示される路上駐車通知システムは、車両搭載装置1と、路上駐車情報通知装置2と、電光表示装置3とを備える。車両搭載装置1は、路上駐車している車両(以下、路上駐車車両と称する)に搭載されている。車両搭載装置1と路上駐車情報通知装置2とは、第5世代移動通信システム(5G)やLTE(Long Term Evolution)システム等の無線通信ネットワークを介して通信を行う。路上駐車情報通知装置2は、ラインセンス系LPWA(Low Power Wide Area)通信により、路上駐車に関する交通案内の情報である路上駐車情報を電光表示装置3へ送信する。電光表示装置3は、路上駐車情報通知装置2からラインセンス系LPWA通信により受信した路上駐車情報を電光表示する。
【0015】
[車両搭載装置]
車両搭載装置1は、例えば、路上駐車車両に搭載されるドライブレコーダであってもよい。車両搭載装置1は、例えば、路上駐車車両に乗車する者が携帯するスマートフォンであってもよい。また、車両搭載装置1は、路上駐車車両内に存在する複数の装置、例えばドライブレコーダとスマートフォンとから構成されてもよい。
【0016】
車両搭載装置1は、位置計測部101と、加速度計測部102と、撮像部103と、セルラ通信部104と、適切路上駐車位置・角度表示部105とを備える。
位置計測部101は、例えばGPS(Global Positioning System)等の測位システムを利用して現在位置を示す位置情報を取得する。
加速度計測部102は、路上駐車車両の左右及び前後の傾きを検出する。加速度計測部102の測定値は、例えば、路上駐車車両の駐車状態を判断するために使用される。
【0017】
撮像部103は、路上駐車車両の外部の道路上を撮像するように、所定の撮像方向が設定される。撮像方向は、例えば路上駐車車両の前方である。撮像部103は、例えばドライブレコーダに備えられている。
【0018】
セルラ通信部104は、5GやLTEシステム等の無線通信ネットワークを介して、路上駐車情報通知装置2と通信を行う。
適切路上駐車位置・角度表示部105は、路上駐車情報通知装置2から受信した駐車方法情報を表示する。駐車方法情報は、路上駐車車両に対する適切な路上駐車の位置及び角度を示す情報である。
【0019】
[路上駐車情報通知装置]
路上駐車情報通知装置2は、セルラ通信部201と、道路画像解析部202と、車両情報格納部203と、地図情報格納部204と、他車両通行判定部205と、影響道路特定部206と、通行困難通知部207と、通行困難解除判定部208と、通行困難時間格納部209と、ライセンス系LPWA通信部210と、適切路上駐車位置・角度算出部211とを備える。
【0020】
路上駐車情報通知装置2の各機能は、路上駐車情報通知装置2が備えるCPU(Central Processing Unit:中央演算処理装置)がコンピュータプログラムを実行することにより実現される。なお、路上駐車情報通知装置2として、汎用のコンピュータ装置を使用して構成してもよく、又は、専用のハードウェア装置として構成してもよい。例えば、路上駐車情報通知装置2は、インターネット等の通信ネットワークに接続されるサーバコンピュータを使用して構成されてもよい。また、路上駐車情報通知装置2の各機能はクラウドコンピューティングにより実現されてもよい。
【0021】
セルラ通信部201は、5GやLTEシステム等の無線通信ネットワークを介して、車両搭載装置1と通信を行う。
【0022】
道路画像解析部202は、セルラ通信部201が車両搭載装置1から受信した撮像画像に対して画像解析処理を実行する。道路画像解析部202は、路上駐車車両に搭載された撮像部103が道路上を撮像した撮像画像(以下、道路撮像画像と称する)に対して画像解析処理を実行する。道路撮像画像には、路上駐車車両が駐車している道路(以下、駐車道路と称する)が写っている。
【0023】
道路画像解析部202は、道路撮像画像に基づいて、路上駐車車両以外の他の車両が駐車道路を通り抜けるための道幅がどの程度残っているのかを示す空き幅を推定する。この空き幅の推定では、道路画像解析部202は、道路撮像画像に対する画像解析により路上駐車車両(道路撮像画像の撮像位置)から駐車道路の道幅方向の端までの距離を推定し、当該距離の推定値に基づいて空き幅を推定する。
【0024】
なお、道路画像解析部202は、路上駐車車両に搭載された複数の撮像部103(例えば、ドライブレコーダの撮像部とスマートフォンの撮像部)がそれぞれ撮像した複数の道路撮像画像を使用して空き幅の推定を行ってもよい。また、路上駐車車両の外部に存在する撮像部が駐車道路及び路上駐車車両を撮像した撮像画像を取得することができる場合には、道路画像解析部202は、当該撮像画像をさらに追加して空き幅の推定を行ってもよい。路上駐車車両の外部に存在する撮像部は、例えば、路上駐車車両の外部に存在するスマートフォンの撮像部や監視カメラなどである。
【0025】
車両情報格納部203は、車両の車幅及び車長を含む車両情報を格納する。なお、車両情報は、駐車道路の駐車許可証や通行許可証が交付された車両を対象にした情報であってもよい。また、車両情報は、駐車道路の駐車許可証や通行許可証を含むものであってもよい。
地図情報格納部204は、道路の道幅を含む道路地図情報を格納する。
【0026】
他車両通行判定部205は、道路画像解析部202が推定した空き幅の推定値に基づいて、路上駐車車両以外の他の車両が駐車道路を通り抜けることができる通行可能性を判断する。他車両通行判定部205は、例えば、閾値と空き幅の推定値との比較結果に基づいて、「通行可能性:大きい」や「通行可能性:大型車は小さい」や「通行可能性:なし」などを判断してもよい。
【0027】
通行可能性の判断において、他車両通行判定部205は、車両情報格納部203内の車両情報や地図情報格納部204内の道路地図情報を利用してもよい。他車両通行判定部205は、車両情報から路上駐車車両以外の他の車両の車幅及び車長を取得して通行可能性の判断の閾値に利用してもよい。他車両通行判定部205は、道路地図情報から駐車道路の道幅を取得して通行可能性の判断の閾値に利用してもよい。
なお、路上駐車車両に搭載された撮像部103が道路上を撮像した撮像画像(道路撮像画像)に、駐車道路の道幅が推定可能な当該駐車道路の道路部分と、当該路上駐車車両の車両サイズ(車幅や車長)が推定可能な当該路上駐車車両の車体部分とが写っている場合には、道路画像解析部202による当該道路撮像画像に対する画像解析処理により、駐車道路の道幅の推定値と路上駐車車両の車両サイズの推定値とが得られる。この駐車道路の道幅の推定値と路上駐車車両の車両サイズの推定値とが、例えば通行可能性の判断等に使用されてもよい。この場合、路上駐車車両に搭載された撮像部103(例えばドライブレコーダ)は、駐車道路の道幅が推定可能な当該駐車道路の道路部分と、当該路上駐車車両の車両サイズ(車幅や車長)が推定可能な当該路上駐車車両の車体部分とが写るように、路上駐車車両において設置される。
【0028】
他車両通行判定部205は、車両情報格納部203内の車両情報に含まれる駐車許可証を路上駐車車両の認証に利用し、本実施形態の処理の対象にする車両を、駐車許可証を保持している車両に限定してもよい。
【0029】
また、通行可能性の判断において、他車両通行判定部205は、路上駐車車両の位置を示す位置情報や路上駐車車両の左右及び前後の傾きを示す駐車状態情報を利用してもよい。路上駐車車両の位置情報及び駐車状態情報は、車両搭載装置1から路上駐車情報通知装置2へ送信される。路上駐車車両の位置情報は、位置計測部101により取得される。路上駐車車両の駐車状態情報は、加速度計測部102により取得される。他車両通行判定部205は、路上駐車車両の位置情報に基づいて、路上駐車車両が駐車道路のどの位置(駐車位置)で駐車しているのかを判断し、この判断結果を通行可能性の判断に利用してもよい。例えば、駐車位置が駐車道路のカーブや急勾配の場所である場合、路上駐車車両が存在すると通り抜けることが難しくなるので、通行可能性が小さいと判断してもよい。他車両通行判定部205は、路上駐車車両の駐車状態情報に基づいて、路上駐車車両が駐車道路の路肩に対してどのような角度(駐車角度)で駐車しているのかを判断し、この判断結果を通行可能性の判断に利用してもよい。例えば、駐車角度が大きい場合、路上駐車車両が通り抜けの大きな妨げになり易いので、通行可能性が小さいと判断してもよい。
【0030】
影響道路特定部206は、地図情報格納部204内の道路地図情報に含まれる道路の中から、駐車道路に路上駐車車両以外の他の車両が流入する道路を影響道路に選択する。
【0031】
通行困難通知部207は、他車両通行判定部205による通行可能性の判断の結果に基づいた通行困難情報を発信する。さらには、通行困難通知部207は、影響道路特定部206が選択した結果の影響道路を走行する車両に報知される通行困難情報を発信する。通行困難情報は、駐車道路を通行する際の交通案内の情報であって、例えば、路上駐車車両が存在することや通行可能性などを示す情報である。通行困難情報として、例えば、「路上駐車車両あり」や「大型車は通行禁止」や「軽自動車のみ通行可能」や「通行禁止」などのメッセージが挙げられる。
【0032】
通行困難時間格納部209は、通行困難条件ごとに、通行困難が通知されてから解除されるまでの時間の実績を格納する。通行困難条件は、路上駐車車両や駐車道路や曜日や時間帯などである。
【0033】
通行困難通知部207は、通行困難時間格納部209に格納されている実績に基づいて、通行困難が解除されるまでの見込み時間を通行困難情報に含めて通知してもよい。例えば、「通行困難の解除見込み:〇分後」などのメッセージを通行困難情報に含めてもよい。なお、通行困難が解除されるまでの見込み時間は、運転者等の路上駐車車両の運用者が車両搭載装置1により路上駐車情報通知装置2へ設定してもよい。
【0034】
通行困難解除判定部208は、セルラ通信部201が車両搭載装置1から受信した路上駐車車両の位置情報に基づいて、路上駐車車両が発車したか否かを判断する。通行困難解除判定部208は、路上駐車車両が発車したと判断した場合、駐車道路の通行困難が解除された旨を通行困難通知部207へ通知する。通行困難通知部207は、通行困難解除判定部208から駐車道路の通行困難が解除された旨の通知を受信した場合、通行困難情報を解除する通行困難解除情報を発信する。
【0035】
ライセンス系LPWA通信部210は、通行困難通知部207が発信する通行困難情報や通行困難解除情報などの路上駐車情報を、ラインセンス系LPWA通信により電光表示装置3へ送信する。電光表示装置3は、路上駐車情報通知装置2からラインセンス系LPWA通信により受信した路上駐車情報を電光表示する。
【0036】
なお、LPWA通信は、低消費電力で長距離通信を実現する低電力広域の無線通信であり、主にモノのインターネット(IoT:Internet Of Things)で活用されている。LPWAは大きく、ライセンス系LPWAとアンライセンス系LPWAとに分類される。ライセンス系LPWAは、無線局免許が必要であるLTE周波数帯を利用する。アンライセンス系LPWAは、無線局免許が不要である920MHz帯などの特定小電力無線局に割り当てられている周波数帯を利用する。ライセンス系LPWAの無線通信規格としては、例えばLTE-MやNB-IoTなどが知られている。アンライセンス系LPWAの無線通信規格としては、例えばLoRaWAN、Sigfox、ZETA、Weightless、EnOceanなどが知られている。
【0037】
図1に示す実施形態では、路上駐車情報通知装置2と電光表示装置3との間でライセンス系LPWAを利用するが、これに限定されない。例えば、電光表示装置3が有線の通信ネットワークに接続される場合、路上駐車情報通知装置2がライセンス系LPWA通信部210の代わりに有線ネットワーク通信部を備え、有線ネットワーク通信部が有線の通信ネットワークを介して路上駐車情報を電光表示装置3へ送信するようにしてもよい。
【0038】
適切路上駐車位置・角度算出部211は、所定の適切な駐車方法に基づいて、路上駐車車両に対する適切な路上駐車の位置及び角度を算出する。適切路上駐車位置・角度算出部211は、路上駐車車両の位置情報や駐車状態情報や道路撮像画像に基づいて、所定の適切な駐車方法に基づいた路上駐車車両に対する適切な路上駐車の位置及び角度を算出する。セルラ通信部201(駐車方法情報送信部)は、適切路上駐車位置・角度算出部211が算出した結果の路上駐車の位置及び角度を示す駐車方法情報を車両搭載装置1へ送信する。駐車方法情報は、路上駐車車両に対する適切な路上駐車の位置及び角度を示す情報である。
【0039】
車両搭載装置1の適切路上駐車位置・角度表示部105は、路上駐車情報通知装置2から受信した駐車方法情報を表示する。適切路上駐車位置・角度表示部105は、例えば、路上駐車車両に搭載されるドライブレコーダやカーナビゲーションシステム等の表示画面上に駐車方法情報を表示する。さらには、適切路上駐車位置・角度表示部105は、駐車方法情報に示される路上駐車の位置及び角度を、AR(Augmented Reality)技術により、ドライブレコーダ等の撮像部103の撮像画像を表示する表示画面上に重畳して表示してもよい。これにより、路上駐車車両の駐車方法が改善されて駐車道路の通行の円滑化が期待できる。
【0040】
なお、路上駐車車両が例えば介護車両等の特殊な用途に利用される車両であって、例えば乗降時に一定のスペースが必要であるために車両を道路の路肩まできっちりと幅寄せすることができない等の駐車方法に制限がある場合、路上駐車車両の運用者が駐車方法の制限を示す駐車方法制限情報を予め路上駐車情報通知装置2へ設定してもよい。適切路上駐車位置・角度算出部211は、路上駐車車両に対する適切な路上駐車の位置及び角度を算出する際に、駐車方法制限情報を反映させる。
【0041】
また、適切路上駐車位置・角度算出部211は、他車両通行判定部205による通行可能性の判断結果が、路上駐車車両以外の他の車両が駐車道路を通り抜けることに支障がある場合にのみ、駐車方法情報を路上駐車車両へ通知するようにしてもよい。
【0042】
[電光表示装置]
電光表示装置3は、ライセンス系LPWA通信部301と、電光表示部302とを備える。ライセンス系LPWA通信部301は、路上駐車情報通知装置2と通信を行う。ライセンス系LPWA通信部301は、路上駐車情報通知装置2のライセンス系LPWA通信部210からラインセンス系LPWA通信により通行困難情報や通行困難解除情報などの路上駐車情報を受信する。
【0043】
電光表示部302は、ライセンス系LPWA通信部301が路上駐車情報通知装置2から受信した通行困難情報を電光表示する。これにより、駐車道路において路上駐車車両が存在することや駐車道路における通行可能性や通行困難が解除されるまでの見込み時間などの情報が電光表示により報知される。
【0044】
電光表示部302は、ライセンス系LPWA通信部301が路上駐車情報通知装置2から通行困難解除情報を受信した場合、通行困難情報の電光表示を停止する。
【0045】
図2は、本実施形態に係る電光表示装置の設置例を示す説明図である。図2の例では、電光表示装置3は、電柱Qの上方に設置されている。なお、電光表示装置3は、電柱やカーブミラー等、走行している車両から運転に支障なく見ることができる場所に設置されることが好ましい。
【0046】
図2において、路上駐車車両Vaは駐車道路Raに路上駐車している。図2の例では、路上駐車車両Vaは、介護車両であって、要介護者の乗降のために一時的に駐車道路Raに路上駐車している。このため、路上駐車車両Va以外の他の車両が駐車道路Raを通り抜けることが困難である。影響道路Rbは、路上駐車車両Va以外の他の車両Vbが交差点Pで右折により流入する道路である。
【0047】
図2に示されるように、電光表示装置3は、交差点Pの手前に在る電柱Qの上方に設置されている。このため、交差点Pに向かって影響道路Rbを走行している車両Vbの運転者は、交差点Pの手前で、電光表示装置3で電光表示された通行困難情報を視認して駐車道路Raが路上駐車車両Vaにより通行困難である等の交通案内を認識することができる。これにより、車両Vbが路上駐車車両Vaの存在を知らずに交差点Pで右折して駐車道路Raに流入することにより、路上駐車車両Vaの手前で交通渋滞が発生する等の事態を未然に防止することができる。
【0048】
次に図3を参照して本実施形態に係る路上駐車情報通知方法を説明する。図3は、本実施形態に係る路上駐車情報通知方法の手順の例を示すフローチャートである。
【0049】
(ステップS1) 路上駐車情報通知装置2は、路上駐車車両から道路撮像画像を受信する。
【0050】
(ステップS2) 路上駐車情報通知装置2は、路上駐車車両から受信した道路撮像画像に基づいて、路上駐車車両以外の他の車両が駐車道路を通り抜けるための道幅がどの程度残っているのかを示す空き幅を推定する。
【0051】
(ステップS3) 路上駐車情報通知装置2は、ステップS2で推定した空き幅の推定値に基づいて、路上駐車車両以外の他の車両が駐車道路を通り抜けることができる通行可能性を判断する。
【0052】
(ステップS4) 路上駐車情報通知装置2は、地図情報格納部204内の道路地図情報に含まれる道路の中から、駐車道路に路上駐車車両以外の他の車両が流入する道路を影響道路に選択する。
【0053】
(ステップS5) 路上駐車情報通知装置2は、ステップS3による通行可能性の判断の結果に基づいた通行困難情報を発信する。さらには、路上駐車情報通知装置2は、ステップS4で選択した結果の影響道路を走行する車両に報知される通行困難情報を発信する。
【0054】
上述したように本実施形態によれば、路上駐車車両に搭載された撮像部が撮像した撮像画像を利用して当該路上駐車車両以外の他の車両に交通案内を行うことができる。
【0055】
また、本実施形態では、電柱やカーブミラー等に設置された電光表示装置3により駐車道路における通行困難を電光表示することにより、通信機器を搭載していない車両に対しても、駐車道路の通行が困難になっていることを通知することができる。
【0056】
なお、本実施形態では、電光表示装置3により通行困難情報を電光表示したが、これに限定されない。例えば、路上駐車情報通知装置2が各車両のカーナビゲーションシステムへ通行困難情報を送信し、各車両においてカーナビゲーションシステムにより通行困難情報が画面表示されたり音声再生されたりしてもよい。
【0057】
[第2実施形態]
図4は、第2実施形態に係る路上駐車情報通知システムの構成例を示すブロック図である。図4において図1の各部に対応する部分には同一の符号を付け、その説明を省略する。図4に示される路上駐車通知システムは、車両搭載装置1aと、路上駐車情報通知装置2aと、電光表示装置3aとを備える。車両搭載装置1aは、図1の車両搭載装置1と同様に、路上駐車車両に搭載されている。
【0058】
車両搭載装置1aは、図1の車両搭載装置1に対してさらに通行困難通知部106とアンライセンス系LPWA通信部107とを備える。通行困難通知部106は、路上駐車情報通知装置2からセルラ通信部104を介して、通行困難通知部207が発信する通行困難情報や通行困難解除情報などの路上駐車情報を受信する。通行困難通知部106は、当該受信した通行困難情報や通行困難解除情報などの路上駐車情報をアンライセンス系LPWA通信部107へ送信する。
【0059】
アンライセンス系LPWA通信部107は、通行困難通知部106から受信した通行困難情報や通行困難解除情報などの路上駐車情報を電光表示装置3aへ送信する。
【0060】
路上駐車情報通知装置2aは、図1の路上駐車情報通知装置2に対してライセンス系LPWA通信部210が不要となる。路上駐車情報通知装置2aでは、通行困難通知部207が発信する通行困難情報や通行困難解除情報などの路上駐車情報は、セルラ通信部201を介して車両搭載装置1aへ送信される。
【0061】
電光表示装置3aは、図1の電光表示装置3に対して、ライセンス系LPWA通信部301の代わりにアンライセンス系LPWA通信部303を備える。アンライセンス系LPWA通信部303は、車両搭載装置1aと通信を行う。アンライセンス系LPWA通信部303は、車両搭載装置1aのアンライセンス系LPWA通信部107からアンライセンス系LPWA通信により通行困難情報や通行困難解除情報などの路上駐車情報を受信する。電光表示部302は、アンライセンス系LPWA通信部303が車両搭載装置1aから受信した通行困難情報を電光表示する。電光表示部302は、アンライセンス系LPWA通信部303が車両搭載装置1aから通行困難解除情報を受信した場合、通行困難情報の電光表示を停止する。
【0062】
上述したように、第1実施形態では、ライセンス系LPWA通信を用いて路上駐車情報通知装置2から電光表示装置3に通行困難の通知を行うことに対し、第2実施形態では、路上駐車情報通知装置2aからセルラ通信により路上駐車車両に一旦通行困難の通知を行ってから、さらにアンライセンス系LPWA通信により路上駐車車両から電光表示装置3aへ通行困難の通知を行う。
【0063】
第2実施形態によっても、上述した第1実施形態と同様に、路上駐車車両に搭載された撮像部が撮像した撮像画像を利用して当該路上駐車車両以外の他の車両に交通案内を行うことができる。また、電柱やカーブミラー等に設置された電光表示装置3により駐車道路における通行困難を電光表示することにより、通信機器を搭載していない車両に対しても、駐車道路の通行が困難になっていることを通知することができる。
【0064】
また、上述した各実施形態によれば以下に示す効果が得られる。
介護施設の車両による送迎や車両による訪問介護に使用される介護車両が、車両同士のすれ違いが困難な道幅が狭い道路に路上駐車することにより、交通渋滞を引き起こすことが発生し得る。介護車両等の公共性が高い車両は、駐車禁止除外や駐車許可の申請手続きを行うことにより、駐車許可証の交付を受けることができる。現状の駐車許可証は、交通を著しく阻害する場所でないこと、交通を著しく阻害する時間帯でないこと、といった許可条件が設けられているが、今後、高齢化社会の進展に伴い、介護車両に対する路上駐車の許可条件が緩和される可能性が想定される。すると、介護車両の路上駐車により交通渋滞が発生する問題が拡大することが懸念される。上述した各実施形態によれば、そのような介護車両の路上駐車による交通渋滞の発生を抑制させる効果が得らえる。このことは、介護サービスのより一層の充実に貢献するという格別な効果を奏する。
【0065】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【0066】
また、上述した各装置の機能を実現するためのコンピュータプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行するようにしてもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものであってもよい。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、フラッシュメモリ等の書き込み可能な不揮発性メモリ、DVD(Digital Versatile Disc)等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。
【0067】
さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory))のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【符号の説明】
【0068】
1,1a…車両搭載装置、2,2a…路上駐車情報通知装置、3,3a…電光表示装置、101…位置計測部、102…加速度計測部、103…撮像部、104…セルラ通信部、105…適切路上駐車位置・角度表示部、106…通行困難通知部、107…アンライセンス系LPWA通信部、201…セルラ通信部、202…道路画像解析部、203…車両情報格納部、204…地図情報格納部、205…他車両通行判定部、206…影響道路特定部、207…通行困難通知部、208…通行困難解除判定部、209…通行困難時間格納部、210…ライセンス系LPWA通信部、211…適切路上駐車位置・角度算出部、301…ライセンス系LPWA通信部、302…電光表示部、303…アンライセンス系LPWA通信部
図1
図2
図3
図4