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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-16
(45)【発行日】2023-05-24
(54)【発明の名称】空冷冷蔵庫
(51)【国際特許分類】
   F25D 21/14 20060101AFI20230517BHJP
   F25D 17/08 20060101ALI20230517BHJP
   F25D 11/02 20060101ALI20230517BHJP
【FI】
F25D21/14 Z
F25D17/08 306
F25D11/02 D
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020573492
(86)(22)【出願日】2018-12-14
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-11-11
(86)【国際出願番号】 CN2018121314
(87)【国際公開番号】W WO2020000929
(87)【国際公開日】2020-01-02
【審査請求日】2021-02-22
(31)【優先権主張番号】201810680804.9
(32)【優先日】2018-06-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】520514414
【氏名又は名称】海尓智家股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】HAIER SMART HOME CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】Haier Industrial Park No.1 Haier Road, Laoshan District Qingdao, Shandong 266101 China
(73)【特許権者】
【識別番号】520514425
【氏名又は名称】青島海尓電冰箱有限公司
【氏名又は名称原語表記】QINGDAO HAIER REFRIGERATOR CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】Haier Industrial Park No.1 Haier Road, Laoshan District Qingdao, Shandong 266101 China
(74)【代理人】
【識別番号】100124811
【弁理士】
【氏名又は名称】馬場 資博
(74)【代理人】
【識別番号】100187724
【弁理士】
【氏名又は名称】唐鎌 睦
(72)【発明者】
【氏名】程 学麗
(72)【発明者】
【氏名】費 斌
(72)【発明者】
【氏名】李 登強
(72)【発明者】
【氏名】李 春陽
(72)【発明者】
【氏名】姫 立勝
(72)【発明者】
【氏名】朱 小兵
【審査官】関口 勇
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第106196832(CN,A)
【文献】中国実用新案第206300403(CN,U)
【文献】特開2002-161895(JP,A)
【文献】実開昭49-063569(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25D 21/14
F25D 17/08
F25D 11/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に冷却室、少なくとも1つの貯蔵室、及び前記冷却室と少なくとも1つの前記貯蔵室とを連通する空気ダクトアセンブリを有する箱体を備える空冷冷蔵庫であって、
前記空気ダクトアセンブリは、吸気口が後方に向いている収容キャビティを有し、前記収容キャビティの周壁には複数の送風連通孔が設けられ、前記冷却室内の気体は、複数の前記送風連通孔を介して少なくとも1つの前記貯蔵室に入り、
前記空冷冷蔵庫は、ダンパー遮蔽装置をさらに備え、前記ダンパー遮蔽装置は、複数の遮風板を有する遮蔽部材を備え、前記遮蔽部材は、複数の前記遮風板が全ての前記送風連通孔を完全に遮蔽する遮蔽位置を有し、前記空冷冷蔵庫の除霜時に前記冷却室内の気体が複数の前記送風連通孔を介して少なくとも1つの前記貯蔵室に入るのを阻止するように、前記収容キャビティに回動可能に配置され、
前記収容キャビティの側壁の底部に、後方及び下方に向かって斜めに配置された水案内溝を有し、前記空気ダクトアセンブリは、前記空気ダクトアセンブリの後側と前記水案内溝の後端とを連通する水出口孔を有することで、前記収容キャビティ内の水が前記水案内溝及び前記水出口孔を介して前記空気ダクトアセンブリから流出するようにし、
前記ダンパー遮蔽装置は、
ベースと、モーターと、駆動歯車と、従動歯車と、を備え、
前記遮蔽部材は、前記ベースに回動可能に取り付けられたターンテーブル部をさらに有し、複数の前記遮風板は、前記ターンテーブル部から後側に延在すると共に、前記ターンテーブル部の円周方向に沿って間隔をおいて配置され、
前記モーターは、前記遮蔽部材の半径方向の外側に配置され、前記ベースに取り付けられ、
前記駆動歯車は、前記モーターの出力軸に取り付けられ、
前記従動歯車は、前記ターンテーブル部に取り付けられるか、又は前記ターンテーブル部と一体成形され、前記駆動歯車と噛み合い、
前記ターンテーブル部は、回転リングであり、前記従動歯車は、リングギヤであり、前記ターンテーブル部の前記遮風板とは反対側に配置され、
前記ベースは、ベースプレート、底部カバー、及び前記ベースプレートの一方の側から延在する第1位置バッフルを備え、
前記ターンテーブル部は、前記第1位置バッフルの半径方向の外側に取り付けられ、各前記遮風板は、前記ベースプレートの他方の側に突出しており、
前記底部カバーは、前記ベースプレートの前記一方の側に覆設され、少なくとも前記ターンテーブル部の前記遮風板とは反対側を覆い、前記底部カバーの内側には、第2位置バッフル及び第3位置バッフルが配置され、前記リングギヤは、前記第2位置バッフルの半径方向の外側に配置されると共に、前記第3位置バッフルの半径方向の内側に配置され、
前記第2位置バッフルは、切欠きを有し、
前記ターンテーブル部の前記遮風板とは反対側には、前記切欠き内に配置されて前記ターンテーブル部の回動範囲を制限する凸ブロックがさらに設けられ、
前記ターンテーブル部の前記ベースプレートに面する側には、環状リブが設けられ、
前記ベースプレートの縁部の前記ターンテーブル部に面する側は傾斜面であり、
前記ベースは、モーター取付部と、クロスオーバープレートとをさらに備え、
前記クロスオーバープレートは、
前記ベースプレートの縁部から前記ベースプレートから離れる方向に延在する第1位置譲り板と、
前記第1位置譲り板と平行に配置され、前記遮風板の半径方向の外側に位置する第2位置譲り板と、
前記第1位置譲り板と前記第2位置譲り板とを連結し、前記第1位置譲り板と前記第2位置譲り板との間に一つ又は複数の前記遮風板を進入可能にする連結板と、を備え、
前記モーター取付部は、前記第2位置譲り板の前記第1位置譲り板とは反対側に配置され、前記モーターは、前記モーター取付部に取り付けられ、前記底部カバーは、前記モーター取付部にも覆設される、
ことを特徴とする空冷冷蔵庫。
【請求項2】
前記空気ダクトアセンブリは、第1空気ダクト部を含み、前記収容キャビティは前記第1空気ダクト部の上部に配置され、前記第1空気ダクト部の後面の中央部及び/又は下部は前方に窪んでおり、前記第1空気ダクト部の後側は前記冷却室であり、前記第1空気ダクト部の前側は、一つ又は複数の前記貯蔵室であることを特徴とする請求項1に記載の空冷冷蔵庫。
【請求項3】
前記ダンパー遮蔽装置は、前記収容キャビティ内に取り付けられ、前記吸気口から空気流を吸い込み、空気流をその円周方向及び/又は半径方向から各前記送風連通孔に入れるように配置された遠心風ホイールを備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の空冷冷蔵庫。
【請求項4】
前記遠心風ホイールは、前記ベースに取り付けられる、ことを特徴とする請求項3に記載の空冷冷蔵庫。
【請求項5】
前記遠心風ホイールは、前記ベースプレートの他方の側に取り付けられる、ことを特徴とする請求項3に記載の空冷冷蔵庫。
【請求項6】
前記第1空気ダクト部は、後部カバープレート、中間プレート、及び前部カバープレートを含み、
前記後部カバープレートは、バックプレート及び前記バックプレートから延在するキャビティ画定プレートを有し、前記バックプレートの上部には前記吸気口が開設され、前記キャビティ画定プレートにより、前記収容キャビティ、複数の前記送風連通孔、及び複数の前記送風連通孔とそれぞれ連通する送風空気ダクトが画定され、前記送風空気ダクトは、少なくとも1つの第1送風空気ダクトを含み、
前記中間プレートは、前記バックプレートの前側に配置され、前記キャビティ画定プレートに接触して当接され、
前記前部カバープレートは、前記後部カバープレートに覆設され、前記前部カバープレートは、前記中間プレートの前側に位置するフロントプレート及び前記フロントプレート上に形成された複数の送風構造を有し、
前記中間プレートは、各前記第1送風空気ダクトがそれを介して一つ又は複数の前記送風構造と連通するように配置されていることを特徴とする請求項2に記載の空冷冷蔵庫。
【請求項7】
前記空気ダクトアセンブリは、前記第1空気ダクト部の上側に位置する第2空気ダクト部を含み、前記第2空気ダクト部の前側は、一つ又は複数の前記貯蔵室であり、
前記送風空気ダクトは、第2送風空気ダクトをさらに含み、前記第1空気ダクト部の上面には、前記第2送風空気ダクトと前記第2空気ダクト部とを連通する連通空気ポートが配置されていることを特徴とする請求項6に記載の空冷冷蔵庫。
【請求項8】
前記送風連通孔は、時計回り方向に順に配置された第1連通孔、第2連通孔、第3連通孔、及び第4連通孔の4つを含み、前記第1連通孔は前記収容キャビティの右上側に配置され、前記第2連通孔は前記収容キャビティの右下側に配置され、前記第3連通孔と前記第4連通孔とは、互いに接して前記収容キャビティの左側に配置され、
前記第2送風空気ダクトは、前記第1連通孔から後方及び上方に向かって前記連通空気ポートまで延在し、
第1送風空気ダクトは、送風空気ダクトA、送風空気ダクトB、及び送風空気ダクトCの3つあり、
前記送風空気ダクトAは、前記第2連通孔に接続される総空気ダクト、前記総空気ダクトの末端から上方に延在する上部分岐部、及び前記総空気ダクトの末端から下方に延在する下部分岐部を有し、
前記送風空気ダクトBは、前記第3連通孔から下方に延在し、
前記送風空気ダクトCは、前記第4連通孔から上方に延在し、
前記遮風板は、時計回り方向に順に配置された第1遮風板、第2遮風板、及び第3遮風板の3つを含み、前記第1遮風板は、前記第1連通孔を完全に遮蔽するように配置され、前記第2遮風板は、前記第2連通孔を完全に遮蔽するように配置され、前記第3遮風板は、前記第3連通孔及び前記第4連通孔を完全に遮蔽するように配置されていることを特徴とする請求項7に記載の空冷冷蔵庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷凍及び冷蔵の技術分野に関し、特に、空冷冷蔵庫に関する。
【背景技術】
【0002】
空冷冷蔵庫は、食品の鮮度を保ち、食品の保存期間を延ばし、食品の安全性を向上させることができる不可欠な家電用品である。しかし、現在市販されている空冷冷蔵庫は、除霜時に、電熱線の温度が上昇するにつれて、熱風が空気ダクト口から冷凍室に直接対流し、食べ物の表面温度が上昇して食べ物の変質が加速する。同時に、冷凍室の温度が上昇し、次回の冷凍時間が長くなり、消費を電力する。熱風が貯蔵室に直接入り込まないようにするために、通常、冷却室の排気口にある軸流ファンに昇降式遮蔽カバーを配置し、除霜及び遮蔽する必要がある場合、カバーをファン及び冷却室の排気口を垂直に覆い、送風する場合、カバーを垂直に開けて軸流ファンの冷却室を排気口を露出させる。このような設計の問題点は占有スペースが大きすぎて、カバーが凍結して失効しやすいことである。具体的に、従来のファンの遮蔽技術は、体積が大きく、除霜時にファン上の除霜水が可動部材と固定部材の隙間に流れ込みやすく、排出されにくく、凍結しやすい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、従来の空冷冷蔵庫の少なくとも1つの欠点を克服し、構造がコンパクトで、空気ダクト開閉装置の排水が便利で、凍結現象のない新規な空冷冷蔵庫を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
具体的に、本発明は、内部に冷却室、少なくとも1つの貯蔵室、及び前記冷却室と少なくとも1つの前記貯蔵室とを連通する空気ダクトアセンブリを有する箱体を備える空冷冷蔵庫を提供する。特に、前記空気ダクトアセンブリは、吸気口が後方に向いている収容キャビティを有し、前記収容キャビティの周壁には複数の送風連通孔が設けられ、前記冷却室内の気体は、複数の前記送風連通孔を介して少なくとも1つの前記貯蔵室に入り、
前記空冷冷蔵庫は、ダンパー遮蔽装置をさらに備え、前記ダンパー遮蔽装置は、複数の遮風板を有する遮蔽部材を備え、前記遮蔽部材は、複数の前記遮風板が全ての前記送風連通孔を完全に遮蔽する遮蔽位置を有し、前記空冷冷蔵庫の除霜時に前記冷却室内の気体が複数の前記送風連通孔を介して少なくとも1つの前記貯蔵室に入るのを阻止するように、前記収容キャビティに回動可能に配置され、
前記収容キャビティの側壁の底部に、後方及び下方に向かって斜めに配置された水案内溝を有し、前記空気ダクトアセンブリは、前記空気ダクトアセンブリの後側と前記水案内溝の後端とを連通する水出口孔を有することで、前記収容キャビティ内の水が前記水案内溝及び前記水出口孔を介して前記空気ダクトアセンブリから流出するようにする。
【0005】
好ましくは、前記空気ダクトアセンブリは、第1空気ダクト部を含み、
前記収容キャビティは前記第1空気ダクト部の上部に配置され、
前記第1空気ダクト部の後面の中央部及び/又は下部は前方に窪んでおり、前記第1空気ダクト部の後側は前記冷却室であり、前記第1空気ダクト部の前側は、一つ又は複数の前記貯蔵室である。
【0006】
好ましくは、前記ダンパー遮蔽装置は、前記収容キャビティ内に取り付けられ、前記吸気口から空気流を吸い込み、空気流をその円周方向及び/又は半径方向から各前記送風連通孔に入れるように配置された遠心風ホイールをさらに備える。
【0007】
好ましくは、前記ダンパー遮蔽装置は、ベースと、モーターと、駆動歯車と、従動歯車と、をさらに備え、前記遮蔽部材は、前記ベースに回動可能に取り付けられたターンテーブル部をさらに有し、複数の前記遮風板は、前記ターンテーブル部から後側に延在すると共に、前記ターンテーブル部の円周方向に沿って間隔をおいて配置され、前記遠心風ホイールは、前記ベースに取り付けられ、
前記モーターは、前記遮蔽部材の半径方向の外側に配置され、前記ベースに取り付けられ、
前記駆動歯車は、前記モーターの出力軸に取り付けられ、
前記従動歯車は、前記ターンテーブル部に取り付けられるか、又は前記ターンテーブル部と一体成形され、前記駆動歯車と噛み合う。
【0008】
好ましくは、前記ターンテーブル部は、回転リングであり、前記従動歯車は、リングギヤであり、前記ターンテーブル部の前記遮風板とは反対側に配置され、
前記ベースは、ベースプレート、底部カバー、及び前記ベースプレートの一方の側から延在する第1位置バッフルを備え、前記遠心風ホイールは、前記ベースプレートの他方の側に取り付けられ、
前記ターンテーブル部は、前記第1位置バッフルの半径方向の外側に取り付けられ、各前記遮風板は、前記ベースプレートの前記他方の側に突出しており、
前記底部カバーは、前記ベースプレートの前記一方の側に覆設され、少なくとも前記ターンテーブル部の前記遮風板とは反対側を覆い、前記底部カバーの内側には、第2位置バッフル及び第3位置バッフルが配置され、前記リングギヤは、前記第2位置バッフルの半径方向の外側に配置されると共に、前記第3位置バッフルの半径方向の内側に配置される。
【0009】
好ましくは、前記第2位置バッフルは、切欠きを有し、
前記ターンテーブル部の前記遮風板とは反対側には、前記切欠き内に配置されて前記ターンテーブル部の回動範囲を制限する凸ブロックがさらに設けられ、
前記ターンテーブル部の前記ベースプレートに面する側には、環状リブが設けられ、
前記ベースプレートの縁部の前記ターンテーブル部に面する側は傾斜面である。
【0010】
好ましくは、前記ベースは、モーター取付部と、クロスオーバープレートとをさらに備え、
前記クロスオーバープレートは、
前記ベースプレートの縁部から前記ベースプレートから離れる方向に延在する第1位置譲り板と、
前記第1位置譲り板と平行に配置され、前記遮風板の半径方向の外側に位置する第2位置譲り板と、
前記第1位置譲り板と前記第2位置譲り板とを連結し、前記第1位置譲り板と前記第2位置譲り板との間に一つ又は複数の前記遮風板を進入可能にする連結板と、を備え、
前記モーター取付部は、前記第2位置譲り板の前記第1位置譲り板とは反対側に配置され、前記モーターは、前記モーター取付部に取り付けられ、前記底部カバーは、前記モーター取付部にも覆設される。
【0011】
好ましくは、前記第1空気ダクト部は、後部カバープレート、中間プレート、及び前部カバープレートを含み、
前記後部カバープレートは、バックプレート及び前記バックプレートから延在するキャビティ画定プレートを有し、前記バックプレートの上部には前記吸気口が開設され、前記キャビティ画定プレートにより、前記収容キャビティ、複数の前記送風連通孔、及び複数の前記送風連通孔とそれぞれ連通する送風空気ダクトが画定され、前記送風空気ダクトは、少なくとも1つの第1送風空気ダクトを含み、
前記中間プレートは、前記バックプレートの前側に配置され、前記キャビティ画定プレートに接触して当接され、
前記前部カバープレートは、前記後部カバープレートに覆設され、前記前部カバープレートは、前記中間プレートの前側に位置するフロントプレート及び前記フロントプレート上に形成された複数の送風構造を有し、
前記中間プレートは、各前記第1送風空気ダクトがそれを介して一つ又は複数の前記送風構造と連通するように配置されている。
【0012】
好ましくは、前記空気ダクトアセンブリは、前記第1空気ダクト部の上側に位置する第2空気ダクト部を含み、前記第2空気ダクト部の前側は、一つ又は複数の前記貯蔵室であり、
前記送風空気ダクトは、第2送風空気ダクトをさらに含み、前記第1空気ダクト部の上面には、前記第2送風空気ダクトと前記第2空気ダクト部とを連通する連通空気ポートが配置されている。
【0013】
好ましくは、前記送風連通孔は、時計回り方向に順に配置された第1連通孔、第2連通孔、第3連通孔、及び第4連通孔の4つを含み、前記第1連通孔は前記収容キャビティの右上側に配置され、前記第2連通孔は前記収容キャビティの右下側に配置され、前記第3連通孔と前記第4連通孔とは、互いに接して前記収容キャビティの左側に配置され、
前記第2送風空気ダクトは、前記第1連通孔から後方及び上方に向かって前記連通空気ポートまで延在し、
第1送風空気ダクトは、送風空気ダクトA、送風空気ダクトB、及び送風空気ダクトCの3つあり、
前記送風空気ダクトAは、前記第2連通孔に接続される総空気ダクト、前記総空気ダクトの末端から上方に延在する上部分岐部、及び前記総空気ダクトの末端から下方に延在する下部分岐部を有し、
前記送風空気ダクトBは、前記第3連通孔から下方に延在し、
前記送風空気ダクトCは、前記第4連通孔から上方に延在し、
前記遮風板は、時計回り方向に順に配置された第1遮風板、第2遮風板、及び第3遮風板の3つを含み、前記第1遮風板は、前記第1連通孔を完全に遮蔽するように配置され、前記第2遮風板は、前記第2連通孔を完全に遮蔽するように配置され、前記第3遮風板は、前記第3連通孔及び前記第4連通孔を完全に遮蔽するように配置されている。
【発明の効果】
【0014】
本発明の空冷冷蔵庫は、回転型機構を採用してダンパー遮蔽装置を有し、ダンパー遮蔽装置の体積を小さくし、構造が簡単でコンパクト化し、制御しやすい。また、特殊な除霜水排出チャネルを有するので、ダンパー遮蔽装置での凝縮水を円滑に排出することができる。さらに、冷蔵庫の除霜時の空気ダクトを遮蔽し、温度上昇した空気流が貯蔵室に入るのを防止することができ、食べ物に最適な保管環境を提供し、食べ物の栄養損失を減らし、空冷冷蔵庫の冷凍鮮度性能を向上させることができる。また、冷蔵庫の消費電力を削減し、省エネルギー化を図ることができる。
【0015】
さらに、ダンパー遮蔽装置は、構成要素間に巧妙な構造を設けることにより、除霜水を円滑に排出することができ、除霜水がダンパー遮蔽装置に集まってダンパー遮蔽装置が凍結し失効されるのを防止することができる。また、ダンパー遮蔽装置は、スペースを節約し、冷蔵庫の冷凍室の容積を大きくすることができる。
【0016】
添付図面に関連した本発明の具体的な実施例の以下の詳細な説明から、当業者は、本発明の上記及び他の目的、利点、及び特徴をより明確するであろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
以下、本発明の幾つかの特定の実施例について、図面を参照しながら限定的でなく例示的に詳細に説明する。図面において、同一の参照符号は、同一又は類似の構成要素又は部分を示す。当業者であれば、これらの図面が必ずしも比例して作成されているとは限らないことを理解すべきである。
図1】本発明の一実施例による空冷冷蔵庫の模式的構造図である。
図2図1に示す空冷冷蔵庫における第1空気ダクト部の模式的構造図である。
図3図2に示す第1空気ダクト部の模式的分解図である。
図4図1に示す空冷冷蔵庫におけるダンパー遮蔽装置の模式的構造図である。
図5図4に示すダンパー遮蔽装置の模式的分解図である。
図6図4に示すダンパー遮蔽装置の別の視野角の模式的分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1は、本発明の一実施例による空冷冷蔵庫の模式的構造図であり、示されている方向は、空冷冷蔵庫の後側から前方であり、図中の矢印は空気流の流れ方向を示すことができる。図1に示すように、図2から図6を参照して、本発明の実施例により提供される空冷冷蔵庫100は、内部に冷却室102、少なくとも1つの貯蔵室101、及び冷却室と少なくとも1つの貯蔵室とを連通する空気ダクトアセンブリ(300、400)を有する箱体200と、ダンパー遮蔽装置500とを備える。空気ダクトアセンブリは、吸気口104が後方に向いている収容キャビティ105を有し、収容キャビティの周壁には複数の送風連通孔106が設けられていてもよい。冷却室内の気体は、複数の送風連通孔を介して少なくとも1つの貯蔵室に入る。
【0019】
ダンパー遮蔽装置500は、遮蔽部材520を備えてもよい。遮蔽部材520は複数の遮風板521を有する。遮蔽部材520は、複数の遮風板521が全ての送風連通孔を完全に遮蔽する遮蔽位置を有し、空冷冷蔵庫の除霜時に冷却室内の気体が複数の送風連通孔を介して少なくとも1つの貯蔵室に入るのを防止するように収容キャビティに回動可能に配置される。具体的には、空冷冷蔵庫の除霜時に、遮風板521を送風連通孔を封閉する遮蔽位置まで回動させることができ、空冷冷蔵庫の通常送風時には、遮風板521を全ての送風連通孔を完全に露出させる通常位置まで回動させることができる。本発明の実施例では、回動可能に配置された遮風板521を用いることにより、遮風板521を送風連通孔を封閉する遮蔽位置まで回動させることができ、送風連通孔を完全に露出させる通常位置まで回動させて通常送風を達成することもできる。回転型機構を採用して、ダンパー遮蔽装置500の体積を小さくし、構造が簡単でコンパクト化し、制御しやすい。
【0020】
さらに、収容キャビティの側壁の底部に、後方及び下方に向かって斜めに配置された水案内溝381を有し、空気ダクトアセンブリは、空気ダクトアセンブリの後側と水案内溝381の後端とを連通する水出口孔382を有することで、収容キャビティ内の水が水案内溝381及び水出口孔382を介して空気ダクトアセンブリから流出するようにする。収容キャビティの側壁の底部も前方から後方及び下方に向かって斜めに配置することができる。これにより、収容キャビティに入った水が収容キャビティ内に集まりやすくなり、収容キャビティ内及びダンパー遮蔽装置500上の水の排出が容易になり、ダンパー遮蔽装置500の凍結失効を防止することができる。
【0021】
本発明の一部の実施例において、図4乃至図6に示すように、ダンパー遮蔽装置500はベース510をさらに備えてもよい。ベース510は鉛直方向に配置することができる。遮蔽部材520は、ベース510に取り付けられたターンテーブル部522をさらに備え、複数の遮風板521はターンテーブル部522からターンテーブル部522側に向いて延在され、ターンテーブル部522の円周方向に沿って間隔をおいて配置される。
【0022】
具体的に、ターンテーブル部522は回転リングである。ベース510は、ベースプレート511、底部カバー513、及びベースプレート511の一方の側から延在する第1位置バッフル512を備える。ターンテーブル部522は、第1位置バッフル512の半径方向の外側に取り付けられ、各遮風板521は、ベースプレート511の他方の側に突出している。底部カバー513は、ベースプレート511の一方の側に覆設され、少なくともターンテーブル部522の遮風板521とは反対側を覆う。さらに、底部カバー513は、ベースプレート511、例えば、第1位置バッフル512の回転リングから離れる側に係止されることができる。ベースプレート511の第1位置バッフル512の内側に位置する部分又は全領域は底部カバー513に向いて窪むことができる。ベースプレート511は、鉛直方向に配置され、収容キャビティの前部に位置することができる。鉛直方向に配置されたベースプレート511及びダンパー遮蔽装置500の他の構造は、水が各構成要素間に集まって溜まるのを防止でき、除霜水を円滑に排出することができる。
【0023】
収容キャビティに移動した除霜水の収容キャビティ内に蓄積し、ダンパー遮蔽装置500中の各構成要素間に入って蓄積され、ダンパー遮蔽装置500を凍結するのを防止するために、本発明のターンテーブル部522のベースプレート511に面する側には環状リブ523が配置され、ベースプレート511と接触して当接することができる。ベースプレート511の縁部のターンテーブル部522に面する側は傾斜面であり、ターンテーブル部522とベースプレート511との間が外向きの開口構造になるようにする。
【0024】
本発明の一部の実施例において、遮蔽部材520の回動を容易にするために、ダンパー遮蔽装置500は、モーター541、駆動歯車542、及び従動歯車543をさらに備えてもよい。モーター541は、遮蔽部材520の半径方向の外側に配置され、ベース510に取り付けられている。駆動歯車542は、モーター541の出力軸に取り付けられる。従動歯車543は、ターンテーブル部522に取り付けられるか、又はターンテーブル部522と一体成形して、駆動歯車542と噛み合ってもよい。モーター541が遮蔽部材520の半径方向の外側に配置されると、ダンパー遮蔽装置500の全体的な厚さを大幅に減らすことができ、特に冷蔵庫に適している。幾つかの代替実施例では、例えば、ベルト伝達、チェーン伝達、ラックアンドピニオン回動等の他の伝達形態を採用されてもよく、遮蔽部材520をモーター541の出力軸に直接取り付けてもよい。
【0025】
本発明の幾つかの好ましい実施例では、従動歯車543は、ターンテーブル部522の遮風板521とは反対側に配置されたリングギヤである。底部カバー513の内側には、第2位置バッフル514及び第3位置バッフル515が配置されている。リングギヤは、第2位置バッフル514の半径方向の外側に配置され、第3位置バッフル515の半径方向の内側に配置される。第1位置バッフル512、第2位置バッフル514、及び第3位置バッフル515は、必要に応じてそのベース510の円周方向に沿った長さを決定することができる。
【0026】
さらに、第2位置バッフル514は、切欠きを有し、ターンテーブル部522の遮風板521とは反対側には、切欠き内に配置されてターンテーブル部522の回動範囲を制限する凸ブロック524がさらに設けられている。
【0027】
本発明の一部の実施例では、ベース510は、モーター取付部550と、クロスオーバープレート560とをさらに備え、クロスオーバープレート560は、ベースプレート511の縁部からベースプレート511から離れる方向に延在する第1位置譲り板561と、第1位置譲り板と平行に配置され、遮風板521の半径方向の外側に位置する第2位置譲り板562と、第1位置譲り板と第2位置譲り板とを連結し、第1位置譲り板と第2位置譲り板との間に一つ又は複数の遮風板521を進入可能にする連結板563、を備える。モーター取付部550は、第2位置譲り板の第1位置譲り板とは反対側に配置され、モーター541は、モーター取付部550に取り付けられ、底部カバー513は、モーター取付部550にも覆設される。
【0028】
本発明の一部の実施例において、空気流の流れを容易にするために、ダンパー遮蔽装置500は、ベースプレート511に取り付けられ、遮風板521の半径方向の内側に位置し、空気流がその円周方向及び/又は半径方向から各送風連通孔に入れるように配置された遠心風ホイール590をさらに備える。当該遠心風ホイール590は、空冷冷蔵庫の冷却室の排気口にあるファンとして直接使用できるため、空冷冷蔵庫の構造をコンパクト化することができる。本発明の他の一部の実施例では、ベース510がない場合、遠心風ホイール590は収容キャビティ内に直接配置され、空気ダクトアセンブリに取り付けられてもよい。
【0029】
本発明の一部の実施例において、空気ダクトアセンブリは、第1空気ダクト部300を含んでもよい。収容キャビティは第1空気ダクト部300の上部に配置され、第1空気ダクト部300の後面の中央部及び/又は下部は前方に窪んでおり、第1空気ダクト部300の後側は冷却室であり、第1空気ダクト部300の前側は一つ又は複数の貯蔵室である。収容キャビティ内の水は、冷却室に直接入り、冷却室の底部に配置された除霜水排出機構により冷却室から排出されてもよい。ダンパー遮蔽装置500の遠心風ホイール590は、吸気口から空気流を吸い込み、空気流をその円周方向及び/又は半径方向から各送風連通孔に入るように促すことができる。このように構成することにより、空冷冷蔵庫の構造のコンパクト化、レイアウトの合理化、取付及び組立の容易化を図ることができる。
【0030】
本発明の一部の実施例では、図2及び図3に示すように、第1空気ダクト部300は、後部カバープレート310、中間プレート320、及び前部カバープレート330をさらに備えてもよい。後部カバープレート310は、バックプレート311及びバックプレート311から延在するキャビティ画定プレート312を有する。バックプレート311の上部には吸気口が開設され、キャビティ画定プレート312により、収容キャビティ、複数の送風連通孔、及び複数の送風連通孔とそれぞれ連通する送風空気ダクトが画定され、送風空気ダクトは少なくとも1つの第1送風空気ダクトを含む。中間プレート320は、バックプレート311の前側に配置され、キャビティ画定プレート312に接触して当接される。前部カバープレート330は、後部カバープレート310に覆設され、前部カバープレート330は、中間プレート320の前側に位置するフロントプレート及びフロントプレート上に形成された複数の送風構造を有する。中間プレート320は、各第1送風空気ダクトがそれを介して一つ又は複数の送風構造と連通するように配置されている。具体的に、中間プレート320上には、第1送風空気ダクト内の空気流が対応する送風構造に入るように、切欠き又は孔洞等の構造が配置されてもよい。送風構造は、送風口、送風短管等であってもよい。
【0031】
さらに、空気ダクトアセンブリは、第1空気ダクト部300の上側に位置する第2空気ダクト部400を含み、第2空気ダクト部400の前側は一つ又は複数の貯蔵室である。送風空気ダクトは、第2送風空気ダクト313をさらに含み、第1空気ダクト部300の上面には、第2送風空気ダクト313と第2空気ダクト部400とを連通する連通空気ポートが配置されている。第1空気ダクト部300の前側の貯蔵室は、冷凍室であってもよく、第2空気ダクト部400の前側の貯蔵室は、冷蔵室であってもよい。
【0032】
本発明の一部のより具体的な実施例では、図1に示す鏡像図を参照すると、送風連通孔106は、時計回り方向に順に配置された第1連通孔106a、第2連通孔106b、第3連通孔106c、及び第4連通孔106dの4つを含み、第1連通孔は収容キャビティの右上側に配置され、第2連通孔は収容キャビティの右下側に配置され、第3連通孔と第4連通孔とは、互いに接して収容キャビティの左側に配置されている。
【0033】
第2送風空気ダクト313は、第1連通孔から後方及び上方に向かって連通空気ポートまで延在する。空気案内を容易にするために、第1空気ダクト部300は、後部カバープレート310と中間プレート320との間に配置されて、第1連通孔の空気流を連通空気ポートまで案内するための空気案内ブロック350をさらに含み、第2空気ダクト部400によりよく送風することができる。空気案内ブロック350の配置により、第1空気ダクト部300の加工が容易になり、幾つかの代替実施例では、空気案内ブロック350は、中間プレート320と一体成形されてもよく、又は後部カバープレート310と一体成形されてもよい。
【0034】
第1送風空気ダクトは、送風空気ダクトA314、送風空気ダクトB315、及び送風空気ダクトC316の3つである。送風空気ダクトA314は、第2連通孔に接続される総空気ダクト、総空気ダクトの末端から上方に延在する上部分岐部、及び総空気ダクトの末端から下方に延在する下部分岐部を有する。送風空気ダクトB315は第3連通孔から下方に延在する。送風空気ダクトC316は第4連通孔から上方に延在する。遮風板521は、時計回り方向に順に配置された第1遮風板、第2遮風板、及び第3遮風板の3つを含む。第1遮風板は、第1連通孔を完全に遮蔽するように配置され、第2遮風板は、第2連通孔を完全に遮蔽するように配置され、第3遮風板は、第3連通孔及び第4連通孔を完全に遮蔽するように配置されている。
【0035】
複数の送風構造は、第1送風構造331、第2送風構造332、第3送風構造333、第4送風構造334、第5送風構造335、及び第6送風構造336を含んでもよい。第1送風構造331は上部分岐部の末端に配置される。第2送風構造332は下部分岐部の中央上部に配置され、第3送風構造333は下部分岐部の末端に配置される。第4送風構造334は送風空気ダクトC316の末端に配置されてもよい。第5送風構造335は送風空気ダクトB315の中央上部に配置され、第6送風構造336は送風空気ダクトB315の末端に配置される。
【0036】
さらに、第1空気ダクト部300は、後部カバープレート310の下端に配置されたリターンエア構造部340をさらに備え、リターンエア構造部340の下側にはリターンエア管路が形成されてもよい。
【0037】
以上、当業者であれば、本発明のいくつかの例示的な実施例が本明細書で詳細に例示および説明されてきたが、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、本発明によって開示される内容に従って本発明の原理に適合する他の多くの変形または修正を直接決定または導出できることを理解すべきである。従って、本発明の範囲は、これらの他のすべての変形または修正を網羅するものと理解され、見なされるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6