(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-16
(45)【発行日】2023-05-24
(54)【発明の名称】食品の温度管理された輸送のための真空断熱積み重ね容器
(51)【国際特許分類】
B65D 21/02 20060101AFI20230517BHJP
B65D 81/38 20060101ALI20230517BHJP
【FI】
B65D21/02 210
B65D81/38 E
(21)【出願番号】P 2021509211
(86)(22)【出願日】2019-01-31
(86)【国際出願番号】 DE2019100099
(87)【国際公開番号】W WO2020038511
(87)【国際公開日】2020-02-27
【審査請求日】2021-12-23
(31)【優先権主張番号】202018104807.4
(32)【優先日】2018-08-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】520366880
【氏名又は名称】ファ-クー-テック アクチェンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【氏名又は名称】森本 有一
(72)【発明者】
【氏名】フリッツ ケラーマン
(72)【発明者】
【氏名】ペーター レースナー
(72)【発明者】
【氏名】トビアス マウダー
(72)【発明者】
【氏名】トーマス タラシェブスキー
【審査官】佐藤 正宗
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-106495(JP,A)
【文献】仏国特許出願公開第02697809(FR,A1)
【文献】特開2014-141278(JP,A)
【文献】特開平11-100036(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2016-0056368(KR,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0205454(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 21/02
B65D 81/38
B65D 81/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
食品の温度管理された輸送のための積み重ね容器(1)であって、
一側が開いた収容空間(33)を形成するように互いに接合された外部容器底(31)と外部容器壁(32)とを備えた外部容器(3)を備え、
前記積み重ね容器(1)は、更に、一側が開いた容器空間(23)を形成するように互いに接合された内部容器底(21)と内部容器壁(22)とを備えた内部容器(2)を有し、
前記内部容器壁(22)は上縁部(221)を備え、前記外部容器
壁(
32)は
前記外部容器底(31)の箇所において下縁部(311)を備え、
該下縁部(311)
は、複数の積み重ね容器(1)が互いに積み重なったときに
、前記上縁部(221)と噛み合うように相補的に設計されており、積み重ねにおいて、上にある積み重ね容器(1)の前記外部容器底(31)が、その下側に配置された積み重ね容器(1)の蓋を形成し、前記内部容器壁(22)と前記外部容器壁(32)との間、及び前記内部容器底(21)と前記外部容器底(31)との間に真空断熱要素(5)が配置されている、積み重ね容器(1)。
【請求項2】
前記内部容器壁(22)は上縁部(221)に、及び前記外部容器底(31)は下縁部(311)に、それぞれL字型ストッパを備える、請求項1に記載の積み重ね容器(1)。
【請求項3】
前記L字型ストッパは、それぞれ前記上縁部(221)と前記下縁部(311)とにおいて、それぞれ最小長さ0.5cmの第1の輪郭部と第2の輪郭部を有する、請求項2に記載の積み重ね容器(1)。
【請求項4】
前記内部容器壁(22)は、前記上縁部(221)の全周を取り囲む突出部(222)を備えており、挿入状態において、前記突出部(222)は、前記外部容器壁(32)を少なくとも部分的に覆う大きさと形状を有する、請求項1~3の何れか一項に記載の積み重ね容器(1)。
【請求項5】
前記内部容器(2)の前記突出部(222)は、前記外部容器壁(32)に対して全周を取り囲む態様で堅固に接合している、請求項4に記載の積み重ね容器(1)。
【請求項6】
前記内部容器(2)の前記突出部(222)と前記外部容器壁(32)は、熱的に接合可能なプラスチック材料でできており、前記内部容器(2)の前記突出部(222)は前記外部容器壁(32)と溶着されている、請求項4に記載の積み重ね容器(1)。
【請求項7】
前記内部容器(2)の前記突出部(222)は、前記外部容器壁(32)と接着されている、請求項4に記載の積み重ね容器(1)。
【請求項8】
前記内部容器(2)の前記突出部(222)は、前記外部容器壁(32)に対して全周を取り囲む態様
で接合している、請求項4に記載の積み重ね容器(1)。
【請求項9】
前記内部
容器壁(22)は、前記内部
容器底(21)を起点として縦に外へ延びる態様、又は円錐状に外に延びる態様で配置されている、請求項1~8の何れか一項に記載の積み重ね容器(1)。
【請求項10】
前記内部容器
底(21)の大きさは、前記外部容器
底(31)の大きさの少なくとも70%である、請求項1~9の何れか一項に記載の積み重ね容器(1)。
【請求項11】
前記真空断熱要素(5)は単一の真空断熱パネルであり、該真空断熱パネルは少なくとも1つの折り目(51)を有する、請求項1~10の何れか一項に記載の積み重ね容器(1)。
【請求項12】
前記真空断熱パネルは4つの折り目(51)を有し、該4つの折り目(51)は取り付けた状態でそれぞれ前記外部容器底(31)の外周に沿って配置されている、請求項11に記載の積み重ね容器(1)。
【請求項13】
前記外部容器底(31)は、
底部において十分な高さ寸法の段差を有しており、2つの積み重ね容器(1)を積み重ねた状態で、前記内部容器(2)の前記容器空間(23)を閉じる深さまで前記上縁部(221)に係合する、請求項1~12の何れか一項に記載の積み重ね容器(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、独立請求項による食品の温度管理された(例えば冷却された)輸送のための真空断熱積み重ね容器に関する。
【背景技術】
【0002】
このタイプの積み重ね容器は、実際において広く知られており、例えば輸送のためだけでなく保管のためにもプラスチックボックスの形でパン屋のパンを取り扱う際に使用される。これらのプラスチックボックスは、充填した状態と充填していない状態で積み重ねることができる。
【0003】
このようなプラスチックボックスは、容器底を4辺で全周包囲する容器壁を備えており、それによってパン又は同類のものを入れることができる一側が開いた容器空間が生じる。
【0004】
容器壁の開いた縁部と底部はそれぞれ全周を囲んで互いに噛み合う端縁部で形成されている。そのため上にあるプラスチックボックスの容器底の端縁部は、その下にあるプラスチックボックスの容器壁に当接して、積み重ねたプラスチックボックスが滑って位置がずれないように固定できる。
【0005】
このようなプラスチックボックスの問題は、断熱性がないために使用が制限されている点である。特にいわゆるベーカリーチェーン店に商品が適温状態で納入されるケースがますます増えているので、断熱材のない従来のプラスチックボックスは冷却冷蔵ユニットのない配送車両での輸送には使用できない。冷却装置を内蔵した車両でもチェーン店に搬入する間に温度の影響が大幅に増加する。この場合、プラスチックボックスで保管又は輸送される食品は過大な温度変動を被り、そのためにもはや使用できなくなったり、腐ったりするリスクがある。
【0006】
食品を輸送するためのプラスチックボックスに断熱材がない問題は、肉製品の輸送においても同様に生じる。ここでは精肉店内での取り扱い中に冷却が不十分になるリスクがある。この問題は、食品を取り扱う他の多くの分野でも当てはめることができる。
【0007】
断熱性を有する積み重ね可能な容器は、特許文献1に示されている。原則としてそこに記載されている輸送容器は、温度に敏感な食品(例えばパン、肉製品、魚など)に使用することができる。輸送容器は、内部容器と外部容器からなる下部からなり、内部容器と外部容器の間に断熱材が配置されている。下部の上には閉鎖可能な蓋が配置されており、積み重ねを可能にするために蓋の上側は閉じた状態で輸送容器の下側に対して相補的に設計されている。上記のプラスチックボックスとは異なり、この輸送容器は蓋が装備されているため、積み重ねるときに上側容器の下側が閉じた蓋の上に置かれる。原則としてこれにより垂直方向に、食品輸送での通常の使用に必要とされない余分な断熱が生じる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】独国実用新案第202016001097(U1)号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の課題は、従来技術の不利な点を克服し、特に構造が単純で、輸送のために便利に取り扱うことができる積み重ね容器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題は、独立請求項による食品の温度管理された輸送のための積み重ね容器によって解決される。従属請求項に有利な実施形態が記載されている。
【0011】
本発明は、食品の温度管理された輸送のための(真空断熱された)積み重ね容器を含む。積み重ね容器は、外部容器底と外部容器壁を備えた外部容器を有しており、外部容器底と外部容器壁は一側が開いた収容空間を形成するように互いに接合している。さらに、積み重ね容器は、内部容器底と内部容器壁を備えた内部容器を有しており、内部容器底と内部容器壁は一側が開いた容器空間を形成するように相互に接合している。内部容器壁は上縁部を有し、外部容器底には下縁部を有しており、上縁部と下縁部は容器を上下に積み重ねたときに互いに噛み合うように相補的に設計されている。内部容器壁と外部容器壁との間、及び内部容器底と外部容器底との間には、真空断熱要素が配置されている。上記の上縁部の設計により、その上にある積み重ね容器の下縁部と確実に噛み合うことができるので、多数の積み重ね容器を確実に積み重ねることができる。内部容器底と外部容器底との間に真空断熱要素を配置することにより、上側容器の底部が下側容器の容器空間を閉じることによって、積み重ねた積み重ね容器で断熱された蓋が提供される。真空断熱要素は真空断熱パネル(VIP)であることが好ましく、これは例えば欧州特許出願公開第2700891(A2)号明細書又は独国特許出願公開第202014004515(U1)号明細書に記載されている。このようにして積み重ね容器システムは、上下に積み重ねて配置された少なくとも2つの積み重ね容器から作成することができ、上にある積み重ね容器の外底が下にある積み重ね容器の容器空間の上側を閉じる。これにより高度に断熱された積み重ね可能なコンパートメントが得られ、熱伝導率が0.5W/K未満と良好な熱システムが実現する。これは約0.61W/(m2K)の熱伝達係数(U値)に相当する(蓋面を含み、外面に基づくすべての熱橋を含む)。原則として真空断熱要素による非常に優れた断熱によって得られる温度保持時間は、約6時間の輸送時間を達成するのに十分である。輸送時間を、例えば最大24時間まで延ばすために、温度保持時間を相応に長くする相変化材料(PCM)を導入することができる。商品に機械的ストレスを与えるのを防ぐために、(PCM)アキュムレータ(側面及び/又は蓋)を保持具によってライナー内に固定して落下を防ぐ。ボックスのスタックの閉鎖部材として、或は個々のボックスが納入される場合、若しくは配達後の待ち時間が長い場合は、真空断熱要素を含んだ追加の蓋を配置できる。
【0012】
有利な態様によれば、内部容器壁は上縁部に、及び外部容器底は下縁部に、それぞれL字型ストッパを備える。L字型の構成により上縁部と下縁部を簡単に相補的に設計できるため、上縁部と下縁部は滑らないようにロックされている。
【0013】
L字型ストッパはそれぞれ上縁部と下縁部で、それぞれ最小長さ0.5cmの第1の輪郭部と(それに直角に配置された)第2の輪郭部を有することが有利である。
【0014】
特に好ましくは、内部容器壁は、上縁部で完全に全周を囲む突出部を備えており、突出部は挿入された状態で外部容器壁を少なくとも部分的に覆う大きさと形状を有する。
【0015】
内部容器の突出部は、外部容器壁と全周で堅固に接合していることが有利である。
【0016】
堅固な結合を達成するために、内部容器の突出部と外部容器壁は、好ましくは熱的に接合可能なプラスチック材料でできている。プラスチックは、例えばポリウレタン、ポリプロピレン又はポリエチレンを含むことができる。この場合、内部容器の突出部分は、外側の容器壁に溶着されている。
【0017】
代替例によると、内部容器の突出部は外部容器壁と接着されている。代替例によれば、熱的に接合可能な材料も接合不可能な材料も接着により接合することができる。
【0018】
さらに、内部容器壁は、内部容器底を起点として垂直に延びるように、又は互いに円錐状に広がるように配置されていることが好ましい。特に真空断熱要素が一体的な真空断熱パネルで、内部容器底又は外部容器底の延び方に従って折りたたまれている場合、内部容器底と外部容器底との間の距離がより大きく、内部容器壁と外部容器壁との間の距離がより小さいと、組み立てに有利である。
【0019】
別の有利な態様によれば、内部容器の底面の大きさは外部容器の底面の大きさの少なくとも70%の大きさである。真空断熱パネルの優れた断熱性に基づき、内部容器の底面と外部容器の底面との間の空間を小さく保つことができるため、外部容器の底面と比較して同様に大きい内部容器の底面が提供される。
【0020】
真空断熱要素は単一の(一体的な)真空断熱パネルであることが特に好ましい。真空断熱パネルは少なくとも1つの折り目を有する。
【0021】
外部容器底は有利には、その下にある積み重ね容器の上縁部を完全に囲んで閉じるための大きさと形状を有する。有利な例では、容器間の閉鎖が、対流が防止されるように設計されている。
【0022】
この態様の1つの可能な実施形態は、外部容器底が底部構造に十分な高さの段差を有しており、その結果として2つの積み重ね容器を積み重ねた状態で下にある上縁部に深く突入して、熱の熱経路が十分に延長され、かつ対流が減少するようにされている。
【0023】
以下に本発明を、添付の図面に示された例を参照してより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】
図1は本発明による食品の温度管理された輸送のための積み重ね容器の実施形態の外部容器と内部容器の詳細斜視図である。
【
図4a】
図4aは互いに積み重ねた2つの積み重ね容器の側面斜視図である。
【
図4b】
図4bは蓋のある互いに積み重ねた2つの積み重ね容器の側面斜視図である。
【
図5】
図5は
図1の外部容器と内部容器との間に配置できる積み重ね容器に対する真空断熱要素の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1は、本発明による積み重ね容器1の例示的な実施形態の外部容器3と内部容器2の詳細図を示している。
【0026】
外部容器3は、外部容器底31と、そこから上方に延びる外部容器壁32とを備える。外部容器壁32と外部容器底31は、一体的に形成されているか、若しくは製造工程においてプラスチック材料から成形されている。このように成形された外部容器3は、一側が上方に向かって開いた収容空間33を有し、その中に内部容器2をほぼ完全に押し込むことができるので、外部容器3の内側と内部容器2の外側との間に真空断熱要素のための完全に閉じられた収容空間が形成されている。
【0027】
内部容器2は、単一の材料から一体的に形成され互いに接合している内部容器底21と内部容器壁22を有する。それにより温度管理された輸送を目的とした食品を受け入れるのに適した、一側が開いた容器空間23が形成される。
【0028】
確実で安定した方法での積み重ねを保証するために、内部容器壁22は上部に完全に全周を囲むL字型のストッパを備えた縁部221を有する。
【0029】
外部容器底31は下縁部(この斜視図では見えない。
図2を参照)を有し、これは積み重ね容器1を互いに積み重ねたときに、下にある積み重ね容器1の内部容器壁22の上縁部221に設けたL字型ストッパに当接するように相補的に設計されている。
【0030】
食品の温度管理された輸送のための完全に組み立てられた積み重ね容器が、側面断面図で
図2に示されている。
【0031】
積み重ね容器1の断面図では、互いに直接接合している外部容器底31と外部容器壁32を備えた外部容器3を見ることができる。上方が開いた収容空間33に内部容器2が配置されている。
【0032】
内部容器2は、同様に直接結合している内部容器底21と内部容器壁22を有する。
【0033】
断面図からL字型肩部を備えた全周を囲む上縁部221と、下縁部311に配置された下側L字型肩部が見える。両L字型肩部は、2つの積み重ね容器1を積み重ねた状態でこれらが互いに入れ子状になって、積み重ね容器1が滑ってずれることがないように相補的に設計されている。下縁部311に示されているL字型ストッパは、長さ1.9cmの第1の輪郭部3111と、長さ0.8cmの第2の輪郭部3112を有する。
【0034】
上部領域で内部容器壁22は、上縁部221で完全に全周を囲む突出部222を有する。突出部222は、外部容器壁32を上から完全に覆うのに十分な大きさと形状を有する。原則としてこの覆いは完全に実施されなくてもよい。この変形例は、場合によっては機械的安定性又は熱橋の点で不利になる。
【0035】
内部容器壁22は、内部容器底21を起点として互いに円錐状に拡張するように、即ち外部容器壁32に向かって延びるように配置されている。円錐度は、製造技術と用途によって異なる。原則として、最低約1°が適切と見なされる。
【0036】
図示の真空断熱要素5は一体的な真空断熱パネルである。
【0037】
図3は、
図2に示す積み重ね容器の内部容器の角の斜視詳細図である。
【0038】
内部容器壁22は、L字型ストッパを備えた上縁部221と、隣接する全周突出部222とを有する。突出部222の幅は外部容器壁の厚さに等しい。上縁部221に示されたL字型ストッパはそれぞれ長さ1.3cmの第1の輪郭部2211と、長さ0.8cmの第2の輪郭部2212とを有する。
【0039】
図4aには、2つの積み重ね容器のスタックが示されている。上の積み重ね容器1において、外部容器底(図示せず)は、下の積み重ね容器の上縁部に当接するように設計されている。
図4bでは、スタックは断熱された蓋6を備えて示されており、蓋6は上側に、外部容器の下側に対して相補的に設計されたプロファイルを備える。
【0040】
図5に示す真空断熱パネル5は、取り付けた状態でそれぞれ外部容器底の外周に沿って配置された4つの折り目51を有する。翼52の輪郭は、外部容器と内部容器に適応するように(例えば円錐形)作成されている。ジオメトリ(例えば円錐度)が無視できる場合、輪郭はそれに応じて単純化される。
なお、本発明の参考態様として以下に示すものがある。
[態様1]
食品の温度管理された輸送のための積み重ね容器(1)であって、
一側が開いた収容空間(33)を形成するように互いに接合された外部容器底(31)と外部容器壁(32)とを備えた外部容器(3)を備え、
前記積み重ね容器(1)は、更に、一側が開いた容器空間(23)を形成するように互いに接合された内部容器底(21)と内部容器壁(22)とを備えた内部容器(2)を有し、
前記内部容器壁(22)は上縁部(221)を備え、前記外部容器底(31)は下縁部(311)を備え、前記上縁部(221)と前記下縁部(311)とは、複数の積み重ね容器(1)が互いに積み重なったときに噛み合うように相補的に設計されており、積み重ねにおいて、上にある積み重ね容器(1)の前記外部容器底(31)が、その下側に配置された積み重ね容器(1)の蓋を形成し、前記内部容器壁(22)と前記外部容器壁(32)との間、及び前記内部容器底(21)と前記外部容器底(31)との間に真空断熱要素(5)が配置されている、積み重ね容器(1)。
[態様2]
前記内部容器壁(22)は上縁部(221)に、及び前記外部容器底(31)は下縁部(311)に、それぞれL字型ストッパを備える、態様1に記載の積み重ね容器(1)。
[態様3]
前記L字型ストッパは、それぞれ前記上縁部(221)と前記下縁部(311)とにおいて、それぞれ最小長さ0.5cmの第1の輪郭部と第2の輪郭部を有する、態様2に記載の積み重ね容器(1)。
[態様4]
前記内部容器壁(22)は、前記上縁部(221)の全周を取り囲む突出部(222)を備えており、挿入状態において、前記突出部(222)は、前記外部容器壁(32)を少なくとも部分的に覆う大きさと形状を有する、態様1~3の何れか一項に記載の積み重ね容器(1)。
[態様5]
前記内部容器(2)の前記突出部(222)は、前記外部容器壁(32)に対して全周を取り囲む態様で堅固に接合している、態様4に記載の積み重ね容器(1)。
[態様6]
前記内部容器(2)の前記突出部(222)と前記外部容器壁(32)は、熱的に接合可能なプラスチック材料でできており、前記内部容器(2)の前記突出部(222)は前記外部容器壁(32)と溶着されている、態様4に記載の積み重ね容器(1)。
[態様7]
前記内部容器(2)の前記突出部(222)は、前記外部容器壁(32)と接着されている、態様4に記載の積み重ね容器(1)。
[態様8]
前記内部容器(2)の前記突出部(222)は、前記外部容器壁(32)に対して全周を取り囲む態様で取り外し可能に接合している、態様4に記載の積み重ね容器(1)。
[態様9]
前記内部壁(22)は、前記内部底(21)を起点として縦に外へ延びる態様、又は円錐状に外に延びる態様で配置されている、態様1~8の何れか一項に記載の積み重ね容器(1)。
[態様10]
前記内部容器底面(21)の大きさは、前記外部容器底面(31)の大きさの少なくとも70%である、態様1~9の何れか一項に記載の積み重ね容器(1)。
[態様11]
前記真空断熱要素(5)は単一の真空断熱パネルであり、該真空断熱パネルは少なくとも1つの折り目(51)を有する、態様1~10の何れか一項に記載の積み重ね容器(1)。
[態様12]
前記真空断熱パネルは4つの折り目(51)を有し、該4つの折り目(51)は取り付けた状態でそれぞれ前記外部容器底(31)の外周に沿って配置されている、態様11に記載の積み重ね容器(1)。
[態様13]
前記外部容器底(31)は、前記上縁部(221)の全周を取り囲む態様で閉じる大きさと形状を有する、態様1~12の何れか一項に記載の積み重ね容器(1)。