(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-16
(45)【発行日】2023-05-24
(54)【発明の名称】検知アプリケーションにおける使用のための集積多層構造およびその製造のための方法
(51)【国際特許分類】
H01H 36/00 20060101AFI20230517BHJP
G06F 3/041 20060101ALI20230517BHJP
G06F 3/044 20060101ALI20230517BHJP
G06F 3/046 20060101ALI20230517BHJP
B29C 45/14 20060101ALI20230517BHJP
【FI】
H01H36/00 J
H01H36/00 B
G06F3/041 400
G06F3/041 600
G06F3/041 660
G06F3/044 120
G06F3/046 Z
B29C45/14
(21)【出願番号】P 2021511577
(86)(22)【出願日】2019-08-27
(86)【国際出願番号】 FI2019050602
(87)【国際公開番号】W WO2020043940
(87)【国際公開日】2020-03-05
【審査請求日】2022-02-22
(32)【優先日】2018-08-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519361106
【氏名又は名称】タクトテック オーイー
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ブライシー、ヴィンスキ
(72)【発明者】
【氏名】イソハタラ、アンネ
(72)【発明者】
【氏名】サースキ、ヤルモ
(72)【発明者】
【氏名】シムラ、トミ
【審査官】井上 信
(56)【参考文献】
【文献】特表2010-532030(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0093500(US,A1)
【文献】特表2017-510987(JP,A)
【文献】特表2018-510023(JP,A)
【文献】特表2018-536296(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0094800(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 36/00
G06F 3/041
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
任意に接触、近接、ジェスチャー、力、圧力、歪みの検出、液体などの物質の検出、表面レベルまたは流れの検知において、検知アプリケーションにおける使用のための集積多層構造であって、多層構造は:
第1の面および対向する第2の面を有する、少なくとも1つの成形または流し込みプラスチック層;
前記プラスチック層の第1の面および第2の面両方の上のフィルム層;
前記プラスチック層の第1の面上のフィルム層は、1つまたは複数の選択された標的量および/または品質の、投影型静電容量またはインダクタンスなどの検知、およびこれらの代表的電気的シグナルへの変換のためのリアクタンス検知電子機器を備え、検知電子機器は、任意にフィルム層に印刷された、検知電極または検知コイルなどの少なくとも1つの検知素子、および好ましくは検知素子を、検知素子を駆動する付随する制御回路に接続するための電気接続、好ましくはガルバーニ接続素子または容量性接続もしくは誘導性接続を含み、前記
多層構造は、任意に制御回路の少なくとも一部のホストとなる、フィルム層;
を含み、
前記成形または流し込みプラスチック層の第2の面上のフィルム層は、検知電子機器の検知素子と実質的に重ね合わされた、任意に実質的に軸方向に整列された検知領域を有し;
前記成形または流し込みプラスチック層の第2の面上のフィルム層と検知素子との間の電気的距離は、フィルム層の検知領域の位置にて少なくとも1つの物理的特徴によって局所的に減少されて関連する検知感度を改善する、ことを特徴とし、
前記少なくとも1つの物理的特徴は、
前記プラスチック層内に成形または流し込みされ、前記検知素子に接続された電気伝導性素子、
または
前記成形
若しくは流し込みプラスチック層の凹部を含み、
前記少なくとも1つの物理的特徴は、前記成形または流し込みプラスチック層の第1の面上に前記検知素子に隣接して配置されている、
多層構造。
【請求項2】
請求項1の構造であって、伝導性素子は、検知素子上に成形される樹脂を含む、構造。
【請求項3】
請求項1又は請求項2の構造であって、少なくとも1つの物理的特徴は、前記凹部であって、前記プラスチック層の第1の面上のフィルム層によって定義される突出形状を含み、前記プラスチック層の隣接部分に突出し、これにより検知領域の位置にて前記プラスチック層の第2の面上のフィルム層と検知素子との間の物理的距離を局所的に減少する、構造。
【請求項4】
請求項3の構造であって、凹部形状は、本質的に半球状または球状キャップ形状を定義する、構造。
【請求項5】
請求項3又は請求項4の構造であって、フィルム層によって定義される形状は、フィルムの3D成形、任意に熱成形から生じる細長いフィルム材料を含む、構造。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか一項の構造であって、検知電子機器の検知素子で自己容量検知配置を確立するために前記プラスチック層の第1の面
上のフィルム層の上に提供される、任意に印刷される基本パターンまたは固体の基準面を含む、構造。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか一項の構造であって、前記プラスチック層の第2の面上のフィルム層は、検知領域の位置にて電極のホストとなり、検知電子機器の検知素子と共に相互容量性検知のための送受信機電極対を確立するように構成された構造であって、検知素子は、検知電極である、構造。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか一項の構造であって、前記プラスチック層の第1の面または第2の面上のフィルム層の上に任意に電気的特徴を含む、保護、装飾または機能層などの少なくとも1つのオーバレイ層を含む、構造。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか一項の構造であって、前記プラスチック層の両面上のフィルム層を定義する2つの実質的に対向する部分に曲げられたフィルムを含む、構造。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか一項の構造であって、前記プラスチック層の第1の面上の第1のフィルムおよび前記プラスチック層の第2の面上の第2のフィルムを含む、構造。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか一項の構造であって、検知素子を含む検知電子機器の少なくとも一部は、前記プラスチック層に面するフィルム層の表面上に位置する、構造。
【請求項12】
検知アプリケーションのための集積多層構造を製造するための方法は:
少なくとも1つの任意にプラスチックフィルムであって、前記少なくとも1つのフィルムは、検知領域を含む、フィルムを得ること;
1つまたは複数の選択された標的量および/または品質の投影型静電容量もしくはインダクタンス検知などの検知およびこれらの代表的電気的シグナルへの変換のためのリアクタンス検知電子機器を持つ前記少なくとも1つのフィルムを配置することであって、前記検知電子機器は、検知電極または検知コイルなどの少なくとも1つの検知素子および好ましくは検知素子を駆動する関連する制御回路に検知素子を接続するためのガルバーニ接続素子、容量性接続または誘導性接続などの電気接続を含み、制御回路の少なくとも部分を持つ前記少なくとも1つのフィルムを任意にさらに配置すること;および
少なくとも1つのプラスチック層を成形または流し込み成形および構成することであって、前記プラスチック層の少なくとも1つが第1の面と対向する第2の面を有し、前記第1の面上の検知電子機器の検知素子と前記第2の面上の検知領域との間に集積、中間層を定義し、および検知領域が検知電子機器の検知素子と重ね合わされ、任意に実質的に軸方向に整列されるように少なくとも1つのプラスチック層、好ましくは電気的に実質的に絶縁材料を成形または流し込み成形および構成すること;を含むことを特徴とし、
検知領域と検知素子との間の電気的距離を局所的に減少して関連する検知感度を改善することは、少なくとも1つの物理的特徴をさらに提供し、
前記少なくとも1つの物理的特徴は、
前記プラスチック層内に成形または流し込みされ、前記検知素子に接続された電気伝導性素子、
または
前記成形
若しくは流し込みプラスチック層の凹部を含み、
前記少なくとも1つの物理的特徴は、前記成形または流し込みプラスチック層の第1の面上に前記検知素子に隣接して配置されている、
方法。
【請求項13】
請求項12の方法であって、電子機器の少なくとも部分は、印刷電子機器技術によって印刷される、または射出成形によって、もしくは浸漬成形によって提供される、方法。
【請求項14】
請求項12又は請求項13の方法であって、少なくとも1つの物理的特徴の提供は、検知領域および/または検知素子の位置にて前記少なくとも1つのフィルムの3D成形を含んで、成形の間前記少なくとも1つの成形プラスチック層の材料によって延長する、およびオーバーモールドされた対応する突出形状を定義し、これにより前記少なくとも1つの成形プラスチック層の厚さ並びに検知領域と検知素子との間の物理的距離を局所的に減少する、方法。
【請求項15】
請求項12~14のいずれか一項の方法であって、前記少なくとも1つのフィルムの第1のフィルムを提供すること、および検知電子機器とそれを配置すること、前記少なくとも1つのフィルムの第2のフィルムを提供することであって、前記第2のフィルムは、検知領域を定義し、検知領域および検知素子が相互に重ね合わされるように構成された金型に挿入として前記第1のフィルムおよび第2のフィルムを提供すること、およびそれらの間に少なくとも1つのプラスチック層を成形することを含み、検知領域に関するプラスチック層の少なくとも1つの対応する部分は、好ましくは弾性である、方法。
【請求項16】
請求項12~15のいずれか一項の方法であって、その上に定義される検知領域およびその上に配置される検知素子が相互に重ね合わされ、およびその間で少なくとも1つのプラスチック層を成形するように少なくとも1つのフィルムは、曲げられるフィルムを含む、方法。
【請求項17】
請求項12~16のいずれか一項の方法であって、少なくとも1つのフィルムおよびその検知領域上に保護、装飾または機能層などのオーバレイ層の提供を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器、関連する装置、構造および製造の方法に一般に関する。特に、しかし限定されないが、本発明は、フィルム層および隣接する集積された成形プラスチック層を含み、共になって検知アプリケーションにおいて利用される機能的構造を有する集積多層構造、並びにこのような構造の製造のための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器および電子製品と関連する種々の異なる積層部品および構造が存在する。電子機器および関連した製品の集積の背景にある動機は、関連した使用状況と同様に多様であり得る。相対的には、たいてい部品の小型化、軽量化、原価節減または単に効率的な集積は、もたらされる解決法が多層性質を最終的に示す場合に探求される。そして、関連する使用状況は、製品パッケージまたは食品ケーシング、装置筐体のビジュアルデザイン、着用できる電子機器、個人用電子装置、ディスプレイ、検知器またはセンサ、媒体内部、アンテナ、標識、媒体電子機器などに関連し得る。
【0003】
電子部品、IC(集積回路)などの電子機器および伝導体は、一般に複数の異なる技術によって基板素子上に提供され得る。たとえば、種々の表面実装型デバイス(SMD)などの既製の電子機器は、多層構造の内側または外側インタフェース層を最終的に形成する基板表面上に取り付けられ得る。加えて、用語「印刷された電子機器」に該当する技術は、関連する基板に直接および付加的に電子機器を製造するために実際に適用され得る。用語「印刷された」は、この文脈において実質的に付加的印刷工程を介して、スクリーン印刷、フレキソ印刷およびインクジェット印刷を含むが限定されない印刷物から電子機器/電気素子を製造することができる種々の印刷技術をいう。使用される基板は、曲げやすいものでも、および材料有機物に印刷してもよいが、しかしこれはそうであるとは限らない。
【0004】
さらにまた、射出成形構造エレクトロニクス(IMSE)の概念は、多層構造の形態で機能的装置およびそのための部分を構築することを実際に含み、これにより可能な限りシームレスに電子機器の機能性が集約する。また、電子機器が標的製品全体、部分または一般にデザインの3次元モデルに従って真の3D(非平面)形状に一般に製造されることは、IMSEに特徴的である。3D基板上の、および関連する最終製品における電子機器の所望の3Dレイアウトを達成するためには、電子機器には電子機器アセンブリの2次元(2D)の方法を使用して、はじめにフィルムなどの平面基板上にさらに提供され得るし、すでに電子機器を収容している基板は、たとえば電子機器などの下層にある素子をカバーし、および埋め込む適切なプラスチック材料によって所望の3次元、すなわち3D形状に形成されも、およびオーバーモールドに提供され得るし、このように素子を環境から保護し、および潜在的に隠す。
【0005】
電子装置においてボタンまたはその他の制御手段を有することは、一般的である。これらは、たとえば機械的力の適用に基づいた押しボタンまたは容量検知に基づくなどのリアクタンス検知装置であってもよい。いくつかの公知の解決策では、相対的に大きな電極が印刷回路基板(PCB)上などの装置の表面上に、または表面近くに配置されている。次いで、電極およびPCBをカバーするために配置されるさらなる層が存在し得る。検知装置を操作するためには、電界が電極などの検知素子にて作り出され、およびたとえば装置の操作を制御するために利用される指または物体の存在を検知するために十分に優れた信号対雑音比を得るなどのために制御され得る。
【0006】
公知の解決策は、大きな電極を持つなどの不都合を有し、隣接するセンサに密接して解決策をデザインすることは困難である。また、これは、その他の電子機器から場所を奪う。検知感度および干渉は、種々の問題を引き起こし得る。公知の解決策は、別々の部品で構築され、したがってコストおよび組み立て時間が増加する。さらに、これらの部品は、これらが射出成形過程に存在する圧力に供されるときに、ゆるくなり得る。生じる構造は、より複雑な影響を及ぼす製造性になる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、集積多層構造およびその中に埋め込まれる電子機器と関連する既存の解決策と関連する上記の欠点の1つまたは複数を少なくとも軽減することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に従った多層構造および関連した製造の方法の種々の態様により、目的が達成される。
【0009】
本発明の一つの態様に従って、任意に接触、近接、ジェスチャーおよび/または力の検知において検知アプリケーションにおける使用のための集積多層構造は、第1および対向する第2の面を有する、好ましくは電気的に実質的に絶縁材料の少なくとも1つの、たとえば成形または流し込みプラスチック層を都合よく含む。構造は、前記プラスチック層の第1および第2の面の両方上にフィルム層をさらに含む。さらにまた、前記プラスチック層の第1の面上のフィルム層は、1つまたは複数の選択された標的量および/または品質の(投影型)静電容量またはインダクタンス検知などのリアクタンスおよびこれらの代表的電気的シグナルへの変換のための(リアクタンス)検知電子機器を備え、検知電子機器は、任意にフィルム層上に印刷された、検知電極または検知コイルなどの少なくとも1つの検知素子、および好ましくは検知素子を、検知素子を駆動する付随する制御回路に接続するための電気接続、好ましくはガルバーニ接続素子または容量性接続もしくは誘導性接続を含み、前記構造は、任意に制御回路の少なくとも部分のホストとなり、および前記プラスチック層の第2の面上のフィルム層は、検知電子機器の検知素子と重ね合わされた、任意に実質的に軸方向に整列された検知領域を有する。またさらに、前記プラスチック層の第2の面上のフィルム層と検知素子との間の電気的距離は、フィルム層の検知領域の位置にて少なくとも1つの物理的特徴によって局所的に減少されて関連する検知感度を改善する。前記少なくとも1つの物理的特徴は、前記プラスチック層内に成形または流し込みされ、前記検知素子に接続された電気伝導性素子であるか、又は成形または流し込みプラスチック層の凹部である。さらに、前記少なくとも1つの物理的特徴は、前記成形または流し込みプラスチック層の第1の面上に前記検知素子に隣接して配置されている。
【0010】
フィルム層は、成形によって製造された既製の積層体またはフィルム層などのフィルム基板であってもよい。用語「フィルム層」は、本明細書においてフィルム層がx-およびy-方向などのその他の次元に関してz-方向において薄いなど、3つの垂直な方向の1つに関して有意により薄い、またはより短いような次元を有する材料の任意の基板または小片を本質的にいう。したがって、フィルム層は、平面様の素子または基板であってもよい。
【0011】
フィルム層は、少なくとも2つの層を有するなど、多層構造の1つの層を形成してもよい。その他の層は、たとえばフィルム層上に積層されてもよい。さらに、フィルム層は、多層構造の最も外側の層を定義しない、または表さなくてもよいが、しかし、むしろこれは、たとえばフィルム層の両面上に積層されてもよい。
【0012】
いくつかの態様において、検知領域に関するプラスチック層の少なくとも対応する部分は、好ましくは弾性である。したがって、弾性部分を有するこのような構造は、検知領域に適用されている力を間接的に測定するために使用され得る。
【0013】
(削除)
【0014】
いくつかの態様において、伝導性素子は、検知素子上に成形された樹脂を含む。
【0015】
樹脂は、たとえば電気伝導性ポリエステルに基づいた熱可塑性ポリウレタン化合物であってもよい。樹脂の伝導率は、伝導性カーボンブラック材料を利用することによって達成されても、および/または調整されてもよい。
【0016】
いくつかの態様において、伝導性素子は、検知素子上に配置された伝導体の小片を含む。
【0017】
いくつかの態様において、少なくとも1つの物理的特徴は、前記凹部であって、前記プラスチック層の第1の面上のフィルム層によって定義される突出形状を含み、前記プラスチック層の隣接部分に突出し、これにより検知領域の位置にて前記プラスチック層の第2の面上のフィルム層と検知素子との間の物理的距離を局所的に減少する。
【0018】
いくつかの態様において、凹部形状は、本質的に半球または球状キャップ形状を定義する。
【0019】
いくつかの態様において、フィルム層によって定義される形状は、フィルムの3D成形、任意に熱成形から生じる細長いフィルム材料を含む。
【0020】
いくつかの態様において、基本のパターンまたは固体の基準面は、検知電子機器の検知素子と共に自己容量検知配置を確立するように前記プラスチック層の第1または第2の面上のフィルム層上に提供され、任意に印刷される。
【0021】
いくつかの態様において、前記プラスチック層の第2の面上のフィルム層は、検知領域の位置にて電極のホストとなり、検知電子機器の検知素子と共に相互容量性検知のための送受信機電極対を確立するように構成され、検知素子は、検知電極である。
【0022】
いくつかの態様において、構造は、前記プラスチック層の第1または第2の面上のフィルム層上に保護、装飾または機能層などの少なくとも1つのオーバレイ層を含む。
【0023】
いくつかの態様において、構造は、前記プラスチック層の両面上にフィルム層を定義する2つの実質的に対向する部分に曲げられたフィルムを含む。
【0024】
いくつかの態様において、構造は、前記プラスチック層の第1の面上の第1のフィルムおよび前記プラスチック層の第2の面上の第2のフィルムを含む。
【0025】
いくつかの態様において、検知素子を含む検知電子機器の少なくとも部分は、前記プラスチック層に面するフィルム層の表面上に位置する。
【0026】
本発明の1つのその他の態様に従って、検知アプリケーションのための集積多層構造を製造するための方法は:
少なくとも1つの、任意にプラスチックフィルムを得ることであって、前記少なくとも1つのフィルムは、検知領域を含む、フィルムを得ること;
1つまたは複数の選択された標的量および/または品質の投影型静電容量またはインダクタンス検知などの検知およびこれらの代表的電気的シグナルへの変換のためのリアクタンス検知電子機器と共に前記少なくとも1つのフィルムを配置することであって、前記検知電子機器は、検知電極または検知コイルなどの少なくとも1つの検知素子および好ましくは検知素子を、検知素子を駆動する付随する制御回路に接続するための、ガルバーニ接続素子、容量性接続または誘導性接続などの電気接続を含み、任意にさらに制御回路の少なくとも部分と共に前記少なくとも1つのフィルムを配置すること;および
好ましくは電気的に実質的に絶縁材料の少なくとも1つのプラスチック層を成形すること、または流し込み成形すること、および構成することであって、その結果前記プラスチック層は、検知電子機器と検知領域との間に集積された、中間層を定義し、および検知領域は、検知電子機器の検知素子と重ね合わされ、任意に実質的に軸方向に整列されること、;を含み、
少なくとも1つの物理的特徴をさらに提供して、検知領域と検知素子との間の電気的距離を局所的に減少して関連する検知感度を改善する。前記少なくとも1つの物理的特徴は、前記プラスチック層内に成形または流し込みされ、前記検知素子に接続された電気伝導性素子と、前記成形または流し込みプラスチック層の凹部を含む。前記少なくとも1つの物理的特徴は、前記成形または流し込みプラスチック層の第1の面上に前記検知素子に隣接して配置されている。
【0027】
いくつかの態様において、電子機器の少なくとも部分は、印刷電子機器技術によって印刷される、または射出成形によって、もしくは浸漬成形によって提供される。
【0028】
(削除)
【0029】
いくつかの態様において、少なくとも1つの物理的特徴の提供は、検知領域および/または検知素子の位置にて前記少なくとも1つのフィルムの3D成形を含み、成形の間に前記少なくとも1つの成形プラスチック層の材料によって延長する、およびオーバーモールドされる対応する突出形状を定義し、これにより前記少なくとも1つの成形プラスチック層、並びに検知領域と検知素子との間の物理的距離の厚さを局所的に減少する。
【0030】
いくつかの態様において、方法は、前記少なくとも1つのフィルムの第1のフィルムを提供すること、およびそれを検知電子機器と共に配置すること、前記少なくとも1つのフィルムの第2のフィルムを提供することを含み、前記第2のフィルムは、検知領域を定義し、前記第1および第2のフィルムを、検知領域および検知素子が相互に重ね合わされるように構成された型における挿入として提供し、およびその間に少なくとも1つのプラスチック層を成形する。
【0031】
いくつかの態様において、少なくとも1つのフィルムは、その上に定義される検知領域およびその上に配置される検知素子が相互に重ね合わされ、およびその間に少なくとも1つのプラスチック層を成形するように曲げられるフィルムを含む。
【0032】
いくつかの態様において、方法は、少なくとも1つのフィルムおよびその検知領域上に、任意に電気的素子または機能を含む、保護、装飾または機能層などのオーバレイ層の提供を含む。
【0033】
いくつかの態様において、電子機器の少なくとも部分は、印刷された電子機器であり、および選択された印刷電子機器技術によって確立される、またはたとえば、射出成形によって、もしくは浸漬成形によって提供される。
【0034】
種々の態様において、少なくとも1つの物理的特徴は、好ましくは素子を電極上に成形することを介して、接触領域と電極との間に提供される電気伝導性素子を含む。
【0035】
いくつかの態様において、少なくとも1つの物理的特徴の提供は、検知領域および/または電極の位置における前記少なくとも1つのフィルムの3D成形を含み、成形の間に前記少なくとも1つの成形プラスチック層の材料によって延長する、およびオーバーモールドされる対応する突出形状を定義し、これにより前記少なくとも1つの成形プラスチック層、並びに検知領域と電極との間の物理的距離の厚さを局所的に減少する。
【0036】
種々の態様において、方法は、前記少なくとも1つのフィルムの第1のフィルムを提供すること、および検知電子機器と共にそれを配置すること、前記少なくとも1つのフィルムの第2のフィルムを提供することを含み、前記第2のフィルムは、検知領域を定義し、前記第1および第2のフィルムを、検知領域し、およびその間に少なくとも1つのプラスチック層を成形する。いくつかの態様において、検知領域に関するプラスチック層の対応する少なくとも一部は、好ましくは弾性である。
【0037】
ある態様において、少なくとも1つのフィルムは、その上に定義される検知領域およびその上に配置される電極が相互に重ね合わされ、およびその間に少なくとも1つのプラスチック層を成形するように曲げられるフィルムを含む。
【0038】
種々の態様において、方法は、少なくとも1つのフィルムおよびその検知領域上に、保護、装飾または機能層などのオーバレイ層の提供を含む。
【0039】
種々のさらなる、または補足の態様において、フィルムは、本質的に平面である、または少なくとも局所的に本質的に3次元形状、任意に湾曲した、曲がった、傾斜した、またはドーム形状を示す。
【0040】
種々のさらなる、または補足の態様において、フィルム(類)は、たとえば木、革もしくは織物または互いと、またはプラスチックもしくは重合体もしくは金属とこれらの材料のいずれかの組み合わせに関してプラスチック、たとえば熱可塑性高分子および/または有機もしくは生体材料などの材料(類)を含んでいても、またはそれから成ってもよい。基板フィルムは、熱可塑性材料を含んでいても、またはそれから成ってもよい。フィルムは、本質的に柔軟でも、または屈曲可能であってもよい。いくつかの態様において、フィルムは、あるいは、実質的に強固であってもよい。フィルムの厚さは、態様に応じて変化してもよく;それは、たとえば1または数ミリメートルの大きさにおいて、数十もしくは百ミリメートルだけ、またはかなり厚くてもよい。
【0041】
フィルムは、たとえば重合体、熱可塑性材料、電気的絶縁材料、PMMA(ポリメチルメタクリレート)、ポリカーボネート(PC)、コポリエステル、コポリエステル樹脂、ポリイミド、メチルメタクリレートおよびスチレンの共重合体(MS樹脂)、ガラス、ポリエチレンテレフタラート(PET)、炭素繊維、有機材料、生体材料、革、木、布地、織物、金属、有機天然材料、硬材、ベニヤ、合板、樹皮、樹木樹皮、カバノキ樹皮、コルク、天然皮革、天然布地または織物材料、天然に成長した材料、ワタ、ウール、リネン、絹および上の任意の組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つの材料を含んでいてもよい。
【0042】
さらなる、補足または代替のいずれかの態様において、含まれるフィルムの1つまたは複数は、たとえば可視スペクトルにおいて予め定義された波長を考慮して、少なくとも部分的に光学的に実質的に不透明または少なくとも半透明であってもよい。フィルムは、その上に、またはその中にグラフィックパターンおよび/または色などの視覚的に識別可能な、装飾的/美的および/または情報価値のある特徴を備えてもよかった。特徴は、電子機器と共にフィルムの同じ面上に提供されてもよく、その結果これらは、また、関連するオーバーモールドする手順を介してプラスチック材料(類)によって少なくとも部分的に風着される。したがって、IML(型内標識化)/IMD(型内装飾)技術を適用できる。フィルム(類)は、少なくとも部分的に、すなわち少なくとも所々に、その上にある電子機器によって放射される可視光などの放射に対して光学的に実質的に透明であってもよい。透過度は、たとえ、約80%、85%、90%、95%またはより高くてもよい。
【0043】
フィルム(類)上に成形されるプラスチック層(類)は、重合体、有機、生体材料、複合物並びにこれらの任意の組み合わせなどの材料を含んでいてもよい。成形材料は、熱可塑性および/または熱硬化性材料(類)を含んでいてもよい。成形された層(類)の厚さは、態様に応じて変化してもよい。これは、たとえば1、数または数十ミリメートルの大きさほどであってもよい。成形材料は、たとえば電気絶縁であってもよい。
【0044】
より詳細において、少なくとも1つの成形プラスチック層は、弾性樹脂、熱硬化性材料、熱可塑性材料、PC、PMMA、ABS、PET、コポリエステル、コポリエステル樹脂、ナイロン(PA、ポリアミド)、PP(ポリプロピレン)、TPU(熱可塑性ポリウレタン)、ポリスチレン(GPPS)、TPSiV(熱可塑性シリコーン加硫物)およびMS樹脂からなる群から選択される少なくとも1つの材料を含んでいてもよい。
【0045】
種々のさらなる、または補足の態様において、電気伝導性領域および/または検知素子(類)および/またはコイルもしくは電極は、伝導性インク、伝導性ナノ粒子インク、銅、鋼、鉄、スズ、アルミニウム、銀、金、白金、伝導性接着剤、炭素繊維、合金、銀合金、亜鉛、黄銅、チタン、はんだおよびこれらの任意の成分からなる群から選択される少なくとも1つの材料を含む。使用される伝導体は、たとえばそこから反射される、その中に吸収される、または通される可視光などの放射を遮蔽する、または出すように、可視光などの所望の波長にて光学的に不透明、半透明および/または透明でもよい。
【0046】
パターンまたは色彩などの視覚的特徴は、たとえば成形プラスチックに面している(基板)フィルムの面上に内層を介して提供されてもよく、その結果特徴が環境の脅威に関して少なくともフィルムがどちらの面に提供されたかに応じてフィルムの、および任意に成形された層の厚さによって環境の影響から隔てられ、およびしたがって保護されたままである。したがって、容易に損傷を受け得る種々の衝撃、摩擦、化学物質など、たとえば塗布された、印刷された、または載せられた表面特徴は、特徴に影響を及ぼさない、または到達しない。フィルムは、容易に製造され、または加工され、および任意に成形材料などの下層にある特徴を露出するための穴または切欠きなどの必要な特徴を持つ所望の形状に切断され得る。
【0047】
本発明の有用性は、態様に応じて複数の問題に起因する。容量性または誘導性接触検知などのリアクタンス検知は、本質的に静電容量における、またはインダクタンスにおけるなどの、リアクタンスにおける変化に基づく。本発明の種々の態様では、たとえば総リアクタンスにおける変化は、物体が検知領域に配置されるときの公知の解におけるよりも非常に高い。検知素子と検知領域との間の電気的距離を少なくとも局所的に減少することにより、関連する検知感度は、改善され、一方で同時に、たとえば検知素子とその制御回路との間の電気的接続の距離は、検知領域から十分に長く保持されて干渉が減少する。
【0048】
表現「いくつかの」は、本明細書において一つ(1)から開始する任意の正の整数をいい得る。
【0049】
表現「複数の」は、それぞれ、二つ(2)から開始する任意の正の整数をいい得る。
【0050】
用語「第1」および「第2」は、本明細書においてその他の要素から1つの要素を区別するために使用され、および別途明確に明示されない場合、特別にこれらを優先させない、または順序付けない。
【0051】
製造の方法に関連した多層構造の「異なる」または「種々の」態様またはその中に含まれる特徴が本明細書において言及されるとき、態様は、相互に補足的であるとみなされるべきであり、およびしたがって、別途明確に明示されている、または別途関連する解決策が解決策の全く同じ特徴を実行するための相互に明確に排他的な代わりの解決策であることが当業者に明らかでない限り、共通の態様において現実化されてもよい。
【0052】
本発明の異なる態様は、添付の従属クレームにおいて開示される。
【0053】
次に、本発明は、添付の図面に関してより詳細に記述されるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【
図1A】側面図によって、本発明に従った集積多層構造の態様を図示する。
【
図2A】側面図によって、本発明に従った集積多層構造の態様を図示する。
【
図3A】側面図によって、本発明に従った集積多層構造の態様を図示する。
【
図3C】側面図によって、本発明に従った集積多層構造の態様を図示する。
【
図4A】側面図によって、本発明に従った集積多層構造の態様を図示する。
【
図5A】側面図によって、本発明に従った集積多層構造の態様を図示する。
【
図5B】側面図によって、本発明に従った集積多層構造の態様を図示する。
【
図6A】側面図によって、本発明に従った集積多層構造の態様を図示する。
【
図8】本発明の態様に従った方法の間の集積多層構造の異なる段階を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0055】
いくつかの態様の詳細な説明
図1Aおよび1Bは、(横断面の)側面図によって、本発明に従って集積多層構造100の態様を図示する。
【0056】
多層構造100は、最終製品自体、たとえば電子装置を確立しても、またはたとえば、集合された部分もしくはモジュールとしてホスト装置、ホストシステムまたはホスト構造に配置されても、または少なくとも接続されてもよい。構造100は、明快さの理由のために図において明確に示されない多数のその他の素子または層を含んでいてもよい。
【0057】
図1A(側面図)および1B(透視図)において、多層構造は、検知アプリケーションにおける、任意に接触、近接、ジェスチャー、力、圧力、歪み、液体などの物質、表面レベルまたは流れの検知における使用のための集積多層構造100において少なくとも1つの成形または流し込みプラスチック層5、好ましくは電気的に実質的に絶縁材料を含み、第1の1および対向する第2の面2を有する。構造は、前記プラスチック層5の第1の1および第2の面2両方の上にフィルム層10、20をさらに含んでいてもよい。
【0058】
前記プラスチック層5の第1の面1上のフィルム層10は、1つまたは複数の選択された標的量および/または品質の投影型静電容量またはインダクタンス検知などのリアクタンスまたはリアクティブおよびこれらの代表的な電気的なシグナルへの変換ためのリアクタンス検知電子機器を備えていてもよい。検知電子機器は、任意にフィルム層10上に印刷された、特に容量性検知のための検知電極などの、少なくとも1つの検知素子30A、および好ましくは検知素子30Aを駆動する(制御する)関連する制御回路80に検知素子30Aを接続するための、電気接続50、好ましくはガルバーニ接続素子または容量性接続もしくは誘導性接続を含んでいてもよい。前記構造100は、任意に制御回路80の少なくとも部分のホストとなり得る。
【0059】
フィルム層10は、少なくとも2つの層を有するなど、たとえば多層構造の1つの層を形成してもよい。その他の層は、たとえばフィルム層10上に積層されてもよい。これは、さらにフィルム層10が多層構造の最も最外側層を定義しない、または表さないようにされ得るが、しかしむしろ、これは、たとえばフィルム層10の両面上に積層されてもよい。
【0060】
前記プラスチック層5の第2の面2上のフィルム層20は、検知電子機器の検知素子30Aと重ね合わされ、任意に実質的に軸方向に整列された検知領域40を有するか、またはその少なくとも部分を定義する。さらにまた、前記プラスチック層5の第2の面2上のフィルム層20と検知素子30Aとの間の電気的距離は、フィルム層10の検知領域40の位置にて少なくとも1つの物理的特徴によって局所的に減少して関連する検知感度を改善し得る。リアクタンス検知電子機器は、検知領域40の近くで、またはそれと接触して指99の存在を測定するように配置され得る。
【0061】
いくつかの態様において、検知領域40に関するプラスチック層5の少なくとも(対応する)一部は、好ましくは弾性である。したがって、弾性部分を有するこのような構造100は、検知領域40に適用されている力を間接的に測定するために使用され得る。
【0062】
図1Aおよび1Bにおいて、少なくとも1つの物理的特徴は、深さ65を有する成形または流し込みプラスチック層5内の凹部60Aである。深さ65は、たとえばプラスチック層5の全厚さの25~95%であってもよい。深さ65は、好ましくは検知素子30Aが第2の面2上のフィルム層20と凹部60Aの底面との間に適合するようであってもよい。
【0063】
もう一つの態様に従って、検知領域40の位置にてプラスチック層5に凹部があってもよい。ある態様に従って、両方のフィルム層10、20における検知領域40の位置にて凹部があってもよい。
【0064】
いくつかの態様において、基本パターン90または固体基準面90は、検知電子機器の検知素子と共に自己容量検知配置を確立するように前記プラスチック層の第1または第2の面上のフィルム層上に提供され、任意に印刷されてもよい。
【0065】
いくつかの態様において、少なくとも1つの物理的特徴は、前記プラスチック層の第1および/または第2の面上のフィルム層によって定義される突出形状を含み、前記プラスチック層の隣接部分における凹部に突出して、これにより、検知領域の位置における前記プラスチック層の第2の面上のフィルム層と検知素子との間の物理的距離を局所的に減少する。いくつかの態様において、凹部形状は、本質的に半球または球状キャップ形状を定義する。いくつかのその他の態様において、フィルム層によって定義される形状は、フィルムの3D成形、任意に熱成形により生じる細長いフィルム材料を含む。
【0066】
ある態様において、前記プラスチック層の第2の面上のフィルム層は、検知領域の位置にて電極のホストとなり、検知電子機器の検知素子と相互容量性検知のための送受信機電極対を確立するように構成され、検知素子は、検知電極である。
【0067】
種々の態様において、構造100は、前記プラスチック層の第1または第2の面上のフィルム層上に保護、装飾または機能層などの少なくとも1つのオーバレイ層を含む。
【0068】
種々の態様に従って、構造100は、前記プラスチック層5の第1の面1上の第1のフィルム10および前記プラスチック層5の第2の面2上の第2のフィルム20を含んでいてもよい。好ましくは、第1の10および第2の20フィルムは、異なり、フィルムを分離する。
【0069】
種々の態様において、検知素子30Aを含む検知電子機器の少なくとも部分は、前記プラスチック層が面するフィルム層の表面上に位置する。
【0070】
一般に、多層100構造は、また、たとえば少なくとも1つの電子部品、その他の機能的素子または電子部品、電気機械部品、電気光学部品、放射線放出部品、発光部品、LED(発光ダイオード)、OLED(有機LED)、サイドシューティングLEDまたはその他の光源、トップシューティングLEDまたはその他の光源、ボトムシューティングLEDまたはその他の光源、放射線検知部品、光検知または感光部品、フォトダイオード、フォトトランジスター、光起電性装置、センサ、微小機械部品、スイッチ、タッチスイッチ、タッチパネル、近接スイッチ、タッチセンサ、大気センサ、温度センサ、圧力センサ、水分センサ、ガスセンサ、近接センサ、容量性スイッチ、容量センサ、投影型容量センサまたはスイッチ、単一電極容量性スイッチまたはセンサ、容量性ボタン、複数電極容量性スイッチまたはセンサ、自己容量センサ、相互容量センサ、誘導センサ、センサ電極、微小機械部品、UI素子、ユーザー入力素子、振動素子、音を生成する素子、通信素子、送信機、受信機、トランシーバ、アンテナ、赤外線の(IR)受信機または送信機、無線通信素子、無線タグ、ラジオタグ、タグ読み取り装置、データ処理素子、データ記憶素子、電子小組立部品、光方向づけ素子、ライトガイド、レンズおよびリフレクターからなる群から選択されるその他の特徴を含んでいても、または実行してもよい。
【0071】
図2Aおよび2Bは、(断面)側面図および透視図によって、本発明に従った集積多層構造100の態様を図示する。
【0072】
図2Aおよび2Bは、それぞれ
図1Aおよび1Bに類似する。しかし、
図2Aおよび2Bにおいて、少なくとも1つの物理的特徴は、プラスチック層5に射出成形され、または流し込まれたなどの成形された電気伝導性素子60Bである。好ましくは、少なくとも1つの物理的特徴は、前記プラスチック層5内に実質的に電気伝導性素子60Bを含み、検知素子30Aに接続する。いくつかの態様において、伝導性素子60Bは、検知素子上に成形された樹脂を含む。伝導性素子60Bは、検知素子30A上に配置された伝導体の小片を含んでいてもよい。電気伝導性素子60Bは、リアクタンス検知電子機器の検知素子30Aの部分を定義してもよい。前記電気伝導性素子60Bは、プラスチック層5によって定義される凹部に成形されてもよい。
【0073】
図3Aおよび3Bは、(断面)側面図および透視図によって、本発明に従って集積多層構造100の態様を図示する。
【0074】
図3Aおよび3Bは、それぞれ
図1Aおよび1Bに類似する。しかし、
図3Aおよび3Bにおいて、少なくとも1つの物理的特徴は、検知素子30A上に配置された伝導体60Cの小片の電気伝導性素子である。
【0075】
図3Cおよび3Dは、(断面)側面図および透視図によって、本発明に従った集積多層構造100の態様を図示する。
【0076】
図3Cおよび3Dは、それぞれ
図3Aおよび3Bに他の点で類似する。しかし、
図3Cおよび3Dにおいて、少なくとも1つの物理的特徴は、伝導体60Cの小片の電気伝導性素子でもよく、またはこれは、関連する検知感度検知素子30Aを改善するためにフィルム層の検知領域の位置にて前記プラスチック層の第2の面上に、成形された、または流し込まれたプラスチック層内にある、フィルム層の内部表面上に配置された電気伝導性素子60Bであってもよい。
【0077】
図4Aおよび4Bは、それぞれ、(断面)側面図および透視図によって、本発明に従った集積多層構造100の態様を図示する。
【0078】
図4Aおよび4Bにおいて、少なくとも1つの物理的特徴は、伝導体60Cの小片の電気伝導性素子でもよく、またはこれは、関連する検知感度検知素子30Aを改善するためにフィルム層の検知領域の位置にて前記プラスチック層の第1の面上に、成形されたまたは流し込まれたプラスチック層内にある、フィルム層の内部表面の上に配置される電気伝導性素子60Bであってもよい。あるいは、または加えて、少なくとも1つの物理的特徴は、
図1Aおよび1Bにおいてなどの、検知領域40の位置にて配置された凹部であってもよい。
【0079】
さらにまた、
図4Aおよび4Bにおける構造100は、容量性検知素子または特にこれらの素子間の相互静電容量に基づいた容量センサの受信電極などの第2の検知素子45を含み、好ましくは検知領域40の位置にて、第2のフィルム20の内側または外側表面になどの、表面に配置される。
【0080】
伝導体60Cの小片の電気伝導性素子などの少なくとも1つの物理的特徴は、またはこれは、電気伝導性素子60Bでもよく、
図1Aおよび1Bまたは5Aおよび5Bに関連した1つにおいてなど、種々の態様におけるフィルム層の検知領域の位置にてフィルム層の内側表面上に配置されてもよい。
【0081】
図5Aおよび5Bは、(断面)側面図によって、本発明に従った集積多層構造100の2つの態様を図示する。
【0082】
図5Aおよび5Bは、それぞれ
図1Aおよび3Aに類似する。しかし、
図5Aおよび5Bの態様において、構造100は、前記プラスチック層5の両面上にフィルム層10、20またはフィルム切片を定義する2つの実質的に対向する部分に曲げられたただ1つのフィルムまたはフィルム層を含む。
【0083】
図6Aおよび6Bは、(断面)側面図および上からの図によって、本発明に従った集積多層構造100の態様を図示する。
【0084】
前記プラスチック層5の第1の面1上のフィルム層10は、1つまたは複数の選択された標的量および/または品質の(リアクタンス)検知およびこれらの代表的電気的シグナルへの変換のためのリアクタンス検知電子機器を備えてもよい。検知電子機器は、この特定の場合において、任意にフィルム層10上に印刷された、検知コイル30Bである少なくとも1つの検知素子30A、および好ましくはコイル30Bを駆動するコイル30Bを関連する制御回路80に接続するための電気接続50、好ましくはガルバーニ接続素子または容量性接続もしくは誘導性接続を含んでいてもよい。前記構造100は、任意に制御回路80の少なくとも部分のホストとなってもよい。さらにまた、固体金属などの標的素子70があってもよい。誘導性接触検知は、標的70と前記コイル30Bとの間に電磁結合の特徴における変化を検知することによって作動する。
図6Bに示したように、少なくとも1つの物理的素子60Aは、たとえば
図1Aおよび1Bにおいてなど、検知領域40の位置にて配置された凹部であってもよい。
【0085】
図7は、本発明に従った方法の態様の流れ図を図示する。
【0086】
多層構造を製造するための方法の始めに、開始段階700が実行され得る。開始の間、材料、部品およびツール選択、獲得、較正およびその他の設定課題などの必要な課題が起こり得る。個々の素子および材料選択が共に働き、および選択された製造および導入工程を切り抜け、これは当然好ましくは製造工程詳細および部品データ用紙に基づいて点検され、またはたとえばプロトタイプを調査すること、および試験することによって、特定のケアがなされなければならない。したがって、成形/IMD(型内装飾)、ラミネーション、結合、(熱)成形、電子機器アセンブリ、切断、穿孔および/または印刷設備などの使用される設備は、とりわけこの段階にて操作状態まで増設され得る。
【0087】
710にて、少なくとも1つの、任意にプラスチックフィルム10が得られる。前記少なくとも1つのフィルム10は、検知領域40、好ましくは特に、フィルム10上の接触検知領域40を有し、またはフィルム10の少なくとも一部は、それを定義する。フィルム10は、最初に実質的に平面でも、またはたとえば湾曲していてもよい。既製の素子、たとえばプラスチックフィルムのロールまたはシートは、材料としての使用のために取得してもよい。いくつかの態様において、フィルムそれ自体は、選択された出発材料(類)から成形すること、またはその他の方法によって最初に組織内で作り出されてもよい。任意に、フィルム10は、この段階にてさらに加工されてもよい。これは、たとえば穴、切欠き、凹部、切断などを備えてもよい。
【0088】
720にて、前記少なくとも1つのフィルム10は、1つまたは複数の選択された標的量および/または品質の投影型静電容量またはインダクタンス検知などの、リアクタンスおよびこれらの代表的電気的シグナルへの変換のためのリアクタンス検知電子機器と共に配置される。前記検知電子機器は、検知電極30Aまたは検知コイル30Bなどの、少なくとも1つの検知素子30Aおよび好ましくは検知素子30Aを駆動する関連する制御回路80に検知素子30Aを接続するためのガルバーニ接続素子、容量性接続または誘導性接続などの電気接続50を含んでいてもよく、任意に少なくとも1つのフィルム10を制御回路80の少なくとも部分と共にさらに配置する。
【0089】
種々の態様において、回路設計を構築するための、たとえば導体線(配線)および/または接触パッドおよび/または電極を定義する多数の伝導性領域は、好ましくは印刷電子機器技術の1つまたは複数の付加技術によってフィルム(類)上に、その一方または両方の面に提供される。たとえば、スクリーン、インクジェット、フレキソ印刷、グラビアまたはオフセットリソグラフ印刷を利用してもよい。またさらに、たとえば印刷または一般にグラフィックス、視覚的指標、光学的素子などの提供を含むフィルム(類)を育成するまたさらなる作用がここで生じてもよい。
【0090】
730にて、少なくとも1つの物理的特徴60A、60B、60Cは、検知領域40と検知素子30Aとの間の電気的距離を局所的に減少して関連する検知感度を改善するように提供され得る。少なくとも1つの物理的特徴が凹部である態様において、たとえば凹部は、熱成形、冷間成形および真空成形などの成形によって成形しても、フィルム10内の凹部でもよい。成形は、好ましくはフィルム上の検知素子30Aを提供する後に生じてもよいが、しかし、あるいは、それは、前記素子30Aの提供前に生じてもよい。
【0091】
740にて、好ましくは電気的に実質的に絶縁材料の、少なくとも1つのプラスチック層5を、前記プラスチック層5が検知電子機器と検知領域40との間に集積、中間層を定義する、および検知領域40が検知電子機器の検知電極またはコイルなどの検知素子30Aと重ね合わされ、任意に実質的に軸方向に整列されるように、成形する、または流し込み成形する、および構成する。実際には、基板フィルムは、射出成形過程において挿入物として使用されてもよい。基板フィルムの一方の面は、いくつかの態様において、成形プラスチックを含まないままでもよい。場合により、2つのフィルムが使用され、それらの両方をプラスチック層がこれらの間に射出されるようにそれ自体の成形の半分に挿入されてもよい。あるいは、第2のフィルムは、適切なラミネーション技術によってその後に第1のフィルムおよびプラスチック層の集合体に付着することもでき得る。
【0092】
ある態様に従って、
図5Aおよび5Bに示したなど、1つのフィルムのみが、フィルム層10、20を提供するために使用される。種々の態様において、2つの別々フィルム10、20が使用されてもよい。
【0093】
工程730および740は、任意の順序において行われてもよい。たとえば、凹部である少なくとも物理的特徴60Aの場合には、これは、成形すること、または流し込み成形することの前に層に提供されてもよい。また、伝導体の小片である少なくとも物理的特徴60Cの場合には、これは、成形すること、または流し込み成形することの前に層に提供されてもよい。一方、電気伝導性素子60Bの場合には、前記素子60Bは、上に述べたように、プラスチック層5の前に、またはこれと実質的に同時に成形してもよい。
【0094】
799にて、方法遂行が、終わる。
【0095】
図8は、本発明の態様に従った方法の間の集積多層構造の異なる段階を図示する。
【0096】
分かり得るように、
図8において、少なくとも1つの物理的特徴60Aは、プラスチック層5に伸張する凹部である。710にて、少なくとも1つの、任意にプラスチックフィルム10が得られる。前記少なくとも1つのフィルム10は、検知領域40、好ましくは特に、フィルム10上の接触検知領域40を有する、またはフィルム10の少なくとも一部が定義する。720にて、前記少なくとも1つのフィルム10は、リアクタンス検知のためのリアクタンス検知電子機器と共に配置される。前記検知電子機器は、少なくとも1つの検知素子30Aおよび好ましくは検知素子30Aを駆動する関連する制御回路80に検知素子30Aを接続するために、ガルバーニ接続素子などの電気接続50を含んでいてもよく、任意に前記少なくとも1つのフィルム10を制御回路80の少なくとも部分と共にさらに配置する。
【0097】
730にて、少なくとも1つの物理的特徴60Aは、検知領域40と検知素子30Aとの間の電気的距離を局所的に減少して関連する検知感度を改善するように提供してもよい。凹部は、熱成形、冷間成形および真空成形などの成形によって成形しても、フィルム10内の凹部であってもよい。成形は、好ましくは、フィルム上の検知素子30Aを提供する前に生じてもよく、しかし、あるいは、これは、前記素子30Aの提供の後に生じてもよい。740にて、少なくとも1つのプラスチック層5、好ましくは電気的に実質的に絶縁材料の少なくとも部分を成形すること、または流し込み成形すること、および構成することが起こり、その結果前記プラスチック層5が検知電子機器と検知領域40との間に集積、中間層を定義する、および検知領域40が検知電子機器の検知電極またはコイルなどの検知素子30Aと実質的に重ね合わされ、任意に実質的に軸方向に整列される。
【0098】
いくつかの態様において、1つまたは複数の、典型的には種々のSMDなどの電子部品を含む既製の部品は、たとえばはんだおよび/または接着剤によってフィルム(類)上の接触領域に付着されてもよい。あるいは、またはさらに、印刷電子機器技術を適用して、フィルム(類)上へ直接OLEDなどの部品の少なくとも部分を実際に製造してもよい。
【0099】
ガルバーニ接続素子などの電気的接続50は、標準的なピックアンドプレース方式/設備(適用できる場合)などの任意の可能な位置決めまたは取付け技術を利用してフィルム上に提供されてもよい。加えて、適用できる結合(たとえば、接着剤またはその他の結合物質を使用する)、接着および/またはさらなる固定技術を利用してもよい。さらにまた、接続50は、印刷され、射出成形され、または浸漬成形されてもよい。
【0100】
また、構造100は、IC(類)および/または種々の部品などのその他の電子機器を組み込んでいてもよい。多層構造100の電子機器の少なくとも部分は、小組立部品を介してフィルム(類)10、20に提供されてもよい。任意に、小組立部品は、フィルム10、20に対する付着の前に保護プラスチック層によって少なくとも部分的にオーバーモールドされてもよい。たとえば、接着剤、圧力および/または熱をフィルム10、20と小組立部品の機械的接着のために使用してもよい。はんだ、配線および伝導性インクは、小組立部品の素子とフィルム(類)上の残りの電気的素子との間に電気的接続を提供するための適用できる選択肢の例である。
【0101】
得られた積み重ねられた多層構造の生じる全厚さに関して、これは、たとえば製造およびその後の使用を考慮して必要な強度を提供する使用される材料および関連した最小の材料の厚さに依存する。これらの側面は、個々の場合に応じて考慮されなければならない。たとえば、構造の全厚さは、約1mmまたは数ミリメートルであることができ得るが、しかし、かなりより厚い、またはより細い態様も可能である。
【0102】
さらなる層をラミネーションまたは適切なコーティング(たとえば沈着)手順によって多層構造に付加してもよい。層は、保護、標示および/または美的価値(グラフィックス、色、図、テキスト、数値データなど)であってもよく、およびさらなるプラスチックの代わりに、またはそれに加えて、たとえば布地、革またはゴム材料を含んでいてもよい。電子機器などのさらなる素子が基板の外部表面などの構造の外側表面(類)にて取り付けられてもよい。コネクタ素子は、外部装置、システムまたは構造の外部コネクタなどの所望の外部接続素子を提供しても、およびこれに接続していてもよい。たとえば、これらの2つのコネクタは、プラグソケットタイプ接続を共に形成してもよい。
【0103】
種々のさらなる、または補足の態様において、フィルム(類)は、たとえば木、革もしくは織物または互いと、またはプラスチックもしくは重合体もしくは金属とこれらの材料のいずれかの組み合わせに関してプラスチック、たとえば熱可塑性高分子および/または有機もしくは生体材料などの材料(類)を含んでいても、またはそれから成ってもよい。基板フィルムは、熱可塑性材料を含んでいても、またはそれから成ってもよい。フィルムは、本質的に柔軟でも、または屈曲可能であってもよい。いくつかの態様において、あるいは、フィルムは、実質的に強固であってもよい。フィルムの厚さは、態様に応じて変化してもよい;それは、わずか数十または百ミリメートル、またはたとえば、1または数ミリメートルの大きさにおいて、かなり厚くてもよい。
【0104】
フィルムは、たとえば重合体、熱可塑性材料、電気的絶縁材料、PMMA(ポリメチルメタクリレート)、ポリカーボネート(PC)、コポリエステル、コポリエステル樹脂、ポリイミド、メチルメタクリレートの共重合体およびスチレン(MS樹脂)、ガラス、ポリエチレンテレフタラート(PET)、炭素繊維、有機材料、生体材料、革、木、布地、織物、金属、有機天然材料、硬材、ベニヤ、合板、樹皮、樹木樹皮、カバノキ樹皮、コルク、天然皮革、天然布地または織物材料、天然に成長した材料、ワタ、ウール、リネン、絹および上のものの任意の組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つの材料を含んでもよい。
【0105】
さらなる、補足の、または代わりのいずれかの態様において、含まれるフィルムの1つまたは複数は、少なくとも部分的に光学的に実質的に不透明であっても、またはたとえば、可視スペクトルにおける予め定義された波長に関して少なくとも半透明であってもよい。フィルムは、その上に、またはその中に、グラフィックパターンおよび/または色などの視覚的に識別可能な、装飾的/美的および/または情報価値のある特徴を備えていてもよい。特徴は、また、これらが関連するオーバーモールド手順を介してプラスチック材料(類)によって少なくとも部分的に封をされているように、電子機器と共にフィルムの同じ面上に提供されていてもよい。したがって、IML(金型内の標識化)/IMD(金型内の装飾)技術は、適用できる。フィルム(類)は、少なくとも部分的に、すなわち少なくとも所々に、その上にある電子機器によって放射される可視光などの放射に対して光学的に実質的に透明であってもよい。透過度は、たとえば約80%、85%、90%、95%またはより高くてもよい。
【0106】
フィルム上に成形されるプラスチック層(類)は、重合体、有機、生体材料、複合物並びにこれらの任意の組み合わせなどの材料を含んでいてもよい。成形材料は、熱可塑性および/または熱硬化性材料(類)を含んでいてもよい。成形層(類)の厚さは、態様に応じて変化してもよい。これは、たとえば1、数または数十ミリメートルの大きさほどであってもよい。成形材料は、たとえば電気絶縁でもよい。
【0107】
より詳細において、少なくとも1つの成形プラスチック層は、弾性樹脂、熱硬化性材料、熱可塑性材料、PC、PMMA、ABS、PET、コポリエステル、コポリエステル樹脂、ナイロン(PA、ポリアミド)、PP(ポリプロピレン)、TPU(熱可塑性ポリウレタン)、ポリスチレン(GPPS)、TPSiV(熱可塑性シリコーン加硫物)およびMS樹脂からなる群から選択される少なくとも1つの材料を含んでいてもよい。
【0108】
種々のさらなる、または補足の態様において、電気伝導性領域および/または検知素子(類)および/またはコイルまたは電極は、伝導性インク、伝導性ナノ粒子インク、銅、鋼、鉄、スズ、アルミニウム、銀、金、白金、伝導性接着剤、炭素繊維、合金、銀合金、亜鉛、黄銅、チタン、はんだおよびこれらの任意の成分からなる群から選択される少なくとも1つの材料を含む。使用される伝導体は、たとえばそこから反射される、その中に吸収される、または通される可視光などの放射を遮蔽する、または出すように、可視光などの所望の波長にて光学的に不透明、半透明および/または透明であってもよい。
【0109】
パターンまたは色彩などの視覚的特徴は、特徴が環境の脅威に対してフィルムがどちらの面に提供されたかに応じてフィルムの、および任意に成形層の少なくとも厚さによって環境の影響から隔てられ、およびしたがって、保護されたままであるように、たとえば成形プラスチックに面している(基板)フィルムの面上に、内層を介して提供されてもよい。したがって、容易に損傷を受け得る種々の衝撃、摩擦、化学物質など、たとえば塗布された、印刷された、または載せられた表面特徴は、特徴に影響を及ぼさない、または到達しない。フィルムは、容易に製造され、または加工され、および任意に成形材料などの下層にある特徴を露出するための穴または切欠きなどの必要な特徴を持つ所望の形状に切断され得る。
【0110】
本発明の範囲は、その均等物と共に、添付の特許請求の範囲によって決定される。当業者は、開示された態様が例証目的のためにのみ構成され、および上の原則の多くを適用するその他の配置が最善の適応するそれぞれの可能な使用シナリオに容易に準備することができ得るという事実を認識するだろう。たとえば、基板上へ直接プラスチックを成形することの代わりに、またはそれに加えて、プラスチック層をあらかじめ準備することができ、および次いで、たとえば接着剤、機械的付着手段(ネジ、ボルト、釘など)、圧力および/または熱を適用する適切なラミネーション技術によって基板に付着することができ得る。最後に、いくつかのシナリオにおいて、成形すること、または流し込み成形することの代わりに、類似の機能のプラスチックまたはその他の層を、適切な沈着またはさらなる代わりの方法を使用して基板上に作製することができ得る。さらに、印刷された配線の代わりに、配線を別途作製する/提供することができ得る。たとえば、その他の選択肢の中で、エッチングを利用して製造された導体フィルムを適用することができ得る。