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特許7280964昇降テーブルとシート要素の束のための出力コンベアとの間でシート要素を一時的に受け取るための分離装置
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  • 特許-昇降テーブルとシート要素の束のための出力コンベアとの間でシート要素を一時的に受け取るための分離装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-16
(45)【発行日】2023-05-24
(54)【発明の名称】昇降テーブルとシート要素の束のための出力コンベアとの間でシート要素を一時的に受け取るための分離装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 31/32 20060101AFI20230517BHJP
【FI】
B65H31/32
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021549603
(86)(22)【出願日】2020-02-25
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-13
(86)【国際出願番号】 EP2020025090
(87)【国際公開番号】W WO2020173606
(87)【国際公開日】2020-09-03
【審査請求日】2021-08-24
(31)【優先権主張番号】1901939
(32)【優先日】2019-02-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】514053077
【氏名又は名称】ボブスト リヨン
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100196221
【弁理士】
【氏名又は名称】上潟口 雅裕
(72)【発明者】
【氏名】コンバート クロード
(72)【発明者】
【氏名】ペロン ギョーム
【審査官】山本 健晴
(56)【参考文献】
【文献】特開平03-115056(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0140763(US,A1)
【文献】特表2015-516319(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 31/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
積み重ねテーブル(2)からシート要素の束を放出する出力コンベア(3)まで移送されるシート要素(9)を一時的に受け取るための分離装置(1)であって、
垂直方向に摺動可能に取り付けられた支持体(10)と、
前記支持体を前記垂直方向に駆動するための駆動装置(11)と、
長手水平方向に延びかつ、水平方向であり前記長手水平方向と垂直である横方向に離間した複数のアーム(13)であって、少なくとも1つのアーム(13)は、前記支持体に対して前記長手水平方向に移動可能に取り付けられ、前記アームの移動は、前記支持体(10)に対する前記長手水平方向での張り出し長さを変更する、複数のアーム(13)と、
前記アームを前記長手水平方向に駆動すると同時に、前記アームの別のアームをその長手方向の位置に保つように構成された駆動システム(12)と、
を備え
前記駆動システム(12)は、
前記横方向に配備されて回転駆動される軸(15)と、
前記軸と一緒に回転する、前記アームの各々のためのピニオン(150)と、
前記アーム(13)に固定されたラック(130)と、
前記ラック(130)に前記ピニオン(150)を選択的に結合する及び切り離すように構成されたクラッチ形成装置(14)と、
を含む、分離装置(1)。
【請求項2】
前記アーム(13)の各々の前記クラッチ形成装置(14)は、前記ラック(130)を前記アームに選択的に係合する又はそこから解除するために、前記アーム(13)に関連する前記ピニオン(150)を前記軸(15)の軸線に沿って並進移動させるように構成されたアクチュエータ(140)を含む、請求項に記載の分離装置(1)。
【請求項3】
前記アクチュエータ(140)の各々は、前記アームに関連する前記ピニオン(150)の切り離しの間に前記関連するアーム(13)の並進運動の摺動を不動にする、ロックボルト(141)を駆動する、請求項に記載の分離装置(1)。
【請求項4】
前記ピニオン(150)は、前記軸にキー(151)を介して結合される、請求項からのいずれか一項に記載の分離装置(1)。
【請求項5】
前記アーム(13)は、長手水平方向で前記アーム(13)の移動を案内するように、前記支持体(10)に固定された摺動面(100)と協働する摺動子(131)を含む、請求項1からのいずれか一項に記載の分離装置(1)。
【請求項6】
前記アーム(13)は、前記支持体(10)に対して1つの同じ垂直高さに配置される、請求項1からのいずれか一項に記載の分離装置(1)。
【請求項7】
前記アーム(13)は、前記支持体(10)に対してシート要素の束(90)を保持するための張り出し長さに到達できるように、前記支持体(10)に対して摺動可能に取り付けられる、請求項1からのいずれか一項に記載の分離装置(1)。
【請求項8】
前記アーム(13)は、前記積み重ねテーブル(2)の無端コンベアベルト(20)の間の間隔に対応するように構成された距離だけ前記横方向に離間する、請求項1からのいずれか一項に記載の分離装置(1)。
【請求項9】
前記支持体(10)を下方に摺動すること、
前記アーム(13)の複数を前記支持体(10)に対して突出する配備位置に移動すること、
前記アーム(13)の全てを前記支持体(10)に対して格納位置に置くこと、
前記支持体(10)を上方に摺動すること、
を連続して命令するように構成された制御ユニット(19)を含む、請求項1からのいずれか一項に記載の分離装置(1)。
【請求項10】
パッケージング製造機のためのシート要素を受け取ってシート要素の束を放出するステーションであって、請求項1からのいずれか一項に記載の分離装置を備える、ステーション。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特にパッケージングを製造するためにシート要素に印刷するか又はこれを転換するためのラインの出力部でのシート要素の束の形成に関する。本発明は、特にシート要素の束を、束形成サイクルの中断を回避しながら束出力コンベアに移送することが意図された装置に関する。
【背景技術】
【0002】
シート要素は、様々な印刷又は転換が施された後に、所定の数の束で、シート要素が互いに対して正確に位置決めされた状態で積み重ねる必要がある。そのため、従来、転換機械の下流に、シート要素計数ステーション、積み重ねテーブル上にシート要素を積み重ねるためのステーション、及び積み重ね体を出力コンベアに移送して束を分離するシステムを用いることが知られている。
【0003】
自由落下による積み重ねステーションは、積み重ねテーブルを含む。装置は、シート要素が積み重ねテーブル上に連続的に落下して積み重ね体を形成することを可能にする。積み重ねテーブルは、積み重ねが増大する速度で降下する。束に対応するシート要素の数に到達すると、次に、シート要素供給サイクルを中断することなくこの束を正確に放出する問題が生じる。
【0004】
欧州特許第0501213号明細書には、シート要素の束を積み重ねる、分離する、及び放出するためのステーションが記載されている。ステーションは、シート要素を供給するための手段、束放出装置の上方に配置されて一時的な積み重ねマガジンを形成する格納式支持体を備える。
【0005】
このテーション自体には欠点がある。特に、積み重ねマガジンに到達する最初のシート要素は、格納式支持体に接触し、これによって損傷する。加えて、格納式支持体は、一定の高さ位置にあるので、一時的な積み重ねマガジンは、高速で到達するシート要素によってより早く一杯になり、これは、印刷又は転換ライン全体の生産性を制限する。
【0006】
欧州特許第0666234号明細書には、シート要素の束を積み重ねる、分離する、及び放出するためのステーションが記載されている。ステーションは、垂直に移動して、その上に落下する、積み重ねられるシート要素を受け取ることができる積み重ねテーブルを含む。このテーブルは、出力コンベアの高さまで漸進的に降下し、シート要素の束が形成された後、シート要素の束を収集及び放出する。分離装置は、垂直方向及び水平方向に移動する。束が形成された後、分離装置は、積み重ねテーブルの上に垂直方向に位置決めされ、次のシート要素の束を支持するために、それ自体が間に入る。次に、積み重ねテーブルは、まさに形成された束を、束を放出する出力コンベアに移送する。次に、分離装置は格納され、次に、積み重ねテーブルは、次のシート要素の束を収集することができる。
【0007】
このようなステーション自体には欠点がある。特に、分離装置は、所定の慣性を呈する。サイクル中に、シート要素に必要な積み重ね速度と同等の速度で分離装置を移動させることは難しい。また、このような分離装置は、シート要素を横方向に位置合わせする所定のモードと不適合であることが分かっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】欧州特許第0501213号明細書
【文献】欧州特許第0666234号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記の欠点のうちの1つ以上を解決しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
従って、本発明は、積み重ねテーブルからシート要素の束の出力コンベアまで移送されるシート要素を一時的に受け取るための分離装置に関連する。分離装置は、
垂直方向に摺動可能に取り付けられた支持体と、
支持体を垂直方向に駆動するための駆動装置と、
長手水平方向に延びかつ横方向に離間した複数のアームであって、少なくとも1つのアームは、支持体に対して長手水平方向に移動可能に取り付けられ、アームの移動は、支持体に対する第1の側面上の長手水平方向での張り出し長さを変更する、複数のアームと、
アームを長手水平方向に駆動すると同時に、別のアームをその長手方向の位置に保つように構成された駆動システムと、を備える。
【0011】
また、本発明は、以下の変形例に関する。当業者は、以下の変形例の特徴の各々が、中間一般化を構成することなく上記の特徴とは無関係に組み合せることができることを理解できるはずである。
【0012】
1つの変形例によれば、駆動システムは、
横方向に配備されて回転駆動される軸と、
軸と一緒に回転する、各アームのためピニオンと、
アームに固定されたラックと、
ラックにピニオンを選択的に結合する及び切り離すように構成されたクラッチ形成装置と、
を含む。
【0013】
別の変形例によれば、各アームのクラッチ形成装置は、アームにラックを選択的に係合する又はそこから解除するために、アームに関連するピニオンを軸の軸線に沿って並進移動させるように構成されたアクチュエータを含む。
【0014】
さらに別の変形例によれば、各々のアクチュエータは、アームに関連するピニオンの切り離しの間に関連するアームの並進運動の摺動を不動にする、ロックボルトを駆動する。
【0015】
さらに別の変形例によれば、ピニオンは、軸にキーを介して結合される。
【0016】
1つの変形例によれば、アームは、長手水平方向でアームの移動を案内するように、支持体に固定された摺動面と協働する摺動子を含む。
【0017】
さらに別の変形例によれば、アームは、支持体に対して1つの同じ垂直高さに配置される。
【0018】
別の変形例によれば、アームは、第1の側面上で支持体に対してシート要素の束を保持するための張り出し長さに到達できるように、支持体に摺動可能に取り付けられる。
【0019】
さらに別の変形例によれば、アームは、積み重ねテーブルの無端コンベアベルトの間の間隔に対応するように構成された距離だけ横方向に離間する。
【0020】
さらに別の変形例によれば、分離装置は制御ユニットを含み、制御ユニットは、
支持体を下方に摺動すること、
複数のアームを第1の側面に対して突出する配備開位置に移動すること、
全てのアームを第1の側面に対して格納位置に置くこと、
支持体を上方に摺動すること、
を連続して命令するように構成される。
【0021】
さらに別の変形例によれば、制御ユニットは、摺動ステップ及び停止に引き続いて、支持体の下方の摺動を制御するように構成される。
【0022】
また、本発明は、パッケージング製造機のためのシート要素を受け取ってシート要素の束を放出するステーションに関連し、ステーションは上述の分離装置を備える。
【0023】
発明のさらなる特徴及び利点は、添付図面を参照して非制限的に与えられる以下の説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】発明の1つの実施形態による分離装置の実施例の斜視図である。
図2】発明の1つの実施形態による分離装置の実施例の斜視図である。
図3】アームのための駆動システム及びクラッチ装置の領域での分離装置の斜視図である。
図4】駆動システムの軸線での分離装置の断面図である。
図5】積み重ねテーブルに関連する部分での分離装置の分解斜視図である。
図6】積み重ねテーブル及び分離装置の組み合わせの上面図である。
図7】積み重ねテーブル及び分離装置の組み合わせの側面断面図である。
図8】積み重ねテーブル及び分離装置の組み合わせの正面図である。
図9】分離装置の様々な動作段階の間の運動学を示す。
図10】分離装置の様々な動作段階の間の運動学を示す。
図11】分離装置の様々な動作段階の間の運動学を示す。
図12】分離装置の様々な動作段階の間の運動学を示す。
図13】分離装置の様々な動作段階の間の運動学を示す。
図14】分離装置の様々な動作段階の間の運動学を示す。
図15】分離装置の様々な動作段階の間の運動学を示す。
図16】分離装置の様々な動作段階の間の運動学を示す。
【発明を実施するための形態】
【0025】
長手方向は、中心長手方向軸線に沿った、シート要素を受け取るステーションを通る、パッケージング製造機を通るシート要素の進行方向又は駆動方向に関して定義される。横方向は、シート要素の進行方向に水平な平面に直角を成す方向として定義される。上流及び下流方向は、製造機への進入から製造機及びシート要素受け取りステーションからの退出までのパッケージング製造機のあらゆる場所での長手方向におけるシート要素の進行方向に対して定義される。
【0026】
図1及び図2は、発明の1つの実施形態による分離装置1の1つの実施例の斜視図である。分離装置1は、シート要素を一時的に受け取ることが意図されており、シート要素は、積み重ねテーブルから当該シート要素の束(以下に詳述する)の出力コンベアに移送される。従って、分離装置1は、例えば、パッケージングを製造するための製造機のための、シート要素を受け取り、当該シート要素の束を放出するステーションに含まれる場合がある。
【0027】
分離装置1は、シャーシ18、支持体10、駆動装置11、駆動システム12、アーム13、及び制御ユニット19を備える。
【0028】
支持体10は、シャーシ18に対して垂直方向に摺動可能に取り付けられる。シャーシ18は、2つの垂直な垂直材180(図示の方向Z)と、横向きに配向され、垂直方向の垂直材180を連結する1つの横材181とを含む。支持体10は、それ自体公知の様式で垂直材180に形成できる垂直レールによって垂直摺動状態で案内することができる。支持体10は、横方向(図示の方向Y)に細長いビームを形成する。横方向は、水平方向でありかつ分離装置1に到達するシート要素の移送方向(方向X)と垂直である。駆動装置11は、支持体10を垂直方向に駆動するように構成される。ここでは、駆動装置11は、制御ユニット19によって制御される歯車付き電気モーター110とベルト111とを含み、ベルト111は、一方では、軸112を介して歯車付きモーター110のローターと係合し、さらに各ベルト111上の固定点にしっかり固定された支持体10に係合する。ベルト111は、ノッチ付きプーリー113によって案内される。ここでは、モーターは横材181に固定される。
【0029】
アーム13は長手水平方向に延び、横方向に離間している。アーム13は、それらの移動が長手水平方向に案内されるような様式で、支持体10に取り付けられる。各々のアーム13の移動により、支持体10に対する、特に支持体10に対する第1の側面上での水平方向の張り出し長さが変化する。支持体10に対するアーム13の張り出し長さは、例えば方向Y及びZを含み、支持体10の長手方向端部に位置決めされる平面に対して測定される。格納位置において、アーム13は、支持体10に対する第2の側面に位置決めされ、支持体10に対する第1の側面上の張り出し長さは最小又はゼロである。
【0030】
駆動システム12は、1又は2以上のアーム13を同時に長手水平方向に移動させ、かつ1又は2以上の他のアーム13をそれらの長手方向の位置に保つように構成される。ここでは、駆動システム12は軸15を含み、軸15は、横方向に配置され、例えば、詳述されない様々な軸受及びボール軸受を介して、支持体10によって回転自在に案内される。駆動システム12は、軸15を回転駆動するギヤ付き電気モーター120をさらに含む。各々のアーム13に関して、駆動システム12は、それぞれの歯付きピニオン150をさらに含む。各々のピニオン150は軸15と一体に回転する。各々のアーム13に関して、駆動システム12は、このアーム13に固定されたラック130も含む。駆動システム12は、ピニオン150及びラック130を選択的に連結する及び切り離すように構成されたクラッチ形成装置14(以下に詳述する)をさらに含む。
【0031】
図3は、アーム13のための駆動システム12及びクラッチ形成装置14の領域での分離装置1の斜視図である。図4は、駆動システム12及びクラッチ形成装置14の断面図である。
【0032】
ここでは、アーム13は摺動子131を含む。摺動子131は、支持体10の摺動面100と協働するように、アーム13の長手水平方向の移動を案内する。
【0033】
図4に示すように、ピニオン150は、軸15に対して横方向(回転軸15の軸線方向に対応する)に摺動可能に取り付けられる。また、軸15によって回転駆動されるように、ピニオン150は、キー151を使用して軸15に結合される。従って、ピニオン150は、2つの横方向位置の間で、すなわち図4に示すアーム13のラック130に係合する位置と、左側に向かってさらにオフセットしてラック130から切り離される位置との間で移動することができる。
【0034】
ここでは、各アーム13のクラッチ形成装置14は、アクチュエータ140を含む。アクチュエータ140の本体は支持体10に固定される。アクチュエータ140は、そのピストン142が横方向に移動するように制御ユニット19によって制御される。ピストン142は、ピニオン150を軸方向に移動させることができる。従って、フランジ153は、ピニオン150と一体部品のブッシュ154の一端部に固定され、ピニオン及び軸15と同軸である。フランジ153は、ピストン142の自由端に固定されたフォーク152と係合する。従って、フランジ153は、ピストン142によって横方向に摺動駆動される。このように、ピストン142の移動は、ピニオン150をラック130に対して選択的に結合すること又は切り離すことを可能にする。ピニオン150がラック130から切り離されるか又は解放されると、軸15の回転は、アーム13の並進移動を引き起こさない。
【0035】
有利には、分離装置1はロック装置を備え、ロック装置は、アーム13が装置12によって駆動されていない場合に、これを並進移動に関して不動にすることを可能にする。従って、ピン141は、フランジ152から横方向に突出する。ピン141はアーム13に形成された穴132に対向して位置決めされる。ピニオン150及びラック130を切り離す又は解放するピストン142の移動の場合に、ピンは、穴132内に留まるまで駆動される。従って、ピン141は、アーム13が並進移動に関して不動になることを可能にする。
【0036】
アーム13の長手方向の移動は、シート要素のための一時的な支持体を形成するために使用される。従って、アーム13は、受取り格子を形成するために配備され、束の形態のシート要素を一時的に受け取るようになっており、アーム13は、垂直方向において、積み重ねテーブルの無端コンベアベルトと交差する(干渉なしで)ことができるように配備される。このアーム13の移動時の慣性は、分離装置1全体を移動させることが必要な場合の分離装置1全体の慣性よりも著しく小さい。
【0037】
シート要素の束のための支持体を形成できるように、アーム13は、張り出し長さを実現するように支持体10に摺動可能に取り付けられ、張り出し長さは、シート要素が到達する側面に対応する側面において、支持体10に対してシート要素の束を保持することを可能にする。アーム13の上に載っているシート要素の束のための最適な支持体を形成できるように、有利には、これらのアーム13の全ては、支持体10に対して1つの同じ垂直の高さに整列される。
【0038】
アーム13は、後述する積み重ねテーブルの各無端コンベアベルトの間の間隔に対応する距離だけ横方向に離間する。従って、アーム13は、このコンベアベルトと十字形に交差することができる。
【0039】
制御ユニット19は、支持体10を適切な垂直位置に位置決めするような様式で駆動装置11を制御するように構成される。また、制御ユニット19は、どのアームが積み重ねテーブルに向かって移動し、どのアームが積み重ねテーブルに対して格納位置に保たれるかを選択するように構成される。
【0040】
図5は、分離装置1及び積み重ねテーブル2の組み合わせの分解斜視図である。図6は、積み重ねテーブル2及び分離装置1の組み合わせの上面図である。図7は、積み重ねテーブル2及び分離装置1の組み合わせの側面断面図である。図8は、積み重ねテーブル2及び分離装置1の組み合わせの正面図である。
【0041】
分離装置1のシャーシ18は、積み重ねテーブル2のシャーシに固定される。積み重ねテーブル2は、支持体23上に取り付けられた無端コンベアベルト20を含む。これらの無端コンベアベルト20は、分離装置1の長手方向と共通の長手方向において、シート要素を並進運動で駆動することができるように構成される。図5において、全てのアーム13は、積み重ねテーブル2の側面上に張り出している。図7では、シート要素を選択的に保持又は解放するように構成されたシート要素吸引器22を理解することができる。次に、シート要素は、重力の影響の下で、分離装置1のアーム13上に又は積み重ねテーブル2の無端コンベアベルト20上に落下する。
【0042】
図6において、所定のアーム13のみが積み重ねテーブル2の側面に配備される。他のアーム13は格納位置に保たれる。この実施例では、支持体10の横方向端部に位置決めされたアーム13が格納位置に保たれる。格納位置にあるアーム13は、ここでは垂直方向でシート要素の束のための出力コンベア3と一致する。シート要素9は、積み重ねテーブル2の側面に配備されたアーム13上に置かれている。
【0043】
シート要素を受け取るためのステーションは、シート要素9の各側面に横方向に配置されたノッキングアップバッファー又はシート揃え部材21を含む。振動することで、シート揃え部材21は、シート要素9の横方向位置を固定することができ、良好に整列した要素9の束90を形成する。アームと係合する及び解放する主たる機能は、幅の外側にあり、従って横方向のシート揃え部材21と突き当たるアームを選択しないことである。格納位置にあるアーム13は、このシート揃え部材21と衝突する何らかのリスクを回避することを可能にする。
【0044】
また、この分離装置1は、アーム13が選択的に解放される又は係合することを可能にし、必要な数のアーム13のみを配備して所定の幅のシート要素を受け取ることを可能にする。従って、短期間のサイクルを実行する必要がある分離装置1に関して、アーム13の駆動時の慣性を低減することができる。さらに、所定数のアーム13を格納位置に保つことにより、支持体10に関する横方向軸線の周りの回転モーメントを低減することができる。
【0045】
図8は、積み重ねテーブル2及び分離装置1の組み合わせの上面図である。ここでは、分離装置1のアーム13は、無端コンベアベルト20と同じ高さにある。配備されたアーム13は、無端コンベアベルト20の間に置かれる。
【0046】
積み重ねテーブル2及び分離装置1は、シート要素9を連続的に順々に供給する手段の下流で組み合わせることができる。
【0047】
図9から図16は、テーブル2及びコンベア3と協働する、分離装置の様々な動作段階の間の運動学を示す。このような運動学を実行するために、制御ユニット19は、
支持体10を下方に摺動すること、
複数の又は全てのアーム13を、支持体10に対して第1の側面上に張り出す配備位置に移動し、必要であれば、これに対応して少なくとも1つのアーム13を第1の側面に対して格納位置に保つこと、
全てのアーム13を第1の側面に対して格納位置に配置すること、
支持体10を上方に摺動すること、
を連続して命令するように構成される。
【0048】
有利には、制御ユニット19は、摺動ステップ及び停止に引き続いて、支持体10の下方への摺動を制御する。
【0049】
図9に示す構成において、支持体13のアームは、積み重ねテーブル2の上方、特に吸引器22の上方の配備位置にある。
【0050】
図10に示す構成において、アーム13は、吸引器22の上方の配備位置に保たれる。シート要素9は、無端コンベアベルト20上に積み重ねられている。支持体23は、シート要素9が積み重ねられるに従って徐々に降下する。
【0051】
図11に示す構成において、アーム13は格納位置にされており、支持体10は、この場合も吸引器22の高さより下に降下している。アーム13は、吸引器22の下に及び支持体23の上に配備されている(単純化のために全てのアームが配備されている)。従って、到達するシート要素9は、分離装置1の配備されたアーム13上に積み重ねられる。従って、無端コンベアベルト20上に位置するシート要素9は、離れることができるが、新しいシート要素9が到達するサイクルは継続する。
【0052】
図12に示す構成において、無端コンベアベルト20上に存在する束90は、このベルトによって出力コンベア3上に移送される。支持体10は、シート要素9が配備されたアーム13上に積み重ねられるに従って漸進的に降下する。
【0053】
図13に示す構成において、出力コンベア3は束90を放出する。従って、支持体23は、アーム13の高さに上昇する。次に、無端コンベアベルト20自体は、シート要素9の積み重ね体を支持するようになるまで、配備されたアーム13の間に配置される。従って、分離装置1は、シート要素9を一時的に受け取ることができ、要素の様々な束を分離すること及びこれらを出力コンベア3に移送することを可能にする。
【0054】
図14に示す構成において、配備されたアーム13は、もはやシート要素9を支持しておらず、シート要素9は、今度は無端コンベアベルト20によって支持されている。従って、アーム13は、格納位置に向かって移動し始める。
【0055】
図15に示す構成において、アーム13の全ては格納位置に移動している。従って、何れのアーム13も積み重ねテーブル2から張り出していない。従って、アーム13は、積み重ねテーブル2の支持体23の経路の外に後退している。
【0056】
図16に示す構成において、支持体10は、吸引器22の上に上昇している。有利には、アーム13は、吸引器22の上方に突出するように移動しているので、出力コンベア3の垂直方向の上方で作業者に干渉するリスクがない。
【符号の説明】
【0057】
1 分離装置
2 積み重ねテーブル
3 出力コンベア
10 支持体
11 駆動装置
12 駆動システム
13 アーム
14 クラッチ形成装置
15 軸
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
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図16