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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-16
(45)【発行日】2023-05-24
(54)【発明の名称】冷蔵冷凍装置
(51)【国際特許分類】
   F25D 17/08 20060101AFI20230517BHJP
   F25D 11/02 20060101ALI20230517BHJP
【FI】
F25D17/08 308
F25D11/02 D
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021565748
(86)(22)【出願日】2020-03-18
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-05
(86)【国際出願番号】 CN2020079992
(87)【国際公開番号】W WO2020228414
(87)【国際公開日】2020-11-19
【審査請求日】2021-11-04
(31)【優先権主張番号】201910389730.8
(32)【優先日】2019-05-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】520514425
【氏名又は名称】青島海尓電冰箱有限公司
【氏名又は名称原語表記】QINGDAO HAIER REFRIGERATOR CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】Haier Industrial Park No.1 Haier Road, Laoshan District Qingdao, Shandong 266101 China
(73)【特許権者】
【識別番号】520514414
【氏名又は名称】海尓智家股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】HAIER SMART HOME CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】Haier Industrial Park No.1 Haier Road, Laoshan District Qingdao, Shandong 266101 China
(74)【代理人】
【識別番号】100124811
【弁理士】
【氏名又は名称】馬場 資博
(74)【代理人】
【識別番号】100187724
【弁理士】
【氏名又は名称】唐鎌 睦
(72)【発明者】
【氏名】朱 小兵
(72)【発明者】
【氏名】費 斌
(72)【発明者】
【氏名】程 学麗
(72)【発明者】
【氏名】李 春陽
(72)【発明者】
【氏名】姫 立勝
(72)【発明者】
【氏名】崔 展鵬
【審査官】関口 勇
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-082572(JP,A)
【文献】特開平06-323715(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第106546050(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0214440(US,A1)
【文献】米国特許第06343477(US,B1)
【文献】特開2002-147921(JP,A)
【文献】特開平06-003033(JP,A)
【文献】特開2017-036851(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25D 17/08
F25D 11/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷蔵冷凍装置であって、
内部に少なくとも一つの物置き棚が設置されることにより、当該物置き棚によって少なくとも二つの収納スペースに仕切られる第一収納室と、
前記冷蔵冷凍装置の蒸発器を収納するように配置された冷却室と、
少なくとも二つの送風口、少なくとも二つの第一風戻り口及びオンオフ制御装置を有しており、各前記送風口は、前記冷却室及び一つの前記収納スペースと連通しており、各前記第一風戻り口は、一つの前記収納スペース及び前記冷却室と連通しており、前記オンオフ制御装置は、前記冷却室からの気体が、少なくとも二つの送風口のうちの一つ又は複数に流れるように制御することにより、前記気体における全体又は一部が、対応する前記収納スペースへ流れるように制御するように配置されたダクトシステムと、
複数の段階命令を含み、一つの前記収納スペースに対応して制御する少なくとも二つの段階命令グループを生成するように配置された段階生成装置と、を備え、
各前記段階命令には、対応する前記収納スペースが一つの目標温度又は一つの目標温度範囲内にあるようにする制御情報が含まれることにより、前記冷蔵冷凍装置が各前記段階命令に基づいて前記オンオフ制御装置を制御して、対応する前記収納スペース内の温度を制御し、
少なくとも二つの前記収納スペースは、鉛直方向に沿って順次設置されており、
前記ダクトシステムは、
前記第一収納室の後部に設置されており、少なくとも二つの前記送風口を有し、前記オンオフ制御装置が内部に設置された送風アセンブリと、
前記送風アセンブリにおける横方向の一方側に設置されており、少なくとも二つの前記第一風戻り口を有する排風アセンブリと、を含み、
前記オンオフ制御装置は、分岐送風装置であり、ハウジング、前記ハウジングの周壁に設置された少なくとも二つの排風口、及び、前記ハウジングの内部に回転可能に設置された調節部を含み、
前記調節部は、少なくとも一つの遮断部を有しており、制御されることにより、前記排風口を遮って前記排風口における排風面積を調整するように配置され、
各前記排風口は、対応する前記送風口を介して一つの前記収納スペースに連通し、
前記収納スペースの数が三つであり、前記第一風戻り口の数が三つであり、
各前記第一風戻り口は、対応する前記収納スペースにおける下部の一方側に設置され、
少なくとも二つの前記排風口は、上向きの第一排風口、及び、前記第一排風口における両側に設置された第二排風口と第三排風口を含み、
最も上側の前記収納スペースと連通する前記送風口は、第一送風口であって四つに形成され、それぞれが対応する前記収納スペースにおける上部及び中央部の両側に配置されており、
中央の前記収納スペースと連通する前記送風口は、第二送風口であって二つに形成され、それぞれが対応する前記収納スペースにおける上部の両側に配置されており、
最も下側の前記収納スペースと連通する前記送風口は、第三送風口であって一つだけ形成され、対応する前記収納スペースにおける上部の一方側に設置されており、
前記送風アセンブリ内には、
下端が前記第一排風口と連通し、上部が四つの前記第一送風口と連通する第一送風ダクトと、
第二送風ダクト及びクロスオーバーダクトであって、前記第二送風ダクトは、前記第一送風ダクトの一方側に設置され、下端が前記第二排風口と連通し、上端が一つの前記第二送風口及び前記クロスオーバーダクトと連通し、前記クロスオーバーダクトは、前記第一送風ダクトを跨ると共に、他の前記第二送風口と連通する、前記第二送風ダクト及び前記クロスオーバーダクトと、
前記第一送風ダクトの他方側に設置され、下端が前記第三排風口と連通し、上端が前記第三送風口と連通する第三送風ダクトと、が設置されている、
冷蔵冷凍装置。
【請求項2】
前記段階生成装置は、各前記収納スペースの内側壁に設置された少なくとも二つの表示制御パネルを含み、各前記表示制御パネルは、信号を受信し、前記段階命令グループの前記段階命令を生成するよう構成されると共に、対応する前記収納スペース内に保存する推奨タイプのアイテムを表示するようにさらに構成され、又は、
前記段階生成装置は、少なくとも二つの調節ボタン、及び、各前記調節ボタンの各前記段階命令に対応するように設置された指示アイコンを含み、各前記指示アイコンには、対応する前記収納スペース内に保存する推奨タイプのアイテムの情報が少なくとも含まれている、
ことを特徴とする請求項1に記載の冷蔵冷凍装置。
【請求項3】
少なくとも一つの前記物置き棚は、さらに、前記第一収納室を、三つの前記収納スペースの下側に設置された引き出し空間に仕切り、
前記ダクトシステムは、前記排風アセンブリに設置された第二風戻り口をさらに有しており、前記第二風戻り口は、前記引き出し空間及び前記冷却室と連通する、
請求項に記載の冷蔵冷凍装置。
【請求項4】
前記第二風戻り口は、前記引き出し空間における下部の一方側に設置される、
請求項に記載の冷蔵冷凍装置。
【請求項5】
最も上方の前記第一風戻り口とその下方の前記第一風戻り口との面積比は2~3であり、
最も下方の前記第一風戻り口とその上方の前記第一風戻り口との面積比は1/2~7/10であり、
最も下方の前記第一風戻り口と前記第二風戻り口との面積比は1/10~1/5である、
請求項に記載の冷蔵冷凍装置。
【請求項6】
前記第一収納室に取り付けられ、前記第一収納室を開閉するように配置された第一扉と、
前記第一扉の後方側に設置されると共に、下部が一つの前記物置き棚の前方側に位置し、前記第一扉が閉じる時に前記物置き棚と接触する少なくとも一つのボトルホルダーと、をさらに含む、
請求項に記載の冷蔵冷凍装置。
【請求項7】
前記排風アセンブリ内には、排風ダクトが設置されており、各前記第一風戻り口は、それぞれ、前記排風ダクトと連通しており、
各前記物置き棚と前記第一収納室の室壁との間には、密封構造が設置されており、
前記送風アセンブリ内には、それぞれが各前記収納スペース内の温度を測定する少なくとも二つの温度センサーが設置されている、
ことを特徴とする請求項に記載の冷蔵冷凍装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷凍機器の技術分野に関し、特に、冷蔵冷凍装置に関する。
【背景技術】
【0002】
冷蔵庫は、社会経済の発展と人々の生活レベルの向上に伴い、人々の日常生活に不可欠な家電製品となっている。既存の冷蔵庫は、冷蔵室の温度が均一に制御され、各層の温度が0-5℃と均一に設定される。しかしながら、あらゆる食料品は、その最適な保存温度が異なる。ユーザーが温度を0℃の低い段階に設定する場合には、冷蔵室全体の温度が0℃程度になる。最適保存温度が5℃よりも高い食料品をこの温度に保存する場合には、食料品の鮮度を保つ期間を大幅に短縮してしまい、食料品の変質と腐敗を加速してしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、上記の問題に鑑み、上記の問題又は上記の問題の少なくとも一部を解決するために、冷蔵庫の冷蔵室を、独立した領域に仕切ることを実現して、各層の領域に、温度を2、5、10度(低、中、高)などの複数の段階に独立して調節することができる。そして、ユーザーが自己のニーズや習慣に従って冷蔵庫の各層の温度を調節し、温度と湿度をバランスよく制御することによりさまざまな食料品に最適な保存環境領域となり、ユーザーに、食料品を最適な保存スペースに置くようにガイドすることができる、冷蔵冷凍装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この目的のため、本発明は、以下の冷蔵冷凍装置を提供する。
該冷蔵冷凍装置は、
内部に少なくとも一つの物置き棚が設置されることにより、当該物置き棚によって少なくとも二つの収納スペースに仕切られる第一収納室と、
前記冷蔵冷凍装置の蒸発器を収納するように配置された冷却室と、
少なくとも二つの送風口、少なくとも二つの第一風戻り口及びオンオフ制御装置を有しており、各前記送風口は、前記冷却室及び一つの前記収納スペースと連通しており、各前記第一風戻り口は、一つの前記収納スペース及び前記冷却室と連通しており、前記オンオフ制御装置は、前記冷却室からの気体が少なくとも二つの送風口のうちの一つ又は複数に流れるように制御することにより、前記気体の全部又は一部が対応する前記収納スペースへ流れるように制御するように設置されたダクトシステムと、
複数の段階命令を含み、一つの前記収納スペースに対応して制御する少なくとも二つの段階命令グループを生成するように配置された段階生成装置と、を備え、
各前記段階命令には、対応する前記収納スペースが一つの目標温度又は一つの目標温度範囲内にあるようにする制御情報が含まれることにより、前記冷蔵冷凍装置が各前記段階命令に基づいて前記オンオフ制御装置を制御して、対応する前記収納スペース内の温度を制御する、ように構成されている。
【0005】
好適には、前記段階生成装置は、各前記収納スペースの内側壁に設置された少なくとも二つの表示制御パネルを含み、各前記表示制御パネルは、信号を受信し、前記段階命令グループの前記段階命令を生成するように構成されると共に、対応する前記収納スペース内に保存する推奨タイプのアイテムを表示するようにさらに構成され、又は、
前記段階生成装置は、少なくとも二つの調節ボタン、及び、各前記調節ボタンの各前記段階命令に対応するように設置された指示アイコンを含み、各前記指示アイコンには、対応する前記収納スペース内に保存する推奨タイプのアイテムの情報が少なくとも含まれている。
【0006】
好適には、少なくとも二つの前記収納スペースは、鉛直方向に沿って順次設置されており、
前記ダクトシステムは、
前記第一収納室の後部に設置されており、少なくとも二つの前記送風口を有し、前記オンオフ制御装置が内部に設置された送風アセンブリと、
前記送風アセンブリにおける横方向の一方側に設置されており、少なくとも二つの前記第一風戻り口を有する排風アセンブリと、を含む。
【0007】
好適には、前記オンオフ制御装置は、分岐送風装置であり、ハウジング、前記ハウジングの周壁に設置された少なくとも二つの排風口、及び、前記ハウジングの内部に回転可能に設置された調節部を含み、前記調節部は、少なくとも一つの遮断部を有しており、制御されることにより、前記排風口を遮って前記排風口における排風面積を調整するように配置され、各前記排風口は、対応する前記送風口を介して一つの前記収納スペースに連通する。
【0008】
好適には、少なくとも一つの前記物置き棚は、さらに、前記第一収納室を、三つの前記収納スペースの下側に設置された引き出し空間に仕切り、前記ダクトシステムは、前記排風アセンブリに設置された第二風戻り口をさらに有しており、前記第二風戻り口は、前記引き出し空間及び前記冷却室と連通する。
【0009】
好適には、前記収納スペースはその数が三つであり、前記第一風戻り口はその数が三つであり、三つの前記第一風戻り口及び前記第二風戻り口は、縦方向に沿って順次設置される。
【0010】
好適には、少なくとも二つの前記排風口は、上向きの第一排風口、及び、前記第一排風口における両側に設置された第二排風口と第三排風口を含み、
最も上側の前記収納スペースと連通する前記送風口は、第一送風口であって四つあり、それぞれが対応する前記収納スペースにおける上部の両側及び中央部の両側に配置されており、
中央の前記収納スペースと連通する前記送風口は、第二送風口であって二つあり、それぞれが対応する前記収納スペースにおける上部の両側に設置されており、
最も下側の前記収納スペースと連通する前記送風口は、第三送風口であって一つだけであり、対応する前記収納スペースにおける上部の一方側に設置されており、
前記送風アセンブリ内には、
下端が前記第一排風口と連通し、上部が四つの前記第一送風口と連通する第一送風ダクトと、
第二送風ダクト及びクロスオーバーダクトであって、前記第二送風ダクトは、前記第一送風ダクトの一方側に設置され、下端が前記第二排風口と連通し、上端が一つの前記第二送風口及び前記クロスオーバーダクトと連通し、前記クロスオーバーダクトは、前記第一送風ダクトを跨ると共に、他の前記第二送風口と連通する前記第二送風ダクト及び前記クロスオーバーダクトと、
前記第一送風ダクトの他方側に設置され、下端が前記第三排風口と連通し、上端が前記第三送風口と連通する第三送風ダクトと、が設置されている。
【0011】
好適には、最も上方の前記第一風戻り口とその下方の前記第一風戻り口との面積比は2~3であり、
最も下方の前記第一風戻り口とその上方の前記第一風戻り口との面積比は1/2~7/10であり、
最も下方の前記第一風戻り口と前記第二風戻り口との面積比は1/10~1/5である。
【0012】
好適には、前記冷蔵冷凍装置は、
前記第一収納室に取り付けられ、前記第一収納室を開閉するように配置された第一扉と、
前記第一扉の後方側に設置されると共に、下部が一つの前記物置き棚の前方側に位置し、前記第一扉が閉じる時に前記物置き棚と接触する少なくとも一つのボトルホルダーと、をさらに含む。
【0013】
好適には、前記排風アセンブリ内には、排風ダクトが設置されており、各前記第一風戻り口は、それぞれ、前記排風ダクトと連通しており、
各前記物置き棚と前記第一収納室の室壁との間には、密封構造が設置されており、
前記送風アセンブリ内には、それぞれが各前記収納スペース内の温度を測定する少なくとも二つの温度センサーが設置されている。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る冷蔵冷凍装置では、ダクトシステム及び段階生成装置を有することにより、冷蔵庫の冷蔵室を、独立した領域に仕切ることを実現でき、各層の領域の温度を、2℃、5℃、10℃(低、中、高)等の複数の段階で独立して調節することができる。そして、ユーザーが自己のニーズや習慣に従って冷蔵庫の各層の温度を調節し、温度と湿度をバランスよく制御することにより、さまざまな食料品に最適な保存環境領域を実現し、ユーザーに、食料品を最適な保存スペースに置くようにガイドすることができる。
【0015】
さらに、本発明に係る冷蔵冷凍装置では、独創的な微細ダクトの技術により、冷蔵室における各層について温度を独立して制御することができ、急速冷凍して、各層の温度の変動を抑制して、鮮度を保ち、エネルギーを節約すると共に、各層の温度を3段階などで独立して調節可能であり、食料品を最適な温度の領域に保存し、食料品の鮮度期間を大幅に延ばし、ユーザーの使用をより簡便にすると共に、エネルギーを一層節約することができる。
【0016】
以下、図面を参照しながら、本発明の具体的な実施例を詳しく説明する。当業者は、本発明の上記及び他の目的、利点や特徴をより明確に理解できるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
以下、図面を参照して、本発明の幾つかの具体的な実施例を例示的かつ非限定的に詳しく説明する。図面では、同じ符号により、同じまたは類似の部品や部分を示す。当業者は、これらの図面が一定の縮尺で描かれたものではないと理解するべきである。
図1】本発明の一実施例による冷蔵冷凍装置を模式的に示す構成図である。
図2図1に示す冷蔵冷凍装置の一部を模式的に示す構成図である。
図3図1に示す冷蔵冷凍装置の一部の構成を模式的に示す分解図である。
図4図1に示す冷蔵冷凍装置の一部を模式的に示す構成図である。
図5図1に示す冷蔵冷凍装置の内部を模式的に示す構成図である。
図6図1に示す冷蔵冷凍装置の送風アセンブリを模式的に示す構成図である。
図7図6に示す送風アセンブリを他の視角から見た模式的構成図である。
図8図1に示す冷蔵冷凍装置の排風アセンブリを模式的に示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1は、本発明の一実施例による冷蔵冷凍装置を模式的に示す構成図である。図2図8における図の矢印は、気体の流れを示す。本発明の実施例では、冷蔵冷凍装置を提供する。冷蔵冷凍装置は、収納室が規定された箱体20を含み、収納室を開閉するための扉をさらに含む。
【0019】
ここで、収納室は、第一収納室、第二収納室及び第三収納室などを含んでもよい。第一収納室は、冷蔵室であってもよく、第二収納室は冷凍室であってもよく、第三収納室は温度可変室であってもよい。それに応じて、扉は、それぞれが第一収納室、第二収納室及び第三収納室を開閉するための第一扉30、第二扉及び第三扉を含んでもよい。さらに、冷凍室内における温度範囲は、一般的に、-22℃~-14℃である。温度可変室は、-18℃~8℃で自由に調節されてもよい。
【0020】
低温システムは、収納室に冷気を提供するように配置される。幾つかの実施例では、低温システムは、コンプレッサー、コンデンサー、絞り装置及び蒸発器27などからなる低温循環システムであってもよい。蒸発器27は、収納室内に冷気を直接又は間接的に供給するように配置される。冷蔵冷凍装置における低温システム自体は、当業者によく知られているものであるため、ここでの説明を省略する。また、箱体20内に冷却室を設置してもよく、具体的には、それを第三収納室の後方側に設置してもよい。冷却室は、蒸発器27を収納するためのものである。冷却室及び蒸発器27の数は、一つ又は複数であってもよい。蒸発器27が一つである場合には、あらゆる収納室に冷気を提供してもよく、蒸発器27が複数である場合には、各蒸発器27が一つの収納室に冷気を提供してもよい。
【0021】
本発明の幾つかの実施例では、図2に示すように、第一収納室内に少なくとも一つの物置き棚40が設置される。これにより、第一収納室は、物置き棚40によって少なくとも二つの収納スペース21に仕切られる。冷蔵冷凍装置は、さらに、ダクトシステム及び段階生成装置50を含む。ダクトシステムは、少なくとも二つの送風口、少なくとも二つの第一風戻り口81及びオンオフ制御装置を有している。各送風口は、冷却室及び一つの収納スペース21と連通し、各第一風戻り口81は、一つの収納スペース21及び冷却室と連通し、オンオフ制御装置60は、冷却室からの気体が少なくとも二つの送風口のうちの一つ又は複数に流れるように制御し、制御気体における全部又は一部が、対応する収納スペース21へ流れるように制御するように配置される。具体的には、オンオフ制御装置60は、冷却室からの気体が一つの収納スペース21にのみへ流れるようにしてもよく、気体が同時に、二つ又は複数の収納スペース21へ流れるようにしてもよい。つまり、各収納スペース21の送風を調節することが可能である。
【0022】
段階生成装置50は、複数の段階命令を含み一つの収納スペース21を対応して制御する少なくとも二つの段階命令グループを生成するように配置される。各段階命令には、対応する収納スペース21が一つの目標温度又は一つの目標温度範囲内にあるようにする制御情報が含まれる。これにより、冷蔵冷凍装置が、各段階命令に基づいてオンオフ制御装置60を制御し、対応する収納スペース21内の温度を制御する。
【0023】
例えば、幾つかの実施例では、段階生成装置50は、各収納スペース21の内側壁に設置された少なくとも二つの表示制御パネルを含む。各表示制御パネルは、信号を受信すると共に一つの段階命令グループの段階命令を生成するように配置される。各表示制御パネルは、さらに、対応する収納スペース21内に保存する推奨タイプのアイテムを表示するように配置される。各表示制御パネルは、対応する収納スペース21に隣接して設置されてもよい。さらに、各表示制御パネルは、スライドやクリックなどの操作形態により情報が入力されてもよい。本発明の幾つかの代替的な実施例では、段階生成装置50が冷蔵冷凍装置におけるメインタッチディスプレイパネルとされてもよい。
【0024】
他の幾つかの実施例では、段階生成装置50は、少なくとも二つの調節ボタン、及び、各調節ボタンの各段階命令に対応する指示アイコンを含む。各指示アイコンには、対応する収納スペース内に保存する推奨タイプのアイテムの情報が少なくとも含まれている。各調節ボタンは、つまみなどの機械ボタンとして構成されてもよい。指示アイコンは、調節ボタンと隣接して冷蔵庫箱体の内側に設置されたアイコンとされもよく、浮き彫り、スクリーン印刷や透かし彫りによる構成などで設置されてもよい。例えば、指示アイコンは、対応する収納スペース内に保存する推奨タイプのアイテムを示す代表物品のシンボルであってもよい。さらに、各指示アイコンは、対応する収納スペース内の目標温度又は目標温度の範囲が少なくとも含まれている。段階生成装置50は、さらに、少なくとも二つの指示ランプが含まれている。各調節ボタンにおける各段階命令は、一つの指示ランプと関連付けられ、対応する段階命令を調節ボタンにて指示すると、ユーザーに観察を簡便にするように、対応する指示ランプが点灯し、そして、対応する指示アイコンがハイライト表示され、つまり、点灯する。代替的には、指示アイコンも、表示スクリーンにより表示されてもよく、機械ボタンと表示スクリーンとの組み合わせにより表示されてもよい。さらに、指示アイコンは、直接文字とされもよく、つまり、表示スクリーンは、対応する段階命令と関連付けられるあらゆる情報を表示してもよい。
【0025】
当該実施例では、ダクトシステム及び段階生成装置50を有することから、冷蔵庫の冷蔵室について領域を独立して仕切ることができ、各層における仕切り領域を、2℃、5℃、10℃の温度(低、中、高)などのような複数の段階の温度に独立して調節することができる。そして、ユーザーは、自己のニーズや習慣に従って冷蔵庫の各層の温度を調節し、温度と湿度をバランスよく制御することにより、さまざまな食料品に最適な保存環境領域を実現し、ユーザーに、食料品を最適な保存スペースに正しく置くようにガイドする。本願の出願前は、冷蔵庫の各層の温度は同じであるが、さまざまな食料品に最適な保存温度や湿度が異なることから、ユーザーは、低温ですぐに食べられるトロピカルフルーツなどの保存温度が低いものを敢えて冷凍冷蔵庫に入れることはない。温度が低すぎると即時で食べることができないため、ユーザーはそれを外部に置く以外にない。また、トロピカルフルーツは、8~10℃の空間に保存すれば保存期間が一番良いため、それらを冷蔵庫に入れることもできない。冷蔵庫に入れる食料品も、最適な温度の区間でないため、食料品は急速に腐敗し、浪費は深刻である。本発明の実施例によると、ユーザーのニーズに従って、食料品を最適な保存スペースに置くように、冷蔵庫における各冷蔵層の温度を自由に調節することができ、ユーザーに、食料品を最適な保存スペースに正しく置くようにガイドする。各収納スペース21自体は、それぞれ、独立した排風及び独立した環風が実現されるよう構成されており、温度を複数の段階で変化させ、自由に切り替えることが実現され得る。
【0026】
さらに、各段階命令グループにおける段階命令は、その数が比較的多い場合、例えば、収納スペース内の目標温度が摂氏1度変化する度に、一つの新たな段階とされてもよい。これは、無段階調節とも呼ばれる。例えば、0℃から10℃までの間に11の段階を含んでもよい。そうすると、各収納スペース21について、0℃から10℃までの間に温度を任意に調節することが可能である。勿論、0℃から10℃までの間にも、例えば、0℃の冷凍の領域、4℃の一番良い領域、10℃のトロピカルフルーツの領域という三つ段階しか設置されなくてもよい。
【0027】
本発明の幾つか実施例では、図5図7に示すように、オンオフ制御装置60は分岐送風装置であることが好ましく、ハウジング、ハウジングの周壁に設置された少なくとも二つの排風口、及び、ハウジングの内部に回転可能に設置された調節部を含んでもよい。調節部は、少なくとも一つの遮断部を有しており、制御されると少なくとも二つの排風口を遮り、少なくとも二つの排風口におけるそれぞれの排風面積を調整するように配置されている。各排風口は、対応する送風口を介して一つの収納スペース21と連通する。幾つかの具体的な実施例では、例えば、CN104879994A、CN106196840Aなどの分岐送風装置であってもよい。調節部の回転は、モーター及び歯車伝動機構により駆動することができる。例えば、収納スペース21及び排風口が共に三つである場合には、例えば、全開、全閉、一つの排風口が開いている(3タイプ)及び、二つの排風口が開いている(3タイプ)などの7または8タイプの送風モードが実現され得る。
【0028】
本発明の幾つか実施例では、図2図5に示すように、少なくとも二つの収納スペース21が鉛直方向に沿って順次設置されており、ダクトシステムは、送風アセンブリ70及び排風アセンブリ80を含む。送風アセンブリ70は、第一収納室の後部に設置されており、少なくとも二つの送風口を含み、オンオフ制御装置60は、送風アセンブリ70内に設置される。排風アセンブリ80は、送風アセンブリ70における横方向の一方側に設置されており、少なくとも二つの第一風戻り口81を有する。
【0029】
さらに、少なくとも一つの物置き棚40は、さらに、第一収納室を引き出し空間22に仕切る。引き出し空間22は、三つの収納スペース21の下側に設置される。ダクトシステムは、排風アセンブリ80に設置された第二風戻り口82をさらに有しており、第二風戻り口82は、引き出し空間22及び冷却室と連通する。
【0030】
各物置き棚40は、物載置板や仕切り板などが好ましく、また、第一収納室の室壁との間に密封構造が設置されている。第一扉30は、後方側に少なくとも一つのボトルホルダー31がさらに設置されると共に、各ボトルホルダー31の下部が一つの物置き棚40の前方側に位置する。第一扉30が閉じる場合に、各ボトルホルダー31は物置き棚40と接触する。好適には、最も下側の収納スペース21とその前方側のボトルホルダー31との間に、気体が下へ引き出し空間22に流れ落ちることを可能にすることができる。引き出し空間22は、さらに、複数の引き出し23を防止するために、仕切り板により複数のサブ引き出し空間22に仕切られる。
【0031】
本発明の幾つか好ましい実施例では、収納スペース21はその数が三つであり、第一風戻り口81はその数が三つであり、三つの第一風戻り口81及び第二風戻り口82は、上下方向に沿って順次設置される。各第一風戻り口81は、対応する収納スペース21における下部の一方側に設置され、第二風戻り口82は、引き出し空間22における下部の一方側に設置される。少なくとも二つの排風口は、上向きの第一排風口、及び、第一排風口における両側に設置された第二排風口及び第三排風口を含む。
【0032】
最も上側の収納スペース21と連通する送風口は4つの第一送風口であり、それぞれが当該収納スペース21における上部の両側及び中央部の両側に設置される。中央の収納スペース21と連通する送風口は2つの第二送風口であり、それぞれが当該収納スペース21における上部の両側に設置される。最も下側の収納スペース21と連通する送風口は、1つの第三送風口であり、収納スペース21における上部の一方側に設置される。
【0033】
さらに、図6及び図7に示すように、送風アセンブリ70内には、第一送風ダクト71、第二送風ダクト72、クロスオーバーダクト73及び第三送風ダクト74が設置されている。第一送風ダクト71は、下端が第一排風口と連通し、上部が四つの第一送風口と連通する。第二送風ダクト72は、第一送風ダクト71の一方の側方に設置されており、下端が第二排風口と連通し、上端が一つの第二送風口及びクロスオーバーダクト73と連通し、クロスオーバーダクト73は、第一送風ダクト71を跨いで他の第二送風口と連通する。第三送風ダクト74は、第一送風ダクト71の他方の側方に設置されており、下端が第三排風口と連通し、上端が第三送風口と連通する。好ましくは、第三送風ダクト74及び第三送風口は、それぞれ、第一送風ダクト71に対して排風アセンブリ80から離れた側に位置する。図8に示すように、排風アセンブリ80内には、排風ダクトが設置されており、各第一風戻り口81は、それぞれ、排風ダクトと連通する。排風ダクトは、冷却室と連通するメイン風戻り口83を有する。送風アセンブリ70は、入風口をさらに有しており、入風口は、入風管路を介して冷却室と連通すると共に、冷却室の出口に、気体の流れを促進するための換気扇28が設置されてもよい。
【0034】
最も上方の第一風戻り口81とその下方の第一風戻り口81との面積比は2~3であり、最も下方の第一風戻り口81とその上方の第一風戻り口81との面積比は1/2~7/10であり、最も下方の第一風戻り口81と第二風戻り口82との面積比は1/10~1/5である。制御を簡便にするために、送風アセンブリ70内に、それぞれが各収納スペース21内の温度を測定する少なくとも二つの温度センサー51をさらに設置することにより、冷蔵冷凍装置が温度センサー51による温度に基づいて制御を行うことが可能となる。各温度センサー51は、それぞれ、対応する収納スペース21における温度の変化を測定することが可能である。
【0035】
本発明の実施例では、図4及び図5に示すように、冷却室からの冷気は送風アセンブリ70内へ送られる。送風アセンブリ70内には、分岐送風装置である風量分配器が取り付けられている。風量分配器により、各ダクトに対して独立して送風したり、任意に組み合わせたダクトに送風したりすることにより、風が各層に到着し、各層の独立した風戻り口より排風を行って、排風ダクトアセンブリに合流して冷却室に戻ることを実現できる。物置き棚40と箱体20のライナーとの間には、密封が形成されており、冷気が下へ沈むことにより下層の温度の変動及び制御に悪い影響を与えてしまうのを防ぐことができる。表示制御パネルには、2℃、5℃、10℃という選択ボタン(又は、低、中、高)を設置して段階を選択でき、しかも、貯蔵の種類を示す情報を表示して、どのアイテムをどの領域に置くか、ユーザーに通知する。第一層収納スペース21(最も上側の収納スペース21)に送風を行うことが必要となる場合には、風が第一送風口より送風され、物置き棚40を介して、ボトルホルダー31及び第一扉30に到着し、第一風戻り口81の設置により、風が第一風戻り口を介して排風され、冷凍サイクルが完了する。各層収納スペース21と対応する温度センサー51による温度が設定温度になると、分岐送風装置における対応する排風口が閉じて送風が停止する。物置き棚40とボトルホルダー31とは温度が同じである。第二層収納スペース21(中央の収納スペース21)と第一層収納スペース21とは、ダクトの循環が同じである。第三層収納スペース21(最も下側の収納スペース21)には、風の一部が物置き棚40を介して、ボトルホルダー31及び第一扉30に到着するが、他の一部が下方へ進行して引き出し領域に冷気を転送しており、風戻り口の大きさにより各層における冷気の分配比例を制御して、設定温度によるバランスに達する。温度センサー51は、ある収納スペース21の温度が高く送風が必要となると測定する場合に、分配部によりその層に送風を行う。各収納スペース21及び引き出し空間22には、独立した一つの風戻り口が設置されており、各風戻り口の大きさは、厳密な計算及びシミュレーション分析を経たものであり、熱伝導及び冷蔵能力などの要素を考慮すると、上から三つの第一風戻り口81、第二風戻り口82といった四つの風戻り口の面積比は、6:2.5:1.5:10が好ましい。
【0036】
本発明の実施例に係る冷蔵冷凍装置は、冷蔵室を複数の層に仕切って温度制御でき、各層について三つの段階で温度を変更できる。ユーザーは自己のニーズに応じて温度の区間を自由に選択でき、風戻り口の大きさは温度バランスを取るため厳密に計算されている。風戻り口の設置・構成の形態、風戻り口、物置き棚40、ボトルホルダー31については、それらの組み合わせにより冷蔵冷凍装置の温度を変更して調節することができ、湿度についても調節することができるダクトの循環形態を実現することができる。各表示制御パネルは、操作を簡便にするように、各収納スペース21における側壁であって第一扉30と近い位置に設置されてもよい。ユーザーは、自己の習慣に従って任意に調節可能であることから、ユーザーの使用が簡便となる。なお、食料品を正しく入れて保存するようにユーザーをガイドして、浪費を減らすことができる。そして、以前は冷蔵庫に敢えて入れなかった食料品を冷蔵庫に入れて保存期間を延ばすことができる。食料品を最適な温度や湿度の環境で保存でき、鮮度を大幅に向上させることができる。各層の領域に送風が必要となる場合にのみ送風を行うことから、食料品が冷えすぎるのを防ぎ、エネルギーを節約することができる。
【0037】
以上、本明細書において本発明の複数の例示的な実施例を詳しく挙げて説明したが、本発明に係る趣旨や範囲を逸脱しない限り、依然として本発明に開示されている内容に基づいて本発明の原理に合致する数多くの他の変形や補正を直接特定し又は導出することができることを当業者は理解するべきである。したがって、本発明の範囲は、これらの他の全ての変形や補正を含むと理解され、見なされるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8