(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-17
(45)【発行日】2023-05-25
(54)【発明の名称】データ操作管理システムおよびデータ操作管理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/06 20230101AFI20230518BHJP
【FI】
G06Q10/06
(21)【出願番号】P 2018229959
(22)【出願日】2018-12-07
【審査請求日】2021-11-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100140796
【氏名又は名称】原口 貴志
(72)【発明者】
【氏名】朴 ▲徳▼一
(72)【発明者】
【氏名】西海 一樹
(72)【発明者】
【氏名】大林 雄一
(72)【発明者】
【氏名】中村 剛
(72)【発明者】
【氏名】五島 諭
(72)【発明者】
【氏名】中島 靖雄
(72)【発明者】
【氏名】中島 孝記
【審査官】西村 直史
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-54402(JP,A)
【文献】特開2005-202931(JP,A)
【文献】特開2017-188796(JP,A)
【文献】特開2004-157845(JP,A)
【文献】特開2003-91649(JP,A)
【文献】特開2016-1429(JP,A)
【文献】特開2004-252950(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置を遠隔管理する遠隔管理システムによって管理されている、前記画像形成装置のデータにアクセスするためのワークフローを管理するワークフロー管理部と、
承認者によって承認された前記ワークフローにおいて前記データに対する操作を実行するデータ操作部と
を備え、
前記ワークフロー管理部は、前記ワークフローの起票のための情報が入力された場合に前記ワークフローを開始することを特徴とするデータ操作管理システム。
【請求項2】
前記ワークフローの起票のための情報には、前記データに対する操作の内容が含まれ、
前記データ操作管理システムは、前記データ操作部による操作が編集である場合に、前記ワークフローにおける利用者の指示に応じた前記データ操作部による編集が、前記承認者によって承認された前記ワークフローの起票のための情報に含まれる前記内容に応じたものであるか否かを監視する操作監視部を備え、
前記データ操作部は、前記ワークフローにおける利用者の指示に応じた前記データ操作部による編集が、前記承認者によって承認された前記ワークフローの起票のための情報に含まれる前記内容に応じたものであると前記操作監視部によって判断された場合に、前記ワークフローにおける利用者の指示に応じた前記データ操作部による編集の結果を前記遠隔管理システムに反映させることを特徴とする請求項1に記載のデータ操作管理システム。
【請求項3】
前記データ操作部による操作は、前記データの取得を含むことを特徴とする請求項1に記載のデータ操作管理システム。
【請求項4】
前記ワークフローの起票のための情報には、前記データ操作部による操作の対象の前記データを特定するための情報が含まれることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかに記載のデータ操作管理システム。
【請求項5】
前記ワークフロー管理部は、前記ワークフローにおいて実行される操作の履歴を管理することを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれかに記載のデータ操作管理システム。
【請求項6】
前記データにアクセスするためのワンタイムパスワードを管理するパスワード管理部を備え、
前記パスワード管理部は、前記承認者によって承認された前記ワークフローにおいて前記ワンタイムパスワードを生成し、生成した前記ワンタイムパスワードを前記ワークフローの申請者に通知し、
前記データ操作部は、前記ワンタイムパスワードを使用した認証が成功した場合に前記データに対する操作を実行し、
前記パスワード管理部は、前記ワークフローが完了する場合に前記ワンタイムパスワードを消去することを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれかに記載のデータ操作管理システム。
【請求項7】
画像形成装置を遠隔管理する遠隔管理システムによって管理されている、前記画像形成装置のデータにアクセスするためのワークフローを管理するワークフロー管理部と、
承認者によって承認された前記ワークフローにおいて前記データに対する操作を実行するデータ操作部と
をコンピューターに機能させ、
前記ワークフロー管理部は、前記ワークフローの起票のための情報が入力された場合に前記ワークフローを開始することを特徴とするデータ操作管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置を遠隔管理する遠隔管理システムによって管理されている、画像形成装置のデータに対する操作を管理するデータ操作管理システムおよびデータ操作管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ワークフローの申請者によってワークフローの起票のための情報が入力された場合にワークフローを開始し、ワークフローにおいて承認者によって承認される技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の技術は、画像形成装置を遠隔管理する遠隔管理システムによって管理されている、画像形成装置のデータに対する操作を管理するものではない。
【0005】
そこで、本発明は、画像形成装置を遠隔管理する遠隔管理システムによって管理されている、画像形成装置のデータに対する操作の管理を容易化することができるデータ操作管理システムおよびデータ操作管理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のデータ操作管理システムは、画像形成装置を遠隔管理する遠隔管理システムによって管理されている、前記画像形成装置のデータにアクセスするためのワークフローを管理するワークフロー管理部と、承認者によって承認された前記ワークフローにおいて前記データに対する操作を実行するデータ操作部とを備え、前記ワークフロー管理部は、前記ワークフローの起票のための情報が入力された場合に前記ワークフローを開始することを特徴とする。
【0007】
この構成により、本発明のデータ操作管理システムは、画像形成装置を遠隔管理する遠隔管理システムによって管理されている、画像形成装置のデータにアクセスするためのワークフローの起票のための情報が入力された場合にワークフローを開始し、遠隔管理システムによって管理されている、画像形成装置のデータに対する操作を、承認者によって承認されたワークフローにおいて実行するので、遠隔管理システムによって管理されている、画像形成装置のデータに対する操作の管理を容易化することができる。
【0008】
本発明のデータ操作管理システムは、前記データにアクセスするためのワンタイムパスワードを管理するパスワード管理部を備え、前記パスワード管理部は、前記承認者によって承認された前記ワークフローにおいて前記ワンタイムパスワードを生成し、生成した前記ワンタイムパスワードを前記ワークフローの申請者に通知し、前記データ操作部は、前記ワンタイムパスワードを使用した認証が成功した場合に前記データに対する操作を実行し、前記パスワード管理部は、前記ワークフローが完了する場合に前記ワンタイムパスワードを消去しても良い。
【0009】
この構成により、本発明のデータ操作管理システムは、遠隔管理システムによって管理されている、画像形成装置のデータに対する操作をワンタイムパスワードによって可能にするので、遠隔管理システムによって管理されている、画像形成装置のデータに対する操作を適切に管理することができる。
【0010】
本発明のデータ操作管理システムにおいて、前記ワークフローの起票のための情報には、前記データ操作部による操作の対象の前記データを特定するための情報が含まれても良い。
【0011】
この構成により、本発明のデータ操作管理システムは、ワークフローの起票のための情報において特定されたデータのみを操作可能にするので、遠隔管理システムによって管理されている、画像形成装置のデータに対する操作を適切に管理することができる。
【0012】
本発明のデータ操作管理システムにおいて、前記ワークフロー管理部は、前記ワークフローにおいて実行される操作の履歴を管理しても良い。
【0013】
この構成により、本発明のデータ操作管理システムは、遠隔管理システムによって管理されている、画像形成装置のデータに対する操作の履歴を管理するので、遠隔管理システムによって管理されている、画像形成装置のデータに対する操作を適切に管理することができる。
【0014】
本発明のデータ操作管理システムにおいて、前記ワークフローの起票のための情報には、前記データに対する操作の内容が含まれ、前記データ操作管理システムは、前記データ操作部による操作が編集である場合に、前記データ操作部による操作が前記承認者によって承認されたものであるか否かを監視する操作監視部を備え、前記データ操作部は、前記データ操作部による操作が前記承認者によって承認されたものであると前記操作監視部によって判断された場合に、前記データ操作部による操作の結果を前記遠隔管理システムに反映させても良い。
【0015】
この構成により、本発明のデータ操作管理システムは、遠隔管理システムによって管理されている、画像形成装置のデータに対する編集が承認者によって承認されたものである場合に、この編集の結果を遠隔管理システムに反映させるので、遠隔管理システムによって管理されている、画像形成装置のデータに対する操作を適切に管理することができる。
【0016】
本発明のデータ操作管理プログラムは、画像形成装置を遠隔管理する遠隔管理システムによって管理されている、前記画像形成装置のデータにアクセスするためのワークフローを管理するワークフロー管理部と、承認者によって承認された前記ワークフローにおいて前記データに対する操作を実行するデータ操作部とをコンピューターに機能させ、前記ワークフロー管理部は、前記ワークフローの起票のための情報が入力された場合に前記ワークフローを開始することを特徴とする。
【0017】
この構成により、本発明のデータ操作管理プログラムを実行するコンピューターは、画像形成装置を遠隔管理する遠隔管理システムによって管理されている、画像形成装置のデータにアクセスするためのワークフローの起票のための情報が入力された場合にワークフローを開始し、遠隔管理システムによって管理されている、画像形成装置のデータに対する操作を、承認者によって承認されたワークフローにおいて実行するので、遠隔管理システムによって管理されている、画像形成装置のデータに対する操作の管理を容易化することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明のデータ操作管理システムおよびデータ操作管理プログラムは、画像形成装置を遠隔管理する遠隔管理システムによって管理されている、画像形成装置のデータに対する操作の管理を容易化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の一実施の形態に係るシステムのブロック図である。
【
図2】1台のコンピューターによって構成される場合の
図1に示す遠隔管理システムのブロック図である。
【
図3】1台のコンピューターによって構成される場合の
図1に示すデータ操作管理システムのブロック図である。
【
図4】
図3に示すワークフロー管理情報の一例を示す図である。
【
図6】ワークフローが起票される場合の
図1に示すシステムの動作のシーケンス図である。
【
図7】
図6に示す「承認済み」のシーケンス図である。
【
図8】
図7に示す「認証実行後」のシーケンス図である。
【
図9】
図8に示す「データ取得」のシーケンス図である。
【
図10】
図8に示す「データ編集」のシーケンス図である。
【
図11】
図10に示す「データ編集終了」のシーケンス図である。
【
図12】操作履歴情報を更新する場合の
図3に示すデータ操作管理システムの動作のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
【0021】
まず、本発明の一実施の形態に係るシステムの構成について説明する。
【0022】
図1は、本実施の形態に係るシステム10のブロック図である。
【0023】
図1に示すように、システム10は、画像形成装置20を備えている。画像形成装置20は、例えば、MFP(Multifunction Peripheral)、プリンター専用機などである。システム10は、画像形成装置20以外にも、画像形成装置20と同様の構成の画像形成装置を少なくとも1つ備えることが可能である。
【0024】
システム10は、システム10における画像形成装置を遠隔管理するサーバーシステムである遠隔管理システム30を備えている。遠隔管理システム30は、1台のコンピューターによって構成されても良いし、複数台のコンピューターによって構成されても良い。
【0025】
システム10は、遠隔管理システム30によって管理されている画像形成装置のデータ(以下「運用データ」という。)に対する参照、編集などの操作を管理するサーバーシステムであるデータ操作管理システム40を備えている。データ操作管理システム40は、1台のコンピューターによって構成されても良いし、複数台のコンピューターによって構成されても良い。
【0026】
システム10は、データ操作管理システム40の利用者によって利用される利用者端末50を備えている。利用者端末50は、例えば、PC(Personal Computer)などのコンピューターによって構成されている。システム10は、利用者端末50以外にも、利用者端末60など、利用者端末50と同様の構成の利用者端末を少なくとも1つ備えることが可能である。ここで、データ操作管理システム40の利用者とは、例えば、遠隔管理システム30を運用する事業者の従業員である。
【0027】
システム10における画像形成装置と、遠隔管理システム30とは、インターネットなどのネットワークを介して互いに通信可能に接続されている。遠隔管理システム30と、データ操作管理システム40とは、LAN(Local Area Network)、インターネットなどのネットワークを介して互いに通信可能に接続されている。データ操作管理システム40と、システム10における利用者端末とは、LAN、インターネットなどのネットワークを介して互いに通信可能に接続されている。
【0028】
図2は、1台のコンピューターによって構成される場合の遠隔管理システム30のブロック図である。
【0029】
図2に示す遠隔管理システム30は、種々の操作が入力される例えばキーボード、マウスなどの操作デバイスである操作部31と、種々の情報を表示する例えばLCD(Liquid Crystal Display)などの表示デバイスである表示部32と、LAN、インターネットなどのネットワーク経由で、または、ネットワークを介さずに有線または無線によって直接に、外部の装置と通信を行う通信デバイスである通信部33と、各種の情報を記憶する例えば半導体メモリー、HDD(Hard Disk Drive)などの不揮発性の記憶デバイスである記憶部34と、遠隔管理システム30全体を制御する制御部35とを備えている。
【0030】
記憶部34は、システム10における画像形成装置を遠隔管理するための遠隔管理プログラム34aを記憶している。遠隔管理プログラム34aは、例えば、遠隔管理システム30の製造段階で遠隔管理システム30にインストールされていても良いし、CD(Compact Disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、USB(Universal Serial Bus)メモリーなどの外部の記憶媒体から遠隔管理システム30に追加でインストールされても良いし、ネットワーク上から遠隔管理システム30に追加でインストールされても良い。
【0031】
記憶部34は、運用データのうち、システム10における画像形成装置に設定されるデータとしての実稼働データ34bと、運用データのうち、システム10における画像形成装置のシステムログのデータであるシステムログデータ34cとを記憶している。例えば、実稼働データ34bには、画像形成装置のデバイス名、IP(Internet Protocol)アドレスなど、システム10における画像形成装置のデータと、利用者名など、システム10における画像形成装置の利用者のデータとが含まれている。実稼働データ34bは、参照と、追加、変更、削除などの編集とが可能なデータである。システムログデータ34cは、参照が可能であるが、編集が不可能なデータである。
【0032】
制御部35は、例えば、CPU(Central Processing Unit)と、プログラムおよび各種のデータを記憶しているROM(Read Only Memory)と、制御部35のCPUの作業領域として用いられるメモリーとしてのRAM(Random Access Memory)とを備えている。制御部35のCPUは、記憶部34または制御部35のROMに記憶されているプログラムを実行する。
【0033】
制御部35は、遠隔管理プログラム34aを実行することによって、システム10における画像形成装置を遠隔管理する遠隔管理部35aを実現する。遠隔管理部35aは、実稼働データ34bをシステム10における画像形成装置に設定したり、システム10における画像形成装置から実稼働データ34bおよびシステムログデータ34cを収集したりすることができる。
【0034】
図3は、1台のコンピューターによって構成される場合のデータ操作管理システム40のブロック図である。
【0035】
図3に示すデータ操作管理システム40は、種々の操作が入力される例えばキーボード、マウスなどの操作デバイスである操作部41と、種々の情報を表示する例えばLCDなどの表示デバイスである表示部42と、LAN、インターネットなどのネットワーク経由で、または、ネットワークを介さずに有線または無線によって直接に、外部の装置と通信を行う通信デバイスである通信部43と、各種の情報を記憶する例えば半導体メモリー、HDDなどの不揮発性の記憶デバイスである記憶部44と、データ操作管理システム40全体を制御する制御部45とを備えている。
【0036】
記憶部44は、運用データに対する参照、編集などの操作を管理するためのデータ操作管理プログラム44aを記憶している。データ操作管理プログラム44aは、例えば、データ操作管理システム40の製造段階でデータ操作管理システム40にインストールされていても良いし、CD、DVD、USBメモリーなどの外部の記憶媒体からデータ操作管理システム40に追加でインストールされても良いし、ネットワーク上からデータ操作管理システム40に追加でインストールされても良い。
【0037】
記憶部44は、運用データにアクセスするためのワークフローを管理するためのワークフロー管理情報44bを記憶している。
【0038】
図4は、ワークフロー管理情報44bの一例を示す図である。
【0039】
図4に示すワークフロー管理情報44bは、ワークフローの識別情報と、運用データのうち、ワークフローにおける操作の対象のデータ(以下「対象データ」という。)と、対象データに関連付けられている日時のうち、ワークフローにおける操作の対象の日時(以下「対象日時」という。)と、対象データに対する、ワークフローにおける操作の内容(以下「対象操作内容」という。)と、対象データに対する、ワークフローにおける操作が取得および編集のいずれであるかを示す操作種類情報と、ワークフローの状態とが、ワークフロー毎に含まれる。なお、対象データに対する操作が編集である場合、この対象データには、実稼働データが含まれる。
図4においては、対象データおよび対象操作内容の具体的な内容を省略して描いている。
【0040】
図3に示すように、記憶部44は、運用データにアクセスするためのワンタイムパスワードを管理するためのパスワード管理テーブル44cを記憶している。
【0041】
記憶部44は、運用データを一時的に格納する一時格納部44dを備えている。
【0042】
記憶部44は、ワークフローにおけるデータ操作管理システム40の利用者の操作履歴を示す操作履歴情報44eを記憶可能である。
【0043】
制御部45は、例えば、CPUと、プログラムおよび各種のデータを記憶しているROMと、制御部45のCPUの作業領域として用いられるメモリーとしてのRAMとを備えている。制御部45のCPUは、記憶部44または制御部45のROMに記憶されているプログラムを実行する。
【0044】
制御部45は、データ操作管理プログラム44aを実行することによって、遠隔管理システム30によって管理されている運用データにアクセスするためのワークフローを管理するワークフロー管理部45aと、運用データにアクセスするためのワンタイムパスワードを管理するパスワード管理部45bと、承認者によって承認されたワークフローにおいて運用データに対する操作を実行するデータ操作部45cと、データ操作部45cによる操作が編集である場合に、データ操作部45cによる操作が承認者によって承認されたものであるか否かを監視する操作監視部45dとを実現する。
【0045】
【0046】
図5に示すように、利用者端末50は、種々の操作が入力される例えばキーボード、マウスなどの操作デバイスである操作部51と、種々の情報を表示する例えばLCDなどの表示デバイスである表示部52と、LAN、インターネットなどのネットワーク経由で、または、ネットワークを介さずに有線または無線によって直接に、外部の装置と通信を行う通信デバイスである通信部53と、各種の情報を記憶する例えば半導体メモリー、HDDなどの不揮発性の記憶デバイスである記憶部54と、利用者端末50全体を制御する制御部55とを備えている。
【0047】
記憶部54は、運用データを操作するための操作エージェントソフトウェア54aを記憶している。操作エージェントソフトウェア54aは、例えば、利用者端末50の製造段階で利用者端末50にインストールされていても良いし、CD、DVD、USBメモリーなどの外部の記憶媒体から利用者端末50に追加でインストールされても良いし、ネットワーク上から利用者端末50に追加でインストールされても良い。
【0048】
制御部55は、例えば、CPUと、プログラムおよび各種のデータを記憶しているROMと、制御部55のCPUの作業領域として用いられるメモリーとしてのRAMとを備えている。制御部55のCPUは、記憶部54または制御部55のROMに記憶されているプログラムを実行する。
【0049】
制御部55は、操作エージェントソフトウェア54aを実行することによって、運用データを操作する操作エージェント部55aを実現する。
【0050】
次に、システム10の動作について説明する。
【0051】
図6は、ワークフローが起票される場合のシステム10の動作のシーケンス図である。
【0052】
運用データにアクセスするために承認者による承認が必要な利用者は、運用データにアクセスするためのワークフローの申請のために、操作エージェント部55aの処理の開始を利用者端末50の操作部51を介して指示することができる。以下、この利用者を「申請者」という。利用者端末50の制御部55は、操作エージェント部55aの処理の開始が指示されると、操作エージェント部55aの処理を開始する(S101)。
【0053】
申請者は、ワークフローの起票のための情報(以下「起票用情報」という。)を利用者端末50の操作部51を介して入力することができる。操作エージェント部55aは、操作部51を介して起票用情報が入力されると、操作部51を介して入力された起票用情報をデータ操作管理システム40に送信する(S102)。なお、起票用情報には、対象データを取得するためのクエリなどのデータ取得文と、対象データを編集するためのクエリなどのデータ編集文とのいずれかが含まれている。データ取得文またはデータ編集文は、対象データを特定するための情報と、対象日時を特定するための情報と、対象操作内容とが含まれる。データ編集文に含まれる対象データには、実稼働データが含まれる。起票用情報には、データ取得文およびデータ編集文のいずれでもない情報が含まれても良い。例えば、対象データに対する操作が取得および編集のいずれであるかは、対象操作内容に基づいて判断可能ではあるが、申請者が運用データにアクセスすることを承認するか否かを承認者が判断し易くするために、対象データに対する操作が取得および編集のいずれであるかを示す操作種類情報が起票用情報に含まれても良い。
【0054】
データ操作管理システム40のワークフロー管理部45aは、S102において利用者端末50から送信されてきた起票用情報を受信すると、受信した起票用情報に基づいたワークフロー(以下「対象ワークフロー」という。)をワークフロー管理情報44bに追加する(S103)。ここで、ワークフロー管理部45aは、対象ワークフローの状態として、起票されたことを示す「起票済み」をワークフロー管理情報44bに記録する。
【0055】
次いで、ワークフロー管理部45aは、対象ワークフローを開始する(S104)。
【0056】
ワークフロー管理部45aは、S104の処理の後、ワークフロー管理情報44bに記憶されている対象ワークフローの内容の承認を承認者の利用者端末60に依頼する(S105)。
【0057】
利用者端末60の制御部は、S105における依頼を受けると、この依頼に含まれる、対象ワークフローの内容を利用者端末60の表示部に表示する(S106)。したがって、承認者は、利用者端末60の表示部を介して対象ワークフローの内容を確認することができる。
【0058】
承認者は、対象ワークフローの内容を確認した結果、対象ワークフローの内容を承認するか否かを示す回答を利用者端末60の操作部を介して入力することができる。利用者端末60の制御部は、対象ワークフローの内容を承認するか否かを示す回答が利用者端末60の操作部を介して入力されると、利用者端末60の操作部を介して入力された回答をデータ操作管理システム40に送信する(S107)。
【0059】
データ操作管理システム40のワークフロー管理部45aは、対象ワークフローの内容を承認者が承認しないことを示す回答がS107において利用者端末60から送信されてくると、申請者が運用データにアクセスすることを承認者が承認しなかったことを示す情報を申請者の利用者端末50に送信する(S108)。
【0060】
利用者端末50の制御部55は、S108においてデータ操作管理システム40から送信されてきた情報を受信すると、受信した情報を表示部52に表示する(S109)。したがって、申請者は、運用データにアクセスすることを承認者が承認しなかったことを表示部52を介して認識することができる。
【0061】
データ操作管理システム40のワークフロー管理部45aは、S108の処理の後、対象ワークフローの状態として、異常に完了されたことを示す「異常完了」をワークフロー管理情報44bに上書きし(S110)、対象ワークフローを完了する(S111)。
【0062】
図7は、
図6に示す「承認済み」のシーケンス図である。
【0063】
データ操作管理システム40のワークフロー管理部45aは、対象ワークフローの内容を承認者が承認することを示す回答がS107において利用者端末60から送信されてくると、
図7に示すように、対象ワークフローの状態として、承認されたことを示す「承認済み」をワークフロー管理情報44bに上書きする(S131)。
【0064】
次いで、パスワード管理部45bは、運用データにアクセスするためのワンタイムパスワードを生成し(S132)、S132において生成したワンタイムパスワードをパスワード管理テーブル44cに追加する(S133)。
【0065】
次いで、パスワード管理部45bは、S132において生成したワンタイムパスワードを申請者の利用者端末50に送信する(S134)。
【0066】
利用者端末50の制御部55は、S134においてデータ操作管理システム40から送信されてきたワンタイムパスワードを受信すると、受信したワンタイムパスワードを表示部52に表示することによって通知する(S135)。したがって、申請者は、表示部52を介してワンタイムパスワードを確認することができる。
【0067】
申請者は、S135において表示されたワンタイムパスワードを確認した後、このワンタイムパスワードを使用したアクセス権の認証の依頼を利用者端末50の操作部51を介して入力することができる。操作エージェント部55aは、ワンタイムパスワードを使用したアクセス権の認証の依頼が操作部51を介して入力されると、このワンタイムパスワードを使用したアクセス権の認証をデータ操作管理システム40に依頼する(S136)。
【0068】
データ操作管理システム40のデータ操作部45cは、S136における依頼を受けると、この依頼に含まれるワンタイムパスワードを使用したアクセス権の認証を実行する(S137)。
【0069】
図8は、
図7に示す「認証実行後」のシーケンス図である。
【0070】
データ操作管理システム40のデータ操作部45cは、S137における認証が成功すると、
図8に示すように、ワークフロー管理情報44bにおける対象ワークフローの対象データに対する操作の種類を、ワークフロー管理情報44bにおける対象ワークフローの対象操作内容に基づいて判断する(S151)。
【0071】
図9は、
図8に示す「データ取得」のシーケンス図である。
【0072】
データ操作部45cは、対象データに対する操作の種類が取得であるとS151において判断すると、
図9に示すように、ワークフロー管理情報44bにおける対象ワークフローの対象データのうち、関連付けられている日時がワークフロー管理情報44bにおける対象ワークフローの対象日時であるデータを遠隔管理システム30に要求する(S171)。
【0073】
遠隔管理システム30の制御部35は、S171における要求を受けると、この要求の対象のデータを実稼働データ34bおよびシステムログデータ34cの少なくとも1つから取得し(S172)、S172において取得したデータをデータ操作管理システム40に送信する(S173)。
【0074】
データ操作管理システム40のデータ操作部45cは、S173において遠隔管理システム30から送信されてきたデータを受信すると、このデータを一時格納部44dに格納し(S174)、一時格納部44dに格納されたデータを利用者端末50に送信する(S175)。
【0075】
利用者端末50の操作エージェント部55aは、S175において送信されたデータを受信すると、受信したデータを表示部52に表示する(S176)。したがって、申請者は、対象ワークフローの対象データのうち、関連付けられている日時が対象日時であるデータを表示部52を介して参照することができる。
【0076】
申請者は、データの参照の終了を利用者端末50の操作部51を介して指示することができる。操作エージェント部55aは、データの参照の終了が操作部51を介して指示されると、データの参照の終了をデータ操作管理システム40に通知して(S177)、S176において開始した表示を終了する(S178)。
【0077】
申請者は、操作エージェント部55aの処理の終了を利用者端末50の操作部51を介して指示することができる。操作エージェント部55aは、自身の処理の終了が操作部51を介して指示されると、自身の処理の終了をデータ操作管理システム40に通知して(S179)、自身の処理を終了する(S180)。
【0078】
データ操作管理システム40のデータ操作部45cは、S173において遠隔管理システム30から送信されてきたデータの受信が完了し、かつ、S177またはS179における通知を受けた場合に、一時格納部44dに格納されたデータを消去する(S181)。
【0079】
図10は、
図8に示す「データ編集」のシーケンス図である。
【0080】
図8に示すように、データ操作部45cは、対象データに対する操作の種類が編集であるとS151において判断すると、
図10に示すように、ワークフロー管理情報44bにおける対象ワークフローの対象データのうち、関連付けられている日時がワークフロー管理情報44bにおける対象ワークフローの対象日時であるデータを遠隔管理システム30に要求する(S201)。
【0081】
遠隔管理システム30の制御部35は、S201における要求を受けると、この要求の対象のデータを実稼働データ34bおよびシステムログデータ34cの少なくとも1つから取得し(S202)、S202において取得したデータをデータ操作管理システム40に送信する(S203)。
【0082】
データ操作管理システム40のデータ操作部45cは、S203において遠隔管理システム30から送信されてきたデータを受信すると、このデータを一時格納部44dに格納し(S204)、一時格納部44dに格納されたデータと、このデータのうち実稼働データを編集可能であることを示す情報とを利用者端末50に送信する(S205)。
【0083】
利用者端末50の操作エージェント部55aは、S205においてデータ操作管理システム40から送信されてきたデータおよび情報を受信すると、受信したデータを、実稼働データを編集可能な状態で表示部52に表示する(S206)。したがって、申請者は、対象ワークフローの対象データのうち、関連付けられている日時が対象日時であるデータを表示部52を介して参照することができるとともに、このデータのうち実稼働データの編集を利用者端末50の操作部51を介して指示することができる。
【0084】
操作エージェント部55aは、表示部52に表示された実稼働データの編集が操作部51を介して指示されると、実稼働データの編集をデータ操作管理システム40に依頼する(S207)。
【0085】
データ操作管理システム40のデータ操作部45cは、S207における依頼を受けると、この依頼の内容で、一時格納部44dに格納されたデータを編集し(S208)、一時格納部44dに格納されたデータを利用者端末50に送信する(S209)。
【0086】
利用者端末50の操作エージェント部55aは、S209において送信されたデータを受信すると、受信したデータを、実稼働データを編集可能な状態で表示部52に表示する(S210)。したがって、申請者は、一時格納部44dに格納された、編集後のデータを利用者端末50の表示部52を介して参照することができるとともに、このデータのうち実稼働データの編集を利用者端末50の操作部51を介して指示することができる。
【0087】
図11は、
図10に示す「データ編集終了」のシーケンス図である。
【0088】
申請者は、データの編集の終了を利用者端末50の操作部51を介して指示することができる。システム10は、S206の処理の後、データの編集の終了が操作部51を介して指示されるまで、S207~S210の一連の処理を繰り返し実行することが可能である。操作エージェント部55aは、データの編集の終了が操作部51を介して指示されると、
図11に示すように、データの編集の終了をデータ操作管理システム40に依頼する(S231)。
【0089】
データ操作管理システム40の操作監視部45dは、S231における依頼を受けると、S203において遠隔管理システム30から送信されてきたデータを、ワークフロー管理情報44bにおける対象ワークフローの対象操作内容に応じて編集した結果を生成する(S232)。なお、操作監視部45dは、S203において遠隔管理システム30から送信されてきたデータを受信した後であれば、S231における依頼を受ける前に、S232の処理を実行しても良い。
【0090】
操作監視部45dは、S231における依頼を受けることと、S232において結果を生成することとの両方が終了すると、S232において生成した結果と、S208における編集の結果、すなわち、一時格納部44dに格納されたデータとが一致するか否かを判断する(S233)。ここで、S232において生成した結果と、一時格納部44dに格納されたデータとが一致するということは、承認者によって承認された編集がS208において実行されたということである。一方、S232において生成した結果と、一時格納部44dに格納されたデータとが一致しないということは、承認者によって承認された編集がS208において実行されなかったということである。
【0091】
データ操作部45cは、S232において生成した結果と、一時格納部44dに格納されたデータとが一致するとS233において判断すると、一時格納部44dに格納されたデータのうち実稼働データを、遠隔管理システム30が管理している実稼働データに反映することを、遠隔管理システム30に依頼する(S234)。
【0092】
遠隔管理システム30の制御部35は、S234における依頼を受けると、S234における依頼において実稼働データ34bに反映することが指定されている実稼働データを、実稼働データ34bに反映する(S235)。なお、遠隔管理システム30の遠隔管理部35aは、S235の処理の後、S235において変更された実稼働データ34bを、この実稼働データ34bの対象の画像形成装置に設定する。
【0093】
制御部35は、S235の処理の後、反映の完了をデータ操作管理システム40に通知する(S236)。
【0094】
データ操作管理システム40のデータ操作部45cは、S236における通知を受けると、一時格納部44dに格納されたデータを消去する(S237)。
【0095】
データ操作部45cは、S232において生成した結果と、一時格納部44dに格納されたデータとが一致しないとS233において判断すると、一時格納部44dに格納されたデータを消去する(S238)。
【0096】
図8に示すように、データ操作管理システム40のデータ操作部45cは、S137における認証が失敗すると、認証の失敗を利用者端末50に通知する(S152)。
【0097】
利用者端末50の操作エージェント部55aは、S152において認証の失敗が通知されると、認証の失敗を表示部52に表示する(S153)。したがって、申請者は、認証の失敗を表示部52を介して認識することができる。
【0098】
データ操作管理システム40のワークフロー管理部45aは、S181またはS237の処理を実行すると、対象ワークフローの状態として、正常に完了されたことを示す「正常完了」をワークフロー管理情報44bに上書きする(S154)。
【0099】
データ操作管理システム40のワークフロー管理部45aは、S152またはS238の処理を実行すると、対象ワークフローの状態として「異常完了」をワークフロー管理情報44bに上書きする(S155)。
【0100】
ワークフロー管理部45aは、S154またはS155の処理が終了すると、対象ワークフローを完了する(S156)。
【0101】
パスワード管理部45bは、S156の処理が終了すると、S132において生成したワンタイムパスワードをパスワード管理テーブル44cから消去する(S157)。
【0102】
図12は、操作履歴情報44eを更新する場合のデータ操作管理システム40の動作のフローチャートである。
【0103】
データ操作管理システム40のワークフロー管理部45aは、ワークフローを開始する度に
図12に示す動作を実行する。
【0104】
図12に示すように、ワークフロー管理部45aは、対象のワークフローにおいて利用者の操作が実行されたか否かを判断する(S251)。
【0105】
ワークフロー管理部45aは、対象のワークフローにおいて利用者の操作が実行されたとS251において判断すると、この操作の履歴を操作履歴情報44eに追加する(S252)。
【0106】
ワークフロー管理部45aは、対象のワークフローにおいて利用者の操作が実行されていないとS251において判断するか、S252の処理を実行すると、対象のワークフローを完了させたか否かを判断する(S253)。
【0107】
ワークフロー管理部45aは、対象のワークフローを完了させていないとS253において判断すると、S251の処理を実行する。
【0108】
ワークフロー管理部45aは、対象のワークフローを完了させたとS253において判断すると、
図12に示す動作を終了する。
【0109】
以上に説明したように、データ操作管理システム40は、遠隔管理システム30によって管理されている運用データにアクセスするためのワークフローの起票のための情報が入力された場合(S102)にワークフローを開始し(S104)、遠隔管理システム30によって管理されている運用データに対する操作を、承認者によって承認されたワークフローにおいて実行する(「S171およびS174~S175」または「S201、S204~S205、S208~S209およびS232~S234」)ので、遠隔管理システム30によって管理されている運用データに対する操作の管理を容易化することができる。
【0110】
データ操作管理システム40は、遠隔管理システム30によって管理されている運用データに対する操作をワンタイムパスワードによって可能にする(S132~S134およびS137)ので、遠隔管理システム30によって管理されている運用データに対する操作を適切に管理することができる。
【0111】
データ操作管理システム40は、ワークフローの起票のための情報において特定されたデータのみを操作可能にする(「S171およびS174~S175」または「S201、S204~S205、S208~S209およびS232~S234」)ので、遠隔管理システム30によって管理されている運用データに対する操作を適切に管理することができる。
【0112】
データ操作管理システム40は、遠隔管理システム30によって管理されている運用データに対する操作の履歴を管理する(S252)ので、遠隔管理システム30によって管理されている運用データに対する操作を適切に管理することができる。
【0113】
データ操作管理システム40は、遠隔管理システム30によって管理されている運用データに対する編集が承認者によって承認されたものである場合に、この編集の結果を遠隔管理システム30に反映させる(S201、S204~S205、S208~S209およびS232~S234)ので、遠隔管理システム30によって管理されている運用データに対する操作を適切に管理することができる。
【0114】
遠隔管理システム30を構成する少なくとも1台のコンピューターと、データ操作管理システム40を構成する少なくとも1台のコンピューターとは、遠隔管理システム30と、データ操作管理システム40とで共通でも良い。例えば、遠隔管理システム30と、データ操作管理システム40とは、完全に同一のコンピューターによって構成されても良い。
【符号の説明】
【0115】
20 画像形成装置
30 遠隔管理システム
34b 実稼働データ(画像形成装置のデータ)
34c システムログデータ(画像形成装置のデータ)
40 データ操作管理システム(コンピューター)
44a データ操作管理プログラム
45a ワークフロー管理部
45b パスワード管理部
45c データ操作部
45d 操作監視部