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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-17
(45)【発行日】2023-05-25
(54)【発明の名称】種類判別システム
(51)【国際特許分類】
   G06T 7/00 20170101AFI20230518BHJP
   G06N 20/00 20190101ALI20230518BHJP
   G06N 3/02 20060101ALI20230518BHJP
【FI】
G06T7/00 610
G06T7/00 350B
G06N20/00
G06N3/02
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2018224021
(22)【出願日】2018-11-29
(65)【公開番号】P2020087211
(43)【公開日】2020-06-04
【審査請求日】2021-10-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003443
【氏名又は名称】弁理士法人TNKアジア国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100129997
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 米藏
(72)【発明者】
【氏名】田中 一徳
【審査官】梅本 章子
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-354250(JP,A)
【文献】特開平07-333170(JP,A)
【文献】特開2007-328645(JP,A)
【文献】特開2011-137895(JP,A)
【文献】特開2017-211259(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T 1/00
G06T 7/00
G06N 3/02
G06N 20/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
学習モデル生成装置と、前記学習モデル生成装置によって生成された第1学習モデル及び第2学習モデルを用いて、検査対象印刷物が有する欠陥画像の種類を判別する種類判別装置とを備える種類判別システムであって、
前記学習モデル生成装置は、
欠陥画像の種類毎に用意された、欠陥画像を有する学習用印刷物を含むデータセットを学習して、学習モデルを生成する学習モデル生成装置であって、
前記学習用印刷物の画像を読み取る第1画像読取部と、
前記第1画像読取部による読み取りで得られた前記学習用印刷物の画像を、予め定められた第1分割条件で分割する第1分割部と、
前記第1分割部による分割で得られた分割画像に対して学習を行い、欠陥画像の種類を推論するための第1学習モデルを生成する学習モデル生成部と、
前記第1画像読取部による読み取りで得られた前記学習用印刷物の画像を、予め定められた第1圧縮条件で圧縮する第1圧縮部と、を備え、
更に、前記第1分割部は、前記第1圧縮部が圧縮して得られた圧縮画像を、予め定められた第2分割条件で分割し、
前記学習モデル生成部は、前記第1圧縮部が圧縮して前記第1分割部が分割することによって得られた圧縮分割画像に対して学習を行い、欠陥画像の種類を推論するための第2学習モデルを生成し、
前記種類判別装置は、
前記検査対象印刷物の画像を読み取る第2画像読取部と、
前記第2画像読取部による読み取りで得られた前記検査対象印刷物の画像を、前記第1分割条件と同じ分割条件で分割する第2分割部と、
前記第1学習モデルを用いて、前記第2分割部による分割で得られた分割画像に対応する欠陥画像の種類及びその信頼度を推論する推論部と、
前記推論部による推論結果としての前記欠陥画像の種類及びその信頼度の中に、予め定められた第1閾値以上の信頼度のものが存在すると判断した場合に、当該推論結果を採用し、当該信頼度に対応する前記欠陥画像の種類を、検査対象印刷物が有する欠陥画像の種類として特定する特定部と、
前記特定部が、前記推論部から得た前記信頼度の中に、前記予め定められた第1閾値以上のものが存在しないと判断した場合に、前記検査対象印刷物の画像を、前記第1圧縮条件と同じ圧縮条件で圧縮する第2圧縮部と、を備え、
更に、前記第2分割部は、前記第2圧縮部が圧縮して得られた圧縮画像を、前記第2分割条件と同じ分割条件で分割し、
前記推論部は、前記第2学習モデルを用いて、前記第2圧縮部が圧縮して前記第2分割部が分割することによって得られた圧縮分割画像に対応する欠陥画像の種類及びその信頼度を推論し、
前記特定部は、前記推論部による前記第2学習モデルを用いた推論結果としての前記欠陥画像の種類及びその信頼度の中に、予め定められた第2閾値以上の信頼度のものが存在すると判断した場合に、当該推論結果を採用し、当該信頼度に対応する前記欠陥画像の種類を、検査対象印刷物が有する欠陥画像の種類として特定する、種類判別システム。
【請求項2】
前記特定部は、前記信頼度が前記第1閾値又は第2閾値以上である前記欠陥画像の種類が複数ある場合、前記欠陥画像を示した前記分割画像が前記検査対象印刷物内において一定の周期で出現する場合は、前記欠陥画像が筋状の汚れを示すと特定し、前記欠陥画像を示した前記分割画像が前記検査対象印刷物内の部分で集中して出現する場合は、前記欠陥画像が白点の汚れを示すと特定する請求項1に記載の種類判別システム。
【請求項3】
前記学習モデル生成装置では、
前記第1圧縮部が、前記学習用印刷物の画像を、前記第1圧縮条件とは異なる予め定められた第2圧縮条件で圧縮し、
前記第1分割部が、前記第1圧縮部が前記第2圧縮条件で圧縮することによって得られた圧縮画像を、予め定められた第3分割条件で分割し、
前記学習モデル生成部が、前記第1圧縮部が前記第2圧縮条件で圧縮して前記第1分割部が分割することによって得られた圧縮分割画像に対して学習を行い、欠陥画像の種類を推論するための第3学習モデルを生成し、
前記種類判別装置では、
前記特定部が、前記推論部による前記第2学習モデルを用いた推論から得た前記信頼度の中に、前記予め定められた第2閾値以上のものが存在しないと判断した場合に、前記第2圧縮部が、前記検査対象印刷物の画像を、前記第2圧縮条件と同じ圧縮条件で圧縮し、
前記第2分割部が、前記第2圧縮部が前記第2圧縮条件で圧縮することによって得られた圧縮画像を、前記第3分割条件と同じ分割条件で分割し、
前記推論部は、前記第3学習モデルを用いて、前記第2圧縮部が圧縮して前記第2分割部が前記第3分割条件と同じ分割条件で分割することによって得られた圧縮分割画像に対応する欠陥画像の種類及びその信頼度を推論し、
前記特定部は、前記推論部による前記第3学習モデルを用いた推論結果としての前記欠陥画像の種類及びその信頼度の中に、予め定められた第3閾値以上の信頼度のものが存在するか否かを判断し、
前記予め定められた第3閾値以上の信頼度のものが存在すると判断した場合に、当該推論結果を採用し、当該信頼度に対応する前記欠陥画像の種類を、検査対象印刷物が有する欠陥画像の種類として特定し、
前記予め定められた第3閾値以上の信頼度のものが存在しないと判断した場合に、前記検査対象印刷物に欠陥画像は存在しないと判定する、請求項に記載の種類判別システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、学習モデル生成装置、種類判別システム、及び学習モデル生成方法に関し、特に、学習モデルを生成し、生成した学習モデルを用いて欠陥画像の種類を推論する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、製造現場などで、人口知能や、ディープラーニングと呼ばれる深層学習を用いて、製品の外観検査等を自動化する仕組みが導入されつつある(例えば、下記特許文献1,2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-076289号公報
【文献】特開2018-120300号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
プリンターから出力された印刷物を用いて、当該プリンターの検査を行いたい場合、まず、図5に示すように、欠陥画像を有する印刷物群P1乃至P3(例えば、色ムラ、筋状の汚れ、白点)及び欠陥画像を有しない印刷物群P4からなる大量のデータセットDSを準備し、それら大量のデータセットDSをニューラルネットワークNNで学習させることで、それぞれの特徴を記憶した学習モデルMを生成する(学習フェーズ)。
【0005】
様々な種類のデータセットDSを大量にニューラルネットワークNNに学習させることで、未知の「入力」から適切な「出力」を推論する学習モデルMを獲得することができる。例えば、図6に示すように、学習モデルMを用いて、データセットDSに存在しない未知の印刷物PAに対応する欠陥画像の種類を推論することで、印刷物PAが「白点」の欠陥画像を有していると判別することが可能となる(推論フェーズ)。
【0006】
ところで、ニューラルネットワークでの学習は膨大な演算処理を行う必要がある。そのため、データセットの画像サイズが大き過ぎると、ニューラルネットワークでの学習を行うことが困難になる。
【0007】
このような問題を解決するには、データセットの画像サイズを小さくすればよく、その方法としては、次の2つが考えられる。一つは、画像の圧縮処理を行い、圧縮処理後のデータセットをニューラルネットワークに学習させることである。もう一つは、画像の分割処理を行い、分割処理後のデータセットをニューラルネットワークに学習させることである。
【0008】
しかしながら、画像を圧縮し過ぎると、細かな傷など、高周波の異常(欠陥画像)が見えなくなってしまうおそれがある。一方、画像を細かく分割した場合は、傷などの高周波の異常は検出できるが、図7に示すように、色ムラなどの低周波の異常が検出できなくなるおそれがある。図7(A)は、色ムラの欠陥画像が生じている印刷物PBを示し、図7(B)は、印刷物PBに形成されている画像を分割した状態を示し、図7(C)は、分割画像の1ブロック分を示している。
【0009】
従って、画像の圧縮処理を行ったり、分割処理を行ったりすると、高周波の異常、低周
波の異常のいずれかを検出できない場合がある。また、上記特許文献1,2には、検査精度を向上させる技術について記載されているが、上記のような高周波及び低周波の異常の両方を検出できる仕組みについての記載はない。
【0010】
本発明は、上記の事情に鑑みなされたものであり、画像サイズが大きいものであったとしても、高周波及び低周波の異常(欠陥画像)の両方を適切に検出できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一局面に係る学習モデル生成装置は、欠陥画像の種類毎に用意された、欠陥画像を有する学習用印刷物を含むデータセットを学習して、学習モデルを生成する学習モデル生成装置であって、前記学習用印刷物の画像を読み取る第1画像読取部と、前記第1画像読取部による読み取りで得られた前記学習用印刷物の画像を、予め定められた第1分割条件で分割する第1分割部と、前記第1分割部による分割で得られた分割画像に対して学習を行い、欠陥画像の種類を推論するための第1学習モデルを生成する学習モデル生成部と、前記学習用印刷物の画像を、予め定められた第1圧縮条件で圧縮する第1圧縮部と、を備え、更に、前記第1分割部は、前記第1圧縮部が圧縮して得られた圧縮画像を、予め定められた第2分割条件で分割し、前記学習モデル生成部は、前記第1圧縮部が圧縮して前記第1分割部が分割することによって得られた圧縮分割画像に対して学習を行い、欠陥画像の種類を推論するための第2学習モデルを生成する。
【0012】
また、本発明の一局面に係る種類判別システムは、上記学習モデル生成装置と、前記学習モデル生成装置によって生成された前記第1学習モデル及び前記第2学習モデルを用いて、検査対象印刷物が有する欠陥画像の種類を判別する種類判別装置とを備える種類判別システムであって、前記種類判別装置は、前記検査対象印刷物の画像を読み取る第2画像読取部と、前記第2画像読取部による読み取りで得られた前記検査対象印刷物の画像を、前記第1分割条件と同じ分割条件で分割する第2分割部と、前記第1学習モデルを用いて、前記第2分割部による分割で得られた分割画像に対応する欠陥画像の種類を推論する推論部と、前記検査対象印刷物の画像を、前記第1圧縮条件と同じ圧縮条件で圧縮する第2圧縮部と、を備え、更に、前記第2分割部は、前記第2圧縮部が圧縮して得られた圧縮画像を、前記第2分割条件と同じ分割条件で分割し、前記推論部は、前記第2学習モデルを用いて、前記第2圧縮部が圧縮して前記第2分割部が分割することによって得られた圧縮分割画像に対応する欠陥画像の種類を推論する。
【0013】
また、本発明の一局面に係る学習モデル生成方法は、欠陥画像の種類毎に用意された、欠陥画像を有する学習用印刷物を含むデータセットを学習して、学習モデルを生成する学習モデル生成方法であって、前記学習用印刷物の画像を読み取る画像読取ステップと、前記画像読取ステップによる読み取りで得られた前記学習用印刷物の画像を、予め定められた第1分割条件で分割する分割ステップと、前記分割ステップによる分割で得られた分割画像に対して学習を行い、欠陥画像の種類を推論するための第1学習モデルを生成する学習モデル生成ステップと、前記学習用印刷物の画像を、予め定められた第1圧縮条件で圧縮する圧縮ステップと、を有し、更に、前記分割ステップでは、前記圧縮ステップで圧縮して得られた圧縮画像を、予め定められた第2分割条件で分割し、前記学習モデル生成ステップでは、前記圧縮ステップで圧縮して前記分割ステップで分割することによって得られた圧縮分割画像に対して学習を行い、欠陥画像の種類を推論するための第2学習モデルを生成する。
【発明の効果】
【0014】
圧縮していない分割画像(画像領域が比較的狭い)を学習することで生成された第1学習モデルは、高周波の異常の検出に適している。一方、圧縮分割画像(画像領域が比較的広い)を学習することで生成された第2学習モデルは、低周波の異常の検出に適している。
【0015】
本発明によれば、高周波の異常の検出に適した第1学習モデルと、低周波の異常の検出に適した第2学習モデルとが生成されるので、高周波及び低周波の異常(欠陥画像)の両方を適切に検出することが可能となる。また、第1学習モデル及び第2学習モデルの生成に用いる画像はいずれも分割されたものであるため、第1学習モデル及び第2学習モデルの生成に用いる画像の画像サイズが大きいものであっても処理負担を大きくすることなく対応可能である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の一実施形態に係る学習モデル生成装置及び種類判別装置を含んで構成される種類判別システムの主要内部構成を概略的に示した機能ブロック図である。
図2】(A)乃至(C)は、分割画像それぞれの画像領域を説明するための説明図である。
図3】学習モデル生成装置における制御ユニットで行われる処理動作の一例を示したフローチャートである。
図4】種類判別装置における制御ユニットで行われる処理動作の一例を示したフローチャートである。
図5】学習モデルを生成するまでの流れを説明するための説明図である。
図6】学習モデルを用いて、未知の入力から適切な出力を推論する流れを説明するための説明図である。
図7】(A)は、色ムラの欠陥画像が生じている印刷物を示した図であり、(B)は、印刷物に形成されている画像を分割した状態を示した図であり、(C)は、分割画像の1ブロック分を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一実施形態に係る学習モデル生成装置、種類判別装置、学習モデル生成方法、及び種類判別システムについて図面を参照して説明する。図1は、一実施形態に係る学習モデル生成装置及び種類判別装置を含んで構成される種類判別システムの主要内部構成を概略的に示した機能ブロック図である。種類判別システム1は、学習モデル生成装置10と、種類判別装置20と、を含んで構成される。
【0018】
学習モデル生成装置10は、制御ユニット11と、操作部12と、表示部13と、記憶部14と、通信インターフェイス部(通信I/F)15と、第1画像読取部16と、を備える。
【0019】
操作部12は、キーボードやマウス等から構成され、制御ユニット11にコマンドや文字を入力したり、表示部13における画面上のポインターを操作したりする。表示部13は、制御ユニット11からの応答やデータ結果を表示する。
【0020】
記憶部14は、HDD(Hard Disk Drive)などの記憶装置であり、学習モデル生成装置10の動作に必要なプログラムやデータを記憶し、学習モデルを記憶する学習モデル記憶部141を含む。
【0021】
通信インターフェイス部15は、不図示のLAN(Local Area Network)チップなどの通信モジュールを備えるインターフェイスで、外部装置との間で通信を行う。学習モデル生成装置10は、通信インターフェイス部15を介して、種類判別装置20との間でデータの送受信を行う。
【0022】
第1画像読取部16は、光照射部及びCCD(Charge Coupled Device)センサー等を有する読取機構(図示せず)を備え、制御ユニット11を構成する制御部111による制御の下、コンタクトガラス(図示せず)に載置された原稿(ここでは、学習用印刷物)の画像を光学的に読み取る。画像の読み取りは、第1画像読取部16における読み取り可能最高解像度(例えば、600dpi)で行われる。
【0023】
例えば、A3サイズ(297×210mm)の学習用印刷物を第1画像読取部16が解像度600dpiで読み取った場合、第1画像読取部16による読み取りで得られる画像は「9921×7016ピクセル(画素)」で構成される。なお、学習用印刷物としては、図5に示した印刷物群P1乃至P4を構成する印刷物が挙げられる。
【0024】
制御ユニット11は、プロセッサー、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、及び専用のハードウェア回路を含んで構成される。プロセッサーは、例えばCPU(Central Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、又はMPU(Micro Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)等である。制御ユニット11は、制御部111と、第1分割部112と、学習モデル生成部113と、第1圧縮部114と、を備えている。
【0025】
制御ユニット11は、記憶部14に記憶されているプログラムに従った上記プロセッサーによる動作により、制御部111、第1分割部112、学習モデル生成部113、及び第1圧縮部114として機能する。但し、制御ユニット11等の上記の各構成は、制御ユニット11による制御プログラムに基づく動作によらず、それぞれハードウェア回路により構成することも可能である。以下、特に触れない限り、各実施形態について同様である。
【0026】
制御部111は、学習モデル生成装置10の全体的な動作制御を司る。制御部111は、操作部12、表示部13、記憶部14、通信インターフェイス部15、及び第1画像読取部16と接続されており、接続されている上記各構成の動作制御や、各構成との間での信号またはデータの送受信を行う。
【0027】
第1分割部112は、第1画像読取部16による読み取りで得られた学習用印刷物の画像を、予め定められた第1分割条件で分割する。例えば、第1分割条件が「a×b画素」単位で画像を分割することに設定されている場合、「24a×24b画素」で構成されている画像は、図2(A)に示すように、576(=24×24)ブロックの画像に分割される。
【0028】
学習モデル生成部113は、第1分割部112による分割で得られた分割画像に対して学習を行い、欠陥画像の種類を推論するための第1学習モデルを生成し、生成した学習モデルを学習モデル記憶部141に保存する。例えば、学習モデル生成部113は、図5に示したような、印刷物群P1乃至P4の画像を分割した分割画像を、ニューラルネットワークで学習することで、それぞれの特徴を記憶した学習モデルを生成する。
【0029】
従って、学習モデル生成部113は、データセットとなる画像を大量に学習することで、図6に示したように、未知の「入力」から適切な「出力」を推論する学習モデルを生成することができる。なお、図5では、欠陥画像の種類として「色ムラ」、「筋状の汚れ」、「白点」だけを例に挙げているが、欠陥画像の種類はこれらに限定されず、他に「傷」や「黒点」等が挙げられる。
【0030】
第1圧縮部114は、第1画像読取部16による読み取りで得られた学習用印刷物の画像を、予め定められた第1圧縮条件で圧縮する。例えば、第1圧縮条件が圧縮率50%に設定されている場合、「24a×24b画素」で構成されている画像は、圧縮によって「12a×12b画素」で構成される画像となる。
【0031】
後で詳しく説明するが、第1分割部112は、第1圧縮部114が圧縮して得られた圧縮画像についても分割を行い、学習モデル生成部113は、第1圧縮部114が圧縮して第1分割部112が分割することによって得られた圧縮分割画像に対しても学習を行う。
【0032】
種類判別装置20は、制御ユニット21と、操作部22と、表示部23と、記憶部24と、通信インターフェイス部(通信I/F)25と、第2画像読取部26と、を備える。
【0033】
操作部22は、キーボードやマウス等から構成され、制御ユニット21にコマンドや文字を入力したり、表示部23における画面上のポインターを操作したりする。表示部23は、制御ユニット21からの応答やデータ結果を表示する。
【0034】
記憶部24は、HDDなどの記憶装置であり、種類判別装置20の動作に必要なプログラムやデータを記憶し、学習モデルを記憶する学習モデル記憶部241を含む。
【0035】
通信インターフェイス部25は、不図示のLANチップなどの通信モジュールを備えるインターフェイスで、外部装置との間で通信を行う。種類判別装置20は、通信インターフェイス部25を介して、学習モデル生成装置10との間でデータの送受信を行う。
【0036】
第2画像読取部26は、光照射部及びCCDセンサー等を有する読取機構(図示せず)を備え、制御ユニット21を構成する制御部211による制御の下、コンタクトガラス(図示せず)に載置された原稿(ここでは、検査対象印刷物)の画像を光学的に読み取る。画像の読み取りは、第2画像読取部26における読み取り可能最高解像度(例えば、600dpi)で行われる。検査対象印刷物は、例えば、製造現場においてプリンターや複合機等から出力された印刷物で、これらプリンターや複合機等の検査に用いられる。
【0037】
制御ユニット21は、プロセッサー、RAM、ROM、及び専用のハードウェア回路を含んで構成される。プロセッサーは、例えばCPU、ASIC、MPU、又はGPU等である。制御ユニット21は、制御部211と、第2分割部212と、推論部213と、特定部214と、第2圧縮部215と、を備えている。
【0038】
制御ユニット21は、記憶部24に記憶されているプログラムに従った上記プロセッサーによる動作により、制御部211、第2分割部212、推論部213、特定部214、及び第2圧縮部215として機能する。但し、制御ユニット21等の上記の各構成は、制御ユニット21による制御プログラムに基づく動作によらず、それぞれハードウェア回路により構成することも可能である。以下、特に触れない限り、各実施形態について同様である。
【0039】
制御部211は、種類判別装置20の全体的な動作制御を司る。制御部211は、操作部22、表示部23、記憶部24、通信インターフェイス部25、及び第2画像読取部26と接続されており、接続されている上記各構成の動作制御や、各構成との間での信号またはデータの送受信を行う。
【0040】
第2分割部212は、第2画像読取部16による読み取りで得られた検査対象印刷物の画像を、上記第1分割条件(すなわち、第1学習モデルを生成する際に、学習モデル生成部10が用いた分割条件)と同じ分割条件で分割する。
【0041】
推論部213は、第1学習モデルを用いて、第2分割部212による分割で得られた分割画像に対応する欠陥画像の種類を判定して、当該判定結果を推論結果とし、当該推論結果の信頼度(確からしさ)を特定部214に出力する。例えば、推論部213は、欠陥画像が「白点」である確率が「99%」、「筋状の汚れ」である確率が「0.5%」、「傷」である確率が「0.5%」という推論結果の信頼度を数値化したものを特定部214に出力する。
【0042】
特定部214は、推論部213による推論結果に基づいて、検査対象印刷物に欠陥画像が発生しているか否かを判定すると共に、欠陥画像が発生している場合には、その種類を特定する。
【0043】
特定部214は、推論部213から出力された信頼度の中に、予め定められた閾値(例えば、50%)以上のものが存在すると判断した場合、該当する推論結果を採用し、検査対象印刷物が有する欠陥画像の種類を特定する。一方、特定部214は、推論部213から出力された信頼度の中に、上記閾値以上のものが存在しないと判断した場合(つまり、すべての分割画像で異常を示す閾値以上とならなかった場合)、検査対象印刷物に異常はないと判定する。
【0044】
ところで、上記信頼度については、異なる欠陥画像の種類において上記閾値以上になり、欠陥画像の種類の判別が難しくなることが考えられる。例えば、ある分割画像に対応する推論結果では、欠陥画像が「白点」である確率が「56%」を示し、別の分割画像に対応する推論結果では、欠陥画像が「筋状の汚れ」である確率が「58%」を示す、といったことが考えられる。
【0045】
そのような場合、特定部214は、推論部213による推論結果に基づいて、欠陥画像を示した分割画像の検査対象印刷物内における出現の周期性から、当該検査対象印刷物が有する欠陥画像の種類を特定する。
【0046】
例えば、欠陥画像が「筋状の汚れ」の場合、推論結果が欠陥画像を示す分割画像は、一定の周期で出現し、欠陥画像が「白点」の場合、推論結果が欠陥画像を示す分割画像は、ある部分で集中して出現する。従って、推論結果が欠陥画像を示す分割画像の検査対象印刷物内における出現の周期性から、当該検査対象印刷物が有する欠陥画像の種類を特定することが可能である。
【0047】
第2圧縮部215は、第2画像読取部16による読み取りで得られた検査対象印刷物の画像を、上記第1圧縮条件(すなわち、第2学習モデルを生成する際に、学習モデル生成装置10が用いた圧縮条件)と同じ圧縮条件で圧縮する。
【0048】
後で詳しく説明するが、第2分割部212は、第2圧縮部215が圧縮して得られた圧縮画像についても分割を行い、推論部213は、第2圧縮部215が圧縮して第2分割部212が分割することによって得られた圧縮分割画像に対応する欠陥画像の種類についても推論する。
【0049】
次に、学習モデル生成装置10における制御ユニット11で行われる処理動作の一例について図3に示したフローチャートに基づいて説明する。なお、この処理動作は、学習用印刷物の読み取りのユーザー指示を、操作部12を介して制御部111が受け付けた場合に行われる処理動作である。
【0050】
まず、制御部111は、第1画像読取部16に、学習用印刷物の画像を読み取らせ(S1)、第1分割部112が、第1画像読取部16による読み取りで得られた学習用印刷物の画像を、第1分割条件で分割し(S2)、学習モデル生成部113が、第1分割部112による分割で得られた分割画像に対して学習を行い(S3)、欠陥画像の種類を推論するための第1学習モデルを生成する(S4)。
【0051】
上記したように、第1分割条件が「a×b画素」単位での画像分割と設定されている場合、「24a×24b画素」で構成されている画像は、分割によって、図2(A)に示すように、576(=24×24)ブロックの画像に分割される。圧縮していない分割画像は、図2(A)に示すように、画像領域が狭い。そのため、圧縮していない分割画像を学習することで生成された第1学習モデルは、高周波の異常の検出に適している。
【0052】
続いて、第1圧縮部114が、第1画像読取部16による読み取りで得られた学習用印刷物の画像を、第1圧縮条件で圧縮し(S5)、第1分割部112が、第1圧縮部114が圧縮して得られた圧縮画像を、予め定められた第2分割条件で分割し(S6)、学習モデル生成部113が、第1圧縮部114が圧縮して第1分割部112が分割することによって得られた圧縮分割画像に対して学習を行い(S7)、欠陥画像の種類を推論するための第2学習モデルを生成する(S8)。
【0053】
例えば、第1圧縮条件が圧縮率50%に設定されている場合、「24a×24b画素」で構成されている画像は、圧縮によって「12a×12b画素」で構成される画像となる。
【0054】
第2分割条件は第1分割条件と同じでもよく、第2分割条件が「a×b画素」単位での画像分割と設定されている場合、「12a×12b画素」で構成されている画像は、分割によって、図2(B)に示すように、144(=12×12)ブロックの画像に分割される。圧縮分割画像は、図2(B)に示すように、圧縮していない分割画像よりも画像領域がやや広い。そのため、圧縮分割画像を学習することで生成された第2学習モデルは、低周波の異常の検出に適している。
【0055】
続いて、第1圧縮部114が、第1画像読取部16による読み取りで得られた学習用印刷物の画像を、第1圧縮条件とは異なる予め定められた第2圧縮条件で圧縮し(S9)、第1分割部112が、第1圧縮部114が第2圧縮条件で圧縮することによって得られた圧縮画像を、予め定められた第3分割条件で分割し(S10)、学習モデル生成部113が、第1圧縮部114が第2圧縮条件で圧縮して第1分割部112が分割することによって得られた圧縮分割画像に対して学習を行い(S11)、欠陥画像の種類を推論するための第3学習モデルを生成し(S12)、この処理動作を終了する。
【0056】
例えば、第2圧縮条件が圧縮率25%に設定されている場合、「24a×24b画素」で構成されている画像は「6a×6b画素」で構成される画像となる。
【0057】
第3分割条件は第1分割条件と同じでもよく、第3分割条件が「a×b画素」単位での画像分割と設定されている場合、「6a×6b画素」で構成されている画像は、分割によって、図2(C)に示すように、36(=6×6)ブロックの画像に分割される。大きい圧縮率で得られた圧縮分割画像は、図2(C)に示すように、小さい圧縮率で得られた圧縮分割画像よりも画像領域が広い。そのため、大きい圧縮率で得られた圧縮分割画像を学習することで生成された第3学習モデルは、低周波の異常の検出により一層適している。
【0058】
また、S9では、第1圧縮部114が、学習用印刷物の画像を、第1圧縮条件とは異なる第2圧縮条件で圧縮する場合について説明しているが、第1圧縮部114は、S5での圧縮で得られた圧縮画像に対して、予め定められた第3圧縮条件で更なる圧縮を行うようにしてもよい。例えば、S5において、圧縮率50%(第1圧縮条件)で圧縮することで得られた圧縮画像に対して、S9において、更に圧縮率50%で圧縮する。
【0059】
次に、種類判別装置20における制御ユニット21で行われる処理動作の一例について図4に示したフローチャートに基づいて説明する。なお、この処理動作は、検査対象印刷物の読み取りのユーザー指示を、操作部22を介して制御部211が受け付けた場合に行われる処理動作である。
【0060】
まず、制御部211は、第2画像読取部26に、検査対象印刷物の画像を読み取らせ(S21)、第2分割部212が、第2画像読取部26による読み取りで得られた検査対象印刷物の画像を、(第1学習モデルを生成する際に、学習モデル生成装置10が用いた)第1分割条件で分割し(S22)、推論部213が、第1学習モデルを用いて、第2分割部212による分割で得られた分割画像に対応する欠陥画像の種類を推論し、当該推論結果の信頼度を特定部214に出力する(S23)。
【0061】
特定部214は、推論部213から入力した信頼度の中に、予め定められた閾値T1以上のものが存在するか否かを判断し(S24)、信頼度が閾値T1以上のものが存在すると判断した場合(S24でYES)、特定部214は、推論部213による推論結果に基づいて、欠陥画像を示した分割画像の検査対象印刷物内における出現の周期性から、当該検査対象印刷物が有する欠陥画像の種類を特定し(S25)、この処理動作を終了する。
【0062】
検査対象印刷物内における出現の周期性を確認することで、閾値T1以上の信頼度が示す欠陥画像の種類が複数存在しても、欠陥画像の種類を特定することが可能となる。また、閾値T1以上の信頼度が示す欠陥画像の種類が1種類であっても、その欠陥の由来(原因)を特定できるとは限らない。例えば、ドラムユニット由来の「黒点」や、何かのゴミによる「黒点」があった場合、これらを単体の見た目では区別できなかったとしても、周期性を確認することで欠陥の由来を判別することが可能となる。
【0063】
S24において、特定部214は、推論部213から入力した信頼度の中に、閾値T1以上のものが存在しない(すなわち、S22での分割で得られた、すべての分割画像において異常を示す閾値T1以上にならない)と判断した場合(S24でNO)、第2圧縮部215が、第2画像読取部26による読み取りで得られた検査対象印刷物の画像を、(第2学習モデルを生成する際に、学習モデル生成装置10が用いた)第1圧縮条件で圧縮する(S26)。
【0064】
続いて、第2分割部212が、第2圧縮部215が圧縮して得られた圧縮画像を、(第2学習モデルを生成する際に、学習モデル生成装置10が用いた)第2分割条件で分割し(S27)、推論部213が、第2学習モデルを用いて、第2圧縮部215が圧縮して第2分割部212が分割することによって得られた圧縮分割画像に対応する欠陥画像の種類を推論し、当該推論結果の信頼度を特定部214に出力する(S28)。
【0065】
特定部214は、推論部213から入力した信頼度の中に、予め定められた閾値T2以上のものが存在するか否かを判断し(S29)、信頼度が閾値T2以上のものが存在すると判断した場合(S29でYES)、特定部214は、推論部213による推論結果に基づいて、欠陥画像を示した圧縮分割画像の検査対象印刷物内における出現の周期性から、当該検査対象印刷物が有する欠陥画像の種類を特定し(S30)、この処理動作を終了する。
【0066】
検査対象印刷物内における出現の周期性を確認することで、閾値T2以上の信頼度が示す欠陥画像の種類が複数存在しても、欠陥画像の種類を特定することが可能となる。また、単体の見た目では区別できなかった欠陥の由来を、周期性を確認することで判別することが可能となる。
【0067】
S29において、特定部214は、推論部213から入力した信頼度の中に、閾値T2以上のものが存在しない(すなわち、S27での分割で得られた、すべての圧縮分割画像において異常を示す閾値T2以上にならない)と判断した場合(S29でNO)、第2圧縮部215が、第2画像読取部26による読み取りで得られた検査対象印刷物の画像を、(第3学習モデルを生成する際に、学習モデル生成装置10が用いた)第2圧縮条件で圧縮する(S31)。
【0068】
続いて、第2分割部212が、第2圧縮部215が圧縮して得られた圧縮画像を、(第3学習モデルを生成する際に、学習モデル生成装置10が用いた)第3分割条件で分割し(S32)、推論部213が、第3学習モデルを用いて、第2圧縮部215が圧縮して第2分割部212が分割することによって得られた圧縮分割画像に対応する欠陥画像の種類を推論し、当該推論結果の信頼度を特定部214に出力する(S33)。
【0069】
特定部214は、推論部213から入力した信頼度の中に、予め定められた閾値T3以上のものが存在するか否かを判断し(S34)、信頼度が閾値T3以上のものが存在すると判断した場合(S34でYES)、特定部214は、推論部213による推論結果に基づいて、欠陥画像を示した圧縮分割画像の検査対象印刷物内における出現の周期性から、当該検査対象印刷物が有する欠陥画像の種類を特定し(S35)、この処理動作を終了する。
【0070】
検査対象印刷物内における出現の周期性を確認することで、閾値T3以上の信頼度が示す欠陥画像の種類が複数存在しても、欠陥画像の種類を特定することが可能となる。また、単体の見た目では区別できなかった欠陥の由来を、周期性を確認することで判別することが可能となる。
【0071】
S34において、特定部214は、推論部213から入力した信頼度の中に、閾値T3以上のものが存在しない(すなわち、S32での分割で得られた、すべての圧縮分割画像において異常を示す閾値T3以上にならない)と判断した場合(S34でNO)、検査対象印刷物に欠陥画像は存在しない「異常なし」と判定し(S36)、この処理動作を終了する。
【0072】
また、S31では、第2圧縮部215が、検査対象印刷物の画像を、第1圧縮条件とは異なる第2圧縮条件で圧縮する場合について説明しているが、第2圧縮部215は、S26での圧縮で得られた圧縮画像に対して、予め定められた第3圧縮条件で更なる圧縮を行うようにしてもよい。例えば、S26において、圧縮率50%(第1圧縮条件)で圧縮することで得られた圧縮画像に対して、S31において、更に圧縮率50%で圧縮する。
【0073】
上記実施形態によれば、高周波の異常の検出に適した第1学習モデルと、低周波の異常の検出に適した第2学習モデル及び第3学習モデルとが生成されるので、高周波及び低周波の異常(欠陥画像)の両方を適切に検出することが可能となる。また、第1乃至第3学習モデルの生成に用いる画像はいずれも分割されたものであるため、第1乃至第3学習モデルの生成に用いる画像の画像サイズが大きいものであっても処理負担を大きくすることなく対応可能である。
【0074】
なお、上記実施形態では、圧縮分割画像を学習することで、低周波の異常の検出に適した学習モデルとして、第2学習モデルと第3学習モデルの2種類を生成する場合について説明しているが、上記学習モデルは2種類に限定する必要はなく、3種類以上生成するようにしてもよい。当然ではあるが、種類を増やした方が欠陥画像の判別精度は高くなる。逆に、判別精度は落ちるが、第3学習モデルを生成せず、第2学習モデルだけを生成するようにしてもよい。
【0075】
また、上記実施形態では、まず、第1学習モデルを用いての推論及び判別(図4のS21乃至S25)を行い、その処理が終了してから、第2学習モデルを用いての推論及び判別(S26乃至S30)を行い、その処理が終了してから、第3学習モデルを用いての推論及び判別(S31乃至S35)を行う場合について説明しているが、別の実施形態では、推論部213及び特定部214がこれら推論及び判別の処理を並行して行い、途中で、欠陥画像の種類を判別できた場合には、並行で行っていた処理を終了し、新たな次の処理へ進むようにしてもよい。これにより、処理時間を削減することができる。
【0076】
なお、上記実施形態では、学習モデル生成装置10が、種類判別装置20と別の装置として構成される場合について説明しているが、学習モデル生成装置10を構成する各機能については、種類判別装置20が備えるようにしてもよい。
【0077】
本発明は上記実施の形態の構成に限られず種々の変形が可能である。また、上記実施形態では、図1乃至図7を用いて上記実施形態により示した構成及び処理は、本発明の一実施形態に過ぎず、本発明を当該構成及び処理に限定する趣旨ではない。
【符号の説明】
【0078】
10 学習モデル生成装置
16 第1画像読取部
20 種類判別装置
26 第2画像読取部
112 第1分割部
113 学習モデル生成部
114 第1圧縮部
212 第2分割部
213 推論部
214 特定部
215 第2圧縮部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7