(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-17
(45)【発行日】2023-05-25
(54)【発明の名称】電動車両を電気ネットワークに接続するための装置およびシステムおよび使用方法
(51)【国際特許分類】
H02J 7/00 20060101AFI20230518BHJP
B60L 53/16 20190101ALI20230518BHJP
B60L 53/31 20190101ALI20230518BHJP
B60L 53/65 20190101ALI20230518BHJP
B60L 53/66 20190101ALI20230518BHJP
H02J 3/32 20060101ALI20230518BHJP
【FI】
H02J7/00 301B
B60L53/16
B60L53/31
B60L53/65
B60L53/66
H02J7/00 P
H02J3/32
(21)【出願番号】P 2019571978
(86)(22)【出願日】2018-06-28
(86)【国際出願番号】 GB2018051809
(87)【国際公開番号】W WO2019002868
(87)【国際公開日】2019-01-03
【審査請求日】2021-06-28
(32)【優先日】2017-06-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(32)【優先日】2018-04-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】519457823
【氏名又は名称】トゥロージャン エナジー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Trojan Energy Limited
(74)【代理人】
【識別番号】110001302
【氏名又は名称】弁理士法人北青山インターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】マッケンジー,イアン
【審査官】宮田 繁仁
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-100448(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0283426(US,A1)
【文献】国際公開第2013/034872(WO,A2)
【文献】特開2014-146454(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60L 1/00-3/12,7/00-13/00,15/00-58/40
H02J 3/00-7/12,7/34-7/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気ネットワークにアクセスするためのアクセスコネクタであって、
本体部分を備え、この本体部分は、沿道インフラストラクチャに設置されるように構成され、このように設置されたアクセスコネクタが、電動車両コネクタ用の機械的および電気的接続ポイントを提供し、地面と実質的に面一な上面を有しており、
前記アクセスコネクタの前記本体部分は、ボアと、前記電動車両コネクタを前記ボアに挿入できるように前記ボア内で軸方向に移動可能なロックプラグとを備えることを特徴とするアクセスコネクタ。
【請求項2】
請求項1に記載のアクセスコネクタにおいて、
前記アクセスコネクタが、車両走行路に隣接する歩行者専用道路に組み込まれるように構成されていることを特徴とするアクセスコネクタ。
【請求項3】
請求項1または2に記載のアクセスコネクタにおいて、
前記アクセスコネクタは、前記ロックプラグの上面が前記アクセスコネクタの上面と同一平面上にある第1の閉じた状態を有することを特徴とするアクセスコネクタ。
【請求項4】
請求項3に記載のアクセスコネクタにおいて、
前記アクセスコネクタは、前記ロックプラグのロックが解除され、前記アクセスコネクタのボア内での前記ロックプラグの下方への移動が許容される第2の開いた状態を有することを特徴とするアクセスコネクタ。
【請求項5】
請求項3または4に記載のアクセスコネクタにおいて、
前記アクセスコネクタは、前記ロックプラグを前記第1の閉じた状態にロックするように動作可能なロック機構を備えることを特徴とするアクセスコネクタ。
【請求項6】
請求項5に記載のアクセスコネクタにおいて、
前記ロック機構は、実質的に下方の押圧力が前記ロックプラグに加えられた場合に、前記アクセスコネクタのボア内への前記ロックプラグの下方移動を可能にすべく、前記ロックプラグを解放するように動作可能であることを特徴とするアクセスコネクタ。
【請求項7】
請求項5または6に記載のアクセスコネクタにおいて、
前記ロック機構は、前記アクセスコネクタのボアの内壁の凹部内にロック構成要素を備え、ロック位置では、前記ロック構成要素は、前記ロック構成要素が前記ロックプラグの凹部に半径方向に延在するように前記アクセスコネクタのボアに突き出ており、ロック解除位置では、前記ロック構成要素が、前記アクセスコネクタのボアの内壁の凹部内に引き込まれて、前記ロックプラグの下方への移動を可能にすることを特徴とするアクセスコネクタ。
【請求項8】
請求項7に記載のアクセスコネクタにおいて、
前記ロック構成要素が、導電性であり、前記アクセスコネクタと対応する電動車両コネクタとの間に電気的接触を提供するように構成されていることを特徴とするアクセスコネクタ。
【請求項9】
請求項5乃至8の何れか一項に記載のアクセスコネクタにおいて、
ロック位置とロック解除位置との間の前記ロック機構の動きは、モータによって作動されることを特徴とするアクセスコネクタ。
【請求項10】
請求項5乃至9の何れか一項に記載のアクセスコネクタにおいて、
前記アクセスコネクタは、前記アクセスコネクタに近接する中間コネクタモジュールの存在を検出するように構成され、前記ロック機構は、前記アクセスコネクタへの前記中間コネクタモジュールの挿入を可能にするために、前記中間コネクタモジュールを検出するとロック解除されるように構成されることを特徴とするアクセスコネクタ。
【請求項11】
請求項5乃至
10の何れか一項に記載のアクセスコネクタにおいて、
前記アクセスコネクタのロック機構が、挿入された中間コネクタモジュールを前記アクセスコネクタにロックするように動作可能であることを特徴とするアクセスコネクタ。
【請求項12】
請求項1乃至11の何れか一項に記載のアクセスコネクタにおいて、
1または複数の電力伝送線および1または複数の通信伝送線を含むケーブルを受け入れるように構成されていることを特徴とするアクセスコネクタ。
【請求項13】
請求項1乃至12の何れか一項に記載のアクセスコネクタにおいて、
前記アクセスコネクタの状態の視覚的表示を提供する色付きライト、トレース加熱要素、クリーニングリング、シール、コンピュータ、圧力ベント、バルブおよびドレインからなる群のなかから選択される1または複数の更なる機能的特徴を備えることを特徴とするアクセスコネクタ。
【請求項14】
電気自動車を電気ネットワークに接続するためのシステムであって、
請求項1乃至13のいずれか一項に記載のアクセスコネクタと、
前記アクセスコネクタに接続するための中間コネクタモジュールであって、電動車両に接続するように動作可能な中間コネクタモジュールと、を備え、
前記中間コネクタモジュールは、前記電動車両の前記電気ネットワークへの接続を容易にするために前記アクセスコネクタに挿入されるように動作可能であることを特徴とするシステム。
【請求項15】
請求項14に記載のシステムにおいて、前記中間コネクタモジュールは、前記アクセスコネクタのロックプラグがロック解除されたときに前記アクセスコネクタ内に挿入されて、電動車両を前記システムに接続するように動作可能であることを特徴とするシステム。
【請求項16】
請求項14または15に記載のシステムにおいて、
前記アクセスコネクタがロック機構を備え、前記ロック機構が、前記アクセスコネクタ内で、挿入された前記中間コネクタモジュールをロックするように動作可能であることを特徴とするシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動車両を電気グリッドネットワークに接続するための装置、システムおよび方法に関する。特に、本発明は、その態様の1つにおいて、電動車両を配電網に接続するためのアクセスコネクタに関する。本発明は、その態様の1つにおいて、複数のアクセスコネクタを備えるシステムであって、複数のアクセスコネクタのうちの少なくとも1つが、歩行者専用道路、駐車場に組み込まれるか、車両走行路に隣接する地面内に組み込まれるシステムに関する。本発明は、その態様の1つにおいて、制御および配電モジュールおよび複数のアクセスコネクタを備える、配電網に電動車両を接続するためのシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
個人および公共輸送用の電動車両の使用が増加している。電動車両は、充電ポイントを必要とする。しかしながら、電動車両の接続に利用可能な住宅地の路上インフラストラクチャが明らかに不足している。これは、その使用が増えるに連れて顕著になりつつある問題である。一般に利用可能で便利な充電設備が一般的に不足していることは、多くのドライバが電動車両に乗り換えるのを嫌がる可能性があることを意味する。それは、彼等にとって実行不可能な選択肢であるためである。
【0003】
さらに、従来の電動車両用の充電ステーションなどの既存の設備は、邪魔であり、スペースを必要とし、また、電動車両と従来の充電ステーションとの間に延びる長くて引きずる接続リード線は、しばしば、通行者にとってつまずきの危険をもたらす。そのような従来の充電ステーションは、典型的には、一度に1台または少数の電動車両にしか対応することができず、一般に利用可能なそのような充電ステーションは不足している。
【0004】
一般に利用可能な適切なインフラストラクチャの不足に加えて、場所、コスト、速度および時間の観点から、車両を充電ポイントに接続することを望む電動車両ユーザに与えられる選択の範囲と選択肢は限られており、柔軟性がない。
【0005】
米国特許第8,810,198号および第9,371,008号には、複数の電動車両を一度に充電することができる充電ステーションが記載されている。それらのシステムはそれぞれ、比較的少数の車両しか一度に充電することができず、また、米国特許第8,810,198号および第9,371,008号に記載の充電ステーションから充電を受ける電動車両は、充電ステーションの接続ポートに接続する必要がある。これにより、充電ステーションが配置される特定の場所で混雑が発生する可能性があり、その結果、充電ステーションにいつでもアクセスできる電動車両の数を最小にする可能性がある。
【発明の概要】
【0006】
一般に、目立たなく、控えめで、安全な、配電網などの電気ネットワークに多数の電動車両(EV)を接続するためのシステムおよび/または方法の必要性がある。
【0007】
一般に、空間的に分布するポイントで、多数のEVを配電網などの電気ネットワークに接続するためのシステムおよび/または方法が必要である。
【0008】
本発明の目的および目標の1つは、多数のEVアクセス接続ポイントが接続される中央構成要素を備え、中央位置から各EVアクセス接続ポイントに電力を供給し、各EVアクセス接続ポイントを制御する、配電網などの電気ネットワークにEVを接続するためのシステムおよび/または方法を提供することである。
【0009】
本発明の目的および目標の1つは、EVを充電するために使用することができる、配電網のような電気ネットワークにEVを接続するための装置、システムおよび/または方法を提供することである。
【0010】
本発明の目的および目標の1つは、配電網のような電気ネットワークにEVを接続するためのシステムおよび/または方法であって、EVがグリッドに戻す電力を伝送するのに使用することができるシステムおよび/または方法を提供することである。
【0011】
本発明の目的および目標の1つは、EVユーザおよび/またはシステム顧客が、遠隔および/または無線ユーザインターフェース(UI)デバイスを介して充電および/または放電または伝送パラメータ(例えば、充電レート、充電予定時間、充電コスト、提供される充電電力など)を選択し、監視し、制御し、かつ変更するためのシステムおよび/または方法を提供することである。
【0012】
本発明の他の目的および目標は、EVユーザおよびシステム顧客の選択および/またはシステムに対する現在の需要に応じて、様々なアクセスコネクタ、よってEVに様々な大きさおよび/または位相の電力を提供することを含む(すなわち、全負荷が、いつでもシステムから引き出される)。EVに供給される電力の大きさおよび/または位相は、EVの充電に要する時間に影響を及ぼし、より大きく、より速い充電負荷が、典型的には、より高価なレートで請求される。例えば、システムは、最大で3相電力を供給することができ、単相電力は、充電のためにシステム顧客が利用できる電力の最小位相である。
【0013】
本発明の更なる目的および態様は、以下の説明から明らかになるであろう。
【0014】
本発明の第1の態様によれば、電気ネットワークにアクセスするためのアクセスコネクタが提供され、このアクセスコネクタが、沿道インフラストラクチャの外面と実質的に面一になるように沿道インフラストラクチャに設置されるように構成され、アクセスコネクタが、電動車両コネクタ用の機械的および電気的接続ポイントを提供する。
【0015】
アクセスコネクタは、車両走行路に隣接する歩行者専用道路と一体化されるようにしてもよい。
【0016】
電気ネットワークは、自治体の電力供給に適した従来の配電網であってもよい。このため、アクセスコネクタは、電動車両コネクタを介して、電気ネットワーク(例えば、配電網および/または自治体の電力供給)と電動車両との間の電力の伝送を促進および/または制御することができる。
【0017】
アクセスコネクタは、ソケットとして形成することができ、概して、中央円筒形ボアの形態であるメインボアを有する中空円筒形本体部分を備え、内側円筒形壁がメインボアを規定することができる。ロックプラグは、アクセスコネクタのメインボア内に位置するものであってもよい。ロックプラグは、実質的に円筒形であってもよく、あるいはリング(例えば、環状リング)の形態であってもよい。ロックプラグは、ロックプラグの頂部がアクセスコネクタの頂部と同一平面上にある位置に付勢されるようにしてもよく、かつ/またはロックプラグを上方位置にロックするように動作可能であるロック機構を備えるようにしてもよい。また、ロック機構は、実質的に下方の押圧力がロックプラグに加えられた場合に、アクセスコネクタのボア内へのロックプラグの下方移動を可能にすべく、ロックプラグを解放するように動作可能であってもよい。
【0018】
ロックプラグは、アクセスコネクタの本体部分内で軸方向に移動可能であってもよく、アクセスコネクタの本体部分とシールを形成するように構成されるものであってもよい。このため、ロックプラグは、シーリングプラグであってもよく、またはシーリングリングであってもよい。
【0019】
ロック機構は、ロック構成要素を備えることができ、このロック構成要素は、アクセスコネクタのメインボアの内壁の凹部内に実質的に配置することができる。ロック位置では、ロック構成要素が、アクセスコネクタのメインボア内に突き出すようにしてもよい。ロック解除位置では、ロック構成要素が、アクセスコネクタのメインボアの内壁の凹部内に引き込まれるようにしてもよい。ロック機構は、コネクタのメインボアの周りに配置することができるロックドッグの形態であるロック構成要素を備えることもできる。ロック位置では、ロックドッグが、アクセスコネクタのメインボア内に突き出すようにしてもよい。ロック解除位置では、ロックドッグが、アクセスコネクタのメインボアから離れて環状凹部内に引き込まれるようにしてもよい。ロックドッグは、ロック位置へと付勢されるようにしてもよい。
【0020】
ロック構成要素は、ロック状態においてアクセスコネクタの主軸に向かって半径方向内側に延在するようにしてもよい。代替的には、ロック構成要素は、ロック状態で、アクセスコネクタの主軸から半径方向外側に延在するようにしてもよい。
【0021】
ロック位置とロック解除位置との間のアクセスコネクタのロック機構の移動は、モータによって引き起こされるようにしてもよい。代替的または追加的には、ロック機構の移動が、ソレノイドによって引き起こされるものであってもよい。ロック機構は、機械的または電子的に、或いはその両方で作動させることができる。アクセスコネクタのロック機構は、無線周波数識別(RFID)を使用して作動させることができる。アクセスコネクタはRFIDリーダを備えることができ、ロック機構は、RFIDリーダがアクセスコネクタに近接する対応するRFIDチップを検知したときにプラグをロック解除するように動作可能であってもよい。アクセスコネクタのロック機構は、複数の方法によって作動されるようにしてもよい。代替的には、アクセスコネクタのロック機構は、様々な方法によってロックおよびロック解除するように作動されるようにしてもよい。
【0022】
ロック機構の一部は、アクセスコネクタ内で軸方向に移動するように構成され、それにより、ロック構成要素がそのロック状態とロック解除状態との間で移動することを可能にするようにしてもよい。ロック機構の一部の軸方向移動は、任意選択的にはギア機構を介して、モータによって引き起こされるようにしてもよい。
【0023】
ロック構成要素は、導電性であってもよく、アクセスコネクタと対応するコネクタとの間に電気的接触を提供するように構成されるものであってもよい。
【0024】
電動車両コネクタは、電動車両に接続されるように動作可能な中間コネクタモジュールであってもよい。アクセスコネクタは、中間コネクタモジュールを受け入れるように設計することができる。中間コネクタモジュールは、ロックプラグがロック解除されたときにアクセスコネクタのメインボア内に挿入されて、電動車両をシステムに接続することができる。アクセスコネクタのロック機構は、挿入された中間コネクタモジュールをアクセスコネクタ内の定位置にロックするように動作可能である。
【0025】
各アクセスコネクタのロック機構は、中間コネクタモジュールの一部として提供される解放機構の動作によって、挿入された中間コネクタモジュールをロック解除し、それにより解放するように動作可能であってもよい。代替的または追加的には、解放機構は、アクセスコネクタ上のロックに対応するキーの形態、および/またはアクセスコネクタ上に設けることができるRFIDリーダに対応するRFIDチップの形態で提供されるものであってもよい。中間コネクタモジュールをロック解除して解放すべくアクセスコネクタのロック機構を作動させるように動作可能な代替的な解放機構を使用することができ、例えば、解放機構は、固有のPINが入力されたときにロック機構を作動させてロック解除するアクセスコネクタ上に取り付けられた個人識別番号(PIN)パッドの形態で提供されるようにしてもよい。代替的または追加的には、解放機構は、ロック解除を作動させるために、ユーザインターフェース(UI)デバイスからそれぞれのアクセスコネクタに送信される制御信号の形態であってもよい。ユーザは、自身の対応するUIデバイスを使用して、ロック機構を作動させて、中間コネクタモジュールをロック解除および解放することを選択することができる。
【0026】
また、ユーザがアクセスコネクタをロック解除して挿入された中間コネクタモジュールを解放することができない場合(例えば、PINパッドのPINを忘れた場合、自身のUIデバイスを紛失した場合、または他の適切な理由がある場合)、自動的に、またはオペレータの介入によって解放機構が作動されるものであってもよい。解放機構は、ロック解除の命令により作動されるようにしてもよく、その命令が、データ処理および制御センタによって制御信号の形態でアクセスコネクタに送られるようにしてもよい。ユーザは、そのような介入を要求するためにデータ処理および制御センタに連絡するための手段(例えば、マニュアルまたは中間コネクタモジュール上に与えられる電話番号または電子メールアドレス)を有することができる。
【0027】
アクセスコネクタは、1または複数の電力伝送線および/または1または複数の通信伝送線を備えるケーブルを受け入れることができ、ケーブルは、電気ネットワークまたはそれに接続された構成要素に受け入れられる。アクセスコネクタは、電力伝送線および/または通信伝送線に接続された接触要素を備えることができ、この接触要素は、接続された電動車両上で電力および/または通信信号(すなわち、データ)を送受信するように動作可能である。
【0028】
アクセスコネクタの接触要素は、アクセスコネクタのメインボア内に配置されるようにしてもよい。中間コネクタモジュールなどの電動車両コネクタは、アクセスコネクタの接触要素に対応する接触要素を備えることができ、それにより、アクセスコネクタとの間で電力および/または通信信号(すなわち、データ)を受信および/または送信するように動作可能となっている。各接触要素の面は、半径方向内側に向けられてもよく、または半径方向外側に向けられてもよい。
【0029】
アクセスコネクタは、様々な1または複数の追加の機能的特徴を備えることができ、追加の機能的特徴を、コネクタの状態(すなわち、使用中、使われていない、非稼働中)の視覚的表示を提供する色付きLEDライト、トレース加熱要素、クリーニングリング、シール、コンピュータ、圧力ベント、バルブおよびドレインを含むが、これらに限定されない群のなかから選択することができる。
【0030】
中間コネクタモジュールは、挿入後に、アクセスコネクタのロック機構によってアクセスコネクタ内の定位置にロックされるようにしてもよい。中間コネクタモジュールは、アクセスコネクタのロック機構のロック構成要素に形状が対応するスロットの形態のロック構成要素を備えることができる。好ましくは、中間コネクタモジュールは、各アクセスコネクタの凹部内に配置された環状ロックリングに対応する環状スロットを備えることができる。好ましくは、中間コネクタモジュールの挿入後、アクセスコネクタのロックリングは、中間コネクタモジュールを定位置に自動的にロックする。
【0031】
本発明の第2の態様によれば、電動車両を電気ネットワークに接続するためのシステムが提供され、このシステムが、電気ネットワークから電力を受け取るように動作可能な複数のアクセスコネクタを備え、複数のアクセスコネクタが、沿道インフラストラクチャに一体化されるとともに、沿道インフラストラクチャの外面と実質的に面一になるように構成されており、複数のアクセスコネクタのうちの各アクセスコネクタが、電動車両コネクタ用の機械的および電気的接続ポイントを提供する。
【0032】
複数のアクセスコネクタは、車両走行路に隣接する歩行者専用道路に一体化されるようにしてもよい。
【0033】
好ましくは、複数のアクセスコネクタのうちの各アクセスコネクタは、一度に1台の電動車両に対するシステムへの接続ポイントを提供する。
【0034】
電気ネットワークは、自治体の電力供給に適した従来の配電網であってもよい。このため、システムは、電気ネットワーク(例えば、配電網および/または自治体の電力供給)と複数のアクセスコネクタとの間の電力の伝送を促進および/または制御することができる。
【0035】
システムは、電気ネットワークから、複数のアクセスコネクタに接続された1または複数の電動車両への電力の分配および伝送を制御することができ、よって、システムに接続された電動車両の充電を制御することができる。代替的または追加的には、システムは、複数のアクセスコネクタに接続された1または複数の電動車両から電気ネットワークへと戻る電力の分配および伝送を制御することができ、よって、システムに接続された電動車両の放電、および電気ネットワークへの電力の伝送および/または販売を制御することができる。
【0036】
複数のアクセスコネクタのうちの各アクセスコネクタは、ケーブルによって電気ネットワークに接続されるようにしてもよく、各ケーブルは、電気ネットワークとそれぞれのアクセスコネクタの各々との間に電力伝送線および通信伝送線を提供することができる。
【0037】
システムは、特定の予め設定された場所または近隣の複数のアクセスコネクタに接続されて、それらアクセスコネクタにサービスを提供するように動作可能な制御および配電モジュールを備えることができる。複数のローカル制御および配電モジュールは、電気ネットワーク(すなわち、配電網)に接続され、様々な場所または近隣、例えば、様々な通り、近所、駐車場、住宅地、オフィス街、商業地における複数のアクセスコネクタの処理を担うことができる。
【0038】
複数のアクセスコネクタのうちの各アクセスコネクタは、ケーブルによって制御および配電モジュールに接続されるようにしてもよく、各ケーブルが、制御および配電モジュールとそれぞれのアクセスコネクタの各々との間の電力伝送線および通信伝送線を提供する。したがって、システムは、制御および配電モジュールを介して、電気ネットワークと複数のアクセスコネクタとの間の電力の伝送を制御することができる。
【0039】
制御および配電モジュールは、複数のアクセスコネクタのうちのそれぞれのアクセスコネクタの各々に接続された各ケーブル用の個別のケーブル接続ポイントを備えることができ、個別の接続ポイントの各々が、それぞれの各アクセスコネクタに独立して電力を供給するように動作可能である。
【0040】
個別のケーブル接続ポイントの各々は、様々な接触要素を含むことができ、それらが、ケーブルを構成する1または複数の電力および/または通信伝送線に接続されるとともに、各アクセスコネクタへの様々な大きさおよび/または位相の電力(すなわち、単相および3相の電力)の選択的な伝送を可能にすることができ、かつ/または、各アクセスコネクタの追加機能(照明および加熱など)に必要な電力(計器電圧電力など)の伝送のために様々な接触要素を提供することができる。個別のケーブル接続ポイントの各々は、各アクセスコネクタへのデータ、制御信号および通信信号の伝送を可能にすることができる。
【0041】
制御および配電モジュールは、様々な1または複数の追加の機能的特徴を備えることができ、追加の機能的特徴を、計測モジュール、周囲温度センサ、残留電流装置(RCD)および故障検知要素、コンピュータを含み、さらに、データ処理および制御センタおよび/またはユーザインターフェース(UI)デバイスおよび/または複数のアクセスコネクタ(よって、アクセスコネクタに接続された各電動車両)との通信を容易にする1または複数の通信モジュール、変圧器、インバータおよび整流器を含むが、これらに限定されない群のなかから選択することができる。制御および配電モジュールは、必要に応じて、様々な1または複数の追加の機能的特徴または構成要素を備えることができる。
【0042】
複数のアクセスコネクタは、空間的に分布したアクセスコネクタであってもよく、すなわち、複数のアクセスコネクタは、互いに距離をあけて設置するようにしてもよい。複数のアクセスコネクタは、例えば、互いに4m~10mの距離で、規則的または不規則な間隔で設置することができる。
【0043】
複数のアクセスコネクタは地上または地中に設置することができる。アクセスコネクタは、歩道または人道などの歩行者専用道路に設置するようにしても、あるいは自転車道に設置するようにしてもよい。アクセスコネクタは、駐車場に、または車両走行路の横に設置することができ、かつ道路に隣接するものであってもよく、好ましくは道路の0.5m以内である。アクセスコネクタは、敷石、カービサイド、縁石、側溝石または沿道インフラストラクチャの他の構成要素に設置することができる。好ましくは、複数のアクセスコネクタは、歩行者専用道路に設置される。複数のアクセスコネクタは、様々な位置、方向および/または形状の複数の歩行者専用道路に設置することができる。複数のアクセスコネクタは、地面の上(すなわち、歩道、道路、カービサイドまたはその他の上)に設置することもできる。代替的または追加的には、複数のアクセスコネクタは、全体的または部分的に地中に埋め込む(すなわち、歩道、道路、カービサイドまたはその他に埋め込む)ことができる。好ましくは、複数のアクセスコネクタのうちの各アクセスコネクタは、その上面が地面と面一となるように設置される。
【0044】
代替的または追加的には、複数のアクセスコネクタのうちのアクセスコネクタがユーザの不動産(例えば、ガレージまたは私道)に設置されて、それらがプライベートの個人接続ポイントを提供するようにしてもよい。これは、ユーザまたは自宅の所有者の要求で行われるものであってもよい。
【0045】
複数のアクセスコネクタのうちの各アクセスコネクタは、概して、メインボアを有する中空円筒形本体部分を含むソケットとして形成されるものであってもよい。アクセスコネクタのメインボア内に、ロックプラグを配置することができる。ロックプラグは、実質的に円筒形であってもよく、またはリング(例えば、環状リング)の形態であってもよい。各アクセスコネクタは、ロックプラグを上方位置にロックするように動作可能なロック機構を備えることができる。ロックプラグは、アクセスコネクタの本体部分内で軸方向に移動可能であってもよい。また、ロック機構は、実質的に下向きの押圧力がロックプラグに加えられたときに、ロックプラグを解放して、アクセスコネクタのボア内へのロックプラグの下方移動を可能にするように動作可能であってもよい。
【0046】
アクセスコネクタのロック機構は、無線周波数識別(RFID)を使用して作動されるものであってもよい。アクセスコネクタはRFIDリーダを備えることができ、ロック機構は、RFIDリーダがアクセスコネクタに近接する対応するRFIDチップを検知したときに、プラグをロック解除するように動作可能であってもよい。アクセスコネクタのロック機構は、複数の方法によって作動されるものであってもよい。代替的には、アクセスコネクタのロック機構は、様々な方法によってロックおよびロック解除するように作動されるようにしてもよい。
【0047】
システムは、複数の中間コネクタモジュールを備えることができる。各中間コネクタモジュールは、電動車両に接続されるように動作可能であってもよい。中間コネクタモジュールは、ケーブルによって電動車両に接続され、そのケーブルは、電動車両および/または中間コネクタモジュールから取り外すことができ、かつ/または固定することができる。ケーブルは、電動車両との使用を意図した標準的な接続を有する標準的なケーブルであってもよい。代替的には、中間コネクタモジュールは、取り外すことができないように電動車両に一体化されるものであってもよい。中間コネクタモジュールは、ランスの形態で提供することができる。
【0048】
複数のアクセスコネクタのうちの各アクセスコネクタは、中間コネクタモジュールを受け入れるように設計することができる。中間コネクタモジュールは、ロックプラグがロック解除されたときに、アクセスコネクタのメインボア内に挿入されて、電動車両をシステムに接続することができる。アクセスコネクタのロック機構は、挿入された中間コネクタモジュールをアクセスコネクタ内の定位置にロックするように動作可能である。
【0049】
また、各アクセスコネクタのロック機構は、解放機構の動作によって、挿入された中間コネクタモジュールをロック解除し、それにより解放するように動作可能であってもよい。
【0050】
解放機構は、中間コネクタモジュールの一部として提供することができる。代替的または追加的には、解放機構は、アクセスコネクタ上のロックに対応するキーの形態、および/またはアクセスコネクタ上に設けることができるRFIDリーダに対応するRFIDチップの形態で提供することができる。代替的な解放機構であって、アクセスコネクタのロック機構を作動させて中間コネクタモジュールをロック解除して解放するように動作可能な解放機構を使用することもでき、例えば、解放機構は、各アクセスコネクタに取り付けられた個人識別番号(PIN)パッドの形態で提供されて、固有のPINが入力されたときに、ロック解除するようにロック機構を作動させるものであってもよい。代替的または追加的には、解放機構は、ロックを解除するために、ユーザインターフェース(UI)デバイスからそれぞれのアクセスコネクタに送信される制御信号の形態であってもよい。ユーザは、自身の対応するUIデバイスを使用して中間コネクタモジュールをロック解除および解放するようにロック機構を作動させることを選択することができる。
【0051】
また、ユーザがアクセスコネクタをロック解除して挿入された中間コネクタモジュールを解放することができない場合(例えば、PINパッドのPINを忘れた場合、自身のUIデバイスを紛失した場合、または他の適切な理由がある場合)、自動的に、またはオペレータの介入によって解放機構が作動されるものであってもよい。解放機構は、ロック解除の命令により作動されるようにしてもよく、その命令が、データ処理および制御センタによって制御信号の形態でアクセスコネクタに送られるようにしてもよい。ユーザは、そのような介入を要求するためにデータ処理および制御センタに連絡するための手段(例えば、マニュアルまたは中間コネクタモジュールに提供される電話番号または電子メールアドレス)を有することができる。
【0052】
複数のアクセスコネクタのうちの各アクセスコネクタは、1または複数の電力伝送線および/または1または複数の通信伝送線を備えるケーブルを受け入れることができ、ケーブルは、制御および配電モジュールの対応する個別のケーブル接続ポイントの各々に受け入れられる。複数のアクセスコネクタのうちの各アクセスコネクタは、電力伝送線および/または通信伝送線に接続された接触要素を備えることができ、この接触要素は、接続された電動車両上で電力および/または通信信号(すなわち、データ)を送受信するように動作可能となっている。
【0053】
アクセスコネクタの接触要素は、アクセスコネクタのメインボア内に配置されるようにしてもよい。中間コネクタモジュールは、各アクセスコネクタの接触要素に対応する接触要素を備えることができ、それにより、アクセスコネクタとの間で電力および/または通信信号(すなわち、データ)を受信および/または送信するように動作可能となっている。各接触要素の面は、半径方向内側に向けられても、半径方向外側に向けられてもよい。
【0054】
複数のアクセスコネクタのうちの各アクセスコネクタは、様々な1または複数の追加の機能的特徴を備えることができ、追加の機能的特徴を、コネクタの状態(すなわち、使用中、使われていない、非稼働中)の視覚的表示を提供する色付きLEDライト、トレース加熱要素、クリーニングリング、シール、コンピュータ、圧力ベント、バルブおよびドレインを含むが、これらに限定されない群のなかから選択することができる。
【0055】
複数のアクセスコネクタのうちの各アクセスコネクタを制御および配電モジュールに接続する1または複数の電力伝送線および/または1または複数の通信伝送線を含むケーブルは、地下に設置される(すなわち、地中に埋め込まれる)ようにしてもよい。好ましくは、1または複数の電力伝送線および/または1または複数の通信伝送線を含むケーブルは、必要に応じて、歩道、道路、カービサイドの下、および/または他の適切な場所に埋め込まれるようにしてもよい。
【0056】
複数のアクセスコネクタのうちの各アクセスコネクタは、1または複数の電力および/または通信伝送線を備えるケーブルを介して、制御および配電モジュールに接続することができる。好ましくは、複数のアクセスコネクタのうちの各アクセスコネクタは、1または複数の専用の電力および/または通信伝送線から構成されるケーブルによって、制御および配電モジュールに個別に接続される。
【0057】
中間コネクタモジュールは、電動車両の所有者および/またはユーザなどのシステムユーザによって、使用および/または所有またはリースされるものであってもよい。任意の数の中間コネクタモジュールが存在してもよく、それらが、システムに対応し、かつシステムとともに使用されて、任意の電動車両をシステムに接続することができる。システムに対応する任意の中間コネクタモジュールは、複数のアクセスコネクタのうちの任意の1つの利用可能なアクセスコネクタに何時でも挿入することができる。
【0058】
中間コネクタモジュールは、実質的に円筒形の本体を備えることができる。中間コネクタモジュールの本体は、中間コネクタモジュールが1つの半径方向の向きのみで複数のアクセスコネクタの何れか1つの中に挿入されるように、形状を設定することができる。
【0059】
中間コネクタモジュールは、複数のアクセスコネクタのうちの各アクセスコネクタ内に設置された接触要素に対応する接触要素を備えることができる。好ましくは、接触要素は、中間コネクタモジュールの側壁に設置されており、中間コネクタモジュールがシステムのアクセスコネクタに挿入されたときに、複数のアクセスコネクタのうちの各アクセスコネクタの接触要素の軸方向および半径方向の位置に対応することができる。中間コネクタモジュールの接触要素は、システムのアクセスコネクタおよびそれが接続される電動車両との間で電力および/またはデータを受信および/または送信するように動作可能である。
【0060】
中間コネクタモジュールは、その挿入を可能にするために、複数のアクセスコネクタのうちの各アクセスコネクタのロック機構を作動させるように動作可能な開放機構を備えることができる。開放機構は、複数のアクセスコネクタのうちの各アクセスコネクタ内に含まれるRFIDリーダに対応するRFIDチップを含むことができる。このため、任意の中間コネクタモジュールは、システムの複数のコネクタのうちの任意のアクセスコネクタを開くように動作可能である。代替的または追加的には、システムが、一時的にまたは他の方法でプログラムされて、中間コネクタモジュールの開放機構が複数のアクセスコネクタのうちの1つの特定のアクセスコネクタのみのロック機構を、例えばそのアクセスコネクタがユーザによって事前予約された場合に、作動させることを可能にする。中間コネクタモジュールの開放機構は、中間コネクタモジュールがアクセスコネクタに挿入されていないときに、アクセスコネクタのロック機構をロック解除するようにのみ動作可能である。
【0061】
中間コネクタモジュールは、挿入後に、アクセスコネクタのロック機構によってアクセスコネクタ内の定位置にロックされるようにしてもよい。中間コネクタモジュールは、アクセスコネクタのロック機構のロック構成要素に形状が対応するスロットの形態のロック構成要素を備えることができる。好ましくは、中間コネクタモジュールは、各アクセスコネクタの凹部内に配置された環状ロックリングに対応する環状スロットを備えることができる。好ましくは、中間コネクタモジュールの挿入後、アクセスコネクタのロックリングは、中間コネクタモジュールを定位置に自動的にロックする。
【0062】
中間コネクタモジュールは、中間コネクタモジュールをロック解除および解放すべくアクセスコネクタのロック機構を作動させるようにも動作可能な解放機構を備えることができる。中間コネクタモジュールの解放機構は、中間コネクタモジュールがアクセスコネクタ内にロックされているとき、アクセスコネクタのロック機構をロック解除するようにのみ動作可能であってもよい。中間コネクタモジュールの解放機構は、一意のコードが入力されたときにロック機構を作動させるようにアクセスコネクタに信号を送信する中間コネクタモジュール上のPINパッドを備えることができる。代替的または追加的には、複数のアクセスコネクタの各々と連動して動作する独立した解放機構を設けて、それにより各アクセスコネクタのロック機構を作動させて中間コネクタモジュールをロック解除および解放するようにしてもよい。これは、アクセスコネクタ上のロックに対応するキー、および/またはアクセスコネクタ上のRFIDリーダに対応するRFIDフォブの形態で提供することができる。アクセスコネクタのロック機構を作動させて中間コネクタモジュールをロック解除および解放するように動作可能な代替的な解放機構を使用することができ、そのような開放機構を、各アクセスコネクタに設置されたPINパッドの形態で提供し、そのPINパッドが、一意のコードが入力された場合、またはアクセスコネクタに制御信号を送信するUIデバイスの使用によりユーザがロック機構を作動させて中間コネクタモジュールをロック解除および解放する選択をした場合に、信号をロック機構に送信するものであってもよい。
【0063】
中間コネクタモジュールは、中間コネクタモジュールを電動車両に接続するように動作可能なケーブルを備えることができる。中間コネクタモジュールと電動車両とを接続するケーブルは、1または複数の電力および/または通信伝送ケーブルを備えることができる。ケーブルは、連続的であっても、あるいは様々な接続を備えるものであってもよい。ケーブルは、ブレークアウェイ接続を備えることができる。ケーブルは、その他端が電動車両に結合される。代替的には、ケーブルは、その他端に、電動車両内の対応するレセプタクルに接続されるように動作可能であり、かつ電力とデータの両方を伝送することができる従来のコネクタを備えることができる。
【0064】
中間コネクタモジュールはハンドルを備えることができる。代替的または追加的には、中間コネクタモジュールは、中間コネクタモジュールの高さを延長するための延長片を備え、この延長片が、さらにハンドルを備えることができる。中間コネクタモジュールのために、様々な延長片を利用することができる。延長片と中間コネクタモジュールの本体は、ネジ接続を介して、または他の任意の適切な接続を介して、互いに接続することができる。
【0065】
本発明の第2の態様の実施形態は、本発明の第1の態様またはその実施形態の1または複数の特徴を含むことができ、その逆もまた同様である。
【0066】
本発明の第3の態様によれば、本発明の第1または第2の態様のアクセスコネクタおよび/またはシステムを使用して電動車両を電気ネットワークに接続する方法が提供される。
【0067】
本方法は、電動車両に接続されるように動作可能な中間コネクタモジュールを提供するステップを含むことができ、アクセスコネクタを、中間コネクタモジュールを受け入れるように設計することができる。
【0068】
本方法は、中間コネクタモジュールをアクセスコネクタに近接させるステップを含むことができ、それによりアクセスコネクタが、中間コネクタモジュールの存在を検出するか、または通知を受けることができる。
【0069】
アクセスコネクタは、ロック解除することができる。好ましくは、アクセスコネクタのロック機構は、中間コネクタモジュールを検出したときに、ロック解除し、それにより、アクセスコネクタのロックプラグがアクセスコネクタのメインボア内で軸方向に移動することを可能にする。
【0070】
本方法は、ロックプラグがロック解除されたときに中間コネクタモジュールを挿入するステップを含み、それにより、ロックプラグをアクセスコネクタのメインボア内へと下方に押し込むことができる。
【0071】
中間コネクタモジュールは、挿入時に、アクセスコネクタと導電性接触することができる。中間コネクタモジュールの導電性接触要素は、アクセスコネクタの導電性接触要素と接触させることができる。
【0072】
本方法は、中間コネクタモジュールがアクセスコネクタ内に挿入されたら、中間コネクタモジュールを定位置にロックするようにロック機構を作動させるステップを含むことができる。
【0073】
本方法は、電動車両のユーザがシステムに対して識別される識別および/または認証ステップを含むことができる。これは、アクセスコネクタおよび/または中間コネクタモジュールおよび/または遠隔UIデバイス、並びに、他の任意の適切なコンポーネントの間のモバイルデータ通信リンクを介して、システムに信号を送信することによって行うことができる。
【0074】
本方法は、電動車両とシステムとの間に(中間コネクタモジュールおよびアクセスコネクタを介して)安全で効果的な電気的接続を確実に形成するために、テストを実行するステップを含むことができる。
【0075】
本方法は、電動車両とシステムとの間の安全かつ効果的な接続が確認された場合に、電動車両に電力を伝送するために、アクセスコネクタに電力を供給する電気ネットワークからの電力ケーブルを通電状態とするステップを含むことができる。
【0076】
本方法は、電動車両に電力を伝送するステップを含むことができる。電力は、ユーザ固有の設定に従って伝送することができ、その設定は、アクセスコネクタおよび/または中間コネクタモジュールおよび/または遠隔UIデバイス、並びに、他の任意の適切な構成要素の間のモバイルデータ通信リンクを介して、伝達および制御することができる。
【0077】
本発明の第3の態様の実施形態は、本発明の第1および第2の態様またはそれらの実施形態の1または複数の特徴を含むことができ、その逆もまた同様である。
【0078】
本発明の第4の態様によれば、本発明の第1または第2の態様のアクセスコネクタおよび/またはシステムを使用して、電気ネットワークから電動車両を切り離す方法が提供される。
【0079】
本方法は、自身の電動車両がシステムに接続された電動車両ユーザが、電動車両をシステムから切り離すようにアクセスコネクタに命令するステップを含むことができる。より具体的には、本方法は、電動車両に接続された中間コネクタモジュールをロック解除および解放するようにアクセスコネクタに命令するステップを含むことができる。
【0080】
本方法は、中間コネクタモジュールをアクセスコネクタから取り外すステップを含むことができ、その後、中間コネクタモジュールを取り外した後にアクセスコネクタをロックするステップを含むことができる。
【0081】
本発明の第4の態様の実施形態は、本発明の第1~第3の態様またはそれらの実施形態の1または複数の特徴を含むことができ、その逆もまた同様である。
【0082】
本発明の第5の態様によれば、本発明の第1または第2の態様のアクセスコネクタおよび/またはシステムを使用して電動車両を充電する方法が提供される。
【0083】
本方法は、複数のアクセスコネクタのうちの少なくとも1つに接続された電動車両の充電状態(すなわち、充電率)を監視するステップを含むことができる。
【0084】
本方法は、少なくとも1台の電動車両の充電状態(すなわち、充電率)に応じて、複数のアクセスコネクタのうちの少なくとも1つへの電力伝送を制御するステップを含むことができる。
【0085】
本発明の第5の態様の実施形態は、本発明の第1~第4の態様またはそれらの実施形態の1または複数の特徴を含むことができ、その逆もまた同様である。
【0086】
本発明の第6の態様によれば、電動車両を電気ネットワークに接続するためのシステムが提供され、このシステムが、電気ネットワークから電力を受け取るように動作可能な複数のアクセスコネクタを備え、複数のアクセスコネクタのうちの少なくとも1つが歩行者専用道路に一体化されている。
【0087】
本発明の第6の態様の実施形態は、本発明の第1~第5の態様またはそれらの実施形態の1または複数の特徴を含むことができ、その逆もまた同様である。
本発明の第7の態様によれば、電気ネットワークにアクセスするためのアクセスコネクタが提供され、このアクセスコネクタが、ロックされた状態およびロック解除された状態を含み、ロック解除された状態では、中間コネクタモジュールが、電気ネットワークにアクセスするためにアクセスコネクタに接続されるように動作可能となっている。
【0088】
本発明の第7の態様の実施形態は、本発明の第1~第6の態様またはそれらの実施形態の1または複数の特徴を含むことができ、その逆もまた同様である。
【0089】
本発明の第8の態様によれば、電気ネットワークへのアクセスを提供するアクセスコネクタが提供され、このアクセスコネクタが、開口部と、この開口部内に移動可能に配置されたロックプラグとを備え、コネクタが、第1の閉じた状態と、第2の開いた状態とを有し、第1の閉じた状態では、プラグの上部が、アクセスコネクタの上部と同一平面上にあり、かつ定位置にロックされ、第2の開いた状態では、プラグのロックが解除され、かつアクセスコネクタの開口部内でのプラグの下方への移動が許容される。
【0090】
本発明の第8の態様の実施形態は、本発明の第1~第7の態様またはそれらの実施形態の1または複数の特徴を含むことができ、その逆もまた同様である。
【0091】
本発明の第9の態様によれば、アクセスコネクタのプラグをロック解除して、プラグがアクセスコネクタ本体の開口内へと下方に移動される開放状態にアクセスコネクタを置くように動作可能な中間コネクタモジュールが提供される。
【0092】
本発明の第9の態様の実施形態は、本発明の第1~第8の態様またはそれらの実施形態の1または複数の特徴を含むことができ、その逆もまた同様である。
【0093】
実施形態に係る本発明の更なる態様は、電動車両を電気ネットワークに接続するためのシステムが提供され、このシステムが、電気ネットワークから電力を受け取るように動作可能な複数のアクセスコネクタを備え、複数のアクセスコネクタのうちの少なくとも1つが、車両走行路に隣接する地面の中に組み込まれている。
【0094】
本発明の更なる態様によれば、電動車両を電気ネットワークに接続するためのシステムを設置する方法が提供され、この方法が、電気ネットワークに接続された制御および配電モジュールおよび複数のアクセスポイントを提供するステップであって、複数のアクセスポイントのうちの各アクセスポイントがケーブルを備え、各ケーブルが、制御および配電モジュールと各アクセスポイントとの間の電力伝送線および通信伝送線を提供する、ステップと、ケーブルの一端をアクセスポイントに接続するとともに、ケーブルの他端を制御および配電モジュールに接続することによって、選択されたアクセスポイントに少なくとも1のアクセスコネクタを設置するステップとを含む。
【0095】
好ましくは、少なくとも1のアクセスコネクタの設置は、第2段階の設置、複数のアクセスポイントの設置から相当な時間後に行われる。
【0096】
本発明の更なる態様の実施形態は、本発明の第1~第8の態様またはそれらの実施形態の1または複数の特徴を含むことができ、その逆もまた同様である。
【0097】
本発明の代替的な態様
以下は、本発明の代替的な態様および好ましいまたは任意選択的な実施形態であり、それらの特徴は、本発明の上述した態様またはそれらの好ましいまたは任意選択的な実施形態と組み合わせることができ、その逆もまた同様である。
【0098】
電動車両を電気ネットワークに接続するためのシステムが提供され、このシステムが、電気ネットワークに接続された制御および配電モジュールと、複数のアクセスコネクタとを備え、複数のアクセスコネクタのうちの各アクセスコネクタが、ケーブルによって制御および配電モジュールに接続され、各ケーブルが、制御および配電モジュールと各アクセスコネクタとの間に電力伝送線および通信伝送線を提供し、制御および配電モジュールが、複数のアクセスコネクタと電気ネットワークとの間の電力の伝送を制御するように動作可能となっている。
【0099】
電気ネットワークは、自治体の電力供給に適した従来の配電網であってもよい。したがって、システムは、制御および配電モジュールを介して、電気ネットワーク(例えば、配電網および/または自治体の電力供給)と複数のアクセスコネクタとの間の電力の伝送を制御することができる。
【0100】
システムは、電気ネットワークから、アクセスコネクタに接続された1または複数の電動車両への電力の分配および伝送を制御することができ、よって、システムに接続された電動車両の充電を制御することができる。代替的または追加的には、システムは、アクセスコネクタに接続された1または複数の電動車両から電気ネットワークへと戻る電力の分配および伝送を制御することができ、よって、システムに接続された電動車両の放電、並びに、電気ネットワークへの電力の伝送および/または販売を制御することができる。
【0101】
各ケーブルの電力伝送線および/または通信伝送線は、ケーブルを構成する個別の物理回線であってもよいし、あるいはケーブル内の同一または共有の物理回線上の仮想伝送線であってもよい。各ケーブルは、例えばアクセスコネクタへの様々な大きさおよび/または位相の電力の供給および伝送に対処することができる、複数の電力伝送線および/または通信伝送線を備えることができる。
【0102】
好ましくは、複数のアクセスコネクタのうちの各アクセスコネクタは、一度に1台の電動車両に対するシステムへの接続ポイントを提供する。
【0103】
制御および配電モジュールは、電気ネットワークに直接接続することができ、電気ネットワークは、配電網であってもよい。代替的または追加的には、それは、電気ネットワークの変電所、例えば、配電網の変電所、ローカルまたはその他のものに接続されるようにしてもよい。
【0104】
好ましくは、ローカル制御および配電モジュールは、配電網のローカル変電所に接続される。変電所は、供給電圧を伝送レベルからローカル配電に適したレベルに、かつ/または高電圧から低電圧に降圧するように機能することができる。
【0105】
変電所は、6.6kVから415Vに3相電力を変換することができる。代替的には、変電所は、11kVから415Vに3相電力を変換することができる。このため、変電所は、415Vの3相電力を制御および配電モジュールに供給することができる。
【0106】
制御および配電モジュールは、1または複数の電力ケーブルを介して電気ネットワークに接続することができる。好ましくは、制御および配電モジュールは、1または複数の電力ケーブルを介して配電網の変電所に接続される。
【0107】
制御および配電モジュールは、丈夫なユニットとすることができ、歩道、道路、カービサイド、駐車場または他の任意の適切な場所に設置することができる。制御および配電モジュールは、地上または地中に設置することができる。
【0108】
制御および配電モジュールは、電力分配の選択的なスイッチングを可能にするスイッチギアを備えることができる。個別の各ケーブル接続ポイント、よって複数のアクセスコネクタのうちの各アクセスコネクタに対してスイッチギアを設けることができ、それにより各アクセスコネクタに供給される様々な大きさおよび/または位相の電力の伝送およびスイッチングを容易にすることができる。制御および配電モジュールは、各アクセスコネクタに同じおよび/または異なる大きさおよび/または位相の電力を交互に提供することができる。
【0109】
制御および配電モジュールは、有線または無線通信リンクを介してデータ処理および制御センタに接続することができる。データ処理および制御センタは、遠隔データ処理および制御センタとすることができる(すなわち、データ処理および制御センタを制御および配電モジュールから離して配置することができる)。データ処理および制御センタは、自動化された無人センタであってもよく、あるいは任命された者によって管理されるものであってもよい。
【0110】
データ処理および制御センタは、制御および配電モジュールからデータを受信することができる。代替的または追加的には、データ処理および制御センタは、制御および配電モジュールにデータおよび制御信号を送信することができる。例えば、データ処理および制御センタは、複数のアクセスコネクタのうちの現在使用中のアクセスコネクタの数に関連するデータ、任意のときまたは連続的に使用中のアクセスコネクタによって制御および配電モジュールから引き出される総電気負荷、および複数のアクセスコネクタのうちの各アクセスコネクタに接続された各電動車両の充電状態(すなわち、充電率または充電量)を受信することができる。代替的には、データ処理および制御センタは、制御および配電モジュールに制御信号を送信することができ、制御信号は、複数のアクセスコネクタのうちの1または複数のアクセスコネクタに送信され、それにより、特定の充電および/または放電パラメータ(例えば、各アクセスコネクタにそれぞれ供給される電力の大きさおよび/または位相)を制御することができる。
【0111】
さらに、制御および配電モジュールは、複数のユーザインターフェース(UI)デバイスに無線で接続することができ、UIデバイスは、例えば、データの閲覧および/またはデータの入力および/または決定によって、EVユーザおよび/またはシステム顧客が遣り取りすることができる任意のデバイスであってもよい。例えば、UIデバイスは、スマートフォンまたはタブレットまたは車両ユーザインターフェースとすることができる。UIデバイスは、制御および配電モジュールに物理的にリンクされなくてもよく、かつ制御および配電モジュールから離れて配置または移動することができるという点で、遠隔UIデバイスであってもよい。
【0112】
制御および配電モジュールと複数のUIデバイスとの間の接続は、直接的なものであってもよい。好ましくは、この接続は、データ処理および制御センタを介して行われ、制御および配電モジュールが、データ処理および制御センタに無線接続され、データ処理および制御センタが、複数のユーザインターフェース(UI)デバイスに無線接続されるようにしてもよい。
【0113】
各UIデバイスは、システムに接続された各EVユーザおよび/またはシステム顧客にいつでも対応することができる。各UIデバイスは、EVユーザおよび/またはシステム顧客がシステムに接続されるときに、システムに接続することができ、システムから切り離すことができる。新しいUIデバイスも、例えばEVユーザが彼らの電動車両をシステムに接続する決定をした場合、いつでもシステムに接続することができる。UIデバイスは、システム(すなわち、制御および配電モジュールおよび/またはデータ処理および制御センタ)からデータを受信することができる。代替的または追加的には、UIデバイスは、(この場合も、好ましくは、データ処理および制御センタを介して)データおよび制御信号を制御および配電モジュールに送信することができる。UIデバイスによって送られるデータおよび制御信号は、EVユーザおよび/またはシステム顧客の入力によって、かつその入力に基づいて制御可能である。
【0114】
データは、データ処理および制御センタから任意の適用可能なUIデバイスに送信することができる。EVユーザおよび/またはシステム顧客は、自身のUIデバイスからの充電および/または放電パラメータを監視および制御することができる。例えば、ユーザは、自身の電動車両の現在の充電状態を監視することができる(すなわち、電動車両は、一定の割合で充電される)。
【0115】
代替的または追加的には、ユーザは、充電パラメータを変更および/または制御し、それぞれのUIデバイスを使用して決定を行うことができる。例えば、ユーザは、自身のUIデバイスを使用して、自身の電動車両にどの大きさおよび/または位相の電力を充電すべきかを選択することができる。ユーザそれぞれのUIデバイスを使用してユーザによってなされる決定は、システムによって瞬時に処理され、実行に移される。
【0116】
電動車両を電気ネットワークに接続するためのシステムが提供され、このシステムが、電気ネットワークに接続された制御および配電モジュールと、電力ネットワークから電力を受け取るために制御および配電モジュールに接続された複数のアクセスコネクタと、中間コネクタモジュールとを備え、中間コネクタモジュールが、電動車両に接続され、中間コネクタモジュールが、電動車両の接続を容易にするために、複数のアクセスコネクタのうちの何れか1つのアクセスコネクタに挿入されるように動作可能である。
【0117】
電動車両の充電を監視および制御するための方法が提供され、この方法が、電動車両を電気ネットワークに接続するためのシステムを提供するステップであって、システムが、配電網に接続される制御および配電モジュールと、電力および/または通信伝送線を提供する1または複数のケーブルを介して制御および配電モジュールに接続される複数のアクセスコネクタと、複数のアクセスコネクタのうちの少なくとも1つに接続された少なくとも1台の電動車両とを備える、ステップと、制御および配電モジュールから引き出された負荷を監視するステップと、電動車両のユーザの身元、および電動車両のユーザの1または複数の属性、または制御および配電モジュールから引き出された負荷のうちの少なくとも一つに応じて、複数のアクセスコネクタのうちの少なくとも1つへの電力伝送を制御するステップとを含む。
【0118】
本方法は、複数のアクセスコネクタのうちの少なくとも1つに接続された少なくとも1台の電動車両の充電状態(すなわち、充電率)を監視するステップを含むことができる。
【0119】
本方法は、少なくとも1台の電動車両の充電状態(すなわち、充電率)に応じて、複数のアクセスコネクタのうちの少なくとも1つへの電力伝送を制御するステップを含むことができる。
【0120】
電動車両を電気ネットワークに接続するためのシステムが提供され、このシステムが、電気ネットワークに接続された制御および配電モジュールと、複数のアクセスコネクタとを備え、複数のアクセスコネクタのうちの各アクセスコネクタが、ケーブルによって制御および配電モジュールに接続され、各ケーブルが、制御および配電モジュールと各アクセスコネクタとの間に通信伝送線を提供し、制御および配電モジュールが、少なくとも1の遠隔ユーザインターフェースデバイスへの通信リンクを備える。
【0121】
通信リンクは、直接的なものであってもよく、あるいはインターネット、無線またはモバイル通信プロトコルを介したものであってもよい。代替的または追加的には、通信リンクは、データ制御および処理センタを介したものであってもよく、データ制御および処理センタを、制御および配電モジュールおよび/または少なくとも1の遠隔ユーザインターフェースデバイスに直接または無線でリンクすることができる。
【0122】
電動車両を電気ネットワークに接続するためのシステムが提供され、このシステムが、電気ネットワークに接続された制御および配電モジュールと、複数のアクセスコネクタとを備え、複数のアクセスコネクタのうちの各アクセスコネクタが、電力および/または通信伝送線を提供する1または複数のケーブルを介して制御および配電モジュールに接続され、電気ネットワークから電力を受け取るように動作可能であり、制御および配電モジュールが、アクセスコネクタと電動車両との間に良好な接続が確立されていることを検証し、良好な接続の検証に応じて、アクセスコネクタへの電力伝送を可能にするように構成されている。
【0123】
システムは、アクセスコネクタと電動車両との間の良好な接続が検証されない場合、アクセスコネクタへの電力伝送を可能にしなくてもよい。
【0124】
電気ネットワークにアクセスするためのアクセスコネクタが提供され、このアクセスコネクタは、沿道インフラストラクチャの外面と実質的に面一となるように沿道インフラストラクチャに取り付けられるように構成され、アクセスコネクタが、電動車両コネクタのための機械的および電気的接続ポイントを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0125】
次に、図面を参照して、本発明の様々な実施形態を単なる例として説明する。
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態に係るアクセスコネクタ装置を組み込んだシステムの概略ブロック図である。
【
図3】
図3は、本発明の一実施形態に係るアクセスコネクタ装置の機能要素の概略図である。
【
図4】
図4は、
図1および
図2の制御および配電モジュールの機能要素の概略図である。
【
図5】
図5は、中間コネクタモジュールを使用する、本発明の一実施形態に係るアクセスコネクタ装置を組み込んだ接続システムの物理的概略図である。
【
図6】
図6は、
図5のシステムの中間コネクタモジュールの機能要素の概略図である。
【
図7】
図7Aおよび
図7Bは、それぞれロック位置およびロック解除位置にある本発明の一実施形態に係るアクセスコネクタ装置の断面図である。
【
図8】
図8は、
図7Aおよび
図7Bのアクセスコネクタとともに使用するのに適した中間コネクタモジュールの側面図である。
【
図9】
図9Aおよび
図9Bは、電動車両の充電方法および電動車両をシステムから切り離す方法をそれぞれ示すブロック図である。
【
図10】
図10は、ハウジング内に設置された、本発明の代替的な実施形態に係るアクセスコネクタ装置の斜視断面図である。
【
図13】
図13Aは、
図10のコネクタ装置の外側の部分斜視図であり、装置のロック機構をより詳細に示している。
図13Bおよび
図13Cは、コネクタ装置の外側の部分分解側面図、および
図10のコネクタ装置の内側の部分分解側面図であり、装置のロック機構をより詳細に示している。
図13Dは、
図10のコネクタ(特にロック機構)の一部を通る詳細断面図である。
【
図14】
図14は、中間コネクタモジュールが挿入された、
図10のコネクタ装置の概略断面図である。
【
図16】
図16は、本発明の代替的な実施形態に係るアクセスコネクタ装置および対応する中間コネクタモジュールの等角断面図である。
【
図17】
図17は、
図16のアクセスコネクタ装置の拡大断面図であり、対応する中間コネクタモジュールの順次挿入を示している。
【
図18】
図18は、
図16のアクセスコネクタ装置の拡大断面図であり、対応する中間コネクタモジュールの順次挿入を示している。
【
図19】
図19は、本発明の代替的な実施形態に係る電動車両のケーブルコネクタの側面図である。
【
図20】
図20は、本発明の一実施形態に係る電動車両の充電方法を示すブロック図である。
【
図21】
図21は、本発明の代替的な実施形態に係る電力ネットワークに電力を伝送する方法を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0126】
先ず、
図1および
図2を参照すると、本発明の第1の実施形態に係るアクセスコネクタ装置を組み込んだ電動車両接続システムが示されている。全体として10で示すシステムは、全体的および集合的に20で示す多数のアクセスコネクタ20a、20b、20c~20nと、制御および配電モジュール30とを含む。制御および配電モジュール30は、電力ケーブル31aを介して、配電網の一部を形成する変電所50に接続され、電力ケーブルは、変電所50とモジュール30との間で電力を伝送するように動作可能である。ローカル変電所50は、電力供給電圧を伝送レベル(例えば、11kVまたは6.6kV)から配電レベル(例えば、415Vの3相電力)まで降圧するように機能する。しかしながら、本システムは全体で、グリッドネットワークの様々なポイントで、または適用可能な場合は変電所を設置せずに、様々な他の定格の変電所と組み合わせてシステムを使用できることを理解されたい。
【0127】
各アクセスコネクタ20は、それぞれのケーブル21a、21b、21c~21n(全体的および集合的に21と称する)を介して制御および配電モジュール30に接続され、それらケーブルは、モジュール30とアクセスコネクタとの間で電力および通信または制御データを伝送することができる。この実施形態では、各コネクタ20と制御および配電モジュール30との間の各ケーブルに、専用の電力伝送線と、別個の通信伝送線とが設けられている。しかしながら、代替的な実施形態では、1本の物理的伝送線をデータおよび電力伝送のために使用できることが理解されよう。また、制御および配電モジュール30と各アクセスコネクタ20との間にそれぞれ複数のケーブルが存在し得ることも理解されよう。システム10は、配電網から電力にアクセスし、これをケーブル31a、21およびアクセスコネクタ20で形成される接続を介して、1または複数の電動車両22b、22nに伝送することができる。また、各アクセスコネクタ装置20は、電動車両がネットワークに電力を送り返すためのアクセスポイントとしても機能する。さらに、アクセスコネクタ装置は、様々な位相(すなわち、単相または3相)および/または大きさの電力を、それに接続された電動車両に供給することができる。
【0128】
アクセスコネクタ20は、モジュール30の周辺地域において空間的に分散され、車両走行路11(この場合は、公道、高速道路)の横にある利用可能なインフラストラクチャ(この場合は、歩行者専用道路12(または、人道、歩道、駐車場または長期用駐車場))に統合されている。アクセスコネクタ20の位置は、電気ネットワークに接続するために、例えば、住宅地、商業地またはオフィス街の道路に駐車された車両が使用できるような位置となっている。アクセスコネクタ20は、この例では、互いに4~10メートルの距離で設置されているが、それらは規則的な間隔で設置する必要がないことが理解されよう。ケーブル21は地中に埋め込まれており、この場合、歩行者専用道路12の下で道路とほぼ平行に延びている。また、家の所有者は、システムに対してプライベートな個人的な接続ポイントを提供するために、より広いシステムに接続された専用のアクセスコネクタを自身の不動産(例えば、ガレージまたは私道)に設置するために支払うことができることも理解されよう。
【0129】
道路に隣接する(理想的には、道路の0.5m以内)アクセスコネクタの配置は、道路ユーザに最小限の影響で車両接続のための便利な位置を提供する。コネクタと沿道インフラストラクチャ(この場合は、歩行者専用道路12)との一体化は、車両走行路自体への混乱を最小限に抑えながら容易に設置することができる。
【0130】
制御および配電モジュール30は、各アクセスコネクタ20が配電網にアクセスするためのローカルアクセスポイントを提供する。それはまた、ローカルアクセスコネクタ20のセットに対するローカル制御ポイントとしても働く。これは、従来のように、各車両接続ポイントごとに離れて分布する制御ステーションを設けることとは対照的である。記載の構成は、必要な制御、計測、切替および安全機構を、多数のローカルアクセスコネクタのために、一つの安全なモジュールまたはユニット内に提供することができ、長くて引きずる接続ケーブルを必要とせずに、(例えば)多数の住宅街道路にわたって空間的に配置することができるため有利である。充電ステーションが複数の電動車両に接続可能である提案されたシステムは、各車両がケーブルを介して同じステーションに接続することを必要とする。そのような構成は、用途が数台以上の車両に制限されており、多くのオフィス街、商業地区および住宅地への設置には不向きである。
【0131】
また、システム10は、システムの制御および配電モジュール30と遣り取りをする遠隔データ処理および制御センタ40も備え、制御および配電モジュールが、通信接続41を介して遠隔データ処理および制御センタ40に接続されている。接続41は有線であっても無線であってもよく、任意の様々な通信プロトコルを使用してもよいことが理解されよう。遠隔データ処理および制御センタ40は、制御および配電モジュール30から様々なデータを受信し、そのようなデータには、現在使用中のアクセスコネクタ20の状態、制御および配電モジュール30から引き出されている総電気負荷、および各アクセスコネクタ20に接続された各電動車両の充電状態(例えば、充電率)が含まれるが、それらに限定されるものではない。その後、システムの特定の動作パラメータを制御するために、遠隔データ処理および制御センタ40から制御および配電モジュール30に制御信号を送信することができる。
【0132】
遠隔データ処理および制御センタ40は、遠隔ユーザインターフェース(UI)デバイス60b、60nを介してユーザとの通信を可能にする通信ネットワーク(例えば、インターネット)にも接続される。この例では、遠隔UIデバイス60b、60nは、モバイルネットワーク通信プロトコルを使用してインターネットに無線接続されたモバイル電話ハンドセットである。モバイル、デスクトップまたは車両ベースのデバイスを含む他のタイプの遠隔UIデバイスを使用できること、および/または有線通信プロトコルを使用できることが理解されよう。特に、遠隔データ処理および制御センタ40は、有線通信プロトコルまたは無線通信プロトコルの何れかを使用して通信ネットワークに接続することができる。
【0133】
この実施形態の遠隔UIデバイス60b、60nは、システム10とともに機能するように動作可能なアプリケーションを実行するスマートフォンである。データは、遠隔データ処理および制御センタ40との間や、システムに接続できる電動車両のユーザに対応する任意の遠隔UIデバイス60との間で送信され得る。以下でより詳細に説明するように、ユーザは、遠隔UIデバイスから、動作パラメータを監視および制御することができる。
【0134】
1つの制御および配電モジュールがシステムに図示され、それが遠隔データ処理および制御センタと遣り取りし、複数のアクセスコネクタに接続されているが、システムの好ましい実施形態は、複数の制御および配電モジュールを有し、それぞれが特定の場所でそれぞれの複数のアクセスコネクタの処理を担うことが理解されよう。複数の制御および配電モジュールは、同じ遠隔データ処理および制御センタと通信することができる(実際に、単一の遠隔データ処理および制御センタは、多数の制御および配電モジュールと通信することができる)。
【0135】
図3Aは、アクセスコネクタ20およびその機能要素の概略図である。図示および記載の機能要素は、装置の別個のコンポーネントによってそれぞれ実行または達成され得る。代替的には、1つのコンポーネントは、アクセスコネクタの多くの必要な機能要素を実行することができる。
【0136】
アクセスコネクタ装置20は、公道または高速道路などの車両走行路の横にある利用可能なインフラストラクチャ(例えば、歩行者専用道路(または、人道、歩道、駐車場または長期用駐車場))に一体化されるように構成されている。アクセスコネクタ装置20の選択された設置場所は、電気ネットワークへの接続のために、例えば、住宅地、商業地またはオフィス街の道路に駐車した車両が使用できるような場所となっている。
【0137】
アクセスコネクタ20は、制御および配電モジュール30からケーブル21を受け入れるための入口22を有する。ケーブル21は、多数の専用の電力伝送線(例えば、アクセスコネクタに様々な位相の電力を提供する)と通信伝送線とを含む。この実施形態では、通信伝送線は、アクセスコネクタ20の機能要素に計装電圧電力を供給することもできる。これらは、コネクタ20への物理的接続および切り離しを制御するロック部材24およびロック機構26と、霜除けおよび水分除去のためのトレース加熱要素27と、コネクタの動作状態を示す視覚インジケータ28とを含む。いくつかの実施形態では、通信回線が、従来のパワーオーバーイーサネット回線または機能的に同様の回線を含むことができる。ケーブル21は、アクセスコネクタ装置20を配電網に接続し、電力を供給する。したがって、アクセスコネクタ装置20は、電動車両が配電網にアクセスするためのアクセスポイントとして機能する。
【0138】
電動車両を充電するために電力を運ぶケーブルの電力伝送線は、全体として23a、23b、23cと示すアクセスコネクタ装置内の導電性接触器に結合されている。接触器23a、23b、23cは、電動車両に直接的または間接的に接続される適合コネクタの対応するコネクタインターフェースの対応する接触器と接続するように設計されている。
【0139】
アクセスコネクタ20は、水分および微粒子の浸入を防止するためのシール25の配列と、水分を除去するためのドレイン要素29aおよび圧力の蓄積を避けるためのバルブ要素29bも含む。これらの特徴は任意であることを理解されたい。
【0140】
ここで
図3Bを参照すると、制御および配電モジュール30およびその機能要素の概略ブロック図が示されている。制御および配電モジュール30は、変電所(図示省略)から電力ケーブルを受け入れるための入口接続部31bを有する。それは、ケーブルの束のための入口と、各アクセスコネクタのケーブルのための、全体的および集合的に32で示す対応する数の接続ポイントとを有する。各接続ポイント32は、アクセスコネクタへの電力のすべての相(すなわち、単相または3相)の伝送のための接触要素および適切なスイッチギアと、他の機能(アクセスコネクタにおけるトレース加熱など)に必要な電力の伝送のための接触要素と、各アクセスコネクタへのデータ、制御信号および通信信号の伝送のための接触要素とを備える。また、各アクセスコネクタへの異なる位相の電力間の切替および伝送を容易にするために、各接続ポイント32用のスイッチギアも提供されている。
【0141】
制御および配電モジュール30は、残留電流装置(RCD)および故障検知要素37を備え、電気的障害が発生した場合に、ユーザ、一般人およびシステムを損害または損傷から保護する。
【0142】
制御および配電モジュール30には、モジュール30に結合された各アクセスコネクタの計測を提供する計測モジュール36が含まれる。さらに、モジュール30は、制御および配電モジュール30、または何れか1つの個々のアクセスコネクタ、またはそれらの一部またはすべてから集合的に引き出される負荷を監視することができる電流および負荷検知要素38を有する。
【0143】
制御および配電モジュール30は、遠隔データ処理および制御センタ(よって、遠隔UIデバイス)、アクセスコネクタ、およびシステムに結合された電動車両に対するデータ、制御信号および通信信号を処理、送信および受信するための通信モジュール33を有する。
【0144】
制御および配電モジュール30は、周囲温度センサ34も備える。このセンサ34は、モジュール30に接続されたアクセスコネクタ内のトレース加熱をいつ作動させるかを決定するために使用される。代替的には、例えば洪水の結果としてコネクタが水分に曝される可能性が高いと考えられる場合、コネクタ内のトレース加熱が自動的に、またはオペレータの介入によって作動されるようにしてもよい。このようにトレース加熱を制御するために、遠隔データ処理および制御センタ40を介してモジュール30に信号が送信される。
【0145】
また、モジュール30は、受信データを処理し、各アクセスコネクタおよび遠隔データ処理および制御センタとの間の通信信号を制御するための処理モジュール35も備える。
【0146】
モジュール30内の任意選択的な追加の機能要素には、視覚表示画面39、変圧器41、整流器42およびインバータ43が含まれる。
【0147】
以下でより詳細に説明するように、各アクセスコネクタは、制御および配電モジュール30から、個別にまたは集合として制御および監視することができる。
【0148】
図5および
図6は、本発明の好ましい実施形態に係るシステム10とともに使用される車両接続サブシステムを示している。全体として61で示すサブシステムは、中間コネクタモジュール62を備え、この中間コネクタモジュールが、車両ケーブル63を介してアクセスコネクタ20を電動車両22に接続するために使用される。アクセスコネクタ20は、
図1および
図2に示す態様では、車両走行路11のサイドに隣接する歩行者専用道路12内に配置されている。
【0149】
中間コネクタモジュール62は、ロッドまたはランスの形態であり、第1の端部においてアクセスコネクタ20に接続されるように動作可能であり、第2の端部において車両ケーブル63に接続されるように動作可能である。中間コネクタモジュール62は、携帯ユニットであり、非使用時には、電動車両22内に持ち運び可能である。コネクタモジュールの第1の端部は、アクセスコネクタ20に安全、簡単、確実に接続できるように設計されている。第2の端部は、標準的な電動車両ケーブルコネクタに接続されるように設計されており、この電動車両ケーブルコネクタは、車両のコネクタに接続される。ケーブルおよび車両コネクタは、例えば、業界標準の「タイプ2」コネクタとすることができる。しかしながら、この実施形態では、コネクタモジュール対ケーブルコネクタは、(例えば、駐車中の車両が衝突に巻きこまれた場合に)車両22、ケーブル63、モジュール62およびアクセスコネクタ20を損傷から保護するために、十分な力を加えると安全に分離するように構成された安全なブレークアウェイ接続を備える。
【0150】
この実施形態では、ケーブルが、ランスの第2の(上側)端部から車両へ実質的に直接通過するものとして示されている。これは、ケーブル接続ポイントを車両コネクタの高さにほぼ等しい適切な高さまで上昇させるように機能するランスの長さによって促進される。中間コネクタモジュールは、これを使用する1または複数の車両に応じて、様々な高さの範囲に設けることができる。代替的または追加的には、本発明のいくつかの実施形態の中間コネクタモジュールは、ある範囲のコネクタ高さをカバーするために長さが伸長可能であってもよい。代替的には、より長いケーブルを使用して、点線65で示すように、アクセスコネクタの位置まで降りて、アクセスコネクタと車両位置との間の間隙を横切り、車両コネクタまで上るように配線することができる。モジュール63を電動車両22に接続できる他の様々な適切な方法があることが理解されよう。
【0151】
図6は、ロッドまたはランス170の形態の中間コネクタモジュール62の機能要素の概略図である。モジュール170は、ランスの外面に配置された多数の導電性接点173A、173B、173Cを備える。電力の各相について別個の伝送ポイントを示すために、3つの接触器が示されており、接続時に、アクセスコネクタの対応する接点に当接するように配置されている。ランスは、電動車両とランスとの間で電力およびデータ/通信信号を伝送することができるケーブル接続172を備える。
【0152】
ランス170は、ユーザによって操作可能であり、低照度条件または暗所での挿入中にランスとアクセスコネクタとの視覚的位置合わせを容易にする照明源174を有する。照明源174は、制御および配電モジュールからの計装電圧線(例えば、通信線)によって電力供給される。代替的または追加的には、ランスに、充電式または非充電式バッテリ(図示省略)を設けることができる。
【0153】
ランス170は、開放機構176、ロック構成要素175および解放機構177も含む。開放機構176は、ランスの近傍でアクセスコネクタのロック機構を作動させ、アクセスコネクタをロック解除し、アクセスコネクタへのランス170の挿入を可能にするように動作可能なRFIDデバイスを備える。ロック構成要素175は、アクセスコネクタのロック機構と係合して、ランスをアクセスコネクタに固定するように配置されている。解放機構177は、ランスが解放されるときに、アクセスコネクタのロック機構の係合を解除するように動作可能である。
【0154】
ランスには、受信したデータを処理し、制御および配電モジュールおよび電動車両との間の通信信号を制御する処理モジュール178が設けられている。
【0155】
ランス170は、任意選択的には、天候、汚れおよびデブリからの更なる保護をランスに提供するために、格納式スリーブ179も備えることができる。ランスが使用されていないとき、スリーブ179はランスの機能セクション(すなわち、電気接触要素173を含むセクション)上に延び、ランスがアクセスコネクタに挿入されると、スリーブ179は引っ込められる。
【0156】
中間充電モジュールの使用は、電動車両接続システムの少なくとも一部を携帯可能にし、接続場所に(永久的または半永久的に)設置するために必要なインフラストラクチャを簡素化するため、有利である。アクセスコネクタは、従来の充電ステーションと比較して、簡素で目立つことなく、比較的低コストにすることができる。充電ステーションに従来から見られる他の機能要素は、接続場所に設置されるのではなく、車両のユーザによって携帯される中間充電モジュールに組み込まれる。これにより、様々な場所(住宅地、オフィス街、商業地が含まれるが、これらに限定されるものではない。駐車場も含まれる)に比較的低コストで、柔軟な分布形態により、アクセスコネクタ(よって充電ポイント)を容易に設置することができる。
【0157】
中間コネクタモジュールは、不使用時にはアクセスコネクタから取り外されて、接続場所での視覚的影響が軽減されるとともに、高価な接続インフラストラクチャへの損傷のリスクが低減される。中間コネクタモジュールは、損傷を受けた場合に、比較的低コストで交換可能であり、損傷の影響は車両ユーザのみにあり、アクセスコネクタは、比較的ロバストであり、自身の中間コネクタモジュールを有する他の車両ユーザが使用することができる。
【0158】
図7A、
図7Bおよび
図8は、本発明の好ましい実施形態に係るアクセスコネクタシステムを示している。
図7Aおよび
図7Bは、それぞれ閉鎖位置および開放位置にあるアクセスコネクタの断面図であり、
図8は、
図7Aおよび
図7Bのアクセスコネクタとともに使用するのに適した中間コネクタモジュールの側面図である。
【0159】
全体として220で示すアクセスコネクタは、同様の機能要素を有するアクセスコネクタ20と同様であり、
図1~
図6および付随する説明から理解されるであろう。同様の特徴には、200だけ増加した同様の符号が付されている。
【0160】
図7Aは、その第1の閉じた(すなわち、ロック)状態にあるアクセスコネクタ220を示しており、
図7Bは、その第2の開いた(すなわち、ロック解除)状態にあるアクセスコネクタ220を示している。
【0161】
アクセスコネクタは、車両走行路の横、歩行者専用道路(この場合は、歩道212)の地中に設置されている。アクセスコネクタ220の上部213は、歩道212の表面と実質的に同一平面上にあり、歩道の表面からの突出を最小限にし、そうでなければ水分および/またはデブリを集める傾向がある凹部を最小限にする。コネクタ220は、概して、中空円筒形の本体部分214と、対応するコネクタを挿入するためのメインボア215とを含む。この場合、対応するコネクタは、
図8に示す中間コネクタモジュールである。プラグ224の形態のロック部材は、ボア215内に配置される。プラグ224は、
図7Aに示す上方位置に付勢されるようにバネ付き(バネは図示省略)であり、上方位置では、プラグ224の頂部が、アクセスコネクタ220の頂部および歩道と実質的に同一平面上にある。プラグは、本体によって規定されるボリュームを占めており、その結果、プラグ224が
図7Aに示す位置にあるとき、歩道の表面からの突出が最小化または回避され、そうでなければ水分および/またはデブリを集める傾向がある凹部が実質的に存在しない。
【0162】
プラグ224は、全体として226で示すロック機構によって定位置にロックされる。ロック機構226は、プラグ224の凹部226bに係合する環状ロックドッグ226aのセットを備える。ロックドッグ226aは、アクセスコネクタ220の本体214の環状凹部226cに収容されている。ロックドッグ226aは、半径方向内側に延在する位置(すなわち、ロック位置)と、凹部226c内に引き込まれる位置(ロック解除位置)との間で移動するように動作可能である。この実施形態のロック機構226は、制御および配電モジュールによって供給される電力で、ドッグ226aの動作を制御するソレノイドを備える。代替的な実施形態では、ロック機構226を作動させて、他の方法、例えば、電気モータまたは手動で作動するキーによって、ロックおよびロック解除することができる。上部シール225は、プラグとコネクタ本体との間の流体の浸入に対してシールする。
【0163】
コネクタはRFIDリーダ229を備え、このRFIDリーダは、適合コネクタまたはコネクタモジュールの存在を検出して、ロック機構226を選択的に操作して係合または係合解除するように構成されている。
【0164】
ロック機構226の係合が解除されると、コネクタ220のボア215内でのプラグ224の下方移動が可能になる。
図7Bは、第2の開放状態にあるアクセスコネクタ220を示しており、プラグ224が、(概して矢印によって示される)実質的に下向きの力を受けている。使用時に、この下向きの力は、機構がロック解除されていることを条件として、
図8に全体として370で示す中間コネクタモジュールの挿入によって生じる。
【0165】
アクセスコネクタ220は、いくつかの導電性接触要素223も含む。接触要素223は3つ設けられているが、単純化のために、接触要素が1つだけ示されている。代替的な実施形態では、より多くのまたはより少ない数の接触要素を使用できることを理解されたい。接触器要素223は、ケーブル21の電力伝送線および通信伝送線に接続され、それら伝送線は、制御および配電モジュールからアクセスコネクタ220に至る。アクセスコネクタ内の接触要素223の数と位置は、中間コネクタモジュール370上の接触要素の数と位置に対応する。接触器要素223は、ボア215の内壁215a上に配置され、それらの表面がほぼ鉛直方向を向いている。
【0166】
アクセスコネクタ接触要素223は、アクセスコネクタ220のボア215内に半径方向に僅かに突出するように付勢されている。プラグがそのロック位置にあるとき、接触要素223は、
図7Aに見られるように、プラグ224によってアクセスコネクタ220の本体214の凹部218内に押し戻される。プラグが本体内に(すなわち、挿入された中間コネクタモジュールによって)押し下げられると、接触器要素223は、
図7Bに見られるように、アクセスコネクタ220の凹部215内に半径方向内向きに移動する。
【0167】
アクセスコネクタ220は、視覚状態表示装置を含み、この表示装置は、この場合、ボア215の周りに上面に配置された色付きLED228の配列となっている。色付きLEDは、以下でより詳細に説明するように、コネクタ220の状態の視覚的表示を提供する。トレース加熱リング227は、コネクタのボア215の周りに配置されている。その基部には、任意選択で、コネクタ内に浸入する水分の除去を容易にするためにドレイン(図示省略)が設けられる。圧力上昇の可能性を軽減するため、かつ/またはコネクタボアからの水分または蒸気の排出を容易にするために、この領域にベントおよび/またはバルブ(図示省略)を配置することもできる。
【0168】
図8は、ランス370の形態の中間コネクタモジュールを側方から示している。ランス370は、アクセスコネクタ220に対応する下側コネクタ365を有する第1の下端を備える。シャフト366は、ハンドル367およびケーブル用のケーブルコネクタ371を含む上端まで延びる。
【0169】
下側コネクタ365は、環状凹部364の形態のロック形成構成要素を有する実質的に円筒形の本体を備える。凹部364の形状と位置は、アクセスコネクタ220のロック機構226の形状と位置に対応しており、ランス370が、ロック機構226によってアクセスコネクタと係合するようにロックされ得るものとなっている。また、ランス370は、その外面上に多数の接触要素373a、373b、373cも有し、それらが、アクセスコネクタ内の接触要素の位置と対応している。ランスおよびアクセスコネクタはともに、ガイドプロファイルを提供するような形状であり、ランスは、1つの特定の方位角方向または回転方向でしかアクセスコネクタ内に完全に挿入することができず、それにより、それらのそれぞれの対応する接触要素が互いに一致するようになっている。
【0170】
ランス370は、その基部にRFIDチップ368を有し、RFIDチップは、アクセスコネクタのロック機構の係合を解除してプラグをロック解除し、それによりアクセスコネクタを開くように動作可能である。
【0171】
また、ランス370は、その基部に光源369を有し、この光源は、ランスの最上部、シャフト366またはハンドル367に配置されたスイッチ(図示省略)を使用してユーザが操作することができる。光源369は、ランス370が外部電源に接続されていないときに動作することができるように、バッテリを使用して別個に電力供給される。
【0172】
シャフト366は、ランス370の上部およびケーブルコネクタの高さを増加させる。シャフト366は、様々な長さとすることができるが、好ましい実施形態では、ケーブルコネクタの高さを車両コネクタの高さとほぼ等しく上昇させる。ランス370のシャフト366およびコネクタ365は、いくつかの方法の何れかで、例えばネジ接続を介して、互いに接続することができ、ランス高さを特定のユーザまたは車両に対して設定することができるように交換可能であってもよい。ケーブル371は、シャフトの長さ方向に沿って延びる導電性構成要素を介してコネクタ365に接続される。
【0173】
ケーブル371は、コネクタを介してランスから着脱可能であり、よって、ランスは、アクセスコネクタとの直接相互作用のために必ずしも構成されているわけではない標準的なケーブルおよびコネクタとともに使用されるものであってもよい。これにより、市場における広範な電動車両および/または専用車両接続システムとのレトロフィットおよび/または後方互換性が促進される。
【0174】
次に、電動車両接続システムの使用方法について、本発明の一実施形態に係る電動車両の充電方法90aのステップを示すフロー図である
図9Aの図面を参照して説明する。
【0175】
図示の方法ステップの前に、電動車両は、アクセスコネクタ(コネクタ220など)に隣接して駐車され、電動車両のユーザが、中間コネクタモジュール(ランス370など)を車両から取り外す。車両ケーブルは、中間コネクタモジュールおよび車両に接続される。中間コネクタモジュールの第1の下端は、アクセスコネクタに近接配置される(任意選択的には光源369によって補助される)。アクセスコネクタの状態は、色付きLED228の形態の視覚インジケータによってユーザに示される。例えば、色付きLEDは、アクセスコネクタに障害が発生し、かつ/または使用できない場合に、赤色を表示し、アクセスコネクタが使用中である(すなわち、電動車両への良好な接続が確立されている)場合に緑色を表示し、アクセスコネクタが使用可能である場合に青色を表示するようにしてもよい。
【0176】
アクセスコネクタ220は、アクセスコネクタのRFIDリーダ229によるランスのRFIDチップ368の検出によりランス370の存在を検出する(ステップ91a)。ランス370が適合コネクタであると確認され、アクセスコネクタが使用可能である場合、ロック機構を解放してプラグをロック解除する(ステップ92a)。ロック解除状態は、任意選択的には、例えば、視覚インジケータの状態の変化(LEDの点滅など)によって、ユーザに示すことができる。
【0177】
前述の説明では、これは、アクセスコネクタおよび中間コネクタモジュールの両方に設置された対応するRFID要素(すなわち、中間コネクタモジュール内のRFIDチップおよびアクセスコネクタ内のRFIDリーダ)を介して行われるものとして説明されている。ただし、アクセスコネクタは、他の任意の適切な方法で中間コネクタモジュールを検出できることが理解されよう。
【0178】
アクセスコネクタのプラグがロック解除された状態で、電動車両のユーザは、ランスをアクセスコネクタ内に挿入し、挿入しながらプラグをアクセスコネクタのボア内へと下方に押し込んでいく(ステップ93a)。ランスおよびアクセスコネクタはともに、ガイドプロファイルを提供するような形状であり、ランスは、1つの特定の方位角方向または回転方向でしかアクセスコネクタ内に完全に挿入することができず、それにより、それらのそれぞれの対応する接触要素が位置的に互いに一致して、接点が接続される。
【0179】
その後、アクセスコネクタのロック機構を作動させてランスを定位置にロックする(ステップ94a)。
【0180】
アクセスコネクタのロック機構は、任意の適切な手段またはプロトコルによってランスを定位置にロックするように作動される。例えば、「タイミング」プロトコルと「近接」プロトコルの2つのプロトコルについて説明する。「タイミング」プロトコルの下では、アクセスコネクタはロック解除されて(ステップ91a、92a)、一定時間、ロック解除されたままとなり、その後、「タイムアウト」して、再ロックされる。アクセスコネクタがロック解除されたままとなる時間は、ユーザがランスをアクセスコネクタ内に挿入するのを可能にするのに十分となるように選択される。代替的には、「近接」プロトコルの下では、アクセスコネクタおよびランスは、それぞれ、ランスがアクセスコネクタ内に挿入されたか否かを識別するように動作可能な近接センサを備える。アクセスコネクタは、その情報を使用して、ランスの挿入が行われるまでそれ自体をロック解除状態に保持し、アクセスコネクタ内への挿入後にランスのロックを作動させる。
【0181】
電動車両のユーザは、例えば遠隔データ処理および制御センタ40とのモバイルデータ通信リンクによって、遠隔UIデバイスを介してシステムに対して自分自身を識別する(ステップ95a)。代替的または追加的には、ユーザ識別は、アクセスコネクタ220から制御および配電モジュール30へケーブル内の通信線を介してランス370の識別コードから直接伝送されるか、またはアクセスコネクタ220から制御および配電モジュール30へケーブル内の通信線を介して車両からの車両の識別コードから伝送されるか、またはユーザの遠隔UIデバイスからランスへのローカル通信が使用された後、アクセスコネクタ220から制御および配電モジュール30へケーブル内の通信線を介して伝送されるようにしてもよい。チェック目的および/またはセキュリティ目的のためにシステムの様々な要素からの複数の識別コードを使用する方法を含む、通信方法の組合せを使用することができる。
【0182】
ユーザが識別されると、制御および配電モジュール、ランスおよび車両の間に形成された接続がテストされ(ステップ96a)、電気接続が有効、確実および安全であることが確認される。また、車両バッテリの状態チェックも行うことができる。
【0183】
ランスを介して電動車両とアクセスコネクタとの間に良好な接続が確立されると、制御および配電モジュールが、その接続ポイントでスイッチギアを作動させて、アクセスコネクタへの電力の伝送を可能にする(ステップ97a)。このため、アクセスコネクタへのケーブルは通電状態になる。ステップ96aにおけるテストの前に、制御および配電モジュール30間のケーブルは、通信または低レベル電力伝送(アクセスコネクタおよび/またはランスの機能要素)のみのために開いており、よって、電力リスクを呈することがない。
【0184】
電力は、所定の設定またはユーザ固有の設定に従って電動車両に伝送され(ステップ98)、ユーザによって、かつ/またはシステムで利用可能なリソースに従って制御および配電モジュールまたは遠隔データ処理および制御センタを介して管理される。これについては、以下でより詳細に説明する。
【0185】
なお、方法90aのステップは、上記順序以外の順序でも実行できることを理解されたい。例えば、ユーザは、何れかの接続が行われる前に、システムに対して自分自身を識別することができる(特に、それがユーザの遠隔UIデバイスを介して行われる場合)。
【0186】
図9Bは、本発明の一実施形態に係る電動車両を切り離す方法90bのステップを示すフロー図である。それら方法ステップは、方法90aのいくつかのステップと逆の順序で実質的に類似している。
【0187】
電動車両のユーザがシステムから自身の車両を切り離すことを望むとき(例えば、充電後)、電動車両のユーザは、システムに対して自分自身を識別し、例えば、遠隔データ処理および制御センタ40とのモバイルデータ通信リンクを介して、遠隔UIデバイスを経由して、アクセスコネクタにランスをロック解除および解放するように命令する(ステップ95b)。代替的または追加的には、ユーザ識別および解放コマンドは、アクセスコネクタ220から制御および配電モジュール30へケーブル内の通信線を介してランス370の識別コードから直接伝送されるか、またはアクセスコネクタ220から制御および配電モジュール30へケーブル内の通信線を介して車両からの車両の識別コードから伝送されるか、またはユーザの遠隔UIデバイスからランスへのローカル通信が使用された後、アクセスコネクタ220から制御および配電モジュール30へケーブル内の通信線を介して伝送されるようにしてもよい。チェック目的および/またはセキュリティ目的のためにシステムの様々な要素からの複数の識別コードを使用する方法を含む、通信方法の組合せを使用することができる。アクセスコネクタのロック解除を指示または引き起こす代替的および/または追加的な解放機構は、アクセスコネクタのロックに対応するキーと、アクセスコネクタに設けられたRFIDリーダに対応するRFIDチップと、一意のPINが入力されたときに、ロック機構を作動させてロックを解除する、アクセスコネクタ上に設置されたPINパッドとを含む。
【0188】
その後、アクセスコネクタのロック機構を作動させてランスをロック解除する(ステップ94b)。
【0189】
ランスのロックが解除された状態で、電動車両のユーザは、コネクタから引き抜くことによって、アクセスコネクタからランスを取り外す。そうしている間に、アクセスコネクタのプラグは、その元の位置へと上方に移動する(ステップ93b)。
【0190】
その後、任意の適切な手段またはプロトコルによって、アクセスコネクタのロック機構が作動されて、プラグを定位置にロックし、それによりコネクタをロックする(ステップ92b)。例えば、アクセスコネクタは、ランスへのアクティブな接続が切断されてから一定時間が経過した後、またはランスがコネクタから完全に取り外されたことを(近接センサを使用して)識別されたときにのみ、プラグを定位置にロックするようにしてもよい。
【0191】
ロックされた状態は、任意選択的には、例えば、視覚インジケータ(LEDなど)の状態の変化によって、ユーザに示すことができる。
【0192】
次に、本発明の代替的な実施形態に係るアクセスコネクタシステムを
図10~
図15Bを参照して説明する。全体として120で示すアクセスコネクタは、平面視において実質的にスタジアム形状である本体部分130を備え、実質的にスタジアム形状の中空ハウジング110内に取り付けられたスタジアム形状の円筒形ボリュームを形成する。保護ハウジングは、
図11Aおよび
図11Bに分離して示されており、その基部の近くに配置された円筒形の入口112を有し、その軸が主ハウジングの軸と垂直である。入口112は、ハウジング110内に取り付けられたときに、ケーブル配線がアクセスコネクタ装置に到達するための入口である。
【0193】
ハウジング110は、取り付けられたときにアクセスコネクタを収容および支持するために、その上部内面の周りにいくつかのスロットおよび突起114をさらに含む。さらに、ハウジング110は、その基部に円形スロット116を有する。繰り返しになるが、これは、アクセスコネクタ装置(図示省略)のケーブル終端コンポーネントを収容するためのものであり、これについては以下の記載で説明する。本体部分130は、例えばステンレス鋼から、鋳造プロセスによって形成され、コネクタ装置120の様々な異なる部品を正しい位置に保持するように機能する。本体部分130は、ボルト131によってコネクタ装置120の様々なコンポーネントに取り付けられる。
【0194】
アクセスコネクタ装置120および保護ハウジングは、歩行者専用道路(図示省略)、車両走行路の横の地面内に設置され、アクセスコネクタ120の頂部132が、歩道の表面と実質的に同一平面上にあり、それにより歩道の表面からの突出を最小限にして、そうでなければ水分および/またはデブリを集める傾向がある凹部を最小限に抑えるようになっている。
【0195】
コネクタ装置120は、適切な手段により電動車両に取り付けられる対応する適合コネクタを挿入するための環状ボア134をほぼ規定する。適合コネクタおよびアクセスコネクタ装置はともに、ガイドプロファイルを提供するような形状であり、適合コネクタは、1つの特定の方位角方向または回転方向でしかアクセスコネクタ装置内に完全に挿入することができず、それにより、それらのそれぞれの対応する接触要素が互いに一致するようになっている。例えば、適合コネクタに、コネクタ装置の本体のスロットに対応する突起を設けるようにしてもよい。
【0196】
環状ボア134は、コネクタ装置136の直立した円筒部分を囲み、その外壁は、環状ボア134に向かって外側を向く電気接点を備える。このようにして、電動車両は、コネクタ装置120に接続されて、配電網へのアクセスが得られる。アクセスコネクタ装置への挿入のための適合コネクタは、本明細書では「中間コネクタモジュール」とも称され、
図14を参照してより詳細に説明される。
【0197】
ロックプラグ138は、環状ボア134内に配置され、環状ボア134を満たすように環状である。環状プラグ138は、
図12Aおよび
図12Bに示すように、上方位置に付勢されるように、1または複数のバネ140が付けられており、上方位置では、環状プラグ138の頂部が、アクセスコネクタ120の上面132と実質的に同一平面上にあり、よってアクセスコネクタが組み込まれる歩道と実質的に同一平面上にある。環状プラグ138がその上方位置にあるとき、歩道の表面からの突出は最小化または回避され、そうでなければ水分および/またはデブリを集める傾向がある凹部は実質的に存在しない。
【0198】
環状プラグ138は、全体として142で示すロック機構によって定位置にロックされる。ロック機構142は、いくつかのコンポーネントを備え、環状プラグ138をその上方位置で定位置にロックし、環状プラグ138を解放して、環状ボア134内で軸方向に下方に移動することができるように機能する。これらの状態を、ここでは、コネクタ装置の「ロック状態」および「ロック解除状態」とそれぞれ称する。
【0199】
ロック機構142は、環状プラグの本体138の外面上の凹部146と係合する、周方向に分布するロックドッグ144のセットを備える。ロックドッグ144は、アクセスコネクタ120の本体のそれぞれのハウジングスロット内に収容されている。ロックドッグ144は、環状ボア134内に半径方向内側に延在し、環状スリーブの凹部が存在する場合にはその中に延在する位置(すなわち、ロック位置)と、それらのハウジングスロットおよび環状空隙147内に引き込まれる位置(ロック解除位置)との間で移動するように動作可能である。この実施形態のロック機構142は、148および149でそれぞれ全体として示すモータおよび歯車列を含み、それらが、ロック制御コンポーネント150の動き、結果としてロックドッグ144の動きを制御する。モータを制御するための電力は、ケーブル(図示省略)から提供され、このケーブルは、保護ハウジングの入口(同様に図示省略)を通ってコネクタ120に入る。ロック機構の機能および動作は、
図13A~
図13Dを参照して説明および理解されるであろう。
【0200】
コネクタ装置120は、無線周波数識別(RFID)リーダ(図示省略)を備え、このRFIDリーダは、適合コネクタの存在を検出し、ロック機構142をそのロック状態とそのロック解除状態との間で選択的に操作するように構成されている。例えば、使用時に、RFIDリーダを介して適合コネクタの存在を検知すると、アクセスコネクタ120はロック解除される。
【0201】
本発明の代替的な実施形態では、ロック機構142のための他の形態の作動機構が使用されるようにしてもよい。他のそのような作動機構の一例は、コネクタ装置120上のキーパッドであり、特定のキーコードが入力されたときに、ロックまたはロック解除するようにコネクタ120を作動させる。代替的には、ロック機構142を作動させる命令は、通信ネットワーク(例えば、インターネット)を経由して、有線接続または無線接続を介して送信することができ、通信ネットワークは、アクセスコネクタ装置120に車両を接続した電動車両オペレータとアクセスコネクタ装置120との間の通信を可能にする。
【0202】
環状スリーブ138の係合が解除されると、コネクタ120の環状ボア134内での環状スリーブ138の下方移動が可能になる。環状スリーブ138は、作動中に適合コネクタの挿入によって加えられる下向きの力を受けると、機構がロック解除されていることを条件として、下方に移動する。
【0203】
上述したように、アクセスコネクタ120は、いくつかの導電性接触要素152を備える。接触要素152は、直立部分136の外周の周りに、その頂部の近くに配置され、環状ボア134内へと外側に向いている。接触器要素152は、それらの接触面が鉛直方向を向くようにコネクタ120内に配置されている。単純化するために、2つの接触要素152だけが図示されているが、本発明の代替的な実施形態では、直立部分136の外周の周りに、より多くのまたはより少ない数の接触要素を設けることができることを理解されたい。接触器要素152は、配電網からアクセスコネクタ120に至るケーブルの電力伝送線および通信伝送線に接続される。アクセスコネクタ内の接触要素152の数と位置は、対応する適合コネクタ(図示省略)上の接触要素の数と位置に対応する。
【0204】
直立部分136は、電気を伝えない材料で形成されている。接触器要素152は、直立部分136の内部を通ってその基部から延びる導電性ピン154に接続されている。コネクタ装置120が保護ハウジング(図示省略)内に取り付けられると、それらのピン154が、以下の説明で明らかとなる方法で、ハウジングの入口を通ってコネクタ120に入るケーブル(図示省略)の電力伝送線および/または通信伝送線から電力を受け取るように接続される。
【0205】
コネクタ装置120は、環状スリーブ138とコネクタ本体120との間の流体の浸入に対してシールする上側シール156をさらに含む。
【0206】
アクセスコネクタ120の更なる特徴は、視覚状態表示装置であり、この場合、環状ボア134の周りに上面に配置された色付きLED(図示省略)の配列である。色付きLEDは、コネクタ120の状態の視覚的表示を提供する。例えば、色付きLEDは、アクセスコネクタに障害が発生し、かつ/または使用できない場合に、赤色を表示し、アクセスコネクタが使用中である(すなわち、電動車両への良好な接続が確立されている)場合に緑色を表示し、アクセスコネクタが使用可能である場合に青色を表示するようにしてもよい。
【0207】
トレース加熱リング(図示省略)は、コネクタの環状ボア134の周りに配置されている。その基部には、任意選択で、コネクタ内に浸入する水分の除去を容易にするためにドレイン(図示省略)が設けられる。圧力上昇の可能性を軽減するため、かつ/またはコネクタ120からの水分または蒸気の排出を容易にするために、この領域にベントおよび/またはバルブ(図示省略)を配置することもできる。
【0208】
次に、
図13A~
図13Dを参照して、ロック機構の動作について詳細に説明する。
図13Aは、明確にするためにコネクタ装置120の本体部分130を省略した、モータ148および歯車列149を含むコネクタ装置120の外側を示している。
図13Bおよび
図13Cは、それぞれ部分的に分解した側面図および断面図である。
【0209】
モータ148が回転すると、駆動シャフト158も回転し、これにより、第1の歯車である歯車Aの回転がもたらされる。歯車Aの回転により歯車Bが回転し、同様に、歯車Bの回転により歯車Cが回転する。最終歯車である歯車Cの回転により、ネジ部分160がコネクタ120の軸に対して(モータの回転方向に応じて)軸方向に上下に移動する。この移動により、コネクタ120のロックおよびロック解除が行われる。ネジ部分160の外側ネジは、多条ネジ、具体的には4条ネジである。安全機能として、ネジ山が噛み合うコンポーネントの形状および材料は、ネジが自動ロックするように選択される(すなわち、軸方向の荷重を加えても駆動することができない)。したがって、コネクタをロック状態とロック解除状態との間で移動させるには、上述したように、駆動されるネジ部分160にトルクを加える必要がある。
【0210】
コネクタ、特にロック機構を通る詳細な断面図が、
図13Dに示されている。ロック制御コンポーネント150の内部は、実質的にカップ形状であり、各々が異なる内径を有する2つの主要部分を備える。カップの底部162は、第1のより小さい内径を有し、頂部164は、第2のより大きい内径を有する。モータ148および歯車149の動作により、ネジ部分160(
図13Dで斜線が付される)が上下に移動すると、ロック制御コンポーネント150もそれぞれ上下に移動し、コネクタ120がロックおよびロック解除される。
【0211】
図13Dは、最下位置にあるロック制御コンポーネント150を示し、最下位置では、ロックドッグ144が、第2のより大きな内径を有するロック制御コンポーネント150の頂部164に近接している。この位置では、ロック制御コンポーネント150の内部は、ロックドッグ144に力を加えることはなく、よって、それらは、バネおよびロック制御コンポーネント150が収容されるそれぞれのハウジングスロットおよび環状空隙147内に自由に後退することができる。この位置では、コネクタはロック解除される。
【0212】
ロック制御コンポーネント150が上方に移動すると、頂部164と底部162との間の円錐状の移行部がそれぞれロックドッグ144と係合して、それらをコネクタ120の環状ボア134内に押し込み、それにより環状スリーブ138の凹部146と係合して、それを定位置にロックする。
【0213】
図14は、アクセスコネクタ130の短軸を通る概略断面図であり、ロッドまたはランス470の形態の中間コネクタモジュールとの接続が示されている。ランス470は、
図6のモジュール170および
図8のランス370と機能的に同様であり、シャフト部分471を備え、その端部479が、アクセスコネクタ120と接続するように構成される。シャフト471の端部479は、実質的に中空の円筒形部分であり、その壁は、その外面に、ロックドッグ144の位置に対応するロック凹部を備える。壁の内面は、周方向に分布する接触導電性接点473a、473bを備え、それらが、アクセスコネクタ120の電気接点152と接触するように配置されている。中央プラグ(図示省略)は、壁内に収容されるとともに、それがシャフトの端部に位置する第1の位置と、それがシャフト内に引き込まれて壁がアクセスコネクタ120の環状凹部内に延在することを可能にする第2の位置との間で移動可能である。中央プラグは、アクセスコネクタ装置の本体のスロットに対応する突起を含み、その結果、中央プラグを1つの特定の方位角方向または回転方向でしかアクセスコネクタ装置内に完全に挿入することができず、それにより、それらのそれぞれの対応する接触要素が互いに一致するようになっている。
【0214】
また、ランスは、電動車両とランスとの間で電力およびデータ/通信信号を伝送することができるケーブル472も備える。
【0215】
動作中、アクセスコネクタ装置120は最初にロックされる。すなわち、環状スリーブ138は、ロックドッグ144によって最上部位置にロックされる。これは、コネクタがアクティブに使用されていない限り、アクセスコネクタ装置120のデフォルト条件である。これに関して、歯車Bが取り付けられるシャフトには、ねじりバネ161が設けられ、このねじりバネは、ロック制御コンポーネント150がその最上部の状態にあり、かつアクセスコネクタ装置がロックされる位置に向かって歯車列を付勢する。
【0216】
アクセスコネクタ装置120が近接する適合コネクタ(図示省略)を検知すると、ロック機構は、ロック制御コンポーネント150を下方に移動させることによって環状スリーブ138をロック解除するように作動され、それにより適合コネクタが環状ボア内に挿入されて、環状ボア内で環状スリーブ138を下方に押すことを可能にする。
【0217】
ロック機構は、任意の適切な手段またはプロトコルによって適合コネクタを定位置にロックするように作動される。例えば、「タイミング」プロトコルと「近接」プロトコルの2つのプロトコルについて説明する。
【0218】
「タイミング」プロトコルの下では、アクセスコネクタ120はロック解除されて、一定時間、ロック解除されたままとなり、その後、「タイムアウト」して、再ロックされる。アクセスコネクタがロック解除されたままとなる時間は、ユーザが適合コネクタをアクセスコネクタ内に挿入するのを可能にするのに十分となるように選択される。
【0219】
設定された期間の終わりに、ロック機構は、ロックドッグ144を環状ボア134内に戻すように自動的に作動される。適合コネクタ(図示省略)は、環状スリーブ138の環状凹部146と同じ環状凹部を備え、適合コネクタがアクセスコネクタ装置120の環状ボア134内に挿入されるときに、ロックドッグ144の位置に近接して配置される。このため、設定時間が経過してロック機構がアクセスコネクタ装置120を再ロックした後、挿入された適合コネクタは、以前に環状スリーブがあった位置に同じ方法でロックされる。
【0220】
代替的には、「近接」プロトコルの下では、アクセスコネクタおよび適合コネクタは、それぞれ、適合コネクタがアクセスコネクタ内に挿入されたか否かを識別するように動作可能な近接センサを備える。アクセスコネクタは、その情報を使用して、適合コネクタの挿入が行われるまでそれ自体をロック解除状態に保持し、アクセスコネクタ内への挿入後に適合コネクタのロックを作動させる。
【0221】
適合コネクタは、解放機構を備え、この解放機構が、アクセスコネクタ装置120と通信してロック機構を作動させて適合コネクタをロック解除し、アクセスコネクタ装置120からの解放を可能にするように動作可能となっている。ただし、本発明の代替的な実施形態では、アクセスコネクタ装置120自体に何れかの形態の解放機構が設けられ、それがロック機構を作動させて、挿入された適合コネクタをロック解除するように操作されることが理解されよう。これは、例えばキーパッドの形態で設けることができる。代替的には、ロック機構を作動させる命令は、アクセスコネクタ装置120のユーザとアクセスコネクタ装置120との間の通信を可能にする通信ネットワーク(例えば、インターネット)を経由して、有線接続または無線接続を介して送信することができる。例えば、コネクタ装置120のロック機構を作動させるコマンドは、モバイルネットワーク通信プロトコルを使用してインターネットに無線で接続された携帯電話ハンドセットなど、ユーザの遠隔ユーザインターフェース(UI)デバイスを通じて送信することができる。
【0222】
図15Aおよび
図15Bは、保護ハウジング110内に設置されたアクセスコネクタ装置120を示している。ハウジング内には、ケーブル終端コンポーネント166も設けられている。配電網から入口112を通ってボックスに入るケーブル(図示省略)からのワイヤは、ケーブル終端コンポーネント166内で終端となる。アクセスコネクタ120が取り付けられると、ピン154がケーブル終端コンポーネント166の対応する開口部に入り、電力および/または通信または制御データがケーブルからコネクタ内の接触要素に伝送されるようになる。
【0223】
アクセスコネクタ装置は、ネジ付きピン(図示省略)によって保護ハウジング110に接続されている。ネジは、コネクタの軸に対して垂直に、コネクタの環状ボアを通ってハウジングの本体内に挿入されて、ネジ頭部が、それらの接触面が鉛直方向に向けられた状態で環状ボア内に配置され、環状ボアの内側からのみアクセス可能となっている。このため、ネジ頭部にアクセスするには、環状スリーブをロック解除して環状ボア内で押し下げる必要がある。上述したように、コネクタ装置120は、RFIDリーダ(図示省略)が適合コネクタの存在を検出した場合にのみロック解除し、ロック機構を動作させて環状スリーブをロック解除する。コネクタ装置120の設置、改修または修理を行うとともに、コネクタ装置の本体を保護ハウジングに挿入または保護ハウジングから取り外す必要がある権限保持者には、特別なツールが与えられ、そのツールが、ロック機構をロック解除するためにコネクタ装置120によっても認識されるRFIDチップを含む。ツールは、コネクタの環状ボア内に挿入されて、挿入しながら環状スリーブを押し下げることができる。さらに、ツールは、コネクタ内に挿入されている間に環状ボアの内壁および外壁へのアクセスを可能にし、それによりネジへのアクセスを可能にするように構成されている。このため、許可を受けた者のみが、設置および/または修理目的のためにコネクタの環状ボアへのアクセスを得ることができる。
【0224】
ここで
図16~
図18を参照して、本発明の更なる代替的な実施形態に係るアクセスコネクタシステムについて説明する。全体として500で示すシステムは、ハウジング510に取り付けられたアクセスコネクタ520と、ランス570の形態の中間コネクタモジュールとを備える。アクセスコネクタ520およびランス570は、前述した実施形態のコネクタ120およびランス470に類似しており、それらの特徴および動作は、
図10~
図15および付随する説明から理解されよう。しかしながら、システム500は、以下に説明するように、アクセスコネクタ520とランス570との間の電気的接触およびロック機能が同じグループのコンポーネントによって達成されるという点で異なる。
【0225】
図16は、接続システム500の等角断面図であり、ユーザがランスをコネクタに挿入する準備をしているときの、接続前のハウジング510内のコネクタ520およびランス570を示している。コネクタ520は、本体530の一部の上部に「T」字型ソケットを備え、ランス570の下部が、対応する「T」字型スピゴットを備える。接続を成功させるために、ユーザは、T字形スピゴットがT字形ソケットに係合するようにランスの向きを合わせる必要がある。そうしないと、接続に失敗する。なお、他の同様の方向付け機構を採用してもよいことが理解されよう。
【0226】
なお、
図16には、電力ケーブルおよびそれらのコアは図示されていないが、電力供給ケーブルおよび/または通信およびデータケーブルまたはラインは、開口部512を通ってアクセスコネクタに底部から入り、ランス570から電動車両への電力供給が、ケーブルブッシュ574によって支持されるランスハンドル567の側部から出ることに留意されたい。他の実施形態と同様に、アクセスコネクタは、外側ハウジングの上面が局所的な地面レベルと同一平面上になるように地中に設置される。
【0227】
図17および
図18に最も明確に示されるように、ランスは外壁579内に収容された中央プラグ575を有し、ランスのシャフトの端部に位置する第1の位置と、壁がアクセスコネクタ520の環状凹部内に延在することを可能にすべくシャフト内に後退される第2の位置(
図18を参照)との間で移動可能となっている。壁579の内面は、アクセスコネクタ520の電気接点552と接触するように配置される、周方向に分布する接触導電性接点573a、573bを備える。
【0228】
アクセスコネクタは、接触器ハウジング551を備え、この接触器ハウジングが、コネクタ内で軸方向を向く第1の接触器部分553と、半径方向を向くリングに配置された第2の接触器部分552とを支持している。第1の接触部分553は、上側ケーブル終端ブロック555から第2の接触器部分552まで延在し、以下で説明するように、ケーブル終端ブロック555と電気的に接触したまま、接触器ハウジングとともに軸方向に移動可能となっている。第1および第2の接触器部分は、1セットとして精密に機械加工され、それらの当接面上に45度の面取り形状がミラー化されている。
【0229】
ロック状態では、
図17に示すように、第2の接触器部分のリングが、環状プラグ538の相互プロファイル溝に係合し、第1の接触部分およびその上方位置にある接触器ハウジング551によって「半径方向外側位置(radial-out position)」に半径方向に拘束される。
【0230】
接触器ハウジングおよび第1の接触器部分の移動は、次のように制御される。先ず、バネワッシャ557(例えば、ベルビルバネワッシャ)のセットは、アクセスコネクタの組立てによって予め荷重がかけられており、よって、
図17の「上方位置」において接触器ハウジングに付勢力を与え、その位置で、第2の接触器部分552が「半径方向外側」位置に押し込まれる。駆動コンポーネントは、駆動シャフト558を介してモータ548により回転駆動される。駆動コンポーネントの上面は、螺旋傾斜を備え、この螺旋傾斜が、接触器ハウジング551の下面の逆螺旋傾斜に対応する。ブッシュ560は、駆動コンポーネント、接触器ハウジング551および第1の接触部分553の間に軸方向荷重を加える。駆動コンポーネントの回転により、上方および下方の螺旋接触傾斜の相対位置が回転し、回転方向に応じて接触器ハウジング551が上方または下方に移動する。モータ548を作動させて接触器ハウジング551を上方に移動させることにより、接触器ハウジング551は、バネワッシャ557によって上方位置に付勢されるだけでなく、ネジ係合しているコンポーネント551、560によってこの位置にロックされ、第2の接触器部分552が、「半径方向外側」位置に押し込まれてロックされる。
【0231】
反対に、駆動コンポーネント560が反対方向に回転すると、接触器ハウジング551が下方に移動し、それにより第2の接触器部分552が半径方向内側に移動することが可能となり、その結果、コネクタ520が「ロック解除状態」となる。
【0232】
安全性の特徴として、ネジ係合しているコンポーネント551、560のネジ山(図示省略)の形状および材料は、ネジ山が自動ロックする(すなわち、軸荷重を加えても駆動することができない)ように選択される。このため、コネクタ520をロック状態とロック解除状態との間で移動させるには、上述したように、モータ548を介して提供される駆動コンポーネント560にトルクを加える必要がある。
【0233】
ユーザがランス570をコネクタ520に挿入する準備をすると(
図17)、コネクタの制御システムはランス570を認証し、モータ548を作動させてコネクタ520をロック解除状態に移動させる。ロック解除状態では、接触器ハウジング551が下方に移動可能となる。しかしながら、この時点では、バネスタック557は、接触器ハウジング551を上方位置で保持し続ける。
【0234】
ランス570を挿入すると、ユーザがランス570を押すことによって加えられる軸方向力によって、バネスタック557が圧縮され、接触器ハウジング551が下方に移動する。環状プラグ538がランス570によって下方に押されると、環状プラグが、第2の接触器部分552を半径方向内側に、第1の接触器部分553との45°の接触面へと押し付け、接触器ハウジング551を下方に移動させる。第1および第2の接触器部分の間の接触面は45度に傾いているため、合わせ部分の半径方向および軸方向の移動の間にユニティ比がある(例えば、第1の接触器部分553が軸方向下方に1mm移動するごとに、第2の接触器部分552が半径方向内側に1mm移動する)。また、ランスの挿入によって、通常は環状プラグ538をその最上部の位置へと付勢するバネ540が圧縮される。
【0235】
さらに、ランス570がコネクタ520内に挿入されると、コネクタの本体530の上部が、ランスの中央プラグ575を第2の位置に移動させ、その位置で、中央プラグがシャフト内に引き込まれ、壁がアクセスコネクタ520の環状凹部内に延在することを可能にする。
【0236】
ランス570がコネクタ520内に完全に挿入されると、第2の接触器部分552は、環状プラグ538内に設けられたものに対応するランス570のプロファイル溝内へと半径方向外側に移動するように付勢される。この位置では、ランス570の導電性接点573a、573bが、アクセスコネクタ520の第2の電気接触器部分552と係合し、ランス570およびアクセスコネクタ520が、完全に係合された状態にある。
【0237】
このとき、ランス570とアクセスコネクタ520との間の電気回路、よってランスに接続された電動車両(図示省略)は、接続された状態となる。この段階で、コネクタの制御システムは、モータ548を動作させてコネクタ520をロック状態に移動させることによって、ランス570をコネクタ520内にロックするように動作する。
【0238】
したがって、本発明のこの実施形態では、第2の接触器部分552が、コネクタ520とランス570との間に必要な電気的接続を提供することと、ランス570をコネクタ520内に固定する(またはプラグ538を固定する)ロック機能を提供することの2つの機能を果たす。
【0239】
ランス570が挿入されて、ランス570とアクセスコネクタ520との間の電気回路が接続されると、コネクタ520の制御システムが、一連の電気的連続性および完全性チェックを実行する。これらのチェックの結果が満足のいくものである場合、コネクタ520は、満足のいく接続が行われたことをユーザに(LED照明またはその他の手段を介して)表示し、ランス570に結合された電動車両(図示省略)に適切な電力が供給される。
【0240】
ランス570は、上述したプロセスとは逆のプロセスでコネクタ520から取り外される。
【0241】
本発明の上記実施形態は、アクセスコネクタと車両ケーブルとの間に配置され、それらの各々に接続されかつ切り離されるように設計された中間コネクタモジュールを使用する。これは、便利かつ有効な接続手段を提供し、アクセスコネクタおよび永久的または半永久的に設置された接続インフラストラクチャの簡素化に関連する様々な利点を有する。しかしながら、本発明の態様の原理は、そのような中間モジュールを使用するシステムに限定されないことを理解されたい。例えば、アクセスコネクタ用の対応するコネクタは、分離可能なコンポーネントではなく、車両接続ケーブルに統合されるものであってもよい。代替的または追加的には、中間コネクタモジュールの機能は、任意選択的には車両自体の接続サブシステムの一部を形成するケーブルを介して、電動車両と統合することができる。
【0242】
これに関して、
図19は、本発明の代替的な実施形態に係る電動車両ケーブルコネクタの側面図である。全体として162で示すコネクタは、ランス370の下端部と同様の本体を備え、アクセスコネクタ220に接続されてアクセスコネクタと係合するように設計されている。コネクタ162は、延長シャフトを含まず、その代わりに、ほぼ地面レベルでアクセスコネクタに接続され、ケーブルが上端部から車両コネクタに繋がるという点で異なる。この実施形態では、ケーブルが、分離可能に接続されるのではなく、コネクタと一体化されている。
【0243】
制御および配電モジュールと、制御および配電モジュールに接続され、制御および配電モジュールにより制御される複数のアクセスコネクタとの使用によって、様々な要因のうちの少なくとも1つに応じて、充電プロセスの効果的な制御および管理が容易になる。そのような要因には、電動車両ユーザの識別およびユーザの好みまたはアカウントステータス、電動車両の充電状態、モジュールの周辺地域における全体的な負荷要件、または電力リソース利用可能性が含まれるが、それらに限定されるものではない。
【0244】
前述したように、本発明の好ましい実施形態は、複数の制御および配電モジュールを有し、各モジュールが、特定の場所でそれぞれの複数のアクセスコネクタの処理を担う。複数の制御および配電モジュールは、同じ遠隔データ処理および制御センタと通信することができる(実際、単一の遠隔データ処理および制御センタが、多数の制御および配電モジュールと通信することができる)。
【0245】
制御および配電モジュールは、アクティブなアクセスコネクタのうちの1つ、一部、またはすべてから、どの時点においても、そのモジュールから引き出されている負荷を監視することができる電流および負荷検知能力を有する。取得したデータは、ローカルに(すなわち、制御および配電モジュールにおいて)処理されるようにしてもよく、かつ/または制御および配電モジュールが、取得したデータをデータ処理および制御センタに送信して処理されるようにしてもよい。このため、制御および配電モジュールに利用可能な電力リソースと需要(瞬時および/または予測)は、そのアクセスコネクタに接続された個々の電動車両に電力をどのように伝送するのかを決定する際に、考慮に入れることができる。他の要因も考慮することができ、それには、ユーザの身元または他のユーザの属性、例えば、1または複数の電力供給者とのアカウントまたは加入状況、事前設定または要求されたユーザの好み、またはそれら2つの組合せが含まれる。
【0246】
これに関して、制御および配電モジュールが、上記実施形態のように、配電電圧レベルで電気ネットワークに接続されると有益である。制御および配電ネットワークの各々は、グリッドから(例えば、415Vで)3相電力を受け取り、本明細書に記載の要因に応じて、3相電力または単相電力を各アクセスコネクタに伝送することができる。
【0247】
図20には、充電管理方法の一例が示されている。全体として100で示す方法は、ユーザの識別(ステップ101)から始まり、これは、方法90と同様に、ユーザの遠隔UIデバイスを介して、例えば、遠隔データ処理および制御センタ40、中間コネクタモジュールとのモバイルデータ通信リンクによって、車両の識別コードから、または他の手段によって行われるものであってもよい。ユーザがシステムに識別されると、データベース(リモートでホストされるものであってもよい)に問い合わせて、ユーザのアカウントステータスおよび/または加入ステータス、任意の事前設定されたユーザ設定、例えば、車両タイプ、好ましい充電要件、請求設定、連絡方法、適用可能な場合は優先電力供給業者のうちの少なくとも1つが判定される(ステップ102)。
【0248】
また、ユーザは、例えば、自身の遠隔UIデバイスを介して、または任意選択的にはアクセスコネクタに結合されたコネクタモジュールを介して充電パラメータを選択または設定する機会も有する(ステップ103)。これにより、ユーザは、特定の充電プロセスに対する要件を設定することが可能になり、所定の設定またはデフォルト設定を無効にすることができる。設定は、例えば、供給業者または料金請求方式の選択、必要な充電の「優先」ステータスの設定、車両が現在の場所でシステムに接続される時間の表示、または必要な終了充電状態を含むことができる。「優先」ステータスは、例えば供給業者への追加料金またはより高い料金の支払いと引き換えに、他のユーザの充電よりもユーザの車両の充電を優先するものであってもよい。ユーザは、自身のリモートUIデバイス60を使用してこれらの様々な選択肢の何れかを選択し、その後、データ処理および制御センタ40に通知し、データ処理および制御センタは、関連するコネクタへの電力の伝送を制御する。
【0249】
特定のアクセスコネクタへの電力の伝送は、制御および配電モジュールに利用可能な全体的なリソース、およびそのアクセスコネクタの他からの現在または予測される負荷需要に照らして制御され得る(ステップ104)。例えば、制御および配電モジュールは、電気ネットワークから常に特定の量の負荷を引き出すことしかできず、システムに接続されている、またはシステムに接続されると予測される多くの車両が存在し得る。様々な車両は、利用可能なリソースに対して競合しており、様々な車両への伝送は、リソース並びに個々のユーザの設定および好みに応じて管理することができる。
【0250】
特定のユーザの充電パラメータは、リソース/需要情報およびユーザの要件に応じて設定される(ステップ105)。これには、例えば、3相電力または単相電力がアクセスコネクタに伝送されるか否かを選択することが含まれる。
【0251】
定期的に、システムは、ユーザの好みと利用可能なリソースおよび需要の両方についてチェックを実行する(ステップ106)。状況が変化する場合、例えば、追加の車両が制御および配電モジュールのアクセスコネクタに接続した場合、またはユーザがステータスをより低い優先度に変更した場合、充電パラメータは、例えば、3相電力から単相電力に切り替えることによって、変更または再設定することができる。反対に、車両がアクセスコネクタから切り離されているか、またはもはや負荷を引き込んでいない(例えば、完全に充電された状態に達している)場合、またはユーザがステータスをより高い優先度の充電要求に変更した場合、充電パラメータは、(例えば、単相電力から3相電力へ切り替えることによって)ユーザの車両によって引き込まれる負荷を増加させるように変更または再設定することができる。ローカル処理(制御および配電モジュール内)またはリモート処理(リモート処理および制御センタ内)は、所与の制御および配電モジュールのアクセスコネクタのすべての現在のユーザに対して正しい充電パラメータを決定することができる。これは、ユーザステータス、車両充電ステータスおよび利用可能なリソースと需要の組合せに基づいて意志決定テーブルまたはソフトウェアアルゴリズムを参照して自動的に実行され、ユーザには充電ステータスの変更が知らされるようにしてもよい。代替的または追加的には、ユーザは、遠隔UIデバイスを介して充電ステータスの変更について通知を受けることができ、その設定を更新することによって、その変更に影響を及ぼす機会が提供されるようにしてもよい。例えば、ユーザは、そのステータスをより高い優先度で、潜在的により費用のかかる充電料金方式にアップグレードすることを選択することで、より遅い充電プログラムに移行するのを防ぐことができる。
【0252】
したがって、これらの方法は、電動車両のための様々なアクセスコネクタ(よって充電ポイント)への電力の分配を管理する動的方法を提供する。システムは、様々な方法で電力を分配することができる。上述したように、特定のアクセスコネクタは、3相電力と単相電力との間で切り替えることができる。システムが電力を分配できる別の方法は、各アクセスコネクタに供給される電力の順次循環を開始することである。別の代替例は、一定の割合まで充電された電動車両に接続されたアクセスコネクタに対する電力の伝送をすべて停止することである。当然のことながら、システムは、アクセスコネクタによって引き込まれる負荷を低減するために、他の任意の適切な代替的な方法を使用することができる。
【0253】
同様の手法を使用して、複数の制御および配電モジュールにわたる電気ネットワーク上の需要を管理することができる。時刻や、電気ネットワーク上の現在の需要などのいくつかの要因に応じて、特定の変電所または制御および配電モジュールの特定のサブセットに利用可能な電力リソースを増減させることができる。リソースおよび需要の変化に関連するリアルタイム情報は、制御および配電モジュールに伝達されるようにしてもよく、電動車両への伝送は、それに応じて変更されて需要が適切に管理されるようにしてもよい。車両およびユーザの特性は、ローカルレベルで分配される電力の割り当てを決定するために、かつ/または複数の制御および配電モジュールにわたって利用可能なリソースを設定管理するために、使用することができる。
【0254】
通常、車両の充電パラメータに対してシステムが行った変更は、該当するアクセスコネクタ/ユーザに関連する遠隔UIデバイスに警告または通知を送ることによってユーザに伝えられる。
【0255】
本発明の有利な実施形態では、ユーザが、携帯用UIデバイス上で実行される専用のユーザソフトウェアクライアントアプリケーションを介してシステムと対話する。ソフトウェアアプリケーションは、インターネットまたはモバイル通信プロトコルを介して、遠隔位置のハードウェア、例えば遠隔処理および制御センタでホストされるソフトウェアと対話する。登録されたユーザは、ソフトウェアアプリケーションを介して、ユーザアカウントまたはサブスクリプションを(例えば)管理し、設定および好みを変更し、充電活動または履歴に関連する情報を閲覧し、支払いおよび請求オプションに関連する情報を閲覧および更新することができる。特に、ユーザは、進行中の充電動作のステータスを閲覧し、変化する要件に従って、またはシステムによって実施または提案されるステータスの変更に応答して、その動作を制御することができる。
【0256】
いくつかの異なる請求オプションを、本発明の実施形態に従って実行することができる。ユーザは、制御および配電モジュール30に含まれる計測モジュールと連動して動作する遠隔UIデバイス60上のソフトウェアを介して、自身の使用について課金されるものであってもよい。ユーザは、自身の遠隔UIデバイスを使用して、システムにリンクされている関連アカウントに入金するためにお金をプリロードするようにしてもよい。ユーザは、必要に応じて、様々な充電料金方式および供給業者の間で選択することもできる。代替的な支払いの取り決めでは、社用車およびその会社を有するユーザは、その従業員が充電のために直接支払う必要がないように、電気供給業者に口座を開設するように取り決められる。本発明の実施態様は、ユーザの車両への電力の伝送を可能にする前に、請求アカウントのステータスチェックを実行することができる。
【0257】
本発明の上記実施形態は、充電動作における接続システムの使用に関する。しかしながら、制御および配電モジュールの使用によって促進にされるシステムの代替的な使用は、電動車両内の蓄電デバイスから電気ネットワーク、および/またはローカルまたはリモートの電動車両内の他の蓄電デバイスへの電力の伝送である。そのような実施形態は、(金銭的または「クレジットのチャージ」の条件で)ユーザの収益を生み出すものであり、そのアクセスコネクタに需要をサービスする制御および配電モジュールによるローカルレベルでのリソースおよび需要の管理の一部であり、または複数の制御および配電モジュールに利用可能なリソースのより一般的な管理の一部であり得る。
【0258】
ここで
図21を参照すると、電動車両から電気ネットワークに電力を伝送するためのシステムのブロック図が示されている。このシステムは、
図1のシステムと機能的に類似しており、車両80の接続のために(この場合は中間コネクタモジュール70を介して)複数のアクセスコネクタ(1つが20で示される)に接続された制御および配電モジュール30を備える。制御および配電モジュール30は、変電所50に接続され、この場合は無線通信リンクを介して、遠隔処理および制御センタ40と通信する。
【0259】
さらに、システム10は、データ処理および制御センタ40によって、無線通信接続を介して遠隔UIデバイス60にリンクされる。遠隔UIデバイスは、スマートフォンまたはタブレットなどの任意のモバイルデバイスとすることができ、よってソフトウェアは、モバイルアプリケーションの形式にすることができる。
【0260】
電動車両の充電状態は、制御および配電モジュール30によって監視され、ユーザの設定および好みに応じて、車両の蓄電手段に蓄えられた電荷は、例えば、他の車両を充電するために制御および配電モジュール30に利用できるリソースを増加させるために、制御および配電モジュール30またはそれが接続される電気ネットワークから引き出される全体的な負荷を動的に管理するために、または電力をグリッドに送り戻すために、システムにアクセス可能となるようにしてもよい。インバータおよび他の関連する制御装置を制御および配電モジュールに組み込んで、車両から電気ネットワークへの電力の伝送を容易にすることができる。電動車両へのシステムのアクセスは、ユーザがその遠隔UIデバイス60を介して管理することができる。
【0261】
上述したように、アクセスコネクタおよび永久的または半永久的に設置される接続インフラストラクチャの簡素化に関連する様々な利点がある。また、以下に述べるように、アクセスコネクタの設置および展開に関連する利点も存在する。
【0262】
多数の従来の充電ステーションの設置は、特にアクセスコネクタの使用に対する十分な需要を特定する前にインフラストラクチャの投資を通常必要とするため、比較的費用がかかり、混乱を生じさせる。これは、継続中の問題である。インフラストラクチャ投資を実現可能にするためには、必要な数の電動車両が特定の地域で使用される必要があり、利用可能なインフラストラクチャが不足すると、電動車両の販売が妨げられる。制御および配電モジュールの配置により、接続設備の将来の必要性が確認された場所、または将来増加することが予想される接続設備の現在の需要がある場所でのアクセスコネクタの段階的な設置が容易になる。
【0263】
この例では、アクセスコネクタの一部はすぐに使用できるようになっており、一部は、将来のある日まで、使用することを意図していない。第1の設置段階では、制御および配電モジュールが設置され、電力ケーブルを介してローカル変電所に接続され、よってモジュールとグリッドとの間の接続が確立される。また、第1の段階では、アクセスコネクタの位置が選択され、それに応じて掘削される。また、各アクセスコネクタと制御および配電モジュールとの間の提案経路(すなわち、各ケーブルの位置)も掘削されて、各ケーブルを敷設できるようになる。
【0264】
すぐに使用できるようにアクセスコネクタが提供される場所では、アクセスコネクタが設置され、それぞれのアクセスコネクタにおけるケーブルの終端によってそれぞれのケーブルに接続される。各ケーブルは、制御および配電モジュールのそれぞれの個別のケーブル接続ポイントにも接続され、よって使用することが可能である。
【0265】
アクセスコネクタが現在使用を意図されていない場所、例えばケーブルの経路に沿ったインターバルでは、「空の」または「ダミー」ユニットがアクセスポートの形態で設置される。これらのアクセスポートには、ケーブルが付属しているが、終端されないままであり、よって、ケーブルに接続されていない。同様に、制御および配電モジュールでは、未使用のケーブルが、それぞれのケーブル接続ポイントまで接続されていない。各ケーブルの端部は(例えば、エンドカバー、テープまたは任意の好適な代替物によって)保護され、防水されている。このため、制御モジュールからダミーの各アクセスコネクタに繋がる各ケーブルは、両端が切り離されている。
【0266】
アクセスポートは、防水性、耐久性および非導電性の材料から製造されるが、フルアクセスコネクタの設置よりもコストが非常に低い。さらに、ケーブルの経路に沿って追加のアクセスポートを設けても、設置するアクセスポイントの設置コストは殆ど増えない。このアプローチは、実際のアクセスコネクタまたはアクセスポートが単一のステップで設置されるかどうかに関係なく、すべてのケーブル、および沿道および/または歩道のインフラストラクチャを、それらの周りに再設置することができるという利点がある。
【0267】
設置の第2の段階では、より多くのアクセスコネクタをオンラインにするという決定がなされた場合に、アクセスポートのうちの1または複数が、予め設定された位置のアクセスコネクタと置き換えられる。各アクセスコネクタは、予め用意されたアクセスポート内に設置され、その下のそれぞれのケーブルに接続される。該当する各ケーブルは、制御および配電モジュールの端部において、制御および配電モジュールのそのそれぞれの別個のケーブル接続ポイントに接続される。このため、第2の段階は、(第1の設置段階において実行された)沿道インフラストラクチャを実質的に中断することなく、迅速、効率的かつ低コストで実行することができる。必要に応じて、第3の段階または更なる段階で、より多くのアクセスコネクタをシステムに追加することができる。アクセスコネクタ設置にこの段階的なアクセスアプローチを実行することにより、初期投資を削減でき、需要の増加に応じて更なる投資を管理することができる。
【0268】
本発明は、電気ネットワークにアクセスするためのアクセスコネクタ、またはそのようなコネクタのシステム、並びに、使用方法を提供する。アクセスコネクタは、沿道インフラストラクチャの外面と実質的に面一となるように沿道インフラストラクチャ内に取り付けられるように構成され、アクセスコネクタが、電動車両コネクタのための機械的および電気的接続ポイントを提供する。
【0269】
上記実施形態に対する様々な変更が、本発明の範囲内で行われてもよく、本発明は、ここに明示的に請求される特徴以外の特徴の組合せにまで及ぶものとする。