(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-17
(45)【発行日】2023-05-25
(54)【発明の名称】半導体素子および半導体素子パッケージ
(51)【国際特許分類】
H01L 33/30 20100101AFI20230518BHJP
【FI】
H01L33/30
(21)【出願番号】P 2022010291
(22)【出願日】2022-01-26
(62)【分割の表示】P 2018567743の分割
【原出願日】2017-06-23
【審査請求日】2022-01-26
(31)【優先権主張番号】10-2016-0079489
(32)【優先日】2016-06-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2016-0112146
(32)【優先日】2016-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521268118
【氏名又は名称】スージョウ レキン セミコンダクター カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100166729
【氏名又は名称】武田 幸子
(72)【発明者】
【氏名】チェ,ラクチュン
(72)【発明者】
【氏名】キム,ビョンチョ
(72)【発明者】
【氏名】オ,ヒョンチ
(72)【発明者】
【氏名】ホン,ジョンヨプ
【審査官】村井 友和
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-080925(JP,A)
【文献】特開2013-046071(JP,A)
【文献】特開2000-294884(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2014-0090801(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/00-33/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1導電型半導体層、
第2導電型半導体層、
前記第1導電型半導体層と前記第2導電型半導体層間に配置される活性層、および
前記第1導電型半導体層と前記活性層間、または前記第1導電型半導体層の内部に配置される中間層を含む発光構造物を含み、
前記第1導電型半導体層、前記中間層、前記活性層、および前記第2導電型半導体層はアルミニウムを含み、
前記中間層は、第1中間層と第2中間層を含み、
前記第1中間層は、前記第1導電型半導体層よりアルミニウム組成が低く、前記第2中間層は前記第1中間層よりアルミニウム組成が高
く、
前記第1中間層と前記第2中間層は交互に複数回積層され、
前記第1中間層の厚さは前記第2中間層の厚さより厚い、半導体素子。
【請求項2】
前記第1中間層のアルミニウム組成は30%~60%であり、
前記第2中間層のアルミニウム組成は60%~100%である、請求項
1に記載の半導体素子。
【請求項3】
前記第1導電型半導体層は、第1-1導電型半導体層および第1-2導電型半導体層を含み、
前記中間層は、前記第1-1導電型半導体層と前記第1-2導電型半導体層間に配置される、請求項1に記載の半導体素子。
【請求項4】
前記第1-2導電型半導体層は前記第1-1導電型半導体層より前記活性層に近く配置され、
前記第1-2導電型半導体層のアルミニウム組成は前記第1-1導電型半導体層のアルミニウム組成より低い、請求項
3に記載の半導体素子。
【請求項5】
前記第1-1導電型半導体層の厚さは、前記第1-2導電型半導体層の厚さより大きい、請求項
3又は
4に記載の半導体素子。
【請求項6】
胴体および
前記胴体に配置される半導体素子を含み、
前記半導体素子は、
第1導電型半導体層、
第2導電型半導体層、
前記第1導電型半導体層と前記第2導電型半導体層間に配置される活性層、および
前記第1導電型半導体層と前記活性層間、または前記第1導電型半導体層の内部に配置される中間層を含む発光構造物を含み、
前記第1導電型半導体層、前記中間層、前記活性層、および前記第2導電型半導体層はアルミニウムを含み、
前記中間層は、第1中間層と第2中間層を含み、
前記第1中間層は、前記第1導電型半導体層よりアルミニウム組成が低く、前記第2中間層は前記第1中間層よりアルミニウム組成が高
く、
前記第1中間層と前記第2中間層は交互に複数回積層され、
前記第1中間層の厚さは前記第2中間層の厚さより厚い、半導体素子パッケージ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
実施例は半導体素子、およびこれを含む半導体素子パッケージに関するものである。
【背景技術】
【0002】
GaN、AlGaNなどの化合物を含む発光素子は、広くて調整が容易なバンドギャップエネルギーを有するなどの多くの長所を有しているため、発光素子、受光素子および各種ダイオードなどに多様に使用され得る。
【0003】
特に、半導体の3-5族または2-6族化合物半導体物質を利用した発光ダイオード(Light Emitting Diode)やレーザーダイオード(Laser Diode)のような発光素子は、薄膜成長技術および素子材料の開発により赤色、緑色、青色および紫外線などの多様な色を具現することができ、蛍光物質を利用したり色を組み合わせることによって効率のよい白色光線の具現も可能であり、蛍光灯、白熱灯などの既存の光源と比べて低消費電力、半永久的な寿命、迅速な応答速度、安全性、環境親和性の長所を有する。
【0004】
それだけでなく、光検出器や太陽電池のような受光素子も半導体の3-5族または2-6族化合物半導体物質を利用して製作する場合、素子材料の開発により多様な波長領域の光を吸収して光電流を生成することによって、ガンマ線からラジオ波長領域までの多様な波長領域の光を利用することができる。また迅速な応答速度、安全性、環境親和性および素子材料の容易な調節の長所を有しているため、電力制御または超高周波回路や通信用モジュールにも容易に利用することができる。
【0005】
したがって、発光素子は、光通信手段の送信モジュール、LCD(Liquid Crystal Display)表示装置のバックライトを構成する冷陰極管(CCFL:Cold Cathode Fluorescence Lamp)を代替できる発光ダイオードバックライト、蛍光灯や白熱電球を代替できる白色発光ダイオード照明装置、自動車ヘッドライトおよび信号灯およびGasや火災を感知するセンサなどにまで応用が拡大している。また、半導体素子は高周波応用回路やその他電力制御装置、通信用モジュールにまでその応用が拡大され得る。
【0006】
特に、紫外線波長領域の光を放出する発光素子は硬化作用や殺菌作用をするため、硬化用、医療用、および殺菌用として使用され得る。
【0007】
最近紫外線発光素子に対する研究が活発であるが、まだ紫外線発光素子は垂直型に実現し難い問題があり、基板を分離する過程で結晶性が低下する問題がある。
【0008】
一般的な半導体素子はそれぞれの半導体層間の格子の不一致および熱膨張係数の差によって半導体層にストレイン(strain)が変化され得る。前記ストレインの変化は、半導体層内に転位(dislocation)や欠陥(defect)を引き起こし得る。前記転位または欠陥はVピットやクラック(crack)発生の原因となり得、Vピットやクラックは漏洩電流を発生させる問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
実施例は垂直型紫外線半導体素子を提供する。
【0010】
また、結晶性が優秀な半導体素子を提供する。
【0011】
また、光出力が向上した半導体素子を提供する。
【0012】
実施例はpドーパントの後方拡散(back diffusion)を改善して光抽出効率を向上させる半導体素子を提供することができる。
【0013】
実施例で解決しようとする課題はこれに限定されず、下記で説明する課題の解決手段や実施形態から把握され得る目的や効果も含まれる。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の一実施例に係る半導体素子は、第1導電型半導体層、第2導電型半導体層、前記第1導電型半導体層と第2導電型半導体層間に配置される活性層、および前記第1導電型半導体層と前記活性層間、または前記第1導電型半導体層の内部に配置される中間層を含む発光構造物を含み、前記第1導電型半導体層、中間層、活性層、および第2導電型半導体層はアルミニウムを含み、前記中間層は前記第1導電型半導体層よりアルミニウム組成が低い第1中間層を含む。
【0015】
前記中間層は前記第1中間層、および前記第1中間層よりアルミニウム濃度が高い第2中間層を含むことができる。
【0016】
前記第2中間層のアルミニウム組成は前記第1導電型半導体層のアルミニウム組成より高くてもよい。
【0017】
前記第1中間層と第2中間層は交互に複数個積層され得る。
【0018】
前記第1中間層の厚さは前記第2中間層の厚さより厚くてもよい。
【0019】
前記第1中間層と第2中間層の厚さ比は2:1~6:1であり得る。
【0020】
前記中間層の全体の厚さは50nmより大きく1000nmより小さくてもよい。
【0021】
前記第1中間層のアルミニウム組成は30%~60%であり得る。
【0022】
前記第2中間層のアルミニウム組成は60%~100%であり得る。
【0023】
前記第1導電型半導体層は第1-1導電型半導体層、および第1-2導電型半導体層を含み、前記中間層は第1-1導電型半導体層、および第1-2導電型半導体層間に配置され得る。
【0024】
前記第1-2導電型半導体層は前記第1-1導電型半導体層より前記活性層に近くてもよい。
【0025】
前記第1-2導電型半導体層のアルミニウム組成は前記第1-1導電型半導体層のアルミニウム組成より低くてもよい。
【0026】
前記第1-1導電型半導体層の厚さは前記第1-2導電型半導体層の厚さより厚くてもよい。
【0027】
前記発光構造物は、前記第2導電型半導体層と活性層を貫通して前記第1-2導電型半導体層の一部の領域まで配置される複数個のリセスを含むことができる。
【0028】
前記複数個のリセスの内部に配置されて前記第1-2導電型半導体層と電気的に連結される連結電極を含む第1導電層を含むことができる。
【0029】
前記中間層は前記第1導電型半導体層と活性層間に配置され得る。
【0030】
前記発光構造物は、前記第2導電型半導体層、活性層、および中間層を貫通して前記第1導電型半導体層の一部の領域まで配置される複数個のリセスを含むことができる。
【0031】
前記複数個のリセスの内部に配置されて前記第1導電型半導体層と電気的に連結される連結電極を含む第1導電層を含むことができる。
【0032】
本発明の一実施例に係る半導体素子パッケージは、胴体;および前記胴体に配置される半導体素子を含み、前記半導体素子は、第1導電型半導体層、第2導電型半導体層、前記第1導電型半導体層と第2導電型半導体層間に配置される活性層、および前記第1導電型半導体層と前記活性層間、または前記第1導電型半導体層の内部に配置される中間層を含む発光構造物を含み、前記第1導電型半導体層、中間層、活性層、および第2導電型半導体層はアルミニウムを含み、前記中間層は前記第1導電型半導体層よりアルミニウム組成が低い第1中間層を含むことができる。
【0033】
本発明の一実施例に係る半導体素子製造方法は、基板上に光吸収層と前記請求項1に係る発光構造物を順次形成する段階;および前記基板にレーザーを照射して前記光吸収層と前記第1導電型半導体層を分離する段階を含み、前記分離する段階で、前記光吸収層と前記中間層は前記レーザーを吸収することができる。
【発明の効果】
【0034】
実施例によると垂直型紫外線発光素子を製造することができる。
【0035】
また、紫外線発光素子の結晶性を向上させることができる。
【0036】
また、光出力を向上させることができる。
【0037】
また、転位の伝播を改善することによって、最終半導体層のTDD(Threading dislocation Density)を減らして発光効率を改善することができる。
【0038】
また、第2導電型半導体層、EBLの第2導電型ドーパントのドーピング濃度を一定に維持することによって、EBLから活性層へのpドーパントの後方拡散(back diffusion)を改善して光抽出効率を向上させることができる。
【0039】
また、転位や欠陥を改善して漏洩電流による電気的特性の低下を改善することができる。
【0040】
また、転位や欠陥を改善して紫外線発光素子のfully TE偏光を実現することができる。
【0041】
本発明の多様かつ有益な長所と効果は前述した内容に限定されず、本発明の具体的な実施形態を説明する過程においてより容易に理解できるはずである。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【
図1】本発明の一実施例に係る発光構造物の概念図。
【
図2】本発明の他の実施例に係る発光構造物の概念図。
【
図3】本発明の一実施例に係る半導体素子の概念図。
【
図4】本発明の他の実施例に係る半導体素子の概念図。
【
図5a】本発明のさらに他の実施例に係る半導体素子の概念図。
【
図6a】本発明の実施例に係る半導体素子の平面図。
【
図6b】本発明の実施例に係る半導体素子の平面図。
【
図7】光吸収層、および中間層が形成された発光構造物の概念図。
【
図10】基板を分離する過程を説明するための図面。
【
図11】発光構造物を食刻する過程を説明するための図面。
【
図13】本発明の一実施例に係る半導体素子パッケージの概念図。
【
図15】
図1のA領域を図示した半導体素子の断面図。
【
図16】第2-2導電型半導体層および第2-3導電型半導体層のドーパント濃度をSIMS(Secondary-ion mass spectroscopy)で分析した図面。
【
図17】比較例と実施例のRSM DATAを比較したグラフ。
【
図18】比較例と実施例のRSM DATAを比較したグラフ。
【
図19】実施例の第2-3導電型半導体層の表面を図示した図面。
【
図20】実施例の半導体素子の製造方法を図示した断面図。
【
図21】実施例の半導体素子の製造方法を図示した断面図。
【
図22】実施例の半導体素子の製造方法を図示した断面図。
【
図23】実施例の半導体素子の製造方法を図示した断面図。
【
図24】実施例に係る発光素子パッケージを図示した断面図。
【発明を実施するための形態】
【0043】
本実施例は他の形態に変形または多様な実施例を互いに組み合わせることができ、本発明の範囲は以下で説明されるそれぞれの実施例に限定されるものではない。
【0044】
特定の実施例で説明された事項が他の実施例で説明されておらずとも、他の実施例でその事項と反対または矛盾する説明がない限り、他の実施例に関連した説明と理解され得る。
【0045】
例えば、特定の実施例で構成Aに対する特徴を説明し、他の実施例で構成Bに対する特徴を説明したとすれば、構成Aと構成Bが結合された実施例が明示的に記載されていなくても反対または矛盾する説明がない限り、本発明の技術的範囲に属するものと理解されるべきである。
【0046】
実施例の説明において、いずれか一つのelementが他のelementの「上(うえ)または下(した)(on or under)」に形成されるものと記載される場合において、上(うえ)または下(した)(on or under)は二つのelementが互いに直接(directly)接触するか一つ以上の他のelementが前記両elementの間に配置されて(indirectly)形成されるものをすべて含む。また「上(うえ)または下(した)(on or under)」と表現される場合、一つのelementを基準として上側方向だけでなく下側方向の意味も含むことができる。
【0047】
以下では添付した図面を参照して本発明の実施例について本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳細に説明する。
【0048】
本発明の実施例に係る発光構造物は紫外線波長帯の光を出力することができる。例示的に発光構造物は近紫外線波長帯の光UV-Aを出力することもでき、遠紫外線波長帯の光UV-Bを出力することもでき、深紫外線波長帯の光UV-Cを出力することもできる。波長範囲は発光構造物120のAlの組成比によって決定され得る。
【0049】
例示的に、近紫外線波長帯の光UV-Aは320nm~420nm範囲の波長を有することができ、遠紫外線波長帯の光UV-Bは280nm~320nm範囲の波長を有することができ、深紫外線波長帯の光UV-Cは100nm~280nm範囲の波長を有することができる。
【0050】
図1は、本発明の一実施例に係る発光構造物の概念図である。
【0051】
実施例に係る発光構造物120Aは、第1導電型半導体層124、第2導電型半導体層127、活性層126、および第1導電型半導体層124と活性層126の間に配置される中間層125を含む。
【0052】
第1導電型半導体層124、中間層125、活性層126、および第2導電型半導体層127はアルミニウムを含む。アルミニウムの組成は所望の紫外線波長帯に従って調節され得る。
【0053】
第1導電型半導体層124はIII-V族、II-VI族などの化合物半導体で具現され得、第1ドーパントがドーピングされ得る。第1導電型半導体層124は、Inx1Aly1Ga1-x1-y1N(0≦x1≦1、0≦y1≦1、0≦x1+y1≦1)の組成式を有する半導体材料、例えばGaN、AlGaN、InGaN、InAlGaNなどで選択され得る。そして、第1ドーパントはSi、Ge、Sn、Se、Teのようなn型ドーパントであり得る。第1ドーパントがn型ドーパントである場合、第1ドーパントがドーピングされた第1導電型半導体層124はn型半導体層であり得る。
【0054】
活性層126は第1導電型半導体層124と第2導電型半導体層127の間に配置される。活性層126は第1導電型半導体層124を通じて注入される電子(または正孔)と第2導電型半導体層127を通じて注入される正孔(または電子)が会う層である。活性層126は電子と正孔が再結合するにつれて低いエネルギー準位に遷移し、紫外線波長を有する光を生成することができる。
【0055】
活性層126は単一井戸構造、多重井戸構造、単一量子井戸構造、多重量子井戸(Multi Quantum Well;MQW)構造、量子ドット構造または量子細線構造のうちいずれか一つの構造を有することができ、活性層126の構造はこれに限定されない。
【0056】
中間層125は第1導電型半導体層124と活性層126の間に配置され得る。中間層125は第1導電型半導体層124よりアルミニウム組成が低い第1中間層125aおよび第1導電型半導体層124よりアルミニウム組成が高い第2中間層125bを含む。第1中間層125aと第2中間層125bは交互に複数個が配置され得る。
【0057】
第1中間層125aのアルミニウム組成は第1導電型半導体層124のアルミニウム組成より低くてもよい。第1中間層125aはLLO工程時に発光構造物120に照射されるレーザーを吸収して活性層126の損傷を防止する役割を遂行することができる。したがって、実施例に係る半導体素子は活性層の損傷が減少して光出力および電気的特性と信頼性が向上し得る。
【0058】
第1中間層125aの厚さとアルミニウム組成は、LLO工程時に発光構造物120に照射されるレーザーの波長を有するレーザーを吸収するために適切に調節され得る。第1中間層125aのアルミニウム組成は30%~60%であり、厚さは1nm~10nmであり得る。例示的に第1中間層125aはAlGaNであり得るが必ずしもこれに限定されない。
【0059】
第2中間層125bのアルミニウム組成は、第1導電型半導体層124のアルミニウム組成より高くてもよい。第2中間層125bは第1中間層125aにより低くなったアルミニウム組成を高めることによって、中間層125の下部で伝達される格子欠陥の進行方向がその第1中間層125aと第2中間層125bの界面で変わり得る。複数の格子欠陥が界面で互いに併合されることによって、中間層125の上部に進行する格子欠陥が低減され得る。したがって、中間層125上に成長するエピタキシャル層の格子欠陥を減らし結晶性が向上し得る。また、第1導電型半導体層124とAl含有量が異なることによる屈折率の差によって光抽出効率を向上させることができる。
【0060】
例示的に第2中間層125bのアルミニウム組成は60%~100%であり、厚さは0.1nm~2.0nmであり得る。第2中間層125bはAlGaNまたはAlNであり得るが必ずしもこれに限定されない。
【0061】
例示的に246nmの波長のレーザーを吸収するために、第1中間層125aの厚さは第2中間層125bの厚さより厚くてもよい。第1中間層125aの厚さは1.0nm~10.0nmであり得、第2中間層125bの厚さは0.5nm~2.0nmであり得る。
【0062】
第1中間層125aと第2中間層125bの厚さ比(第1中間層:第2中間層)は2:1~6:1であり得る。厚さ比が2:1より大きいとレーザーを十分に吸収できる第1中間層厚を確保することができ、厚さ比を6:1より小さくする場合、第2中間層の厚さを確保して全体の中間層のアルミニウム組成を調節することができる。
【0063】
もし、厚さ比が2:1より小さい場合、第1中間層125aが薄くなってレーザーを十分に吸収することが難しく、厚さ比が6:1より大きい場合、第2中間層125bが過度に薄くなって全体の中間層のアルミニウム組成が低くなる問題がある。
【0064】
中間層125の全体の厚さは50nmより大きく1000nmより小さくてもよい。この範囲を満足する場合、レーザーを十分に吸収しながらも結晶性を維持することができる。厚さが50nmより小さい場合、第1中間層125aの厚さが薄くなって246nmレーザーを十分に吸収し難い問題があり、厚さが1000nmより大きくなる場合、中間層のアルミニウム組成が低くなって結晶性が悪化する問題がある。
【0065】
第2導電型半導体層127は活性層126上に形成され、III-V族、II-VI族などの化合物半導体で具現され得、第2導電型半導体層127に第2ドーパントがドーピングされ得る。第2導電型半導体層127は、Inx5Aly2Ga1-x5-y2N(0≦x5≦1、0≦y2≦1、0≦x5+y2≦1)の組成式を有する半導体物質またはAlInN、AlGaAs、GaP、GaAs、GaAsP、AlGaInPのうち選択された物質で形成され得る。第2ドーパントがMg、Zn、Ca、Sr、Baなどのようなp型ドーパントである場合、第2ドーパントがドーピングされた第2導電型半導体層127はp型半導体層であり得る。
【0066】
第2導電型半導体層127がAlGaNである場合、低い電気電導度によって正孔の注入が円滑でないこともある。したがって、相対的に電気電導度が優秀であり、第2導電型半導体層126と同じ極性のGaNを第2導電型半導体層127の底面に配置することもできる。しかし、必ずしもこれに限定されず、第2導電型半導体層127のアルミニウム組成を1%~10%まで減らして第2電極とオーミックをなすこともできる。
【0067】
図2は、本発明の他の実施例に係る発光構造物の概念図である。
【0068】
実施例に係る発光構造物120Bは、第1導電型半導体層124a、124b、第2導電型半導体層127、第1導電型半導体層124a、124bと第2導電型半導体層127の間に配置される活性層126を含み、第1導電型半導体層124a、124bの内部に配置される中間層125を含む。
【0069】
第1導電型半導体層124a、124bは第1-1導電型半導体層124aと第1-2導電型半導体層124bを含み、中間層125は第1-1導電型半導体層124aと第1-2導電型半導体層124bの間に配置され得る。
【0070】
第1-2導電型半導体層124bは第1-1導電型半導体層124aより活性層126に近く配置され得る。第1-2導電型半導体層124bのアルミニウム組成は第1-1導電型半導体層124aより低くてもよい。第1-2導電型半導体層124bのアルミニウム組成は40%~70%であり、第1-1導電型半導体層124aのアルミニウム組成は50%~80%であり得る。
【0071】
第1-2導電型半導体層124bの厚さは第1-1導電型半導体層124aの厚さより薄くてもよい。第1-1導電型半導体層124aは第1-2導電型半導体層124bの厚さの130%以上であり得る。このような構成によると、アルミニウム組成が高い第1-1導電型半導体層124aが十分に成長した後に中間層125が形成されるため、全体の発光構造物120の結晶性が向上し得る。
【0072】
中間層125の構成(アルミニウム組成、厚さなど)は
図1で説明した構成がそのまま適用され得る。必要に応じて中間層125には第1ドーパントがドーピングされ得る。
【0073】
図3は本発明の一実施例に係る半導体素子の概念図、
図4は本発明の他の実施例に係る半導体素子の概念図である。
【0074】
発光構造物120Aの構造は
図1で説明した構造がそのまま適用され得る。
図3を参照すると、リセス128は第2導電型半導体層127、活性層126を貫通して中間層125の一部の領域まで配置され得る。
【0075】
第1電極142は中間層125と接触して第1導電型半導体層124と電気的に連結され得る。中間層125は第1導電型半導体層124と比べてアルミニウムの組成が低いため、電流の分散に有利となり得る。しかし、必ずしもこれに限定されず、リセス128は中間層125を貫通して第1導電型半導体層124の一部の領域に配置されてもよい。
【0076】
中間層125はnドーパントがドーピングされ得る。したがって、中間層125は第1導電型半導体層124内でアルミニウムの組成が低い第1-3導電型半導体層と定義してもよい。
【0077】
第1導電層165は、リセス128内に配置されて第1導電型半導体層124と電気的に連結される連結電極167を含む。連結電極167と第1導電型半導体層124の間には第1電極142が配置され得る。第1電極142はオーミック電極であり得る。
【0078】
第1リセス128の上面で発光構造物の上面までの距離が1μm~4μmとなるように配置することができる。発光構造物の上面とリセス128の上面が1μm未満の場合、発光素子の信頼性が低下され得、4μmを超過する場合、発光構造物の内部に配置される結晶欠陥などによって光抽出効率が低下することもある。
【0079】
第2導電層150は第2導電型半導体層127の下部面に配置されて電気的に連結され得る。第2導電層150は複数個の連結電極167の間領域に配置され得る。第2導電層150は一領域が露出して電極パッドと電気的に連結され得る。図示してはいないが、第2導電層150と第2導電型半導体層127の間には第2電極(オーミック電極)が配置され得る。
【0080】
第1導電層165と第2導電層150は透明伝導性酸化膜(Tranparent Conductive Oxide;TCO)で形成され得る。透明伝導性酸化膜は、ITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)、AZO(Aluminum Zinc Oxide)、AGZO(Aluminum Gallium Zinc Oxide)、IZTO(Indium Zinc Tin Oxide)、IAZO(Indium Aluminum Zinc Oxide)、IGZO(Indium Gallium Zinc Oxide)、IGTO(Indium Gallium Tin Oxide)、ATO(Antimony Tin Oxide)、GZO(Gallium Zinc Oxide)、IZON(IZO Nitride)、ZnO、IrOx、RuOxおよびNiOなどで選択され得る。
【0081】
第1導電層165と第2導電層150は、Ag、Ni、Al、Rh、Pd、Ir、Ru、Mg、Zn、Pt、Au、Hfなどのような不透明金属を含むこともできる。また、第1導電層165は透明伝導性酸化膜と不透明金属が混合された一つまたは複数個の層で形成され得るが、これに限定されない。
【0082】
絶縁層130は、SiO2、SixOy、Si3N4、SixNy、SiOxNy、Al2O3、TiO2、AlNなどからなる群から少なくとも一つが選択されて形成され得るが、これに限定されない。絶縁層130は連結電極167を活性層126、および第2導電型半導体層127と電気的に絶縁することができる。
【0083】
図4は、本発明の他の実施例に係る半導体素子の概念図である。
【0084】
発光構造物120Bの構造は
図2で説明した構造がそのまま適用され得る。
図4を参照すると、第1導電型半導体層124は第1-1導電型半導体層124a、および第1-2導電型半導体層124bを含み、中間層125は第1-1導電型半導体層124a、および第1-2導電型半導体層124bの間に配置され得る。
【0085】
リセス128は、第2導電型半導体層127、活性層126、第1-2導電型半導体層124bを貫通して中間層125の一部の領域まで配置され得る。中間層125は第1導電型半導体層124と比べてアルミニウムの組成が低いため、電流の分散に有利である。
【0086】
しかし、必ずしもこれに限定されず、リセス128は第1-2導電型半導体層124bの一部の領域に配置されてもよい。
【0087】
この時、第1-2導電型半導体層124bは第1-1導電型半導体層124aより活性層126に近く配置され、第1-2導電型半導体層124bのアルミニウム組成および厚さは第1-1導電型半導体層124aのアルミニウム組成および厚さより小さくてもよい。
【0088】
第2中間層125bの厚さは500nmより大きく1000nmより小さくてもよい。第1中間層125aの厚さは600nm~1500nmであり得る。第1中間層125aの厚さは凹凸パターンの深さにより変わり得る。
【0089】
発光構造物120は、第2導電型半導体層127と活性層126を貫通して第1-2導電型半導体層124bの一部の領域まで配置される複数個のリセス128を含むことができる。
【0090】
第1導電層165は、複数個のリセス128内部に配置されて第1-2導電型半導体層124bと電気的に連結される連結電極167、および第1-2導電型半導体層124bと連結電極167の間に配置される第1電極142を含むことができる。第1-2導電型半導体層124bは相対的にアルミニウム含有量が低いため、電流注入および分散に有利となり得る。しかし、必ずしもこれに限定されず、第1-1導電型半導体層124aと第1-2導電型半導体層124bはアルミニウム組成が同じでもよく、リセス128は第1-1導電型半導体層124aの一部の領域まで形成されてもよい。
【0091】
図5aは本発明のさらに他の実施例に係る半導体素子の概念図、
図5bは
図5aの変形例である。
【0092】
図5aの発光構造物120は
図1で説明した発光構造物120の構成がそのまま適用され得る。リセス128は、第2導電型半導体層127、活性層126を貫通して中間層125の一部の領域まで配置され得る。しかし、必ずしもこれに限定されず、リセス128は中間層125を貫通して第1導電型半導体層124の一部の領域に配置されてもよい。
【0093】
図5bを参照すると、リセス128は第2導電型半導体層127、活性層126、第1-2導電型半導体層124bを貫通して中間層125の一部の領域まで配置され得る。
【0094】
中間層125は第1導電型半導体層124と比べてアルミニウムの組成が低いため、電流の分散に有利である。中間層125はnドーパントがドーピングされ得る。しかし、必ずしもこれに限定されず、リセス128は第1-2導電型半導体層124bの一部の領域に配置されてもよい。
【0095】
第1電極142はリセス128の上面に配置されて第1導電型半導体層124と電気的に連結され得る。第2電極246は第2導電型半導体層127の下部に形成され得る。
【0096】
第1電極142と第2電極246はオーミック電極であり得る。第1電極142と第2電極246は、ITO(indium tin oxide)、IZO(indium zinc oxide)、IZTO(indium zinc tin oxide)、IAZO(indium aluminum zinc oxide)、IGZO(indium gallium zinc oxide)、IGTO(indium gallium tin oxide)、AZO(aluminum zinc oxide)、ATO(antimony tin oxide)、GZO(gallium zinc oxide)、IZON(IZO Nitride)、AGZO(Al-Ga ZnO)、IGZO(In-Ga ZnO)、ZnO、IrOx、RuOx、NiO、RuOx/ITO、Ni/IrOx/Au、またはNi/IrOx/Au/ITO、Ag、Ni、Cr、Ti、Al、Rh、Pd、Ir、Sn、In、Ru、Mg、Zn、Pt、Au、Hfのうち少なくとも一つを含んで形成され得るが、このような材料に限定されはしない。
【0097】
半導体素子の一側の角領域には第2電極パッド166が配置され得る。第2電極パッド166は中央部分が陥没して上面が凹部と凸部を有することができる。上面の凹部にはワイヤー(図示されず)がボンディングされ得る。したがって、接着面積が広くなって第2電極パッド166とワイヤーがさらに堅固にボンディングされ得る。
【0098】
第2電極パッド166は光を反射できるため、第2電極パッド166は発光構造物120と近いほど光抽出効率が向上し得る。
【0099】
第2電極パッド166の凸部の高さは活性層126より高くてもよい。したがって第2電極パッド166は活性層126で素子の水平方向に放出される光を上部に反射して光抽出効率を向上させ、指向角を制御することができる。
【0100】
第2電極パッド166の下部で第1絶縁層131が一部オープンされて第2導電層150と第2電極246が電気的に連結され得る。パッシベーション層180は発光構造物120の上部面と側面に形成され得る。パッシベーション層180は第2電極246と隣接した領域や第2電極246の下部で第1絶縁層131と接触することができる。
【0101】
第1絶縁層131がオープンされて第2電極246が第2導電層150と接触する部分の幅d22は、例えば40μm~90μmであり得る。40μmより小さいと動作電圧が上昇する問題があり、90μmより大きいと第2導電層150を外部に露出させないための工程マージンの確保が困難であり得る。第2導電層150が第2電極246の外側領域に露出すると、素子の信頼性が低下され得る。したがって、好ましくは、幅d22は第2電極パッド166の全体幅の60%~95%であり得る。
【0102】
第1絶縁層131は第1電極142を、活性層126および第2導電型半導体層127と電気的に絶縁させることができる。また、第1絶縁層131は第2電極246と第2導電層150を第1導電層165と電気的に絶縁させることができる。
【0103】
第1絶縁層131は、SiO2、SixOy、Si3N4、SixNy、SiOxNy、Al2O3、TiO2、AlNなどからなる群から少なくとも一つが選択されて形成され得るが、これに限定されない。第1絶縁層131は単層または多層で形成され得る。例示的に第1絶縁層131は銀Si酸化物やTi化合物を含む多層構造のDBR(distributed Bragg reflector)でもよい。しかし、必ずしもこれに限定されず、第1絶縁層131は多様な反射構造を含むことができる。
【0104】
第1絶縁層131が絶縁機能を遂行する場合、活性層126から側面に向かって放出される光を上向き反射させて光抽出効率を向上させることができる。後述するように、紫外線半導体素子ではリセス128の個数が多くなるほど光抽出効率はより有効であり得る。
【0105】
第2導電層150は第2電極246を覆うことができる。したがって、第2電極パッド166と、第2導電層150、および第2電極246は一つの電気的チャネルを形成することができる。
【0106】
第2導電層150は第2電極246を完全に囲んで第1絶縁層131の側面と上面に接することができる。第2導電層150は第1絶縁層131との接着力がよい物質で構成され、Cr、Al、Ti、Ni、Auなどの物質で構成される群から選択される少なくとも一つの物質およびこれらの合金で構成され得、単一層あるいは複数の層で構成され得る。
【0107】
第2導電層150が第1絶縁層131の側面と上面と接する場合、第2電極246の熱的、電気的信頼性が向上し得る。また、第1絶縁層131と第2電極246の間に放出される光を上部に反射する反射機能を有することができる。
【0108】
第2導電層150は第1絶縁層131と第2電極246の間に第2導電型半導体層が露出する領域である第2隔離距離にも配置され得る。第2導電層150は第2離隔距離で第2電極246の側面と上面および第1絶縁層131の側面と上面に接することができる。
【0109】
また、第2離隔距離内で第2導電層150と第2導電型半導体層127が接してショットキー接合が形成される領域が配置され得、ショットキー接合を形成することによって電流の分散が容易となり得る。
【0110】
第2絶縁層132は、第2電極246、第2導電層150を第1導電層165と電気的に絶縁させる。第1導電層165は第2絶縁層132を貫通して第1電極142と電気的に連結され得る。
【0111】
発光構造物120の下部面とリセス128の形状に沿って第1導電層165と接合層160が配置され得る。第1導電層165は反射率が優秀な物質で構成され得る。例示的に第1導電層165はアルミニウムを含むことができる。第1導電層165がアルミニウムを含む場合、活性層126から放出される光を上部に反射する役割をして光抽出効率を向上させることができる。
【0112】
接合層160は導電性材料を含むことができる。例示的に接合層160は、金、錫、インジウム、アルミニウム、シリコン、銀、ニッケル、および銅で構成される群から選択される物質またはこれらの合金を含むことができる。
【0113】
基板170は導電性物質で構成され得る。例示的に基板170は金属または半導体物質を含むことができる。基板170は電気伝導度および/または熱電導度が優秀な金属であり得る。この場合、半導体素子の動作時に発生する熱を迅速に外部に放出することができる。
【0114】
基板170はシリコン、モリブデン、シリコン、タングステン、銅およびアルミニウムで構成される群から選択される物質またはこれらの合金を含むことができる。
【0115】
発光構造物120の上面には凹凸が形成され得る。このような凹凸は発光構造物120から出射する光の抽出効率を向上させることができる。凹凸は紫外線波長により平均高さが異なり得、UV-Cの場合、300nm~800nm程度の高さを有し、平均500nm~600nm程度の高さを有する時に光抽出効率が向上し得る。
【0116】
図6aおよび
図6bは、本発明の実施例に係る半導体素子の平面図である。
【0117】
発光構造物120はAl組成が高くなると、発光構造物120内で電流拡散特性が低下され得る。また、活性層126はGaN基盤の青色発光素子と比べて側面に放出する光量が増加するようになる(TMモード)。このようなTMモードは紫外線半導体素子で発生し得る。
【0118】
実施例によると、紫外線領域の波長帯を発光するGaN半導体は、電流拡散のために青色発光するGaN半導体と比べて相対的に多くの個数のリセス128を形成して第1電極142を配置することができる。
【0119】
図6aを参照すると、Alの組成が高くなると電流の分散特性が悪化し得る。したがって、それぞれの第1電極142に近い地点にのみ電流が分散し、距離が遠い地点では電流密度が急激に低くなり得る。したがって、有効発光領域P2が狭くなり得る。有効発光領域P2は電流密度が最も高い第1電極142の近隣地点での電流密度を基準として、電流密度が40%以下である境界地点までの領域と定義することができる。例えば、有効発光領域P2はリセス128の中心から40μm以内の領域で注入電流のレベル、Al組成により調節され得る。
【0120】
特に、隣り合う第1電極142の間である低電流密度領域P3は電流密度が低いため、発光に殆ど寄与しない。したがって、実施例は電流密度が低い低電流密度領域P3に第1電極142をさらに配置して光出力を向上させることができる。
【0121】
一般的にGaN半導体層の場合、相対的に電流の分散特性が優秀であるため、リセス128および第1電極142の面積を最小化することが好ましい。リセス128と第1電極142の面積が大きくなるほど活性層126の面積が小さくなるためである。しかし、実施例の場合、Alの組成が高くて電流拡散特性が相対的に低下するため、活性層126の面積を犠牲にしても第1電極142の個数を増加させて低電流密度領域P3を減らすことが好ましい。
【0122】
図6bを参照すると、リセス128の個数が48個の場合にはリセス128が横縦方向に一直線に配置されず、ジグザグに配置され得る。この場合、低電流密度領域P3の面積はさらに狭くなって殆どの活性層が発光に参加することができる。リセス128の個数が70個~110個となる場合、電流がさらに効率的に分散して動作電圧はさらに低くなり、光出力は向上し得る。UV-Cを発光する半導体素子では、リセス128の個数が70個より少ない場合、電気的光学的特性が低下され得、110個より多い場合、電気的特性は向上し得るが発光層の体積が減少して光学的特性が低下され得る。
【0123】
複数個の第1電極142が第1導電型半導体層122と接触する第1面積は発光構造物120の水平方向最大断面積の7.4%以上20%以下、または10%以上20%以下であり得る。第1面積はそれぞれの第1電極142が第1導電型半導体層122と接触する面積の合計であり得る。
【0124】
複数個の第1電極142の第1面積が7.4%未満の場合には、十分な電流拡散特性を有することができないため光出力が減少し、20%を超過する場合には活性層および第2電極の面積が過度に減少して動作電圧が上昇し光出力が減少する問題がある。
【0125】
また、複数個のリセス128の総面積は発光構造物120の水平方向最大断面積の13%以上30%以下であり得る。リセス128の総面積が前記条件を満足しないと、第1電極142の総面積を7.4%以上20%以下に制御し難い。また、動作電圧が上昇し光出力が減少する問題がある。
【0126】
第2電極246が第2導電型半導体層126と接触する第2面積は、発光構造物120の水平方向最大断面積の35%以上70%以下であり得る。第2面積は第2電極246が第2導電型半導体層126と接触する総面積であり得る。
【0127】
第2面積が35%未満の場合には第2電極の面積が過度に小さくなって動作電圧が上昇し、ホールの注入効率が低下する問題がある。第2面積が70%を超過する場合には第1面積を効果的に広げることができないため電子の注入効率が低下する問題がある。
【0128】
第1面積と第2面積は反比例関係を有する。すなわち、第1電極の個数を増やすためにリセスの個数を増やす場合、第2電極の面積が減少するようになる。光出力を高めるためには電子とホールの分散特性がバランスを取らなければならない。したがって、第1面積と第2面積の適正な比率を定めることが重要である。
【0129】
複数個の第1電極が第1導電型半導体層に接触する第1面積と第2電極が第2導電型半導体層に接触する第2面積の比(第1面積:第2面積)は1:3~1:10であり得る。
【0130】
面積比が1:10より大きくなる場合には、第1面積が相対的に小さいため電流の分散特性が悪化し得る。また、面積比が1:3より小さくなる場合、相対的に第2面積が小さくなる問題がある。
【0131】
図7は光吸収層、および中間層が形成された発光構造物を示す概念図、
図8はバルク構造を有する光吸収層の断面写真、
図9は超格子構造を有する光吸収層の断面写真、
図10は基板を分離する過程を説明するための図面、
図11は発光構造物を食刻する過程を説明するための図面、
図12は製造された半導体素子を示す図面である。
【0132】
図7を参照すると、成長基板121上にバッファー層122、光吸収層123、第1-1導電型半導体層124a、中間層125、第1-2導電型半導体層124b、活性層126、第2導電型半導体層127を順に形成することができる。
【0133】
光吸収層123はアルミニウム組成が低い第1光吸収層123aおよびアルミニウム組成が高い第2光吸収層123bを含む。第1光吸収層123aと第2光吸収層123bは交互に複数個が配置され得る。
【0134】
第1光吸収層123aのアルミニウム組成は第1導電型半導体層124のアルミニウム組成より低くてもよい。第1光吸収層123aはLLO工程時にレーザーを吸収して分離する役割を遂行することができる。したがって、成長基板を除去することができる。
【0135】
第1光吸収層123aの厚さとアルミニウム組成は、246nmの波長を有するレーザーを吸収するために適切に調節され得る。第1光吸収層123aのアルミニウム組成は20%~50%であり、厚さは1nm~10nmであり得る。例示的に第1光吸収層123aはAlGaNであり得るがこれに限定されない。しかし、必ずしもこれに限定されず、使用するレーザーを吸収できるようにアルミニウム組成と厚さは適切に調節され得る。
【0136】
第2光吸収層123bのアルミニウム組成は第1導電型半導体層124のアルミニウム組成より高くてもよい。第2光吸収層123bは、第1光吸収層123aにより低くなったアルミニウム組成を高めて光吸収層123上に成長する第1導電型半導体層124の結晶性を向上させることができる。
【0137】
例示的に第2光吸収層123bのアルミニウム組成は60%~100%であり、厚さは0.1nm~2.0nmであり得る。第2光吸収層123bはAlGaNまたはAlNでもある。
【0138】
246nmの波長のレーザーを吸収するために、第1光吸収層123aの厚さは第2光吸収層123bの厚さより厚くてもよい。第1光吸収層123aの厚さは1nm~10nmであり得、第2光吸収層123bの厚さは0.5nm~2.0nmであり得る。
【0139】
第1光吸収層123aと第2光吸収層123bの厚さ比は2:1~6:1であり得る。厚さ比が2:1より小さい場合、第1光吸収層123aが薄くなってレーザーを十分に吸収することが難しく、厚さ比が6:1より大きい場合、第2光吸収層123bが過度に薄くなって光吸収層のアルミニウム全体の組成が低くなる問題がある。
【0140】
光吸収層123の全体の厚さは100nmより大きく400nmより小さくてもよい。厚さが100nmより小さい場合、第1光吸収層123aの厚さが薄くなって246nmレーザーを十分に吸収し難い問題があり、厚さが400nmより大きくなる場合、アルミニウム組成が全体的に低くなって結晶性が悪化する問題がある。
【0141】
実施例によると、超格子構造の光吸収層123を形成して結晶性を向上させることができる。このような構成によって光吸収層123は成長基板121と発光構造物120の間の格子不整合を緩和させるバッファー層として機能することができる。
図8と比べて
図9の光吸収層123の表面まで転移した結晶欠陥(黒色のドット)が相対的に減少して結晶性がより優秀であることが分かる。
【0142】
中間層125は第1導電型半導体層124と活性層126の間、または第1導電型半導体層124の内部に配置され得る。中間層125は第1導電型半導体層124よりアルミニウム組成が低い第1中間層125aおよび第1導電型半導体層124よりアルミニウム組成が高い第2中間層125bを含む。
【0143】
第1中間層125aのアルミニウム組成は第1導電型半導体層124のアルミニウム組成より低くてもよい。第1中間層125aは、LLO工程時に光吸収層123を透過して光吸収層123の上部に配置される半導体層に照射されるレーザーを吸収して活性層126の損傷を防止する役割を遂行することができる。したがって、光出力および電気的特性が向上し得る。中間層125の構成は
図2で説明した構造がそのまま適用され得る。
【0144】
図10を参照すると、成長基板121を除去する段階は、成長基板121側からレーザーL1を照射して成長基板121を分離することができる。レーザーL1は第1光吸収層123aが吸収できる波長帯を有し得る。一例で、レーザーは248nm波長帯を有するKrFレーザーであり得るが必ずしもこれに限定されない。
【0145】
成長基板121、第2光吸収層123bはエネルギーバンドギャップが大きいため、レーザーL1を吸収しない。しかし、アルミニウム組成が低い第1光吸収層123aはレーザーL1を吸収して分解され得る。したがって、成長基板121と共に分離することができる。
【0146】
この時、レーザーの一部が光吸収層123を透過して活性層126に印加されると、発光構造物120にダメージが発生して光出力が減少し得る。したがって、実施例によると、第1導電型半導体層124と活性層126の間に中間層125が配置されて光吸収層123を透過したレーザーを吸収することができる。
【0147】
この時、レーザーは殆ど光吸収層に吸収されるため中間層125を分離させるほどのエネルギーはない。したがって、中間層125はレーザーを吸収しても分離されないこともある。また、中間層125がレーザーを吸収して分離しないように、光吸収層123の厚さまたはレーザーの出力を調節することができる。
【0148】
以降、第1導電型半導体層124aに残存する光吸収層123-2はレベリングによって除去され得る。
【0149】
図11を参照すると、第2導電型半導体層127上に第2導電層150を形成した後、発光構造物120の第1導電型半導体層124の一部まで貫通するリセス128を複数個形成することができる。その後、絶縁層130をリセス128の側面および第2導電型半導体層127上に形成することができる。その後、リセス128により露出した第1導電型半導体層124bに第1電極142を形成することができる。
【0150】
図12を参照すると、第1導電層165は絶縁層130の下部に形成され得る。第1導電層165は絶縁層130により第2導電層150と電気的に絶縁され得る。
【0151】
その後、第1導電層165の下部に導電性基板170を形成し、メサ食刻によって露出した第2導電層150上には第2電極パッド166を形成することができる。
【0152】
半導体素子はパッケージで構成されて樹脂(resin)やレジスト(resist)やSODまたはSOGの硬化用として使用され得る。または半導体素子は治療用医療用として使用されたり空気清浄器私浄水器などの殺菌に使用されてもよい。
【0153】
図13を参照すると、半導体素子パッケージは溝2aが形成された胴体2、胴体2に配置される半導体素子1、および胴体2に配置されて半導体素子1と電気的に連結される一対のリードフレーム3、4を含むことができる。
【0154】
胴体2は紫外線光を反射する材質またはコーティング層を含むことができる。また、半導体素子1を覆うモールド部材5は紫外線光を透過する材質を含むことができる。
【0155】
図14は実施例に係る半導体素子を示した断面図、
図15は
図1のA領域を図示した半導体素子の断面図、
図16は第2-2導電型半導体層および第2-3導電型半導体層のドーパント濃度をSIMS(Secondary-ion mass spectroscopy)で分析した図面、
図17および
図18は比較例と実施例のRSM DATAを比較したグラフである。
【0156】
図14および
図15に図示された通り、実施例の半導体素子は半導体層の転位(dislocation)を改善して結晶性を向上させることができる。実施例の半導体素子は、半導体層間の格子定数の差による転位を改善して全体として均一なドーパント濃度を維持するため、発光効率を向上させることができる。このために、実施例の半導体素子は転位を改善する発光構造物210を含むことができる。
【0157】
実施例は200nm~400nm波長帯を有する紫外線発光素子200を一例として説明する。
【0158】
発光素子200は、基板201、発光構造物210、第1および第2電極251、253を含むことができる。
【0159】
発光構造物210は基板201上にAlNテンプレート(Template、211)、第1導電型半導体層212、活性層214、EBL(electron blocking layer、230)、第2-1導電型半導体層216a、第2-2導電型半導体層218a、第2-3導電型半導体層218bを含むことができる。この時、第2-1導電型半導体層は第2導電型第1半導体層に、第2-2導電型半導体層は第2導電型第2半導体層に、第2-3導電型半導体層は第2導電型第3半導体層でと命名され得る。
【0160】
基板201は熱伝導性が優れた物質で形成され得、伝導性基板または絶縁性基板であり得る。例えば、基板201は、サファイア(Al2O3)、SiC、Si、GaAs、GaN、ZnO、GaP、InP、Ge、and Ga203のうち少なくとも一つを使用することができる。基板201上には凹凸構造が形成され得るが、これに限定されるものではない。
【0161】
AlNテンプレート211は基板201上に形成され得る。AlNテンプレート211はバッファー機能を含むことができる。AlNテンプレート211は、AlNテンプレート211上に形成される発光構造物210の材料と基板201の格子不整合を緩和させることができ、AlNテンプレート211は、AlNの他に3族-5族または2-6族化合物半導体例えば、GaN、InN、InGaN、AlGaN、InAlGaN、AlInNのうち少なくとも一つで形成され得る。
【0162】
AlNテンプレート211は、基板201上に成長して以降に成長するAlGaN系列の半導体層の格子定数の差による欠陥を改善することができる。AlNテンプレート211はfully-strainエピタキシー構造を有することができ、これによって紫外線波長の半導体層成長で発光効率を向上させることができる。すなわち、AlNテンプレート211は以降に成長するAlGaN系列の半導体層の結晶性を向上させて紫外線発光素子200の発光効率を向上させることができる。
【0163】
第1導電型半導体層212は、半導体化合物、例えば3族-5族または2族-6族の化合物半導体のうち少なくとも一つで具現され得る。第1導電型半導体層212は単層または多層で形成され得る。第1導電型半導体層212は第1導電型ドーパントがドーピングされ得る。例えば第1導電型半導体層212がn型半導体層である場合、n型ドーパントを含むことができる。例えばn型ドーパントはSi、Ge、Sn、Se、Teを含むことができるがこれに限定されない。
【0164】
実施例の第1導電型半導体層212は、AlxGa1-xN(0<x<1)の組成式を有する半導体物質を含むことができるが、これに限定されるものではない。例えば第1導電型半導体層212は、AlGaP、InGaP、AlInGaP、InP、GaN、InN、AlN、InGaN、AlGaN、InAlGaN、AlInN、AlGaAs、InGaAs、AlInGaAs、GaPのうちいずれか一つ以上で形成され得る。
【0165】
活性層214は第1導電型半導体層212上に配置され得る。活性層214は単一量子井戸構造、多重量子井戸構造(MQW:Multi Quantum Well)、量子線(Quantum-Wire)構造、または量子ドット(Quantum Dot)構造のうち少なくともいずれか一つで形成され得る。活性層214は、第1導電型半導体層212を通じて注入される電子(または正孔)と第2-1導電型半導体層216aを通じて注入される正孔(または電子)が互いに会って、活性層214の形成物質によるエネルギーバンド(Energy Band)のバンドギャップ(Band Gap)の差によって光を放出する層である。
【0166】
活性層214は化合物半導体で構成され得る。活性層214は例として3族-5族または2-6族などの化合物半導体のうち少なくとも一つで具現され得る。活性層214は量子井戸と量子壁を含むことができる。活性層214が多重量子井戸構造で具現された場合、量子井戸と量子壁が交互に配置され得る。量子井戸と量子壁は、AlGaN/GaN、AlGaN/AlGaN、InGaN/GaN、InGaN/InGaN、InAlGaN/GaN、GaAs/AlGaAs、InGaAs/AlGaAs、GaP/AlGaP、InGaP AlGaPのうちいずれか一つ以上のペア構造で形成され得るがこれに限定されない。
【0167】
EBL230は活性層214上に配置され得る。実施例のEBL230は単層または多層構造であり得る。EBL230は3族-5族または2-6族化合物半導体のうち少なくとも一つで具現され得るがこれに限定されない。EBL230は第2導電型ドーパントがドーピングされ得る。例えばEBL230がp型半導体層である場合、第2導電型ドーパントはp型ドーパントとして、Mg、Zn、Ca、Sr、Baなどを含むことができる。
【0168】
第2導電型半導体層216、218a、218bは第2-1導電型半導体層216、第2-1導電型半導体層218a、第2-1導電型半導体層218bを含むことができる。
【0169】
第2-1導電型半導体層216はEBL230上に配置され得る。第2-1導電型半導体層216は3族-5族または2-6族などの化合物半導体で具現され得る。例えば第2-1導電型半導体層216は、GaN、InN、AlN、InGaN、AlGaN、InAlGaN、AlInN、AlGaAs、InGaAs、AlInGaAs、GaP、AlGaP、InGaP、AlInGaP、InPのうちいずれか一つ以上で形成され得る。実施例の第2-1導電型半導体層216はAlGaN系半導体物質を含むことができる。第2-1導電型半導体層216は第2導電型ドーパントがドーピングされ得る。第2-1導電型半導体層216がp型半導体層である場合、第2導電型ドーパントはp型ドーパントとして、Mg、Zn、Ca、Sr、Baなどを含むことができる。
【0170】
第2-2導電型半導体層218aは第2-1導電型半導体層216上に配置され得る。第2-2導電型半導体層218aは第2-1導電型半導体層216からの転位Dをベンディングさせる機能を含むことができる。このために第2-2導電型半導体層218aは3次元(3 dimensional)で成長され得る。第2-2導電型半導体層218aは、以降に成長する第2-3導電型半導体層218bのバッファー機能を有することができる。第2-2導電型半導体層218aは第2-1導電型半導体層216からの転位Dをベンディングさせて欠陥を改善することによって、EBL230から活性層214に第2導電型ドーパントの後方拡散(back diffusion)を改善することができる。
図16を参照すると、実施例は第2-1導電型半導体層216の第2導電型ドーパントMgが一定にドーピングされ得る。すなわち、実施例は第2-1導電型半導体層216の安定したドーピングを実現することができる。
【0171】
転位Dのベンディングは、第2-1導電型半導体層216からの転位Dの開始地点DSと終点DTを連結する直線と第2-1導電型半導体層216の上部面がなす角度θが45°以下であり得る。ここで、直線と第2-2導電型半導体層218aの上部面がなす角度θが45Ω超過の場合、第2-2導電型半導体層218aから第2-3導電型半導体層218bに転位Dが伝播され得る。
【0172】
第2-2導電型半導体層218aは第2導電型ドーパントを含むGaNであり得るが、これに限定されるものではない。第2-2導電型半導体層218aは第2-1導電型半導体層216からの転位Dを3D成長にベンディングさせることができる。すなわち、第2-2導電型半導体層218aは第2-1導電型半導体層216からの転位DをC-面方向からA-面方向にベンディングさせることによって、第2-3導電型半導体層218bへの転位Dの伝播を改善することができ、第2-3導電型半導体層218bとの界面でTDD(Threading dislocation Density)を減らすことができる。
【0173】
具体的には、
図17および
図18を参照すると、
図17は第2-2導電型半導体層218aが省略された比較例のRSM DATA、
図18は第2-2導電型半導体層218aを含んだ実施例のRSM DATAである。ここで、RSM DATAはストレイン分散変数(strain relaxation parameter)であり、比較例はAlGaNの第2-1導電型半導体層と2DモードP-GaNを示し、実施例はAlGaNの第2-1導電型半導体層216と3DモードP-GaNの第2-2導電型半導体層218aを示す。
【0174】
ここで、x軸はA-面格子定数の差と反比例(2/A-面格子定数の差)し、Y軸はC-面格子定数の差と反比例(2/C-面格子定数の差)する。
【0175】
実施例は比較例よりもx軸方向に、AlGaNの第2-1導電型半導体層216と3DモードP-GaNの第2-2導電型半導体層218aの水平不一致(parallel mismatch)を10%以上減らすことができる。水平不一致は、第2-1導電型半導体層216および3DモードP-GaNの第2-2導電型半導体層218aの成長時にストレイン(strain)が維持される程度を示すストレイン分散変数であって、転位Dおよび欠陥を改善することができる。ここで、ストレイン(strain)は、x軸の変化量が少ないほどストレイン(strain)の変化を最小化することができ、ストレイン(strain)変化の最小化はストレイン(strain)が維持されるまたはストレイン(strain)が解除されないことと定義することができる。ストレイン(strain)の維持は、AlGaNの第2-1導電型半導体層216と3DモードP-GaNの第2-2導電型半導体層218aの間のA-面格子定数の差が小さくなり得る。
【0176】
第2-2導電型半導体層218aの厚さは10nm~50nmであり得る。第2-2導電型半導体層218aの厚さが10nm未満の場合、第2-1導電型半導体層216から転位Dのベンディングが難しく、転位Dは第2-3導電型半導体層218bに伝播され得る。ここで、第2-3導電型半導体層218bに伝播した転位Dは、Vピット(V-pits)やクラックが発生し得る。Vピットやクラックは漏洩電流を発生させ得る。第2-2導電型半導体層218aの厚さが50nm超過の場合、島状に3D成長する第2-2導電型半導体層218aの内部から欠陥が発生し得る。
【0177】
第2-2導電型半導体層218aと第2-3導電型半導体層218bの間の境界面粗さ(RMS:root mean square)は1.0nm以上、例えば1.0nm~5.0nmであり得る。実施例の第2-2導電型半導体層218aは島状に3D成長して1.0nm以上の第2-2導電型半導体層218aと第2-3導電型半導体層218bの間の境界面粗さ(RMS)を含むことができる。
【0178】
第2-2導電型半導体層218aのドーピング濃度は、第2-1導電型半導体層216およびEBL230と対応され得る。例えば第2-2導電型半導体層218aのドーピング濃度は1E19~5E19であり得る。第2-2導電型半導体層218aは第2-3導電型半導体層218bより低いドーピング濃度を有し得る。第2-3導電型半導体層218bのドーピング濃度は、第2-2導電型半導体層218a、第2-1導電型半導体層216およびEBL230より高くてもよい。例えば第2-3導電型半導体層218bのドーピング濃度は5E19~1E20であり得る。第2-3導電型半導体層218bは第2-2導電型半導体層218a、第2-1導電型半導体層216およびEBL230より高いドーピング濃度を含み、第2電極253とのオーミック接触を実現することができる。
【0179】
第2-3導電型半導体層218bは第2-2導電型半導体層218a上に配置され得る。第2-3導電型半導体層218bは第2-1導電型半導体層216と第2電極253のオーミックのために第2導電型ドーパントを含むGaNであり得るが、これに限定されるものではない。第2-3導電型半導体層218bは第2電極253と直接接する表面が扁平であり得る。このために、第2-3導電型半導体層218bは3D(3 dimensional)モード成長方法で形成され得る。
図19は、実施例の第2-3導電型半導体層218bの表面を図示した図面である。実施例の第2-3導電型半導体層218bは100nm~300nmの厚さを有することができる。
【0180】
第2-3導電型半導体層218bの厚さが100nm未満の場合、第2電極253とオーミック接触が困難であり得、第2-3導電型半導体層218bの厚さが300nm超過の場合、第2-3導電型半導体層218bの内部で新しい欠陥が発生し得る。
【0181】
第2-3導電型半導体層218bは表面粗さ(RMS)が1nm以下、例えば0.1nm~1.0nmであり得る。実施例の第2-2導電型半導体層216bは1nm以下の表面粗さ(RMS)を含むことによって、以降に形成される第2電極253との接触信頼度を向上させることができる。前述した第2-1~第2-3導電型半導体層の構成は
図1および
図2の実施例においてもそのまま適用され得る。
【0182】
ここで、第1導電型半導体層212はn型半導体層、第2-1導電型半導体層216、第2-2導電型半導体層218aおよび第2-3導電型半導体層218bはp型半導体層として説明しているが、これに限定されるものではない。発光構造物210はn-p接合構造、p-n接合構造、n-p-n接合構造、p-n-p接合構造のうちいずれか一つの構造で実現することができる。
【0183】
第1電極251は第1導電型半導体層212上に配置され得る。第1電極251は第1導電型半導体層212と電気的に連結され得る。第1電極251は第2電極253と電気的に絶縁され得る。第1電極251は伝導性酸化物、伝導性窒化物または金属であり得る。例えば第1電極251は、ITO(Indium Tin Oxide)、ITON(ITO Nitride)、IZO(Indium Zinc Oxide)、IZON(IZO Nitride)、AZO(Aluminum Zinc Oxide)、AGZO(Aluminum Gallium Zinc Oxide)、IZTO(Indium Zinc Tin Oxide)、IAZO(Indium Aluminum Zinc Oxide)、IGZO(Indium Gallium Zinc Oxide)、IGTO(Indium Gallium Tin Oxide)、ATO(Antimony Tin Oxide)、GZO(Gallium Zinc Oxide)、IZON(IZO Nitride)、ZnO、IrOx、RuOx、NiO、Au、Cu、Ni、Ti、Ti-W、Cr、W、Pt、V、Fe、Mo物質のうち少なくとも一つを含むことができ、単層または多層で形成され得る。
【0184】
第2電極253は第2-3導電型半導体層218b上に配置され得る。第2電極253は第2-3導電型半導体層218bとオーミック接触することができる。第2電極253は伝導性酸化物、伝導性窒化物または金属であり得る。例えば第2電極253は、ITO(Indium Tin Oxide)、ITON(ITO Nitride)、IZO(Indium Zinc Oxide)、IZON(IZO Nitride)、AZO(Aluminum Zinc Oxide)、AGZO(Aluminum Gallium Zinc Oxide)、IZTO(Indium Zinc Tin Oxide)、IAZO(Indium Aluminum Zinc Oxide)、IGZO(Indium Gallium Zinc Oxide)、IGTO(Indium Gallium Tin Oxide)、ATO(Antimony Tin Oxide)、GZO(Gallium Zinc Oxide)、IZON(IZO Nitride)、ZnO、IrOx、RuOx、NiO、Au、Cu、Ni、Ti、Ti-W、Cr、W、Pt、V、Fe、Mo物質のうち少なくとも一つを含むことができ、単層または多層で形成され得る。
【0185】
実施例は3D(3 dimensional)成長した第2-2導電型半導体層218aにより、第2-1導電型半導体層216からの転位Dをベンディングさせて欠陥を改善することができる。すなわち、実施例は第2-2導電型半導体層218aは以降に成長する第2-3導電型半導体層218bに転位Dが伝播しないようにすることによって、第2-2導電型半導体層218aと第2-3導電型半導体層218bの界面でTDD(Threading dislocation Density)を減らすことができる。
【0186】
実施例は、第2-1導電型半導体層216上に3Dモード成長した第2-2導電型半導体層218aが配置されて、第2-1導電型半導体層216からの転位Dをベンディングさせて結晶性を向上させることができる。
【0187】
実施例は、転位Dの伝播を改善することによって、最終半導体層のTDD(Threading dislocation Density)を減らして発光効率を改善することができる。
【0188】
実施例は、第2-1導電型半導体層216、EBL230の第2導電型ドーパントのドーピング濃度を一定に維持することによって、EBLから活性層へのpドーパントの後方拡散(back diffusion)を改善して光抽出効率を向上させることができる。
【0189】
実施例は、転位Dや欠陥を改善して漏洩電流による電気的特性の低下を改善することができる。
【0190】
実施例は、転位Dや欠陥を改善して紫外線発光素子のfully TE偏光を実現することができる。
【0191】
図20~
図23は、実施例の半導体素子の製造方法を図示した断面図である。
【0192】
図20および
図21を参照すると、実施例の発光素子の製造方法は、まず、基板201上にAlNテンプレート211、第1導電型半導体層212、活性層214、EBL230、第2-1導電型半導体層216、第2-2導電型半導体層218aおよび第2-3導電型半導体層218bが形成され得る。
【0193】
基板201、AlNテンプレート211、第1導電型半導体層212、活性層214、EBL230、第2-1導電型半導体層216の材料および構成間の連結関係は、
図14および
図15の技術的特徴を採用することができる。
【0194】
AlNテンプレート211、第1導電型半導体層212、活性層214、EBL230、第2-1導電型半導体層216および第2-2導電型半導体層218aは、有機金属化学蒸着法(MOCVD;Metal Organic Chemical Vapor Deposition)、化学蒸着法(CVD;Chemical Vapor Deposition)、プラズマ化学蒸着法(PECVD;Plasma-Enhanced Chemical Vapor Deposition)、分子線成長法(MBE;Molecular Beam Epitaxy)、水素化物気相成長法(HVPE;Hydride Vapor Phase Epitaxy)等の方法で形成され得るが、これに限定されるものではない。
【0195】
第2-2導電型半導体層218aは第2-1導電型半導体層216上に形成され得る。第2-2導電型半導体層218aは第2-1導電型半導体層216からの転位をベンディングさせる機能を含むことができる。このために、第2-2導電型半導体層218aは3D成長することができる。第2-2導電型半導体層218aは、以降に成長する第2-3導電型半導体層218bのバッファー機能を有することができる。第2-2導電型半導体層218aは第2-1導電型半導体層216からの転位をベンディングさせて欠陥を改善することによって、EBL230から活性層214に第2導電型ドーパントの後方拡散(back diffusion)を改善することができる。実施例は第2-1導電型半導体層216の安定したドーピングを実現することができる。
【0196】
第2-2導電型半導体層218aは第2導電型ドーパントを含むGaNであり得るが、これに限定されるものではない。第2-2導電型半導体層218aは第2-1導電型半導体層216からの転位を3D成長にベンディングさせることができる。すなわち、第2-2導電型半導体層218aは第2-1導電型半導体層216からの転位を、C-面方向からA-面方向にベンディングさせることによって、第2-3導電型半導体層218bへの転位の伝播を改善することができ、第2-3導電型半導体層218bとの界面でTDD(Threading dislocation Density)を減らすことができる。
【0197】
第2-2導電型半導体層218aの厚さは10nm~50nmであり得る。第2-2導電型半導体層218aの厚さが10nm未満の場合、第2-1導電型半導体層216から転位のベンディングが難しく、転位は第2-3導電型半導体層218bに伝播され得る。ここで、第2-3導電型半導体層218bに伝播した転位はVピットやクラックが発生し得る。Vピットやクラックは漏洩電流を発生させ得る。第2-2導電型半導体層218aの厚さが50nm超過の場合、島状に3D成長する第2-2導電型半導体層218aの内部から欠陥が発生し得る。
【0198】
第2-2導電型半導体層218aと第2-3導電型半導体層218bの間の境界面粗さ(RMS:root mean square)は1.0nm以上、例えば1.0nm~5.0nmであり得る。実施例の第2-2導電型半導体層218aは島状に3D成長して1.0nm以上の第2-2導電型半導体層218aと第2-3導電型半導体層218bの間の境界面粗さ(RMS)を含むことができる。
【0199】
第2-2導電型半導体層218aのドーピング濃度は第2-1導電型半導体層216およびEBL230と対応され得る。例えば第2-2導電型半導体層218aのドーピング濃度は1E19~5E19であり得る。第2-2導電型半導体層218aは第2-3導電型半導体層218bより低いドーピング濃度を有することができる。第2-3導電型半導体層218bのドーピング濃度は第2-2導電型半導体層218a、第2-1導電型半導体層216およびEBL230より高くてもよい。例えば第2-3導電型半導体層218bのドーピング濃度は5E19~1E20であり得る。第2-3導電型半導体層218bは第2-2導電型半導体層218a、第2-1導電型半導体層216およびEBL230より高いドーピング濃度を含み、第2電極253とのオーミック接触を実現することができる。
【0200】
第2-3導電型半導体層218bは第2-2導電型半導体層218a上に配置され得る。第2-3導電型半導体層218bは第2-1導電型半導体層216と第2電極253のオーミックのために、第2導電型ドーパントを含むGaNであり得るが、これに限定されるものではない。第2-3導電型半導体層218bは第2電極253と直接接する表面が扁平であり得る。このために第2-3導電型半導体層218bは2D成長方法で形成され得る。
図19は、実施例の第2-3導電型半導体層218bの表面を図示した図面である。実施例の第2-3導電型半導体層218bは100nm~300nmの厚さを有することができる。
【0201】
第2-3導電型半導体層218bの厚さが100nm未満の場合、第2電極253とオーミック接触が困難であり得、第2-3導電型半導体層218bの厚さが300nm超過の場合、第2-3導電型半導体層218bの内部で新しい欠陥が発生し得る。
【0202】
第2-3導電型半導体層218bは表面粗さ(RMS)が1nm以下、例えば0.1nm~1.0nmであり得る。実施例の第2-2導電型半導体層216bは1nm以下の表面粗さ(RMS)を含むことによって、以降に形成される第2電極253との接触信頼度を向上させることができる。
【0203】
ここで、第1導電型半導体層212はn型半導体層、第2-1導電型半導体層216、第2-2導電型半導体層218aおよび第2-3導電型半導体層218bはp型半導体層として説明しているが、これに限定されるものではない。発光構造物210はn-p接合構造、p-n接合構造、n-p-n接合構造、p-n-p接合構造のうちいずれか一つの構造で実現することができる。
【0204】
図22を参照すると、第1および第2電極251、253は発光構造物210上に形成され得る。発光構造物210はメサ食刻を通じて、第1導電型半導体層212の一部が活性層214、EBL230、第2-1導電型半導体層216、第2-2導電型半導体層218aおよび第2-3導電型半導体層218bから露出し得る。
【0205】
第1電極251は露出した第1導電型半導体層212上に形成され得る。第1電極251は第1導電型半導体層212と電気的に連結され得る。第1電極251は第2電極253と電気的に絶縁され得る。
【0206】
第2電極253は第2-1導電型半導体層216上に形成され得る。第2電極253は第2-1導電型半導体層216と電気的に連結され得る。
【0207】
第1および第2電極251、253は伝導性酸化物、伝導性窒化物または金属であり得る。例えば第1および第2電極251、253は、ITO(Indium Tin Oxide)、ITON(ITO Nitride)、IZO(Indium Zinc Oxide)、IZON(IZO Nitride)、AZO(Aluminum Zinc Oxide)、AGZO(Aluminum Gallium Zinc Oxide)、IZTO(Indium Zinc Tin Oxide)、IAZO(Indium Aluminum Zinc Oxide)、IGZO(Indium Gallium Zinc Oxide)、IGTO(Indium Gallium Tin Oxide)、ATO(Antimony Tin Oxide)、GZO(Gallium Zinc Oxide)、IZON(IZO Nitride)、ZnO、IrOx、RuOx、NiO、Au、Cu、Ni、Ti、Ti-W、Cr、W、Pt、V、Fe、Mo物質のうち少なくとも一つを含むことができ、単層または多層で形成され得る。
【0208】
図23を参照すると、実施例は第1および第2電極251、253が下部に配置されるフリップチップ構造であり得る。第1絶縁層261は第1および第2電極251、253の下部面の一部を露出させ、発光構造物210上に形成され得る。第1絶縁層261は第1および第2電極251、253が配置された発光構造物210の下と接することができる。
【0209】
第1絶縁層261から露出した第1および第2電極251、253の下部面上に第1および第2連結電極271、273が形成され得る。第1および第2連結電極271、273はメッキ工程で形成され得るが、これに限定されるものではない。第1絶縁層261は酸化物または窒化物であり得る。例えば第1絶縁層261は、SiO2、SixOy、Si3N4、SixNy、SiOxNy、Al2O3、TiO2、AlNなどからなる群から少なくとも一つが選択され得る。
【0210】
第1および第2連結電極271、273は、Ag、Ni、Al、Rh、Pd、Ir、Ru、Mg、Zn、Pt、Cu、Au、Hfのうち少なくとも一つを含む金属または合金であり得る。第1および第2連結電極271、273は、金属または合金とITO(Indium-Tin-Oxide)、IZO(Indium-Zinc-Oxide)、IZTO(Indium-Zinc-Tin-Oxide)、IAZO(Indium-Aluminum-Zinc-Oxide)、IGZO(Indium-Gallium-Zinc-Oxide)、IGTO(Indium-Gallium-Tin-Oxide)、AZO(Aluminum-Zinc-Oxide)、ATO(Antimony-Tin-Oxide)等の透明伝導性物質の単層または多層であり得る。
【0211】
第2絶縁層263は第1絶縁層261の下に形成され得、第1絶縁層261と直接接することができる。第2絶縁層263は第1および第2連結電極271、273の下部を露出させ、第1および第2連結電極271、273の側部上に形成され得る。第2絶縁層263はシリコーンまたはエポキシのような樹脂物内に熱拡散剤を添加して形成され得る。熱拡散剤は、Al、Cr、Si、Ti、Zn、Zrのような物質を有する酸化物、窒化物、ふっ化物、黄化物のうち少なくとも一つの物質、例えば、セラミック材質を含むことができる。熱拡散剤は所定の大きさの粉末粒子、微粒子、フィラー(filler)、添加剤と定義され得る。第2絶縁層263は省略されてもよい。
【0212】
第1および第2パッド281、283は、第2絶縁層263から露出した第1および第2連結電極271、273上に形成され得る。第1および第2パッド281、283は、Ag、Ni、Al、Rh、Pd、Ir、Ru、Mg、Zn、Pt、Cu、Au、Hfのうち少なくとも一つを含む金属または合金であり得る。第1および第2パッド281、283は、金属または合金とITO(Indium-Tin-Oxide)、IZO(Indium-Zinc-Oxide)、IZTO(Indium-Zinc-Tin-Oxide)、IAZO(Indium-Aluminum-Zinc-Oxide)、IGZO(Indium-Gallium-Zinc-Oxide)、IGTO(Indium-Gallium-Tin-Oxide)、AZO(Aluminum-Zinc-Oxide)、ATO(Antimony-Tin-Oxide)等の透明伝導性物質の単層または多層であり得る。
【0213】
実施例は第1導電型半導体層212上に配置された基板201を含んでいるが、これに限定されるものではない。例えば基板201はレーザーリフトオフ(LLO:Laser Lift Off)工程によって除去され得る。ここで、レーザーリフトオフ工程(LLO)は、基板201の下部面にレーザーを照射して基板201と発光構造物210を互いに剥離させる工程である。
【0214】
実施例は、第2-1導電型半導体層216上に3Dモードに成長した第2-2導電型半導体層218aが配置されて、第2-1導電型半導体層216からの転位をベンディングさせて結晶性を向上させることができる。
【0215】
実施例は、転位の伝播を改善することによって、最終半導体層のTDD(Threading dislocation Density)を減らして発光効率を改善することができる。
【0216】
実施例は、第2-1導電型半導体層216、EBL230の第2導電型ドーパントのドーピング濃度を一定に維持することによって、EBLから活性層へのpドーパントの後方拡散(back diffusion)を改善して光抽出効率を向上させることができる。
【0217】
実施例は、転位や欠陥を改善して漏洩電流による電気的特性の低下を改善することができる。
【0218】
実施例は、転位や欠陥を改善して紫外線発光素子のfully TE偏光を実現することができる。
【0219】
図24は、実施例に係る発光素子パッケージを図示した断面図である。
【0220】
図24に図示された通り、実施例の発光素子パッケージ300は、発光素子200、パッケージ胴体301、放熱フレーム310、保護素子360、第1および第2リードフレーム320、330を含むことができる。
【0221】
パッケージ胴体301は透光性材質、反射性材質、絶縁性材質のうち少なくとも一つを含むことができる。パッケージ胴体301は発光素子200から放出された光に対し、反射率が透過率より高い物質を含むことができる。パッケージ胴体301は樹脂系列の絶縁物質であり得る。例えばパッケージ胴体301は、ポリフタルアミド(PPA:Polyphthalamide)、エポキシまたはシリコーン材質のような樹脂材質、シリコン(Si)、金属材質、PSG(photo sensitive glass)、サファイア(Al2O3)、印刷回路基板(PCB)のうち少なくとも一つで形成され得る。パッケージ胴体301は例えば平面視の形状が正四角形であり得るが、これに限定されるものではない。パッケージ胴体301の平面視の形状は円形または多角形の形状でもよい。
【0222】
パッケージ胴体301は第1および第2リードフレーム320、330と結合され得る。胴体220は第1および第2リードフレーム320、330の上部面の一部を露出させるキャビティ303を含むことができる。キャビティ303は第1リードフレーム320の上部面の一部を露出させることができ、第2リードフレーム330の上部面の一部を露出させることができる。
【0223】
第1および第2リードフレーム320、330は、一定の間隔離隔してパッケージ胴体301と結合され得る。第2リードフレーム330は発光素子200および保護素子360が配置され得、第1リードフレーム320には発光素子200の第1ワイヤー200W1および保護素子360のワイヤー360Wが接続され得るが、これに限定されるものではない。第1および第2リードフレーム320、330は導電性物質を含むことができる。例えば第1および第2リードフレーム320、330は、チタニウム(Ti)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、金(Au)、クロム(Cr)、タンタル(Ta)、白金(Pt)、錫(Sn)、銀(Ag)、リン(P)、鉄(Fe)、錫(Sn)、亜鉛(Zn)、アルミニウム(Al)のうち少なくとも一つを含むことができ、複数の層で形成され得る。例えば実施例の第1および第2リードフレーム320、330は、銅(Cu)を含むベース層とベース層を覆う銀(Ag)を含む酸化防止層で構成され得るが、これに限定されるものではない。
【0224】
第2リードフレーム330は、キャビティ303の中心領域に露出する第1リード部331a、第1リードフレーム320と対角線に対称となって第1リードフレーム320の形状と対応する第2リード部331b、保護素子360が実装されるキャビティ303の角領域および対角線角領域に配置された第3リード部331cを含むことができる。第1~第3リード部331a、331b、331cは、キャビティ303の底面に露出する第2リードフレーム330の上部面であって、面積および幅を含む形状は多様に変更され得る。
【0225】
第1リードフレーム320は第2リード部331bと対称となる対角線に屈曲構造を有し得るが、これに限定されるものではない。
【0226】
放熱フレーム310は第1および第2放熱電極311、313を含み、第1放熱電極311は第1ワイヤー200W1と連結される第1パッド部311aを含み、第2放熱電極313は第2ワイヤー200W2と連結される第2パッド部313aを含むことができる。
【0227】
発光素子200は放熱フレーム310上に実装され得る。実施例では放熱フレーム310を含む発光素子パッケージを限定しているが、放熱フレーム310は省略され得る。常に放熱フレーム310が省略された場合、発光素子200はパッケージ胴体301上に配置されてもよい。発光素子200は
図1~
図23の技術的特徴を含むことができる。
【0228】
保護素子360は第3リード部331c上に配置され得る。保護素子360はパッケージ胴体301から露出した第2リードフレーム330の上部面上に配置され得る。保護素子360は、ツェナーダイオード、サイリスタ(Thyristor)、TVS(Transient Voltage Suppression)等であり得るが、これに限定されるものではない。実施例の保護素子360は、ESD(Electro Static Discharge)から発光素子200を保護するツェナーダイオードを一例として説明する。保護素子360はワイヤーを通じて第1リードフレーム310と連結され得る。
【0229】
実施例の発光素子パッケージは、半導体層間の格子定数の差を改善する発光素子200を含み、特に紫外線発光素子のfully TE偏光を実現することができる。
【0230】
前述した発光素子は発光素子パッケージで構成され、照明システムの光源として使用され得る。発光素子パッケージは例えばキャビティを有する胴体と、胴体に結合されたリード電極を含むことができ、発光素子は胴体上に配置されてリード電極と電気的に連結され得る。
【0231】
発光素子は例えば映像表示装置の光源や照明装置などの光源として使用され得る。
【0232】
映像表示装置のバックライトユニットとして使用される時、エッジタイプのバックライトユニットとして使用されるか、直下タイプのバックライトユニットとして使用され得、照明装置の光源として使用される時、灯り器具やバルブタイプで使用されてもよく、また移動端末の光源として使用されてもよい。
【0233】
発光素子は前述した発光ダイオードの他にレーザーダイオードがある。
【0234】
レーザーダイオードは、発光素子と同様に、前述した構造の第1導電型半導体層と活性層および第2導電型半導体層を含むことができる。そして、p-型の第1導電型半導体とn-型の第2導電型半導体を接合させた後、電流を流した時に光が放出されるelectro-luminescence(電界発光)現象を利用するが、放出される光の方向性と位相で差異点がある。すなわち、レーザーダイオードは励起放出(stimulated emission)という現象と補強干渉現象などを利用して、一つの特定の波長(単色光、monochromatic beam)を有する光が同じ位相を有して同じ方向に放出され得、このような特性によって光通信や医療用装備および半導体工程装備などに使用され得る。
【0235】
受光素子としては、光を検出してその強度を電気信号に変換する一種のトランスデューサーである光検出器(photodetector)を例にあげることができる。このような光検出器として、光電池(シリコン、セレン)、光導電素子(硫化カドミウム、セレン化カドミウム)、フォトダイオード(例えば、visible blind spectral regionやtrue blind spectral regionでピーク波長を有するPD)、フォトトランジスタ、光電子増倍管、光電管(真空、ガス封入)、IR(Infra-Red)検出器などがあるが、実施例はこれに限定されない。
【0236】
また、光検出器のような半導体素子は、一般的に光変換効率が優秀な直接遷移半導体(direct bandgap semiconductor)を利用して製作され得る。または光検出器は構造が多様であり、最も一般的な構造としては、p-n接合を利用するpin型光検出器と、ショットキー接合(Schottky junction)を利用するショートキー型光検出器と、MSM(Metal Semiconductor Metal)型光検出器などがある。
【0237】
フォトダイオード(Photodiode)は発光素子と同様に、前述した構造の第1導電型半導体層と活性層および第2導電型半導体層を含むことができ、pn接合またはpin構造で構成される。フォトダイオードは逆バイアスあるいはゼロバイアスを加えて動作するようになり、光がフォトダイオードに入射すると電子と正孔が生成されて電流が流れる。この時、電流の大きさはフォトダイオードに入射される光の強度に略比例し得る。
【0238】
光電池または太陽電池(solar cell)はフォトダイオードの一種であって、光を電流に変換することができる。太陽電池は、発光素子と同様に、前述した構造の第1導電型半導体層と活性層および第2導電型半導体層を含むことができる。
【0239】
また、p-n接合を利用した一般的なダイオードの整流特性を通じて、電子回路の整流器として利用されてもよく、超高周波回路に適用されて発振回路などに適用され得る。
【0240】
また、前述した半導体素子は必ずしも半導体でのみ具現されず、場合により金属物質をさらに含むこともできる。例えば、受光素子のような半導体素子は、Ag、Al、Au、In、Ga、N、Zn、Se、P、またはAsのうち少なくとも一つを利用して具現され得、p型やn型ドーパントによってドーピングされた半導体物質や真性半導体物質を利用して具現されてもよい。以上、実施例を中心に説明したがこれは単に例示に過ぎず、本発明を限定するものではなく、本発明が属する分野の通常の知識を有する者であれば、本実施例の本質的な特性を逸脱しない範囲で以上で例示されていない多様な変形と応用が可能であることが分かるはずである。例えば、実施例に具体的に示された各構成要素は変形して実施できるものである。そして、このような変形と応用に関係した差異点は添付された特許請求の範囲で規定する本発明の範囲に含まれるものと解釈されるべきである。