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特許7281259製品入り外袋、製品入り外袋の巻き取り品又はつづら折り品、それらの製造方法及び袋体の供給方法
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  • 特許-製品入り外袋、製品入り外袋の巻き取り品又はつづら折り品、それらの製造方法及び袋体の供給方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-17
(45)【発行日】2023-05-25
(54)【発明の名称】製品入り外袋、製品入り外袋の巻き取り品又はつづら折り品、それらの製造方法及び袋体の供給方法
(51)【国際特許分類】
   B65D 33/24 20060101AFI20230518BHJP
   B65B 9/067 20120101ALI20230518BHJP
   B65B 35/18 20060101ALI20230518BHJP
   B65D 75/42 20060101ALI20230518BHJP
   B65D 30/22 20060101ALI20230518BHJP
   B65D 30/10 20060101ALN20230518BHJP
【FI】
B65D33/24
B65B9/067
B65B35/18
B65D75/42
B65D30/22 F
B65D30/10 M
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2018168284
(22)【出願日】2018-09-07
(65)【公開番号】P2018193135
(43)【公開日】2018-12-06
【審査請求日】2021-09-03
(73)【特許権者】
【識別番号】000147316
【氏名又は名称】株式会社生産日本社
(74)【代理人】
【識別番号】100115794
【弁理士】
【氏名又は名称】今下 勝博
(74)【代理人】
【識別番号】100119677
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 賢治
(72)【発明者】
【氏名】野口 ▲隆▼之
【審査官】長谷川 一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-122939(JP,A)
【文献】実開平06-035143(JP,U)
【文献】特開平06-099944(JP,A)
【文献】特開2014-097812(JP,A)
【文献】特開2004-187599(JP,A)
【文献】特開平09-309542(JP,A)
【文献】特開2007-076711(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 33/24
B65B 9/067
B65B 35/18
B65D 75/42
B65D 30/22
B65D 30/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
製品である袋体の一部が重なるように連続又は間欠で一列に積み重ねられた複数個の袋体3を、外包装用の筒状外袋1で包み込んで、前記袋体の積み重ねの状態を保持したままで一体化した製品入り外袋100であって、
前記筒状外袋は、自己粘着性を有する樹脂フィルムを基材として筒の長さ方向Xに沿って連続して延びた筒形状をなしており、前記筒の長さ方向Xに沿って開口する開口部を少なくとも一つ有し、かつ、前記筒の長さ方向に沿って前記基材同士が重なり合って自己粘着して前記開口部を閉じる重なり部71を少なくとも一つ有しており、
前記製品入り外袋は、前記筒の長さ方向Xに沿った所定の間隔毎に設けられた複数個の仕切りを有し、かつ、前記仕切りによって、前記複数個の袋体は所定枚数毎に区切られており、前記仕切りとその隣の前記仕切りとの間に前記所定枚数の前記袋体が配置されており、
前記仕切りは、向かい合う前記基材同士の自己粘着部であることを特徴とする製品入り外袋。
【請求項2】
前記製品入り外袋は、フラットのシート状外包装用の樹脂フィルムとした前記基材に製品である袋体の一部が重なるように連続又は間欠で一列に積み重ねられた複数個の袋体を載せ、前記複数個の袋体を前記基材で包み込んで筒状外袋とし、前記袋体の積み重ねの状態を保持したままで一体化したことを特徴とする請求項1に記載の製品入り外袋。
【請求項3】
前記樹脂フィルムは、前記製品である袋体に対して剥離可能な粘着性をさらに有することを特徴とする請求項1又は2に記載の製品入り外袋。
【請求項4】
前記筒状外袋は少なくとも一つの開口部を有し、該開口部が前記重なり部によって閉じられる構造を有することを特徴とする請求項1~3のいずれか一つに記載の製品入り外袋。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか一つに記載の製品入り外袋が、横断面が扁平状態でロール巻き、カセ巻き又はつづら折りされていることを特徴とする製品入り外袋の巻き取り品又はつづら折り品。
【請求項6】
前記製品入り外袋は、前記基材の外壁面に滑り処理面を有することを特徴とする請求項5に記載の製品入り外袋の巻き取り品又はつづら折り品。
【請求項7】
製品である袋体の一部が重なるように連続又は間欠で一列に積み重ねられた複数個の袋体を、外包装用の筒状外袋で包み込んで、前記袋体の積み重ねの状態を保持したままで一体化した製品入り外袋の製造方法であって、
前記製品入り外袋は、前記筒の長さ方向Xに沿った所定の間隔毎に仕切りを有し、かつ、前記仕切りによって、前記複数個の袋体は所定枚数毎に区切られており、前記仕切りは、向かい合う前記基材同士の自己粘着部であるか、又は向かい合う前記基材同士の剥離可能なシール部であり、
基材として等幅の帯状の自己粘着性を有する樹脂フィルムを準備する工程Aと、
前記基材を広げた状態とする工程Bと、
前記基材の上に、該基材の長手方向に沿って、前記袋体の一部が重なるように連続又は間欠で一列に該袋体を複数積み重ねていき、前記袋体が所定枚数積み重ねられる毎に前記袋体を配置しない非配置部を所定の間隔毎に設ける工程Cと、
前記複数個の袋体を載せた前記基材を該基材の長手方向に移動させながら、前記基材で前記複数個の袋体を包み込むとともに、前記基材同士が重なり合って自己粘着した重なり部を形成することで、前記基材を筒状に成形して前記製品入り外袋を得る工程Dと、
前記工程Dの後に、前記製品入り外袋に対して、前記非配置部に相当する箇所に前記仕切りを設ける仕切り形成工程と、を有することを特徴とする製品入り外袋の製造方法。
【請求項8】
請求項に記載の製品入り外袋を引き出しながら重なり部又は外袋のうち重なり部以外の箇所を開口する工程Fと、
開口された外袋の中の前記袋体を順々に充填機に供給する工程Gと、を有することを特徴とする袋体の供給方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、製品入り外袋に関し、特に、複数の製品について製品同士の相対的位置関係を固定したまま包み込んで、ひとまとまりとする筒状外袋によって製品が包まれた製品入り外袋、さらにその製品入り外袋を横断面が扁平状態でロール巻き、カセ巻き又はつづら折りした製品入り外袋の巻き取り品又はつづら折り品に関する。さらに本開示はそれらの製造方法及び製品入り外袋から製品である袋体を取り出す袋体の供給方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、販売の目的とされる商品を直接包装する形態を一次包装という。一次包装の形態とされた商品を決められた数量に従い、さらに箱又は袋に包装する形態を二次包装という。商品は一次包装又は二次包装の形態にて消費者に渡される。さらに、二次包装の形態の商品を決められた数量に従い、バルクハンドリング、倉庫保管及び輸送等の目的のために梱包箱等に入れる形態を三次包装という。また、一次包装の形態にされた商品を、二次包装の形態とせずに、三次包装の形態とすることもある。
【0003】
例えば、円筒状の小巻ロール(「商品」に相当する。)の円筒側面を包装用フィルムに巻き付けたのち、包装フィルムの側面を熱融着し、さらに円筒の上面側と下面側に位置する包装用フィルムをそれぞれ閉じて熱融着して、小巻ロールを一次包装する技術がある(例えば、特許文献1の図25図29を参照。)。
【0004】
なお、製袋メーカーにとっては、販売の目的とされる商品が包装資材となる袋体であるため(例えば、特許文献2を参照。)、本明細書では、包装資材としての袋体が販売の目的とされる商品である場合、包装資材ではない商品(通常の商品のことであり、以降、非包装資材商品ともいう。)との区別のために、当該袋体を「製品」と称することがある。また、袋体を包む包装を外袋と称することがある。
【0005】
非包装資材商品が入った嵌合具付き袋が小売店に陳列されるまでは、まず、(1)製袋工程:製袋メーカーが袋体を製造してさらに外袋に収容し、(2)運送工程1:袋体を非包装資材商品のメーカーに納入し、(3)給袋工程:外袋から袋体を取り出し、(4)充填工程:非包装資材商品を袋体に充填し、(5)運送工程2:袋体に充填された非包装資材商品を小売店に搬送して一般消費者へと渡る、というルートが通常である。
【0006】
従来の製袋工程は次のような手順で行われていた。すなわち、製袋機によって製袋された製品である嵌合具付き袋は、トレーなどの容器にいったんストックされ、人の手によって一定枚数を束にする結束作業が行われていた。その一定枚数ずつ束にされた、製品である嵌合具付き袋は、輪ゴム等の結束手段で固定され、続いて嵌合具付きの外袋に入れられたのち、外袋の嵌合具が閉じられる。さらに複数個の嵌合具付き外袋は箱に詰められる。その箱は、埃や汚れの付着防止又は浸水防止のために防水フィルムによって覆われた後、出荷される。これらの工程はすべて人の手が必要であった。
【0007】
また、従来の給袋工程は次のような手順で行われていた。すなわち、非包装資材商品のメーカーが非包装資材商品を嵌合具付き袋に充填するために、防水フィルムを剥がして箱から外袋を取り出し、その外袋の嵌合具を外し、束ねられた嵌合具付き袋を取り出し、束ねてある輪ゴム等の結束手段を外して、嵌合具付き袋を個々の状態に戻す。これらの工程もすべて人の手が必要であった。
【0008】
さらに従来の充填工程は次のような手順で行われていた。すなわち、個々の嵌合具付き袋を、充填機の袋体供給部に供給する。この工程も人の手が必要であった。充填機の袋体供給部から一つ一つ取り出された嵌合具付き袋は、開口され、非包装資材商品が充填される。この工程は、充填機によってなされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】特開2003‐267602号公報
【文献】特開2018‐8728号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかし、製袋工程では、袋詰めのときの作業スピードや精度がそれを行う個々の人の能力に依存していたため、個々の人の処理能力に合わせて包装袋の製造ラインのスピードを調整し、また休憩が必要である。その結果として、生産性が低下し、また生産性が不安定となりやすく、生産効率が悪かった。また、トレーにストックされた袋体は、ストック場所や積み重ねの不安定さによってストック枚数に限りがあり、広いスペースを必要としていた。そして、結束された袋体を外袋に入れるときの輪ゴム留めや外袋に入れるときの嵌合具の開口、閉口、箱詰め、防水フィルム施工に至る作業には時間がかかり、また手間であった。
【0011】
また、給袋工程では、防水フィルム付きの箱詰めされた外袋を取り出し、嵌合具を外し、輪ゴム等を取り除いて嵌合具付き袋を個々の状態に戻していたが、すべて人の手が必要であった。特に輪ゴム等により嵌合具付き袋が湾曲して癖がついてしまい、平状に戻す作業を余儀なくされていたが、これらの作業もすべて人の手によって行われていた。さらに、輪ゴム等と接触していた嵌合具付き袋にはシワが発生していたり、ときには穴が開いてしまうことがあった。このように作業ミスや製品ロスが頻繁に発生しやすかった。さらに、充填機に嵌合具付き袋をセットし終えるたびに、次なる外袋について嵌合具開口工程に戻って同様に人の手で繰り返して作業を行う必要があり、時間と手間がかかっていた。よって、人件費が嵩み、コスト高になっていたほか、作業ミスなども不可避であった。加えて人手不足によって人材確保が難しく、一層費用が嵩んでいた。
【0012】
さらに、外袋については、それ自体を製袋する必要があり、袋製品と同じ手間とコストがかかっていた。また、様々な種類の外袋を防水フィルムと共に保管しなければならず、倉庫による管理を強いられるため、非常にコスト高であると共に手間もかかっていた。
【0013】
また、防水フィルム、出荷箱、外袋は充填工程を経た後に廃棄されるため、大量の資源が無駄に消費されていた。
【0014】
また、結束、外袋詰め、箱詰め、箱開け及び外袋明けを人の手で行っていたため、人に起因する汚れが付着するおそれもあった。
【0015】
そこで本開示は、(1)人的作業の省力化を図ることで、包装袋の製造ラインの高速化を実現し、また、その生産速度の安定化を図り、人的作業のミスによる製造ロスの低減と袋体の品質低下を抑制すること、及び、(2)外袋の製袋及び保管によるコスト上昇を防ぐと共にその管理の手間を省くこと、を実現する、省人・省資源・省スペース・低コスト及び良好な衛生性を兼ね備えた製品入り外袋、製品入り外袋の巻き取り品、それらの製造方法及び袋体の供給方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明者は、鋭意検討したところ、外包装用の外袋を、自己粘着性を有する樹脂フィルムを用いた筒状外袋の形態とし、また、製品である袋体の一部が重なるように連続して一列に積み重ねられた複数個の袋体を、外装用の筒状外袋で包み込み、袋体の積み重ね状態を保持したままで一体化させることで、上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成させた。
【0017】
本発明に係る製品入り外袋は、製品である袋体の一部が重なるように連続又は間欠で一列に積み重ねられた複数個の袋体3を、外包装用の筒状外袋1で包み込んで、前記袋体の積み重ねの状態を保持したままで一体化した製品入り外袋100であって、前記筒状外袋は、自己粘着性を有する樹脂フィルムを基材として筒の長さ方向Xに沿って連続して延びた筒形状をなしており、前記筒の長さ方向Xに沿って開口する開口部を少なくとも一つ有し、かつ、前記筒の長さ方向に沿って前記基材同士が重なり合って自己粘着して前記開口部を閉じる重なり部71を少なくとも一つ有しており、前記製品入り外袋は、前記筒の長さ方向Xに沿った所定の間隔毎に設けられた複数個の仕切りを有し、かつ、前記仕切りによって、前記複数個の袋体は所定枚数毎に区切られており、前記仕切りとその隣の前記仕切りとの間に前記所定枚数の前記袋体が配置されており、前記仕切りは、向かい合う前記基材同士の自己粘着部であることを特徴とする。複数個の袋体について、所定枚数、例えば100枚単位で管理したい場合がある。このような場合に、仕切りとその隣の仕切りとの間に所定枚数の袋体を配置することが容易となる。
【0018】
本発明に係る製品入り外袋では、前記製品入り外袋は、フラットのシート状外包装用の樹脂フィルムとした前記基材に製品である袋体の一部が重なるように連続又は間欠で一列に積み重ねられた複数個の袋体を載せ、前記複数個の袋体を前記基材で包み込んで筒状外袋とし、前記袋体の積み重ねの状態を保持したままで一体化したことが好ましい。
【0019】
本発明に係る製品入り外袋では、前記樹脂フィルムは、前記製品である袋体に対して剥離可能な粘着性をさらに有することが好ましい。筒状外袋内で複数個の袋体の配列が崩れることを抑制することができるので、袋体の積み重ねの状態を保持したままでより一体化できる。
【0020】
本発明に係る製品入り外袋では、前記製品入り外袋は、前記基材の内壁面にエンボス加工領域部を有することが好ましい。筒状外袋内で複数個の袋体の配列が崩れることを抑制することができるので、袋体の積み重ねの状態を保持したままでより一体化できる。
【0021】
本発明に係る製品入り外袋では、前記筒状外袋は少なくとも一つの開口部を有し、該開口部が前記重なり部によって閉じられる構造を有することが好ましい。
【0022】
本発明に係る製品入り外袋の巻き取り品又はつづら折り品は、本発明に係る製品入り外袋が、横断面が扁平状態でロール巻き、カセ巻き又はつづら折りされていることを特徴とする。本発明に係る製品入り外袋の巻き取り品又はつづら折り品では、前記製品入り外袋は、前記基材の外壁面に滑り処理面を有することが好ましい。
【0023】
本発明に係る製品入り外袋の製造方法は、製品である袋体の一部が重なるように連続又は間欠で一列に積み重ねられた複数個の袋体を、外包装用の筒状外袋で包み込んで、前記袋体の積み重ねの状態を保持したままで一体化した製品入り外袋の製造方法であって、前記製品入り外袋は、前記筒の長さ方向Xに沿った所定の間隔毎に仕切りを有し、かつ、前記仕切りによって、前記複数個の袋体は所定枚数毎に区切られており、前記仕切りは、向かい合う前記基材同士の自己粘着部であるか、又は向かい合う前記基材同士の剥離可能なシール部であり、基材として等幅の帯状の自己粘着性を有する樹脂フィルムを準備する工程Aと、前記基材を広げた状態とする工程Bと、前記基材の上に、該基材の長手方向に沿って、前記袋体の一部が重なるように連続又は間欠で一列に該袋体を複数積み重ねていき、前記袋体が所定枚数積み重ねられる毎に前記袋体を配置しない非配置部を所定の間隔毎に設ける工程Cと、前記複数個の袋体を載せた前記基材を該基材の長手方向に移動させながら、前記基材で前記複数個の袋体を包み込むとともに、前記基材同士が重なり合って自己粘着した重なり部を形成することで、前記基材を筒状に成形して前記製品入り外袋を得る工程Dと、前記工程Dの後に、前記製品入り外袋に対して、前記非配置部に相当する箇所に前記仕切りを設ける仕切り形成工程と、を有することを特徴とする。
【0024】
本発明に係る製品入り外袋の製造方法では、前記工程Aにおいて、前記基材を1つ準備し、前記工程Bにおいて、前記基材を水平に広げ、前記工程Cにおいて、前記基材をフラットのシート状として前記袋体を載せ、前記工程Dにおいて、前記基材の幅方向の両端の縁を前記袋体の積み重ね面の上に配置して、前記重なり部を形成することが好ましい。袋体を外袋で合掌貼りの形態で容易に包むことができる。このため、簡易な構造の装置で製造しやすい。
【0025】
また、本発明に係る製品入り外袋の製造方法では、前記工程Aにおいて、前記基材を1つ準備し、前記工程Bにおいて、前記基材を、前記基材の長手方向の横断面がU字形状又はV字状となるように広げ、前記工程Cにおいて、前記袋体の左右いずれか一方の側端側を下方に向けた状態で、前記袋体を前記U字形状又はV字状の基材の内側に入れることが好ましい。本形態においても重力を利用して袋体をきれいに整列させることが出来るため、製品入り外袋内で、袋体がより整然と整列している。
【0026】
また、本発明に係る製品入り外袋の製造方法では、前記工程Aにおいて、前記基材を2つ準備し、前記工程Bにおいて、前記基材の一方を水平に広げ、前記基材の他方を、前記基材の一方の上方で水平に広げ、前記工程Cにおいて、前記基材の一方をフラットのシート状とすると共に、前記基材の一方の幅方向の両端が前記袋体の左の側端側及び右の側端側にそれぞれ位置するように、該袋体を前記基材の一方の上に載せ、前記工程Dにおいて、前記基材の他方を前記袋体に被せて、前記基材の一方と前記基材の他方とを重ね合わせて前記重なり部を形成することが好ましい。2つの基材を上下に配置し、その間に袋体を配置して閉じるという簡易な動作で、外袋の中に袋体を入れることが出来る。
【0027】
本発明に係る製品入り外袋の製造方法では、前記工程Cにおいて、前記袋体が所定枚数積み重ねられる毎に該袋体を配置しない非配置部を所定の間隔毎に設け、かつ、前記工程Dの後に、前記製品入り外袋に対して、前記非配置部に相当する箇所に仕切りを設ける仕切り形成工程と、を有することが好ましい。複数個の袋体について、所定枚数、例えば100枚単位で管理したい場合がある。このような場合に、仕切りとその隣の仕切りとの間に所定枚数の袋体を配置することが容易となる。
【0028】
本発明に係る製品入り外袋の製造方法では、前記仕切りは、向かい合う前記基材同士を自己粘着することによって、又は、向かい合う前記基材同士を剥離可能なシール、接着又は熱溶着することによって形成することが好ましい。仕切りを自己粘着によって形成することで、仕切りを容易に形成することができる。仕切りを剥離可能なシール、接着又は熱溶着によって形成することで、より確実に製品である袋体を仕切ることができる。また、仕切りの形成も容易である。
【0029】
本発明に係る製品入り外袋の巻き取り品又はつづら折り品の製造方法は、本発明に係る製品入り外袋を横断面が扁平状態でロール巻き、カセ巻き又はつづら折りする工程Eを有することを特徴とする。
【0030】
本発明に係る袋体の供給方法は、本発明に係る製品入り外袋又は本発明に係る製品入り外袋の巻き取り品又はつづら折り品の外袋を引き出しながら重なり部又は外袋のうち重なり部以外の箇所を開口する工程Fと、開口された外袋の中の前記袋体を順々に充填機に供給する工程Gと、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0031】
本開示によれば、(1)人的作業の省力化を図ることで、包装袋の製造ラインの高速化を実現し、また、その生産速度の安定化を図り、人的作業のミスによる製造ロスの低減と袋体の品質低下を抑制すること、及び、(2)外袋の製袋及び保管によるコスト上昇を防ぐと共にその管理の手間を省くこと、を実現する、省人・省資源・省スペース・低コスト及び良好な衛生性を兼ね備えた製品入り外袋、製品入り外袋の巻き取り品、それらの製造方法及び袋体の供給方法を提供することが出来る。
【0032】
さらに、製袋機と充填機とをインラインで一体化すると生産効率が高まるところ、充填を行う者が製袋機のメンテナンスも行う必要が生じる。しかし、本発明によれば、設備のインライン化をしなくても、製品入り外袋が、実質的に製袋機を再現することが出来るため、袋体を充填機に高速で供給することが可能となる。よって、充填する者からすれば、製袋機のメンテナンスが不要であり、かつ、実質的にインライン化を再現することが出来る。さらに、製袋を行う者からすれば、袋体の結束作業が不要となり、また、それに伴う検品工程も不要とすることが出来る。
【0033】
さらに製品入り外袋の巻き取り品では、巻取りによって外袋内の空気が脱気されるため、外袋の内壁と袋体との接触状態及び袋体同士の接触状態が運送時においてもずれないため、開封して袋体を取り出すときに、袋体を詰めた状態をそのまま再現することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】本実施形態に係る製品入り外袋の第一例を示す正面概略図である。
図2図1のA-A線断面図である。
図3図1のB-B線断面図である。
図4】本実施形態に係る製品入り外袋に収容される袋体の一形態を示す正面概略図である。
図5図4のC-C線断面図である。
図6】本実施形態に係る製品入り外袋の第二例を示す正面概略図である。
図7図6のD-D線断面図である。
図8】本実施形態に係る製品入り外袋の第三例を示す正面概略図である。
図9図8のE-E線断面図である。
図10】本実施形態に係る製品入り外袋の巻き取り品の第一例を示す概略図である。
図11図10のG-G線断面図である。
図12】本実施形態に係る製品入り外袋の巻き取り品の第一の製造方法を説明するための概略図であり、製品入り外袋が、図1に示す製品入り外袋である形態を示す図である。
図13】本実施形態に係る製品入り外袋の巻き取り品の第二の製造方法を説明するための概略図であり、製品入り外袋が、図6に示す製品入り外袋である形態を示す図である。
図14】本実施形態に係る製品入り外袋の巻き取り品の第三の製造方法を説明するための概略図であり、製品入り外袋が、図8に示す製品入り外袋である形態を示す図である。
図15】本実施形態に係る袋体の供給方法の一形態を説明するための概略図であり、製品入り外袋の巻き取り品が、第一の製造方法で得られた製品入り外袋の巻き取り品である形態を示す図である。
図16】例示的な熱シール器を用いて熱溶着部を形成する方法を説明する概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
次に、本発明について実施形態を示して詳細に説明するが本発明はこれらの記載に限定して解釈されない。本発明の効果を奏する限り、実施形態は種々の変形をしてもよい。
【0036】
(製品入り外袋:第一例)
次に図1図3図4及び図5を参照して、本実施形態に係る製品入り外袋100(第一例)を説明する。本実施形態に係る製品入り外袋100は、製品である袋体(p1,p2,p3,・・・,pn)の一部が重なるように連続又は間欠で一列に積み重ねられた複数個の袋体3を、外包装用の筒状外袋1で包み込んで、袋体の積み重ねの状態を保持したままで一体化した製品入り外袋100であって、筒状外袋1は、自己粘着性を有する樹脂フィルムを基材5として筒の長さ方向Xに沿って連続して延びた筒形状をなしており、筒の長さ方向に沿って基材5同士が重なり合って自己粘着した重なり部71を少なくとも一つ有している。
【0037】
外包装とは、販売の目的とされる商品(商品のみならず、個別に一次包装された商品を含む。)を複数個の単位で、ひとまとまりに包装する形態(二次包装及び三次包装の両方を包含する。)をいう。また、外袋とは、外包装が特に袋体であることをいう。したがって、実施形態において筒状外袋とは、筒形状を有し、外包装に用いられる袋体をいう。
【0038】
基材5としての自己粘着性を有する樹脂フィルムは、フィルム自体が自己粘着性を有する形態であるか、又はフィルムの表面に自己粘着性を有する樹脂を含む粘着層を設けた形態であってもよい。ここで、「自己粘着性」とは、同じ材料のフィルム同士を重ね合わせることによって、フィルム同士がある程度の力を加えないと剥離しなくなる程度に粘着する性質をいう。自己粘着性を有する樹脂フィルムとしては、例えば、ストレッチフィルム又はラップフィルムなどと呼ばれるフィルムを用いてもよい。自己粘着性を有する樹脂フィルムが、フィルム自体が自己粘着性を有する形態であるとき、フィルムに用いられる樹脂の材質は、特に限定されないが、例えば、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)又はエラストマーである。自己粘着性を有する樹脂フィルムが、フィルムの表面に自己粘着性を有する樹脂を含む粘着層を設ける形態であるとき、粘着層に用いられる自己粘着性を有する樹脂は、例えば、天然ゴム又はエラストマーである。また、フィルム又は粘着層を構成する樹脂に、粘着付与剤を組み合わせたものであってもよい。粘着付与剤は、特に限定されないが、例えば、テルペン系樹脂、ロジンエステル系樹脂又は脂肪酸系若しくは芳香剤系石油系樹脂である。
【0039】
また、単層フィルムからなる基材5の厚さは0.2mm~1.5mm程度のものが望ましく、複層フィルムからなる基材5の厚さは0.4~2.0mm程度が望ましい。また、筒状外袋1は、筒内を広げたときに筒の長さ方向Xに沿って同一内径で連続して延びた筒形状を有する。内径(直径)は、例えば1.5~65cmであるが、この範囲に限定されない。また、筒形状の上端部及び下端部は、開放されていてもよく、また、剥離可能なシール、接着若しくは熱溶着又は結束されて閉じていてもよい。
【0040】
図1及び図2に示すように、開口部6は、筒の長さ方向Xに沿って基材5に設けられている。本実施形態では、筒状外袋1は開口部6を少なくとも一つ有する。開口部6が1つである場合、基材は開口部を広げることで、1つの帯状のフィルムとなる。図1図3に示した筒状外袋1は、開口部6を一つ有している。開口部6が2つである場合、基材は開口部を広げることで、2つの帯状のフィルムとなる。ここでこの2つの帯状フィルムの幅が同じ幅を持つように開口部を設けることが好ましい。なお、開口部6は、筒形状の両端にわたって、形成されていることが好ましい。
【0041】
筒状外袋1は、横断面が平坦状態でロール巻き、カセ巻き又はつづら折りされていることが好ましい。横断面が平坦状態とは、筒形状の内壁面同士が向かい合って接触し合っている状態をいう。ロール巻きされるとは、ボビン巻き、芯巻き及び無芯巻きを包含する。ロール巻き及びカセ巻きされる形態では、筒状外袋1は、横断面が平坦状態となることで筒内の空間が脱気された状態となるため帯状のような形状となるところ、平らな外壁面同士が接触し合うように巻かれることが好ましい。巻かれた筒状外袋の嵩を小さくすることが出来る。また、つづら折りされる形態、すなわち、ジグザグ状に畳まれる形態においても、筒状外袋1は、横断面が平坦状態となることで筒内の空間が脱気された状態となるため帯状のような形状となるところ、平らな外壁面同士が接触し合うように折られて畳まれることが好ましい。つづら折りされた筒状外袋の嵩を小さくすることが出来る。
【0042】
本実施形態に係る製品入り外袋100(第一例)では、製品入り外袋100は、フラットのシート状外包装用の樹脂フィルムとした基材5に製品である袋体(p1,p2,p3,p4,・・・,pn)の一部が重なるように連続又は間欠で一列に積み重ねられた複数個の袋体3を載せ、複数個の袋体3を基材5で包み込んで筒状外袋1とし、袋体の積み重ねの状態を保持したままで一体化していることが好ましい。
【0043】
本実施形態に係る製品入り外袋100は、外包装用の筒状外袋1の筒内部に製品である袋体が複数個収容されている。図4及び図5に示すように、製品である袋体p1は、開口部8と収容部7を有するプラスチック樹脂製の袋体であり、開口部8の端に沿って、チャック9が設けられている。チャック9は、嵌合構造を有し、開閉自在である。チャック9は、開口部8と平行に延びる帯状の雌基部と雌部とを有する雌部材と、開口部8と平行に延びる帯状の雄基部と雄部とを有する雄部材とを有し、雌部に雄部が咬合することによって閉となるチャック構造を有することが好ましい。雄基部及び雌基部は、袋体の基材の内壁面に接着されている形態がある。また、チャック9は、雄部及び雌部が袋体の基材と一体に成形されていて、雌部に雄部が咬合することによって閉となるチャック構造の形態であってもよい。本実施形態では、チャック9は、これらの構造に限定されず、例えば、雌部同士が咬合する構造を有していてもよい。製品である袋体p2,p3,p4,・・・,pnは袋体p1と同じ構造を有する袋体である。製品である袋体(p1,p2,p3,p4,・・・,pn)は、平坦な構造を有するため、図3に示すように、一部が重なるように一列に積み重ねられた複数個の袋体3の状態とすることが可能である。ここで、複数個の袋体3は、筒状外袋1において、筒の長さ方向Xに沿って連続でつながっている配列としてもよく、また、間欠で配列、すなわち途中で途切れた箇所を有する配列としてもよい。間欠の配列には、例えば、所定枚数の袋体を一部が重なるように一列に積み重ねたのち、隙間を設け、続けて同枚数の袋体を一部が重なるように一列に積み重ねたのち、再度隙間を設け、これを繰り返す配列が好ましい。袋体の枚数の確認が容易となる。本実施形態では、一部が重なるように一列に積み重ねられた複数個の袋体3は、製品入り外袋100の形態とすることで、一体化されるため、単に「複数個の袋体3」又は「袋体3」と表現することがある。
【0044】
製品入り外袋100は、図2に示すように、複数個の袋体3を筒状外袋1で包み込む。帯状の基材5の長さ方向に延びる側端部同士を重ねあわせることによって(図2において、開口部、すなわち重ね合わせた側端部を符号6で示した。)、基材5である樹脂フィルム同士が自己粘着して重なり部71が形成される。重なり部71は、図2に示すように、少なくとも1回折り込まれることが好ましい。また、折る回数を2回以上とすることで、仮留め強度を高めることができる。重なり部71では、基材同士を剥離可能なシール、接着又は熱溶着することはしない。本実施形態において、剥離可能なシールとは、イージーピールシールを含む弱粘着性、弱接着性の剥がすことができるシールによる接合であり、接着とは、例えば、糊やテープを含む接着剤による接合であり、熱溶着とは、ヒートシール、超音波、高周波、スポットシール、インパルスシーラーやレーザーによる接合である。ここで、複数個の袋体3を収容したときの筒状外袋1の幅は、複数個の袋体3の幅よりもわずかに大きいことが好ましく、例えば、1~10mm大きいことが好ましい。筒状外袋1は、重なり部71を形成したとき、複数個の袋体3の配列が崩れない程度の保持力を持つことが好ましい。袋体3の積み重ねの状態を保持したままでより一体化できると共に、筒内部に余分な空気が入り込まないので、嵩の増加を抑制することができる。筒状外袋1は、重なり部71が形成されることにより、袋体3を含んだ状態で、一体化する。
【0045】
製品入り外袋100は、複数個の袋体3を運搬若しくは保管またはそれら両方を行うときにバルクとして取り扱うことを可能とするのみならず、製袋機から順次製造される袋体の配列状態を固定化することが可能であるので製袋機と充填機とが異なる場所になったとしても実質的にインライン化の再現をすることを可能とする。
【0046】
嵌合具付き筒状外袋1は、図2に示すように、重なり部71を一つ有し、重なり部71は、袋体3の積み重ね面の上に位置していることが好ましい。袋体3を外袋で合掌貼りの形態で容易に包むことができる。このため、簡易な構造の装置で製造しやすい。また、重なり部71を開くときは観音開きの形態で行うことができる。重なり部71は、図2に示すように、袋体3の積み重ね面の中央部に位置していることがより好ましい。重なり部71を形成する作業又は開く作業をより安定して行うことができ、また、ロール巻き、カセ巻き又はつづら折りをより安定して行うことができる。
【0047】
(製品入り外袋:第二例)
次に図6及び図7を参照して、本実施形態に係る製品入り外袋200(第二例)を説明する。本実施形態に係る製品入り外袋200では、筒状外袋11は、重なり部71を一つ有し、重なり部71は、袋体13の左右いずれか一方の側端側に位置していることが好ましい。図7に示すように製品入り外袋200は、重なり部71の位置が異なる以外は製品入り外袋100と同様である。すなわち、製品入り外袋200は、複数個の袋体13を筒状外袋11で包み込み、重なり部71が形成されることにより、筒状外袋11は、袋体13を含んだ状態で、一体化する。製品入り外袋200では、袋体13に対して基材15の密着性がより高まる。製品入り外袋200においても、製品入り外袋100の場合と同様に、複数個の袋体13を収容したときの筒状外袋11の幅は、複数個の袋体13の幅よりもわずかに大きいことが好ましく、例えば、1~10mm大きいことが好ましい。図7では重なり部71が筒状外袋11の左の側端側に位置していることによって、開口部16は左の側端部に設けられることとなる。図7では重なり部71は筒状外袋11の左の側端側に位置している形態を示したが、右の側端側に位置させてもよい。本実施形態に係る製品入り外袋200は、袋体(p1,p2,p3,p4,・・・,pn)を筒状外袋11に入れるときに重力を利用して袋体をきれいに整列させることが出来る形態であり、袋体13が筒状外袋11に一体化された後は、製品入り外袋200内で、袋体13がより整然と整列している。
【0048】
(製品入り外袋:第三例)
次に図8及び図9を参照して、本実施形態に係る製品入り外袋300(第三例)を説明する。本実施形態に係る製品入り外袋300では、筒状外袋21は、重なり部71a,71bを二つ有し、重なり部71a,71bは、袋体23の左の側端側及び右の側端側にそれぞれ位置していることが好ましい。図9に示すように製品入り外袋300は、重なり部71a,71bが2つあり、かつ、それらの位置が異なる以外は製品入り外袋100と同様である。すなわち、製品入り外袋300は、複数個の袋体23を筒状外袋21で包み込み、重なり部71a,71bが形成されることにより、筒状外袋21は、袋体23を含んだ状態で、一体化する。製品入り外袋300では、製品入り外袋200と同様に、袋体23に対して基材25の密着性がより高まる。製品入り外袋300においても、製品入り外袋100の場合と同様に、複数個の袋体23を収容したときの筒状外袋21の幅は、複数個の袋体23の幅よりもわずかに大きいことが好ましく、例えば、1~10mm大きいことが好ましい。図11では重なり部71aが筒状外袋21の左の側端側に位置していることによって、開口部26は左の側端部に設けられることとなる。また、重なり部71bが筒状外袋21の右の側端側に位置していることによって、開口部27は右の側端部に設けられることとなる。本実施形態に係る製品入り外袋300は、重なり部71a,71bをそれぞれ開放することによって、筒状外袋21の基材25を基材25a(基材の他方25aともいう。)と基材25b(基材の一方25bともいう。)とに、上下に分割して開くので、袋体13を容易に取り出すことができる。
【0049】
製品入り外袋の第一例、第二例及び第三例において、基材5,15,25である自己粘着性を有する樹脂フィルムは、製品である袋体3,13,23に対して剥離可能な粘着性をさらに有することが好ましい。筒状外袋1,11,21内で複数個の袋体3,13,23の配列が崩れることを抑制することができるので、袋体3,13,23の積み重ねの状態を保持したままでより一体化できる。基材5,15,25である樹脂フィルムに、製品である袋体3,13,23に対して剥離可能な粘着性を付与する方法は、例えば、少なくとも樹脂フィルムの内壁面(筒状外袋1,11,21の内側となる面)にコロナ放電処理する方法である。製品である袋体3,13,23に対する粘着性の付与は、樹脂フィルムの内壁面の全面に施すか、又は樹脂フィルムの内壁面の一部に施してもよい。粘着性の付与を樹脂フィルムの内壁面の一部に施すとき、施す場所は、樹脂フィルムの内壁面のうち製品である袋体3,13,23が当接する部分、より具体的には、筒状外袋1,11,21の下側となる部分の内壁面のうち製品である袋体3,13,23の両サイド部分が当接する部分であってもよい。
【0050】
製品入り外袋の第一例、第二例及び第三例において、製品入り外袋100,200,300は、基材5,15,25の内壁面にエンボス加工領域部を有することが好ましい。筒状外袋1,11,21内で複数個の袋体3,13,23の配列が崩れることを抑制することができるので、袋体3,13,23の積み重ねの状態を保持したままでより一体化できる。エンボス加工領域部は、樹脂フィルムの内壁面の全面に設けるか、又は樹脂フィルムの内壁面の一部に設けてもよい。エンボス加工領域部を樹脂フィルムの内壁面の一部に設けるとき、設ける場所は、樹脂フィルムの内壁面のうち製品である袋体3,13,23が当接する部分、より具体的には、筒状外袋1,11,21の下側となる部分の内壁面のうち製品である袋体3,13,23の両サイド部分が当接する部分であってもよい。
【0051】
製品入り外袋の第一例、第二例及び第三例において、基材5,15,25が、製品である袋体3,13,23に対する剥離可能な粘着性を有するとともにエンボス加工領域部を有していてもよい。袋体3,13,23の積み重ねの状態をより強固に保持することができる。
【0052】
また、製品入り外袋の第一例、第二例及び第三例において、基材5,15,25の外壁面(筒状外袋1,11,21の外側となる面)に、滑り処理を施してもよい。例えば図10及び図11に示すように製品入り外袋100,200,300を横断面が扁平状態でロール巻きした製品入り外袋の巻き取り品50,54,57とした場合、又は製品入り外袋100,200,300をつづら折り品とした場合に、製品入り外袋100,200,300の繰り出し又は引出しをより円滑に行うことができる。滑り処理は、公知の滑り処理を採用することができる。公知の滑り処理は、例えば、パウダー塗布又はコーティングである。また、滑り処理として、自己粘着性を有する樹脂フィルムの外壁面側に、自己粘着性を有さないフィルム又は紙を積層してもよい。
【0053】
製品入り外袋の第一例、第二例及び第三例において、製品入り外袋100,200,300は、筒の長さ方向Xに沿った所定の間隔毎に仕切りを有し、かつ、仕切りによって、複数個の袋体3,13,23は所定枚数毎に区切られていることが好ましい。仕切りを設ける場合には、複数の袋体を非連続として、袋体の非配置部を外袋の収容空間内に配置する。非配置部は、筒の長さ方向Xに沿った所定の間隔毎に設けることが好ましい。非配置部それぞれに仕切りを設けることで、仕切りが筒の長さ方向Xに等間隔で配置されることとなる。仕切りとその隣の仕切りとで挟まれる収容空間に収容される複数の袋体は、等枚数であることが好ましい。製品である袋体の一部が重なるように連続又は間欠で一列に積み重ねられた複数個の袋体について、所定枚数、例えば100枚単位で管理したい場合がある。このような場合に、仕切りとその隣の仕切りとの間に所定枚数の袋体を配置することが容易となる。仕切りは、向かい合う基材同士の自己粘着部であるか、又は向かい合う基材同士の剥離可能なシール部、接着部又は熱溶着部であることが好ましい。例えば、仕切りは、筒の長さ方向Xに直行する方向に延びる直線状の自己粘着部であるか、又は筒の長さ方向Xに直行する方向に延びる直線状の剥離可能なシール部、接着部又は熱溶着部であることが好ましい。仕切りは、筒の長さ方向Xに傾いて交差する線状の剥離可能なシール部、接着部又は熱溶着部、丸状(ドット状)の剥離可能なシール部、接着部又は熱溶着部、丸状(ドット状)が複数並べて配置された剥離可能なシール部、接着部又は熱溶着部の形態としてもよい。本実施形態において、剥離可能なシールとは、イージーピールシールを含む弱粘着性、弱接着性の剥がすことができるシールによる接合であり、接着とは、例えば、糊やテープを含む接着剤による接合であり、熱溶着とは、ヒートシール、超音波、高周波、スポットシール、インパルスシーラーやレーザーによる接合である。
【0054】
製品入り外袋の第一例、第二例及び第三例において、仕切りを設けた箇所に、切り離し用のミシン目をさらに有することが好ましい。仕切りとその隣の仕切りとの間には所定枚数の袋体を配置することができる。ミシン目で筒状外袋を切り離せば、袋体を所定枚数毎に管理を容易とすることができる。ミシン目は、隣り合うミシン目同士の距離も所定の間隔、すなわち等間隔に設けられることが好ましい。
【0055】
(製品入り外袋の巻き取り品)
本実施形態に係る製品入り外袋の巻き取り品50は、図10及び図11に示すように、本実施形態に係る製品入り外袋100,200,300が、横断面が扁平状態でロール巻きされている。図10では、ロール巻きの一形態として、ボビン51に製品入り外袋100,200,300が巻かれている形態を示した。図10及び図11において、ボビンは回転軸95を中心として回転させられることで、巻取りが行われる。ボビン51の代わりに円筒状の芯に芯巻きする形態としてもよく(不図示)、また、ボビン51を用いずに、無芯巻きとしてもよい(不図示)。また、製品入り外袋100,200,300は、横断面が扁平状態でロール巻きする代わりに、横断面が扁平状態でカセ巻き又はつづら折りされていてもよい(不図示)。ここで横断面が扁平状態とは、製品入り外袋100,200,300に収容された複数個の袋体3,13,23の平坦面と、筒形状の基材5,15,25の内壁面とが接触し合っていて、複数個の袋体3,13,23の断面形状を反映して断面が細長形状となっている状態を言う。図11では製品入り外袋100,200,300の横断面が扁平状態、例えばほぼ矩形状態にされている形態が示されている。製品入り外袋100,200,300では、ロール巻きされると、図2図7及び図9に示すように重なり部71が横に倒れた状態、すなわち、基材5,15,25に開口部6,16,26が横たわるように折れ曲がった状態となる。製品入り外袋100,200,300は、横断面が扁平状態となることで筒内の空間が脱気された状態となるため帯状のような形状となるところ、製品入り外袋100,200,300の外壁面同士が接触し合うように巻かれることが好ましい。巻かれた製品入り外袋100,200,300の嵩を小さくすることが出来る。また、つづら折りされる形態、すなわち、ジグザグ状に畳まれる形態においても、製品入り外袋100,200,300は、横断面が扁平状態となることで筒内の空間が脱気された状態となるため帯状のような形状となるところ、製品入り外袋100,200,300の外壁面同士が接触し合うように折られて畳まれることが好ましい。つづら折りされた製品入り外袋100,200,300の嵩を小さくすることが出来る。
【0056】
(製品入り外袋の製造方法)
次に図12を参照して、本実施形態に係る製品入り外袋の製造方法について説明する。本実施形態に係る製品入り外袋の製造方法は、製品である袋体(p1,p2,p3,p4,・・・,pn)の一部が重なるように連続又は間欠で一列に積み重ねられた複数個の袋体3を、外包装用の筒状外袋1で包み込んで、袋体3の積み重ねの状態を保持したままで一体化した製品入り外袋の製造方法であって、基材5として等幅の帯状の自己粘着性を有する樹脂フィルムを準備する工程Aと、基材5を広げた状態とする工程Bと、基材5の上に、基材5の長手方向Yに沿って、袋体(p1,p2,p3,p4,・・・,pn)の一部が重なるように連続又は間欠で一列に袋体を複数積み重ねていく工程Cと、複数個の袋体3を載せた基材5を基材5の長手方向Yに移動させながら、基材5で複数個の袋体3を包み込むとともに、基材5同士が重なり合って自己粘着した重なり部71を形成することで、基材5を筒状に成形して製品入り外袋100を得る工程Dと、を有する。
【0057】
(第一の製造方法)
第一の製造方法において、外包装用の筒状外袋及び製品入り外袋は、図1図3に示した筒状外袋1及び製品入り外袋100であり、袋体は、図4及び図5に示した袋体p1であり、製品入り外袋100は図10及び図11に示したボビン51と同じボビンに巻き取られる。さらに、基材5の長手方向Yは、基材5を基準として、筒の長さ方向Xと同方向である。
【0058】
(工程A)
引き続き図12を参照して、第一の製造方法についてさらに詳細に説明する。基材5として等幅の帯状の自己粘着性を有する樹脂フィルムを1つ準備する。図12においては、インフレーションフィルム成形によって製造された筒状の自己粘着性を有する樹脂フィルムであって、筒の長さ方向に沿って同一内径で連続して延びた筒形状をなしている筒状外袋1がボビン52に巻かれた筒状外袋1の巻取り品53を一つ準備する。図12においては、筒状外袋1を筒の長さ方向Xの方向に繰り出して、ダンスロール61a、ピンチロール62aに送り出す。
【0059】
(工程B)
基材5を広げた状態とする。筒の長さ方向に沿って胴部の一箇所に切れ目を入れることで、等幅の帯状の樹脂フィルムが得られる。すなわち、ピンチロール62aを通過した筒状外袋1は、ガイドロール74を通過した後、カッター72によって、筒の長さ方向に沿って胴部の一箇所に切れ目を入れられ、ガイドロール73によって基材5を水平に広げた状態とし、基材5の重なりを無くした状態でピンチロール62bに送られる。或いは、工程Aにおいて、切断後の等幅の帯状の樹脂フィルムをボビンに巻いた巻き取り品を準備して、工程Bにおいて、カッターを使用せずに、そのまま水平に広げた状態で、ピンチロール62bに送ってもよい。
【0060】
(工程C)
基材5をフラットのシート状として袋体(p1,p2,p3,p4,・・・,pn)を載せる。具体的には、広げられた基材5の上に、基材5の長手方向Yに沿って、袋体(p1,p2,p3,p4,・・・,pn)の一部が重なるように連続又は間欠で一列に袋体を複数積み重ねていく。図12では、袋体(p1,p2,p3,p4,・・・,pn)が連続で一列に袋体を積み重ねられていく形態を示した。ここで、袋体(p1,p2,p3,p4,・・・,pn)は、製袋機(不図示)の下流側に位置する搬送コンベア65に1枚ごとに載せられて送られてくる。搬送コンベア65上にある袋体、例えば、袋体p4、p5、p6、p7を順次、基材5の上に載せていく。
【0061】
(工程D)
複数個の袋体3を載せた基材5を基材5の長手方向Yに移動させながら、ガイドロール63bによって、基材5で複数個の袋体3を包み込むとともに、基材5同士が重なり合って自己粘着した重なり部71を形成することで、基材5を筒状に成形して製品入り外袋100を得る。ここで、基材5の幅方向の両端の縁を袋体3の積み重ね面の上に配置して、重なり部71を形成することが好ましい。袋体3を外袋で合掌貼りの形態で容易に包むことができる。このため、簡易な構造の装置で製造しやすい。製品入り外袋100において、複数個の袋体3は、外包装用の筒状外袋1によって包み込まれた状態となっている。製品入り外袋100は、タッチロール64、ピンチロール62c、ダンスロール61bに送られることが好ましい。このとき、重なり部71は横に寝かされた状態とされて送られる。製品入り外袋100の内部が脱気されて、嵩が小さくなる。工程Aにおいて、筒状外袋1の巻取り品53を用いる形態、及び、切断後の等幅の帯状の自己粘着性を有する樹脂フィルムをボビンに巻いた巻き取り品を用いる形態のいずれの形態であっても、重なり部71を形成したあとは、複数個の袋体3は外包装用の筒状外袋1によって包み込まれた状態とすることができる。
【0062】
(第二の製造方法)
次に、図13を参照して、本実施形態に係る製品入り外袋の第二の製造方法について説明する。第二の製造方法において、外包装用の筒状外袋及び製品入り外袋は、図6及び図7に示した筒状外袋11及び製品入り外袋200であり、袋体は、図4及び図5に示した袋体p1であり、製品入り外袋200は図10及び図11に示したボビン51と同じボビンに巻き取られる(図17中、ボビンの描画は省略している。)。さらに、基材15の長手方向Yは、基材15を基準として、筒の長さ方向Xと同方向である。
【0063】
引き続き図13を参照して、第二の製造方法について説明する。第二の製造方法は、工程Aにおいて、基材15を1つ準備し、工程Bにおいて、基材15を、基材15の長手方向の横断面がU字形状又はV字状となるように広げ、工程Cにおいて、袋体(p1,p2,p3,p4,・・・,pn)の左右いずれか一方の側端側を下方に向けた状態で、袋体(p1,p2,p3,p4,・・・,pn)をU字形状又はV字状の基材の内側に入れる。この形態では、重なり部71は、袋体13の側端側に位置することとなる。
【0064】
(工程A)
工程Aは、第一の製造方法と同様である。図13では、工程Aの図示を省略している。
【0065】
(工程B)
ガイドロール74を通過した外包装用の筒状外袋11について、基材15はカッター(不図示)によって、筒の長さ方向に沿って胴部の一箇所に切れ目を入れられ、基材15の長手方向Yの横断面がU字形状又はV字状となるように広げられる。或いは、工程Aにおいて、切断後の等幅の帯状の樹脂フィルムをボビンに巻いた巻き取り品を準備して、工程Bにおいて、カッターを使用せずに、そのまま水平に広げた状態としてもよい。
【0066】
(工程C)
袋体(p1,p2,p3,p4,・・・,pn)の左右いずれか一方の側端側を下方に向けた状態で、袋体(p1,p2,p3,p4,・・・,pn)をU字形状又はV字状の基材の内側に入れることが好ましい。重力を利用して袋体をきれいに整列させることが出来るため、製品入り外袋200内で、袋体(p1,p2,p3,p4,・・・,pn)がより整然と整列している。すなわち、筒状外袋11が広げられて、U字形状又はV字状の基材15の内側に、基材15の長手方向Yに沿って、位置合せ装置68によって、袋体(p1,p2,p3,p4,・・・,pn)の一部が重なるように連続又は間欠で一列に袋体を積み重ねていく。図12では、袋体(p1,p2,p3,p4,・・・,pn)が連続で一列に袋体を積み重ねられていく形態を示した。ここで、袋体(p1,p2,p3,p4,・・・,pn)は、製袋機(不図示)の下流側に位置する搬送コンベア65に1枚ごとに載せられて送られてくる。搬送コンベア65上にある袋体、例えば、袋体p4、p5、p6、p7を順次、基材15の内側に入れていく。
【0067】
(工程D)
複数個の袋体13を内側に入れた基材15を基材15の長手方向Yに移動させながら、ガイドロール63bによって、基材15で複数個の袋体3を包み込むとともに、基材5同士が重なり合って自己粘着した重なり部71を形成して、製品入り外袋200を得る。重なり部71が形成された製品入り外袋200は、製品入り外袋200の内部が脱気されて、嵩が小さくなる。
【0068】
(第三の製造方法)
次に、図14を参照して、本実施形態に係る製品入り外袋の第三の製造方法について説明する。第三の製造方法において、外包装用の筒状外袋及び製品入り外袋は、図8及び図9に示した筒状外袋21及び製品入り外袋300であり、袋体は、図4及び図5に示した袋体p1であり、製品入り外袋300は図10及び図11に示したボビン51と同じボビンに巻き取られる。さらに、基材5の長手方向Yは、基材5を基準として、筒の長さ方向Xと同方向である。
【0069】
引き続き図14を参照して、第三の製造方法について説明する。第三の製造方法は工程Aにおいて、基材25(25a,25b)を2つ準備し、工程Bにおいて、基材25bの一方を水平に広げ、基材25aの他方を、基材25bの一方の上方で水平に広げ、工程Cにおいて、基材25bの一方の幅方向の両端が袋体の左の側端側及び右の側端側にそれぞれ位置するように、基材25bの一方をフラットのシート状とすると共に、袋体(p1,p2,p3,p4,・・・,pn)を基材25bの一方の上に載せ、工程Dにおいて、基材25aの他方を袋体(p1,p2,p3,p4,・・・,pn)に被せて、基材25bの一方と基材25aの他方とを重ね合わせて重なり部71を形成する。2つの基材25a,25bを上下に配置し、その間に袋体23を配置して閉じるという簡易な動作で、外袋21の中に袋体23を入れることが出来る。この形態では、重なり部71は、袋体23の両側の側端側に位置することとなる。
【0070】
(工程A)
ボビン56に巻き取られた外包装用の筒状外袋21の外袋巻き取り品55を準備する。例えば、外包装用の筒状外袋21は、筒が潰された平坦状態でボビン56に巻き取られている。外包装用の筒状外袋21を筒の長さ方向Xの方向に繰り出し、カッター72によって、筒状外袋21の右の側端部及び左の側端部を筒の長さ方向に沿って切断して2分割する。或いは、切断後の等幅の帯状の樹脂フィルムをボビンに巻いた巻き取り品を2つ準備してもよい。
【0071】
(工程B)
筒の長さ方向に沿って切断されることによって2つに分かれた基材25の一方25bを水平に広げ、基材の他方25aを、基材の一方25bの上方で水平に広げる。基材の一方25bはピンチロール62aに送られる。基材の他方25aもピンチロール(不図示)に送られる。
【0072】
(工程C)
基材の一方25bをフラットのシート状とすると共に、基材の一方25bの幅方向の両端側に位置する嵌合具24a,24bが袋体(p1,p2,p3,p4,・・・,pn)の左の側端側及び右の側端側にそれぞれ位置するように、袋体を基材の一方25bの上に載せることが好ましい。すなわち、基材の一方25bが広げられて、長手方向Yに沿って、位置合せ装置68によって、袋体(p1,p2,p3,p4,・・・,pn)の一部が重なるように連続又は間欠で一列に袋体を積み重ねていく。図14では、袋体(p1,p2,p3,p4,・・・,pn)が連続で一列に袋体を積み重ねられていく形態を示した。ここで、袋体(p1,p2,p3,p4,・・・,pn)は、製袋機(不図示)の下流側に位置する搬送コンベア65に1枚ごとに載せられて送られてくる。搬送コンベア65上にある袋体、例えば、袋体p4、p5、p6、p7を順次、基材の一方25bの上に載せていく。
【0073】
(工程D)
複数個の袋体23を基材の一方25bに載せた状態で長手方向Yに移動させながら、同時に長手方向Yに移動させてきた基材の一方25bを被せて、ピンチロール62cによって重なり部71a,71bを形成することが好ましい。重なり部71a,71bが形成されることによって、製品入り外袋300を得る。重なり部71a,71bが形成された製品入り外袋300は、ピンチロール62cを通過する際に、製品入り外袋300の内部が脱気されて、嵩が小さくなる。外包装用の筒状外袋21を、基材の一方25bと基材の他方25aとして、上下に分割し、その間に袋体23を配置して、元通りに閉じるという簡易な動作で、筒状外袋21の中に袋体23を入れることが出来る。
【0074】
(仕切りを有する製品入り外袋の製造方法)
第一~第三の製造方法では、工程Cにおいて、袋体3,13,23が所定枚数積み重ねられる毎に袋体3,13,23を配置しない非配置部を所定の間隔毎に設け、かつ、工程Dの後に、製品入り外袋100,200,300に対して、非配置部に相当する箇所に仕切りを設ける仕切り形成工程と、を有することが好ましい。製品である袋体の一部が重なるように連続又は間欠で一列に積み重ねられた複数個の袋体について、所定枚数、例えば100枚単位で管理したい場合がある。このような場合に、仕切りとその隣の仕切りとの間に所定枚数の袋体を配置することが容易となる。
【0075】
本実施形態に係る製品入り外袋の製造方法では、仕切りは、向かい合う基材同士を自己粘着することによって、又は、向かい合う基材同士を剥離可能なシール、接着又は熱溶着することによって形成することが好ましい。そして、仕切りの両脇に非配置部が配置されるようにすることがより好ましい。仕切りを自己粘着によって形成する場合、仕切りは、非配置部に相当する箇所にロールを押し付けながら、向かい合う基材の内壁面同士を密着させることで形成することが好ましい。また、仕切りを剥離可能なシール、接着又は熱溶着によって形成する場合について、図16を参照して例示的な方法を説明する。仕切り41は、非配置部40に相当する箇所に熱シール器43を押し付けながら、向かい合う基材5の内壁面同士を熱溶着することで形成することが好ましい。熱シール器43は向かい合う基材5同士を熱溶着するが、溶断まではしない温度範囲で温度設定される。筒状の長さ方向への流れによって袋体の非配置部40がきたタイミングで熱シール器43を基材に当接し、仕切り(図16では熱溶着部)41を形成する。或いは、向かい合う基材の内壁面同士を接着させることによって仕切りを形成してもよい。そして、仕切りの両脇に非配置部が配置されるようにすることがより好ましい。
【0076】
仕切りを設けた箇所に、切り離し用のミシン目をさらに設けてもよい。筒状外袋には、製品である袋体が所定枚数収容されており、ミシン目を切り離すことにより、小分け管理がしやすくなる。切り離し用のミシン目は、仕切りを設けた後に形成することが好ましい。切り離し用のミシン目が仕切りを剥離可能なシール又は熱溶着によって形成する際に消失することを防止することができる。
【0077】
(製品入り外袋の巻き取り品又はつづら折り品の製造方法)
(工程E)
製品入り外袋の巻き取り品又はつづら折り品の製造方法は、第一~第三の製造方法に加えて、製品入り外袋100,200,300を横断面が扁平状態でロール巻き、カセ巻き又はつづら折りする工程Eを有する。図12を参照して第一の製造方法を例にとってより詳しく説明するが、第二の製造方法又は第三の製造方法についても同様である。工程Eでは、製品入り外袋100は、ボビン51に巻き取られて、製品入り外袋の巻き取り品50が得られる。図12では、ロール巻きの形態を示したが、製品入り外袋100を横断面が扁平状態でカセ巻き又はつづら折りすることとしてもよい。製品入り外袋100をつづら折りするときに、仕切りの位置に合わせて折り畳んでいくことが好ましい。
【0078】
(袋体の供給方法)
図15を参照して、本実施形態に係る袋体の供給方法について説明する。本実施形態に係る袋体の供給方法は、本実施形態に係る製品入り外袋100又は本実施形態に係る製品入り外袋の巻き取り品50の外袋を引き出しながら重なり部71又は外袋のうち重なり部71以外の箇所を開口する工程Fと、開口された外袋の中の袋体3を順々に充填機に供給する工程Gと、を有する。製品入り外袋として、製品入り外袋200,300を用いてもよい。また、製品入り外袋の巻き取り品として、製品入り外袋の巻き取り品54,57を用いてもよい。さらに製品入り外袋のつづら折り品を用いてもよい。外袋のうち重なり部71以外の箇所を開口する場合には、カッターを用いて開口することが好ましい。また、外袋のうち重なり部71以外の箇所に筒状外袋1のフィルムにミシン目、傷加工又はハーフカット加工などの脆弱部を設けた場合には、脆弱部から開封してもよい。
【0079】
(工程F)
図15に示すように、製品入り外袋100又は製品入り外袋の巻き取り品50の外袋の製造工程とは逆の工程を進める。すなわち、製品入り外袋の巻き取り品50をダンスロール80、ピンチロール81、タッチロール82に送り、続いて、ガイドロール83によって、横に寝かせられている重なり部71を起こす。続いて外袋1を引き出しながら重なり部71又は外袋のうち重なり部71以外の箇所を開口する。工程Fでは、袋体3を詰めた状態をそのまま再現することができている。なお、外袋1は、ピンチロール87、タッチロール93に送られ、さらに、ボビン91で巻き取られ、外袋1の巻き取り品90となる。外袋1の巻き取り品90に巻かれた使用後の外袋1は廃棄される。
【0080】
(工程G)
開口された外袋1の中の袋体3を順々に充填機に供給する。ここで、基材5に載せられた袋体3の先頭の袋体p4を袋検知具86で検知し、吸着具85によって取り出し、位置決め装置92の一端側に載せられて袋体p3となる。位置決め装置92の一端側に載せられた袋体p3は、吸着具88で位置決め装置92の他端側に移動させられ袋体p2となる。袋体p2の位置に袋体が存在するかどうかは袋検知具89によって検知する。そして、袋体p2は、充填機(不図示)に、袋体p1として供給される。
【0081】
工程F及び工程Gにおいて、製品入り外袋100又は製品入り外袋の巻き取り品50が、実質的に製袋機を再現することが出来ていて、袋体3を充填機に高速で供給することが可能となる。すなわち、充填機において、実質的に製袋機のインライン化を再現出来ているといえる。そして、袋体の結束作業が不要となり、また、それに伴う検品工程も不要であることがわかる。
【0082】
本実施形態は、複数の形態があり、本発明の効果を奏する範囲において、各実施形態の一部を適宜入れ替えして、変形することが可能である。
【0083】
本実施形態においては、自己粘着性を有する樹脂フィルムを基材とする筒状外袋を用いて、複数個の袋体を包むことによって製品入り外袋とした形態を説明したが、製品として図4及び図5に示した袋体に限定されず、例えば、カード形状の製品にも適用することができ、また、カード形状を有していない製品を等間隔で一列に配列させて、その状態を保持するように筒状外袋又は筒状外袋で包むことも可能である。
【符号の説明】
【0084】
100,200,300 製品入り外袋
1,11,21 筒状外袋
p1,p2,p3,p4,・・・,pn 袋体
3,13,23 複数個の袋体(袋体)
5,15,25 基材
25b 基材の一方
25a 基材の他方
6,16,26,27 外袋の開口部
7 収容部
8 袋体の開口部
9 チャック
40 非配置部
41 仕切り
43 熱シール器
50,54,57 製品入り外袋の巻き取り品
51,56,91 ボビン
61a,61b,80 ダンスロール
62a,62b,62c,81,87 ピンチロール
63b ガイドロール
64,82,93 タッチロール
65 搬送コンベア
68 位置合せ装置
71 重なり部
72 カッター
73,74,84 ガイドロール
85 吸着具
86 袋検知具
89 袋検知具
90 外袋の巻き取り品
92 位置決め装置
95 ボビンの回転軸
X 筒の長さ方向
Y 基材の長手方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16