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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-17
(45)【発行日】2023-05-25
(54)【発明の名称】塗料組成物
(51)【国際特許分類】
   C09D 133/00 20060101AFI20230518BHJP
   C09D 5/02 20060101ALI20230518BHJP
   C09D 7/43 20180101ALI20230518BHJP
【FI】
C09D133/00
C09D5/02
C09D7/43
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019042838
(22)【出願日】2019-03-08
(65)【公開番号】P2020143254
(43)【公開日】2020-09-10
【審査請求日】2021-12-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000230054
【氏名又は名称】日本ペイントホールディングス株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】515096952
【氏名又は名称】日本ペイント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100179866
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 正樹
(72)【発明者】
【氏名】石田 聡
(72)【発明者】
【氏名】川上 晋也
(72)【発明者】
【氏名】久保 聡宏
【審査官】仁科 努
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/079212(WO,A1)
【文献】特表2001-512518(JP,A)
【文献】特開2018-123227(JP,A)
【文献】特開2015-212335(JP,A)
【文献】特開2014-125602(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09D 133/00
C09D 5/02
C09D 7/43
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂成分と粘性調整剤とを含み、
前記樹脂成分が、アクリルエマルションを含み、
前記粘性調整剤が、アルカリ膨潤型粘性調整剤およびウレタン会合型粘性調整剤を含み、
第一法線応力差が、10~200Paであり、
損失正接(Tanδ)が、0.50~1.00であり、かつ
塗料糸のくびれ発生抑制(CON)値が、0.20~0.45である、
塗料組成物。
【請求項2】
前記粘性調整剤の固形分量が、塗料組成物100質量部に対して、0.1~3.0質量部である、請求項1に記載の塗料組成物。
【請求項3】
記粘性調整剤が、セルロース系粘性調整剤を含む、請求項1または2に記載の塗料組成物。
【請求項4】
粘度が、0.1~2.0Pa・sである、請求項1~のいずれか一項に記載の塗料組成物。
【請求項5】
内装用である、請求項1~のいずれか一項に記載の塗料組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塗料組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
塗料には、塗料の塗装後の塗膜の性能が優れるだけでなく、塗装作業性が優れることも要求される。例えば、塗装後の塗膜の品質が優れていても、塗装に多くの工数が必要になる、塗料を塗りにくいなど、塗料の塗装作業性が低い場合、その塗料の価値は大きく低下してしまう。
【0003】
塗装作業性の重要な項目の一つに、塗料の飛散(スパッタともいう)が少ないことが挙げられる。ローラーを用いた塗装などでは、塗料飛散による周囲の汚れを防止するために行う養生に必要な時間が、全塗装工程の約1/3を占める場合がある。さらに、塗料飛散が多いと塗装作業者の作業効率が下がり、塗装工程が遅延する場合がある。そのため、この塗料飛散を抑制ないし低減することは、工程の大幅な短縮につながり、塗料の価値を高めることが可能となる。
【0004】
本発明者は、特許文献1で塗装作業性に優れ、かつ塗料の塗り感が良好な塗料組成物を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】国際公開第2018/079212号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1では、特許文献1の図1および図6に示すように水平方向の塗装における塗料の飛散を抑制することを開示しているが、垂直方向の塗装時の塗料の飛散を抑制ないし低減する手法については何ら開示がない。
【0007】
水平方向の塗装の場合、塗料が飛散してもその飛散した塗料が塗装の対象面に付着すれば周囲は汚れないが、垂直方向の塗装の場合、塗料が飛散して落下すると周囲が汚れる。そのため、垂直方向の塗装は、水平方向の塗装に比べて、塗料の飛散をより高度に制御することが求められる。
【0008】
そこで、本発明は、水平方向だけでなく、垂直方向においても塗料の飛散を抑制ないし低減する、塗料組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る塗料組成物は、
第一法線応力差が、10Pa以上であり、
損失正接(Tanδ)が、1.00以下であり、かつ
塗料糸のくびれ発生抑制(CON)値が、0.45以下である、
塗料組成物である。第一法線応力差、TanδおよびCON値が上記範囲であることにより、水平方向だけでなく、垂直方向においても塗料の飛散を抑制ないし低減することができる。
【0010】
本発明に係る塗料組成物の一実施形態では、前記第一法線応力差が10~200Paである。
【0011】
本発明に係る塗料組成物の一実施形態では、前記Tanδが0.5~1.0である。
【0012】
本発明に係る塗料組成物の一実施形態では、前記CON値が0.20~0.45である。
【0013】
本発明に係る塗料組成物の一実施形態では、樹脂成分と粘性調整剤とを含み、
前記粘性調整剤が、アルカリ膨潤型粘性調整剤、ウレタン会合型粘性調整剤およびセルロース系粘性調整剤からなる群より選択される1種以上である。
【0014】
本発明に係る塗料組成物の一実施形態では、粘度が、0.1~2.0Pa・sである。
【0015】
本発明に係る塗料組成物は、一実施形態では、内装用である。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、水平方向だけでなく、垂直方向においても塗料の飛散を抑制ないし低減する、塗料組成物を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1A図1Aは、高速度カメラを用いた垂直方向におけるローラー塗装の観察結果の模式図である。
図1B図1Bは、高速度カメラを用いた垂直方向におけるローラー塗装の観察結果の模式図である。
図1C図1Cは、高速度カメラを用いた垂直方向におけるローラー塗装の観察結果の模式図である。
図1D図1Dは、高速度カメラを用いた垂直方向におけるローラー塗装の観察結果の模式図である。
図1E図1Eは、高速度カメラを用いた垂直方向におけるローラー塗装の観察結果の模式図である。
図1F図1Fは、高速度カメラを用いた垂直方向におけるローラー塗装の観察結果の模式図である。
図2図2は、実施例における塗料の飛散量の測定方法を示した模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態について説明する。これらの記載は、本発明の例示を目的とするものであり、本発明を何ら限定するものではない。
【0019】
本発明において、2以上の実施形態を任意に組み合わせることができる。
【0020】
本発明において、塗料と塗料組成物は相互互換的に用いることができる。
【0021】
本明細書において、数値範囲は、別段の記載がない限り、その範囲の上限値および下限値を含むことを意図している。例えば、10~200Paは、10Pa以上200Pa以下を意味する。
【0022】
(塗料組成物)
本発明に係る塗料組成物は、
第一法線応力差が、10Pa以上であり、
損失正接(Tanδ)が、1.00以下であり、かつ
塗料糸のくびれ発生抑制(CON)値が、0.45以下である、
塗料組成物である。
【0023】
本発明者らは、ローラーなどによる垂直方向の塗装時の塗料飛散が起こるプロセスを調べるために、ローラー塗装時の様子を、高速度カメラを用いて観察した。図1A~Fは、高速度カメラを用いた垂直方向におけるローラー塗装の一連の観察結果の模式図である。垂直方向の面1に対してローラー2を下側に引いて塗装を行う場合、ローラー2と面1とが離れつつある部分では、塗料の液膜3が発生する(図1A)。ローラー2が下方に移動するにつれて、その液膜3が成長する(図1B)。さらにローラー2が移動すると、その液膜3が切れて、糸状の塗料糸4になる(図1C)。さらにローラー2が移動すると、塗料糸4に複数の細い部分(くびれ)5が生じる(図1D)。さらにローラー2が移動すると、くびれ5で塗料糸4が破断する(図1E)。そして、破断した塗料糸4がさらに破断して細かな液滴6となって飛散する(図1F)。
【0024】
この観察結果から、本発明者らは、以下の(1)~(3)が、塗料の飛散を抑えるのに有効であろうと推測した。
(1)図1Aおよび図1Bの液膜と、図1Cの塗料糸が伸びないようにすること。
(2)図1Dの塗料糸におけるくびれの発生を抑制すること。
(3)図1Eにおいて、破断した塗料糸がローラー方向または塗装面方向にすぐに戻るようにすること、換言すると、塗料の第一法線応力差を高くすること。
【0025】
上記(1)について、液膜および塗料糸は、弾性成分と粘性成分とを有する粘弾性体と考えることができ、弾性成分に対して粘性成分が大きいと塗料糸が伸びると考えられる。損失正接(Tanδ)は、損失弾性率(粘性成分)/貯蔵弾性率(弾性成分)として表される。そこで、液膜および塗料糸が伸びないようにするためには、粘性成分に対して弾性成分を大きくする、すなわち、Tanδを低くすればよい。
【0026】
本発明において、損失正接(Tanδ)は、アントンパール社製の応力制御型レオメーター「MCR302」を用いて、50mmパラレルプレート、ギャップ:0.5mm、ひずみ:線形ひずみ、角周波数:100s-1、測定温度:23℃の条件で測定した動的粘弾性のデータを用いる。
【0027】
上記(2)について、本発明者らは、図1Dの塗料糸のくびれを観察したところ、塗料糸の中央部分、すなわち、液膜とローラーの中間部分にくびれが発生するのではなく、塗料糸にランダムにくびれが発生して、塗料糸が破断することがわかった。そして、このことから、本発明者らは、塗料糸中のミクロな構造において、そのミクロな構造が壊れた部分と壊れていない部分とが混在し、壊れた部分では粘度が低下してくびれが発生すると推定した。ここで、塗料のような非ニュートン流体では、通常、あるせん断速度の範囲ではせん断速度が上昇するにつれて、分子鎖の絡み合いが少なくなるなどミクロな構造が壊れて粘度が低下する性質がある。そこで、塗料糸におけるくびれの発生を抑制するために、せん断速度が変化したときの粘度の変化量を小さくする、すなわち、塗料の粘度のせん断速度依存性を小さくすればよい。本発明では、粘度のせん断速度依存性の値をくびれ発生抑制(Control of the Occurrence of a Neck)から、CON値とする。
【0028】
本発明において、CON値の測定方法は、以下のとおりである。アントンパール社製の応力制御型レオメーター「MCR302」を用いて、50mmパラレルプレート、ギャップ:0.5mm、測定温度:23℃の条件で、せん断速度(dγ/dt)=10s-1、100s-1および1000s-1で定常流測定を行い、測定開始30秒後の粘度をそれぞれη(10)、η(100)、η(1000)とする。一般的にローラーなどによる塗装時の塗料糸が伸びる速度に相当するせん断速度が、約100s-1であることから、その前後の10s-1と1000s-1のせん断速度を用いる。そして、3組のデータから、横軸をlog10(dγ/dt)、縦軸をlog10(η)としたグラフを作成し、その3点から最小二乗法によって直線近似式を算出し、その直線の傾きの絶対値をCON値とする。
【0029】
上記(3)について、法線応力は、粘弾性流体からなる測定対象物に回転変形を加えたときに、ずりを加えた方向と直交する方向に発生する応力である。法線応力は、それ単独で把握されるものではなく、ずり応力との差で把握されるものである。第一法線応力差N1は、流動速度方向をxとし、速度勾配方向をyとする定常ずり流動状態において、応力テンソルσの成分を用いて第一法線応力差N1=σxx-σyyとして定義される。
【0030】
本発明において、第一法線応力差は、アントンパール社製の応力制御型レオメーター「MCR302」を用いて、50mmパラレルプレート、ギャップ:0.5mm、せん断速度:100s-1、測定温度:23℃の条件で定常流測定を行い、測定開始30秒後の測定データから求める。
【0031】
本発明者らは、これらから求めた第一法線応力差が、10Pa以上であり、Tanδが、1.00以下であり、かつCON値が、0.45以下であることにより、水平方向だけでなく、垂直方向においても塗料の飛散を抑制ないし低減できることを見出した。
【0032】
第一法線応力差が10Pa未満の場合、ローラーなどによる塗装時に生じる塗料糸が塗装面方向またはローラーなどの塗装器具の方向に戻る力が弱いため、垂直方向の塗装において塗料飛散を十分に抑制ないし低減することができない。
【0033】
第一法線応力差は、一実施形態では、10Pa以上、20Pa以上、30Pa以上、40Pa以上、50Pa以上、60Pa以上、70Pa以上、80Pa以上、90Pa以上、100Pa以上、110Pa以上、120Pa以上、130Pa以上、140Pa以上、150Pa以上、160Pa以上、170Pa以上、180Pa以上、190Pa以上または200Pa以上である。第一法線応力差は、一実施形態では、1000Pa以下、900Pa以下、800Pa以下、700Pa以下、600Pa以下、500Pa以下、400Pa以下、300Pa以下、200Pa以下、190Pa以下、180Pa以下、170Pa以下、160Pa以下、150Pa以下、140Pa以下、130Pa以下、120Pa以下、110Pa以下、100Pa以下、90Pa以下、80Pa以下、70Pa以下、60Pa以下、50Pa以下、40Pa以下、30Pa以下または20Pa以下である。第一法線応力差は、別の実施形態では、10~200Paである。第一法線応力差は、さらに別の実施形態では、10~190Paである。
【0034】
本発明に係る塗料組成物の一実施形態では、前記第一法線応力差が10~200Paである。
【0035】
Tanδが1.00より大きい場合、液膜および塗料糸の伸びが大きくなり、垂直方向の塗装において塗料飛散を十分に抑制ないし低減することができない。
【0036】
Tanδは、一実施形態では、1.00以下、0.95以下、0.90以下、0.85以下、0.80以下、0.75以下、0.70以下、0.65以下、0.60以下、0.55以下、0.50以下、0.45以下、0.40以下、0.35以下、0.30以下、0.25以下、0.20以下、0.15以下または0.10以下である。Tanδは、一実施形態では、0.05以上、0.10以上、0.15以上、0.20以上、0.25以上、0.30以上、0.35以上、0.40以上、0.45以上、0.50以上、0.55以上、0.60以上、0.65以上、0.70以上、0.75以上、0.80以上、0.85以上、0.90以上または0.95以上である。Tanδは、別の実施形態では、0.50~1.00である。Tanδは、さらに別の実施形態では、0.70~1.00である。
【0037】
本発明に係る塗料組成物の一実施形態では、前記Tanδが0.5~1.0である。
【0038】
CON値が0.45より大きい場合、塗料糸にくびれが発生しやすく、塗料糸の破断につながり、垂直方向の塗装において塗料飛散を十分に抑制ないし低減することができない。
【0039】
CON値は、一実施形態では、0.45以下、0.40以下、0.35以下、0.30以下、0.25以下、0.20以下、0.15以下または0.10以下である。CON値は、一実施形態では、0.05以上、0.10以上、0.15以上、0.20以上、0.25以上、0.30以上、0.35以上または0.40以上である。CON値は、別の実施形態では、0.30~0.45である。CON値は、さらに別の実施形態では、0.30~0.40である。
【0040】
本発明に係る塗料組成物の一実施形態では、前記CON値が0.20~0.45である。
【0041】
塗料組成物の粘度は、特に限定されず、適宜調節すればよい。後述する実施例に示すように、粘度と、塗料の飛散量とは相関関係にない。そのため、粘度は、塗料の飛散量を制御するための鍵となる要素ではないが、塗料の塗り感を維持または高める観点から、塗料組成物の粘度は、例えば、0.1~2.0Pa・sが好ましく、0.1~1.5Pa・sがより好ましい。
【0042】
一方、上塗り塗膜では下塗り塗膜よりも塗膜の外観を良くするために均質な塗膜が要求されるため、薄い膜厚の塗膜を形成することが多い。比較的粘度の高い塗料では、対象面に塗布される塗料の量が多くなりやすく、厚い膜厚の塗膜を形成することには適しているが、薄い膜厚の均質な塗膜を形成することは難しい。これに対して、比較的粘度の低い塗料では、対象面に塗布される塗料の量を少なくしやすく、薄い膜厚の均質な塗膜を形成するのに適している。このため、薄い膜厚の塗膜を形成する観点から、塗料組成物の粘度は、例えば、0.1~2.0Pa・sが好ましく、0.1~1.5Pa・sがより好ましい。
【0043】
本発明に係る塗料組成物の一実施形態では、粘度が、0.1~2.0Pa・sである。これにより、薄い膜厚の塗膜を形成しやすく、内装および外装の上塗り塗膜の形成に好適である。
【0044】
本発明において、塗料組成物の粘度(Pa・s)は、アントンパール社製の応力制御型レオメーター「MCR302」、50mmパラレルプレート、ギャップ:0.5mm、せん断速度:1000s-1、測定温度:23℃の条件で定常流測定を行い、測定開始30秒後の粘度を用いる。
【0045】
塗料組成物は、通常、樹脂成分、架橋剤、顔料、ならびに水および/または溶剤を含む。塗料組成物は、その他の成分を含んでいてもよい。
【0046】
<樹脂成分>
樹脂成分は塗膜形成要素としての働きを有する。樹脂成分としては、従来公知の塗料組成物の樹脂成分を用いることができる。樹脂成分としては、例えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、フッ素樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエーテル樹脂などを挙げることができる。また、樹脂成分として、例えば、シリコーン樹脂、アルコキシシラン縮合物などの、無機成分を含む、または、無機成分からなる高分子化合物を用いることもできる。樹脂成分は、1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0047】
上記樹脂成分は、有機溶剤形、水性形(水溶性、水分散性もしくはエマルション)、または非水分散形のいずれでもよい。
【0048】
上記樹脂成分を用いた塗料組成物は、例えば、一液形でもよいし、主剤および硬化剤から構成される二液混合形でもよく、三液混合形以上の多成分混合形であってもよい。
【0049】
樹脂成分は、加熱により、または常温で硬化反応を進行させることができる。
【0050】
樹脂成分の含有量は、特に限定されず、適宜調節すればよい。一実施形態では、樹脂成分の固形分と顔料の固形分との合計100質量部に対して、樹脂成分の固形分が10~90質量部または10~60質量部である。
【0051】
<架橋剤>
塗料組成物は架橋剤を含むことができる。架橋剤は、上記樹脂成分の有する硬化性官能基に応じて選択することができる。例えば、架橋剤としては、カルボジイミド化合物、ヒドラジン化合物、アミノ樹脂、(ブロック)ポリイソシアネート化合物、アミン系化合物、ポリアミド系化合物および多価カルボン酸化合物などが挙げられる。架橋剤は、1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0052】
<顔料>
顔料は、特に限定されず、公知の塗料用顔料を用いることができる。顔料としては、例えば、二酸化チタン、カーボンブラック、弁柄、フタロシアニンブルーなどの着色顔料;炭酸カルシウム、タルク、マイカなどの体質顔料;防錆顔料などが挙げられる。顔料は、1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0053】
<粘性調整剤>
本発明では、塗料組成物の第一法線応力差、TanδおよびCON値を調節するために公知の粘性調整剤を用いてもよい。粘性調整剤としては、例えば、アルカリ膨潤型粘性調整剤、ウレタン会合型粘性調整剤、セルロース系粘性調整剤、アマイド系粘性調整剤、無機層状化合物系粘性調整剤およびアミノプラスト系粘性調整剤などが挙げられる。
【0054】
アルカリ膨潤型粘性調整剤としては、例えば、ポリカルボン酸系粘性調整剤、ポリスルホン酸系粘性調整剤、ポリリン酸系粘性調整剤などが挙げられる。
【0055】
アルカリ膨潤型粘性調整剤の市販品としては、例えば、サンノプコ社製のSN シックナー 615、630、636、640などのSN シックナーシリーズ;ダウケミカル社製のプライマル(登録商標) ASE-60などのプライマル(登録商標)シリーズなどが挙げられる。
【0056】
ウレタン会合型粘性調整剤としては、例えば、ウレタン変性ポリエーテル型粘性調整剤などが挙げられる。
【0057】
ウレタン会合型粘性調整剤の市販品としては、例えば、ADEKA社製のアデカノール(登録商標) UH-140S、420、450、526、540、550などのアデカノール(登録商標) UHシリーズ;サンノプコ社製のSN シックナー665Tなどが挙げられる。
【0058】
セルロース系粘性調整剤としては、例えば、結晶セルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース系粘性調整剤などが挙げられる。
【0059】
セルロース系粘性調整剤の市販品としては、例えば、旭化成社製のセオラス(登録商標)RCシリーズなどのセオラス(登録商標)シリーズ;ダウケミカル社製のセロサイズ QP 4400、52000Hなどのセロサイズ(登録商標)シリーズが挙げられる。
【0060】
アマイド系粘性調整剤としては、例えば、脂肪酸アマイド、ポリアマイド、アクリルアマイド、長鎖ポリアミノアマイド、アミノアマイドおよびこれらの塩(例えばリン酸塩)などが挙げられる。
【0061】
無機層状化合物系粘性調整剤として、例えば、モンモリロナイト、ベントナイト、クレーなどの層状化合物が挙げられる。
【0062】
アミノプラスト系粘性調整剤としては、例えば、疎水変性エトキシレートアミノプラスト系会合型粘性調整剤などが挙げられる。
【0063】
塗料組成物の第一法線応力差、TanδおよびCON値を調節する指針として、以下が挙げられる。
【0064】
第一法線応力差を高めるためには、分子量の大きな粘性調整剤を用いれば良い。このような粘性調整剤としては、例えば、アルカリ膨潤型粘性調整剤であるSN シックナー 615、630、636、640などのSN シックナーシリーズ;ダウケミカル社製のプライマル(登録商標) ASE-60などのプライマル(登録商標)シリーズなどが挙げられる。
【0065】
Tanδを低くするためには、硬い構造を持つ粘性調整剤を用いれば良い。このような粘性調整剤としては、例えば、セルロース系粘性調整剤である旭化成社製のセオラス(登録商標)RCシリーズなどのセオラス(登録商標)シリーズ;ダウケミカル社製のセロサイズ QP 4400、52000Hなどのセロサイズ(登録商標)シリーズが挙げられる。
【0066】
CON値を小さくするためには相互作用の小さい粘性調整剤を用いれば良い。このような粘性調整剤としては、例えば、ウレタン会合型粘性調整剤であるADEKA社製のアデカノール(登録商標) UH-140S、420、450、526、540、550などのアデカノール(登録商標) UHシリーズが挙げられる。
【0067】
粘性調整剤は1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0068】
本発明に係る塗料組成物の一実施形態では、樹脂成分と粘性調整剤とを含み、
前記粘性調整剤が、アルカリ膨潤型粘性調整剤、ウレタン会合型粘性調整剤およびセルロース系粘性調整剤からなる群より選択される1種以上である。
【0069】
本発明の塗料組成物における粘性調整剤の含有量は、特に限定されず、適宜調節すればよい。
【0070】
本発明の塗料組成物における粘性調整剤の固形分量は、例えば、塗料組成物100質量部に対して、0.1~3.0質量部または0.5~2.0質量部である。なお、本発明では、「塗料組成物100質量部」は、樹脂成分、顔料成分、粘性調整剤などにおける固形分に加えて、これらの分散媒;水および/または溶剤を含む塗料組成物全体の100質量部を意味する。
【0071】
本発明の塗料組成物は、水性塗料組成物または溶剤系塗料組成物のいずれでもよい。一実施形態では、本発明の塗料組成物は、水性塗料組成物である。別の実施形態として、JIS A 6909の規定を満たす塗料組成物である。
【0072】
本発明では、塗料組成物中の含有量が最も多い分散媒が、水であるものを水性塗料組成物という。本発明では、塗料組成物中の含有量が最も多い分散媒が、溶剤であるものを溶剤系塗料組成物という。
【0073】
本発明の塗料組成物における塗料固形分の合計量としては、適宜調節すればよく、特に限定されない。例えば、塗料固形分の合計量は、塗料組成物100質量部に対して、20~80質量部、好ましくは50~80質量部である。
【0074】
<溶剤>
溶剤を用いる場合、従来公知の塗料組成物の溶剤を適宜選択して用いることができる。例えば、メタノール、エタノール、2-プロパノール、1-ブタノールなどのアルコール類;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、プロピオン酸エチル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテートなどのエステル類;ジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン(THF)などのエーテル類;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1、3-ブチレングリコール、ペンタメチレングリコール、1、3-オクチレングリコールなどのグリコール類;ホルムアミド、N-メチルホルムアミド、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルフォキシド(DMSO)、N-メチルピロリドン(NMP)などのアミド類;アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、アセチルアセトン、シクロヘキサノンなどのケトン類;ミネラルスピリット、灯油などの脂肪族炭化水素;トルエン、キシレン、メシチレン、ドデシルベンゼンなどの芳香族炭化水素;クロロホルム、ジクロロメチレンなどのハロゲン系溶媒などが挙げられる。溶剤は、1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0075】
本発明の塗料組成物は、常温乾燥型でもよいし、加熱乾燥型でもよい。一実施形態では、本発明の塗料組成物は、常温乾燥型である。
【0076】
本発明の塗料組成物は、1液型でもよいし、2液型でもよい。
【0077】
塗料組成物が、水性塗料組成物である場合、溶剤の含有量は、適宜調節すればよい。例えば、塗料組成物100質量部に対して、0~15質量部、好ましくは0~10質量部である。また、この場合の溶剤としては、例えば、アルコール類を用いることができる。
【0078】
<その他の成分>
本発明の塗料組成物は、上述した成分以外に、分散剤、造膜助剤、凍結防止剤、架橋促進剤、硬化剤、レベリング剤、表面調整剤、消泡剤、可塑剤、防腐剤、防カビ剤、紫外線安定剤などのその他の成分を含んでいてもよい。これらその他の成分はそれぞれ、1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0079】
本発明に係る塗料組成物は、一実施形態では、ローラー用または刷毛用の塗料組成物である。本発明に係る塗料組成物は、別の実施形態では、ローラー用の塗料組成物である。
【0080】
本発明に係る塗料組成物は、一実施形態では、内装用である。また、塗料組成物の粘度が、0.1~2.0Pa・sである場合、薄い膜厚の塗膜を形成しやすく、内装の上塗り塗膜の形成に好適である。
【0081】
<塗料組成物の調製方法>
塗料組成物の調製方法は、第一法線応力差、TanδおよびCON値が所定範囲内であれば、特に限定されず、上述した樹脂成分、顔料、粘性調整剤などを従来公知の方法で混合して調製することができる。また、樹脂成分と顔料を含む市販の塗料に粘性調整剤などを添加して第一法線応力差、TanδおよびCON値を所定範囲内に調節して、本発明の塗料組成物としてもよい。
【0082】
<塗膜の作製方法>
塗膜の作製方法は、特に限定されず、従来公知の塗装方法を用いることができる。例えば、ローラー、刷毛などを用いて塗装することができる。塗料組成物を塗布した後の乾燥温度は、溶剤などに応じて適宜調節すればよい。例えば、10秒~30分などの短時間での乾燥が必要な場合には、60~200℃とすることができ、80~160℃が好ましい。また、短時間での乾燥が必要でない場合には、例えば、室温などで乾燥してもよい。
【0083】
本発明の塗料組成物を用いて塗膜を形成する対象物としては、特に限定されず、適宜選択することができる。例えば、対象物としては、自動車、鉄道車両などの車両の車体、航空機の機体、船舶の船体および上部構造物(艤装)、の内装および外装;建築物の内装、外装および屋根部;家具、建具;車両、航空機、船舶、建築物などの窓ガラス;ケース、容器、樹脂板、フィルム;ディスプレイ、モニター、冷蔵庫などの電化製品の筺体およびガラス部材;これらに塗装した塗膜;各種セメント、窯業建材、軽量発泡コンクリート、モルタル、スレート板、屋根、瓦、ALCなどの無機建材;木材;各種ガラス類;鋼板、アルミニウム、ステンレススチールなどの金属基材;などが挙げられる。
【0084】
したがって、本発明の塗料組成物を用いて形成された塗膜を有する物品としては、例えば、自動車、鉄道車両などの車両、航空機、船舶、建築物、家具、建具、窓ガラス、透明体(ケース、容器、樹脂板およびフィルムを含む)、電化製品などが挙げられる。
【実施例
【0085】
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、これらの実施例は、本発明の例示を目的とするものであり、本発明を何ら限定するものではない。
【0086】
塗料組成物の第一法線応力差、Tanδ、CON値および粘度は上述した方法で求めた。
【0087】
塗料の飛散量の測定では、ローラーは、大塚刷毛製造社製の商品名「ウーローラーB レギュラー 4B」を用い、スレート板は、TP技研社製の商品名「スレート板」(長さ600mm、幅210mm)を用いた。
【0088】
塗料の飛散量の測定では、画像解析ソフトとして、旭化成エンジニアリング社製の画像解析ソフト(商品名「A像くん」(登録商標))を用いた。
【0089】
実施例で用いた塗料組成物の各成分の詳細は以下のとおりである。
樹脂成分:後述する調製例で調製したアクリルエマルション
白色顔料:二酸化チタン(固形分量:100%)
体質顔料:炭酸カルシウム(固形分量:100%)
添加剤:分散剤(ビックケミージャパン社製の商品名「DISPERBYK-190」)、消泡剤(共栄社化学社製の商品名「アクアレン8020」)、表面調整剤(共栄社化学社製の商品名「ポリフローKL-100」)
粘性調整剤1(セルロース系粘性調整剤):旭化成社製の商品名「セオラス(登録商標)RC-591」(固形分量:100%、表1ではRC-591と表記)
粘性調整剤2(セルロース系粘性調整剤):ダウケミカル社製の商品名「セロサイズ QP 52000H」(固形分量:100%、表1ではQP 52000Hと表記)
粘性調整剤3(ウレタン会合型粘性調整剤):ADEKA社製の商品名「アデカノール(登録商標)UH-540」(固形分量:30%、表1ではUH-540と表記)
粘性調整剤4(ウレタン会合型粘性調整剤):ADEKA社製の商品名「アデカノール(登録商標)UH-140S」(固形分量:30%、表1ではUH-140Sと表記)
粘性調整剤5(ウレタン会合型粘性調整剤):ADEKA社製の商品名「アデカノール(登録商標)UH-420」(固形分量:30%、表1ではUH-420と表記)
粘性調整剤6(ウレタン会合型粘性調整剤):ADEKA社製の商品名「アデカノール(登録商標)UH-450」(固形分量:30%、表1ではUH-450と表記)
粘性調整剤7(ポリカルボン酸系粘性調整剤):サンノプコ社製の商品名「SN シックナー 640」(固形分量:30%、表1ではSN 640と表記)
粘性調整剤8(アルカリ膨潤型粘性調整剤):ダウケミカル社製の商品名「プライマル(登録商標) ASE-60」(固形分量:28%、表1ではASE-60と表記)
粘性調整剤9(アルカリ膨潤型粘性調整剤):サンノプコ社製の商品名「SN シックナー 630」(固形分量:30%、表1ではSN 630と表記)
【0090】
(アクリルエマルションの調製例)
撹拌機、還流冷却管、温度計および窒素導入管を備えた反応容器に、脱イオン水68.5質量部、およびポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸ナトリウム(花王社製の商品名「レベノールWZ」)1質量部を仕込んだ。次いで、その溶液を80℃まで昇温して保持した。次いで、その溶液に、10%濃度の過硫酸アンモニウム水溶液1質量部を添加した。次いで、その溶液に、スチレン66.0質量部、2-エチルヘキシルアクリレート28.5質量部、アクリル酸3.5質量部、2-ヒドロキシエチルメタクリレート2.0質量部、アセトアセトキシエチルメタクリレート8.5質量部、n-ドデシルメルカプタン0.85質量部、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸ナトリウム(「レベノールWZ」)8質量部および脱イオン水49.4質量部からなるモノマー混合物と、2%濃度の過硫酸アンモニウム水溶液10質量部とを並行して3時間かけて滴下した。その反応容器内を80℃に保持したまま5時間撹拌を続けた。次いで、その反応容器を室温まで冷却した。次いで、その反応容器内に、25%アンモニア水2質量部およびジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート17質量部を添加して撹拌した。生成物として、固形分49質量%、体積平均粒子径0.12μmのエマルション樹脂を得た。
【0091】
(実施例1~15および比較例1~7)
表1に示す配合(質量部)で、各成分を混合して塗料組成物を調製した。その塗料組成物について、第一法線応力差、Tanδ、CON値および粘度を測定した。その結果を表1に合わせて示す。
【0092】
(塗装作業性の評価)
以下に述べる方法で、塗料の飛散量を評価した。
【0093】
<塗料の飛散量の測定方法>
実施例1~14および比較例1~7について、垂直塗装における塗料の飛散量を測定した。図2は、実施例の垂直塗装における塗料の飛散量の測定方法を示した模式図である。図2に示すように、スレート板7を垂直に立てた。次いで、A3サイズの1枚の黒色の紙8をその短辺がスレート板7の短辺に接するように置いた。塗料を含ませたローラー2を用いて、スレート板7の下端から始めて上端で折り返して再度下端まで約1秒かけて塗装し、これを6往復行った。そして、黒色の紙8に飛散した塗料の面積を画像解析により求めた。比較例1の飛散量を100として、各実施例および比較例の飛散量を指数化した。その値を表1に合わせて示す。数値が小さいほど、塗料の飛散量が少ないことを表す。塗料飛散の指数値60以下が合格である。
【0094】
実施例15について、水平塗装における塗料の飛散量を測定した(図示せず)。実施例15の塗料組成物は、実施例1と同じ塗料組成物を用いた。また、実施例1と同様にスレート板と黒色の紙(2枚)を用いた。まず、スレート板を水平に置いた。次いで、A3サイズの黒色の紙を1枚ずつ、その短辺がスレート板の各短辺に接するように置いた。塗料を含ませたローラーを用いて、スレート板の一方の端から始めて他方の端で折り返して再度前記一方の端まで約1秒かけて塗装し、これを6往復行った。そして、黒色の紙に飛散した塗料の面積を画像解析により求めた。比較例1の飛散量を100として、実施例15の飛散量を指数化した。その値を表1に合わせて示す。数値が小さいほど、塗料の飛散量が少ないことを表す。塗料飛散の指数値60以下が合格である。
【0095】
【表1】
*1:カッコ内の値は、固形分量を表す。*2:カッコ内の値は、塗料組成物100質量部に対する、各粘性調整剤の固形分量または粘性調整剤の合計固形分量を表す。*3:実施例15は水平塗装の例である。
【0096】
表1に示すように、本発明によれば、水平方向だけでなく、垂直方向においても塗料の飛散を抑制ないし低減することができた。また、実施例9と13の対比から、粘度が同程度の塗料組成物であっても、物性値が異なると、塗料飛散が異なることが分かる。このことから、単純に粘度のみによっては、塗料飛散を抑制できないことが分かる。
【産業上の利用可能性】
【0097】
本発明によれば、水平方向だけでなく、垂直方向においても塗料の飛散を抑制ないし低減する、塗料組成物を提供することができる。
【符号の説明】
【0098】
1:面
2:ローラー
3:液膜
4:塗料糸
5:くびれ
6:液滴
7:スレート板
8:黒色の紙
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図1F
図2