(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-17
(45)【発行日】2023-05-25
(54)【発明の名称】払込票処理システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 20/08 20120101AFI20230518BHJP
【FI】
G06Q20/08 302
(21)【出願番号】P 2019107793
(22)【出願日】2019-06-10
【審査請求日】2022-03-04
(73)【特許権者】
【識別番号】500107267
【氏名又は名称】株式会社しんきん情報サービス
(74)【代理人】
【識別番号】100098589
【氏名又は名称】西山 善章
(74)【代理人】
【識別番号】100098062
【氏名又は名称】梅田 明彦
(74)【代理人】
【識別番号】100147599
【氏名又は名称】丹羽 匡孝
(72)【発明者】
【氏名】馬場 英一
(72)【発明者】
【氏名】志田 成之
【審査官】宮地 匡人
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-136680(JP,A)
【文献】特開2006-243842(JP,A)
【文献】特開2004-178246(JP,A)
【文献】特開2014-127034(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
支払請求者
が支払被請求者に対して発行した払込票の請求金額を
、前記支払被請求者に代わって収納代行者が
、前記支払被請求者
の金融機関の口座から引き落として支払う払込票処理システムであって、
前記支払被請求者側に配置され
た払込票受付装置及び管理端末装置と、前記金融機関に配置されてリアルタイム口座振替によって
前記支払被請求者の所定の口座からの引き落とし処理を実行する取引制御装置と、
当該取引制御装置と専用回線を介して接続された前記収納代行者側に配置された収納代行装置と、を備
え、
前記払込票受付装置は、
前記払込票に表示されているバーコードを読み取るスキャナーと、
前記払込票による支払処理時において前記スキャナーによって読み取られ
るバーコード情報を前記収納代行装置に送信する処理部と、
前記支払被請求者の金融機関名、科目、口座番号、前記支払被請求者により予め設定される前記払込票を読み取る操作者とは異なる一又は複数の承認者宛て連絡メールアドレスと、を記憶する記憶部と、を有し、
前記収納代行装置は、
前記支払被請求者により設定され
た口座引き落としの前記金融機関名及び口座番号を記憶しているデータ格納部と、
前記払込票受付装置から送信されてくるバーコー
ドを解析し、前記支払請求者、請求金額、支払被請求者
、支払期限日及び請求金額の各情報を含む収納情報を取得する手段と、
前記支払請求者に対して発行された一又は複数の払込票を取りまとめて各払込票の請求金額を含む情報を表示する確認画面を作成すると共に、前記管理端末装置からの要求に応じて前記確認画面を管理端末装置の表示部に表示する手段と、
前記一又は複数の連絡メールアドレス宛に、前記確認画面を開く際に必要なワンタイムパスワードが記載された電子メールを送信する手段と、
前記一又は複数の連絡メールアドレスの全てからの前記パスワードの入力を条件に、前記管理端末装置の表示部に前記確認画面を表示する手段と、
前記
一又は複数の全ての連絡メールアドレスから支払承認の入力を条件に、前記金融機関の取引制御装置に対して前記請求金額及び前記口座番号を含む口座振替情報を送信する手段と、
を有し、
前記取引制御装置は、
前記引き落とし処理が行われた場合には、前記収納代行装置におけるホストコンピュータに当該引き落とし処理の終了を通知した上で、当該引き落とし処理による収納情報を格納
し、
前記支払被請求者側の管理端末装置からの前記収納情報の閲覧要求に応答して、
前記収納情報を読み出して表示する手段と、を有する
、
ことを特徴とする払込票処理システム。
【請求項2】
前記ホストコンピュータは、前記支払請求者のサーバー装置に対して、前記バーコード情報を含む支払い終了情報を通知する請求項1に記載の払込票処理システム。
【請求項3】
前記支払請求者のサーバー装置は、前記支払い終了情報を受信し、当該支払請求者が発行した前記払込票の消し込み処理を行う、
ことを特徴とする請求項2に記載の払込票処理システム。
【請求項4】
前記電子メールには、
前記収納情報を表示するウエブサイトのURLが表示されていることを特徴とする請求項
1に記載の払込票処理システム。
【請求項5】
前記払込票受付装置、前記取引制御装置及び前記収納代行装置の各々の前記手段の機能は、前記収納代行者が提供するアプリケーションプログラムを実行することで実現されることを特徴とする請求項
1乃至4の何れかの項に記載の払込票処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力料金、電話代金、水道料金等に関して、電力会社、電話会社、地方自治体等の支払請求者からその顧客である支払被請求者に送付された払込票を処理する払込票処理システムに関し、特に支払代行者が支払被請求者に代行して支払請求者に支払票の請求金額を支払う場合の払込票処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、コンビニエンスストアにおいて公共料金等を収納代行する収納代行システムが知られている(例えば、特許文献1を参照)。このシステムは、公共料金の支払者がバーコード付きの払込票の持ち込みによる公共料金等の支払依頼があると、支払代行者であるコンビニエンスストアの受付者が端末装置(POSレジ)のスキャナーで払込票に表示されているバーコードを読み取る。そして、受付者が支払者から支払い料金分の金額を受け取ることにより、公共料金の精算が行われる。精算が完了すると、受付者の操作により、端末装置は、読み取ったバーコード情報に示されている払込票発行機関情報、期限情報、払込金額情報をネットワークを介して収納代行会社が運営する収納代行装置に送信されて、支払代行者が払込票発行者である地方自治体に決済情報が送られる。
【0003】
一方、近年においては、支払者が所持するスマートフォン等の個人の情報端末を利用して、コンビニエンスストアまで行かなくとも払込が行えるシステムも登場している。このシステムは、
図9に示すように、支払者がスマートフォン101にインストールしたアプリ102に請求金額の引落口座等を事前に設定しておき、このアプリ102を使って払込票103のバーコードをカメラで撮影してバーコード情報をアプリの提供者である収納代行者104に送信する。収納代行者104は、バーコードに示されている払込票発行者である収納依頼者105の収納機関番号、お客様番号、確認番号を認識して、当該支払者の引落口座の金融機関106から収納金の回収を行うと共に、収納依頼者105に収納情報及び収納金を引き渡す。この場合の金融機関106から収納金の回収は、その都度リアルタイムで口座振替にて引き落とされるが、支払者100から予め収納代行者104へチャージした金額から回収する方法もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、支払者が法人企業である場合、スマートフォン等の情報端末を利用しての取り扱いできる仕組みがない。そして、コンビニエンスストア等の収納代行機関と直接には接触しない処理であると、支払領収書が発行されたり払込票に領収印が押されたり、或いは領収書を発行してもらうことがない。そのため、被支払者が法人企業であるときには、支払後の証憑が残っていないと、支払処理された後にその支払いが適切であったか否かを確認するには、支払済みの払込票と口座引き落としされた金融機関の記録と照合しなければならず煩雑な作業となる。
【0006】
上記点から本発明は、支払処理の前にその支払いが適切であるか否かを確認することが可能な払込票処理システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、本発明は、支払請求者が支払被請求者に対して発行した払込票の請求金額を、前記支払被請求者に代わって収納代行者が、前記支払被請求者の金融機関の口座から引き落として支払う払込票処理システムであって、前記支払被請求者側に配置された払込票受付装置及び管理端末装置と、前記金融機関に配置されてリアルタイム口座振替によって前記支払被請求者の所定の口座からの引き落とし処理を実行する取引制御装置と、当該取引制御装置と専用回線を介して接続された前記収納代行者側に配置された収納代行装置と、を備え、前記払込票受付装置は、前記払込票に表示されているバーコードを読み取るスキャナーと、前記払込票による支払処理時において前記スキャナーによって読み取られるバーコード情報を前記収納代行装置に送信する処理部と、前記支払被請求者の金融機関名、科目、口座番号、前記支払被請求者により予め設定される前記払込票を読み取る操作者とは異なる一又は複数の承認者宛て連絡メールアドレスと、を記憶する記憶部と、を有し、前記収納代行装置は、前記支払被請求者により設定された口座引き落としの前記金融機関名及び口座番号を記憶しているデータ格納部と、前記払込票受付装置から送信されてくるバーコードを解析し、前記支払請求者、請求金額、支払被請求者、支払期限日及び請求金額の各情報を含む収納情報を取得する手段と、前記支払請求者に対して発行された一又は複数の払込票を取りまとめて各払込票の請求金額を含む情報を表示する確認画面を作成すると共に、前記管理端末装置からの要求に応じて前記確認画面を管理端末装置の表示部に表示する手段と、前記一又は複数の連絡メールアドレス宛に、前記確認画面を開く際に必要なワンタイムパスワードが記載された電子メールを送信する手段と、前記一又は複数の連絡メールアドレスの全てからの前記パスワードの入力を条件に、前記管理端末装置の表示部に前記確認画面を表示する手段と、前記一又は複数の全ての連絡メールアドレスから支払承認の入力を条件に、前記金融機関の取引制御装置に対して前記請求金額及び前記口座番号を含む口座振替情報を送信する手段と、を有し、
前記取引制御装置は、前記引き落とし処理が行われた場合には、前記収納代行装置におけるホストコンピュータに当該引き落とし処理の終了を通知した上で、当該引き落とし処理による収納情報を格納し、前記支払被請求者側の管理端末装置からの前記収納情報の閲覧要求に応答して、前記収納情報を読み出して表示する手段と、を有することを特徴とする。
【0008】
そして、前記ホストコンピュータは、前記支払請求者のサーバー装置に対して、前記バーコード情報を含む支払い終了情報を通知する。そして、前記支払請求者のサーバー装置は、前記支払い終了情報を受信し、当該支払請求者が発行した前記払込票の消し込み処理を行う。
【0010】
前記払込票受付装置、前記取引制御装置及び前記収納代行装置の各々の前記手段の機能は、前記収納代行者が提供するアプリケーションプログラムを実行することで実現される。
【発明の効果】
【0011】
本発明による払込票処理システムによれば、金融機関の口座から払込票の請求金額を引き落とす前に、通信ネットワーク上に提供される確認画面で支払承認者が支払内容をチェックすることができるため、支払者が法人企業である場合、不正や適切な払込票であったかを内部でいつでも容易に確認することができる。また、バーコート付き払込票を複数毎同時に読み込みできるため、まとめて口座引落ができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明による払込票処理システムの構成をブロック図で示す。
【
図2】払込票処理システムの払込受付装置をブロック図で示す。
【
図3】バーコード情報のデータ構造の説明図を示す。
【
図4】払込受付装置の記憶部に記憶されている登録情報のデータ構造の説明図を示す。
【
図5】承認者に送信される電子メールの画面例を示す。
【
図6】(a)はパスワード表示画面の画面例を示し、(b)は確認画面の画面例を示す。
【
図7】払込票処理システムにおける各装置の連携処理のフローの説明図を示す。
【
図8】(a)は払込の履歴を閲覧するときの入力様式を示す画面例の説明図を示し、(b)は表示される利敵データの画面例を示す説明図を示す。
【
図9】従来から行われている個人による払込票による払込システムの説明図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は、本発明による払込票処理システムの実施形態を示すブロック図である。
【0014】
図1に示す払込票処理システム10は、支払被請求者であるの法人企業11内に設けられる払込票受付装置1及び管理端末装置1Aと、収納代行者(支払代行者)12に配置される収納代行装置2と、金融機関13に配置されて顧客の口座からの引き落とし処理を実行する取引制御装置3と、払込票の発行者である収納依頼者(支払請求者)14に配置されるサーバー装置4と、を備えて、これらは通信ネットワーク15を介して接続されている。通信ネットワーク15は、インターネット、移動体通信網、公衆回線網や専用回線などの各種通信経路を含んでいるものとする。
【0015】
払込票受付装置1は、
図2に示すように、CPU21と、入力部22と、RAM23と、表示部24と、記憶部25と、インターフェース部26と、通信部27と、各部を接続するバス28を備える一般的なパーソナルコンピュータ(パソコン)で構成される。そして、インターフェース部26には、払込票31に表示されているバーコードを読み取るためのスキャナー29が接続されている。バーコードは、
図3に示すように、支払請求者と、支払被請求者と、支払期限日と、請求金額と、をデータ構造とする収納情報を表わしている。
【0016】
パソコンが払込票受付装置1としての機能を実現するアプリケーションプログラム30(以下、「アプリ」という)は、OS(オペレーションシステム)と共にHDDやROMなどである記憶部25にインストールされている。法人企業11の払込処理担当者が入力部22を操作して各種の指令(コマンド)を入力し、アプリ30がCPU21によってRAM23上に呼び出されてOSと協働して実行されることで、払込票受付装置1として機能する。
【0017】
アプリ30は、収納代行会社12が法人企業11に提供される。具体的には、例えば、払込票受付装置1であるパソコンから収納代行会社12が開設しているアプリのダウンロードサイトにアクセスし、法人企業11が収納代行者12にバーコード付きの払込票31の支払処理の代行サービスを受けるために契約する際に付与されているIDコードを入力することで、アプリ30がダウンロードされて提供される。
【0018】
CPU21がアプリ30を起動すると、先ず設定モードにおいて、法人企業11の上記のIDコード、企業名、住所、電話番号、払込票31の請求金額の振替の金融機関(科目、口座番号、口座名義人)、収納代行者12から法人企業11に確認用のメールを送信する際の連絡メールアドレスが表示部24に表示された入力欄に入力部22から入力される。そして、これらの情報は取引制御装置3に送信されて、
図4に示すデータ構造の登録情報として記憶される。この際に入力される連絡メールアドレスは、実際に払込票受付装置1を操作して払込票31のバーコードを読み取る担当者とは別人の支払いの承認者が有する電子メールのメールアドレスである。
【0019】
CPU21は、スキャナー29により払込票31のバーコードが読み取られると、このバーコード情報をIDコードと共に通信部27を通して収納代行装置2に送信する。よって、CPU21は、スキャナー29が読み取るバーコード情報を収納代行装置2に送信する本発明の払込票受付装置1の処理部となっている。
【0020】
管理端末装置1Aは、払込票受付装置1を操作する担当者とは別の承認者によって使用される。この管理端末装置1Aは、一般的なパソコンやスマートフォン等が使用できる。
【0021】
取引制御装置3は、法人企業11に対してリアルタイム口座振替サービスを提供する金融機関13に配置されるものである。本発明を実施する場合、収納代行者12が法人企業11に代行して、金融機関13の法人企業11の口座から払込票31の請求金額をリアルタイム口座振替で引き落とすことを3者の契約で担保されている。
【0022】
収納代行装置2は、払込票処理システムの中核となる装置であり、Webサーバー5と、メールサーバー6と、ホストコンピュータ7と、データ格納部8とを備える。データ格納部8は、第1データ格納部8aと第2データ格納部8bとから成り、第1データ格納部8aには上述の登録情報が格納されて、第2データ格納部には後に明らかにする払込の履歴データが格納される。
【0023】
Webサーバー5は、払込票受付装置1から送られてくるバーコード情報が示す収納情報(支払請求者、被支払請求者、支払期限日、請求金額)と、同時に送られてくるIDコードに該当して記憶部8に記憶している登録情報に示されている金融機関及び口座番号の確認画面を通信ネットワーク15上に提供し、この確認画面をチェックした法人企業11の承認者による払込を「承認する」又は「承認しない」の回答を受け取る。
【0024】
メールサーバー6は、登録情報に含まれている連絡メールアドレスに電子メールを送信する。この電子メールは、法人企業11の支払い承認者がWebサイト上で支払の可否を確認してもらうために、収納代行者から送られる確認メールである。この確認メールには、
図5に示すように、上記確認画面が表示されるWebサイトのURL(Uniform Resource Locator)と、パスワードとが表示されている。パスワードは、その都度、新しい文字列に変更され、しかも、一度しか使うことが出来ないワンタイムパスワードが好ましい。
【0025】
支払承認者が管理端末装置1Aで電子メールを受け取って上記URLをクリックすることで、Webサーバー5によりこの管理端末装置1Aと収納代行装置2とが通信ネットワーク15を介し接続されて、支払承認者の端末装置の画面にワンタイムパスワードの
図6(a)に示すような入力画面が表示される。この端末装置も一般的なパソコンが使用される。
【0026】
そして、電子メールに表示されたワンタイムパスワードが入力されると、Webサーバーによって
図6(b)に示すような確認画面が管理端末装置1Aに表示されて、支払承認者は払込票31を処理する担当者が払込票受付装置1から適正な払込票の読み取りが行われたかを確認することができる。そして、入力処理が適正に行われていると、画面上の「承認する」のボタンをクリックすることで当該払込を承認する。
【0027】
ホストコンピュータ7は、Webサーバー5が通信ネットワーク15上に提供する確認画面を作成すると共にメールサーバー6が送信するワンタイムパスワードを作成する。ホストコンピュータ7は、払込の承認を受け取ると、当該金融機関の取引制御装置3との連携により該当する口座からの払込金額の引き落とすことで前記払込金額情報の払込金額を回収する。払込金額の回収によりホストコンピュータ7は、回収の完了を収納依頼者14のサーバー装置4に伝達する。
【0028】
データ格納部8は、払込金額の回収により、収納情報(収納依頼者情報、法人企業情報、支払期限日情報、請求金額情報)及び金融機関名及びその引き落とし口座番号を払込履歴として格納する。
【0029】
以下、この払込票処理システムによる払込の手順について
図7のフローチャートを参照して説明する。先ず、法人企業11において、スキャナー29によって払込票31のバーコードが読み取られると(ステップS1)、払込票受付装置1は、バーコードが払込票31に表示される規定通りのものであるときには、このバーコード情報とIDコードとを収納代行装置2へ送信する(ステップS2)。この場合、複数枚の払込票31を一括処理することができ、そのときには、各払込票31から読み取られた一連のバーコード情報にIDコードが付加されて送信される。
【0030】
収納代行装置2のホストコンピュータ7は受信したバーコード情報を解析し、収納依頼者14である収納会社名と、支払期限日と、請求金額と、を含む収納情報を取得して、この収納情報をWebサイト上に表示するための確認画面を作成する(ステップS3)。この確認画面については後に明らかとなる。併せて、ホストコンピュータ7は、バーコード情報を受信した日付及び時間(すなわち、払込依頼のあった日時)に基づくワンタイムパスワードを作成する(ステップS4)。
【0031】
そして、収納代行装置2は、メールサーバー6によって受信した登録情報に含まれている連絡メールアドレスに、このワンタイムパスワードと確認画面とを表示するWebサイトのURLが表示された
図5に示すような確認メールを送信する(ステップS5)。よって、収納代行装置2は、このステップS5とその前のステップS3で、前記収納依頼者と前記請求金額とを表示する確認画面を作成すると共に、当該確認画面に外部からアクセスするときに使用するパスワードが表示されている電子メールを前記連絡メールアドレスに送信する処理を行っている。
【0032】
確認メールを管理端末装置1Aで受け取った支払承認者が表示されているURLをクリックすることで、管理端末装置1AをWebサイトに接続する(ステップS6)。よって、収納代行装置2では、Webサーバー5が管理端末装置1Aに
図6(a)に示すようなワンタイムパスワードの入力画面を表示する(ステップS7)。
【0033】
そして、支払承認者が確認メールに表示されているワンタイムパスワードを入力画面に入力すると(ステップS8)、Webサーバー5は入力されたワンタイムパスワードが適正なものであるかを判別し(ステップS9)、誤っていると再びステップS7の処理に戻る。一方、ワンタイムパスワードが適正であると、Webサーバー5はホストコンピュータ7で作成された
図6(b)に示すような確認画面を管理端末装置1Aの画面に表示する(ステップS10)。この確認画面で、支払者名、金融機関名及び口座番号は、IDコードに関連付けて第1データ格納部8aから読み出されて、収納情報に含まれている収納会社名と支払期限日と請求金額(支払金額)と共に表示される。また、払込票受付装置1が複数枚の払込票31からのバーコード情報が送信されてきたときには、各バーコード情報の請求金額の合計を演算して、支払金額に表示することになる。よって、収納代行装置2は、このステップS10で、支払承認者からのパスワードの使用を条件に、支払承認者の通信端末の表示部に確認画面を表示する処理を行っている。
【0034】
支払承認者は、確認画面に表示されている法人企業名(支払者名)と、収納会社名(支払先)と、支払期限日と、支払金額と、金融機関名と、口座番号とを確認して支払可否の何れかを決定し、画面に表示されている「承認する」ボタン又は「承認しない」ボタンの何れかをクリックして確認結果を送信する(ステップS11)。
【0035】
収納代行装置2は、受信した確認結果を払込票受付装置1へ通知する(ステップS12)。これにより、払込票受付装置1ではバーコードを読み取った支払票の処理は承認されたか否かが表示する(ステップS13)。
【0036】
次いで、収納代行装置2は、承認の確認結果であるときには(ステップS14の「YES」)、ホストコンピュータ7から取引制御装置3に口座振替情報が送られる(ステップS15)。口座振替情報には、振替金額(請求金額)及び収納代行者が振替を行う金融機関及びその口座番号が含まれている。よって、取引制御装置3では、口座振替情報に示されている口座からの振替処理が行われて(ステップS16)、続いて、振り替えられた請求金額の口座振替情報の金融機関及びその口座への移動処理が行われる(ステップS17)。そして、取引制御装置3は、移動処理の終了により支払終了をホストコンピュータ7に通知する(ステップS18)。
【0037】
支払終了通知を受けて、ホストコンピュータ7は収納依頼者のサーバー装置4に支払完了情報を送信する(ステップS19)。この支払完了情報には収納情報が含まれており、サーバー装置4はこのバーコード情報に該当する払込票31による請求の消し込み処理を行うことで(ステップS20)、一連の払込処理が終了する。また、このときホストコンピュータ7は、IDコードに関連付けて、この収納情報を払込年月日、金融機関名及び口座番号と共に第2データ格納部8bに格納する(ステップS21)。
【0038】
法人企業11は、第2データ格納部8bに蓄積された払込の履歴データを閲覧することができる。Webサーバー5は、収納情報の履歴を閲覧可能なWebサイトを開設しており、端末装置からこのWebサイトをアクセスすることで、
図8(a)に示す入力画面が端末装置にされる。尚、この場合の端末装置は、払込票受付装置1や管理端末装置1Aの何れであっても又は他の端末装置であってもよい。そして、この入力画面に法人企業11毎のIDコードとパスワードと共に閲覧期間を入力して送信する。よって、収納代行装置2では、ホストコンピュータ7がこのIDコードに基づいて、その期間内での当該法人企業11に対応する収納情報の中の支払先名(支払請求者)及び支払金額(請求金額)を払込年月日、金融機関名及び口座番号を第2データ格納部8bから検索し、Webサーバー5が要求のあった端末装置に
図8(b)に示すような検索した払込履歴のリストを表示する。
【0039】
本発明による払込票処理システム10では、払込票受付装置1から払込票31のバーコード情報と引き落としの金融機関及び口座番号を受け取ると、この口座からバーコード情報に含まれている請求金額を振り替えるには、支払承認者の承認を条件とすることで、支払の不正やミスを未然に防止できる。したがって、迅速な支払処理が行われるには、支払承認者は速やかに決済するのが好ましい。その点においては、管理端末装置1Aはパソコンよりも支払承認者が携帯しているスマートフォン等を用いるのが最適である。さらに、支払承認者を複数人用意して、それぞれの連絡メールアドレスを収納代行装置2に登録しておき、それぞれの支払承認者に確認メールを送り、最初に一人からの支払承認者から決済があった時点で支払処理を実行するようにすれば、一層処理の迅速化が図れる。この場合、さらには、ワンタイムパスワードは支払承認者ごとに別のワンタイムパスワードを表示した電子メールを送れば、収納代行装置2では支払承認者の各人が確認したものであるかを判別することが可能である。
【0040】
一方で、支払承認者を複数人設定した場合に、全員が承認したとき支払処理を実行するようにすれば、支払の不正やミスの未然防止がより確実となる利点がある。
【0041】
また、管理端末装置1Aに確認画面を表示させるのに上記実施形態では、収納代行装置2からパスワードとURLを示すメールを配信しているが、これに限らず、例えば管理端末装置1Aから収納代行装置2に定期的に新着情報を問い合わせる方式も可能である。
【符号の説明】
【0042】
1 払込票受付装置
1A 管理端末装置
2 収納代行装置
3 取引制御装置
8 データ格納部
11 法人企業(支払被請求者)
12 収納代行者(支払代行者)
13 金融機関
14 収納依頼者(支払請求者)
15 通信ネットワーク
21 処理部(CPU)
25 記憶部
31 払込票