(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-17
(45)【発行日】2023-05-25
(54)【発明の名称】液封入式防振装置
(51)【国際特許分類】
F16F 13/10 20060101AFI20230518BHJP
【FI】
F16F13/10 K
F16F13/10 G
F16F13/10 J
(21)【出願番号】P 2019194905
(22)【出願日】2019-10-28
【審査請求日】2022-08-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000003148
【氏名又は名称】TOYO TIRE株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000534
【氏名又は名称】弁理士法人真明センチュリー
(72)【発明者】
【氏名】上間 涼介
【審査官】児玉 由紀
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-196747(JP,A)
【文献】特開2015-059580(JP,A)
【文献】特開2009-144892(JP,A)
【文献】特開2010-203547(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16F 11/00-13/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1取付具および筒状の第2取付具と、
前記第1取付具と前記第2取付具とを連結する弾性体から構成される防振基体と、
前記防振基体が室壁の一部を構成し液体が封入される主液室と、
弾性体から構成される第1ダイヤフラムが室壁の一部を構成し液体が封入される第1副液室と、
弾性体から構成される第2ダイヤフラムが室壁の一部を構成し液体が封入される第2副液室と、
前記主液室と前記第2副液室とを連通する第2オリフィスと、
前記第2オリフィスから分岐して前記第1副液室に連通するリークオリフィスと、を備え、
前記リークオリフィスの流路断面積の最小値は、前記第2オリフィスの流路断面積の最小値よりも小さいことを特徴とする液封入式防振装置。
【請求項2】
前記リークオリフィスは、前記第2オリフィスと前記第1副液室との間の流路を並列に分岐する複数の並列部を備え、
前記リークオリフィスの流路断面積が複数の前記並列部で最小になっていることを特徴とする請求項1記載の液封入式防振装置。
【請求項3】
前記主液室と前記第1副液室とを仕切る仕切体と、
前記主液室と前記第1副液室とを連通する第1オリフィスと、を備え、
前記仕切体は、前記第2取付具の内周面に外周面が押し付けられる仕切体本体と、
前記仕切体本体のうち前記第1副液室側の副液端面に接触して前記第2取付具に取り付けられる保持部と、を備え、
前記第1オリフィスは、前記仕切体本体の前記外周面の一部を凹ませた外周溝と、前記外周溝に連通するように前記保持部を貫通した開口部とによって形成され、
前記リークオリフィスは、前記第2オリフィスから分岐した分岐部と前記開口部とを、前記副液端面の外周縁部と前記保持部と前記第2取付具の前記内周面とで囲まれた隙間で連通することによって形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の液封入式防振装置。
【請求項4】
前記第2オリフィスは、前記保持部および前記副液端面の少なくとも一方に形成した溝によって前記保持部と前記仕切体本体との間に形成され、
前記分岐部は、前記保持部または前記副液端面の少なくとも一方に形成した溝によって前記保持部と前記仕切体本体との間に形成されていることを特徴とする請求項3記載の液封入式防振装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は液封入式防振装置に関し、特に小振幅時に第2オリフィスにより減衰可能な周波数帯を広くできる液封入式防振装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
エンジン等の振動源を車体に支持する防振装置として、例えば特許文献1に開示される液封入式防振装置が知られている。特許文献1に開示される液封入式防振装置は、振動源側(エンジン側)に取り付けられる第1取付具と、車体側(支持側)に取り付けられる第2取付具と、第1取付具と第2取付具とを連結する防振基体と、を備えている。さらにこの液封入式防振装置は、防振基体が室壁の一部を構成する主液室と、主液室と仕切体によって仕切られると共に第1ダイヤフラム及び第2ダイヤフラムがそれぞれ室壁の一部を構成する第1副液室および第2副液室と、を備えている。
【0003】
そして、主液室と第1副液室とを第1オリフィスが連通し、主液室と第2副液室とを第2オリフィスが連通し、第2オリフィスから分岐した第3オリフィスが第1副液室に連通している。また、特許文献1に開示される液封入式防振装置は、第2オリフィスを弁部材によって開閉可能に構成している。振幅が大きい低周波数帯の振動入力時に、弁部材を閉塞するため、第3オリフィスを第2オリフィスに繋げて、第3オリフィス内の液流動を弁部材の作動力の一部にしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の技術は、弁部材を設けた第2オリフィスに第3オリフィスを繋げることで、大振幅時の低周波数帯に第2オリフィスを閉じ、大振幅低周波数帯における液封入式防振装置の減衰係数を高くしたものである。このような技術に対して、小振幅時に第2オリフィスにより減衰可能な周波数帯を広くしたいという要求がある。
【0006】
本発明は上述した要求に応えるためになされたものであり、小振幅時に第2オリフィスにより減衰可能な周波数帯を広くできる液封入式防振装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的を達成するために本発明の液封入式防振装置は、第1取付具および筒状の第2取付具と、前記第1取付具と前記第2取付具とを連結する弾性体から構成される防振基体と、前記防振基体が室壁の一部を構成し液体が封入される主液室と、弾性体から構成される第1ダイヤフラムが室壁の一部を構成し液体が封入される第1副液室と、弾性体から構成される第2ダイヤフラムが室壁の一部を構成し液体が封入される第2副液室と、前記主液室と前記第2副液室とを連通する第2オリフィスと、前記第2オリフィスから分岐して前記第1副液室に連通するリークオリフィスと、を備え、前記リークオリフィスの流路断面積の最小値は、前記第2オリフィスの流路断面積の最小値よりも小さい。
【発明の効果】
【0008】
請求項1記載の液封入式防振装置によれば、主液室と第2副液室とを第2オリフィスが連通し、第2オリフィスから分岐するリークオリフィスが第1副液室に連通し、そのリークオリフィスの流路断面積の最小値が第2オリフィスの流路断面積の最小値よりも小さい。これにより、リークオリフィスが目詰まりしてリークオリフィス内の液体が殆ど流動しなくなる比較的大きな振幅の振動が液封入式防振装置に入力された場合に、その振幅の大きさによるが、第2オリフィス内の液体を流動させることができる。よって、リークオリフィスが目詰まりする大振幅時には、第2オリフィス本来の減衰特性を得ることができる。一方、リークオリフィス内を液体が流動可能な小振幅時には、第2オリフィス内の液体がリークオリフィスを通って第1副液室へ逃げることにより圧力損失が生じる。その結果、小振幅時に第2オリフィスにより減衰可能な周波数帯を、リークオリフィスによる圧力損失によって広くできる。
【0009】
請求項2記載の液封入式防振装置によれば、請求項1記載の液封入式防振装置の奏する効果に加え、次の効果を奏する。小振幅時にリークオリフィスを通る液量を変更するために、1本のリークオリフィスの流路断面積の最小値を変えると、リークオリフィスが目詰まりする振幅の下限値が変わってしまい、第2オリフィス本来の減衰特性を得ることができる振幅の下限値が変わってしまう。これに対して、リークオリフィスは、第2オリフィスと第1副液室との間の流路を並列に分岐する複数の並列部を備え、この複数の並列部においてリークオリフィスの流路断面積が最小になっている。そのため、リークオリフィスが目詰まりする振幅の下限値を並列部の流路断面積に応じて決定できると共に、並列部の本数に応じて小振幅時にリークオリフィスを通る液量を調整できる。よって、第2オリフィス本来の減衰特性を得ることができる振幅の下限値を並列部の流路断面積に応じて決定できると共に、小振幅時にリークオリフィスを通る液量の調整に応じて第2オリフィス内の液体の圧力損失の大きさが調整され、小振幅時に第2オリフィスにより減衰可能な周波数帯の広さを調整できる。
【0010】
請求項3記載の液封入式防振装置によれば、請求項1又は2に記載の液封入式防振装置の奏する効果に加え、次の効果を奏する。主液室と第1副液室とを仕切る仕切体は、第2取付具の内周面に外周面が押し付けられる仕切体本体と、仕切体本体のうち第1副液室側の副液端面に接触して第2取付具に取り付けられる保持部と、を備えている。主液室と第1副液室とを連通する第1オリフィスは、仕切体本体の外周面の一部を凹ませた外周溝と、外周溝に連通するように保持部を貫通した開口部とによって形成される。これにより、副液端面の外周縁部と保持部と第2取付具の内周面とで囲まれた隙間が保持部の開口部に連なる。この隙間に、第2オリフィスから分岐した分岐部を連通させることによって、リークオリフィスが形成されている。副液端面の外周縁部と保持部と第2取付具の内周面とで囲まれた隙間や保持部の開口部を利用しつつ、分岐部を設けることで、リークオリフィスを容易に形成できる。
【0011】
請求項4記載の液封入式防振装置によれば、請求項3記載の液封入式防振装置の奏する効果に加え、次の効果を奏する。第2オリフィスは、保持部および副液端面の少なくとも一方に形成した溝によって保持部と仕切体本体との間に形成されている。そして、副液端面の外周縁部と保持部と第2取付具の内周面とで囲まれた隙間に連通して第2オリフィスから分岐した分岐部は、保持部または副液端面の少なくとも一方に形成した溝によって保持部と仕切体本体との間に形成されている。このように、保持部や副液端面への少ない加工により分岐部を形成してリークオリフィスを形成できるので、リークオリフィスの形成をより容易にできる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】第1実施形態における液封入式防振装置の軸方向断面図である。
【
図8】大振幅時の動ばね定数および減衰係数を示す図である。
【
図9】第2実施形態における液封入式防振装置の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、好ましい実施形態について、添付図面を参照して説明する。
図1は第1実施形態における液封入式防振装置10の軸方向断面図である。なお、
図1では、エンジンを支持する前の状態(即ち、エンジンの重量が負荷される前の状態)を図示している。
【0014】
液封入式防振装置10は、自動車のエンジンを弾性支持するエンジンマウントである。液封入式防振装置10は、振動源であるエンジン側に取り付けられる第1取付具11と、支持側の車体に取り付けられる筒状の第2取付具13と、第1取付具11と第2取付具13とを連結する弾性体から構成される防振基体17と、を主に備えている。
【0015】
第1取付具11は、筒状の第2取付具13の軸心C上に配置されたボス金具である。第1取付具11の上端面にはボルト孔12が形成されている。第1取付具11は、ボルト孔12に取り付けられるボルトを介してエンジン側に取り付けられる。
【0016】
第2取付具13は、防振基体17が加硫接着される楕円筒状の筒状金具14と、筒状金具14の軸心C方向一端(下端)に配置されるカップ状の底金具15と、を備えている。底金具15に取付ボルト(図示せず)が固定され、その取付ボルトを介して車体側に第2取付具13が取り付けられる。筒状金具14の下端部に設けられたかしめ部14aによって、底金具15の上端開口が筒状金具14にかしめ固定される。
【0017】
防振基体17は、略傘状に形成されるゴムや熱可塑性エラストマ等の弾性体製の部材であり、第1取付具11の下部と筒状金具14の上端開口部とにそれぞれ加硫接着されている。防振基体17の下端部には、筒状金具14の内周面を覆うゴム膜状のシール壁部18が連なっている。このシール壁部18は第2取付具13の一部である。
【0018】
第2取付具13には、筒状金具14の下端開口部を塞ぐように第1ダイヤフラム20が取り付けられている。第1ダイヤフラム20は、ゴム等の弾性体製の膜である。第1ダイヤフラム20の外周部が環状の取付板21に加硫接着されている。第1ダイヤフラム20は、取付板21が底金具15と共にかしめ部14aに狭持固定されることで、第2取付具13に取り付けられる。
【0019】
防振基体17、筒状金具14及び第1ダイヤフラム20により区画される密閉空間によって液室が形成される。液室には、エチレングリコール等の不凍性の液体(図示せず)が封入される。液室は、仕切体30により、防振基体17が室壁の一部を構成する主液室51と、第1ダイヤフラム20が室壁の一部を構成する第1副液室52とに仕切られる。
【0020】
仕切体30は、仕切体本体31と、保持部32と、第2ダイヤフラム33と、膜部材34と、蓋部材35と、を備えている。仕切体本体31は、略楕円柱状の金属や合成樹脂製の部材である。仕切体本体31は、シール壁部18で覆われた筒状金具14の内周面に圧入され、仕切体本体31の外周面が略全周に亘りシール壁部18を介して筒状金具14の内周面に押し付けられる。仕切体本体31は、主液室51に面する主液端面31aと、第1副液室52側の副液端面31bと、を備えている。
【0021】
第2ダイヤフラム33は、第1副液室52から仕切られた第2副液室53を仕切体30に設けるためのゴム等の弾性体製の膜である。保持部32は、仕切体本体31及び第2ダイヤフラム33を第2取付具13に保持するための楕円盤状の部材であり、副液端面31bに接触する。保持部32は、取付板21と共にかしめ14aにかしめ固定される金属製の補強板部32aと、補強板部32aに加硫接着されて第2ダイヤフラム33と一体成形される保持膜部32bと、を備えている。
【0022】
補強板部32aがかしめ部14aに固定されることで、防振基体17とシール壁部18との境界に設けられた段部17aと、保持部32との間で、仕切体本体31が軸心C方向に挟まれ、仕切体本体31が第2取付具13に固定される。そして、補強板部32aと副液端面31bとの間に挟まれる保持膜部32bが副液端面31bの外周縁まで設けられていないので、液封入式防振装置10には、筒状金具14の内周面に設けたシール壁部18と、副液端面31bと、補強板部32aと、保持膜部32bの外周縁とで囲まれた環状の隙間55が形成される。
【0023】
膜部材34及び蓋部材35は、主液室51内の圧力が著しく低下したときに生じるキャビテーションを抑制するための部材である。仕切体本体31には、主液端面31aの一部を凹ませた大径凹部31cと、大径凹部31cの底面の中央部を凹ませた小径凹部31dと、小径凹部31dの底面および副液端面31bに開口する第1孔部31eと、が形成されている。また、副液端面31bに接触した保持部32には、第1孔部31eと連通する第2孔部32cが厚さ方向に貫通形成されている。
【0024】
膜部材34は、小径凹部31dに嵌まるゴム等の弾性体製の略円盤状の部材である。膜部材34には、第1孔部31eまわりの小径凹部31dの底面に押し付けられる筒状の弁部34aが下面から突出し、弁部34aよりも径方向外側の膜部材34を厚さ方向に貫通して貫通孔34bが形成されている。
【0025】
蓋部材35は、大径凹部31cに嵌まる金属や合成樹脂製の部材であり、複数の貫通孔35aが形成されている。小径凹部31dに嵌まった膜部材34の外周部を蓋部材35と仕切体本体31との間で軸方向に挟み、蓋部材35の外周部が仕切体本体31に溶着などによって接合されている。
【0026】
車両の走行時に段差を乗り越える等の大きな振動が液封入式防振装置10に入力され、主液室51の圧力が著しく低下すると、膜部材34が主液室51側へ大きく撓み変形する。これにより、弁部34aが小径凹部31dの底面から離れ、第1副液室52の液体が第2孔部32c、第1孔部31e、弁部34aと小径凹部31dの底面との間、貫通孔34b、貫通孔35aを通って主液室51へ流れ込む。これにより主液室51の負圧が解消されるので、キャビテーションによる異音の発生を防止できる。なお、主液室51の圧力が著しく低下したときを除いて基本的に、弁部34aと小径凹部31dの底面との間は閉じている。
【0027】
次に
図2から
図4を参照して仕切体30について更に説明する。
図2は上方から見た仕切体30の分解立体図である。
図3は下方から見た仕切体30の分解立体図である。
図4は仕切体30の正面図である。なお、
図2,3では、膜部材34や蓋部材35を仕切体本体31に固定した状態を示している。また、
図2から
図4には、仕切体30を第2取付具13に取り付けたときに形成される第1オリフィス54や第2オリフィス56、リークオリフィス58の隙間55及び分岐部59を二点鎖線で示している。
【0028】
図2に示すように、仕切体本体31の主液端面31aには、大径凹部31c(蓋部材35)および外周縁部から離れた部分を凹ませた主液凹部31fが形成されている。この主液凹部31fによって主液室51の体積を大きくできる。
【0029】
図2から
図4に示すように、仕切体本体31の外周面に略1周の長さの外周溝36が形成されている。この外周溝36の一端が主液開口37である。主液開口37は、主液端面31aの外周縁部の一部を切り欠いて形成され、主液凹部31fと径方向に繋がっている。これにより、主液凹部31f内の液体を主液開口37へ導き易くできる。
【0030】
外周溝36の他端は、副液端面31bの外周縁部の一部を切り欠いて形成された副液開口38である。この副液開口38を軸心C方向に延長した位置で保持部32を貫通して、開口部39が形成されている。
【0031】
図1から
図4に示すように、このような仕切体30を筒状金具14に取り付けることで、筒状金具14の内周面を覆うシール壁部18と外周溝36との間や開口部39によって、主液室51と第1副液室52とを連通する第1オリフィス54が形成される。第1オリフィス54は、例えば車両走行時のシェイク振動を減衰するため、大振幅(例えば振幅±0.5mm程度)のシェイク振動の入力時にシェイク振動に対応した周波数帯(例えば5~15Hz程度)で減衰係数が大きくなるよう、第1オリフィス54の流路断面積、長さ、断面周長などが設定される。
【0032】
また、第1オリフィス54の形成のために、仕切体本体31の副液端面31bの外周縁部を切り欠いた副液開口38を軸心C方向に延長した位置で、保持部32に開口部39が設けられている。そのため、筒状金具14の内周面(シール壁部18)と、副液端面31bと、保持部32と、保持膜部32bの外周縁とで囲まれた環状の隙間55が開口部39に連通する。
【0033】
図2及び
図3に示すように、大径凹部31cや主液凹部31fから離れた位置の仕切体本体31を厚さ方向に貫通して連通孔40が形成されている。そして、
図3に示すように、仕切体本体31の副液端面31bには、円形状の凹陥部41と、連通孔40と凹陥部41とを繋ぐ凹溝部42と、凹溝部42から副液端面31bの外周縁まで設けられる3本の分岐溝43とが副液端面31bの一部を凹ませて形成されている。
【0034】
図1及び
図3に示すように、副液端面31bに保持部32を接触させることで、第2ダイヤフラム33に凹陥部41が覆われて第2副液室53が形成される。さらに、凹溝部42が全長に亘って保持膜部32bで覆われた部分と連通孔40とによって、主液室51と第2副液室53とを連通する第2オリフィス56が形成される。凹溝部42の全長の殆どが副液端面31bの外周縁部に沿って設けられている。
【0035】
第2オリフィス56は、小振幅(例えば振幅±0.05mm程度)のアイドル振動の入力時に低周波数帯(5~15Hz程度)で減衰係数が大きくなるよう、第2オリフィス56の流路断面積、長さ、断面周長などが設定される。なお、第1オリフィス54は、小振幅の振動の入力時に、第2オリフィス56よりも高い周波数帯で減衰係数が大きくなるように設定されている。
【0036】
図2に示すように、保持部32の保持膜部32bには、第2ダイヤフラム33のまわりに連続する環状突起45と、環状突起45から延びて第2孔部32cのまわりに連続する線状突起46とが副液端面31bへ向かって突出している。副液端面31bに保持部32を接触させたとき、凹陥部41と凹溝部42や第1孔部31eとの間の副液端面31bに環状突起45が押し付けられて、副液端面31bと保持部32との間を環状突起45によりシールする。これにより、第2副液室53と、第2オリフィス56や第1孔部31e、第2孔部32cとの間で液体を漏れ難くできる。
【0037】
また、副液端面31bに保持部32を接触させたとき、凹溝部42と第1孔部31eとの間の副液端面31bに線状突起46が押し付けられて、副液端面31bと保持部32との間を線状突起46によりシールする。これにより、第2オリフィス56と、第1孔部31eや第2孔部32cとの間で液体を漏れ難くできる。
【0038】
さらに、副液端面31bに保持部32を接触させて3本の分岐溝43をそれぞれ保持部32で覆うことで、第2オリフィス56から並列に分岐した3本の分岐部(並列部)59が形成される。分岐溝43が副液端面31bの外周縁まで設けられているので、この3本の分岐部59がそれぞれ隙間55に連通する。このようにして、第2オリフィス56から分岐して第1副液室52に連通するリークオリフィス58が、3本の分岐部59と隙間55と開口部39とによって形成される。
【0039】
仕切体本体31を第2取付具13に保持するために副液端面31bに保持部32を接触させて形成された隙間55と、第1オリフィス54を仕切体本体31の外周面に形成するために保持部32に形成された開口部39とを利用しつつ、分岐部59を設けることで、リークオリフィス58を容易に形成できる。即ち、保持部32が副液端面31bに接触した仕切体本体31の外周面に第1オリフィス54を設けた従来の液封入式防振装置に、新たに分岐部59を設けるだけでリークオリフィス58を容易に形成できる。
【0040】
さらに、第2オリフィス56は、副液端面31bに形成した凹溝部42によって保持部32と仕切体本体31との間に形成されている。この第2オリフィス56から分岐して隙間55に連通する分岐部59は、副液端面31bに形成した分岐溝43によって保持部32と仕切体本体31との間に形成されている。このように、副液端面31bへの少ない加工により分岐部59を形成してリークオリフィス58を形成できるので、リークオリフィス58の形成をより容易にできる。
【0041】
特に、副液端面31bの外周縁部に沿って設けられた凹溝部42の一部から副液端面31bの外周縁部まで分岐部59が設けられているので、分岐部59を直線状に短く形成できる。このように分岐部59を形成し易くできるので、リークオリフィス58の形成をより容易にできる。
【0042】
次に
図5を参照して、以上のように構成される液封入式防振装置10を模式的に説明する。
図5は液封入式防振装置10の模式図である。
図5に示すように、液封入式防振装置10は、防振基体17(
図1参照)が室壁の一部を構成する主液室51と、第1ダイヤフラム20が室壁の一部を構成する第1副液室52と、第2ダイヤフラム33が室壁の一部を構成する第2副液室53とを備えている。第1オリフィス54は主液室51と第1副液室52とを連通し、第2オリフィス56は主液室51と第2副液室53とを連通する。リークオリフィス58は、第2オリフィス56から分岐して第1副液室52に連通する。
【0043】
なお、
図5では、第2オリフィス56やリークオリフィス58の紙面垂直方向の高さを同一とし、第2オリフィス56やリークオリフィス58の幅を用いて、第2オリフィス56の流路断面積やリークオリフィス58の流路断面積を図示している。第2オリフィス56の流路断面積は、第2副液室53側の出入口57で最小になっている。オリフィスの流路断面積の最小値が大きい程、そのオリフィス内を液体が殆ど流動しない目詰まり状態になるときの振幅の下限値が大きくなる。出入口57における第2オリフィス56の流路断面積の最小値Aは、シェイク振動などの大きな振幅の振動が入力された場合に第2オリフィス56が目詰まりするように設定されている。
【0044】
リークオリフィス58の流路断面積は、3本の分岐部59でそれぞれ最小になっている。3本の分岐部59の流路断面積はそれぞれ同一に設定されている。分岐部59におけるリークオリフィス58の流路断面積の最小値Bは、第2オリフィス56の流路断面積の最小値Aよりも小さい。これにより、リークオリフィス58が目詰まりする大振幅の振動が液封入式防振装置10に入力された場合であって、その振幅が第2オリフィス56を目詰まりさせない程度であれば、第2オリフィス56内の液体を流動させることができる。よって、リークオリフィス58が目詰まりする大振幅時には、第2オリフィス56本来の減衰特性を得ることができる。
【0045】
一方、リークオリフィス58内を液体が流動可能なアイドル振動などの小振幅時には、第2オリフィス56内の液体がリークオリフィス58を通って第1副液室52へ逃げることにより、第2オリフィス56内の液体に圧力損失が生じる。このリークオリフィス58による圧力損失によって、小振幅時に第2オリフィス56により減衰可能な周波数帯を広くできる。
【0046】
なお、リークオリフィス58の代わりに、第2オリフィス56を開閉する弁部材などを設けることで、小振幅時に第2オリフィス56に圧力損失を生じさせ、小振幅時に第2オリフィス56により減衰可能な周波数帯を広くすることができる。しかし、本実施形態では、この弁部材を第2オリフィス56に設けなくても、リークオリフィス58によって小振幅時に減衰可能な周波数帯を広くでき、弁部材を不要にできる。そのため、弁部材を設けるためのスペースの分だけ液封入式防振装置10を小型化できると共に、弁部材を設けるために液封入式防振装置10の部品点数が増加することを抑制できる。特に、本実施形態では、キャビテーションを抑制するための膜部材34や蓋部材35が仕切体30に設けられているため、第2オリフィス56を開閉するための弁部材を配置するためのスペースの確保が難しくなるところ、弁部材を設けなくても、リークオリフィス58によって小振幅時に第2オリフィス56により減衰可能な周波数帯を広くできる。
【0047】
また、小振幅時にリークオリフィス58から第1副液室52へ第2オリフィス56内の液体が逃げることによって、リークオリフィス58から第2オリフィス56内の液体が逃げない大振幅時と比較し、第2オリフィス56の液柱共振周波数(第2オリフィス56の減衰係数のピーク値)を高周波側にシフトできる。よって、振幅の大きさに伴って第2オリフィス56の液柱共振周波数を変化させることができる。
【0048】
小振幅時にリークオリフィス58を通る液量を変更するために、1本のリークオリフィス58の流路断面積の最小値Bを変えると、リークオリフィス58が目詰まりする振幅の下限値が変わってしまう。これに対して本実施形態のリークオリフィス58は、第2オリフィス56と第1副液室52との間の流路を並列に分岐する3本の分岐部(並列部)59を備え、この分岐部59においてリークオリフィス58の流路断面積が最小になっている。そのため、リークオリフィス58が目詰まりする振幅の下限値を分岐部59の流路断面積(最小値B)に応じて決定できると共に、分岐部59の本数に応じて小振幅時にリークオリフィス58を通る液量を調整できる。
【0049】
よって、リークオリフィス58が目詰まりして第2オリフィス56本来の減衰特性を得ることができる振幅の下限値を、分岐部59の流路断面積に応じて決定できる。加えて、小振幅時にリークオリフィス58を通る液量の調整に応じて第2オリフィス56内の液体の圧力損失の大きさが調整され、小振幅時に第2オリフィス56により減衰可能な周波数帯の広さを調整できる。さらに、リークオリフィス58を通る液量が多い程、第2オリフィス56の液柱共振周波数を高周波側へ大きくシフトさせることができるので、リークオリフィス58を通る液量の調整によって第2オリフィス56の液柱共振周波数を調整できる。
【0050】
なお、大振幅時には、流路断面積が最小になっている部分でリークオリフィス58が目詰まりする。そのため、第2オリフィス56から離れた位置でリークオリフィス58の流路断面積が最小になっており、そのリークオリフィス58の流路断面積が最小になっている部位と第2オリフィス56との間の流路の壁面の一部が弾性体である場合には、大振幅時にリークオリフィス58が目詰まりしても、その弾性体の変形が第2オリフィス56の減衰特性に影響を与えることがある。これに対して本実施形態では、第2オリフィス56に連なる分岐部59でリークオリフィス58の流路断面積が最小になっているので、大振幅時の第2オリフィス56の減衰特性をリークオリフィス58の有無に応じて変化し難くできる。
【0051】
図1に戻って説明する。補強板部32aと副液端面31bとの間に挟まれる保持膜部32bを補強板部32aの外周縁まで設け、副液端面31bの外周縁部の面取部と、保持膜部32bと、筒状金具14の内周面(シール壁部18)とに囲まれた空間を隙間55にすることができる。しかし、この場合には隙間55の流路断面積が小さくなってしまい、リークオリフィス58が目詰まりする振幅の下限値の設定範囲が狭くなる。
【0052】
これに対して本実施形態では、補強板部32aと副液端面31bとの間に挟まれる保持膜部32bが副液端面31bの外周縁まで設けられていないため、補強板部32aと副液端面31bとの間に挟まれた保持膜部32bの厚さや、保持膜部32bと第2取付具13の内周面(シール壁部18)との間の径方向寸法によって、隙間55の流路断面積を確保できる。その結果、分岐部59の流路断面積を隙間55の流路断面積以下にすることで、分岐部59の流路断面積(最小値B)の設定範囲を広くでき、リークオリフィス58が目詰まりする振幅の下限値の設定範囲を広くできる。
【0053】
次に
図6から
図8を参照して、液封入式防振装置の動ばね定数と減衰係数について説明する。
図6は、小振幅時(振幅±0.05mm)における液封入式防振装置の動ばね定数の測定結果である。
図7は、小振幅時(振幅±0.05mm)における液封入式防振装置の減衰係数の測定結果である。
図8は、大振幅時(振幅±0.5mm)における液封入式防振装置の動ばね定数および減衰係数の測定結果である。
【0054】
図6から
図8において、実施例は液封入式防振装置10であり、比較例は、リークオリフィス58(分岐部59)が設けられていない以外は実施例と同一の構成にしたものである。また、
図6から
図8では、実施例の動ばね定数を実線で、実施例の減衰係数を破線で、比較例の動ばね定数を一点鎖線で、比較例の減衰係数を二点鎖線で示している。
【0055】
図8から大振幅時の動ばね定数および減衰係数には、実施例と比較例との間に顕著な差がないことがわかる。一方、
図6に示す通り、リークオリフィス58を有しない比較例では10Hz付近で動ばね定数が高くなっているのに対し、リークオリフィス58を有する実施例では10Hz付近の動ばね定数を低くできることがわかる。また、
図7に示す通り、比較例では7.5Hz付近と15Hz付近との2か所に減衰係数のピークがあるのに対し、実施例では、7.5Hz付近の減衰係数のピーク(第2オリフィス56の液柱共振周波数)が高周波側にシフトして15Hz付近の減衰係数のピークと連なり、12Hz付近の1か所に減衰係数のピークができることが分かる。さらに
図7から、実施例において減衰係数が所定値以上となる周波数帯を比較例よりも広くできることが分かる。これらの結果、リークオリフィス58を有する実施例は、リークオリフィス58を有しない比較例と比べて、小振幅時の低周波数帯における減衰特性を向上できることが明らかである。
【0056】
次に
図9を参照して第2実施形態について説明する。第1実施形態では、第2ダイヤフラム33が第1副液室52と第2副液室53とを区画し、第2オリフィス56から分岐した3本の分岐部59を有するリークオリフィス58が第1副液室52に連通している場合について説明した。これに対し、第2実施形態では、第2ダイヤフラム61が主液室51と第2副液室53とを区画し、第2オリフィス56から分岐した1本の分岐部63と、1本の分岐部63から並列に分岐した2本の並列部64とを有するリークオリフィス62が第1副液室52に連通している場合について説明する。なお、第1実施形態で説明したものと同一の部分については、同一の符号を付して以下の説明を省略する。
図9は第2実施形態における液封入式防振装置60の模式図である。
【0057】
第2実施形態における液封入式防振装置60のリークオリフィス62は、第2オリフィス56から分岐した1本の分岐部63と、分岐部63から並列に分岐して第1副液室52に連なる2本の並列部64と、を備えている。リークオリフィス62の流路断面積は、並列部64で最小になっている。
【0058】
第2実施形態においても、第1実施形態と同様に、主液室51と第2副液室53とを連通する第2オリフィス56の流路断面積の最小値Aよりも、第2オリフィス56から分岐して第1副液室52に連通するリークオリフィス62の流路断面積の最小値(並列部64の流路断面積)Bが小さい。そのため、大振幅時にリークオリフィス62が目詰まりする一方で、アイドル振動などの小振幅時には、第2オリフィス56内の液体がリークオリフィス62を通って第1副液室52へ逃げて圧力損失が生じ、この圧力損失によって小振幅時に第2オリフィス56により減衰可能な周波数帯を広くできる。
【0059】
また、第2オリフィス56と第1副液室52との間の流路を並列に分岐する2本の並列部64の流路断面積(最小値B)に応じて、リークオリフィス62が目詰まりする振幅の下限値を決定できると共に、並列部64の本数に応じて小振幅時にリークオリフィス62を通る液量を調整できる。よって、第2オリフィス56本来の減衰特性を得ることができる振幅の下限値を並列部64の流路断面積に応じて決定できると共に、小振幅時にリークオリフィス62を通る液量に応じて、第2オリフィス56により減衰可能な周波数帯の広さを調整しつつ、第2オリフィス56の液柱共振周波数を調整できる。
【0060】
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。例えば、第1取付具11や第2取付具13、防振基体17、仕切体30等の各部の形状や寸法、第2副液室53の配置などを適宜変更しても良く、第1オリフィス54や第2オリフィス56の形成位置を適宜変更しても良い。また、第1オリフィス54や、キャビテーションを抑制するための膜部材34及び蓋部材35を省略しても良い。第1オリフィス54や第2オリフィス56を開閉する弁部材を設けても良い。
【0061】
上記形態では、液封入式防振装置10,60を、自動車のエンジンを弾性支持するエンジンマウントとして用いる場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。ボディマウント、デフマウント等、種々の防振装置に液封入式防振装置10,60を適用しても良い。また、第1取付具11を車体側に取り付け、第2取付具13を振動源側に取り付けても良い。
【0062】
上記形態では、振幅±0.05mm程度の小振幅時にリークオリフィス58,62内を液体が流動可能である場合について説明したが、リークオリフィス58,62が目詰まりする振幅の下限値を適宜設定しても良い。また、第1オリフィス54や第2オリフィス56により減衰可能な周波数帯を適宜設定しても良い。第1オリフィス54や第2オリフィス56以外に、例えば第1副液室52と第2副液室53とを連通する第3オリフィスを設けたり、減衰可能な周波数帯が異なる第1オリフィス54や第2オリフィス56を複数本設けたりしても良い。
【0063】
上記第1実施形態では、副液端面31bに設けた凹溝部42によって仕切体本体31と保持部32との間に第2オリフィス56が形成される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。保持部32のうち副液端面31bに接触する上面に設けた溝によって仕切体本体31と保持部32との間に第2オリフィス56を形成したり、保持部32の上面に設けた溝と、副液端面31bの凹溝部42とによって第2オリフィス56を形成したりしても良い。同様に、保持部32の上面に設けた溝によって仕切体本体31と保持部32との間に分岐部59を設けたり、保持部32の上面に設けた溝と、副液端面31bの分岐溝43とによって分岐部59を設けたりしても良い。
【0064】
また、例えば仕切体本体31の一部を上下に分割して、その分割面に第2オリフィスの一部やリークオリフィスの一部を形成したり、分割面に第2オリフィスを形成して分割面よりも下方(第1副液室52側)の分割体にリークオリフィスの一部を形成したりしても良い。また、保持部32を厚さ方向(軸心C方向)に貫通する貫通孔によって、第2オリフィス56から分岐して第1副液室52に連通するリークオリフィスを形成しても良い。
【0065】
但し、リークオリフィスの長さが保持部32の厚さと同等だと、リークオリフィスにおける流動抵抗が小さくなり易く、振幅の大きさに応じたリークオリフィスを通る液量(リークオリフィスが目詰まりする振幅の下限値)の調整が難しくなる。これに対し、上記第1実施形態では、開口部39に対する分岐部59の周方向位置を変更することで、分岐部59から開口部39までのリークオリフィス58の長さを容易に調整でき、リークオリフィス58における流動抵抗を調整し易くできる。その結果、振幅の大きさに応じたリークオリフィスを通る液量の調整を容易にできる。
【0066】
上記第1実施形態では、第2オリフィス56と第1副液室52との間のリークオリフィス58を3本に分岐する分岐部59がそれぞれ第2オリフィス56に連なり、上記第2実施形態では第2オリフィス56と第1副液室52との間のリークオリフィス62を2本に分岐する並列部64が第1副液室52に連なる場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。分岐部59や並列部64の本数を適宜変更しても良い。また、第2オリフィス56と第1副液室52との間の流路を複数に分割する並列部を、第2オリフィス56及び第1副液室52の両方から離れた位置でリークオリフィスに形成しても良い。また、複数の並列部を第2オリフィス56及び第1副液室52の両方に連通させてリークオリフィスを形成しても良い。
【符号の説明】
【0067】
10,60 液封入式防振装置
11 第1取付具
13 第2取付具
17 防振基体
20 第1ダイヤフラム
30 仕切体
31 仕切体本体
31b 副液端面
32 保持部
33,61 第2ダイヤフラム
36 外周溝
39 開口部
51 主液室
52 第1副液室
53 第2副液室
54 第1オリフィス
55 隙間
56 第2オリフィス
58,62 リークオリフィス
59 分岐部(並列部)
63 分岐部
64 並列部