(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-17
(45)【発行日】2023-05-25
(54)【発明の名称】ポネシモドを含有する医薬的組み合わせ
(51)【国際特許分類】
A61K 31/426 20060101AFI20230518BHJP
A61K 31/277 20060101ALI20230518BHJP
A61P 25/00 20060101ALI20230518BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20230518BHJP
【FI】
A61K31/426
A61K31/277
A61P25/00
A61P43/00 121
(21)【出願番号】P 2019549459
(86)(22)【出願日】2018-03-13
(86)【国際出願番号】 EP2018056185
(87)【国際公開番号】W WO2018167030
(87)【国際公開日】2018-09-20
【審査請求日】2021-03-10
(31)【優先権主張番号】PCT/EP2017/055994
(32)【優先日】2017-03-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】500226786
【氏名又は名称】アクテリオン ファーマシューティカルズ リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Actelion Pharmaceuticals Ltd
【住所又は居所原語表記】Gewerbestrass 16,CH-4123 Allschwil,Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100090398
【氏名又は名称】大渕 美千栄
(74)【代理人】
【識別番号】100090387
【氏名又は名称】布施 行夫
(72)【発明者】
【氏名】マルティーヌ クローゼル
(72)【発明者】
【氏名】レティシア プゾル
【審査官】金子 亜希
(56)【参考文献】
【文献】特表2007-511563(JP,A)
【文献】特表2011-514379(JP,A)
【文献】特表2008-517059(JP,A)
【文献】国際公開第2016/091996(WO,A1)
【文献】Ther Adv Chronic Dis,2016年,7(1),18-33
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 31/426
A61K 31/277
A61P 25/00
A61P 43/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポネシモドである第1の活性成分と、テリフルノミドである第2の活性成分と、を含有する、多発性硬化症の治療用の医薬的組み合わせ。
【請求項2】
前記第1及び第2の活性成分は単一の医薬組成物に含有される、請求項1に記載の医薬的組み合わせ。
【請求項3】
前記第1及び第2の活性成分は個別の医薬組成物に含有される、請求項1に記載の医薬的組み合わせ。
【請求項4】
再発性多発性硬化症の治療用の、請求項1~3のいずれか一項に記載の医薬的組み合わせ。
【請求項5】
再発寛解型多発性硬化症の治療用の、請求項1~3のいずれか一項に記載の医薬的組み合わせ。
【請求項6】
多発性硬化症の治療用の、ポネシモド、及び少なくとも1つの治療的に不活性な賦形剤を含有する医薬組成物であって、前記医薬組成物は、テリフルノミド及び少なくとも1つの治療的に不活性な賦形剤を含有する第2の医薬組成物との組み合わせで投与される、医薬組成物。
【請求項7】
請求項4又は5に記載される疾病又は疾患の予防用又は治療用の、ポネシモド、及び少なくとも1つの治療的に不活性な賦形剤を含有する医薬組成物であって、前記医薬組成物は、テリフルノミド及び少なくとも1つの治療的に不活性な賦形剤を含有する第2の医薬組成物との組み合わせで投与される、医薬組成物。
【請求項8】
多発性硬化症の治療用の、テリフルノミド及び少なくとも1つの治療的に不活性な賦形剤を含有する医薬組成物であって、前記医薬組成物は、ポネシモド、及び少なくとも1つ
の治療的に不活性な賦形剤を含有する第2の医薬組成物との組み合わせで投与される、医薬組成物。
【請求項9】
請求項4又は5に記載される疾病又は疾患の予防用又は治療用の、テリフルノミド及び少なくとも1つの治療的に不活性な賦形剤を含有する医薬組成物であって、前記医薬組成物は、ポネシモド、及び少なくとも1つの治療的に不活性な賦形剤を含有する第2の医薬組成物との組み合わせで投与される、医薬組成物。
【請求項10】
多発性硬化症の治療用の薬剤の製造のための、請求項1~3のいずれか一項に記載の医薬的組み合わせの使用。
【請求項11】
再発性多発性硬化症の治療用の薬剤の製造のための、請求項1~3のいずれか一項に記載の医薬的組み合わせの使用。
【請求項12】
再発寛解型多発性硬化症の治療用の薬剤
の製造のための、請求項1~3のいずれか一項に記載の医薬的組み合わせの使用。
【請求項13】
請求項4又は5に記載される疾病又は疾患の予防用又は治療用の薬剤の製造のためのポネシモドの使用であって、前記薬剤は、テリフルノミドを含有する第2の薬剤との組み合わせで投与される、使用。
【請求項14】
請求項4又は5に記載される疾病又は疾患の予防用又は治療用の薬剤の製造のためのテリフルノミドの使用であって、前記薬剤は、ポネシモドを含有する第2の薬剤との組み合わせで投与される、使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポネシモド(ponesimod)である第1の活性成分と、テリフルノミド(teriflunomide)及びレフルノミド(leflunomide)からなる群から選択される第2の活性成分と、を含有する医薬的組み合わせに関する。本発明の医薬的組み合わせ物は、リンパ球介在活性化免疫系(lymphocyte-mediated activated immune system)に関連する、特にヒトなどの哺乳類の疾病又は疾患の予防及び/又は治療に好適である。
【図面の簡単な説明】
【0002】
【
図1】ポネシモド、テリフルノミド、又はこれらの組み合わせで0日目から1日1回処置された急性単相性EAEラットの平均臨床スコア。データは平均値±SEMで示される。n=10~20/群。EAE=実験的自己免疫性脳脊髄炎;SEM=平均値の標準誤差。
【
図2】21日間の研究で到達した最大臨床スコアとして表される、急性単相性ラットEAE疾患の重症度に対するポネシモド、テリフルノミド、又はこれらの組み合わせの効果。データは平均値±SEMで示される。n=10~20/群。クラスカル・ワリス検定、続いてダンの多重比較検定を用いて、**p<0.01、***p<0.001である。
【
図3】ポネシモド、テリフルノミド、又はこれらの組み合わせで0日目から1日1回処置された急性単相性EAEラットの平均体重。データは平均値±SEMで示される。n=10~20/群。
【
図4】21日間の研究にわたる、ポネシモド、テリフルノミド、又はこれらの組み合わせの急性単相性ラットEAEモデルのパーセンテージ単位での体重減少の平均に対する効果。データは平均値±SEMで示される。n=10~20/群。クラスカル・ワリス検定、続いてダンの多重比較検定を用いて、**p<0.01である。
【発明を実施するための形態】
【0003】
1)第1の実施形態では、本発明は、ポネシモドである第1の活性成分と、テリフルノミド及びレフルノミドからなる群から選択される第2の活性成分と、を含有する医薬的組み合わせに関する。
【0004】
ポネシモド(化学名:(R)-5-[3-クロロ-4-(2,3-ジヒドロキシ-プロポキシ)-ベンズ[Z]イリデン]-2-([Z]-プロピルイミノ)-3-o-トリル-チアゾリジン-4-オン))は選択的S1P1受容体作動薬であり、その経口投与は、末梢血リンパ球数の、一貫した、持続的かつ用量依存的な減少をもたらす。ポネシモドは、活性化された免疫系に関連する疾病又は疾患の予防及び/又は治療に有用であると説明されている(例えばPCT国際公開第2005/054215号及び同第2009/115954号を参照)。特に、ポネシモドは、中度~重度の慢性尋常性乾癬患者及び再発寛解型多発性硬化症患者における第2相試験で臨床的利点を示している。現在、ポネシモドは、再発性多発性硬化症のための第3相臨床開発中である。ポネシモドは、PCT国際公開第2005/054215号、同第2008/062376号、及び同第2014/027330号で開示される任意の手順に従って調製することができる。
【0005】
テリフルノミド(化学名:(Z)-2-シアノ-3-ヒドロキシブト-2-エン酸-(4-トリフルオロメチルフェニル)-アミド)は、米国特許第4,965,276号、同第5,459,163号、及び同第5,679,709号で、免疫調節特性を有し、慢性
の移植片対宿主病及び全身性エリテマトーデスなどの自己免疫疾患の治療に好適であると説明されている。PCT国際公開第02/080897号は、テリフルノミドが多発性硬化症の治療に有用であると開示している。特に、テリフルノミド(Aubagio(登録商標))は、多発性硬化症の再発形態の治療に承認されている。テリフルノミドは、例えば米国特許第6,894,184号で説明されるように、当該技術分野で既知の手順に従って調製することができる。2-シアノ-3-ヒドロキシブト-2-エン酸-(4-トリフルオロメチルフェニル)-アミドはZ-及びE-立体異性体間で相互転換可能であり、Z-エノールは最も安定しており、そのため最も優勢な形態である。
【0006】
レフルノミド(化学名:5-メチル-N-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)イソキサゾール-4-カルボキサミド)は、米国特許第4,087,535号、及び特に同4,284,786号で一般的に開示され、ここではこの化合物が多発性硬化症の治療に用いられ得ると開示されている。生体内のレフルノミドは代謝されて、レフルノミドの生体内活性を司る活性代謝物であるテリフルノミドとなる。レフルノミド(Arava(登録商標))は、活動性関節リウマチ及び活動性乾癬性関節炎を有する成人の治療に承認されている。レフルノミドは、例えば米国特許第4,284,786号で説明されるように、当該技術分野で既知の手順に従って調製することができる。
【0007】
2)本発明の更なる実施形態は、第1の活性成分がポネシモドであり、第2の活性成分がテリフルノミドである、実施形態1)に記載の医薬的組み合わせに関する。
【0008】
3)本発明の更なる実施形態は、第1の活性成分がポネシモドであり、第2の活性成分がレフルノミドである、実施形態1)に記載の医薬的組み合わせに関する。
【0009】
4)本発明の更なる実施形態は、第1及び第2の活性成分が単一の医薬組成物に含有される、実施形態1)~3)のいずれか1つに記載の医薬的組み合わせに関する。
例えば第1の活性成分が1日1回投与され、第2の成分が1日2回投与される、実施形態4)の特別な事例では、1日に必要とされる2つの医薬組成物のうちの一方だけが第1及び第2の活性成分の両方を含有し、もう一方は第2の活性成分のみを含有する。好ましくは、第1及び第2の活性成分は1日1回投与される。
【0010】
更に、第1及び/又は第2の活性成分が最初は特定の投与計画に従って投与される、実施形態4)に記載の医薬的組み合わせの事例(例えば、ポネシモドに関してPCT国際公開第2009/115954号、及び同第2016/091996号で開示されるアップ滴定投与計画を参照されたい)では、初期投与計画で必要な医薬組成物は、投与計画の様々な工程で必要な量の活性成分を含有する。
【0011】
5)本発明の更なる実施形態は、第1及び第2の活性成分が個別の医薬組成物に含有される、実施形態1)~3)のいずれか1つに記載の医薬的組み合わせに関する。
【0012】
第1及び第2の活性成分が個別の医薬組成物に含有される場合、これらは同時に、順次に、又は個別に投与することができ、好ましくは、個別の医薬組成物は、同時に又は順次に、特には順次に投与される。第1の活性成分が、例えば1日に1回投与され、第2の活性成分が1日2回投与される場合、個別の医薬組成物は、好ましくは1日1回、同時に又は順次に、特には順次に投与される。順次に又は個別に投与される場合、個別の医薬組成物は、一方又はもう一方の順序で投与されてもよい。1日の投与回数は、個別の医薬組成物で同じであっても異なっていてもよい。例えば、一方の医薬組成物は1日1回投与されてもよく、もう一方の医薬組成物は1日1回又は2回投与されてもよい。好ましくは、個別の医薬組成物は、1日1回投与される。更に、個別の医薬組成物は、同じ又は異なる投与経路によって、好ましくは同じ投与経路によって投与されてもよい。最も好ましくは、
個別の医薬組成物は経口投与される。
【0013】
6)本発明の更なる実施形態は、薬剤として使用するための、実施形態1)~5)のいずれか1つに記載の医薬的組み合わせに関する。
【0014】
7)本発明の更なる実施形態は、リンパ球介在活性化免疫系に関連する疾病又は疾患の予防又は治療、好ましくは治療で使用するための、実施形態1)~5)のいずれか1つに記載の医薬的組み合わせに関する。
【0015】
8)本発明の更なる実施形態は、腎臓、肝臓、心臓、肺、膵臓、角膜、及び皮膚などの移植器官の拒絶反応;移植片対宿主病;関節リウマチ、多発性硬化症、クローン病及び潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患、乾癬、乾癬性関節炎、橋本甲状腺炎などの甲状腺炎、並びにブドウ膜網膜炎を含む自己免疫症候群;鼻炎、結膜炎、及び皮膚炎などのアトピー性疾患;喘息;I型糖尿病;リウマチ熱及び感染後糸球体腎炎を含む感染後自己免疫疾患;固形がん;並びに腫瘍転移からなる群から選択される疾病又は疾患の予防又は治療、好ましくは治療で使用するための、実施形態1)~5)のいずれか1つに記載の医薬的組み合わせに関する。
【0016】
9)本発明の更なる実施形態は、腎臓、肝臓、心臓、及び肺から選択される移植器官の拒絶反応;移植片対宿主病;関節リウマチ、多発性硬化症、乾癬、乾癬性関節炎、クローン病、及び橋本甲状腺炎から選択される自己免疫症候群;並びにアトピー性皮膚炎からなる群から選択される疾病又は疾患の予防又は治療、好ましくは治療で使用するための、実施形態1)~5)のいずれか1つに記載の医薬的組み合わせに関する。
【0017】
10)本発明の好ましい実施形態は、移植片対宿主病、特には慢性移植片対宿主病の予防又は治療、好ましくは治療で使用するための、実施形態1)~5)のいずれか1つに記載の医薬的組み合わせに関する。
【0018】
11)本発明の最も好ましい実施形態は、多発性硬化症の予防又は治療、好ましくは治療で使用するための、実施形態1)~5)のいずれか1つに記載の医薬的組み合わせに関する。
【0019】
12)本発明の別の非常に好ましい実施形態は、再発性多発性硬化症の予防又は治療、好ましくは治療で使用するための、実施形態1)~5)のいずれか1つに記載の医薬的組み合わせに関する。
【0020】
13)本発明の別の非常に好ましい実施形態は、再発寛解型多発性硬化症の予防又は治療、好ましくは治療で使用するための、実施形態1)~5)のいずれか1つに記載の医薬的組み合わせに関する。
【0021】
本発明は、更に、実施形態1)~5)のいずれか1つの医薬的組み合わせの薬学的活性量を、それを必要とする被験体(好ましくはヒト被験体)に投与することを含む、実施形態7)~13)のいずれか1つに列挙された疾病又は疾患の予防又は治療、好ましくは治療のための方法にも関する。
【0022】
14)本発明の更なる実施形態は、薬剤として使用するための、ポネシモド、及び少なくとも1つの治療的に不活性な賦形剤を含有する医薬組成物に関し、ここで医薬組成物は、テリフルノミド又はレフルノミド、及び少なくとも1つの治療的に不活性な賦形剤を含有する第2の医薬組成物との組み合わせで投与される。
【0023】
15)本発明の更なる実施形態は、薬剤として使用するための、ポネシモド、及び少なくとも1つの治療的に不活性な賦形剤を含有する医薬組成物に関し、ここで医薬組成物は、テリフルノミド、及び少なくとも1つの治療的に不活性な賦形剤を含有する第2の医薬組成物との組み合わせで投与される。
【0024】
16)本発明の更なる実施形態は、薬剤として使用するための、ポネシモド、及び少なくとも1つの治療的に不活性な賦形剤を含有する医薬組成物に関し、ここで医薬組成物は、レフルノミド、及び少なくとも1つの治療的に不活性な賦形剤を含有する第2の医薬組成物との組み合わせで投与される。
【0025】
17)本発明の更なる実施形態は、実施形態7)~13)のいずれか1つに列挙された疾病又は疾患の予防又は治療、好ましくは治療で使用するための、ポネシモド、及び少なくとも1つの治療的に不活性な賦形剤を含有する医薬組成物に関し、ここで医薬組成物は、テリフルノミド又はレフルノミド、及び少なくとも1つの治療的に不活性な賦形剤を含有する第2の医薬組成物との組み合わせで投与される。
【0026】
18)本発明の更なる実施形態は、薬剤として使用するための、テリフルノミド又はレフルノミド、及び少なくとも1つの治療的に不活性な賦形剤を含有する医薬組成物に関し、ここで医薬組成物は、ポネシモド、及び少なくとも1つの治療的に不活性な賦形剤を含有する第2の医薬組成物との組み合わせで投与される。
【0027】
19)本発明の更なる実施形態は、薬剤として使用するための、テリフルノミド、及び少なくとも1つの治療的に不活性な賦形剤を含有する医薬組成物に関し、ここで医薬組成物は、ポネシモド、及び少なくとも1つの治療的に不活性な賦形剤を含有する第2の医薬組成物との組み合わせで投与される。
【0028】
20)本発明の更なる実施形態は、薬剤として使用するための、レフルノミド、及び少なくとも1つの治療的に不活性な賦形剤を含有する医薬組成物に関し、ここで医薬組成物は、ポネシモド、及び少なくとも1つの治療的に不活性な賦形剤を含有する第2の医薬組成物との組み合わせで投与される。
【0029】
21)本発明の更なる実施形態は、実施形態7)~13)のいずれか1つに列挙された疾病又は疾患の予防又は治療、好ましくは治療で使用するための、テリフルノミド又はレフルノミド、及び少なくとも1つの治療的に不活性な賦形剤を含有する医薬組成物に関し、ここで医薬組成物は、ポネシモド、及び少なくとも1つの治療的に不活性な賦形剤を含有する第2の医薬組成物との組み合わせで投与される。
【0030】
22)本発明の更なる実施形態は、ポネシモド、及び少なくとも1つの治療的に不活性な賦形剤を含有する第1の医薬組成物と、テリフルノミド又はレフルノミド、及び少なくとも1つの治療的に不活性な賦形剤を含有する第2の医薬組成物と、を備えるパーツキットに関する。
【0031】
23)本発明の更なる実施形態は、第2の医薬組成物が、テリフルノミド、及び少なくとも1つの治療的に不活性な賦形剤を含有する、実施形態22)に記載のパーツキットに関する。
【0032】
24)本発明の更なる実施形態は、第2の医薬組成物が、レフルノミド、及び少なくとも1つの治療的に不活性な賦形剤を含有する、実施形態22)に記載のパーツキットに関する。
【0033】
25)本発明の更なる実施形態は、医薬組成物の同時、順次、又は個別の投与のための指示を更に含む、実施形態22)~24)のいずれか1つに記載のパーツキットに関する。
【0034】
26)本発明の更なる実施形態は、薬剤として使用するための、実施形態22)~25)のいずれか1つに記載のパーツキットに関する。
【0035】
27)本発明の更なる実施形態は、実施形態7)~13)のいずれか1つに列挙された疾病又は疾患の予防又は治療、好ましくは治療で使用するための、実施形態22)~25)のいずれか1つに記載のパーツキットに関する。
【0036】
28)本発明の更なる実施形態は、実施形態7)~13)のいずれか1つに列挙された疾病又は疾患の予防又は治療、好ましくは治療で使用するための薬剤を製造するための、ポネシモド、及びテリフルノミド又はレフルノミドからなる群から選択される第2の活性成分の使用に関する。
【0037】
29)本発明の更なる実施形態は、第2の活性成分がテリフルノミドである、実施形態28)に記載の使用に関する。
【0038】
30)本発明の更なる実施形態は、第2の活性成分がレフルノミドである、実施形態28)に記載の使用に関する。
【0039】
31)本発明の更なる実施形態は、実施形態7)~13)のいずれか1つに列挙された疾病又は疾患の予防又は治療、好ましくは治療において、テリフルノミド又はレフルノミドを含有する第2の薬剤と組み合わせて使用するための薬剤を製造するためのポネシモドの使用に関する。
【0040】
32)本発明の更なる実施形態は、第2の薬剤がテリフルノミドを含有する、実施形態31)に記載の使用に関する。
【0041】
33)本発明の更なる実施形態は、第2の薬剤がレフルノミドを含有する、実施形態31)に記載の使用に関する。
【0042】
34)本発明の更なる実施形態は、実施形態7)~13)のいずれか1つに列挙された疾病又は疾患の予防又は治療、好ましくは治療において、ポネシモドを含有する第2の薬剤と組み合わせて使用するための薬剤を製造するためのテリフルノミド又はレフルノミドの使用に関する。
【0043】
35)本発明の更なる実施形態は、実施形態7)~13)のいずれか1つに列挙された疾病又は疾患の予防又は治療、好ましくは治療において、ポネシモドを含有する第2の薬剤と組み合わせて使用するための薬剤を製造するためのテリフルノミドの使用に関する。
【0044】
36)本発明の更なる実施形態は、実施形態7)~13)のいずれか1つに列挙された疾病又は疾患の予防又は治療、好ましくは治療において、ポネシモドを含有する第2の薬剤と組み合わせて使用するための薬剤を製造するためのレフルノミドの使用に関する。
【0045】
本明細書の上記で開示された様々な実施形態1)~36)の従属関係に基づくと、以下の従属実施形態が可能であり、かつ意図されており、また本明細書で個別の形態で具体的に開示される。2+1、3+1、4+1、4+2+1、4+3+1、5+1、5+2+1、5+3+1、6+1、6+2+1、6+3+1、6+4+1、6+4+2+1、6+4
+3+1、6+5+1、6+5+2+1、6+5+3+1、7+1、7+2+1、7+3+1、7+4+1、7+4+2+1、7+4+3+1、7+5+1、7+5+2+1、7+5+3+1、8+1、8+2+1、8+3+1、8+4+1、8+4+2+1、8+4+3+1、8+5+1、8+5+2+1、8+5+3+1、9+1、9+2+1、9+3+1、9+4+1、9+4+2+1、9+4+3+1、9+5+1、9+5+2+1、9+5+3+1、10+1、10+2+1、10+3+1、10+4+1、10+4+2+1、10+4+3+1、10+5+1、10+5+2+1、10+5+3+1、11+1、11+2+1、11+3+1、11+4+1、11+4+2+1、11+4+3+1、11+5+1、11+5+2+1、11+5+3+1、12+1、12+2+1、12+3+1、12+4+1、12+4+2+1、12+4+3+1、12+5+1、12+5+2+1、12+5+3+1、13+1、13+2+1、13+3+1、13+4+1、13+4+2+1、13+4+3+1、13+5+1、13+5+2+1、13+5+3+1、23+22、24+22、25+22、25+23+22、25+24+22、26+22、26+23+22、26+24+22、26+25+22、26+25+23+22、26+25+24+22、27+22、27+23+22、27+24+22、27+25+22、27+25+23+22、27+25+24+22、29+28、30+28、32+31、及び33+31。
【0046】
上記のリストでは、数は、本明細書の上記で提供されたその番号づけに従う実施形態を指し、「+」は別の実施形態からの従属性を指す。異なる個別の実施形態は、読点で分割される。換言すると、例えば「6+4+1」は、実施形態1に従属する実施形態4)に従属する実施形態6)を指し、すなわち、実施形態「6+4+1」は、実施形態4)及び6)の特徴によって更に制限された、実施形態1の医薬的組み合わせに対応する。
【0047】
本明細書に提供される定義は、本明細書及び特許請求の範囲全体にわたり、別途で明示的に記載された定義がより広義又は狭義の定義を提供しない限り、実施形態1)~36)のいずれか1つで定義されるとおりに、変更すべき点は変更して、その主題に一律に適用することが意図されている。ある用語又は語句の定義又は好ましい定義は、本明細書で定義される任意の又は全ての他の用語又は語句の任意の定義又は好ましい定義とは独立して(かつこれらと組み合わせて)、それぞれの用語又は語句を定義し、かつ置き換えることができることはよく理解されよう。
【0048】
本明細書における活性成分であるポネシモド、テリフルノミド、又はレフルノミドに対する任意の参照は、遊離又は薬学的に許容される塩形態、並びに、例えばその水化物若しくは溶媒和物、又は任意の好適な形態の組み合わせの活性成分を含む、医薬組成物で使用するのに好適な任意の形態でのこうした活性成分を(テリフルノミドの場合は、更にE-エノール形態、並びにZ-及びE-エノール形態、好ましくはZ-エノール形態を)参照するものして理解されよう。こうした形態は、更に、結晶形態が医薬組成物に使用するのに好適であるという条件下において、任意で、例えば、単なる化合物の結晶形態、のみならず化合物の水化物、溶媒和物、及び塩(塩の水化物及び溶媒和物を含む)、並びにイオン性共結晶を含む共結晶(活性成分又はその塩が、任意で水及び/又は溶媒と共に、1つ以上の共結晶形成剤(co-crystal formers)と共結晶化され得る場合)などの、1つ以上の非イオン性又はイオン性形態の有機及び/又は無機成分と組み合わせた、非イオン性又はイオン性形態の活性成分の結晶形態を含む、活性成分の結晶形態の全ての種類及び多形変化(又は任意のこうした結晶形態の混合物)を包含する。
【0049】
好ましい実施形態では、活性成分であるポネシモド、テリフルノミド、又はレフルノミドに対する任意の参照は、遊離形態である(すなわち、塩形態ではない)こうした活性成分を参照することを意味する。
【0050】
別の好ましい実施形態では、ポネシモドに対するいかなる参照も、結晶形態A又はC、最も好ましくは結晶形態C中のポネシモドを参照することを意味する。ポネシモドの結晶形態A及びCの調製は、PCT国際公開第2010/046835号で開示されている。
【0051】
用語「薬学的に許容される塩(複数可)」は、所望される対象化合物の生物活性を保持し、望ましくない毒性効果が最小限である塩を指す。こうした塩としては、対象化合物内の塩基性及び/又は酸性基の存在に応じて、無機若しくは有機酸、及び/又は塩基添加塩が挙げられる。参考のために、例えば、「Handbook of Pharmaceutical Salts. Properties,Selection and Use」(P.Heinrich Stahl,Camille G.Wermuth(Eds.),Wiley-VCH,2008)、及び「Pharmaceutical Salts and Co-crystals」(Johan Wouters and Luc Qu驍帝(Eds.),RSC Publishing,2012)を参照されたい。
【0052】
本明細書で使用するとき、用語「医薬的組み合わせ」は、2つ以上、好ましくは2つの活性成分の組み合わせを指し、ここで活性成分は、単一の医薬組成物又は個別の医薬組成物内に含有される。
【0053】
本明細書で使用するとき、用語「活性成分」は、医薬組成物の薬学的活性成分を指す。本明細書で使用するとき、活性成分の例は、ポネシモド、テリフルノミド、及びレフルノミドである。
【0054】
用語「同時の」又は「同時に」は、活性成分又は医薬組成物の投与に関連して用いられる場合は、第2の活性成分(又は第2の医薬組成物のそれぞれ)の投与が開始した時点で、第1の活性成分(又は第1の医薬組成物のそれぞれ)の投与が依然として進行中であることを意味する。特に、用語「同時の」又は「同時に」は、例えば、単一の医薬組成物に含有される2つの活性成分を投与する場合のように、2つの活性成分(又は2つの医薬組成物のそれぞれ)が同時に投与される、すなわち、開始時間及び終了時間が同じであることを意味する。
【0055】
用語「順次の」又は「順次に」は、活性成分又は医薬組成物の投与に関連して用いられる場合は、第2の活性成分(又は第2の医薬組成物のそれぞれ)の投与が、第1の活性成分(又は第1の医薬組成物のそれぞれ)の投与が終了してから1時間未満で開始することを意味する。
【0056】
用語「個別の」又は「個別に」は、活性成分又は医薬組成物の投与に関連して用いられる場合は、第2の活性成分(又は第2の医薬組成物のそれぞれ)の投与が、第1の活性成分(又は第1の医薬組成物のそれぞれ)の投与が終了してから1時間以上(及び最大約12時間、最大約24時間、又は最大約7日間)後に開始することを意味する。
【0057】
語句「組み合わせで投与される」又は「組み合わせで使用するため」は、医薬組成物/薬剤の同時、順次、又は個別の、好ましくは順次の投与を意味する。
【0058】
本明細書で使用するとき、用語「投与経路」は、(例えば特定の投薬形態にある医薬組成物形態の)活性成分が体内に侵入する経路を指す。活性成分は、腸内(特に経口)又は非経口投与(局所適用又は吸入を含む)によって投与されてもよい。活性成分の投与に用いられ得る投薬形態の例は、錠剤、カプセル、丸剤、液剤、懸濁剤、乳剤、注射用水性若しくは油性溶液若しくは懸濁液、坐剤、クリーム、ゲル、点耳液若しくは点眼液、鼻腔用スプレー、皮膚パッチ剤、又はエアロゾルである。錠剤、カプセル、丸剤、液剤、又は懸
濁剤などの経口投与用投薬形態が好ましい。2つの活性成分が個別の医薬組成物に含有されている事例では、上記の個別の医薬組成物は、同じ又は異なる投薬形態を用いて、同じか又は異なる投与経路によって投与されてもよい。最も好ましくは、ポネシモド、テリフルノミド、及びレフルノミドは、経口で、特に錠剤形態で投与される。
【0059】
理解を容易にするため、再発性多発性硬化症は、再発を伴う多発性硬化症の形態を含む多発性硬化症の再発形態を意味する。再発性多発性硬化症の例は、再発寛解型多発性硬化症、再発を伴う二次進行型多発性硬化症、及び進行型再発性多発性硬化症である。
【0060】
医薬組成物の製造は、ポネシモド、並びに/又はテリフルノミド及びレフルノミドからなる群から選択される第2の活性成分を、任意でその他の治療的な価値のある物質と組み合わせて、好適な、非毒性で、不活性の、治療適合性の固体又は液体担体材料、及び、所望される場合は、通常の補助薬と共にガレヌス投与形態にすることによって、当業者に周知される方法で達成することができる(例えば、Remington,The Science and Practice of Pharmacy,21st Edition(2005),Part 5,「Pharmaceutical Manufacturing」(Lippincott Williams&Wilkinsより出版)を参照されたい)。テリフルノミドのための特定の配合は、例えばPCT国際公開第2011/032929号に記載されている。
【0061】
ポネシモドの好ましい維持投与量は、特に多発性硬化症の治療のために単独で投与される場合は、1日1回、経口で20mgである。テリフルノミドは、多発性硬化症の再発形態を有する患者の治療に、1日1回、経口で7mg又は14mgの用量で承認されている。レフルノミドは、活動性関節リウマチを有する成人の治療には、1日1回、経口で10mg~20mgの推奨維持投与量で、また、活動性乾癬性関節炎を有する成人の治療には、1日1回、経口で20mgの推奨維持投与量で承認されている。
【0062】
本発明の医薬的組み合わせの2つの活性成分のそれぞれの最適投与量(すなわち、用量の規模及び投与頻度)は、投与経路、投薬形態、治療対象の疾病又は疾患、及び適用される特定の第2の活性成分に応じて変化し得る。具体的には、相乗作用などの追加的な薬効を示す本発明の医薬的組み合わせなどの医薬組み合わせは、医薬組み合わせ物の活性成分の選択された投与に応じて、医薬組み合わせの個々の活性成分を単独で投与した場合と比較して、これらが許容可能な/匹敵する、若しくは更には改善された安全性プロファイルを維持しつつも、より良好な有効性を達成することができる、又は安全性プロファイルを改善させつつも、劣らぬ有効性を達成するという利点を有する。
【0063】
更に、医薬的組み合わせの第1及び/又は第2の活性成分に対する用量及び/又は投与頻度は、治療の初期段階から後期段階までの間で変わってもよい。ポネシモドの好ましい投与計画は、PCT国際公開第2009/115954号及び同第2016/091996号に開示されている。乾癬性関節炎においては、例えばレフルノミド療法は、3日間の1日1回100mgの負荷投与量から開始する。
【0064】
本発明は、同位体標識された、特に2H(重水素)で標識された活性成分を更に含み、その活性成分は、1つ又は2つ以上の原子がそれぞれ同じ原子番号を有するが、原子質量は自然界で一般的に見つけられる原子質量と異なる原子によって置換されていることを除いて、本発明の活性成分と同一である。同位体標識された、特に2H(重水素)で標識された活性成分、及びその薬学的に許容される塩は、本発明の範囲内にある。水素をより重い同位体である2H(重水素)で置換することにより、より高い代謝安定性をもたらし、その結果、例えば生体内半減期を増加させ、及び/若しくは必要投与量を減少させることができ、並びに/又は、望ましくない代謝生成物の形成を減少させて、その結果、例えば
安全性プロファイルを改善させることができる。一実施形態では、医薬的組み合わせの2つの活性成分のうち1つのみが同位体標識される。本発明の好適な実施形態では、活性成分は同位体標識されず、又は一方の活性成分が同位体標識されず、もう一方の活性成分が1つ以上の重水素原子でのみ標識され、又は両方の活性成分がそれぞれ1つ以上の重水素原子でのみ標識される。最も好ましい実施形態では、活性成分は全く同位体標識されない。同位体標識された活性成分は、同位体標識された活性成分ではなく、好適な試薬又は出発物質の適切な同位体変形を用いることに関して説明される方法と同様に調製することができる。
【0065】
数値「X」の前に配置される用語「約」は、本願では、X-Xの10%からX+Xの10%までわたる区間を指す。
【0066】
生物学的アッセイ
実験的自己免疫性脳脊髄炎(EAE)の急性単相性モデルにおけるテリフルノミド及びポネシモドの有効性は、パイロット実験で判定することができる。
【0067】
メスのLewisラットを、完全フロインドアジュバント中のモルモット由来のミエリン塩基性タンパク質(MBP)のエマルションで免疫する。合計で200マイクログラムのMBPを各ラットの2つの部位に皮下注射する(右足及び尻尾の付根)。10日以内に、ラットは麻痺の兆候を発現し、これはWeaver A.らのFASEB J.,2005,19(12):1668-1670で最初に説明された方法に従って0~15のスケールで採点され、尻尾及び各肢を個別に評価する。疾病は急性の単相性経過を取り、自己寛解的である。通常は、21日目に臨床スコアは3.0未満の値に達する。
【0068】
10匹のラットからなる群は、疾患誘導日(0日目)に開始して、1日1回(q.d.)1~10mg/kgの範囲のテリフルノミドの様々な投与量を、又は30mg/kg q.d.のポネシモドを経口投与される。臨床スコアを毎日評価して、ビヒクル処置されたラットとテリフルノミド又はポネシモドを与えられたラットとの間で疾患の発生を比較する(ビヒクル:0.5%メチルセルロース/0.5%Tween(登録商標)80/水)。並行して、全体的な健康を追跡するためにラットの体重を毎日監視する。リンパ球数を含む血液パラメータを3つの異なる時点、すなわち20日目の経口栄養補給から6時間後、及び24時間後、並びに21日目の投与から3時間後の実験終了時に測定する。血漿試料を、化合物濃度の判定及びタンパク質マーカーの測定のために採取することができる。
【0069】
上述した第1のパイロット実験に基づいて、組み合わせ有効性実験のためのテリフルノミドの1用量を選択する。選択された用量は、EAEスコアに部分的な有効性を作用させる(疾患の重症度に影響を与えることのない疾患発症の大きな遅延(用量:1mg/kg))。用量30mg/kgにおけるポネシモドは、24時間にわたるリンパ球の部分的な減少を示した。
【0070】
組み合わせ有効性実験は、第1のパイロット実験に関して説明したものと同じラットEAEモデルで実施される。これは、4つの治療群から構成される。
1. ビヒクル(0.5%メチルセルロース/0.5%Tween(登録商標)80/水)q.d.、0日目から
2. テリフルノミド(1mg/kg)q.d.、0日目から
3. ポネシモド(30mg/kg)q.d.、0日目から
4. テリフルノミド(1mg/kg)q.d.、0日目から+ポネシモド(30mg/kg)q.d.、0日目から
生存中(In life)及び終了エンドポイントは、第1のパイロット実験に関して説明され
たものと同じである。
【0071】
この実験の目的は、部分的にリンパ球数に効果のあるポネシモドの用量の組み合わせが、EAEモデルにおけるテリフルノミドの部分的有効用量に対する相乗作用又は追加的な利点を示すことを示すことである。
【0072】
組み合わせ有効性実験の結果を
図1~4で示す。パイロット実験で収集されたデータは、組み合わせ研究で得られたデータと類似しており、従って、Bate S.らのPLoS One.,2014,9(12):e114872で説明されるように、感応性を増大させるために、単剤療法群のサイズを増大させることに用いられる。
図1で分かるように、両方の化合物、すなわちポネシモド及びテリフルノミドは、単体ではラット単相性EAEモデルにおけるEAEの臨床経過に対する中度の有効性を示す。ポネシモド(30mg/kg)は、上昇段階(
図1)中の中度の効果、及び体重減少の軽減(
図3及び
図4)を示した。テリフルノミド単体は、EAEスコアに部分的な有効性を作用させる(疾患の重症度に影響を与えることのない疾患発症の大きな遅延(
図1及び
図2))。組み合わせられた場合、2つの化合物は相互に利益を受ける。
図2に示すように、ポネシモド又はテリフルノミドが単体では効果を有さない場合に、2つの化合物が組み合わせられると、疾病の重症度に対する相乗的な有効性を示す。