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特許7281440プラグコンタクトを備えた照明器具、そのような照明器具の使用、及びそのような照明器具のためのプラグコネクタ
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  • 特許-プラグコンタクトを備えた照明器具、そのような照明器具の使用、及びそのような照明器具のためのプラグコネクタ 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-17
(45)【発行日】2023-05-25
(54)【発明の名称】プラグコンタクトを備えた照明器具、そのような照明器具の使用、及びそのような照明器具のためのプラグコネクタ
(51)【国際特許分類】
   F21S 8/04 20060101AFI20230518BHJP
   F21V 23/06 20060101ALI20230518BHJP
   F21Y 105/00 20160101ALN20230518BHJP
【FI】
F21S8/04 110
F21V23/06
F21Y105:00
【請求項の数】 12
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020171550
(22)【出願日】2020-10-09
(65)【公開番号】P2021077632
(43)【公開日】2021-05-20
【審査請求日】2021-06-14
(31)【優先権主張番号】10 2019 127 442.7
(32)【優先日】2019-10-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】510078676
【氏名又は名称】ヘルベルト ヴァルトマン ゲーエムベーハー ウント コー カーゲー
【氏名又は名称原語表記】Herbert Waldmann GmbH & Co. KG
(74)【代理人】
【識別番号】110000718
【氏名又は名称】弁理士法人中川国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マルクス エバーハルト
【審査官】山崎 晶
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2006/0152933(US,A1)
【文献】特開2011-049010(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 8/04
F21V 23/06
F21Y 105/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
状の光放射領域(2)を備えた照明器具(1)であって、前記光放射領域(2)は、長方形の照明器具フレーム(10)に囲まれ、前記照明器具フレーム(10)は、第1の平面(E)を張り、前記第1の平面(E)に垂直なフレーム高さ(H)を有するとともに前記照明器具フレーム(10)のコーナ(11)の1つに傾斜面(12)を有し、前記傾斜面(12)内にプラグコンタクト(30)が配置され、前記傾斜面(12)の法線が前記第1の平面(E)に平行でも垂直でもないことを特徴とする照明器具(1)。
【請求項2】
請求項1に記載の照明器具(1)において、
前記傾斜面(12)が前記第1の平面(E)に対して45°から約60°の間の角度(W)にあることを特徴とする照明器具(1)。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の照明器具(1)において、
前記傾斜面(12)は平面図において台形であり、前記台形の短辺(14)は前記光放射領域(2)に面し、前記台形の長辺(16)はその反対側に配置されていることを特徴とする照明器具(1)。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載の照明器具(1)において、
前記傾斜面(12)には、プラグコンタクト(30)が配置される開口部(15)又は凹部(18)が設けられていることを特徴とする照明器具(1)。
【請求項5】
請求項4に記載の照明器具(1)において、
前記開口部(15)又は前記凹部(18)が六角形ポケットとして構成されていることを特徴とする照明器具(1)。
【請求項6】
請求項4又は請求項5に記載の照明器具(1)において、
前記開口部(15)又は前記凹部(18)に配置された前記プラグコンタクト(30)がスライドコンタクト(31)を有することを特徴とする照明器具(1)。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6の何れか一項に記載の照明器具(1)のマシンランプとしての使用。
【請求項8】
請求項1乃至請求項6の何れか一項に記載の照明器具(1)であって、
前記照明器具(1)は、さらに、電気機械式プラグコネクタを有し、
前記電気機械式プラグコネクタは、ケーブル(60)に配置するためのプラグ(40)と、嵌合プラグ(50)とを含み、
前記プラグ(40)は、前記嵌合プラグ(50)と機械的に接触し、前記プラグ(40)の接点と前記嵌合プラグ(50)の接点との間で電気的に接触するためのコンタクト領域(50)と、前記ケーブル(60)との接続のための、前記コンタクト領域(50)から斜めに延びる接続領域(70)とを有しており、
前記プラグ(40)と前記嵌合プラグ(50)は、形状の組み合わせにより結合する形状結合を形成する手段を有し、前記手段は、前記プラグ(40)と前記嵌合プラグ(50)とが接続されているときに前記手段に互いに力が加えられると前記プラグ(40)と前記嵌合プラグ(50)とが前記手段により結合し、前記手段は、空間内で前記プラグ(40)の前記接続領域(70)の異なる延伸方向にそれぞれ導く異なる位置で前記形状結合が生成され得るように構成されており、
前記プラグ(40)及び/又は前記嵌合プラグ(50)は、前記形状結合を形成するための前記手段に弾性的に力を加えるための手段をさらに含み、前記力を一時的に抑えることにより、前記形状結合が、前記異なる位置の第1の位置から前記異なる位置の第2の位置に推移することが可能であり、
前記プラグ(40)の接点及び/又は前記嵌合プラグ(50)の接点が、前記形状結合が確立されているすべての位置において、少なくとも、前記嵌合プラグ(50)の一部の接点と前記プラグ(40)の一部の接点との間で電気的接触が確立されるように構成されている
照明器具(1)
【請求項9】
請求項8に記載の照明器具(1)において、
前記コンタクト領域(50)と前記接続領域(70)の間の角度(w)が、約30°から約45°の間であることを特徴とする照明器具(1)
【請求項10】
請求項8又は請求項9に記載の照明器具(1)において、
前記電気機械式プラグコネクタが回転可能であることを特徴とする照明器具(1)
【請求項11】
請求項10に記載の照明器具(1)において、
前記電気機械式プラグコネクタが、ラッチ接続される複数のラッチ位置を有し、前記ラッチ位置がそれぞれ前記プラグ(40)の異なる回転位置に対応していることを特徴とする照明器具(1)
【請求項12】
請求項11に記載の照明器具(1)において、
前記ラッチ接続が、前記プラグ(40)に設けられた環状バネ(56)と、照明器具フレーム(11)の開口部(15)又は凹部(18)に設けられた対応する溝部(18a)とによって作用結合されていることを特徴とする照明器具(1)
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラグコンタクトを備えた照明器具、そのような照明器具の使用、およびそのような照明器具のためのプラグコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
照明器具、特にオープンプランのオフィスや機械や製造ホールなどの大きな部屋やホールの天井に取り付けられる照明器具は、通常、2つの境界条件を満たすように設置する必要がある。第一に、照明器具は対応する職場を可能な限り照らすことである。第二に、次に、通常は建築上に予め設けられている電源にできるだけ直接接続する必要があることである。
【0003】
これらの目標を同時に達成できるようにするために、さまざまな接続構成を有するこのような照明器具が、これまで提供されてきた。したがって、たとえば、照明器具の背面に電源用の接続があったり、照明器具の側面にさまざまな配置と接続方向で配置されている接続があったりする特定のタイプ照明器具を注文できる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このやり方には、照明器具の顧客とメーカの両方にとって不利な点がある。注文時に正しい接続方向を考慮する必要があるため、お客様は誤った注文を繰り返す。さらに、仕事場を再編成するときに、照明器具を再配置する必要があり、接続が正しい方向を向かないように方向付けられることが起こる。メーカにとっては、これは異なるハウジングが必要であることを意味し、より複雑な組み立てが必要になる。
【0005】
したがって、本発明の目的は、そのような照明器具のプラグ接点およびプラグコネクタを備えた照明器具を提供することであり、これにより、そのような照明器具を室内の異なる方向に工具なしで接続することができる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的は、請求項1の特徴を備えた照明器具及び請求項8の特徴を備えたプラグコネクタによって達成される。本発明の有利な展開は、それぞれの従属請求項の主題である。
【0007】
本発明による照明器具は、好ましくは板状である光放射領域を有する。光放射領域は、第1の平面を張り、第1の平面に垂直なフレーム高さを持つ長方形の照明器具フレームで囲まれている。この照明器具フレームは、コーナの1つに傾斜面があり、この傾斜面にプラグコンタクトが配置されている。
【0008】
言い換えれば、そのような照明器具フレームの通常は8つの角の1つは、いわば切断され、切断面を形成する傾斜面に置き換えられている
【0009】
傾斜とは、傾斜面の法線が第1の平面に平行でも垂直でもないこと、及び傾斜面の辺のいずれも、他のフレーム面の1つに属し、傾斜面に隣接しないエッジの1つと平行に延びないことを意味する。
【0010】
このような傾斜されたコーナにプラグコンタクトを配置することにより、角度の付いたプラグを備えたケーブルをさまざまな空間方向に照明器具から引き離すことができる。照明器具に別の方向から電力を供給したい場合には、単に、角度の付いたプラグを別の方向でプラグ接点に差し込むだけで良い。
【0011】
傾斜面が、第1の平面に対して少なくとも約45°の角度で設けられていること、すなわち、この平面に対して約45°以上の角度で延びていることが好ましく、約45°と約60°の間の範囲の角度が特に好ましい。この理由は、この角度範囲では、適切に角度が付いたプラグを選択することにより、電力を供給することができる方向を互いにほぼ垂直とするためである。
【0012】
本発明の好ましい展開において、傾斜面は、上から見たときに台形であり(または、言い換えれば、そのような形状を定義する円周線を有し)、その結果、台形形状の短辺が光放射領域に面し、台形形状の長辺がこれと反対側に位置する。
【0013】
このような傾斜面は、照明器具フレームの通常8個の角部のうちの2つの角部が、その角部からの距離が異なる切断線で切断された切断面に相当する場合に得られる。これにより得られる利点は、照明器具内のプラグコンタクトの接続又は接触に使用できる平面が大きくなることである。照明器具の内部に配置された制御電子機器がプリント回路基板上に配置されており、このプリント回路基板上にプラグコンタクトが一体化されている場合に特に有利である。
【0014】
このような制御電子回路を照明器具の内部に配置するために、傾斜面に隣接する照明器具フレームの一側面を、フレームの高さと平行に延びるU字基部を有し、光放射領域の平面内、又は光放射領域に対向する照明器具の背面の平面内にU字脚部を有するU字断面の形態となるように構成することも有用であり得る。このように構成することで、フレームは、この一側面にハウジング部を形成し、その中に、U字断面のほぼ内部に配置される制御電子回路が統合される。
【0015】
本発明の好ましいさらなる展開に従って、傾斜面が、プラグコンタクトが配置される開口部または凹部を有する場合、これは、ケーブルがフレームから短い距離で配線され得ることを確実にするのに役立ち得る。特に、この開口部又は凹部が多角形、好ましくは六角形ポケットの形をしている場合、その形状によって、異なるケーブル配線方向に対応する一連の離散的な、規定のプラグ位置を予め与えることができる。しかし、このような形状は、プラグコンタクトに接続された状態でプラグのケーブルの配線方向を調整するためのカウンタベアリングの役割を果たし得る。
【0016】
特に、このようなケーブル配線方向の調整が可能である場合には、凹部または開口部に位置するプラグコンタクトがスライドコンタクトを有していると有利である。また、エンドストップなしでプラグを無制限に回転することができ、複数の素線やケーブルの使用を避けることができる。
【0017】
また、本発明による照明器具を使用することが特に好ましい。
【0018】
本発明による電気機械的プラグ接続は、ケーブル上に配置するためのプラグと、特にプラグコンタクトとして構成することができる、電気装置上に配置するための嵌合プラグとを含む。電気装置は、特に、本発明による照明器具であり得る。
【0019】
その際に、プラグは、嵌合プラグと機械的に接触し、プラグの接点と嵌合プラグの接点との間で電気的に接触するためのコンタクト領域と、ケーブルとの接続のためにコンタクト領域から斜めに延びる接続領域とを有している。
【0020】
さらに、プラグと嵌合プラグは、形状の組み合わせにより結合する形状結合を形成する手段を有し、この手段は、プラグと嵌合プラグとが接続されているときにこの手段に互いに力が加えられるとプラグと嵌合プラグとがこの手段により結合し、この手段は、空間内でプラグの(及び同時にそれによって接続されるケーブルの)接続領域の異なる延伸方向にそれぞれ導く異なる位置で形状結合が生成され得るように構成されている。
【0021】
さらに、プラグ及び/又は嵌合プラグは、形状結合を形成するための手段に弾性的に力を加えるための手段をさらに含み、力を一時的に抑えることにより、形状結合が、異なる位置の第1の位置から異なる位置の第2の位置に移動可能である。
【0022】
最後に、プラグの接点及び/又は嵌合プラグの接点が、形状結合が確立されているすべての位置において、少なくとも、嵌合プラグの一部の接点とプラグの一部の接点との間に電気的接触が確立されるように構成されている。
【0023】
このようにして、サイズが小さく、簡単に接続でき、いくつかの異なる接続方向を可能にする電気機械式プラグコネクタを提供することができる。
【0024】
好適には、コンタクト領域と接続領域とが、互いに最大で約45°の角度で角度付けされており、コンタクト領域と接続領域との間の角度が、約30°から約45°の間であることが特に好適である。
【0025】
そのような電気機械式プラグコネクタの好適な展開によれば、電気機械式プラグコネクタが回転可能であり、これにより、回転により力を一時的に抑えることによって、形状結合を第1の異なる位置から第2の異なる位置に推移させることができる。
【0026】
好適には、さらに、形状の組み合わせにより結合する形状結合を形成する手段であって、プラグと嵌合プラグとが接続されているときにこの手段に互いに力が加えられるとプラグと嵌合プラグとがこの手段により結合し、この手段は、空間内でプラグの(及び同時にそれによって接続されるケーブルの)接続領域の異なる延伸方向にそれぞれ導く異なる位置で形状結合が生成され得るように構成されている手段として、電気機械式プラグコネクタが、ラッチ接続される複数のラッチ位置を有し、ラッチ位置がそれぞれプラグの異なる回転位置に対応している。
【0027】
本発明の好適な展開によれば、形状結合を形成するための手段に弾性的に力を加えるための手段が、ラッチ接続が、プラグに設けられた環状バネと、照明器具フレームの開口部又は凹部に設けられた対応する溝部とによって作用結合されていることによって実現されている。
【発明の効果】
【0028】
照明器具及び電気機械式プラグコネクタにおいて、サイズが小さく、簡単に接続することが可能になるとともに、いくつかの異なる接続方向を可能にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】照明器具の実施形態を示す図である。
図2図1の照明器具のプラグコンタクトであって、プラグを取り外した状態の拡大図を示す図である。
図3】そのような照明器具のための電気機械式プラグ接続の例示的な実施形態のプラグコンタクトとプラグとの間の接続を部分的に取り除いて示す図である。
図4図3の電気機械式プラグコネクタのプラグの分解図である。
図5図2に示されているようなプラグコンタクトを有する照明器具の制御電子回路である。
図6図1に示す照明器具のプラグの異なる位置を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明は、以下に、その実施形態を示す図面に基づいてより詳細に説明される。
【0031】
なお、すべての図において、同じ部材は、同じ参照記号で示されている。
【0032】
図1は、照明器具1の例示的な実施形態を示す図である。照明器具1は、本質的に長方形の形状で伸びる照明器具フレーム10によって囲まれる本質的に板状の光放射領域2を有する。照明器具フレーム10は、フレーム高さHが垂直である第1の平面Eを張っている。照明器具1に電力を供給するために、照明器具1のプラグ40が設けられる。プラグ40は、照明器具1の、図1では見えないプラグコンタクト30に電気的に接続される。プラグコンタクト30は、照明器具1のコーナ11の1つに配置された傾斜面(面取り面)12に設けられている。
【0033】
プラグ40が取り外された状態の照明器具1のこの部分が示されている図2の図に特によく示されているように、傾斜面12は、第1の平面Eに対して少なくとも約45°の角度Wにある。傾斜面12は、平面図で見たときに台形であり、台形の短辺14は、光放射側、すなわち、光放射領域2が位置する側に面し、台形の長辺16は、反対側にある。
【0034】
プラグコンタクト30は、六角形ポケットとして構成され、スライドコンタクト31を有する開口部15又は凹部に設けられている。図4に例として示されているように、プラグコンタクト30は、特に、照明器具1の制御電子回路33を搭載する(プリント)回路基板32に統合することができる。また、このような制御電子回路33を照明器具の内部に配置するために、傾斜面に隣接する照明器具フレーム10の側面10aをU字形状であって、U字形状の基部17がフレームの高さ方向に延び、U字形状の脚部19が光放射領域の平面内に、又は光放射領域に対向する照明器具1の背面の平面内に位置するようなU断面の形状に形成することも有用であり得る。これにより、照明器具フレーム10は、その側面10aとともに、U字形状断面のほぼ内部に配置された制御電子回路33が組み込まれるハウジングセクションを形成する。これにより、照明器具フレーム10は、その側面10aとともに、ほぼ、U字形状断面の内部に配置された制御電子回路33が組み込まれるハウジング部分を形成する。
【0035】
図3は、例えば、照明器具1と共に使用することができる電気機械式プラグコネクタの例示的な実施形態のプラグコンタクト30とプラグ40との間の接続を部分的に取り除いて示した図である。
【0036】
電気機械式コネクタは、ケーブル60上に配置するためのプラグ40と、嵌合プラグとを有し、この嵌合プラグは、図示された実施形態では、図30では見えないスライドコンタクト31を有するプラグ接点30と、プラグ接点30を取り囲む傾斜面12であって、開口部15の壁18を形成している領域とによって形成される。
【0037】
補完的に参照される図4の分解図として示されているプラグ40は、一方では、嵌合プラグと機械的に接触し、プラグ40の接点とプラグコンタクト30のスライドコンタクト31によって形成される嵌合プラグの接点との間で電気的に接触するためのコンタクト領域50と、他方では、コンタクト領域50から斜めに延びる、ケーブル60と接続するための接続領域70とを有している。
【0038】
コンタクト領域50が接続領域70に対して相対的に角度付けされる角度wは、接続領域70の中心軸Aが照明器具フレームの高さHに平行に整列された場合に、コンタクト領域50の中心軸Mが傾斜面12に対して垂直であり、したがって差し込み方向に延びるように、ここでは例示的に選択されている。したがって、角度wは、角度Wから、W=90°-wの関係によって求められる。それに対応して、角度は、大きくとも約45°であり、特に、約30°から約45°の間である好ましい。
【0039】
特に、プラグ40の接点は、バネ付接点ピン57の群として構成することができる。バネ付き接触ピン57は、プラグハウジング52の筒状部51の内部で、プラグ40の差し込み方向に垂直な方向に向けられたプリント基板に固定される。このプリント基板は、プラグハウジング52内の接点領域50に配置される。また、プラグが差し込まれた状態では、バネ付き接触ピン57は、それらのスプリングによってスライドコンタクト31に押し付けられる。次いで、バネ付き接触ピンは、コネクタハウジング52内で、直接に又は回路基板上に設けられた回路基板接続を介して、角度付き接続領域70内に配置されているか、又は、この接続領域70が形成するコンタクトキャリア71の接続ピン59の角度付き端部59aと、電気的に接触させることもできる。さらに、接続ピン59のケーブル側端部59bは、ケーブル60のワイヤ(芯線)に接続される。
【0040】
プラグ40と嵌合プラグはさらに、プラグ40と嵌合プラグが接続されたときに、力が作用する際に、形状の組み合わせにより結合(形状結合)する手段を有し、この手段は、この形状結合が、空間においてプラグ40の接続領域の異なる延伸方向に案内する、それぞれ異なる位置で確立されるように構成されている。嵌合プラグの側では、これは六角形ポケットとして構成された開口部15である。プラグ40の側において、筒状部51は、挿入方向と反対のその端部領域において、六角形ポケットの形状に適合され、六角形ポケットへの挿入補助として傾斜面53aを有する円周上に伸びる六角形突起部53によって囲まれている。六角形突起部53が六角形ポケットに挿入され、そこに力によって固定されると、これらの構成要素の間に形状の組み合わせによる結合が起こり、プラグ40の嵌合プラグに対する回転が阻止される。この形状の組み合わせによる結合(形状結合)を生成できる6つの異なる位置があることが明らかである。
【0041】
筒状部51は、その外壁の2つの円周上に溝54a、54bを有する。Oリング55は溝54aに配置されており、電気機械式プラグが一緒に差し込まれて接続されたときにシール効果を発揮する。環状バネ56が溝54bに取り付けられており、この環状バネ56は、フレーム11に属する傾斜面12の六角形ポケットによって形成された開口部15の壁18の円周に伸びる溝部18aと協働して、形の組み合わせによる結合(形状結合)を形成する前述の手段に弾性的に力を加え、それによって六角形突起部53を六角形ポケット内に保持するか、又は六角形ポケット内に引き込む。
【0042】
このように、ここでは、プラグ40に設けられた環状バネ56と、六角形ポケットに形成された照明器具フレーム11の開口部15又は凹部18の壁18の対応する溝部18aとによってラッチ接続が形成されており、これらは互いに作用結合されている。
【0043】
ロックされた位置から、プラグ40に六角形ポケットの中心軸の周りの回転運動が加えられると、六角形ポケットの外縁との傾斜面53aの相互作用により、環状バネ56と壁18の溝部18aとの相互作用によってプラグ40に加えられる弾性力を一時的に克服する力が発生するとすぐに、プラグ40を形状と形状との組み合わせによる結合(形状結合)の外に強制的に押し出し、これによりプラグ40が嵌合プラグに対して相対的に回転することができる。
【0044】
六角形の縁部53が六角形ポケット内にぴったりと受け止められる次の位置に達すると、傾斜面53aと六角形の縁部との相互作用は停止し、プラグ40は再び六角形ポケット内に引き込まれ、弾性力に一時的に打ち勝って、異なる第1の位置から異なる第2の位置に移された状態となる。
【0045】
従って、六角形の縁部53が六角形ポケット内で正確に嵌合した状態で受け止められる6つの位置は、電気機械式プラグが嵌合状態にあるときに互いに移行することができる電気機械式プラグの6つのラッチ位置を形成する。
【0046】
その過程で、プラグ40の接点(この例ではバネ付接触ピン57)は、スライドコンタクト31の別の位置でスライドコンタクト31に沿って回転し、スライドコンタクト31に再び接触する。スライドコンタクト31の幾何学的形状は、形状結合が確立されているすべての位置で、嵌合プラグの少なくともいくつかの接点とプラグのいくつかの接点との間に電気的な接触が確立されるような形状となっている。
【0047】
このようにして、特に、それぞれが同一に構成され、異なる方向に配置されたプラグ40、40´、40´´を用いて図5に模式的に示されているように、ケーブルが照明器具から伸びる方向の変化だけでなく、その変化は、単に嵌合プラグに対して異なるラッチング位置に配置されているだけであることにも留意すべきである。
【0048】
また、基本的にスイッチング機能も実現できる。このようなスイッチング効果は、例えば、ラッチ位置のそのような変更後に接触したスライドコンタクト31の点が、変更前に接触したスライドコンタクト31の点に電気的に接続されていない場合に発生し、その結果、制御電子回路33の別の構成要素に電力が供給され、又は別のバネ付接触ピン57がスライドコンタクト31と接触し、その結果、別の信号又は他のパラメータを有する電流が制御電子回路33の所与の構成要素に供給される。
【符号の説明】
【0049】
1…照明器具
2…光放射領域
10…照明器具フレーム
10a…サイド
11…コーナ
12…傾斜面
14…短辺
15…開口部
16…長辺
17…基部
18…壁
18a…溝部
19…脚部
30…プラグコンタクト
31…スライドコンタクト
32…プリント基板
33…制御電子回路
40、40´、40´´…プラグ
50…コンタクト領域
51…筒状部
52…プラグハウジング
53…六角形突起部
53a…傾斜面
54a、54b…溝
55…Oリング
56…環状バネ
57…接触ピン
58…プリント基板
59…接続ピン
59a…角度付き端部
59b…ケーブル側端部
60…ケーブル
70…接続領域
71…コンタクトキャリア
E…平面
M…中心軸
W…角度
w…角度
図1
図2
図3
図4
図5
図6