(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-17
(45)【発行日】2023-05-25
(54)【発明の名称】コネクタ
(51)【国際特許分類】
H01R 12/71 20110101AFI20230518BHJP
【FI】
H01R12/71
(21)【出願番号】P 2021516194
(86)(22)【出願日】2020-04-23
(86)【国際出願番号】 JP2020017438
(87)【国際公開番号】W WO2020218400
(87)【国際公開日】2020-10-29
【審査請求日】2021-08-04
(32)【優先日】2019-04-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591043064
【氏名又は名称】モレックス エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100116207
【氏名又は名称】青木 俊明
(72)【発明者】
【氏名】権藤 大志
【審査官】高橋 裕一
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-056762(JP,A)
【文献】特開2019-003918(JP,A)
【文献】特開2014-075295(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R12/00-12/91
H01R24/00-24/86
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)各々が、コネクタ本体と、該コネクタ本体に取付けられた複数の端子とを含む半体部と、
(b)各半体部のコネクタ本体同士が対向するように配置されて該コネクタ本体の両端に形成される本体端部とを備え、
(c)前記コネクタ本体の各々は、前記端子と一体化された部材であり、その長手方向に延在し、前記端子を保持する凸部と、該凸部の長手方向両端に接続された
延長端部と、該延長端部から延出する埋設部とを含み、
(d)
各コネクタ本体の延長端部は、少なくとも一部が前記コネクタ本体の幅方向内側に向って傾斜する傾斜面となっている内側面及び外側面を含み、
(e)前記本体端部は、各コネクタ本体の埋設部の少なくとも一部を覆う被覆部を含み、該被覆部は、前記埋設部と一体化された部材であることを特徴とするコネクタ。
【請求項2】
前記被覆部に前記コネクタ本体の長手方向中央側を向いた端壁内面が形成されるよう、前記埋設部の全体が前記被覆部によって覆われている請求項1に記載のコネクタ。
【請求項3】
前記埋設部が、相手の埋設部に対向する面である内側面と、前記コネクタ本体の長手方向で前記内側面の反対側である外側面と、前記内側面と外側面とを接続する上面及び下面と、前記コネクタ本体の長手方向端部の端面とを有し、少なくとも前記内側面、外側面、上面、下面及び端面が前記被覆部によって覆われている請求項1に記載のコネクタ。
【請求項4】
前記埋設部は、互いに対向する面であって前記コネクタ本体の長手方向中央側に向って間隙が広がるように対向する傾斜内側面を含み、前記被覆部は前記コネクタ本体の長手方向中央側を向いた端壁内面を含み、該端壁内面は、前記傾斜内側面の間に前記被覆部の成形材料が充填されて形成される請求項1に記載のコネクタ。
【請求項5】
前記本体端部の幅は前記コネクタ本体の幅より小さい請求項
1に記載のコネクタ。
【請求項6】
請求項1~
5のいずれか1項に記載のコネクタと、該コネクタと嵌合する相手方コネクタとを有するコネクタ対。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、コネクタに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、一対の平行な回路基板同士を電気的に接続するために、基板対基板コネクタ等のコネクタが使用されている。このようなコネクタは、一対の回路基板における相互に対向する面の各々に取付けられ、互いに嵌合して導通するようになっている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【0004】
図において、811は、図示されない回路基板に実装されるコネクタのハウジングであり、長手方向に延在する一対の細長い凸部812を有する。該凸部812には、複数の端子861がコネクタの長手方向に並んで取付けられている。
【0005】
そして、前記コネクタが図示されない相手方コネクタと嵌合すると、前記凸部812は、相手方コネクタの相手方ハウジングに形成された一対の凹溝の各々に挿入される。これにより、前記端子861は、前記凹溝内に並んで取付けられた図示されない相手方端子の各々と接触して導通する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、前記従来のコネクタにおいては、端子861がハウジング811と一体化するように形成されているので、小型化した場合、凸部812同士の間隔が狭くなり、かつ、端子861のピッチが狭くなり、製造が困難になる。通常、前記端子861は、オーバーモールド乃至インサート成形と称される成形方法によってハウジング811の一対の凸部812と一体化されるので、凸部812同士の間隔が狭くなり、かつ、端子861のピッチが狭くなると、ハウジング811の成形用金型内の一対の凸部812に対応する位置に、多数の端子861を正確に並べて配置させることが困難になる。
【0008】
ここでは、前記従来のコネクタの問題点を解決して、複数の端子が取付けられた凸部同士の間隔を狭くすることができ、製造が容易で、小型化が可能で、信頼性の高いコネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そのためにコネクタにおいては、各々が、コネクタ本体と、該コネクタ本体に取付けられた複数の端子とを含む半体部と、各半体部のコネクタ本体同士が対向するように配置されて該コネクタ本体の両端に形成される本体端部とを備え、前記コネクタ本体の各々は、前記端子と一体化された部材であり、その長手方向に延在し、前記端子を保持する凸部と、該凸部の長手方向両端に接続された延長端部と、該延長端部から延出する埋設部とを含み、各コネクタ本体の延長端部は、少なくとも一部が前記コネクタ本体の幅方向内側に向って傾斜する傾斜面となっている内側面及び外側面を含み、前記本体端部は、各コネクタ本体の埋設部の少なくとも一部を覆う被覆部を含み、該被覆部は、前記埋設部と一体化された部材である。
【0010】
他のコネクタにおいては、さらに、前記被覆部に前記コネクタ本体の長手方向中央側を向いた端壁内面が形成されるよう、前記埋設部の全体が前記被覆部によって覆われている。
【0011】
更に他のコネクタにおいては、さらに、前記埋設部が、相手の埋設部に対向する面である内側面と、前記コネクタ本体の長手方向で前記内側面の反対側である外側面と、前記内側面と外側面とを接続する上面及び下面と、前記コネクタ本体の長手方向端部の端面とを有し、少なくとも前記内側面、外側面、上面、下面及び端面が前記被覆部によって覆われている。
【0012】
更に他のコネクタにおいては、さらに、前記埋設部は、互いに対向する面であって前記コネクタ本体の長手方向中央側に向って間隙が広がるように対向する傾斜内側面を含み、前記被覆部は前記コネクタ本体の長手方向中央側を向いた端壁内面を含み、該端壁内面は、前記傾斜内側面の間に前記被覆部の成形材料が充填されて形成される。
【0014】
更に他のコネクタにおいては、さらに、前記本体端部の幅は前記コネクタ本体の幅より小さい。
【0015】
コネクタ対においては、本開示のコネクタと、該コネクタと嵌合する相手方コネクタとを有する。
【発明の効果】
【0016】
本開示によれば、コネクタは、複数の端子が取付けられた凸部同士の間隔を狭くすることができ、製造が容易で、小型化が可能であり、信頼性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】第1の実施の形態における第1コネクタの斜視図である。
【
図2】第1の実施の形態における第1コネクタの分解図である。
【
図3】第1の実施の形態における第1コネクタの左半体部の斜視図である。
【
図4】第1の実施の形態における第1コネクタの左半体部を製造する1工程を示す斜視図である。
【
図5】第1の実施の形態における第1コネクタの第1突出端部を製造する第1の工程を示す二面図であって、(a)は上面図、(b)は下面図である。
【
図6】第1の実施の形態における第1コネクタの第1突出端部を製造する第2の工程を示す二面図であって、(a)は上面図、(b)は下面図である。
【
図7】第1の実施の形態における第1コネクタの第1突出端部を製造する第1及び第2の工程の要部を示す拡大図であって、(a)は
図5のE部拡大図、(b)は
図6のF部拡大図である。
【
図8】第1の実施の形態における第1コネクタの第1突出端部を製造する第1及び第2の工程の断面図であって、(a)は
図5のA-A矢視断面図、(b)は
図5のB-B矢視断面図、(c)は
図6のC-C矢視断面図、(d)は
図6のD-D矢視断面図である。
【
図9】第1の実施の形態における第1コネクタと第2コネクタとの嵌合直前の状態を示す第1コネクタ側から観た斜視図である。
【
図10】第1の実施の形態における第1コネクタの変形例の左半体部の分解図である。
【
図11】第2の実施の形態における第1コネクタの斜視図である。
【
図12】第2の実施の形態における第1コネクタの分解図である。
【
図13】第2の実施の形態における第1コネクタの第1突出端部を示す第1の二面図であって、(a)は下面図、(b)は(a)のG-G矢視断面図である。
【
図14】第2の実施の形態における第1コネクタの第1突出端部を示す第2の二面図であって、(a)は側面図、(b)は(a)のH-H矢視断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0019】
図1は第1の実施の形態における第1コネクタの斜視図、
図2は第1の実施の形態における第1コネクタの分解図、
図3は第1の実施の形態における第1コネクタの左半体部の斜視図である。
【0020】
図において、1は、本実施の形態におけるコネクタである一対の基板対基板コネクタの一方としての第1コネクタである。該第1コネクタ1は、実装部材としての図示されない基板である第1基板の表面に実装される表面実装型のコネクタであって、後述される相手方コネクタとしての第2コネクタ101と互いに嵌合される。また、該第2コネクタ101は一対の基板対基板コネクタの他方であり、実装部材としての図示されない基板である第2基板の表面に実装される表面実装型のコネクタである。
【0021】
なお、本実施の形態における第1コネクタ1及び第2コネクタ101は、好適には、基板としての第1基板及び第2基板を電気的に接続するために使用するものであるが、他の部材を電気的に接続するためにも使用することができる。前記第1基板及び第2基板は、例えば、電子機器等に使用されるプリント回路基板、フレキシブルフラットケーブル(FFC)、フレキシブル回路基板(FPC)等であるが、いかなる種類の基板であってもよい。
【0022】
また、本実施の形態において、第1コネクタ1及び第2コネクタ101の各部の構成及び動作を説明するために使用される上、下、左、右、前、後等の方向を示す表現は、絶対的なものでなく相対的なものであり、前記第1コネクタ1及び第2コネクタ101の各部が図に示される姿勢である場合に適切であるが、その姿勢が変化した場合には姿勢の変化に応じて変更して解釈されるべきものである。
【0023】
そして、前記第1コネクタ1は、左右一対の半体部、すなわち、左半体部10Aと右半体部10Bとを補強金具としての第1補強金具51、及び、オーバーモールド、アウトサート成形、乃至、インサート成形と称される成形方法(以下、「インサート成形」と言う。)によって一体成形される被覆部16によって結合することにより、構成されている。なお、前記左半体部10A及び右半体部10Bは、左右に向合うように配置された同一部材であるから、統合的に説明する場合には、半体部10として説明する。前記左半体部10A及び右半体部10Bは、それぞれ、平面視における形状(X-Y面に投影された形状)が略門型であり、結合された左半体部10Aと右半体部10Bとの間の空間は、第1コネクタ1の長手方向(X軸方向)に延在する細長い凹溝部13となっている。該凹溝部13は、第1コネクタ1の上面及び下面において開放された貫通孔である。
【0024】
なお、本実施の形態においては、説明の都合上、第1コネクタ1は、半体部10が一対であるもの、すなわち、2本が平行に並べられたものとして説明するが、3本以上の半体部10が平行に並べられたものであってもよい。また、半体部10は、必ずしも略門型の形状を有するものである必要はなく、長手方向の両端が第1補強金具51及び被覆部16によって結合可能であれば、いかなる形状を有するものであってもよい。
【0025】
前記半体部10は、合成樹脂等の絶縁性材料によって一体的に形成され、平面視における形状が略門型であるコネクタ本体としての第1ハウジング11を有する。各第1ハウジング11は、該第1ハウジング11の長手方向(X軸方向)に延在する細長い帯状の底板部17と、該底板部17の上面に一体的に形成された第1ハウジング11の長手方向に延在する細長い凸部としての第1凸部12とを含んでいる。該第1凸部12は、横断面の形状がU字を逆さまにしたような形状の部材であって、上側(Z軸正方向側)に位置する湾曲した嵌合面12aと、該嵌合面12aの左右両側に接続された外側面12b及び内側面12cとを有する。外側面12bと内側面12cとは互いに平行で対向する一対の平面であって、第1ハウジング11の長手方向に延在する。なお、第1凸部12の幅方向(Y軸方向)の寸法が底板部17の幅方向の寸法よりも短いので、第1凸部12の下端(Z軸負方向側端)において、底板部17が外側面12b及び内側面12cから幅方向外側に突出している。また、前記底板部17の下面は、第1基板の表面に対向する第1ハウジング11の実装面17aである。
【0026】
そして、各第1凸部12には、端子としての第1端子61が配設されている。該第1端子61は、所定のピッチで、かつ、複数個(図に示される例において、32個)ずつ配設されている。前記第1端子61は、導電性の金属板に打抜き、曲げ等の加工を施すことによって一体的に形成された部材であり、第1凸部12の幅方向に延在する本体部63と、該本体部63の一端に接続されたテール部62と、前記本体部63の他端にほぼ90度曲って接続された上下方向に延在する接触部65と、該接触部65の上端にほぼ90度曲って接続された上端部64とを有する。
【0027】
前記本体部63は、底板部17に埋込まれて保持される部分である。また、前記テール部62は、底板部17から幅方向外側に延出し、第1基板の導電トレースに連結された接続パッドにはんだ付等によって接続される。なお、前記導電トレースは、典型的には、信号ラインである。さらに、前記接触部65は、第1コネクタ1と第2コネクタ101とが嵌合すると、該第2コネクタ101が備える後述される第2端子161と接触する部分であり、望ましくは、表面から陥没する接触凹部65aを含んでいる。
【0028】
前記第1端子61は、インサート成形によって第1ハウジング11と一体化される。すなわち、第1ハウジング11は、第1端子61をあらかじめ内部にセットした金型のキャビティ内に絶縁性材料を充填することによって成形される。これにより、第1端子61は、本体部63及びテール部62の下面が底板部17の実装面17aに露出し、接触部65及び上端部64の表面が第1凸部12の外側面12b又は内側面12c及び嵌合面12aに露出した状態で、第1ハウジング11に一体的に取付けられる。
【0029】
また、各第1凸部12に取付けられる第1端子61は、隣接するもの同士の姿勢が、第1凸部12の幅方向に関して反対向きとなるように、方向付けられている。図に示される例において、左半体部10Aの第1凸部12に取付けられる第1端子61のうち前端(X軸正方向端)に位置する第1端子61の姿勢は、テール部62が外側(Y軸正方向側)に向けて突出するように方向付けられているのに対して、前端から2番目に位置する第1端子61の姿勢は、テール部62が内側(Y軸負方向側)に向けて突出するように方向付けられている。このように、第1端子61は、交互に反対向きとなるように並べて第1凸部12に取付けられているので、該第1凸部12の両側の各々において突出するテール部62のピッチは、第1端子61のピッチの2倍となる。したがって、第1基板の接続パッドへのはんだ付等による接続作業を容易に行うことができる。また、第1凸部12の外側面12bに露出する接触部65のピッチ、及び、内側面12cに露出する接触部65のピッチも、第1端子61のピッチの2倍となる。
【0030】
なお、前記第1端子61は、インサート成形によって第1ハウジング11と一体化される部材であるから、第1ハウジング11から離間して存在するものではないが、説明の都合上、
図2においては、第1ハウジング11から離間しているように描画されていることに留意されたい。
【0031】
そして、前記第1凸部12の長手方向両端には嵌合ガイド部として機能する本体端部である第1突出端部18が各々配設されている。該第1突出端部18は、各第1凸部12の長手方向両端に接続された部材であり、左半体部10Aと右半体部10Bとを結合するように形成される。そして、前記第1突出端部18は、第1コネクタ1及び第2コネクタ101が嵌合された状態において、該第2コネクタ101が備える後述される第2突出端部121の嵌合凹部122に挿入される挿入凸部として機能する。
【0032】
また、前記第1突出端部18は、左右の半体部10の延長端部14及び埋設部15、並びに、前記被覆部16及び第1補強金具51によって構成される。
【0033】
各半体部10の第1凸部12の長手方向両端には長手方向に延出する延長端部14がそれぞれ一体的に接続され、各延長端部14には、第1凸部12の長手方向に更に延出する埋設部15がそれぞれ一体的に接続されている。なお、前記延長端部14は、内側に向って斜めに傾斜して延出し、前記埋設部15は、延長端部14の先端における内側に偏心した位置から長手方向に延出し、第1凸部12の外側面12bより内側に位置している。すなわち、左半体部10Aにおける延長端部14は、右方向(Y軸負方向)に向けて斜めに延出し、埋設部15は、延長端部14の先端において右方向に偏心した位置から長手方向に延出している。また、右半体部10Bにおける延長端部14は、左方向(Y軸正方向)に向けて斜めに延出し、埋設部15は、延長端部14の先端において左方向に偏心した位置から長手方向に延出している。このように、埋設部15が延長端部14に対して偏心しているので、埋設部15を延長端部14の内側に出っ張るように形成することができる。そのため、被覆部16の端壁内面16dを形成する樹脂で、埋設部15の内側における第1凸部12側を覆うことができる。そうすると、一体化の強度が向上する。
【0034】
そして、左右の半体部10における延長端部14の少なくとも一部及び埋設部15の全体は、合成樹脂等の絶縁性材料によって形成される被覆部16によって被覆される。具体的には、左右の半体部10における埋設部15同士を近接させ、第1補強金具51によって覆われた状態にしてインサート成形を行うことにより、被覆部16が形成される。これにより、左右の半体部10の延長端部14及び埋設部15、並びに、被覆部16及び第1補強金具51が一体化した第1突出端部18が形成され、左右の半体部10が結合される。ところで、前記被覆部16は、必ずしも埋設部15の全体を被覆する必要はなく、左右の半体部10を結合するのに十分な程度に埋設部15を被覆すればよいが、結合力を最強とするためには、埋設部15の全体を被覆することが望ましい。なお、前記被覆部16は、インサート成形によって他の部材と一体化するように形成される部材であって、他の部材から離間した状態で単独で存在するものではないが、説明の都合上、
図2においては、単独で存在するように描画されていることに留意されたい。
【0035】
図3に示されるように、延長端部14は、上側に位置する上面14aと、該上面14aの左右両側に接続された外側面14b及び内側面14cと、下側に位置する下面14dとを有する。該下面14dは、実装面17aより上方に位置し、少なくともその一部が被覆部16によって被覆される。前記上面14aは、第1凸部12の嵌合面12aとほぼ面一である。また、前記内側面14cは、第1凸部12の内側面12cに対して内側に向って斜めに傾斜した面である。そして、前記外側面14bは、第1凸部12の外側面12bに対して内側に向って斜めに傾斜した傾斜外側面14b1と、第1凸部12の外側面12bとほぼ平行な平行外側面14b2とを含んでいる。該平行外側面14b2は、前記被覆部16の外側面とほぼ面一であり、第1突出端部18の外側面の一部となる。また、前記被覆部16は、延長端部14の下面14dと一体化されるように延長された延長被覆部16eを含んでいる。該延長被覆部16eによって、被覆部16と第1ハウジング11との接触面積が増加し、一体化の強度が向上する。なお、前記延長被覆部16eの下面は、実装面17aと必ずしも面一である必要はないが、面一であることが望ましく、延長被覆部16eの下面が実装面17aと面一に形成されると、第1コネクタ1の第1基板への実装面が増加するので、実装状態が安定する。
【0036】
また、埋設部15は、略直方体状の全体形状を備える部材であって、五面を有する。すなわち、上側に位置する上面15aと、左右両側の外側面15b及び内側面15cと、下側に位置する下面15dと、第1コネクタ1の長手方向両端の端面15eとを有する。前記上面15a及び下面15dは、互いに平行な平面であり、上面15aと下面15dとの距離、すなわち、埋設部15の厚さは、延長端部14及び第1凸部12の厚さよりも薄くなっている。なお、前記上面15aは嵌合面12aより下方に位置し、下面15dは実装面17aより上方に位置する。また、前記外側面15bは、第1凸部12の外側面12bとほぼ平行な平面であるが該外側面12bより内側、すなわち、第1ハウジング11の幅方向中心寄りに位置する。そして、前記内側面15cは、第1凸部12の内側面12cとほぼ平行な平面である平行内側面15c1と、前記延長端部14の内側面14cとほぼ平行な傾斜内側面15c2とを含んでいる。さらに、前記端面15eは、第1コネクタ1の長手方向に直交する平面である。そして、埋設部15は、その全体が被覆部16によって被覆される、すなわち、被覆部16内に埋設される。
【0037】
これにより、端壁内面16dと左右の傾斜内側面15c2との間隙が大きくなるので、絶縁性材料の充填量が増加する。また、前記五面が平坦なので、インサート成形の際に樹脂が平坦な面を流れることとなり、成形性が良好で一体化が容易である。なお、前記五面の各面は、平行・平坦でなくともよい。例えば、前記埋設部15は、特に端部に近い部分は、略直方体状でなく、円柱状等の曲面から成るものであってもよく、前記傾斜内側面15c2に相当する部分として、卵型を含む球状や円錐のような形状であってもよい。このように、凹凸形状、曲面等を形成することによって、埋設部15と被覆部16との接触面積が増大し、強固に一体化することができる。また、前記被覆部16も、埋設部15と同様に、外形の各平面が、平行・平坦でなくともよい。さらに、互いに対向する内側面15c同士の間に間隙が存在し、該間隙を樹脂が流れるので、インサート成形の際に樹脂流れが良好となり、樹脂が埋設部15の表面全体に行き渡りやすくなる。なお、前記間隙は、必ずしも必須のものではなく、被覆部16と埋設部15とが良好に一体化されるのであれば、存在しなくてもよい。
【0038】
このように、延長端部14が内側に向って斜めに傾斜して延出し、埋設部15が第1凸部12の外側面12bより内側に位置しているので、第1突出端部18の幅(Y軸方向の寸法)を第1コネクタ1の幅(左右の第1凸部12の外側面12b同士の間の距離)より小さくすることができる。なお、第1突出端部18の幅を第1コネクタ1の幅より小さくする必要のない場合は、前記延長端部14は、必ずしも内側に向って斜めに傾斜させる必要はなく、真直ぐに延出させることもできる。また、前記埋設部15を第1凸部12の長手方向両端から直接延出させることによって、延長端部14を省略することもできる。その場合、第1コネクタ1の長手方向の寸法を短くすることができる。さらに、3本以上の半体部10を平行に並べる場合には、前記延長端部14を第1凸部12の長手方向両端からY字状となるように延出させることもできる。
【0039】
また、延長端部14が内側に向って斜めに傾斜して延出し、埋設部15が第1凸部12の外側面12bより内側に位置しているので、左半体部10Aの埋設部15と右半体部10Bの埋設部15とを、すなわち、左右の埋設部15同士を互いに近接させることができる。そして、互いに近接した埋設部15を被覆部16によって一体化するので、埋設部15同士の間隔が広い場合と比較して、埋設部16間の形状が、歪んだり撓んだりすることなく、安定し、精度の高い第1コネクタ1を形成することができる。
【0040】
前記第1補強金具51は、金属板に打抜き、曲げ等の加工を施すことによって一体的に形成された部材であり、第1ハウジング11の幅方向に延在する略矩形の上板54と、該上板54の左右両側縁に接続され、下方に向けて延出する略矩形の脚部55と、前記上板54の前後両側縁に接続され、下方に向けて延出する端壁外面覆部52及び端壁内面覆部53とを含んでいる。なお、前記端壁外面覆部52の下端には、テール部52aが接続されている。また、端壁外面覆部52の幅は、端壁内面覆部53の幅よりも大きい。
【0041】
前述のように、前記第1補強金具51は、前記被覆部16と一体化され、第1突出端部18を構成する。そして、前記上板54は第1突出端部18の上面に埋込まれた状態となり、上板54の上面は、被覆部16の上面と面一であって、第1突出端部18の上面の過半を構成する。また、左右の脚部55は第1突出端部18の左右の外側面に埋込まれた状態となり、脚部55の外側面は、被覆部16の外側面と面一であって、第1突出端部18の外側面の過半を構成する。さらに、端壁外面覆部52及び端壁内面覆部53は、第1突出端部18の端壁外面及び端壁内面に埋込まれた状態となり、端壁外面覆部52及び端壁内面覆部53の外面は、被覆部16の端壁外面及び端壁内面16dと面一であって、第1突出端部18の端壁外面及び端壁内面の過半を構成する。
【0042】
なお、前記テール部52aは、端壁外面覆部52の下端に約90度に曲げて接続され、第1ハウジング11の長手方向外側に向けて延出し、第1基板の導電トレースに連結された接続パッドにはんだ付等によって接続される。そして、前記導電トレースは、典型的には、電力ラインである。なお、必要に応じて、脚部55の下端が第1基板の表面に接近又は当接するようにすることもできる。この場合、脚部55の下端を第1基板の接続パッドへはんだ付等によって接続することにより、第1補強金具51の第1基板への接続強度が向上する。
【0043】
次に、前記構成の第1コネクタ1を製造する方法について説明する。
【0044】
図4は第1の実施の形態における第1コネクタの左半体部を製造する1工程を示す斜視図、
図5は第1の実施の形態における第1コネクタの第1突出端部を製造する第1の工程を示す二面図、
図6は第1の実施の形態における第1コネクタの第1突出端部を製造する第2の工程を示す二面図、
図7は第1の実施の形態における第1コネクタの第1突出端部を製造する第1及び第2の工程の要部を示す拡大図、
図8は第1の実施の形態における第1コネクタの第1突出端部を製造する第1及び第2の工程の断面図である。なお、
図5及び6において、(a)は上面図、(b)は下面図であり、
図7において、(a)は
図5のE部拡大図、(b)は
図6のF部拡大図であり、
図8において、(a)は
図5のA-A矢視断面図、(b)は
図5のB-B矢視断面図、(c)は
図6のC-C矢視断面図、(d)は
図6のD-D矢視断面図である。
【0045】
第1端子61は、板厚方向に屈曲した金属板から成る部材であって、金属板に打抜き、曲げ等の加工を施すことによって製作され、
図4に示されるように、キャリアとしての平板状の端子キャリア68に複数個が接続された状態で供給される。なお、各第1端子61は、そのテール部62の先端が細長い接続腕68aを介して、端子キャリア68に接続され、切断部68bにおいてテール部62が接続腕68aから切離されることによって、
図2に示されるような部材となる。
【0046】
そして、インサート成形によって第1ハウジング11と一体化される工程において、第1端子61は、
図4に示されるように、複数個が端子キャリア68に接続された状態で供給される。
図4は、左半体部10Aを製造する例を示しているが、この場合、テール部62が外側(Y軸正方向側)に向けて突出するように方向付けられている第1端子61は、
図4における右側の端子キャリア68に接続された状態で、また、テール部62が内側(Y軸負方向側)に向けて突出するように方向付けられている第1端子61は、
図4における左側の端子キャリア68に接続された状態で、図示されない第1次の成形用金型にセットされる。複数の第1端子61が接続された端子キャリア68を保持して操作することによって、複数の第1端子61を同時に位置決めして成形用金型にセットすることができる。
【0047】
続いて、該成形用金型のキャビティ内に合成樹脂等の絶縁性材料が溶融した状態で充填される。すなわち、第1次のインサート成形が行われる。なお、前記絶縁性材料は、いかなる種類の材料であってもよいが、ここでは、LCP(液晶ポリマー)であるものとする。第1次のインサート成形では、流動性を重視して前記材料を選択することが望ましい。そして、充填された絶縁性材料が冷却されて固化して第1ハウジング11が成形されると、前記成形用金型が開放され、
図4に示されるような第1端子61に端子キャリア68が接続されたままの左半体部10Aが取出される。同様にして、第1端子61に端子キャリア68が接続されたままの右半体部10Bも製造される。
【0048】
続いて、
図4に示されるような第1端子61に端子キャリア68が接続されたままの左半体部10Aから、内側に向けて突出するテール部62に接続された端子キャリア68(
図4における左側の端子キャリア68)のみが切除され、外側に向けて突出するテール部62に接続された端子キャリア68(
図4における右側の端子キャリア68)は、そのまま、残される。同様にして、第1端子61に端子キャリア68が接続されたままの右半体部10Bから、内側に向けて突出するテール部62に接続された端子キャリア68のみが切除され、外側に向けて突出するテール部62に接続された端子キャリア68は、そのまま、残される。
【0049】
続いて、
図5に示されるように、外側に向けて突出するテール部62にのみ端子キャリア68が接続されている左半体部10A及び右半体部10Bを互いに対向させた状態で、図示されない第2次の成形用金型にセットされる。具体的には、左右の半体部10の内側同士が互いに向合い、左右の半体部10の第1ハウジング11同士が互いに平行で、左右の半体部10の第1ハウジング11の実装面17a同士及び長手方向両端の端面15e同士が、それぞれ、面一であり、左右の半体部10の埋設部15同士が、互いに近接してはいるが接触していないようにする。なお、
図7(a)に示されるように、互いに対向する左右の半体部10は、互いに対向する埋設部15の平行内側面15c1同士の間隔が所定の距離L2となるように位置決めして、第2次の成形用金型にセットされる。
【0050】
さらに、左右の半体部10の延長端部14の少なくとも一部及び埋設部15の全体を覆うように第1補強金具51が第2次の成形用金型にセットされる。この場合、前記第1補強金具51は、そのテール部52aの先端がキャリアとしての金具キャリア58に接続された状態でセットされる。なお、切断部58bにおいてテール部52aが金具キャリア58から切離されることによって、第1補強金具51は、
図2に示されるような部材となる。具体的には、
図7(a)、
図8(a)及び(b)等に示されるように、第1補強金具51は、その上板54と埋設部15の上面15aとの間に空隙が生じ、その脚部55と埋設部15の外側面15bとの間に空隙が生じ、その端壁外面覆部52と埋設部15の端面15eとの間に空隙が生じ、その端壁内面覆部53と埋設部15の傾斜内側面15c2との間に空隙が生じ、その脚部55の下端が埋設部15の下面15dより下方であって実装面17aとほぼ同等の高さとなるようにして、セットされる。
【0051】
続いて、前記成形用金型のキャビティ内に合成樹脂等の絶縁性材料が溶融した状態で充填される。すなわち、第2次のインサート成形が行われる。なお、前記絶縁性材料は、いかなる種類の材料であってもよいが、ここでは、第1次のインサート成形と同じく流動性を重視してLCPであるものとする。第2次のインサート成形では、強度や第1次のインサート成形の絶縁性材料との溶融結合性を重視して前記絶縁性材料を選択することもできる。そして、充填された絶縁性材料が冷却されて固化して被覆部16が成形されると、前記成形用金型が開放され、
図6に示されるような長手方向両端が第1突出端部18によって結合された左右の半体部10が取出される。
【0052】
この場合、左右の半体部10は、延長端部14の少なくとも一部及び埋設部15の全体が被覆部16に覆われた状態で該被覆部16と一体化され、第1補強金具51は被覆部16の外面の少なくとも一部を覆うようにして、被覆部16と一体化される。具体的には、
図7(b)、
図8(c)及び(d)等に示されるように、第1補強金具51は、その上板54、脚部55、端壁外面覆部52及び端壁内面覆部53と、埋設部15の上面15a、外側面15b、端面15e及び傾斜内側面15c2との間の空隙は、被覆部16の絶縁性材料によって充填される。また、互いに対向する埋設部15の平行内側面15c1同士の間の空隙も、被覆部16の絶縁性材料によって充填される。さらに、埋設部15の下面15dの下方も被覆部16の絶縁性材料によって充填され、被覆部16の下面は実装面17aとほぼ面一となる。さらに、延長端部14の平行外側面14b2は、被覆部16の外側面とほぼ面一となり、第1突出端部18の外側面の一部となる。
【0053】
図7(a)に示されるように、第1補強金具51の端壁内面覆部53と埋設部15の傾斜内側面15c2との間に空隙が存在し、かつ、前記傾斜内側面15c2が傾斜しているので、第2次のインサート成形において成形用金型のキャビティ内に充填された溶融した絶縁性材料は、前記端壁内面覆部53と左右の傾斜内側面15c2との間、及び、互いに対向する埋設部15の平行内側面15c1同士の間をスムーズに流れ、前記キャビティ内に隙間なく充填される。さらに、端壁内面覆部53と左右の傾斜内側面15c2との間の空間が大きくなるので、絶縁性材料の充填量が増加する。
【0054】
また、
図7(a)に示されるように、埋設部15の平行内側面15c1同士の間の空隙に対向する第1補強金具51の端壁内面覆部53における第1コネクタ1の幅方向に関する寸法、すなわち、幅L1は、前記平行内側面15c1同士の間隔である距離L2よりも大きく設定されていることが望ましい。すなわち、L1>L2となるように設定されることが望ましい。なお、端壁外面覆部52の幅は、端壁内面覆部53の幅よりも大きい。これにより、第1次のインサート成形によって成形された埋設部15の平行内側面15c1と第2次のインサート成形によって成形された被覆部16との境界は、前後方向(X軸方向)から観て、端壁外面覆部52及び端壁内面覆部53によって覆われた状態となるので、分離しにくく、したがって、第1突出端部18の強度が向上する。
【0055】
さらに、
図7(a)に示されるように、第1補強金具51の脚部55における第1コネクタ1の長手方向に関する寸法、すなわち、長さL3は、埋設部15の外側面15bの長さL4よりも大きく設定されていることが望ましい。すなわち、L3>L4となるように設定されることが望ましい。かつ、前記外側面15bにおける第1コネクタ1の長手方向中心寄りの端は、前記脚部55における第1コネクタ1の長手方向中心よりの端よりも第1コネクタ1の長手方向両端寄りに位置することが望ましい。これにより、第1次のインサート成形によって成形された埋設部15の外側面15bと第2次のインサート成形によって成形された被覆部16との境界は、幅方向(Y軸方向)から観て、脚部55によって覆われた状態となるので、分離しにくく、したがって、第1突出端部18の強度が向上する。
【0056】
さらに、埋設部15は、上下方向から観ても、前後方向(長手方向)から観ても、左右方向(幅方向)から観ても、少なくとも一部が第1補強金具51の上板54、端壁外面覆部52、端壁内面覆部53及び脚部55のいずれかと重なっている、すなわち、重畳するように配置されている。したがって、第1突出端部18の強度が向上する。
【0057】
最後に、
図6に示されるような長手方向両端が第1突出端部18によって結合された左右の半体部10から、残存する端子キャリア68及び金具キャリア58が切除される。これにより、
図1に示されるような第1コネクタ1を得ることができる。
【0058】
次に、該第1コネクタ1とともにコネクタ対を構成する第2コネクタ101の構成、及び、前記第1コネクタ1と第2コネクタ101とを嵌合させる動作について説明する。
【0059】
図9は第1の実施の形態における第1コネクタと第2コネクタとの嵌合直前の状態を示す第1コネクタ側から観た斜視図である。
【0060】
本実施の形態における相手方コネクタとしての第2コネクタ101は、合成樹脂等の絶縁性材料によって一体的に形成された相手方コネクタ本体としての第2ハウジング111を有する。該第2ハウジング111は、図に示されるように、概略直方体である概略長方形の厚板状の形状を備える。そして、第2ハウジング111の第1コネクタ1が嵌入される側、すなわち、嵌合面111a側(Z軸負方向側)には、周囲が囲まれた概略長方形の凹部112であって、第1ハウジング11と嵌合する凹部112が形成されている。そして、該凹部112内には凹溝部13と嵌合する島部としての第2凸部113が第2ハウジング111と一体的に形成され、また、前記第2凸部113の両側には該第2凸部113と平行に延在する側壁部114が第2ハウジング111と一体的に形成されている。
【0061】
前記第2凸部113及び側壁部114は、凹部112の底面から上方(Z軸負方向)に向けて突出し、第2コネクタ101の長手方向に延在する。これにより、前記第2凸部113の両側には、凹部112の一部として、第2コネクタ101の長手方向(X軸方向)に延在する細長い凹部である凹溝部112aが形成される。
【0062】
前記第2凸部113の両側の側面、及び、側壁部114の内側の側面には第2端子161を収容するために、凹溝状の第2端子収容溝キャビティ115aが形成されている。また、前記第2凸部113及び側壁部114には第2端子161を収容するために、孔状の第2端子収容孔キャビティ115bが形成されている。そして、前記第2端子収容溝キャビティ115aと第2端子収容孔キャビティ115bとは、凹溝部112aの底面において連結され互いに一体化しているので、第2端子収容溝キャビティ115aと第2端子収容孔キャビティ115bとを統合的に説明する場合には、第2端子収容キャビティ115として説明する。該第2端子収容キャビティ115は、第1端子61に対応するピッチで、かつ、対応する数だけ配設されている。
【0063】
前記第2端子161は、導電性の金属板に打抜き等の加工を施すことによって一体的に形成された部材であり、図示されない本体部と、該本体部の下端に接続されたテール部162と、前記本体部の下端近傍から第2コネクタ101の幅方向(Y軸方向)に延在する図示されない接続部と、該接続部から上方(Z軸負方向)に向けて延出する接触部165とを備える。なお、該接触部165の先端近傍には、本体部に向けて突出する接触凸部165aが形成されていることが望ましい。
【0064】
前記本体部は、第2端子収容孔キャビティ115bに圧入されて保持される部分である。また、前記テール部162は、本体部の下端に曲げて接続され、第2ハウジング111の幅方向に延在し、第2基板の導電トレースに連結された接続パッドにはんだ付等によって接続される。なお、前記導電トレースは、典型的には、信号ラインである。さらに、前記接触部165は、第1コネクタ1と第2コネクタ101とが嵌合すると、前記第1コネクタ1が備える第1端子61と接触する部分であり、望ましくは、接触凸部165aが第1端子61の接触部65に形成された接触凹部65aと係合する。
【0065】
前記第2端子161は、第2ハウジング111の下方から、第2端子収容キャビティ115に挿入されて第2ハウジング111に取付けられる。これにより、第2端子161は、本体部が第2端子収容孔キャビティ115bに圧入されて保持され、接触部165は第2端子収容溝キャビティ115a内に収容されて凹溝部112aに露出し、テール部162の下面は、第2ハウジング111の下面としての実装面111bに露出する。
【0066】
また、各凹溝部112aに取付けられる第2端子161は、第1端子61と同様に、隣接するもの同士の姿勢が、凹溝部112aの幅方向に関して反対向きとなるように、方向付けられている。
図9に示される例において、Y軸正方向側の凹溝部112aに取付けられる第2端子161のうち前端(X軸正方向端)に位置する第2端子161の姿勢は、テール部162がY軸負方向に向けて突出するように方向付けられているのに対して、前端から2番目に位置する第2端子161の姿勢は、テール部162がY軸正方向に向けて突出するように方向付けられている。このように、第2端子161は、交互に反対向きとなるように並べて凹溝部112aに取付けられているので、該凹溝部112aの両側において実装面111bに露出するテール部162のピッチは、第2端子161のピッチの2倍となる。したがって、第2基板の接続パッドへのはんだ付等による接続作業を容易に行うことができる。また、凹溝部112aに露出する接触部165のピッチも、第2端子161のピッチの2倍となる。
【0067】
また、前記第2ハウジング111の長手方向両端には嵌合ガイド部としての第2突出端部121が各々配設されている。各第2突出端部121には、前記凹部112の一部として嵌合凹部122が形成されている。該嵌合凹部122は、略長方形の凹部であり、各凹溝部112aの長手方向両端に接続されている。そして、前記嵌合凹部122内には、第1コネクタ1及び第2コネクタ101が嵌合された状態において、第1コネクタ1が備える第1突出端部18が挿入される。また、第2突出端部121には、相手方補強金具としての第2補強金具151が取付けられる。なお、該第2補強金具151は、インサート成形によって第2ハウジング111と一体化される。
【0068】
前記第2補強金具151は、金属板に打抜き、曲げ等の加工を施すことによって一体的に形成された部材であり、第2ハウジング111の幅方向に延在する第2本体部152と、該第2本体部152の左右両端に接続された側方覆部153と、前記嵌合凹部122の左右の内壁に配設された接触側部154と、前記第2本体部152の下端に接続されたテール部156とを備える。該テール部156は、第2コネクタ101の長手方向外側を向いて延出し、第2基板の表面に露出する図示されない接続パッドにはんだ付等によって接続固定される。なお、該接続パッドは、例えば、電力ラインである導電トレースに連結されていることが望ましい。
【0069】
次に、前記構成の第1コネクタ1と第2コネクタ101とを嵌合させる動作について説明する。
【0070】
ここで、第1コネクタ1は、第1端子61のテール部62が図示されない第1基板の導電トレースに連結された接続パッドにはんだ付等によって接続されるとともに、第1補強金具51のテール部52aが第1基板の導電トレースに連結された接続パッドにはんだ付等によって接続されることにより、第1基板に表面実装されているものとする。なお、前記第1端子61のテール部62が接続される接続パッドに連結された導電トレースは、信号ラインであり、前記第1補強金具51のテール部52aが接続される接続パッドに連結された導電トレースは電力ラインであるものとする。
【0071】
同様に、第2コネクタ101は、第2端子161のテール部162が図示されない第2基板の導電トレースに連結された接続パッドにはんだ付等によって接続されるとともに、第2補強金具151のテール部156が第2基板の導電トレースに連結された接続パッドにはんだ付等によって接続されることにより、第2基板に表面実装されているものとする。なお、前記第2端子161のテール部162が接続される接続パッドに連結された導電トレースは、信号ラインであり、前記第2補強金具151のテール部156が接続される接続パッドに連結された導電トレースは、電力ラインであるものとする。
【0072】
まず、オペレータは、第1コネクタ1の第1ハウジング11の嵌合面としての第1凸部12の嵌合面12aと第2コネクタ101の第2ハウジング111の嵌合面111aとを対向させた状態とし、第1コネクタ1の第1凸部12の位置が第2コネクタ101の対応する凹溝部112aの位置と合致し、第1コネクタ1の第1突出端部18の位置が第2コネクタ101の対応する嵌合凹部122の位置と合致すると、第1コネクタ1と第2コネクタ101との位置合せが完了する。
【0073】
この状態で、第1コネクタ1及び/又は第2コネクタ101を相手側に接近する方向、すなわち、嵌合方向に移動させると、第1コネクタ1の第1凸部12及び第1突出端部18が第2コネクタ101の凹溝部112a及び嵌合凹部122内に挿入される。これにより、第1コネクタ1と第2コネクタ101との嵌合が完了する。そして、第1端子61と第2端子161とが導通した状態となる。
【0074】
次に、前記第1コネクタ1の変形例について説明する。
【0075】
図10は第1の実施の形態における第1コネクタの変形例の左半体部の分解図である。
【0076】
図に示される変形例において、第1端子61は、本体部63を有しておらず、上下方向に延在する接触部65と、該接触部65の下端にほぼ90度曲って接続されたテール部62と、前記接触部65の上端にほぼ90度曲って接続された上端部64とを有する。なお、該上端部64の先端には、ほぼ90度曲って下方向に延出する埋込部64aが接続されている。該埋込部64aは、嵌合面12aから下向きに第1凸部12内に埋込まれる部分である。
【0077】
図2等に示される第1端子61では、接触部65の面する方向と反対方向に向けてテール部62が延出するようになっているが、
図10に示される変形例の第1端子61では、接触部65の面する方向と同じ方向に向けてテール部62が延出するようになっている。したがって、テール部62の先端に細長い接続腕68aを介して接続された端子キャリア68を保持して、複数の第1端子61を交互に反対向きとなるように、左右両側から第1次の成形用金型にセットする作業が容易となる。
【0078】
なお、
図10に示される変形例の第1端子61のその他の点の構成、動作及び効果については、
図2等に示される第1端子61と同様であるので、その説明を省略する。
【0079】
このように、本実施の形態において、第1コネクタ1は、各々が、第1ハウジング11と、第1ハウジング11に取付けられた複数の第1端子61とを含む半体部10と、各半体部10の第1ハウジング11同士が突合されて第1ハウジング11の両端に形成される第1突出端部18と、第1突出端部18に取付けられた第1補強金具51とを備える。そして、第1ハウジング11の各々は、第1次のインサート成形によって第1端子61と一体化された部材であり、その長手方向に延在し、第1端子61を保持する第1凸部12と、第1凸部12の長手方向両端に接続された延長端部14と、延長端部14から延出する埋設部15とを含み、第1突出端部18は、各第1ハウジング11の延長端部14の少なくとも一部及び埋設部15の全体を被覆する被覆部16を含み、被覆部16は、第2次のインサート成形によって延長端部14、埋設部15及び第1補強金具51と一体化された部材である。
【0080】
これにより、複数の第1端子61が取付けられた第1ハウジング11の第1凸部12同士の間隔を狭くすることができ、第1コネクタ1の小型化が可能となる。また、第1コネクタ1の製造が容易となるとともに、第1コネクタ1の信頼性が向上する。
【0081】
また、第1補強金具51は、第1ハウジング11の幅方向に延在する上板54と、上板54の左右両側縁に接続されて下方に向けて延出する左右一対の脚部55と、上板54の前後両側縁に接続されて下方に向けて延出する端壁外面覆部52及び端壁内面覆部53とを含み、埋設部15は、上下、前後及び左右方向から観て、少なくとも一部が上板54、脚部55、端壁外面覆部52及び端壁内面覆部53と重畳するように配置されている。これにより、左半体部10Aの埋設部15と右半体部10Bの埋設部15とが第1補強金具51と一体化された被覆部16によって強固に結合されて第1突出端部18が確実に構成され、左半体部10Aと右半体部10Bとが確実に結合される。
【0082】
さらに、各第1ハウジング11の埋設部15は、第1ハウジング11の長手方向に延在し、他の第1ハウジング11の埋設部15に対向する平行内側面15c1を含み、互いに対向する平行内側面15c1同士の距離L2は、互いに対向する平行内側面15c1同士の間の空隙に対向するように配置されている第1補強金具51の端壁内面覆部53の幅L1よりも小さい。これにより、第1次のインサート成形によって成形された埋設部15の平行内側面15c1と第2次のインサート成形によって成形された被覆部16との境界は、前後方向から観て、端壁内面覆部53と重畳するので、分離しにくくなり、第1突出端部18の強度が向上する。
【0083】
さらに、端壁内面覆部53は、互いに対向する平行内側面15c1の各々に接続された傾斜内側面15c2であって第1ハウジング11の長手方向に対して傾斜する埋設部15の傾斜内側面15c2に対向し、かつ、傾斜内側面15c2との間に空隙が存在するように配置されている。
【0084】
さらに、各第1ハウジング11の埋設部15は、第1ハウジング11の長手方向に延在し、第1補強金具51の脚部55に対向する外側面15bを含み、外側面15bの長さL4は、脚部55の長さL3よりも小さい。これにより、第1次のインサート成形によって成形された埋設部15の外側面15bと第2次のインサート成形によって成形された被覆部16との境界は、左右方向から観て、脚部55によって覆われた状態となるので、分離しにくくなり、第1突出端部18の強度が向上する。
【0085】
さらに、各第1ハウジング11の延長端部14は、第1コネクタ1の幅方向内側に向って傾斜して第1凸部12の長手方向両端から延出し、第1突出端部18の幅は第1コネクタ1の幅より小さい。このように、第1突出端部18の幅を第1コネクタ1の幅より小さくすることができるので、第1コネクタ1及び第2コネクタ101が嵌合される際に、第1突出端部18が挿入される第2ハウジング111の嵌合凹部122の左右の内壁に接触側部154が配設されて嵌合凹部122内の幅が実質的に小さくなっていても、対応することができる。
【0086】
次に、第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによってその説明を省略する。また、前記第1の実施の形態と同じ動作及び同じ効果についても、その説明を省略する。
【0087】
図11は第2の実施の形態における第1コネクタの斜視図、
図12は第2の実施の形態における第1コネクタの分解図、
図13は第2の実施の形態における第1コネクタの第1突出端部を示す第1の二面図、
図14は第2の実施の形態における第1コネクタの第1突出端部を示す第2の二面図である。なお、
図13において、(a)は下面図、(b)は(a)のG-G矢視断面図であり、
図14において、(a)は側面図、(b)は(a)のH-H矢視断面図である。
【0088】
本実施の形態においては、第1補強金具51が省略されている。すなわち、前記第1の実施の形態においては、被覆部16が第1補強金具51によって覆われているのに対し、本実施の形態における被覆部16は、第1補強金具51によって覆われていない。
【0089】
本実施の形態においても、前記第1の実施の形態と同様に、左右の半体部10における延長端部14の少なくとも一部及び埋設部15の全体は、合成樹脂等の絶縁性材料によって形成される被覆部16によって被覆される。具体的には、左右の半体部10における埋設部15同士を近接させた状態にして第2次のインサート成形を行うことによって、被覆部16が形成される。これにより、左右の半体部10の延長端部14及び埋設部15、並びに、被覆部16が一体化した第1突出端部18が形成され、左右の半体部10が結合される。
【0090】
前記被覆部16は、上側に位置する上面16aと、下側に位置する下面16bと、左右両側の側面16sと、第1コネクタ1の長手方向両端外側を向いた外端面16cと、第1コネクタ1の長手方向中央側を向いた端壁内面16dとを含んでいる。そして、埋設部15は、上下方向から観ても、前後方向(長手方向)から観ても、左右方向(幅方向)から観ても、被覆部16の上面16a、下面16b、側面16s、外端面16c及び端壁内面16dのいずれかと重なっている、すなわち、重畳するように配置されている。したがって、第1突出端部18の強度が向上する。
【0091】
本実施の形態において、前記延長端部14は、前記第1の実施の形態と同様の構成を有し、下面14dの少なくとも一部が被覆部16によって被覆される。また、前記埋設部15は、前記第1の実施の形態と同様の構成を有し、その五面、すなわち、上面15aと、左右両側の外側面15b及び内側面15cと、下側に位置する下面15dと、第1コネクタ1の長手方向両端の端面15eとが被覆部16によって被覆される、すなわち、被覆部16内に埋設される。また、互いに対向する内側面15cのうちの傾斜内側面15c2は、その間隙が第1コネクタ1の長手方向中央側に向って広がっている。これにより、端壁内面16dと左右の傾斜内側面15c2との間隙が大きくなるので、絶縁性材料の充填量が増加する。また、前記五面が平坦なので、インサート成形の際に樹脂が平坦な面を流れることとなり、成形性が良好で一体化が容易である。なお、前記五面の各面は、平行・平坦でなくともよい。例えば、前記埋設部15は、特に端部に近い部分は、略直方体状でなく、円柱状等の曲面から成るものであってもよく、前記傾斜内側面15c2に相当する部分として、卵型を含む球状や円錐のような形状であってもよい。このように、凹凸形状、曲面等を形成することによって、埋設部15と被覆部16との接触面積が増大し、強固に一体化することができる。また、前記被覆部16も、埋設部15と同様に、外形の各平面が、平行・平坦でなくともよい。
【0092】
さらに、互いに対向する内側面15c同士の間に間隙が存在し、該間隙を樹脂が流れるので、インサート成形の際に樹脂流れが良好となり、樹脂が埋設部15の表面全体に行き渡りやすくなる。前記間隙は、必ずしも必須のものではなく、被覆部16と埋設部15とが良好に一体化されるのであれば、存在しなくてもよい。
【0093】
なお、前記被覆部16は、延長端部14の下面14dと一体化されるように延長された延長被覆部16eを含んでいる。該延長被覆部16eによって、被覆部16と第1ハウジング11との接触面積が増加し、一体化の強度が向上する。なお、前記延長被覆部16eの下面は、実装面17aと必ずしも面一である必要はないが、面一であることが望ましく、延長被覆部16eの下面が実装面17aと面一に形成されると、第1コネクタ1の第1基板への実装面が増加するので、実装状態が安定する。
【0094】
また、延長端部14が内側に向って斜めに傾斜して延出し、埋設部15が第1凸部12の外側面12bより内側に位置しているので、左半体部10Aの埋設部15と右半体部10Bの埋設部15とを、すなわち、左右の埋設部15同士を互いに近接させることができる。そして、互いに近接した埋設部15を被覆部16によって一体化するので、埋設部15同士の間隔が広い場合と比較して、埋設部16間の形状が、歪んだり撓んだりすることなく、安定し、精度の高い第1コネクタ1を形成することができる。さらに、埋設部15が延長端部14に対して偏心しているので、埋設部15を延長端部14の内側に出っ張るように形成することができる。そのため、被覆部16の端壁内面16dを形成する樹脂で、埋設部15の内側における第1凸部12側を覆うことができる。そうすると、一体化の強度が向上する。
【0095】
なお、前記第1の実施の形態と同様に、前記被覆部16は、必ずしも埋設部15の全体を被覆する必要はなく、左右の半体部10を結合するのに十分な程度に埋設部15を被覆すればよいが、結合力を最強とするためには、埋設部15の全体を被覆することが望ましい。
【0096】
また、前記被覆部16は、インサート成形によって他の部材と一体化するように形成される部材であって、他の部材から離間した状態で単独で存在するものではないが、説明の都合上、
図12においては、単独で存在するように描画されていることに留意されたい。
【0097】
さらに、本実施の形態における第1コネクタ1のその他の点の構成や製造方法、第2コネクタ101の構成、第1のコネクタ1と第2のコネクタ101との嵌合方法については、前記第1の実施の形態と同様であるので、説明を省略する。
【0098】
このように、本実施の形態において、第1コネクタ1は、各々が、第1ハウジング11と、第1ハウジング11に取付けられた複数の第1端子61とを含む半体部10と、各半体部10の第1ハウジング11同士が突合されて第1ハウジング11の両端に形成される第1突出端部18とを備える。そして、第1ハウジング11の各々は、第1次のインサート成形によって第1端子61と一体化された部材であり、その長手方向に延在し、第1端子61を保持する第1凸部12と、第1凸部12の長手方向両端に接続された埋設部15とを含み、第1突出端部18は、各第1ハウジング11の埋設部15の全体を被覆する被覆部16を含み、被覆部16は、第2次のインサート成形によって埋設部15と一体化された部材である。
【0099】
これにより、複数の第1端子61が取付けられた第1ハウジング11の第1凸部12同士の間隔を狭くすることができ、第1コネクタ1の小型化が可能となる。また、第1コネクタ1の製造が容易となるとともに、第1コネクタ1の信頼性が向上する。
【0100】
また、第1凸部12の長手方向両端には延長端部14が接続され、埋設部15は、延長端部14から延出する。さらに、各第1ハウジング11の埋設部15は、第1ハウジング11の長手方向に延在し、他の第1ハウジング11の埋設部15に対向する内側面15cを含み、互いに対向する内側面15c同士の間の空隙は被覆部16の成形材料によって充填されている。さらに、被覆部16は第1ハウジング11の長手方向中央側を向いた端壁内面16dを含み、端壁内面16dは、互いに対向する内側面15cが含む傾斜内側面15c2であって第1ハウジング11の長手方向に対して傾斜する埋設部15の傾斜内側面15c2に対向し、傾斜内側面15c2は被覆部16の成形材料によって覆われている。さらに、被覆部16は第1ハウジング11の長手方向に延在する左右両側の側面16sを含み、各第1ハウジング11の埋設部15は、第1ハウジング11の長手方向で前記内側面15cの反対側である外側に延在する外側面15bを含み、外側面15bは被覆部16の成形材料によって覆われている。さらに、埋設部15の五面が被覆部16によって被覆されている。これにより、左半体部10Aの埋設部15と右半体部10Bの埋設部15とが被覆部16によって強固に結合されて第1突出端部18が確実に構成され、左半体部10Aと右半体部10Bとが確実に結合される。
【0101】
なお、本明細書の開示は、好適で例示的な実施の形態に関する特徴を述べたものである。ここに添付された特許請求の範囲内及びその趣旨内における種々の他の実施の形態、修正及び変形は、当業者であれば、本明細書の開示を総覧することにより、当然に考え付くことである。例えば、端子の千鳥配置は規則的でなくてもよい。また、左右の半体部で端子の配置が同じ必要はない。さらに、左右の半体部が線対称でなくてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0102】
本開示は、コネクタに適用することができる。
【符号の説明】
【0103】
1 第1コネクタ
10A 左半体部
10B 右半体部
11 第1ハウジング
12 第1凸部
12a、111a 嵌合面
12b、14b、15b 外側面
12c、14c、15c 内側面
13、112a 凹溝部
14 延長端部
14a、15a、16a 上面
14b1 傾斜外側面
14b2 平行外側面
14d、15d、16b 下面
15 埋設部
15c1 平行内側面
15c2 傾斜内側面
15e 端面
16 被覆部
16c 外端面
16d 端壁内面
16e 延長被覆部
16s 側面
17 底板部
17a、111b 実装面
18 第1突出端部
51 第1補強金具
52 端壁外面覆部
52a、62、156、162 テール部
53 端壁内面覆部
54 上板
55 脚部
58 金具キャリア
58b、68b 切断部
61 第1端子
63 本体部
64 上端部
64a 埋込部
65、165 接触部
65a 接触凹部
68 端子キャリア
68a 接続腕
101 第2コネクタ
111 第2ハウジング
112 凹部
113 第2凸部
114 側壁部
115 第2端子収容キャビティ
115a 第2端子収容溝キャビティ
115b 第2端子収容孔キャビティ
121 第2突出端部
122 嵌合凹部
151 第2補強金具
152 第2本体部
153 側方覆部
154 接触側部
161 第2端子
165a 接触凸部
811 ハウジング
812 凸部
861 端子