(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-17
(45)【発行日】2023-05-25
(54)【発明の名称】アセンブリ接続用の相補締結要素を有するロボット
(51)【国際特許分類】
B25J 9/22 20060101AFI20230518BHJP
【FI】
B25J9/22 Z
(21)【出願番号】P 2021516799
(86)(22)【出願日】2019-09-06
(86)【国際出願番号】 EP2019073810
(87)【国際公開番号】W WO2020064302
(87)【国際公開日】2020-04-02
【審査請求日】2021-05-31
(32)【優先日】2018-09-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】518239787
【氏名又は名称】フルーツコア ロボティックス ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】fruitcore robotics GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】110000637
【氏名又は名称】弁理士法人樹之下知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】リエガー イェンス ローベルト
(72)【発明者】
【氏名】フレイ マヌエル トビアス
(72)【発明者】
【氏名】フッスル ヨハンネス
【審査官】杉山 悟史
(56)【参考文献】
【文献】実開昭62-015488(JP,U)
【文献】特開平10-166286(JP,A)
【文献】実開昭62-092179(JP,U)
【文献】特開2013-056419(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0129239(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0341226(US,A1)
【文献】米国特許第5540541(US,A)
【文献】中国実用新案第207710822(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25J 1/00 ~ 21/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1アセンブリ(4、5)と、
第2アセンブリ(3、6)と、を有し、
前記第1アセンブリ(4、5)は第1ロボットアームであり、前記第2アセンブリ(3、6)は第2ロボットアームであり、前記第2ロボットアームは、軸方向(A)に延出する旋回軸周りに旋回可能に前記第1ロボットアームに接続され、
前記第2ロボットアーム(3、6)を前記第1ロボットアーム(4、5)に対して移動可能にする軸受装置(24、25、52、53)が前記第1ロボットアーム(4、5)に設けられたロボット(1)であって、
前記軸受装置(24、25、52、53)は第1締結要素(26、27、54、55)と、ピボット軸受(36、37、66、67)を介して回転可能に取り付けられたシャフト(34、35、64、65)と、を備え、
前記第2ロボットアーム(3、6)は第2締結要素(30、31、60、61)を備え、
前記第1締結要素(26、27、54、55)又は前記第2締結要素(30、31、60、61)はレセプタクル(32、33、62、63)を形成し、前記第1締結要素(26、27、54、55)及び
前記第2締結要素(30、31、60、61)の他方は凸部(28、29、56、57)を形成し、締結の際、前記凸部(28、29、56、57)は挿入方向(E)に前記レセプタクル(32、33、62、63)に挿入可能であり、
前記凸部(28、29)は前記挿入方向(E)に円錐状または円弧状となるように形成され、
前記第1ロボットアーム(5)は一端に、平行かつ間隔をあけて延出する2つの顎部(22、23)を有して構成され、前記第2ロボットアーム(6)は前記顎部(22、23)の間に取り付けられ、回転可能に取り付けられた前記シャフト(34、35)は両顎部(22、23)において同軸に設けられるか、又は、
前記第2ロボットアーム(3)は一端に、平行かつ間隔をあけて延出する2つの顎部(58、59)を有して形成され、前記第1ロボットアーム(4)は前記顎部(58、59)の間に取り付けられ、前記第1ロボットアーム(4)に配置された前記シャフト(64、65)のうちの少なくとも1本の各端部は前記第1ロボットアーム(4)の両外側において同軸に設けられ、
前記ピボット軸受(36,37,66,67)に対して前記軸方向(A)のプレテンションを印加及び調整可能なブッシュ(42,43,68)が設けられていることを特徴とするロボット。
【請求項2】
請求項1に記載のロボットであって、前記凸部(28、29、56、57)に対して前記挿入方向(E)にプレテンションを加えることが可能なプレテンション要素(41)が設けられることを特徴とするロボット。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のロボットであって、前記レセプタクル(32、33)はガイドであり、前記凸部(28、29)はレールであることを特徴とするロボット。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のロボットであって、前記凸部(56、57)は少なくとも一部が目盛り環状になるように形成され、前記レセプタクル(62、63)は少なくとも一部が円弧状であることを特徴とするロボット。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のロボットであって、
前記第1締結要素(26、27、54、55)及び第2締結要素(30、31、60、61)は、前記軸方向(A)に対し略直角に互いに挿入可能なことを特徴とするロボット。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のロボットであって、前記シャフト(34、35)は旋回軸周りに回転可能となるように前記第1ロボットアーム(5)に取り付けられ、前記第1締結要素(26、27)は前記シャフト(34、35)に締結される、又は、前記シャフト(34、35)と一体的に構成されることを特徴とするロボット。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のロボットであって、少なくとも1本の
前記シャフト(34、35)は中空シャフトとして構成され、少なくとも1本のケーブル及び/又は少なくとも1本の締付ねじ(46、47)が前記中空シャフトの内部を貫通することを特徴とするロボット。
【請求項8】
ロボット(1)の2つのロボットアームである2つのアセンブリ(5、6)の取付方法であって、
一端に、平行かつ間隔をあけて延出する2つの顎部(22、23)を有して構成される第1ロボットアーム(5)に、回転可能に取り付けられたシャフト(34、35)が同軸に設けられた凸部(28、29)を設け、
第2ロボットアーム(6)にレセプタクル(32、33)を設け、
前記ロボットアーム(5)の前記顎部(22、23)の間に前記第2ロボットアーム(6)を取り付け、
前記凸部(28、29)は前記第1ロボットアーム(5)に対し旋回軸周りに回転可能であり、
前記凸部(28、29)を前記レセプタクル(32、33)に直線挿入方向(E)に挿入し、前記凸部(28、29)は前記挿入方向(E)に円錐状または円弧状となるように形成され、
前記凸部(28、29)を前記レセプタクル(32、33)内で締結し、
前記凸部(28、29)を前記レセプタクル(32、33)に挿入した後、前記旋回軸の複数の軸受(36、37)に対して別々にプレテンションを加えることを特徴とする方法。
【請求項9】
ロボット(1)の2つのロボットアームである2つの軸受装置(2、3、4)の取付方法であって、
第1ロボットアーム(4)に、前記第1ロボットアーム(4)に配置されたシャフト(64、65)のうちの少なくとも1本の各端部が両外側において同軸に設けられた凸部(
56、57)を設け、
一端に、平行かつ間隔をあけて延出する2つの顎部(58、59)を有して構成された第2ロボットアーム(3)にレセプタクル(62、63)を設け、
前記凸部(56、57)は前記第1ロボットアーム(4)に対し旋回軸周りに回転可能であり、
前記第2ロボットアーム(3)の前記顎部(58、59)の間に前記第1ロボットアーム(4)を取り付け、
前記凸部(56、57)を前記レセプタクル(62、63)に直線挿入方向(E)に挿入し、前記凸部(28、29)は前記挿入方向(E)に円錐状または円弧状となるように形成され、
前記凸部(56、57)を前記レセプタクル(62、63)内で締結し、
前記凸部(56、57)を前記レセプタクル(62、63)に挿入した後、前記旋回軸の複数の軸受(66,67)に対して別々にプレテンションを加えることを特徴とする方法。
【請求項10】
請求項8又は請求項9に記載の方法であって、前記凸部(28、29、56、57)を前記レセプタクル(32、33、62、63)内で締結する際、前記挿入方向(E)にプレテンションすることを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1アセンブリと第2アセンブリを備えるロボットであって、第2アセンブリを第1アセンブリに対して移動させることができる軸受装置が第1アセンブリに設けられたロボットに関する。また、本発明は、ロボットの2つのアセンブリ、特に2つのロボットアーム、の取付方法に関する。
【背景技術】
【0002】
組み立て時又はメンテナンス作業の一部として各ロボットのアセンブリを接続する際、軸受を組み立て時に挿入して設置しなければならないことが多い。このことは、互いに正確に位置決めされなければならない多くの個々の部品を伴う複雑な組立工程につながる。あるいは、2つのアセンブリの一方に軸受をしっかりと組み込んでもよい。しかしながら、これにはアセンブリを非常に正確に相対的に位置決めしなければならず、特に、各種アセンブリの回転軸を互いに正確に位置合わせする必要がある。その結果、難しい組立工程が同様に生じる。
【0003】
隣接するアセンブリの接続部材に締結された回転可能なディスクを有するサーボドライバを備える人型ロボット用のアームが、CN207710822Uで知られている。
【発明の概要】
【0004】
本発明は、ロボットの簡易化された組立工程を可能にしつつも、互いに相対移動可能なアセンブリの位置合わせにおいて高い精度を確保するという目的を有する。
【0005】
本発明は、第1アセンブリと、第2アセンブリとを有し、第2アセンブリを第1アセンブリに対して移動可能にする軸受装置が第1アセンブリに設けられたロボットを提供し、本発明によれば、軸受装置は第1締結要素を備え、第2アセンブリは第2締結要素を備え、第1及び第2締結要素は、特に取り外し可能に、互いに接続され、第1及び第2締結要素は一部が相補的になるように設計される。これにより、第1及び第2アセンブリは迅速かつ容易に互いに取り付け可能となる。各アセンブリは組立済みの構成要素として提供され、締結要素を用いて容易かつ迅速に接合されアセンブリ全体を形成してもよい。少なくとも一部が相補的な締結要素による締結により、遊びがない剛性の軸受装置をアセンブリの相対動作可能に実現することができ、さらにはアセンブリを互いに正確に位置合わせできる。
【0006】
特に軸受装置が第1アセンブリにすでに設置されていることから、2つのアセンブリの組立工程の際、追加部品はほとんどあるいは全く導入される必要がない。さらに、締結要素は一部が相補的であるため、2つのアセンブリ又は個々の締結要素をそれぞれ互いに複雑に位置合わせする手間を省くことができる。というのは、相補的な形状により締結要素の相対位置が互いに規定されるからである。また、これにより、特に軸受装置が特定の軸を中心とする旋回軸受装置である場合、締結要素しいてはアセンブリはセルフセンタリングが可能となる。
【0007】
軸受装置は、第1締結要素が第1アセンブリに回転可能に取り付けられるように構成されると有利である。この回転可能な軸受装置は、第1アセンブリに対し第2アセンブリを制御して回転させることができるように、特に駆動部が設けられてもよい。そのために、センサが軸受装置に設けられ、特にアセンブリの相対回転に関し、制御部にフィードバック信号を供給してもよい。
【0008】
一実施形態において、第1及び第2締結要素は互いに挿入されてもよい。特に、相補面が互いに接触するまで締結要素が互いに挿入されてもよい。例えば、所望の位置に挿入性を規制するストッパが設けられてもよい。
【0009】
第1又は第2締結要素はレセプタクルである又はレセプタクルを形成し、第1及び第2締結要素の他方は凸部であり、締結用の凸部はレセプタクルに挿入方向に挿入されると有利である。それらの相補形状により、凸部及びレセプタクルは、遊びのない嵌合及び締結要素の正確な位置決めを可能にする。特に、第1締結要素はレセプタクルを形成し、第2締結要素は凸部を形成する。他の実施形態では、第2締結要素はレセプタクルを形成し、第1締結要素は凸部を形成する。凸部は、特に各アセンブリの側面又は内面を超えて突出し、他の実施形態では、凸部は凹状の領域に設けられてもよい。
【0010】
ある実施形態では、凸部に対し挿入方向にプレテンションを加えることが可能なプレテンション要素が設けられる。プレテンション要素は、特に、凸部に対するプレテンションを伴って動作する、プレテンションプレート、プレテンションスリーブ、又はプレテンションブラケットである。プレテンションは例えば、弾性要素、ねじ、又はクリップによって構成されてもよい。特に、プレテンション要素はレセプタクルの相補形状を完全にし、レセプタクルとプレテンション要素が周方向に凸部に対し略相補的となる。プレテンション要素により、特に締結要素を正確に位置決めするとともに、互いに堅固に保持することが可能となる。
【0011】
レセプタクルは、特にガイドであってもよく、凸部はレールであってもよい。相補形状は、挿入方向に沿った自由な位置決めが可能になるよう、例えば挿入方向に垂直な面にのみ存在してもよい。しかしながら、あるいは、挿入方向のガイドとレールの位置決めを一意的に規定するストッパ又は他の同様な相補形状が設けられてもよい。
【0012】
一実施形態において、凸部は少なくとも一部が目盛り環状になるように形成され、レセプタクルは少なくとも一部が円弧状になるように形成される。そして、目盛り環状の凸部と円弧状の相補的なレセプタクルが互いに接触すると、これにより主に締結要素又はアセンブリ間の互いの並進的な位置決めがそれぞれ規定され、その際回転による微調整がなお可能であってもよい。しかしながら、あるいは、さらに回転位置を規定するストッパが設けられてもよい。ストッパは、特に円弧の周方向から外れるように延出する当接面によって、例えば、円弧に直接接する接線方向の面によって形成されてもよい。
【0013】
一実施形態において、凸部は挿入方向に円錐状となるように形成されてもよい。これにより、対応するように構成された相補的なレセプタクルに凸部を容易に挿入することができ、それらが互いに完全に接触すると凸部がレセプタクルに堅固に嵌合される。また、レセプタクルにおける凸部の位置は予め正確に定められる。
【0014】
一実施形態において、第1アセンブリは第1ロボットアームであり、第2アセンブリは第2ロボットアームであり、第2ロボットアームは、軸受の軸方向に延出する旋回軸周りに旋回可能に第1ロボットアームに接続される。あるいは、第1アセンブリ又は第2アセンブリはロボットのベース又はグリッパでもよく、第1及び第2アセンブリの他方はロボットアームでもよく、各アセンブリはそれぞれ相対的に回転又は旋回可能に互いに接続される。こうして本発明に係る取り外し可能な締結を、ロボットの全ての構成要素又はアセンブリそれぞれの間に用いることができ、このような用途はロボットの軸において有利である。
【0015】
特に、締結要素は旋回軸に略直角に互いに挿入されてもよい。これにより、ロボットアームの省スペース化及び人間工学的な搭載性が実現される。
【0016】
軸受装置は、旋回軸周りに回転可能となるように第1ロボットアームに取り付けられる少なくとも1本のシャフトを備え、第1締結要素はシャフトに締結される、又は、シャフトと一体になって一体的に形成され、第2締結要素は第2ロボットアームに設けられると有利である。こうして第1締結要素はシャフトと共回転することができ、その結果、第1ロボットアームに対する第2ロボットアームの動作が実現又は実施可能となる。このために、回転可能に取り付けられたシャフトは、特に、駆動され、かつ/又は、回転センサを設けられてもよく、これにより互いに相対的な各ロボットアームの制御動作が可能となる。レセプタクルが少なくともある一部においてシャフトに相補的な形状を示す場合、第1締結要素とその凸部は、特にシャフトによって形成されてもよい。このことはシャフトの直径が大きい場合や中空シャフトの場合に特に有益である。というのは、力嵌め接続によりシャフトとレセプタクルとの間の相対回転を確実に防止できるからである。
【0017】
一実施形態において、ロボットアームは一端に、平行かつ間隔をあけて延出する2つの顎部を有して構成され、第2ロボットアームはこれらの顎部の間に取り付けられ、回転可能に取り付けられたシャフトは両顎部において同軸に設けられる。こうして、第2ロボットアームを配置・締結できる領域が顎部の間に設けられる。
【0018】
第1締結要素は回転可能に取り付けられた各シャフトに設けられ、第2ロボットアームの両側で締結要素に係合可能だと有利である。特に、シャフトの片側又は両側は、プレテンションをシャフトの軸受装置それぞれに加えるため軸方向に変位可能である。各シャフトは1つのそれぞれのピボット軸受だけでは支持可能だが静的に規定されないため、2本のシャフトと第2ロボットアームを備え、静的に規定されるように取り付けられた回転体は第2ロボットアームを設けることによって初めて形成される。こうして、第2ロボットアームと各シャフトは、関節回転体を形成することができる。したがって、各シャフトはそれぞれ1つの軸受で取り付けられているに過ぎず、各シャフトの規定された取付は第2ロボットアームを導入し締結することによって初めて可能となる。あるいは、1本につき2つのピボット軸受、又は、例えば2列アンギュラ玉軸受といった、特に、軸方向に互いに隣り合って配置された2セットの転がり要素を有する複列ピボット軸受でも、両シャフトを静的に規定されるように取り付けることが可能である。
【0019】
別の実施形態では、第2ロボットアームは一端に、平行かつ間隔をあけて延出する2つの顎部を有して構成されてもよく、第1ロボットアームはこれらの顎部の間に取り付けられ、第1ロボットアームに回転可能に取り付けられた少なくとも1本のシャフトの2つの端部は第1ロボットアームの両外側において同軸に設けられる。特に、第1ロボットアームに回転可能に取り付けられたシャフトは一体的に構成、又は、ロボットアームの両外側それぞれに互いに独立して設けられた2本のシャフトを備えてもよい。後者の場合、各シャフトを第2ロボットアームに締結するだけで、それぞれのシャフトを静的に規定されるように再度取り付けることできる。
【0020】
少なくとも1本のシャフトは中空シャフトとして構成され、少なくとも1本のケーブル及び/又は少なくとも1本の締付ねじが中空シャフトの内部を貫通していると有利である。これにより、コンパクトな設計が可能になると共に、各種モータの作動、センサの読み出し、及び/又は、エンドエフェクタの電力供給や制御のために設けられうるケーブルの保護が可能となる。
【0021】
したがって、本発明によれば、軸受のプレテンションを容易に調整可能である。さらに、本発明に係る構成で回転動作の規制を防止することができる。アセンブリの締結はメンテナンス不要であり、他の構成要素をメンテナンスする際に容易に分解でき、その後組み立て直すことができる。さらに、軸受のプレテンションが設定可能であり、その後稼働寿命にわたって持続する。本発明に係るモジュール同士の締結も高度な剛性を特徴とする。
【0022】
第1及び/又は第2アセンブリは、いくつかの平行板同士がスペーサと共に接着された板構造として構成されると有利である。スペーサは特に平行板に直角に配置されるさらに別の板からなってもよい。特に、平行板及びそれらに直角に配置される板はスロット歯部で接続される。1つのアセンブリに対し2枚の板が互いに平行にスペーサで締結されてもよく、締結要素は軸方向外側で板間又は板に設けられる。アセンブリが間隔をあけて延出する顎部を有して構成される場合、4枚の平行板が顎部の側方境界を形成するように設けられてもよい。その場合、締結要素はそれぞれ内側の板間又はその内側に設けられてもよい。あるいは、顎部は各々1枚の板のみで形成されてもよい。さらに、板間の解放側を覆うためにカバー要素が用いられる。カバーは、特に板に直角に配置される。その場合、板を用いることによって、特にロボットアームの形状をしたアセンブリの内側の輪郭だけでなく外側の輪郭も両方規定してもよい。
【0023】
本発明はさらに、ロボットの2つのアセンブリ、特に2つのロボットアームの取付方法であって、第1アセンブリに凸部を設け、第2アセンブリにレセプタクルを設け、凸部は第1アセンブリに対し、又は、レセプタクルは第2アセンブリに対し、旋回軸周りに回転可能である方法に関する。本発明によれば、凸部はレセプタクル内に直線挿入方向に挿入され、凸部はレセプタクル内で締結される。
【0024】
凸部をレセプタクル内で締結することは、特に挿入方向に直角に延出するねじによって行われてもよい。その際、レセプタクル及び凸部に設けられた円形の開口又は孔が互いに位置合わせされる。特に、ストッパ又は他の相補締結要素が位置合わせに用いられてもよい。
【0025】
凸部をレセプタクル内で締結する際、特に挿入方向にプレテンションする。その際、凸部はレセプタクルに相補的になるように構成されてもよく、プレテンションにより相補的な構成要素が嵌合するように互いに押し込まれ、堅固な嵌合が所定の位置で得られてもよい。さらに、プレテンションにより遊びの解消が得られる。さらに、しかしながら、凸部を旋回軸の軸方向に挿入後、ピボット軸受をプレテンションするために、さらにプレテンションを加えることも可能である。
【0026】
本発明に係る方法の場合、各アセンブリを予め組み立てておき、互いに押し付けられて締結するだけで組み付けられるようにしてもよい。この際、旋回軸のための軸受は、特に予めプレテンションされて提供されてもよく、そうでない場合は、特にレールの形状の凸部が、特にレセプタクルの形状のガイドに接続された後に、別々にプレテンションされてもよい。
【0027】
次に、以下の図で表される実施形態を用いて本発明をさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】本発明の一実施形態に係る、接続されたアセンブリからなるロボットを示す。
【
図2】本発明に係るロボットの一実施形態における、接続前の2つのアセンブリの斜視図を示す。
【
図4】軸受装置の領域における、
図3に係る第1及び第2アセンブリを通る断面図を示す。
【
図5】凸部の形状をした軸受の第1締結要素を示す。
【
図6】接続前の本発明に係るロボットの一実施形態における2つのアセンブリの斜視図を示す。
【
図7】接続状態の
図6のアセンブリを通る断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図1に示すロボット1は、互いに締結されるいくつかのアセンブリ、すなわち、垂直軸周りに回転可能なベース2と、ピボットアーム3と、上側支持アーム4と、下側支持アーム5と、多関節アーム6とを備える。後述のアーム3、4、5、6は、シリアルキネマティックに従って順に配置される。
【0030】
図示されるロボット1は6軸ロボットである。ベース2の回転のための垂直軸はロボット1の第1軸を表す。ロボット1の第2軸を規定する第1関節7は、ベース2とピボットアーム3の間に設けられる。ロボット1の第3軸を規定する第2関節7は、ピボットアーム3と上側支持アーム4の間に設けられる。ロボット1の第4軸を規定する第3関節9は、上側支持アーム4と下側支持アーム5の間に設けられる。第3関節9の回転軸は支持アーム4、5の延出方向にあるため、支持アーム4、5はそれ自体が回転可能である。ロボット1の第5軸を規定する第4関節10は、支持アーム5と多関節アーム6の間に設けられる。グリッパ(図示されず)又は異なる作業要素の形状のエンドエフェクタは、多関節アーム6に対してロボット1の第6軸周りに回転可能である。
【0031】
関節7、8により、ピボットアーム3及び支持アーム4、5は、それぞれロボット1の略水平な第2及び第3軸周りに旋回可能である。第3及び/又は第4関節9、10の駆動モータは、純粋なシリアルキネマティックを有する場合と同様に、直接又はギアを介して関節に設けられる。ギアは駆動ベルトでもよい。
【0032】
第1関節7及び第2関節8のための駆動動作はそれぞれ、4節リンク機構11、12、13、及び14を介して伝達される。
【0033】
第1の4節リンク機構11及び第2の4節リンク機構12は、後者がベース2に対して旋回できるように、ピボットアーム3に駆動動作を伝達するため直列に配置される。第1の4節リンク機構11は、
図1ではベース2に隠れているが、第1駆動モータによって旋回可能であるとともにリンク15に関節で繋がっており、第1の4節リンク機構11のリンク15を駆動する第1クランクを備える。リンク15は、第1の4節リンク機構11のロッカアーム16に関節で繋がり、それを駆動する。それと同時に、ロッカアーム16は第2の4節リンク機構12のクランクを形成し、第2の4節リンク機構12のリンク17に関節で繋がり、それを駆動する。第2の4節リンク機構12のロッカアーム18は、ピボットアーム3に強固に接続しており、後者の旋回動作時に一緒に共回転する。ロッカアーム18及びピボットアーム3は一体的に形成されてもよい。特に、ロッカアーム18及びピボットアーム3は、第1関節7に対してロッカを形成する。第1の4節リンク機構11のクランクは、軸方向に変位不可に駆動シャフトを介してベース2のモータ又はギアにフランジ取付されてもよい。また、ギアは駆動ベルト等でもよい。同様に、ロッカアーム16は軸方向に変位不可となるようにベース2に取り付けられてもよい。ひいては、関節7におけるロッカアーム18の軸受装置も軸方向に変位不可であってもよい。
【0034】
支持アーム4、5をピボットアーム3に対して旋回させるための駆動動作は、第3の4節リンク機構13及び第4の4節リンク機構14を介して、ベース2の第2駆動モータによって支持アーム4、5に伝達される。第2駆動モータは、ベース2の内部に配置されているため
図1で視認できないが、第3の4節リンク機構13のリンク19に関節で繋がっており、それを駆動する、第3の4節リンク機構13のクランクを旋回させる。リンク19は、第3の4節リンク機構13のロッカアーム20に関節で繋がり、それを駆動する。それと同時に、ロッカアーム20は、第4の4節リンク機構14のリンク21に関節で繋がり、それを駆動する、第4の4節リンク機構14のクランクである。ロッカアーム22及び支持アーム4は、第2関節7に対してロッカ状に強固に接続する。特に、第4の4節リンク機構14のロッカアーム22は上側支持アーム5と一体的に形成される。第1の4節リンク機構13のクランクは、軸方向に変位不可となるように、ベース2のモータ又はギアに駆動シャフトを介してフランジ取付されてもよい。ギアは駆動ベルト等でもよい。ロッカアーム20は、軸方向に変位不可となるように、ピボットアーム3に取り付けられてもよい。ひいては、第2関節8におけるロッカアーム22の軸受装置も軸方向に変位不可であってもよい。
【0035】
図2から
図5に示されるように、下側支持アーム5は、本発明に係るロボット1の一実施形態に係る多関節アーム6の形状の第2アセンブリに接続される第1アセンブリを形成しており、下側支持アーム5における多関節アーム6は旋回軸周りに軸方向Aに旋回可能である。
【0036】
下側支持アーム5は、第1締結要素26、27を旋回軸周りに軸方向Aに回転可能にする軸受装置24、25がそれぞれ設けられた外側顎部22、23を備える。第1締結要素26、27は凸部28、29を形成する。多関節アーム6は、軸方向Aの外側にそれぞれ、レセプタクル32、33として構成される第2締結要素30、31を備える。凸部28、29の領域における第1締結要素26、27は、第2締結要素30、31のレセプタクル32、33に相補的となるように構成される。したがって、
図3に示されるように、凸部28、29は、多関節アーム6を下側支持アーム5に接続する際、レセプタクル32、33にぴったりとはまるように配置されてもよい。
【0037】
図4の断面図によれば、第1締結要素26、27は、下側支持アーム5の顎部22、23に回転可能に取り付けられたシャフト34、35に配置される。シャフト34、35は互いに位置合わせされており、軸方向Aに同軸回転可能である。シャフト34、35はそれぞれ、顎部22、23の軸方向外側付近にあるピボット軸受36、37、特に、アンギュラ転がり軸受に支持される。顎部22、23の軸方向内側にはそれぞれ筒状開口38、39が設けられており、その中をシャフト34、35が顎部22、23の内部に向かって軸方向に突出している。第1締結要素26、27は、シャフト34、35の軸方向内端に、すなわち、特に、シャフト34、35の対向側の円周に沿ってシャフト34、35及び第1締結要素26、27に設けられた、
図5に示される円形の開口40を介してねじ止めすることにより締結される。
【0038】
凸部28、29がレセプタクル32、33に完全に挿入されると、プレテンションプレートの形状のプレテンション要素41がねじによって多関節アーム6に設けられ、第1締結要素26、27が第2締結要素30、31のレセプタクル32、33に挿入方向Eに押し込まれる。特に、プレテンション要素41は凸部28、29の対向面に接触しているが、凸部28、29に対して挿入方向Eに力を加えるだけでなく、軸方向Aへの凸部28、29の固定及び/又はプレテンションを確実にするために、例えば段差の形状の相補的構成を設けてもよい。
【0039】
軸受ブッシュ42、43がシャフト34、35の軸方向外端の領域に設けられ、少なくとも軸方向Aにピボット軸受36、37の位置を規定してもよい。特に、軸受ブッシュ42、43の位置は、ピボット軸受36、37のプレテンションを調整するために軸方向Aに設定されてもよい。このことは、シャフト34、35が多関節アーム6と共に一体的に回転可能なユニットをなすという理由で可能である。特に、軸受ブッシュ42、43の軸方向位置が軸受ブッシュ42、43を下側支持アーム5に締付するねじ44、45によって調整されることによって軸方向Aのプレテンションが設定されてもよい。特に、軸受ブッシュ42、43は下側支持アーム5の片側のみに設けられてもよく、ピボット軸受36は位置調整できないように支持アーム5における反対側に直接受け止められてもよい。
【0040】
第1締結要素26、27を第2締結要素30、31に締結する際、シャフト34、35の中心を延出し、第2締結要素30、31にねじ込まれる締付ねじ46、47がさらに設けられてもよい。こうして、シャフト34、35と、第1締結要素26、27と、第2締結要素30、31との間に遊びがない軸方向の堅固な接続が実現されてもよい。特に、締付ねじ46、47は、第1締結要素26、27の開口48、49を貫通する。第1締結要素26、27はさらに、シャフト24,25における軸方向内端の外径に対応する内径を有する円周ウェブ50、51を備え、これにより第1締結要素26、27に対するシャフト24、25の堅固な接続が強化される。
【0041】
したがって、下側支持アーム5と多関節アーム6の接続は、外側に配置された、下側支持アーム5の形状のアセンブリが、それぞれレールとなる凸部28、29を有する第1締結要素26、27を備えるように構成される。多関節アーム6の形状の内側に配置されたアセンブリは、第2締結要素30、31を備え、それらのレセプタクル32、33はガイドを形成する。第1締結要素26、27は、別個の構成要素として構成され、アセンブリが取り付けられると、シャフト34、35に強固に接続される。シャフト34、35は中空シャフトとして構成される。例えば、前述の実施形態で述べたように、ケーブル及び/又は締付ねじ46、47は、中空シャフトを貫通してもよい。凸部28、29がレセプタクル32、33に挿入された後、締付ねじ46、47は各アセンブリを接続する。あるいは、又は、さらに、凸部28、29は、挿入方向Eにプレテンション力を加えるプレテンション要素41によってレセプタクル32、33に規定されてもよい。さらに、2つのアセンブリ5、6が接続されると、軸受装置24、25は、軸受用受ブッシュ42、43によって軸方向Aにプレテンションされてもよい。これによっても、アセンブリ5、6を互いに位置合わせすることができる、又は、軸受ブッシュ42、43が両側に設けられる場合、アセンブリの位置を軸方向Aに調整することができる。レセプタクル32、33は、ねじによる締結によってもたらされる力嵌め接続(Kraftschluss(force-fit connection))に加え、アセンブリ5、6を互いに正確に位置合わせする組み立て時に押込み嵌め接続(Formschluss(positive-fit connection))されるように、円錐形に形成される。
【0042】
本発明に係るロボットにおける、
図2から
図5で説明される2つのアセンブリの接続は、ロボット1の第4関節10のアセンブリである下側支持アーム5と多関節アーム6の間に設けるだけでなく、ロボット1の他の関節や他のタイプのロボットに設けられてもよい。特に、対応する構成が、アセンブリであるピボットアーム3をアセンブリであるベース2に締結するためにロボットの第1関節7に設けられてもよく、アセンブリである上側支持アーム4をアセンブリであるピボットアーム3上に締結するためにロボット1の第2関節8に設けられてもよく、又は、上側支持アーム4と下側支持アーム5の間の第3関節9に設けられてもよい。第3関節9の構成によれば、特に、凸部が1つだけ上側又は下側支持アーム4、5に設けられ、レセプタクルが1つだけ上側及び下側支持アーム4、5の他方に設けられる。
【0043】
ロボット1におけるアセンブリの別の締結が、上側支持アーム4の形状の第1アセンブリをピボットアーム3の形状の第2アセンブリに締結する例を用いて、
図6から
図8に示される。上側支持アーム4にはその両側に、内向きの凸部56、57を形成する第1締結要素54、55を備える軸受アセンブリ52、53が設けられる。
【0044】
ピボットアーム3の形状の第2アセンブリは、レセプタクル62、63が設けられた第2締結要素60、61に相当する、平行に延出する2つの顎部58、59を備える。
【0045】
図7の断面図に示されるように、各凸部56、57はそれぞれ関連付けられたレセプタクル62、63に挿入される。そして、第1締結要素54、55及び第2締結要素60、61は一緒にねじ止めされてもよい。軸受アセンブリ52、53はそれぞれ、上側支持アーム4に固定して接続され、かつ、ピボット軸受66、67を介して第1締結要素54、55が回転可能に取り付けられたシャフト64、65を備える。軸方向Aのピボット軸受66、67のプレテンションを調整可能なプレテンションブッシュ68が片側又は両側に設けられてもよい。
【0046】
第1締結要素55は
図8における軸方向Aの上面図に示される。その下側領域にある凸部57は目盛り環状に実体化されており、したがって、円弧としてのレセプタクル63の構成に対し相補的である。さらに、凸部は、第2締結要素61の当接面70に当接することにより、ストッパとして凸部57とレセプタクル63の相対回転を防ぐ、
図8に示される当接面69を備えてもよい。当接面69、70は接線方向に延出、又は、円弧の円周方向に対して角度をなして延出する。
【0047】
図6から
図8に係る実施形態において、凸部56、57は、上側支持アーム4の形状の内側アセンブリ上の外側領域に延出する。特に、凸部56、57は、軸方向外側に配置された第1締結要素54、55上の軸方向内側に設けられる。シャフト64、65は、連続シャフトが代わりに設けられてもよいが、それぞれ中実シャフトとして別個に構成される。締結要素54、55、60、61が一緒に摺動すると、アセンブリ3及び4はねじ接続によって外側から締結される。そして、軸受装置がプレテンションブッシュ68によってプレテンションされてもよい。これによっても、各アセンブリを互いに位置合わせすることができる。位置決めは、締結要素54、55におけるピボット軸受66、67の軸受座によって実施される。レセプタクル62、63は、力嵌め接続に加え、アセンブリ同士を正確に位置合わせする押込み嵌めが取付工程時のねじを用いた締結作業により生じるように、一部が円弧として実現されるガイドである。締付ねじは、外側から第1締結要素54、55を介して、軸方向Aに第2締結要素60、61にねじ込まれる。
【0048】
凸部56、57は、円弧と直線上の当接面69の組み合わせとして構成される。円弧の押込み嵌めにより、軸と当接面69の正確な位置決めが確保され、回転防止ロックを実現する。
【0049】
図6から
図8に示される2つのアセンブリの締結は、ロボット1の第2関節8以外の関節で用いられてもよく、また、他のロボットに用いられてもよい。特に、対応する締結がアセンブリであるベース2とアセンブリであるピボットアーム3の間にあるロボット1の第1関節7、上側支持アーム4と下側支持アーム5の間にある第3関節9、又は、下側支持アーム5と多関節アーム6の間にあるロボット1の第4関節10に用いられてもよい。
【0050】
レセプタクル及び凸部は、押込み嵌めによって位置合わせ可能な任意の相補形状をとってもよい。前述の実施形態では、円錐形に先細る形状や目盛り環形状が例としてすでに示された。さらに、ダブテールガイド等が用いられてもよい。凸部とレセプタクルの押込み嵌め及び/又は力嵌めは、レセプタクル又は凸部が機械的に広げられて又はクランプされることによって組み立て時にのみ設定されてもよい。
【0051】
締結要素の締結は、先の実施形態のようにねじ接続によって実施されてもよい。しかしながら、ねじ接続を行わず、クランプ力だけで凸部をレセプタクルに取り付けてもよい。この際、凸部は、特に、レセプタクルに押し込まれてもよい。さらに別の可能性としては、接着により永久的な接続が行われてもよい。しかしながら、その場合、締結要素が取り外し可能に締結された実施形態とは対照的に、単純には分解されない。
【0052】
軸受装置のシャフトに接続された締結要素が強固に接続されると有利である。実施形態において、凸部の形状をした各締結要素は、シャフトに堅く接続された。しかしながら、あるいは、レセプタクルの形状をした締結要素がシャフトに堅く接続されてもよい。前述の実施形態のように、シャフト及び締結要素は、互いに締結される別個の構成要素として構成されてもよいし、一体的な構成要素からなってもよい。
【0053】
軸受装置が予め形成され、アセンブリでプレテンションされてもよい。または、前述の実施形態で示されるように、締結要素が締結された後でのみ、プレテンションが行われてもよい。好適なタイプの軸受がピボット軸受全てに用いられてもよく、例えば、任意のタイプの転がり軸受及び/又は滑り軸受が挙げられる。特に、軸受装置は、第1及び第2締結要素が締結された後でのみ静的に規定される。それ以前は、軸受装置は規定されなくてもよい。
【0054】
図2から
図5の第1実施形態によれば、軸受装置は第1アセンブリ5の軸方向外側の顎部22、23に設けられ、第1締結要素26、27は凸部28、29として、第2締結要素30、31はレセプタクル32、33として、内側の第2アセンブリの軸方向両外側に構成される。
【0055】
図6から
図8に係る実施形態において、軸受装置は、第2アセンブリ3の2つの顎部58、59内に軸方向に配置される第1アセンブリ4に設けられる。第1締結要素54、55は、第1アセンブリ4に対し回転可能、かつ、第2アセンブリ3の顎部58、59のレセプタクル62、63に受け入れられる凸部56、57として構成される。
図7によれば、第1締結要素54、55は、シャフト64、65に対して回転可能に取り付けられる。しかしながら、あるいは、シャフト64、65が第1アセンブリ4に対して回転可能に取り付けられてもよく、第1締結要素54、55がシャフト64、65に固定して配置されてもよい。このことは、2つの個別のシャフト64、65の代わりに連続したシャフトを用いた設計において特に有利である。
【0056】
さらに別の実施形態では、レセプタクルが、第1締結要素として、すなわち第1アセンブリの軸方向外側か、第1アセンブリによって形成されうる顎部内の軸方向両内側に、回転可能に取り付けられてもよい。
【0057】
本発明によれば、2つのロボットアセンブリは、レセプタクル(例えばガイド)と凸部(例えばレール)からなるシステムを用いて設計されてもよい。その場合、レセプタクルは一方のアセンブリの一部であり、凸部は他方のアセンブリの一部である。一般に、2つの凸部が一方のアセンブリに設けられ、2つのレセプタクルが他方のアセンブリに設けられ、互いに挿入される。しかしながら、あるいは、一方のアセンブリにレセプタクルを1つだけ設け、他方のアセンブリに凸部を設けることも可能である。特に、一方のアセンブリは他方のアセンブリ内の一部に設けられる。その場合、凸部は外側アセンブリの内側か内側アセンブリの外側のいずれかに設けられてもよく、ガイドがその代わりにそれぞれ内側アセンブリの外側か外側アセンブリの内側に設けられてもよい。凸部かレセプタクルのいずれかが各々のアセンブリに対して回転可能でもよい。つまり、2つの締結要素の一方である凸部又はレセプタクルが回転可能に取り付けられ、そのためにアクシスベアリングを含むと有利である。アクシスベアリングは2つのアセンブリが接合する前に静的に規定されてもよいし、あるいは、まだ静的に規定されず、2つのアセンブリが組み立てられて初めて静的に規定されてもよい。