(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-17
(45)【発行日】2023-05-25
(54)【発明の名称】経腸デバイスまたは他の輸液デバイスにおいて残っている液体を送達する方法
(51)【国際特許分類】
A61M 5/142 20060101AFI20230518BHJP
【FI】
A61M5/142 530
A61M5/142 504
(21)【出願番号】P 2021553804
(86)(22)【出願日】2020-03-18
(86)【国際出願番号】 US2020023240
(87)【国際公開番号】W WO2020197867
(87)【国際公開日】2020-10-01
【審査請求日】2021-11-04
(32)【優先日】2019-03-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502300657
【氏名又は名称】ゼヴェクス・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100172041
【氏名又は名称】小畑 統照
(72)【発明者】
【氏名】ジューリッヒ,ジェフリー・ティー
(72)【発明者】
【氏名】ガイスラー,ジェフリー・ディー
(72)【発明者】
【氏名】ベーコン,ジョン
(72)【発明者】
【氏名】スローン,デビッド
【審査官】上石 大
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-520001(JP,A)
【文献】特表2013-538644(JP,A)
【文献】特表2003-505211(JP,A)
【文献】特表平07-503396(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0263855(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 5/142
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の治療プロトコルに従って患者に液体を送達するためのポンプ送りシステムであって、
前記液体の源と、
前記液体を前記源から前記患者に運ぶための投与セットであって、管類切片、前記源から前記管類切片に連通する上流側管類、および前記管類切片から前記患者に連通する下流側管類を含む、投与セットと、
前記管類切片に係合するように配置されたポンプ送り機構であって、少なくとも1つのポンプ送り部材、前記少なくとも1つのポンプ送り部材を作動させて、前記上流側管類から前記下流側管類に向かう方向に、前記液体を前記管類切片に押し通すように前記管類切片を蠕動式に変形させるのに使用可能なモータ、および前記モータに制御コマンドを与えるモータコントローラを含む、ポンプ送り機構と、
前記モータコントローラに接続されたプロセッサと、
前記投与セットおよび/または前記液体源に対応付けられた少なくとも1つのセンサであって、治療終了状態を示す治療終了信号を発し、前記治療終了信号が前記プロセッサに送信される、少なくとも1つのセンサと、
前記プロセッサによって実行可能な格納されたプログラム命令を含む少なくとも1つのメモリモジュールであって、前記プログラム命令が、前記モータを作動させて、前記ポンプ送り機構の動作を制御する、少なくとも1つのメモリモジュールと、を備え、
前記格納されたプログラム命令が、前記プロセッサが前記治療終了信号を受信した後、前記ポンプ送り機構を水洗モードで作動させて、前記下流側管類内にある残留液体を前記患者に送達するように前記プロセッサによって実行可能な水洗モードルーチンを含
み、
前記水洗モードルーチンの実行が、ユーザ入力行為に応答して開始され、
前記水洗モードルーチンの実行により、前記ポンプ送り機構の作動が前記治療終了信号に応答して止められた後、前記下流側管類に残っていると予測される液体量に対応する所定の量以下の液体が送達され、
前記水洗モードルーチンの実行により、前記所定の液体量の1つ目の増分が送達され、次に前記ポンプ送り機構の作動が一時停止され、前記所定の液体量のさらなる増分の送達が次のユーザ入力行為に応答して開始される、ポンプ送りシステム。
【請求項2】
前記ポンプ送り機構、前記プロセッサ、および前記少なくとも1つのメモリモジュールが、複数のキーまたはボタンを有するユーザインターフェースを含む輸液ポンプの一部であり、前記ユーザ入力行為が、前記キーまたはボタンのうちの1つを押すことである、請求項
1に記載のポンプ送りシステム。
【請求項3】
前記プロセッサに接続されたディスプレイをさらに備え、前記格納されたプログラム命令が、前記ポンプ送り機構の作動を止め、前記ディスプレイにおいて前記ユーザ入力行為に対してプロンプトを与えるように前記プロセッサによって実行可能な治療終了ルーチンを含み、前記治療終了ルーチンが前記治療終了信号に応答して実行される、請求項
1に記載のポンプ送りシステム。
【請求項4】
前記水洗モードルーチンの終了がユーザ入力取り消し行為に応答して実施される、請求項
1に記載のポンプ送りシステム。
【請求項5】
前記水洗モードルーチンの実行により、ユーザ入力一時停止行為に応答して前記ポンプ送り機構の作動が一時停止される、請求項
1に記載のポンプ送りシステム。
【請求項6】
前記少なくとも1つのセンサとしては、前記管類切片に対応付けられたエア-イン-ラインセンサが挙げられる、請求項1に記載のポンプ送りシステム。
【請求項7】
前記少なくとも1つのセンサとしては、前記液体源に対応付けられた液面センサすなわち液体量センサが挙げられる、請求項1に記載のポンプ送りシステム。
【請求項8】
所定の治療プロトコルに従って患者に液体を送達するためのポンプ送りシステムであって、
前記液体の源と、
前記液体を前記源から前記患者に運ぶための投与セットであって、管類切片、前記源から前記管類切片に連通する上流側管類、および前記管類切片から前記患者に連通する下流側管類を含む、投与セットと、
前記管類切片に係合するように配置されたポンプ送り機構であって、少なくとも1つのポンプ送り部材、前記少なくとも1つのポンプ送り部材を作動させて、前記上流側管類から前記下流側管類に向かう方向に、前記液体を前記管類切片に押し通すように前記管類切片を蠕動式に変形させるのに使用可能なモータ、および前記モータに制御コマンドを与えるモータコントローラを含む、ポンプ送り機構と、
前記モータコントローラに接続されたプロセッサと、
前記投与セットおよび/または前記液体源に対応付けられた少なくとも1つのセンサであって、治療終了状態を示す治療終了信号を発し、前記治療終了信号が前記プロセッサに送信される、少なくとも1つのセンサと、
前記プロセッサによって実行可能な格納されたプログラム命令を含む少なくとも1つのメモリモジュールであって、前記プログラム命令が、前記モータを作動させて、前記ポンプ送り機構の動作を制御する、少なくとも1つのメモリモジュールと、を備え、
前記格納されたプログラム命令が、前記プロセッサが前記治療終了信号を受信した後、前記ポンプ送り機構を水洗モードで作動させて、前記下流側管類内にある残留液体を前記患者に送達するように前記プロセッサによって実行可能な水洗モードルーチンを含み、
前記ポンプ送りシステムは、前記下流側管類の遠位端に対応付けられ、前記プロセッサに接続されたエア-イン-ラインセンサであって、所定の閾値空気量が前記エア-イン-ラインセンサによって検出されると、前記水洗モードルーチンの実行が自動的に終了される、エア-イン-ラインセンサをさらに備える
、ポンプ送りシステム。
【請求項9】
前記水洗モードルーチンの実行により、前記水洗モードの実行が終了していない限り、1回の途切れのない送達において前記所定の液体量全体が送達される、請求項8に記載のポンプ送りシステム。
【請求項10】
ポンプ送りシステムにより、所定の治療プロトコルに従って患者に液体を送達する方法であって、
前記ポンプ送りシステムのプロセッサにより実行され、
投与セットを用いて液体源から前記患者に前記液体を送達するように、前記所定の治療プロトコルに従ってポンプ送り機構を自動的に作動させるステップと、
治療終了状態を検出し、前記治療終了状態が検出されると、前記ポンプ送り機構の作動を自動的に止めるステップと、
前記ポンプ送り機構を前記患者に残留液体を送達するように作動させる際の水洗モードルーチンの実行に関してユーザを促すステップであって、前記治療終了状態が検出された時点で前記ポンプ送り機構の作動が止められた後、前記残留液体が、前記ポンプ送り機構から下流に位置する前記投与セットの下流側管類内にある、促すステップと、
ユーザ入力行為に応答して前記水洗モードルーチンの実行を開始させるステップと、を含
み、
前記水洗モードルーチンの実行により、前記治療終了状態が検出された時点で前記ポンプ送り機構の作動が止められた後、前記下流側管類に残っていると予測される液体量に対応する所定の量以下の液体が送達され、
前記水洗モードルーチンの実行により、前記所定の液体量の1つ目の増分が送達され、次に前記ポンプ送り機構の作動が一時停止され、前記所定の液体量のさらなる増分の送達が次のユーザ入力行為に応答して開始され、前記水洗モードルーチンの終了がユーザ入力取り消し行為に応答して実施される、方法。
【請求項11】
前記水洗モードルーチンの実行により、ユーザ入力一時停止行為に応答して前記ポンプ送り機構の作動が一時停止される、請求項
10に記載の方法。
【請求項12】
ポンプ送りシステムにより、所定の治療プロトコルに従って患者に液体を送達する方法であって、前記ポンプ送りシステムのプロセッサにより実行され、
投与セットを用いて液体源から前記患者に前記液体を送達するように、前記所定の治療プロトコルに従ってポンプ送り機構を自動的に作動させるステップと、
治療終了状態を検出し、前記治療終了状態が検出されると、前記ポンプ送り機構の作動を自動的に止めるステップと、
前記ポンプ送り機構を前記患者に残留液体を送達するように作動させる際の水洗モードルーチンの実行に関してユーザを促すステップであって、前記治療終了状態が検出された時点で前記ポンプ送り機構の作動が止められた後、前記残留液体が、前記ポンプ送り機構から下流に位置する前記投与セットの下流側管類内にある、促すステップと、
ユーザ入力行為に応答して前記水洗モードルーチンの実行を開始させるステップと、
前記ポンプ送りシステムのエア-イン-ラインセンサにより、所定の閾値空気量が前記患者の近くの前記下流
側管類の遠位部を通るとそれを検出し、前記所定の閾値空気量が検出されると、前記水洗モードルーチンの実行を自動的に終了させるステップ
とを含む
、方法。
【請求項13】
前記水洗モードルーチンの実行により、前記水洗モードの実行が終了していない限り、1回の途切れのない送達において前記所定の液体量全体が送達される、請求項12に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]関連出願の相互参照
本出願は、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれている、2019年3月22日出願の米国仮特許出願第62/822,458号の優先権および利益を主張するものである。
【0002】
[0002]本開示は、制御下で患者に液体を送達するための医療用輸液ポンプ、例えば、経腸送り込みポンプおよび静脈内投薬ポンプの分野に関するものである。
【背景技術】
【0003】
[0003]所定の液体送達パラメータに従って、患者に栄養液や薬を送達するようにプログラム可能な輸液ポンプが広く普及している。医療ポンプの一種である蠕動ポンプは、液体源から患者に液体を運ぶ投与セットの柔軟な接続管類に沿って配置されている。この蠕動ポンプは、管類の途切れのない部分を次第に圧迫して、患者に向かう流れ方向に流体に管類を流れさせるためのポンプ送り機構を有する。よくある配置では、ポンプ送り機構は、ホイールの周縁部に周りに配置された管類の切片に係合する放射状のフィンガまたはローラを有するモータ駆動式ホイールを含み得る。ホイールが回転すると、流体が管類を通して患者にポンプ送りされる。ポンプホイールの周りに配置された管類切片は、ポンプのチャネルまたは受け入れ域での受容に合わせて考案された投与セットのカセットによって、U字型構成に保持され得る。カセットは、液体源から来る管類の流入ラインおよび患者に向かう管類の流出ラインを、ポンプによって受けられたU字型の管類切片の両端に接続するための端子が設けられ得る。また、回転式ではなく、線形のポンプ送り機構や曲線のポンプ送り機構を用いた他のポンプ構成も知られている。液体源からポンプ送り機構まで延在する管類は、「上流側」管類と呼ばれることがあり、ポンプ送り機構から患者まで延在する管類は、「下流側」管類と呼ばれることがある。
【0004】
[0004]安全特徴として、輸液ポンプにエア-イン-ライン(AIL:Air-In-Line)センサを設け、このセンサは、エア-イン-ライン状態を検出してアラームの引き金を引き、患者への空気の送達を防ぐことが知られている。例えば、AILセンサとしては、管類に超音波を通すように配置された超音波送信機と、管類とそれによって運ばれる流体を通過した後に超音波を受信するのに、送信機に対して管類の反対側にある受信機とを挙げることができる。受信機は、超音波信号が、送信機から受信機まで移動するのにつれて、液体を通過したかあるいは空気を通過したかを示す出力信号を発する。AILセンサ出力は、センサの観察ゾーンを通過する流体量が増えるのを観察するように、流体がポンプ送りされ管類を通過する際に定期的にサンプリングされ、途切れのない空気量が所定の閾値に達するとAIL状態が認識される。また、AILセンサの信号を計測して、液体源にもう液体が残っていないと、治療終了状態と判断することができる。代替としてまたは追加として、治療終了状態は、液体源に対応付けられた液面センサまたは液量センサからの信号に基づいて判断されてもよい。
【0005】
[0005]知られている医療用ポンプの認識されている欠点は、上記のようなAILセンサおよび/または液量センサもしくは液面センサからの信号に基づいてコントローラによって下された治療終了判断に応答して、ポンプコントローラ(例えば、ポンプ内のプログラム済みマイクロプロセッサ)によってポンプモータが停止するように指令され、それによって、管類の下流部に立ち往生する液体量が残ることである。場合によっては、ポンプの呼び水特徴を使用することによってでも、重力呼び水によってでも、手動で残っている液体を吸い出すことによって、立ち往生する残留液体が患者に送達され得る。しかし、ポンプの呼び水特徴または重力呼び水を使用することには、患者が耐えられない速度で液体を送達する可能性があり、これらの方法では、下流側管類の端まで液体を送達し、それによって、送達を止めるのに、介護者の全神経を集中させる必要がある。多くの場合、介護者は、残留液体を送達しようとするのではなく、下流側管類にまだ残留液体が残っている状態で使用済みの投与セットを廃棄することで、残留液体を無駄にするだけである。無駄にされた液体は、高価な栄養液や薬液、または貴重な母乳であることが多い。
【0006】
[0006]下流側管類にある残留液体の送達を、介護者にとってより容易に、患者にとっては安全でより耐えられるものにする必要がある。
【発明の概要】
【0007】
[0007]本開示では、所定の治療プロトコル、例えば、所定の送達速度における液体の途切れのない注入の際のプロトコルに従って、患者に液体を送達するための無駄減らしポンプ送りシステムおよび方法を提供する。より具体的には、このシステムおよび方法では、治療終了状態に達した後、それまで無駄になっていたか、または安全でない速度で患者に手動で投与されていた可能性がある残留液体である、投与セットの管類に残っている残留液体を送達するように水洗モードルーチンの実行を可能にする。
【0008】
[0008]ポンプ送りシステムは、通常に、液体源と、投与セットと、ポンプ送り機構と、プロセッサと、投与セットおよび/または液体源に対応付けられた少なくとも1つのセンサと、プロセッサによって実行可能な格納されたプログラム命令を含む少なくとも1つのメモリモジュールとを備え得る。
【0009】
[0009]投与セットは、液体を液体源から患者に運ぶように配置され得、管類切片と、液体源から管類切片に連絡する上流側管類と、管類切片から患者に連絡する下流側管類とを含み得る。ポンプ送り機構は、投与セットの管類切片に係合するように配置され得る。ポンプ送り機構は、少なくとも1つのポンプ送り部材を作動させて管類切片を蠕動変形させ、上流側管類から下流側管類に向かう方向に液体を管類切片に押し通すように使用可能なモータと、モータに制御コマンドを与えるモータコントローラとを含み得る。少なくとも1つのセンサは、治療終了状態を示す治療終了信号を発することができ、治療終了信号は、プロセッサに送信される。
【0010】
[0010]プロセッサは、モータコントローラに接続され得、モータを作動させるための少なくとも1つのメモリモジュールによって格納されたプログラム命令を実行して、ポンプ送り機構の作動を制御することができる。
【0011】
[0011]本開示によれば、格納されたプログラム命令は、プロセッサが治療終了信号を受信した後に、ポンプ送り機構を水洗モードで作動させ、下流側管類内にある残留液体を患者に送達するように、プロセッサによって実行可能な水洗モードルーチンを含み得る。
【0012】
[0012]送達方法は、通常、所定の治療プロトコルに従って、ポンプ送り機構を自動的に作動させて、液体を液体源から投与セットを経て患者に送達することと、治療終了状態を検出し、治療終了状態が検出されると、ポンプ送り機構の作動を自動的に止めることと、ポンプ送り機構を作動させて、投与セット内の残留液体を患者に送達するのに向けて水洗モードルーチンの実行に関してユーザを促すことと、ユーザ入力行為に応答して水洗モードルーチンの実行を開始させることと、を含み得る。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】[0013]本開示の実施形態による、形成された医療用輸液ポンプ送りシステムの概略表現である。
【
図2】[0014]
図1に示されたポンプ送りシステムの輸液ポンプの電子ブロック図である。
【
図3】[0015]本開示の実施形態による、ポンプが水洗モードであるときに、投与セットの下流側管類から残留液体を送達する際の方法論の良い例となる流れ図である。
【
図4】[0016]本開示の実施形態による、水洗モードに対応付けられたポンプのプログラム済み挙動の良い例となる状態機械図である。
【
図5】[0017]本開示の実施形態による、ポンプが水洗モードであるときのポンプのユーザインターフェースの機能性の良い例となる概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[0018]
図1および2では、本開示を具体化するプログラム可能な輸液ポンプ10を概略的に描写する。輸液ポンプ10は、筐体12と、ポンプホイールまたはポンプロータ14および筐体の外面にあるカセット容器16と、カセット容器およびポンプホイール全体にわたって開閉するように筐体に接続された扉(図示せず)と、を含む。
図1に示されるように、投与セット18が、流体源19から患者に流体を運ぶようにポンプに関連して設置され得る。投与セットは、流体源19からポンプ10に走る上流側管類4と、ポンプから患者に走る下流側管類8と、カセット容器16に受容されたカセット5と、ポンプホイール14の周りに配置されたU字形状管類切片6と、を含み得る。カセット5は、上流側管類4を管類切片6の上流側端に接続し、下流側管類8を管類切片6の下流側端に接続して、ポンプを介した上流側管類から下流側管類まで流路を完成させるための接続端子5Uおよび5Dにより構成されている。
【0015】
[0019]ポンプホイール14は、流体を意図した流れ方向に管類を流れさせるように使用可能なポンプ送り機構の一部である。このポンプ送り機構は、ポンプホイール14に接続され、その軸を中心にポンプホイールを回転させるように使用可能な電動モータ20をさらに含む。ポンプホイール14は、ホイールの周縁部の周りに配置された管類切片6に係合する半径方向フィンガまたは半径方向ローラ(図示せず)を有する。ポンプホイール14が回転すると、流体を患者に向かう流れ方向に管類を流れるようにさせるように、管類切片6の途切れのない部分が次第に圧迫される。注入される流体の流量は、モータ20が駆動される速度および/またはモータ20が所与の速度で駆動される時間の長さを制御することによって、制御され得る。当業者であれば、上記の蠕動ポンプ送り機構の変形形態があり得ることが分かるであろう。例えば、モータ20が、隣り合わせで配置された一連の並列フィンガまたは並列ローラに接続されたカム部材を駆動することができ、それにより、蠕動ポンプ送り作用が、
図1に示されるような管類の曲がった切片ではなく管類の真っ直ぐな切片に及ぼされる。本開示は、特定のポンプ送り機構構成に限定されるものではない。
【0016】
[0020]輸液ポンプ10は、ポンプ送りホイール14から上流の管類切片6に沿ったある場所にある上流側閉塞センサ22と、ポンプ送りホイール14から下流の管類切片6に沿ったある場所にある下流側閉塞センサ24と、を含み得る。上流側センサ22および下流側センサ24はそれぞれ、管類におけるそれぞれの局所流体圧力を示すそれぞれのセンサ信号を与える。例えば、上流側および下流側センサ22、24は、管類切片6の外壁に係合して、管類内の流体圧力によって引き起こされる可撓性管類壁の歪みを検出し、その歪みに比例する電子信号を与えるように配置されたトランスデューサまたは歪みゲージであり得る。
【0017】
[0021]輸液ポンプ10は、ある時点でセンサによって観測された流体量が空気であるかまたは液体であるかを検出するためのエア-イン-ライン(AIL)センサ26をさらに含む。この実施形態では、AILセンサ26としては、管類切片6の一部にわたって互いに対向する圧電セラミック要素26Aと26Bとの対を含む超音波トランスデューサを挙げることができる。1つのセラミック要素26Aが周波数範囲内にある共振を通過する周波数でマイクロプロセッサ30によって駆動される。超音波エネルギは、管類の片側に要素26Aによって伝達され、このエネルギの一部が、もう一方の側の要素26Bによって受け取られる。管類に液体がある場合、要素26Bによって受け取られたエネルギは、事前設定の比較器閾値よりも大きくなり、それにより論理レベルの「High」に転換される。管類に空気がある場合、超音波エネルギを伝播させるための媒体は、密度が下がり、要素26Bによって発生した信号が、閾値を下回るように弱められ、論理レベルの「Low」に転換される。したがって、今述べている実施形態では、要素26Bによって受け取られる超音波エネルギの振幅は、管類内の液体と空気との差分を確認するのに主要な原理である。管類は、AILセンサ要素26Aおよび26Bに乾式結合され得、すなわち、センサ配置には、超音波ゲルを使用しなくても済む。超音波AIL検出に対する代替として、空気媒体および液体媒体の光学的性質の検出に基づくAILセンサが使用され得る。
【0018】
[0022]輸液ポンプ10は、ユーザに、それにおいて液体が患者に送達されるべき速度を明示することができる輸液治療プロトコルを選択しかつ/または作り出し、それによりそれを働かせるのを可能にするように構成されている。このプロトコルは、事前規定の総投与量がない「途切れのない治療」プロトコルであってもよく、またはプロトコルがさらに、患者に送達される総液体量を明示してもよい。輸液ポンプ10は、キーバッド、スイッチ、およびダイアル制御装置などの入力デバイスを有するユーザインターフェース32に接続されたマイクロプロセッサ30を含む。輸液ポンプ10は、マイクロプロセッサ30に接続されたディスプレイ34も含む。ディスプレイ34は、ユーザインターフェース32の一部として時には働くタッチスクリーンディスプレイであり得る。マイクロプロセッサ30は、選んだ治療プロトコルを管理するのに、電動モータ20を駆動するためのモータコントローラ36に接続されている。ポンプ作動を制御する際のマイクロプロセッサによって実行可能な命令を格納するのに、1つまたは複数のメモリモジュール38が、マイクロプロセッサ30に接続されるかまたはそれと一体化している。格納された命令は、ソフトウェアルーチンに体系化され得る。格納されたソフトウェアルーチンの中には、治療終了状態を検出し、ユーザに、ポンプ10を水洗モードで作動させて、下流側管類8内にある残留液体を患者に送達するのを可能にさせる、ルーチンがある。これらのルーチンについては、以下に詳細に述べる。本開示の目的上、マイクロプロセッサ30は、AILセンサ26から信号を受信し得る。代替としてまたは追加として、マイクロプロセッサ30は、液体源19に対応付けられた液面センサすなわち液体量センサ(図示せず)から信号を受信し得る。マイクロプロセッサ30は、上流側閉塞センサ22および下流側閉塞センサ24にも接続されている。閉塞センサからのアナログ電圧信号をマイクロプロセッサ30による使用に向けてデジタル形態に変換するアナログ-デジタル変換回路機構23が示されているが、他の形態の閉塞センサおよびマイクロプロセッサインターフェースも使用され得る。輸液ポンプ10は、マイクロプロセッサ30に接続された可聴信号発生装置35も含み得る。
【0019】
[0023]
図3~5は、本開示の態様による、ポンプ10の水洗モードに対応付けられたプロセスフローおよび論理をほぼ示すものである。ブロック40に示されるように、マイクロプロセッサ30が、治療終了状態に達したと判断するのを受けて、ユーザに選択肢を提示するようにプログラムされ得る。AILセンサ26からの信号が、所定の閾値量を超える途切れのない空気量がAILセンサの尋問ゾーンを通過したことを示すと、治療終了状態と判断され得る。マイクロプロセッサ30は、これが起こると、AILアラームを発行するようにプログラムされ得る。代替としてまたは追加として、治療終了状態の判断が、液体源19中の液体量すなわち液面が閾値量すなわち閾値レベルを下回ったかどうかに基づいていてもよい。この選択肢は、水洗モード作業が望まれていることを、特定のキーまたはボタン、例えば「+」ボタンを押すことによって確認するようユーザに促すConfirm Flushメッセージ画面をディスプレイ34に提示することによって、ユーザに提示され得る。
【0020】
[0024]意思決定ブロック42において、ユーザインターフェース32のどのボタンがユーザによって押されるかに応じて流れが分岐することになる。例えば、「+」ボタンが押された場合、ポンプ10が水洗モードに入り、Flushing画面がディスプレイ34によって表示され得、可聴信号(例えば、ブザー音)が可聴信号発生装置35によって発行され得る。しかし、ユーザが「-」ボタン、CLEARボタン、またはRUN/PAUSEボタンを押した場合、ソフトウェア論理回路が、治療を完了したものと見なし、水洗モードには入らない。
【0021】
[0025]ポンプ10が水洗モードであるとき、ソフトウェアが、マイクロプロセッサ30に、AILアラームを無効にさせ、またモータコントローラ36に、モータ20を作動させて、下流側管類8に残っていると予測される液体量に対応する所定の液体量を送達するよう指揮させる。所定の送達量は、AILアラームの引き金を引くのに必要とされるプログラム済みの閾値空気量と、ポンプ10での使用に認められ、設計された投与セット18の使用から分かっている、下流側管類8を走る空洞の総量と、に基づき計算され得る。例えば、ポンプ10が幼児の送り込みに使用される、出願者のINFINITY ORANGE(登録商標)少量外部送り込みポンプである場合、所定の送達量は、1.2ミリリットルに設定され得る。
【0022】
[0026]所定の送達量は、完了するまで1回の途切れのない送達において送達され得る。ただし、それは、
図3におけるブロック44で示されるように、ポンプモータが、増分が送達された後に停止するよう指揮される場合で、増分の所定の送達量を送達するのに好都合であり得る。意思決定ブロック46では、治療が終了した場合に、すべての増分が送達されていない限り、ユーザからのさらなる入力に対し、意思決定ブロック42に戻るよう流れを分岐させる。このように、ユーザは、液体がすでに下流側管類8の端に達している場合、さらなる増分の送達を取り消す機会をもつ。特に母乳は、母乳から空気への移行において泡沫状であり、どのくらい遠く母乳が管類にポンプ送りされているかを判断するのを難しくする。モータに、残留液体の増分を送達するよう指揮することによって、ユーザは、水洗モード送達に意図的に関わる。
図3に示される例では、所定の総送達量が4回の等しい増分で送達され得る。もちろん、マイクロプロセッサ30が、異なる回数のポンプ送り増分を使用するようプログムされ得、ポンプ送り増分は、量にバラツキがあり得る。
【0023】
[0027]ユーザは、モータ20がRUN/PAUSEボタンを押すことによって作動している間、水洗モードで送達を一時停止させ、RUN/PAUSEボタンをまた押すことによって送達を再開させることもできる。
【0024】
[0028]ポンプが水洗モードで液体を送達している間にアラーム(例えば、閉塞アラーム)が検出された場合、ポンプ送りが一時停止され得、アラームメッセージが表示され得る。この場合、RUN/PAUSEボタンを押して、アラームを取り消し、また再度RUN/PAUSEボタンを押して、全残留量が送達されるまで、水洗モードポンプ送りを再開させることができる。
【0025】
[0029]残っている液体は、プログラム済み送達率で送達され得る。ポンプには、下流側量を送達するのにプログラムされた別個の送達率もあり得、または残っている液体は、呼び水と同じ率で送達され得る。
【0026】
[0030]さらなるポンプ送りが終了するのを受けて、マイクロプロセッサ30が、ディスプレイ34にFlush Done画面を表示し、可聴信号発生装置35を用いてもう一つの可聴信号(例えば、もう一つのブザー音)を発行するようにプログラムされ得る。Flush Done画面が表れ、ユーザがRUN/PAUSEボタンを押すと、プログラミング命令により、治療が終了しているものと見なされ得る。残留送達量がプログラム済み総投与量に向けて数えられ得る。水洗モード作業中に総投与量に達すると、プログラム命令により、マイクロプロセッサにモニタ停止コマンドを発行させることによって、水洗モードが止められるようになり、ソフトウェアが、治療が終了したと見なすことになる。
【0027】
[0031]お分かりいただけると思うが、本開示は、静脈内(IV:IntraVenous)ポンプに当てはまり得る。現状では、下流側管類にある液体が捨てられる。IVポンプには、AIL状態が検出された後に下流側管類にある残留液体を送達するのと同様のアルゴリズムが使用される可能性がある。IVポンプに特定の投与量が必要とされる場合、このポンプは、その投与量から投与セット呼び水量を引いた量を送達し、次に正しい投与量に達するように本開示の水洗モードに従って液体の残りを送達するようにプログラムされ得る。これにより、薬物の下流側量を捨てる現在のような必要がなくなり得る。
【0028】
[0032]さらなる実施形態において、マイクロプロセッサ30は、AILを検出していなくてもユーザのコマンドにおいて水洗モードに入るようにプログラムされ得る。
【0029】
[0033]そのとき下流側管類8にあるのが何であれ、残っている栄養液を送達する代わりに、水洗切り替え機構を使用して、水和に切り替え、水をポンプ送りすることにより残っている栄養液を送達することができる。
【0030】
[0034]さらなる実施形態において、AILセンサ26が、下流側管類8の送達端に、またはマイクロプロセッサ30に信号を与えるように患者につながれた胃腸管系(GI:GastroIntestinal)送り込みチューブの開口に設けられ得、マイクロプロセッサ30が、所定の閾値空気量が患者送達端で検出されると、水洗モードを自動的に終了するようにプログラムされ得る。
【0031】
[0035]本開示では、方法およびこの方法を行うようにソフトウェアプログラミングによって構成されたポンプ装置を教示している。本開示では、介護者が下流側管類内に残っている最後の液体を使用するのを可能にするポンプ制御アルゴリズムを教示している。本開示のこの方法およびポンプ装置の実施形態例について本明細書に詳細に述べているが、当業者であれば、本開示の範囲から外れない限り、修正がなされ得ることを理解するであろう。
1.本発明の第1の態様によれば、ポンプ送りシステムは、所定の治療プロトコルに従って患者に液体を送達するためのポンプ送りシステムであって、前記液体の源と、前記液体を前記源から前記患者に運ぶための投与セットであって、管類切片、前記源から前記管類切片に連通する上流側管類、および前記管類切片から前記患者に連通する下流側管類を含む、投与セットと、前記管類切片に係合するように配置されたポンプ送り機構であって、少なくとも1つのポンプ送り部材、前記少なくとも1つのポンプ送り部材を作動させて、前記上流側管類から前記下流側管類に向かう方向に、前記液体を前記管類切片に押し通すように前記管類切片を蠕動式に変形させるのに使用可能なモータ、および前記モータに制御コマンドを与えるモータコントローラを含む、ポンプ送り機構と、前記モータコントローラに接続されたプロセッサと、前記投与セットおよび/または前記液体源に対応付けられた少なくとも1つのセンサであって、治療終了状態を示す治療終了信号を発し、前記治療終了信号が前記プロセッサに送信される、少なくとも1つのセンサと、前記プロセッサによって実行可能な格納されたプログラム命令を含む少なくとも1つのメモリモジュールであって、前記プログラム命令が、前記モータを作動させて、前記ポンプ送り機構の動作を制御する、少なくとも1つのメモリモジュールと、を備え、前記格納されたプログラム命令が、前記プロセッサが前記治療終了信号を受信した後、前記ポンプ送り機構を水洗モードで作動させて、前記下流側管類内にある残留液体を前記患者に送達するように前記プロセッサによって実行可能な水洗モードルーチンを含む。
2.本発明の第2の態様によれば、第1の態様において、前記水洗モードルーチンの実行が、ユーザ入力行為に応答して開始される。
3.本発明の第3の態様によれば、第2の態様において、前記ポンプ送り機構、前記プロセッサ、および前記少なくとも1つのメモリモジュールが、複数のキーまたはボタンを有するユーザインターフェースを含む輸液ポンプの一部であり、前記ユーザ入力行為が、前記キーまたはボタンのうちの1つを押すことである。
4.本発明の第4の態様によれば、第2の態様において、前記プロセッサに接続されたディスプレイをさらに備え、前記格納されたプログラム命令が、前記ポンプ送り機構の作動を止め、前記ディスプレイにおいて前記ユーザ入力行為に対してプロンプトを与えるように前記プロセッサによって実行可能な治療終了ルーチンを含み、前記治療終了ルーチンが前記治療終了信号に応答して実行される。
5.本発明の第5の態様によれば、第4の態様において、前記水洗モードルーチンの実行により、前記ポンプ送り機構の作動が前記治療終了信号に応答して止められた後、下流側管類に残っていると予測される液体量に対応する所定の量以下の液体が送達される。
6.本発明の第6の態様によれば、第5の態様において、前記水洗モードルーチンの実行により、前記水洗モードの実行が終了していない限り、1回の途切れのない送達において前記所定の液体量全体が送達される。
7.本発明の第7の態様によれば、第5の態様において、前記水洗モードルーチンの実行により、前記所定の液体量の1つ目の増分が送達され、次に前記ポンプ送り機構の作動が一時停止され、前記所定の液体量のさらなる増分の送達が次のユーザ入力行為に応答して開始され、前記水洗モードルーチンの終了がユーザ入力取り消し行為に応答して実施される。
8.本発明の第8の態様によれば、第5の態様において、前記水洗モードルーチンの実行により、ユーザ入力一時停止行為に応答して前記ポンプ送り機構の作動が一時停止される。
9.本発明の第9の態様によれば、第1の態様において、前記少なくとも1つのセンサとしては、前記管類切片に対応付けられたエア-イン-ラインセンサが挙げられる。
10.本発明の第10の態様によれば、第1の態様において、前記少なくとも1つのセンサとしては、前記液体源に対応付けられた液面センサすなわち液体量センサが挙げられる。
11.本発明の第11の態様によれば、第1の態様において、前記下流側管類の遠位端に対応付けられ、前記プロセッサに接続されたエア-イン-ラインセンサであって、所定の閾値空気量が前記エア-イン-ラインセンサによって検出されると、前記水洗モードルーチンの実行が自動的に終了される、エア-イン-ラインセンサをさらに備える。
12.本発明の第12の態様によれば、所定の治療プロトコルに従って患者に液体を送達する方法は、投与セットを用いて液体源から前記患者に前記液体を送達するように、前記所定の治療プロトコルに従ってポンプ送り機構を自動的に作動させるステップと、治療終了状態を検出し、前記治療終了状態が検出されると、前記ポンプ送り機構の作動を自動的に止めるステップと、前記ポンプ送り機構を前記患者に残留液体を送達するように作動させる際の水洗モードルーチンの実行に関してユーザを促すステップであって、前記治療終了状態が検出された時点で前記ポンプ送り機構の作動が止められた後、前記残留液体が、前記ポンプ送り機構から下流に位置する前記投与セットの下流側管類内にある、促すステップと、ユーザ入力行為に応答して前記水洗モードルーチンの実行を開始させるステップと、を含む。
13.本発明の第13の態様によれば、第12の態様において、前記水洗モードルーチンの実行により、前記治療終了状態が検出された時点で前記ポンプ送り機構の作動が止められた後、前記下流側管類に残っていると予測される液体量に対応する所定の量以下の液体が送達される。
14.本発明の第14の態様によれば、第13の態様において、前記水洗モードルーチンの実行により、前記水洗モードの実行が終了していない限り、1回の途切れのない送達において前記所定の液体量全体が送達される。
15.本発明の第15の態様によれば、第13の態様において、前記水洗モードルーチンの実行により、前記所定の液体量の1つ目の増分が送達され、次に前記ポンプ送り機構の作動が一時停止され、前記所定の液体量のさらなる増分の送達が次のユーザ入力行為に応答して開始され、前記水洗モードルーチンの終了がユーザ入力取り消し行為に応答して実施される。
16.本発明の第16の態様によれば、第12の態様において、前記水洗モードルーチンの実行により、ユーザ入力一時停止行為に応答して前記ポンプ送り機構の作動が一時停止される。
17.本発明の第17の態様によれば、第12の態様において、所定の閾値空気量が前記患者の近くの前記下流関管類の遠位部を通るとそれを検出し、前記所定の閾値空気量が検出されると、前記水洗モードルーチンの実行を自動的に終了させるステップをさらに含む。