(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-17
(45)【発行日】2023-05-25
(54)【発明の名称】レンズモジュール
(51)【国際特許分類】
G02B 13/00 20060101AFI20230518BHJP
G02B 1/10 20150101ALI20230518BHJP
G02B 5/22 20060101ALI20230518BHJP
【FI】
G02B13/00
G02B1/10
G02B5/22
(21)【出願番号】P 2022097786
(22)【出願日】2022-06-17
【審査請求日】2022-06-30
(31)【優先権主張番号】202210226401.3
(32)【優先日】2022-03-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】320011719
【氏名又は名称】エーエーシー オプティックス (ソシュウ) カンパニーリミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100199819
【氏名又は名称】大行 尚哉
(74)【代理人】
【識別番号】100087859
【氏名又は名称】渡辺 秀治
(72)【発明者】
【氏名】陳懐玉
(72)【発明者】
【氏名】王萍萍
【審査官】堀井 康司
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2019/0317253(US,A1)
【文献】特開2005-037764(JP,A)
【文献】特開2009-223251(JP,A)
【文献】特開2017-191159(JP,A)
【文献】特開2007-004122(JP,A)
【文献】特開2002-277738(JP,A)
【文献】特開2014-066918(JP,A)
【文献】中国実用新案第212483960(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 9/00-17/08
G02B 21/02-21/04
G02B 25/00-25/04
G02B 1/10
G02B 5/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のプラスチックレンズを備えるレンズモジュールであって、そのうちの1つのプラスチックレンズには特定の波長を吸収する材料が添加され、かつ、
前記プラスチックレンズの表面に赤外線カットフィルターまたは
紫外線カットフィルターがコーティングされており、前記赤外線カットフィルターまたは
紫外線カットフィルターは、特定の波長を吸収する材料を添加したプラスチックレンズの表面にコーティングされ
ており、
前記特定の波長は550~800nmであり、
または、前記特定の波長は350~450nm、及び550~800nmであり、
または、前記特定の波長は600~1200nmである、
ことを特徴とするレンズモジュール。
【請求項2】
前記赤外線カットフィルターまたは
紫外線カットフィルターは、前記プラスチックレンズの表面に蒸着またはスパッタリングされている、
ことを特徴とする請求項1に記載のレンズモジュール。
【請求項3】
前記プラスチックレンズの全表面に、赤外線カットフィルターまたは
紫外線カットフィルターがコーティングされている、
ことを特徴とする請求項1に記載のレンズモジュール。
【請求項4】
前記赤外線カットフィルターまたは
紫外線カットフィルターがコーティングされたプラスチックレンズの表面における中心以外の点の接線と、プラスチックレンズの表面の中心の接線とのなす角が0~60°である、
ことを特徴とする請求項1に記載のレンズモジュール。
【請求項5】
前記特定の波長を吸収する材料を添加したプラスチックレンズの表面の中心以外の点の接線と、プラスチックレンズの表面の中心の接線とのなす角が0~60°である、
ことを特徴とする請求項1に記載のレンズモジュール。
【請求項6】
前記なす角は0~20°である、
ことを特徴とする請求項
4または5に記載のレンズモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光イメージングデバイスの技術分野に関し、特にレンズモジュールに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年のスマートデバイスの台頭により、小型化された光学レンズの需要が高まっており、電荷結合素子の画素サイズの縮小や、現在の電子機器のトレンドは機能性、薄さ、ポータビリティにあることにより、現在の市場では、良好な画像品質を持つ小型化光学レンズが主流となりつつある。より良い画質を実現するために、多枚数のレンズモジュールが使用されることが多い。
【0003】
当該技術のレンズモジュールには、赤外線カットフィルターとして白色ガラスが使用されているが、入射角の角度ドリフトが大きく、厚みが比較的に厚いというデメリットがある。
図1を参照すると、レンズモジュールを使った画像形成にはゴーストが発生する。このゴーストは主にフィルターに起因するもので、画質を低下させる原因となる。顧客の品質要求が高まるにつれ、フィルターの薄型化、耐角度の向上がトレンドとなっている。
【0004】
そのため、上記の技術的な問題を解決するために、新しいレンズモジュールを提供する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、画像形成の品質を向上させるレンズモジュールを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、本発明にはレンズモジュールが提供され、当該レンズモジュールは、多数のプラスチックレンズを備え、ここで、プラスチックレンズの一方には特定の波長を吸収する材料が添加され、もう一方は表面に赤外線カットフィルターまたは紫外線カットフィルターがコーティングされている。
【0007】
好ましくは、前記赤外線カットフィルターまたは紫外線カットフィルターは、特定の波長を吸収する材料を添加したプラスチックレンズの表面にコーティングされるのである。
【0008】
好ましくは、前記赤外線カットフィルターまたは紫外線カットフィルターは、前記プラスチックレンズの表面上に蒸着またはスパッタリングされるのである。
【0009】
好ましくは、前記プラスチックレンズの全表面に、赤外線カットフィルターまたは紫外線カットフィルターがコーティングされているのである。
【0010】
好ましくは、前記特定波長は550~800nmである。
【0011】
好ましくは、前記特定波長は350~450nm、及び550~800nmである。
【0012】
好ましくは、前記特定波長は600~1200nmである。
【0013】
好ましくは、前記赤外線カットフィルターまたは紫外線カットフィルターがコーティングされたプラスチックレンズの表面における中心以外の点の接線と、プラスチックレンズの表面の中心の接線とのなす角が0~60°である。
【0014】
好ましくは、前述特定の波長を吸収する材料を添加したプラスチックレンズの表面の中心以外の点の接線と、プラスチックレンズの表面の中心の接線とのなす角が0~60°である。
【0015】
好ましくは、前記なす角は0~20°である。
【発明の効果】
【0016】
関連技術と比較して、本発明が提供するレンズモジュールは、レンズモジュールのプラスチックレンズに特定の波長を吸収する材料を添加し、同プラスチックレンズまたは他のプラスチックレンズの表面に赤外線カットフィルターまたは紫外線カットフィルターをコーティングすることにより、角度のドリフトの問題を改善しゴーストを低減して画質を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
以下、本発明の実施例における技術的解決策をより明確に説明するために、実施例の説明で用いる添付図面について、簡単に説明する。明らかに、以下の説明における添付図面は、本発明の一部の実施例に過ぎず、当業者であれば、創造的な労働をすることなく、これらの図面から他の添付図面を得ることができる。その中、
【
図1】
図1は、既存技術におけるレンズモジュールのゴースト(Ghost)の模式図である。
【
図2】
図2は、本発明のレンズモジュールの構造を示す模式図である。
【
図3】
図3は、本発明の実施例1のレンズモジュールにおいて、特定の波長を吸収する材料を添加したプラスチックレンズに光を照射した場合の透過率曲線を示す模式図である。
【
図4】
図4は、本発明の実施例1のレンズモジュールにおいて、物体側の面または像側の面に赤外線カットフィルターまたは紫外線カットフィルターをコーティングしたプラスチックレンズに光を照射した場合の透過率曲線を示す模式図である。
【
図5】
図5は、本発明の実施例1のレンズモジュールにおいて、特定の波長を吸収する材料を添加し、物体側の面または像側の面に赤外線カットフィルターまたは紫外線カットフィルターをコーティングしたプラスチックレンズまたはプラスチックレンズセットに光を照射した場合の透過率曲線を示す模式図である。
【
図6】
図6は、本発明の実施例1のレンズモジュールのゴースト(Ghost)を示す模式図である。
【
図7】
図7は、本発明の実施例2のレンズモジュールにおいて、特定の波長を吸収する材料を添加したプラスチックレンズに光を照射した場合の透過率曲線を示す模式図である。
【
図8】
図8は、本発明の実施例2のレンズモジュールにおいて、物体側の面に赤外線カットフィルターまたは紫外線カットフィルターをコーティングしたプラスチックレンズに光を照射した場合の透過率曲線を示す模式図である。
【
図9】
図9は、本発明の実施例2のレンズモジュールにおいて、像側の面に赤外線カットフィルターまたは紫外線カットフィルターをコーティングしたプラスチックレンズに光を照射した場合の透過率曲線を示す模式図である。
【
図10】
図10は、本発明の実施例2のレンズモジュールにおいて、特定の波長を吸収する材料を添加し、物体側の面と像側の面の両方に赤外線カットフィルターまたは紫外線カットフィルターをコーティングしたプラスチックレンズまたはプラスチックレンズセットに光を照射した場合の透過率曲線を示す模式図である。
【
図11】
図11は、本発明の実施例2のレンズモジュールのゴースト(Ghost)を示す模式図である。
【
図12】
図12は、本発明の実施例3のレンズモジュールにおいて、特定の波長を吸収する材料を添加したプラスチックレンズに光を照射した場合の透過率曲線を示す模式図である。
【
図13】
図13は、本発明の実施例3のレンズモジュールにおいて、物体側の面または像側の面に赤外線カットフィルターまたは紫外線カットフィルターをコーティングしたプラスチックレンズに光を照射した場合の透過率曲線を示す模式図である。
【
図14】
図14は、本発明の実施例3のレンズモジュールにおいて、特定の波長を吸収する材料を添加し、物体側の面と像側の面の両方に赤外線カットフィルターまたは紫外線カットフィルターをコーティングしたプラスチックレンズまたはプラスチックレンズセットに光を照射した場合の透過率曲線を示す模式図である。
【
図15】
図15は、本発明の実施例3のレンズモジュールのゴースト(Ghost)の模式図である。
【
図16】
図16は、本発明の実施例4のレンズモジュールにおいて、特定の波長を吸収する材料を添加したプラスチックレンズに光を照射した場合の透過率曲線を示す模式図である。
【
図17】
図17は、本発明の実施例4のレンズモジュールにおいて、物体側の面または像側の面に赤外線カットフィルターまたは紫外線カットフィルターをコーティングしたプラスチックレンズに光を照射した場合の透過率曲線を示す模式図である。
【
図18】
図18は、本発明の実施例4のレンズモジュールにおいて、特定の波長を吸収する材料を添加し、物体側の面または像側の面に赤外線カットフィルターまたは紫外線カットフィルターをコーティングしたプラスチックレンズまたはプラスチックレンズセットに光を照射した場合の透過率曲線を示す模式図である。
【
図19】
図19は、本発明のレンズモジュールにおいて、特定の波長を吸収する材料を添加したプラスチックレンズの信頼性試験図である。
【
図20】
図20は、本発明のレンズモジュールにおいて、表面に赤外線カットフィルターまたは紫外線カットフィルターをコーティングしたプラスチックレンズの信頼性試験図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施例における技術的解決策を添付図面と共に明確かつ完全に説明するが、説明された実施例は本発明の実施例の一部に過ぎず、その全てではないことは明らかである。本発明における実施例に基づき、当業者が創造的な労働をすることなく得られる他のすべての実施例は、本発明の保護範囲に含まれる。
【0019】
図2を参照すると、本発明は、多数のプラスチックレンズからなるレンズモジュール100を提供する。本実施形態では、第1レンズL1、第2レンズL2、第3レンズL3、第4レンズL4、第5レンズL5からなる5枚のレンズが例示されている。
【0020】
第3レンズL3はプラスチックレンズであり、特定の波長を吸収する材料が添加されている。具体的には、二軸押出装置を用いて、プラスチック粒子を、特定の波長に対して吸収特性を持つ染料と一定の割合で混合して造粒する。染料は、フタロシアニン系染料、インドシアニン系染料、有機金属系吸収剤などであってもよいが、これらに限定されるものではない。第3レンズL3、すなわち特定の波長を吸収する材料を添加したプラスチックレンズの表面における中心以外の点の接線と、プラスチックレンズの表面の中心の接線とのなす角が0~60°であり、好ましくはなす角は0~20°である。
【0021】
また、第4レンズL4もプラスチックレンズであり、第4レンズL4の表面には、赤外線カットフィルターまたは紫外線カットフィルター40がコーティングされている。具体的には、IRCF技術を用いてコーティングすることができ、、すなわちPVD(物理気相成長、PhysicalVaporDeposition)蒸着装置やスパッタリング装置を用いて、イオンソースアシスト蒸着プロセスにより、薄膜の設計に応じて高屈折率材料と低屈折率材料を交互にコーティングする。高屈折率材料としては、五酸化チタン、五酸化タンタル、五酸化ニオブ、酸化ハフニウムなどがあり、低屈折率材料としては、シリカ、フッ化マグネシウム、シリカ・アルミ混合物などがある。第4レンズL4、すなわち赤外線カットフィルターまたは紫外線カットフィルターがコーティングされたプラスチックレンズの表面における中心以外の点の接線と、プラスチックレンズの表面の中心の接線とのなす角が0~60°であり、好ましくはなす角が0~20°である。
【0022】
本実施形態では、特定の波長を吸収する材料を添加したレンズと赤外線カットフィルターまたは紫外線カットフィルターをコーティングしたレンズは同じレンズではなく、他の実施形態では、特定の波長を吸収する材料を添加したレンズと赤外線カットフィルターまたは紫外線カットフィルターをコーティングしたレンズを同じレンズにすることが可能である。また、赤外線カットフィルターまたは紫外線カットフィルターは、レンズの物体側の面や像側の面に配置されていてもよいし、赤外線カットフィルターまたは紫外線カットフィルターが一つの片側に、透明性向上フィルター(反射防止膜)がもう一つの片側に配置されていてもよい。
実施例1
【0023】
例えば、特定波長が550~800nmで、プラスチックレンズの物体側の面または像側の面のみに、赤外線カットフィルターまたは紫外線カットフィルターをコーティングする。赤外線カットフィルターまたは紫外線カットフィルターの厚さは4~6μmである。
【0024】
図3は特定の波長を吸収する材料を添加したプラスチックレンズに光を照射した場合の透過率曲線図であり、
図4は物体側の面または像側の面に赤外線カットフィルターまたは紫外線カットフィルターをコーティングしたプラスチックレンズに光を照射した場合の透過率曲線図である。ここで、実線は入射角0°、破線は入射角30°となり、入射角0°と30°では角度ドリフトの問題があり、レンズモジュールの画像形成の品質に影響する。
図5は、特定の波長を吸収する材料を添加し、物体側の面または像側の面に赤外線カットフィルターまたは紫外線カットフィルターをコーティングしたプラスチックレンズまたはプラスチックレンズセットに光を照射した場合の透過率曲線図である。ここで、実線は入射角0°、破線は入射角30°となり、角度のドリフトが大幅に低減している。
図6も参照すると、既存技術に比べて、レンズ間反射によるゴーストが増加されており、プラスチックレンズの表面にコーティングされた赤外線カットフィルターまたは紫外線カットフィルターに起因する内部反射率のゴーストがなく、既存技術におけるフィルターに関連したゴーストはない。レンズモジュールのプラスチックレンズに特定の波長を吸収する材料を添加し、同プラスチックレンズや他のプラスチックレンズの表面に赤外線カットフィルターまたは紫外線カットフィルターをコーティングすることで、角度のドリフトの問題を改善し、ゴーストを低減して画質を向上できることがわかる。
実施例2
【0025】
例えば、特定波長が550~800nmで、プラスチックレンズの物体側の面と像側の面に赤外線カットフィルターまたは紫外線カットフィルターをコーティングする。赤外線カットフィルターまたは紫外線カットフィルター厚さは2~4μmである。
【0026】
図7~10と共に参照すると、実線が入射角0°、破線が入射角30°となり、特定の波長を吸収する材料を添加し、表面に赤外線カットフィルターまたは紫外線カットフィルターをコーティングしたプラスチックレンズまたはプラスチックレンズセットは角度のドリフトを低減することができる。
図11を参照すると、既存技術と比較して、プラスチックレンズの表面にコーティングされた赤外線カットフィルターまたは紫外線カットフィルターに起因する内部反射率のゴーストの強度が高く、既存技術のフィルターに関連するゴーストはない。
実施例3
【0027】
例えば、特定波長が350~450nm、550~800nmで、プラスチックレンズの物体側の面と像側の面に赤外線カットフィルターまたは紫外線カットフィルターをコーティングする。赤外線カットフィルターまたは紫外線カットフィルターの厚さは1~2μmである。
【0028】
図12~14と共に参照すると、実線が入射角0°、破線が入射角30°となり、特定の波長を吸収する材料を添加し、表面に赤外線カットフィルターまたは紫外線カットフィルターをコーティングしたプラスチックレンズまたはプラスチックレンズセットは、角度のドリフトを低減することができる。
図15を参照すると、既存技術と比較して、プラスチックレンズの表面にコーティングされた赤外線カットフィルターまたは紫外線カットフィルターに起因する内部反射率のゴーストの強度が高く、既存技術のフィルターに関連するゴーストはない。
実施例4
【0029】
例えば、特定波長が600~1200nmで、プラスチックレンズの物体側の面または像側の面のみに、赤外線カットフィルターまたは紫外線カットフィルターをコーティングする。赤外線カットフィルターまたは紫外線カットフィルターの厚さは4~6μmである。
【0030】
図16~18と共に参照すると、実線が入射角0°、破線が入射角30°となり、特定の波長を吸収する材料を添加し、表面に赤外線カットフィルターまたは紫外線カットフィルターをコーティングしたプラスチックレンズまたはプラスチックレンズセットは、角度のドリフトを低減することができる。
【0031】
また、下表に示すように、信頼性試験において異なる試験環境では、特定の波長を吸収する材料を添加し、表面に赤外線カットフィルターまたは紫外線カットフィルターをコーティングしたプラスチックレンズの全ては無傷である。
図19に示すように、実施例1の特定の波長を吸収する材料を添加したプラスチックレンズを例にして、プラスチックレンズは無傷であり、割れ、剥がれ、曇り等は見られない。
図20に示すように、実施例1の表面に赤外線カットフィルターまたは紫外線カットフィルターをコーティングしたプラスチックレンズは、プラスチックレンズは無傷であり、割れ、剥がれ、曇り等は見られない。具体的な試験環境は、それぞれに高温が85℃±2℃、480hで、低温が-40℃±2℃、480hで、高温高湿が85℃±2℃、85%±5%RH、480hで、高温低温衝撃が120サイクルで、1サイクルが-40℃(30分)、85℃(30分)、480hであった。
【0032】
本発明が提供するレンズモジュールは、レンズモジュールのプラスチックレンズに特定の波長を吸収する材料を添加し、同プラスチックレンズや他のプラスチックレンズの表面に赤外線カットフィルターまたは紫外線カットフィルターをコーティングすることにより、角ドリフトの問題を改善し、ゴーストを低減して画質を向上させるものである。また、本来のフィルターをなくすことができるため、レンズモジュールの光学全長を短くすることができ、レンズ設計の自由度を高め、プロセスの簡略化、製造コストの低減を図ることができる。
【0033】
以上説明したものは、本発明の一実施形態に過ぎず、当業者であれば、本発明の創造的思想を逸脱することなく改良が可能であるが、これらは本発明の保護範囲に含まれることをここに記しておく。
【要約】
【課題】本発明には、レンズモジュールが提供される。
【解決手段】当該レンズモジュールは、多数のプラスチックレンズを備え、ここで、プラスチックレンズの一方には特定の波長を吸収する材料が添加され、もう一方は表面に赤外線カットフィルターまたは紫外線カットフィルムがコーティングされている。本発明によって提供されるレンズモジュールは、全体の厚さを減少させ、プロセスを簡略化し、角度のドリフト問題を改善し、画像品質を向上させることができる。
【選択図】
図2