(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-17
(45)【発行日】2023-05-25
(54)【発明の名称】ステアリングホイール上にエアバッグモジュールを取り外し可能に取り付けるためのデバイス
(51)【国際特許分類】
B60R 21/203 20060101AFI20230518BHJP
B62D 1/10 20060101ALI20230518BHJP
【FI】
B60R21/203
B62D1/10
(21)【出願番号】P 2022503405
(86)(22)【出願日】2020-07-22
(86)【国際出願番号】 EP2020070655
(87)【国際公開番号】W WO2021018686
(87)【国際公開日】2021-02-04
【審査請求日】2022-03-02
(32)【優先日】2019-07-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】503358097
【氏名又は名称】オートリブ ディベロップメント エービー
(74)【代理人】
【識別番号】100124110
【氏名又は名称】鈴木 大介
(74)【代理人】
【識別番号】100120400
【氏名又は名称】飛田 高介
(72)【発明者】
【氏名】ピノー、ジョナサン
(72)【発明者】
【氏名】グロロー、ローラン
(72)【発明者】
【氏名】ファイヒト、アレクサンダー
【審査官】瀬戸 康平
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-002433(JP,A)
【文献】特開2011-189778(JP,A)
【文献】特表2009-518233(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0297390(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 21/16
B62D 1/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステアリングホイール(2)上にエアバッグモジュール(1)を取り外し可能に取り付けるためのデバイスであって、
前記エアバッグモジュール(1)又は前記ステアリングホイール(2)のうちの一方に接続されている、少なくとも1つの取り付けフック(11)であって、前記エアバッグモジュール又は前記ステアリングホイールのうちの他方上に配置されている少なくとも1つの挿入要素(35)と協働する、少なくとも1つの取り付けフック(11)と、
弾性リング(30)の取り付け部分(31)であって、前記弾性リング(30)のロック位置において、前記少なくとも1つの取り付けフック(11)との相互作用のゾーン内で、前記エアバッグモジュール又は前記ステアリングホイールのうちの前記他方上に前記少なくとも1つの取り付けフック(11)を保持するための要素を形成する、弾性リング(30)の取り付け部分(31)と、
前記弾性リング(30)の前記取り付け部分(31)が前記少なくとも1つの取り付けフック(11)との相互作用の前記ゾーン内にもはや存在しない、ロック解除位置を有する、前記弾性リング(30)と、を備える、取り付けデバイスにおいて、前記取り外し可能な取り付けデバイスは、前記弾性リング(30)を解放するための要素(12)であって、前記エアバッグモジュール(1)又は前記ステアリングホイール(2)のうちの一方に接続されており、前記弾性リング(30)が前記ロック位置から元の位置に戻されるように、前記エアバッグモジュール(1)を引き抜くための移動の間に前記弾性リング(30)を移動させるように構成されている、弾性リング(30)を解放するための要素(12)を、更に備えることを特徴とする、ステアリングホイール(2)上にエアバッグモジュール(1)を取り外し可能に取り付けるためのデバイス。
【請求項2】
前記エアバッグモジュール又は前記ステアリングホイールのうちの一方に接続されている、前記弾性リングの保持要素(37)が、前記弾性リング(30)を前記ロック解除位置に保持するように構成されている、請求項1に記載のステアリングホイール上にエアバッグモジュールを取り外し可能に取り付けるためのデバイス。
【請求項3】
前記保持要素が、前記弾性リング(30)を前記弾性リングの前記ロック解除位置に保持するための止め部(38)を有する、突起(37)を含む、請求項2に記載のステアリングホイール上にエアバッグモジュールを取り外し可能に取り付けるためのデバイス。
【請求項4】
前記突起(37)が、前記弾性リング(30)が前記止め部(38)に対して支持される、前記弾性リングの前記ロック解除位置に向けた、前記弾性リング(30)の移動を容易にするための、斜面(39)を有する、請求項3に記載のステアリングホイール上にエアバッグモジュールを取り外し可能に取り付けるためのデバイス。
【請求項5】
前記突起(37)が、弾性タブ(40)上に取り付けられている、
請求項3又は4に記載のステアリングホイール上にエアバッグモジュールを取り外し可能に取り付けるためのデバイス。
【請求項6】
前記弾性リングを前記ロック解除位置に保持するために、前記エアバッグモジュール及び前記ステアリングホイールとは別個の、前記弾性リング(30)を保持するためのツール(50)が提供される、請求項1に記載のステアリングホイール上にエアバッグモジュールを取り外し可能に取り付けるためのデバイス。
【請求項7】
前記エアバッグモジュール又は前記ステアリングホイールのうちの前記他方が、前記弾性リング(30)を前記ロック解除位置に保持するために前記保持ツール(50)が配置される位置で、前記保持ツール(50)を固定するための、要素を備える、請求項6に記載のステアリングホイール上にエアバッグモジュールを取り外し可能に取り付けるためのデバイス。
【請求項8】
前記解放要素が、解放フック(12)を含み、前記エアバッグモジュール(1)を引き抜くための前記移動の間の、前記解放フックの軌跡が、前記ロック解除位置にある場合の前記弾性リング(30)と交わる、請求項1~6のいずれか一項に記載のステアリングホイール上にエアバッグモジュールを取り外し可能に取り付けるためのデバイス。
【請求項9】
前記解放フック
(12)が、引き抜き方向に平行な方向に延出している、請求項8に記載のステアリングホイール上にエアバッグモジュールを取り外し可能に取り付けるためのデバイス。
【請求項10】
前記解放フック(12)の高さが、厳密には前記少なくとも1つの取り付けフック(11)の高さよりも大きい、
請求項8又は9に記載のステアリングホイール上にエアバッグモジュールを取り外し可能に取り付けるためのデバイス。
【請求項11】
前記エアバッグモジュールが前記ステアリングホイール(2)上に組み付けられている場合、前記取り付けフック(11)が、前記弾性リング(30)と接触しており、前記解放フック(12)が、前記引き抜き方向において、前記弾性リング(30)から1mmを超えて、又は更に1.5mmを超えて遠隔にある、
請求項8~10のいずれか一項に記載のステアリングホイールにエアバッグモジュールを取り外し可能に取り付けるためのデバイス。
【請求項12】
少なくとも2つの取り付けフック(11)と、取り付けフック(11)ごとの取り付け部分(31)と、取り付け部分(31)ごとの保持要素(37)とを備える、請求項2~11のいずれか一項に記載のステアリングホイール上にエアバッグモジュールを取り外し可能に取り付けるためのデバイス。
【請求項13】
請求項1~12のいずれか一項に記載のステアリングホイール(2)上にエアバッグモジュール(1)を取り外し可能に取り付けるためのデバイスを、取り外すための方法であって、
前記弾性リングを、前記弾性リングの前記ロック解除位置へと移動させるステップと、
前記弾性リングを前記ロック位置に戻すために、前記弾性リングを前記解放要素が移動させるように、前記エアバッグモジュールを引き抜くステップと、を含むことを特徴とする、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、全般的に、ステアリングホイール上にエアバッグモジュールを取り外し可能に取り付けるためのデバイスに関する。
【0002】
欧州特許文献第1957324号は、エアバッグモジュールを取り外し可能に取り付けるためのデバイスであって、ステアリングホイール上にモジュールを保持するために弾性リングと相互作用する、モジュールと一体化されたフックを備える、デバイスを説明している。モジュールの取り外しの間、弾性リングは、モジュールを枢動させる必要なくモジュールを引き抜くことが可能となるように、ロック解除位置に保持される。モジュールはまた、モジュールの位置決めの間に、弾性リングをロック位置へと移動させることを可能にする、作動要素も備える。弾性リングは、モジュールが最大まで、すなわち、その公称位置を越えて押し下げられた場合にのみ、作動要素によって移動される。それゆえ、モジュールの取り付けの間に、モジュールの最大押し下げ移動量に到達せず、その結果としてモジュールが取り付けられないというリスクが存在している。
【0003】
本発明の1つの目的は、上述の先行技術文献の欠点に対処することであり、特に、モジュールの取り外しの間に弾性リングがロック解除位置に保持された後、エアバッグモジュールのロックが保証される、取り外し可能な取り付けデバイスを提案することである。
【0004】
この目的のため、本発明の第1の態様は、ステアリングホイール上にエアバッグモジュールを取り外し可能に取り付けるためのデバイスに関し、この取り付けデバイスは、エアバッグモジュール又はステアリングホイールのうちの一方に接続されている、少なくとも1つの取り付けフックであって、エアバッグモジュール又はステアリングホイールのうちの他方上に配置されている少なくとも1つの挿入要素と協働する、少なくとも1つの取り付けフックと、弾性リングの取り付け部分であって、弾性リングのロック位置において、少なくとも1つの取り付けフックとの相互作用のゾーン内で、エアバッグモジュール又はステアリングホイールのうちの他方上に少なくとも1つの取り付けフックを保持するための要素を形成する、弾性リングの取り付け部分と、弾性リングの取り付け部分が少なくとも1つの取り付けフックとの相互作用のゾーン内にもはや存在しない、ロック解除位置を有する、弾性リングとを備え、取り外し可能な取り付けデバイスが、弾性リングを解放するための要素であって、エアバッグモジュール又はステアリングホイールのうちの一方に接続されており、弾性リングがロック位置から元の位置に戻されるか又はロック位置に配置されるように、エアバッグモジュールを引き抜くための移動の間に弾性リングを移動させるように構成されている、弾性リングを解放するための要素を、更に備えることを特徴とする。
【0005】
それゆえ、エアバッグモジュールの取り外しの間、最初にロック解除位置にある弾性リングは、エアバッグモジュールを引き抜く間に、自動的にロック位置に再位置決めされることが理解されよう。それゆえ、エアバッグモジュールの再組み付けの間、弾性リングは既に取り外し位置にあり、リングが再組み付け位置にない状態で再組み付けされる、あらゆるリスクが取り除かれる。それゆえ、モジュールがその使用位置にある場合に、必然的にモジュール上に保持される。
【0006】
別の実施形態によれば、ステアリングホイール上にエアバッグモジュールを取り外し可能に取り付けるためのデバイスは、エアバッグモジュール又はステアリングホイールのうちの一方に接続されている、弾性リングの保持要素を備えてもよく、この保持要素は、弾性リングをロック解除位置に保持するように構成されている。
【0007】
この保持要素は、弾性リングをロック解除位置に保持することを可能にして、その結果、取り外しの間にモジュールを枢動させる必要なく、エアバッグモジュールを引き抜くことが可能となる。このことは、モジュールとステアリングホイールとの間のクリアランスが極めて小さい場合に、特に顕著なものとなる。そのような小さいクリアランスにより、組み付けはより美的なものとなるが、モジュールの取り外しの間にモジュールを回転させる、あらゆる可能性が阻止される。
【0008】
別の実施形態によれば、保持要素は、弾性リングをそのロック解除位置に保持するための止め部を有する、突起を含み得る。
【0009】
別の実施形態によれば、この突起は、弾性リングが止め部に対して支持される、弾性リングのロック解除位置に向けた、弾性リングの移動を容易にするための、斜面を有し得る。
【0010】
この突起の斜面は、突起に対する、ロック解除位置への弾性リングの移動を、容易にすることを可能にする。
【0011】
別の実施形態によれば、突起は、弾性タブ上に取り付けることもできる。
【0012】
弾性タブの存在は、弾性リングをロック解除位置へと移動させるために必要とされる力を低減することを可能にするが、これは、弾性タブが、弾性リングが通過することを可能にするために変形することが可能であり、弾性リングがロック解除位置に到達すると、その元の位置に復帰することができるためである。
【0013】
別の実施形態によれば、弾性リングをロック解除位置に保持するために、エアバッグモジュール及びステアリングホイールとは別個の、弾性リングを保持するためのツールを提供することができる。
【0014】
別の実施形態によれば、エアバッグモジュール又はステアリングホイールのうちの他方は、弾性リング(30)をロック解除位置に保持するために保持ツールが配置される位置で、その保持ツールを固定するための、要素を備える。
【0015】
別の実施形態によれば、解放要素は、解放フックを含み得るものであり、エアバッグモジュールを引き抜くための移動の間の、解放フックの軌跡は、ロック解除位置にある場合の弾性リングと交わる。
【0016】
別の実施形態によれば、解放フックは、引き抜き方向に平行な方向に延出し得る。
【0017】
別の実施形態によれば、解放フックの高さは、厳密には、少なくとも1つの取り付けフックの高さよりも大きいものとすることができる。
【0018】
それゆえ、このフックは、取り付けフックが弾性リングから係合解除された場合にのみ、弾性リングと接触するように配置されることになる。
【0019】
別の実施形態によれば、取り外し可能な取り付けデバイスは、少なくとも2つの取り付けフックと、取り付けフックごとの取り付け部分と、取り付け部分ごとの保持要素とを備え得る。
【0020】
別の実施形態によれば、エアバッグモジュールがステアリングホイール上に組み付けられている場合、取り付けフックは、弾性リングと接触していてもよく、解放要素(12)は、引き抜き方向において、弾性リングから1mmを超えて、又は更に1.5mmを超えて遠隔にあってもよい。
【0021】
本発明の第2の態様は、第1の態様による、ステアリングホイール上にエアバッグモジュールを取り外し可能に取り付けるためのデバイスを、取り外すための方法であって、弾性リングをそのロック解除位置へと移動させるステップと、弾性リングをロック位置に戻すために、弾性リングを解放要素が移動させるように、エアバッグモジュールを引き抜くステップとを含むことを特徴とする、方法に関する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
本発明の他の特徴及び利点は、本発明の実施形態の詳細な説明を読むことで、より明らかとなり、本発明の実施形態の詳細な説明は、例として提供されているが、決してそれに限定されるものではなく、以下の添付図面によって示されている。
【
図1】本発明による取り外し可能な取り付けデバイスを装備する、ステアリングホイールの一部の斜視図を示す。
【
図2】本発明によるエアバッグモジュールの斜視図を示す。
【
図3】弾性リングのロック解除位置及びロック位置を示す、本発明による取り外し可能な取り付けデバイスの詳細な斜視図を示す。
【
図4】弾性リングのロック解除位置及びロック位置を示す、本発明による取り外し可能な取り付けデバイスの下からの詳細図を示す。
【
図5】弾性リングのロック解除位置及びロック位置を示す、本発明による取り外し可能な取り付けデバイスの取り付けプレートを示す。
【
図6】弾性リングのロック解除位置及びロック位置を示す、本発明による取り外し可能な取り付けデバイスの第1の実施形態の詳細な断面図を示す。
【
図7】弾性リングのロック解除位置及びロック位置を示す、本発明による取り外し可能な取り付けデバイスの第2の実施形態の詳細な断面図を示す。 ここで、本発明による取り外し可能な取り付けデバイスを、
図1~
図7を参照して説明する。
【0023】
それ自体既知の方式で、エアバッグ1モジュール1が、例えば取り付けプレート3を介して、ステアリングホイール2上に取り付けられる。取り付けプレート3は、ねじ21を介して、ステアリングホイール2に取り付けられる。エアバッグモジュール1は、クリップ締結によって、取り付けプレート3上に取り付けられる。この目的のために、取り付けプレート3は、エアバッグモジュール1のフック11が導入されて通る、複数の開口部又は穴35を含む。取り付けプレート3へのモジュール1のクリップ締結は、開口部35における相互作用のゾーン内でフック11と相互作用する、弾性リング30(
図2で視認可能)を介して実行される。示されている実施形態によれば、弾性リング30は、取り付けプレート3上に取り付けられているが、しかしながら、弾性リング30がステアリングホイールアーマチュア2及び/又はエアバッグモジュール1上に取り付けられているか、若しくはそれらと一体化されている、変形実施形態を想到することもできる。当然ながら、弾性リング30が、エアバッグモジュール1上に取り付けられているか、又はエアバッグモジュールと一体化されている場合には、フック11は、ステアリングホイール2上に取り付けられているか、又はステアリングホイールと一体化されている。取り付けプレート3は必須のものではなく、エアバッグモジュール1をステアリングホイール1上に直接取り付けることも可能である。取り付けプレート3はまた、警笛システムの一部も支持することができる。
【0024】
エアバッグモジュール1を取り外すためには、開口部35における相互作用のゾーンの外側にあるロック解除位置へと、弾性リング30を移動させることが必要である点が理解されよう。エアバッグモジュール1が、特に、少なくとも2つの取り付けフック11によって、取り付けプレート3を介して、ステアリングホイール2上に取り付けられている場合、取り付けフック11を順々に係合解除することによってエアバッグモジュール1を取り外すことは、必ずしも可能ではない。実際には、第1のフックを係合解除して、次いで第2のフックを係合解除することは、エアバッグモジュール1を傾斜させるか又は移動させることを必要とする。場合によっては、エアバッグモジュール1とステアリングホイール2との間の機能的クリアランスが小さすぎて、この移動又は傾斜を可能にすることができないことがある。
【0025】
この場合、又は単にエアバッグモジュール1の取り外しを容易にするために、取り付けプレート3は、特に
図5~
図7で見ることが可能な、弾性リング30の保持要素37を含み得る。保持要素37は、弾性リング30を、そのリングが移動された後に相互作用のゾーンの外側に保持するように構成されている。保持要素37は、例えば、取り付けプレート3上に形成されている突起である。より具体的には、この突起は、プレート3の、弾性リング30が取り付けられている面上に形成されている。
【0026】
突起37は、弾性リングをロック解除位置に保持するための、弾性リング30用の止め部を形成している、第1の部分38を有し得る。この第1の部分38は、例えば、取り付けプレート3の平面に対して垂直な表面を形成している。
【0027】
突起37は、特に第1の部分38に対する、弾性リング30のロック解除位置に向けた移動を容易にするための斜面を形成している、第2の部分39を有し得る。第1の部分38と第2の部分39とは、弾性リング30が第2の部分39の端部まで移動すると、第1の部分38に弾性リングが当接するように、隣接し得る。別の実施形態によれば、図示されていないが、突起37は、第1の部分38と第2の部分39との間の接合部分を有し得る。
【0028】
別の実施形態によれば、突起37が取り付けプレート3の平面に対して実質的に垂直に移動することができるように、突起37を、取り付けプレート3上に配置されている弾性タブ40上に取り付けることもできる。換言すれば、弾性リング30がロック解除位置へと移動される際に、突起37に加えられる力が、弾性タブ40を屈曲させることになり、このことにより、弾性リング30が突起37の上を通過することが容易になる。弾性リング30が突起37を越えて通過すると、次いで弾性タブ40が、突起37をその元の位置に戻すことにより、次いで弾性リング30は、突起37によってロック解除位置に保持される。弾性タブ40は、弾性リング30をそのロック解除位置へと引き込むために必要とされる力を低減させることを可能にする点が理解されよう。
【0029】
図7に示される別の変形実施形態によれば、突起37は、保持又は取り外しツール50によって置き換えられている。エアバッグモジュールの取り外しの間に、この保持ツール50もまた、弾性リング30をそのロック解除位置へと移動させるために使用することができる。弾性リングのロック解除位置に到達すると、保持ツール50は、例えば、取り付けプレート3上又はステアリングホイール2の外側のいずれかに位置決めすることが可能な、くさび又はスタッドなどの固定要素(図示せず)を介して、取り付けプレート3上の所定の位置に保持される。それ自体既知の方式で、取り外しの間に、保持ツール50を、トリムカバー(図示せず)内に作製されている穴によって、ステアリングホイール2内に導入することができる。
【0030】
本発明の1つの特徴によれば、エアバッグモジュール1は、弾性リングが取り外し位置にある場合に弾性リング30を解放するための、要素12を備える。この解放要素は、エアバッグモジュール1の引き抜きの間に弾性リング30を移動させるように構成されている。次いで、解放要素12による弾性リング30の移動が、弾性リングをロック位置に戻させる。その場合、ステアリングホイール2からエアバッグモジュール1を引き抜いた後に、弾性リング30は、エアバッグモジュール1の再組み付けの間の、ステアリングホイール2上でのエアバッグモジュール1のロックを保証するために、ロック位置に自動的に戻されることが理解されよう。
【0031】
本発明の変形実施形態によれば、解放要素は、エアバッグモジュール1と一体化されている解放フック12を含む。解放フック12は、例えば、エアバッグモジュール1の引き抜き方向に実質的に平行な方向に延出している。
図1~
図7に示される例示的実施形態では、引き抜き方向は、ステアリングホイールの回転軸Aに実質的に平行である。解放フック12は、エアバッグモジュール1の引き抜き移動の間の解放フック12の軌跡が、弾性リングがロック解除位置にある場合の、弾性リング30と交わるように位置決めされている。それゆえ、引き抜き移動の間に、解放フック12は、弾性リング30に引っ掛かり、弾性リングと少なくとも相互作用することになる。次いで、この相互作用が、弾性リング30を移動させて、弾性リング30をそのロック位置へと通過させることになる。当然ながら、解放フック12は、弾性リング30の、そのロック解除位置からそのロック位置への移動を、妨げないように方向付けされている。
【0032】
より具体的には、及び示されている変形実施形態によれば、解放フックによって引き起こされる弾性リング30の移動は、例えば突起37の止め部又は保持ツール50を越える、弾性リング30の移動をもたらす。その場合、もはや弾性リング30は、そのロック解除位置には保持されず、それゆえ、そのロック位置に復帰する。
【0033】
図1~
図7に示される変形例によれば、解放フック12は、取り付けフック11と同じ方向に延出している。解放フック12の高さは、厳密には取り付けフック11の高さよりも大きい。それゆえ、エアバッグモジュール1の引き抜き移動の間に、取り付けフック11は、解放フック12が弾性リングの移動を引き起こす前に、弾性リング30との相互作用のゾーンの外へと通過することになる。それゆえ、弾性リング30の、そのロック位置への戻りが、移動の間にエアバッグモジュール1をステアリングホイール2に再ロックすることは、不可能となる。
【0034】
例として、エアバッグモジュールがステアリングホイール上に組み付けられている場合、取り付けフック(11)は、弾性リング(30)と接触しており、解放フック(12)は、引き抜き方向において、弾性リング(30)から1mmを超えて、又は更に1.5mmを超えて遠隔にある。
【0035】
取り付けプレート3は、解放フック12の通過のための開口部14を含み得る。この開口部14は、エアバッグモジュール1の取り付けフック11の通過を目的とする開口部35とは別個のものである。
【0036】
エアバッグモジュール1は、以下の方式で取り外される:
-弾性リング30が、エアバッグモジュール1の少なくとも1つの取り付けフック11に関する、そのロック解除位置に向けて最初に移動される。この操作は、例えば、保持ツール50又はそれ自体既知の任意の他の手段を介して実行される。弾性リング30はまた、保持要素37又は保持ツール50によって、この位置に保持することもできる。
-弾性リング30が、取り付けフック11との相互作用のゾーンから外れた時点で、エアバッグモジュール1が引き抜かれる。次いで、この引き抜きが、解放要素12による弾性リング30の移動を引き起こすことにより、弾性リング30を、そのロック位置へと移動させて戻す。
【0037】
当業者にとって明白な種々の修正及び/又は改善が、本発明の範囲から逸脱することなく、本明細書で説明されている本発明の種々の実施形態に対して実施され得る点が理解されるであろう。
【0038】
特に、別の変形実施形態によれば、図示されていないが、取り付けデバイスは、取り付けプレートを備えず、エアバッグモジュールが、フックを備える。この変形実施形態によれば、ステアリングホイールフレームが、エアバッグモジュールのフックを受け入れるための挿入手段を備える。これらの挿入手段は、取り付けプレート上と同様の開口部の形態、又は単純なノッチとすることができる。上述の変形例と同様に、弾性リングが、フックと相互作用して、ステアリングホイールにエアバッグモジュールを保持する。
【0039】
別の変形実施形態によれば、図示されていないが、取り付けデバイスは、取り付けプレートを備えず、ステアリングホイールアーマチュアが、フックを備える。この実施形態によれば、エアバッグモジュールが、ステアリングホイールフックを受け入れるための挿入手段を備える。これらの挿入手段は、取り付けプレート上と同様の開口部の形態、又は単純なノッチ、又は1つ以上の穴、開口部、溝、若しくは凹部とすることができる。エアバッグモジュールはまた、弾性リングを固定するための手段を備える。上述の変形例と同様に、弾性リングが、フックと相互作用して、ステアリングホイールにエアバッグモジュールを保持する。