(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-18
(45)【発行日】2023-05-26
(54)【発明の名称】モータユニット及び電動オイルポンプ
(51)【国際特許分類】
H02K 11/33 20160101AFI20230519BHJP
H02K 11/215 20160101ALI20230519BHJP
H02K 7/14 20060101ALI20230519BHJP
F04C 14/00 20060101ALI20230519BHJP
【FI】
H02K11/33
H02K11/215
H02K7/14 B
F04C14/00 C
(21)【出願番号】P 2020516127
(86)(22)【出願日】2019-03-27
(86)【国際出願番号】 JP2019013207
(87)【国際公開番号】W WO2019208076
(87)【国際公開日】2019-10-31
【審査請求日】2022-03-01
(31)【優先権主張番号】P 2018083310
(32)【優先日】2018-04-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000220505
【氏名又は名称】ニデックパワートレインシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002723
【氏名又は名称】高法弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100138689
【氏名又は名称】梶原 慶
(72)【発明者】
【氏名】小林 喜幸
(72)【発明者】
【氏名】片岡 慈裕
(72)【発明者】
【氏名】姜 鄭旺
【審査官】三島木 英宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-152676(JP,A)
【文献】特開2010-136590(JP,A)
【文献】国際公開第2014/188803(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 11/33
H02K 11/215
H02K 7/14
F04C 14/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸方向に延びる中心軸に沿って配置されたシャフトを有するモータ部と、
前記モータ部の作動を制御する制御部と、
前記シャフトの回転角を検出する検出部と、
前記制御部と前記検出部とを電気的に接続する
複数の接続部材と、を有し、
前記モータ部は、
前記シャフトの軸方向他方側に固定されるロータと、
前記ロータと対向して配置されたステータと、を有し、
前記制御部は、
第1の電子部品と、
前記第1の電子部品が実装された制御基板と、を有し、
前記検出部は、
第2の電子部品と、
前記第2の電子部品が実装された回転角検出基板と、を有し、
前記制御基板の面は、軸方向と垂直な方向に拡がり、
前記回転角検出基板の面は、軸方向と垂直な方向に拡がり、
前記回転角検出基板は、前記シャフトよりも軸方向他方側に位置し、
前記制御基板は、前記回転角検出基板よりも軸方向他方側に位置し、
前記制御基板は、軸方向において前記回転角検出基板と重なり、
前記接続部材は、前記回転角検出基板と前記制御基板とを電気的に接続し、
前記接続部材は、前記回転角検出基板及び前記制御基板から離れる方向に延びる延伸部を有
し、
複数の前記接続部材と前記回転角検出基板との接続位置は、前記回転角検出基板の第1の辺に位置し、
複数の前記接続部材と前記制御基板との接続位置は、前記制御基板の第2の辺に位置し、
軸方向と垂直な方向での前記第1の辺の向きは、軸方向と垂直な方向での前記第2の辺の向きと同じであり、
複数の前記接続部材は、
前記制御基板へ接続する一方の端子部と、
前記回転角検出基板へ接続する他方の端子部と、を有し、
前記延伸部は、前記接続部材において前記一方の端子部および前記他方の端子部の間に位置し、
複数の前記延伸部は、前記第1の辺に沿って見て重なっている、モータユニット。
【請求項2】
前記接続部材の、前記回転角検出基板及び前記制御基板から離れる方向に延びる延伸部は、軸方向において前記回転角検出基板及び前記制御基板から離れる方向に延びる延伸部である請求項1に記載のモータユニット。
【請求項3】
前記接続部材と前記回転角検出基板との接続位置は、軸方向と垂直な方向において、前記接続部材と前記制御基板との接続位置とずれた位置である請求項1又は2に記載のモータユニット。
【請求項4】
前記他方の端子部は、
前記回転角検出基板の軸方向他方側の面に沿って延び、前記回転角検出基板の軸方向他方側の面に接続する、請求項1に記載のモータユニット。
【請求項5】
前記回転角検出基板及び前記回転角検出基板を固定する台座部を有し、
前記台座部は、樹脂製の部材であり、
前記台座部は、前記接続部材をインサート品として、インサート成形された請求項1から4のいずれか一項に記載のモータユニット。
【請求項6】
導通性を有する導通部材を有し、
前記台座部は、前記導通部材をインサート品として、インサート成形された請求項5に記載のモータユニット。
【請求項7】
前記接続部材と前記回転角検出基板との接続位置は、前記接続部材と前記制御基板との接続位置よりも径方向内側である請求項1から6のいずれか一項に記載のモータユニット。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか一項に記載のモータユニットを有し、
前記モータ部の軸方向一方側に位置し、前記モータ部によって前記シャフトを介して駆動されオイルを吐出するポンプ部を有し、
前記ポンプ部は、
前記モータ部から軸方向一方側に突出する前記シャフトに取り付けられるポンプロータと、
前記ポンプロータを収容する収容部を有したポンプハウジングと、を有する電動オイルポンプ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モータユニット及び電動オイルポンプに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、モータユニット及び電動オイルポンプが知られる。特許文献1は、電動駆動装置において、モータの回転角を検出する回転角検出基板とモータの駆動を制御する制御基板とを、モータの軸方向で重ねて配置した構成を開示する。
【0003】
特許文献1に記載の電動駆動装置は、回転角検出基板と制御基板との間にヒートシンクを配置し、回転角検出基板と制御基板とを、ストレートな一本の接続部材で電気的に接続する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の電動駆動装置は、接続部材がストレートであるため、回転角検出基板における接続部材の接続位置と、制御基板における接続部材の接続位置とが、各基板の面が拡がる方向でずれないようにしなければならなかった。このため、特許文献1に記載の電動駆動装置をモータユニットに適用した場合、各基板における部品の実装位置及び各基板における配線の位置の自由度が低く、基板形状やモータユニットの形状が限定され、モータユニットが大型化してしまうという問題があった。
【0006】
本発明の目的は、小型化したモータユニットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願の例示的な第1発明は、軸方向に延びる中心軸に沿って配置されたシャフトを有するモータ部と、前記モータ部の作動を制御する制御部と、前記シャフトの回転角を検出する検出部と、前記制御部と前記検出部とを電気的に接続する接続部材と、を有し、前記モータ部は、前記シャフトの軸方向他方側に固定されるロータと、前記ロータと対向して配置されたステータと、を有し、前記制御部は、第1の電子部品と、前記第1の電子部品が実装された制御基板と、を有し、前記検出部は、第2の電子部品と、前記第2の電子部品が実装された回転角検出基板と、を有し、前記制御基板の面は、軸方向と垂直な方向に拡がり、前記回転角検出基板の面は、軸方向と垂直な方向に拡がり、前記回転角検出基板は、前記シャフトよりも軸方向他方側に位置し、前記制御基板は、前記回転角検出基板よりも軸方向他方側に位置し、前記制御基板は、軸方向において前記回転角検出基板と重なり、前記接続部材は、前記回転角検出基板と前記制御基板とを電気的に接続し、前記接続部材は、前記回転角検出基板及び前記制御基板から離れる方向に延びる延伸部を有するモータユニットである。
【発明の効果】
【0008】
本願の例示的な第1発明によれば、小型化したモータユニットを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】第1実施形態に係る電動オイルポンプの斜視図である。
【
図2】
図1のA-A矢視に相当する電動オイルポンプの断面図である。
【
図3】
図1に示した電動オイルポンプ1からモータカバー72cを外した状態を示す斜視図である。
【
図4】
図3に示した電動オイルポンプ1から制御部82を外した状態を示す斜視図である。
【
図5】
図1に示した電動オイルポンプ1から、樹脂ユニット14及びインサート成形により樹脂ユニット14と一体化された構成を抜き出して示す斜視図である。
【
図6】
図5の構成を、
図5とは異なる向きから見た斜視図である。
【
図7】バスバー15a、15b、15c、15d及び15eによる、制御部82と検出部72との接続状態を示す図であって、+Y方向を図中の左側に配置した側面図である。
【
図8】バスバー15a、15b、15c、15d及び15eによる、制御部82と検出部72との接続状態を示す図であって、+X方向を図中の左側に配置した側面図である。
【
図9】バスバー15a、15b、15c、15d及び15eによる、制御部82と検出部72との接続状態を示す図であって、+X方向を図中の左側に配置した平面図である。
【
図10】バスバー15a、15b、15c、15d及び15eによる、制御部82と検出部72との接続状態を示す図であって、+X方向を図中の左側に配置した底面図である。
【
図11】
図9の構成から制御部82を外した状態を示す平面図である。
【
図12】
図1に示した電動オイルポンプ1から、バスバー15a、バスバー15b、バスバー15c、バスバー15d及びバスバー15eを抜き出して示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係る電動オイルポンプについて説明する。本実施形態では、自動車等の車両に搭載されるトランスミッションにオイルを供給する電動オイルポンプについて説明する。また、以下の図面においては、各構成をわかり易くするために、実際の構造と各構造における縮尺及び数等を異ならせる場合がある。
【0011】
また、図面においては、適宜3次元直交座標系としてXYZ座標系を示す。XYZ座標系において、Z軸方向は、
図2に示す中心軸Jの軸方向と平行な方向であって
図2の上下方向とする。Y軸方向は、
図2の左右方向とする。X軸方向は、Y軸方向及びZ軸方向の両方と直交する方向とする。X軸方向、Y軸方向、Z軸方向の何れにおいても、図中に示される矢印の向く側を+側、反対側を-側とする。
【0012】
また、以下の説明においては、Z軸方向の正の側(+Z側)を「リア側」と記し、Z軸方向の負の側(-Z側)を「フロント側」と記す。なお、リア側及びフロント側とは、単に説明のために用いられる名称であって、実際の位置関係及び方向を限定しない。また、特に断りのない限り、中心軸Jに平行な方向(Z軸方向)を単に「軸方向」と記し、中心軸Jを中心とする径方向を単に「径方向」と記し、中心軸Jを中心とする周方向、すなわち、中心軸Jの軸周り(θ方向)を単に「周方向」と記す。
【0013】
なお、本明細書において、軸方向に延びる、とは、厳密に軸方向(Z軸方向)に延びる場合に加えて、軸方向に対して、45°未満の範囲で傾いた方向に延びる場合も含む。また、本明細書において、径方向に延びる、とは、厳密に径方向、すなわち、軸方向(Z軸方向)に対して垂直な方向に延びる場合に加えて、径方向に対して、45°未満の範囲で傾いた方向に延びる場合も含む。
【0014】
また、本明細書において、軸方向と垂直な方向に拡がる、とは、厳密に軸方向(Z軸方向)と垂直な方向に拡がる場合に加えて、軸方向と垂直な方向に対して、45°未満の範囲で傾いた方向に拡がる場合も含む。
【0015】
[第1実施形態]
<全体構成>
図1は、第1実施形態に係る電動オイルポンプの斜視図である。
図2は、
図1のA-A矢視に相当する電動オイルポンプ1の断面図である。本実施形態では、本発明に係るモータユニットについて、電動オイルポンプ1に用いられるモータユニット100を例に説明する。本実施形態の電動オイルポンプ1は、
図1に示すように、モータ部10と、ポンプ部40と、検出部72と、制御部82と、を有する。モータユニット100は、モータ部10と、検出部72と、制御部82と、を有する。
図2に示すように、モータ部10は、軸方向に延びる中心軸Jに沿って配置されたシャフト11を有する。ポンプ部40は、モータ部10の軸方向一方側(フロント側)に位置し、モータ部10によってシャフト11を介して駆動されオイルを吐出する。検出部72は、Z軸方向においてモータ部10とモータカバー72cとの間に配置されて、シャフト11の回転角を検出する。制御部82は、Z軸方向において検出部72とモータカバー72cとの間に配置されて、モータ部10の作動を制御する。以下、構成部材毎に詳細に説明する。
【0016】
<モータ部10>
モータ部10は、
図2に示すように、シャフト11と、ロータ20と、ステータ22と、モータハウジング13の円筒部13dと、を有する。
【0017】
モータ部10は、例えば、インナーロータ型のモータであり、ロータ20がシャフト11の外周面に固定され、ステータ22がロータ20の径方向外側に位置する。ロータ20は、シャフト11の軸方向他方側(ポンプ部40に対してリア側)に固定される。ステータ22は、ロータ20と対向して配置される。
【0018】
(モータハウジング13)
モータハウジング13は、ステータ22を覆う円筒状の形状の円筒部13dを有する。円筒部13dは、ロータ20及びステータ22を収容する。モータハウジング13は、ステータ保持部13aと、樹脂ユニット保持部13cと、を有する。モータハウジング13は、金属製である。
【0019】
(ステータ保持部13a)
ステータ保持部13aは、軸方向に延びる円筒状である。ステータ保持部13a内にモータ部10のシャフト11とロータ20とステータ22とが配置される。
【0020】
(樹脂ユニット保持部13c)
樹脂ユニット保持部13cは、
図2に示すように、モータハウジング13の円筒部13dのリア側端部に設けられる。モータハウジング13の円筒部13dのリア側端部には、樹脂ユニット14が配置される。樹脂ユニット14は、樹脂ユニット保持部13cの径方向内側によって、径方向の位置決めがされる。
【0021】
(樹脂ユニット14)
樹脂ユニット14は、樹脂製である。樹脂ユニット14は、円環状部材である。樹脂ユニット14は、フロント側にベアリング収容部14aを有する。樹脂ユニット14のリア側は、ベアリング収容部14aよりも大径である、ベアリング収容部14aは、フロント側から見たときに円形状である。ベアリング収容部14aは、シャフト11の中心軸Jと同軸上に配置される。ベアリング収容部14a内に設けられたベアリング16は、シャフト11のリア側端部を支持する。
【0022】
樹脂ユニット14は、大径であるリア側にボス14b及びボス14cを有する。ボス14b及びボス14cは、リア側に突出する。樹脂ユニット14は、大径であるリア側に検出部72及び制御部82を収容する。検出部72は、樹脂ユニット14のボス14b上に配置される。検出部72は、ボス14bに固定される。制御部82は、樹脂ユニット14のボス14c上に配置される。制御部82は、ボス14cに固定される。樹脂ユニット14の軸方向他方側(リア側)の端部にはモータカバー72cが配置されており、樹脂ユニット14の軸方向他方側(リア側)の開口をモータカバー72cで塞いでいる。
【0023】
(ロータ20)
ロータ20は、
図2に示すように、シャフト11の、ポンプ部40に対してリア側に固定される。ロータ20は、ロータコア20aと、ロータマグネット20bと、を有する。ロータコア20aは、シャフト11を軸周り(θ方向)に囲んで、シャフト11に固定される。ロータマグネット20bは、ロータコア20aの軸周り(θ方向)に沿った外側面に固定される。ロータコア20a及びロータマグネット20bは、シャフト11と共に回転する。なお、ロータ20は、ロータ20の内部に永久磁石が埋め込まれた埋込磁石型でもよい。埋込磁石型のロータ20は、永久磁石をロータ20の表面に設けた表面磁石型と比較して、遠心力によって磁石が剥がれることを軽減することができ、また、リラクタンストルクを積極的に利用することができる。
【0024】
(ステータ22)
ステータ22は、ロータ20の径方向外側に、ロータ20と対向して配置され、ロータ20を軸周り(θ方向)に囲み、ロータ20を中心軸J周りに回転させる。ステータ22は、コアバック部22aと、ティース部22cと、コイル22bと、インシュレータ(ボビン)22dと、を有する。
【0025】
コアバック部22aの形状は、シャフト11と同心の円筒状である。ティース部22cは、コアバック部22aの内側面からシャフト11に向かって延びる。ティース部22cは、複数設けられ、コアバック部22aの内側面の周方向に均等な間隔で配置される。コイル22bは、インシュレータ22dの周囲に巻回されてなる。インシュレータ22dは、各ティース部22cに装着される。
【0026】
(シャフト11)
シャフト11は、
図2に示すように、軸方向に延びる中心軸Jを中心として延びてモータ部10を貫通する。シャフト11のフロント側(-Z側)は、モータ部10から突出して、ポンプ部40内に延びる。シャフト11のフロント側はポンプ部40のインナーロータ47aに固定される。シャフト11のフロント側は、ベアリング55で支持される。このため、シャフト11は、両端支持の状態となる。
【0027】
<制御部82>
図3は、
図1に示した電動オイルポンプ1からモータカバー72cを外した状態を示す斜視図である。制御部82は、
図2及び
図3に示すように、板状の基板82aと、基板82aに実装された電子部品82bを有する。制御部82は、検出部72からの検出信号に基づいてモータ部10を駆動する。制御部82は、モータ部10を駆動する信号を生成し、その信号をモータ部10に対して出力する。基板82aは、樹脂ユニット14のボス14cに支持されて固定される。電子部品82bは、第1の電子部品である。基板82aは、第1の電子部品が実装された制御基板である。基板82aの面は、軸方向と垂直な方向に拡がる。
【0028】
<検出部72>
図4は、
図3に示した電動オイルポンプ1から制御部82を外した状態を示す斜視図である。検出部72は、
図2に示すように、シャフト11のリア側端部に対向して配置され、板状の基板72aと、基板72aに実装された回転角センサ72bと、を有する。基板72aは、樹脂ユニット14のボス14bに支持されて固定される。回転角センサ72bは、第2の電子部品である。基板72aは、第2の電子部品が実装された回転角検出基板である。基板72aの面は、軸方向と垂直な方向に拡がる。基板72aは、シャフト11よりも軸方向他方側に位置する。基板82aは、基板72aよりも軸方向他方側に位置する。基板82aは、軸方向において基板72aと重なる。
【0029】
シャフト11のリア側端部には回転角センサ用磁石72dが配置されて固定される。回転角センサ72bは、回転角センサ用磁石72dと対向し、回転角センサ用磁石72dのリア側に配置される。シャフト11が回転すると回転角センサ用磁石72dも回転し、これにより磁束が変化する。回転角センサ72bは、回転角センサ用磁石72dの回転による磁束の変化を検出し、これによりシャフト11の回転角を検出する。検出部72は、回転角センサ72bによる検出結果である検出信号を、制御部82に出力する。検出部72から制御部82に出力される検出信号は、詳しくは後述するバスバー15a、15b、15c、15d及び15e(
図5参照)によって伝送される。バスバー15a、15b、15c、15d及び15eは、検出部72と制御部82とを電気的に接続する接続部材である。バスバー15a、15b、15c、15d及び15eは、基板72aと基板82aとを電気的に接続する。
【0030】
<ポンプ部40>
ポンプ部40は、
図2に示すように、モータ部10の軸方向一方側(フロント側)に位置する。ポンプ部40は、モータ部10によってシャフト11を介して駆動される。ポンプ部40は、ポンプロータ47と、ポンプハウジング51と、を有する。本実施形態では、ポンプハウジング51は、ポンプボディ52と、ポンプカバー57と、を有する。ポンプハウジング51は、ポンプボディ52とポンプカバー57との間にポンプロータ47を収容する収容部60を有する。以下、各部品について詳細に説明する。
【0031】
(ポンプボディ52)
ポンプボディ52は、
図2に示すように、モータハウジング13の円筒部13dのフロント側端部に配置される。ポンプボディ52は、リア側(+Z側)の端面52cからフロント側(-Z側)に窪む凹部54を有する。凹部54内にはリア側からフロント側へ向かってベアリング55及びシール部材59が順に収容される。ベアリング55は、モータ部10から軸方向一方側(フロント側)に突出するシャフト11を支持する。シール部材59は、ポンプロータ47から漏れ出すオイルをシールする。
【0032】
ポンプボディ52は、モータハウジング13と単一の部材である。これにより、凹部54内のベアリング55を軸方向に位置決めする。
【0033】
ポンプボディ52は、中心軸Jに沿って貫通する貫通孔56を有する。貫通孔56は軸方向両端が開口してシャフト11が通され、リア側(+Z側)の開口が凹部54に開口し、フロント側(-Z側)の開口がポンプボディ52のフロント側の端面52dに開口する。
【0034】
(ポンプロータ47)
ポンプロータ47は、
図2に示すように、ポンプボディ52のフロント側に取り付けられる。ポンプロータ47は、インナーロータ47aと、アウターロータ47bと、ロータボディ47cと、を有する。ポンプロータ47は、シャフト11に取り付けられる。より詳細には、ポンプロータ47は、シャフト11のフロント側(-Z側)に取り付けられる。インナーロータ47aは、シャフト11に固定される。アウターロータ47bは、インナーロータ47aの径方向外側を囲む。ロータボディ47cは、アウターロータ47bの径方向外側を囲む。ロータボディ47cは、ポンプボディ52と単一の部材である。
【0035】
インナーロータ47aは、円環状である。インナーロータ47aは、径方向外側面に歯を有する歯車である。インナーロータ47aは、シャフト11と共に軸周り(θ方向)に回転する。アウターロータ47bは、インナーロータ47aの径方向外側を囲む円環状である。アウターロータ47bは、径方向内側面に歯を有する歯車である。アウターロータ47bの径方向外側面は円形である。ロータボディ47cの径方向内側面は円形である。
【0036】
インナーロータ47aの径方向外側面の歯車とアウターロータ47bの径方向内側面の歯車とは互いに噛み合い、シャフト11によってインナーロータ47aが回転することでアウターロータ47bが回転する。すなわち、シャフト11の回転によりポンプロータ47は回転する。言い換えると、モータ部10とポンプ部40とは同一の回転軸を有する。これにより、電動オイルポンプ1が軸方向に大型化することを抑制できる。
【0037】
また、インナーロータ47a及びアウターロータ47bが回転することで、インナーロータ47aとアウターロータ47bとの噛み合わせ部分の間の容積が変化する。容積が減少する領域が加圧領域となり、容積が増加する領域が負圧領域となる。ポンプロータ47の負圧領域のフロント側には、ポンプカバー57の吸入ポート(不図示)が配置される。また、ポンプロータ47の加圧領域のフロント側には、ポンプカバー57の吐出ポート(不図示)が配置される。
【0038】
(ポンプカバー57)
ポンプカバー57は、
図2に示すように、ポンプロータ47のフロント側に取り付けられる。ポンプカバー57は、ポンプロータ47のロータボディ47cに固定される。ポンプカバー57は、ポンプボディ52に取り付けられ、固定される。ポンプカバー57は、吸入ポートにつながる吸入口41を有する。ポンプカバー57は、吐出ポートにつながる吐出口42を有する。
【0039】
ポンプカバー57に設けられた吸入口41からポンプカバー57の吸入ポートを介してポンプロータ47内に吸入されるオイルは、インナーロータ47aとアウターロータ47bとの間の容積部分に収容され、加圧領域に送られる。その後、オイルは、ポンプカバー57の吐出ポートを介してポンプカバー57に設けられた吐出口42から吐出される。吸入口41による吸入の向きと吐出口42による吐出の向きとは直交する。これにより、吸入口から吐出口までの圧力損失を低減し、オイルの流れをスムーズにすることができる。
【0040】
<バスバー15a、15b、15c、15d及び15e>
図5は、
図1に示した電動オイルポンプ1から、樹脂ユニット14及びインサート成形により樹脂ユニット14と一体化された構成を抜き出して示す斜視図である。
図6は、
図5の構成を、
図5とは異なる向きから見た斜視図である。
図5は、+Y方向を図中の左下側に配置した斜視図である。
図6は、+X方向を図中の左下側に配置した斜視図である。樹脂ユニット14は、バスバー15a、15b、15c、15d及び15eを固定する固定部14dを有する。
【0041】
樹脂ユニット14は、バスバー15a、15b、15c、15d及び15eをインサート品として、インサート成形された。このため、ボス14bは、バスバー15a、15b、15c、15d及び15eをインサート品として、インサート成形された。また、ボス14cは、バスバー15a、15b、15c、15d及び15eをインサート品として、インサート成形された。また、固定部14dは、バスバー15a、15b、15c、15d及び15eをインサート品として、インサート成形された。
【0042】
樹脂ユニット14は、導通部材17をインサート品として、インサート成形された。このため、ボス14bは、導通部材17をインサート品として、インサート成形された。また、ボス14cは、導通部材17をインサート品として、インサート成形された。また、固定部14dは、導通部材17をインサート品として、インサート成形された。樹脂ユニット14は、導通部材18をインサート品として、インサート成形された。このため、ボス14bは、導通部材18をインサート品として、インサート成形された。また、ボス14cは、導通部材18をインサート品として、インサート成形された。また、固定部14dは、導通部材18をインサート品として、インサート成形された。
【0043】
図7、
図8、
図9及び
図10は、
図1に示した電動オイルポンプ1から、制御部82、検出部72、バスバー15a、バスバー15b、バスバー15c、バスバー15d及びバスバー15eを抜き出して示す図である。
図7は、バスバー15a、15b、15c、15d及び15eによる、制御部82と検出部72との接続状態を示す図であって、+Y方向を図中の左側に配置した側面図である。
図8は、バスバー15a、15b、15c、15d及び15eによる、制御部82と検出部72との接続状態を示す図であって、+X方向を図中の左側に配置した側面図である。
図9は、バスバー15a、15b、15c、15d及び15eによる、制御部82と検出部72との接続状態を示す図であって、+X方向を図中の左側に配置した平面図である。
図10は、バスバー15a、15b、15c、15d及び15eによる、制御部82と検出部72との接続状態を示す図であって、+X方向を図中の左側に配置した底面図である。
図11は、
図9の構成から制御部82を外した状態を示す平面図である。
図12は、
図1に示した電動オイルポンプ1から、バスバー15a、バスバー15b、バスバー15c、バスバー15d及びバスバー15eを抜き出して示す斜視図である。
【0044】
電子部品82bは、
図7に示すように、基板82aの面のうち、基板72aと対向しない面(リア側の面)に実装される。このため、本実施形態によれば、基板82aと基板72aとの間隔を、電子部品82bの高さよりも狭めることができ、電動オイルポンプ1の軸方向のサイズを小型化することができる。
【0045】
バスバー15aは、
図12に示すように、端子部15aa、端子部15ab、延伸部15ac、延伸部15ad、延伸部15ae及び延伸部15afを有する。バスバー15aは、一端に端子部15aaを有する。バスバー15aは、他端に端子部15abを有する。端子部15aaは、-Z方向に延びる。端子部15aaの一端は、
図7及び
図9に示すように、基板82aの貫通孔82aaを貫通して基板82aに接続される。端子部15aaの他端は、延伸部15acの一端に繋がる。延伸部15acは、-X方向に延びる。延伸部15acの他端は、延伸部15adの一端に繋がる。延伸部15adは、-Z方向に延びる。延伸部15adの他端は、延伸部15aeの一端に繋がる。延伸部15aeは、-Y方向に延びる。延伸部15aeの他端は、延伸部15afの一端に繋がる。延伸部15afは、+Z方向に延びる。延伸部15afの他端は、端子部15abの一端に繋がる。端子部15abは、+X方向に延びる。端子部15abの他端は、
図11に示すように、基板72aのランド72aaに接触して基板72aに接続される。端子部15aaは、基板82aの貫通孔82aaを貫通した状態で、基板82aにはんだ付けされる。端子部15abは、基板72aのランド72aaに接触した状態で、基板72aにはんだ付けされる。
【0046】
バスバー15bは、
図12に示すように、端子部15ba、端子部15bb、延伸部15bc、延伸部15bd、延伸部15be及び延伸部15bfを有する。バスバー15bは、一端に端子部15baを有する。バスバー15bは、他端に端子部15bbを有する。端子部15baは、-Z方向に延びる。端子部15baの一端は、
図7及び
図9に示すように、基板82aの貫通孔82abを貫通して基板82aに接続される。端子部15baの他端は、延伸部15bcの一端に繋がる。延伸部15bcは、-X方向に延びる。延伸部15bcの他端は、延伸部15bdの一端に繋がる。延伸部15bdは、-Z方向に延びる。延伸部15bdの他端は、延伸部15beの一端に繋がる。延伸部15beは、-Y方向に延びる。延伸部15beの他端は、延伸部15bfの一端に繋がる。延伸部15bfは、+Z方向に延びる。延伸部15bfの他端は、端子部15bbの一端に繋がる。端子部15bbは、+X方向に延びる。端子部15bbの他端は、
図11に示すように、基板72aのランド72abに接触して基板72aに接続される。端子部15baは、基板82aの貫通孔82abを貫通した状態で、基板82aに、はんだ付けされる。端子部15bbは、基板72aのランド72abに接触した状態で、基板72aに、はんだ付けされる。
【0047】
バスバー15cは、
図12に示すように、端子部15ca、端子部15cb、延伸部15cc、延伸部15cd、延伸部15ce及び延伸部15cfを有する。バスバー15cは、一端に端子部15caを有する。バスバー15cは、他端に端子部15cbを有する。端子部15caは、-Z方向に延びる。端子部15caの一端は、
図7及び
図9に示すように、基板82aの貫通孔82acを貫通して基板82aに接続される。端子部15caの他端は、延伸部15ccの一端に繋がる。延伸部15ccは、-X方向に延びる。延伸部15ccの他端は、延伸部15cdの一端に繋がる。延伸部15cdは、-Z方向に延びる。延伸部15cdの他端は、延伸部15ceの一端に繋がる。延伸部15ceは、-Y方向に延びる。延伸部15ceの他端は、延伸部15cfの一端に繋がる。延伸部15cfは、+Z方向に延びる。延伸部15cfの他端は、端子部15cbの一端に繋がる。端子部15cbは、+X方向に延びる。端子部15cbの他端は、
図11に示すように、基板72aのランド72acに接触して基板72aに接続される。端子部15caは、基板82aの貫通孔82acを貫通した状態で、基板82aに、はんだ付けされる。端子部15cbは、基板72aのランド72acに接触した状態で、基板72aに、はんだ付けされる。
【0048】
バスバー15dは、
図12に示すように、端子部15da、端子部15db、延伸部15dc、延伸部15dd、延伸部15de及び延伸部15dfを有する。バスバー15dは、一端に端子部15daを有する。バスバー15dは、他端に端子部15dbを有する。端子部15daは、-Z方向に延びる。端子部15daの一端は、
図7及び
図9に示すように、基板82aの貫通孔82adを貫通して基板82aに接続される。端子部15daの他端は、延伸部15dcの一端に繋がる。延伸部15dcは、-X方向に延びる。延伸部15dcの他端は、延伸部15ddの一端に繋がる。延伸部15ddは、-Z方向に延びる。延伸部15ddの他端は、延伸部15deの一端に繋がる。延伸部15deは、-Y方向に延びる。延伸部15deの他端は、延伸部15dfの一端に繋がる。延伸部15dfは、+Z方向に延びる。延伸部15dfの他端は、端子部15dbの一端に繋がる。端子部15dbは、+X方向に延びる。端子部15dbの他端は、
図11に示すように、基板72aのランド72adに接触して基板72aに接続される。端子部15daは、基板82aの貫通孔82adを貫通した状態で、基板82aに、はんだ付けされる。端子部15dbは、基板72aのランド72adに接触した状態で、基板72aに、はんだ付けされる。
【0049】
バスバー15eは、
図12に示すように、端子部15ea、端子部15eb、延伸部15ec、延伸部15ed及び延伸部15eeを有する。バスバー15eは、一端に端子部15eaを有する。バスバー15eは、他端に端子部15ebを有する。端子部15eaは、-Z方向に延びる。端子部15eaの一端は、
図7及び
図9に示すように、基板82aの貫通孔82aeを貫通して基板82aに接続される。端子部15eaの他端は、延伸部15ecの一端に繋がる。延伸部15ecは、+Y方向に延びる。延伸部15ecの他端は、延伸部15edの一端に繋がる。延伸部15edは、-Z方向に延びる。延伸部15edの他端は、延伸部15eeの一端に繋がる。延伸部15eeは、+Y方向に延びる。延伸部15eeの他端は、端子部15ebの一端に繋がる。端子部15ebは、+X方向に延びる。端子部15ebの他端は、
図11に示すように、基板72aのランド72aeに接触して基板72aに接続される。端子部15eaは、基板82aの貫通孔82aeを貫通した状態で、基板82aに、はんだ付けされる。端子部15ebは、基板72aのランド72aeに接触した状態で、基板72aに、はんだ付けされる。
【0050】
端子部15aa、15ba、15ca、15da及び15eaは、端子部15aa、15ba、15ca、15da、15eaの順で、-Y方向に向かい、一列に並んで配置される。端子部15ab、15bb、15cb、15db及び15ebは、端子部15ab、15bb、15cb、15db、15ebの順で、+Y方向に向かい、一列に並んで配置される。
【0051】
バスバー15a、15b、15c及び15dは、基板72a及び基板82aから離れる方向に延びる延伸部15ad、15bd、15cd、15dd、15af、15bf、15cf及び15dfを有する。このため、本実施形態によれば、バスバー15a、15b、15c及び15dを、基板72aと基板82aとの間に配置した場合と比べて、基板72aと基板82aとの間の距離を狭めることができ、電動オイルポンプ1を軸方向で小型化することができる。また、延伸部15ad、15bd、15cd、15dd、15af、15bf、15cf及び15dfは、Z方向に延びるので、電動オイルポンプ1を径方向で小型化することができる。
【0052】
なお、
図12では、延伸部15ad、15bd、15cd、15dd、15af、15bf、15cf及び15dfは、延伸方向がZ方向であるが、これに限られず、延伸部15ad、15bd、15cd、15dd、15af、15bf、15cf及び15dfに代えて、基板72a及び基板82aから離れる方向且つX方向に延びる延伸部を設けてもよい。この場合でも電動オイルポンプ1を軸方向で小型化することができる。
【0053】
また、
図8に示すように、バスバー15a、15b、15c、15d及び15eと基板72aとの接続位置は、軸方向と垂直な方向において、バスバー15a、15b、15c、15d及び15eと基板82aとの接続位置とずれた位置である。
【0054】
図10に示すように、バスバー15a、15b、15c、15d及び15eと基板72aとの接続位置は、基板72aの第1の辺である辺72eに位置する。また、
図10に示すように、バスバー15a、15b、15c、15d及び15eと基板82aとの接続位置は、基板82aの第2の辺である辺82cに位置する。軸方向と垂直な方向での辺72eの向きは、軸方向と垂直な方向での辺82cの向きと同じである。また、
図10に示すように、バスバー15a、15b、15c、15d及び15eと、基板72aとの接続位置は、バスバー15a、15b、15c、15d及び15eと、基板82aとの接続位置よりも径方向内側である。
【0055】
また、
図12に示すように、端子部15aa、端子部15ba、端子部15ca、端子部15da及び端子部15eaは、角柱形状であるので、加工が容易でありながら、基板82aの貫通孔82aa、82ab、82ac、82ad及び82aeへの挿入がし易く、歩留まりを向上することができる。
【0056】
また、
図12に示すように、端子部15ab、端子部15bb、端子部15cb、端子部15db及び端子部15ebは、+X方向の端部が、-Z方向に屈曲した後に+Z方向に屈曲した形状である。バスバー15a、15b、15c、15d及び15eがインサート成形された樹脂ユニット14に対して基板72aを取り付ける作業は、+X方向から-X方向に基板72aをスライドさせることになるが、端子部15ab、端子部15bb、端子部15cb、端子部15db及び端子部15ebの+X方向の先端が、+Z方向に屈曲しているので、端子部15ab、端子部15bb、端子部15cb、端子部15db及び端子部15ebを破損させることなく、スムーズに作業することができる。このため、樹脂ユニット14に対して基板72aを取り付ける作業がし易く、歩留まりを向上することができる。また、端子部15ab、端子部15bb、端子部15cb、端子部15db及び端子部15ebは、+X方向の端部が、-Z方向に屈曲しているので、バスバー15a、15b、15c、15d及び15eと基板72aとの電気的な接続を得やすい。
【0057】
<モータユニット100の作用・効果>
次に、本実施形態に係るモータユニット100(モータ部10、検出部72及び制御部82)の作用・効果について説明する。
図1及び
図2に示すように、モータ部10は、軸方向に延びる中心軸Jに沿って配置されたシャフト11を有する。検出部72は、シャフト11の回転角を検出する。制御部82は、検出部72による検出結果に基づいてモータ部10の作動を制御する。
【0058】
<電動オイルポンプ1の作用・効果>
次に、電動オイルポンプ1の作用・効果について説明する。
図1及び
図2に示すように、電動オイルポンプ1のモータ部10が駆動すると、モータ部10のシャフト11が回転して、ポンプロータ47のインナーロータ47aの回転にともなってアウターロータ47bも回転する。ポンプロータ47が回転すると、ポンプ部40の吸入口41から吸入されたオイルは、ポンプ部40の収容部60内を移動して、吐出口42から吐出される。
【0059】
(1)ここで、本実施形態に係るモータユニット100の基板82aは、軸方向において基板72aと重なる。バスバー15a、15b、15c及び15dは、基板72aと基板82aとを電気的に接続する。バスバー15a、15b、15c及び15dは、基板72a及び基板82aから離れる方向に延びる延伸部(延伸部15ad、15bd、15cd及び15dd、延伸部15af、15bf、15cf及び15df)を有する。このため、本実施形態によれば、バスバー15a、15b、15c及び15dを、基板82aと基板72aとの間に配置しない構成でありながら基板72aと基板82aとを電気的に接続することができるので、基板72aと基板82aとの間隔を狭めることができ、モータユニット100の軸方向のサイズを小型化することができる。したがって、本実施形態によれば、小型化したモータユニット100を提供することができる。
【0060】
(2)また、バスバー15a、15b、15c及び15dの、基板72a及び基板82aから離れる方向に延びる延伸部は、軸方向において基板72a及び基板82aから離れる方向に延びる延伸部(延伸部15ad、15bd、15cd及び15dd、延伸部15af、15bf、15cf及び15df)である。このため、本実施形態によれば、モータユニット100の径方向のサイズを小型化することができる。したがって、本実施形態は、小型化したモータユニット100を提供することができる。
【0061】
(3)また、バスバー15a、15b、15c、15d及び15eと基板72aとの接続位置は、軸方向と垂直な方向において、バスバー15a、15b、15c、15d及び15eと基板82aとの接続位置とずれた位置である。このため、本実施形態では、軸方向と垂直な方向において、バスバー15a、15b、15c、15d及び15eと基板72aとの接続位置を、バスバー15a、15b、15c、15d及び15eと基板82aとの接続位置と一致させる必要がないので、基板に実装する各構成の配置の自由度が高い。これにより、本実施形態によれば、モータユニット100を小型化することができる。
【0062】
(4)また、バスバー15a、15b、15c、15d及び15eと基板72aとの接続位置は、基板72aの第1の辺である辺72eに位置する。バスバー15a、15b、15c、15d及び15eと基板82aとの接続位置は、基板82aの第2の辺である辺82cに位置する。軸方向と垂直な方向での辺72eの向きは、軸方向と垂直な方向での辺82cの向きと同じである。このため、本実施形態によれば、バスバー15a、15b、15c、15d及び15eの長さを縮小させることができ、モータユニット100を小型化することができる。
【0063】
(5)また、電動オイルポンプ1は、基板72a及び基板82aを固定する台座部であるボス14b及び14cを有する。例えば、樹脂ユニット14が、ボス14b及び14cを有する。ボス14b及び14cは樹脂製の部材である。ボス14b及び14cは、バスバー15a、15b、15c、15d及び15eをインサート品として、インサート成形された。このため、本実施形態によれば、樹脂ユニット14によって、バスバー15a、15b、15c、15d及び15eと、基板72a及び基板82aとの位置決めを容易に行うことができる。
【0064】
(6)また、本実施形態では、導通性を有する導通部材17及び18を有する。台座部であるボス14b及び14cは、導通部材17及び18をインサート品として、インサート成形された。このため、本実施形態によれば、導通部材17及び18の位置決めも容易に行うことができる。
【0065】
(7)また、本実施形態において、バスバー15a、15b、15c、15d及び15eと、基板72aとの接続位置は、バスバー15a、15b、15c、15d及び15eと、基板82aとの接続位置よりも径方向内側である。このため、本実施形態によれば、軸方向と垂直な方向において基板72aを基板82aよりも突出させずに配置することができる。このため、本実施形態によれば、軸方向と垂直な方向において基板82aが基板72aよりも広い場合に、モータユニット100の径方向のサイズを小型化することができる。
【0066】
(8)また、本実施形態において、電動オイルポンプ1は、モータユニット100と、モータユニット100によって駆動されるポンプ部40と、を有する。このため、本実施形態によれば、電動オイルポンプ1の軸方向のサイズを小型化することができる。したがって、本実施形態によれば、小型化した電動オイルポンプ1を提供することができる。
【0067】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、これらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形および変更が可能である。これらの実施形態及びその変形は、発明の範囲及び要旨に含まれると同時に、特許請求の範囲に記載された発名とその均等の範囲に含まれる。
【0068】
本出願は、2018年4月24日に出願された日本特許出願である特願2018-083310号に基づく優先権を主張し、当該日本特許出願のすべての記載内容を援用する。
【符号の説明】
【0069】
1 電動オイルポンプ
10 モータ部
11 シャフト
14 樹脂ユニット
15a、15b、15c、15d、15e バスバー
20 ロータ
22 ステータ
40 ポンプ部
47 ポンプロータ
51 ポンプハウジング
55 ベアリング
59 シール部材
60 収容部
72 検出部
72a 基板
72b 回転角センサ
82 制御部
82a 基板
82b 電子部品
72c モータカバー
100 モータユニット
J 中心軸