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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-18
(45)【発行日】2023-05-26
(54)【発明の名称】床材
(51)【国際特許分類】
   E04F 15/02 20060101AFI20230519BHJP
【FI】
E04F15/02 G
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2018202842
(22)【出願日】2018-10-29
(65)【公開番号】P2020070554
(43)【公開日】2020-05-07
【審査請求日】2021-07-16
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002686
【氏名又は名称】協明国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】柴田 健一郎
【審査官】伊藤 昭治
(56)【参考文献】
【文献】実開昭63-058131(JP,U)
【文献】特開2006-233636(JP,A)
【文献】特開2018-053558(JP,A)
【文献】特開2011-208375(JP,A)
【文献】特開2013-142254(JP,A)
【文献】特表2011-511891(JP,A)
【文献】国際公開第2013/030686(WO,A2)
【文献】特開2003-278366(JP,A)
【文献】特開2006-83566(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04F 15/02,15/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
略長方形状の板状基材の短辺縁部に隣接して設置される床材と結合し得る実部を備えた床材であって、
前記板状基材の長辺縁部の両方に雌実部を有し、該長辺縁部のそれぞれの長手方向の一部の位置に対応して、側方に突出した凸部を有し、該凸部が釘、ねじ、針金、樹脂材料またはゴムよりなり
前記長辺縁部のそれぞれには、両方の前記長辺縁部間において、前記凸部が長手方向の同位置とはならないように、かつ点対称位置に設けられており、
置される床材どうしの隣接する前記長辺縁部間において、前記凸部が前記雌実部に係合することを特徴とする床材。
【請求項2】
請求項1において
記凸部は、厚み方向中央に形成された凹溝の底部に、該凹溝の上側の突条よりも長く突出するように配されていることを特徴とする床材。
【請求項3】
略矩形の板状基材の短辺縁部に、隣接して設置される床材と結合し得る実部を備えた床材であって、
前記板状基材の両方の長辺縁部のそれぞれは、表面側において側方に突出した突出条と、該突出条の下方の凹条とからなる形状であり、前記凹条に、前記長辺縁部の長手方向の一部の位置に設けた、前記突出条よりも長く突出した凸部を有し、該凸部が釘、ねじ、針金、樹脂材料またはゴムよりなり、
設置される床材どうしの隣接する前記長辺縁部間において、前記凸部が前記凹条に入り込んで前記突出条と係合することを特徴とする床材。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項において、
前記凸部は、1つの長辺縁部に対し3箇所以上の部位に設けられていることを特徴とする床材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は実部を有した床材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のこの種の床材には、施工後に実施されるリフォームなどの際に、床材を一枚単位で剥がせるものがある(例えば、特許文献1参照)。この文献のものは、短辺縁部には雌雄実接合を可能とした実部を有する一方、長辺縁部には実部を有しておらず、その長辺縁部側に治具を差し込むことで床材を上方に持ち上げられるようになっている。特許文献1のものは、さらに剥がしやすくするために、長辺縁部に治具差込凹部が形成してある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-106264号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、この種の床材は、上記のように剥がしやすくなっているものの、長辺縁部に隣接する床材との間では接合構造が形成されないため、一方側の反りなどにより、施工後の床材の長辺縁部どうしの隣接部に段差ができるおそれがある。特に、床下地に不陸がある場合には、接合構造がないため、反りがなくとも隣接部での段差はできやすい。
【0005】
本発明は、このような事情を考慮して提案されたもので、その目的は、床下地に設置された床材を剥がしやすく、床材どうしをしっかりと接合でき、かつ床材間の隣接部で段差ができにくい床材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の床材は、略長方形状の板状基材の短辺縁部に隣接して設置される床材と結合し得る実部を備えた床材であって、前記板状基材の長辺縁部の両方に雌実部を有し、該長辺縁部のそれぞれの長手方向の一部の位置に対応して、側方に突出した凸部を有し、該凸部が釘、ねじ、針金、樹脂材料またはゴムよりなり、前記長辺縁部のそれぞれには、両方の前記長辺縁部間において、前記凸部が長手方向の同位置とはならないように、かつ点対称位置に設けられており、設置される床材どうしの隣接する前記長辺縁部間において、前記凸部が前記雌実部に係合することを特徴とする。
【0007】
また、上記目的を達成するために、本発明の他の床材は、略矩形の板状基材の短辺縁部に隣接して設置される床材と結合し得る実部を備えた床材であって、前記板状基材の両方の長辺縁部のそれぞれは、表面側において側方に突出した突出条と、該突出条の下方の凹条とからなる形状であり、前記凹条に、前記長辺縁部の長手方向の一部の位置に設けた、前記突出条よりも長く突出した凸部を有し、該凸部が釘、ねじ、針金、樹脂材料またはゴムよりなり、設置される床材どうしの隣接する前記長辺縁部間において、前記凸部が前記凹条に入り込んで前記突出条と係合することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明の床材および本発明の他の床材は上述した構成とされるため、床下地に設置された床材を剥がしやすく、床材どうしをしっかりと接合でき、かつ床材間の隣接部で段差ができにくくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の第1実施形態の一例に係る床材の説明図である。(a)は同床材の概略平面図、(b)は(a)におけるA-A線に対応した拡大断面図、(c)は(a)におけるB-B線に対応した拡大断面図である。
図2】(a)は同床材の施工状態を示す概略部分平面図、(b)は(a)におけるC-C線に対応した拡大断面図である。
図3】同実施形態の他の例に係る床材の平面図、(b)はさらに他の例に係る床材の平面図、(c)はさらに他の例に係る床材の図1(a)のB-B線に対応した拡大断面図である。
図4】本発明の第2実施形態に係る床材の説明図である。(a)は同床材の概略平面図、(b)は(a)におけるD-D線に対応した拡大断面図、(c)は(a)におけるE-E線に対応した拡大断面図である。
図5】(a)は同床材の施工状態を示す概略部分平面図、(b)は(a)におけるF-F線に対応した拡大断面図、(c)は(a)におけるG-G線に対応した拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しながら説明する。図1図3は第1実施形態に係る床材1、1A、1B、1Cの説明図であり、図4および図5は第2実施形態に係る床材2の説明図である。
【0011】
まず、これらの実施形態に係る床材1、1A、1B、1C、2の共通的事項について説明する。これらの床材1、1A、1B、1C、2は、床下に電気配線等を配設する空間を備えたいわゆるフリーアクセスフロアーよりなる床下地5の上に設置するものである。なお、床材1、1A、1B、1C、2を設置する床下地5は、フリーアクセスフロアーには限らない。
【0012】
これらの床材1、1A、1B、1C、2はいずれも、略長方形状の平板とされ、本実施形態では、図1図4に示すように一方向に長尺とされている。この床材1の長さ寸法や幅寸法、厚さ寸法等は、特に限定されない。例えば、床材1、1A、1B、1C、2を長さ寸法が600mm~1200mm程度、幅寸法が100mm~200mm程度、厚さ寸法が3mm~30mm程度とされたものとしてもよいし、上記よりもさらに小さい寸法としてもよい。また床材1、1A、1B、1C、2を長さ寸法が1500mm~2000mm程度、幅寸法が250mm~500mm程度とされた板状体としてもよい。
【0013】
これらの床材1、1A、1B、1C、2はいずれも、図1(a)(b)、図4(a)(b)に示すように、略矩形の板状基材10、20を有して構成されている。その板状基材10、20の短辺縁部11、21には、隣接して設置される床材1、1A、1B、1C、2と結合し得る実部(一方に雄実部11a、21a、他方に雌実部11b、21b)を備えている。
【0014】
板状基材10、20としては、木質系基材や合成樹脂系材料、無機系材料、金属系材料などから形成されたものとしてもよく、複数の材料から形成されたものとしてもよい。例えば、板状基材10、20を合板やLVL(単板積層材)等の木質積層板、パーティクルボード等の木質ボード、MDF(中密度繊維板)やHDF(高密度繊維板)等の木質繊維板等の木質系ボードから形成されたものとしてもよい。また、板状基材10、20は木質系プラスチックボードとあってもよい。
【0015】
また、板状基材10、20の表面には表面材18、28が積層されている。表面材18、28としては、天然木材(銘木)を加工等して形成された突板等の単板や、木目柄等の種々の柄(模様)が印刷された化粧印刷紙やオレフィン系等の合成樹脂系フィルム、石材、ガラス材等としてもよい。また表面材18、28は、熱着色処理された突板でフローコーターやロールコーター等によって塗装が施されたものとしてもよい。なお、図例では、板状基材10、20の表面を、平坦面状とした例を示しているが、表面側に化粧溝等が設けられたものとしてもよい。
【0016】
板状基材10、20の裏面には、床下地5とのずれを防止するために、樹脂製、ゴム製等の軟質の薄状シート材が貼着されていてもよい。また、床材1、1A、1B、1C、2を施工する際には、板状基材10、20の裏面に、再剥離接着可能な剤を塗布し、あるいは両面テープを貼着し施工してもよい。
【0017】
ついで個別に、まず第1実施形態に係る床材1、1A、1B、1Cついて、図1図3を参照しながら説明する。
【0018】
図1に示した床材1は、板状基材10の長辺縁部12の両方に雌実部13が形成されている。つまり長辺縁部12では厚み方向の中央に凹溝13aが形成され、その上には表面側突条13b、下には裏面側突条13cが形成されている。そして、両側の凹溝13aの一方に、凸部14が突出形成されている。なお、長辺縁部12の両雌実部13は同一形状とすることが望ましい。
【0019】
凸部14は、図1の例では、長辺縁部12の端部側の2箇所、中央の1箇所の計3箇所に設けてあるがこれには限らず、それ以外の個数であってもよく、1箇所のみであってもよい。凸部14としては、種々の材料で後付けされることが望ましい。例えば、図1(c)に示すように、釘14aを打ち込むことで構成してもよいが、ねじ25a(図4参照)や針金、樹脂材料(例えばPPバンド)、ゴム等を固定して設けるようにすればよい。針金やPPバンド、ゴムは加工して用いればよい。釘14aやねじ25a(図4参照)、針金等を用いる場合、安全のためゴムチューブ14bや樹脂テープで被覆することが望ましいが、それらだけで凸部14を構成してもよい。図1の例では、凸部14として、釘14aおよびゴムチューブ14bが用いてある。
【0020】
図1(c)に示すように、釘14aによる凸部用材料を、凹溝13aの底部13aaに床材1の表面に平行となるように打ち込みゴムチューブ14bで被覆することで凸部14を構成すればよい。このようにして形成した凸部14は、図1(c)に示すように、凹溝13aの上側の表面側突条13bよりも長く突出している。凸部14の表面側突条13bの側端からの突出寸法L1は、凹溝13aの深さ寸法よりも小さくすることが望ましい。また、凸部14の板状基材10の厚み方向における寸法L2は、凹溝13aの幅寸法に略合致することが望ましい。なお、釘14aのみで凸部14を構成するような場合、凸部14の突出部のうち、すくなくとも凹溝13aに入り込む部位(釘14aの場合、頭部)の寸法が凹溝13aの幅寸法に略合致すればよい。
【0021】
この床材1は、図2に示すように、床下地5に設置、施工される。図例のものは、床材1の長手方向には長辺縁部12が一直線状となるように、かつ短手方向には短辺縁部11がずれるように並べてある。床材1の長手方向における床材1どうしは、図1(b)に示した雄実部11aと雌実部11bとにより接合されている。
【0022】
床材1の短手方向における床材1どうしは、凸部14と、隣接する床材1の雌実部13とにより接合される。具体的には、図2(a)(b)に示すように、凸部14が相手側の雌実部13の凹溝13aに嵌合するように入り込むことで、床材1どうしは接合される。
【0023】
このように、凸部14は雄実部の代わりとなって雌実部13と結合する。つまり、長辺縁部12の一方(凸部14を設けていない側)は、隣接する床材1の凸部14が凹溝13aに入り込むことで接合し、長辺縁部12の他方(凸部を設けている側)は、その凸部14が、隣接する床材1の凹溝13aに入り込むことで両床材1は接合する。
【0024】
ようするに、短辺縁部11、長辺縁部12のいずれもが隣接する床材1としっかりと接合され、施工後に容易には外れなくなる。特に、このような床材1どうしの接合であれば、床下地5に不陸がある場合でも、床材1間の接合部での浮き上がり(段差)は発生しにくい。
【0025】
また、本図例のものは長辺縁部12に複数の凸部14が設けてあるため、長辺縁部12間はしっかりと接合される。長手方向の中央においては、図例のように長手方向の中央に凸部14が設けてあるため、床材1の粘着性の低下したときや、床材1に反りが発生した場合に、長手方向の中央部での浮き上がり(段差の発生)を阻止することができる。凸部14が長辺縁部12の両端部と中央部とを含む3箇所以上に設けてあれば、全長について浮き上がりを阻止することができる。
【0026】
また、凸部14は長辺縁部12の全長ではなく一部に設けてあるため、リフォームなどで一部の床材1を交換する場合には、凸部14間に治具などを差し込み、床材1をアーチ状に持ち上げることで簡単に剥がすことができる。
【0027】
ついで、本実施形態の他の例について説明する。
図3(a)(b)(c)は、本実施形態における他の3例(床材1A、1B、1C)を説明するための図である。
【0028】
図3(a)(b)に示した床材1A、1Bは、長辺縁部12の両側に複数の凸部14が設けてある。図3(a)では凸部14が線対称位置(長手方向に沿って同位置)に設けられ、図3(b)では凸部14が点対称位置に設けられている。なお、両長辺縁部12には雌実部13が形成されていること、および短辺縁部11の実部については、図1のものと同様である。
【0029】
このように両長辺縁部12の両方に凸部14が設けてあるため、隣接する床材1A、1Bと、より強固に結合することができる。なお、図3(b)の床材1Bは、両長辺縁部12において凸部14が長手方向に同位置に設けられていない。そのため、床材1Bを、図2(a)のように設置せず、短辺縁部11が一直線状となるように並べて設置する場合に、隣接する床材1B間の凸部14どうしの位置が重なることがなく、確実に設置することができる。
【0030】
また図3(c)に示した床材1Cは、長辺縁部12の一方には雌実部13が形成されているが、他方には形成されていない。その雌実部13が形成されていないほうの長辺縁部12の平坦な側端縁12aの厚み方向の中央に凸部14が形成されている。このような凸部14は、隣接する床材1の雌実部13の凹溝13aに入り込むことで、床材1どうしは連結される。
【0031】
この床材1Cによれば、長辺縁部12についての雌実部13の加工は一方のみでよいため、加工が少なくてもよく、製造加工費を低減化することができる。また、材料の無駄も少ない。
【0032】
以上に示した本実施形態の種々の例のように、本実施形態に係る床材1、1A、1B、1Cは、凸部14を両長辺縁部12のうちのすくなくとも一方に設ければよい。そして、凸部14を設けた長辺縁部12には雌実部13が形成されていても、されていなくてもよい。
【0033】
すなわち、この床材1、1A、1B、1Cは、板状基材10の長辺縁部12の一方に雌実部13を有し、長辺縁部12の他方に、長辺縁部12の長手方向の一部の位置に対応して、側方に突出した凸部14を有したものとすればよい。そして、設置される床材1どうしの隣接する長辺縁部12間において、凸部14が雌実部13に係合するようにしたものであればよい。
【0034】
つぎに、第2実施形態に係る床材2について、図4および図5を参照しながら説明する。
【0035】
図4に示した床材2は、板状基材20の両方の長辺縁部12のそれぞれに、表面側において側方に突出した突出条23と、突出条23の下方の凹条24に、その長辺縁部22の長手方向の一部の位置に設けた突出条23よりも長く突出した凸部25とを有している。
【0036】
凸部25は、図4の例では、長手方向の端部側の2箇所、中央の1箇所の計3箇所に設けてあるがこれには限らず、それ以外の個数であってもよく、1箇所のみであってもよい。凸部25としては、図1のものと同様、釘14a(図1参照)やねじ25a、針金、樹脂材料(例えばPPバンド)、ゴム等の種々の材料で後付けされることが望ましい。釘14a(図1参照)やねじ25a、針金等を用いる場合、安全のためゴムチューブ25bや樹脂テープで被覆することが望ましい。図4の例では、凸部25としてねじ25aおよびゴムチューブ25bが用いてある。
【0037】
図4(c)に示すように、ねじ25aによる凸部用材料を、凹条24の底部24aに床材2の表面に平行となるように打ち込み、ゴムチューブ25bで被覆することで凸部25を構成すればよい。このようにして形成した凸部25は、図4(c)に示すように、凹条24の上側の突出条23よりも長く突出している。凸部25の突出条23の側端からの突出寸法L3は、凹条24の深さ寸法よりも小さくすることが望ましい。また、凸部25の上縁は突出条23の下縁に略合致すればよい。なお、凸部25の板状基材10の厚み方向における寸法L4は凹条24の幅寸法よりも小さければよい。
【0038】
この床材2は、図5に示すように、床下地5に設置、施工される。図例のものは、床材2の長手方向には長辺縁部22が一直線状となるように、かつ短手方向には短辺縁部21がずれるように並べてある。床材2の長手方向における床材2どうしは、図4(b)に示した雄実部21aと雌実部21bとにより接合されている。
【0039】
床材2の短手方向における床材2どうしは、凸部25が凹条24に、凸部25の上縁が突出条23の下縁に接するように入り込むことにより接合される。つまり、床材1どうしの隣接する長辺縁部22間において、凸部25は凹条24に入り込んで突出条23と係合することとなる。
【0040】
図5(b)(c)に示すように、1つの床材2に着目した場合に、その1つの長辺縁部22では、一部においては雄実部として作用し、他の一部においては雌実部として作用することとなる。
【0041】
ようするに、本実施形態の床材2の場合も、短辺縁部21、長辺縁部22のいずれもが隣接する床材1としっかりと接合され、施工後に容易には外れなくなる。特に、このような床材1どうしの接合であれば、床下地5に不陸がある場合でも床材1間の接合部での浮き上がり(段差)が発生しにくい。
【0042】
また、本図例のものは長辺縁部22に複数の凸部25が設けてあるため、長辺縁部22間はしっかりと接合される。長手方向の中央においては、図例のように長手方向の中央に凸部25が設けてあるため、床材2の粘着性の低下したときや、床材2に反りが発生した場合でも、長手方向の中央部での浮き上がり(段差の発生)を阻止することができる。長辺縁部22の両端部と中央部とを含む3箇所以上に凸部25を設ければなおよい。
【0043】
また、本床材2は凸部25が両長辺縁部22の両方に設けてあるため、隣接する床材2との間に、より強固な結合関係を形成することができる。つまり、一方の長辺縁部22が雄実部としても雌実部としても作用するから、結合が強固となる。
【0044】
また、凸部25は長辺縁部22の全長ではなく一部に設けてあるため、リフォームなどで一部の床材2を交換する場合には、凸部25間に治具などを差し込み、床材2をアーチ状に持ち上げることで簡単に剥がすことができる。
【符号の説明】
【0045】
1 床材
10 板状基材
11 短辺縁部
11a (短辺縁部の)雄実部
11b (短辺縁部の)雌実部
12 長辺縁部
13 雌実部
13a 凹溝
13aa 底部
13b 表面側突条
13c 裏面側突条
14 凸部
2 床材
20 板状基材
21 短辺縁部
21a (短辺縁部の)雄実部
21b (短辺縁部の)雌実部
22 長辺縁部
23 突出条
24 凹条
24a 底部
25 凸部


図1
図2
図3
図4
図5