(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-18
(45)【発行日】2023-05-26
(54)【発明の名称】来訪者登録システム、入退管理システム、来訪者登録装置、及び来訪者登録方法
(51)【国際特許分類】
G07C 9/37 20200101AFI20230519BHJP
G07C 9/38 20200101ALI20230519BHJP
【FI】
G07C9/37
G07C9/38
(21)【出願番号】P 2020501628
(86)(22)【出願日】2019-01-31
(86)【国際出願番号】 JP2019003340
(87)【国際公開番号】W WO2019163462
(87)【国際公開日】2019-08-29
【審査請求日】2021-11-19
(31)【優先権主張番号】P 2018032563
(32)【優先日】2018-02-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001379
【氏名又は名称】弁理士法人大島特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】古田 邦夫
(72)【発明者】
【氏名】永井 伸春
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 純平
(72)【発明者】
【氏名】注連 隆夫
(72)【発明者】
【氏名】石原 健
(72)【発明者】
【氏名】森永 聡
(72)【発明者】
【氏名】大西 寛之
【審査官】塩治 雅也
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-122872(JP,A)
【文献】特開2008-123277(JP,A)
【文献】特開2008-021263(JP,A)
【文献】登録実用新案第3095642(JP,U)
【文献】特開2006-309490(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07C 1/00-15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
施設の来訪者の情報を登録
し、前記来訪者に貸与される電子名札を発行するための来訪者登録システムであって、
前記施設の受付に配置され、前記来訪者の顔を撮影することにより第1の顔画像を生成する第1の顔撮影部と、
前記受付に配置され、前記来訪者の名刺を撮影することにより名刺画像を生成する名刺撮影部と、
前記名刺画像から前記名刺に記載された名刺記載情報を抽出する名刺情報抽出部と、
前記第1の顔画像の情報および前記名刺記載情報を来訪者登録情報として記憶する記憶部と、
前記来訪者登録情報の少なくとも一部が前記来訪者の識別情報として表示され、前記来訪者の施設内での位置情報を取得するための前記電子名札を発行する電子名札発行部と、
を備えたことを特徴とする来訪者登録システム。
【請求項2】
請求項1に記載の来訪者登録システムを備えた入退管理システムであって、
前記来訪者登録情報を、予め申請された前記来訪者の事前申請情報と比較することにより、前記来訪者の第1の認証処理を行う認証制御部を更に備えたことを特徴とする入退管理システム。
【請求項3】
請求項1に記載の来訪者登録システムを備えた入退管理システムであって、
前記記憶部に記憶される前記第1の顔画像の情報および前記名刺記載情報を、同一の来訪者に関する過去の前記来訪者登録情報と比較することにより、前記来訪者の第2の認証処理を行う認証制御部を更に備えたことを特徴とする入退管理システム。
【請求項4】
請求項1に記載の来訪者登録システムを備えた入退管理システムであって、
前記施設において予め定められた特定エリアの入口または出口に配置され、前記来訪者の顔を撮影することにより第2の顔画像を生成する第2の顔撮影部を更に備え、
前記第2の顔画像を、前記第1の顔画像と比較することにより、前記来訪者の第3の認証処理を行う認証制御部を更に備えたことを特徴とする入退管理システム。
【請求項5】
前記認証制御部は、前記第3の認証処理の結果が正常である場合、前記特定エリアの識別情報を前記来訪者の識別情報と対応づけて前記記憶部に記憶することを特徴とする請求項4に記載の入退管理システム。
【請求項6】
前記来訪者登録情報には、同一の来訪者に関する複数の異なる日時の来訪における前記第1の顔画像の情報および前記名刺記載情報が含まれることを特徴とする請求項1に記載の来訪者登録システム。
【請求項7】
前記来訪者の応対者に対して前記来訪者登録情報を表示する表示部を更に備えたことを特徴とする請求項6に記載の来訪者登録システム。
【請求項8】
前記来訪者登録情報には、前記複数の異なる日時の来訪に関する応対者の情報が含まれることを特徴とする請求項6に記載の来訪者登録システム。
【請求項9】
前記第1の顔撮影部および前記名刺撮影部は、それぞれ前記来訪者の顔および前記来訪者の名刺を同時に撮影することを特徴とする請求項1に記載の来訪者登録システム。
【請求項10】
前記第1の顔撮影部および前記名刺撮影部は、1つのカメラによって構成されることを特徴とする請求項9に記載の来訪者登録システム。
【請求項11】
前記来訪者の顔の撮影が許可されるか否かを判定する撮影制御部を更に備え、
前記撮影制御部は、前記来訪者の顔の撮影が許可されない場合、前記第1の顔撮影部による撮影を禁止することを特徴とする請求項9に記載の来訪者登録システム。
【請求項12】
前記撮影制御部により前記来訪者の顔の撮影が許可されないと判定された場合、前記記憶部には、前記第1の顔画像としてダミー画像が記憶されることを特徴とする請求項11に記載の来訪者登録システム。
【請求項13】
前記特定エリアは、会議室に設定され、
前記認証制御部は、前記第3の認証処理の結果が正常である場合、前記会議室の利用状況に関する情報を、前記会議室の利用状況を管理する他のシステムに送信することを特徴とする請求項4に記載の入退管理システム。
【請求項14】
前記記憶部において、予め設定された期間が経過した前記第1の顔画像の情報が前記来訪者登録情報から消去されることを特徴とする請求項1に記載の来訪者登録システム。
【請求項15】
施設の来訪者の情報を登録
し、前記来訪者に貸与される電子名札を発行するための来訪者登録方法であって、
前記施設の受付において、前記来訪者の顔を撮影することにより第1の顔画像を生成し、
前記受付において、前記来訪者の名刺を撮影することにより名刺画像を生成し、
前記名刺画像から前記名刺に記載された名刺記載情報を抽出し、
前記第1の顔画像の情報および前記名刺記載情報を来訪者登録情報として記憶
し、
前記来訪者登録情報の少なくとも一部が前記来訪者の識別情報として表示され、前記来訪者の施設内での位置情報を取得するための前記電子名札を発行する、
ことを特徴とする来訪者登録方法。
【請求項16】
施設の来訪者の情報を登録
し、前記来訪者に貸与される電子名札を発行するための来訪者登録装置であって、
前記施設の受付に配置され、前記来訪者の顔を撮影することにより第1の顔画像を生成する第1の顔撮影部と、
前記受付に配置され、前記来訪者の名刺を撮影することにより名刺画像を生成する名刺撮影部と、
前記来訪者の識別情報を表示する前記電子名札を発行する電子名札発行部と、を備え、
前記第1の顔撮影部および前記名刺撮影部は、それぞれ前記第1の顔画像の情報および
前記名刺画像を管理サーバに送信
し、
前記管理サーバは、前記名刺画像から前記名刺に記載された名刺記載情報を抽出すると共に、前記第1の顔画像の情報および前記名刺記載情報を来訪者登録情報として記憶し、
前記電子名札発行部は、前記管理サーバより受信した前記来訪者登録情報の少なくとも一部が前記来訪者の識別情報として表示され、施設内での位置情報を取得するための前記電子名札を発行することを特徴とする来訪者登録装置。
【請求項17】
施設の来訪者の情報を登録
し、前記来訪者に貸与される電子名札を発行するための来訪者登録方法であって、
前記施設の受付において、前記来訪者の顔を撮影することにより第1の顔画像を生成し、
前記受付において、前記来訪者の名刺を撮影することにより名刺画像を生成し、
前記第1の顔画像の情報および
前記名刺画像を管理サーバに送信
し、
前記管理サーバにおいて、前記名刺画像から前記名刺に記載された名刺記載情報を抽出すると共に、前記第1の顔画像の情報および前記名刺記載情報を来訪者登録情報として記憶し、
前記管理サーバより受信した前記来訪者登録情報の少なくとも一部が前記来訪者の識別情報として表示され、施設内での位置情報を取得するための前記電子名札を発行する、
ことを特徴とする来訪者登録方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、施設の来訪者の情報を登録するための来訪者登録システム、入退管理システム、来訪者登録装置、及び来訪者登録方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、企業のオフィスビル等の施設では、例えばビルに入居する企業の社員などのように、その施設を定常的に利用する正規の利用者の他に、例えば入居企業の取引先の社員などのように、その施設を一時的に利用する来訪者が存在する。不特定の者が施設に自由に出入りできる状況はセキュリティ上の理由から好ましくないため、施設の出入口には、来訪者を確認するための受付が配置されるのが一般的である。
【0003】
一方、来訪者の入退館(施設への入場または施設からの退場)の際に、その所属および身分や、訪問先(応対者)および訪問目的などを都度確認する受付での入退館処理は、受付を担当する者にとって負担が大きいため、セキュリティを確保しつつ入退館処理の効率化や省力化を図る技術が開発されている。
【0004】
例えば、施設における来訪者の入退館を管理する入退館管理システムであって、施設への入退館に係る処理を行う入退館管理サーバと、来訪者の入館を受け付ける処理を行う受付端末とを有し、入退館管理サーバは、来訪者の情報を含む入館申請情報を、ネットワークを介して申請者端末から受け付けて登録し、各来訪者に対してそれぞれ受付番号を発行して電子メールにより送付し、来訪者が施設に入館する際に、受付端末において入力された受付番号に基づいて、対応する入館申請情報を取得して受付端末に送信する構成が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上述の来訪者に関する情報は、来訪者をより確実に特定してセキュリティを高める観点から、来訪者の氏名や所属先の名称(例えば、会社名や団体名)のみならず、できる限り詳細な情報(例えば、所属先の住所、郵便番号、電話番号、ファクシミリ番号、電子メールアドレス、部署、役職など)を含むことが望ましい。しかしながら、上記特許文献1に記載のような従来技術では、入館申請情報として来訪者の詳細な情報が要求されると、その詳細な情報を予め応対者(申請者)が入手して入退館システムへ申請する必要が生じるため、申請作業が繁雑化するという問題があった。
【0007】
本開示は、このような従来技術の課題を鑑みて案出されたものであり、応対者による来訪者の申請作業を繁雑化することなく、施設に入館する来訪者の詳細な情報を取得可能とする来訪者登録システム、入退管理システム、来訪者登録装置、及び来訪者登録方法を提供することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の来訪者登録システムは、施設の来訪者の情報を登録し、前記来訪者に貸与される電子名札を発行するための来訪者登録システムであって、前記施設の受付に配置され、前記来訪者の顔を撮影することにより第1の顔画像を生成する第1の顔撮影部と、前記受付に配置され、前記来訪者の名刺を撮影することにより名刺画像を生成する名刺撮影部と、前記名刺画像から前記名刺に記載された名刺記載情報を抽出する名刺情報抽出部と、前記第1の顔画像の情報および前記名刺記載情報を来訪者登録情報として記憶する記憶部と、前記来訪者登録情報の少なくとも一部が前記来訪者の識別情報として表示され、前記来訪者の施設内での位置情報を取得するための前記電子名札を発行する電子名札発行部と、を備えたことを特徴とする。
【0009】
また、本開示の来訪者登録装置は、施設の来訪者の情報を登録し、前記来訪者に貸与される電子名札を発行するための来訪者登録装置であって、前記施設の受付に配置され、前記来訪者の顔を撮影することにより第1の顔画像を生成する第1の顔撮影部と、前記受付に配置され、前記来訪者の名刺を撮影することにより名刺画像を生成する名刺撮影部と、前記来訪者の識別情報を表示する前記電子名札を発行する電子名札発行部と、を備え、前記第1の顔撮影部および前記名刺撮影部は、それぞれ前記第1の顔画像の情報および前記名刺画像を管理サーバに送信し、前記管理サーバは、前記名刺画像から前記名刺に記載された名刺記載情報を抽出すると共に、前記第1の顔画像の情報および前記名刺記載情報を来訪者登録情報として記憶し、前記電子名札発行部は、前記管理サーバより受信した前記来訪者登録情報の少なくとも一部が前記来訪者の識別情報として表示され、施設内での位置情報を取得するための前記電子名札を発行することを特徴とする。
【0010】
また、本開示の来訪者登録方法は、施設の来訪者の情報を登録し、前記来訪者に貸与される電子名札を発行するための来訪者登録方法であって、前記施設の受付において、前記来訪者の顔を撮影することにより第1の顔画像を生成し、前記受付において、前記来訪者の名刺を撮影することにより名刺画像を生成し、前記名刺画像から前記名刺に記載された名刺記載情報を抽出し、前記第1の顔画像の情報および前記名刺記載情報を来訪者登録情報として記憶し、前記来訪者登録情報の少なくとも一部が前記来訪者の識別情報として表示され、前記来訪者の施設内での位置情報を取得するための前記電子名札を発行する、ことを特徴とする。
【0011】
また、本開示の来訪者登録方法は、施設の来訪者の情報を登録し、前記来訪者に貸与される電子名札を発行するための来訪者登録方法であって、前記施設の受付において、前記来訪者の顔を撮影することにより第1の顔画像を生成し、前記受付において、前記来訪者の名刺を撮影することにより名刺画像を生成し、前記第1の顔画像の情報および前記名刺画像を管理サーバに送信し、前記管理サーバにおいて、前記名刺画像から前記名刺に記載された名刺記載情報を抽出すると共に、前記第1の顔画像の情報および前記名刺記載情報を来訪者登録情報として記憶し、前記管理サーバより受信した前記来訪者登録情報の少なくとも一部が前記来訪者の識別情報として表示され、施設内での位置情報を取得するための前記電子名札を発行する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本開示によれば、応対者による来訪者の申請作業を繁雑化することなく、施設に入館する来訪者の詳細な情報を取得して来訪者に貸与される電子名札を発行し、来訪者をより確実に特定でき、施設のセキュリティを高めることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】実施形態に係る来訪者登録システム(電子名札システム、入退管理システム)の全体構成図
【
図5】
図2に示した来訪者登録装置の構成例を示す斜視図
【
図6】
図5に示した来訪者登録装置の変形例の要部を示す説明図
【
図7】
図1に示した管理サーバの概略構成を示すブロック図
【
図8】
図1に示した電子名札の概略構成を示すブロック図
【
図9】実施形態に係る来訪者登録システムによる来訪者の受付での登録手続に関する動作手順の第1の例(有人受付)を示すシーケンス図
【
図10】実施形態に係る来訪者登録システムによる来訪者の受付での登録手続に関する動作手順の第2の例(無人受付)を示すシーケンス図
【
図11】実施形態に係る来訪者登録システムによる来訪者の受付での登録手続に関する動作手順の第3の例(顔撮影禁止時)を示すシーケンス図
【
図12】実施形態に係る来訪者登録システムによる来訪者の入退ゲートの通過に関する動作手順を示すシーケンス図
【
図13】実施形態に係る来訪者登録システムによる来訪者案内に関する動作手順を示すシーケンス図
【
図14】実施形態に係る来訪者登録システムによる会議室への来訪者の入室に関する動作手順を示すシーケンス図
【発明を実施するための形態】
【0014】
前記課題を解決するためになされた第1の発明は、施設の来訪者の情報を登録し、前記来訪者に貸与される電子名札を発行するための来訪者登録装置であって、前記施設の受付に配置され、前記来訪者の顔を撮影することにより第1の顔画像を生成する第1の顔撮影部と、前記受付に配置され、前記来訪者の名刺を撮影することにより名刺画像を生成する名刺撮影部と、前記来訪者の識別情報を表示する前記電子名札を発行する電子名札発行部と、を備え、前記第1の顔撮影部および前記名刺撮影部は、それぞれ前記第1の顔画像の情報および前記名刺画像を管理サーバに送信し、前記管理サーバは、前記名刺画像から前記名刺に記載された名刺記載情報を抽出すると共に、前記第1の顔画像の情報および前記名刺記載情報を来訪者登録情報として記憶し、前記電子名札発行部は、前記管理サーバより受信した前記来訪者登録情報の少なくとも一部が前記来訪者の識別情報として表示され、施設内での位置情報を取得するための前記電子名札を発行することを特徴とする。
【0015】
これによると、来訪者登録システムは、応対者による来訪者の申請作業を繁雑化することなく、施設に入館する来訪者の詳細な情報を取得して来訪者に貸与される電子名札を発行し、来訪者をより確実に特定でき、施設のセキュリティを高めることが可能となる。
【0016】
また、第2の発明は、前記来訪者登録情報を、予め申請された前記来訪者の事前申請情報と比較することにより、前記来訪者の第1の認証処理を行う認証制御部を更に備えたことを特徴とする。
【0017】
これによると、来訪者登録システムは、来訪者登録情報を事前申請情報と比較して来訪者の認証処理を行うため、来訪者をより確実に特定でき、施設のセキュリティを高めることが可能となる。
【0018】
また、第3の発明は、前記記憶部に記憶される前記第1の顔画像の情報および前記名刺記載情報を、同一の来訪者に関する過去の前記来訪者登録情報と比較することにより、前記来訪者の第2の認証処理を行う認証制御部を更に備えたことを特徴とする。
【0019】
これによると、来訪者登録システムは、新たに取得された来訪者の顔画像の情報および名刺記載情報を、同一の来訪者に関する過去の来訪者登録情報と比較して来訪者の認証処理を行うため、来訪者をより確実に特定し、施設のセキュリティを高めることが可能となる。
【0020】
また、第4の発明は、前記施設において予め定められた特定エリアの入口または出口に配置され、前記来訪者の顔を撮影することにより第2の顔画像を生成する第2の顔撮影部を更に備え、前記第2の顔画像を、前記第1の顔画像と比較することにより、前記来訪者の第3の認証処理を行う認証制御部を更に備えたことを特徴とする。
【0021】
これによると、来訪者登録システムは、特定エリアの入口または出口において得られた来訪者の顔画像を、施設の受付において得られた来訪者の顔画像と比較して認証処理を行うため、特定エリアにおけるセキュリティを確保しつつ、正規の来訪者の特定エリアへの進入または特定エリアからの退出の手続きを省略(または簡素化)することが可能となる。
【0022】
また、第5の発明は、前記認証制御部は、前記第3の認証処理の結果が正常である場合、前記特定エリアの識別情報を前記来訪者の識別情報と対応づけて前記記憶部に記憶することを特徴とする。
【0023】
これによると、来訪者登録システムは、特定エリアの識別情報を来訪者の識別情報と対応づけて記憶するため、施設内を移動する来訪者の現在位置を容易に把握することが可能となる。
【0024】
また、第6の発明は、前記来訪者登録情報には、同一の来訪者に関する複数の異なる日時の来訪における前記第1の顔画像の情報および前記名刺記載情報が含まれることを特徴とする。
【0025】
これによると、来訪者登録システムは、同一の来訪者に関する第1の顔画像の情報および名刺記載情報の履歴を記憶するため、来訪者をより確実に特定し、施設のセキュリティを高めることが可能となる。
【0026】
また、第7の発明は、前記来訪者の応対者に対して前記来訪者登録情報を表示する表示部を更に備えたことを特徴とする。
【0027】
これによると、来訪者登録システムは、来訪者登録情報を表示する表示部を備えるため、応対者は、施設を訪れた来訪者を容易に識別することが可能となる。
【0028】
また、第8の発明は、前記来訪者登録情報には、前記複数の異なる日時の来訪に関する応対者の情報が含まれることを特徴とする。
【0029】
これによると、来訪者登録情報には、複数の異なる日時の来訪に関する応対者の情報が含まれるため、新たな応対者は、過去の応対者と来訪者との関係(すなわち、人的ネットワーク)を容易に把握することが可能となる。
【0030】
また、第9の発明は、前記第1の顔撮影部および前記名刺撮影部は、それぞれ前記来訪者の顔および前記来訪者の名刺を同時に撮影することを特徴とする。
【0031】
これによると、来訪者の顔画像および名刺画像が同時に撮影されるため、施設の受付における来訪者の登録作業負荷を軽減することができる。
【0032】
また、第10の発明は、前記第1の顔撮影部および前記名刺撮影部は、1つのカメラによって構成されることを特徴とする。
【0033】
これによると、来訪者の顔および名刺の同時撮影を容易に実現することができ、また、来訪者の顔画像および名刺画像を1つの画像データ(ファイル)として容易に管理することができる。
【0034】
また、第11の発明は、前記来訪者の顔の撮影が許可されるか否かを判定する撮影制御部を更に備え、前記撮影制御部は、前記来訪者の顔の撮影が許可されない場合、前記第1の顔撮影部による撮影を禁止することを特徴とする。
【0035】
これによると、来訪者の都合により顔の撮影が拒否された場合でも、名刺撮影部のみによる撮影が可能となる。
【0036】
また、第12の発明は、前記撮影制御部により前記来訪者の顔の撮影が許可されないと判定された場合、前記記憶部には、前記第1の顔画像としてダミー画像が記憶されることを特徴とする。
【0037】
これによると、来訪者が顔の撮影を拒否した場合でも、顔の撮影が行われた場合と同様の処理によって来訪者登録情報を記憶することができ、システムエラー等の発生を防止することが可能となる。
【0038】
また、第13の発明は、前記特定エリアは、会議室に設定され、前記認証制御部は、前記第3の認証処理の結果が正常である場合、前記会議室の利用状況に関する情報を、前記会議室の利用状況を管理する他のシステムに送信することを特徴とする。
【0039】
これによると、会議室の利用状況を管理する他のシステム(会議室管理システム)と連携して来訪者の情報共有することができる。
【0040】
また、第14の発明は、前記記憶部において、予め設定された期間が経過した前記第1の顔画像の情報が前記来訪者登録情報から消去されることを特徴とする。
【0041】
これによると、来訪者登録システムは、期限切れの顔画像の情報を来訪者登録情報から消去するため、過去の顔画像の情報の不正使用を防止することが可能となる。
【0042】
また、第15の発明は、施設の来訪者の情報を登録し、前記来訪者に貸与される電子名札を発行するための来訪者登録方法であって、前記施設の受付において、前記来訪者の顔を撮影することにより第1の顔画像を生成し、前記受付において、前記来訪者の名刺を撮影することにより名刺画像を生成し、前記名刺画像から前記名刺に記載された名刺記載情報を抽出し、前記第1の顔画像の情報および前記名刺記載情報を来訪者登録情報として記憶し、前記来訪者登録情報の少なくとも一部が前記来訪者の識別情報として表示され、前記来訪者の施設内での位置情報を取得するための前記電子名札を発行する、ことを特徴とする。
【0043】
これによると、来訪者登録方法では、応対者による来訪者の申請作業を繁雑化することなく、施設に入館する来訪者の詳細な情報を取得して来訪者に貸与される電子名札を発行し、来訪者をより確実に特定でき、施設のセキュリティを高めることが可能となる。
【0044】
また、第16の発明は、施設の来訪者の情報を登録し、前記来訪者に貸与される電子名札を発行するための来訪者登録装置であって、前記施設の受付に配置され、前記来訪者の顔を撮影することにより第1の顔画像を生成する第1の顔撮影部と、前記受付に配置され、前記来訪者の名刺を撮影することにより名刺画像を生成する名刺撮影部と、前記来訪者の識別情報を表示する前記電子名札を発行する電子名札発行部と、を備え、前記第1の顔撮影部および前記名刺撮影部は、それぞれ前記第1の顔画像の情報および前記名刺画像を管理サーバに送信し、前記管理サーバは、前記名刺画像から前記名刺に記載された名刺記載情報を抽出すると共に、前記第1の顔画像の情報および前記名刺記載情報を来訪者登録情報として記憶し、前記電子名札発行部は、前記管理サーバより受信した前記来訪者登録情報の少なくとも一部が前記来訪者の識別情報として表示され、施設内での位置情報を取得するための前記電子名札を発行することを特徴とする。
【0045】
これによると、来訪者登録装置は、応対者による来訪者の申請作業を繁雑化することなく、施設に入館する来訪者の詳細な情報を取得して来訪者に貸与される電子名札を発行し、来訪者をより確実に特定でき、施設のセキュリティを高めることが可能となる。
【0046】
また、第17の発明は、施設の来訪者の情報を登録し、前記来訪者に貸与される電子名札を発行するための来訪者登録方法であって、前記施設の受付において、前記来訪者の顔を撮影することにより第1の顔画像を生成し、前記受付において、前記来訪者の名刺を撮影することにより名刺画像を生成し、前記第1の顔画像の情報および前記名刺画像を管理サーバに送信し、前記管理サーバにおいて、前記名刺画像から前記名刺に記載された名刺記載情報を抽出すると共に、前記第1の顔画像の情報および前記名刺記載情報を来訪者登録情報として記憶し、前記管理サーバより受信した前記来訪者登録情報の少なくとも一部が前記来訪者の識別情報として表示され、施設内での位置情報を取得するための前記電子名札を発行する、ことを特徴とする。
【0047】
これによると、来訪者登録方法では、応対者による来訪者の申請作業を繁雑化することなく、施設に入館する来訪者の詳細な情報を取得して来訪者に貸与される電子名札を発行し、来訪者をより確実に特定でき、施設のセキュリティを高めることが可能となる。
【0048】
以下、本開示の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
【0049】
図1は、本実施形態に係る来訪者登録システム(電子名札システム)1の全体構成図であり、
図2は、
図1に示した受付2の説明図であり、
図3は、
図1に示した入退エリア20の説明図であり、
図4は、
図1に示した会議室エリア40の説明図である。
【0050】
この来訪者登録システム1は、不特定者の出入りが制限される施設(企業のオフィスビル等)において、来訪者の情報を登録するためのシステムである。
図1に示すように、来訪者登録システム1は、施設の受付(例えば、建物の出入口等)2にそれぞれ配置される来訪者登録装置3および電子名札発行機4と、施設に入館(または入場)する来訪者10に貸与される電子名札5と、を備える。
【0051】
来訪者登録装置3および電子名札発行機4は、それぞれ通信ネットワーク6に接続され、来訪者登録システム1における他の装置と通信可能である。通信ネットワーク6は、例えば、施設内に配置された無線LANや有線LANから構成される。
【0052】
来訪者登録装置3は、来訪者10に関する情報を取得する。来訪者登録装置3は、来訪者10の顔を撮影することにより顔画像(第1の顔画像)を生成する顔撮影用カメラ(第1の顔撮影部)11と、来訪者10の名刺(通常は、来訪者10が持参したもの)を撮影することにより名刺画像を生成する名刺撮影用カメラ(名刺撮影部)12と、を主として備える。また、来訪者登録装置3は、その動作を統括的に制御する制御部(撮影制御部)69(
図5参照)を備える。
【0053】
電子名札発行機4は、公知の無線通信機能を有し、電子名札5と無線通信を行うことにより、後に詳述する管理サーバ51から発行された電子名札情報(例えば、氏名や所属先などの来訪者10の識別情報)を電子名札5に送信する。電子名札5は、電子名札発行機4から受信した電子名札情報に基づき、来訪者10の名札を電子化して表示する。例えば、電子名札5は、例えば、来訪者10の顔画像14と、来訪者10の氏名および所属先の名称(例えば、会社名や団体名)を示す文字情報15とを一定期間表示することができる。
【0054】
例えば
図2に示すように、受付2において、受付者16は、来訪者10の受付依頼があると、通信ネットワーク6に接続された受付用のPC(図示せず)を操作することにより、来訪者10に関する情報(例えば、氏名や所属先など)を登録することができる。一方、来訪者10は、受付2が無人の場合や、過去に施設に来訪した経験を有する場合には、来訪者登録装置3を自ら操作して自身に関する必要な情報(ここでは、顔画像および名刺に記載された情報)を登録することが可能である。
【0055】
また、来訪者登録システム1は、受付2を通過した後の入退エリア20において、セキュリティゲートとして設けられた入退ゲート21と、その入退ゲート21を通過する来訪者10の顔を撮影することにより顔画像を生成する顔撮影用カメラ22と、を備える。入退ゲート21および顔撮影用カメラ22は、それぞれ通信ネットワーク6に接続され、来訪者登録システム1における他の装置と通信可能である。
【0056】
例えば
図3に示すように、入退エリア20では、受付を終えた来訪者10(または施設での用件を済ませた来訪者10)が入退ゲート21を通過する。このとき、顔撮影用カメラ22は、入退ゲート21を通過する来訪者10の顔を撮影する。
【0057】
また、来訪者登録システム1は、入退ゲート21を通過した来訪者10が通行可能な施設内の通路30において、案内装置(案内情報提供部)31および無線通信機(無線通信部)32を備える。案内装置31および無線通信機32は、それぞれ通信ネットワーク6に接続され、来訪者登録システム1における他の装置と通信可能である。
【0058】
案内装置31は、後述するように、施設における来訪者10の行先(例えば、会議室)に関する案内情報を表示することにより来訪者10を案内する。また、案内装置31は、その案内情報の表示に代えて(あるいは、案内情報の表示と共に)、来訪者10の行先に関する案内情報を音声出力することにより来訪者10を案内することができる。これにより、来訪者は、その案内情報にしたがって容易に行先まで移動することが可能となる。
【0059】
通路30には、案内装置31を複数配置することが可能であり、それらは、例えば液晶ディスプレイ(LCD)等の表示装置、液晶プロジェクタ等の投影装置、及びスピーカのうちの少なくとも1つから構成することができる。
【0060】
無線通信機32は、電子名札5と無線通信を行うことにより、電子名札5の識別情報や、電子名札5を使用中の来訪者の識別情報を取得することが可能である。
【0061】
また、来訪者登録システム1は、施設内の会議室内および会議室外側の入口周辺を含む会議室エリア40において、管理サーバ51からの指令にしたがって会議室の出入口のドア45(
図4参照)を施錠または解錠するドアロック装置41と、来訪者10の顔を撮影することにより顔画像(第2の顔画像)を生成する顔撮影用カメラ(第2の顔撮影部)42と、会議室に設置され、応対者が利用可能な会議室管理装置としてのPC(表示装置を備えたコンピュータ)43と、を備える。ドアロック装置41、顔撮影用カメラ42、及びPC43は、それぞれ通信ネットワーク6に接続され、来訪者登録システム1における他の装置と通信可能である。
【0062】
例えば
図4に示すように、会議室エリア40では、会議室外側のドア45の付近(または、ドア45自体)に、顔撮影用カメラ42が配置される。これにより、顔撮影用カメラ42は、会議室に出入りする来訪者10の顔を撮影することが可能である。ここでは、顔撮影用カメラ42は、ドアロック装置41に内蔵されるが、これに限らず、少なくとも来訪者10の顔を撮影可能な構成であればよい。
【0063】
また、来訪者登録システム1は、管理エリア50に配置された管理サーバ51を備える。管理サーバ51は、来訪者登録システム1において、施設の来訪者10の情報を登録するための処理(以下、「来訪者登録処理」という。)や、電子名札情報を発行し、それを電子名札5に表示するための処理(以下、「電子名札表示処理」という。)を実行する。管理サーバ51は、通信ネットワーク6に接続され、来訪者登録システム1における他の装置と通信可能である。なお、管理エリア50は、施設内に限らず、施設外の遠隔地に設けられてもよい。その場合、管理サーバ51は、インターネット等を介して通信ネットワーク6に接続される。
【0064】
また、管理サーバ51は、通信ネットワーク6に接続された会議室管理システム(他のシステム)55と通信可能である。会議室管理システム55は、施設内の会議室の利用状況を管理するための来訪者登録システム1とは別のシステムであり、公知の手法により、会議室の利用予約や、利用実態(利用開始時刻、利用終了時刻、利用者)などを管理する。
【0065】
後に詳述するように、来訪者登録システム1では、来訪者登録装置3が、施設の受付2において撮影された来訪者10の顔画像の情報と、施設の受付2において撮影された来訪者10の名刺画像とを、通信ネットワーク6を介して管理サーバ51に送信する。また、管理サーバ51は、来訪者登録装置3から受信した名刺画像から名刺に記載された情報(以下、「名刺記載情報」という。)を抽出し、この名刺記載情報を、同じく来訪者登録装置3から受信した顔画像と共に来訪者登録情報として記憶する。これにより、応対者による来訪者の申請作業を繁雑化することなく、施設に入館する来訪者の詳細な情報を取得することが可能となる。
【0066】
また、後に詳述するように、来訪者登録装置3は、電子名札5を用いる電子名札システムとしても機能する。つまり、来訪者登録システム1では、管理サーバ51が、取得した名刺記載情報の少なくとも一部を、電子名札情報として電子名札発行機4に送信する。電子名札発行機4は、管理サーバ51から受信した電子名札情報(
図1中の文字情報15を参照)を電子名札5に表示させる。これにより、応対者による来訪者10の申請作業を繁雑化することなく、来訪者10の正確な識別情報をその名札に表示することが可能となる。
【0067】
この場合、管理サーバ51は、更に、来訪者10の顔画像を、電子名札情報(来訪者の識別情報)として電子名札発行機4に送信してもよい。電子名札発行機4は、管理サーバ51から受信した電子名札情報(
図1中の顔画像14、文字情報15を参照)を電子名札5に表示させる。これにより、応対者(または施設の管理者)は、電子名札5に表示された顔画像および名刺記載情報(その少なくとも一部)によって来訪者10を容易に特定することができ、施設のセキュリティを高めることが可能となる。
【0068】
なお、電子名札5では、電子名札情報とともに、来訪者10の退出予定時刻の情報を管理サーバ51から取得することが可能であり、その退出予定時刻が経過した場合に、電子名札情報(来訪者の識別情報)の表示を終了する構成とするとよい。これにより、応対者(または施設の管理者)は、施設内に不正に滞在する来訪者(または侵入者)を容易に識別することができ、施設のセキュリティを高めることが可能となる。
【0069】
図5は、
図2に示した来訪者登録装置3の構成例を示す斜視図であり、
図6は、
図5に示した来訪者登録装置3の変形例の要部を示す説明図である。
【0070】
来訪者登録装置3は、受付カウンタ58(
図2参照)等に配置され、
図5に示すように、その筐体59には、来訪者10の顔に対向可能に配置された前面パネル60と、紙等を素材とする来訪者10の名刺61を載置可能な略水平面からなる名刺載置面62と、が形成されている。
【0071】
前面パネル60は、概ね矩形状をなし、その上縁が下縁よりも後方に位置するように傾斜して配置されている。これにより、来訪者10は、自らの顔を前面パネル60に対して容易に正対させることができる。前面パネル60の下部には、来訪者10の顔を撮影する顔撮影用カメラ11が内蔵されている。また、前面パネル60の上部には、来訪者10が撮影時の顔の位置の基準となる基準枠65が表示されており、また、その基準枠65の背面側に重なるように表示装置66が筐体59に内蔵されている。
【0072】
来訪者10は、自身の顔を撮影する際に、表示装置66に表示された自身の顔が基準枠65内に収まるように顔の位置を調整する。これにより、来訪者登録装置3は、顔撮影用カメラ11により来訪者10の顔を適切に撮影することが可能となり、認証または識別に適した顔画像を生成することができる。
【0073】
名刺載置面62は、前面パネル60の下側に開口する凹状部68の底面として形成される。また、筐体59における凹状部68の上面側には、名刺61を撮影する名刺撮影用カメラ12が内蔵されている。
【0074】
また、筐体59には、制御部69が内蔵されており、この制御部69は、プロセッサで構成され、来訪者登録装置3における各種の機能を、図示しないメモリに記憶されたプログラムをプロセッサで実行することで実現する。
【0075】
制御部69は、顔撮影用カメラ11および名刺撮影用カメラ12の撮影タイミングを同期させることにより、来訪者10の顔および名刺を同時に撮影することが可能である。これにより、施設の受付2において来訪者登録装置3を使用する来訪者10の作業負荷を軽減することができる。
【0076】
また、制御部69は、来訪者の顔の撮影が許可されるか否かを判定し、顔の撮影が許可されない場合には、顔撮影用カメラ11による撮影を禁止するように制御できる。これにより、来訪者10により顔の撮影が拒否された場合でも、名刺撮影用カメラ12のみによる撮影が可能となる。
【0077】
また、制御部69は、顔の撮影が許可されない場合には、顔撮影用カメラ11の撮影によって取得された顔画像の代わりに、来訪者登録装置3において予め準備されたダミー画像を選択し、これを管理サーバ51に対して送信することが可能である。これにより、管理サーバ51では、来訪者が顔の撮影を拒否した場合でも、顔の撮影が行われた場合と同様の処理によって来訪者登録情報を記憶することができ、システムエラー等の発生を防止することが可能となる。
【0078】
なお、制御部69から管理サーバ51へのダミー画像の送信は必ずしも必須ではなく、例えば、管理サーバ51が、制御部69からの顔画像を受信できない場合に、顔撮影用カメラ11の撮影によって取得された顔画像として、管理サーバ51において予め準備されたダミー画像(または、新たに生成したダミー画像)を使用する構成であってもよい。
【0079】
制御部69による顔の撮影が許可されるか否かの判定は、例えば、来訪者10が、来訪者登録装置3に設けられた(または、表示装置66に表示された)顔撮影の拒否ボタン(図示せず)を押下したか否かにより行うことができる。また、来訪者登録装置3では、来訪者10の要望にしたがって、受付者が顔撮影用カメラ11の撮影を許可しない設定を適宜行ってもよい。
【0080】
なお、
図5では、来訪者10の顔および名刺61を異なる2つのカメラによって撮影する構成を示したが、これに限らず、1つのカメラによって来訪者10の顔および名刺61を撮影する構成も可能である。また、来訪者登録システム1では、顔撮影用カメラ11および名刺撮影用カメラ12を、互いに独立した装置として設けることも可能である。
【0081】
例えば、
図6に示すように、来訪者登録装置3が、その筐体59に内蔵された1つのイメージセンサ71と、前面パネル60に配置され、来訪者10の顔からの光が入射するレンズユニット72と、凹状部68の上面側に配置され、名刺載置面62に載置された名刺61からの光が入射するレンズユニット73とを備える構成とし、来訪者10の顔からの光をイメージセンサ71の上部側に結像させる一方、名刺61からの光をミラー74によって反射させる(あるいは、公知のプリズムによって屈折させる)ことにより、イメージセンサ71の下部側に結像させることが可能である。これにより、簡易な構成により、来訪者10の顔および名刺61の同時撮影を容易に実現することができ、また、来訪者の顔画像および名刺画像を1つの画像データ(ファイル)として容易に取り扱うことができる。
【0082】
図7は、
図1に示した管理サーバ51の概略構成を示すブロック図である。
【0083】
管理サーバ51は、通信ネットワーク6を介して来訪者登録システム1における他の装置と通信を行う通信インタフェースを含む通信部81と、各種情報を表示する液晶ディスプレイ(LCD)等を含む表示部82と、各種情報を記憶するストレージを含む記憶部83と、来訪者登録処理および電子名札表示処理に関する制御を実行する制御部84と、を備える。
【0084】
記憶部83には、来訪者登録DB85、受付済み来訪者DB86、事前申請DB87と、来訪者位置ログ88、電子名札位置ログ89、入退ゲート記録ログ90、及び会議室利用記録ログ91等が記憶される。
【0085】
来訪者登録DB85には、各来訪者に関する来訪者登録情報として、顔撮影用カメラ11の撮影によって生成された顔画像と、名刺撮影用カメラ12の撮影によって生成された名刺画像と、この名刺画像から抽出された名刺記載情報と、が含まれる。ただし、名刺画像の情報は、来訪者登録情報には必須ではない。
【0086】
来訪者登録情報は、同一の来訪者が施設を訪れるたびに蓄積され、これにより、同一の来訪者に関して来訪日時の異なる来訪者登録情報が存在し得る。これにより、来訪者登録システム1では、同一の来訪者に関する来訪者登録情報の履歴が記憶されるため、来訪者をより確実に特定でき、施設のセキュリティを高めることが可能となる。
【0087】
また、来訪者登録情報には、来訪者の各来訪時の応対者に関する情報(例えば、応対者の氏名、所属部署など)を含めることができる。これにより、新たな応対者は、過去の応対者と来訪者との関係(すなわち、人的ネットワーク)を容易に把握することが可能となる。
【0088】
また、来訪者登録情報には、顔撮影用カメラ11からの顔画像のみならず、管理サーバ51が通信ネットワーク6を介して顔撮影用カメラ22および顔撮影用カメラ42からそれぞれ受信した顔画像を含めることができる。なお、これらの顔画像に対して予め記憶期間を設定しておくことにより、その期間が経過した後に、それらの顔画像の情報が記憶部83(来訪者登録情報)から消去される構成とするとよい。これにより、来訪者登録システム1では、期限切れの過去の顔画像の情報の不正使用を防止することが可能となる。また、このことを来訪者10に事前に伝えることにより、来訪者10に安心して顔画像を登録してもらえるようになる。
【0089】
さらに、来訪者登録情報には、来訪者の行先に関する行先情報を含めることができる。
【0090】
なお、応対者は、例えば会議室内に配置されたPC43(表示部)によって、上述のような来訪者登録情報を適宜表示することが可能である。これにより、応対者は、施設を訪れた来訪者を容易に識別でき、また来訪者の人物像を容易に把握することが可能となる。
【0091】
名刺記載情報は、少なくとも対応する来訪者を特定可能な情報を含む限りにおいて特に限定されないが、例えば、来訪者の氏名、所属先の名称(例えば、会社名や団体名)、所属先の住所、郵便番号、電話番号、ファクシミリ番号、電子メールアドレス、部署、役職などを含む。
【0092】
受付済み来訪者DB86には、来訪者登録DB85に含まれる来訪者登録情報の少なくとも一部であって、現に施設内に存在する来訪者に関する情報のみ(以下、「受付済み来訪者情報」という。)が含まれる。来訪者が施設から退館(または退出)した場合には、受付済み来訪者情報は、受付済み来訪者DB86から消去される。
【0093】
事前申請DB87には、応対者によって予め申請された来訪者の事前申請情報が含まれる。事前申請情報は、少なくとも対応する来訪者を特定可能な情報を含む限りにおいて特に限定されないが、例えば、来訪者10の氏名、所属先の名称(例えば、会社名や団体名)などを含む。
【0094】
来訪者位置ログ88には、施設における来訪者の現在位置の情報が含まれる。
【0095】
電子名札位置ログ89には、施設における電子名札5の現在位置の情報が含まれる。
【0096】
入退ゲート記録ログ90には、来訪者による入退ゲート21の通過に関する情報(例えば、通過日時、通過した来訪者の識別情報など)が含まれる。
【0097】
会議室利用記録ログ91には、施設における会議室の利用状況に関する情報(例えば、入室時刻、退出時刻、利用者の識別情報など)が含まれる。
【0098】
また、制御部84は、認証制御部95と、画像処理制御部(名刺情報抽出部)96と、位置情報制御部97と、案内情報制御部98と、名札発行制御部(名札発行部)99と、を有する。この制御部84は、プロセッサで構成され、以下に詳述する制御部84の各部の機能は、図示しないメモリに記憶されたプログラムをプロセッサで実行することで実現される。
【0099】
認証制御部95は、第1の認証処理として、新たな来訪者に関して取得された来訪者登録情報の少なくとも一部(例えば、来訪者の氏名および所属先の名称)を、予め申請された来訪者の事前申請情報と比較することにより、来訪者の認証処理を行うことができる。これにより、来訪者登録システム1では、来訪者をより確実に特定でき、施設のセキュリティを高めることが可能となる。
【0100】
また、認証制御部95は、第2の認証処理として、新たな来訪者に関して取得された来訪者登録情報の少なくとも一部(例えば、顔画像の情報および名刺記載情報)を、記憶部83に蓄積された同一の来訪者に関する過去の来訪者登録情報と比較することにより、来訪者の認証処理を行うことができる。これにより、来訪者登録システム1では、来訪者をより確実に特定でき、施設のセキュリティを高めることが可能となる。また、応対者は、事前の来訪者申請を省略することが可能となるので、手続きを簡素化できる。
【0101】
また、認証制御部95は、第3の認証処理として、顔撮影用カメラ42によって生成された顔画像を、記憶部83に蓄積された同一の来訪者に関する顔撮影用カメラ11によって生成された顔画像と比較することにより、来訪者の認証処理を行うことができる。これにより、特定エリア(ここでは、会議室)におけるセキュリティを確保しつつ、正規の来訪者の特定エリアへの進入または特定エリアからの退出の手続きを省略(または簡素化)することが可能となる。
【0102】
なお、認証制御部95による特定エリアに関する来訪者の認証処理の結果が正常である場合、後述するように、位置情報制御部97は、特定エリア(ここでは、会議室)の識別情報(または、位置情報)を来訪者の識別情報と対応づけて記憶部83(来訪者位置ログ88)に記憶する。
【0103】
また、認証制御部95は、会議室に関する来訪者の認証処理の結果が正常である場合、記憶部83部に記憶された会議室利用記録ログ91の少なくとも一部を、会議室管理システム55に送信することができる。これにより、会議室の利用状況を管理する他のシステム(会議室管理システム55)と連携して情報共有することができる。
【0104】
また、認証制御部95は、第4の認証処理として、顔撮影用カメラ22によって生成された顔画像を、記憶部83に蓄積された同一の来訪者に関する顔撮影用カメラ11によって生成された顔画像と比較することにより、来訪者の認証処理を行うこともできる。これにより、来訪者の移動中の施設のセキュリティを確保することができる。
【0105】
なお、認証制御部95による顔撮影用カメラ22の顔画像に関する来訪者の認証処理の結果が正常である場合、後述するように、位置情報制御部97は、顔撮影用カメラ22の識別情報(または、位置情報)を来訪者の識別情報と対応づけて記憶部83(来訪者位置ログ88)に記憶する。
【0106】
画像処理制御部96は、名刺撮影用カメラ12によって生成された名刺画像から名刺に記載された名刺記載情報を抽出するための画像処理を行う。ただし、名刺撮影用カメラ12において、同様の画像処理を行うことにより、管理サーバ51における画像処理制御部96を省略する構成も可能である。その場合、名刺撮影用カメラ12は、上述の名刺画像に代えて名刺記載情報を管理サーバ51に対して送信する。
【0107】
位置情報制御部97は、電子名札5と無線通信機32との通信結果に基づき、電子名札5の位置情報を取得する処理を行う。位置情報制御部97によって取得された電子名札5の位置情報は、記憶部83(電子名札位置ログ89)に記憶される。位置情報制御部97は、電子名札5の位置情報の取得にあたり、無線通信機32の位置情報を、無線通信機32と通信した電子名札5の位置情報として推定することができる。これにより、来訪者登録システム1では、応対者(または施設の管理者)は、施設内を移動する来訪者10の現在位置を容易に把握することが可能となる。この場合、位置情報制御部97は、電子名札5の識別情報(または電子名札5を使用中の来訪者10の識別情報)から、無線通信機32と通信した電子名札5を特定することができる。
【0108】
また、位置情報制御部97は、顔撮影用カメラ22によって生成された顔画像の撮影時刻に基づき、来訪者10の位置情報を取得する処理を行う(顔撮影用カメラ42についても同様)。例えば、位置情報制御部97は、来訪者10の位置情報の取得にあたり、顔撮影用カメラ22の位置情報を、顔撮影用カメラ22によって撮影された来訪者の位置情報として推定することができる。これにより、来訪者登録システム1では、応対者(または施設の管理者)は、施設内を移動する来訪者の現在位置を容易に把握することが可能となる。この場合、位置情報制御部97は、顔撮影用カメラ22によって生成された顔画像を用いた認証制御部95による認証結果に基づき、来訪者を特定することができる。
【0109】
また、位置情報制御部97は、記憶部83に記憶された特定エリア(ここでは、会議室)の識別情報およびこれに対応づけられた来訪者の識別情報に基づき、特定エリアの位置情報を、来訪者の位置情報として推定することができる。これにより、来訪者登録システム1では、施設内を移動する来訪者の現在位置を容易に把握することが可能となる。
【0110】
なお、応対者は、例えば会議室内に配置されたPC43(表示部)によって、上述のような来訪者10の位置情報(または電子名札5の位置情報)を適宜表示することが可能である。これにより、応対者(または施設の管理者)は、来訪者10の現在位置を容易に認識することが可能となる。
【0111】
案内情報制御部98は、記憶部83に記憶された来訪者の行先情報に基づき、来訪者の行先(例えば会議室)までの案内情報を生成する。特に、案内情報制御部98は、位置情報制御部97の処理によって取得された電子名札5(または来訪者10)の位置(すなわち、来訪者10の現在位置)から行先までの案内情報を生成することができる。これにより、来訪者登録システム1では、来訪者をその行先に向けて容易に案内することが可能となる。なお、案内情報としては、行先までの経路を示す地図情報、文字情報、音声情報などを用いることができる。
【0112】
電子名札5は、案内情報制御部98によって生成された案内情報を、付近の無線通信機32を介して管理サーバ51から取得し、その案内情報に基づく表示および音声出力の少なくとも一方を行うことができる。これにより、来訪者登録システム1では、来訪者は、電子名札5の案内情報にしたがって容易に行先まで移動することが可能となる。
【0113】
名札発行制御部99は、認証制御部95による認証処理が正常に終了した場合に、来訪者登録情報の少なくとも一部を電子名札5に表示するための電子名札情報(来訪者10の識別情報)として発行する処理(以下、「発行処理」という。)を実行する。この電子名札情報は、管理サーバ51から通信ネットワーク6を介して電子名札発行機4に送信される。
【0114】
図8は、
図1に示した電子名札5の概略構成を示すブロック図である。
【0115】
電子名札5は、無線通信により、電子名札発行機4や無線通信機32等と通信を行う通信インタフェースを含む無線通信部101と電子名札情報(来訪者10の識別情報)を表示する表示部102と、音声出力可能なスピーカを含む音声出力部103と、各種情報を記憶するストレージを含む記憶部104と、電子名札発行機4や無線通信機32等との間で行われる情報の送受信や、表示部102による表示に関する制御等を実行する制御部105と、を備える。
【0116】
無線通信部101は、RFタグを有し、RFID技術に基づく近距離の無線通信によって他の装置(電子名札発行機4、無線通信機32等)と通信を行うことが可能である。ただし、これに限らず、無線通信部101は、他の公知の方式による無線通信(例えば、Bluetooth(登録商標)や赤外線ビーコン技術)に基づき、他の装置と通信を行うことも可能である。また、無線通信部101は、電子名札発行機4と無線通信機32とで異なる通信方式による無線通信を行ってもよい。
【0117】
表示部102は、電子名札5を繰り返し使用可能なように有機ELディスプレイによって構成される。
【0118】
記憶部104には、電子名札発行機4を介して管理サーバ51から受信した電子名札情報107が記憶される。
【0119】
制御部105は、プロセッサで構成され、電子名札5の種々の機能は、図示しないメモリに記憶されたプログラムをプロセッサで実行することで実現される。
【0120】
次に、来訪者登録システム1の主要な動作について説明する。
【0121】
図9は、実施形態に係る来訪者登録システム1による来訪者の受付での登録手続(来訪者登録処理および電子名札表示処理)に関する動作手順の第1の例(有人受付)を示すシーケンス図である。
【0122】
まず、来訪者10は、受付2において、受付者16に受け付け依頼を行う(S1001)。そこで、受付者16は、受付2に設置された受付用のPC(通信機能を有する情報処理装置)により来訪者10の認証操作(来訪者が申し出た来訪者10の氏名等の情報の入力)を実行し(S1002)、この入力情報が認証処理指令と共に通信ネットワーク6を介して管理サーバ51に対して送信される(S1003)。
【0123】
その認証処理指令を受信した管理サーバ51は、受付者16の入力情報に基づき認証処理を実行する(S1004)。ここで、認証処理は、上述の来訪者登録装置3が取得した情報に対する認証制御部95による認証処理と同様に行う(例えば、応対者による事前申請情報と比較することにより行う)ことが可能である。管理サーバ51は、認証処理の結果を受付用のPCに対して送信し(S1005)、これにより、受付者16は認証処理の成否を確認することができる。
【0124】
受付者16は、来訪者10の認証処理が正常に終了したことを確認すると、来訪者10に対して顔画像および名刺画像(名刺記載情報)の登録を依頼する(S1006)。来訪者10がその依頼を承諾すると(S1007)、受付者16は、受付用のPCに対して来訪者10の登録操作を行う(S1008)。この登録操作により、受付用のPCからの登録指令が来訪者登録装置3に対して送信される(S1009)。
【0125】
その登録指令を受信した来訪者登録装置3は、情報表示や音声出力によって来訪者10に対して顔および名刺の撮影を促し、来訪者10の撮影の準備が整うと、名刺画像の読み込み(名刺61の撮影)(S1010)および顔の撮影(S1011)をそれぞれ実行する。来訪者登録装置3は、取得した名刺画像を管理サーバ51に送信し(S1012)、これを受信した管理サーバ51は、画像処理制御部96により名刺記載情報を抽出する処理を実行する(S1013)。また、来訪者登録装置3は、取得した顔画像を管理サーバ51に送信し(S1014)、管理サーバ51は、登録処理を実行することにより、受信した顔画像を名刺記載情報と共に来訪者登録情報として記憶する(S1015)。
【0126】
管理サーバ51は、登録処理が正常に終了すると、登録完了通知を来訪者登録装置3に対して送信する(S1016)。続いて、来訪者登録装置3は、管理サーバ51から登録完了通知を受信すると、電子名札5の発行指令を管理サーバ51に送信する(S1017)。なお、受付用PCが登録完了通知の受信及び電子名札5の発行指令を行ってもよい。
【0127】
管理サーバ51は、来訪者登録装置3からの電子名札5の発行指令を受信すると、名札発行制御部99により電子名札5の発行処理を実行する(S1018)。このとき、管理サーバ51は、電子名札発行機4に対して電子名札情報を送信する(S1019)。
【0128】
管理サーバ51からの電子名札情報を受信した電子名札発行機4は、電子名札5との無線通信により、電子名札5に電子名札情報を記録する(すなわち、表示部102に表示させる)処理を実行する(S1020)。この処理が完了すると、電子名札発行機4は、来訪者登録装置3に対して電子名札5の発行処理の完了を示す発行完了通知を送信する(S1021)。さらに、来訪者登録装置3は、その発行完了通知を受付用のPCに対して転送する(S1022)。
【0129】
受付者16は、その発行完了通知を受付用のPCが受信することにより、電子名札5の発行が正常に終了したことを認識し、電子名札情報が表示された電子名札5を来訪者に手渡す(貸与する)(S1023)。これにより、来訪者10の登録手続に関する一連の動作が終了する。
【0130】
図10は、実施形態に係る来訪者登録システム1による来訪者の受付での登録手続(来訪者登録処理および電子名札表示処理)に関する動作手順の第2の例(無人受付)を示すシーケンス図である。ここでは、施設を初めて訪れた来訪者10を対象とした場合を示す。
【0131】
まず、来訪者10が、無人の受付2において、来訪者登録装置3の前面パネル60に表示された画面をタッチ操作すると(S2001)、来訪者登録装置3は、情報表示や音声出力によって来訪者10に対して顔および名刺の撮影を促す(S2002)。これに対し、来訪者10は、自身の情報を登録するための準備(名刺61の撮影位置へのセット、撮影のための顔の位置合わせ)を行う(S2003)。
【0132】
来訪者登録装置3は、来訪者10による登録準備が完了したと判定すると、名刺画像の読み込み(名刺61の撮影)(S2004)および顔の撮影(S2005)をそれぞれ実行する。来訪者登録装置3は、取得した名刺画像を管理サーバ51に送信し(S2006)、これを受信した管理サーバ51は、画像処理制御部96により名刺記載情報を抽出する処理を実行する(S2007)。また、来訪者登録装置3は、取得した顔画像を管理サーバ51に送信する(S2008)。
【0133】
続いて、来訪者登録装置3は、管理サーバ51に対して認証指令を送信する(S2009)。この認証指令を受信した管理サーバ51は、来訪者登録装置3からの顔画像および名刺画像(名刺記載情報)に基づき認証処理を実行する(S2010)。
【0134】
ここで、施設を初めて訪問した来訪者10については、管理サーバ51は、取得された来訪者登録情報の少なくとも一部(例えば、来訪者の氏名および所属先の名称)を、記憶部83(事前申請DB87)における予め申請された来訪者の事前申請情報と比較することにより認証処理を行うことができる。また、施設を過去に訪問したことがある来訪者10については、管理サーバ51は、取得された来訪者登録情報の少なくとも一部を、記憶部83(来訪者登録DB85)に蓄積された同一の来訪者に関する過去の来訪者登録情報と比較することにより認証処理を行うことができる。
【0135】
管理サーバ51は、その認証処理が正常に終了すると、登録処理を実行することにより、それら顔画像および名刺記載情報(必要に応じて名刺画像を含む)を来訪者登録情報として記憶する(S2011)。
【0136】
管理サーバ51は、登録処理が正常に終了すると、登録完了通知を来訪者登録装置3に対して送信する(S2012)。続いて、管理サーバ51は、名札発行制御部99により電子名札5の発行処理を実行する(S2013)。このとき、管理サーバ51は、電子名札発行機4に対して電子名札情報を送信する(S2014)。
【0137】
管理サーバ51からの電子名札情報を受信した電子名札発行機4は、電子名札5との無線通信により、電子名札5に電子名札情報を記録する処理を実行する(S2015)。この処理が完了すると、電子名札発行機4は、来訪者登録装置3に対して電子名札5の発行処理の完了を示す発行完了通知を送信する(S2016)。続いて、来訪者登録装置3は、その発行完了通知を受信すると、来訪者10に対して電子名札5の受け取りを促し、これに応じて来訪者10が電子名札5を受け取る(S2017)。これにより、来訪者10の登録手続に関する一連の動作が終了する。なお、
図10では、施設を初めて訪れた来訪者を対象としたが、訪問回数が2回目以上の場合には、まず顔の撮影(S2005)・顔画像の送信(S2008)・認証指令(S2009)・顔画像に基づく認証処理(S2010)を実行し、顔画像のみで認証処理を行うこともできる。これにより、来訪者10は名刺画像の読み込み(S2004)が不要となるため、訪問手続きを簡略化でき、名刺の携帯を忘れた場合でも来訪者手続きを行うことができる。
【0138】
図11は、実施形態に係る来訪者登録システム1による来訪者の受付での登録手続(来訪者登録処理および電子名札表示処理)に関する動作手順の第3の例(顔撮影禁止時)を示すシーケンス図である。
【0139】
まず、来訪者10が、無人の受付2において、来訪者登録装置3の前面パネル60に表示された画面をタッチ操作すると(S3001)、来訪者登録装置3は、情報表示や音声出力によって来訪者10に対して顔および名刺の撮影を促す(S3002)。これに対し、来訪者10は、顔の撮影を拒否(例えば、画面に表示された顔撮影の拒否ボタンを押下)し、自身の名刺61の情報を登録するための準備(名刺61の撮影位置へのセット)を行う(S3003)。
【0140】
来訪者登録装置3は、来訪者10によって顔の撮影が拒否され、かつ名刺61の情報のみの登録準備が完了したと判定すると、名刺画像の読み込み(名刺61の撮影)(S3004)を実行する。来訪者登録装置3は、取得した名刺画像を管理サーバ51に送信し(S3005)、これを受信した管理サーバ51は、画像処理制御部96により名刺記載情報を抽出する処理を実行する(S3006)。
【0141】
また、来訪者登録装置3は、撮影によって取得された来訪者10の顔画像の代わりに、来訪者登録装置3において予め準備されたダミー画像を選択し(S3007)、この選択したダミー画像を管理サーバ51に対して送信する(S3008)。
【0142】
続いて、来訪者登録装置3は、管理サーバ51に対して認証指令を送信する(S3009)。その認証指令を受信した管理サーバ51は、名刺記載情報に基づき認証処理を実行する(S3010)。この認証処理では、上述の
図10におけるS2010の場合と同様に、来訪者10が初めて施設を訪れたか否かによって比較(照合)対象を適宜変更することができる。
【0143】
なお、その後の処理S3011-S3017は、それぞれ
図10に示したS2011-S2017と同様である。ただし、来訪者10に貸与される電子名札5には、本人の顔画像ではなく、ダミー画像が表示されることになる。
【0144】
図12は、実施形態に係る来訪者登録システムおける来訪者の入退ゲート21の通過に関する動作手順を示すシーケンス図である。
【0145】
受付2での登録手続を完了した来訪者10は、入退ゲート21の前に到着する(S4001)。来訪者10が入退ゲート21を通過する際に、入退エリア20に設けられた顔撮影用カメラ22によって来訪者10の顔が撮影され(S4002)、これにより生成された顔画像が入退ゲート21に付設された制御装置にインストールされたアプリケーション110に対して送出される(S4003)。
【0146】
ここで、入退ゲート21の制御装置(アプリケーション110)は、事前に管理サーバ51(受付済み来訪者DB86)と適宜同期することにより(S4004)、現に施設内に存在する来訪者に関する情報を保持しており(S4005)、アプリケーション110は、顔撮影用カメラ22からの顔画像を、現に施設内に存在する来訪者に関する情報に含まれる顔画像の情報と比較することにより、来訪者10の認証処理を実行する(S4006)。
【0147】
アプリケーション110は、来訪者10の認証処理が正常に終了すると、入退ゲート21(本体装置)に対してゲート開放指令を送出する(S4006)。アプリケーション110からのゲート開放指令を受けた入退ゲート21は、ゲートの開放動作を実行し(S4008)、これにより、来訪者10は、入退ゲート21を通過するためのICカード等を必要とすることなく(いわゆる顔パスと同様に)、入退ゲート21を通過することができる。
【0148】
また、アプリケーション110は、ゲート開放指令を送出した後、管理サーバ51に対してロギング指令を送信する(S4009)。このロギング指令には、来訪者による入退ゲート21の通過に関する情報(例えば、通過日時、通過した来訪者の識別情報など)が含まれる。制御装置(アプリケーション110)からのロギング指令を受信した管理サーバ51は、来訪者による入退ゲート21の通過に関する情報を入退ゲート記録ログ90として記憶部83に記憶する。これにより、来訪者10の入退ゲート21の通過に関する一連の動作が終了する。
【0149】
図13は、実施形態に係る来訪者登録システム1による来訪者案内に関する動作手順を示すシーケンス図である。
【0150】
入退ゲート21を通過した来訪者10は、施設内の行先(ここでは、会議室)に向かって移動する(S5001)。受付2において来訪者10が受け取った電子名札5は、来訪者10が通路30を移動する際に、付近に設置された無線通信機32と通信を行う(S5002)。
【0151】
続いて、無線通信機32は、電子名札5との通信によって取得した通信情報(来訪者の識別情報等)を、管理サーバ51に対して送信する(S5003)。管理サーバ51は、無線通信機32から受信した通信情報を通信履歴として電子名札位置ログ89に記録する(S5004)。この通信履歴の記録には、無線通信機32の現在位置の情報(すなわち、電子名札5の現在位置として推定される情報)が含まれる。
【0152】
その後、管理サーバ51は、案内情報制御部98により来訪者の行先までの案内情報を生成し(S5005)、この案内情報を無線通信機32に送信する(S5006)。さらに、無線通信機32は、管理サーバ51からの案内情報を電子名札5に対して転送する(S5007)。
【0153】
電子名札5は、無線通信機32からの案内情報に基づき、行先までの経路を示す地図情報、文字情報、音声情報などを表示部102に表示する(S5008)。これにより、来訪者案内に関する一連の動作が終了する。
【0154】
図14は、実施形態に係る来訪者登録システム1による会議室への来訪者の入室に関する動作手順を示すシーケンス図である。
【0155】
来訪者10は、上述の来訪者案内によって会議室のドア45の前に到着する(S6001)。このとき、会議室エリア40(ドア45付近)に設けられた顔撮影用カメラ42によって来訪者10の顔が撮影され(S6002)、これにより生成された顔画像が会議室管理装置としてのPC43にインストールされたアプリケーション120に対して送信される(S6003)。
【0156】
ここで、PC43(アプリケーション120)は、事前に管理サーバ51(受付済み来訪者DB86)と適宜同期することにより(S6004)、現に施設内に存在する来訪者に関する情報を保持しており(S6005)、アプリケーション120は、顔撮影用カメラ42からの顔画像を、現に施設内に存在する来訪者に関する情報に含まれる顔画像の情報と比較することにより、来訪者10の認証処理を実行する(S6006)。
【0157】
アプリケーション120は、来訪者10の認証処理が正常に終了すると、ドアロック装置41に対してドアロック解除指令を送出する(S6007)。このドアロック解除指令を受けたドアロック装置41は、ドア45の解錠動作を実行し(S6008)、これにより、来訪者10は、ドア45から会議室への入室が可能となる。
【0158】
また、アプリケーション120は、ドアロック解除指令を送出した後、管理サーバ51に対してロギング指令を送信する(S6009)。このロギング指令には、会議室の利用状況に関する情報(例えば、会議室の識別情報(ID、部屋番号)、入室時刻、退出時刻、利用者の識別情報など)が含まれる。PC43(アプリケーション120)からのロギング指令を受信した管理サーバ51は、来訪者10による会議室の利用状況に関する情報を会議室利用記録ログ91として記憶部83に記憶する。これにより、会議室への来訪者の入室に関する一連の動作が終了する。
【0159】
以上、本開示を特定の実施の形態に基づいて説明したが、これらの実施の形態はあくまでも例示であって、本開示はこれらの実施の形態によって限定されるものではない。なお、上記実施の形態に示した本開示に係る来訪者登録システム、来訪者登録装置、及び来訪者登録方法の各構成要素は、必ずしも全てが必須ではなく、少なくとも本開示の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜取捨選択することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0160】
本開示に係る来訪者登録システム、入退管理システム、来訪者登録装置、及び来訪者登録方法は、応対者による来訪者の申請作業を繁雑化することなく、施設に入館する来訪者の詳細な情報を取得可能とし、施設の来訪者の情報を登録するための来訪者登録システム、入退管理システム、来訪者登録装置、及び来訪者登録方法などとして有用である。
【符号の説明】
【0161】
1 :来訪者登録システム(電子名札システム、入退管理システム)
2 :受付
3 :来訪者登録装置
4 :電子名札発行機
5 :電子名札
6 :通信ネットワーク
10 :来訪者
11 :顔撮影用カメラ(第1の顔撮影部)
12 :名刺撮影用カメラ(名刺撮影部)
14 :顔画像
15 :文字
16 :受付者
20 :入退エリア
21 :入退ゲート
22 :顔撮影用カメラ
30 :通路
31 :案内装置(案内情報提供部)
32 :無線通信機(無線通信部)
40 :会議室エリア
41 :ドアロック装置
42 :顔撮影用カメラ(第2の顔撮影部)
43 :PC(表示部)
45 :ドア
50 :管理エリア
51 :管理サーバ
55 :会議室管理システム
58 :受付カウンタ
59 :筐体
60 :前面パネル
61 :名刺
62 :名刺載置面
65 :基準枠
66 :表示装置
68 :凹状部
69 :制御部(撮影制御部)
71 :イメージセンサ
72 :レンズユニット
73 :レンズユニット
74 :ミラー
81 :通信部
82 :表示部
83 :記憶部
84 :制御部
88 :来訪者位置ログ
89 :電子名札位置ログ
90 :入退ゲート記録ログ
91 :会議室利用記録ログ
95 :認証制御部
96 :画像処理制御部(名刺情報抽出部)
97 :位置情報制御部
98 :案内情報制御部
99 :名札発行制御部(名札発行部)
101:無線通信部
102:表示部
103:音声出力部
104:記憶部
105:制御部
107:電子名札情報
110:アプリケーション
120:アプリケーション