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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-18
(45)【発行日】2023-05-26
(54)【発明の名称】モータ
(51)【国際特許分類】
   H02K 5/10 20060101AFI20230519BHJP
   H02K 5/08 20060101ALI20230519BHJP
   H02K 15/12 20060101ALI20230519BHJP
   H02K 3/44 20060101ALI20230519BHJP
【FI】
H02K5/10 Z
H02K5/08 A
H02K15/12 E
H02K3/44 B
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020509614
(86)(22)【出願日】2018-11-28
(86)【国際出願番号】 JP2018043657
(87)【国際公開番号】W WO2019187336
(87)【国際公開日】2019-10-03
【審査請求日】2021-09-03
(31)【優先権主張番号】P 2018060933
(32)【優先日】2018-03-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】森岡 正之
(72)【発明者】
【氏名】大畑 貴央
(72)【発明者】
【氏名】麻生 宜農
【審査官】津久井 道夫
(56)【参考文献】
【文献】実開平07-042554(JP,U)
【文献】特開2013-240215(JP,A)
【文献】実開昭62-104545(JP,U)
【文献】実開昭62-101355(JP,U)
【文献】特開昭51-079210(JP,A)
【文献】特開昭53-017901(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 5/10
H02K 5/08
H02K 15/12
H02K 3/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ以上の貫通した雌ねじが形成された筐体と、
前記筐体内に配置されたステータコアと、
少なくとも前記ステータコアと筐体との間に充填された樹脂と、
前記筐体の内側から前記雌ねじを塞ぐシール部材とを備え
前記筐体は、前記ステータコアの外周面に接する第1内周面と、前記ステータコアの外周面と隙間をあけて前記ステータコアの外周面に対面する第2内周面とを有し、
前記シール部材で塞がれる前記雌ねじは、前記第2内周面に設けられており、
前記隙間の間隔は、前記シール部材の厚さよりも大きい、
モータ。
【請求項2】
前記シール部材は、帯状の粘着テープであって、前記筐体の内面に沿って貼着されている、
請求項1に記載のモータ。
【請求項3】
前記シール部材は、透明である、
請求項2に記載のモータ。
【請求項4】
前記シール部材の基材層は、ポリイミド樹脂膜によって構成されている、
請求項2又は3に記載のモータ。
【請求項5】
前記シール部材の基材層は、金属膜によって構成されている、
請求項2に記載のモータ。
【請求項6】
前記雌ねじは、複数形成されている、
請求項1~のいずれか1項に記載のモータ。
【請求項7】
前記筐体は、前記ステータコアに巻回された巻線コイルに通電するための電力が供給される電気接続部材が取り付けられた開口部を有し、
さらに、前記電気接続部材を覆うカバーを備え、
前記雌ねじの1つは、第1雄ねじがねじ込まれる第1雌ねじであり、
前記カバーは、前記カバーに形成された貫通孔に挿通された前記第1雄ねじが前記第1雌ねじにねじ込まれることで前記筐体に固定されている、
請求項に記載のモータ。
【請求項8】
前記雌ねじの1つは、アース経路の一部になっている第2雌ねじである、
請求項又はに記載のモータ。
【請求項9】
前記シール部材は、複数の前記雌ねじを一括して塞いでいる、
請求項のいずれか1項に記載のモータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、モータに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、筐体内にステータコアが配置されたモータにおいて、筐体の内部空間に液状樹脂を流し込んで硬化させることでステータコアを樹脂で覆った構造のものが知られている。このようなモータでは、ステータコアと筐体との間に樹脂が埋め込まれているので、モータで発生した熱を効率よく放熱させることができる。これにより、モータの小型化を図ることができる。
【0003】
筐体内にステータコアが配置されたモータでは、ステータコアに巻回された巻線コイルの通電を行うために、筐体に給電用の開口部を形成し、この開口部に引き出し線又はコネクタ等の電気接続部材を設ける構造が採用されている。これにより、この電気接続部材を介してモータに電力が供給されて、ステータコアに巻回された巻線コイルへの通電を行うことができる。
【0004】
しかしながら、筐体に開口部を形成すると、ステータコアを樹脂で覆うために液状樹脂を筐体の内部空間に流し込んだときに、筐体の開口部から液状樹脂が漏れ出してしまうことがある。
【0005】
そこで、従来、筐体の開口部から液状樹脂が漏れ出すことを防止できるモータが提案されている(特許文献1)。図12は、特許文献1に開示されたモータ1001の構成を示す斜視図である。図12に示すように、特許文献1に開示されたモータ1001では、筐体1110の開口部1112にウレタンゴム等のシール部材1140をはめ込んで、シール部材1140に設けられた小径の挿通孔1141に引き出し線1150を挿通している。これにより、筐体1110の開口部から液状樹脂が漏れ出すことを防止できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2015-70634号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
給電用の開口部が形成された筐体を有するモータでは、筐体の開口部に設けられた電気接続部材をカバーで覆うことがある。この場合、カバーを筐体に取り付けるために、例えば、ねじによってカバーを筐体にねじ止めする。具体的には、カバーに形成された貫通孔に雄ねじを挿通し、この雄ねじを筐体の開口部周辺に形成された雌ねじにねじ込むことで、カバーを筐体に取り付けることができる。
【0008】
カバーを取り付けるために筐体に形成された雌ねじは、筐体を貫通する貫通孔である。このため、ステータコアを樹脂で覆うために液状樹脂を筐体内に流し込んだときに、筐体の雌ねじから液状樹脂が漏れ出すことがある。つまり、特許文献1に開示されたモータのように、筐体に形成された給電用の開口部をシール部材で塞いだとしても、筐体を貫通する雌ねじから液状樹脂が漏れ出すという課題が残っている。特に、モータの小型化を目的として、筐体の肉厚を薄くした場合、雌ねじから液状樹脂が流れ出し易くなる。
【0009】
そこで、カバーを筐体にねじ止めした後に筐体内に液状樹脂を流し込むことが考えられる。しかしながら、この方法では、雄ねじと雌ねじとの隙間に液状樹脂が入り込でしまい、液状樹脂が硬化したときに雄ねじが雌ねじに固着されてしまう。この結果、カバーを取り外すことができなくなる。
【0010】
また、雌ねじを貫通孔ではなく不貫通孔である有底のねじ穴にすることで、液状樹脂が雌ねじから漏れ出すことを防止することができる。しかしながら、この方法では、雌ねじに底を設ける分だけ筐体の肉厚が厚くなってしまい、モータの小型化を阻害する。
【0011】
本開示は、このような課題を解決するためになされたものであり、貫通した雌ねじが筐体に形成されていたとしても、筐体内に液状樹脂を流し込んだときに雌ねじから液状樹脂が漏れ出すことを抑制できるモータを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために、本開示に係るモータの一態様は、1つ以上の貫通した雌ねじが形成された筐体と、前記筐体内に配置されたステータコアと、少なくとも前記ステータコアと筐体との間に充填された樹脂と、前記筐体の内側から前記雌ねじを塞ぐシール部材とを備える。
【発明の効果】
【0013】
貫通した雌ねじが形成された筐体を有するモータであっても、筐体内に樹脂を流し込んだときに雌ねじから樹脂が漏れ出すことを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、実施の形態に係るモータの断面図である。
図2図2は、図1のII-II線における実施の形態に係るモータの断面図である。
図3図3は、図1のIII-III線における実施の形態に係るモータの断面図である。
図4図4は、実施の形態に係るステータユニットを斜め上から見たときの斜視図である。
図5図5は、実施の形態に係るステータユニットを斜め下から見たときの斜視図である。
図6図6は、実施の形態に係るステータユニットの電気接続部材周辺の分解斜視図である。
図7図7は、実施の形態に係るステータユニットにおいて筐体からステータコアを取り外した状態を示す斜視図である。
図8図8は、図7に示される筐体からさらにシール部材を外した状態を示す斜視図である。
図9A図9Aは、実施の形態に係るステータユニットの組立方法におけるシール部材設置工程を示す図である。
図9B図9Bは、実施の形態に係るステータユニットの組立方法におけるステータ設置工程(ステータ挿入前)を示す図である。
図9C図9Cは、実施の形態に係るステータユニットの組立方法におけるステータ設置工程(ステータ挿入後)を示す図である。
図9D図9Dは、実施の形態に係るステータユニットの組立方法における樹脂充填工程を示す図である。
図10図10は、実施の形態に係るステータユニットの組立方法におけるシール部材設置工程を示す斜視図である。
図11図11は、実施の形態に係るモータにおいて、カバーを筐体に取り付けるときの様子を示す断面図である。
図12図12は、特許文献1に開示されたモータの構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本開示の一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される、数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態等は、一例であって本開示を限定する主旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本開示の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0016】
なお、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化する。
【0017】
(実施の形態)
まず、実施の形態に係るモータ1の概略構成について、図1図3を用いて説明する。図1は、実施の形態に係るモータ1の断面図である。図2は、図1のII-II線における同モータ1の断面図である。図3は、図1のIII-III線における同モータ1の断面図である。なお、図1及び図2において、樹脂130が存在する領域は、散点状のハッチングで示されている。また、図3では、電線170等のカバー160内の構造は省略している。
【0018】
図1図3に示すように、モータ1は、ステータユニット100と、ステータユニット100に配置されたロータ200と、ロータ200に設けられたシャフト300と、シャフト300を回転可能に保持する第1軸受410及び第2軸受420とを備える。
【0019】
ステータユニット100は、筐体110にステータ120が組み込まれたステータ組立体である。ステータユニット100は、ロータ200を回転させるための磁力を発生させる。筐体110に配置されたステータ120は、ステータコア121と、巻線コイル122とを有する。なお、ステータユニット100の詳細な構成については後述する。
【0020】
ロータ200は、ステータユニット100のステータ120に対して回転可能にステータユニット100内に配置されている。具体的には、ロータ200は、ステータ120のステータコア121と微小なエアギャップを介してステータ120の内側に配置されている。つまり、本実施の形態におけるモータ1は、ロータ200がステータ120の内側に配置されたインナーロータ型の電動機である。ロータ200は、ステータコア121に囲まれており、ステータコア121による磁力によって回転する。ロータ200は、回転方向に沿ってN極及びS極が複数繰り返して存在する構成となっている。一例として、ロータ200は、ロータコアの表面に永久磁石が取り付けられた表面磁石型のロータ(SPMロータ)であるが、これに限らない。
【0021】
図1に示すように、シャフト300は、ロータ200の中心に固定された回転軸である。ロータ200は、シャフト300を回転中心として回転する。シャフト300は、例えば金属棒であり、ロータ200の両側に延在するようにロータ200を貫通している。シャフト300は、例えばロータ200の中心孔に圧入したり焼き嵌めしたりすることでロータ200に固定されている。
【0022】
シャフト300は、第1軸受410と第2軸受420とによって保持されている。一例として、第1軸受410及び第2軸受420は、シャフト300を回転可能に支持するベアリングである。第1軸受410は、ステータユニット100の筐体110の底部に配置されて筐体110に固定されている。第2軸受420は、筐体110の上部に配置されている。具体的には、第2軸受420は、筐体110の上側の開口に蓋をするように筐体110に取り付けられたブラケット500に固定されている。
【0023】
次に、実施の形態に係るステータユニット100の詳細な構成について、図1図3を参照しながら、図4図8を用いて説明する。図4は、実施の形態に係るステータユニット100を斜め上から見たときの斜視図であり、図5は、同ステータユニット100を斜め下から見たときの斜視図である。図6は、同ステータユニット100の電気接続部材150周辺の分解斜視図である。図7は、同ステータユニット100において筐体110からステータ120を取り外した状態を示す斜視図である。図8は、図7に示される筐体110からさらにシール部材140を外した状態を示す斜視図である。なお、図4図8において、樹脂130は省略されている。
【0024】
図4図8に示すように、本実施の形態に係るステータユニット100は、筐体110と、筐体110内に配置されたステータ120と、筐体110の内面に設けられたシール部材140と、ステータ120と筐体110との間に充填された樹脂130(図1参照)と、筐体110に取り付けられた電気接続部材150と、電気接続部材150を覆うカバー160とを備える。以下、ステータユニット100の各構成部材について詳細に説明する。
【0025】
筐体110は、ステータ120を収納する筒状の枠体(ステータ枠体)である。筐体110の内周面の形状は、略円柱の外面形状である。本実施の形態における筐体110は、内径の異なる複数の内周面を有する。具体的には、図1に示すように、筐体110は、ステータ120が有するステータコア121の外周面に接する第1内周面110aと、ステータコア121の外周面と隙間をあけてステータコア121の外周面に対面する第2内周面110bとを有する。つまり、第2内周面110bの内径は、第1内周面110aの内径よりも大きくなっており、第2内周面110bは、ステータコア121の外周面に対して、第1内周面110aよりも後退した面になっている。したがって、第1内周面110aと第2内周面110bとの境界には、段差部が形成されている。なお、本実施の形態において、第2内周面110bは、ステータコア121及び巻線コイル122の両方に対面している。
【0026】
また、第1内周面110aに背向する筐体110の外周面と、第2内周面110bに背向する筐体110の外周面とは、面一となっている。したがって、筐体110における第2内周面110bの部位は、筐体110における第1内周面110aの部位よりも肉厚(厚み)が薄くなっている。
【0027】
本実施の形態において、筐体110は、ステータユニット100の外郭をなす外郭部材である。具体的には、筐体110の外形は、筐体110を上面視したときに、略矩形の4つの角を窪ませた形状となっている。一方、筐体110の内形は、筐体110を上面視したときに、略円形となっている。このように、本実施の形態における筐体110は、上面視したときに、外形と内形とが異なっており、周方向に沿っても厚さ(肉厚)が一定ではなく部分的に異なっている。具体的には、図3及び図4に示すように、筐体110は、4隅の窪み部周辺において他の部位よりも厚さが厚くなった肉厚部110cを有する。
【0028】
筐体110は、例えば、アルミニウム合金等の金属材料によって構成された剛体である。なお、筐体110は、金属製に限るものではなく、樹脂製であってもよいが、放熱性の観点では、金属材料等の熱伝導率が高い材料によって構成されている方がよい。
【0029】
図2及び図6に示すように、筐体110には、雌ねじ111と開口部112とが形成されている。本実施の形態において、雌ねじ111及び開口部112は、筐体110の上部に形成されている。雌ねじ111及び開口部112は、筐体110の側壁を貫通する貫通孔である。図8に示すように、雌ねじ111及び開口部112は、筐体110の第2内周面110bが形成された部位に形成されている。
【0030】
図6に示すように、開口部112は、開口形状が略矩形状の開口窓である。開口部112の開口面積は、雌ねじ111の開口面積よりも大きい。図6及び図7に示すように、開口部112には、電気接続部材150が取り付けられている。つまり、開口部112は、電気接続部材150が取り付けられる取付用孔である。なお、開口部112は、電気接続部材150を設けることができさえすれば、開口部112の開口形状は、略矩形状に限るものではない。
【0031】
雌ねじ(メネジ)111は、ねじ溝を有するねじ孔である。図6に示すように、この雌ねじ111には、雄ねじ(オネジ)113がねじ込まれる。具体的には、雄ねじ113は、筐体110の外周面側から雌ねじ111にねじ込まれる。図3に示すように、雄ねじ113を雌ねじ111にねじ込んだ状態では、雄ねじ113のねじ軸の先端は、雌ねじ111の内部に位置している。つまり、雄ねじ113のねじ軸の先端は、筐体110の内周面から筐体110の内部空間には突き出ていない。
【0032】
雌ねじ111は、少なくとも1つ形成されている。本実施の形態において、雌ねじ111は、複数形成されている。具体的には、図6に示すように、雌ねじ111は、5つ形成されている。5つの雌ねじ111は、開口部112の周辺に形成されている。具体的には、雌ねじ111として、開口部112の4隅周辺に設けられた4つの第1雌ねじ111aと、開口部112の下辺の直下に形成された1つの第2雌ねじ111bとが形成されている。
【0033】
雄ねじ113は、雌ねじ111の数に合わせて複数用いられる。本実施の形態では、5つの雌ねじ111が形成されているので、5つの雄ねじ113が用いられている。具体的には、図4図6に示すように、雄ねじ113として、4つの第1雌ねじ111aにねじ込まれる4本の第1雄ねじ113aと、1つの第2雌ねじ111bにねじ込まれる第2雄ねじ113b(図6参照)とが用いられている。
【0034】
第1雌ねじ111a及び第1雄ねじ113aは、電気接続部材150を覆うカバー160を筐体110に固定する際に用いられる。具体的には、カバー160に形成された4つの貫通孔160a(図3参照)の各々に第1雄ねじ113aを挿通するとともにこの4つの第1雄ねじ113aの各々を4つの第1雌ねじ111aにねじ込むことによって、カバー160を筐体110の外面に固定することができる。このように、第1雌ねじ111aはカバー取付用ねじ孔であり、第1雄ねじ113aは、カバー取付用ねじである。
【0035】
また、第1雌ねじ111aは、筐体110の肉厚部110cに形成されている。これにより、筐体110の厚みが薄くなった部位(第2内周面110bの部位)に第1雌ねじ111aが形成されたとしても、第1雌ねじ111aの軸方向長さとして、第1雄ねじ113aのねじ軸全体が挿入される分だけの十分な長さを確保することができる。したがって、第1雄ねじ113aのねじ軸の長さを長くできるので、カバー160を筐体110に確実に固定することができる。
【0036】
一方、図6に示される第2雌ねじ111b及び第2雄ねじ113bは、アース経路の一部になっている。図示しないが、例えば、第2雄ねじ113bのねじ頭と筐体110との外周面との間にアース線を挟み込むことによって、アース線を金属製の筐体110に電気的に接続することができる。これにより、アース線によって金属製の筐体110をアース接続することができる。このように、第2雌ねじ111bはアース接続用ねじ孔であり、第2雄ねじ113bは、アース接続用ねじである。なお、第2雌ねじ111bにねじ込まれた第2雄ねじ113bは、図2に示すように、アース線とともにカバー160で覆われる。なお、アース線は、カバー160から外部に引き出される。
【0037】
図3図4及び図7に示すように、このように構成される筐体110内には、ステータ120が配置される。ステータ120は、ステータ120は、ステータコア121と、巻線コイル122と、インシュレータ123とを有する。
【0038】
ステータコア121は、ロータ200を回転させるための磁力を発生させる、環状の鉄心である。ステータコア121は、例えば、シャフト300の軸方向に複数の電磁鋼板が積層された積層体であるが、これに限らず、磁性材料によって構成されたバルク体であってもよい。
【0039】
巻線コイル122は、インシュレータ123を介してステータコア121に巻回されたステータコイルである。具体的には、図3に示すように、巻線コイル122は、ステータコア121の複数のティース121aの各々に巻回されている。本実施の形態において、巻線コイル122は、U相、V相、W相の3相それぞれの複数の単位コイルによって構成されている。複数の巻線コイル122は、巻線結線部124(図1参照)で結線されている。巻線結線部124は、例えば、U相、V相、W相の3相ごとに複数の巻線コイル122を電気的に接続するパターン配線が形成されたプリント配線基板を有する。この場合、各巻線コイル122の末端は、はんだ等によってプリント配線基板のパターン配線と電気的に接続されている。なお、プリント配線基板は、中央部にシャフト300が遊通される開口を有しており、例えば、環状(ドーナツ型形状)、扇型形状(円弧状)、又は、C字形状等である。
【0040】
インシュレータ123は、ステータコア121を覆う絶縁枠である。具体的には、インシュレータ123は、ステータコア121のティース121aを覆っており、各ティース121a毎に設けられている。
【0041】
このように構成されるステータ120は、筐体110に固定されている。本実施の形態では、インシュレータ123を介して巻線コイル122が巻回されたステータコア121が、焼き嵌めによって金属製の筐体110に固定されている。したがって、図1に示すように、ステータコア121は、筐体110の内周面で挟持されている。つまり、ステータコア121の外周面は、筐体110の内周面に接触している。具体的には、ステータコア121の第1内周面110aとステータコア121の外周面とが密着するように面接触している。
【0042】
図1及び図2に示すように、筐体110内には、樹脂130が設けられている。樹脂130は、少なくともステータ120が有するステータコア121と筐体110との間に充填されている。具体的には、樹脂130は、ステータコア121の外面と筐体110の内面との間の隙間空間を埋めるように設けられている。例えば、樹脂130は、筐体110の内周面とステータコア121の外周面とが密接する箇所を除いた筐体110とステータコア121との間の隙間空間、筐体110の底面とステータコア121及び巻線コイル122との間の隙間空間、及び、隣り合う2つの巻線コイル122同士の間の隙間空間等に充填されている。本実施の形態において、樹脂130は、筐体110に配置されたステータ120のほぼ全体を覆うように成形されている。したがって、ステータコア121及び巻線コイル122の各々の表面は、樹脂130によって成形されている。なお、図1に示すように、樹脂130は、ステータ120の上部から筐体110の底部110dまで充填されている。
【0043】
樹脂130は、液状樹脂を筐体110内に流し込んで固化することで、ステータコア121と筐体110との間の隙間空間に充填させることができる。具体的には、樹脂130としては、ポリエステル樹脂又はエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を用いることができる。この場合、液状の熱硬化性樹脂を筐体110内に流し込んで加熱又は乾燥させて硬化させることで、ステータコア121と筐体110との間の隙間空間に樹脂130を充填させることができる。なお、樹脂130の放熱性を高めるために、樹脂130内に熱伝導率が高い無機材料からなる添加材を混ぜてもよい。
【0044】
また、図1図3に示すように、筐体110にシール部材140が設けられている。シール部材140は、樹脂130を成形するために液状樹脂を筐体110に流し込むときに、液状樹脂が雌ねじ111から漏れ出すことを抑制するために用いられる。したがって、シール部材140は、筐体110の内側から雌ねじ111を塞いでいる。本実施の形態において、シール部材140は、基材層と粘着層との積層構造を有する薄板状かつ帯状の粘着テープであって、筐体110の内面に沿って貼着されている。シール部材140としては、例えば、基材層を樹脂膜とする樹脂粘着テープを用いることができる。これにより、シール部材140を簡単に筐体110に固定することができる。
【0045】
シール部材140は、透明であるとよい。透明なシール部材140を用いることで、シール部材140及び雌ねじ111を介して筐体110内を目視することができる。これにより、シール部材140で覆われた雌ねじ111の位置まで筐体110内の樹脂130が存在していることを確認することができる。
【0046】
また、シール部材140は、液状樹脂を硬化して樹脂130を成形するときの温度に耐えることができるものであるとよい。特に、ステータコア121を焼き嵌めによって筐体110に固定する場合、シール部材140としては、耐熱性に優れたものを用いるとよい。例えば、250℃程度の温度に耐えうる耐熱性を有するシール部材140であるとよい。
【0047】
本実施の形態では、耐熱性に優れ、かつ透明なシール部材140を用いている。具体的には、シール部材140として、250℃以上の耐熱性を有するポリイミド樹脂膜を基材層とする透明な樹脂粘着テープを用いている。
【0048】
なお、シール部材140は、樹脂粘着テープに限るものではなく、金属膜(金属箔)を基材層とする金属粘着テープであってもよい。この場合、金属粘着テープとしては、アルミニウム箔を基材層とするアルミ箔粘着テープを用いることができる。金属粘着テープも耐熱性に優れているので、ステータコア121を焼き嵌めによって筐体110に固定する場合には、シール部材140として金属粘着テープを用いてもよい。
【0049】
本実施の形態において、シール部材140で塞がれる雌ねじ111は、筐体110の第2内周面110bに設けられている。したがって、図7及び図8に示すように、シール部材140は、筐体110の第2内周面110bに設けられている。この場合、第2内周面110bとステータコア121との間の隙間の間隔は、シール部材140の厚さよりも大きくなっている。つまり、第1内周面110aと第2内周面110bとの段差部の段差は、シール部材140の厚さよりも大きくなっている。したがって、シール部材140は、ステータコア121に接触することなく、第2内周面110bとステータコア121の外周面との間の空間領域に収納されている。
【0050】
また、シール部材140は、開口部112の周辺に設けられた複数の雌ねじ111を一括して塞いでいる。本実施の形態では、シール部材140は、カバー取付用の4つの第1雌ねじ111aのうちの下側に位置する2つの第1雌ねじ111aとアース接続用の第2雌ねじ111bとの3つの雌ねじ111を一括して塞いでいる。このように、シール部材140によって複数の雌ねじ111を一括して塞ぐことで、1つのシール部材140によって複数の雌ねじ111を簡単に塞ぐことができる。
【0051】
図1に示すように、開口部112に取り付けられた電気接続部材150には、ステータ120が有するステータコア121に巻回された巻線コイル122に通電するための電力が供給される。具体的には、図1に示すように、電気接続部材150に電線170が接続されることで、電気接続部材150には、電線170を介して、U相、V相、W相の三相交流が供給される。
【0052】
電気接続部材150は、巻線結線部124を介して巻線コイル122と電気的に接続されている。具体的には、電気接続部材150は、巻線結線部124のプリント配線基板のパターン配線と電気的に接続されている。上述のように、巻線結線部124では、複数の巻線コイル122が結線されている。したがって、電気接続部材150に供給された電力は、巻線結線部124のプリント配線基板を介して各巻線コイル122に供給される。
【0053】
本実施の形態において、電気接続部材150は、コネクタ端子である。具体的には、図6に示すように、電気接続部材150は、導電性の複数のコネクタピン151と、複数のコネクタピン151を保持する絶縁樹脂材料からなるホルダ152とを有する。より具体的には、電気接続部材150は、メスソケット型のコネクタ端子であるので、ホルダ152は、コネクタピン151を囲む開口枠152aを有する。図1に示すように、ホルダ152の開口枠152aには、電線170の先端部に設けられたオスソケット171が差し込まれる。これにより、電線170のオスソケット171を電気接続部材150のホルダ152に差し込むことで、電線170と電気接続部材150とを電気的及び機械的に接続することができる。なお、電線170と電気接続部材150とは、着脱可能となっている。
【0054】
図1及び図6に示すように、電気接続部材150のホルダ152は、さらに、底板部152b、嵌め込み部152c及び貫通孔152dを有する。
【0055】
底板部152bは、筐体110の開口部112を塞いでいる。底板部152bの外周端部は、開口枠152aから外方に突出するようにフランジ状に形成されている。
【0056】
嵌め込み部152cは、底板部152bの筐体110側に設けられており、開口部112に嵌め込まれる形状を成す。したがって、嵌め込み部152cの外形は、開口部112の開口形状と同じである。なお、開口部112に電気接続部材150を取付けることができれば、嵌め込み部152cの嵌め込み長さは、開口部112における筐体110の厚み以下でもよい。
【0057】
貫通孔152dは、ホルダ152の一部に形成されている。図6に示すように、貫通孔152dには、アース接続用の第2雄ねじ113bが挿通する。貫通孔152dは、筐体110に形成された第2雌ねじ111bと重なる位置に形成されている。
【0058】
このように構成される電気接続部材150は、筐体110の開口部112を塞ぐように設けられている。
【0059】
本実施の形態では、電気接続部材150が有するホルダ152が開口部112に嵌め込まれることで、開口部112が塞がれている。したがって、ホルダ152によって開口部112が塞がれている。具体的には、電気接続部材150は、筐体110のアース接続の際に第2雄ねじ113bを第2雌ねじ111bにねじ込む際に、筐体110に固定される。この場合、ホルダ152の嵌め込み部152cを筐体110の開口部112に嵌め込んで、第2雄ねじ113bを貫通孔152dに挿通して第2雌ねじ111bにねじ込むことで、電気接続部材150を筐体110に固定することができる。
【0060】
図1図6に示すように、電気接続部材150は、カバー160によって覆われている。具体的には、開口部112に嵌め込まれた電気接続部材150の一部が筐体110の開口部112から外側にはみ出しており、カバー160は、開口部112からはみ出した電気接続部材150を覆うように配置されている。本実施の形態において、カバー160は、電気接続部材150を隠すようにして筐体110に取り付けられている。
【0061】
図6に示すように、カバー160は、雄ねじ113によって筐体110に固定されている。このため、図3に示すように、カバー160には、雄ねじ113が挿通される貫通孔160aが形成されている。具体的には、貫通孔160aには、第1雄ねじ113a及び第2雄ねじ113bのうち第1雄ねじ113aが挿通される。カバー160は、貫通孔160aに挿通された第1雄ねじ113aが第1雌ねじ111aにねじ込まれることで筐体110に固定されている。カバー160は、例えば、絶縁樹脂材料によって構成されている。
【0062】
次に、ステータユニット100の組立方法について、図9A図9Dを用いて説明する。図9A図9Dは、実施の形態に係るステータユニット100の組立方法を説明するための図である。なお、図9A図9Dの各図において、(a)は、筐体110の軸を通る平面で切断したときの断面図であり、(b)は、(a)のA-A線における断面図である。
【0063】
図9Aに示すように、まず、筐体110に形成された雌ねじ111を塞ぐようにシール部材140を筐体110に固定する。具体的には、雌ねじ111を塞ぐようにシール部材140を筐体110の内周面に貼り付ける。
【0064】
本実施の形態では、図10の(a)及び(b)に示すように、筐体110の第2内周面110bの部位に設けられた雌ねじ111をシール部材140で塞いでいる。具体的には、シール部材140は、カバー取付用の4つの第1雌ねじ111aのうちの下側に位置する2つの第1雌ねじ111aとアース接続用の第2雌ねじ111bとの3つの雌ねじ111を一括して塞いでいる。
【0065】
次に、図9Bに示すように、巻線結線部124で巻線コイル122の結線が施されたステータ120を筐体110に挿入し、図9Cに示すように、ステータ120を筐体110に配置する。
【0066】
このとき、図9Bに示すように、シール部材140が筐体110の第2内周面110bに固定されている。つまり、シール部材140は、第1内周面110aよりも後退した面である第2内周面110bに固定されている。本実施の形態において、第1内周面110aと第2内周面110bとの間に位置する段差部の厚みを示す段差dが、シール部材140の厚さよりも大きくなっている。したがって、筐体110の内面にシール部材140が貼り付けられていてシール部材140の厚みの分だけ筐体110の内径が小さくなっていても、図9Cに示すように、ステータ120(ステータコア121)をシール部材140に接触させることなくステータ120を筐体110に挿入することができる。これにより、ステータ120を筐体110内に挿入する際にステータ120によってシール部材140が引き剥がされてしまうことを抑制できる。つまり、ステータ120の挿入時にシール部材140が邪魔になることがない。
【0067】
本実施の形態では、焼き嵌めによってステータ120を金属製の筐体110に固定している。具体的には、ステータ120を筐体110に挿入する前に金属製の筐体110を加熱して筐体110を膨張させて筐体110の内径を大きくし、その後、ステータ120を筐体110に挿入して筐体110を冷却する。これにより、ステータ120が有するステータコア121が筐体110の内周面に挟持されてステータ120が筐体110に固定される。
【0068】
なお、ステータ120を筐体110に固定する方法は、焼き嵌めに限るものではなく、圧入であってもよいし、接着であってもよい。
【0069】
次に、図9Dに示すように、ステータコア121の内径とほぼ同じ直径の芯金600(治具)を筐体110に配置し、筐体110と芯金600とで囲まれた空間領域に液状樹脂130Aを流し込んで筐体110内の隙間空間に液状樹脂130Aを充填する。液状樹脂130Aは、例えば、ステータ120の上部付近まで筐体110内に注入する。
【0070】
このとき、本実施の形態では、液状樹脂130Aが充填される高さ位置までに存在する雌ねじ111がシール部材140によって塞がれている。これにより、液状樹脂130Aを筐体110内に流し込む際に、液状樹脂130Aが雌ねじ111から漏れ出してしまうことを抑制できる。
【0071】
また、本実施の形態では、シール部材140として透明なものを用いている。これにより、シール部材140及び雌ねじ111を介して筐体110内を目視することができるので、液状樹脂130Aがシール部材140で覆われた雌ねじ111の位置まで充填されていることを確認することができる。
【0072】
なお、液状樹脂130Aは、筐体110に形成された開口部112の位置までは注入しない。つまり、液状樹脂130Aが注入される上限の位置は、開口部112よりも下である。これにより、液状樹脂130Aが開口部112から漏れ出してしまうことも抑制できる。
【0073】
その後、液状樹脂130Aを加熱して硬化させることで、筐体110内の隙間空間に充填された樹脂130(図1参照)を成形することができる。
【0074】
これにより、筐体110内に配置されたステータ120が樹脂130で覆われたステータユニット100を作製することができる。
【0075】
なお、その後、図11に示すように、電気接続部材150を筐体110に固定するとともに、第2雄ねじ113bによって筐体110のアース接続を行う。次いで、ステータユニット100に、第1軸受410と、シャフト300が固定されたロータ200と、第2軸受420が固定されたブラケット500とを順次配置して固定する。次いで、電線170を電気接続部材150に接続するとともに、第1雄ねじ113aによってカバー160を筐体110に固定する。これにより、図1に示されるモータ1が完成する。
【0076】
以上説明したように、本実施の形態におけるモータ1によれば、貫通した雌ねじ111が筐体110に形成されているが、シール部材140によって筐体110の内側から雌ねじ111を塞いでいる。よって、ステータコア121を樹脂130で覆うために筐体110内に液状樹脂130Aを流し込んだときに、雌ねじ111から液状樹脂130Aが漏れ出すことを抑制できる。
【0077】
そして、本実施の形態におけるモータ1では、ステータ120が配置された筐体110内に樹脂130が形成されているので、放熱性に優れている。したがって、小型のモータ1を実現することができる。
【0078】
(変形例)
以上、本開示に係るモータ等について、実施の形態に基づいて説明したが、本開示は、上記実施の形態に限定されるものではない。
【0079】
例えば、上記実施の形態において、シール部材140として、粘着テープを用いたが、これに限らない。つまり、筐体110へのシール部材140の固定方法は、接着に限るものではないし、シール部材140自体が粘着層(粘着剤)を有していなくてもよい。具体的には、シール部材140が金属テープである場合、シール部材140は溶接によって筐体110に固定してもよい。あるいは、シール部材140が粘着層を有していない非粘着テープ等の場合は、粘着層等を有する別の固定部材によってシール部材140を筐体110に固定してもよい。
【0080】
また、上記実施の形態では、筐体110に形成された雌ねじ111として、カバー160を取り付けるための第1雌ねじ111aと、筐体110をアース接続するための第2雌ねじ111bとを例示したが、これに限らない。筐体110に形成された雌ねじ111は、筐体110に冷却ファンを取り付けるためのねじ孔であってもよいし、モータ1を別部材に取り付けるためのねじ孔であってもよい。
【0081】
また、上記実施の形態において、電気接続部材150は、コネクタ端子であったが、これに限らない。例えば、電気接続部材150は、巻線結線部124のプリント配線基板に接続された引き出し線(リード線)であってもよい。この場合、筐体110の開口部112を塞ぐように別途シール部材を設けて、シール部材に引き出し線を挿通させる挿通孔を設けるとよい。
【0082】
また、上記実施の形態において、雌ねじ111にねじ込まれる雄ねじ113のねじ軸の先端は、雌ねじ111の内部に位置しており、シール部材140には接触していないが、これに限らない。例えば、雄ねじ113のねじ軸の先端がシール部材140に接触していてもよいし、雄ねじ113のねじ軸の先端がシール部材140を突き破っていてもよい。
【0083】
その他、上記実施の形態に対して当業者が思い付く各種変形を施して得られる形態や、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で上記実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本開示に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0084】
本開示の技術は、小型のモータ及びこのモータを備える電気機器等に有用である。
【符号の説明】
【0085】
1、1001 モータ
100 ステータユニット
110、1110 筐体
110a 第1内周面
110b 第2内周面
110c 肉厚部
110d 底部
111 雌ねじ
111a 第1雌ねじ
111b 第2雌ねじ
112、1112 開口部
113 雄ねじ
113a 第1雄ねじ
113b 第2雄ねじ
120 ステータ
121 ステータコア
121a ティース
122 巻線コイル
123 インシュレータ
124 巻線結線部
130 樹脂
130A 液状樹脂
140、1140 シール部材
150 電気接続部材
151 コネクタピン
152 ホルダ
152a 開口枠
152b 底板部
152c 嵌め込み部
152d 貫通孔
160 カバー
160a 貫通孔
170 電線
171 オスソケット
200 ロータ
300 シャフト
410 第1軸受
420 第2軸受
500 ブラケット
600 芯金
1141 挿通孔
1150 引き出し線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
図9C
図9D
図10
図11
図12