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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-18
(45)【発行日】2023-05-26
(54)【発明の名称】入力装置
(51)【国際特許分類】
   H01H 13/00 20060101AFI20230519BHJP
   G01L 1/14 20060101ALI20230519BHJP
   G06F 3/02 20060101ALI20230519BHJP
   G06F 3/01 20060101ALI20230519BHJP
【FI】
H01H13/00 B
G01L1/14 J
G06F3/02 F
G06F3/01 560
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020522119
(86)(22)【出願日】2019-05-22
(86)【国際出願番号】 JP2019020198
(87)【国際公開番号】W WO2019230510
(87)【国際公開日】2019-12-05
【審査請求日】2022-03-03
(31)【優先権主張番号】P 2018106209
(32)【優先日】2018-06-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 勇太
(72)【発明者】
【氏名】松本 賢一
(72)【発明者】
【氏名】中江 竜
(72)【発明者】
【氏名】光岡 昌典
【審査官】井上 信
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/145446(WO,A1)
【文献】特開2016-109444(JP,A)
【文献】特開2002-124404(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2007-0009877(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 13/00
G01L 1/14
G06F 3/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
数の押圧検出部を備え、
記複数の押圧検出部のそれぞれは、
電極と、
前記電極上にある弾性体と、
前記弾性体における前記電極とは反対側に配置される押圧部材と、
前記弾性体と前記押圧部材との間にあり、前記弾性体より強度が大きい保護部材と、
を有
前記複数の押圧検出部の少なくとも2つにおいて、前記保護部材は、導電性を有し、
前記複数の押圧検出部の前記保護部材の少なくとも2つは電気的に接続されている、
入力装置。
【請求項2】
記複数の押圧検出部の少なくとも一つにおいて、前記保護部材は、平面視において前記押圧部材より大きい、
請求項の入力装置。
【請求項3】
記複数の押圧検出部の少なくとも一つは、前記弾性体と前記保護部材との間に絶縁体を更に有する、
請求項1又は2の入力装置。
【請求項4】
1又は複数の押圧検出部と、
押圧面を有する板状のクリック部と、を備え、
前記1又は複数の押圧検出部のそれぞれは、
電極と、
前記電極上にある弾性体と、
前記弾性体における前記電極とは反対側に配置される押圧部材と、
前記弾性体と前記押圧部材との間にあり、前記弾性体より強度が大きい保護部材と、
を有し、
前記1又は複数の押圧検出部のそれぞれは、前記押圧面に作用する押圧力を検出する、
入力装置。
【請求項5】
前記クリック部、及び前記クリック部を囲うように配置されて前記クリック部を支持する複数の脚部を有する感触発生部材を更に備え、
前記複数の脚部が、前記複数の押圧検出部の前記押圧部材である、
請求項の入力装置。
【請求項6】
前記複数の押圧検出部の前記弾性体と前記感触発生部材との間にある保護体を更に備え、
前記保護体は、前記クリック部との対向位置が開口しており、
前記複数の押圧検出部の前記保護部材は、前記保護体において前記複数の脚部を支持する部分である、
請求項の入力装置。
【請求項7】
1又は複数の押圧検出部を備え、
前記1又は複数の押圧検出部のそれぞれは、
電極と、
前記電極上にある弾性体と、
前記弾性体における前記電極とは反対側に配置される押圧部材と、
前記弾性体と前記押圧部材との間にあり、前記弾性体より強度が大きい保護部材と、
を有し、
前記1又は複数の押圧検出部の少なくとも一つにおいて、前記弾性体における前記押圧部材側の面は、粗面である、
入力装置。
【請求項8】
前記1又は複数の押圧検出部の少なくとも一つにおいて、前記保護部材は、導電性を有する、
請求項4~7のいずれか1つの入力装置。
【請求項9】
前記1又は複数の押圧検出部の少なくとも一つにおいて、前記保護部材は、平面視において前記押圧部材より大きい、
請求項4~8のいずれか1つの入力装置。
【請求項10】
前記1又は複数の押圧検出部の少なくとも一つは、前記弾性体と前記保護部材との間に絶縁体を更に有する、
請求項4~9のいずれか一つの入力装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に入力装置に関し、特に各種電子機器への入力に用いる入力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、複数の感圧素子(押圧検出部)を備えたタッチパネル(入力装置)を開示する。感圧素子は、基板と、基板から延在する導電性構造部材(押圧部材)と、導電性部材の先端と対向する弾性電極部(弾性体)と、導電性部材と弾性電極部とを介して基板に対向し、弾性電極部を支持し、かつ可撓性を備える電極支持部材と、を有する。感圧素子では、弾性支持部材を基板に向かって押圧する押圧力が増加するにしたがって、導電性構造体の導電性構造部材と弾性電極部との接触面積が増加する。それにより、弾性電極部と導電性構造体の導電体層との間の抵抗値が増加する。この抵抗値の変化に基づいて、感圧素子に作用する押圧力の変化を検出することができる。
【0003】
特許文献1では、導電性構造体の導電性構造部材と弾性電極部との接触面積が増加する際に、導電性構造体により弾性電極部に局所的に押圧力がかかり得る。これは、弾性電極部の塑性変形や電気的特性の劣化を引き起こし、入力装置の性能の劣化の原因になり得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2015-197299号公報
【発明の概要】
【0005】
課題は、性能の劣化を低減できる入力装置を提供することである。
【0006】
本開示の一態様の入力装置は、数の押圧検出部を備える。前記複数の押圧検出部のそれぞれは、電極と、前記電極上にある弾性体と、前記弾性体における前記電極とは反対側に配置される押圧部材と、前記弾性体と前記押圧部材との間にあり、前記押圧部材より強度が大きい保護部材と、を有する。前記複数の押圧検出部の少なくとも2つにおいて、前記保護部材は、導電性を有する。前記複数の押圧検出部の前記保護部材の少なくとも2つは電気的に接続されている。
本開示の一態様の入力装置は、1又は複数の押圧検出部と、押圧面を有する板状のクリック部と、を備える。前記1又は複数の押圧検出部のそれぞれは、電極と、前記電極上にある弾性体と、前記弾性体における前記電極とは反対側に配置される押圧部材と、前記弾性体と前記押圧部材との間にあり、前記弾性体より強度が大きい保護部材と、を有する。前記1又は複数の押圧検出部のそれぞれは、前記押圧面に作用する押圧力を検出する。
本開示の一態様の入力装置は、1又は複数の押圧検出部を備える。前記1又は複数の押圧検出部のそれぞれは、電極と、前記電極上にある弾性体と、前記弾性体における前記電極とは反対側に配置される押圧部材と、前記弾性体と前記押圧部材との間にあり、前記弾性体より強度が大きい保護部材と、を有する。前記1又は複数の押圧検出部の少なくとも一つにおいて、前記弾性体における前記押圧部材側の面は、粗面である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、実施形態1の入力装置の斜視図である。
図2図2は、上記入力装置の動作説明図であり、メタルドームが押圧されていない状態を示す。
図3図3は、上記入力装置の動作説明図であり、メタルドームが押圧された状態を示す。
図4図4は、上記入力装置の分解斜視図である。
図5図5は、上記入力装置の部分拡大図であり、メタルドームが押圧されていない状態を示す。
図6図6は、上記入力装置の部分拡大図であり、メタルドームが押圧された状態を示す。
図7図7は、上記入力装置の平面図である。
図8図8は、実施形態2の入力装置の分解斜視図である。
図9図9は、上記入力装置の平面図である。
図10図10は、変形例の保護体の平面図である。
図11図11は、別の変形例の保護体の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
1.実施形態
1.1 実施形態1
1.1.1 概要
図1は、本実施形態の入力装置100を示す。入力装置100は、図2及び図3に示すように、複数の押圧検出部C1,C2を備える。複数の押圧検出部C1,C2のそれぞれは、電極11a,11bと、弾性体20a,20bと、押圧部材42a,42bと、保護部材71a,71bと、を有する。弾性体20a,20bは、電極11a,11b上にある。押圧部材42a,42bは、弾性体20a,20bにおける電極11a,11bとは反対側に配置される。保護部材71a,71bは、弾性体20a,20bと押圧部材42a,42bとの間にあり、弾性体20a,20bより強度が大きい。
【0009】
入力装置100では、押圧部材42a,42bに押圧力が作用した際には、押圧部材42a,42bからの押圧力は、弾性体20a,20bの前に、保護部材71a,71bに作用する。そして、保護部材71a,71bは、弾性体20a,20bより強度が大きいことから、押圧部材42a,42bからの押圧力は局所的ではなく分散されて弾性体20a,20bにかかり得る。そのため、押圧部材42a,42bによって弾性体20a,20bに過剰な力(圧力、押圧力)がかかる可能性が低減される。これによって、弾性体の塑性変形の発生及び電気的特性の劣化が低減され得る。弾性体の塑性変形の発生及び電気的特性の劣化は、入力装置100の性能の劣化の原因になり得る。よって、入力装置100によれば、性能の劣化を低減できる。
【0010】
1.1.2 構成
以下、図1図7を参照して入力装置100について更に詳細に説明する。なお、図2は、図7のX-X線断面図に対応する。
【0011】
入力装置100は、図4に示すように、導電部材10a,10b,10cと、弾性体20a,20b,20cと、絶縁シート30と、感触発生部材40と、押し子50と、保護体70と、を備える。更に、入力装置100は、ハウジング60を備える(図1図4参照)。以下では、説明をわかりやすくするためだけに、必要に応じて、導電部材10a,10b,10cを第1~第3導電部材10a,10b,10cといい、弾性体20a,20b,20cを第1~第3弾性体20a,20b,20cという。
【0012】
ハウジング60は、図2及び図3に示すように、第1~第3導電部材10a,10b,10cと、第1~第3弾性体20a,20b,20cと、絶縁シート30と、感触発生部材40と、押し子50と、保護体70とを収容する。ハウジング60は、ボディ61と、カバー62と、を備える。ボディ61は、扁平な四角形(例えば方形)の箱状であり、厚み方向の第1面(図2及び図3の上面)に開口を有している。カバー62は、四角形(例えば方形)の平板状である。カバー62は、ボディ61の第1面の開口を覆うようにしてボディ61の第1面に取り付けられる。ボディ61及びカバー62は、電気絶縁性を有している。例えば、ボディ61及びカバー62は、電気絶縁性を有する樹脂材料により形成される。特に、カバー62は可撓性を有している。これにより、ハウジング60内に収容された感触発生部材40を、カバー62を介して押圧することが可能である。カバー62における感触発生部材40とは反対側の面が、入力装置100の操作領域となる。
【0013】
第1導電部材10aは、図4に示すように、電極11aと、一対の端子12aとを備える。電極11aは、矩形の平板状である。一対の端子12aは、電極11aの長さ方向の両端から突出している。一対の端子12aが電極11aから突出する方向は、電極11aの長さ方向及び幅方向と交差する方向である。第2導電部材10bは、電極11bと、一対の端子12bとを備える。電極11bは、矩形の平板状である。一対の端子12bは、電極11bの長さ方向の両端から突出している。一対の端子12bが電極11bから突出する方向は、電極11bの長さ方向及び幅方向と交差する方向である。第3導電部材10cは、電極11cと、一対の端子12cとを備える。電極11cは、矩形の平板状である。ここで、電極11cの長さ方向の中央部は両端部よりも厚み方向に突出している。一対の端子12cは、電極11cの長さ方向の両端から突出している。一対の端子12cが電極11cから突出する方向は、電極11cの長さ方向及び幅方向と交差する方向である。第1~第3導電部材10a,10b,10cは、金属の板材により形成され得る。
【0014】
第1~第3導電部材10a~10cは、図2及び図3に示すように、インサート成形等によって、ボディ61に固定されている。ここで、第1導電部材10aでは、電極11aがボディ61の底面から露出し、一対の端子12aがボディ61の厚み方向の第2面(図2及び図3の下面)から突出する。第2導電部材10bでは、電極11bがボディ61の底面から露出し、一対の端子12bがボディ61の厚み方向の第2面から突出する。第3導電部材10cでは、電極11cの長さ方向の中央部がボディ61の底面から露出し、一対の端子12cがボディ61の厚み方向の第2面から突出する。
【0015】
第1弾性体20aは、図4に示すように、矩形の平板状である。第1弾性体20aの外形形状は、第1導電部材10aの電極11aの外形形状とほぼ等しい。第1弾性体20aは、電極11a上に配置される。第2弾性体20bは、矩形の平板状である。第2弾性体20bの外形形状は、第2導電部材10bの電極11bの外形形状とほぼ等しい。第2弾性体20bは、電極11b上に配置される。第3弾性体20cは、矩形の平板状である。第3弾性体20cの外形形状は、第3導電部材10cの電極11cの長さ方向の中央部の外形形状とほぼ等しい。第3弾性体20cは、電極11cの長さ方向の中央部上に配置される。本実施形態において、第1~第3弾性体20a~20cは、いずれも導電性を有している。
【0016】
また、第1弾性体20aの厚み方向の第1面は、粗面であり、第1弾性体20aの厚み方向の第2面は、平面である。一例として、第1弾性体20aの厚み方向の第1面は、図5及び図6に示すように、複数の突起21を有している。同様に、第2及び第3弾性体20b,20cの厚み方向の第1面は、粗面であり、第2及び第3弾性体20b,20cの厚み方向の第2面は、平面である。第1弾性体20aは第1面を電極11aとは反対側に向けて電極11a上に配置される。同様に、第2及び第3弾性体20b,20cも第1面を電極11b,11cとは反対側に向けて電極11b,11c上に配置される。
【0017】
絶縁シート30は、図4に示すように、四角形のシート状(例えば方形状)の絶縁体(誘電体)である。絶縁シート30は、第1~第3弾性体20a,20b,20cをまとめて覆う大きさである。絶縁シート30は、絶縁体(第1~第3絶縁体)30a,30b,30cを含んでいる。第1絶縁体30aは、絶縁シート30において第1弾性体20aを覆う部分である。第2絶縁体30bは、絶縁シート30において第2弾性体20bを覆う部分である。第3絶縁体30cは、絶縁シート30において第3弾性体20cを覆う部分である。本実施形態では、絶縁シート30は、弾性体20a,20bよりも薄い。
【0018】
感触発生部材40は、図4及び図7に示すように、全体として四角形(例えば方形)の板状である。感触発生部材40は、その中央部に、クリック部(弾性変形部)41を有している。感触発生部材40は、弾性を有する材料(例えば金属板)により形成されている。感触発生部材40は、いわゆるメタルドームである。クリック部41は、板状である。特に、クリック部41は、ドーム形の板状である。クリック部41の厚み方向の一面(図5の上面)は、凸面であり、押圧面41bを構成する。クリック部41の押圧面41bを押圧していくと、図3に示すようにクリック部41が弾性変形をし、これによって、クリック感が発生する。より詳細には、この弾性変形によって、クリック部41の中央部が反転して凸状態から凹状態となる。このように、クリック部41は、押圧面41bが押圧されると押圧面41bが凹むように弾性変形してクリック感を発生する。また、感触発生部材40は、その四隅に、脚部(第1~第4脚部)42a~42dを有している。第1~第4脚部42a~42dは、クリック部41を囲うように配置されてクリック部41を支持する。第1~第4脚部42a~42dは、クリック部41の突出する方向とは反対の方向に突出している。図7に示すように、第1及び第3脚部42a,42cは、第1弾性体20a上に配置される。また、第2及び第4脚部42b,42dは、第2弾性体20b上に配置される。
【0019】
押し子50は、感触発生部材40のクリック部41の弾性変形を起こしやすくするための部材である。押し子50は、図4に示すように、円盤状である。また、押し子50の外形形状は、感触発生部材40のクリック部41の外形形状よりも小さい。押し子50は、図2に示すように、感触発生部材40の押圧面41bの中央部とカバー62との間に配置される。押し子50は、カバー62又は感触発生部材40に固定されている。特に、押し子50は、カバー62に固定されると望ましい。なお、押し子50は、電気絶縁性を有している。
【0020】
保護体70は、弾性体20a,20bを保護するための部材である。保護体70は、図2図4に示すように、弾性体20a,20bと感触発生部材40との間、より詳しくは、絶縁シート30と感触発生部材40との間に配置される。保護体70は、クリック部41との対向位置が開口している。より詳細には、保護体70は、図4に示すように、開口73を有する枠状であり、その厚み方向の両面は平坦である。特に、保護体70は矩形(方形)の枠状である。保護体70の開口73は、クリック部41と第3絶縁体30cとの接触を保護体70が邪魔しないようにするために設けられている。保護体70は、図4及び図7に示すように、保護部材(第1~第4保護部材)71a~71dと、連結部材(第1~第4連結部材)72a~72dと、を有する。なお、図7では、理解の促進を図るため、特別に保護体70をドットの網掛けで明示している。第1~第4保護部材71a~71dは、保護体70の四隅に対応する矩形状の部分である。特に、複数の保護部材71a~71dは、保護体70において感触発生部材40の複数の脚部42a~42dをそれぞれ支持する部分である。第1~第4連結部材72a~72dはいずれも矩形状である。特に、第1連結部材72aは第1及び第3保護部材71a,71cを一体に連結する。第2連結部材72bは第2及び第4保護部材71b,71dを一体に連結する。第3連結部材72cは第1及び第2保護部材71a,71bを一体に連結する。第4連結部材72dは第3及び第4保護部材71c,71dを一体に連結する。本実施形態では、保護体70は導電性を有する。例えば、保護体70は、導電性を有する材料(例えば、金属)により形成されている。
【0021】
入力装置100では、導電部材10a,10bと、弾性体20a,20bと、絶縁シート30と、感触発生部材40と、保護体70とが押圧検出部(第1及び第2押圧検出部)C1,C2を構成する。押圧検出部(第1及び第2押圧検出部)C1,C2は、感触発生部材40の押圧面41bにかかる押圧力を検出する。より詳細には、押圧検出部(第1及び第2押圧検出部)C1,C2は、感触発生部材40の凹面41a側で感触発生部材40を支持しており、感触発生部材40の押圧面41bにかかる押圧力を検出する。押圧検出部(第1及び第2押圧検出部)C1,C2は、いずれも、静電容量式の圧力センサである。
【0022】
より詳細には、第1押圧検出部C1は、図2及び図3に示すように、第1導電部材10aの電極11aと、弾性体20aと、絶縁体30aと、感触発生部材40の脚部42a,42cと、保護体70(保護部材71a,71c及び連結部材72a)とで構成される。つまり、第1押圧検出部C1では、感触発生部材40において電極11aで支持される脚部(第1及び第3脚部)42a,42cが、それぞれ弾性体20aにおける電極11aとは反対側に配置される押圧部材となる。以下では、必要に応じて、脚部42a,42cを押圧部材42a,42cということがある。
【0023】
第1押圧検出部C1は、電極11aと、弾性体(第1弾性体)20aと、押圧部材42a,42cと、保護部材71a,71cと、を有する。また、第1押圧検出部C1は、弾性体(第1弾性体)20aと保護部材71a,71cとの間に絶縁体(第1絶縁体)30aを有する。ここで、第1弾性体20aは第1面を電極11aとは反対側に向けて電極11a上に配置される。よって、第1弾性体20aにおける押圧部材42a,42c側の面(第1面)は、複数の突起21がある粗面である。そのため、図3に示すように、第1弾性体20aが感触発生部材40(押圧部材42a,42c)で押圧された場合、複数の突起21がつぶれる。これによって、第1弾性体20aの全体的な厚みが減るが、同時に、第1弾性体20aと第1絶縁体30aとの接触面積が増加する。そのため、単純に、第1弾性体20aの厚みが変化する場合に比べれば、第1押圧検出部C1に加わる押圧力に対する静電容量の変化の線形性が向上する。特に、第1絶縁体30aと押圧部材42a,42cとの間には保護部材71a,71cがある。保護部材71a,71cは、第1弾性体20aより強度が大きい。そのため、押圧部材42a,42cからの押圧力は局所的ではなく分散されて第1弾性体20a及び第1絶縁体30aにかかり得る。したがって、押圧部材42a,42cによって第1弾性体20a及び第1絶縁体30aに過剰な力(圧力、押圧力)がかかる可能性が低減される。これによって、弾性体20aの塑性変形の発生及び電気的特性の劣化が低減され得る。弾性体20aの塑性変形の発生及び電気的特性の劣化は、入力装置100の性能の劣化の原因になり得る。よって、入力装置100によれば、性能の劣化を低減できる。更に、保護部材71a,71cは、平面視において押圧部材42a,42cより大きい。また、保護部材71a,71cにおける第1弾性体20a側の面(図2及び図3の下面)は平面である。この場合、保護部材71a,71cによって多くの突起21へ感触発生部材40からの作用を加えやすくなるので、静電容量の変化が大きく得られる構成として実現できる。
【0024】
第2押圧検出部C2は、図2及び図3に示すように、第2導電部材10bの電極11bと、弾性体20bと、絶縁体30bと、感触発生部材40の脚部42b,42dと、保護体70(保護部材71b,71d及び連結部材72b)とで構成される。つまり、第2押圧検出部C2では、感触発生部材40において電極11bで支持される第2及び第4脚部42b,42dが、それぞれ弾性体20bにおける電極11bとは反対側に配置される押圧部材となる。以下では、必要に応じて、脚部42b,42dを押圧部材42b,42dということもある。
【0025】
第2押圧検出部C2は、電極11bと、弾性体(第2弾性体)20bと、押圧部材42b,42dと、保護部材71b,71dと、を有する。また、第2押圧検出部C2は、弾性体(第2弾性体)20bと保護部材71b,71dとの間に絶縁体(第2絶縁体)30bを有する。ここで、第2弾性体20bは第1面を電極11bとは反対側に向けて電極11b上に配置される。よって、第2弾性体20bにおける押圧部材42b,42d側の面(第1面)は、複数の突起21がある粗面である。そのため、第2押圧検出部C2に加わる押圧力に対する静電容量の変化の線形性が向上する。特に、第2絶縁体30bと押圧部材42b,42dとの間には保護部材71b,71dがある。保護部材71b,71dは、第2弾性体20bより強度が大きい。そのため、押圧部材42b,42dからの押圧力は局所的ではなく分散されて第2弾性体20b及び第2絶縁体30bにかかり得る。これによって、弾性体20bの塑性変形の発生及び電気的特性の劣化が低減され得る。よって、入力装置100によれば、性能の劣化を低減できる。更に、保護部材71b,71dは、平面視において押圧部材42b,42dより大きい。また、保護部材71b,71dにおける第2弾性体20b側の面(図2及び図3の下面)は平面である。この場合、保護部材71b,71dによって多くの突起21へ感触発生部材40からの作用を加えやすくなるので、静電容量の変化が大きく得られる構成として実現できる。
【0026】
また、入力装置100では、第3導電部材10cと、第3弾性体20cと、絶縁シート30と、感触発生部材40とが、感触発生部材40のクリック部41の弾性変形(つまりクリックの発生)を検出するクリック検出部C3を構成する。クリック検出部C3は、感触発生部材40の凹面41a側にあり感触発生部材40の凸面(押圧面41b)の押圧による感触発生部材40(クリック部41)の弾性変形を検出する。クリック検出部C3は、静電容量式の圧力センサである。
【0027】
クリック検出部C3は、第3導電部材10cの電極11cと、第3弾性体20cと、第3絶縁体30cと、感触発生部材40のクリック部41とで構成される。ここで、第3弾性体20cは第1弾性体20aと同様に複数の突起を有している。そのため、クリック検出部C3に加わる押圧力に対する静電容量の変化の線形性が向上する。
【0028】
1.1.3 動作
次に、入力装置100の動作について簡単に説明する。
【0029】
まず、感触発生部材40の中央部分(クリック検出部C3に対応する部分)を押圧した場合について説明する。第1及び第2押圧検出部C1,C2は、感触発生部材40を支持しており、感触発生部材40の中心軸に交差する所定方向(図2及び図3の左右方向)において感触発生部材40の中心軸に対して反対側に位置する。そのため、感触発生部材40の中央部分を押圧した場合、第1及び第2押圧検出部C1,C2にほぼ均等に圧力がかかる。よって、感触発生部材40の押し込み量(ストローク)の増加に伴い、第1及び第2押圧検出部C1,C2の静電容量は増加する。一方で、クリック検出部C3は、感触発生部材40を支持していないから、第1及び第2押圧検出部C1,C2に比べて静電容量の変化は小さい。感触発生部材40の押し込み量(ストローク)が増加して規定値に達すると、感触発生部材40のクリック部41において、弾性変形が生じ、クリック感が発生する。感触発生部材40のクリック部41は、弾性変形した際に、図3に示すように、第3絶縁体30cに接触する。つまり、クリック部41の弾性変形によって、クリック部41の中央部と電極11cとの距離が大きく変化する。このような距離の大きな変化は、クリック検出部C3の静電容量の大きな変化として現れる。
【0030】
次に、感触発生部材40の所定方向の第1端部(図2の左部分、第1押圧検出部C1に対応する部分)を押圧した場合について説明する。上述したように、第1及び第2押圧検出部C1,C2は、感触発生部材40を支持しており、感触発生部材40の中心軸に交差する所定方向において感触発生部材40の中心軸に対して反対側に位置する。そのため、感触発生部材40の第1押圧検出部C1に対応する部分を押圧した場合、第1押圧検出部C1には第2押圧検出部C2よりも大きな圧力がかかる。感触発生部材40の押し込み量(ストローク)の増加に伴い、第1及び第2押圧検出部C1,C2の静電容量は増加するが、第1押圧検出部C1の静電容量の変化は、第2押圧検出部C2の静電容量の変化よりも大きくなる。逆に、感触発生部材40の所定方向の第2端部(図2の右部分、第2押圧検出部C2に対応する部分)を押圧した場合には、第2押圧検出部C2の静電容量の変化は、第1押圧検出部C1の静電容量の変化よりも大きくなる。したがって、入力装置100は、感触発生部材40の中心軸に交差する所定方向において、ユーザによる感触発生部材40の押圧場所を検出できる。
【0031】
ここで、第1及び第2押圧検出部C1,C2及びクリック検出部C3はいずれも静電容量式の圧力センサであるから、グラウンド電位の物体(例えばユーザの手指)に関しては、近接センサとして利用可能である。この場合、グラウンド電位の物体と圧力センサ(押圧検出部C1,C2及びクリック検出部C3)との間に疑似的なコンデンサが形成されることを利用している。一例としては、入力装置100は、感触発生部材40の近くにユーザの手指があることを、第1及び第2押圧検出部C1,C2及びクリック検出部C3により検出することができる。
【0032】
なお、圧力センサ(第1及び第2押圧検出部C1,C2及びクリック検出部C3)の静電容量を取得する方法としては、従来周知の様々な方法を採用できる。一例としては、スイッチドキャパシタ方式が利用できる。スイッチドキャパシタ方式では、圧力センサを構成するコンデンサに蓄積される電荷の量に基づいて、圧力センサの静電容量(の変化)を検出する。例えば、スイッチドキャパシタ方式は、所定時間の間、圧力センサ(コンデンサ)を充電する充電処理と、圧力センサを放電させて圧力センサに蓄えられた電荷で判定用のコンデンサを充電する放電処理とを交互に繰り返し行う。判定用のコンデンサの両端電圧が規定値に達すると、放電処理を終了して充電処理を開始する。つまり、圧力センサの静電容量が大きいほど所定時間内に判定用のコンデンサの両端電圧が規定値に達した回数が増える。したがって、所定時間内に判定用のコンデンサの両端電圧が規定値に達した回数により、圧力センサの静電容量の変化を判定できる。
【0033】
1.1.4 使用方法
次に、入力装置100の使用方法について簡単に説明する。まず、入力装置100によれば、第1及び第2押圧検出部C1,C2の静電容量の変化のバランスに基づいて、感触発生部材40の所定方向における押圧箇所(傾き)を判定することができる。第1及び第2押圧検出部C1,C2の静電容量の変化のバランスは、第1及び第2押圧検出部C1,C2の静電容量の変化の大小関係により評価される。更に、第1及び第2押圧検出部C1,C2の静電容量の変化のバランスに基づいて、感触発生部材40の所定方向における押圧箇所に加えて、押圧の程度(押し込み量)を判定することもできる。例えば、第1及び第2押圧検出部C1,C2の静電容量の変化が大きければ、押し込み量が大きいと考えられる。よって、第1及び第2押圧検出部C1,C2の静電容量の変化に応じて、押し込み量を決定してよい。
【0034】
また、クリック検出部C3の静電容量の変化に基づいて、クリック部41が弾性変形したかどうか(クリック感が発生したかどうか)を判定することができる。また、第1及び第2押圧検出部C1,C2においても、感触発生部材40の弾性変形に起因する静電容量の変化が見られる。よって、第1及び第2押圧検出部C1,C2を利用してクリック感の発生を検出してもよい。この場合、入力装置100は、クリック検出部C3を有していなくてもよい。
【0035】
更に、第1及び第2押圧検出部C1,C2及びクリック検出部C3の静電容量の変化に基づいて、感触発生部材40の近傍に検出対象(例えば、ユーザの指)が存在しているかどうかを判定することができる。
【0036】
1.2 実施形態2
図8及び図9は、本実施形態の入力装置100Aを示す。入力装置100Aは、第1及び第2押圧検出部C1,C2に加えて、第3及び第4押圧検出部C4,C5を備えている。
【0037】
以下、入力装置100Aについて更に図8及び図9を参照して詳細に説明する。入力装置100Aは、図8に示すように、導電部材10d~10hと、弾性体20d~20hと、絶縁シート30と、感触発生部材40と、押し子50と、保護体70と、を備える。更に、入力装置100Aは、ハウジング60を備える(図9参照)。以下では、説明をわかりやすくするためだけに、必要に応じて、導電部材10d~10hを第1~第5導電部材10d~10hといい、弾性体20d~20hを第1~第5弾性体20d~20hという。
【0038】
第1導電部材10dは、図8に示すように、電極11dと、端子12dとを備える。電極11dは、矩形の平板状である。端子12dは、電極11dの長さ方向の一端から突出している。端子12dが電極11dから突出する方向は、電極11dの長さ方向及び幅方向と交差する方向である。第2、第4及び第5導電部材10e,10g,10hは、第1導電部材10dと同じ形状であり、電極11e、11g、11hと、端子12e,12g,12hとをそれぞれ備える。第3導電部材10fは、入力装置100の第3導電部材10cと同じ形状であり、電極11fと、一対の端子12fとを備える。第1~第5導電部材10d~10hは、金属の板材により形成され得る。
【0039】
第1~第5導電部材10d~10hは、インサート成形等によって、ボディ61に固定されている。ここで、第1、第2、第4及び第5導電部材10d,10e,10g,10hの電極11d,11e,11g,11hは、ボディ61の底面の四隅から露出する。一方、第3導電部材10fの電極11fの中央部は、ボディ61の底面の中央から露出する。第1、第2、第4及び第5導電部材10d,10e,10g,10hの端子12d,12e,12g,12h、及び第3導電部材10fの一対の端子12fは、ボディ61の厚み方向の第2面から突出する。
【0040】
第1~第5弾性体20d~20hは、図8に示すように、いずれも、矩形の平板状である。第1、第2、第4及び第5弾性体20d,20e,20g,20hの外形形状は、それぞれ対応する電極11d,11e,11g,11hの外形形状とほぼ等しい。第1、第2、第4及び第5弾性体20d,20e,20g,20hは、それぞれ対応する電極11d,11e,11g,11h上に配置される。第3弾性体20fの外形形状は、第3導電部材10fの電極11fの長さ方向の中央部の外形形状とほぼ等しい。第3弾性体20fは、電極11fの長さ方向の中央部上に配置される。本実施形態において、第1~第5弾性体20d~20hは、いずれも導電性を有している。また、第1~第5弾性体20d~20hの厚み方向の第1面は、粗面であり、厚み方向の第2面は、平面である。一例として、第1~第5弾性体20d~20hの厚み方向の第1面は、入力装置100の第1弾性体20aと同様に複数の突起21(図5及び図6参照)を有している。
【0041】
絶縁シート30は、図8に示すように、第1~第5弾性体20d~20hをまとめて覆う大きさである。絶縁シート30は、絶縁体(第1~第5)30d~30hを含んでいる。第1絶縁体30dは、絶縁シート30において第1弾性体20dを覆う部分である。第2絶縁体30eは、絶縁シート30において第2弾性体20eを覆う部分である。第3絶縁体30fは、絶縁シート30において第3弾性体20fを覆う部分である。第4絶縁体30gは、絶縁シート30において第4弾性体20gを覆う部分である。第5絶縁体30hは、絶縁シート30において第5弾性体20hを覆う部分である。本実施形態では、絶縁シート30は、弾性体20d,20e,20g,20hよりも薄い。
【0042】
感触発生部材40は、実施形態1と同様に、クリック部41及び脚部(第1~第4脚部)42a~42dを有している。図9に示すように、第1~第4脚部42a,42b,42c,42dは、第1~第4弾性体20d,20e,20g,20h上に配置される。
【0043】
保護体70は、実施形態1と同様に、保護部材(第1~第4保護部材)71a~71dと、連結部材(第1~第4連結部材)72a~72dと、を有する(図8及び図9参照)。本実施形態においても、複数の保護部材71a~71dは、保護体70において感触発生部材40の複数の脚部42a~42dをそれぞれ支持する部分である。なお、図9では、理解の促進を図るため、特別に保護体70をドットの網掛けで明示している。
【0044】
入力装置100Aでは、導電部材10d,10e,10g,10hと、弾性体20d,20e,20g,20hと、絶縁シート30と、感触発生部材40と、保護体70とが、押圧検出部C1,C2,C4,C5を構成する。押圧検出部(第1、第2、第3及び第4押圧検出部)C1,C2,C4,C5は、感触発生部材40の押圧面41bにかかる押圧力を検出する。より詳細には、押圧検出部C1,C2,C4,C5は、感触発生部材40の凹面41a側で感触発生部材40を支持しており、感触発生部材40の押圧面41bにかかる押圧力を検出する。押圧検出部C1,C2,C4,C5は、いずれも、静電容量式の圧力センサである。
【0045】
より詳細には、押圧検出部C1,C2は、それぞれ、電極11d,11eと、弾性体20d,20eと、絶縁体30d,30eと、脚部42a,42bと、保護部材71a,71bとで構成される。また、押圧検出部C4,C5は、それぞれ、電極11g,11hと、弾性体20g,20hと、絶縁体30g,30hと、脚部42c,42dと、保護部材71c,71dとで構成される。つまり、第1押圧検出部C1では、感触発生部材40において電極11dで支持される第1脚部42aが、弾性体20dにおける電極11dとは反対側に配置される押圧部材となる。第2押圧検出部C2では、感触発生部材40において電極11eで支持される第2脚部42bが、弾性体20eにおける電極11eとは反対側に配置される押圧部材となる。第3押圧検出部C3では、感触発生部材40において電極11gで支持される第3脚部42cが、弾性体20gにおける電極11gとは反対側に配置される押圧部材となる。第4押圧検出部C4では、感触発生部材40において電極11hで支持される第4脚部42dが、弾性体20hにおける電極11hとは反対側に配置される押圧部材となる。以下では、必要に応じて、脚部42a~42dを押圧部材42a~42dということがある。
【0046】
つまり、第1押圧検出部C1は、電極11dと、弾性体(第1弾性体)20dと、押圧部材(第1押圧部材)42aと、保護部材(第1保護部材)71aと、を有する。また、第1押圧検出部C1は、弾性体(第1弾性体)20dと保護部材71aとの間に絶縁体(第1絶縁体)30dを有する。ここで、第1弾性体20dは第1面を電極11dとは反対側に向けて電極11d上に配置される。よって、第1弾性体20dにおける押圧部材42a側の面(第1面)は、複数の突起21がある粗面である。これによって、第1押圧検出部C1に加わる押圧力に対する静電容量の変化の線形性が向上する。特に、第1絶縁体30dと押圧部材42aとの間には保護部材71aがある。保護部材71aは、第1弾性体20dより強度が大きい。そのため、押圧部材42aからの押圧力は局所的ではなく分散されて第1弾性体20d及び第1絶縁体30dにかかり得る。したがって、押圧部材42aによって第1弾性体20d及び第1絶縁体30dに過剰な力(圧力、押圧力)がかかる可能性が低減される。よって、入力装置100Aによれば、性能の劣化を低減できる。
【0047】
また、第2押圧検出部C2は、電極11eと、弾性体(第2弾性体)20eと、押圧部材(第2押圧部材)42bと、保護部材(第2保護部材)71bと、を有する。また、第2押圧検出部C2は、弾性体(第2弾性体)20eと保護部材71bとの間に絶縁体(第2絶縁体)30eを有する。第2弾性体20eは第1面を電極11eとは反対側に向けて電極11e上に配置される。よって、第2弾性体20eにおける押圧部材42b側の面(第1面)は、複数の突起21がある粗面である。よって、第2押圧検出部C2に加わる押圧力に対する静電容量の変化の線形性が向上する。特に、第2絶縁体30eと押圧部材42bとの間には保護部材71bがある。保護部材71bは、第2弾性体20eより強度が大きい。そのため、押圧部材42bからの押圧力は局所的ではなく分散されて第2弾性体20e及び第2絶縁体30eにかかり得る。したがって、押圧部材42bによって第2弾性体20e及び第2絶縁体30eに過剰な力(圧力、押圧力)がかかる可能性が低減される。よって、入力装置100Aによれば、性能の劣化を低減できる。
【0048】
また、第3押圧検出部C4は、電極11gと、弾性体(第3弾性体)20gと、押圧部材(第3押圧部材)42cと、保護部材(第3保護部材)71cと、を有する。また、第3押圧検出部C4は、弾性体(第3弾性体)20gと保護部材71cとの間に絶縁体(第3絶縁体)30gを有する。第3弾性体20gは第1面を電極11gとは反対側に向けて電極11g上に配置される。よって、第3弾性体20gにおける押圧部材42c側の面(第1面)は、複数の突起21がある粗面である。よって、第3押圧検出部C4に加わる押圧力に対する静電容量の変化の線形性が向上する。特に、第3絶縁体30gと押圧部材42cとの間には保護部材71cがある。保護部材71cは、第3弾性体20gより強度が大きい。そのため、押圧部材42cからの押圧力は局所的ではなく分散されて第3弾性体20g及び第3絶縁体30gにかかり得る。したがって、押圧部材42cによって第3弾性体20g及び第3絶縁体30gに過剰な力(圧力、押圧力)がかかる可能性が低減される。よって、入力装置100Aによれば、性能の劣化を低減できる。
【0049】
また、第4押圧検出部C5は、電極11hと、弾性体(第4弾性体)20hと、押圧部材(第4押圧部材)42dと、保護部材(第4保護部材)71dと、を有する。また、第4押圧検出部C5は、弾性体(第4弾性体)20hと保護部材71dとの間に絶縁体(第4絶縁体)30hを有する。第4弾性体20hは第1面を電極11hとは反対側に向けて電極11h上に配置される。よって、第4弾性体20hにおける押圧部材42d側の面(第1面)は、複数の突起21がある粗面である。よって、第4押圧検出部C5に加わる押圧力に対する静電容量の変化の線形性が向上する。特に、第4絶縁体30hと押圧部材42dとの間には保護部材71dがある。保護部材71dは、第4弾性体20hより強度が大きい。そのため、押圧部材42dからの押圧力は局所的ではなく分散されて第4弾性体20h及び第4絶縁体30hにかかり得る。したがって、押圧部材42dによって第4弾性体20h及び第4絶縁体30hに過剰な力(圧力、押圧力)がかかる可能性が低減される。よって、入力装置100Aによれば、性能の劣化を低減できる。
【0050】
第1~第4押圧検出部C1,C2,C4,C5の各々は、感触発生部材40の凹面41a側で感触発生部材40を支持する圧力センサである。図9に示すように、感触発生部材40の中心軸に交差する(第1)所定方向(図9の左右方向)においては、第1押圧検出部C1及び第2押圧検出部C2は、感触発生部材40の中心軸に対して反対側に位置する。逆に、感触発生部材40の中心軸及び第1所定方向に交差する第2所定方向においては、第1押圧検出部C1及び第2押圧検出部C2は、感触発生部材40の中心軸に対して同じ側に位置する。本実施形態において、第2所定方向は、感触発生部材40の中心軸及び第1所定方向にそれぞれ直交する方向であって、第1脚部42aと第3脚部42cとが(又は、第2脚部42bと第4脚部42dとが)並ぶ方向である。つまり、第2所定方向は、図9では、上下方向である。同様に、第1所定方向(図9の左右方向)においては、第3押圧検出部C4及び第4押圧検出部C5は、感触発生部材40の中心軸に対して反対側に位置する。逆に、第2所定方向(図9の上下方向)においては、第3押圧検出部C4及び第4押圧検出部C5は、感触発生部材40の中心軸に対して同じ側に位置する。
【0051】
クリック検出部C3は、第3導電部材10fの電極11fと、第3弾性体20fと、第3絶縁体30fと、感触発生部材40のクリック部41とで構成される。
【0052】
クリック検出部C3は、押圧検出部C1,C2,C4,C5と同様の静電容量式の圧力センサである。しかしながら、クリック検出部C3は、押圧検出部C1,C2,C4,C5とは異なり、感触発生部材40の凹面41a側で感触発生部材40を支持する圧力センサではない。クリック検出部C3は、実施形態1と同様に、感触発生部材40の凹面41a側にあり感触発生部材40の凸面(押圧面41b)の押圧による感触発生部材40(クリック部41)の弾性変形を検出する。
【0053】
以上述べた入力装置100Aは、第1~第4押圧検出部C1,C2,C4,C5及びクリック検出部C3を備えている。第1~第4押圧検出部C1,C2,C4,C5及びクリック検出部C3はいずれも静電容量式の圧力センサであるから、グラウンド電位の物体(例えばユーザの手指)に関しては、近接センサとして利用可能である。一例としては、入力装置100Aは、感触発生部材40の近くにユーザの手指があることを、第1~第4押圧検出部C1,C2,C4,C5及びクリック検出部C3により検出することができる。
【0054】
また、入力装置100Aは、感触発生部材40の押し込み量(ストローク)を検出することができる。
【0055】
感触発生部材40の中央部分を押圧した場合、第1~第4押圧検出部C1,C2,C4,C5にほぼ均等に圧力がかかる。よって、感触発生部材40の押し込み量(ストローク)の増加に伴い、第1~第4押圧検出部C1,C2,C4,C5の静電容量は増加する。一方で、クリック検出部C3は、感触発生部材40を支持していないから、第1~第4押圧検出部C1,C2,C4,C5に比べて静電容量の変化は小さい。感触発生部材40のクリック部41において弾性変形が生じてクリック感が発生すると、クリック検出部C3の静電容量の大きな変化として現れる。
【0056】
感触発生部材40の第1所定方向(図9の左右方向)の第1端部(図9の左部分、第1及び第3押圧検出部C1,C4に対応する部分)を押圧した場合、第1押圧検出部C1には第2押圧検出部C2よりも大きな圧力がかかる。また、第3押圧検出部C4には第4押圧検出部C5よりも大きな圧力がかかる。逆に、感触発生部材40の第1所定方向(図9の左右方向)の第2端部(図9の右部分、第2及び第4押圧検出部C2,C5に対応する部分)を押圧した場合、第2押圧検出部C2には第1押圧検出部C1よりも大きな圧力がかかる。また、第4押圧検出部C5には第3押圧検出部C4よりも大きな圧力がかかる。このような圧力の差は、第1~第4押圧検出部C1,C2,C4,C5の静電容量の変化により検出できる。よって、入力装置100Aは、感触発生部材40の第1所定方向において、ユーザによる感触発生部材40の押圧場所を検出できる。
【0057】
また、感触発生部材40の第2所定方向(図9の上下方向)の第1端部(図9の下部分、第1及び第2押圧検出部C1,C2に対応する部分)を押圧した場合、第1押圧検出部C1には第3押圧検出部C4よりも大きな圧力がかかる。また、第2押圧検出部C2には第4押圧検出部C5よりも大きな圧力がかかる。逆に、感触発生部材40の第2所定方向(図9の上下方向)の第2端部(図9の上部分、第3及び第4押圧検出部C4,C5に対応する部分)を押圧した場合、第3押圧検出部C4には第1押圧検出部C1よりも大きな圧力がかかる。また、第4押圧検出部C5には第2押圧検出部C2よりも大きな圧力がかかる。このような圧力の差は、第1~第4押圧検出部C1,C2,C4,C5の静電容量の変化により検出できる。よって、入力装置100Aは、感触発生部材40の第2所定方向において、ユーザによる感触発生部材40の押圧場所を検出できる。
【0058】
また、クリック検出部C3の静電容量の変化に基づいて、クリック部41が弾性変形したかどうか(クリック感が発生したかどうか)を判定することができる。また、第1~第4押圧検出部C1,C2,C4,C5においても、感触発生部材40の弾性変形に起因する静電容量の変化が見られる。よって、第1~第4押圧検出部C1,C2,C4,C5を利用してクリック感の発生を検出してもよい。この場合、入力装置100Aは、クリック検出部C3を有していなくてもよい。
【0059】
2.変形例
以上説明した実施形態は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。また、上記実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。以下に、上記実施形態の変形例を列挙する。
【0060】
図10は、変形例の保護体70Aを示す。保護体70Aは、保護体70と同様に保護部材(第1~第4保護部材)71a~71dを有しているが、保護体70とは異なり連結部材(第1~第4連結部材)72a~72dを有していない。つまり、保護体70Aは、それぞれ独立した保護部材71a~71dで構成されている。この保護体70Aにおいても、クリック部41との対向位置が開口している。また、保護体70Aであっても、保護体70と同様に、弾性体より強度が大きいことから、押圧部材からの押圧力を局所的ではなく分散させることができる。保護体70Aは、保護体70の代わりに、入力装置100,100Aに適用できる。
【0061】
図11は、変形例の保護体70Bを示す。保護体70Bは、保護体70と同様に保護部材(第1~第4保護部材)71a~71d及び第1及び第2連結部材72a,72bを有しているが、保護体70とは異なり第3及び第4連結部材72c,72dを有していない。つまり、保護体70Bでは、第1及び第3保護部材71a,71cは一体であり、第2及び第4保護部材71b,71dも一体であるが、第1及び第3保護部材71a,71cは第2及び第4保護部材71b,71dとは別体である。この保護体70Bにおいても、クリック部41との対向位置が開口している。また、保護体70Bであっても、保護体70と同様に、弾性体より強度が大きいことから、押圧部材からの押圧力を局所的ではなく分散させることができる。保護体70Bは、保護体70の代わりに、入力装置100,100Aに適用できる。なお、更に別の変形例では、保護体は、保護体70と同様に保護部材(第1~第4保護部材)71a~71d及び第3及び第4連結部材72c,72dを有しているが、保護体70とは異なり第1及び第2連結部材72a,72bを有していなくてもよい。この場合でも、押圧部材からの押圧力を局所的ではなく分散させることができる。複数の押圧検出部の保護部材の少なくとも2つは電気的に接続されていると、電極11a~11hに対して対向する導電部分を増加させるように構成し易く、この構成にすることで、静電容量の確保及び押圧検出部の感度の向上が期待できる。
【0062】
実施形態1,2及び図10及び図11の変形例から明らかなように、保護体(70;70A;70B)の形状は、特に限定されない。ただし、1又は複数の押圧検出部の少なくとも一つにおいて、保護部材は、平面視において押圧部材より大きいことが好ましい。この場合には、押圧部材からの押圧力をより分散させることができる。また、保護体の保護部材の数は、押圧検出部の数(押圧部材の数)に応じて適宜変更され得る。
【0063】
入力装置100Aでは、第1~第4押圧検出部C1,C2,C4,C5のいずれにおいても、保護部材71a~71dは導電性を有している。しかしながら、保護部材71a~71dの全てが導電性を有している必要はない。つまり、1又は複数の押圧検出部の少なくとも一つにおいて、保護部材は、導電性を有していてもよいし、有していなくてもよい。要するに、保護部材は、必ずしも導電性を有している必要はない。例えば、保護部材は、電気絶縁性を有していてもよい。一例として、保護部材は、絶縁シート30と同じ材料で形成され得る。この場合、保護部材は、絶縁シート30(絶縁体30a,30b;30d,30e,30g,30h)と一体に形成され得る。
【0064】
また、入力装置(100;100A)において、押圧検出部の数は特に限定されない。例えば、入力装置は、1又は複数の押圧検出部を備えていればよい。例えば、入力装置(100;100A)において、第1所定方向に、2つの押圧検出部C1,C2(又はC4,C5)が並んでいるが、3以上の押圧検出部(圧力センサ)が並んでいてもよい。また、入力装置100Aでは、第2所定方向に、2つの押圧検出部C1,C4(又はC2,C5)が並んでいるが、3以上の押圧検出部(圧力センサ)が並んでいてもよい。また、入力装置(100;100A)において、複数の押圧検出部(圧力センサ)がマトリクス状(例えば、2×2、2×3、3×3等)に並んでいてもよい。
【0065】
また、入力装置100において、第1~第3弾性体20a~20cは、導電性を有していなくてもよい。また、第1~第3弾性体20a~20cの各々は、厚み方向の両面が粗面であってもよいし、平面であってもよい。このような点は、入力装置100Aにおいても同様である。要するに、1又は複数の押圧検出部の少なくとも一つにおいて、弾性体における押圧部材側の面は、粗面であってよいし、粗面でなくてもよい。
【0066】
また、入力装置(100;100A)の各構成部材の形状は上記実施形態の形状に限定されない。例えば、感触発生部材40は、前述した外形形状に限定されることはなく、クリック部41の形状も限定されない。感触発生部材40は、クリック部41を有していなくてもよい。また、押し子50の形状も円盤状以外の形状(例えば矩形板状)であってもよい。また、ハウジング60の形状も扁平な四角形の箱状以外の形状(例えば円筒形状)であってもよい。
【0067】
また、入力装置(100;100A)において、電極(11a~11c;11d~11h)の形状は、上記実施形態の形状に限定されず、例えば、感触発生部材(40)の形状や圧力センサの用途に応じて適宜変更され得る。
【0068】
また、入力装置100において、一対の端子12a、一対の端子12b、及び一対の端子12cは、ハウジング60のボディ61の厚み方向の第2面からではなく、側面から突出してもよい。このようにすれば、入力装置100の実装時のフラックスによる影響を抑制しやすくなる。これは、入力装置100Aにおいても同様であり、端子12d,12e,12f,12g,12hも、ハウジング60のボディ61の厚み方向の第2面からではなく、側面から突出してよい。
【0069】
また、入力装置100において、絶縁シート30は、必ずしも、第1~第3弾性体20a,20b,20cをまとめて覆う大きさである必要はない。絶縁シート30は、感触発生部材40と第1~第3導電部材10a~10cとの直接的な接触を防止できればよい。したがって、入力装置100では、絶縁シート30は、少なくとも第1~第3絶縁体30a~30cを有していればよい。この点は、入力装置100Aにおいても同様であり、絶縁シート30は、少なくとも、第1~第5絶縁体30d~30hを有していればよい。ここで、感触発生部材40において第1~第3弾性体20a,20b,20cに対応する面に絶縁層が形成されるか、絶縁処理がされていてもよく、この場合には、絶縁シート30を省略できる。この点は、入力装置100Aにおいても同様である。要するに、1又は複数の押圧検出部の全てが、弾性体と保護部材との間に絶縁体を更に有している必要はない。つまり、1又は複数の押圧検出部の少なくとも一つが、弾性体と保護部材との間に絶縁体を更に有していてよいし、絶縁体を有していなくてもよい。
【0070】
また、入力装置100では、第1及び第2押圧検出部C1,C2の各々は、単一の圧力センサで構成されている。しかしながら、第1及び第2押圧検出部C1,C2は、2以上の圧力センサの組み合わせで構成されていてもよい。つまり、2以上の圧力センサを一つの圧力センサとして利用してもよい。このような点は、入力装置100Aにおいても同様である。
【0071】
3.態様
上記実施形態及び変形例から明らかなように、本開示は、下記の態様を含む。以下では、実施形態との対応関係を明示するためだけに、符号を括弧付きで付している。
【0072】
第1の態様の入力装置(100;100A)は、1又は複数の押圧検出部(C1,C2,C4,C5)を備える。前記1又は複数の押圧検出部(C1,C2,C4,C5)のそれぞれは、電極(11a,11b;11d,11e,11g,11h)と、弾性体(20a,20b;20d,20e,20g,20h)と、押圧部材(42a~42d)と、保護部材(71a~71d)と、を有する。前記弾性体(20a,20b;20d,20e,20g,20h)は、前記電極(11a,11b;11d,11e,11g,11h)上にある。前記押圧部材(42a~42d)は、前記弾性体(20a,20b;20d,20e,20g,20h)における前記電極(11a,11b;11d,11e,11g,11h)とは反対側に配置される。前記保護部材(71a~71d)は、前記弾性体(20a,20b;20d,20e,20g,20h)と前記押圧部材(42a~42d)との間にある。前記保護部材(71a~71d)は、前記弾性体(20a,20b;20d,20e,20g,20h)より強度が大きい。第1の態様によれば、性能の劣化を低減できる。
【0073】
第2の態様の入力装置(100;100A)は、第1の態様との組み合わせにより実現され得る。第2の態様では、前記1又は複数の押圧検出部(C1,C2,C4,C5)の少なくとも一つにおいて、前記保護部材(71a~71d)は、導電性を有する。第2の態様によれば、押圧検出部の感度の向上が図れる。
【0074】
第3の態様の入力装置(100;100A)は、第1又は2の態様との組み合わせにより実現され得る。第3の態様では、前記1又は複数の押圧検出部(C1,C2,C4,C5)の少なくとも一つにおいて、前記保護部材(71a~71d)は、平面視において前記押圧部材(42a~42d)より大きい。第3の態様によれば、押圧部材からの押圧力をより分散させることができる。
【0075】
第4の態様の入力装置(100;100A)は、第2又は第3の態様との組み合わせにより実現され得る。第4の態様では、前記複数の押圧検出部(C1,C2,C4,C5)の前記保護部材(71a~71d)の少なくとも2つは電気的に接続されている。第4の態様によれば、静電容量の確保及び押圧検出部の感度の向上が期待できる。
【0076】
第5の態様の入力装置(100;100A)は、第1~第4の態様のいずれか一つとの組み合わせにより実現され得る。第5の態様では、前記入力装置(100;100A)は、押圧面(41b)を有する板状のクリック部(41)を更に備える。前記1又は複数の押圧検出部(C1,C2,C4,C5)のそれぞれは、前記押圧面(41b)に作用する押圧力を検出する。第5の態様によれば、クリック感を生じさせることができる。
【0077】
第6の態様の入力装置(100;100A)は、第5の態様との組み合わせにより実現され得る。第6の態様では、前記入力装置(100;100A)は、前記クリック部(41)、及び前記クリック部(41)を囲うように配置されて前記クリック部(41)を支持する複数の脚部(42a~42d)を有する感触発生部材(40)を更に備える。前記複数の脚部(42a~42d)が、前記複数の押圧検出部(C1,C2,C4,C5)の前記押圧部材(42a~42d)である。第6の態様によれば、入力装置(100;100A)の構造の簡素化を図れる。
【0078】
第7の態様の入力装置(100;100A)は、第6の態様との組み合わせにより実現され得る。第7の態様では、前記入力装置(100;100A)は、前記複数の押圧検出部(C1,C2,C4,C5)の前記弾性体(20a,20b;20d,20e,20g,20h)と前記感触発生部材(40)との間にある保護体(70;70A;70B)を更に備える。前記保護体(70;70A;70B)は、前記クリック部(41)との対向位置が開口している。前記複数の押圧検出部(C1,C2,C4,C5)の前記保護部材(71a~71d)は、前記保護体(70;70A;70B)において前記複数の脚部(42a~42d)を支持する部分である。第7の態様によれば、保護部材(71a~71d)を安定して配置することができる。
【0079】
第8の態様の入力装置(100;100A)は、第1~第7の態様のいずれか一つとの組み合わせにより実現され得る。第8の態様では、前記1又は複数の押圧検出部(C1,C2,C4,C5)のそれぞれは、前記弾性体(20a,20b;20d,20e,20g,20h)と前記保護部材(71a~71d)との間に絶縁体(30a,30b;30d,30e,30g,30h)を更に有する。第8の態様によれば、押圧検出部の感度の向上が期待できる。
【0080】
第9の態様の入力装置(100;100A)は、第1~第8の態様のいずれか一つとの組み合わせにより実現され得る。第9の態様では、前記1又は複数の押圧検出部(C1,C2,C4,C5)の少なくとも一つにおいて、前記弾性体(20a,20b;20d,20e,20g,20h)における前記押圧部材(42a~42d)側の面は、粗面である。第9の態様によれば、静電容量の変化の線形性が向上する。
【符号の説明】
【0081】
100,100A 入力装置
C1,C2,C4,C5 押圧検出部
11a,11b,11d,11e,11g,11h 電極
20a,20b,20d,20e,20g,20h 弾性体
30a,30b,30d,30e,30g,30h 絶縁体
40 感触発生部材
41 クリック部
41b 押圧面
42a~42d 押圧部材(脚部)
70,70A,70B 保護体
71a~71d 保護部材
73 開口
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11