(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-18
(45)【発行日】2023-05-26
(54)【発明の名称】袋口整形密封装置
(51)【国際特許分類】
B65B 7/06 20060101AFI20230519BHJP
B65B 51/10 20060101ALI20230519BHJP
【FI】
B65B7/06
B65B51/10 101
(21)【出願番号】P 2019092850
(22)【出願日】2019-05-16
【出願変更の表示】U 2019001691の変更
【原出願日】2019-05-14
【審査請求日】2022-04-04
(73)【特許権者】
【識別番号】597123870
【氏名又は名称】株式会社トーヨー
(74)【代理人】
【識別番号】100110537
【氏名又は名称】熊谷 繁
(72)【発明者】
【氏名】鎌田 均
(72)【発明者】
【氏名】鎌田 祐輔
【審査官】▲桑▼原 恭雄
(56)【参考文献】
【文献】実開平04-029903(JP,U)
【文献】特開2001-315716(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 7/06
B65B 51/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被包装品を充填した自立袋を、
開口部側を高く、底部側を低くした状態で搬送するように5°~7°に傾斜角度を付けて水平状態に設置した片側傾斜ベルトコンベアで横置き状態に移送する搬入供給装置と、密封シール停止位置で自立袋の開口部を、
基台に載せられている拡開シリンダー、ガイドレールを移動シリンダーの往復動により前進後退させ、拡開シリンダーのシリンダーヘッドに角度を付けて連結された左レバー及び右レバーを左ブロック体及び右ブロック体に連結し、拡開シリンダーの進退動作により前記左レバー及び右レバーがガイドレールに沿って移動して左拡開バー及び右拡開バーが左右移動するようになっている拡開バーで横に広げて予備的に扁平状態にする拡開バー扁平装置と、前記拡開バーで予備的に扁平状態にされた袋の開口部の左右側縁を、
主シリンダーの往復動により上下動シリンダー、案内レールを上下動作させ、上下動シリンダーの上下動シリンダーヘッドに角度を付けて連結された左レバー及び右レバーを左移動杆及び右移動杆に連結し、上下動シリンダーの進退動作により前記左移動杆及び右移動杆が案内レールに沿って移動して上グリッパー及び下グリッパーを左右移動するようになっている上下グリッパーで挟持しつつ、左右に拡げて完全に扁平状態にする整形装置と、完全に偏平状態にされた袋の開口部をシールバーで上下に挟んでシールする密封シール装置とからなることを特徴とする袋口整形密封装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、柔軟な剛性を有する自立袋の開口部の左右側縁を挟んで横に引っ張って扁平にし、扁平状態で開口部をシールする袋口整形密封装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、薄手で腰の弱いプラスチック袋に包装品を充填した後、その開口部をシールしようとしても、その袋が柔らかで腰が弱いため皺の無い状態で開口部をきれいにシールすることが極めて困難であった。
そのため、包装品を充填された薄いプラスチック製の袋の開口端部を皺のない状態でシールすることを可能とした「袋による包装方法」が知られている(特許文献1を参照)。
【0003】
この公知技術は、包装品を充填した袋を搬送ベルト上に横置きにして、その開口端部に上方からエアを吹き付けて同開口端部を搬送ベルトに対して扁平状態にさせた後、前記袋の口を開かせ、開口した前記袋内に2本の拡開バーを挿入しそれを横に広げて袋の口を横に広げ、横に広げられた前記袋の開口端部を上下に挟んでシールするようにした、「袋による包装方法」である。
この包装方法によれば、極薄くて腰の弱いプラスチック袋であっても、その開口が確実に開かれ、開口に挿入した拡開バーにより袋の開口端部は確実に扁平状態に伸ばされて皺を生じることなくシールすることができる。
【0004】
薄手で腰の弱いプラスチック袋であれば、拡開バーにより袋の開口端部は確実に扁平状態に伸ばされて皺を生じることなくシールすることができるが、柔軟な剛性を有する自立袋の場合には、
図5の従来の動作説明図に示すように、自立袋に充填した包装品が右か左に偏っていた場合には、拡開バーで左右に開口端部を拡げるとズレた状態で扁平になり(実線で示す状態)、左右開口側縁に皺を生じ、そのため、シール不良皺が生じるという不都合が生じていた。
本発明は、このようなシール不良皺を防ぐために、適度な剛性を有する自立袋の開口部を拡開バーで拡げつつ左右開口側縁を上下グリッパーで挟んで横に引っ張って扁平にし、扁平状態の開口部を上下に挟んでシールするものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、柔軟な剛性を有する自立袋の開口部を拡開バーで拡げつつ左右開口側縁を上下グリッパーで挟んで横に引っ張って扁平にし、扁平状態の開口部を上下に挟んでシールする袋口整形密封装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の袋口整形密封装置は、被包装品を充填した自立袋を片側傾斜ベルトコンベアで横置き状態に移送する搬入供給装置と、密封シール停止位置で自立袋の開口部を拡開バーで横に広げて予備的に扁平状態にする拡開バー扁平装置と、前記拡開バーで予備的に扁平状態にされた袋の開口部の左右側縁を上下グリッパーで挟持しつつ、左右に拡げて完全に扁平状態にする整形装置と、完全に偏平状態にされた袋の開口部をシールバーで上下に挟んでシールする密封シール装置とからなる。
【0008】
本発明の袋口整形密封方法は、被包装品を充填した自立袋を片側傾斜ベルトコンベアで横置き状態に移送する搬入供給工程と、密封シール停止位置で拡開バーを自立袋の開口部に挿入し、前記拡開バーを横に広げて予備的に扁平状態にする拡開バー扁平工程と、前記拡開バーで予備的に扁平状態にされた袋の開口部の左右側縁を上下グリッパーで挟持し、前記拡開バーを脱出させた後、前記上下グリッパーを左右に拡げて完全に扁平状態にする整形工程と、完全に偏平状態にされた袋の開口部をシールバーで上下に挟んでシールする密封シール工程とからなる。
【発明の効果】
【0009】
本発明の袋口整形密封装置及び方法は、横置き状態で移送されてきた自立袋の開口部を拡開バーにより予備的に扁平状態にし、この予備的扁平状態のまま、上下グリッパーで開口部の左右側縁を挟持しつつ左右に拡げて完全に扁平状態にした後、シールバーで密封シールするため、自立袋の開口部は確実に扁平状態に伸ばされて皺を生じることなくシールすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の袋口整形密封装置の左側面図である。
【
図2】本発明の袋口整形密封装置の一部省略した平面図である。
【
図4】本発明の袋口整形密封装置の動作説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の袋口整形密封装置の一実施例を添付図面に基づいて、以下に説明する。
図1の左側面図に示すように、本発明の袋口整形密封装置は、
被包装品を充填した自立袋1を
片側傾斜ベルトコンベア2で横置き状態に移送する搬入供給装置3と、密封シール停止位置で自立袋1の開口部を拡開バー4で横に広げて予備的に扁平状態にする拡開バー扁平装置5と、前記拡開バー4で予備的に扁平状態にされた袋の開口部の左右側縁を上下グリッパー6で挟持しつつ、左右に拡げて完全に扁平状態にする整形装置7と、完全に偏平状態にされた袋の開口部をシールバー8で上下に挟んでシールする密封シール装置9とからなる。
【0012】
前記搬入供給装置3は、片側傾斜ベルトコンベア2を自立袋1の開口部側を高く、底部側を低くした状態で搬送するように5°~7°位に傾斜角度を付けて水平状態に配置している。
図2の一部省略した平面図に示すように、前記ベルトコンベア2で移送された自立袋1は、本実施例では、4袋同時に処理できるように拡開バー扁平装置5が4基配置されているが、これには限定されない。
前記拡開バー扁平装置5は、自立袋1の開口部を横に広げて予備的に扁平状態にする左右の拡開バー4を設け、それぞれの左拡開バー10及び右拡開バー11は、4個一体となって左右方向へ水平移動するように左連結杆12及び右連結杆13に固定され、さらに前記左連結杆12及び右連結杆13は、左ブロック体14及び右ブロック体15に固定されている。
そして、前記拡開バー扁平装置5は、シリンダーヘッド16に角度を付けて連結された左レバー17及び右レバー18を前記左ブロック体14及び右ブロック体15に連結し、拡開シリンダー19の進退動作により前記左レバー17及び右レバー18がガイドレール20に沿って移動して前記左拡開バー10及び右拡開バー11が左右移動するようになっている。これにより、前記左右の拡開バー4が左右に拡げられるようになっている。
架台21に載せられた移動シリンダー22の往復作動により基台23が移動し、該基台23に載せられている拡開シリンダー19、ガイドレール20が前進後退して自立袋1の開口部へ前記拡開レバー扁平装置5を前進後退させる。
【0013】
前記整形装置7は、
図1に示すように搬入供給装置3と拡開バー扁平装置5との隙間に設けられ、
図3の正面図に示すように、上下の主シリンダー24により整形装置7全体が自立袋1の開口部に向かって上下動するようになっている。
前記整形装置7は、自立袋1の開口部の左右側縁に対応する上下位置にそれぞれ上グリッパー25及び下グリッパー26を向かい合って配置する。それぞれの上グリッパー25及び下グリッパー26は、左右に開くように一対となっており、本実施例では、2基2組の合計4組のグリッパー6を設けている。
前記上グリッパー25及び下グリッパー26は、左右方向へ水平移動するように左移動杆27及び右移動杆28に固定されており、上下動シリンダーヘッド29に角度を付けて連結された左レバー30及び右レバー31を前記左移動杆27及び右移動杆28に連結し、上下動シリンダー32の進退動作により前記左移動杆27及び右移動杆28が案内レール33に沿って移動して前記上グリッパー25及び下グリッパー26を左右移動するようになっている。
【0014】
次に、本発明の袋口整形密封装置の操作動作を添付図面に基づいて、以下に説明する。
図1に示すように、
被包装品を充填された自立袋1は、片側傾斜ベルトコンベア2で密封シール停止位置まで移送されて停止すると、閉じた状態の拡開バー4が前進して自立袋1の開口部内に挿入され、左右方向に拡げられる。この時、前記拡開バー4は、自立袋1の開口部を予備的に約90%の扁平状態まで拡げる。
【0015】
図4の動作説明図に示すように、前述の予備的扁平状態で上グリッパー25及び下グリッパー26を上下作動させて自立袋1の左右側縁を挟持し、前記拡開バー4を抜き出した後、上グリッパー25及び下グリッパー26で自立袋1の左右側縁を挟持した状態で左右方向へ水平移動させて自立袋1の開口部を完全に約100%の扁平状態にする。
そして、完全に扁平状態にされた自立袋1の開口部をシールバー8で上下に挟んでシールする。
【0016】
このように、横置き状態で移送されてきた自立袋1の開口部を拡開バー4により予備的に扁平状態にし、この予備的扁平状態のまま、上下グリッパー6で開口部の左右側縁を挟持しつつ左右に拡げて完全に扁平状態にした後、シールバー8で密封シールするため、自立袋1の開口部は確実に扁平状態に伸ばされて皺を生じることなくシールすることができる。
【符号の説明】
【0017】
1 自立袋
2 ベルトコンベア
3 搬入供給装置
4 拡開バー
5 拡開バー扁平装置
6 上下グリッパー
7 整形装置
8 シールバー
9 密封シール装置
10 左拡開バー
11 右拡開バー
12 左連結杆
13 右連結杆
14 左ブロック体
15 右ブロック体
16 シリンダーヘッド
17 左レバー
18 右レバー
19 拡開シリンダー
20 ガイドレール
21 架台
22 移動シリンダー
23 基台
24 主シリンダー
25 上グリッパー
26 下グリッパー
27 左移動杆
28 右移動杆
29 上下動シリンダーヘッド
30 左レバー
31 右レバー
32 上下動シリンダー
33 案内レール