(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-18
(45)【発行日】2023-05-26
(54)【発明の名称】焼き具材載置具
(51)【国際特許分類】
A47J 37/06 20060101AFI20230519BHJP
【FI】
A47J37/06 331
(21)【出願番号】P 2021048504
(22)【出願日】2021-03-23
【審査請求日】2022-02-16
(73)【特許権者】
【識別番号】521122175
【氏名又は名称】アビデリア合同会社
(74)【代理人】
【識別番号】100076406
【氏名又は名称】杉本 勝徳
(74)【代理人】
【識別番号】100171941
【氏名又は名称】辻 忠行
(74)【代理人】
【識別番号】100150762
【氏名又は名称】阿野 清孝
(72)【発明者】
【氏名】畑瀬 茂秋
【審査官】宮部 菜苗
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-143214(JP,A)
【文献】特開平11-276354(JP,A)
【文献】仏国特許出願公開第02803506(FR,A1)
【文献】米国特許出願公開第2006/0266227(US,A1)
【文献】実開平06-055524(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 37/06、43/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
具材を焼いて調理する際に具材を載置する焼き具材載置具であって、
具材を載置する具材載置部と、
前記具材載置部を支持する支持部と
を備え、
前記具材載置部は、前後方向に延びる左右一対の側辺と、前記一対の側辺を後端側で連結する連結辺とを有し、
前記左右一対の側辺はともに下方へ窪む具材載置用凹部を含み、
前記具材載置部は、平面視で前方に開口部を有するコ字状に設けられ
、
前記具材載置部と前記支持部とが、連続して1本の線材により一筆書き状に形成されており、
前記支持部は、前記左右一対の側辺の前端から下方へ延出する左右一対の支柱部と、前記一対の支柱部の下端に連続するとともに先端が後方へ延びるよう延出する左右一対の接地部とを含むことを特徴とする焼き具材載置具。
【請求項2】
具材を焼いて調理する際に具材を載置する焼き具材載置具であって、
具材を載置する具材載置部と、
前記具材載置部を支持する支持部と
を備え、
前記具材載置部は、前後方向に延びる左右一対の側辺と、前記一対の側辺を後端側で連結する連結辺とを有し、
前記左右一対の側辺はともに下方へ窪む具材載置用凹部を含み、
前記具材載置部は、平面視で前方に開口部を有するコ字状に設けられ、
前記具材載置部と前記支持部とが、連続して1本の線材により一筆書き状に形成されて
おり、
前記支持部は、前記左右一対の側辺の前後両端から下方へ延出する4つの支柱部を有し、前記連結辺が後ろ側2つの支柱部の下端を連結してなる焼き具材載置具。
【請求項3】
前記具材載置部を複数備え、隣接する具材載置部の側辺の前端どうしを連結する具材載置部間連結辺により、前記複数の具材載置部が平面視で波形に連結されている請求項2に記載の焼き具材載置具。
【請求項4】
具材を焼いて調理する際に具材を載置する焼き具材載置具であって、
具材を載置する具材載置部と、
前記具材載置部を支持する支持部と
を備え、
前記具材載置部は、前後方向に延びる左右一対の側辺と、前記一対の側辺を後端側で連結する連結辺とを有し、
前記左右一対の側辺はともに下方へ窪む具材載置用凹部を含み、
前記具材載置部は、平面視で前方に開口部を有するコ字状に設けられ、
左右一対に立設される側板、及び前記一対の側板を後端側で連結すべく立設される連結板を備え、
前記左右一対の側辺は、前記左右一対の側板からなるとともに、前記具材載置用凹部は、当該側板の上縁から下方へ窪むよう設けられ、
前記連結辺は、前記連結板からなり、
前記支持部の少なくとも一部が、前記側板の下縁により構成されている焼き具材載置具。
【請求項5】
前記側板、及び前記連結板が、それぞれに設けられた切り欠きを嵌合させて着脱自在に連結されている請求項
4に記載の焼き具材載置具。
【請求項6】
前記連結板は、前記切り欠きを左右両端に備え、少なくとも左右いずれかに複数本の切り欠きが設けられている請求項
5に記載の焼き具材載置具。
【請求項7】
前記側板が、左右一対の上縁から切れ込む切り欠きと、左右一対の下縁から切れ込む切り欠きとを有し、前記連結板として当該側板と同じものが用いられる請求項
5に記載の焼き具材載置具。
【請求項8】
3枚以上の前記側板と2枚以上の前記連結板とが、切り欠きを嵌合させて着脱自在に組立てられ、前記具材載置部が複数設けられている請求項
5に記載の焼き具材載置具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、具材を直火で調理する際に、具材を載置する焼き具材載置具に関し、特に具材が傾いたり転がったりすることを抑制可能な焼き具材載置具に関する。
【背景技術】
【0002】
焼き網等で焼き料理をする際には、二枚貝等の貝類などはそのまま網へ載せると安定せず折角の旨味汁がこぼれるという問題があり、ソーセージ等の断面が円形の食材は網の上を転がって網から落下するという問題が有る。そこで、具材を安定した状態で焼けるように工夫した載置具が各種提案されている(特許文献1、特許文献2)。
【0003】
例えば、特許文献1では、線材で直方体状に形成された、二枚貝の焼き器が提案されている。特許文献1の二枚貝の焼き器は、金網や鋳物網に載置して用いるもので、上面の前後方向に架け渡した線状の受け金具に湾曲部分を設け、該湾曲部分に貝を載置することで貝が安定するよう構成している。
【0004】
また、特許文献2では、格子状の金網の面内に二枚貝の貝殻の湾曲面に合わせて窪ませた凹部(特許文献2では「非平坦部」)を設けた焼き網が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】実開平6-55524号公開公報
【文献】実開平4-36937号公開公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
二枚貝を金網等で焼くと、貝が開く際に貝の身は下側の貝殻から外れて上側の貝殻に付着して持ち上がるため、トング等で掴んでひっくり返す必要がある。しかし、特許文献1の二枚貝の焼き器や、特許文献2の焼き網では、受け金具や金網の下方へ窪んだ部分に貝を載置するので、手前側の枠や金網の手前側部分が邪魔になって貝の下にトングを差し込めないという問題がある。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、焼き料理用具材を安定に載置することを可能にしながら、具材の下にトングを差し込むことが可能な焼き具材載置具の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するためになされた発明は、具材を焼いて調理する際に具材を載置する焼き具材載置具であって、具材を載置する具材載置部と、前記具材載置部を支持する支持部とを備え、前記具材載置部は、前後方向に延びる左右一対の側辺と、前記一対の側辺を後端側で連結する連結辺とを有し、前記左右一対の側辺はともに下方へ窪む具材載置用凹部を含み、前記具材載置部は、平面視で前方に開口部を有するコ字状に設けられ、前記具材載置部と前記支持部とが、連続して1本の線材により一筆書き状に形成されており、前記支持部は、前記左右一対の側辺の前端から下方へ延出する左右一対の支柱部と、前記一対の支柱部の下端に連続するとともに先端が後方へ延びるよう延出する左右一対の接地部とを含むことを特徴とする。
【0008】
本発明の焼き具材載置具は、このように具材載置部を前方に開口するコ字状に設けたので、前方から具材載置部へ載置した二枚貝等の焼き料理具材の下方にトングを差し込むことができる。
【0009】
前記焼き具材載置具は、前記具材載置部と前記支持部とが、連続して1本の線材により一筆書き状に形成されていることで、材料の切断や溶接等の手間を省略でき、また切断による残材の発生を抑制して、製造コストを節約できる。
【0010】
本発明の焼き具材載置具は、前記支持部が、前記左右一対の側辺の前端から下方へ延出する左右一対の支柱部と、前記一対の支柱部の下端に連続するとともに先端が後方へ延びるよう延出する左右一対の接地部とを含むことで、具材載置部の開口部の下方が、具材を載置する載置面まで開放されるため、より開口部からトングを差し込みやすくなる。
【0011】
本発明の焼き具材載置具は、具材を焼いて調理する際に具材を載置する焼き具材載置具であって、具材を載置する具材載置部と、前記具材載置部を支持する支持部とを備え、前記具材載置部は、前後方向に延びる左右一対の側辺と、前記一対の側辺を後端側で連結する連結辺とを有し、前記左右一対の側辺はともに下方へ窪む具材載置用凹部を含み、前記具材載置部は、平面視で前方に開口部を有するコ字状に設けられ、前記具材載置部と前記支持部とが、連続して1本の線材により一筆書き状に形成されており、前記支持部が、前記左右一対の側辺の前後両端から下方へ延出する4つの支柱部を有し、前記連結辺が後ろ側2つの支柱部の下端を連結してなるものを含む。こうすることで、後方からも具材の下にトングを差し込むことができる。
【0012】
本発明は、前記支持部が、前記左右一対の側辺の前後両端から下方へ延出する4つの支柱部を有し、前記連結辺が後ろ側2つの支柱部の下端を連結してなるものにおいて、前記具材載置部を複数備え、隣接する具材載置部の側辺の前端どうしを連結する具材載置部間連結辺により、前記複数の具材載置部が平面視で波形に連結されている焼き具材載置具を含む。こうすることで、前方からトングを差し込むことが可能な焼き具材載置部を複数備えた焼き具材載置具を容易に形成することができる。
ここで、「前端どうしを連結する」とは、前端を直接連結するものに限らず、間に支柱
部のような他の部分を介して間接的に連結する場合も含むものとする。
【0013】
本発明は、具材を焼いて調理する際に具材を載置する焼き具材載置具であって、具材を載置する具材載置部と、前記具材載置部を支持する支持部とを備え、前記具材載置部は、前後方向に延びる左右一対の側辺と、前記一対の側辺を後端側で連結する連結辺とを有し、前記左右一対の側辺はともに下方へ窪む具材載置用凹部を含み、前記具材載置部は、平面視で前方に開口部を有するコ字状に設けられており、左右一対に立設される側板、及び前記一対の側板を後端側で連結すべく立設される連結板を備え、前記左右一対の側辺は、前記左右一対の側板からなるとともに、前記具材載置用凹部は、当該側板の上縁から下方へ窪むよう設けられ、前記連結辺は、前記連結板からなり、前記支持部の少なくとも一部が、前記側板の下縁により構成されている焼き具材載置具を含む。
このように、1枚の板を側辺とし、その上縁を窪ませて具材載置用凹部を設け、その下
縁を支持部に利用することで、具材載置部と支持部とを一体化して構造を簡素化できるの
で、製作コストを大きく抑制することができる。
【0014】
本発明の焼き具材載置具が、左右一対の側板と連結板とにより形成される場合は、前記側板、及び前記連結板が、それぞれに設けられた切り欠きを嵌合させて着脱自在に連結されていることが好ましい。こうすることで、左右の側板と連結板を分解して3枚束ねて持ち運びや収納ができる。
【0015】
前記連結板は、前記切り欠きを左右両端に備え、少なくとも左右いずれかに複数本の切り欠きが設けられていることが好ましい。こうすれば、複数の切り欠きのうち異なる切り欠きに側板を嵌合することで、左右一対の側板間の幅を具材に合わせて広げたり狭めたりできる。
【0016】
前記側板が、左右一対の上縁から切れ込む切り欠きと、左右一対の下縁から切れ込む切り欠きとを有し、前記連結板として当該側板と同じものが用いられることが好ましい。こうすることで、側板と連結板を同じ金型で加工できる。
【0017】
本発明の焼き具材載置具は、3枚以上の前記側板と2枚以上の前記連結板とが、切り欠きを嵌合させて着脱自在に組立てられ、前記具材載置部が複数設けられていることが好ましい。こうすることで同時に複数の焼き具材を加熱調理可能で、かつ分解可能で容易に持ち運び可能な焼き具材載置具を提供できる。
【発明の効果】
【0018】
以上、本発明の焼き具材載置具によれば、具材を安定して加熱することができるとともに、具材の下へトングを差し込むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る焼き具材載置具の使用状態を示した斜視図である。
【
図2】
図1に示した焼き具材載置具の斜視図である。
【
図3】
図1に示した焼き具材載置具の(a)背面図、(b)左側面図、(c)平面図、(d)底面図、(e)正面図である。
【
図4】本発明の第1実施形態に係る焼き具材載置具の変形例を示し、(a)左側面図、(b)平面図、(c)正面図、(d)斜視図である。
【
図5】本発明の第1実施形態に係る焼き具材載置具のまた別の変形例の斜視図である。
【
図6】本発明の第2実施形態に係る焼き具材載置具の使用状態を後方から見た斜視図である。
【
図7】本発明の第3実施形態に係る焼き具材載置具の使用状態を示した斜視図である。
【
図8】
図7に示した焼き具材載置具の斜視図である。
【
図9】
図7に示した焼き具材載置具の(a)背面図、(b)左側面図、(c)平面図、(d)底面図、(e)正面図である。
【
図10】
図7に示した焼き具材載置具の分解斜視図である。
【
図11】本発明の第3実施形態に係る焼き具材載置具の変形例を示した斜視図である。
【
図12】本発明の第3実施形態に係る焼き具材載置具のまた別の変形例を示した斜視図である。
【
図13】本発明の第4実施形態に係る焼き具材載置具の使用状態を示した斜視図である。
【
図15】本発明の第4実施形態に係る焼き具材載置具の変形例を示した斜視図である。
【
図16】(a)、(c)、(e)は、
図9に示した側板、又は連結板の正面図、(b)、(d)、(f)は、その側面図である。
【
図17】(a)、(b)は、
図11に示した連結板の正面図、及び側面図、(b)、(d)は、
図12に示した側板の正面図、及び側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態について説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限られるものではない。
(第1実施形態)
図1乃至
図3は、本発明の第1実施形態に係る焼き具材載置具100を示している。
図1に示すように、焼き具材載置具100は、具材Aを焼いて調理する際に具材を載置するために用いられ、特に、ハマグリ等の2枚貝や、ウインナー等の断面が円形状の具材を載置して焼き網等で焼くために用いられる。焼き具材載置具100は、
図2に示すように、具材を載置する具材載置部1と、具材載置部1を支持する支持部2とを備え、全体が1本の線材を曲げ加工して一筆書き状に形成されている。
【0021】
焼き具材載置具100を形成する線材としては、加熱料理に必要な耐熱性を有すれば特に限定されないが、鉄やステンレス等の金属線材が好ましい。
【0022】
具材載置部1は、
図3に示すように、前後方向(
図3(c)の上下方向)に延びる左右一対の側辺11,11と、一対の側辺11,11を後端側(
図3(c)、(d)の上側)で連結する連結辺12と、前方に開口する開口部3とを有し、平面視で前方に開口するコ字状に設けられている。
【0023】
左右一対の側辺11,11は、
図3(c)に示すように、開口部3側がやや広くなる略ハの字に設けられ、それぞれ下方へ円弧状に窪んだ具材載置用凹部11a,11aを備えている。連結辺12も下方へ円弧状に湾曲している。図示の例では、側辺11全体が下方へ湾曲する具材載置用凹部11aを構成しているが、側辺11の一部のみを下方に湾曲する具材載置用凹部11aとしてもよい。
【0024】
支持部2は、
図2に示すように、左右一対の側辺11,11の前端から下方へ延出する左右一対の支柱部21,21と、一対の支柱部21,21の下縁から後方へ延びるよう折り返す左右一対の接地部22,22とを備えている。接地部22,22は、
図3(c)、(d)に示すように、左右の外側へ張り出す円弧状に形成されている。焼き具材載置具100は平面視において一対の接地部22,22が一対の側辺11,11の左右の外側に位置するよう設けられて、略W字状に形成されている。図示の例では、支柱部21,21は、不図示の載置面に対して垂直に設けられているが、載置面に対して傾斜していてもよいし、直線状に限らず、湾曲、又は屈曲していてもよい。
【0025】
焼き具材載置具100を用いて、例えばハマグリ等の二枚貝Aを焼く際には、焼き網の上に焼き具材載置具100を載置し、二枚貝Aを左右一対の側辺11,11の具材載置用凹部11a,11aに架け渡すようにして焼き具材載置具100に載置する。加熱により貝が開くと、上側の貝殻に貝の身が付着して持ち上がるので、トングBを二枚貝Aの前方から差し込んで身が付いた貝殻が下になるよう二枚貝Aをひっくり返す。
このように、焼き具材載置具100は、前方が開口するとともに、支持部2が、開口部3の下方を避けるように設けられているので、二枚貝Aの下方へ容易にトングBを差し込むことができる。
【0026】
二枚貝Aをひっくり返したのち、しばらく加熱を続けると、二枚貝Aから旨味汁が出てくる。二枚貝Aは、下方へ円弧状に湾出する具材載置用凹部11a,11aに載置されているので、安定して揺れることがなく、旨味汁がこぼれることを効果的に抑制できる。
【0027】
(第1実施形態の変形例)
図4は、第1実施形態の変形例に係る焼き具材載置具100Aを示している。上述した焼き具材載置具100では接地部22を円弧状に設けたが、焼き具材載置具100Aでは、支持部2Aの接地部22Aを支柱部21の下端から左右(
図4(b)の左右)に直線状に延出させたのち後方(
図4(b)の上方)へ90度折り返すように設けている。当該変形例では、具材載置部1Aの連結辺12Aは直線状である。
【0028】
図5は、第1実施形態のまた別の変形例に係る焼き具材載置具100Bを示している。焼き具材載置具100Bの支持部2Bは、一対の側辺11,11の前後端から下方へ計4本の支柱部21B,21B,…を延出させ、後側2つの支柱部21B,21Bの下端を連結辺12Bにより連結して構成している。連結辺12Bは、支持部2Bの一部を兼ねている。こうすることで、後方側からもトングを差し込むことができる。図示の例では、連結辺12Bは、直線状であるが、湾曲線状や屈曲線状等でもよく、載置面に接しなくともよい。本変形例では、具材載置部1Bは、一対の側辺11,11と、連結辺12Bとからなる。
【0029】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。第2実施形態以降の実施形態において第1実施形態と共通する部材については、同一符号を付して説明を省略する。
図6は、本発明の第2実施形態に係る焼き具材載置具200を示している。焼き具材載置具200は複数の具材載置部201を備えており、この複数の具材載置部201を、1本、又は複数本の載置部間連結辺204で連結して、全体が1本の線材により一筆書きの波形に形成されている。
図6は、2つの具材載置部201,201を1本の載置部間連結辺204で連結した例を示しており、以下、主に
図6の例に基づき説明を行うが、焼き具材載置具200は、これに限らず、載置部間連結辺204を2つにして、具材載置部201を3つ連結することもできるし、載置部間連結辺204を3つ以上にして、具材載置部201を4つ以上連結することもできる。
【0030】
具材載置部201は、
図4に示すように、前後方向に延びる左右一対の側辺211,211と、一対の側辺211,211を後側(
図4の紙面手前側)で連結する連結辺212と、前方(
図4の紙面奥側)に開口する開口部203とを有し、平面視で前方(
図4の紙面奥側)に開口するコ字状に設けられている。
【0031】
左右一対の側辺211,211は、平行に設けられている。1つの側辺211は、直状部211bを挟んで2つずつの具材載置用凹部211a,211aが設けられている。2つの具材載置部201,201は、それぞれの左右の内側の側辺211,211の前端(
図4の奥側)で、載置部間連結辺204によって連結されている。
本実施形態の焼き具材載置具200は、具材載置部201を2つ備えるため、側辺211を全体で4本備えることとなり、具材載置用凹部211aを8つ(4対)備えることとなる。
尚、側辺211に、具材載置用凹部211aを1つ、又は3つ以上設けてもよい。
【0032】
第2実施形態に係る焼き具材載置具200では、支持部202は、前後8本の支柱部221,221,…と2つの連結辺212,212と、1つの載置部間連結辺204により構成される。連結辺212、及び載置部間連結辺204は、左右に隣接する2つの支柱部221,221を下端で連結し、支持部202の一部を兼ねている。ただし、載置部間連結辺204は、支柱部221,221を介さずに隣接する側辺211,211の後端を直接連結してもよい。
【0033】
焼き具材載置具200を用いる際には、焼き網の上にこれを載置し、
図4に示すように左右に隣接する具材載置用凹部211a,211a間に具材を架け渡すように載置する。焼き具材載置具200は、4対の具材載置用凹部211a,211aを有するので、二枚貝であれば4個を同時に調理できる。前側(
図4奥側)の開口部203,203は、支柱部221の下端まで開放されているので、当該他方側から貝の下方へ容易にトングBを差し込むことができる。
また、連結辺212は、支柱部221の下端を連結するよう設けられているので、具材載置部201は後側も概ね開放されており、後側からも容易にトングBを差し込むことができる。
【0034】
(第3実施形態)
図7乃至
図10は、本発明の第3実施形態に係る焼き具材載置具300を示している。焼き具材載置具300は、
図5に示すように、左右一対に立設される側板311,311と、左右一対の側板311,311を後端側で連結すべく立設される連結板312と、前方に開口する開口部303とを備え、平面視で前方に開口したコ字状に設けられている。焼き具材載置具300では、左右一対の側板311,311が左右一対の側辺311,311を構成し、連結板312が連結辺312を構成する。
【0035】
側板311は、
図16(c)、(d)に示すように、帯状の板材からなり上縁中央に、下方に円弧状に窪む具材載置用凹部311aが設けられ、片側の端部近傍には、下縁322から上方へ切れ込むスリット状の切り欠き311bが設けられている。
【0036】
連結板312は、
図16(e)、(f)に示すように、略長方形の帯板状をなし、長手方向の両端近傍には、上縁312aから下方へ切れ込むスリット状の切り欠き312b,312bが設けられている。一対の側板311,311、及び連結板312は、
図8、
図10に示すように、切り欠き311b,312bを介して、相欠き継ぎにより着脱自在に連結されている。
図示の例では、側板311,311の下縁322、及び連結板312の下縁312cが面一に設けられており、支持部302を構成する。ただし、連結板312の下縁312cと、側板311の下縁322とを面一にせず、側板311の下縁322のみで支持部302を構成してもよい。
側板311の代わりに後述する側板411(
図16(a)、(b)参照)を用いてもよい。
【0037】
側板311、及び連結板312を形成する板材としては、加熱料理に必要な耐熱性を有すれば特に限定されないが、鉄やステンレス等の金属板が好ましい。
【0038】
焼き具材載置具300を用いて、二枚貝Aを焼く際には、焼き網(不図示)の上面に、左右一対の側板311,311の下縁322,322、及び連結板312の下縁312cからなる支持部302が焼き網に当接するようにして焼き網上に焼き具材載置具300を載置し、左右で対をなす具材載置用凹部311a,311aに架け渡すようにして二枚貝Aを載置する。焼き具材載置具300は、前方に開口部303を有するコ字状に設けられているので、二枚貝Aの下方へ容易にトングBを差し込むことができる。
【0039】
また、焼き具材載置具300は、側板311,311と連結板312が相欠き継ぎにより着脱自在に連結されているので、側板311,311と連結板312とを分離して3枚に重ねて持ち運びや収納が可能である。
【0040】
(第3実施形態の変形例)
図11は、第3実施形態の変形例に係る焼き具材載置具300Aを示している。焼き具材載置具300Aは、左右の両端に複数(図示の例では2つずつ)の切り欠き312b,312bを有している。こうすると、側板を異なる切り欠き312bに嵌合するようにして、具材載置部301Aにおける左右一対の側板311,311間の幅を具材に合わせて広げたり狭めたりできる。左右で切り欠き312bの数が違ってもよく、片側に切り欠き312bを1つ、他方に切り欠き312bを複数設けてもよい。
【0041】
図12は、第3実施形態のまた別の変形例に係る焼き具材載置具300Bを示している。焼き具材載置具300Bでは、側板311Bを連結板として用いる。詳細には、
図17(c)、(d)に示すように、側板311Bに、下縁から切れ込む左右一対の切り欠き311b,311bと、上縁から切れ込む左右一対の切り欠き311c,311cを設けることで、側板311Bを連結板として利用可能にしている。こうすることで連結板用の抜き型を省略してコストを低減でき、また、側板と連結板を区別せずに組み立てられるので、部品を探す手間を省略できる。尚、符号301Bは具材載置部を示す。
【0042】
(第4実施形態)
図13、
図14に、本発明の第4実施形態に係る焼き具材載置具400を示す。第4実施形態に係る焼き具材載置具400は、具材載置部401を複数備えている。
図13は、具材載置部401を3つ備える例を示し、以下の説明は主にこれに基づき行うが、具材載置部401を2つ、又は4つ以上設けてもよい。
焼き具材載置具400は、2枚の短い側板311,311と2枚の長い側板411,411と、3枚の連結板312,312,312により形成される。側板311、及び連結板312は、第3実施形態に用いたものと同じである。側板411は、
図16(a)、(b)に示すように、側板311の略2倍の長さを有し、長手方向の中央と、組み立てた際の後側(
図16(b)の右側)の端部に、スリット状の切り欠き311bを有し、中央の切り欠き311bを挟んで両側に1つずつ、計2つの具材載置用凹部311aが設けられている。
具材載置部401の数は、左右方向に並べる側板311や、側板411、連結板312の数を適宜に変更することにより増減できる。1つの側辺に、具材載置用凹部311aを3つ以上設けてもよい。
【0043】
焼き具材載置具400は、
図14に示すように、2枚の短い側板311,311を左右方向の外側に、2枚の長い側板411,411を左右方向の内側に並べ、短い側板311と、長い側板411を連結板312により互いの後端部で連結し、内側2つの長い側板411,411を連結板312により前後の中央部で連結して形成される。焼き具材載置具400では、全ての側板311,411、及び連結板312の下縁322,422,312cが支持部402を構成する。
【0044】
焼き具材載置具400は、前方に開口部403を有する、前列1つ後列2つからなる3つの具材載置部401,…を備えるので、同時に3つの具材Aを加熱調理でき、いずれの具材載置部401にも前方から具材Aの下にトングBを差し込むことができる。
【0045】
(第4実施形態の変形例)
図15は、第4実施形態の変形例に係る焼き具材載置具400Aを示している。焼き具材載置具400Aは、左右いずれか一方に複数の切り欠き311b,311bを有する連結板312Aを用いている。
また、別の例として、側板411と連結板312のみにより、焼き具材載置具を構成してもよい。焼き具材載置具400Aにおいても焼き具材載置具400と同様に、具材載置部401を2つ又は4つ以上設けてよい。
【0046】
以上、本発明の焼き具材載置具は、上述した実施形態に限らず、例えば、具材載置用凹部は、具材を安定して載置可能に窪んでいれば円弧状でなくともよく、矩形状、多角形状であってもよい。側板と連結板を連結する切り欠きの切れ込み方向を上下逆にしてよいことは言うまでもない。
【符号の説明】
【0047】
焼き具材載置具 100,100A,100B,200,300,300A,300B, 400,400A
具材載置部 1,1A,1B,201,301,301A,301B,401
支持部 2,2A,2B,202,302,402
側辺 11,211,
連結辺 12,12A,12B,212
具材載置用凹部 11a,211a,311a
開口部 3,203,303,403
支柱部 21,21B,221
接地部 22,22A
具材載置部間連結辺 204
側板(側辺) 311,311B,411
連結板(連結辺) 312,312A
切り欠き 311b,312b,311c
具材 A