特許 7281842 収納型車輪を有するキャリア

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】特許公報(B2)

(11)【特許番号】

(24)【登録日】2023-05-18

(45)【発行日】2023-05-26

(54)【発明の名称】収納型車輪を有するキャリア

(51)【国際特許分類】

   A45C 5/14 20060101AFI20230519BHJP

   B62B 5/00 20060101ALI20230519BHJP

   A45C 5/03 20060101ALI20230519BHJP

【ＦＩ】

A45C5/14 B

B62B5/00 J

A45C5/03

【請求項の数】 1

(21)【出願番号】P 2022026892

(22)【出願日】2022-02-24

(65)【公開番号】P2022140320

(43)【公開日】2022-09-26

【審査請求日】2022-02-24

(31)【優先権主張番号】10-2021-0031855

(32)【優先日】2021-03-11

(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR

【早期審査対象出願】

(73)【特許権者】

【識別番号】522071485

【氏名又は名称】キム、ミン ジェ

(74)【代理人】

【識別番号】100130111

【弁理士】

【氏名又は名称】新保 斉

(72)【発明者】

【氏名】キム、ミン ジェ

【審査官】村山 睦

(56)【参考文献】

【文献】実開平０３－０２８００３（ＪＰ，Ｕ）

【文献】実開昭５９－００７６０８（ＪＰ，Ｕ）

【文献】実開昭５９－００９９０５（ＪＰ，Ｕ）

【文献】実開平０５－０７２５０４（ＪＰ，Ｕ）

【文献】実開昭５５－１４８４１８（ＪＰ，Ｕ）

【文献】特開２０１９－１１１９４０（ＪＰ，Ａ）

【文献】特開平１１－１７０８０３（ＪＰ，Ａ）

【文献】特開平１０－０３５８４０（ＪＰ，Ａ）

(58)【調査した分野】(Int.Cl.，ＤＢ名)

Ａ４５Ｃ ５／１４

Ｂ６２Ｂ ５／００

Ａ４５Ｃ ５／０３

(57)【特許請求の範囲】

【請求項1】

内部に収納空間が形成され、下端に障子板によって開閉される引き入れ孔が形成されたボディ部；および
前記引き入れ孔の内側に胴体が回動可能に結合され、前記胴体の端部に車輪が結合され、前記障子板の閉鎖時には、前記胴体が横方向に寝た状態で前記車輪が前記障子板に支持されて前記引き入れ孔内に位置する一方、前記障子板の開放時に荷重によって前記胴体が垂直方向となり前記車輪が前記ボディ部の下方に突出するように回動される移動部；を含み、
前記引き入れ孔の内側に、前記胴体の回動軸の位置と偏心した位置の第２の回動軸を中心に回動可能に設けられ、前記胴体とともに荷重によって垂直方向まで回動され、その状態で前記胴体に平行に密着して前記胴体を支持する固定部材が備えられ、
前記障子板の端部には開放時に下方に回動された前記胴体の他側に形成された第１固定孔に挿入されて前記胴体を固定させる第１固定突起が形成されると共に、
前記固定部材には前記胴体と平行に密着した状態で前記胴体の一側に形成された第２固定孔に挿入されて前記胴体を固定させる第２固定突起が形成され、
前記固定部材の端部にブラシを備え、
前記胴体とともに前記引き入れ孔内に位置するときには該ブラシは前記引き入れ孔内に格納されると共に、
前記胴体とともに荷重によって垂直方向に回動して、前記胴体に平行に密着した状態においては前記ブラシが前記車輪と接触するように設けられる
ことを特徴とする、収納型車輪を有するキャリア。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は収納型車輪を有するキャリアに関し、より詳細には、旅行時に内部に荷物を入れて移動および保管できるように形成された収納型車輪を有するキャリアに関する。

【背景技術】

【0002】

一般的に旅行用キャリアは、内部に荷物を入れて旅行時に重く空に持って移動せずに、主に底で引っ張って移動する時に容易に移送させることができるように、下部に水平に３６０度自由回転され、かつ底に接地された車輪が自在に駆動される車輪が設置される。

【0003】

このようなキャリアは通常飛行機に載せる時、大きさによって、定められた規格より小さければ機内用手荷物として搭乗者が直接持って機内に搭乗し、定められた規格より大きければ委託貨物用手荷物として搭乗者が搭乗前に予め航空会社に委託して飛行機の貨物室に積載するように区分され、これに伴い、従来多様な大きさの旅行用キャリアは定められた大きさで荷物をできるだけ多く入れることができるように開発されていたのが実情である。

【0004】

従来の旅行用キャリアは大韓民国登録実用新案第４８０２８３号（２０１６年５月４日付公告）に掲載された通り、荷物を入れるところであるキャリア本体に比べて下部のキャスター（＝車輪）をきわめて小さく製作したり、公開特許２０１１年第１０５２５０号（２０１１年９月２６日付公開）に掲載された通り、車輪が旅行用キャリアカバンの本体に上向きに内部に入れるように一部が陥没するように製作することによって、相対的に荷物を入れるところの体積を広くするように開発されてきたが、このように車輪が小さくなるか車輪が下部に突出する程度が小さいと、凹凸が激しいところではキャリアの底が地面に接触してキャリアの下部が破損する問題点と共に、車輪が転がる時に抵抗が激しく騒音が相当であるため、キャリアを引っ張って移動するのに疲労度が著しく高くなる問題点がある。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0005】

【文献】大韓民国特許庁登録番号第１０－２０９６０２１号

【文献】大韓民国特許庁公開番号第１０－２０１８－０１３７４５３号

【文献】大韓民国特許庁公開番号第２０－２０１９－０００２０５５号

【文献】大韓民国特許庁登録番号第１０－１６７０６０３号

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0006】

本発明は前記のような問題点を解決するために創案されたもので、旅行用キャリアの移動が容易であるように車輪が備えられることはもちろん、保管および取り扱い時に外部の要因によって車輪が損傷したり破損することを防止することにその目的がある。

【0007】

また、旅行用キャリアの外部に突出した車輪の体積を最小化することにその目的がある。

【課題を解決するための手段】

【0008】

前記のような目的を達成するために、本発明の好ましい実施例に係る収納型車輪を有するキャリアは、内部に収納空間が形成され、下端に障子板によって開閉される引き入れ孔が形成されたボディ部；および前記引き入れ孔の内側に胴体が回動可能に結合され、前記胴体の端部に車輪が結合され、前記障子板の閉鎖時に前記車輪が前記障子板に支持されて前記引き入れ孔内に位置するか、前記障子板の開放時に荷重によって前記車輪が前記ボディ部の下方に突出するように回動される移動部；を含む。

【0009】

また、前記引き入れ孔の内側には前記胴体と偏心する位置に回動可能に結合され、前記胴体とともに荷重によって下方に回動されて前記胴体に平行に密着して前記胴体を支持する固定部材が備えられたことを特徴とする。

【0010】

また、前記固定部材の端部には前記胴体と下方に回動された状態で前記胴体の一側に形成された第１固定孔に挿入されて前記胴体を固定させる第１固定突起が形成されたことを特徴とする。

【0011】

また、前記障子板の端部には開放時に下方に回動された前記胴体の他側に形成された第２固定孔に挿入されて前記胴体を固定させる第２固定突起が形成されたことを特徴とする。

【0012】

また、前記引き入れ孔の内側には前記胴体と偏心する位置に回動可能に結合され、前記胴体とともに荷重によって下方に回動されて前記胴体に平行に密着して前記胴体を支持する固定部材が備えられ、前記固定部材の端部には前記胴体と下方に回動された状態で前記胴体の一側に形成された第１固定孔に挿入されて前記胴体を固定させる第１固定突起が形成され、前記障子板の端部には開放時に下方に回動された前記胴体の他側に形成された第２固定孔に挿入されて前記胴体を固定させる第２固定突起が形成され、前記固定部材の端部には前記胴体と密着した状態で前記車輪と接触するように延びたブラシが結合されたことを特徴とする。

【発明の効果】

【0013】

本発明による収納型車輪を有するキャリアによると、ボディ部に形成された引き入れ孔に車輪が回動されることによって引き入れ／引き出し可能に結合されることによって、旅行用キャリアの移動時に車輪が引き出されて移動するか、旅行用キャリアの保管時に車輪が引き入れられて体積を最小化することはもちろん、外部の衝撃によって車輪が損傷したり破損することを防止できる効果を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

【0014】

【図1】本発明の好ましい実施例に係る収納型車輪を有するキャリアを示した図面である。

【図2】本発明の好ましい実施例に係るボディ部の断面図である。

【図3】本発明の好ましい実施例に係る移動部の断面図である。

【図4】本発明の好ましい実施例に係る固定部材の断面図である。

【図5】本発明の好ましい実施例に係る移動部の動作図である。

【図6】本発明の好ましい実施例に係る移動部の動作図である。

【発明を実施するための形態】

【0015】

本発明の利点および特徴、そしてそれらを達成する方法は、添付される図面と共に詳細に後述されている実施例を参照すると明確になるであろう。

【0016】

しかし、本発明は以下で開示される実施例に限定されるものではなく、互いに異なる多様な形態で具現され得、ただし本実施例は本発明の開示を完全なものとし、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供されるものであり、本発明は請求項の範疇によって定義されるのみである。明細書全体に亘って同一参照符号は同一構成要素を指称する。

【0017】

以下、本発明の実施例によって収納型車輪を有するキャリアを説明するための図面を参照して本発明について説明することにする。

【0018】

図１は本発明の好ましい実施例に係る収納型車輪を有するキャリアを示した図面、図２は本発明の好ましい実施例に係るボディ部の断面図、図３は本発明の好ましい実施例に係る移動部の断面図、図４は本発明の好ましい実施例に係る固定部材の断面図、図５～図６は本発明の好ましい実施例に係る移動部の動作図である。

【0019】

これらの図面を参照すると、本実施例に係る収納型車輪を有するキャリアは、車輪が引き入れ／引き出し可能に備えられて外部の衝撃から車輪が破損することを防止できる特徴がある。

【0020】

このような効果を提供できる本実施例に係る収納型車輪を有するキャリア１００は、ボディ部１１０、移動部１２０および固定部材１３０を含む。

【0021】

前記ボディ部１１０は内部に収納空間１１１が開閉可能に形成され、上端には取っ手１１２が結合され、下端には引き入れ孔１１３が形成される。

【0022】

前記引き入れ孔１１３は障子板１１４により開閉可能に形成される。

【0023】

ここで、前記引き入れ孔１１３は前記障子板１１４が一方向に移動時に開放され、他方向に移動時に閉鎖される。

【0024】

この時、前記障子板１１４は前記引き入れ孔１１３を開閉時に磁性によって固定され得る。

【0025】

具体的には、前記引き入れ孔１１３の一側および他側にはそれぞれ第１磁性体１１３ａが結合される。

【0026】

前記障子板１１４は前記第１磁性体１１３ａと磁性結合されるように金属材質で形成される。

【0027】

そして、前記障子板１１４の端部には第１固定突起１１４ａが形成される。

【0028】

この時、前記第１固定突起１１４ａは断面を基準に三角形の形状を有する。

【0029】

ここで、前記引き入れ孔１１３の他側には前記第１固定突起１１４ａが挿入されるように障子溝１１３ｂが形成される。

【0030】

一方、前記障子板１１４の上面には係止段１１４ｂが形成される。

【0031】

前記移動部１２０は前記引き入れ孔１１３に回動可能に結合され、回動により前記引き入れ孔１１３に引き入れられたり引き出される。

【0032】

具体的には、前記移動部１２０には前記引き入れ孔１１３の内側に一側が回動可能なように結合された胴体１２１が備えられ、前記胴体１２１の他側端部に車輪１２２が結合される。

【0033】

ここで、前記移動部１２０は前記引き入れ孔１１３内に引き入れ時に閉鎖された前記障子板１１４によって支持され、前記障子板１１４が開放時に荷重によって下方に回動されて前記引き入れ孔１１３の外部に引き出される。

【0034】

一方、前記胴体１２１は下方に回動されて前記引き入れ孔１１３の外部に引き出し時に一側面が前記障子板１１４に密着する。

【0035】

この時、前記胴体１２１と障子板１１４は互いに直交した状態で密着される。

【0036】

また、前記胴体１２１の一側面には前記第１固定突起１１４ａが挿入されるように三角形状の第１固定孔１２１ａが形成される。

【0037】

また、前記胴体１２１の他側面には第２固定孔１２１ｂが形成される。

【0038】

この時、前記第２固定孔１２１ｂは断面が三角形状で形成される。

【0039】

一方、前記移動部１２０は前記引き入れ孔１１３内に位置した状態で前記障子板１１４に支持時に、前記車輪１２２が前記係止段１１４ｂに係止されて前記障子板１１４を固定させる。

【0040】

これに伴い、前記障子板１１４は係止段１１４ｂが前記車輪１２２および移動部１２０の荷重によって固定され、前記ボディ部１１０を寝かせて荷重を解除時に開放され得る。

【0041】

前記固定部材１３０は前記引き入れ孔１１３内に前記胴体１２１と偏心する位置に回動可能に結合される。

【0042】

前記固定部材１３０は前記胴体１２１とともに前記引き入れ孔１１３内に位置されたり荷重によって下方に回動される。

【0043】

この時、前記固定部材１３０は前記引き入れ孔１１３内に位置時、前記胴体１２１によって支持される。

【0044】

また、前記固定部材１３０が下方に回動時、前記胴体１２１と平行となるように密着する。

【0045】

ここで、前記固定部材１３０は前記胴体１２１の回動される部分から対角線の上方に位置することが好ましい。

【0046】

これは、前記固定部材１３０が前記胴体１２１とともに上方に回動したり、荷重によって下方に回動されて密着し得るようにするためである。

【0047】

そして、前記固定部材１３０の下端には前記胴体１２１と向かい合う方向に第２固定突起１３１が形成される。

【0048】

ここで、前記第２固定突起１３１は前記固定部材１３０と胴体１２１が互いに密着した状態で前記第２固定孔１２１ｂに挿入される。

【0049】

この時、前記第２固定突起１３１は前記第２固定孔１２１ｂと対応するように三角形状を有する。

【0050】

一方、前記固定部材１３０の下端には前記固定部材１３０が前記胴体１２１と密着した状態で前記車輪１２２と接触するように延びたブラシ１３２が結合される。

【0051】

これに伴い、前記ブラシ１３２は前記車輪１２２の表面にくっついた異質を除去する。

【0052】

ひいては、前記胴体１２１は磁性によって前記障子板１１４および固定部材１３０に固定され得る。

【0053】

具体的には、前記第１固定突起１１４ａおよび第２固定突起１３１は金属材質で形成され、前記第１固定孔１２１ａおよび第２固定孔１２１ｂの内側にそれぞれ第２磁性体１２１ｃが結合される。

【0054】

この時、前記胴体１２１および固定部材１３０が互いに密着時、前記第１固定突起１１４ａが前記第１固定孔１２１ａに磁性結合され、前記第２固定突起１３１が前記第２固定孔１２１ｂに磁性結合される。

【0055】

これに伴い、前記胴体１２１が前記第１固定突起１１４ａおよび第２固定突起１３１によって両側が堅固に固定される。

【0056】

本発明による収納型車輪を有するキャリアによると、ボディ部に形成された引き入れ孔に車輪が回動されることによって引き入れ／引き出し可能に結合されることによって、旅行用キャリアの移動時に車輪が引き出されて移動するか、旅行用キャリアの保管時に車輪が引き入れられて体積を最小化することはもちろん、外部の衝撃によって車輪が損傷したり破損することを防止できる効果を得ることができる。

【0057】

本発明が属する技術分野の通常の知識を有する者は、本発明がその技術的思想や必須の特徴を変更することなく他の具体的な形態で実施され得ることが理解できるであろう。したがって、以上で記述した実施例はすべての面で例示的なものであり限定的ではないものと理解されるべきである。本発明の範囲は前記詳細な説明よりは後述する特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲の意味および範囲そしてその均等概念から導き出されるすべての変更または変形された形態も本発明の範囲に含まれるものと解釈されるべきである。

【符号の説明】

【0058】

１００：キャリア
１１０：ボディ部
１１１：収納空間
１１２：取っ手
１１３：引き入れ孔
１１３ａ：第１磁性体
１１３ｂ：障子溝
１１４：障子板
１１４ａ：第１固定突起
１１４ｂ：係止段
１２０：移動部
１２１：胴体
１２１ａ：第１固定孔
１２１ｂ：第２固定孔
１２１ｃ：第２磁性体
１２２：車輪
１３０：固定部材
１３１：第２固定突起
１３２：ブラシ

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】