(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-18
(45)【発行日】2023-05-26
(54)【発明の名称】液体注入補助フィルタ
(51)【国際特許分類】
A47J 31/02 20060101AFI20230519BHJP
A47J 31/057 20060101ALI20230519BHJP
【FI】
A47J31/02
A47J31/057
(21)【出願番号】P 2022175787
(22)【出願日】2022-11-01
【審査請求日】2022-11-22
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520448577
【氏名又は名称】THREE RIVERS株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100145713
【氏名又は名称】加藤 竜太
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【氏名又は名称】芝 哲央
(72)【発明者】
【氏名】三河 傑
【審査官】根本 徳子
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3043993(JP,U)
【文献】中国実用新案第213696573(CN,U)
【文献】中国実用新案第203417100(CN,U)
【文献】特開2019-118568(JP,A)
【文献】中国実用新案第209563948(CN,U)
【文献】国際公開第2007/119546(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 31/00-31/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
有底筒状を呈し、少なくとも底部が多孔質であり、注がれる液体を受ける本体部と、
前記本体部の前記底部における液体が注がれる側とは反対側の面である下面に形成される多孔質の複数の凸部と、を備え
、
前記本体部と前記凸部は、全体が濾過機能を有する多孔質のセラミックからなる飲料用の液体注入補助フィルタ。
【請求項2】
前記本体部と前記凸部は、その中央細孔直径が80μm~180μmである請求項
1に記載の液体注入補助フィルタ。
【請求項3】
前記底部はその厚みが略均一であり、かつ平坦である請求項1に記載の液体注入補助フィルタ。
【請求項4】
前記底部の前記下面は、その中心に向かうにつれて、該底部に対向し、液体が注がれる開口に対して近づくように形成される請求項1に記載の液体注入補助フィルタ。
【請求項5】
前記底部の前記下面は、その中心に向かうにつれて、該底部に対向し、液体が注がれる開口に対して離れるように形成される請求項1に記載の液体注入補助フィルタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲料用の液体注入補助フィルタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、コーヒーや紅茶等の飲料を淹れる場合に、粉状に挽いたコーヒー豆や茶葉に液体を注ぐための装置が知られている。例えば特許文献1には、給水口から注がれたお湯を貯湯タンク内に貯水し、パイプ等を介して貯水された熱湯をシャワーからコーヒー挽豆バケット上に散水する装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、例えばコーヒー等の飲料を抽出する場合、コーヒー豆等が収容されたフィルタに局所的に液体を注ぐよりも、液体を所定の速度で分散させて注ぐ方が味や風味に優れたコーヒーの抽出できる。特許文献1の装置では、コーヒー豆が収容されたフィルタに液体を分散させて注ぐことができるものの、パイプや貯水タンク、加熱ヒータ等の種々の部位を介してフィルタに注がれるので器具の構成を簡素化するという点で改善の余地があった。
【0005】
本発明は、簡素な構成で、手軽に液体を分散させて注ぐことができる液体注入補助フィルタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、有底筒状を呈し、少なくとも底部が多孔質であり、注がれる液体を受ける本体部と、前記本体部の前記底部における液体が注がれる側とは反対側の面である下面に形成される多孔質の複数の凸部と、を備える飲料用の液体注入補助フィルタに関する。
【0007】
前記本体部と前記凸部は、多孔質のセラミックからなる。
【0008】
前記本体部と前記凸部は、その中央細孔直径が80μm~180μmである。
【0009】
前記底部はその厚みが略均一であり、かつ平坦である。
【0010】
前記底部の前記下面は、その中心に向かうにつれて、該底部に対向し、液体が注がれる開口に対して近づくように形成される。
【0011】
前記底部の前記下面は、その中心に向かうにつれて、該底部に対向し、液体が注がれる開口に対して離れるように形成される。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、簡素な構成で、手軽に液体を分散させて注ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】第1実施形態に係る液体注入補助フィルタを示す斜視図である。
【
図2】第1実施形態に係る液体注入補助フィルタを示す側面図である。
【
図3】第1実施形態に係る液体注入補助フィルタを示す平面図である。
【
図4】第1実施形態に係る液体注入補助フィルタを示す底面図である。
【
図5】
図4に示す液体注入補助フィルタをV-V線に沿った断面図である。
【
図6】第1実施形態に係る液体注入補助フィルタの凸部の変形例を示す図であって、
図4に対応する図である。
【
図7】第1実施形態に係る液体注入補助フィルタの使用例を示す模式図である。
【
図8】第2実施形態に係る液体注入補助フィルタを示す図であって、
図4に対応する図である。
【
図9】第3実施形態に係る液体注入補助フィルタを示す図であって、
図4に対応する図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
【0015】
第1実施形態に係る液体注入補助フィルタ1について
図1~
図5を参照しながら説明する。
図1は液体注入補助フィルタ1の斜視図である。
図2は液体注入補助フィルタ1の側面図である。
図3は液体注入補助フィルタ1の平面図である。
図4は液体注入補助フィルタ1の底面図である。
図5は
図4に示す液体注入補助フィルタ1をV-V線に沿った断面図である。
【0016】
本実施形態の液体注入補助フィルタ1は、コーヒー豆や茶葉から飲料を抽出して濾過する場合に用いられ、コーヒー豆や茶葉への液体の注入を補助するための器具である。例えばユーザは、コーヒー挽豆を収容したフィルタ等に上方に液体注入補助フィルタ1を配置し、該液体注入補助フィルタ1を介してフィルタ等にお湯等の液体を分散させて注ぐことができる。
【0017】
液体注入補助フィルタ1の構成について説明する。液体注入補助フィルタ1は、注がれる液体を受ける本体部10と、複数の凸部20と、を備える。
【0018】
本体部10は、有底筒状であり、底部11と、側部12と、底部11に対向し、液体が注がれる開口13と、を有する。本体部10は、少なくとも底部11が多孔質である。本実施形態に係る液体注入補助フィルタ1は、多数の微細孔が形成された多孔質のセラミックにより成形される。即ち、側部12を含む本体部10全体が多孔質のセラミックからなる。
【0019】
底部11は、
図3に示すように、平面視で円形状であるが、その形状は特に限定されない。例えば底部11は平面視で楕円形状であってもよく、多角形状であってもよい。
【0020】
図2及び
図5に示すように、底部11は、その厚みが一定であり、かつ平坦である。即ち底部11における液体が注がれる側の面(以下、上面という)111と上面111とは反対側の面(以下、下面という)112とが平坦である。底部11の下面112には、複数の凸部20が形成される。なお、底部11の厚みは、本体部10の強度を保つとともに、本体部10に注いだ液体を確実に凸部20に集め、凸部20から滴下させるという観点から、3mm~5mmであることが好ましい。
【0021】
側部12は、底部11の周縁部から立ち上がる部位である。側部12は、底部11から離れるにつれて、平面視において底部11の中心から離れるように形成される。即ち、本体部10は、底部11から開口13に向かうにつれてその径が大きくなるテーパー状に形成される。これにより、本体部10への液体の供給が容易になるとともに、底部11から凸部20に円滑に液体を集めることができる。底部11の中心とは、底部11における本体部10の中心軸が通る位置である。
【0022】
凸部20は、多孔質のセラミックからなり、底部11から離れる方向に突出するように下面112に複数形成される。本実施形態では、
図4に示すように、底部11の下面112に9個の凸部20が形成される。具体的には、底部11の下面112には、その中心に1個の凸部20が形成され、その周縁部側において底部11の周方向に沿って略等間隔に8個の凸部20が形成される。
【0023】
本実施形態では、複数の凸部20はそれぞれ略同じサイズ及び形状である。また
図2及び
図5に示すように、凸部20は、その軸方向が本体部10の軸方向と略平行に延びる円筒状であり、底部11とは反対側の先端部21が球面状である。なお、本実施形態では、本体部10及び凸部20は、全体が濾過機能を有する多孔質のセラミックにより一体成形される。
【0024】
ここで、開口13を上にし、底部11を下にした状態で本体部10に液体を注いだ場合、本体部10に注がれた液体は、底部11から各凸部20に集められ、主に凸部20の先端部21から下方に落下する。これは、底部11及び各凸部20が多孔質であるので、本体部10に注がれた液体が底部11内及び凸部20内の微細孔を伝い、底部11から底部11よりも下方に位置する凸部20に貯められるためである。この凸部20の形状やサイズ、位置等の設計を変更することにより、液体の落下の仕方を調整できる。
【0025】
例えば
図4に示す例では、底部11の中心と周縁部側に凸部20が形成されているので、底部11の中心と周縁部側から液体を分散させて落とすことができる。また、底部11が平坦であるとともにその厚みが均一であり、かつ複数の凸部20それぞれの形状やサイズが略等しいので、各凸部20から略同じ速度で均一に液体を滴下させることができる。
【0026】
なお、本体部10のうち少なくとも底部11と凸部20は、中央細孔直径が80μm~180μmであることが好ましく、100μm~130μmであることがより好ましい。これにより、本体部10に注いだ液体を底部11から各凸部20に確実かつ効率的に集め、各凸部20から滴下させることができる。
【0027】
次に、本実施形態の液体注入補助フィルタ1が取り得る凸部20の形状や配置とサイズ等の条件と液体注入補助フィルタ1からの液体の落下状態の関係について説明する。
【0028】
液体注入補助フィルタ1では、例えば凸部20のサイズを変更することで液体の滴下速度や液滴のサイズを調整することができる。具体的には凸部20のサイズを大きくすることで、単位時間当たりに液体が滴下する頻度(以下、滴下頻度という)を抑え、液滴のサイズを大きくすることができる。また例えば凸部20のサイズを小さくすることで、滴下頻度を上げ、液滴のサイズを小さくすることができる。凸部20のサイズを所定のサイズよりも小さくすると、液体を粒状ではなく、線状に連続して落下させることができる。なお、底部11及び凸部20内の微細孔の細孔直径を大きくすると滴下頻度を上げることができ、反対に細孔直径を小さくすると滴下頻度を下げることができる。
【0029】
また例えば液体注入補助フィルタ1では、凸部20が形成される位置を変更することで液体が落下する位置を調整することができる。例えば底部11の中心C側にのみに凸部20を設けることで、底部11の中心のみから液体が落下する構成となる。また例えば底部11の周縁部側のみに凸部20を設けることで底部11の周縁部側のみから液体を落下する構成となる。
【0030】
また例えば液体注入補助フィルタ1では、凸部20の形状に応じて液体の落下の仕方が異なる。
図6は、液体注入補助フィルタ1の凸部20の変形例を示す断面図である。例えば凸部20の形状は、下面112から離れるに従って先細りになる逆多角推状や円錐状であってもよい。これにより、本体部10に注がれた液体を効率的に底部11から各凸部20に集めつつ、各凸部20から液体をより小さい液滴として落下させるか又は液体を線状に連続して落下させることができる。
【0031】
また例えば凸部20は、下面112から離れるに従って幅広となる形状であってもよい。これにより、凸部20から落下する液滴のサイズをより大きくできるとともに、凸部20の下面112側の基端部22と下面112との接触面積を小さくすることができるので、液体が底部11から凸部20に伝わる速度を低減でき、液滴の滴下頻度をより抑えることができる。また例えば、本実施形態のように、凸部20の先端部21を球面状に形成することで、凸部20を大きくした場合であっても、液滴の滴下頻度を上げることができる。
【0032】
以上のように、凸部20の形状やサイズ、位置等のシンプルな設計の変更により、液体の滴下頻度や液滴のサイズ、落下位置等の種々の落下状態を実現できる。よって、例えばシンプルな設計の変更により、バリスタ毎の注ぎ方を再現した液体注入補助フィルタ1を製造することも可能となる。
【0033】
また、底部11の厚さと底部11及び凸部20の微細孔のサイズを調整することで、液体注入補助フィルタ1から落下する液体の温度を調整することができる。例えば底部11の厚さを3mm~5mmとし、底部11及び凸部20の中央細孔直径を100μm~130μmとすることで、本体部10に100℃の湯を注いだ場合にコーヒーの抽出に適した90℃の湯を落下させることができる。
【0034】
次に、液体注入補助フィルタ1の使用例について
図7を参照しながら説明する。
図7はコーヒーを抽出する場合の液体注入補助フィルタ1の使用例を示す模式図である。
【0035】
液体注入補助フィルタ1を用いてコーヒーを抽出する場合、まず
図7に示すように、抽出したコーヒーを回収するサーバー2と、ドリッパ3と、粉状にしたコーヒー豆5が収容されたフィルタ4が用意される。コーヒー豆5が収容されたフィルタ4は、ドリッパ3に装着され、サーバー2の上方に配置される。そして、液体注入補助フィルタ1が支持部材6によって支持された状態でフィルタ4の上方に配置される。このとき、液体注入補助フィルタ1は、凸部20の先端部21がフィルタ4側を向くように配置される。
【0036】
次に、
図7に示すように、ユーザによって薬缶7からお湯8が液体注入補助フィルタ1の開口13から注がれる。この結果、お湯8が底部11の上面111から底部11内の微細孔を伝い、微細孔が形成された各凸部20内に貯まり、液滴としてフィルタ4に向かって注がれる。このとき、底部11の全体に配置された各凸部20から複数の液滴が一定の速度でフィルタ4内のコーヒー豆5に落下する。そして、落下したお湯8によって抽出されたコーヒー抽出液がドリッパ3からサーバー2に注がれる。この結果、
図7に示すように、注ぎ口が広い薬缶7等を用いてコーヒーを抽出する場合であっても、液体注入補助フィルタ1を介して薬缶7から注がれたお湯8を一定の速度で分散させてフィルタ4に落下することができる。これにより、ゆっくりとコーヒー豆5全体を蒸らしながらコーヒー豆5を抽出でき、薬缶7のみを用いて局所的にお湯8を注いだ場合に比べて、より優れた味及び風味のコーヒーを抽出できる。
【0037】
次に、本実施形態の液体注入補助フィルタ1の製造方法の一例について説明する。本実施形態の液体注入補助フィルタ1の製造方法は、例えば混錬工程と、成形工程と、乾燥工程と、焼成工程とを含む。
【0038】
混練工程では、液体注入補助フィルタ1の材料が粘土状となるように混練される。混練工程においては、アルミナ、ベントナイト、非水溶性有機微粒子、水が混合されて混練物が得られる。アルミナ、ベントナイト及び非水溶性有機微粒子としては、いずれも粉状のものが用いられる。また、非水溶性有機微粒子としては、例えば粉状の結晶セルロースを用いることができる。
【0039】
成形工程では、混練工程で得られた混練物が、石膏製のフィルタ型に充填され、このフィルタ型を所定の力にてプレス加工が施される。フィルタ型は、液体注入補助フィルタ1の本体部10の内側を形成する内型と、本体部10の外側及び凸部20を形成する外型とからなる。成形工程では、1時間程度プレス加工が行われる。これにより、成形物が成形される。
【0040】
乾燥工程では、成形工程において成形された成形物がフィルタ型から取り出され、乾燥される。乾燥工程における乾燥時間は、気温や湿度等により適宜設定できる。乾燥工程における乾燥は、例えば、25℃、60%の湿度の環境において、3日程度行う。
【0041】
焼成工程では、成形工程において成形され、乾燥工程において乾燥された成形物が焼成される。より詳細には、乾燥工程において乾燥された成形物には、まず、バリ仕上げが施される。バリ仕上げにおいては、成形物から製品に不要な部分であるバリが削り取られる。その後、バリ仕上げが施された成形物は、1200℃~1300℃にて10時間~15時間焼成される。この焼成工程において、成形物中に含まれる非水溶性有機微粒子が分解されて多数の微細孔が形成される。また、成形物中に残存する水分が蒸発することによっても微細孔が形成される。以上の各工程を経て、液体注入補助フィルタ1は製造される。
【0042】
第1実施形態に係る液体注入補助フィルタ1によれば、以下の効果が奏される。
【0043】
(1)液体注入補助フィルタ1を、有底筒状を呈し、少なくとも底部11が多孔質であり、注がれる液体を受ける本体部10と、本体部10の底部11における液体が注がれる側とは反対側の面である下面112に形成される多孔質の複数の凸部20と、を備える構成とした。これにより、本体部10及び凸部20が多孔質であるので、本体部10に注がれた液体を底部11及び凸部20内の微細孔から複数の凸部20内に集めて、液体を局所的ではなく複数の凸部から分散させて落下させることができる。よって、簡素な構成で、手軽に液体を分散させて注ぐことができる。このため、例えばコーヒーを抽出する場合、本体部10にお湯を注ぐだけでコーヒー豆が収容されたフィルタにお湯を分散させて注ぐことができ、専用の装置等を用いずに手軽に味や風味に優れたコーヒーを抽出することができる。また、凸部20の位置やサイズ、形状等の設計を変更することで、種々の液体の落下状態をアレンジでき、例えば様々なバリスタによる液体の注ぎ方を再現することも可能となる。
【0044】
(2)液体注入補助フィルタ1を、本体部10と凸部20が多孔質のセラミックからなる構成とした。これにより、セラミックの微細孔を通り液体が滴下するので、液体の味を円やかにすることができる。例えばコーヒーの抽出に用いることで、より味や風味に優れたコーヒーを抽出できる。
【0045】
(3)液体注入補助フィルタ1を、本体部10と凸部20の中央細孔直径が80μm~180μmである構成とした。これにより、より確実かつ円滑に液体を底部11から各凸部20に集め、各凸部20から落下させることができる。
【0046】
(4)液体注入補助フィルタ1を、底部11の厚みが略均一であり、かつ底部11が平坦である構成とした。これにより、複数の凸部20のサイズや形状をそろえることで、複数の凸部20から均一に液体を注ぐことができる。
【0047】
次に、第2実施形態に係る液体注入補助フィルタ1Aの本体部10について
図8を参照しながら説明する。
図8は、第2実施形態に係る液体注入補助フィルタ1Aを示す図であって、
図4に対応する図である。なお、上記実施形態と同様の構成については、同様の符号を付してその説明を省略する場合がある。
【0048】
次に、第2実施形態に係る液体注入補助フィルタ1Aは、本体部10Aの底部11Aの構成が第1実施形態とは主に異なる。
【0049】
液体注入補助フィルタ1Aの本体部10Aは、有底筒状であり、底部11Aと、側部12と、開口13と、を有する。底部11Aの下面112Aには、複数の凸部20が形成される。
【0050】
底部11Aは、
図8に示すように縦断面視において開口13とは反対側に膨出する円弧状に形成される。具体的には底部11Aは、その中心に向かうにつれて、開口13に対して離れるように形成される。また底部11Aの厚みは一定である。即ち、底部11Aの上面111A及び下面112Aも底部11Aの中心に向かうにつれて開口13に対して離れるように形成される。
【0051】
第2実施形態に係る液体注入補助フィルタ1Aによれば、上記(1)~(3)に加えて、以下の効果が奏される。
【0052】
(5)液体注入補助フィルタ1Aを、底部11Aの下面112Aは、その中心に向かうにつれて、該底部11Aに対向し、液体が注がれる開口13に対して近づくように形成される。これにより、底部11Aの周縁部よりも中心側に形成される凸部20がより下方に位置することになるので、底部11Aに略同じ形状及びサイズの複数の凸部20が形成されている場合、底部11Aの周縁部側よりも中心側に形成される凸部20からより多くの液体を滴下することができる。
【0053】
次に、第3実施形態に係る液体注入補助フィルタ1Bの本体部10Bについて
図9を参照しながら説明する。
図9は、第3実施形態に係る液体注入補助フィルタ1Bを示す図であって、
図4に対応する図である。なお、第1実施形態と同様の構成については、同様の符号を付してその説明を省略する場合がある。
【0054】
第3実施形態に係る液体注入補助フィルタ1Bは、本体部10Bの底部11Bの構成が第1実施形態とは主に異なる。
【0055】
液体注入補助フィルタ1Bの本体部10Bは、有底筒状であり、底部11Bと、側部12と、開口13と、を有する。底部11Bの下面112Bには、複数の凸部20が形成される。
【0056】
底部11Bは、
図9に示すように縦断面視において開口13側に膨出する円弧状に形成される。具体的には底部11Bは、その中心に向かうにつれて、開口13に対して近づくように形成される。また底部11Bの厚みが一定である。即ち、底部11Bの上面111B及び下面112Bも底部11Bの中心に向かうにつれて開口13に対して近づくように形成される。
【0057】
第3実施形態に係る液体注入補助フィルタ1Bによれば、上記(1)~(3)に加えて、以下の効果が奏される。
【0058】
(6)液体注入補助フィルタ1Bを、底部11Bの下面112Bは、その中心に向かうにつれて、該底部11に対向し、液体が注がれる開口13に対して離れるように形成される。これにより、底部11Bの中心よりも周縁部側に形成される凸部20がより下方に位置することになるので、底部11Bに略同じ形状及びサイズの複数の凸部20が形成されている場合、底部11Bの中心側よりも周縁部側に形成される凸部20からより多くの液体を落下させることができる。
【0059】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に制限されるものではなく適宜変更が可能である。
【0060】
図1~
図4に示す液体注入補助フィルタ1では、複数の凸部20同士のサイズが略等しく形成されていたが、凸部20が形成される位置に応じて凸部20のサイズを変更してもよい。例えば液体注入補助フィルタ1は、底部11の周縁部側よりも中心の凸部20のサイズが大きい構成であってもよい。これにより、底部11の周縁部側よりも中心側の凸部20から落下する液体の割合を大きくすることができる。また例えば液体注入補助フィルタ1は、底部11の中心よりも周縁部側の凸部20のサイズが大きい構成であってもよい。これにより、底部11の中心側よりも周縁部側の凸部20から落下する液体の割合を大きくすることができる。
【0061】
上記実施形態では、本体部10と凸部20とを一体成形していたが、それぞれ別個に製造した後に本体部10と凸部20とを接合してもよい。
【符号の説明】
【0062】
1 液体注入補助フィルタ
10 本体部
11 底部
20 凸部
【要約】
【課題】簡素な構成で、手軽に液体を分散させて注ぐことができる液体注入補助フィルタを提供すること。
【解決手段】飲料用の液体注入補助フィルタ1は、有底筒状を呈し、少なくとも底部11が多孔質であり、注がれるお湯等の液体を受ける本体部10と、本体部10の底部11における液体が注がれる側とは反対側の面である下面112に形成される多孔質の複数の凸部20と、を備え、本体部10と凸部20は、多孔質のセラミックからなる。
【選択図】
図2