(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-18
(45)【発行日】2023-05-26
(54)【発明の名称】撮像素子および電子機器
(51)【国際特許分類】
H04N 25/70 20230101AFI20230519BHJP
H04N 25/771 20230101ALI20230519BHJP
H04N 25/77 20230101ALI20230519BHJP
H04N 25/10 20230101ALI20230519BHJP
【FI】
H04N25/70
H04N25/771
H04N25/77
H04N25/10
(21)【出願番号】P 2018228642
(22)【出願日】2018-12-06
【審査請求日】2021-11-29
(73)【特許権者】
【識別番号】316005926
【氏名又は名称】ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001357
【氏名又は名称】弁理士法人つばさ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】蓮見 良治
【審査官】三沢 岳志
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2012/153533(WO,A1)
【文献】特表2010-512050(JP,A)
【文献】特開2016-052041(JP,A)
【文献】国際公開第2013/099637(WO,A1)
【文献】特開2003-009003(JP,A)
【文献】特表2008-541454(JP,A)
【文献】特開2015-130533(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0197904(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 25/70
H04N 25/771
H04N 25/77
H04N 25/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の方向および第2の方向にm個(前記mは2以上の自然数)ずつ2次元アレイ状に配置された複数の第1の画素をそれぞれ含む、複数の第1の画素群と、
前記第1の方向および前記第2の方向にそれぞれm個ずつ2次元アレイ状に配置された複数の第2の画素をそれぞれ含み、前記第1の方向において前記第1の画素群と交互配置された複数の第2の画素群と、
前記第1の方向および前記第2の方向にそれぞれm個ずつ2次元アレイ状に配置された複数の第3の画素をそれぞれ含み、前記第2の方向において前記第1の画素群と交互配置された複数の第3の画素群と、
前記第1の方向および前記第2の方向にそれぞれm個ずつ2次元アレイ状に配置された複数の第4の画素をそれぞれ含み、前記第1の方向において前記第3の画素群と交互配置されると共に前記第2の方向において前記第2の画素群と交互配置された複数の第4の画素群と
を有し、
前記第1の画素群から前記第4の画素群における前記第1の方向の寸法は全
て等しい第1の寸法であり、
前記第1の画素群から前記第4の画素群における前記第2の方向の寸法は全
て等しい第2の寸法であり、
前記第1の寸法をXとし、前記第2の寸法をYとするとき、
前記第1の方向において互いに隣り合う前記第1の画素群と前記第2の画素群とは、
前記第1の方向に進むほど前記第2の方向と反対方向に[Y/n(前記nは2以上の自然数)]ずれた位置にあり、
前記第2の方向において互いに隣り合う前記第1の画素群と前記第3の画素群とは、
前記第2の方向に進むほど前記第1の方向に[X/n]ずれた位置にあり、
前記第1の方向において互いに隣り合う前記第3の画素群と前記第4の画素群とは、
前記第1の方向に進むほど前記第2の方向と反対方向に[Y/n]ずれた位置にあり、
前記第2の方向において互いに隣り合う前記第2の画素群と前記第4の画素群とは、
前記第2の方向に進むほど前記第1の方向に[X/n]ずれた位置にあ
り、
前記複数の第1の画素および前記複数の第4の画素は、いずれも第1の色の光を検出し、
前記複数の第2の画素は、いずれも第2の色の光を検出し、
前記複数の第3の画素は、いずれも第3の色の光を検出する
撮像素子。
【請求項2】
前記第1の色の光は緑色光であり、
前記第2の色の光は赤色光であり、
前記第3の色の光は青色光である
請求項1記載の撮像素子。
【請求項3】
前記第1の寸法と前記第2の寸法と
が等しい
請求項1記載の撮像素子。
【請求項4】
前記mは2であり、前記nは2である
請求項3記載の撮像素子。
【請求項5】
前記第1の画素群は、前記複数の第1の画素の受光面の全てを覆うように設けられた一の第1のレンズをさらに有し、
前記第2の画素群は、前記複数の第2の画素の受光面の全てを覆うように設けられた一の第2のレンズをさらに有し、
前記第3の画素群は、前記複数の第3の画素の受光面の全てを覆うように設けられた一の第3のレンズをさらに有し、
前記第4の画素群は、前記複数の第4の画素の受光面の全てを覆うように設けられた一の第4のレンズをさらに有する
請求項1記載の撮像素子。
【請求項6】
前記第1の画素群から前記第4の画素群により取り囲まれた間隙領域に、白色検出画素、近赤外光検出画素、像面位相差画素、および測距画素のうちの少なくとも1つが配設されている
請求項1記載の撮像素子。
【請求項7】
前記第1の画素から前記第4の画素は、それぞれ、
半導体層と、
前記半導体層に埋設され、受光量に応じた電荷を光電変換により生成する光電変換部と
を含む
請求項1記載の撮像素子。
【請求項8】
前記第1の画素群から前記第4の画素群は、それぞれ、複数の前記光電変換部において生成される複数の前記電荷を保持する複数の電荷保持部をさらに有し、
前記複数の電荷保持部は、前記第1の画素群から前記第4の画素群によりそれぞれ取り囲まれた複数の間隙領域にそれぞれ配設されている
請求項7記載の撮像素子。
【請求項9】
前記第1の画素群から前記第4の画素群は、それぞれ、前記第1の画素から前記第4の画素ごとに設けられた複数の増幅トランジスタをさらに有し、
前記複数の増幅トランジスタは、前記第1の画素群から前記第4の画素群によりそれぞれ取り囲まれた複数の間隙領域にそれぞれ配設されている
請求項7記載の撮像素子。
【請求項10】
前記第1の画素群から前記第4の画素群は、それぞれ、前記第1の画素から前記第4の画素ごとに設けられ、複数の前記光電変換部から溢れた前記電荷を外部へ排出する複数の排出トランジスタをさらに有し、
前記複数の排出トランジスタは、前記第1の画素群から前記第4の画素群によりそれぞれ取り囲まれた複数の間隙領域にそれぞれ配設されている
請求項7記載の撮像素子。
【請求項11】
撮像素子を備えた電子機器であって、
前記撮像素子は、
第1の方向および第2の方向にそれぞれm個(前記mは2以上の自然数)ずつ2次元アレイ状に配置された複数の第1の画素をそれぞれ含む、複数の第1の画素群と、
前記第1の方向および前記第2の方向にそれぞれm個ずつ2次元アレイ状に配置された複数の第2の画素をそれぞれ含み、前記第1の方向において前記第1の画素群と交互配置された複数の第2の画素群と、
前記第1の方向および前記第2の方向にそれぞれm個ずつ2次元アレイ状に配置された複数の第3の画素をそれぞれ含み、前記第2の方向において前記第1の画素群と交互配置された複数の第3の画素群と、
前記第1の方向および前記第2の方向にそれぞれm個ずつ2次元アレイ状に配置された複数の第4の画素をそれぞれ含み、前記第1の方向において前記第3の画素群と交互配置されると共に前記第2の方向において前記第2の画素群と交互配置された複数の第4の画素群と
を有し、
前記第1の画素群から前記第4の画素群における前記第1の方向の寸法は全
て等しい第1の寸法であり、
前記第1の画素群から前記第4の画素群における前記第2の方向の寸法は全
て等しい第2の寸法であり、
前記第1の寸法をXとし、前記第2の寸法をYとするとき、
前記第1の方向において互いに隣り合う前記第1の画素群と前記第2の画素群とは、
前記第1の方向に進むほど前記第2の方向と反対方向に[Y/n(前記nは2以上の自然数)]ずれた位置にあり、
前記第2の方向において互いに隣り合う前記第1の画素群と前記第3の画素群とは、
前記第2の方向に進むほど前記第1の方向に[X/n]ずれた位置にあり、
前記第1の方向において互いに隣り合う前記第3の画素群と前記第4の画素群とは、
前記第1の方向に進むほど前記第2の方向と反対方向に[Y/n]ずれた位置にあり、
前記第2の方向において互いに隣り合う前記第2の画素群と前記第4の画素群とは、
前記第2の方向に進むほど前記第1の方向に前記第1の方向において互いに[X/n]ずれた位置にあ
り、
前記複数の第1の画素および前記複数の第4の画素は、いずれも第1の色の光を検出し、
前記複数の第2の画素は、いずれも第2の色の光を検出し、
前記複数の第3の画素は、いずれも第3の色の光を検出する
電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、撮像素子およびそれを備えた電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
本出願人は、これまでに、2行2列で正方配置された4つ画素に対して同色の1つのカラーフィルタを設けてなる複数の画素群をベイヤ配列するようにしたQuadra配列を有する撮像素子を提案している(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、このような撮像素子においては、より高い解像度を有することが期待されている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一実施形態としての撮像素子は、複数の第1の画素群と、複数の第2の画素群と、複数の第3の画素群と、複数の第4の画素群とを有する。複数の第1の画素群は、第1の方向および第2の方向にそれぞれm個(mは2以上の自然数)ずつ2次元アレイ状に配置された複数の第1の画素をそれぞれ含む。複数の第2の画素群は、第1の方向および第2の方向にそれぞれm個ずつ2次元アレイ状に配置された複数の第2の画素をそれぞれ含み、第1の方向において第1の画素群と交互配置されている。複数の第3の画素群は、第1の方向および第2の方向にそれぞれm個ずつ2次元アレイ状に配置された複数の第3の画素をそれぞれ含み、第2の方向において第1の画素群と交互配置されている。複数の第4の画素群は、第1の方向および第2の方向にそれぞれm個ずつ2次元アレイ状に配置された複数の第4の画素をそれぞれ含み、第1の方向において第3の画素群と交互配置されると共に第2の方向において第2の画素群と交互配置されている。ここで、第1の画素群から第4の画素群における第1の方向の寸法は全て実質的に等しい第1の寸法であり、第1の画素群から第4の画素群における第2の方向の寸法は全て実質的に等しい第2の寸法である。第1の寸法をXとし、第2の寸法をYとするとき、第1の方向において互いに隣り合う第1の画素群と第2の画素群とは、第2の方向において互いに[Y/n(nは2以上の自然数)]ずれた位置にあり、第2の方向において互いに隣り合う第1の画素群と第3の画素群とは、第1の方向において互いに[X/n]ずれた位置にあり、第1の方向において互いに隣り合う第3の画素群と第4の画素群とは、第2の方向において互いに[Y/n]ずれた位置にあり、第2の方向において互いに隣り合う第2の画素群と第4の画素群とは、第1の方向において互いに[X/n]ずれた位置にある。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】本開示の一実施の形態に係る撮像素子の機能の全体構成例を表すブロック図である。
【
図2】
図1に示した撮像素子における一の画素群の回路構成を表す回路図である。
【
図3】
図1に示した撮像素子における画素アレイ部の平面構成例を表す平面図である。
【
図4】
図1に示した撮像素子における一の画素群の断面構成を表す断面図である。
【
図5】本開示の第1の変形例としての画素アレイ部の平面構成例を表す平面図である。
【
図6】本開示の第2の変形例としての画素アレイ部の平面構成例を表す平面図である。
【
図7】本開示の第3の変形例としての画素アレイ部の平面構成例を表す平面図である。
【
図8】本開示の第4の変形例としての画素アレイ部の平面構成例を表す平面図である。
【
図9】本開示の一実施の形態に係る撮像素子を備えた電子機器の全体構成例を表す概略図である。
【
図10】車両制御システムの概略的な構成の一例を示すブロック図である。
【
図11】車外情報検出部及び撮像部の設置位置の一例を示す説明図である。
【
図12】本開示の第5の変形例としての画素アレイ部の一部の断面構成例を表す部分断面図である。
【
図13】本開示の第6の変形例としての画素アレイ部の一部の断面構成例を表す部分断面図である。
【
図14】本開示の第7の変形例としての画素アレイ部の一部の断面構成例を表す部分断面図である。
【
図15】参考例としての画素アレイ部の平面構成例を表す平面図である。
【
図16】本開示の第8の変形例としての画素アレイ部の回路構成を表す回路図である。
【
図17】本開示の第8の変形例としての画素アレイ部の一部の断面構成例を表す部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本開示の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.一実施の形態
Quadra配列された複数の画素群の相対位置を、縦方向および横方向において所定量だけずらすように配置した撮像素子の例。
2.一実施の形態の変形例
(2.1)第1の変形例:複数の画素群の間隙領域に白色画素を設けるようにした例。
(2.2)第2の変形例:複数の画素群の間隙領域に近赤外光検出画素を設けるようにした例。
(2.3)第3の変形例:複数の画素群の間隙領域に像面位相差画素を設けるようにした例。
(2.4)第4の変形例:複数の画素群の間隙領域に測距用画素を設けるようにした例。
3.電子機器への適用例
4.移動体への適用例
5.その他の変形例
【0008】
<1.一実施の形態>
[固体撮像素子101の構成]
図1は、本技術の一実施の形態に係る固体撮像素子101の機能の構成例を示すブロック図である。
【0009】
固体撮像素子101は、例えばCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサなどの、いわゆるグローバルシャッタ方式の裏面照射型イメージセンサである。固体撮像素子101は、被写体からの光を受光して光電変換し、画像信号を生成することで画像を撮像するようになっている。
【0010】
グローバルシャッタ方式とは、基本的には全画素同時に露光を開始し、全画素同時に露光を終了するグローバル露光を行う方式である。ここで、全画素とは、画像に現れる部分の画素の全てということであり、ダミー画素等は除外される。また、時間差や画像の歪みが問題にならない程度に十分小さければ、全画素同時ではなく、複数行(例えば、数十行)単位でグローバル露光を行いながら、グローバル露光を行う領域を移動する方式もグローバルシャッタ方式に含まれる。また、画像に表れる部分の画素の全てでなく、所定領域の画素に対してグローバル露光を行う方式もグローバルシャッタ方式に含まれる。
【0011】
裏面照射型イメージセンサとは、被写体からの光を受光して電気信号に変換するフォトダイオード等の光電変換部が、被写体からの光が入射する受光面と、各画素を駆動させるトランジスタ等の配線が設けられた配線層との間に設けられている構成のイメージセンサをいう。
【0012】
固体撮像素子101は、例えば、画素アレイ部111、垂直駆動部112、カラム信号処理部113、データ格納部119、水平駆動部114、システム制御部115、および信号処理部118を備えている。
【0013】
固体撮像素子101では、半導体基板11(後出)上に画素アレイ部111が形成される。垂直駆動部112、カラム信号処理部113、データ格納部119、水平駆動部114、システム制御部115、および信号処理部118などの周辺回路は、例えば、画素アレイ部111と同じ半導体基板11上に形成される。
【0014】
画素アレイ部111は、被写体から入射した光の量に応じた電荷を生成して蓄積する光電変換部51(後出)を含むセンサ画素110を複数有する。センサ画素110は、
図1に示したように、横方向(行方向)および縦方向(列方向)のそれぞれに配列される。画素アレイ部111では、行方向に一列に配列されたセンサ画素110からなる画素行ごとに、画素駆動線116が行方向に沿って配線され、列方向に一列に配列されたセンサ画素110からなる画素列ごとに、垂直信号線(VSL)117が列方向に沿って配線されている。
【0015】
垂直駆動部112は、シフトレジスタやアドレスデコーダなどからなる。垂直駆動部112は、複数の画素駆動線116を介して複数のセンサ画素110に対し信号等をそれぞれ供給することにより、画素アレイ部111における複数のセンサ画素110の全てを同時に駆動させ、または画素行単位で駆動させる。
【0016】
垂直駆動部112は、後出の排出トランジスタ(OFG)58に駆動信号S58を入力しオンにすることで、各センサ画素110における後出の光電変換部(PD)51と電源VDD2との間を導通させる。この結果、PD51から不要な電荷が掃き出される。これをリセットという。そののち、垂直駆動部112は、OFG58に駆動信号S58を入力しオフすることで、各センサ画素110における露光を開始することができる。露光開始後、垂直駆動部112は、第1の転送トランジスタ(TG)52Aに駆動信号S58を入力し、TG52Aをオンからオフに切り替えることにより、PD51において生成および蓄積された電荷を後出の電荷保持部(MEM)59に転送することができる。PD51からMEM59への電荷の転送が完了した時点で露光が終了する。
【0017】
ここで、OFG58のオフ動作およびTG52Aのオフ動作は、画素アレイ部111における全てのセンサ画素110に対して同時に行われる。これにより、画素アレイ部111における全てのセンサ画素110における露光の開始および露光の終了が同時に行われるようになっている。
【0018】
垂直駆動部112によって選択走査された画素行の各単位画素から出力される信号は、VSL117の各々を通してカラム信号処理部113に供給されるようになっている。カラム信号処理部113は、画素アレイ部111の画素列ごとに、選択行の各単位画素からVSL117を通して出力される信号に対して所定の信号処理を行うとともに、信号処理後の画素信号を一時的に保持するようになっている。
【0019】
具体的には、カラム信号処理部113は、例えばシフトレジスタやアドレスデコーダなどからなり、ノイズ除去処理、相関二重サンプリング処理、アナログ画素信号のA/D(Analog/Digital)変換処理等を行い、ディジタル画素信号を生成する。カラム信号処理部113は、生成した画素信号を信号処理部118に供給する。
【0020】
水平駆動部114は、シフトレジスタやアドレスデコーダなどによって構成され、カラム信号処理部113の画素列に対応する単位回路を順番に選択するようになっている。この水平駆動部114による選択走査により、カラム信号処理部113において単位回路ごとに信号処理された画素信号が順番に信号処理部118に出力されるようになっている。
【0021】
システム制御部115は、各種のタイミング信号を生成するタイミングジェネレータ等からなる。システム制御部115は、タイミングジェネレータで生成されたタイミング信号に基づいて、垂直駆動部112、カラム信号処理部113、および水平駆動部114の駆動制御を行なうものである。
【0022】
信号処理部118は、必要に応じてデータ格納部119にデータを一時的に格納しながら、カラム信号処理部113から供給された画素信号に対して演算処理等の信号処理を行ない、各画素信号からなる画像信号を出力するものである。
【0023】
データ格納部119は、信号処理部118での信号処理にあたり、その信号処理に必要なデータを一時的に格納するようになっている。
【0024】
[センサ画素110の構成]
(回路構成例)
次に、
図2を参照して、
図1の画素アレイ部111に設けられたセンサ画素110の回路構成例について説明する。
図2は、画素アレイ部111を構成する複数のセンサ画素110のうちの1つのセンサ画素110の回路構成例を示している。
【0025】
図2に示した例では、画素アレイ部111におけるセンサ画素110は、メモリ保持型のグローバルシャッタを実現している。センサ画素110は、電源VDD1,VDD2、光電変換部(PD)51、第1の転送トランジスタ(TG)52A、第2の転送トランジスタ(TG)52B、電荷電圧変換部(FD)53、リセットトランジスタ(RST)54、増幅トランジスタ(AMP)55、選択トランジスタ(SEL)56、排出トランジスタ(OFG)58、および電荷保持部(MEM)59を含んでいる。
【0026】
この例では、TG52A,52B、RST54、AMP55、SEL56およびOFG58は、いずれもN型のMOSトランジスタである。これらTG52A,52B、RST54、SEL56およびOFG58における各ゲート電極には、駆動信号S52A,S52B,S54,S56,S58がそれぞれシステム制御部115の駆動制御に基づき垂直駆動部112および水平駆動部114により供給される。また、AMP55におけるゲート電極には、駆動信号S55がセンサ画素110内のFD53から供給される。駆動信号S52A,S52B,S54,S55,S56,S58は、高レベルの状態がアクティブ状態(オンの状態)となり、低レベルの状態が非アクティブ状態(オフの状態)となるパルス信号である。なお、以下、駆動信号をアクティブ状態にすることを、駆動信号をオンするとも称し、駆動信号を非アクティブ状態にすることを、駆動信号をオフするとも称する。
【0027】
PD51は、例えばPN接合のフォトダイオードからなる光電変換素子であり、被写体からの光を受光して、その受光量に応じた電荷を光電変換により生成し、蓄積するように構成されている。
【0028】
MEM59は、PD51とFD53との間に設けられており、グローバルシャッタ機能を実現するため、PD51において生成されて蓄積された電荷をFD53に転送するまでの間、一時的にその電荷を保持する領域である。
【0029】
TG52AはPD51とMEM59との間に配置されており、TG52BはMEM59とFD53との間に配置されている。TG52Aは、TG52Aのゲート電極に印加される駆動信号S52Aに応じて、PD51に蓄積されている電荷をMEM59へ転送するように構成されている。TG52Bは、TG52Bのゲート電極に印加される駆動信号S52Bに応じて、MEM59に一時的に保持された電荷をFD53に転送するように構成されている。これらのTG52A,52Bは、本開示の「転送部」に対応する一具体例である。センサ画素110では、例えば、駆動信号S52Aがオフし、TG52Aがオフし、駆動信号S52Bがオンし、TG52Bがオンすると、MEM59に保持されている電荷がTG52Bを介して、FD53へ転送されるようになっている。
【0030】
RST54は、電源VDD1に接続されたドレインと、FD53に接続されたソースとを有している。RST54は、そのゲート電極に印加される駆動信号S54に応じて、FD53を初期化、すなわちリセットする。例えば、駆動信号S54がオンし、RST54がオンすると、FD53の電位が電源VDD1の電圧レベルにリセットされる。すなわち、FD53の初期化が行われる。
【0031】
FD53は、TG52A、MEM59およびTG52Bを介してPD51から転送されてきた電荷を電気信号(例えば、電圧信号)に変換して出力する浮遊拡散領域である。FD53には、RST54が接続されるとともに、AMP55およびSEL56を介してVSL117が接続されている。
【0032】
AMP55は、FD53の電位に応じた電気信号を出力する。AMP55は、例えばカラム信号処理部113に設けられた定電流源とソースフォロワ回路を構成している。SEL56は、当該センサ画素110が選択されたときにオンされ、FD53からAMP55を経由した電気信号を、VSL117を通してカラム信号処理部113へ出力するようになっている。
【0033】
センサ画素110は、PD51の電荷の転送先として、FD53のほかに電源VDD2をさらに備えている。排出トランジスタ(OFG)58は、PD51とVDD2との間に配置されている。
【0034】
OFG58は、電源VDD2に接続されたドレインと、TG52AとPD51とを結ぶ配線に接続されたソースとを有している。OFG58は、そのゲート電極に印加される駆動信号S58に応じて、PD51を初期化、すなわちリセットする。PD51をリセットする、とは、PD51を空乏化するという意味である。
【0035】
また、OFG58は、TG52Aと電源VDD2との間にオーバーフローパスを形成し、PD51から溢れた電荷を電源VDD2に排出するようになっている。このように、本実施の形態のセンサ画素110では、OFG58がPD51を直接リセットすることができる。
【0036】
(画素アレイ部111の平面構成例)
次に、
図3を参照して、
図1の画素アレイ部111の平面構成例および断面構成例について説明する。
図3は、画素アレイ部111の一部の平面構成例を表す概略平面図である。
【0037】
図3に示したように、固体撮像素子101の画素アレイ部111は、例えば4種類の画素群、すなわち第1~第4の画素群G1~G4をそれぞれ複数有している。複数の第1の画素群G1は、X軸方向およびY軸方向にm個(mは2以上の自然数)ずつ2次元アレイ状に配置された複数の第1の画素1をそれぞれ含んでいる。第1の画素1は、
図1および
図2で説明したセンサ画素110に対応する。なお、
図3などではm=2の場合を例示しており、本実施の形態ではm=2の場合について説明する。したがって、複数の第1の画素群G1は、それぞれ、2行×2列で正方配列された4つの第1の画素1A~1Dを含んでいる。同様に、複数の第2の画素群G2は、X軸方向およびY軸方向にm個ずつ2次元アレイ状に配置された複数の第2の画素2をそれぞれ含んでおり、例えば
図3に示したように2行×2列で正方配列された4つの第2の画素2A~2Dを含んでいる。第2の画素2は、
図1および
図2で説明したセンサ画素110に対応する。同様に、複数の第3の画素群G3は、X軸方向およびY軸方向にm個ずつ2次元アレイ状に配置された複数の第3の画素3をそれぞれ含んでおり、例えば
図3に示したように2行×2列で正方配列された4つの第3の画素3A~3Dを含んでいる。第3の画素3は、
図1および
図2で説明したセンサ画素110に対応する。同様に、複数の第4の画素群G4は、X軸方向およびY軸方向にm個ずつ2次元アレイ状に配置された複数の第4の画素4をそれぞれ含んでおり、例えば
図3に示したように2行×2列で正方配列された4つの第4の画素4A~4Dを含んでいる。第4の画素4は、
図1および
図2で説明したセンサ画素110に対応する。
【0038】
画素アレイ部111では、第1の画素群G1から第4の画素群G4におけるX軸方向の寸法は全て実質的に等しい第1の寸法Xであり、第1の画素群G1から第4の画素群G4におけるY軸方向の寸法は全て実質的に等しい第2の寸法Yである。ここで、特に第1の寸法Xと第2の寸法Yとが互いに実質的に等しい、すなわちX=Yであることが望ましい。なお、X軸方向は、本開示の「第1方向」に対応する一具体例であり、Y軸方向は、本開示の「第2方向」に対応する一具体例である。
【0039】
画素アレイ部111では、それらの第1~第4の画素群G1~G4がQuadra配列されている。すなわち、X軸方向において、第1の画素群G1と第2の画素群G2とが交互配置されると共に第3の画素群G3と第4の画素群G4とが交互配置されている。但し、X軸方向において互いに隣り合う第1の画素群G1と第2の画素群G2とは、Y軸方向において互いに[Y/n(nは2以上の自然数)]だけずれた位置にある。同様に、X軸方向において互いに隣り合う第3の画素群G3と第4の画素群G4とは、Y軸方向において互いに[Y/n]だけずれた位置にある。なお、
図3ではn=2の場合を例示している。したがって、
図3の例では、隣接する第1の画素群G1と第2の画素群G2とは、+X方向に進むに従い、-Y方向に[Y/2]だけ変位するように交互配列されている。また、隣接する第3の画素群G3と第4の画素群G4とは、+X方向に進むに従い、-Y方向に[Y/2]だけ変位するように交互配列されている。
【0040】
画素アレイ部111では、
図3に示したように、Y軸方向において、第1の画素群G1と第3の画素群G3とが交互配置されると共に第2の画素群G2と第4の画素群G4とが交互配置されている。但し、Y軸方向において互いに隣り合う第1の画素群G1と第3の画素群G3とは、X軸方向において互いに[X/n(nは2以上の自然数)]だけずれた位置にある。同様に、Y軸方向において互いに隣り合う第2の画素群G2と第4の画素群G4とは、X軸方向において互いに[X/n]だけずれた位置にある。なお、
図3ではn=2の場合を例示している。したがって、
図3の例では、隣接する第1の画素群G1と第3の画素群G3とは、+Y方向に進むに従い、+X方向に[X/2]だけ変位するように交互配列されている。また、第2の画素群G2と第4の画素群G4とは、+Y方向に進むに従い、+X方向に[X/2]だけ変位するように交互配列されている。
【0041】
ここで、本実施の形態における画素アレイ部111を、例えば
図15に示した参考例としての画素アレイ部111Zと比較する。
図15に示した参考例としての画素アレイ部111Zでは、X軸方向およびY軸方向に沿って真っ直ぐずれることなく第1~第4の画素群G1~G4が配列されている。
図15に示した参考例としての画素アレイ部111Zと比較すると、画素アレイ部111では、例えばある画素群(例えば第1の画素群G1)に着目した場合、その画素群を中心として時計回りの方向に他の画素群(2つの第2の画素群G2および2つの第3の画素群G3)がX/nまたはY/nだけ移動した状態となっている。このため、画素アレイ部111では、第1の画素群G1から第4の画素群G4により取り囲まれた間隙領域GRが、4つの画素群につき1つの割合で存在している。
【0042】
また、画素アレイ部111では、第1の画素1および第4の画素4は、いずれも第1の色としての緑色光(G)を検出し、第2の画素2は、第2の色としての赤色光(R)を検出し、第3の画素3は、第3の色としての青色光(B)を検出するようになっている。したがって、第1~第4の画素群G1~G4の色の配列はベイヤ配列となっている。
【0043】
(画素アレイ部111の断面構成例)
次に、
図4を参照して、
図1の画素アレイ部111の断面構成例について説明する。
図4は、X軸方向において互いに隣接する第1の画素群G1および第2の画素群G2を通る断面の構成例を表す断面図である。
図4に示した断面は、
図3に示したIV-IV切断線に沿った矢視方向の断面に相当する。なお、第1~第4の画素群G1~G4は、カラーフィルタCFの色が異なることを除き、他は実質的に同じ構成を有する。
【0044】
図4に示したように、センサ画素110、すなわち第1の画素群G1を形成する第1の画素1および第2の画素群G2を形成する第2の画素2は、いずれも、半導体基板11と、配線層12と、カラーフィルタCF(CF1,CF2)と、外光が入射されるオンチップレンズLNS(LNS1,LNS2)とを有している。
【0045】
半導体基板11は、例えば単結晶シリコン基板からなる。半導体基板11は、オンチップレンズLNSとカラーフィルタCFとを透過した被写体からの光を受光する受光面である裏面11Bと、その裏面11Bと反対側の表面11Aとを有している。
【0046】
半導体基板11には、PD51が設けられている。PD51は、例えば裏面11Bに近い位置から順に、N-型半導体領域51AとN型半導体領域51Bとを有している。裏面11Bに入射した光は、N-型半導体領域51Aにおいて光電変換されて電荷が生成されたのち、その電荷がN型半導体領域51Bに蓄積されるようになっている。なお、N-型半導体領域51AとN型半導体領域51Bとの境界は必ずしも明確ではなく、例えばN-型半導体領域51AからN型半導体領域51Bへ向かうにつれて徐々にN型の不純物濃度が高くなっていればよい。
【0047】
半導体基板11には、さらに、素子分離部13が設けられている。素子分離部13は、互いに隣り合うセンサ画素110同士の境界位置において半導体基板11を貫くようにZ軸方向に延在すると共に各PD51を取り囲む壁状の部材である。素子分離部13により、互いに隣り合うセンサ画素110同士は電気的に分離されている。素子分離部13は、例えば酸化珪素などの絶縁材料によって構成されている。半導体基板11には、さらに、素子分離部13とPD51との間に、素子分離部13の側面に沿って設けられたP型半導体領域14を有していてもよい。
【0048】
固定電荷膜15は、裏面11Bを覆うように設けられており、半導体基板11の受光面である裏面11Bの界面準位に起因する暗電流の発生を抑制するため、負の固定電荷を有している。固定電荷膜15が誘起する電界により、半導体基板11の裏面11B近傍にホール蓄積層が形成される。このホール蓄積層によって裏面11Bからの電子の発生が抑制される。
【0049】
カラーフィルタCFは、固定電荷膜15の上に設けられている。カラーフィルタCFと固定電荷膜15との間に、反射防止膜や平坦化膜などの他の膜を介在させるようにしてもよい。なお、第1の画素群G1では、例えば4つの第1の画素1(1A~1D)に対して1つのカラーフィルタCF1が設けられている。同様に、第2の画素群G2では4つの第2の画素2(2A~2D)に対して1つのカラーフィルタCF2が設けられ、第3の画素群G3では4つの第3の画素3(3A~3D)に対して1つのカラーフィルタCF3が設けられ、第4の画素群G4では4つの第4の画素4(4A~4D)に対して1つのカラーフィルタCF4が設けられている。本実施の形態では、カラーフィルタCF1およびカラーフィルタCF4は緑色であり、カラーフィルタCF2は赤色であり、カラーフィルタCF3は青色である。
【0050】
オンチップレンズLNSは、カラーフィルタCFから見て固定電荷膜15と反対側に位置し、カラーフィルタCFと接するように設けられている。第1の画素群G1では、4つの第1の画素1(1A~1D)に対してその受光面の全てを覆うように1つのオンチップレンズLNS1が設けられている。同様に、第2の画素群G2では4つの第2の画素2(2A~2D)に対してその受光面の全てを覆うように1つのオンチップレンズLNS2が設けられ、第3の画素群G3では4つの第3の画素3(3A~3D)に対してその受光面の全てを覆うように1つのオンチップレンズLNS3が設けられ、第4の画素群G4では4つの第4の画素4(4A~4D)に対してその受光面の全てを覆うように1つのオンチップレンズLNS4が設けられている。
【0051】
配線層12は、半導体基板11の表面11Aを覆うように設けられており、
図2に示したセンサ画素110の画素回路を構成するTG52A、TG52B、およびMEM59などを含んでいる。
【0052】
[固体撮像素子101の作用効果]
このように、本実施の形態の固体撮像素子101では、X軸方向に交互配置される2種類の画素群(例えば第1の画素群G1および第2の画素群G2)の相対位置をY軸方向に所定量(Y/n)ずつずらすようにした。さらに、Y軸方向に交互配置される2種類の画素群(例えば第1の画素群G1および第3の画素群G3)の相対位置をX軸方向に所定量(X/n)ずつずらすようにした。そのため、画素アレイ部111における画素群のX軸方向の配置ピッチおよびY軸方向の配置ピッチを短くすることができる。
【0053】
ここで、本実施の形態の画素アレイ部111を、例えば
図15に示した参考例としての画素アレイ部111Zと比較する。画素アレイ部111Zでは、X軸方向に沿って、第1の画素群G1と第2の画素群G2とが交互配置されると共に、第3の画素群G3と第4の画素群G4とが交互配置されている。また、画素アレイ部111Zでは、Y軸方向に沿って、第1の画素群G1と第3の画素群G3とが交互配置されると共に、第2の画素群G2と第4の画素群G4とが交互配置されている。このとき、画素アレイ部111Zでは、例えばX軸方向において最近接の位置にある2つの第1の画素群G1同士の間隔PxはPx=X*2で表される。すなわち、画素アレイ部111Zでは、第1の画素群G1を構成する4つの第1の画素1を加算して画像を出力する場合、X軸方向における第1の画素群G1の出力ピッチPxはPx=X*2で表される。また、画素アレイ部111Zでは、Y軸方向において最近接の位置にある2つの第1の画素群G1同士の間隔PyはPy=Y*2で表される。すなわち、画素アレイ部111Zでは、第1の画素群G1を構成する4つの第1の画素1を加算して画像を出力する場合、Y軸方向における第1の画素群G1の出力ピッチPyはPy=Y*2で表される。なお、
図15に示した画素アレイ部111Zでは、例えばオンチップレンズLNSとPD51とのXY面内における位置ずれや、オンチップレンズLNSに対する斜入射光に起因する混色などにより、同じ画素群内における画素間の出力差が生じる。そのため、画質を維持しつつ、高解像度化を図ることは困難な場合がある。
【0054】
これに対し、本実施の形態の画素アレイ部111では、
図3に示したように、例えばX軸方向において最近接の位置にある2つの第1の画素群G1同士の間隔PxはPx=X*1で表される。すなわち、画素アレイ部111では、第1の画素群G1を構成する4つの第1の画素1を加算して画像を出力する場合、X軸方向における第1の画素群G1の出力ピッチPxはPx=X*1であり、1つ分の第1の画素群G1のX軸方向の寸法Xと同じである。また、画素アレイ部111では、Y軸方向において最近接の位置にある2つの第1の画素群G1同士の間隔PyはPy=Y*1で表される。すなわち、第1の画素群G1を構成する4つの第1の画素1を加算して画像を出力する場合、Y軸方向における第1の画素群G1の出力ピッチPyはPy=Y*1であり、1つ分の第1の画素群G1のY軸方向の寸法Yと同じである。したがって、本実施の形態の画素アレイ部111では、参考例としての画素アレイ部111Zと比較すると、X軸方向およびY軸方向における解像度をそれぞれ2倍に向上させることができる。
【0055】
<2.一実施の形態の変形例>
(2.1)
図5は、本開示の一実施の形態の第1の変形例としての画素アレイ部111Aの全体構成例を模式的に表した平面図である。この画素アレイ部111Aでは、間隙領域GRに、白色画素5を設けるようにしたものである。このような構成を有する画素アレイ部111Aを備えた固体撮像素子によれば、高解像度化を図りつつ、高感度化を実現することができる。
【0056】
(2.2)
図6は、本開示の一実施の形態の第2の変形例としての画素アレイ部111Bの全体構成例を模式的に表した平面図である。この画素アレイ部111Bでは、間隙領域GRに、近赤外光検出画素6を設けるようにしたものである。このような構成を有する画素アレイ部111Bを備えた固体撮像素子によれば、高解像度化を図りつつ、近赤外光の検出をも行うことができる。
【0057】
(2.3)
図7は、本開示の一実施の形態の第3の変形例としての画素アレイ部111Cの全体構成例を模式的に表した平面図である。この画素アレイ部111Cでは、間隙領域GRに、像面位相差検出画素7を設けるようにしたものである。このような構成を有する画素アレイ部111Cを備えた固体撮像素子によれば、高解像度化を図りつつ、被写体の焦点検出をも行うことができる。
【0058】
(2.4)
図8は、本開示の一実施の形態の第4の変形例としての画素アレイ部111Dの全体構成例を模式的に表した平面図である。この画素アレイ部111Dでは、間隙領域GRに、測距用画素8を設けるようにしたものである。このような構成を有する画素アレイ部111Dを備えた固体撮像素子によれば、高解像度化を図りつつ、被写体までの距離の検出をも行うことができる。
【0059】
<3.電子機器への適用例>
図9は、本技術を適用した電子機器としてのカメラ2000の構成例を示すブロック図である。
【0060】
カメラ2000は、レンズ群などからなる光学部2001、上述の固体撮像素子101など(以下、固体撮像素子101等という。)が適用される撮像装置(撮像デバイス)2002、およびカメラ信号処理回路であるDSP(Digital Signal Processor)回路2003を備える。また、カメラ2000は、フレームメモリ2004、表示部2005、記録部2006、操作部2007、および電源部2008も備える。DSP回路2003、フレームメモリ2004、表示部2005、記録部2006、操作部2007および電源部2008は、バスライン2009を介して相互に接続されている。
【0061】
光学部2001は、被写体からの入射光(像光)を取り込んで撮像装置2002の撮像面上に結像する。撮像装置2002は、光学部2001によって撮像面上に結像された入射光の光量を画素単位で電気信号に変換して画素信号として出力する。
【0062】
表示部2005は、例えば、液晶パネルや有機ELパネル等のパネル型表示装置からなり、撮像装置2002で撮像された動画または静止画を表示する。記録部2006は、撮像装置2002で撮像された動画または静止画を、ハードディスクや半導体メモリ等の記録媒体に記録する。
【0063】
操作部2007は、ユーザによる操作の下に、カメラ2000が持つ様々な機能について操作指令を発する。電源部2008は、DSP回路2003、フレームメモリ2004、表示部2005、記録部2006および操作部2007の動作電源となる各種の電源を、これら供給対象に対して適宜供給する。
【0064】
上述したように、撮像装置2002として、上述した固体撮像素子101等を用いることで、良好な画像の取得が期待できる。
【0065】
<4.移動体への応用例>
本開示に係る技術(本技術)は、様々な製品へ応用することができる。例えば、本開示に係る技術は、自動車、電気自動車、ハイブリッド電気自動車、自動二輪車、自転車、パーソナルモビリティ、飛行機、ドローン、船舶、ロボット等のいずれかの種類の移動体に搭載される装置として実現されてもよい。
【0066】
図10は、本開示に係る技術が適用され得る移動体制御システムの一例である車両制御システムの概略的な構成例を示すブロック図である。
【0067】
車両制御システム12000は、通信ネットワーク12001を介して接続された複数の電子制御ユニットを備える。
図10に示した例では、車両制御システム12000は、駆動系制御ユニット12010、ボディ系制御ユニット12020、車外情報検出ユニット12030、車内情報検出ユニット12040、及び統合制御ユニット12050を備える。また、統合制御ユニット12050の機能構成として、マイクロコンピュータ12051、音声画像出力部12052、及び車載ネットワークI/F(Interface)12053が図示されている。
【0068】
駆動系制御ユニット12010は、各種プログラムにしたがって車両の駆動系に関連する装置の動作を制御する。例えば、駆動系制御ユニット12010は、内燃機関又は駆動用モータ等の車両の駆動力を発生させるための駆動力発生装置、駆動力を車輪に伝達するための駆動力伝達機構、車両の舵角を調節するステアリング機構、及び、車両の制動力を発生させる制動装置等の制御装置として機能する。
【0069】
ボディ系制御ユニット12020は、各種プログラムにしたがって車体に装備された各種装置の動作を制御する。例えば、ボディ系制御ユニット12020は、キーレスエントリシステム、スマートキーシステム、パワーウィンドウ装置、あるいは、ヘッドランプ、バックランプ、ブレーキランプ、ウィンカー又はフォグランプ等の各種ランプの制御装置として機能する。この場合、ボディ系制御ユニット12020には、鍵を代替する携帯機から発信される電波又は各種スイッチの信号が入力され得る。ボディ系制御ユニット12020は、これらの電波又は信号の入力を受け付け、車両のドアロック装置、パワーウィンドウ装置、ランプ等を制御する。
【0070】
車外情報検出ユニット12030は、車両制御システム12000を搭載した車両の外部の情報を検出する。例えば、車外情報検出ユニット12030には、撮像部12031が接続される。車外情報検出ユニット12030は、撮像部12031に車外の画像を撮像させるとともに、撮像された画像を受信する。車外情報検出ユニット12030は、受信した画像に基づいて、人、車、障害物、標識又は路面上の文字等の物体検出処理又は距離検出処理を行ってもよい。
【0071】
撮像部12031は、光を受光し、その光の受光量に応じた電気信号を出力する光センサである。撮像部12031は、電気信号を画像として出力することもできるし、測距の情報として出力することもできる。また、撮像部12031が受光する光は、可視光であっても良いし、赤外線等の非可視光であっても良い。
【0072】
車内情報検出ユニット12040は、車内の情報を検出する。車内情報検出ユニット12040には、例えば、運転者の状態を検出する運転者状態検出部12041が接続される。運転者状態検出部12041は、例えば運転者を撮像するカメラを含み、車内情報検出ユニット12040は、運転者状態検出部12041から入力される検出情報に基づいて、運転者の疲労度合い又は集中度合いを算出してもよいし、運転者が居眠りをしていないかを判別してもよい。
【0073】
マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030又は車内情報検出ユニット12040で取得される車内外の情報に基づいて、駆動力発生装置、ステアリング機構又は制動装置の制御目標値を演算し、駆動系制御ユニット12010に対して制御指令を出力することができる。例えば、マイクロコンピュータ12051は、車両の衝突回避あるいは衝撃緩和、車間距離に基づく追従走行、車速維持走行、車両の衝突警告、又は車両のレーン逸脱警告等を含むADAS(Advanced Driver Assistance System)の機能実現を目的とした協調制御を行うことができる。
【0074】
また、マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030又は車内情報検出ユニット12040で取得される車両の周囲の情報に基づいて駆動力発生装置、ステアリング機構又は制動装置等を制御することにより、運転者の操作に拠らずに自律的に走行する自動運転等を目的とした協調制御を行うことができる。
【0075】
また、マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030で取得される車外の情報に基づいて、ボディ系制御ユニット12020に対して制御指令を出力することができる。例えば、マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030で検知した先行車又は対向車の位置に応じてヘッドランプを制御し、ハイビームをロービームに切り替える等の防眩を図ることを目的とした協調制御を行うことができる。
【0076】
音声画像出力部12052は、車両の搭乗者又は車外に対して、視覚的又は聴覚的に情報を通知することが可能な出力装置へ音声及び画像のうちの少なくとも一方の出力信号を送信する。
図10の例では、出力装置として、オーディオスピーカ12061、表示部12062及びインストルメントパネル12063が例示されている。表示部12062は、例えば、オンボードディスプレイ及びヘッドアップディスプレイの少なくとも一つを含んでいてもよい。
【0077】
図11は、撮像部12031の設置位置の例を示す図である。
【0078】
図11では、撮像部12031として、撮像部12101、12102、12103、12104、12105を有する。
【0079】
撮像部12101、12102、12103、12104、12105は、例えば、車両12100のフロントノーズ、サイドミラー、リアバンパ、バックドア及び車室内のフロントガラスの上部等の位置に設けられる。フロントノーズに備えられる撮像部12101及び車室内のフロントガラスの上部に備えられる撮像部12105は、主として車両12100の前方の画像を取得する。サイドミラーに備えられる撮像部12102、12103は、主として車両12100の側方の画像を取得する。リアバンパ又はバックドアに備えられる撮像部12104は、主として車両12100の後方の画像を取得する。車室内のフロントガラスの上部に備えられる撮像部12105は、主として先行車両又は、歩行者、障害物、信号機、交通標識又は車線等の検出に用いられる。
【0080】
なお、
図11には、撮像部12101ないし12104の撮影範囲の一例が示されている。撮像範囲12111は、フロントノーズに設けられた撮像部12101の撮像範囲を示し、撮像範囲12112,12113は、それぞれサイドミラーに設けられた撮像部12102,12103の撮像範囲を示し、撮像範囲12114は、リアバンパ又はバックドアに設けられた撮像部12104の撮像範囲を示す。例えば、撮像部12101ないし12104で撮像された画像データが重ね合わせられることにより、車両12100を上方から見た俯瞰画像が得られる。
【0081】
撮像部12101ないし12104の少なくとも1つは、距離情報を取得する機能を有していてもよい。例えば、撮像部12101ないし12104の少なくとも1つは、複数の撮像素子からなるステレオカメラであってもよいし、位相差検出用の画素を有する撮像素子であってもよい。
【0082】
例えば、マイクロコンピュータ12051は、撮像部12101ないし12104から得られた距離情報を基に、撮像範囲12111ないし12114内における各立体物までの距離と、この距離の時間的変化(車両12100に対する相対速度)を求めることにより、特に車両12100の進行路上にある最も近い立体物で、車両12100と略同じ方向に所定の速度(例えば、0km/h以上)で走行する立体物を先行車として抽出することができる。さらに、マイクロコンピュータ12051は、先行車の手前に予め確保すべき車間距離を設定し、自動ブレーキ制御(追従停止制御も含む)や自動加速制御(追従発進制御も含む)等を行うことができる。このように運転者の操作に拠らずに自律的に走行する自動運転等を目的とした協調制御を行うことができる。
【0083】
例えば、マイクロコンピュータ12051は、撮像部12101ないし12104から得られた距離情報を元に、立体物に関する立体物データを、2輪車、普通車両、大型車両、歩行者、電柱等その他の立体物に分類して抽出し、障害物の自動回避に用いることができる。例えば、マイクロコンピュータ12051は、車両12100の周辺の障害物を、車両12100のドライバが視認可能な障害物と視認困難な障害物とに識別する。そして、マイクロコンピュータ12051は、各障害物との衝突の危険度を示す衝突リスクを判断し、衝突リスクが設定値以上で衝突可能性がある状況であるときには、オーディオスピーカ12061や表示部12062を介してドライバに警報を出力することや、駆動系制御ユニット12010を介して強制減速や回避操舵を行うことで、衝突回避のための運転支援を行うことができる。
【0084】
撮像部12101ないし12104の少なくとも1つは、赤外線を検出する赤外線カメラであってもよい。例えば、マイクロコンピュータ12051は、撮像部12101ないし12104の撮像画像中に歩行者が存在するか否かを判定することで歩行者を認識することができる。かかる歩行者の認識は、例えば赤外線カメラとしての撮像部12101ないし12104の撮像画像における特徴点を抽出する手順と、物体の輪郭を示す一連の特徴点にパターンマッチング処理を行って歩行者か否かを判別する手順によって行われる。マイクロコンピュータ12051が、撮像部12101ないし12104の撮像画像中に歩行者が存在すると判定し、歩行者を認識すると、音声画像出力部12052は、当該認識された歩行者に強調のための方形輪郭線を重畳表示するように、表示部12062を制御する。また、音声画像出力部12052は、歩行者を示すアイコン等を所望の位置に表示するように表示部12062を制御してもよい。
【0085】
以上、本開示に係る技術が適用され得る車両制御システムの一例について説明した。本開示に係る技術は、以上説明した構成のうち、撮像部12031に適用され得る。具体的には、
図1などに示した固体撮像装置1等を撮像部12031に適用することができる。撮像部12031に本開示に係る技術を適用することにより、車両制御システムの優れた動作が期待できる。
【0086】
<5.その他の変形例>
以上、いくつかの実施の形態および変形例を挙げて本開示を説明したが、本開示は上記実施の形態等に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば上記実施の形態では、1つの画素群が2行×2列で正方配列された4つの画素を含む場合、すなわちm=2の場合を例示して説明したが、本開示ではmは3以上であってもよい。また、上記実施の形態等では、各画素群における第1の方向の第1の寸法と第2の方向の第2の寸法とが実質的に等しい場合を例示したが、本開示では第1の寸法と第2の寸法とが互いに異なっていてもよい。
【0087】
また、上記実施の形態等では、撮像素子がカラー画像を出力する場合について説明したが、本開示の撮像素子は、モノクロ画像を出力するものであってもよい。
【0088】
また、上記実施の形態等では、例えば
図3および
図5~
図8においてn=2の場合を例示したが、本開示では、nは3以上であってもよい。
【0089】
また、上記実施の形態等では、画素アレイ部においてある画素群に着目したとき、その画素群を中心として時計回りの方向に他の画素群がX/nまたはY/nだけ移動した状態となっている。しかしながら、本開示はこれに限定されず、例えば画素アレイ部においてある画素群に着目したとき、その画素群を中心として反時計回りの方向に他の画素群がX/nまたはY/nだけ移動した状態となっていてもよい。
【0090】
また、本開示の撮像素子では、例えば
図12に示した第5の変形例としての画素アレイ部111Eのように、画素回路のうちのMEM59を間隙領域GRに配置するようにしてもよい。こうすることにより、厚さ方向においてPD51と重なる領域にMEM59を設ける場合と比べてMEM59のXY面内における面積を拡大することができ、MEM59の容量を増大させることができる。なお、MEM59を配置した間隙領域GRには、カラーフィルタCFの代わりに遮光層SSを設けるようにするとよい。
【0091】
また、本開示の撮像素子では、例えば
図13に示した第6の変形例としての画素アレイ部111Fのように、画素回路のうちのAMP55を間隙領域GRに配置するようにしてもよい。こうすることにより、厚さ方向においてPD51と重なる領域にAMP55を設ける場合と比べてAMP55のXY面内における面積を拡大することができ、ランダムノイズの低減を図ることができる。
【0092】
また、本開示の撮像素子では、例えば
図14に示した第7の変形例としての画素アレイ部111Gのように、画素回路のうちのOFG58を間隙領域GRに配置するようにしてもよい。こうすることにより、異色間のブルーミングを抑制することができる。なお、
図13に示した第6の変形例の構造と、
図14に示した第7の変形例の構造とを組み合わせるようにしてもよい。
【0093】
また、上記実施の形態では、グローバルシャッタ方式の固体撮像素子を例示して説明したが、本開示の撮像素子はこれに限定されるものではない。本開示の撮像素子は、例えば
図16および
図17に示した第8の変形例としての画素回路110Aおよび画素アレイ部111Hのように、第1の転送トランジスタ(TG)52Aおよび第2の転送トランジスタ(TG)52Bの代わりに1つの転送トランジスタ52を有し、電荷保持部(MEM)59を有しない構成であってもよい。
【0094】
以上説明したように、本開示の一実施形態としての撮像素子および電子機器によれば、高解像度化に適する。なお、本開示の効果はこれに限定されるものではなく、以下の記載のいずれの効果であってもよい。また、本技術は以下のような構成を取り得るものである。
(1)
第1の方向および第2の方向にm個(前記mは2以上の自然数)ずつ2次元アレイ状に配置された複数の第1の画素をそれぞれ含む、複数の第1の画素群と、
前記第1の方向および前記第2の方向にそれぞれm個ずつ2次元アレイ状に配置された複数の第2の画素をそれぞれ含み、前記第1の方向において前記第1の画素群と交互配置された複数の第2の画素群と、
前記第1の方向および前記第2の方向にそれぞれm個ずつ2次元アレイ状に配置された複数の第3の画素をそれぞれ含み、前記第2の方向において前記第1の画素群と交互配置された複数の第3の画素群と、
前記第1の方向および前記第2の方向にそれぞれm個ずつ2次元アレイ状に配置された複数の第4の画素をそれぞれ含み、前記第1の方向において前記第3の画素群と交互配置されると共に前記第2の方向において前記第2の画素群と交互配置された複数の第4の画素群と
を有し、
前記第1の画素群から前記第4の画素群における前記第1の方向の寸法は全て実質的に等しい第1の寸法であり、
前記第1の画素群から前記第4の画素群における前記第2の方向の寸法は全て実質的に等しい第2の寸法であり、
前記第1の寸法をXとし、前記第2の寸法をYとするとき、
前記第1の方向において互いに隣り合う前記第1の画素群と前記第2の画素群とは、前記第2の方向において互いに[Y/n(前記nは2以上の自然数)]ずれた位置にあり、
前記第2の方向において互いに隣り合う前記第1の画素群と前記第3の画素群とは、前記第1の方向において互いに[X/n]ずれた位置にあり、
前記第1の方向において互いに隣り合う前記第3の画素群と前記第4の画素群とは、前記第2の方向において互いに[Y/n]ずれた位置にあり、
前記第2の方向において互いに隣り合う前記第2の画素群と前記第4の画素群とは、前記第1の方向において互いに[X/n]ずれた位置にある
撮像素子。
(2)
前記第1の画素および前記第4の画素は、いずれも第1の色を検出し、
前記第2の画素は、第2の色を検出し、
前記第3の画素は、第3の色を検出する
上記(1)記載の撮像素子。
(3)
前記第1の寸法と前記第2の寸法とが実質的に等しい
上記(1)または(2)に記載の撮像素子。
(4)
前記mは2であり、前記nは2である
上記(3)記載の撮像素子。
(5)
前記第1の画素群は、前記複数の第1の画素の受光面の全てを覆うように設けられた一の第1のレンズをさらに有し、
前記第2の画素群は、前記複数の第2の画素の受光面の全てを覆うように設けられた一の第2のレンズをさらに有し、
前記第3の画素群は、前記複数の第3の画素の受光面の全てを覆うように設けられた一の第3のレンズをさらに有し、
前記第4の画素群は、前記複数の第4の画素の受光面の全てを覆うように設けられた一の第4のレンズをさらに有する
上記(1)から(4)のうちのいずれか1つに記載の撮像素子。
(6)
前記第1の画素群から前記第4の画素群により取り囲まれた間隙領域に、白色検出画素、近赤外光検出画素、像面位相差画素、および測距画素のうちの少なくとも1つが配設されている
上記(1)から(5)のうちのいずれか1つに記載の撮像素子。
(7)
前記第1の画素から前記第4の画素は、それぞれ、
半導体層と、
前記半導体層に埋設され、受光量に応じた電荷を光電変換により生成する光電変換部と
を含む
上記(1)から(6)のうちのいずれか1つに記載の撮像素子。
(8)
前記第1の画素群から前記第4の画素群は、それぞれ、複数の前記光電変換部において生成される複数の前記電荷を保持する複数の電荷保持部をさらに有し、
前記複数の電荷保持部は、前記第1の画素群から前記第4の画素群によりそれぞれ取り囲まれた複数の間隙領域にそれぞれ配設されている
上記(7)記載の撮像素子。
(9)
前記第1の画素群から前記第4の画素群は、それぞれ、前記第1の画素から前記第4の画素ごとに設けられた複数の増幅トランジスタをさらに有し、
前記複数の増幅トランジスタは、前記第1の画素群から前記第4の画素群によりそれぞれ取り囲まれた複数の間隙領域にそれぞれ配設されている
上記(7)または(8)に記載の撮像素子。
(10)
前記第1の画素群から前記第4の画素群は、それぞれ、前記第1の画素から前記第4の画素ごとに設けられ、複数の前記光電変換部から溢れた前記電荷を外部へ排出する複数の排出トランジスタをさらに有し、
前記複数の排出トランジスタは、前記第1の画素群から前記第4の画素群によりそれぞれ取り囲まれた複数の間隙領域にそれぞれ配設されている
上記(7)から(9)のうちのいずれか1つに記載の撮像素子。
(11)
撮像素子を備えた電子機器であって、
前記撮像素子は、
第1の方向および第2の方向にそれぞれm個(前記mは2以上の自然数)ずつ2次元アレイ状に配置された複数の第1の画素をそれぞれ含む、複数の第1の画素群と、
前記第1の方向および前記第2の方向にそれぞれm個ずつ2次元アレイ状に配置された複数の第2の画素をそれぞれ含み、前記第1の方向において前記第1の画素群と交互配置された複数の第2の画素群と、
前記第1の方向および前記第2の方向にそれぞれm個ずつ2次元アレイ状に配置された複数の第3の画素をそれぞれ含み、前記第2の方向において前記第1の画素群と交互配置された複数の第3の画素群と、
前記第1の方向および前記第2の方向にそれぞれm個ずつ2次元アレイ状に配置された複数の第4の画素をそれぞれ含み、前記第1の方向において前記第3の画素群と交互配置されると共に前記第2の方向において前記第2の画素群と交互配置された複数の第4の画素群と
を有し、
前記第1の画素群から前記第4の画素群における前記第1の方向の寸法は全て実質的に等しい第1の寸法であり、
前記第1の画素群から前記第4の画素群における前記第2の方向の寸法は全て実質的に等しい第2の寸法であり、
前記第1の寸法をXとし、前記第2の寸法をYとするとき、
前記第1の方向において互いに隣り合う前記第1の画素群と前記第2の画素群とは、前記第2の方向において互いに[Y/n(前記nは2以上の自然数)]ずれた位置にあり、
前記第2の方向において互いに隣り合う前記第1の画素群と前記第3の画素群とは、前記第1の方向において互いに[X/n]ずれた位置にあり、
前記第1の方向において互いに隣り合う前記第3の画素群と前記第4の画素群とは、前記第2の方向において互いに[Y/n]ずれた位置にあり、
前記第2の方向において互いに隣り合う前記第2の画素群と前記第4の画素群とは、前記第1の方向において互いに[X/n]ずれた位置にある
電子機器。
【符号の説明】
【0095】
1~4…第1~第4の画素、5…白色画素、6…近赤外光検出画素、7…像面位相差検出画素、8…測距用画素、11…半導体基板、12…配線層、13…素子分離部、14…P型半導体領域、15…固定電荷膜、16…P型半導体領域、18…絶縁層、51…光電変換部(PD)、52A,52B…転送トランジスタ(TG)、53…電荷電圧変換部(FD)、54…リセットトランジスタ(RST)、55…増幅トランジスタ(AMP)、56…選択トランジスタ(SEL)、58…排出トランジスタ(OFG)、59…電荷保持部(MEM)、61…転送トランジスタ(TG)、62…トレンチゲート部、101A~101C…固体撮像素子、110…センサ画素、111…画素アレイ部、112…垂直駆動部、113…カラム信号処理部、114…水平駆動部、115…システム制御部、116…画素駆動線、117…垂直信号線(VSL)、118…信号処理部、119…データ格納部、G1~G4…第1~第4の画素群、GR…間隙領域、