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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-18
(45)【発行日】2023-05-26
(54)【発明の名称】断線判定回路
(51)【国際特許分類】
   G08C 25/00 20060101AFI20230519BHJP
   G01R 31/50 20200101ALI20230519BHJP
   G01F 3/22 20060101ALI20230519BHJP
【FI】
G08C25/00 G
G01R31/50
G01F3/22 Z
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019082917
(22)【出願日】2019-04-24
(65)【公開番号】P2020181308
(43)【公開日】2020-11-05
【審査請求日】2022-04-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000220262
【氏名又は名称】東京瓦斯株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000142425
【氏名又は名称】アズビル金門株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003166
【氏名又は名称】弁理士法人山王内外特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100101133
【弁理士】
【氏名又は名称】濱田 初音
(74)【代理人】
【識別番号】100199749
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 成
(74)【代理人】
【識別番号】100197767
【弁理士】
【氏名又は名称】辻岡 将昭
(74)【代理人】
【識別番号】100201743
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 和真
(72)【発明者】
【氏名】森畑 崇
(72)【発明者】
【氏名】田中 恭太郎
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 孝信
(72)【発明者】
【氏名】地下 久哉
(72)【発明者】
【氏名】松浦 友朋
【審査官】細見 斉子
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-98195(JP,A)
【文献】特開平04-307375(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08C 25/00
G01R 31/50
G01F 3/22
G01D 5/00-5/252
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
検出対象を磁気センサによって検出する磁気センサ部と、
前記磁気センサから出力されたセンサ出力信号を演算処理する演算処理部とを備え、
前記磁気センサ部は、
前記磁気センサの検出結果に応じて、ハイレベル信号またはローレベル信号となるセンサ出力信号を出力するセンサ出力ポートを有し、
前記演算処理部は、
前記センサ出力ポートから出力されたセンサ出力信号がセンサ信号線を介して入力されるセンサ入力ポートと、
センサ出力信号のレベルの逆のレベルとなるローレベル信号またはハイレベル信号とした断線判定用イネーブル信号を、抵抗を介して、前記センサ信号線に出力する断線判定用出力ポートとを有し、
前記センサ入力ポートに入力された信号のレベルに応じて、前記センサ信号線の断線有無を判定する
ことを特徴とする断線判定回路。
【請求項2】
前記演算処理部は、
前記センサ出力ポートから出力されたセンサ出力信号が、前記センサ入力ポートに入力され、前記断線判定用出力ポートから出力された断線判定用イネーブル信号が、前記抵抗によって、前記センサ信号線に入力されない場合に、前記センサ信号線を、断線していないと判定し、
前記センサ出力ポートから出力されたセンサ出力信号が、前記センサ入力ポートに入力されず、前記断線判定用出力ポートから出力された断線判定用イネーブル信号が、前記センサ入力ポートに入力された場合に、前記センサ信号線を、断線していると判定する
ことを特徴とする請求項1記載の断線判定回路。
【請求項3】
前記磁気センサ部は、
電源が電源線を介して入力される電源入力ポートと、
一端が前記電源入力ポートと接続し、内部インピーダンスが設けられる内部接続線と、
前記内部接続線の他端と接続するグラウンド入力ポートとを有し、
前記演算処理部は、
前記電源入力ポートに電源を出力する電源出力ポートと、
前記グラウンド入力ポートに接続するグラウンド線に一端が接続するスイッチと、
前記スイッチの他端と接続するグラウンドと、
前記スイッチを開閉制御するための信号を出力するスイッチ切り替え用出力ポートと、
前記グラウンド線に接続する断線判定用入力ポートとを有し、
前記スイッチを前記スイッチ切り替え用出力ポートから出力された信号によって開状態にして、前記断線判定用入力ポートに入力された信号のレベルに応じて、前記電源線、前記内部接続線、及び、前記グラウンド線を含む電源ラインにおける断線を判定する
ことを特徴とする請求項2記載の断線判定回路。
【請求項4】
前記磁気センサ部は、
前記センサ信号線と前記電源入力ポート側の内部接続線との間と、前記センサ信号線と前記グラウンド入力ポート側の内部接続線との間とを、それぞれ接続し、前記電源入力ポートから前記内部接続線に入力された電源を、前記グラウンド入力ポート側から前記電源入力ポート側に向けて送信するダイオードを有し、
前記演算処理部は、
前記スイッチを前記スイッチ切り替え用出力ポートから出力された信号によって開状態にし、且つ、前記断線判定用出力ポートから出力する断線判定用イネーブル信号をハイレベル信号以外の信号とさせた状態で、前記断線判定用入力ポートに入力された信号のレベルに応じて、前記電源ラインの前記電源入力ポート側における断線有無、及び、前記電源ラインの前記グラウンド入力ポート側における断線有無を判定する
ことを特徴とする請求項3記載の断線判定回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、配線の断線有無を判定することができる断線判定回路に関する。
【背景技術】
【0002】
膜式及びルーツ式のガスメータは、ガスの流量を計測するための計量部を備えている。この計量部は、ガスの流れに伴って回転する回転体に磁石を設置し、その回転体の回転に伴う磁界の変化を、磁気センサによって検出することにより、ガスの流量を計測可能としている。磁気センサの出力信号は、配線を介して、演算処理装置に送信される。このため、ガスメータは、磁気センサの配線が断線した場合には、ガスの流量を計測することができない。
【0003】
従来、断線判定機能を有するガスメータが提供されている。このような、従来のガスメータは、例えば、特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2003-287454号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来のガスメータは、2つのリードスイッチから出力される出力信号を監視しており、その出力信号が検出されないリードスイッチに、断線等の異常が発生していると判定する。これにより、上記従来のガスメータは、常時、出力信号のパルス波形を監視する必要があり、また、リードスイッチの配線に断線が生じた場合であっても、出力信号が検出されなくなるまで、リードスイッチが断線したことを判定することができない。更に、上記従来のガスメータは、ガスの流量がない場合、即ち、回転体が回転していない場合には、リードスイッチの断線を即座に判定することができない。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、センサ信号線の断線有無を即座に判定することができる断線判定回路を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明に係る断線判定回路は、検出対象を磁気センサによって検出する磁気センサ部と、磁気センサから出力されたセンサ出力信号を演算処理する演算処理部とを備え、磁気センサ部は、磁気センサの検出結果に応じて、ハイレベル信号またはローレベル信号となるセンサ出力信号を出力するセンサ出力ポートを有し、演算処理部は、センサ出力ポートから出力されたセンサ出力信号がセンサ信号線を介して入力されるセンサ入力ポートと、センサ出力信号のレベルの逆のレベルとなるローレベル信号またはハイレベル信号とした断線判定用イネーブル信号を、抵抗を介して、センサ信号線に出力する断線判定用出力ポートとを有し、センサ入力ポートに入力された信号のレベルに応じて、センサ信号線の断線有無を判定することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0008】
この発明によれば、センサ信号線の断線有無を即座に判定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施の形態1に係る断線判定回路を備えたガスメータの構成を示した図である。
図2】実施の形態1に係る断線判定回路を示した図である。
図3図3Aは実施の形態2に係る断線判定回路を示した図である。図3Bは実施の形態2に係る断線判定結果を示した図である。
図4図4Aは実施の形態3に係る断線判定回路を示した図である。図4Bは実施の形態3に係る断線判定結果を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、下記に記載した実施の形態は、断線判定回路をガスメータに適用した場合について説明したものである。
【0011】
実施の形態1.
実施の形態1に係る断線判定回路について、図1及び図2を用いて説明する。先ず、実施の形態1に係る断線判定回路を備えたガスメータについて、図1を用いて説明する。図1は、実施の形態1に係る断線判定回路を備えたガスメータの構成を示した図である。
【0012】
ガスメータは、回転軸11、回転ディスク12、磁石13、磁気センサ部14、演算処理部15を備えている。
【0013】
回転軸11は、ガスの流れに応じて回転するものである。これにより、回転軸11の回転数は、ガスの流速が高くなる程、次第に高くなる。また、回転軸11の回転は、ガスが一方側に向けて流れる場合には、正転となり、ガスが他方側に向けて流れる場合には、逆転となる。この回転軸11は、回転ディスク12の中心孔に嵌入されている。
【0014】
磁石13は、回転ディスク12の上面に設けられており、回転ディスク12の周方向において、等間隔で配置されている。
【0015】
磁気センサ部14は、回転ディスク12の径方向外側に設けられており、磁石13とその径方向において対向するように配置されている。この磁気センサ部14は、一対の磁気センサ14a,14b及び磁気検出演算部14cを有している。
【0016】
磁気センサ14a,14bは、検出対象となる磁石13の磁界を、間欠駆動することにより検出するものである。磁気検出演算部14cは、磁気センサ14a,14bによって検出された磁界の変化(検出結果)を、センサ出力信号として出力するものである。
【0017】
磁気検出演算部14cから出力されるセンサ出力信号は、パルス状をなしており、ハイレベル信号とローレベル信号とが交互に連なった信号となっている。図1では、センサ出力信号のハイレベル区間を「H」と示し、センサ出力信号のローレベル区間を「L」と示している。
【0018】
演算処理部15は、磁気センサ部14から出力されたセンサ出力信号に基づいて、ガスの流量、即ち、ガスの使用量を演算するものである。この演算処理部15は、磁気センサ部14の磁気センサ14a,14bと、センサ信号線21a,21bを介して接続されている。
【0019】
次に、実施の形態1に係る断線判定回路について、図2を用いて説明する。図2は、実施の形態1に係る断線判定回路を示した図である。この図2に示した断線判定回路は、センサ信号線21a,21bの断線有無を判定するものである。
【0020】
磁気センサ部14は、上述した磁気センサ14a,14b及び磁気検出演算部14cに加えて、センサ出力ポートOUT1,OUT2、電源入力ポートEN、及び、グラウンド入力ポートGNDを有している。センサ出力ポートOUT1,OUT2は、磁気センサ14a,14bに対応して設けられている。
【0021】
これに対して、演算処理部15は、CPU(Central Processing Unit)15a及びデジタルグラウンドDGNDを有している。更に、CPU15aは、センサ入力ポートMR1,MR2、電源出力ポートEN1、断線判定用出力ポートEN2、及び、抵抗R2,R3を有している。
【0022】
センサ出力ポートOUT1,OUT2と、センサ入力ポートMR1,MR2とは、センサ信号線21b,21aを介して、接続されている。電源出力ポートEN1と電源入力ポートENとは、電源線22を介して、接続されている。断線判定用出力ポートEN2は、抵抗R2,R3を介して、センサ信号線21a,21bに接続されている。グラウンド入力ポートGNDとデジタルグラウンドDGNDとは、グラウンド線23を介して、接続されている。
【0023】
従って、センサ信号線21a,21bの断線有無を判定する場合には、先ず、演算処理部15のCPU15aは、磁気センサ部14の駆動を有効にさせるためのイネーブル信号を、電源出力ポートEN1から電源入力ポートENに向けて出力する。このイネーブル信号は、磁気センサ部14の電源となる信号であって、ハイレベル信号またはローレベル信号となっている。
【0024】
次いで、磁気センサ部14の磁気検出演算部14cは、ハイレベル信号またはローレベル信号となるセンサ出力信号を、センサ出力ポートOUT1からセンサ信号線21aを介してセンサ入力ポートMR1に向けて出力する。また、磁気センサ部14の磁気検出演算部14cは、ハイレベル信号またはローレベル信号となるセンサ出力信号を、センサ出力ポートOUT2からセンサ信号線21bを介してセンサ入力ポートMR2に向けて出力する。
【0025】
そして、断線判定回路は、断線判定モードに移行し、これに伴って、演算処理部15のCPU15aは、ローレベル信号またはハイレベル信号となる断線判定用イネーブル信号を、断線判定用出力ポートEN2から抵抗R2,R3を介してセンサ信号線21a,21bに向けて出力する。
【0026】
断線判定用出力ポートEN2から出力される信号のレベルは、センサ出力ポートOUT1,OUT2からセンサ入力ポートMR1,MR2に入力される信号のレベルとは、逆のレベルとなる。即ち、センサ入力ポートMR1,MR2に入力されるセンサ出力信号がハイレベル信号となる場合には、断線判定用出力ポートEN2から出力される断線判定用イネーブル信号は、ローレベル信号となる。また、センサ入力ポートMR1,MR2に入力されるセンサ出力信号がローレベル信号となる場合には、断線判定用出力ポートEN2から出力される断線判定用イネーブル信号は、ハイレベル信号となる。なお、断線判定用出力ポートEN2は、センサ入力ポートMR1,M2ごとに対応して設けても構わない。
【0027】
このとき、センサ出力ポートOUT1から出力されたセンサ出力信号が、センサ入力ポートMR1に入力され、断線判定用出力ポートEN2から出力された断線判定用イネーブル信号が、抵抗R2によって、センサ信号線21aに入力されない場合には、演算処理部15のCPU15aは、センサ入力ポートMR1に入力された信号のレベルが変化していないため、センサ信号線21aを、断線していないと判定する。
【0028】
一方、センサ出力ポートOUT1から出力されたセンサ出力信号が、センサ入力ポートMR1に入力されず、断線判定用出力ポートEN2から出力された断線判定用イネーブル信号が、センサ入力ポートMR1に入力された場合には、演算処理部15のCPU15aは、センサ入力ポートMR1に入力された信号のレベルが変化しているため、センサ信号線21aを、断線していると判定する。
【0029】
同様に、センサ出力ポートOUT2から出力されたセンサ出力信号が、センサ入力ポートMR2に入力され、断線判定用出力ポートEN2から出力された断線判定用イネーブル信号が、抵抗R3によって、センサ信号線21bに入力されない場合には、演算処理部15のCPU15aは、センサ入力ポートMR2に入力された信号のレベルが変化していないため、センサ信号線21bを、断線していないと判定する。
【0030】
一方、センサ出力ポートOUT2から出力されたセンサ出力信号が、センサ入力ポートMR2に入力されず、断線判定用出力ポートEN2から出力された断線判定用イネーブル信号が、センサ入力ポートMR2に入力された場合には、演算処理部15のCPU15aは、センサ入力ポートMR2に入力された信号のレベルが変化しているため、センサ信号線21bを、断線していると判定する。
【0031】
但し、実施の形態1に係る断線判定回路は、一対の磁気センサ14a,14bを備えているが、1つ以上の磁気センサを備えていれば良い。センサ入力ポート、センサ出力ポート、及び、センサ信号線の数量は、その磁気センサの数量に対応させれば良い。
【0032】
また、実施の形態1に係る断線判定回路は、流量計測時においては、断線判定用出力ポートEN2を、ハイインピーダンスとなるように切り替えても良い。
【0033】
以上より、実施の形態1に係る断線判定回路は、センサ信号線21a,21bの断線有無を即座に判定することができる。
【0034】
実施の形態2.
実施の形態2に係る断線判定回路について、図3を用いて説明する。図3Aは、実施の形態2に係る断線判定回路を示した図である。図3Bは、実施の形態2に係る断線判定結果を示した図である。
【0035】
ここで、図3Aに示した実施の形態2に係る断線判定回路は、実施の形態1に係る断線判定回路の構成に、電源線22の断線有無を判定する構成を追加したものである。このため、実施の形態2に係る断線判定回路においては、実施の形態1に係る断線判定回路を構成する部材の説明、及び、センサ信号線21a,21bの断線有無の判定に関する説明を、省略している。
【0036】
磁気センサ部14は、内部接続線24及び内部インピーダンスR1を有している。内部接続線24は、電源入力ポートENとグラウンド入力ポートGNDとを接続するものである。内部インピーダンスR1は、内部接続線24上に設けられている。
【0037】
これに対して、演算処理部15のCPU15aは、センサ入力ポートMR1,MR2、電源出力ポートEN1、及び、断線判定用出力ポートEN2、及び、抵抗R2,R3に加えて、断線判定用出力ポートEN3、スイッチ切り替え用出力ポートEN4、断線判定用入力ポートMR3、スイッチSW1、及び、抵抗R4を有している。
【0038】
断線判定用出力ポートEN2,EN3は、抵抗R2,R3を介して、センサ信号線21a,21bに接続されている。CPU15aは、断線判定用出力ポートEN2,EN3から出力される断線判定用イネーブル信号を、ハイレベル信号またはローレベル信号に切り替えるためのスイッチを内蔵している。
【0039】
スイッチSW1は、一端がグラウンド入力ポートGNDと接続し、他端がデジタルグラウンドDGNDと接続している。このスイッチSW1は、スイッチ切り替え用出力ポートEN4から出力された信号によって、開閉制御、即ち、開状態と閉状態との間で切り替えられる。
【0040】
但し、スイッチSW1は、CPU15aの外部に設けられているが、CPU15aの内部に設けても構わない。
【0041】
従って、電源線22の断線有無を判定する場合には、演算処理部15のCPU15aは、断線判定回路による断線判定モードへの移行に伴って、スイッチ切り替え用出力ポートEN4の信号をローレベル信号にして、スイッチSW1を開状態にする。
【0042】
このとき、電源出力ポートEN1から出力されたイネーブル信号が、断線判定用入力ポートMR3に入力された場合(断線判定用入力ポートMR3に入力された信号がハイレベル信号の場合)には、演算処理部15のCPU15aは、電源線22、グラウンド線23、及び、内部接続線24を含む電源ラインを、断線していないと判定する。
【0043】
一方、電源出力ポートEN1から出力されたイネーブル信号が、断線判定用入力ポートMR3に入力されない場合(断線判定用入力ポートMR3に入力された信号がローレベル信号の場合)には、演算処理部15のCPU15aは、電源線22、グラウンド線23、及び、内部接続線24を含む電源ラインを、断線していると判定する。
【0044】
図3Bは、上述したように、実施の形態2に係る断線判定結果を示した図である。この図3Bに示した断線判定結果は、電源出力ポートEN1から出力されるイネーブル信号を、ハイレベル信号とし、断線判定用出力ポートEN2,EN3から出力される信号を、センサ入力ポートMR1,MR2に入力される信号のレベルの逆となるレベルの信号とし、スイッチ切り替え用出力ポートEN4から出力される信号を、ローレベル信号とした場合のものである。
【0045】
これにより、演算処理部15のCPU15aは、センサ入力ポートMR1,MR2に入力された信号のレベルを検出し、この検出した信号のレベルとは逆のレベルとなる信号を、断線判定用出力ポートEN2,EN3から出力する。次いで、演算処理部15のCPU15aは、センサ入力ポートMR1,MR2に入力された信号のレベルを再度検出する。
【0046】
このとき、演算処理部15のCPU15aは、センサ入力ポートMR1,MR2に入力された信号のレベルが、最初の検出時とその次の検出時とで同じになる場合には、センサ信号線21a,21bを、断線していないと判定する。一方、演算処理部15のCPU15aは、センサ入力ポートMR1,MR2に入力された信号のレベルが、最初の検出時とその次の検出時とで異なる場合には、センサ信号線21a,21bを、断線していると判定する。
【0047】
また、演算処理部15のCUP15aは、断線判定用入力ポートMR3に入力される信号が、ハイレベル信号であるか、または、ローレベル信号であるかによって、電源ラインの断線有無を判定することができる。
【0048】
但し、実施の形態2に係る断線判定回路は、流量計測時においては、断線判定用出力ポートEN2,EN3を、ハイインピーダンスとなるように切り替えても良い。
【0049】
以上より、実施の形態2に係る断線判定回路は、電源ラインの断線有無を判定することができる。
【0050】
実施の形態3.
実施の形態3に係る断線判定回路について、図4を用いて説明する。図4Aは、実施の形態3に係る断線判定回路を示した図である。図4Bは、実施の形態3に係る断線判定結果を示した図である。
【0051】
ここで、図4Aに示した実施の形態3に係る断線判定回路は、実施の形態2に係る断線判定回路の構成に、保護用となる2つのクランプダイオード25a,25bを追加して、電源線22、グラウンド線23、及び、内部接続線24を含む電源ラインにおいて、内部インピーダンスR1を境にして、電源入力ポートEN側の断線有無及びグラウンド入力ポートGND側の断線有無を判定するものである。このため、実施の形態3に係る断線判定回路においては、実施の形態1,2に係る断線判定回路を構成する部材の説明、及び、センサ信号線21a,21bの断線有無の判定に関する説明を、省略している。
【0052】
磁気センサ部14は、クランプダイオード25a,25bを有している。クランプダイオード25aは、センサ信号線21bと、電源入力ポートENと内部インピーダンスR1との間の内部接続線24とを接続するものであり、電源入力ポートENから内部接続線24に入力したイネーブル信号の送信方向を、センサ信号線21b側から内部接続線24側としている。クランプダイオード25bは、センサ信号線21bと、内部インピーダンスR1とグラウンド入力ポートGNDの間の内部接続線24とを接続するものであり、電源入力ポートENから内部接続線24に入力したイネーブル信号の送信方向を、内部接続線24側からセンサ信号線21b側としている。
【0053】
但し、図4に示した断線判定回路は、センサ信号線21bに対するクランプダイオード25a,25bのみを図示しており、センサ信号線21aに対するクランプダイオード25a,25bについては、省略している。
【0054】
従って、電源ラインの断線有無を判定する場合には、演算処理部15のCPU15aは、断線判定回路による断線判定モードへの移行に伴って、スイッチ切り替え用出力ポートEN4の信号をローレベル信号にして、スイッチSW1を開状態にした後、ローレベル信号となる断線判定用イネーブル信号を、断線判定用出力ポートEN3から抵抗R3を介してセンサ信号線21bに向けて出力する。
【0055】
このとき、電源出力ポートEN1から出力されたイネーブル信号が、センサ入力ポートMR2(MR1)及び断線判定用入力ポートMR3に入力された場合には、演算処理部15のCPU15aは、電源ラインの電源入力ポートEN側及びグラウンド入力ポートGND側を、断線していないと判定する。
【0056】
また、電源出力ポートEN1から出力されたイネーブル信号が、センサ入力ポートMR2(MR1)及び断線判定用入力ポートMR3に入力されない場合には、演算処理部15のCPU15aは、電源ラインの電源入力ポートEN側を、断線していると判定する。
【0057】
更に、電源出力ポートEN1から出力されたイネーブル信号が、センサ入力ポートMR2に入力され、断線判定用入力ポートMR3に入力されない場合には、演算処理部15のCPU15aは、電源ラインのグラウンド入力ポートGND側を、断線していると判定する。
【0058】
図4Bは、上述したように、実施の形態3に係る断線判定結果を示した図である。この図4Bに示した断線判定結果は、電源出力ポートEN1から出力されるイネーブル信号を、ハイレベル信号とし、断線判定用出力ポートEN3(EN2)及びスイッチ切り替え用出力ポートEN4から出力される信号を、ローレベルとした場合のものである。なお、図4Bにおいては、電源ラインの電源入力ポートEN側を「電源+線」と示し、電源ラインのグラウンド入力ポートGND側を「電源-線」と示している。
【0059】
これにより、演算処理部15のCPU15aは、センサ入力ポートMR2(MR1)及び断線判定用入力ポートMR3に入力される信号が、ハイレベル信号であるか、または、ローレベル信号であるかによって、電源ラインの電源入力ポートEN側における断線有無、及び、グラウンド入力ポートGND側における断線有無を、それぞれ判定することができる。
【0060】
また、実施の形態3に係る断線判定回路は、抵抗R3と並列になるように配置された抵抗成分を備えて、断線判定用出力ポートEN3(EN2)から出力する断線判定用イネーブル信号を、ローレベル信号ではなく、ハイインピーダンスに変更、即ち、ハイレベル信号以外の信号に変更することが可能である。これにより、断線判定回路は、上述した構成を採用しても、電源ラインの電源入力ポートEN側における断線有無、及び、グラウンド入力ポートGND側における断線有無を、それぞれ判定することができる。
【0061】
以上より、実施の形態3に係る断線判定回路は、電源ラインの電源入力ポートEN側における断線有無、及び、グラウンド入力ポートGND側における断線有無を判定することができる。
【0062】
なお、本願発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは、各実施の形態における任意の構成要素の変形、もしくは、各実施の形態における任意の構成要素の省略が可能である。
【符号の説明】
【0063】
11 回転軸
12 回転ディスク
13 磁石
14 磁気センサ部
14a,14b 磁気センサ
14c 磁気検出演算部
15 演算処理部
15a CPU
21a,21b センサ信号線
22 電源線
23 グラウンド線
24 内部接続線
25a,25b クランプダイオード
OUT1 センサ出力ポート
OUT2 センサ出力ポート
EN 電源入力ポート
EN1 電源出力ポート
EN2,EN3 断線判定用出力ポート
EN4 スイッチ切り替え用出力ポート
MR1,MR2 センサ入力ポート
MR3 断線判定用入力ポート
GND グラウンド入力ポート
DGND デジタルグラウンド
SW1 スイッチ
R1 内部インピーダンス
R2~R4 抵抗
図1
図2
図3
図4