(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-18
(45)【発行日】2023-05-26
(54)【発明の名称】袋供給システム
(51)【国際特許分類】
B65G 35/06 20060101AFI20230519BHJP
B65G 47/08 20060101ALI20230519BHJP
B65B 43/00 20060101ALN20230519BHJP
【FI】
B65G35/06 B
B65G47/08 E
B65B43/00
(21)【出願番号】P 2019198564
(22)【出願日】2019-10-31
【審査請求日】2021-12-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000222727
【氏名又は名称】PACRAFT株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100130719
【氏名又は名称】村越 卓
(72)【発明者】
【氏名】森野 学
(72)【発明者】
【氏名】福永 一生
(72)【発明者】
【氏名】梶原 将太
(72)【発明者】
【氏名】宇都宮 尚之
【審査官】松永 謙一
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-041122(JP,A)
【文献】特開2000-142982(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 35/06
B65B 43/00
B65G 47/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
製袋機から供給される2以上の袋を含む袋束を次々に受渡中継位置に配置する袋束配置装置と、
前記袋束を前記受渡中継位置から受渡ゾーンに移動させる袋束受渡装置と、
移動可能に設けられている支持部を有する袋束搬送装置であって、前記受渡ゾーンにおいて前記袋束受渡装置から前記袋束を受け取って、前記袋束を、前記支持部により支持されている状態で前記受渡ゾーンから供給ゾーンに搬送する袋束搬送装置と、
前記供給ゾーンにおいて前記支持部により支持されている前記袋束を保持し、当該袋束を前記袋束搬送装置から供給中継位置に移動させる袋束取出装置と、
前記供給中継位置に配置されている前記袋束に含まれる前記袋を、次々に包装機に供給する袋供給装置と、を備え、
前記支持部は、無端軌道に沿って前記受渡ゾーンと前記供給ゾーンとの間を移動
し、
前記袋束搬送装置は、
各々が前記受渡ゾーンと前記供給ゾーンとの間を無端軌道に沿って移動する複数の移動体と、
各々が前記支持部を有し且つ各々が複数の前記袋束を水平方向に配列した状態で収容可能な複数の収容箱と、
前記受渡ゾーンに設けられる受渡搬送ユニットと、
前記供給ゾーンに設けられる供給搬送ユニットと、を有し、
前記複数の移動体の各々は、お互いに積み重ねられている2以上の収容箱とともに、前記受渡ゾーンと前記供給ゾーンとの間を移動し、
前記受渡搬送ユニットは、お互いに積み重ねられている2以上の収容箱を前記複数の移動体の各々から受け取り、当該2以上の収容箱から収容箱を1つずつ取り出し、各々に前記袋束受渡装置から受け取った2以上の袋束が収容されている2以上の収容箱を、お互いに積み重ねられた状態で、前記複数の移動体の各々に受け渡し、
前記供給搬送ユニットは、お互いに積み重ねられている2以上の収容箱を前記複数の移動体の各々から受け取り、当該2以上の収容箱から収容箱を1つずつ取り出し、前記袋束取出装置により前記袋束が取り出された後の2以上の収容箱を、お互いに積み重ねられた状態で、前記複数の移動体の各々に受け渡し、
前記袋束受渡装置は、前記袋束を保持可能な保持部を有する多関節ロボットを含み、
前記袋束取出装置は、前記袋束を保持可能な保持部を有する多関節ロボットを含む、
袋供給システム。
【請求項2】
前記受渡搬送ユニットは、第1受渡搬送コンベア、第2受渡搬送コンベア、第3受渡搬送コンベア、第1受渡保持部、及び第2受渡保持部を含み、
前記第1受渡搬送コンベアには、前記複数の移動体の各々から受け渡される2以上の収容箱であって、お互いに積み重ねられている2以上の収容箱が載せられ、
前記第1受渡保持部は、前記第1受渡搬送コンベアに1つの収容箱のみが載せられるように、前記第1受渡搬送コンベアから1以上の収容箱を持ち上げ、
前記第1受渡搬送コンベアに1つの収容箱のみが載せられている状態で前記第1受渡搬送コンベア及び前記第2受渡搬送コンベアは駆動され、当該1つの収容箱が前記第1受渡搬送コンベアから移送されて前記第2受渡搬送コンベアに載せられ、
前記袋束受渡装置は、前記第2受渡搬送コンベアに載せられている収容箱に2以上の袋束を受け渡し、
前記第2受渡保持部は、前記第3受渡搬送コンベアに収容箱が載せられないように、前記第3受渡搬送コンベアから1つの収容箱又はお互いに積み重ねられている2以上の収容箱を持ち上げ、
2以上の袋束を収容する収容箱が前記第2受渡搬送コンベアに載せられ且つ前記第3受渡搬送コンベアに収容箱が載せられていない状態で前記第2受渡搬送コンベア及び前記第3受渡搬送コンベアは駆動され、当該2以上の袋束を収容する収容箱が前記第2受渡搬送コンベアから移送されて前記第3受渡搬送コンベアに載せられる請求項
1に記載の袋供給システム。
【請求項3】
前記第1受渡搬送コンベアは、お互いに対して相対的に近い位置である供給近接位置及びお互いに対して相対的に遠い位置である供給遠隔位置に配置可能な2つの供給開閉ベルトを有し、
前記供給遠隔位置に配置されている前記2つの供給開閉ベルトの間に形成されるスペースに、前記複数の移動体の各々とともに移動する2以上の収容箱のうちのいずれか1以上が進入するように、前記複数の移動体の各々は前記第1受渡搬送コンベアに対応する位置に移動し、
前記第1受渡保持部は、前記2つの供給開閉ベルトの間が前記供給遠隔位置に配置されている状態で、前記2つの供給開閉ベルトの間に形成されるスペースに収容箱が存在しなくなるように、前記第1受渡搬送コンベアに対応する位置に配置されている前記複数の移動体の各々から2以上の収容箱を持ち上げ、
前記2つの供給開閉ベルトは、前記2つの供給開閉ベルトの間に形成されるスペースに収容箱が存在しない状態で、前記供給遠隔位置から移動して、前記供給近接位置に配置され、
前記第1受渡保持部は、前記複数の移動体の各々から持ち上げた2以上の収容箱を、前記供給近接位置に配置されている前記2つの供給開閉ベルトに載せる請求項
2に記載の袋供給システム。
【請求項4】
前記第3受渡搬送コンベアは、お互いに対して相対的に近い位置である排出近接位置及びお互いに対して相対的に遠い位置である排出遠隔位置に配置可能な2つの排出開閉ベルトを有し、
前記第2受渡搬送コンベアから送られてくる収容箱は、前記排出近接位置に配置されている前記2つの排出開閉ベルトに載せられ、
前記第2受渡保持部は、前記排出近接位置に配置されている前記2つの排出開閉ベルトから1つの収容箱又はお互いに積み重ねられている複数の収容箱を持ち上げ、
前記2つの排出開閉ベルトに収容箱が載せられておらず且つ前記第2受渡保持部がお互いに積み重ねられている2以上の収容箱を持ち上げている状態で、前記2つの排出開閉ベルトは前記排出遠隔位置に配置され、
前記第2受渡保持部は、持ち上げている2以上の収容箱の少なくとも一部が、前記排出遠隔位置に配置されている前記2つの排出開閉ベルトの間に形成されているスペースを通過するように、前記持ち上げている2以上の収容箱を移動させて、当該2以上の収容箱を前記第3受渡搬送コンベアに対応する位置に配置されている前記複数の移動体の各々に受け渡す請求項
2又は
3に記載の袋供給システム。
【請求項5】
前記複数の移動体の各々は、無人搬送車である請求項
1~
4のいずれか一項に記載の袋供給システム。
【請求項6】
前記供給ゾーンとして、第1供給ゾーン及び第2供給ゾーンがお互いに異なる領域に設けられており、
前記供給中継位置として、前記第1供給ゾーンに対応する第1供給中継位置と、前記第2供給ゾーンに対応する第2供給中継位置とが設けられており、
前記袋束搬送装置は、前記袋束を、前記支持部により支持されている状態で、前記受渡ゾーンから、前記第1供給ゾーン及び前記第2供給ゾーンのうちの少なくともいずれか一方に搬送し、
前記袋束取出装置は、前記第1供給ゾーンにおいて保持した前記袋束を前記袋束搬送装置から前記第1供給中継位置に移動させ、前記第2供給ゾーンにおいて保持した前記袋束を前記袋束搬送装置から前記第2供給中継位置に移動させ、
前記支持部は、前記受渡ゾーンと、前記第1供給ゾーン及び前記第2供給ゾーンのうちの少なくともいずれか一方との間を、無端軌道に沿って移動する請求項1~
5のいずれか一項に記載の袋供給システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、袋供給システムに関する。
【背景技術】
【0002】
複数の袋を重ねて袋束を作り、複数の袋束を収容箱に収容する装置が知られている。例えば特許文献1は、積層された複数の袋を結束する工程、2つの袋束を互いに向きを変えてトレーに積載する工程、トレーに載せられたこれらの袋束に上方からパットを載せる工程、及びトレーにおいてパットが載せられている袋束群をロボットにより把持してコンテナに順次収納する工程を含む方法を開示する。
【0003】
また収容箱から袋束を取り出して、取り出された袋束を後段に供給する装置が知られている。例えば特許文献2は、コンテナから袋束を取り出すためのデパレタイジング位置で袋束を1束ずつトレーに積載する工程、トレーにより搬送される袋束の向きを検出する工程、向き検出信号に応じてトレーを180°回転させて袋束の向きをそろえる工程、トレーに積載された袋束のバンドを切断除去する工程、及び解束された袋群をトレーから取り出す工程を含む方法を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平10-16910号公報
【文献】特開平8-217236号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
袋を作り出す装置と、袋を使った処理を行う装置とは、通常、お互いに離れた位置に設けられ、袋は収容箱(すなわちコンテナ)を介してこれらの装置間を搬送される。収容箱は作業者によって装置間を移送されるが、多数の袋を搬送する場合には収容箱の移送に伴う作業者の負担が大きい。また袋の搬送経路上に人手を介在させることは、安全上及び衛生上好ましくない。また大量の袋を搬送するために複数の収容箱を使うことが考えられるが、その場合、移送経路上で複数の収容箱がお互いに邪魔しないように、各収容箱の移送タイミングを調整する必要がある。
【0006】
本発明は上述の事情に鑑みてなされたものであり、作業者を介在させることなく、袋の搬送及び後段への袋の供給を含む一連の処理を適切に実施することを可能にする技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、製袋機から供給される2以上の袋を含む袋束を次々に受渡中継位置に配置する袋束配置装置と、袋束を受渡中継位置から受渡ゾーンに移動させる袋束受渡装置と、移動可能に設けられている支持部を有する袋束搬送装置であって、受渡ゾーンにおいて袋束受渡装置から袋束を受け取って、袋束を、支持部によって支持されている状態で受渡ゾーンから供給ゾーンに搬送する袋束搬送装置と、供給ゾーンにおいて支持部により支持されている袋束を保持し、当該袋束を袋束搬送装置から供給中継位置に移動させる袋束取出装置と、供給中継位置に配置されている袋束に含まれる袋を、次々に包装機に供給する袋供給装置と、を備え、支持部は、無端軌道に沿って受渡ゾーンと供給ゾーンとの間を移動する袋供給システムに関する。
【0008】
袋束搬送装置は、各々が受渡ゾーンと供給ゾーンとの間を無端軌道に沿って移動する複数の移動体と、各々が支持部を有し且つ各々が複数の袋束を収容可能な複数の収容箱と、受渡ゾーンに設けられる受渡搬送ユニットと、供給ゾーンに設けられる供給搬送ユニットと、を有し、複数の移動体の各々は、お互いに積み重ねられている2以上の収容箱とともに、受渡ゾーンと供給ゾーンとの間を移動し、受渡搬送ユニットは、お互いに積み重ねられている2以上の収容箱を複数の移動体の各々から受け取り、当該2以上の収容箱から収容箱を1つずつ取り出し、各々に袋束受渡装置から受け取った2以上の袋束が収容されている2以上の収容箱を、お互いに積み重ねられた状態で、複数の移動体の各々に受け渡し、供給搬送ユニットは、お互いに積み重ねられている2以上の収容箱を複数の移動体の各々から受け取り、当該2以上の収容箱から収容箱を1つずつ取り出し、袋束取出装置により袋束が取り出された後の2以上の収容箱を、お互いに積み重ねられた状態で、複数の移動体の各々に受け渡してもよい。
【0009】
受渡搬送ユニットは、第1受渡搬送コンベア、第2受渡搬送コンベア、第3受渡搬送コンベア、第1受渡保持部、及び第2受渡保持部を含み、第1受渡搬送コンベアには、複数の移動体の各々から受け渡される2以上の収容箱であって、お互いに積み重ねられている2以上の収容箱が載せられ、第1受渡保持部は、第1受渡搬送コンベアに1つの収容箱のみが載せられるように、第1受渡搬送コンベアから1以上の収容箱を持ち上げ、第1受渡搬送コンベアに1つの収容箱のみが載せられている状態で第1受渡搬送コンベア及び第2受渡搬送コンベアは駆動され、当該1つの収容箱が第1受渡搬送コンベアから移送されて第2受渡搬送コンベアに載せられ、袋束受渡装置は、第2受渡搬送コンベアに載せられている収容箱に2以上の袋束を受け渡し、第2受渡保持部は、第3受渡搬送コンベアに収容箱が載せられないように、第3受渡搬送コンベアから1つの収容箱又はお互いに積み重ねられている2以上の収容箱を持ち上げ、2以上の袋束を収容する収容箱が第2受渡搬送コンベアに載せられ且つ第3受渡搬送コンベアに収容箱が載せられていない状態で第2受渡搬送コンベア及び第3受渡搬送コンベアは駆動され、当該2以上の袋束を収容する収容箱が第2受渡搬送コンベアから移送されて第3受渡搬送コンベアに載せられてもよい。
【0010】
第1受渡搬送コンベアは、お互いに対して相対的に近い位置である供給近接位置及びお互いに対して相対的に遠い位置である供給遠隔位置に配置可能な2つの供給開閉ベルトを有し、供給遠隔位置に配置されている2つの供給開閉ベルトの間に形成されるスペースに、複数の移動体の各々とともに移動する2以上の収容箱のうちのいずれか1以上が進入するように、複数の移動体の各々は第1受渡搬送コンベアに対応する位置に移動し、第1受渡保持部は、2つの供給開閉ベルトの間が供給遠隔位置に配置されている状態で、2つの供給開閉ベルトの間に形成されるスペースに収容箱が存在しなくなるように、第1受渡搬送コンベアに対応する位置に配置されている複数の移動体の各々から2以上の収容箱を持ち上げ、2つの供給開閉ベルトは、2つの供給開閉ベルトの間に形成されるスペースに収容箱が存在しない状態で、供給遠隔位置から移動して、供給近接位置に配置され、第1受渡保持部は、複数の移動体の各々から持ち上げた2以上の収容箱を、供給近接位置に配置されている2つの供給開閉ベルトに載せてもよい。
【0011】
第3受渡搬送コンベアは、お互いに対して相対的に近い位置である排出近接位置及びお互いに対して相対的に遠い位置である排出遠隔位置に配置可能な2つの排出開閉ベルトを有し、第2受渡搬送コンベアから送られてくる収容箱は、排出近接位置に配置されている2つの排出開閉ベルトに載せられ、第2受渡保持部は、排出近接位置に配置されている2つの排出開閉ベルトから1つの収容箱又はお互いに積み重ねられている複数の収容箱を持ち上げ、2つの排出開閉ベルトに収容箱が載せられておらず且つ第2受渡保持部がお互いに積み重ねられている2以上の収容箱を持ち上げている状態で、2つの排出開閉ベルトは排出遠隔位置に配置され、第2受渡保持部は、持ち上げている2以上の収容箱の少なくとも一部が、排出遠隔位置に配置されている2つの排出開閉ベルトの間に形成されているスペースを通過するように、持ち上げている2以上の収容箱を移動させて、当該2以上の収容箱を第3受渡搬送コンベアに対応する位置に配置されている複数の移動体の各々に受け渡してもよい。
【0012】
複数の移動体の各々は、無人搬送車であってもよい。
【0013】
供給ゾーンとして、第1供給ゾーン及び第2供給ゾーンがお互いに異なる領域に設けられており、供給中継位置として、第1供給ゾーンに対応する第1供給中継位置と、第2供給ゾーンに対応する第2供給中継位置とが設けられており、袋束搬送装置は、袋束を、支持部によって支持されている状態で、受渡ゾーンから、第1供給ゾーン及び第2供給ゾーンのうちの少なくともいずれか一方に搬送し、袋束取出装置は、第1供給ゾーンにおいて保持した袋束を袋束搬送装置から第1供給中継位置に移動させ、第2供給ゾーンにおいて保持した袋束を袋束搬送装置から第2供給中継位置に移動させ、支持部は、受渡ゾーンと、第1供給ゾーン及び第2供給ゾーンのうちの少なくともいずれか一方との間を、無端軌道に沿って移動してもよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、作業者を介在させることなく、袋の搬送及び後段への袋の供給を含む一連の処理を適切に実施することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係る袋供給システムの一例を示す図である。
【
図2】
図2は、第1受渡搬送コンベア、第2受渡搬送コンベア及び第3受渡搬送コンベアの構成例を説明するための平面図である。
【
図3】
図3は、第1受渡搬送コンベア、第2受渡搬送コンベア及び第3受渡搬送コンベアに対する第1受渡保持部、袋束受渡装置及び第2受渡保持部の位置関係例を説明するための平面図である。
【
図4A】
図4A~
図4Jは、受渡ゾーンにおける複数の収容箱の移送態様の一例を説明するための側方図である。
【
図4B】
図4A~
図4Jは、受渡ゾーンにおける複数の収容箱の移送態様の一例を説明するための側方図である。
【
図4C】
図4A~
図4Jは、受渡ゾーンにおける複数の収容箱の移送態様の一例を説明するための側方図である。
【
図4D】
図4A~
図4Jは、受渡ゾーンにおける複数の収容箱の移送態様の一例を説明するための側方図である。
【
図4E】
図4A~
図4Jは、受渡ゾーンにおける複数の収容箱の移送態様の一例を説明するための側方図である。
【
図4F】
図4A~
図4Jは、受渡ゾーンにおける複数の収容箱の移送態様の一例を説明するための側方図である。
【
図4G】
図4A~
図4Jは、受渡ゾーンにおける複数の収容箱の移送態様の一例を説明するための側方図である。
【
図4H】
図4A~
図4Jは、受渡ゾーンにおける複数の収容箱の移送態様の一例を説明するための側方図である。
【
図4I】
図4A~
図4Jは、受渡ゾーンにおける複数の収容箱の移送態様の一例を説明するための側方図である。
【
図4J】
図4A~
図4Jは、受渡ゾーンにおける複数の収容箱の移送態様の一例を説明するための側方図である。
【
図5】
図5は、制御構成の一例を示す機能ブロック図である。
【
図6】
図6は、第2実施形態に係る袋供給システムの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して典型的な実施形態(袋供給システム及び袋供給方法)について説明する。
【0017】
以下の説明において、高さ方向は、重力が作用する鉛直方向と平行な方向を意味し、水平方向は、高さ方向と垂直を成す方向を意味する。
【0018】
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係る袋供給システム10の一例を示す図である。
【0019】
袋供給システム10は、製袋機11、袋束配置装置12、袋束受渡装置13、袋束搬送装置14、袋束取出装置15、袋供給装置16及び包装機17を備える。
【0020】
製袋機11は、複数の袋90を連続的に製造し、2以上の袋90を含む複数の袋束91を下流に送り出す。製袋機11の具体的な構成は限定されない。例えば製袋機11は、フィルム同士を溶着することによって個々の袋90を製造することが可能である。
【0021】
袋束配置装置12は、製袋機11から供給される2以上の袋90を含む袋束91を次々に受渡中継位置Prに配置する。図示の袋束配置装置12は、移送コンベアを具備する移送装置50と、移送装置50の移送コンベアから袋束91を持ち上げて当該袋束91を吊り下げ状態で保持する受渡把持装置51とを有する。製袋機11から供給される袋束91は、移送装置50の移送コンベアに次々に載せられ、移送コンベアによって受渡中継位置Prに向けて送られ、受渡把持装置51により受渡中継位置Prにおいて吊り下げ状態で保持される。
【0022】
図示の例では複数の袋90が袋束91の形態で製袋機11から送り出されて袋束配置装置12に供給されるが、個々の袋90が製袋機11から袋束配置装置12に供給されてもよい。この場合、袋束配置装置12は、複数の袋90を重ねて袋束91を作る袋束作製部(図示省略)を具備し、当該袋束作製部によって作られた袋束91が受渡把持装置51により受渡中継位置Prに配置される。
【0023】
袋束受渡装置13は、袋束91を受渡中継位置Prから受渡ゾーンZrに移動させる。図示の袋束受渡装置13は、先端部を三次元的に移動させることができる多関節ロボット(シリアルリンクロボット)を含み、当該先端部には袋束91を把持等の態様で保持可能な保持部が設けられている。袋束受渡装置13は、多関節ロボットとは異なる機構を含んでいてもよく、袋束91を保持しつつ三次元的に移動させることができる他の機構(例えばパラレルリンクロボット)を含んでいてもよい。袋束受渡装置13は、受渡中継位置Prに配置されている袋束91を受渡把持装置51から受け取って、当該袋束91を受渡ゾーンZrに配置されている収容箱22に受け渡す。
【0024】
袋束搬送装置14は、受渡ゾーンZrと供給ゾーンZdとの間を移動可能に設けられている支持部20を有する。図示の例では、移動体21によって移送される各収容箱22(特に底部)が支持部20を具備する。袋束搬送装置14は、受渡ゾーンZrにおいて袋束受渡装置13から袋束91を受け取って、当該袋束91を、対応の収容箱22の支持部20により支持されている状態で受渡ゾーンZrから供給ゾーンZdに搬送する。
【0025】
本実施形態の袋束搬送装置14は、複数の移動体21、複数の収容箱22、受渡ゾーンZrに設けられる受渡搬送ユニット25、及び供給ゾーンZdに設けられる供給搬送ユニット26を有する。
【0026】
各収容箱22(すなわち各支持部20)は、対応の移動体21とともに、受渡ゾーンZrと供給ゾーンZdとの間を無端軌道Tcに沿って往復移動する。したがって各移動体21及び各収容箱22が受渡ゾーンZrから供給ゾーンZdに移動する際にたどる経路は、各移動体21及び各収容箱22が供給ゾーンZdから受渡ゾーンZrに移動する際にたどる経路と、完全には一致しない。図示の例では、各移動体21及び各収容箱22が受渡ゾーンZrから供給ゾーンZdに移動する際にたどる経路は、各移動体21及び各収容箱22が供給ゾーンZdから受渡ゾーンZrに移動する際にたどる経路と、完全に異なっている(すなわち全く重ならない)。
【0027】
図示の各移動体21は、お互いに積み重ねられている2以上の収容箱22とともに、受渡ゾーンZrと供給ゾーンZdとの間を無端軌道Tcに沿って移動する無人搬送車(AGV:Automated Guided Vehicle)により構成されている。無人搬送車は、人間が運転操作を行わなくても自動で走行可能な自動運転車であり、任意の誘導方式に基づいて誘導走行することが可能である。
【0028】
複数の収容箱22の各々は、底部によって構成される支持部20を有し、且つ、複数の袋束91を収容可能に設けられている。袋束受渡装置13を介して供給される袋束91は、各収容箱22の支持部20に次々に載せられる。各収容箱22における袋束91の収容態様は限定されない。図示の例では、袋束91に含まれる各袋90が水平方向に延在し、且つ、袋束91が相互に重ならないように、複数の袋束91が各収容箱22の支持部20上に寝かせられる。
【0029】
受渡搬送ユニット25は、受渡ゾーンZrにおいて、空の収容箱22を受け取るように各移動体21と協働し、各収容箱22に複数の袋束91を収容するように袋束受渡装置13と協働し、複数の袋束91を収容している収容箱22を送り出すように各移動体21と協働する。供給搬送ユニット26は、供給ゾーンZdにおいて、複数の袋束91を収容している収容箱22を受け取るように各移動体21と協働し、各収容箱22から複数の袋束91を取り出すように袋束取出装置15と協働し、空の収容箱22を送り出すように各移動体21と協働する。受渡搬送ユニット25及び供給搬送ユニット26の構造例については後述する(
図2~
図4参照)。
【0030】
袋束取出装置15は、供給ゾーンZdにおいて支持部20により支持されている袋束91を保持し、当該袋束91を袋束搬送装置14(すなわち対応の収容箱22)から供給中継位置Pdに移動させる。図示の袋束取出装置15は、多関節ロボットを含み、当該多関節ロボットの先端部には、袋束91を保持可能な保持部が設けられている。袋束取出装置15は、多関節ロボットとは異なる機構を含んでいてもよく、例えばパラレルリンクロボットを含んでいてもよい。
【0031】
袋供給装置16は、供給中継位置Pdに配置されている袋束91に含まれる袋90を、次々に包装機17に供給する。本実施形態の袋供給装置16は、姿勢変更装置52及び袋取出装置53を有する。姿勢変更装置52は、袋束取出装置15から受け取った袋束91の姿勢を整えて、その後、袋取出装置53に向けて送り出す。袋取出装置53は、姿勢変更装置52によって姿勢が整えられた袋束91に含まれる個々の袋90を保持し、包装機17に供給する。姿勢変更装置52及び袋取出装置53は任意の機構を有することができる。例えば姿勢変更装置52は、特願2018-108767に開示されている機構を採用してもよい。
【0032】
包装機17は、袋取出装置53を介して供給される袋90を使って包装処理を行う。包装機17の具体的な処理内容は限定されない。図示の包装機17は、各袋90に対する印字、各袋90の開口、各袋90内への内容物の投入、及び各袋90の口部のシール処理を行った後に、後段に送り出す。
【0033】
[受渡搬送ユニット及び供給搬送ユニット]
本実施形態の受渡搬送ユニット25は、お互いに積み重ねられている2以上の収容箱22を各移動体21から受け取る。受渡搬送ユニット25は、各移動体21から受け取った2以上の収容箱22から、収容箱22を1つずつ取り出す。受渡搬送ユニット25によって1つずつ取り出された収容箱22には、袋束受渡装置13によって複数の袋束91が供給され、各収容箱22の支持部20に複数の袋束91が載せられる。そして受渡搬送ユニット25は、各々に袋束受渡装置13から受け取った2以上の袋束91が収容されている2以上の収容箱22を、お互いに積み重ねられた状態で、複数の移動体21の各々に受け渡す。
【0034】
本実施形態の供給搬送ユニット26は、お互いに積み重ねられている2以上の収容箱22を各移動体21から受け取る。供給搬送ユニット26は、各移動体21から受け取った2以上の収容箱22から、収容箱22を1つずつ取り出す。供給搬送ユニット26によって1つずつ取り出された収容箱22から、袋束取出装置15によって複数の袋束91が取り出される。そして供給搬送ユニット26は、袋束取出装置15により袋束91が取り出された後の2以上の収容箱22を、お互いに積み重ねられた状態で、複数の移動体21の各々に受け渡す。
【0035】
図示の受渡搬送ユニット25は、第1受渡搬送コンベア31、第2受渡搬送コンベア32、第3受渡搬送コンベア33、第1受渡保持部34及び第2受渡保持部35を含む。
【0036】
第1受渡搬送コンベア31には、各移動体21から受け渡される2以上の収容箱22であって、お互いに積み重ねられている2以上の収容箱22が載せられる。第1受渡搬送コンベア31に受け渡される各収容箱22は、空であり、袋束91を収容していない。すなわち供給ゾーンZdにおいて袋束91が取り出された後の収容箱22が、移動体21によって受渡ゾーンZrに移送され、第1受渡搬送コンベア31に載せられる。
【0037】
第1受渡保持部34は、第1受渡搬送コンベア31に1つの収容箱22のみが載せられるように、第1受渡搬送コンベア31から1以上の収容箱22を持ち上げる。第1受渡保持部34は、積み重ねられた2以上の収容箱22を持ち上げる場合、当該2以上の収容箱22のうちの一番下の収容箱22のみを保持しつつ、当該2以上の収容箱22の全体を高さ方向に移動させてもよい。
【0038】
第1受渡搬送コンベア31に1つの収容箱22のみが載せられている状態で第1受渡搬送コンベア31及び第2受渡搬送コンベア32は駆動され、当該1つの収容箱22が第1受渡搬送コンベア31から移送されて第2受渡搬送コンベア32に載せられる。
【0039】
袋束受渡装置13は、第2受渡搬送コンベア32に載せられている収容箱22に2以上の袋束91を受け渡す。
【0040】
第2受渡保持部35は、第3受渡搬送コンベア33に収容箱22が載せられないように、第3受渡搬送コンベア33から1つの収容箱22又はお互いに積み重ねられている2以上の収容箱22を持ち上げる。第2受渡保持部35は、積み重ねられた2以上の収容箱22を持ち上げる場合、一番下の収容箱22のみを保持しつつ、積み重ねられた2以上の収容箱22の全体を高さ方向に移動させてもよい。
【0041】
そして、2以上の所望数の袋束91を収容する収容箱22が第2受渡搬送コンベア32に載せられ且つ第3受渡搬送コンベア33に収容箱22が載せられていない状態で、第2受渡搬送コンベア32及び第3受渡搬送コンベア33は駆動される。これにより2以上の袋束91を収容する収容箱22が、第2受渡搬送コンベア32から移送されて第3受渡搬送コンベア33に載せられる。
【0042】
図2は、第1受渡搬送コンベア31、第2受渡搬送コンベア32及び第3受渡搬送コンベア33の構成例を説明するための平面図である。理解を容易にするため
図2では、第1受渡搬送コンベア31、第2受渡搬送コンベア32、第3受渡搬送コンベア33、収容箱22及び袋束91以外の要素の図示が省略されている。
図3は、第1受渡搬送コンベア31、第2受渡搬送コンベア32及び第3受渡搬送コンベア33に対する第1受渡保持部34、袋束受渡装置13及び第2受渡保持部35の位置関係例を説明するための平面図である。理解を容易にするため
図3では、移動体21の図示が省略されている。
【0043】
図示の第1受渡搬送コンベア31は2つの供給開閉ベルト31aを有し、第3受渡搬送コンベア33は2つの排出開閉ベルト33aを有する。図示の2つの供給開閉ベルト31aは、各収容箱22の移送方向(水平方向)D1と直交する開閉方向(水平方向)D2へ対称的に移動可能に設けられている。2つの供給開閉ベルト31aは、お互いに対して相対的に近い位置である供給近接位置Pc1、及び、お互いに対して相対的に遠い位置である供給遠隔位置Pc2に配置可能である。同様に、図示の2つの排出開閉ベルト33aは、各収容箱22の移送方向D1と直交する開閉方向D2へ対称的に移動可能に設けられている。2つの排出開閉ベルト33aは、お互いに対して相対的に近い位置である排出近接位置Pf1、及び、お互いに対して相対的に遠い位置である排出遠隔位置Pf2に配置可能である。
【0044】
供給遠隔位置Pc2に配置されている2つの供給開閉ベルト31aの間に形成されるスペースに、各移動体21とともに移動する2以上の収容箱22のうちのいずれか1以上が進入するように、各移動体21は第1受渡搬送コンベア31に対応する位置に移動する(
図3参照)。これにより、各移動体21が支持する2以上の収容箱22と2つの供給開閉ベルト31aとの間の接触及び衝突を回避しつつ、第1受渡搬送コンベア31に対応する位置に各移動体21をスムーズに移動させることができる。
【0045】
第1受渡保持部34は、2つの供給開閉ベルト31aの間が供給遠隔位置Pc2に配置されている状態で、2つの供給開閉ベルト31aの間に形成されるスペースに収容箱22が存在しなくなるように、第1受渡搬送コンベア31に対応する位置に配置されている各移動体21から2以上の収容箱22を持ち上げる。
【0046】
図示の第1受渡保持部34は断面L字状の2つの部材を具備する。第1受渡保持部34の2つの部材は、各収容箱22の移送方向D1と直交する開閉方向D2へお互いに対して対称的に移動可能に設けられており、お互いに対して相対的に近い位置である保持位置、及び、お互いに対して相対的に遠い位置である退避位置に配置可能である。第1受渡保持部34の2つの部材は、保持位置に配置されている状態で収容箱22を挟むことによって、当該収容箱22を持ち上げ可能に保持する(
図3参照)。
【0047】
2つの供給開閉ベルト31aは、2つの供給開閉ベルト31aの間に形成されるスペースに収容箱22が存在しない状態で、供給遠隔位置Pc2から移動して、供給近接位置Pc1に配置される。供給近接位置Pc1に配置されている2つの供給開閉ベルト31aの間に形成されるスペースの開閉方向D2に関する大きさは、各収容箱22の開閉方向D2に関する大きさよりも小さい。第1受渡保持部34は、各移動体21から持ち上げた2以上の収容箱22を、供給近接位置Pc1に配置されている2つの供給開閉ベルト31aに載せることができる(
図2参照)。
【0048】
各移動体21は、支持していた全ての収容箱22を第1受渡保持部34に受け渡した後(すなわち支持していた全ての収容箱22が第1受渡保持部34によって持ち上げられた後)、第1受渡搬送コンベア31に対応する位置から第3受渡搬送コンベア33に対応する位置に移動する。各移動体21の大きさ(特に高さ方向に関する大きさ)は限定されない。各移動体21が第1受渡搬送コンベア31、第2受渡搬送コンベア32及び第3受渡搬送コンベア33よりも低い場合、各移動体21は、第1受渡搬送コンベア31、第2受渡搬送コンベア32及び第3受渡搬送コンベア33の下方を移動することができ、第1受渡搬送コンベア31に対応する位置から第3受渡搬送コンベア33に対応する位置へ直線的に最短距離で移動することが可能である。
【0049】
第2受渡搬送コンベア32に載せられている収容箱22には、袋束受渡装置13によって所望数の袋束91(
図2に示す例では8つの袋束91)が供給され、当該収容箱22の底部(すなわち支持部20)に所望数の袋束91が載せられる。
【0050】
第2受渡搬送コンベア32から送られてくる収容箱22は、排出近接位置Pf1に配置されている2つの排出開閉ベルト33aに載せられる(
図2参照)。
【0051】
第2受渡保持部35は、排出近接位置Pf1に配置されている2つの排出開閉ベルト33aから1つの収容箱22又はお互いに積み重ねられている複数の収容箱22を持ち上げる。図示の第2受渡保持部35は断面L字状の2つの部材を具備する。第2受渡保持部35の2つの部材は、各収容箱22の移送方向D1と直交する開閉方向D2へ対称的に移動可能に設けられており、お互いに対して相対的に近い位置である保持位置(
図3参照)、及び、お互いに対して相対的に遠い位置である退避位置に配置可能である。第2受渡保持部35の2つの部材は、保持位置に配置されている状態で収容箱22を挟むことによって、当該収容箱22を持ち上げ可能に保持する。
【0052】
2つの排出開閉ベルト33aに収容箱22が載せられておらず且つ第2受渡保持部35がお互いに積み重ねられている2以上の収容箱22を持ち上げている状態で、2つの排出開閉ベルト33aは排出遠隔位置Pf2に配置される。
【0053】
第2受渡保持部35は、持ち上げている2以上の収容箱22の少なくとも一部が、排出遠隔位置Pf2に配置されている2つの排出開閉ベルト33aの間に形成されるスペースを通過するように、持ち上げている2以上の収容箱22を移動させて、当該2以上の収容箱22を第3受渡搬送コンベア33に対応する位置に配置されている各移動体21に受け渡す。これにより、第2受渡保持部35が支持する2以上の収容箱22と2つの排出開閉ベルト33aとの間の接触及び衝突を回避しつつ、これらの2以上の収容箱22を各移動体21に受け渡すことができる。
【0054】
次に、受渡ゾーンZrにおける収容箱22の移送態様の具体例について説明する。なお以下に説明する収容箱22の移送態様は一例に過ぎず、他の態様で収容箱22が移送されてもよい。
【0055】
図4A~
図4Jは、受渡ゾーンZrにおける収容箱22a~22fの移送態様の一例を説明するための側方図である。
図4A~
図4Jに示す例において袋供給システム10の各種装置は、後述の制御部(
図5参照)の制御下で駆動される。
【0056】
本例では、まず
図4Aに示されるように、第1受渡搬送コンベア31、第2受渡搬送コンベア32及び第3受渡搬送コンベア33の各々に1つの収容箱(収容箱22a、22b、22c)が載せられている状態を想定する。
図4Aに示される例では、複数の収容箱(具体的には3つの収容箱22d、22e、22f)が載せられている移動体21が、第1受渡搬送コンベア31の直前位置において待機している。
【0057】
図4Aに示されている状態で、第3受渡搬送コンベア33に載せられている収容箱22aは第2受渡保持部35によって持ち上げられ、第3受渡搬送コンベア33上に収容箱が載せられないようにする。その後、第2受渡搬送コンベア32及び第3受渡搬送コンベア33が駆動され、第2受渡搬送コンベア32上の収容箱22b(特に所望数の袋束91が収容されている収容箱22b)が移送されて、第3受渡搬送コンベア33に載せられる(
図4B参照)。また第1受渡搬送コンベア31及び第2受渡搬送コンベア32が駆動され、第1受渡搬送コンベア31上の収容箱22cが移送されて、第2受渡搬送コンベア32に載せられる。第2受渡搬送コンベア32上に収容箱22cが載せられている状態で、当該収容箱22cには袋束受渡装置13によって複数の袋束91が次々に載せられる。
【0058】
図4Aに示されている状態から
図4Bに示されている状態に移行する際、第1受渡搬送コンベア31の駆動タイミングは限定されない。例えば、収容箱22bが第2受渡搬送コンベア32から第3受渡搬送コンベア33に移動させられるタイミングと同時的に、収容箱22cが第1受渡搬送コンベア31から第2受渡搬送コンベア32に移動させられてもよい。また第2受渡搬送コンベア32から第3受渡搬送コンベア33への収容箱22bの移動が完了した後に、第1受渡搬送コンベア31から第2受渡搬送コンベア32への収容箱22cの移動が開始されてもよい。
【0059】
図4Bに示されている状態で、第1受渡搬送コンベア31の2つの供給開閉ベルト31aは供給遠隔位置Pc2に配置され、その後、移動体21は収容箱22d、22e、22fとともに、第1受渡搬送コンベア31に対応する位置に移動する(
図4C参照)。移動体21が第1受渡搬送コンベア31に対応する位置に配置されている状態で、当該移動体21は供給開閉ベルト31a間のスペースの真下に位置し、当該移動体21が支持する収容箱22d、22e、22f(図示の例では特に収容箱22e)は、2つの供給開閉ベルト31a間のスペースを貫くように配置される。
【0060】
そして収容箱22d、22e、22fは、第1受渡保持部34によって、第1受渡搬送コンベア31に対応する位置にある移動体21から持ち上げられ、第1受渡搬送コンベア31よりも上方に配置される(
図4D参照)。これにより、第1受渡搬送コンベア31に対応する位置にある移動体21には収容箱が載せられていない。一方、第2受渡保持部35は、持ち上げていた収容箱22aを、第3受渡搬送コンベア33上の収容箱22b上に載せ、その後、第3受渡搬送コンベア33上において最下方位置にある収容箱22bを保持しつつ2つの収容箱22a、22bを持ち上げる。これにより、第3受渡搬送コンベア33には収容箱が載せられていない。
【0061】
そして移動体21は、収容箱が載せられていない状態で、第1受渡搬送コンベア31に対応する位置から第3受渡搬送コンベア33に対応する位置に移動する(
図4E参照)。一方、2つの供給開閉ベルト31aは供給近接位置Pc1に配置される。第1受渡保持部34は、2つの供給開閉ベルト31aが供給近接位置Pc1に配置されている状態で、持ち上げていた収容箱22d、22e、22fを第1受渡搬送コンベア31上に載せる。その後、第1受渡保持部34は、第1受渡搬送コンベア31上において下から2番目に位置する収容箱22eを保持しつつ2つの収容箱22e、22fを持ち上げて、第1受渡搬送コンベア31上に1つの収容箱22dのみが載せられる。
【0062】
一方、第3受渡搬送コンベア33に収容箱が載せられていない状態で第2受渡搬送コンベア32及び第3受渡搬送コンベア33は駆動され、所望数の袋束91を収容する第2受渡搬送コンベア32上の収容箱22cが、第2受渡搬送コンベア32から第3受渡搬送コンベア33に移送される。また第2受渡搬送コンベア32上の収容箱22cの移送と同時的に又は当該収容箱22cが第3受渡搬送コンベア33に移送された後に、第1受渡搬送コンベア31及び第2受渡搬送コンベア32は駆動され、第1受渡搬送コンベア31上の収容箱22dが第1受渡搬送コンベア31から第2受渡搬送コンベア32に移送される。そして、第2受渡搬送コンベア32上に収容箱22dが載せられている状態で、当該収容箱22dには袋束受渡装置13によって複数の袋束91が次々に載せられる。
【0063】
第2受渡保持部35は、持ち上げていた収容箱22a、22bを、第3受渡搬送コンベア33上の収容箱22c上に載せ、その後、第3受渡搬送コンベア33上の最下方位置に配置される収容箱22cを保持しつつ3つの収容箱22a、22b、22cを持ち上げる(
図4F参照)。これにより、第3受渡搬送コンベア33には収容箱が載せられていない。その後、2つの排出開閉ベルト33aは、排出遠隔位置Pf2に配置される。
【0064】
そして、2つの排出開閉ベルト33aが排出遠隔位置Pf2に配置されている状態で、第2受渡保持部35は収容箱22a、22b、22cを降下させ、これらの収容箱22a、22b、22cを、第3受渡搬送コンベア33に対応する位置に配置されている移動体21に載せる(
図4G参照)。第2受渡保持部35は、移動体21に収容箱22a、22b、22cに受け渡した後、収容箱22a、22b、22c(特に収容箱22c)の保持を解放し、第3受渡搬送コンベア33よりも上方の待機位置に移動する。
【0065】
そして2つの排出開閉ベルト33aが排出遠隔位置Pf2に配置されている状態で、移動体21は、収容箱22a、22b、22cとともに、第3受渡搬送コンベア33に対応する位置から供給ゾーンZdに向けて移動する(
図4H参照)。移動体21が第3受渡搬送コンベア33に対応する位置から移動した後、2つの排出開閉ベルト33aは排出近接位置Pf1に配置される。
【0066】
そして、第1受渡保持部34は、2つの供給開閉ベルト31aが供給近接位置Pc1に配置されている状態で、持ち上げていた収容箱22e、22fを第1受渡搬送コンベア31上に載せる。その後、第1受渡保持部34は、第1受渡搬送コンベア31上において下から2番目に位置する収容箱22fを保持しつつ持ち上げて、第1受渡搬送コンベア31上に1つの収容箱22eのみが載せられる(
図4I参照)。
【0067】
その後、第3受渡搬送コンベア33には収容箱が載せられていない状態で第2受渡搬送コンベア32及び第3受渡搬送コンベア33が駆動され、所望数の袋束91を収容する収容箱22dが第2受渡搬送コンベア32から第3受渡搬送コンベア33に移送される(
図4J参照)。また第2受渡搬送コンベア32上の収容箱22dの移送と同時的に又は当該収容箱22dが第3受渡搬送コンベア33に移送された後に第1受渡搬送コンベア31及び第2受渡搬送コンベア32が駆動され、収容箱22eが第1受渡搬送コンベア31から第2受渡搬送コンベア32に移送される。第2受渡搬送コンベア32上に収容箱22eが載せられている状態で、当該収容箱22dには袋束受渡装置13によって複数の袋束91が次々に載せられる。
【0068】
そして、第1受渡保持部34は、2つの供給開閉ベルト31aが供給近接位置Pc1に配置されている状態で、持ち上げていた収容箱22fを第1受渡搬送コンベア31上に載せる。
【0069】
【0070】
なお本実施形態において、供給ゾーンZdに設けられる供給搬送ユニット26は、上述の受渡搬送ユニット25と同様の構成を有する。すなわち、第1供給搬送コンベア41、第2供給搬送コンベア42及び第3供給搬送コンベア43は、それぞれ上述の第1受渡搬送コンベア31、第2受渡搬送コンベア32及び第3受渡搬送コンベア33と同様の構成を有する。したがって第1供給搬送コンベア41は2つの開閉ベルトを有し、これらの2つの開閉ベルトは、お互いに対して相対的に近い位置である近接位置及びお互いに対して相対的に遠い位置である遠隔位置に配置可能である。また第3供給搬送コンベア43も2つの開閉ベルトを有し、これらの2つの開閉ベルトは、お互いに対して相対的に近い位置である近接位置及びお互いに対して相対的に遠い位置である遠隔位置に配置可能である。また第1供給保持部44及び第2供給保持部45の各々は、各収容箱22の移送方向D1と直交する開閉方向D2へ対称的に移動可能な断面L字状の2つの部材を具備し、収容箱22を保持しつつ持ち上げることが可能である。
【0071】
供給ゾーンZdにおける第1供給搬送コンベア41、第2供給搬送コンベア42、第3供給搬送コンベア43、第1供給保持部44、第2供給保持部45及び各移動体21の挙動も、受渡ゾーンZrにおける上述の第1受渡搬送コンベア31、第2受渡搬送コンベア32、第3受渡搬送コンベア33、第1受渡保持部34、第2受渡保持部35及び各移動体21の挙動と基本的に同じである。
【0072】
ただし第2供給搬送コンベア42上に載せられている収容箱22に対しては、袋束取出装置15によって袋束91の取り出し処理が行われる。すなわち収容箱22が第2供給搬送コンベア42上に載せられている間に、袋束取出装置15により当該収容箱22から全ての袋束91が取り出される。空になった収容箱22は、第2供給搬送コンベア42から第3供給搬送コンベア43に移送される。そして、積み重ねられた空の複数の収容箱22(図示の例では3つの収容箱22)が、第2供給保持部45によって、第3供給搬送コンベア43に対応する位置に配置されている各移動体21に載せられる。そして各移動体21は、空の複数の収容箱22とともに供給ゾーンZdから受渡ゾーンZrに移動する(
図4A参照)。
【0073】
図5は、制御構成の一例を示す機能ブロック図である。
【0074】
袋供給システム10が備える制御部60は、
図1では図示が省略されているが、任意の位置に設置可能である。
図5に示す各機能ブロックは、任意のハードウェア及びソフトウェアを組み合わせることによって構成可能である。したがって各機能ブロックは単一又は複数の装置によって実現可能であり、2以上の機能ブロックが単一の装置によって実現されてもよい。制御部60が得ることができる各種の情報は、物理的な検知から直接的に得られる情報であってもよいし、各種の作動状態から間接的に得られる情報であってもよい。また制御部60は、制御部60とは別個に設けられたセンサ及び駆動制御装置からの出力信号(有線信号又は無線信号)に基づいて各種情報を得てもよいし、制御部60自身が持つ制御情報及び/又はデータに基づいて各種情報を得てもよい。
【0075】
制御部60は、典型的には
図5に示すように、移動体位置特定装置61によって各移動体21の位置の情報が提供され、受渡ゾーン検知センサ62によって受渡ゾーンZrにおける収容箱22の配置の情報が提供され、供給ゾーン検知センサ63によって供給ゾーンZdにおける収容箱22の配置の情報が提供される。また制御部60は、受渡ゾーンベルト開閉状態特定装置64によって、受渡ゾーンZrにおける開閉ベルト(すなわち各供給開閉ベルト31a及び各排出開閉ベルト33a)の開閉状態の情報が提供され、供給ゾーンベルト開閉状態特定装置65によって、供給ゾーンZdにおける開閉ベルト(すなわち第1供給搬送コンベア41及び第3供給搬送コンベア43の各々が具備する開閉ベルト)の開閉状態の情報が提供される。
【0076】
移動体位置特定装置61は、例えば各移動体21に搭載されている位置情報取得部によって構成可能である。例えば、床や天井に描かれた二次元コード等の記号を読み取ることによって位置情報を取得可能な位置情報取得部によって、移動体位置特定装置61が構成されてもよい。受渡ゾーン検知センサ62及び供給ゾーン検知センサ63は、例えば受渡ゾーンZr及び供給ゾーンZdに設置された光学センサにより構成可能である。受渡ゾーンベルト開閉状態特定装置64及び供給ゾーンベルト開閉状態特定装置65は、制御部60からの制御信号に基づいて各開閉ベルトを開閉駆動する受渡搬送駆動部73及び供給搬送駆動部74によって構成されてもよい。
【0077】
制御部60は、袋束配置駆動部70を介して袋束配置装置12を制御し、袋束受渡駆動部71を介して袋束受渡装置13を制御し、移動体駆動部72を介して各移動体21を制御する。また制御部60は、受渡搬送駆動部73を介して受渡ゾーンZrにおける受渡搬送ユニット25(すなわち第1受渡搬送コンベア31、第2受渡搬送コンベア32、第3受渡搬送コンベア33、第1受渡保持部34及び第2受渡保持部35)を制御し、供給搬送駆動部74を介して供給ゾーンZdにおける搬送コンベア(すなわち第1供給搬送コンベア41、第2供給搬送コンベア42、第3供給搬送コンベア43、第1供給保持部44及び第2供給保持部45)を制御する。また制御部60は、袋束取出駆動部75を介して袋束取出装置15を制御し、袋供給駆動部76を介して袋供給装置16を制御する。
【0078】
袋束配置駆動部70は袋束配置装置12(移送装置50及び受渡把持装置51)の駆動装置によって構成可能である。袋束受渡駆動部71は、袋束受渡装置13の駆動装置によって構成可能である。移動体駆動部72は、各移動体21の駆動装置によって構成可能である。受渡搬送駆動部73は、第1受渡搬送コンベア31、第2受渡搬送コンベア32、第3受渡搬送コンベア33、第1受渡保持部34及び第2受渡保持部35のそれぞれの駆動装置によって構成可能である。供給搬送駆動部74は、第1供給搬送コンベア41、第2供給搬送コンベア42、第3供給搬送コンベア43、第1供給保持部44及び第2供給保持部45のそれぞれの駆動装置によって構成可能である。袋束取出駆動部75は、袋束取出装置15の駆動装置によって構成可能である。袋供給駆動部76は、袋供給装置16(姿勢変更装置52及び袋取出装置53)の駆動装置によって構成可能である。
【0079】
例えば収容箱22を下流側に送る際、収容箱22を持ち上げる際、及び/又は開閉ベルトの開閉を行う際に、制御部60は、受渡ゾーン検知センサ62及び/又は供給ゾーン検知センサ63から提供される情報に基づいて「対応の搬送コンベア上における収容箱22の存在の有無や収容箱22の数」を確認し、当該確認結果に応じた制御を行うことが可能である。
【0080】
以上説明したように本実施形態によれば、作業者を介在させることなく、収容箱22への袋束91(袋90)の収容から包装機17(後段)への袋90の供給までの一連の処理を適切に実施することができ、衛生的な環境下で袋90を搬送することができる。
【0081】
また複数の収容箱22を重ねた状態で受渡ゾーンZrから供給ゾーンZdに移送することができ、一度に多数の袋90を供給ゾーンZdに運ぶことが可能である。これにより例えば、移動体21の数を減らしたり、移動体21による各収容箱22の移送の速度を低下させたりしても、供給ゾーンZdに対する単位時間当たりの袋90の供給量を落とすことなく、所望のペースで袋90を包装機17(後段)に供給することが可能である。また移動体21の数を減らすことで、移動体21に要する費用が抑えられ、また移動体21の移動制御の複雑化を回避することが可能である。また移動体21による各収容箱22の移送の速度を低下させることによって、各収容箱22及び各袋束91(各袋90)に働く慣性力が大きくなることを抑えることができ、各移動体21からの収容箱22の落下や各収容箱22における各袋束91(各袋90)の姿勢の乱れを防ぐことができる。
【0082】
また受渡ゾーンZrに3以上のコンベア(第1受渡搬送コンベア31、第2受渡搬送コンベア32及び第3受渡搬送コンベア33)を設けることによって、受渡ゾーンZrに対する収容箱22の供給、各収容箱22に対する袋束91の供給、及び受渡ゾーンZrからの収容箱22の送り出しをスムーズに行うことが可能である。例えば受渡ゾーンZrに1つ又は2つのコンベアしか設けられていない場合、第1受渡保持部34及び/又は第2受渡保持部35は高さ方向だけではなく水平方向に動くことが求められ、第1受渡保持部34及び/又は第2受渡保持部35の制御が複雑になる。一方、受渡ゾーンZrに3以上のコンベアを設けることによって、第1受渡保持部34及び第2受渡保持部35を水平方向には動かさずに、高さ方向にのみ動かすことが可能である。
【0083】
同様に、供給ゾーンZdに3以上のコンベア(第1供給搬送コンベア41、第2供給搬送コンベア42及び第3供給搬送コンベア43)を設けることによって、供給ゾーンZdに対する収容箱22の供給、各収容箱22からの袋束91の取り出し、及び供給ゾーンZdからの収容箱22の送り出しをスムーズに行うことが可能である。
【0084】
また各移動体21として無人搬送車を利用することによって、各移動体21の移動経路を柔軟に設定することができ、袋供給システム10のレイアウトの自由度が向上し、袋供給システム10のレイアウトの変更にも各移動体21は柔軟に対応することが可能である。
【0085】
また第1受渡搬送コンベア31が移動可能な2つの供給開閉ベルト31aを具備することによって、各移動体21から第1受渡搬送コンベア31に収容箱22を簡単且つ確実に受け渡すことができる。同様に、第3受渡搬送コンベア33が移動可能な2つの排出開閉ベルト33aを具備することによって、第3受渡搬送コンベア33から各移動体21に収容箱22を簡単且つ確実に受け渡すことが可能である。さらに、第1受渡保持部34及び第2受渡保持部35の各々を、水平方向には動かさずに、高さ方向にのみ動かすことが可能である。
【0086】
同様に、第1供給搬送コンベア41及び第3供給搬送コンベア43の各々が移動可能な2つの開閉ベルトを具備することによって、各移動体21から第1供給搬送コンベア41に収容箱22を簡単且つ確実に受け渡すことができ、第3供給搬送コンベア43から各移動体21に収容箱22を簡単且つ確実に受け渡すことが可能である。さらに、第1供給保持部44及び第2供給保持部45の各々を、水平方向には動かさずに、高さ方向にのみ動かすことが可能である。
【0087】
[第2実施形態]
本実施形態において、上述の第1実施形態と同一又は類似の要素には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0088】
袋供給システム10は、複数の包装機17を備えていてもよい。袋供給システム10は、複数の供給ゾーンZdを有していてもよく、複数の包装機17のそれぞれに別々の供給ゾーンZdが割り当てられていてもよい。
【0089】
図6は、第2実施形態に係る袋供給システム10の一例を示す図である。
【0090】
図6に示す例では、供給ゾーンZdとして、第1供給ゾーンZd1及び第2供給ゾーンZd2がお互いに異なる領域に設けられている。また供給中継位置Pdとして、第1供給ゾーンZd1に対応する第1供給中継位置Pd1と、第2供給ゾーンZd2に対応する第2供給中継位置Pd2とが設けられている。また包装機17として第1包装機17a及び第2包装機17bがお互いに異なる領域に設けられている。
【0091】
図6に示す例では、第1供給ゾーンZd1及び第2供給ゾーンZd2のそれぞれに割り当てられるように、2つの供給搬送ユニット26(すなわち2つの第1供給搬送コンベア41、2つの第2供給搬送コンベア42、2つの第3供給搬送コンベア43、2つの第1供給保持部44及び2つの第2供給保持部45)が設けられている。同様に、2つの袋束取出装置15及び2つの袋供給装置16が設けられている。
【0092】
第1供給ゾーンZd1に割り当てられている袋束取出装置15は、第1供給ゾーンZd1において保持した袋束91を、袋束搬送装置14(すなわち収容箱22)から第1供給中継位置Pd1に移動させる。同様に、第2供給ゾーンZd2に割り当てられている袋束取出装置15は、第2供給ゾーンZd2において保持した袋束91を、袋束搬送装置14(すなわち収容箱22)から第2供給中継位置Pd2に移動させる。このように第1供給ゾーンZd1及び第1包装機17aに割り当てられている上述の装置を介し、第1供給ゾーンZd1から取り出された袋束91に含まれる袋90が第1包装機17aに供給される。同様に、第2供給ゾーンZd2及び第2包装機17bに割り当てられている上述の装置を介し、第2供給ゾーンZd2から取り出された袋束91に含まれる袋90が第2包装機17bに供給される。
【0093】
袋束搬送装置14は、袋束91を、対応の収容箱22の支持部20によって支持されている状態で、受渡ゾーンZrから、第1供給ゾーンZd1及び第2供給ゾーンZd2のうちの少なくともいずれか一方に搬送する。すなわち各移動体21及び各収容箱22(各支持部20)は、受渡ゾーンZrと、第1供給ゾーンZd1及び第2供給ゾーンZd2のうちの少なくともいずれか一方との間を、無端軌道Tcに沿って移動する。
【0094】
図6に示す例において、各移動体21及び各収容箱22の移動経路である無端軌道Tcは、第1軌道部Tc1~第6軌道部Tc6を含む。第1軌道部Tc1は、受渡ゾーンZrから第1供給ゾーンZd1に向かって延びる経路と、第2供給ゾーンZd2から受渡ゾーンZrに向かって延びる経路と、
受渡ゾーンZrを通過するように延びる経路とを含む。第2軌道部Tc2及び第3軌道部Tc3は、受渡ゾーンZrから第1供給ゾーンZd1に向かって延びる第1軌道部Tc1から分岐する経路である。第2軌道部Tc2は、第1供給ゾーンZd1を迂回するように延びる経路である。第3軌道部Tc3は、第1供給ゾーンZd1を通過するように延びる経路である。第4軌道部Tc4は、第2軌道部Tc2及び第3軌道部Tc3が合流する経路である。第5軌道部Tc5は、第2供給ゾーンZd2を迂回するように延びる経路である。第6軌道部Tc6は、第2供給ゾーンZd2を通過するように延びる経路である。第5軌道部Tc5及び第6軌道部Tc6は、第2供給ゾーンZd2から受渡ゾーンZrに向かって延びる第1軌道部Tc1に合流する。
【0095】
受渡ゾーンZrから第1供給ゾーンZd1に供給される収容箱22及び対応の移動体21は、第1軌道部Tc1及び第3軌道部Tc3を通って第1供給ゾーンZd1に至り、第3軌道部Tc3、第4軌道部Tc4、第5軌道部Tc5及び第1軌道部Tc1を通って受渡ゾーンZrに戻る。一方、受渡ゾーンZrから第2供給ゾーンZd2に供給される収容箱22及び対応の移動体21は、第1軌道部Tc1、第2軌道部Tc2、第4軌道部Tc4及び第6軌道部Tc6を通って第2供給ゾーンZd2に至り、第6軌道部Tc6及び第1軌道部Tc1を通って受渡ゾーンZrに戻る。各移動体21は、制御部60の制御下で、適切な経路をたどるように駆動される。
【0096】
以上説明したように本実施形態によれば、複数の包装機17を並列的に駆動することができ、生産性を向上させることができる。特に、製袋機11における袋90の生産速度が、包装機17における袋90の消費速度(使用速度)よりも大きい場合、複数の包装機17を設置することによって、袋90の生産速度と袋90の消費速度とを高いレベルでバランスさせることが可能である。
【0097】
[変形例]
本発明は、上述の実施形態及び変形例には限定されない。例えば、上述の実施形態及び変形例の各要素に各種の変形が加えられてもよい。また上述の実施形態及び変形例の構成が、全体的に又は部分的に組み合わせられてもよい。
【0098】
支持部20は収容箱22以外によって構成されていてもよい。例えば、袋束搬送装置14はベルトコンベアによって構成されていてもよく、無端軌道に沿って走行する1又は複数の搬送ベルトによって支持部20が構成されていてもよい。
【0099】
受渡ゾーンZr及び供給ゾーンZdの各々において、上述の実施形態では3つの搬送コンベアが設けられているが、2つの搬送コンベアのみが設けられていてもよいし、4つ以上の搬送コンベアが設けられていてもよい。
【0100】
第1受渡保持部34及び第2受渡保持部35の具体的な構成及び収容箱22の保持方法は限定されず、上述の「断面L字状の2つの部材」が用いられなくてもよい。
【0101】
各移動体21の無端軌道上に、各移動体21及び各収容箱22の待機ゾーンが設けられていてもよい。例えば複数の供給ゾーンZdが設けられる場合(
図6参照)、受渡ゾーンZrと最初の供給ゾーンZd(
図6の第1供給ゾーンZd1参照)との間の経路、及び/又は、供給ゾーンZd間の経路に、各移動体21及び各収容箱22(特に袋束91を収容する収容箱22)を待機させるゾーンが設けられてもよい。この場合、受渡ゾーンZrで袋束91が補給された収容箱22を待機ゾーンにおいて待機させておき、各供給ゾーンZdには、新たな袋束91の補給が必要になったタイミングで適応的に新たな収容箱22を待機ゾーンから送ることが可能である。
【符号の説明】
【0102】
10 袋供給システム、11 製袋機、12 袋束配置装置、13 袋束受渡装置、14 袋束搬送装置、15 袋束取出装置、16 袋供給装置、17 包装機、17a 第1包装機、17b 第2包装機、20 支持部、21 移動体、22 収容箱、22a~22f 収容箱、25 受渡搬送ユニット、26 供給搬送ユニット、31 第1受渡搬送コンベア、31a 供給開閉ベルト、32 第2受渡搬送コンベア、33 第3受渡搬送コンベア、33a 排出開閉ベルト、34 第1受渡保持部、35 第2受渡保持部、41 第1供給搬送コンベア、42 第2供給搬送コンベア、43 第3供給搬送コンベア、44 第1供給保持部、45 第2供給保持部、50 移送装置、51 受渡把持装置、52 姿勢変更装置、53 袋取出装置、60 制御部、61 移動体位置特定装置、62 受渡ゾーン検知センサ、63 供給ゾーン検知センサ、64 受渡ゾーンベルト開閉状態特定装置、65 供給ゾーンベルト開閉状態特定装置、70 袋束配置駆動部、71 袋束受渡駆動部、72 移動体駆動部、73 受渡搬送駆動部、74 供給搬送駆動部、75 袋束取出駆動部、76 袋供給駆動部、90 袋、91 袋束、D1 移送方向、D2 開閉方向、Pc1 供給近接位置、Pc2 供給遠隔位置、Pd 供給中継位置、Pd1 第1供給中継位置、Pd2 第2供給中継位置、Pf1 排出近接位置、Pf2 排出遠隔位置、Pr 受渡中継位置、Tc 無端軌道、Tc1 第1軌道部、Tc2 第2軌道部、Tc3 第3軌道部、Tc4 第4軌道部、Tc5 第5軌道部、Tc6 第6軌道部、Zd 供給ゾーン、Zd1 第1供給ゾーン、Zd2 第2供給ゾーン、Zr 受渡ゾーン