(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-18
(45)【発行日】2023-05-26
(54)【発明の名称】ハイブリッドビームフォーミングに基づくミリ波通信のためのアダプティブデジタルプリコーダコードブックの構成
(51)【国際特許分類】
H04B 7/06 20060101AFI20230519BHJP
H01Q 3/26 20060101ALI20230519BHJP
H04W 8/22 20090101ALI20230519BHJP
H04W 16/28 20090101ALI20230519BHJP
【FI】
H04B7/06 956
H01Q3/26 Z
H04W8/22
H04W16/28
(21)【出願番号】P 2019552008
(86)(22)【出願日】2018-03-23
(86)【国際出願番号】 US2018024190
(87)【国際公開番号】W WO2018183131
(87)【国際公開日】2018-10-04
【審査請求日】2021-03-23
(32)【優先日】2017-03-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】316012245
【氏名又は名称】アイディーエーシー ホールディングス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ピン-ヘン・クオ
(72)【発明者】
【氏名】アラン・ムラッド
(72)【発明者】
【氏名】カトラ・サティヤナラヤン
(72)【発明者】
【氏名】ムハンマド・エル-ハジャール
【審査官】原田 聖子
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2013/0301454(US,A1)
【文献】Panasonic,Performance Evaluation of 8Tx Codebook Subsampling in PUCCH 1-1 CSI Mode II[online],3GPP TSG-RAN WG1#63 R1-106076,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_63/Docs/R1-106076.zip>,2010年11月09日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/06
H01Q 3/26
H04W 8/22
H04W 16/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アナログビームフォーミングおよびデジタルビームフォーミングのできるミリ波のユーザ端末のための方法であって、
アクセスノードから、アナログビームフォーミング設定を使用してダウンリンク基準信号を受信するステップと、
前記受信されたダウンリンク基準信号を使用して、前記アナログビームフォーミング設定に基づいて有効なチャネルを測定するステップと、
前記アクセスノードから、目標の性能閾値を示しているアシスタンスパラメータを受信するステップ
であって、前記アシスタンスパラメータは、性能改善閾値(PIT)を有する、ステップと、
前記測定された有効なチャネルに基づいて、前記性能閾値を達成することのできる最小のデジタルプリコーダコードブック分解能を決定するステップと、
前記決定された最小のデジタルプリコーダコードブック分解能を前記アクセスノードに送るステップと
を備えることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記最小のデジタルプリコーダコードブック分解能を決定するステップは、
デジタルプリコーディングなしのチャネル容量(C
NO_DP)、および異なるデジタルプリコーダコードブック分解能インデックス値iのもとのチャネル容量(C
DP,i)を計算するステップと、
前記最小のデジタルプリコーダコードブック分解能としてC
DP,i-C
NO_DP>PITを達成する最小のコードブック分解能を決定するステップと
を含むことを特徴とする請求項
1に記載の方法。
【請求項3】
前記最小のデジタルプリコーダコードブック分解能を決定するステップは、
デジタルプリコーディングなしでのリンク品質メトリック値(C
NO_DP)、および異なるデジタルプリコーダコードブック分解能インデックス値iのもとでのリンク品質メトリック値(C
DP,i)を計算するステップと、
前記最小のデジタルプリコーダコードブック分解能として、C
DP,iとC
NO_DPとの間の性能差がPITを満足するような最小のコードブック分解能を決定するステップと
を含むことを特徴とする請求項
1に記載の方法。
【請求項4】
少なくとも1つのアシスタンスパラメータは、絶対性能閾値(APT)を有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記最小のデジタルプリコーダコードブック分解能を決定するステップは、
異なるデジタルプリコーダコードブック分解能インデックス値iのもとのチャネル容量(C
DP,i)を計算するステップと、
前記最小のデジタルプリコーダコードブック分解能としてC
DP,i>APTを達成する最小のコードブック分解能を決定するステップと
を含むことを特徴とする請求項
4に記載の方法。
【請求項6】
前記最小のデジタルプリコーダコードブック分解能を決定するステップは、
異なるデジタルプリコーダコードブック分解能インデックス値iのもとのリンク品質メトリック値(C
DP,i)を計算するステップと、
前記最小のデジタルプリコーダコードブック分解能としてC
DP,iが前記APTを満足するような最小のコードブック分解能を決定するステップと
を含むことを特徴とする請求項
4に記載の方法。
【請求項7】
各デジタルプリコーダコードブック分解能インデックス値iは、単一の利用可能なデジタルプリコーダコードブック分解能にマッピングされることを特徴とする請求項
2または
3および
5または
6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記アシスタンスパラメータは、前記アクセスノードから無線リソース再構成メッセージにおいて受信されることを特徴とする請求項1ないし
7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記決定された最小のデジタルプリコーダコードブック分解能は、デジタルプリコーダフィードバックが前記ユーザ端末によってデアクティベートされていることを示すことを特徴とする請求項1ないし
8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記アクセスノードに送られた前記決定された最小のデジタルプリコーダコードブック分解能を使用して、後続のダウンリンクデータ送信を前記アクセスノードから前記ユーザ端末において受信するステップをさらに備えることを特徴とする請求項1ないし
9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記最小のデジタルプリコーダコードブック分解能を決定するステップは、
前記測定された有効なチャネルと、前記受信されたアシスタンスパラメータと、前記ユーザ端末のモビリティレベルおよび前記ユーザ端末のバッテリー状態のうちの少なくとも1つとに基づいて、前記ユーザ端末の前記デジタルプリコーダフィードバックがデアクティベートされるべきであることを決定するステップと、
0として前記最小のデジタルプリコーダコードブック分解能を決定するステップと
を含むことを特徴とする請求項
9に記載の方法。
【請求項12】
i)アップリンクリソースの利用可能性、ii)前記ユーザ端末のバッテリー状態、およびiii)前記ユーザ端末のモビリティレベルのうちの少なくとも1つを前記アクセスノードに通信するステップをさらに備え、
前記受信されたアシスタンスパラメータは、前記通信された、i)アップリンクリソースの前記利用可能性、ii)前記ユーザ端末の前記バッテリー状態、およびiii)前記ユーザ端末の前記モビリティレベルのうちの少なくとも1つに少なくとも部分的に基づくことを特徴とする請求項1ないし
11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記決定された最小のデジタルプリコーダコードブック分解能は、(i)ショートタームプリコーダの構成要素、および(ii)ロングタームプリコーダの構成要素のうちの1つのコードブック分解能であることを特徴とする請求項1ないし
12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
プロセッサと、
前記プロセッサによって実行されると、
アクセスノードから、アナログビームフォーミング設定を使用してダウンリンク基準信号を受信することと、
前記受信されたダウンリンク基準信号を使用して、前記アナログビームフォーミング設定に基づいて有効なチャネルを測定することと、
前記アクセスノードから、目標の性能閾値を示しているアシスタンスパラメータを受信すること
であって、前記アシスタンスパラメータは、性能改善閾値(PIT)を有する、ことと、
前記測定された有効なチャネルに基づいて、前記性能閾値を達成することのできる最小のデジタルプリコーダコードブック分解能を決定することと、
前記決定された最小のデジタルプリコーダコードブック分解能を前記アクセスノードに送ることと
を含む機能を行うように働く命令を格納する非一時的なコンピュータ読み取り可能な記録媒体と
を備えたことを特徴とするユーザ端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アダプティブデジタルプリコーダコードブックの構成に関し、より詳細には、ハイブリッドビームフォーミングに基づくミリ波通信のためのアダプティブデジタルプリコーダコードブックの構成に関する。
【背景技術】
【0002】
関連出願の相互参照
本出願は、本明細書において、参照により全体が本明細書に組み入れられる、2017年3月27日に出願された、「ADAPTIVE DIGITAL PRECODER CODEBOOK CONFIGURATIONS FOR MMWAVE COMMUNICATION BASED ON HYBRID BEAMFORMING」という名称がつけられた、米国特許仮出願第62/477,183号明細書の非仮出願であり、仮出願からの利益を35米国特許法第119条(e)のもとに主張するものである。
【0003】
セルラ通信システムの次世代のために必要な高いデータレートを満たすために、ワイヤレス産業界および学会は、6GHzを超える周波数(例えば、cmW(センチメートル波)およびmmW(ミリメートル波)の周波数)において利用可能な大きな帯域幅に投機するための方法を探求してきている。今述べた6GHzを超える周波数を使用することの1つの課題は、信号伝搬に関する問題であり、特に屋外環境において、ワイヤレス通信のために不利であると考えられてきた。
【0004】
例えば今述べたような、より高い周波数の伝搬は、より高い自由空間の経路損失を経験するだろう。降雨および大気ガス(例えば、酸素、窒素、および水素)は、6GHzを超える周波数に対してさらなる減衰を追加するだろう。加えて、木の葉は、減衰および偏波特性劣化(depolarization)を引き起こすだろう。透過および回折減衰(diffraction attenuation)は、また、より深刻になるだろう。結果として、NLOS(Non Line-Of-Sight)の伝搬の経路損失は、6GHzを超える周波数において重大であるだろう。例えば、mmWの周波数において、NLOSの経路損失は、LOS(Line-Of-Sight)の経路損失よりもより高い20dBもより多いだろう。
【0005】
屋外のmmWセルラネットワークは、ビームフォーミング技法の使用によって実現可能であり得る。特に、アナログ-デジタルハイブリッドビームフォーミングは、将来のワイヤレスネットワークにおいてミリ波通信を実現するための1つの手法であり得る。従って、ハイブリッドビームフォーミングフレームワークに基づいてミリ波セルラシステムの動作効率を強化するメカニズムを開発することが求められるだろう。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【文献】S. Kutty and D. Sen, “Beamforming for millimeter wave communications: an inclusive survey”, IEEE Communications Survey & Tutorials, Vol. 18, No. 2, Apr.2016, pp. 949-973
【文献】Alkhateeb, et al., “Limited feedback hybrid precoding for multi-user millimeter wave systems”, IEEE Trans. Wireless Commun., Vol. 14, Nov. 2015, pp. 6481-6494
【文献】J.Singh and S.Ramakrishna, “On the feasibility of codebook-based beamforming in millimeter wave systems with multiple antenna arrays”, IEEE Trans.Wireless Commun., Vol. 14, May 2015, pp.2670-2683
【発明の概要】
【0007】
方法、装置、およびシステムは、ミリ波ベースのハイブリッドビームフォーミングのためのデジタルプリコーダコードブック(digital precoder codebook)をアダプティブに構成することに提供される。
【0008】
実施例に従って、方法、装置、およびシステムは、デジタルビームフォーミングおよびアナログビームフォーミングをアダプティブに適用することを含む、ハイブリッドビームフォーミングを使用して信号を送信することに提供され、デジタルビームフォーミングは、デジタルプリコーダコードブック分解能(digital precoder codebook resolution)をアダプティブに構成することを含む。
【0009】
方法、装置、およびシステムは、少なくとも1つのアナログビームフォーマおよびコンバイナを決定することと、少なくとも1つの性能パラメータを得るために使用することができるデジタルプリコーディングの最も低いコードブックの分解能を決定することと、デジタルプリコーディングについて決定された最も低いコードブックの分解能をネットワークに送信することとをさらに含むことができる。
【0010】
一実施形態において、アナログビームフォーミングおよびデジタルビームフォーミングの性能があるミリ波ユーザ端末のための方法は、アクセスノードから、アナログビームフォーミングの設定を使用してダウンリンクの基準信号(reference signal)を受信すること、受信されたダウンリンクの基準信号を使用して、アナログビームフォーミングの設定に基づいて有効なチャネルを測定すること、アクセスノードから、デジタルプリコーディングを使用して達成可能な性能利得に関するアシスタンスパラメータ(assistance parameter)を受信すること、測定された有効なチャネルおよび受信されたアシスタンスパラメータに基づいて、最小のデジタルプリコーダコードブック分解能を決定すること、および決定された最小のデジタルプリコーダコードブック分解能を、アクセスノードに送ることを含むことができる。
【0011】
より詳細な理解は、添付の図面と共に例として与えられる、以下の説明から得られるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1A】1つまたは複数の開示される実施形態を実装することができる例示の通信システムのシステム図である。
【
図1B】
図1Aに例示される通信システム内において使用することができる例示のワイヤレス送受信ユニット(WTRU)のシステム図である。
【
図1C】
図1Aに例示される通信システム内において使用することができる例示の無線アクセスネットワークおよび例示のコアネットワークのシステム図である。
【
図2】1つまたは複数の実施形態に係るハイブリッドビームフォーミングのためのトランシーバアーキテクチャのブロック図を例示する図である。
【
図3】LoSチャネルにおいて、デジタルプリコーディングあり、なしのハイブリッドビームフォーミングスキームの間の達成可能なレートの比較のグラフを例示する図である。
【
図4】1つまたは複数の実施形態に係る、ハイブリッドビームフォーミングのためのシステムの概略ブロック図を例示する図である。
【
図5】1つまたは複数の実施形態に係る例示のシステムプロセスのフロー図を例示する図である。
【
図6】1つまたは複数の実施形態に係る、
図5の第1実施例のユーザ端末プロセスのフロー図を例示する図である。
【
図7】1つまたは複数の実施形態に係る、
図5の第2実施例のユーザ端末プロセスのフロー図を例示する図である。
【
図8】1つまたは複数の実施形態に係る別の実施例のシステムプロセスのフロー図を例示する図である。
【
図9】1つまたは複数の実施形態に係る、
図8のユーザ端末プロセスのフロー図を例示する図である。
【
図10】1つまたは複数の実施形態に係る別の実施例のシステムプロセスのフロー図を例示する図である。
【
図11】1つまたは複数の実施形態に係る、
図10のユーザ端末プロセスのフロー図を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
実施形態の実装のための例示のネットワーク
図1Aは、1つまたは複数の開示される実施形態を実装することができる例示の通信システム100の図である。通信システム100は、複数のワイヤレスユーザに、コンテンツ、例えば、音声、データ、ビデオ、メッセージング、ブロードキャストなどを提供する多元接続システムであり得る。通信システム100は、複数のワイヤレスユーザに、ワイヤレス帯域幅を含む、システムリソースの共有を介して上述のコンテンツにアクセスすることを可能にすることができる。例えば、通信システム100は、1つまたは複数のチャネルアクセス方法、例えば、CDMA(符号分割多元接続)、TDMA(時分割多元接続)、FDMA(周波数分割多元接続)、OFDMA(直交周波数分割多元接続)、SC-FDMA(シングルキャリア周波数分割多元接続)などを用いることできる。
【0014】
図1Aに示されるように通信システム100は、ワイヤレス送受信ユニット(WTRU)102a、102b、102c、102d、無線アクセスネットワーク(RAN)104、コアネットワーク106、公衆交換電話ネットワーク(PSTN)108、インターネット110、および他のネットワーク112を含むことができるが、開示される実施形態は任意の数のWTRU、基地局、ネットワーク、および/またはネットワーク要素を企図することが理解されるであろう。WTRU102a、102b、102c、102dのそれぞれは、ワイヤレス環境において動作および/または通信するように構成された任意のタイプのデバイスとすることができる。例としてWTRU102a、102b、102c、102dは、ワイヤレス信号を送信および/または受信するように構成されることができ、ユーザ機器(UE)、移動局、固定または移動体加入者ユニット、ページャ、携帯電話、携帯情報端末(PDA)、スマートフォン、ラップトップ、ネットブック、パーソナルコンピュータ、ワイヤレスセンサ、民生用電子機器などを含み得る。
【0015】
通信システム100はまた、基地局114aおよび基地局114bを含み得る。基地局114a、114bのそれぞれは、コアネットワーク106、インターネット110、および/または他のネットワーク112などの、1つまたは複数の通信ネットワークへのアクセスを容易にするように、WTRU102a、102b、102c、102dのうちの少なくとも1つとワイヤレスにインターフェース接続するように構成された任意のタイプのデバイスとすることができる。例として基地局114a、114bは、基地トランシーバ局(BTS)、ノードB、eノードB(eNB)、ホームノードB、ホームeノードB、サイトコントローラ、アクセスポイント(AP)、ワイヤレスルータなどとすることができる。基地局114a、114bはそれぞれ単一の要素として示されるが、基地局114a、114bは、任意の数の相互接続された基地局および/またはネットワーク要素を含み得ることが理解されるであろう。
【0016】
基地局114aは、基地局コントローラ(BSC)、無線ネットワークコントローラ(RNC)、中継ノードなどの、他の基地局および/またはネットワーク要素(図示せず)も含み得るRAN104の一部とすることができる。基地局114aおよび/または基地局114bは、セル(図示せず)と呼ばれ得る特定の地理的領域内で、ワイヤレス信号を送信および/または受信するように構成され得る。セルは、セルセクタにさらに分割され得る。例えば基地局114aに関連付けられたセルは、3つのセクタに分割され得る。従って一実施形態では、基地局114aは、3つのトランシーバ、すなわちセルの各セクタに対して1つを含み得る。他の実施形態において、基地局114aは多入力多出力(MIMO)技術を使用することができ、従ってセルの各セクタに対して複数のトランシーバを利用し得る。
【0017】
基地局114a、114bは、任意の適切なワイヤレス通信リンク(例えば無線周波数(RF)、マイクロ波、赤外線(IR)、紫外線(UV)、可視光など)とすることができるエアインターフェース116を通して、WTRU102a、102b、102c、102dの1つまたは複数と通信し得る。エアインターフェース116は、任意の適切な無線アクセス技術(RAT)を用いて確立され得る。
【0018】
より具体的には、上記のように、通信システム100は、多元接続システムであり得て、1つまたは複数のチャネルアクセススキーム、例えば、CDMA、TDMA、FDMA、OFDMA、SC-FDMAなどを用いることができる。例えば、RAN104内の基地局114aおよびWTRU102a、102b、102cは、ユニバーサル移動体(電話)通信システム(UMTS)地上無線アクセス(UTRA)などの無線技術を実施することができ、これは広帯域CDMA(WCDMA)を用いてエアインターフェース116を確立し得る。WCDMAは、高速パケットアクセス(HSPA)および/またはEvolved HSPA(HSPA+)などの通信プロトコルを含み得る。HSPAは、高速ダウンリンクパケットアクセス(HSDPA)および/または高速アップリンクパケットアクセス(HSUPA)を含み得る。
【0019】
他の実施形態において基地局114aおよびWTRU102a、102b、102cは、Evolved UMTS地上無線アクセス(E-UTRA)などの無線技術を実施することができ、これはロングタームエボリューション(LTE)および/またはLTE-Advanced(LTE-A)を用いてエアインターフェース116を確立し得る。
【0020】
他の実施形態において、基地局114aおよびWTRU102a、102b、102cは、IEEE 802.16(すなわちマイクロ波アクセス用世界規模相互運用性(WiMAX))、CDMA2000、CDMA2000 1X、CDMA2000 EV-DO、暫定標準2000(IS-2000)、暫定標準95(IS-95)、暫定標準856(IS-856)、移動体通信用グローバルシステム(GSM)、GSM進化型高速データレート(EDGE)、GSM EDGE(GERAN)などの無線技術を実施し得る。
【0021】
図1Aの基地局114bは、例えばワイヤレスルータ、ホームノードB、ホームeノードB、またはアクセスポイントとすることができ、事業所、自宅、乗り物、キャンパスなどの局在したエリア内のワイヤレス接続性を容易にするための任意の適切なRATを利用し得る。一実施形態では、基地局114bおよびWTRU102c、102dは、IEEE 802.11などの無線技術を実施して、ワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)を確立し得る。他の実施形態において、基地局114bおよびWTRU102c、102dは、IEEE 802.15などの無線技術を実施して、ワイヤレスパーソナルエリアネットワーク(WPAN)を確立し得る。他の実施形態において、基地局114bおよびWTRU102c、102dは、セルラベースのRAT(例えばWCDMA、CDMA2000、GSM、LTE、LTE-Aなど)を利用して、ピコセルまたはフェムトセルを確立し得る。
図1Aに示されるように、基地局114bはインターネット110への直接接続を有し得る。従って基地局114bは、コアネットワーク106を通じてインターネット110にアクセスすることを不要とすることができる。
【0022】
RAN104はコアネットワーク106と通信することができ、これは音声、データ、アプリケーション、および/またはボイスオーバインターネットプロトコル(VoIP)サービスをWTRU102a、102b、102c、102dの1つまたは複数に提供するように構成された、任意のタイプのネットワークとすることができる。例えばコアネットワーク106は、呼制御、料金請求サービス、移動体位置ベースのサービス、プリペイドコール、インターネット接続性、ビデオ配信などを提供することができ、および/またはユーザ認証などの高レベルセキュリティ機能を行い得る。
図1Aに示されないが、RAN104および/またはコアネットワーク106は、RAN104と同じRATまたは異なるRATを使用する他のRANと、直接または間接に通信し得ることが理解されるであろう。例えば、E-UTRA無線技術を利用し得るRAN104に接続されることに加えて、コアネットワーク106は、GSM無線技術を使用する他のRAN(図示せず)とも通信し得る。
【0023】
コアネットワーク106はまた、WTRU102a、102b、102c、102dがPSTN108、インターネット110、および/または他のネットワーク112にアクセスするためのゲートウェイとして働き得る。PSTN108は、POTS(plain old telephone service)を提供する回線交換電話ネットワークを含み得る。インターネット110は、TCP/IPインターネットプロトコル群における伝送制御プロトコル(TCP)、ユーザデータグラムプロトコル(UDP)、およびインターネットプロトコル(IP)などの共通通信プロトコルを用いる、相互接続されたコンピュータネットワークおよびデバイスの地球規模のシステムを含み得る。ネットワーク112は、他のサービスプロバイダによって所有および/または運用される有線もしくはワイヤレス通信ネットワークを含み得る。例えば、ネットワーク112は、RAN104と同じRATまたは異なるRATを使用し得る1つまたは複数のRANに接続された、他のコアネットワークを含み得る。
【0024】
通信システム100内のWTRU102a、102b、102c、102dのいくつかまたはすべては、マルチモード能力を含むことができ、すなわちWTRU102a、102b、102c、102dは、異なるワイヤレスリンクを通して異なるワイヤレスネットワークと通信するための複数のトランシーバを含み得る。例えば
図1Aに示されるWTRU102cは、セルラベースの無線技術を使用し得る基地局114aと、およびIEEE 802無線技術を使用し得る基地局114bと通信するように構成され得る。
【0025】
図1Bは、例示のWTRU102のシステム図である。
図1Bに示されるように、WTRU102は、プロセッサ118、トランシーバ120、送受信エレメント122、スピーカ/マイクロフォン124、キーパッド126、ディスプレイ/タッチパッド128、取り外し不可能なメモリ130、取り外し可能なメモリ132、電源134、GPS(全地球測位システム)チップセット136、および他の周辺装置138を含むことができる。WTRU102は、上記の要素のあらゆるサブコンビネーションを含むことができることが理解されるであろう。
【0026】
プロセッサ118は、汎用プロセッサ、専用プロセッサ、ジェネリックプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアに関連した1つまたは複数のマイクロプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)回路、任意の他のタイプの集積回路(IC)、状態機械などとすることができる。プロセッサ118は、信号符号化、データ処理、電力制御、入力/出力処理、および/またはWTRU102がワイヤレス環境において動作することを可能にする任意の他の機能を行い得る。プロセッサ118を、トランシーバ120に結合することができ、送受信エレメント122に結合することができる。
図1Bはプロセッサ118およびトランシーバ120を個別の構成要素として示すが、プロセッサ118およびトランシーバ120は、電子回路パッケージまたはチップ内に一緒に一体化され得ることが理解されるであろう。
【0027】
送受信エレメント122は、エアインターフェース116を通して基地局(例えば基地局114a)に信号を送信し、またはそれから信号を受信するように構成され得る。例えば、一実施形態では、送受信エレメント122は、RF信号を送信および/または受信するように構成されたアンテナとすることができる。他の実施形態において、送受信エレメント122は例えば、IR、UV、または可視光信号を送信および/または受信するように構成された放射器/検出器とすることができる。他の実施形態において、送受信エレメント122は、RFおよび光信号の両方を送信および受信するように構成され得る。送受信エレメント122は、ワイヤレス信号の任意の組み合わせを送信および/または受信するように構成され得ることが理解されるであろう。
【0028】
加えて、
図1Bでは送受信エレメント122は単一のエレメントとして示されるが、WTRU102は任意の数の送受信エレメント122を含み得る。より具体的には、WTRU102はMIMO技術を使用し得る。従って一実施形態では、WTRU102は、エアインターフェース116を通してワイヤレス信号を送信および受信するための2つ以上の送受信エレメント122(例えば複数のアンテナ)を含み得る。
【0029】
トランシーバ120は、送受信エレメント122によって送信されることになる信号を変調するように、および送受信エレメント122によって受信された信号を復調するように構成され得る。上記のように、WTRU102はマルチモード能力を有し得る。従って、トランシーバ120は、WTRU102が例えばUTRAおよびIEEE 802.11などの複数のRATを通じて通信することを可能にするための複数のトランシーバを含み得る。
【0030】
WTRU102のプロセッサ118は、スピーカ/マイクロフォン124、キーパッド126、および/またはディスプレイ/タッチパッド128(例えば液晶表示(LCD)ディスプレイユニット、または有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイユニット)に結合されることができ、およびそれらからユーザ入力データを受信することができる。プロセッサ118はまた、ユーザデータをスピーカ/マイクロフォン124、キーパッド126、および/またはディスプレイ/タッチパッド128に出力し得る。加えて、プロセッサ118は、取り外し不可能なメモリ130および/または取り外し可能なメモリ132などの、任意のタイプの適切なメモリからの情報にアクセスし、それにデータを記憶することができる。取り外し不可能なメモリ130は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、ハードディスク、または任意の他のタイプのメモリ記憶デバイスを含み得る。取り外し可能なメモリ132は、加入者識別モジュール(SIM)カード、メモリスティック、セキュアデジタル(SD)メモリカードなどを含み得る。他の実施形態において、プロセッサ118は、サーバまたはホームコンピュータ(図示せず)上など、WTRU102上に物理的に位置しないメモリからの情報にアクセスし、それにデータを記憶することができる。
【0031】
プロセッサ118は、電源134から電力を受け取ることができ、WTRU102内の他の構成要素に対する電力を分配および/または制御するように構成され得る。電源134は、WTRU102に電力供給するための任意の適切なデバイスとすることができる。例えば、電源134は、1つまたは複数の乾電池(例えばニッケルカドミウム(NiCd)、ニッケル亜鉛(NiZn)、ニッケル水素(NiMH)、リチウムイオン(Liイオン)など)、太陽電池、燃料電池などを含み得る。
【0032】
プロセッサ118はまたGPSチップセット136に結合されることができ、これはWTRU102の現在位置に関しての位置情報(例えば経度および緯度)を提供するように構成され得る。GPSチップセット136からの情報に加えてまたはその代わりに、WTRU102はエアインターフェース116を通して、基地局(例えば基地局114a、114b)から位置情報を受信することができ、および/または2つ以上の近くの基地局から受信される信号のタイミングに基づいてその位置を決定することができる。WTRU102は、任意の適切な位置決定方法によって位置情報を取得し得ることが理解されるであろう。
【0033】
プロセッサ118は、さらなる特徴、機能、および/または有線もしくはワイヤレス接続性を提供する1つまたは複数のソフトウェアおよび/またはハードウェアモジュールを含み得る他の周辺装置138にさらに結合され得る。例えば、周辺装置138は加速度計、電子コンパス、衛星トランシーバ、デジタルカメラ(写真またはビデオ用)、ユニバーサルシリアルバス(USB)ポート、振動デバイス、テレビ送受信機、ハンズフリーヘッドセット、ブルートゥース(登録商標)モジュール、周波数変調(FM)ラジオユニット、デジタル音楽プレーヤ、メディアプレーヤ、ビデオゲームプレーヤモジュール、インターネットブラウザなどを含み得る。
【0034】
図1Cは、実施形態に係るRAN104およびコアネットワーク106のシステム図である。上記のように、RAN104は、E-UTRA無線技術を用いて、エアインターフェース116を通じてWTRU102a、102b、102cと通信することができる。RAN104は、さらに、コアネットワーク106と通信することができる。
【0035】
RAN104はeノードB140a、140b、140cを含むことができるが、RAN104は、任意の数のeノードBを含み得ることが理解されるであろう。eノードB140a、140b、140cはそれぞれ、エアインターフェース116を通してWTRU102a、102b、102cと通信するための、1つまたは複数のトランシーバを含み得る。一実施形態では、eノードB140a、140b、140cは、MIMO技術を実施し得る。従って、例えばeノードB140aは、複数のアンテナを用いてWTRU102aにワイヤレス信号を送信し、それからワイヤレス信号を受信し得る。
【0036】
eノードB140a、140b、140cのそれぞれは、特定のセル(図示せず)に関連付けられることができ、無線リソース管理決定、ハンドオーバ決定、アップリンクおよび/またはダウンリンクにおけるユーザのスケジューリングなどを取り扱うように構成され得る。
図1Cに示されるように、eノードB140a、140b、140cは、X2インターフェースを通して互いに通信し得る。
【0037】
図1Cに示されるコアネットワーク106は、モビリティ管理エンティティゲートウェイ(MME)142、サービングゲートウェイ144、およびパケットデータネットワーク(PDN)ゲートウェイ146を含み得る。上記のエレメントのそれぞれはコアネットワーク106の一部として示されるが、上述のエレメントのいずれの1つも、コアネットワークオペレータ以外のエンティティによって所有および/または運用され得ることが理解されるであろう。
【0038】
MME142は、S1インターフェースを通じてRAN104内のeノードB140a、140b、140cのそれぞれに接続されることができ、制御ノードとして働き得る。例えば、MME142は、WTRU102a、102b、102cのユーザを認証すること、ベアラのアクティベーション/デアクティベーション、WTRU102a、102b、102cの初期アタッチの間に特定のサービングゲートウェイを選択することなどを受け持ち得る。MME142はまた、RAN104と、GSMまたはWCDMAなどの他の無線技術を使用する他のRAN(図示せず)との間で切り換えるための、制御プレーン機能を提供し得る。
【0039】
サービングゲートウェイ144は、S1インターフェースを通じてRAN104内のeノードB140a、140b、140cのそれぞれに接続され得る。サービングゲートウェイ144は一般に、WTRU102a、102b、102cへのまたはそれらからのユーザデータパケットを経路指定および転送し得る。サービングゲートウェイ144はまた、eノードB間ハンドオーバの間にユーザプレーンをアンカリングすること、WTRU102a、102b、102cのためのダウンリンクデータが利用可能であるときにページングをトリガすること、WTRU102a、102b、102cのコンテキストを管理および記憶することなどの他の機能を行い得る。
【0040】
サービングゲートウェイ144はまた、WTRU102a、102b、102cとIP対応デバイスとの間の通信を容易にするために、インターネット110などのパケット交換ネットワークへのアクセスをWTRU102a、102b、102cに提供することができる、PDNゲートウェイ146に接続され得る。
【0041】
コアネットワーク106は、他のネットワークとの通信を容易にすることができる。例えば、コアネットワーク106は、WTRU102a、102b、102cと従来型の陸線通信デバイスとの間の通信を容易にするために、PSTN108などの回線交換ネットワークへのアクセスをWTRU102a、102b、102cに提供し得る。例えば、コアネットワーク106は、コアネットワーク106とPSTN108との間のインターフェースとして働くIPゲートウェイ(例えばIPマルチメディアサブシステム(IMS)サーバ)を含むことができ、またはそれと通信し得る。加えて、コアネットワーク106は、WTRU102a、102b、102cに、他のサービスプロバイダによって所有および/または運用される他の有線もしくはワイヤレスネットワークを含み得るネットワーク112へのアクセスを提供し得る。
【0042】
他のネットワーク112はさらに、IEEE 802.11ベースのワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)160に接続され得る。WLAN160はアクセスルータ165を含み得る。アクセスルータはゲートウェイ機能を含み得る。アクセスルータ165は、複数のアクセスポイント(AP)170a、170bと通信し得る。アクセスルータ165とAP170a、170bとの間の通信は、有線イーサネット(IEEE 802.3標準)、または任意のタイプのワイヤレス通信プロトコルを通じたものとすることができる。AP170aは、エアインターフェースを通してWTRU102dとワイヤレス通信する。
【0043】
詳細な説明
さて、例示的な実施形態の詳細な説明は、種々の図面を参照して提供されるだろう。今述べた説明が可能な実装形態の詳細な実施例を提供するが、提供された詳細は、例としてであり、本出願の範囲を決して制限しないことが意図されることに注意すべきである。
【0044】
述べられる実施形態の1つまたは複数の様々なハードウェア要素は、それぞれのモジュールに関連して本明細書で述べられる様々な機能を遂行する(すなわち行う、実行するなど)「モジュール」と呼ばれることに留意されたい。本明細書で用いられるモジュールは、所与の実装形態に対して当業者によって適切と判断されるハードウェア(例えば1つまたは複数のプロセッサ、1つまたは複数のマイクロプロセッサ、1つまたは複数のマイクロコントローラ、1つまたは複数のマイクロチップ、1つまたは複数の特定用途向け集積回路(ASIC)、1つまたは複数のフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、1つまたは複数のメモリデバイス)を含む。それぞれの述べられるモジュールはまた、それぞれのモジュールによって遂行されるものとして述べられる1つまたは複数の機能を遂行するための実行可能な命令を含むことができ、これらの命令はハードウェア(すなわちハードワイヤード)命令、ファームウェア命令、ソフトウェア命令、および/または同様のものの形をとるまたは含むことができ、一般にRAM、ROMなどと呼ばれる任意の適切な非一時的コンピュータ可読媒体またはメディアに記憶され得ることが留意される。
【0045】
少なくとも1つの基地局(BS、またはアクセスノード)、および少なくとも1つのユーザデバイス/ユーザ端末(例えばWTRU)は、ミリ波周波数範囲内で動作するミリ波システムにおいて用いられることができ、ユーザ端末(WTRU)は人のデバイス(例えばスマートフォン)またはマシンタイプデバイス(例えばセンサ)とすることができる。さらに、大規模アンテナアレイを用いたビームフォーミング技術を用いることによって、少なくとも1つの狭い方向性ビームが各デバイスの送信機によって発生されることができ、これは他の受信機への潜在的な干渉を低減しながら、目標受信機に向かっての信号利得を効果的に強化する。さらに、ビーム分割を通して、複数のユーザが同じ時間/周波数リソースにおいて同時にサービスされることができ(MU-MIMO)、これはシステムスペクトル効率を改善する。
【0046】
ハイブリッドビームフォーミングにおいて、デジタルビームフォーミング(すなわちベースバンド領域における)、およびアナログビームフォーミング(すなわちRF領域における)の両方が、性能と複雑さとのバランスを取るように適用される(非特許文献1で論じられているように)。いくつかの実施形態において、デジタルビームフォーミングは、1つまたは複数のデジタルプリコーダコードブックを用いたデジタルプリコーディングを備え得る。
【0047】
図2は、ハイブリッドビームフォーミングの例示のアーキテクチャを例示する。特に、例示のアーキテクチャは、N
s≧1のデータストリーム(202)が、ベースバンド領域において、N
t
RF×N
sのデジタルプリコーダ(F
BB)(204)によって、N
t
RF≧1個のRFチェーン(206)にマッピングされることを示す。RF出力は、RF領域において、N
t×N
t
RFのアナログプリコーダ(F
RF)(208)によって、N
t個の物理アンテナエレメント(210)にさらにマッピングされ、ここで、位相シフタがアナログビームフォーミングのビームフォーミング重みに適用される。同様にして、受信機側において、N
r個の物理アンテナエレメントを有するアレイ(214)にて受信された信号ベクトルは、RF領域においてアナログコンバイナ(W
RF)(216)により処理され、N
s≧1個のデータシンボル(220)の復調の前に、ベースバンド領域においてデジタルコンバイナ(W
BB)(218)が続く。加えて、2つのタイプのアナログビームフォーミングスキーム、すなわちフル接続およびサブアレイアーキテクチャがある。
【0048】
フラットフェーディングにおける受信されたベースバンド信号yの全体の数学的モデルは、以下のように書かれることができる。
【0049】
【0050】
ここで、xが送信シンボルを表し、nが付加的ノイズを示す。ハイブリッドビームフォーミングは、第1の状態において、例えば基地局およびユーザ端末の両方における主要な無線信号経路の出発および/または到着角の角度に基づいて、TX/RXアナログビームフォーマ(FRFおよびWRF)が決定されるように、2段階の手順によって着手され得る(非特許文献2で論じられているように)。次いで、第2の段階において、デジタルプリコーダ(FBB)が、ダウンリンク基準信号を用いて測定された有効なチャネル(すなわち、アナログビームフォーミングの効果を捕捉するチャネル)に基づいて、予め定義されたコードブックからユーザ端末によって選択され得る。コードブックは、FBBを表すために用いられることができる行列のセットである。選択されたプリコーダインデックス(例えば、PMI(precoding matrix index;プリコーディング行列インデックス)は、専用のフィードバック機構を用いてユーザ端末によって報告され得る。
【0051】
上記を考えると、有効なチャネルHeffは以下のように書かれることができる。
【0052】
【0053】
このような有効なチャネルを経験するダウンリンク基準信号(例えばチャネル状態情報基準信号(CSI-RS))を測定することにより、ユーザ端末は、コードブックC内のどのプリコーディング行列が、それが適用された場合に最大の性能利得を可能にするかを評価することによって、デジタルプリコーディングのためのPMIを選択することができる。
【0054】
【0055】
ここで関数Gは、容量、スループット、または信号対干渉プラスノイズ比(SINR)などの、いくつかの性能メトリックを出力する。一方、ユーザ端末は、プリコーダコードブックからのインデックス選択に基づいてデジタルコンバイナWBBを算出し得る。
【0056】
一般に、より高分解能(すなわち、より大きなコードブックサイズ)を有するデジタルプリコーダコードブックは、送信機がより細かい細分性を有する空間的チャネルを捕捉することを可能にすることができ、これはひいてはより良好な性能を与える。しかし、同時に、それはデジタルプリコーダフィードバックのためのビット数(PMI)がコードブック分解能と共に増加するので、受信機に対するフィードバックオーバーヘッド負担を増加させる。ハイブリッドビームフォーミングにおいて、伝搬チャネルにおける主要経路を捕捉するのにアナログビームフォーミングのみで十分となることが可能である。従って、高分解能デジタルプリコーダコードブックによって提供される追加の恩恵は限定され得る。散乱の多い環境内にあるユーザ端末に対して、デジタルプリコーディングは、チャネル内のダイバーシティおよび/または多重化利得が活用されることができるので、役に立ち得る。それでも、いくつかの場合において、デジタルプリコーディングの恩恵は、強い見通し線(LoS)経路を有するユーザ端末に対してはわずかなものとなる場合があり、その場合はアナログビームフォーミングのみで十分となり得る。
【0057】
図3は、LoSチャネルにおいて、デジタルプリコーディングあり、なしのハイブリッドビームフォーミングスキームの達成可能レートの比較のグラフを示す。
図3のシミュレーション結果に示されるように、アナログビームフォーミング(離散的フーリエ変換(DFT)コードブックに基づく)がすでに適用されているとき、デジタルプリコーディング(相互不偏(MUB)コードブックが用いられる)は、LoSチャネルにおける達成可能レートにさらなる強化をもたらさないことが観察されることができる。
【0058】
少なくとも1つの無線トランシーバと、ユーザ端末が、ミリ波アナログビームフォーミングに起因すると考えられる有効ダウンリンクチャネル応答を測定し、以下のうちの少なくとも1つを行うことを可能にする少なくとも1つの計算エンティティとを備えたユーザ端末(例えばWTRU)が提供される:(1)アナログビームフォーミングに加えて、望ましいリンク品質を達成するための最小のデジタルプリコーダコードブック分解能を決定する、(2)アナログビームフォーミングに加えて望ましいリンク品質を達成するために、デジタルプリコーディングが必要かどうかを決定する、(3)基地局から、アシスタンスパラメータ(例えば、PIT(Performance Improvement Threshold;性能改善閾値)および/またはAPT(Absolute Performance Threshold;絶対性能閾値))に関する情報を抽出する、および/または(4)デジタルプリコーダコードブック分解能についての決定、および/またはデジタルプリコーディングのアクティベーション/デアクティベーション(例えば、ユーザ端末におけるデジタルプリコーダフィードバックのアクティベーションまたはデアクティベーションによって)についての決定を基地局に送信する。
【0059】
少なくとも1つの無線トランシーバと、基地局が以下のうちの少なくとも1つを行うことを可能にする少なくとも1つの計算エンティティとを備えた基地局が提供される:(1)少なくとも1つのアシスタンスパラメータ(例えば、PITおよび/またはAPT)を決定し、これらのアシスタンスパラメータの情報を少なくとも1つのユーザ端末に送信する、(2)ユーザ端末から、デジタルプリコーディングのコードブック分解能、およびデジタルプリコーディングのアクティベーション/デアクティベーション(例えば、ユーザ端末におけるデジタルプリコーダフィードバックのアクティベーションまたはデアクティベーションによって)についての決定に関する情報を受信する、および/または(3)ユーザ端末から受信された関連する情報に従って、デジタルプリコーダコードブック分解能を用いてダウンリンク送信モジュールを構成する。
【0060】
図4は、ミリ波ベースのハイブリッドビームフォーミングのデジタルプリコーディングのためのコードブックをアダプティブに構成するためのシステムの実施形態の概略図を示す。特に、デジタルプリコーダコードブック分解能は、アナログビームフォーミングに加えて、異なる無線リソース(例えば、時間/周波数)にわたって調整されることができ、これはひいてはユーザ端末に対するフィードバック効率を最適化し得る。
【0061】
図4に示されるシステムは、上述の2段階の手順を組み込む。従って、最初に、基地局402およびユーザ端末404の両方は、アナログビームフォーマ(414)/コンバイナ(424)F
RFおよびW
RFを決定することができ、これらは、最も高いエネルギーレベルがその中で感知されることができる角度ビンである、到来角(AoA)および/または発射角(AoD)などの空間的チャネル特性の推定に基づいて「RFビームブック」から構築されるまたは選ばれることができる。当業者に知られているアナログビームフォーミングのためのRFビームフォーマ/コンバイナ選択のいくつかの異なる方法があり(非特許文献3で論じられているものなど)、これらは本明細書において限定するものではない。
【0062】
基地局402はTX410およびRX412を備えることができ、RFビームフォーミング414を行うことができる。ユーザ端末404はTX426およびRX428を備えることができ、RF結合424を行うことができる。基地局およびユーザ端末は共にアンテナ416を有し得る。
【0063】
上記のプロセス(または当業者に知られている同等のプロセス)などによって、アナログビームフォーミングが整っていると仮定すると、ユーザ端末404は、デジタルプリコーディングのためのフィードバック負担を最小にしながらネットワークへの信頼できるワイヤレスリンクを持続するように、望ましい性能を達成するために利用されることができる、デジタルプリコーディングの最低コードブック分解能を評価することができる(434)。
【0064】
そうするために、基地局402は最初に少なくとも1つのアシスタンスパラメータを決定することができ(406)、これはユーザ端末404におけるデジタルコードブック分解能決定(434)を補助するために、ユニキャスト/マルチキャスト/ブロードキャストダウンリンク制御シグナリング(420)の一部としてユーザ端末と共有され得る(例えば無線リソース制御(RRC)シグナリングまたは物理制御シグナリングなどの、より高位のレイヤのシグナリングにおいて)。アシスタンスパラメータは、PITおよび/またはAPTとすることができるが、それらに限定されない。
【0065】
PITは、デジタルプリコーディングあり、なしの場合の間における、ある性能メトリックの差の閾値レベルである。性能メトリックは、(dBによる)SINR利得、CQI(チャネル品質インジケータ)、(ビット/秒による)容量、またはリンク品質を測るために使用することができることができるあらゆる他のメトリックであり得る。
【0066】
APTは、一定の性能メトリックの絶対値の閾値レベルである。性能メトリックは、SINR利得(dBでの)、チャネル品質インジケータ(CQI)、容量(ビット/秒での)、またはリンク品質を測るために用いられることができる任意の他のメトリックとすることができる。
【0067】
ユーザ端末において、基地局またはアクセスノードから受信されたアシスタンスパラメータは、デジタルプリコーディングなしで基地局とユーザ端末の間で達成可能となり得るまたはなり得ない、目標または所望の性能閾値を示すことができる。一般に、示される性能閾値は、デジタルプリコーディングの使用を必要とし得る。様々な実施形態において、1つまたは複数のデジタルプリコーダコードブック分解能のもとでのユーザ端末の評価された性能は、もし有ればどのようなコードブック分解能が目標性能閾値を満足し得るかを決定するために、目標性能閾値と比較され得る。いくつかの実施形態において、目標性能閾値がそのもとで満足される最小のコードブック分解能(例えば最小の利用可能なコードブックサイズ)が、最小プリコーダコードブック分解能として選択され得る。
【0068】
アシスタンスパラメータ(420)は別として、基地局(例えばアクセスノードまたは「ノードB」)はまた、ダウンリンク基準信号(例えばRFビームフォーミングされた基準信号)((セル固有基準信号)CRSまたはCSI-RSなど)をユーザ端末に送信し得る(418)。基準信号は、初期に構成されたアナログビームフォーミングを用いて送信され得る。従って、ユーザ端末(例えばWTRU)は有効なチャネルHeffを測定することができ(430)、そこではアナログビームフォーミングの効果が考慮に入れられる。加えて、ユーザ端末はまた、基地局によって送られたアシスタンスパラメータの情報を抽出し得る(432)。測定された有効なチャネルHeff、および/または基地局から受信されたアシスタンスパラメータを用いることによって、ユーザ端末は、所望のデータレートまたは他の性能メトリックをサポートするのに十分に高い品質を有してそれが無線リンク(基地局への)を維持することを可能にする、デジタルプリコーディングコードブック分解能を算出し得る(434)。コードブック分解能評価の結果は、RRC再構成メッセージまたは物理制御シグナリングなどのアップリンク制御チャネルを通じて基地局に報告され得る(422)(例えば、デジタルプリコーディングコードブック分解能レポーティング)。ユーザ端末は、リソースブロック、周波数帯域、および送信時間間隔(TTI)などの複数の無線リソースに対応する、2つ以上のデジタルプリコーディングコードブック分解能を報告することができる。
【0069】
アシスタンスパラメータはRRC再構成メッセージを用いて基地局によって送られることができるので、ユーザ端末は、それがRRC再構成メッセージを受信するときはいつでも、コードブック分解能を更新する機会を有する。例えば、現在のLTEスキームにおいてなされるように、ダウンリンクRRC再構成メッセージが40msの周期性を有して送信されると仮定すると、ユーザ端末は40msごとにデジタルプリコーディングコードブック分解能の算出およびレポーティングを遂行し得る。しかし、間隔の長さは、5Gなどの将来のシステムにおいて変化し得る。報告されたコードブック分解能を、次の更新の前に、ユーザ端末に対してスケジュールされた時間/周波数無線リソースにおいて適用することができる。
【0070】
RX412によってユーザ端末から報告されたコードブック分解能を受信すると、基地局は、報告されたコードブック分解能によってユーザ端末に対してスケジュールされた無線リソースにおいてダウンリンクデータ送信を行うようにベースバンドモジュールを構成することができる。また、後続のセッションにおいて、基地局は、異なるコードブック分解能がプリコーダフィードバックに対する異なるビット幅に対応するので、ユーザ端末によって報告されたコードブック分解能に従ってユーザ端末から、デジタルプリコーディング、例えば、PMIなどのためのフィードバック情報を抽出することができる。今述べたシナリオのもとに、コードブック分解能インデックスとコードブックサイズ(およびビット幅)との間のマッピングは、指定されており、基地局およびユーザ端末の両方に知られる。上述のマッピングの実施例を、表1に示す。
【0071】
【0072】
本明細書で論じられるいくつかの実施形態において、コードブック分解能インデックスは、最小から最大のコードブック分解能/コードブックサイズ(例えばプリコーダレポートビット幅)まで順序付けられたマッピングとして利用される。他の場合において、コードブック分解能インデックスは、例えば最も頻繁な選択から最もまれなものまで、最大から最小のコードブックサイズまで、および/または同様のものなど、最小から最大のコードブック分解能/コードブックサイズまでに順序付けられない代替のマッピングを用い得る。
【0073】
前に論じられた、ミリ波ベースのハイブリッドビームフォーミングのためのデジタルプリコーディング用のコードブックをアダプティブに構成するためのシステムおよび方法に基づいて、いくつかの異なる例示の実施形態が提供される。いくつかの例示の実施形態(
図8~11に関して論じられた)において、デジタルプリコーディングのバイナリアダプテーション(binary adaptation)、アクティベーションおよびデアクティベーションを用いた事例が提供される。デジタルプリコーディングが(例えば、ユーザ端末から基地局へのデジタルプリコーダフィードバックのデアクティベーションによって)「デアクティベートされる」と、単位行列を、データストリームとアンテナポート(RFチェーン)との間のマッピングに対して、ベースバンドにおいて、常に適用することができ、コードブックサイズが単一のエントリのみを有して(単位行列)1であることを意味し、従って、ユーザ端末からのPMIフィードバックは、必要ない。従って、基地局によるデジタルプリコーディングの「デアクティベーション」は、ユーザ端末からのデジタルプリコーダフィードバックのデアクティベーションに対する応答である。マルチユーザMIMO(MU-MIMO)スキームはデジタルプリコーディングを通じた信号分離に依存するが、デジタルプリコーディングのデアクティベーションは、単位行列に直交する好ましいプリコーディング行列を有するユーザが、MU-MIMO動作のために共にスケジュールされる限り、依然として適用可能であることに注目する価値がある。例えば、デジタルプリコーディング免除を有する2つのユーザは、MU-MIMOのためにペア化されることができ、なぜなら単位行列の任意の2つの列は直交し、アナログビームフォーミングのみで信号分離が達成されることができるからである。
【0074】
例示的な一実施形態において、基地局502は、少なくとも1つのユーザ端末(例えば、WTRU)504を、PITを用いて構成し、PITは、デジタルプリコーディングのためのコードブック分解能を決定するためにWTRUが使用することができる。上述の実施形態に対する全体の手順は、
図5のフロー図に示される。アナログビームフォーマおよびコンバイナが決定され(506)、適用された後(508、510)、基地局は、少なくとも1つのユーザ端末に対して構成されるようになるPITを選択することができる(520)。PITは、様々なタイプの性能メトリックを表すことができることに留意されたい。例えば、それはSNR利得(dBでの)、受信エラー確率、または容量利得(ビット/秒での)とすることができる。PITの選択は、アップリンクリソースの使用可能性、ユーザ端末のバッテリー状態、ユーザ端末のモビリティレベル、および/または同様のものの1つまたは複数に基づいて、基地局によって決定され得る。従って、PITなどの1つまたは複数のアシスタンスパラメータは、ネットワークステータス(トラフィック負荷など)、またはユーザ端末ステータス(ユーザ端末のモビリティおよび/またはバッテリー状態)、および/または同様のもの、のうちの少なくとも1つに基づいて決定され得る。
【0075】
例えば、CSIレポーティングのためのアップリンクリソースが比較的乏しい場合、ユーザ端末がPITを超える性能改善をもたらす低分解能デジタルプリコーディングを見出す確率がより高くなるように、基地局は、より多くのアップリンクリソースが利用可能であるときと比べて、より低いPITを設定し得る。従って、これは結果としてすべての無線リソースおよびすべてのアクティブユーザの間で、より低い合計のフィードバックオーバーヘッドとなる。同様に、ユーザ端末が低い電池を有する場合、ユーザ端末がより高分解能の(大きな)プリコーダコードブックからPMIを選択するためにより多くの計算パワーを費やし得る可能性を低減するように、低いPITが構成され得る。
【0076】
PITの値が基地局によって選ばれた後、それは、例えば構成情報として、それがユーザ固有構成であるかそれともセル固有構成であるかに応じて、ユニキャスト/マルチキャスト/ブロードキャストシグナリングに基づいて少なくとも1つのユーザ端末に送られるべきである(522)。
【0077】
ダウンリンク基準信号(CSI-RSなど)は、ユーザ端末がN
r
RF×N
r
RFチャネル行列である有効なチャネルH
effを測定できるように以前に決定されたアナログビームフォーマの設定のもとで、送信されることができる(524)。測定されたチャネルH
eff(526)に基づいて、ユーザ端末は、構成されたPITを性能改善が超えることを可能にする最小のデジタルプリコーダコードブック分解能を評価する(528)。ユーザ端末が最小コードブック分解能を決定することに着手し得る例示的手順は、
図6のフロー図に示され、そこではユーザ端末は、PITの構成された値に基づいてコードブック分解能インデックスを決定しなければならない(例えば、表1に従って)。この例において、ユーザ端末はデジタルプリコーディングなしでのチャネル容量C
NO_DP、および異なるデジタルプリコーダコードブック分解能インデックス値iのもとでのチャネル容量(C
DP,iとして表される)を計算し、C
DP,i-C
NO_DP>PITを達成する最小のコードブック分解能/サイズにマッピングするiの値を決定する。
【0078】
従って、最小のデジタルプリコーダコードブック分解能を決定することは、デジタルプリコーディングなしでのリンク品質メトリック値(CNO_DP)(例えば、チャネル容量、SNRまたはビットエラーレート)、および異なるデジタルプリコーダコードブック分解能インデックス値iのもとでのリンク品質メトリック値(CDP,i)を計算することと、最小のデジタルプリコーダコードブック分解能として、CDP,iとCNO_DPの間の性能差がPITを満足するように、最小のコードブック分解能/サイズにマッピングするiの値を決定することと、を含み得る。
【0079】
この例において、モビリティレベルおよびバッテリー状態も考慮に入れられ得る。ユーザ端末が過度に速く移動している、または電池がなくなってきているとき、デジタルプリコーダフィードバックは構成されたPITに関わらず免除されることができる(例えば、コードブック分解能インデックスi=0は、0のプリコーダレポートビット幅にマッピングする、表1でのように)。
【0080】
各ユーザ端末に対して、コードブック分解能の少なくとも1つのインジケーションが、ユーザ端末によって基地局に報告されることができ(530)、これはその後のダウンリンクサービスのためにユーザ端末に対して潜在的にスケジュールされることができる、少なくとも1つの無線リソース(時間/周波数/符号)を表す。すなわちコードブック分解能の少なくとも1つのインジケーションは、上述の判定基準を満たすためにどのコードブック分解能をユーザ端末が選択したかについての示唆となり得る。コードブック分解能のインジケーションは、好ましくはコードブック分解能の次の更新の前に、基地局に報告され得る。
【0081】
他の実施形態では、
図5のフロー図において、基地局はPITではなく、APTを用いて少なくとも1つのユーザ端末を構成する。APTは、構成されたAPTを達成するために用いられることができる最小のデジタルプリコーダコードブック分解能を決定するために、ユーザ端末によって用いられ得る。
【0082】
図5に関して論じられた前の実施形態と同様に、基地局502およびユーザ端末504の両方のアナログビームフォーマが最初に決定され(506)、適用される(508、510)。次いで、用途に関連した性能要件(例えば、データレート、レイテンシーなど)に応じて、基地局はリンク品質の一定のメトリックに対応するAPTを選択し得る(520)。例えば、メトリックは、チャネル容量、SNR、または一定の値(LTEにおけるCQIに類似した)より高いエラーレートを保証するために用いられることができる、最も高い変調および符号化スキーム(MCS)とし得る。APTの値が選択された後、APTは、例えば、構成情報として、基地局によってそれのカバレージエリア内のユーザ端末のうちの少なくとも1つに、それがユーザ固有構成であるかそれともセル固有構成であるかに応じて、ユニキャスト/マルチキャスト/ブロードキャストシグナリングに基づいて送信され得る(522)。
【0083】
ダウンリンク基準信号(CSI-RSなど)は、ユーザ端末がN
r
RF×N
r
RFチャネル行列である有効なチャネルH
effを測定(526)できるように以前に決定されたアナログビームフォーマの設定のもとで、送信されることができる(524)。測定されたチャネルH
effに基づいて、ユーザ端末は、構成されたAPTに結果としての性能が到達することを可能にする最小のデジタルプリコーダコードブック分解能を評価する(528)。ユーザ端末が最小コードブック分解能を決定することに着手し得る例示の手順は、
図7のフロー図に示され、そこではユーザ端末は、APTの構成された値に基づいてコードブック分解能インデックス値を決定し得る(例えば、表1に従って)。この例において、ユーザ端末は、異なるデジタルプリコーダコードブック分解能インデックス値iのもとでのチャネル容量(C
DP,iとして表される)を計算することができ、C
DP,i≧APTを達成する最小のコードブック分解能/サイズにマッピングするiの値を決定する。
【0084】
従って、最小のデジタルプリコーダコードブック分解能を決定することは、異なるデジタルプリコーダコードブック分解能インデックス値iのもとでのリンク品質メトリック値(例えば、チャネル容量、SNRまたはビットエラーレート)(CDP,i)を計算することと、最小のデジタルプリコーダコードブック分解能として、CDP,iがAPTを満足するように、最小のコードブック分解能/サイズにマッピングするiの値を決定することとを含み得る。
【0085】
この例において、モビリティレベルおよびバッテリー状態も考慮に入れられ得る。すなわち、APTなどの1つまたは複数のアシスタンスパラメータは、トラフィック負荷などのネットワークステータス、またはユーザ端末のモビリティおよび/またはバッテリー状態などのユーザ端末ステータスのうちの少なくとも1つに基づいて決定され得る。ユーザ端末(携帯電話、タブレット、または他のモバイルデバイス)が過度に速く移動している、または電池がなくなってきているとき、デジタルプリコーダフィードバックは構成されたAPTに関わらず免除されることができる(例えば、コードブック分解能インデックスi=0は、0のプリコーダレポートビット幅にマッピングする、表1でのように)。
【0086】
各ユーザ端末に対して、コードブック分解能の少なくとも1つのインジケーションが、ユーザ端末によって基地局に報告されることができ(530)、これはその後のダウンリンクサービスのためにユーザ端末に対して潜在的にスケジュールされることができる、少なくとも1つの無線リソース(時間/周波数/符号)を表すことに留意されたい。すなわちコードブック分解能の少なくとも1つのインジケーションは、上述の判定基準を満たすためにどのコードブック分解能をユーザ端末が選択したかについての示唆となり得る。コードブック分解能のインジケーションは、好ましくはコードブック分解能の次の更新の前に、基地局に報告され得る。
【0087】
他の例示の実施形態において、基本的な手順は、閾値レベル(例えば、PITまたはAPT)はネットワークによって(例えば、基地局によって)構成されるのではなく、ユーザ端末自体によって決定されることを除いて、
図5~7に関して論じられた実施形態と同様である。従って、基地局はこの場合、いずれのアシスタンスパラメータの情報もユーザ端末と共有しない。より一般には、有効なチャネルを測定するとすぐに、ユーザ端末はそれがその後のダウンリンクサービスセッションにおいて用いることを示唆する最小のデジタルプリコーダコードブック分解能を計算し、決定し得る。最小のデジタルプリコーダコードブック分解能についての示唆は、基地局に報告され得る。
【0088】
各ユーザ端末に対して、コードブック分解能の少なくとも1つのインジケーションが、ユーザ端末によって基地局に報告されることができ、これはその後のダウンリンクサービスのためにユーザ端末に対して潜在的にスケジュールされることができる、少なくとも1つの無線リソース(時間/周波数/符号)を表すことに留意されたい。すなわちコードブック分解能の少なくとも1つのインジケーションは、上述の判定基準を満たすためにどのコードブック分解能をユーザ端末が選択したかについての示唆となり得る。コードブック分解能のインジケーションは、好ましくはコードブック分解能の次の更新の前に、基地局に報告され得る。
【0089】
図8は、他の実施形態による例示的手順のためのフロー図である。
図5~7に関して論じられた前の例示的実施形態において、ユーザ端末はデジタルプリコーダコードブック分解能を決定する。
図8のフロー図の実施形態において、コードブック分解能アダプテーション(codebook resolution adaptation)は、デジタルプリコーディングのアクティベーションとデアクティベーションとを切り換えることを含む(例えば、ユーザ端末におけるデジタルプリコーダフィードバックのアクティベーションまたはデアクティベーションによって)。例えば、デジタルプリコーディングがデアクティベートされたならば、単位行列は、ベースバンド領域において、データストリームとアンテナポート(RFチェーン)との間のマッピングに対して常に適用され、コードブックサイズが単一のエントリ(単位行列)のみを有する1であることを意味する。従って、基地局によるデジタルプリコーディングの「デアクティベーション」は、ユーザ端末からのデジタルプリコーダフィードバックのデアクティベーションに対する応答である。従って、適切なコードブック分解能を示唆する代わりに、ユーザ端末は、アナログビームフォーミングに加えてデジタルプリコーディングの必要性(YESまたはNOの意味において)を報告するために、基地局に1つまたは複数のバイナリインジケーション(複数の無線リソースに対して)を単に送信し得る。
【0090】
アナログビームフォーマが決定され(806)、適用された後(808、810)、基地局802は、少なくとも1つのユーザ端末804に対して構成されるようになるPITを選ぶことができる(820)。PITは、様々なタイプの性能メトリックを表すことができることに留意されたい。例えば、それはSNR利得(dBでの)、または容量利得(ビット/秒での)とすることができる。PITの選択は、以下のパラメータすなわち、アップリンクリソースの使用可能性、ユーザ端末のバッテリー状態、および/またはユーザ端末のモビリティレベルのうちの少なくとも1つに基づいて決定され得る。
【0091】
例えば、CSIレポーティングのためのアップリンクリソースが比較的乏しい場合、基地局はより低いPITを設定する傾向がある場合があり、従ってユーザ端末がPITを超える性能改善をもたらす低分解能デジタルプリコーディングを見出す確率がより高くなり、結果としてすべての無線リソースおよびすべてのアクティブユーザの間で、より低い合計のフィードバックオーバーヘッドとなる。同様に、ユーザが低い電池を有する場合、ユーザ端末がより高分解能の(大きな)プリコーダコードブックからPMIを選択するためにより多くの計算パワーを費やし得る可能性を低減するように、低いPITが構成され得る。PITの値が選ばれた後、それは、少なくとも1つのユーザ端末に、それがユーザ固有構成であるかそれともセル固有構成であるかに応じて、ユニキャスト/マルチキャスト/ブロードキャストシグナリングに基づいて送られるべきである。
【0092】
ダウンリンク基準信号(CSI-RSなど)は、ユーザ端末がNr
RF×Nr
RFチャネル行列である有効なチャネルHeffを測定(826)できるように以前に決定されたアナログビームフォーマの設定のもとで、送信されることができる(824)。測定された有効なチャネルに基づいて、ユーザ端末はデジタルプリコーディングありとなしでの前提のもとで性能を評価し得る(828)。例えば、ユーザ端末は、デジタルプリコーディングありとなしでの容量(または他のリンク品質メトリック)をそれぞれ表し得るリンク品質メトリック値CDPおよびCNO_DPを計算し得る。次いで、ユーザ端末はこれら2つの容量の差を、構成されたPIT値と比較するべきである。
【0093】
デジタルプリコーディングに起因すると考えられる改善が、構成されたPITを満足する場合(例えば、用いられるリンク品質メトリックに応じて、差がPITより高い、またはPITより低い場合)、ユーザ端末は、デジタルプリコーディングを適用することの肯定的なインジケーションを報告することができる。そうでなく、デジタルプリコーディングに起因すると考えられる改善が、構成されたPITを満足しない場合、ユーザはデジタルプリコーディングを適用することの否定的なインジケーションを報告、および/またはデジタルプリコーディングが免じられることを示唆することができ、これはユーザ端末が、PMI選択およびフィードバックなどのオーバーヘッドから免除されることを可能にする。
【0094】
図8のユーザ端末の例示の決定論理は、
図9に示される。
【0095】
ユーザ端末によって、少なくとも1つのインジケーションが基地局に報告されるべきであり、これはその後のダウンリンクサービスのためにユーザ端末に対して潜在的にスケジュールされることができる少なくとも1つの無線リソース(時間/周波数/符号)を表す。例えば、ユーザ端末は、M個の無線リソース(例えばリソースブロック)におけるデジタルプリコーディングの必要性を表すためにM≧1ビットを有するビットマップを報告することができ、ここで0および1はそれぞれデジタルプリコーディングが望まれるか否かを、またはその逆を示す。
【0096】
図10は、他の例示の実施形態による例示の手順のフロー図を示す。この実施形態において、基地局は少なくとも1つのユーザ端末をAPTによって構成し、これは、アナログビームフォーミングに加えてデジタルプリコーディングが望ましいかどうかを決定するために、ユーザ端末によって用いられることができる。
【0097】
前の例示の実施形態において述べられたプロセスと同様に、基地局およびユーザ端末の両方のアナログビームフォーマ/コンバイナが最初に決定される。次いで、用途に関連した性能要件(例えば、データレート、レイテンシー)に応じて、基地局はリンク品質の一定のメトリックに対応するAPTを選択し得る。例えば、メトリックは、チャネル容量、SNR、または一定の値より高いエラーレートを保証するために用いられることができる、最も高い変調および符号化スキーム(MCS)を含み得る。このAPTの値が選ばれた後、それは、少なくとも1つのユーザ端末に、それがユーザ固有構成であるかそれともセル固有構成であるかに応じて、ユニキャスト/マルチキャスト/ブロードキャストシグナリングに基づいて送られるべきである。
【0098】
ダウンリンク基準信号(CSI-RSなど)は、ユーザ端末がNr
RF×Nr
RFチャネル行列である有効なチャネルHeffを測定できるように以前に決定されたアナログビームフォーマの設定のもとで、送信されることができる。測定された有効なチャネルに基づいて、ユーザ端末はデジタルプリコーディングなしでの前提のもとで性能を評価するべきである。例えば、ユーザ端末は、デジタルプリコーディングなしでの容量(または他のリンク品質メトリック)を表し得る、CNO_DPを最初に評価し得る。次いで、ユーザ端末はCNO_DPの値を、構成されたAPTと比較し得る。
【0099】
CNO_DPの値が構成されたAPTを満足する場合(例えば、用いられるリンク品質メトリックに応じて、APT以上、またはAPT未満)、ユーザ端末はデジタルプリコーディングを適用することの否定的なインジケーションを報告することができ、デジタルプリコーディングが免じられことができることを示唆することができ、これはユーザ端末が、PMI選択およびフィードバックなどのオーバーヘッドから免除されることを可能にし得る。そうでなく、構成されたAPTが満足されない場合、ユーザ端末は、性能閾値に到達する(または少なくとも、デジタルプリコーディングの非適用より性能を改善する)ようにデジタルプリコーディングが適用されるように、デジタルプリコーディングを適用することの肯定的なインジケーションを報告することができる。
【0100】
ユーザ端末によって、少なくとも1つのインジケーションが報告されるべきであり、これはその後のダウンリンクサービスのためにユーザ端末に対して潜在的にスケジュールされることができる少なくとも1つの無線リソース(時間/周波数/符号)を表す。例えば、ユーザ端末は、M個の無線リソース(例えばリソースブロック)におけるデジタルプリコーディングの必要性を表すためにM≧1ビットを有するビットマップを報告することができ、ここで0および1はそれぞれデジタルプリコーディングが望まれるか否かを、またはその逆を示す。
【0101】
他の例示の実施形態において、基本的な手順は、閾値レベル(PITまたはAPT)はネットワーク(例えば基地局)によって構成されるのではなく、代わりにユーザ端末自体によって決定されることを除いて、2つの前の例示の実施形態と同様である。従って、基地局はこの場合、いずれのアシスタンスパラメータの情報もユーザ端末と共有しない。より一般には、有効なチャネルを測定するとすぐに、ユーザ端末はその後のダウンリンクサービスセッションにおいて、少なくとも1つの無線リソース内でデジタルプリコーディングが用いられるべきか否かを計算し、決定し得る。デジタルプリコーディングの必要性についてのインジケーションおよび/または示唆は、ユーザ端末によって基地局に報告され得る。ユーザ端末によって、少なくとも1つのインジケーションが報告されるべきであり、これはその後のダウンリンクサービスのためにユーザ端末に対して潜在的にスケジュールされることができる少なくとも1つの無線リソース(時間/周波数/符号)を表す。
【0102】
例示的な一実施形態において、LTE-Aに基づくマルチレゾリューション(multi-resolution)のプリコーダコードブックがあり得る。3GPPのLTE-Aにおいて、デュアルコードブック構造は、8個のアンテナポートを有する場合に対して採用されている。今述べたフレームワークにおいて、プリコーダWは、ロングタームプリコーダW1とショートタームプリコーダW2との積として得られる。
【0103】
【0104】
この実施形態において、このようなデュアルコードブックの複数のバージョンが指定され、複数のバージョンのそれぞれは、コードブック分解能iに関連付けられる。本明細書で述べられるシステムおよび方法を用いて、コードブックの分解能は、以下で述べられるように、ロングターム(W1)およびショートターム(W2)の構成要素のいずれかまたは両方において調整することができる。
【0105】
ロングタームコードブックW1に関して、ロングタームプリコーダW1の構造は、
【0106】
【0107】
として書くことができるブロック対角行列であり、ただし、2つの異なるアンテナ偏波に専用の部分行列X1およびX2は、DFT列ベクトルのセット(例えば、ビームグループ)である。3GPPのLTE-Aの仕様において、X1=X2の場合のみがあり、従ってその場合、同じビームグループを、両方のアンテナ偏波によって使用することができる。
【0108】
本開示に従ってコードブック分解能を増加させるために、W1コードブックエントリの数は、X1≠X2の場合を追加することによって増加され得る。従って、コードブックはまた2つの異なるアンテナ偏波によって異なるビームグループが用いられる場合をカバーすることができる。このような場合、W1のコンテンツ可能性はより多様となることができ、このより高分解能のコードブックを捕捉するためにより多くのフィードバックビットが必要になり得る。
【0109】
例えば、XP(P=1,2)の16個の可能なエントリがあり、W1の2つの例示的なコードブック分解能は、表2において下に集計される。
【0110】
【0111】
加えて、W1コードブック分解能はまた、ビームグループXPにおけるDFTベクトルのオーバーサンプリングファクタを調整することによって変化されることができる。
【0112】
ショートタームコードブックW2に関して、ショートタームプリコーダW2の構造は、2つの選択ベクトル(それぞれ2つのアンテナ偏波に対する)のスタックと見なされることができ、
【0113】
【0114】
として書かれ、ここで、YP(P=1,2)は、報告されたW1におけるXPから列ベクトルを選ぶ、1つだけの非ゼロエントリを有する。ビームグループXPのそれぞれが4つの列ベクトルを有することを考えれば、YPの可能性は、
【0115】
【0116】
である。
【0117】
今述べたことは、W2に対して16のコードブックサイズを導く。W2コードブック分解能を増加させるために、ビームグループXP内のビームのペアの等しい利得の線形結合の場合が考慮され得る。従って、YPの可能性は、
【0118】
【0119】
になる。
【0120】
今、W2コードブックのサイズは、100である。従って、表3において下に集計されるように、W2の2つの例示的コードブック分解能が存在し得る。
【0121】
【0122】
従って、本明細書で述べられる1つまたは複数の実施形態において、あらゆるマルチレゾリューションのコードブックはW1のみに、W2のみに、またはW1およびW2の両方に適用されることができる。さらに上記で示された例は別として、論じられたシステムおよび方法は任意のプリコーダコードブックフレームワークに適用可能である。
【0123】
一実施形態では、ワイヤレス通信のための方法は、デジタルビームフォーミングおよびアナログビームフォーミングをアダプティブに適用するステップを含む、ハイブリッドビームフォーミングを用いて信号を送信するステップを含み、デジタルビームフォーミングは、デジタルプリコーダコードブック分解能をアダプティブに構成するステップを含む。方法は、少なくとも1つのアナログビームフォーマおよびコンバイナを決定するステップと、少なくとも1つの性能パラメータを達成するために必要なデジタルプリコーディングの最低コードブック分解能を決定するステップと、決定されたデジタルプリコーディングの最低コードブック分解能をネットワークに送信するステップとをさらに含む。それはまた、決定されたアナログビームフォーマおよびコンバイナに基づいてアナログビームフォーミング構成を示すダウンリンク基準信号を受信するステップと、示されたアナログビームフォーミング構成に基づいて有効なチャネルを測定するステップと、少なくとも1つの性能パラメータおよび測定された有効なチャネルを達成するために必要なデジタルプリコーディングの最低コードブック分解能を決定するステップとをさらに含み得る。方法はまた、少なくとも1つのアシスタンスパラメータを少なくとも1つの性能パラメータとして決定するステップと、少なくとも1つのアシスタンスパラメータをワイヤレス送信受信ユニット(WTRU)に送信するステップとをさらに含む。方法は、少なくとも1つのアシスタンスパラメータが性能改善閾値(PIT)または絶対性能閾値(APT)であることを含み得る。方法は、少なくとも1つのアシスタンスパラメータが、トラフィック負荷などのネットワークステータス、またはモビリティおよび/またはバッテリー状態などのWTRUステータスのうちの少なくとも1つに基づいて決定されることを含み得る。方法は、測定された有効なチャネルまたはアシスタンスパラメータのうちの少なくとも1つに基づいて、所望の性能をサポートするのに十分に高い品質を有して基地局への無線リンクを維持する少なくとも1つのデジタルプリコーディングコードブック分解能を計算するステップと、少なくとも1つの計算されたデジタルプリコーディングコードブック分解能を基地局に送信するステップとをさらに含み得る。方法は、WTRUから受信されたデジタルプリコーディングコードブック分解能に従って、WTRUのためにスケジュールされた無線リソースにおいて、ダウンリンクデータ送信のためにベースバンドモジュールを構成するステップと、構成されたベースバンドモジュールによって、ダウンリンクデータ送信を送信するステップとをさらに含み得る。方法は、最小のデジタルプリコーダコードブック分解能を決定するステップが、デジタルプリコーディングなしでのチャネル容量(CNO_DP)、および異なるデジタルプリコーダコードブック分解能インデックス値iのもとでのチャネル容量(CDP,i)を計算するステップと、CDP,i-CNO_DP>PITを達成する最小のコードブック分解能/サイズにマッピングするiの値を、最小のデジタルプリコーダコードブック分解能として決定するステップとを含むことを含み得る。方法は、最小のデジタルプリコーダコードブック分解能を決定するステップが、デジタルプリコーディングなしでのリンク品質メトリック値(CNO_DP)、および異なるデジタルプリコーダコードブック分解能インデックス値iのもとでのリンク品質メトリック値(CDP,i)を計算するステップと、CDP,iとCNO_DPとの間の性能差がPITを満足するように最小のコードブック分解能/サイズにマッピングするiの値を、最小のデジタルプリコーダコードブック分解能として決定するステップとを含むことを含み得る。方法は、最小のデジタルプリコーダコードブック分解能を決定するステップが、異なるデジタルプリコーダコードブック分解能インデックス値iのもとでのチャネル容量(CDP,i)を計算するステップと、CDP,i>APTを達成する最小のコードブック分解能にマッピングするiの値を、最小のデジタルプリコーダコードブック分解能として決定するステップとを含むことを含み得る。方法は、最小のデジタルプリコーダコードブック分解能を決定するステップが、異なるデジタルプリコーダコードブック分解能インデックス値iのもとでのリンク品質メトリック値(CDP,i)を計算するステップと、CDP,iがAPTを満足するように最小のコードブック分解能/サイズにマッピングするiの値を、最小のデジタルプリコーダコードブック分解能として決定するステップとを含むことを含み得る。方法は、WTRUによって、少なくとも1つのアシスタンスパラメータを決定するステップと、決定された少なくとも1つのアシスタンスパラメータに基づいて、少なくとも1つの最小のデジタルプリコーダコードブック分解能を決定するステップと、少なくとも1つの最小のデジタルプリコーダコードブック分解能を基地局に送信するステップとをさらに含み得る。方法は、デジタルプリコーディングをアクティベートするかそれともデアクティベートするかを決定するステップと、デジタルプリコーディングをアクティベートするかそれともデアクティベートするかの決定に基づいて、デジタルプリコーダフィードバックのアクティベーションとデアクティベーションとを切り換えるステップと、デジタルプリコーディングがアクティブであるかどうかの報告を送信するステップとをさらに含み得る。方法は、デジタルプリコーディングをアクティベートするかそれともデアクティベートするかを決定するステップと、デジタルプリコーディングがアクティブであるかどうかの報告を送信するステップと、報告に基づいてデジタルプリコーダフィードバックのアクティベーションとデアクティベーションとを切り換えるステップとをさらに含み得る。方法は、デジタルプリコーディングをアクティベートするかそれともデアクティベートするかを決定するステップが、用いる閾値テストに基づき、閾値はPITまたはAPTであることを含み得る。方法は、デジタルプリコーダコードブック分解能のショートタームコードブック分解能の構成要素またはロングタームコードブック分解能の構成要素のうちの少なくとも1つを調整するステップを含む、デジタルプリコーダコードブック分解能を調整するステップをさらに含み得る。
【0124】
一実施形態では、上記の方法の任意の組み合わせの少なくとも一部を行うように構成されたワイヤレス送受信ユニット(WTRU)が存在し得る。一実施形態では、上記の方法の任意の組み合わせの少なくとも一部を行うように構成されたサーバが存在し得る。一実施形態では、上記の方法の任意の組み合わせの少なくとも一部を行うように構成された、送信機および受信機を備えた、システムが存在する。一実施形態では、上記の方法の任意の組み合わせの少なくとも一部を行うように構成された少なくとも1つのプロセッサが存在する。一実施形態では、上記の方法の任意の組み合わせの少なくとも一部を行うように構成されたネットワーク要素が存在する。一実施形態では、上記の方法の任意の組み合わせの少なくとも一部を行うように構成された基地局が存在する。一実施形態では、上記の方法の任意の組み合わせの少なくとも一部を行うように構成されたアクセスポイント(AP)が存在する。一実施形態では、上記の方法の任意の組み合わせの少なくとも一部を行うように構成された局(STA)が存在する。一実施形態では、上記の方法の任意の組み合わせの少なくとも一部を行うように構成された集積回路が存在する。一実施形態では、上記の方法の任意の組み合わせの少なくとも一部を行うように構成されたコンピューティングデバイスが存在する。一実施形態では、処理デバイスによって実行されたとき、処理デバイスに上記の方法の任意の組み合わせの少なくとも一部を行わせる、非一時的なコンピュータ読み取り可能な記録媒体上に記憶された命令が存在する。
【0125】
特徴および要素は上記では特定の組み合わせにおいて述べられたが、当業者は各特徴または要素は単独で、または他の特徴および要素との任意の組み合わせにおいて用いられることができることを理解するであろう。加えて、本明細書で述べられる方法は、コンピュータまたはプロセッサによる実行のためにコンピュータ可読媒体に組み込まれたコンピュータプログラム、ソフトウェア、またはファームウェアにおいて実施され得る。コンピュータ可読媒体の例は、電子信号(有線またはワイヤレス接続を通して送信される)、およびコンピュータ読み取り可能な記録媒体を含む。コンピュータ読み取り可能な記録媒体の例は、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、レジスタ、キャッシュメモリ、半導体メモリデバイス、内蔵ハードディスクおよび取り外し可能なディスクなどの磁気媒体、光磁気媒体、ならびにCD-ROMディスクおよびデジタル多用途ディスク(DVD)などの光媒体を含むが、それらに限定されない。ソフトウェアと関連してプロセッサは、WTRU、UE、端末装置、基地局、RNC、または任意のホストコンピュータにおける使用のために、無線周波数トランシーバを実施するために用いられ得る。