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特許7282096事前充填された薬物送達デバイスのためのパッケージング
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-18
(45)【発行日】2023-05-26
(54)【発明の名称】事前充填された薬物送達デバイスのためのパッケージング
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/00 20060101AFI20230519BHJP
   A61M 5/32 20060101ALI20230519BHJP
【FI】
A61M5/00 518
A61M5/00 516
A61M5/32 510D
A61M5/32 500
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2020542759
(86)(22)【出願日】2019-02-05
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-05-20
(86)【国際出願番号】 EP2019052753
(87)【国際公開番号】W WO2019154796
(87)【国際公開日】2019-08-15
【審査請求日】2021-11-26
(31)【優先権主張番号】18305128.3
(32)【優先日】2018-02-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】310021434
【氏名又は名称】ベクトン ディキンソン フランス
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フレデリック ペロー
(72)【発明者】
【氏名】ジュリアン ガリアーノ
(72)【発明者】
【氏名】マリー-リエス ル コルフェク
(72)【発明者】
【氏名】エルベ モンショワ
【審査官】中村 一雄
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第05277312(US,A)
【文献】特開平03-222962(JP,A)
【文献】特表2012-502754(JP,A)
【文献】特表2005-512637(JP,A)
【文献】国際公開第2017/189167(WO,A1)
【文献】特開2008-228885(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 5/00
A61M 5/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの薬物送達デバイス(1;201)を貯蔵するためのパッケージング(10;100;200;300;400)であって、前記薬物送達デバイス(1;201)は、コンテナ(2)を含み、前記コンテナ(2)は、その遠位端部において、遠位先端部(8;208;408)を設けられており、前記遠位先端部(8;208;408)は、前記薬物送達デバイスの使用前貯蔵構成において、シールド(6;206)によってカバーされており、前記シールド(6;206)は、使用時に前記遠位先端部(8;208;408)から除去されることが意図されており、前記遠位先端部(8;208;408)の遠位端部は、前記薬物送達デバイスの使用の間に、針(4)を支えることが意図されており、前記パッケージングは、
サポート(11;111;211;311;411)であって、少なくとも、
前記薬物送達デバイスの前記使用前貯蔵構成において、前記シールド(6;206;306)の少なくとも一部を受け入れるように構成されている1つの第1の保持手段(14、14a;114、114a;214a;314a)、および、
前記薬物送達デバイスの使用後貯蔵構成において、前記針が前記遠位先端部(8;408)によって支えられているときに、少なくとも前記針(4)の遠位部を受け入れるように構成されている1つの第2の保持手段(17、17a;117、117a;417、417a)
を含む、サポート(11;111;211;311;411)と、
前記薬物送達デバイスの前記使用前貯蔵構成において、前記シールドが前記第1の保持手段の中に受け入れられているときに、および、前記薬物送達デバイスの前記使用後貯蔵構成において、前記針の前記遠位部が前記第2の保持手段の中に受け入れられているときに、前記薬物送達デバイス(1;201)を囲むように構成されているエンベロープ(12;112)であって、前記サポートによって閉じられるように構成されている、エンベロープ(12;112)と
を含む、パッケージング(10;100;200;300;400)。
【請求項2】
前記第2の保持手段は、少なくとも前記遠位先端部(8;208;408)の遠位部をさらに受け入れるように構成されている請求項1に記載のパッケージング(10;100;200;300)。
【請求項3】
前記遠位先端部(208)は、前記薬物送達デバイス(201)の前記使用前貯蔵構成において任意の針を含まず、前記パッケージングは、針(4)を支える針ハブ(220)をさらに含み、前記針ハブは、前記シールド(206)が前記遠位先端部から除去されると、前記遠位先端部(208)の遠位端部の上に装着されるように構成されている請求項1または2に記載のパッケージング(200)。
【請求項4】
前記第1の保持手段(14、14a;114;114a;214a;314a)および前記第2の保持手段(17;17a;117;417、417a)は、たとえば恒久的な方式で、前記サポートに固定されている請求項1乃至3のいずれか一項に記載のパッケージング(200)。
【請求項5】
前記サポートは、リジッドシェル(11)の形状を有している請求項1乃至4のいずれか一項に記載のパッケージング(200)。
【請求項6】
前記第1の保持手段は、前記シールド(6;206;306)の少なくとも一部を受け入れるように構成されている第1のキャビティー(14a;114a、214a;314a)と、前記キャビティー(14a;114a、214a;314a)に固定されている前記シールド(6;206;306)を保つように構成されている第1の把持手段(15、16;115、116、215;315)とを含む請求項1乃至5のいずれか一項に記載のパッケージング(10;100;200;300)。
【請求項7】
前記シールド(6)の近位端部(6a)は、前記遠位先端部(8)の上に取り付けられており、前記第1の把持手段は、前記シールド(6)の前記近位端部(6a)の上にスナップフィットされ得る可撓性のレッグ部(15;115)を含む請求項6に記載のパッケージング(10;100)。
【請求項8】
前記第2の保持手段は、前記針(4)および前記遠位先端部(8)の少なくとも遠位部を受け入れるように構成されている第2のキャビティー(17a;117a)と、前記針(4)および前記遠位先端部(8)の前記遠位部を前記第2のキャビティー(17a;117a)の中に保つように構成されている第2の把持手段(18;118)とを含む請求項1乃至7のいずれか一項に記載のパッケージング(10;100)。
【請求項9】
前記第2の把持手段は、摩擦フィット係合によって前記遠位先端部(8)を保つ可撓性の舌部(18;118)を含む請求項8に記載のパッケージング(10;100)。
【請求項10】
前記第2のキャビティー(17a;117a)は、前記針(4)の遠位部を埋め込むように構成されている内側プラグ(19;119)をさらに含む請求項8または9に記載のパッケージング(10;100)。
【請求項11】
前記サポート(111)および前記エンベロープ(112)は、リジッドケースを形成している請求項1乃至10のいずれか一項に記載のパッケージング(100)。
【請求項12】
前記第1の保持手段は、前記シールド(6;206;306)の少なくとも一部を受け入れるように構成されている第1のキャビティー(14a;114a、214a;314a)を含み、
前記第2の保持手段は、前記針(4)および前記遠位先端部(8)の少なくとも遠位部を受け入れるように構成されている第2のキャビティー(17a;117a)を含み、
前記第1のキャビティー(14a;114a)は、第1の長手方向軸線Cに沿って前記サポートから近位に延在する細長い形状を有しており、前記第2のキャビティー(17a;117a)は、第2の長手方向軸線Dに沿って前記サポートから近位に延在する細長い形状を有している求項1乃11のいずれか一項に記載のパッケージング(10;100)。
【請求項13】
前記第1の長手方向軸線Cおよび第2の長手方向軸線Dは、互いに平行になっている請求項12に記載のパッケージング(10)。
【請求項14】
前記エンベロープ(112)は、中心長手方向軸線Bに沿って前記サポート(111)から近位に延在しており、前記第1のキャビティーおよび前記第2のキャビティー(114a、117a)は、前記中心長手方向軸線Bを含む平面のいずれかの側に位置付けされており、前記第1の長手方向の軸線Cおよび前記第2の長手方向の軸線Dは、前記中心長手方向軸線Bに向けて傾けられており、前記薬物送達デバイス(1)の前記使用前貯蔵構成において、前記シールド(6)が前記第1の保持手段(114、114a)の中に受け入れられているときに、または、前記薬物送達デバイス(1)の前記使用後貯蔵構成において、前記針(4)の前記遠位部が前記第2の保持手段(117、117a)の中に受け入れられているときに、前記薬物送達デバイス(1)の前記コンテナ(2)の近位端部が、前記中心長手方向軸線Bの上に実質的に位置付けされるようになっている請求項12に記載のパッケージング(100)。
【請求項15】
触覚的なおよび/または視覚的なインジケーター(120)をさらに含み、前記触覚的なおよび/または視覚的なインジケーター(120)は、前記薬物送達デバイス(1)の前記使用後貯蔵構成において、前記針(4)の前記遠位部が前記第2の保持手段(117、117a)の中に受け入れられているということをユーザーに知らせるように構成されている請求項1乃至14のいずれか一項に記載のパッケージング(100)。
【請求項16】
前記第2の保持手段は、前記針(4)および前記遠位先端部(8)の少なくとも遠位部を受け入れるように構成されている第2のキャビティー(17a;117a)を含み、
前記インジケーターは、ペグ(120)を含み、前記ペグ(120)は、開口チャネル(111b)の中を循環することができ、前記開口チャネル(111b)は、前記サポート(111)の壁部(111a)の中に提供され、前記第2のキャビティー(117a)と連通しており、前記ペグ(120)は、後退位置から露出位置へ移動することができ、前記後退位置では、前記ペグは、ユーザーによって見ることも感じることもできず、前記露出位置では、前記ペグは、前記ユーザーによって見られおよび/または感じられ得、前記ペグ(120)は、前記針(4)の前記遠位部を前記第2のキャビティー(117a)の中へ挿入すると、前記後退位置から前記露出位置へ移動させられる請求項15に記載のパッケージング(100)。
【請求項17】
前記エンベロープ(12)は、再シール可能な開口部(13)を有するフィルムを含む請求項1乃至10のいずれか一項に記載のパッケージング(10)。
【請求項18】
たとえば前記エンベロープ(12;112)の中に位置付けされている、麻酔薬パッド、アルコールスワブ、絆創膏、およびそれらの組み合わせから選択される医療用アイテムをさらに含む請求項1乃至17のいずれか一項に記載のパッケージング(10;100)。
【請求項19】
使用説明書を支えるシート(130;140)をさらに含み、前記シートは、折り畳まれており、また、その使用前貯蔵構成において前記パッケージングの中に貯蔵されている前記薬物送達デバイス(1)と前記エンベロープ(112)の内側壁部との間に位置決めされており、ユーザーが前記サポート(111)から前記エンベロープ(112)を除去するときに、前記シート(130;140)が前記パッケージング(100)から飛び出すようになっている請求項1乃至18のいずれか一項に記載のパッケージング(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薬物送達デバイス、とりわけ、事前充填された薬物送達デバイスを貯蔵および輸送するためのパッケージングに関する。
【背景技術】
【0002】
本出願において、ピースまたはデバイスの遠位端部は、ユーザーの手から最も遠い端部であると理解され、近位端部は、ユーザーの手に最も近い端部であると理解される。同様に、本出願において、「遠位方向」は、注入の方向であると理解され、「近位方向」は、注入の方向の反対側の方向であると理解される。
【0003】
たとえば、シリンジなどのような薬物送達デバイスは、針の存在に起因して、使用前および使用後に注意して取り扱われなければならない。シリンジの中へ含有されている薬物の無菌性、および、シリンジの密閉性を保存するために、また、事故的な針刺し損傷のリスクを最小化するためにも、シリンジは、典型的に、尖った針の先端部をカバーする針シールドとともに供給される。針シールドは、尖った針の先端部を露出させるために、および、注入を実施するために、使用の前に除去される。
【0004】
使用後、ユーザーは、使用済みの針によって傷つけられるリスクをとる必要なしに、薬物送達デバイスを廃棄することができなければならない。医療分野の手順は、使用済みの薬物送達デバイスを適当なコンテナの中へ投げ捨てる前に、ユーザーが保護デバイスによって針を回収するということを必要とする。
【0005】
多発性硬化症または関節炎などのようないくつかの病気は、薬物が患者の中へ定期的に(たとえば、毎日または毎週)注入されるということを必要とする。薬物は、事前充填された薬物送達デバイス(たとえば、事前充填されたシリンジなど)という形で利用可能である。通常、患者は、自己注入の訓練を受けており、自分自身による薬物の注入へ進むことが可能である。
【0006】
とにかく、患者がかなりの時間期間にわたって旅行する必要があるときには、患者は、たとえば事前充填されたシリンジという形で、薬物を携帯する必要がある。事前充填されたシリンジは、注意深く輸送される必要のあるアイテムである。そのうえ、使用されると、シリンジの針は、事故的な針刺しを回避するために保護されるべきである。加えて、針を伴う使用済みの事前充填されたシリンジは、針などのような鋭いアイテムおよび潜在的に汚染されている医療用デバイスを受け入れることが意図された特定のコンテナの中に廃棄されなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、使用前および使用後に、事前充填された薬物送達デバイスまたはシリンジの安全な貯蔵および輸送を可能にするパッケージングに対する必要性が存在している。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、少なくとも1つの薬物送達デバイスを貯蔵するためのパッケージングであって、薬物送達デバイスは、コンテナを含み、コンテナは、その遠位端部において、遠位先端部を設けられており、遠位先端部は、薬物送達デバイスの使用前貯蔵構成において、シールドによってカバーされており、前記シールドは、使用時に前記遠位先端部から除去されることが意図されており、前記遠位先端部の遠位端部は、薬物送達デバイスの使用の間に、針を支えることが意図されており、パッケージングは、
- サポートであって、サポートは、少なくとも、
- 前記薬物送達デバイスの使用前貯蔵構成において、前記シールドの少なくとも一部を受け入れるように構成されている1つの第1の保持手段または第1の保持エレメント、および、
- 前記薬物送達デバイスの使用後貯蔵構成において、前記針が前記遠位先端部によって支えられているときに、少なくとも前記針の遠位部を受け入れるように構成されている1つの第2の保持手段または第2の保持エレメント
を含む、サポートと、
- 薬物送達デバイスの使用前貯蔵構成において、前記シールドが前記第1の保持手段または第1の保持エレメントの中に受け入れられているときに、および、前記薬物送達デバイスの使用後貯蔵構成において、前記針の前記遠位部が前記第2の保持手段または第2の保持手段の中に受け入れられているときに、前記薬物送達デバイスを囲むように構成されているエンベロープであって、前記エンベロープは、前記サポートによって閉じられるように構成されている、エンベロープと
を含む、パッケージングに関する。
【0009】
本発明のパッケージングは、とりわけ、事前充填された薬物送達デバイスを貯蔵するために使用されることが意図されている。たとえば、エンベロープは、シールドが第1の保持手段または第1の保持エレメントの中に受け入れられているときに、前記薬物送達デバイスを使用の前に事前充填された薬物送達デバイスを囲むように構成されており、また、少なくとも針の遠位部が前記第2の保持手段または第2の保持エレメントの中に受け入れられているときに、使用後の薬物送達デバイスを囲むように構成されている。
【0010】
本発明のパッケージングは、事前充填された薬物送達デバイスを安全に貯蔵すること、輸送すること、使用すること、および廃棄することを可能にする。とりわけ、本発明のパッケージングに起因して、薬物送達デバイスは、使用前にパッケージングの特定の場所に位置付けされ、使用後にパッケージングのさらなる特定の場所に位置付けされ、それは、適当なコンテナの中に廃棄される前に、使用前および使用後に安全に輸送され得る。
【0011】
実施形態において、本発明のパッケージングは、2つ以上の事前充填された薬物送達デバイスを貯蔵することを可能にすることができる。たとえば、サポートは、2つ以上の第1の保持手段もしくは第1の保持エレメントおよび/または2つ以上の第2の保持手段もしくは第2の保持エレメントを含むことが可能であり、それによって、使用前および使用後に複数の事前充填された薬物送達デバイスを貯蔵することを可能にする。
【0012】
実施形態において、前記第2の保持手段または第2の保持エレメントは、少なくとも前記遠位先端部の遠位部をさらに受け入れるように構成されている。たとえば、第2の保持手段または第2の保持エレメントは、薬物送達デバイスが使用後貯蔵構成になっているときに、針全体および遠位先端部の遠位部を受け入れるように構成されている。
【0013】
本文献において、「針は、遠位先端部によって支えられる」という表現によって、針が薬物送達デバイスの遠位先端部によって直接的に支えられ得るか(そのケースでは、針は、通常、杭打ちされた(staked)針またはオーバーモールドされた針である)、または、薬物送達デバイスの遠位先端部の上に装着された針ハブを介して支えられ得る(そのケースでは、そのような遠位先端部は、任意の針を含まない)ということが意味されている。
【0014】
前記薬物送達デバイスの使用前貯蔵構成において、針が前記遠位先端部によって直接的に支えられているときには、シールドが、好ましくは、前記針をカバーするように構成されている。たとえば、シールドは、リジッド材料から作製され得る。したがって、シールドは、針およびその遠位端部を保護することを可能にし、事故的な針刺し損傷が回避され得るようになっている。そのようなリジッドの針シールドを形成するための適切なリジッド材料は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、および/またはそれらの組み合わせから選択され得る。シールドは、ゴム、エラストマーポリマー、および/またはそれらの組み合わせなどのような、軟質材料から作製されたパーツをさらに含むことが可能である。
【0015】
あるいは、前記薬物送達デバイスの使用前貯蔵構成において、遠位先端部が任意の針を含まないときには、シールドは、次いで、ゴム、エラストマーポリマー、および/またはそれらの組み合わせから選択された材料から作製され得る。したがって、パッケージングは、針を支える針ハブをさらに含むことが可能であり、前記針ハブは、シールドが前記遠位先端部から除去されると、前記遠位先端部の遠位端部の上に装着されるように構成されている。
【0016】
実施形態において、第1の保持手段または第1の保持エレメントおよび第2の保持手段または第2の保持エレメントは、たとえば恒久的な方式で、前記サポートに固定されている。これは、薬物送達デバイスが使用前および使用後に安全に位置決めされることを可能にする。
【0017】
代替的に、または、組み合わせて、サポートは、たとえば底部壁部を有する、リジッドシェルの形状を有することが可能である。
【0018】
本発明のパッケージングのサポートは、針を支える薬物送達デバイスからシールドを使用前に除去するために使用され得る。実際に、事前充填された薬物送達デバイスは、たとえば関節炎を患っている患者によって定期的に使用され得る。関節炎に起因して、患者の指は痛み、もはや精密で労力を要求するジェスチャーを完了することができない。これらの患者は、薬物送達デバイスの遠位先端部を保護するシールドを除去する際に困難を定期的に経験する。その理由は、それが、一方の手の上にシールド、および、他方の手の上に薬物送達デバイスのコンテナというように、両手を使用して比較的に小さいアイテムをしっかりと取り扱うことを必要とするからである。本発明のパッケージングに起因して、患者は、薬物送達デバイスからシールドを除去する動作の間に、シールドの代わりにサポート全体を使用することが可能である。したがって、患者にとって、この除去ステップが促進される。
【0019】
実施形態において、第1の保持手段または第1の保持エレメントは、前記シールドの少なくとも一部を受け入れるように構成されている第1のキャビティーと、前記キャビティーに固定されている前記シールドを保つように構成されている第1の把持手段または第1の把持エレメントとを含む。第1の把持手段または第1の把持エレメントは、恒久的な方式で前記キャビティーの中に前記シールドを保つようにさらに構成され得る。したがって、患者は、患者が使用前にシールドから薬物送達デバイスを除去するときに、シールドがサポートの中へ残ることとなるということが保証される。
【0020】
たとえば、前記シールドの近位端部は、前記遠位先端部の上に取り付けられており、前記第1の把持手段または第1の把持エレメントは、前記シールドの前記近位端部の上にスナップフィットされ得る可撓性のレッグ部を含む。代替的に、または、組み合わせて、前記第1の把持手段または第1の把持エレメントは、シールドを前記シールドの遠位端部の上に保持することが可能である。
【0021】
実施形態において、第2の保持手段または第2の把持エレメントは、少なくとも前記針の遠位部を受け入れるように構成されている第2のキャビティーを含む。有利には、第2のキャビティーは、少なくとも前記遠位先端部の遠位部をさらに受け入れるように構成されている。第2の保持手段または第2の保持エレメントは、前記遠位先端部の前記遠位部を前記第2のキャビティーの中に保つように構成されている第2の把持手段または第2の把持エレメントを含むことが可能である。したがって、針および遠位先端部の遠位部は、使用後に安全に位置決めされ、針は、前記第2のキャビティーの中に含有されている。したがって、デバイスと接触し得るユーザーおよび任意の他の人は、使用済みの針によって生じる可能性のある事故的な針刺し損傷から保護される。
【0022】
実施形態において、第2の把持手段または第2の把持エレメントは、摩擦フィット係合によって前記遠位先端部の前記遠位部を保つ可撓性の舌部を含む。
【0023】
代替的に、または、組み合わせて、第2のキャビティーは、針の遠位部を埋め込むように構成されている内側プラグを含むことが可能である。プラグの中に針を挿入することによって、プラグは、把持手段または把持エレメントに加えて、使用済みの薬物送達デバイスを使用後にパッケージングの中へ安定した位置に固定することを助けることも可能である。
【0024】
実施形態において、サポートおよびエンベロープは、リジッドケースを形成している。
【0025】
サポートは、リジッドシェルの底部を形成する遠位横断壁部を含むことが可能であり、テーブルの上に容易に位置決めされ得、ユーザーが一方の手でシェルを保持することができるようになっており、ユーザーは、他方の手で、
- 注入へ進むために、サポートの第1の保持手段または第1の保持エレメントから薬物送達デバイスを除去し、随意的に、遠位先端部が任意の針を含まない場合に、針を支える針ハブを薬物送達デバイスの遠位先端部の上に装着すること、および/または、
- 使用済みの針を保護するために、針を支える薬物送達デバイスをサポートの第2の保持手段または第2の保持エレメントの内側に使用後に挿入すること
のいずれかを行うことができるようになっている。
【0026】
実施形態において、前記第1のキャビティーは、第1の長手方向軸線Cに沿ってサポートから近位に延在する細長い形状を有しており、前記第2のキャビティーは、第2の長手方向軸線Dに沿ってサポートから近位に延在する細長い形状を有している。たとえば、前記第1のキャビティーおよび前記第2のキャビティーは、スリーブなどのような円筒状の形状を有することが可能である。第1のキャビティーは、第2のキャビティーのものよりも長い長さを有することが可能であり、たとえば、第1のキャビティーの近位端部が、第2のキャビティーの近位端部を越えて近位方向に延在するようになっている。第1のキャビティーの近位端部は、加えて、サポートの近位端部を越えて近位方向に延在することが可能である。したがって、薬物送達デバイスが第1の保持手段(たとえば、第1のキャビティーなど)から除去されるときに、薬物送達デバイスがサポートおよび/または第2の保持手段(たとえば、第2のキャビティーなど)に触れるというリスクが低減される。したがって、薬物送達デバイスがサポートおよび/または第2の保持手段との接触を通して注入の前に汚染されるというリスクが減少される。
【0027】
実施形態において、前記第1の長手方向軸線Cおよび第2の長手方向軸線Dは、互いに平行になっている。第1のキャビティーおよび第2のキャビティーは、たとえば、サポートの共通の壁部から互いに平行に延在することが可能である。
【0028】
実施形態において、前記エンベロープは、中心長手方向軸線Bに沿って前記サポートから近位に延在しており、前記第1のキャビティーおよび第2のキャビティーは、前記中心長手方向軸線Bを含む平面のいずれかの側に位置付けされており、前記第1の長手方向の軸線Cおよび第2の長手方向の軸線Dは、前記中心長手方向軸線Bに向けて傾けられており、薬物送達デバイスの使用前貯蔵構成において、前記シールドが前記第1の保持手段または第1の保持エレメントの中に受け入れられているときに、または、前記薬物送達デバイスの使用後貯蔵構成において、前記針の前記遠位部が前記第2の保持手段または第2の保持エレメントの中に受け入れられているときに、前記薬物送達デバイスのコンテナの近位端部が、中心長手方向軸線Bの上に実質的に位置付けされるようになっている。そのような実施形態では、とりわけ、サポートおよびエンベロープがリジッドケースをともに形成するときには、第1のキャビティーおよび第2のキャビティーのそのような配置は、輸送しやすいコンパクトなパッケージングを提供しながら、前記薬物送達デバイスがパッケージングの中に貯蔵されているときに薬物送達デバイスがエンベロープの壁部から十分に離れて保持されることを可能にする。第1のキャビティーの傾きおよび/または第2のキャビティーの傾きは、その中に貯蔵されている薬物送達デバイスが拡張されたフランジを含む場合にも、パッケージングに関してコンパクトな半径方向の設計を取得することを可能にする。
【0029】
実施形態において、パッケージングは、触覚的なおよび/または視覚的なインジケーターをさらに含み、触覚的なおよび/または視覚的なインジケーターは、前記薬物送達デバイスの使用後貯蔵構成において、前記針の遠位部が前記第2の保持手段または第2の保持エレメントの中に受け入れられているということをユーザーに知らせるように構成されている。
【0030】
たとえば、前記インジケーターは、ペグを含み、ペグは、開口チャネルの中を循環することができ、開口チャネルは、サポートの壁部の中に提供され、前記第2のキャビティーと連通しており、前記ペグは、後退位置から露出位置へ移動することができ、後退位置では、前記ペグは、ユーザーによって見ることも感じることもできず、露出位置では、前記ペグは、ユーザーによって見られおよび/または感じられ得、前記ペグは、前記針の遠位部を前記第2のキャビティーの中へ挿入すると、前記後退位置から前記露出位置へ移動させられる。
【0031】
代替的実施形態では、エンベロープは、再シール可能な開口部を有するフィルムを含む。したがって、パッケージングは、パッケージングから薬物送達デバイスを除去するために、したがって、注入へ進むために、前記開口部を通して開けられ得る。注入の後に、使用済みの針が第2の保持手段または第2の保持エレメントの中へ挿入されると、ユーザーは、フィルムの中の開口部を再シールすることが可能であり、それによって、パッケージングを閉じることが可能である。次いで、ユーザーがパッケージング全体を適当なコンテナの中へ廃棄するまで、ユーザーは、使用済みの針を伴う薬物送達デバイスを保持するパッケージングを安全に運搬することが可能である。
【0032】
実施形態において、パッケージングは、たとえばエンベロープの中に位置付けされている、麻酔薬パッド、アルコールスワブ、絆創膏、およびそれらの組み合わせから選択される医療用アイテムをさらに含むことが可能である。パッケージングは、使用説明書をさらに含むことが可能であり、使用説明書は、たとえば、エンベロープを形成するフィルムの上にプリントされているか、または、エンベロープの中へ挿入されている折り畳まれたシートの上にプリントされている。
【0033】
実施形態において、パッケージングは、使用説明書を支えるシートをさらに含むことが可能であり、前記シートは、折り畳まれており、また、その使用前貯蔵構成において前記パッケージングの中に貯蔵されている薬物送達デバイスとエンベロープの内側壁部との間に位置決めされており、ユーザーがサポートからエンベロープを除去するときに、前記シートがパッケージングから飛び出すようになっている。実施形態において、前記シートは、折り畳まれ得、また、薬物送達デバイスのピストンロッドの上に折り重ねられ得る。他の実施形態では、シートは、蛇腹式に折り畳まれ得、プランジャーロッドの近位端部とエンベロープの近位壁部の内側表面との間に挟まれ得る。シートの近位端部は、エンベロープの近位壁部の前記内側表面に除去可能に取り付けられ得、シートの遠位端部は、プランジャーロッドの近位端部に除去可能に取り付けられ得る。したがって、ユーザーがサポートからエンベロープを除去するときに、シートは、ユーザーによって広げられてさらに取り外され得る。したがって、ユーザーにとって、パッケージングの使用が促進される。その理由は、ユーザーが使用説明書を探す必要がなく、そのような使用説明書がユーザーに容易に利用可能にされるからである。
【0034】
また、本発明は、少なくとも1つの薬物送達デバイスを貯蔵するためのパッケージングであって、薬物送達デバイスは、コンテナを含み、コンテナは、その遠位端部において、遠位先端部を設けられており、遠位先端部は、薬物送達デバイスの使用前貯蔵構成において、シールドによってカバーされており、前記シールドは、使用時に前記遠位先端部から除去されるように構成されており、前記遠位先端部の遠位端部は、薬物送達デバイスの使用の間に、針を支えるように構成されている、パッケージングに関する。パッケージングは、サポートを含み、サポートは、少なくとも、前記薬物送達デバイスの使用前貯蔵構成において、前記シールドの少なくとも一部を受け入れるように構成されている1つの第1の保持エレメントと、前記薬物送達デバイスの使用後貯蔵構成において、前記針が前記遠位先端部によって支えられているときに、少なくとも前記針の遠位部を受け入れるように構成されている1つの第2の保持エレメントと、薬物送達デバイスの使用前貯蔵構成において、前記シールドが前記第1の保持エレメントの中に受け入れられているときに、および、前記薬物送達デバイスの使用後貯蔵構成において、前記針の前記遠位部が前記第2の保持エレメントの中に受け入れられているときに、前記薬物送達デバイスを囲むように構成されているエンベロープであって、前記エンベロープは、前記サポートによって閉じられるように構成されている、エンベロープとを含む。
【図面の簡単な説明】
【0035】
ここで、本発明が、同封の図面を参照して、詳細に説明されることとなる。
図1】針を支える遠位先端部と針を保護するシールドとを含む事前充填された薬物送達デバイスの断面図である。
図2】事前充填された薬物送達デバイスがその中に含有されている状態の本発明のパッケージングの第1の実施形態の斜視図である。
図3図2のパッケージングのサポートの上面斜視図である。
図4図3のサポートの断面斜視図である。
図5図2のパッケージングから薬物送達デバイスを除去するステップの斜視図である。
図6図2のパッケージングの内側に使用後の薬物送達デバイスを再位置決めするステップの斜視図である。
図7】本発明のパッケージングの第2の実施形態の断面図である。
図8】薬物送達デバイスのシールドが第1の保持手段または第1の保持エレメントの中に受け入れられている状態の図7のパッケージングの断面図である。
図9】針および遠位先端部の遠位部が第2の保持手段または第2の保持エレメントの中に受け入れられている状態の図7のパッケージングの断面図である。
図10】薬物送達デバイスの使用前貯蔵構成において、薬物送達デバイスの遠位先端部が任意の針を含まないケースにおいて、第1の保持手段または第1の保持エレメントの中に受け入れられている薬物送達デバイスのシールドの部分的な断面図である。
図11図10の薬物送達デバイスの遠位先端部の上に装着され得る針ハブの斜視断面図である。
図12】本発明のパッケージングの第1のキャビティーの代替的実施形態の断面図である。
図13】本発明のパッケージングの第2のキャビティーの代替的実施形態の図である。
図14】使用説明書などのような情報を支える折り畳まれたシートを提供された、図7図9のパッケージングの側面図である。
図15】ユーザーがパッケージングを開け始めたときの、使用説明書などのような情報を支える折り畳まれたシートを提供された、図7図9のパッケージングの別の実施形態の概略側面図である。
図16】パッケージングが完全に開いているときの図15のパッケージングの概略側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
図1を参照すると、長手方向軸線Aを有する事前充填された薬物送達デバイス1が示されている。事前充填された薬物送達デバイス1は、注入されることとなる薬物3を受け入れるためのコンテナ2を含む。図1に示されている例では、コンテナ2は、その遠位端部において、針4を支える遠位先端部8を含む。示されている例では、針4は、遠位先端部8によって直接的に支えられている。コンテナ2は、その近位端部において、ストッパー5によって閉じられている。薬物送達デバイス1の使用前貯蔵構成において、図1に示されているように、針4は、シールド6によってカバーされており、外側の汚染からそれを保護するようになっており、また、コンテナ2の中へ含有されている薬物3との密閉性を保証するようになっている。シールド6は、さらに、事故的な針刺し損傷からユーザーを保護する。シールド6は、好ましくは、リジッド材料から作製されている。シールド6を形成するための適切な材料は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、および/またはそれらの組み合わせから選択され得る。シールド6は、ゴム、エラストマーポリマー、および/またはそれらの組み合わせなどのような、軟質材料から作製されたパーツをさらに含むことが可能である。
【0037】
示されている例では、ピストンロッド7が、ストッパー5に取り付けられている。示されていない実施形態では、ピストンロッドは、ストッパー5から分離していることが可能である。
【0038】
図1に示されている例では、シールド6の近位端部6aが、薬物送達デバイス1の遠位先端部8に取り付けられている。そのうえ、コンテナ2は、その近位端部において、フランジ9を設けられている。フランジ9は、ユーザーが、ユーザーの親指がピストンロッド7を押している間に、人差し指および中指によって薬物送達デバイス1を保持することを助けることが可能である。
【0039】
図2を参照すると、本発明のパッケージング10の第1の実施形態が示されている。パッケージング10は、サポート11およびエンベロープ12を含む。エンベロープ12は、下記に説明されている第1の保持手段または第1の保持エレメントの中にシールド6が受け入れられているときに、事前充填された薬物送達デバイス1を使用前に囲むように形状決めおよび寸法決めされており、同様に、さらに下記に説明されている第2の保持手段または第2の保持エレメントの中に少なくとも針の遠位部が受け入れられているときに、薬物送達デバイス1を使用後に囲むように形状決めおよび寸法決めされている。
【0040】
エンベロープ12は、好ましくは、長手方向軸線Bに沿ってサポート11から近位に延在している。
【0041】
エンベロープ12は、好ましくは、
- サポート11によって閉じられている開口遠位端部20と、
- 閉じられている近位端部21と、
- 前面側部22と、
- 後面側部23と
を含む。
【0042】
実施形態において、使用説明書が、エンベロープ12の前面側部22の上にプリントされ得るか、または、エンベロープ12の前面側部に取り付けられているラベルの上にプリントされ得る。あるいは、使用説明書は、たとえば図14に示されているように、パッケージングの中へ折り畳まれて挿入され得る。示されてはいないが、パッケージング10は、たとえば、麻酔薬パッド、アルコールスワブ、または絆創膏などのような、医療用アイテムをさらに含むことが可能であり、それらは、エンベロープの中に位置付けされ得る。
【0043】
パッケージング10は、好ましくは、
- 開くように構成されており、したがって、ユーザーが、パッケージングの中に位置付けされている薬物送達デバイスへのアクセスを有することが可能であり、および/または、
- 閉じられるように構成されており、パッケージングの中に位置付けされている薬物送達デバイスへのアクセスを防止する。
【0044】
その目的のために、1つの実施形態によれば、エンベロープは、サポートに除去可能に取り付けられ得る。この実施形態によれば、エンベロープは、サポートから除去可能なクロージャーを形成しており、エンベロープは、
- サポートの第1の保持手段もしくは第2の保持手段のうちの1つ、または、第1の保持エレメントもしくは第2の保持エレメントのうちの1つの中へ、薬物送達デバイスが少なくとも部分的に挿入されているときに、薬物送達デバイスを囲むポーチをサポートとともに形成するために、サポートに取り付けられるように構成されているか、または、
- サポートから除去されるように構成されているか
のいずれかである。
【0045】
実施形態によれば、エンベロープは、サポートに恒久的に固定され得る。そのような実施形態では、エンベロープは、エンベロープの中に囲まれている薬物送達デバイスへのアクセスを可能にする開口部13を含む。実施形態において、開口部13は、再シール可能な開口部である。
【0046】
図2図6の実施形態によれば、エンベロープ12は、リジッドパーツおよびフレキシブルパーツを含むことが可能である。たとえば、図2に表されているように、エンベロープ12は、可撓性のフィルム25をサポートするリジッドフレーム24を含むことが可能である。たとえば、リジッドフレーム24は、エンベロープ12の前面側部22を閉じる可撓性のフィルム25の前面パーツ26と、エンベロープ12の後面側部23を閉じる可撓性のフィルム25の後面パーツ27(図5および図6を参照)とをサポートするU字形状の本体部を提示することが可能である。あるいは、示されていない実施形態では、エンベロープは、リジッドシェルと、ヒンジを介してリジッドシェルに取り付けられている開口蓋部とを含むことが可能である。あるいは、エンベロープは、後面のリジッドシェルおよび前面の可撓性のフィルムを含むことが可能である。可撓性のフィルムは、たとえば、プラスチックフィルム、たとえば、ポリプロピレンフィルムまたはポリエチレンフィルムなどであることが可能である。
【0047】
図2図6を参照すると、サポート11は、リジッドシェルの形状を有している。リジッドシェルは、底部壁部11aを有している。リジッドシェルを形成するための適切な材料は、ポリプロピレン、ポリオキシメチレン、ポリカーボネート、アクリロニトリルブタジエンスチレン、および/またはそれらの組み合わせから選択され得る。
【0048】
図2図6を参照すると、サポート11は、水平方向の表面の上に位置決めされているときに、実質的に安定した位置に立つことができるように構成されており、下記の説明から明らかになることとなるように、サポートの第1の保持手段もしくは第2の保持手段のうちの1つ、または、第1の保持エレメントもしくは第2の保持エレメントのうちの1つの中へ、薬物送達デバイス1が少なくとも部分的に挿入されているときに、薬物送達デバイス1が、実質的に垂直方向に延在するようになっている。
【0049】
サポート11は、図1に示されているものなどのような、事前充填された薬物送達デバイス1のシールド6の少なくとも一部を受け入れるように構成されている第1の保持手段または第1の保持エレメントを含む。第1の保持手段または第1の保持エレメントは、薬物送達デバイスがサポートから引っ張り出されるときに、薬物送達デバイスのシールドを保つように構成され得る。第1の保持手段または第1の保持エレメントは、次いで、薬物送達デバイスからシールドを除去するように構成されている。その目的のために、第1の保持手段または第1の保持エレメントは、第1のキャビティーを含むことが可能であり、第1のキャビティーは、シールドおよび第1の把持手段または第1の把持エレメントを受け入れるように構成されており、第1の把持手段または第1の把持エレメントは、キャビティーの中にシールドを保つように構成されている。
【0050】
図3および図4に示されている例において、第1の保持手段または第1の保持エレメントは、第1のキャビティー14aを含み、第1のキャビティー14aは、第1の長手方向軸線Cに沿ってサポート11から近位に延在する細長いケーシング14によって画定されており、第1のキャビティー14aは、図1に示されているものなどのような、事前充填された薬物送達デバイス1のシールド6を使用前に受け入れることができるように形状決めおよび寸法決めされている。
【0051】
細長いケーシング14の遠位端部は、図4に示されているように、底部壁部11aによって閉じられている。示されている例では、細長いケーシング14は、円筒状の形状を有しており、恒久的な方式でリジッドシェル11の底部壁部11aに固定されている。細長いケーシング14は、その近位端部において、内側リム16を設けられた可撓性のレッグ部15を設けられている。したがって、シールド6は、可撓性のレッグ部15がシールド6の近位端部の上にスナップフィットされることに起因して、第1のキャビティー14aの中に保たれ得る。
【0052】
サポート11は、第2の保持手段または第2の保持エレメントをさらに含み、第2の保持手段または第2の保持エレメントは、少なくとも、針の遠位部、および、随意的に、遠位先端部の遠位部を、好ましくは恒久的に、使用後に受け入れるように構成されている。その目的のために、第2の保持手段または第2の保持エレメントは、好ましくは、第2のキャビティーを含み、第2のキャビティーは、針および遠位先端部の遠位部、および、第2の把持手段または第2の把持エレメントを受け入れるように構成されており、第2の把持手段または第2の把持エレメントは、針および遠位先端部の少なくとも一部を第2のキャビティーの中に保つように構成されている。
【0053】
図2図6に示されている例において、第2の保持手段または第2の保持エレメントは、第2のキャビティー17aを含み、第2のキャビティー17aは、第2の長手方向軸線Dに沿ってサポート11から近位に延在する細長いロッジング(lodging)17によって画定されており、第2のキャビティー17aは、薬物送達デバイス1の使用済みの針4および遠位先端部8の遠位部を使用後に受け入れることができるように形状決めおよび寸法決めされている。示されている例において、細長いロッジング17は、円筒状の形状を有しており、その近位端部において、半径方向の可撓性の舌部18を設けられており、半径方向の可撓性の舌部18は、使用済みの針および遠位先端部8を細長いロッジング17の内側に使用後に保つための第2の把持手段または第2の把持エレメントを形成している。とりわけ、可撓性の舌部18は、摩擦フィット係合または保持歯係合によって、細長いロッジング17の内側に遠位先端部8を保つことが可能である。
【0054】
図4を参照すると、第2のキャビティー17aは、内側プラグ19を含み、針4の遠位端部が、内側プラグ19の中に埋め込まれ得る。
【0055】
内側プラグ19を形成するための適切な材料が、ゴム、エラストマーポリマー、および/またはそれらの組み合わせから選択され得る。
【0056】
内側プラグ19の存在は、使用済みの薬物送達デバイス1を、パッケージング10の中へ再位置決めされると、安定した位置に維持することを可能にする。
【0057】
図3および図4に示されている例では、第1のキャビティー14aおよび第2のキャビティー17aは、互いに近くに位置付けされており、それらの長手方向の軸線は、サポート11の中で、互いに平行になっている。したがって、パッケージング10はコンパクトになっている。そのうえ、図3および図4から明らかになるように、細長いケーシング14の近位端部は、細長いロッジング17の近位端部を越えて近位方向に延在しており、サポート11の近位端部を越えて近位方向にさらに延在している。
【0058】
図2図6を参照して、パッケージング10の使用が、ここで説明されることとなる。
【0059】
図2を参照すると、使用前のパッケージング10が示されている。薬物送達デバイス1のシールドが、第1のキャビティー14aの中に保たれている。エンベロープ12は、薬物送達デバイス1を囲み、パッケージング10を閉じている。この図から明らかになるように、この実施形態の使用前位置において、薬物送達デバイス1は、パッケージング10の長手方向軸線Bに対して実質的に平行に延在している。
【0060】
ユーザーが薬物送達デバイス1を使用することを望むとき、ユーザーは、開口部13を介してエンベロープ12を開ける。図5を参照すると、ユーザーは、次いで、細長いケーシング14から薬物送達デバイス1を除去し、一方、可撓性のレッグ部15がシールド6の近位端部の上にスナップフィットされていることに起因して、シールド6は、第1のキャビティー14aの中に保たれているままである。ユーザーは、一方の手(図示せず)でサポート11を維持しながら、他方の手で図5の矢印F1の方向に薬物送達デバイス1を引き寄せることが可能である。したがって、たとえば、関節炎を患っている人々に関して、針からシールドを除去するステップが促進される。したがって、針は、カバーが外され、ユーザーは、注入へ進むためにデバイスを使用することが可能である。加えて、細長いケーシング14の近位端部が、細長いロッジング17の近位端部およびサポート11の近位端部を越えて延在しているので、薬物送達デバイス1が細長いケーシング14から除去されるときに、薬物送達デバイス1がサポート11および/または細長いロッジング17に触れるというリスクが低減される。したがって、薬物送達デバイス1が注入の前に汚染されるというリスクが減少される。
【0061】
注入が完了すると、ユーザーは、使用済みの針の遠位端部を細長いロッジング17に接近させ、少なくとも針の遠位部を第2のキャビティー17aおよび内側プラグ19の内側に挿入することが可能であり、針の遠位部をその中に埋め込むようになっている。したがって、針の遠位端部が保護され、事故的な針刺し損傷が回避される。そのうえ、薬物送達デバイス1は、安定した位置に維持される。
【0062】
次いで、ユーザーは、使用済みの薬物送達デバイス1をエンベロープ12によってカバーすることによって、パッケージングを閉じることが可能であり、開口部13を再シールすることが可能である。次いで、ユーザーが特定のコンテナの中にパッケージング全体を投げ捨てることができるまで、ユーザーは、使用済みの薬物送達デバイス1を安全に輸送することが可能である。
【0063】
図7図9を参照すると、本発明のパッケージングの第2の実施形態が示されており、そこでは、第1の長手方向軸線Cおよび第2の長手方向軸線Dが、エンベロープの中心長手方向軸線Bに向けて傾けられており、そこでは、サポートおよびエンベロープが、全体でリジッドケースを形成している。リジッドケースを形成するための適切な材料は、ポリプロピレン、ポリオキシメチレン、ポリカーボネート、アクリロニトリルブタジエンスチレン、および/またはそれらの組み合わせから選択され得る。
【0064】
図7図9のパッケージング100は、サポート111およびエンベロープ112を含み、両方とも、リジッド材料から作製されている。サポート111は、エンベロープ112の中のサポート111の摩擦フィット係合によって、エンベロープ112によって閉じられ得る。図7図9において、パッケージング100は、閉じられた構成で示されており、したがって、使用前貯蔵構成でおよび/または使用後貯蔵構成で、事前充填された薬物送達デバイスを受け入れることができるリジッドケースを形成している。
【0065】
図7図9を参照すると、サポート111は、第1のキャビティー114aを含み、第1のキャビティー114aは、第1の長手方向軸線Cに沿ってサポート111から近位に延在する細長いケーシング114によって画定されている。第1のキャビティー114aは、図8に示されているように、薬物送達デバイス1の使用前貯蔵構成において、薬物送達デバイス1のシールド6を受け入れるように構成されている。細長いケーシング114の遠位端部は、サポート111の壁部111aによって閉じられており、したがって、恒久的な方式でサポート111に固定されている。示されている例では、細長いケーシング114は、円筒状の形状を有しており、その近位端部において、内側リム116を設けられた可撓性のレッグ部115を設けられている。図8を参照すると、薬物送達デバイス1は、その使用前貯蔵構成になっており、可撓性のレッグ部115がシールド6の近位端部6aの上にスナップフィットされていることに起因して、第1のキャビティー114aの中に保たれているそのシールド6を介してサポート111の中に挿入されている。
【0066】
依然として図7図9を参照すると、サポート111は、第2のキャビティー117aを含み、第2のキャビティー117aは、第2の長手方向軸線Dに沿ってサポート111から近位に延在する細長いロッジング117によって画定されている。第2のキャビティー117aは、薬物送達デバイス1の使用済みの針4および遠位先端部8の遠位部を使用後に受け入れることができるように形状決めおよび寸法決めされている。示されている例において、細長いロッジング117は、円筒状の形状を有しており、サポート111の壁部111aから延在している。細長いロッジング117は、その近位端部において、半径方向の可撓性の舌部118を設けられている。細長いロッジング117の遠位端部において、サポート111の壁部111aは、第2のキャビティー117aの遠位端部がパッケージング100の外部と連通することを可能にする開口チャネル111bを設けられている。
【0067】
第2のキャビティー117aは、内側プラグ119をさらに含む。内側プラグ119は、好ましくは、ゴムまたはエラストマーポリマーなどのような、軟質材料から作製されている。示されている例では、内側プラグ119の遠位端部は、ペグ120という形で突出部を設けられている。後に説明の中で明らかになることとなるように、内側プラグ119は、第2の長手方向軸線Dに沿って第2のキャビティー117aの中をスライドすることができるように構成されており、ペグ120は、開口チャネル111bの中を循環することができるように形状決めおよび寸法決めされている。パッケージング100の使用前位置において、または、薬物送達デバイス1の使用前貯蔵構成において、ペグ120は、第2のキャビティー117aの中に含有されており、ユーザーによって見ることも感じることもできない。
【0068】
図9を参照すると、薬物送達デバイス1の使用後貯蔵構成において、薬物送達デバイス1の針4全体および遠位先端部8の遠位部は、第2のキャビティー117aの中に受け入れられている。針4の遠位部は、内側プラグ119の中に埋め込まれている。そのうえ、可撓性の舌部118は、摩擦フィット係合または保持歯係合によって、第2のキャビティー117aの内側に遠位先端部8を保つ。
【0069】
加えて、内側プラグ119は、薬物送達デバイス1の遠位先端部8が内側プラグ119の近位端部と接触することによって働かされる圧力に基づいて、第2のキャビティー117aの中に遠位に押されており、それによって、図7または図8に示されているような、第2のキャビティー117aの中に位置付けされている後退位置から、開口チャネル111bの遠位端部におけるおよびパッケージング100の外部の近くの、露出位置へ、ペグ120が移動することを引き起こし、露出位置では、図9に示されているように、ペグ120が、ユーザーによって見られおよび/または感じられ得る。
【0070】
図7図9から明らかになるように、細長いケーシング114の近位端部は、細長いロッジング117の近位端部を越えて近位方向に延在しており、サポート111の近位端部を越えて近位方向にさらに延在している。
【0071】
図7から明らかになるように、エンベロープ112は、中心長手方向軸線Bに沿ってサポート111から近位に延在している。第1のキャビティーおよび第2のキャビティー(114a、117a)は、中心長手方向軸線Bを含む平面のいずれかの側に位置付けされている。第1のキャビティー114aの第1の長手方向軸線C、および、第2のキャビティー117aの第2の長手方向軸線Dは、両方とも、中心長手方向軸線Bに向けて傾けられている。下記の説明から明らかになることとなるように、第1のキャビティーおよび第2のキャビティー(114a、117a)のそのような配置は、薬物送達デバイス1がパッケージング100の中に貯蔵されているときに、薬物送達デバイス1がエンベロープ112の壁部から十分に離れて保持されることを可能にする。
【0072】
図8図9を参照して、パッケージング100の使用が、ここで説明されることとなる。
【0073】
パッケージング100は、図8に示されているように、薬物送達デバイス1の使用前貯蔵構成において、ユーザーに提供される。薬物送達デバイス1は、可撓性のレッグ部115がシールド6の近位端部6aの上にスナップフィットされた状態で第1のキャビティー114aの中に保たれているそのシールド6を介して、サポート111の中に挿入される。この構成において、薬物送達デバイス1の長手方向軸線Aおよび第1のキャビティー114aの第1の長手方向軸線Cは混同されている。結果として、薬物送達デバイス1のコンテナの近位端部は、エンベロープ112の中心長手方向軸線Bの上に実質的に位置付けされている。図8から明らかになるように、薬物送達デバイス1は、結果として、エンベロープ112の壁部から所定の距離に離れて維持されている。そのうえ、薬物送達デバイス1は、そのシールド6が第1のキャビティー114aの中に安全に固定されていることに起因して、安定した位置に維持されている。
【0074】
したがって、ユーザーは、薬物送達デバイス1が貯蔵の間にエンベロープ112の壁部と接触してこなかったこと、および、薬物送達デバイスの潜在的な汚染が回避されてきたことを保証される。
【0075】
また、この位置において、ペグ120は、第2のキャビティー117aの中において後退位置にあり、その場合に、それはユーザーの視界から隠されている。
【0076】
ユーザーが注入へ進む準備ができているときには、ユーザーは、サポート111からエンベロープ112を除去することによって、サポート111およびエンベロープ112によって形成されているリジッドケースを開けることが可能である。次いで、ユーザーは、第1のキャビティー114aから薬物送達デバイス1を除去し、一方、シールド6は、可撓性のレッグ部115がシールド6の近位端部6aの上にスナップフィットされていることに起因して、第1のキャビティー114aの中に保たれたままである。ユーザーは、一方の手でサポート111を維持しながら、他方の手で薬物送達デバイス1を引き寄せることが可能である。したがって、たとえば、関節炎を患っている人々に関して、針4からシールド6を除去するステップが促進される。したがって、針4は、カバーが外され、ユーザーは、注入へ進むためにデバイスを使用することが可能である。加えて、細長いケーシング114の近位端部が、細長いロッジング117の近位端部およびサポート111の近位端部を越えて延在しているので、薬物送達デバイス1が細長いケーシング114から除去されるときに、薬物送達デバイス1がサポート111および/または細長いロッジング117に触れるというリスクが低減される。したがって、薬物送達デバイス1が注入の前に汚染されるというリスクが減少される。
【0077】
注入が完了すると、ユーザーは、使用済みの針4の遠位端部を第2のキャビティー117aに向けて接近させることが可能である。ユーザーは、第2のキャビティー117aの内側におよび内側プラグ119の内側に針4を挿入し、針4をその中に埋め込むようになっている。このステップの間に、遠位先端部8の遠位端部は、内側プラグ119の近位端部と接触した状態になる。ユーザーが薬物送達デバイス1を遠位に押し続ける間に、遠位先端部8の遠位端部が内側プラグ119を押し、内側プラグ119は、第2のキャビティー117aの中を遠位にスライドさせられる。結果として、ペグ120は、遠位に移動させられ、サポート111の壁部111aの開口チャネル111bに進入する。
【0078】
図9に示されているように、薬物送達デバイス1がその使用後貯蔵構成になっているときに、ペグ120は、開口チャネル111bの外側に突出しており、ユーザーにとって見ることおよび感じることができるようになる。したがって、ペグ120は、その後退位置からその露出位置へ移動させられている。この構成において、針4の遠位端部が保護され、事故的な針刺し損傷が回避される。そのうえ、薬物送達デバイス1は、可撓性の舌部118が第2のキャビティー117aの中に遠位先端部8の遠位部を保っていることに起因して、安定した位置に維持される。
【0079】
次いで、ユーザーは、使用済みの薬物送達デバイス1をエンベロープ112によってカバーすることによって、パッケージング100を閉じて戻すことが可能であり、エンベロープ112をサポート111の上にフィットさせることが可能である。この構成において、図9に示されているように、薬物送達デバイス1の長手方向軸線Aおよび第2のキャビティー117aの第2の長手方向軸線Dは混同されており、薬物送達デバイス1のコンテナの近位端部は、エンベロープ112の中心長手方向軸線Bの上に実質的に位置付けされており、それによって、使用済みの薬物送達デバイス1がエンベロープ112の壁部から特定の距離に離れて維持されることを可能にする。
【0080】
サポート111の中の第1のキャビティーおよび第2のキャビティー(114a;117a)の配置は(それらのそれぞれの長手方向の軸線(C、D)がエンベロープ112の中心長手方向軸線Bに向けて傾けられた状態になっている)、パッケージング100をコンパクトな状態および輸送しやすい状態にしながら、薬物送達デバイス1がパッケージングの中に貯蔵されているときに、薬物送達デバイス1がエンベロープ112の壁部から十分に離れて保持されることを可能にする。とりわけ、細長いケーシング114の傾きおよび/または細長いロッジング117の傾きは、その中に貯蔵されている薬物送達デバイス1が拡張されたフランジを含む場合にも、パッケージング100に関してコンパクトな半径方向の設計を取得することを可能にする。
【0081】
したがって、ユーザーが適当なコンテナの中にパッケージング100全体を投げ捨てることができるまで、ユーザーは、サポート111およびエンベロープ112によって形成されたリジッドケースの中の使用済みの薬物送達デバイス1を安全に輸送することが可能である。
【0082】
パッケージングのエンベロープは、使用説明書などのような情報をさらに含むことが可能である。
【0083】
図14を参照すると、シート130(たとえば、紙から作製されている)をさらに含む、図7図9のパッケージング100が示されている。シート130は、使用説明書などのような情報を含有することが可能である。薬物送達デバイス1の使用前貯蔵構成において、シート130は、折り畳まれており、また、薬物送達デバイス1のピストンロッド7の上に折り重ねられており、図14に示されているように、ユーザーがパッケージング100を開けることに進むときに、それが、ユーザーに直接的に利用可能にされるようになっている。たとえば、シート130は、ユーザーがサポート111からエンベロープ112を除去するときに、シート130がパッケージング100から飛び出すように折り畳まれ得る。したがって、ユーザーにとって、パッケージングの使用が促進され、ユーザーは、使用説明書を探す時間を無駄にしないこととなる。
【0084】
図15および図16を参照すると、シート140(たとえば、紙から作製されている)をさらに含む、図7図9のパッケージングが示されている。シート140は、使用説明書などのような情報を含有することが可能である。薬物送達デバイス1の使用前貯蔵構成において、シート140は、蛇腹式に折り畳まれており、プランジャーロッド7の近位端部7aとエンベロープ112の近位壁部112aの内側表面との間に挟まれている。第1のグルードット141が、折り畳まれたシート140の近位端部140aを近位壁部112aの内側表面にリンク接続させている。第2のグルードット142が、折り畳まれたシート140の遠位端部140bをピストンロッド7の近位端部7aにリンク接続させている。第1のグルードット141は、第2のグルードット142のものよりも大きい取り付け力を示している。結果として、ユーザーがパッケージング100を開ける観点からエンベロープ112を引っ張るときに、シート140は、ゆっくりと広がる。その理由は、図15に示されているように、その近位端部140aがエンベロープ112の近位壁部112aの内側表面に取り付けられたままになっており、その遠位端部140bがピストンロッド7とともに遠位方向に引き出されるからである。シート140が完全に広げられたときに、ユーザーは、図16に示されているように、プランジャーロッドから第2のグルードット142を解放する。次いで、ユーザーは、第1のグルードット141がエンベロープ112の近位壁部112aの内側表面から外れて分離するまで、シート140の遠位端部140bを引っ張り続けることによって、エンベロープ112からシート140を完全に除去することが可能である。したがって、ユーザーにとって、パッケージングの使用が促進され、ユーザーは、使用説明書を探す時間を無駄にしないこととなる。
【0085】
図10および図11を参照すると、薬物送達デバイス201の使用前貯蔵構成において、薬物送達デバイス201の遠位先端部208が任意の針を含まないときの、本発明のパッケージング200の代替的実施形態の部分図が示されている。そのような実施形態では、薬物送達デバイス201のシールド206は、ゴムまたはエラストマーポリマーなどのような、軟質材料から形成され得る。
【0086】
図10に示されているように、シールド206は、薬物送達デバイス201の遠位先端部208をカバーしており、薬物送達デバイス201がその使用前貯蔵構成になっているときに、パッケージング200のサポート211の第1のキャビティー214aの中に受け入れられている。シールド206は、第1の把持手段または第1の把持エレメントを形成する可撓性のレッグ部215によって、第1のキャビティー214aの中に保たれ得る。
【0087】
そのような実施形態では、パッケージング200は、したがって、図11に示されているように、針ハブ220をさらに含むことが可能である。針ハブ220は、針4を支えるハブ221と、近位スリーブ222とを含み、近位スリーブ222は、遠位先端部208の上にフィットさせられるように構成された円錐形状の凹部223を画定している。
【0088】
そのような実施形態では、ユーザーが注入へ進む準備ができているときには、ユーザーは、第1のキャビティー214aから薬物送達デバイス201を除去することが可能であり、一方、シールド206は、可撓性のレッグ部215がシールド206の上にスナップフィットされていることに起因して、第1のキャビティー214aの中に保たれたままである。したがって、ユーザーは、任意の針を含まない遠位先端部208を提供された薬物送達デバイス201を手の中に有している。次いで、ユーザーは、パッケージング200の中に提供される針ハブ220を掴むことが可能であり、遠位先端部208の上に円錐形状の凹部223をフィットさせることによって、遠位先端部208の上に針ハブ220を装着することが可能である。ユーザーは、それによって、針4を提供された薬物送達デバイス201を提供され、ユーザーは、注入へ進むことが可能である。
【0089】
注入が完了すると、ユーザーは、遠位先端部208から針ハブ220を除去する必要なしに、図2図9の実施形態に関する上記の説明の中で説明されているものと同じ様式で、第2のキャビティー(図示せず)の中へ使用済みの針を簡単に挿入することが可能である。
【0090】
図12を参照すると、本発明のパッケージング300のサポート311の第1のキャビティー314aの代替的実施形態が示されており、そこでは、第1の把持手段または第1の把持エレメントが、シールド306の遠位端部との協働に起因して、第1のキャビティー314aに固定されている薬物送達デバイス(図示せず)のシールド306を保っている。
【0091】
この図を参照すると、第1のキャビティー314aは、可撓性のレッグ部315を含むポート314によって画定されている。シールド306は、遠位外側リム306aを設けられている。この図に示されているように、薬物送達デバイスの使用前貯蔵構成において、可撓性のレッグ部315は、シールド306の遠位外側リム306aの上にスナップフィットされ、それによって、シールド306をキャビティー314aに固定された状態に保つ第1の把持手段または第1の把持エレメントを形成する。
【0092】
図13を参照すると、本発明のパッケージング400のサポート411の第2のキャビティー417aの代替的実施形態が示されており、そこでは、第2の把持手段または第2の把持エレメントが、針4の上にスナップフィットされるように構成されている。この図を参照すると、第2のキャビティー417aが、少なくとも針4の遠位部を受け入れるように構成された細長いロッジング417によって画定されている。細長いロッジング417は、その近位端部において、内側リム418aを設けられた可撓性のレッグ部418を設けられている。可撓性のレッグ部418およびそれらの内側リム418aは、可撓性の金属から作製されており、第2のキャビティー417の中に針4を保つために、針4にスナップフィットされ得る。
【0093】
本発明のパッケージングは、使用前および使用後に、事前充填された薬物送達デバイスを安全に貯蔵および輸送することを可能にする。
図1
図2
図3
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図10
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図12
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図16