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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-18
(45)【発行日】2023-05-26
(54)【発明の名称】ウェイクアップ信号の反復の適応
(51)【国際特許分類】
   H04W 52/02 20090101AFI20230519BHJP
   H04W 4/70 20180101ALI20230519BHJP
   H04W 16/28 20090101ALI20230519BHJP
   H04B 7/02 20180101ALI20230519BHJP
【FI】
H04W52/02 111
H04W4/70
H04W16/28 151
H04B7/02
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2021509848
(86)(22)【出願日】2019-08-08
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-12-16
(86)【国際出願番号】 EP2019071364
(87)【国際公開番号】W WO2020038732
(87)【国際公開日】2020-02-27
【審査請求日】2021-04-20
(31)【優先権主張番号】62/719,743
(32)【優先日】2018-08-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】598036300
【氏名又は名称】テレフオンアクチーボラゲット エルエム エリクソン(パブル)
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】サンガラサ, サンタン
(72)【発明者】
【氏名】カズミ, ムハンマド
(72)【発明者】
【氏名】ショクリ ラザギ, ハスヒール
(72)【発明者】
【氏名】カダン ヴィードゥ, サンディープ, ナラヤナン
【審査官】伊藤 嘉彦
(56)【参考文献】
【文献】Qualcomm Incorporated,Wake-up signal configurations and procedures[online],3GPP TSG RAN WG1 Meeting #90bis R1-1718141,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_90b/Docs/R1-1718141.zip>,2017年09月30日
【文献】Qualcomm Incorporated,Detailed design for Wake-up signal sequence[online],3GPP TSG RAN WG1 Meeting #93 R1-1807109,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_93/Docs/R1-1807109.zip>,2018年05月12日
【文献】Ericsson,Discussions on RRM requirements for WUS for Rel-15 NB-IOT[online],3GPP TSG RAN WG4 Meeting #87 R4-1807606,Internet<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG4_Radio/TSGR4_87/Docs/R4-1807606.zip>,2018年05月14日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/02
H04B 7/24 - 7/26
H04W 4/00 - 99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1,4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークノード(16)と通信するように構成された無線デバイス(WD)(22)であって、前記WD(22)は処理回路(84)を備え、当該処理回路(84)は前記WD(22)に、
前記ネットワークノード(16)の送信アンテナ構成に関する情報を決定することと、
前記WD(22)のアクティビティレベルに関する情報を決定することと、
前記送信アンテナ構成及び前記アクティビティレベルに基づいた回数のWUS反復を含むWUS信号を受信することと、
を行わせるように構成されており、前記アクティビティレベルは間欠受信(DRX)サイクル長である、WD。
【請求項2】
請求項1に記載のWD(22)であって、前記処理回路(84)は更に、前記WD(22)に、
前記送信アンテナ構成及び前記アクティビティレベルに基づいて、ウェイクアップ信号(WUS)反復回数を決定することと、
WUS信号を受信することと、を行わせるように構成されており、前記WUS信号は、少なくとも前記決定された回数のWUS反復を含む、及び/又は
前記処理回路(84)は更に、前記WD(22)に、前記WUS信号が受信された場合に、制御チャネルを監視させるように構成されている、WD。
【請求項3】
請求項1に記載のWD(22)であって、前記処理回路(84)は更に、前記WD(22)に、前記決定されたWUS反復回数に従って前記WUS信号を復号させるように構成されることによって、前記WD(22)に、前記WUS信号を受信させるように構成されており
前記処理回路(84)は更に、前記WD(22)に、前記決定されたWUS反復回数に等しい回数受信されたWUS送信を合成させるように構成されることによって、前記WD(22)に、前記決定されたWUS反復回数に従って前記WUS信号を復号させるように構成されている、WD。
【請求項4】
請求項1に記載のWD(22)であって、前記処理回路(84)は更に、前記WD(22)に、反復回数をDRXサイクル長にマッピングするテーブルから前記WUS反復回数を選択させるように構成されることによって、前記WD(22)に、前記送信アンテナ構成及び前記アクティビティレベルに基づいて前記WUS反復回数を決定させるように構成されており
前記WUS反復回数が選択される前記テーブルは、前記WD(22)のカバレッジレベルが拡張されるかどうかに依存する、WD。
【請求項5】
請求項1に記載のWD(22)であって、前記ネットワークノード(16)の前記送信アンテナ構成に関する前記情報は、前記WUS信号を送信するために前記ネットワークノード(16)によって使用される送信アンテナの数を含み
前記送信アンテナの数は、1送信アンテナ及び2送信アンテナのうちの1つである、WD。
【請求項6】
請求項1に記載のWD(22)であって、前記処理回路(84)は更に、前記WD(22)に、前記アクティビティレベルが、5.12秒に等しい、5.12秒より大きい、及び5.12秒より小さい、のうちの1つであることに基づいて、前記WUS反復回数を決定させることによって、前記WD(22)に、前記WUS反復回数を決定させるように構成されている、及び/又は、
前記WD(22)は、マシンタイプ通信(MTC)WD、及び狭帯域インターネット・オブ・シングス(NB-IoT)WDのうちの1つである、WD。
【請求項7】
無線デバイス(WD)(22)と通信するように構成されたネットワークノード(16)であって、前記ネットワークノード(16)は処理回路(68)を備え、当該処理回路(68)は前記ネットワークノード(16)に、
前記WD(22)のアクティビティレベルに関する情報を取得することと、
送信アンテナ構成を選択することと、
前記送信アンテナ構成及び前記アクティビティレベルに基づいて、ウェイクアップ信号(WUS)反復回数を決定することと、
WUS信号を送信することと、を行わせるように構成されており、前記WUS信号は、少なくとも前記決定された回数のWUS反復を含み、
前記WD(22)の前記アクティビティレベルは間欠受信(DRX)サイクル長である、ネットワークノード。
【請求項8】
請求項7に記載のネットワークノード(16)であって、前記処理回路(68)は更に、前記ネットワークノード(16)に、制御チャネルが送信される場合に前記WUS信号を送信させるように構成されている、及び/又は、
前記処理回路(68)は更に、前記ネットワークノード(16)に、前記WUS信号の送信の後に、前記制御チャネルを送信させるように構成されている、及び/又は、
前記選択された送信アンテナ構成は、前記WUS信号を送信するために使用される、ある数の送信アンテナを含み、
前記処理回路(68)は更に、前記ネットワークノード(16)に、前記数の送信アンテナを使用して前記WUS信号を送信することによって前記WUS信号を送信することを行わせるように構成されている、及び/又は、
前記処理回路(68)は更に、前記ネットワークノード(16)に、前記選択された送信アンテナ構成に関する情報を前記WD(22)へ送信させるように構成されている、ネットワークノード。
【請求項9】
請求項7に記載のネットワークノード(16)であって、前記処理回路(68)は更に、前記ネットワークノード(16)に、反復回数をDRXサイクル長にマッピングするテーブルから前記WUS反復回数を選択させるように構成されることによって、前記ネットワークノード(16)に、前記送信アンテナ構成及び前記アクティビティレベルに基づいて前記WUS反復回数を決定させるように構成されており
前記WUS反復回数が選択される前記テーブルは、前記WD(22)のカバレッジレベルが拡張されるかどうかに依存する、ネットワークノード。
【請求項10】
請求項7に記載のネットワークノード(16)であって、前記選択された送信アンテナ構成は、前記WUS信号を送信するために選択された数の送信アンテナを含み
前記選択された送信アンテナの数は、1送信アンテナ及び2送信アンテナのうちの1つである、ネットワークノード。
【請求項11】
請求項7に記載のネットワークノード(16)であって、前記処理回路(68)は更に、前記ネットワークノード(16)に、前記アクティビティレベルが、5.12秒に等しい、5.12秒より大きい、及び5.12秒より小さい、のうちの1つであることに基づいて、前記WUS反復回数を決定させることによって、前記ネットワークノード(16)に、前記WUS反復回数を決定させるように構成されている、及び/又は、
前記WD(22)は、マシンタイプ通信(MTC)WD、及び狭帯域インターネット・オブ・シングス(NB-IoT)WDのうちの1つである、ネットワークノード。
【請求項12】
無線デバイス(WD)(22)において実行される方法であって、前記方法は、
ネットワークノード(16)の送信アンテナ構成に関する情報を決定すること(S142)と、
前記WD(22)のアクティビティレベルに関する情報を決定すること(S144)と、
前記送信アンテナ構成及び前記アクティビティレベルに基づいた回数のWUS反復を含むWUS信号を受信すること(S148)と、
を含み、前記アクティビティレベルは間欠受信(DRX)サイクル長である、方法。
【請求項13】
請求項12に記載の方法であって、更に、
前記送信アンテナ構成及び前記アクティビティレベルに基づいて、ウェイクアップ信号(WUS)反復回数を決定すること(S146)と、
WUS信号を受信すること(S148)と、を含み、前記WUS信号は、少なくとも前記決定された回数のWUS反復を含む、及び/又は、
更に、前記WUS信号が受信された場合に、制御チャネルを監視することを含む、及び/又は、
前記WUS信号を受信することは更に、前記決定されたWUS反復回数に従って前記WUS信号を復号することを含み
前記決定されたWUS反復回数に従って前記WUS信号を復号することは更に、前記決定されたWUS反復回数に等しい回数受信されたWUS送信を合成することを含及び/又は
前記送信アンテナ構成及び前記アクティビティレベルに基づいて前記WUS反復回数を決定することは更に、テーブルから前記WUS反復回数を選択することを含み、前記テーブルは反復回数をDRXサイクル長にマッピングし
前記WUS反復回数が選択される前記テーブルは、前記WD(22)のカバレッジレベルが拡張されるかどうかに依存する、方法。
【請求項14】
請求項12に記載の方法であって、前記ネットワークノード(16)の前記送信アンテナ構成に関する前記情報は、前記WUS信号を送信するために前記ネットワークノード(16)によって使用される送信アンテナの数を含み
前記送信アンテナの数は、1送信アンテナ及び2送信アンテナのうちの1つである、方法。
【請求項15】
請求項12に記載の方法であって、前記WUS反復回数を決定することは更に、前記アクティビティレベルが、5.12秒に等しい、5.12秒より大きい、及び5.12秒より小さい、のうちの1つであることに基づいて、前記WUS反復回数を決定することを含む、及び/又は、
前記WD(22)は、マシンタイプ通信(MTC)WD、及び狭帯域インターネット・オブ・シングス(NB-IoT)WDのうちの1つである、方法。
【請求項16】
ネットワークノード(16)において実行される方法であって、前記方法は、
無線デバイス(WD)(22)のアクティビティレベルに関する情報を取得すること(S134)と、
送信アンテナ構成を選択すること(S136)と、
前記送信アンテナ構成及び前記アクティビティレベルに基づいて、ウェイクアップ信号(WUS)反復回数を決定すること(S138)と、
WUS信号を送信すること(S140)と、を含み、前記WUS信号は、少なくとも前記決定された回数のWUS反復を含み、
前記WD(22)の前記アクティビティレベルは間欠受信(DRX)サイクル長である、方法。
【請求項17】
請求項16に記載の方法であって、前記WUS信号を送信することは更に、制御チャネルが送信される場合に前記WUS信号を送信することを含む、及び/又は、
更に、前記WUS信号の送信の後に、前記制御チャネルを送信することを含む、及び/又は、
前記選択された送信アンテナ構成は、前記WUS信号を送信するために使用される、ある数の送信アンテナを含む、
前記WUS信号を送信することは更に、前記数の送信アンテナを使用して前記WUS信号を送信することを含む、及び/又は、
更に、前記選択された送信アンテナ構成に関する情報を前記WD(22)へ送信することを含む、方法。
【請求項18】
請求項16に記載の方法であって、前記送信アンテナ構成及び前記アクティビティレベルに基づいて前記WUS反復回数を決定することは更に、
テーブルから前記WUS反復回数を選択することを含み、前記テーブルは反復回数をDRXサイクル長にマッピングし
前記WUS反復回数が選択される前記テーブルは、前記WD(22)のカバレッジレベルが拡張されるかどうかに依存する、方法。
【請求項19】
請求項16に記載の方法であって、前記選択された送信アンテナ構成は、前記WUS信号を送信するために選択された数の送信アンテナを含み
前記選択された送信アンテナの数は、1送信アンテナ及び2送信アンテナのうちの1つである、方法。
【請求項20】
請求項16に記載の方法であって、前記WUS反復回数を決定することは更に、前記アクティビティレベルが、5.12秒に等しい、5.12秒より大きい、及び5.12秒より小さい、のうちの1つであることに基づいて、前記WUS反復回数を決定することを含む、及び/又は、
前記WD(22)は、マシンタイプ通信(MTC)WD、及び狭帯域インターネット・オブ・シングス(NB-IoT)WDのうちの1つである、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は無線通信に関し、特に、例えば伝送方式及び無線デバイス(WD)アクティビティレベルに基づいて、ウェイクアップ信号の反復を適応させることに関する。
【背景技術】
【0002】
最近、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)では、マシンツーマシン(M2M)及び/又はインターネット・オブ・シングス(IoT)関連のユースケースをカバーする技術を規定することに多くの作業がなされている。3GPPリリース13及び14のための作業は、6つの物理リソースブロック(PRB)の低減された帯域幅(Cat-M2用に最大24PRB)をサポートする、新たなWDカテゴリ(Cat-M1、Cat-M2)でマシンタイプ通信(MTC)をサポートし、新たな無線インタフェース(及びWDカテゴリ、Cat-NB1及びCat-NB2)を提供する狭帯域IoT(NB-IoT)WDをサポートするための拡張を含む。
【0003】
Long Term Evolution(LTE)の拡張が、MTC用の3GPPリリース13、14及び15において「eMTC」として導入されており、帯域幅が制限されたWD、Cat-M1のサポート、及びカバレッジ拡張のためのサポートを含む。これは、NB-IoT(任意のリリースに使用される表記法)から議論を分けるためであるが、サポートされる機能は一般的なレベルで同様である。
【0004】
「レガシー」LTEデバイスと、eMTC用及びNB-IoT用に規定された手順及びチャネルとの間には、複数の違いがある。いくつかの重要な違いには、eMTCではMPDCCHと呼ばれ、NB-IoTではNPDCCHと呼ばれる物理ダウンリンク制御チャネル等の、新たな物理チャネルと、NB-IoT用の新たな物理ランダムアクセスチャネルであるNPRACHとが含まれる。別の違いは、これらの技術がサポートしうる(カバレッジ拡張レベルとしても知られる)カバレッジレベルである。送信された信号及びチャネルに反復を適用することによって、eMTC及びNB-IoTの両方は、WDがLTEと比較して非常に低い信号対雑音比(SNR)レベルで動作することを可能にし、即ち、「レガシー」LTEについての-6dBのEs/IoTと比較されうるeMTC及びNB-IoTについての最低動作点である、Es/IoT≧-15dBで動作することを可能にする。
【0005】
3GPPリリース15では、eMTCのためのNB-IoT及びRel-15の両方の拡張のために承認された作業項目(WI:work items)に共通の目的が存在する。NB-IoTの説明は以下の通りである:
A.(ワーキンググループ(WG)ごとのTU割り当てに従って)無線アクセスネットワーク(RAN)#75から開始し、RAN#78による完了に向けて尽力するために、以下の目標に取り組む:
●更なる待ち時間及び消費電力の低減、及び
●物理チャネルの消費電力の低減
a)アイドルモード・ページング及び/又は接続モード間欠受信(DRX)、NPDCCH/NPDSCHを復号する前に効率的に復号又は検出されうる物理信号/チャネルについて検討し、有益であることがわかった場合には規定する。[RAN1,RAN2,RAN4]
また、eMTCについても同様の記述である:
消費電力の改善:
●物理チャネルの消費電力の低減[RAN1 リード,RAN2,RAN4]
a)物理ダウンリンク制御/データチャネルを復号する前に効率的に復号又は検出されうる物理信号/チャネルについて検討し、アイドルモードページング及び/又は接続モードDRXに有益であることがわかった場合には規定する。
【0006】
「ウェイクアップ信号」(WUS:Wake-up signal)は、ダウンリンク(DL)制御チャネル、例えば、フルMPDCCH(eMTC)又はNPDCCH(NB-IoT)を復号し続けるべきであることをWDに知らせるショート信号の送信に基づいている。そのような信号が存在しない(間欠送信(DTX)、即ち、WDがそれを検出しない)場合、WDは、DL制御チャネルを復号することなくスリープに戻りうる。WUSについての復号時間は、フルMPDCCH又はNPDCCHの復号時間よりもかなりより短い。これにより、WDの消費電力が低減され、WDバッテリーの寿命が長くなる(これはR1-1706887に提示されている)。「ウェイクアップ信号」(WUS)は、WDに対するページングがある場合にのみ送信されるであろう。しかし、WDに対するページングがない場合、WUSは送信されず(即ち、間欠送信(DTX)を意味する)、WDは、例えばWUSの代わりにDTXを検出すると、スリープに戻るであろう。
【0007】
eMTC及びNB-IoTのカバレッジ
eMTC及びNB-IoTの両方におけるセルカバレッジは、メッセージを送信するために使用されるDLチャネル(例えば、MPDCCH、物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)、NPDCCH、NPDSCH等)の最大反復回数(Rmax)によって制御される。Rmax値は、1から2048までの値で定義されてよく、次の値は前の値の2倍である。特定の反復回数Rのカバレッジは、Rmaxに依存するだけでなく、メッセージサイズにも依存し、これは、より長いメッセージは通常、同じカバレッジであれば、少ないRと比較して高いRを必要とするためである。xPDCCH(eMTC用のMPDCCH及びNB-IoT用のNPDCCH)を使用するページングメッセージは、典型的には所与のセルについて同じサイズであり(しかし、そのメッセージの同じ反復回数ではない)、一定の最大カバレッジを提供する。
【0008】
DRXサイクル動作
LTEでは、WDによるバッテリーの電力の節約を可能にするために、DRXサイクルが使用される。DRXサイクルは、無線リソース制御(RRC)アイドル状態で使用されるが、RRC接続状態でも使用可能である。RRCアイドル状態で現在使用されているDRXサイクル長の例は、320ms、640ms、1.28秒(s)及び2.56sである。RRC接続状態で現在使用されているDRXサイクルの長さの例は、2ms~2.56sの範囲でありうる。拡張DRX(eERX:enhanced DRX)サイクルは、非常に長く、例えば、数秒から数分、更には1時間以上に及ぶことが予想される。eDRXサイクルの典型的な値は、4~10分の間でありうる。
【0009】
DRXサイクルは、ネットワークノードによって設定され、以下のパラメータによって特徴付けられうる:
●オン持続時間(On duration):DRXサイクルのオン持続時間中に、ネットワークノードによって設定される「onDurationTimer」と呼ばれるタイマーが動作している。このタイマーは、DRXサイクルの始めにおける連続する制御チャネルサブフレーム(例えば、PDCCH、ePDCCHサブフレーム)の数を特定する。これは、DRX ON期間(DRX ON period)とも互換的に呼ばれる。より具体的には、WDが制御チャネル(例えば、PDCCH、ePDCCH)を受信するためにDRXからウェイクアップした後のダウンリンクサブフレームにおける持続時間である。WDがON持続時間中に制御チャネル(例えば、PDCCH、ePDCCH)の復号に成功した場合、WDは、DRX非アクティビティタイマー(以下を参照)を始動し、その満了まで起きたままである。onDurationTimerが動作中である場合、WDは、DRXサイクルのDRX状態にあるとみなされる。
●DRX非アクティブタイマー:このタイマーは、制御チャネル(PDCCH等)がこのメディアアクセス制御(MAC)エンティティの初期アップリンク(UL)又はDLユーザデータ送信を示すサブフレームの後の、連続する制御チャネル(PDCCH、ePDCCH等)サブフレームの数を特定する。また、ネットワークノードによって設定される。DRX非アクティビティタイマーが動作中である場合、WDは、非DRX状態にあるとみなされ、即ち、DRXは使用されない。
●アクティブ時間:この時間は、WDが制御チャネル(例えば、PDCCH、ePDCCH)を監視する持続時間である。言い換えれば、これは、WDが起きている間の総持続時間である。これには、DRXサイクルの「オン持続時間」、非アクティブタイマが満了していない間にWDが連続受信を実行している時間、及び、1つのハイブリッド自動再送要求(HARQ)ラウンドトリップ時間(RTT)後のDL再送信を待っている間にWDが連続受信を実行している時間が含まれる。最小アクティブ時間はオン持続時間の長さに等しく、最大アクティブ時間は未定義(無限大)である。
【0010】
図1には、DRXサイクルのDRXオン持続時間及びDRXオフ持続時間の例を示している。図2には、LTEにおけるより詳細なパラメータを用いたDRX動作を示している。
【0011】
本明細書で説明するDRX設定は、拡張(enhanced)又は拡大(extended)DRX(eDRX)設定であってもよい。レガシーDRX関連手順では、WDは、最大2.56秒のDRXサイクル長を設定されうる。しかし、拡大DRX(eDRX)をサポートするWDは、少なくとも2.56秒よりも長く、かつ、典型的には2.56秒よりもかなり長い、即ち、数秒から数分のオーダーのDRXサイクルを設定されうる。eDRX設定パラメータには、eDRXサイクル長、ページングウィンドウ長(ページング時間ウィンドウ(PTW)長とも呼ばれる)等が含まれる。eDRXのPTW内で、WDは、1つ以上のレガシーDRXサイクルを更に設定される。
【0012】
上述のように、ウェイクアップ信号(WUS)は、eMTC及びNB-IoTの両方に対して3GPPリリース15において導入された。それ故に、WDは、本明細書では略してxPDCCHと呼ばれるMPDCCH(eMTCの場合)及びNPDCCH(NB-IoTの場合)の検出を更に試みるべきかどうかを知るために、ウェイクアップしてWUSの受信を試みる。WUSは、後続のxPDCCHが送信される場合にのみ送信されるので、ほとんどの場合、WDが検出する信号はない。
【0013】
eMTC WD及びNB-IoT WDの両方は、異なるカバレッジ拡張レベルの下で動作することができ、異なるWDアクティビティレベル、いわゆるDRXサイクル長を設定されることができる。WUSの復号に成功するための所要反復回数は、カバレッジレベルと共に増加し、またDRXサイクル長と共に増加する。現在の仕様では、WUSの適用によるゲインを改善するために、例えば、WD消費電力とネットワークリソース利用との間の良好なトレードオフに至るために、どのようにWUSが送信及び受信されるべきかについて規定されていない。ネットワーク内でWUSが適切に設定されていない又はあまり適切ではない場合、WDに到達するために多数回の反復が必要になる可能性があるため、ネットワークにとって非常にコストがかかる可能性がある。この結果、ネットワークノード及びWDの消費電力が増大する可能性があるとともに、他のWDにサービスを提供するために、又は他の信号/チャネルを送信するためにリソースを使用することができないため、リソースが浪費される可能性がある。また、反復回数が多いと、頻繁な送信に起因するアクティビティの増加に起因して、干渉が増加する可能性がある。
【発明の概要】
【0014】
いくつかの実施形態は、伝送方式及び無線デバイス(WD)アクティビティレベルに基づいて、ウェイクアップ信号の反復を適応させるための方法、ネットワークノード、及び無線デバイスを有利に提供する。いくつかの実施形態は、以下の利点のうちの1つ以上を有しうる:
●ネットワーク/WD消費電力の低減、及びWDにおけるWUSのより早い検出をもたらしうる、特定のシナリオの下でのより少ない反復を使用するWUSの送信;
●ネットワークリソースの効率的な使用;
●干渉の低減;及び/又は
●ネットワーク容量の拡張。
【0015】
一態様によれば、ネットワークノードは、無線デバイス(WD)アクティビティレベル及び送信アンテナ構成に基づいて、WUS反復回数を決定するように構成された処理回路を備える。処理回路は更に、WDに、決定されたWUS反復回数の決定に従ってWUSを繰り返し送信させるように構成される。
【0016】
第1のネットワーク(NW)実施形態の第1の態様では、ネットワークノードは、少なくとも、送信アンテナ構成及びWDアクティビティレベルに関する情報を決定し、この情報に基づいて、セル内でWUS信号を送信するためのウェイクアップ信号(WUS)送信パラメータ(例えば、WUS反復回数)を適応させ、決定された送信パラメータを使用してセル内でWUS信号を送信する。アクティビティレベルは、DRXサイクル構成及びWDビットレートのうちの1つ以上を含んでよく、より高いアクティビティレベルと比較して、より低いアクティビティがより少ない同期を意味するよう、WDのネットワーク同期の状態についてのインジケーションである。送信アンテナ構成情報は、例えば、ある信号/チャネル(例えば、WUS)を送信するためにサービスネットワークノードにおいて使用される送信アンテナの数を含みうる。
【0017】
ネットワークノードは、少なくとも2つの異なるアンテナ構成をサポートしうる。ネットワークノードは、ネットワークノードによってサポートされる異なる複数のアンテナ構成のうちの1つを使用した信号の送信をサポートしうる。例えば、第1の送信アンテナ構成及び第2の送信アンテナ構成は、それぞれ1送信アンテナ及び2送信アンテナを含みうる。別の例では、第2の送信アンテナ構成は、2つより多い送信アンテナ(例えば4アンテナ等)を含みうる。本明細書におけるWUS送信方法の適応処理は、WUS送信方法間での変更又は修正又は切り替え(例えば、WUSを送信するために使用される反復回数を変更すること、WUSを送信するために使用される送信アンテナの数の変更を、当初計画された送信方法又は以前に使用された方法と比べて変更すること)を含む。これにより、WUSを送信するために不必要に多くの(場合によっては極端な)反復回数を使用する問題を解決できる。
【0018】
第1のWD実施形態の第1の態様では、WDは、セル内で使用される送信アンテナ構成及びWDアクティビティレベルに関する情報を少なくとも決定し、この情報に基づいて、セル内でWUS信号を送信するために使用されるWUS送信パラメータ(例えば、WUS反復回数)に関する情報を取得し、取得された情報に基づいて、セル内でWUS信号を受信する。アクティビティレベルは、ネットワークノードの実施形態で説明するのと同じパラメータのうちの1つ以上を含みうる。これを達成するために、WDは、WDによってサポートされる複数WD受信機構成又は手順又は方法のうちの1つを選択することによって、WUSの検出を試みうる。例えば、WDは、そのアクティビティレベル及び送信アンテナ構成に関連付けられた、決定されたWUS反復レベルに基づく少なくとも2つの受信手順(例えば手順A及び手順B)のうちの1つを使用しうる。例えば、手順Aは、ネットワークノードの複数の送信アンテナのうちの1つからWUSを受信するために使用される。手順Bでは、WDは、例えば、異なる時間リソースで異なるアンテナ間での切り替えを行うことによって、又は異なるアンテナからの信号を合成すること等によって、少なくとも2つの送信アンテナからWUSを受信する。
【0019】
本開示のある態様によれば、ネットワークノード(16)と通信するように構成された無線デバイス(WD)が提供される。WD(22)は、処理回路(84)を備え、当該処理回路は、WD(22)に、ネットワークノード(16)の送信アンテナ構成に関する情報を決定(例えば、受信)させるように構成されている。処理回路は更に、WDに、WDのアクティビティレベルに関する情報を決定させるように構成される。処理回路は更に、ある回数のウェイクアップ信号(WUS)反復を受信するように構成されており、当該反復回数は、決定された送信アンテナ構成及びアクティビティレベルに基づいている(即ち、依存している)。
【0020】
本開示の一態様によれば、ネットワークノードと通信するように構成された無線デバイス(WD)が提供される。WDは、処理回路を備える。処理回路は更に、WDに、ネットワークノードの送信アンテナ構成に関する情報を決定させるように構成される。処理回路は更に、WDに、WDのアクティビティレベルに関する情報を決定させるように構成される。処理回路は更に、WDに、送信アンテナ構成及びアクティビティレベルに基づいて、ウェイクアップ信号(WUS)反復回数を決定させるように構成される。処理回路は更に、WDに、WUS信号を受信させるように構成されており、当該WUS信号は、少なくとも決定された回数のWUS反復を含む。
【0021】
この態様のいくつかの実施形態では、処理回路は更に、WDに、WUS信号が受信された場合に制御チャネルを監視させるように構成されている。この態様のいくつかの実施形態では、処理回路は更に、WDに、決定されたWUS反復回数に従ってWUS信号を復号させるように構成されることによって、WDに、WUS信号を受信させるように構成されている。この態様のいくつかの実施形態では、処理回路は更に、WDに、決定されたWUS反復回数に等しい回数受信されたWUS送信を合成させるように構成されることによって、WDに、決定されたWUS反復回数に従ってWUS信号を復号させるように構成されている。この態様のいくつかの実施形態では、アクティビティレベルは、間欠受信(DRX)サイクル長である。この態様のいくつかの実施形態では、処理回路は更に、WDに、テーブルからWUS反復回数を選択させるように構成されることによって、WDに、送信アンテナ構成及びアクティビティレベルに基づいてWUS反復回数を決定させるように構成されており、当該テーブルは、反復回数をDRXサイクル長にマッピングする。この態様のいくつかの実施形態では、当該テーブルからWUS反復回数が選択され、当該テーブルはWDのカバレッジレベルが拡張されるかどうかに依存する。この態様のいくつかの実施形態では、WUS反復回数が受信信号品質及び受信信号強度のうちの1つに依存するように、カバレッジレベルは受信信号品質及び受信信号強度のうちの1つとして表される。
【0022】
この態様のいくつかの実施形態では、ネットワークノードの送信アンテナ構成に関する情報は、WUS信号を送信するためにネットワークノード16によって使用される、ある数の送信アンテナを含む。この態様のいくつかの実施形態では、送信アンテナの数は、1送信アンテナ及び2送信アンテナのうちの1つである。この態様のいくつかの実施形態では、処理回路は更に、WDに、アクティビティレベルが、5.12秒に等しい、5.12秒より大きい、及び5.12秒より小さい、のうちの1つであることに基づいて、WUS反復回数を決定させることによって、WDに、WUS反復回数を決定させるように構成されている。この態様のいくつかの実施形態では、WDは、マシンタイプ通信(MTC)WD、及び狭帯域インターネット・オブ・シングス(NB-IoT)WDのうちの1つである。
【0023】
本開示の別の態様によれば、無線デバイス(WD)と通信するように構成されたネットワークノードが提供される。ネットワークノードは、処理回路を備える。処理回路は、ネットワークノードに、WDのアクティビティレベルに関する情報を取得させるように構成される。処理回路は、ネットワークノードに、送信アンテナ構成を選択させるように構成される。処理回路は、ネットワークノードに、送信アンテナ構成及びアクティビティレベルに基づいて、ウェイクアップ信号(WUS)反復回数を決定させるように構成される。処理回路は、ネットワークノードに、WUS信号を送信させるように構成されており、当該WUS信号は、決定された回数のWUS反復(例えば、決定された回数のWUS反復を含むWUS信号)を少なくとも含む。
【0024】
この態様のいくつかの実施形態では、処理回路は更に、ネットワークノードに、制御チャネルが送信される場合にWUS信号を送信させるように構成されている。この態様のいくつかの実施形態では、処理回路は更に、ネットワークノードに、WUS信号の送信の後に、制御チャネルを送信させるように構成されている。この態様のいくつかの実施形態では、選択された送信アンテナ構成は、WUS信号を送信するために使用される数の送信アンテナを含み、処理回路は更に、その数の送信アンテナを使用してWUS信号を送信するように構成されることによって、ネットワークノードにWUS信号を送信させるように構成されている。この態様のいくつかの実施形態では、処理回路は更に、ネットワークノードに、選択された送信アンテナ構成に関する情報をWDに送信させるように構成されている。この態様のいくつかの実施形態では、WDのアクティビティレベルは、間欠受信(DRX)サイクル長である。この態様のいくつかの実施形態では、処理回路は更に、ネットワークノードに、テーブルからWUS反復回数を選択させるように構成されることによって、ネットワークノードに、送信アンテナ構成及びアクティビティレベルに基づいてWUS反復回数を決定させるように構成されており、当該テーブルは、反復回数をDRXサイクル長にマッピングする。この態様のいくつかの実施形態では、当該テーブルからWUS反復回数が選択され、当該テーブルはWDのカバレッジレベルが拡張されるかどうかに依存する。この態様のいくつかの実施形態では、WUS反復回数が受信信号品質及び受信信号強度のうちの1つに依存するように、カバレッジレベルは受信信号品質及び受信信号強度のうちの1つとして表される。
【0025】
この態様のいくつかの実施形態では、選択された送信アンテナ構成は、WUS信号を送信するために選択された数の送信アンテナを含む。この態様のいくつかの実施形態では、選択された送信アンテナの数は、1送信アンテナ及び2送信アンテナのうちの1つである。この態様のいくつかの実施形態では、処理回路は更に、ネットワークノードに、アクティビティレベルが、5.12秒に等しい、5.12秒より大きい、及び5.12秒より小さい、のうちの1つであることに基づいて、WUS反復回数を決定させることによって、ネットワークノードに、WUS反復回数を決定させるように構成されている。この態様のいくつかの実施形態では、WDは、マシンタイプ通信(MTC)WD、及び狭帯域インターネット・オブ・シングス(NB-IoT)WDのうちの1つである。
【0026】
一態様では、無線デバイス(WD)において実行される方法が提供される。本方法は、ネットワークノードの送信アンテナ構成に関する情報を決定することを含む。本方法は、WDのアクティビティレベルに関する情報を決定することを含む。WDは、ある回数のウェイクアップ信号(WUS)反復を受信し、当該反復回数は、決定された送信アンテナ構成及びアクティビティレベルに基づいている(即ち、依存している)。
【0027】
本開示の別の態様によれば、無線デバイス(WD)において実行される方法が提供される。本方法は、ネットワークノードの送信アンテナ構成に関する情報を決定することを含む。本方法は、WDのアクティビティレベルに関する情報を決定することを含む。本方法は、送信アンテナ構成及びアクティビティレベルに基づいて、ウェイクアップ信号(WUS)反復回数を決定することを含む。本方法は、WUS信号を受信することを含み、当該WUS信号は、決定された回数のWUS反復を含む。
【0028】
この態様のいくつかの実施形態では、本方法は更に、WUS信号が受信された場合に制御チャネルを監視することを含む。この態様のいくつかの実施形態では、WUS信号を受信することは更に、決定されたWUS反復回数に従ってWUS信号を復号することを含む。この態様のいくつかの実施形態では、決定されたWUS反復回数に従ってWUS信号を復号することは更に、決定されたWUS反復回数に等しい回数受信されたWUS送信を合成することを含む。この態様のいくつかの実施形態では、アクティビティレベルは、間欠受信(DRX)サイクル長である。この態様のいくつかの実施形態では、送信アンテナ構成及びアクティビティレベルに基づいてWUS反復回数を決定することは更に、テーブルからWUS反復回数を選択することを含み、当該テーブルは反復回数をDRXサイクル長にマッピングする。この態様のいくつかの実施形態では、当該テーブルからWUS反復回数が選択され、当該テーブルはWDのカバレッジレベルが拡張されるかどうかに依存する。この態様のいくつかの実施形態では、WUS反復回数が受信信号品質及び受信信号強度のうちの1つに依存するように、カバレッジレベルは受信信号品質及び受信信号強度のうちの1つとして表される。
【0029】
この態様のいくつかの実施形態では、ネットワークノードの送信アンテナ構成に関する情報は、WUS信号を送信するためにネットワークノード16によって使用される、ある数の送信アンテナを含む。この態様のいくつかの実施形態では、送信アンテナの数は、1送信アンテナ及び2送信アンテナのうちの1つである。この態様のいくつかの実施形態では、WUS反復回数を決定することは更に、アクティビティレベルが、5.12秒に等しい、5.12秒より大きい、及び5.12秒より小さい、のうちの1つであることに基づいて、WUS反復回数を決定することを含む。この態様のいくつかの実施形態では、WDは、マシンタイプ通信(MTC)WD、及び狭帯域インターネット・オブ・シングス(NB-IoT)WDのうちの1つである。
【0030】
本開示の更に別の態様によれば、ネットワークノードにおいて実行される方法が提供される。本方法は、無線デバイス(WD)のアクティビティレベルに関する情報を取得することを含む。本方法は、送信アンテナ構成を選択することを含む。本方法は、送信アンテナ構成及びアクティビティレベルに基づいて、ウェイクアップ信号(WUS)反復回数を決定することを含む。本方法は、WUS信号を送信することを含み、当該WUS信号は、決定された回数のWUS反復を含む。
【0031】
この態様のいくつかの実施形態では、WUS信号を送信することは、制御チャネルが送信される場合にWUS信号を送信することを更に含む。この態様のいくつかの実施形態では、本方法は更に、WUS信号を送信した後に制御チャネルを送信することを含む。この態様のいくつかの実施形態では、選択された送信アンテナ構成は、WUS信号を送信するために使用される、ある数の送信アンテナを含み、WUS信号を送信することは更に、その数の送信アンテナを使用してWUS信号を送信することを含む。この態様のいくつかの実施形態では、本方法は更に、選択された送信アンテナ構成に関する情報をWDに送信することを含む。この態様のいくつかの実施形態では、WDのアクティビティレベルは、間欠受信(DRX)サイクル長である。この態様のいくつかの実施形態では、送信アンテナ構成及びアクティビティレベルに基づいてWUS反復回数を決定することは更に、テーブルからWUS反復回数を選択することを含み、当該テーブルは反復回数をDRXサイクル長にマッピングする。この態様のいくつかの実施形態では、当該テーブルからWUS反復回数が選択され、当該テーブルはWDのカバレッジレベルが拡張されるかどうかに依存する。この態様のいくつかの実施形態では、WUS反復回数が受信信号品質及び受信信号強度のうちの1つに依存するように、カバレッジレベルは受信信号品質及び受信信号強度のうちの1つとして表される。
【0032】
この態様のいくつかの実施形態では、選択された送信アンテナ構成は、WUS信号を送信するために選択された数の送信アンテナを含む。この態様のいくつかの実施形態では、選択された送信アンテナの数は、1送信アンテナ及び2送信アンテナのうちの1つである。この態様のいくつかの実施形態では、WUS反復回数を決定することは更に、アクティビティレベルが、5.12秒に等しい、5.12秒より大きい、及び5.12秒より小さい、のうちの1つであることに基づいて、WUS反復回数を決定することを含む。この態様のいくつかの実施形態では、WDは、マシンタイプ通信(MTC)WD、及び狭帯域インターネット・オブ・シングス(NB-IoT)WDのうちの1つである。
【図面の簡単な説明】
【0033】
添付の図面と併せて以下の詳細な説明を参照することにより、本実施形態、並びにその付随する利点及び特徴のより完全な理解がより容易に理解されるのであろう。
【0034】
図1図1は、DRXサイクルの、例示的なDRX ON持続時間及びDRX OFF持続時間の図である。
図2図2は、LTEにおけるより詳細なパラメータを伴うDRX動作の図である。
図3図3は、本開示の原理による、中間ネットワークを介してホストコンピュータに接続された通信システムを示す例示的なネットワークアーキテクチャの概略図である。
図4図4は、本開示のいくつかの実施形態による、少なくとも部分的に無線コネクション上で、ネットワークノードを介して無線デバイスと通信するホストコンピュータのブロック図である。
図5図5は、本開示のいくつかの実施形態による、無線デバイスにおいてクライアントアプリケーションを実行するための、ホストコンピュータ、ネットワークノード、及び無線デバイスを含む通信システムにおいて実行される例示的な方法を示すフローチャートである。
図6図6は、本開示のいくつかの実施形態による、無線デバイスにおいてユーザデータを受信するための、ホストコンピュータ、ネットワークノード、及び無線デバイスを含む通信システムにおいて実行される例示的な方法を示すフローチャートである。
図7図7は、本開示のいくつかの実施形態による、ホストコンピュータにおいて無線デバイスからユーザデータを受信するための、ホストコンピュータ、ネットワークノード、及び無線デバイスを含む通信システムにおいて実行される例示的な方法を示すフローチャートである。
図8図8は、本開示のいくつかの実施形態による、ホストコンピュータにおいてユーザデータを受信するための、ホストコンピュータ、ネットワークノード、及び無線デバイスを含む通信システムにおいて実行される例示的な方法を示すフローチャートである。
図9図9は、本開示のいくつかの実施形態による、ネットワークノードにおける例示的なプロセスのフローチャートである。
図10図10は、本開示のいくつかの実施形態による、無線デバイスにおける例示的なプロセスのフローチャートである。
図11図11は、本開示のいくつかの実施形態による、無線デバイスにおける例示的なプロセスのフローチャートである。
図12図12は、本開示のいくつかの実施形態による、ネットワークノードにおける例示的なプロセスのフローチャートである。
図13図13は、本開示のいくつかの実施形態による、1.28秒(s)のDRXサイクルに対するWUS受信性能についての送信ダイバーシチシミュレーション結果を示す。
図14図14は、本開示のいくつかの実施形態による、2.56秒のDRXサイクルに対するWUS受信性能についての送信ダイバーシチシミュレーション結果を示す。
図15図15は、本開示のいくつかの実施形態による、5.12秒のDRXサイクルに対するWUS受信性能についての送信ダイバーシチシミュレーション結果を示す。
図16図16は、本開示のいくつかの実施形態による、10.24秒のDRXサイクルに対するWUS受信性能についての送信ダイバーシチシミュレーション結果を示す。
図17図17は、本開示のいくつかの実施形態による、1.28秒のDRXサイクルに対するWUS受信性能についての単一アンテナベースのWUS送信シミュレーション結果を示す。
図18図18は、本開示のいくつかの実施形態による、2.56秒のDRXサイクルに対するWUS受信性能に対する単一アンテナベースのWUS送信シミュレーション結果を示す。
図19図19は、本開示のいくつかの実施形態による、5.12秒のDRXサイクルに対するWUS受信性能についての単一アンテナベースのWUS送信シミュレーション結果を示す。
図20図20は、本開示のいくつかの実施形態による、10.24秒のDRXサイクルに対するWUS受信性能に対する単一アンテナベースのWUS送信シミュレーション結果を示す。
【発明を実施するための形態】
【0035】
例示的な実施形態を詳細に説明する前に、実施形態は、伝送方式及び無線デバイス(WD)アクティビティレベルに基づいてウェイクアップ信号の反復を適応させることに関連する装置コンポーネント及び処理ステップの組み合わせに主に存在することに留意されたい。したがって、コンポーネントは、適切な場合には図面中の慣習的な記号によって表されており、本明細書における説明の恩恵を受ける当業者には容易に明らかになる詳細によって本開示を不明瞭にしないように、実施形態の理解に関連する特定の詳細のみを示す。同様の参照符号は説明全体にわたって同様のエレメントを参照する。
【0036】
本明細書で使用されるように、「第1の」及び「第2の」、「最上部」及び「最下部」等の関係を示す用語は、必ずしもそのようなエンティティ又はエレメント間の物理的又は論理的関係又は順序を必要とせずに又は暗示することなく、1つのエンティティ又はエレメントを別のエンティティ又はエレメントから区別するためにのみ使用されうる。本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を記載するためだけのものであり、本明細書に記載の概念を限定することを意図していない。本明細書で使用される場合、単数形「a」、「an」及び「the」は、文脈がそれ以外を明確に示さない限り、複数形も含むことを意図している。本明細書で使用される場合、「comprises(備える/含む)」、「comprising(備える/含む)」、「includes(備える/含む)」及び/又は「including(備える/含む)」との用語は、記載された特徴、整数、ステップ、動作、エレメント、及び/又はコンポーネントの存在を特定するが、1つ以上の他の特徴、整数、ステップ、動作、エレメント、コンポーネント、及び/それらのグループの存在又は追加を排除しないものと更に理解されよう。
【0037】
本明細書に記載の実施形態において、「in communication with(と通信している)」等の結合用語は、例えば、物理的接触、誘導、電磁放射、無線シグナリング、赤外線シグナリング、又は光シグナリングによって達成されうる、電気通信又はデータ通信を示すために使用されうる。当業者であれば複数のコンポーネントが相互動作しうること、並びに電気通信及びデータ通信を実現するための修正及び変形が可能であることを理解するであろう。
【0038】
本明細書に記載のいくつかの実施形態において、「結合された(coupled)」、「接続された(connected)」等の用語は、必ずしも直接ではないが、コネクションを示すために本明細書で使用されうるとともに、有線コネクション及び/又は無線コネクションを含みうる。
【0039】
本明細書で使用される「ネットワークノード」との用語は、無線ネットワークに含まれる任意の種類のネットワークノードでありうる。当該ネットワークノードは、基地局(BS)、無線基地局、基地トランシーバ局(BTS)、基地局コントローラ(BSC)、無線ネットワークコントローラ(RNC)、gノードB(gNB)、進化型ノードB(eNB又はeノードB)、ノードB、MSR BR等のマルチスタンダード無線(MSR)無線ノード、マルチセル/マルチキャスト調整エンティティ(MCE)、リレーノード、統合アクセス及びバックホール(IAB)ノード、リレーを制御するドナーノード、無線アクセスポイント(AP)、送信ポイント、送信ノード、リモート無線ユニット(RRU)リモート無線ヘッド(RRH)、コアネットワークノード(例えば、モバイル管理エンティティ(MME)、自己組織化ネットワーク(SON)ノード、調整ノード、測位ノード、MDTノード等)、外部ノード(例えば、サードパーティノード、現在のネットワークの外部のノード)、分散アンテナシステム(DAS)内のノード、スペクトルアクセスシステム(SAS)ノード、エレメント管理システム(EMS)等のうちのいずれかを更に含みうる。ネットワークノードはまた、試験装置を備えてもよい。本明細書で使用される「無線ノード」との用語は、無線デバイス(WD)又は無線ネットワークノード等の無線デバイス(WD)を示すためにも使用されうる。
【0040】
いくつかの実施形態では、無線デバイス(WD)又はユーザ装置(UE)という非限定的な用語が互いに代替可能に使用される。本明細書のWD(又はUE)は、無線デバイス(WD)等の、無線信号でネットワークノード又は別のWDと通信できる任意のタイプの無線デバイスでありうる。WDはまた、無線通信デバイス、ターゲットデバイス、デバイス・ツー・デバイス(D2D)WD、マシン・ツー・マシン通信(M2M)が可能なマシンタイプWD若しくはWD、低コスト及び/又は低複雑度WD、WDを備えるセンサ、タブレット、モバイル端末、スマートフォン、laptop embedded equipped(LEE)、 laptop mounted equipment(LME)、USBドングル、カスタマ構内設備(CPE:Customer Premises Equipment)、Internet of Things(IoT)デバイス、又は狭帯域IoT(NB-IoT)デバイス等であってもよい。
【0041】
また、いくつかの実施形態では、「無線ネットワークノード」との一般的な用語が使用される。これは、基地局、無線基地局、基地トランシーバ局、基地局コントローラ、ネットワークコントローラ、RNC、進化型ノードB(eNB)、ノードB、gNB、マルチセル/マルチキャスト調整エンティティ(MCE)、リレーノード、IABノード、アクセスポイント、無線アクセスポイント、リモート無線ユニット(RRU)リモート無線ヘッド(RRH)のいずれかを備えうる任意の種類の無線ネットワークノードでありうる。
【0042】
例えば、3GPP LTE及び/又はNew Radio(NR)のような、1つの特定の無線システムからの用語が本開示において使用されうるが、これは本開示の範囲を前述のシステムのみに限定するものとみなされるべきではないことに留意されたい。例えば、LTEに言及している開示は、NRにも適用可能でありうる。本開示の例は更に、Wide Band Code Division Multiple Access(WCDMA(登録商標))、Worldwide Interoperability for Microwave Access(WiMax)、Ultra Mobile Broadband(UMB)、及びGlobal System for Mobile Communications(GSM)を含むがこれらに限定されない他の無線システムに適用されてもよく、これらは本開示内でカバーされるアイデアを利用することから恩恵をうることができる。
【0043】
更に、無線デバイス又はネットワークノードによって実行されるとして本明細書に記載される機能は、複数の無線デバイス及び/又はネットワークノード上に分散されてもよいことに留意されたい。言い換えると、本明細書に記載のネットワークノード及び無線デバイスの機能は、単一の物理デバイスによる実行に限定されず、実際にはいくつかの物理デバイス間で分散されてもよいことが考えられる。
【0044】
別段の定義がない限り、本明細書で使用される全ての用語(技術用語及び科学用語を含む)は、本開示が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。更に、本明細書において使用される用語は本明細書及び関連技術の文脈における意味と一致する意味を有するものとして解釈されるべきであり、本明細書で明示的に定義されない限り、理想化された又は過度に形式的な意味で解釈されるべきではないことが理解されるであろう。
【0045】
実施形態はLTEについて記載され、例えばMTC及びNB-IoTについて記載されている。しかしながら、実施形態は、WDが信号(例えば、データ)を受信及び/又は送信する任意のRAT又はマルチRATシステムに適用可能であり、例えば、LTE周波数分割複信(FDD)/時分割複信(TDD)、広帯域符号分割多元接続(WCDMA(登録商標))/高速パケットアクセス(HSPA)、global system for mobile communications(GSM)/GSMエッジ無線アクセスネットワーク(GERAN)、WiFi、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)、CDMA2000、第5世代(5G)、New Radio(NR)等に適用可能である。
【0046】
本明細書で使用される「時間リソース」という用語は、時間の長さに関して表現される任意のタイプの物理リソース又は無線リソースに対応しうる。時間リソースの例は、シンボル、ミニスロット、タイムスロット、サブフレーム、無線フレーム、送信時間間隔(TTI)、ショートTTI、インタリービング時間等である。
【0047】
第1のセル(セル1)によってサービスが行われているWDを含むシナリオでは、セル1がネットワークノード(NW1)(例えば基地局)によって管理されるか、又はサービスが行われるか、又は運用される。WDは、あるセルに関して(例えば、セル1に関して)、あるカバレッジ拡張(CE:coverage enhancement)レベルで動作する。WDは、少なくともセル1から信号(ページング、WUS、NPDCCH、NPDCCH、MPDSCH、PDSCH等)を受信するように構成されている。WDは、セル1及び1つ以上の追加のセル(例えば、隣接セル)上で1つ以上の測定を実行するように更に構成されうる。
【0048】
WDのカバレッジ拡張(CE)レベルは、WDのカバレッジレベルとも互換的に呼ばれる。CEレベルは、以下の単位で表されうる:
●セルに関する、WDにおける受信信号品質及び/又は受信信号強度、及び/又は
●WDに関する、セルにおける受信信号品質及び/又は受信信号強度。
【0049】
WDのCEレベルは、サービングセル、隣接セル、リファレンスセル等の任意のセルに関して定められうる。例えば、これは、WDが1つ以上の無線測定を実行するターゲットセルに関する、WDにおける受信信号品質及び/又は受信信号強度の単位で表されうる。信号品質の例は、SNR、信号対干渉プラス雑音比(SINR)、チャネル品質インデックス(CQI)、狭帯域受信信号受信品質(NRSRQ:narrowband received signal received quality)、RSRQ、セル固有参照信号(CRS:cell specific reference signal)E^s/Iot、共有チャネル(SCH)E^s/Iot等である。信号強度の例は、経路損失、結合損失、受信信号受信電力(RSRP:received signal received power)、NRSRP、SCH_RP等である。表記E^s/Iotは、Iotに対するE^sの比率として定義される。
●E^sは、WDアンテナコネクタにおける、シンボルの有効部分(即ち、サイクリックプレフィックスを除いた部分)の期間中のリソースエレメント(RE)当たりの受信エネルギー(サブキャリア間隔に正規化された電力)である。
●Iotは、WDアンテナコネクタにおいて測定された、あるRE(RE上で積分され、サブキャリア間隔に正規化された電力)についての総ノイズ及び干渉の受信電力スペクトル密度である。
【0050】
CEレベルは、少なくとも2つの異なるレベルで表されうる。WDにおける信号品質(例えば、SNR)に関して定められた、以下の2つの異なるCEレベルの例を検討する:
●セルに関するWDにおけるSNR≧-6dBを含むカバレッジ拡張レベル1(CE1);及び
●セルに関するWDにおける-15dB≦SNR<-6dBを含むカバレッジ拡張レベル2(CE2)。
【0051】
上記の例では、CE1は、通常カバレッジレベル(NCL:normal coverage level)、ベースラインカバレッジレベル、基準カバレッジレベル、基本カバレッジレベル、レガシーカバレッジレベル等と互換的に呼ばれることもある。一方、CE2は、拡張(enhanced)カバレッジレベル又は拡大(extended)カバレッジレベル(ECL)と呼ばれることがある。
【0052】
別の例では、2つの異なるカバレッジレベル(例えば、通常カバレッジ及び拡張カバレッジ)は、信号品質レベルに関して以下のように定められうる:
●通常カバレッジの要求条件は、セルに関するWDの無線状態が、以下のようにSCH E^s/Iot<-6dB及びCRS E^s/Iot>-6として定められる場合に、当該セルに関するWDカテゴリNB1に適用可能である。
●拡張カバレッジの要求条件は、セルに関するWDの無線状態が、以下のようにSCH E^s/Iotが-15dB及びCRS E^s/Iotが-15のように定められる場合に、当該セルに関するWDカテゴリNB1に適用可能である。
【0053】
別の例では、セル(例えば、サービングセル、隣接セル等)に関するWDのCEを定める1つ以上のパラメータも、ネットワークノードによってWDにシグナリングされうる。そのようなパラメータの例は、WDカテゴリM1、WDカテゴリM2等に対してシグナリングされるCEモードA及びCEモードBである。CEモードA及びCEモードBが設定されたWDは、それぞれ通常カバレッジ及び拡張カバレッジで動作するとも言われる。例えば以下のとおり:
●CEモードAの要求条件は、WDカテゴリM1又はWDカテゴリM2が、CEモードA、SCH E^s/Iot>-6dB、及びCRS E^s/Iot>-6dBを設定された場合に適用される。
●CEモードBの要求条件は、WDカテゴリM1又はWDカテゴリM2が、CEモードB、SCH E^s/Iot>-15dB、及びCRS E^s/Iot>-15dBを設定された場合に適用されるものとする。
【0054】
別の例では、WDは、セルへのランダムアクセス送信手順の期間中に、当該セル(例えば、セル1等)に関するCEレベルを決定しうる。例えば、WDは、受信信号レベル(例えば、RSRP、NRSRP等)に基づいて、異なるCEレベル(例えば、PRACH CEレベル0、CEレベル1、CEレベル2等)に関連付けられたランダムアクセス送信リソース(例えば、ランダムアクセス(RA)チャネルの反復レベル)を選択する。WDは、当該WDによって実行された信号測定結果(例えば、RSRP、NRSRP、経路損失)に基づいて、CEレベル(例えば、PRACH CEレベル)を選択又は決定する。
【0055】
一般に、より大きなCEレベルにおいて、WDは、より小さなCEレベルでの受信信号レベルよりも低い受信信号レベル(例えば、RSRP、経路損失、SNR、SINR、E^s/Iot、RSRQ等)の下で動作するように構成される。実施形態は、セルに関するWDの任意の数のCEレベル(例えば、CE1、CE2、CE3、CE4等)に適用可能である。この例では、CE1は、最小のCEレベルに対応し、一方、CE2は、CE1よりも大きいが、CE3よりも小さいCEレベルに対応する。CE3及びCE3は、より大きなCEレベルに対応する。CE2はCE4より小さく、以下同様である。
【0056】
図面に戻ると、図3には、無線アクセスネットワーク等のアクセスネットワーク12とコアネットワーク14とを備える、LTE及び/又はNR(5G)等の規格をサポートしうる3GPPタイプのセルラネットワーク等の、一実施形態による通信システム10の概略図が示されている。アクセスネットワーク12は、NB、eNB、gNB又は他のタイプの無線アクセスポイント等の複数のネットワークノード16a,16b,16c(まとめてネットワークノード16と称する)を含み、それぞれが対応するカバレッジエリア18a,18b,18c(まとめてカバレッジエリア18と称する)を規定する。各ネットワークノード16a,16b,16cは、有線又は無線コネクション20を介してコアネットワーク14に接続可能である。カバレッジエリア18aに位置する第1の無線デバイス22aは、対応するネットワークノード16cに無線で接続する、又は当該ネットワークノードによってページングされるように構成される。カバレッジエリア18b内の第2のWD22bは、対応するネットワークノード16aに無線で接続可能である。この例では、複数のWD22a,22b(まとめて無線デバイス22と称する)が示されているが、開示された実施形態は、単一のWDがカバレッジエリア内にある状況、又は単一のWDが対応するネットワークノード16に接続している状況にも同様に適用可能である。便宜上、2つのWD22及び3つのネットワークノード16のみが示されているが、通信システムは、より多くのWD22及びネットワークノード16を含みうることに留意されたい。
【0057】
また、WD22は、2つ以上のネットワークノード16及び2つ以上のタイプのネットワークノード16と同時に通信すること、及び/又は別々に通信することを行うように構成されうると考えらえる。例えば、WD22は、LTEをサポートするネットワークノード16と、NRをサポートする同一又は異なるネットワークノード16とのデュアルコネクティビティを有することが可能である。一例として、WD22は、LTE/E-UTRAN用のeNB、及びNR/NG-RAN用のgNBと通信可能である。
【0058】
通信システム10は、それ自体、ホストコンピュータ24に接続されうる。当該ホストコンピュータは、独立型サーバ、クラウド実装型サーバ、分散型サーバのハードウェア及び/又はソフトウェアで、又はサーバファーム内の処理リソースとして実施されうる。ホストコンピュータ24は、サービスプロバイダの所有であっても制御下にあってもよく、又は、サービスプロバイダによって又はサービスプロバイダの代わりに操作されてもよい。通信システム10とホストコンピュータ24との間のコネクション26,28は、コアネットワーク14からホストコンピュータ24に直接延びていてもよいし、オプションの中間ネットワーク30を介して延びていてもよい。中間ネットワーク30は、パブリックネットワーク、プライベートネットワーク、又はホストネットワークのうちの1つ、又は2つ以上の組み合わせであってもよい。中間ネットワーク30は、もしあれば、バックボーンネットワーク又はインターネットであってもよい。いくつかの実施形態では、中間ネットワーク30は、2つ以上のサブネットワーク(図示せず)を含んでもよい。
【0059】
図3の通信システムは、全体として、接続されたWD22a,22bのうちの1つとホストコンピュータ24との間の接続性を与える。当該接続性は、オーバー・ザ・トップ(OTT:over-the-top)コネクションとして説明されうる。ホストコンピュータ24及び接続されたWD22a,22bは、アクセスネットワーク12、コアネットワーク14、任意の中間ネットワーク30、及び可能性のある更なるインフラストラクチャ(図示せず)を媒介として使用して、OTTコネクションを介してデータ及び/又はシグナリングを通信するように構成される。OTTコネクションは、OTTコネクションが通過する参加通信デバイスの少なくとも一部が、アップリンク通信及びダウンリンク通信のルーティングに気付かないという意味で、トランスペアレントでありうる。例えば、ネットワークノード16は、接続されたWD22aに転送される(例えば、ハンドオーバされる)ホストコンピュータ24から発信されたデータを有する、到着するダウンリンク通信の過去のルーティングについて通知されてなくてもよく、又は通知される必要がなくてもよい。同様に、ネットワークノード16は、WD22aからホストコンピュータ24へ向かう、発信されるアップリンク通信の将来のルーティングを知っている必要はない。
【0060】
ネットワークノード16は、WUS反復回数を決定するように構成されたWUS反復ユニット32を含むように構成される。いくつかの実施形態において、WUS反復ユニット32は、WDのアクティビティレベルに関する情報を取得することと、送信アンテナ構成を選択することと、送信アンテナ構成及びアクティビティレベルに基づいて、ウェイクアップ信号(WUS)反復回数を決定することと、当該決定された回数のWUS反復を含むWUS信号を送信することと、のうちの少なくとも1つを行うように構成される。いくつかの態様では、WUS信号は、少なくとも決定された回数のWUS反復を含む。
【0061】
無線デバイス22は、例えば、WUS送信を合成することによってWUSを復号するように構成されたWUS復号ユニット34を含むように構成される。いくつかの実施形態では、WUS復号ユニット34は、ネットワークノードの送信アンテナ構成に関する情報を決定することと、WDのアクティビティレベルに関する情報を決定することと、送信アンテナ構成及びアクティビティレベルに基づいて、ウェイクアップ信号(WUS)反復回数を決定することと、少なくとも決定された回数のWUS反復を含むWUS信号を受信することと、のうちの少なくとも1つを行うように構成される。
【0062】
図4を参照して、これまでの段落で説明したWD22、ネットワークノード16及びホストコンピュータ24の実施形態による実装例について以下で説明する。通信システム10において、ホストコンピュータ24は、通信システム10の、異なる通信デバイスのインタフェースとの有線又は無線接続をセットアップ及び維持するように構成された通信インタフェース40を含むハードウェア(HW)38を備える。ホストコンピュータ24は、ストレージ能力及び/又は処理能力を有しうる処理回路42を更に備える。処理回路42は、プロセッサ44及びメモリ46を含みうる。特に、中央演算処理装置等のプロセッサ及びメモリに加えて、又はその代わりに、処理回路42は、処理及び/又は制御のための集積回路、例えば、命令を実行するように適合された1つ以上のプロセッサ及び/又はプロセッサコア及び/又はFPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)及び/又はASIC(特定用途向け集積回路)を備えうる。プロセッサ44は、メモリ46にアクセス(例えば、書き込み及び/又は読み出し)するように構成されうる。当該メモリは、任意の種類の揮発性メモリ及び/又は不揮発性メモリ、例えば、キャッシュメモリ及び/又はバッファメモリ及び/又はRAM(ランダムアクセスメモリ)及び/又はROM(読み出し専用メモリ)及び/又は光メモリ及び/又はEPROM(消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ)を含みうる。
【0063】
処理回路42は、本明細書に記載の方法及び/又はプロセスのいずれかを制御するように、及び/又はそのような方法及び/又はプロセスを、例えばホストコンピュータ24によって実行させるように構成されうる。プロセッサ44は、本明細書に記載のホストコンピュータ24の機能を実行するための1つ以上のプロセッサ44に対応する。ホストコンピュータ24は、本明細書に記載の、データ、プログラムによるソフトウェアコード及び/又は他の情報を格納するように構成されたメモリ46を備える。いくつかの実施形態では、ソフトウェア48及び/又はホストアプリケーション50は、プロセッサ44及び/又は処理回路42によって実行されるとプロセッサ44及び/又は処理回路42に、ホストコンピュータ24に関して本明細書に記載のプロセスを実行させる命令を含みうる。命令は、ホストコンピュータ24と関連付けられたソフトウェアでありうる。
【0064】
ソフトウェア48は、処理回路42によって実行可能でありうる。ソフトウェア48は、ホストアプリケーション50を含む。ホストアプリケーション50は、WD22及びホストコンピュータ24で終端するOTTコネクション52を介して接続するWD22等のリモートユーザにサービスを提供するように動作可能でありうる。サービスをリモートユーザに提供する際に、ホストアプリケーション50は、OTTコネクション52を使用して送信されるユーザデータを提供しうる。「ユーザデータ」は、記載された機能を実行するものとして本明細書に記載されるデータ及び情報でありうる。一実施形態では、ホストコンピュータ24は、サービスプロバイダに制御及び機能を提供するように構成されうるとともに、サービスプロバイダによって、又はサービスプロバイダの代わりに操作されうる。ホストコンピュータ24の処理回路42は、ホストコンピュータ24がネットワークノード16及び/又は無線デバイス22の監視、モニタリング、制御、それへの送信及び/又はそれからの受信を可能にしうる。
【0065】
通信システム10は更に、通信システム10内に設けられ、かつ、ホストコンピュータ24及びWD22と通信することを可能にするハードウェア58を備えるネットワークノード16を含む。ハードウェア58は、通信システム10の、異なる通信デバイスのインタフェースとの有線又は無線コネクションをセットアップ及び維持するための通信インタフェース60と、ネットワークノード16によってサービスが行われるカバレッジエリア18内に位置するWD22との少なくとも無線コネクション64をセットアップ及び維持するための無線インタフェース62とを含みうる。無線インタフェース62は、例えば、1つ以上のRF送信機、1つ以上のRF受信機、及び/又は1つ以上のRFトランシーバとして形成されてもよく、又はそれらを含んでもよい。通信インタフェース60は、ホストコンピュータ24へのコネクション66を容易にするように構成されうる。コネクション66は、直接的であってもよいし、通信システム10のコアネットワーク14を通過、及び/又は通信システム10の外部の1つ以上の中間ネットワーク30を通過してもよい。
【0066】
図示された実施形態では、ネットワークノード16のハードウェア58は処理回路68を更に備える。処理回路68は、プロセッサ70及びメモリ72を含みうる。特に、中央演算処理装置等のプロセッサ及びメモリに加えて、又はその代わりに、処理回路68は、処理及び/又は制御のための集積回路、例えば、命令を実行するように適合された1つ以上のプロセッサ及び/又はプロセッサコア及び/又はFPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)及び/又はASIC(特定用途向け集積回路)を備えうる。プロセッサ70は、メモリ72にアクセス(例えば、書き込み及び/又は読み出し)するように構成されうる。当該メモリは、任意の種類の揮発性メモリ及び/又は不揮発性メモリ、例えば、キャッシュメモリ及び/又はバッファメモリ及び/又はRAM(ランダムアクセスメモリ)及び/又はROM(読み出し専用メモリ)及び/又は光メモリ及び/又はEPROM(消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ)を含みうる。
【0067】
このように、ネットワークノード16は更に、例えばメモリ72に内部格納された、又は外部接続によってネットワークノード16からアクセス可能な外部メモリ(例えば、データベース、ストレージアレイ、ネットワークストレージデバイス等)に格納された、ソフトウェア74を有している。ソフトウェア74は、処理回路68によって実行可能でありうる。処理回路68は、本明細書に記載の方法及び/又はプロセスのいずれかを制御するように、及び/又はそのような方法及び/又はプロセスを、例えばネットワークノード16によって実行させるように構成されうる。プロセッサ70は、本明細書に記載のネットワークノード16の機能を実行するための1つ以上のプロセッサ70に対応する。メモリ72は、本明細書に記載の、データ、プログラムによるソフトウェアコード及び/又は他の情報を格納するように構成される。いくつかの実施形態では、ソフトウェア74は、プロセッサ70及び/又は処理回路68によって実行されるとプロセッサ70及び/又は処理回路68に、ネットワークノード16に関して本明細書に記載のプロセスを実行させる命令を含みうる。例えば、ネットワークノード16の処理回路68は、例えば図9のフローチャートを参照して説明したもののような、本明細書に記載のネットワークノードの方法及び/又はアレンジメントを実行するように構成されたWUS反復ユニット32を含みうる。
【0068】
通信システム10は、既に言及したWD22を更に含む。WD22は、WD22が現在位置しているカバレッジエリア18にサービスを行うネットワークノード16との無線コネクション64をセットアップ及び維持するように構成された無線インタフェース82を含みうるハードウェア80を有しうる。無線インタフェース82は、例えば、1つ以上のRF送信機、1つ以上のRF受信機、及び/又は1つ以上のRFトランシーバとして形成されてもよく、又はそれらを含んでもよい。
【0069】
WD22のハードウェア80は処理回路84を更に備える。処理回路84は、プロセッサ86及びメモリ88を含みうる。特に、中央演算処理装置等のプロセッサ及びメモリに加えて、又はその代わりに、処理回路84は、処理及び/又は制御のための集積回路、例えば、命令を実行するように適合された1つ以上のプロセッサ及び/又はプロセッサコア及び/又はFPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)及び/又はASIC(特定用途向け集積回路)を備えうる。プロセッサ86は、メモリ88にアクセス(例えば、書き込み及び/又は読み出し)するように構成されうる。当該メモリは、任意の種類の揮発性メモリ及び/又は不揮発性メモリ、例えば、キャッシュメモリ及び/又はバッファメモリ及び/又はRAM(ランダムアクセスメモリ)及び/又はROM(読み出し専用メモリ)及び/又は光メモリ及び/又はEPROM(消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ)を含みうる。
【0070】
このように、WD22は更に、例えばWD22内のメモリ88に格納された、又はWD22からアクセス可能な外部メモリ(例えば、データベース、ストレージアレイ、ネットワークストレージデバイス等)に格納された、ソフトウェア90を有しうる。ソフトウェア90は、処理回路84によって実行可能でありうる。ソフトウェア90は、クライアントアプリケーション92を含みうる。クライアントアプリケーション92は、ホストコンピュータ24のサポートにより、WD22を介して人間の又は人間以外のユーザにサービスを提供するように動作可能でありうる。ホストコンピュータ24において、実行中のホストアプリケーション50は、WD22及びホストコンピュータ24で終端するOTTコネクション52を介して、実行中のクライアントアプリケーション92と通信しうる。ユーザにサービスを提供する際、クライアントアプリケーション92は、ホストアプリケーション50から要求データを受信し、当該要求データに応じてユーザデータを提供しうる。OTTコネクション52は、要求データ及びユーザデータの両方を転送しうる。クライアントアプリケーション92は、それが提供するユーザデータを生成するためにユーザとインタラクションしうる。
【0071】
処理回路84は、本明細書に記載の方法及び/又はプロセスのいずれかを制御するように、及び/又はそのような方法及び/又はプロセスを、例えばWD22によって実行させるように構成されうる。プロセッサ86は、本明細書に記載のWD22の機能を実行するための1つ以上のプロセッサ86に対応する。WD22は、本明細書に記載の、データ、プログラムによるソフトウェアコード及び/又は他の情報を格納するように構成されたメモリ88を備える。いくつかの実施形態では、ソフトウェア90及び/又はクライアントアプリケーション92は、プロセッサ86及び/又は処理回路84によって実行されるとプロセッサ86及び/又は処理回路84に、WD22に関して本明細書に記載のプロセスを実行させる命令を含みうる。例えば、無線デバイス22の処理回路84は例えば、図10のフローチャートを参照して説明したもののような、本明細書に記載の無線デバイス22の方法及び/又はアレンジメントを実行するように構成されたWUS復号ユニット34を含みうる。
【0072】
いくつかの実施形態では、ネットワークノード16、WD22、及びホストコンピュータ24の内部動作は、図4に示されるようなものとされうるとともに、独立して、周囲のネットワークトポロジは図3のものとされうる。
【0073】
図4では、あらゆる中間デバイス及びそれらのデバイスを介したメッセージの正確なルーティングに明示的に言及することなく、OTTコネクション52が、ネットワークノード16を介したホストコンピュータ24と無線デバイス22との間の通信を示すために抽象的に描かれている。ネットワークインフラストラクチャは、WD22から若しくはホストコンピュータ24を操作するサービスプロバイダから、又はその両方から隠すように構成されうるルーティングを決定しうる。OTTコネクション52がアクティブである間に、ネットワークインフラストラクチャは、(例えば、負荷の考慮又はネットワークの再設定に基づいて)ルーティングを動的に変更する決定を更に行いうる。
【0074】
WD22とネットワークノード16との間の無線コネクション64は、本開示全体にわたって説明される実施形態の教示に従う。様々な実施形態のうちの1つ以上は、無線コネクション64が最後のセグメントを形成しうるOTTコネクション52を使用してWD 22に提供されるOTTサービスの性能を改善しうる。より正確には、これらの実施形態の一部の教示が、データレート、レイテンシ、及び/又は消費電力を改善することができ、それによって、ユーザの待ち時間の低減、ファイルサイズの緩和、応答性の向上、バッテリ寿命の延長等の利点を提供できる。
【0075】
いくつかの実施形態では、1つ又は以上の実施形態が改善するデータレート、レイテンシ及びその他の要因をモニタリングする目的で、測定手順が提供されうる。更に、測定結果の変動に応じて、ホストコンピュータ24とWD22との間のOTTコネクション52を再設定するためのオプションのネットワーク機能があってもよい。OTTコネクション52を再設定するための測定手順及び/又はネットワーク機能は、ホストコンピュータ24のソフトウェア48、又はWD22のソフトウェア90、又はその両方で実装されうる。いくつかの実施形態では、センサ(図示せず)が、OTTコネクション52が通過する通信デバイスに配置されうるか又はそれに関連して配置されうる。当該センサは、上記で例示された、モニタリングされた量の値を供給することによって、又はソフトウェア48,90が当該モニタリングされた量を他の物理量の値から計算又は推定しうる、当該他の物理量の値を供給することによって、測定手順に関与しうる。OTTコネクション52の再設定は、メッセージフォーマット、再送設定、好ましいルーティング等を含んでもよく、当該再設定は、ネットワークノード16に影響を与える必要はなく、ネットワークノード16には未知であるか又は感知できなくてもよい。いくつかのそのような手順及び機能は、当該分野では既知でありうるとともに実践されうる。特定の実施形態では、測定は、ホストコンピュータ24の、スループット、伝搬時間、レイテンシ等の測定を容易にする、独自のWDシグナリングを含みうる。いくつかの実施形態では、測定は、ソフトウェア48,90が、伝搬時間、エラー等をモニタリングしながら、OTTコネクション52を使用して、メッセージ(特に、空のメッセージ又は「ダミー」メッセージ)を送信させることで実行されうる。
【0076】
このように、いくつかの実施形態では、ホストコンピュータ24は、ユーザデータを提供するように構成された処理回路42と、WD22への送信のためにユーザデータをセルラネットワークに転送するように構成された通信インタフェース40とを備える。いくつかの実施形態では、セルラネットワークは更に、無線インタフェース62を有するネットワークノード16を含む。いくつかの実施形態では、WD22への送信の準備/開始/維持/サポート/終了のため、及び/又はWD22からの送信の受信の準備/開始/維持/サポート/終了のための、本明細書に記載の機能及び/又は方法を実行するように、ネットワークノード16が構成される及び/又はネットワークノード16の処理回路68が構成される。
【0077】
いくつかの実施形態では、ホストコンピュータ24は、処理回路42と、WD22からネットワークノード16への送信から生じるユーザデータを受信するように構成された通信インタフェース40とを備える。いくつかの実施形態では、ネットワークノード16への送信の準備/開始/維持/サポート/終了のため、及び/又はネットワークノード16からの送信の受信の準備/開始/維持/サポート/終了のための、本明細書に記載の機能及び/又は方法を実行するように、WD22が構成される及び/又は構成される無線インタフェース82及び/又は処理回路84をWD22が備える。
【0078】
図3及び図4は、WUS反復ユニット32及びWUS復号ユニット34等の種々の「ユニット」がそれぞれのプロセッサ内にあることを示しているが、これらのユニットは当該ユニットの一部が処理回路内の対応するメモリに格納されるように実装されてもよいと考えられる。言い換えれば、上記ユニットは、処理回路内のハードウェア又はハードウェアとソフトウェアとの組み合わせで実装されてもよい。
【0079】
図5は、一実施形態に係る、例えば、図3及び図4の通信システム等の通信システムにおいて実行される例示的な方法を示すフローチャートである。通信システムは、図4参照して説明されるものでありうるホストコンピュータ24、ネットワークノード16、及びWD22を含みうる。本方法の第1のステップで、ホストコンピュータ24がユーザデータを提供する(ブロックS100)。第1のステップの、オプションであるサブステップで、ホストコンピュータ24が、例えばホストアプリケーション50のようなホストアプリケーションを実行することによって、ユーザデータを提供する(ブロックS102)。第2のステップで、ホストコンピュータ24が、WD22へのユーザデータを搬送する送信を開始する(ブロックS104)。オプションである第3のステップ930で、ネットワークノード16が、本開示全体にわたって説明される実施形態の教示に従って、ホストコンピュータ24が開始した送信で搬送されたユーザデータをWD22へ送信する(ブロックS106)。オプションである第4のステップで、WD22が、ホストコンピュータ24によって実行されるホストアプリケーション50に関連付けられた、例えばクライアントアプリケーション114のようなクライアントアプリケーションを実行する(ブロックS108)。
【0080】
図6は、一実施形態に係る、例えば、図3の通信システム等の通信システムにおいて実行される例示的な方法を示すフローチャートである。通信システムは、図3及び図4を参照して説明されうるホストコンピュータ24、ネットワークノード16、及びWD22を含みうる。本方法の第1のステップで、ホストコンピュータ24がユーザデータを提供する(ブロックS110)。オプションであるサブステップ(図示せず)で、ホストコンピュータ24が、例えばホストアプリケーション50のようなホストアプリケーションを実行することによってユーザデータを提供する。第2のステップで、ホストコンピュータ24が、WD22へのユーザデータを搬送する送信を開始する(ブロックS112)。当該送信は、本開示全体にわたって説明される実施形態の教示に従って、ネットワークノード16を通過しうる。オプションである第3のステップで、WD22が、当該送信で搬送されたユーザデータを受信する(ブロックS114)。
【0081】
図7は、一実施形態に係る、例えば、図3の通信システム等の通信システムにおいて実行される例示的な方法を示すフローチャートである。通信システムは、図3及び図4を参照して説明されうるホストコンピュータ24、ネットワークノード16、及びWD22を含みうる。本方法の、オプションである第1のステップで、WD22が、ホストコンピュータ24によって提供された入力データを受信する(ブロックS116)。第1のステップの、オプションであるサブステップで、WD22が、ホストコンピュータ24によって提供された受信入力データに応答してユーザデータを提供するクライアントアプリケーション114を実行する。追加的に又は代替的に、オプションである第2のステップで、WD22が、ユーザデータを提供する(ブロックS120)。第2のステップの、オプションであるサブステップで、WDが、例えばクライアントアプリケーション114のようなクライアントアプリケーションを実行することによって、ユーザデータを提供する(ブロックS122)。ユーザデータを提供する際に、実行されるクライアントアプリケーション114は、ユーザから受け付けたユーザ入力を更に考慮してもよい。ユーザデータが提供された特定の方法にかかわらず、WD22は、オプションである第3のサブステップで、ユーザデータのホストコンピュータ24への送信を開始する(ブロックS124)。本方法の第4のステップで、ホストコンピュータ24が、本開示全体にわたって説明される実施形態の教示に従って、WD22から送信されたユーザデータを受信する(ブロックS126)。
【0082】
図8は、一実施形態に係る、例えば、図3の通信システム等の通信システムにおいて実行される例示的な方法を示すフローチャートである。通信システムは、図3及び図4を参照して説明されうるホストコンピュータ24、ネットワークノード16、及びWD22を含みうる。オプションである第1のステップで、本開示全体にわたって説明される実施形態の教示に従って、ネットワークノード16が、WD22からユーザデータを受信する(ブロックS128)。オプションである第2のステップで、ネットワークノード16が、受信したユーザデータのホストコンピュータ24への送信を開始する(ブロックS130)。第3のステップで、ホストコンピュータ24が、ネットワークノード16によって開始された送信で搬送されたユーザデータを受信する(ブロックS132)。
【0083】
図9は、本開示のいくつかの実施形態による、ネットワークノード16における例示的なプロセスのフローチャートである。ネットワークノード16によって実行される1つ以上のブロック及び/又は機能及び/又は方法は、例示的な方法に従って、ネットワークノード16の1つ以上のエレメント(処理回路68内のWUS反復ユニット32、プロセッサ70、無線インタフェース62等)によって実行されうる。例示的な方法は、WUS反復ユニット32、処理回路68、プロセッサ70、及び/又は無線インタフェース62等を介して、無線デバイス(WD)22のアクティビティレベルに関する情報を取得すること(ブロックS134)を含む。本方法は、WUS反復ユニット32、処理回路68、プロセッサ70及び/又は無線インタフェース62等を介して、送信アンテナ構成を選択すること(ブロックS136)を含みうる。本方法は、WUS反復ユニット32、処理回路68、プロセッサ70及び/又は無線インタフェース62等を介して、送信アンテナ構成及びアクティビティレベルに基づいてウェイクアップ信号(WUS)反復回数を決定すること(ブロックS138)を含みうる。本方法は、WUS反復ユニット32、処理回路68、プロセッサ70及び/又は無線インタフェース62等を介して、WUS信号を送信すること(ブロックS140)を含みうる。当該WUS信号は、少なくとも決定された回数のWUS反復を含む。
【0084】
いくつかの実施形態では、WUS信号を送信することは、制御チャネルが送信される場合にWUS信号を送信することを更に含む。いくつかの実施形態では、本方法は、WUS信号の送信後に、WUS反復ユニット32、処理回路68、プロセッサ70及び/又は無線インタフェース62等を介して、制御チャネルを送信することを含む。いくつかの実施形態では、選択された送信アンテナ構成は、WUS信号を送信するために使用される、ある数の送信アンテナを含み、WUS信号を送信することは、その数の送信アンテナを使用してWUS信号を送信することを更に含む。いくつかの実施形態では、本方法は更に、WUS反復ユニット32、処理回路68、プロセッサ70及び/又は無線インタフェース62等を介して、選択された送信アンテナ構成に関する情報をWD22へ送信することを含む。
【0085】
いくつかの実施形態では、WD22のアクティビティレベルは、間欠受信(DRX)サイクル長である。いくつかの実施形態では、送信アンテナ構成及びアクティビティレベルに基づいてWUSの反復回数を決定することは更に、WUS反復ユニット32、処理回路68、プロセッサ70及び/又は無線インタフェース62等を介して、WUS反復回数をテーブルから選択することを含む。当該テーブルは、反復回数をDRXサイクル長にマッピングしうる。いくつかの実施形態では、当該テーブルからWUS反復回数が選択され、当該テーブルはWDのカバレッジレベルが拡張されるかどうかに依存する。したがって、WUS反復回数は、WDのカバレッジレベルが拡張されるか(否か)に依存するものとみなされうる。いくつかの実施形態では、WUS反復回数が受信信号品質及び受信信号強度のうちの1つに依存するように、カバレッジレベルは受信信号品質及び受信信号強度のうちの1つとして表される。
【0086】
いくつかの実施形態では、選択された送信アンテナ構成は、WUS信号を送信するために選択された数の送信アンテナを含む。いくつかの実施形態では、選択された送信アンテナの数は、1送信アンテナ及び2送信アンテナのうちの1つである。いくつかの実施形態では、WUS反復回数を決定することは更に、WUS反復ユニット32、処理回路68、プロセッサ70及び/又は無線インタフェース62等を介して、アクティビティレベルが、5.12秒に等しい、5.12秒より大きい、及び5.12秒より小さい、のうちの1つであることに基づいて、WUS反復回数を決定することを含む。いくつかの実施形態では、WD22は、マシンタイプ通信(MTC)WD、及び狭帯域インターネット・オブ・シングス(NB-IoT)WDのうちの1つである。いくつかの実施形態では、WUS反復回数が選択されるテーブルは、送信アンテナ構成に依存する。
【0087】
いくつかの実施形態では、プロセスは、処理回路68を介して、WDアクティビティレベルを決定すること、及び送信アンテナ構成を選択することを含む。本プロセスは更に、WUS反復ユニット32を介して、WDアクティビティレベル及び送信アンテナ構成に基づいて、ウェイクアップ信号(WUS)反復回数を決定することを含む(ブロックS136)。本プロセスは更に、無線インタフェース62を介して、決定されたWUS反復回数に従ってWUSをWDに繰り返し送信することを含む。
【0088】
図10は、本開示のいくつかの実施形態による、無線デバイス22における例示的なプロセスのフローチャートである。WD22によって実行される1つ以上のブロック及び/又は機能及び/又は方法は、WD22の1つ以上のエレメント(処理回路84内のWUS復号ユニット34、プロセッサ86、無線インタフェース82等)によって実行されうる。例示的な方法は、WUS復号ユニット34、処理回路84、プロセッサ86及び/又は無線インタフェース82等を介して、ネットワークノード16の送信アンテナ構成に関する情報を決定すること(ブロックS142)を含む。本方法は、WUS復号ユニット34、処理回路84、プロセッサ86及び/又は無線インタフェース82等を介して、WD22のアクティビティレベルに関する情報を決定すること(ブロックS144)を含む。本方法は、WUS復号ユニット34、処理回路84、プロセッサ86及び/又は無線インタフェース82等を介して、送信アンテナ構成及びアクティビティレベルに基づいて、受信されることが予期されるウェイクアップ信号(WUS)反復の回数を決定すること(ブロックS146)を含む。いくつかの態様において、無線デバイスへ送信される信号は、複数の反復されるウェイクアップ信号を含み、ウェイクアップ信号の数は反復回数である。いくつかの例では、送信信号(及び受信信号)は、規定された回数のウェイクアップ信号の反復(即ち、WUS反復)を含むウェイクアップ信号と呼ばれうる。本方法は、WUS復号ユニット34、処理回路84、プロセッサ86及び/又は無線インタフェース82等を介して、WUS信号を受信すること(ブロックS148)を含み、当該WUS信号は、少なくとも決定された回数のWUS反復を含む。
【0089】
いくつかの実施形態では、本方法は更に、WUS信号が受信されると、WUS復号ユニット34、処理回路84、プロセッサ86及び/又は無線インタフェース82等を介して、制御チャネルを監視することを含む。いくつかの実施形態では、WUS信号を受信することは更に、WUS復号ユニット34、処理回路84、プロセッサ86及び/又は無線インタフェース82等を介して、決定されたWUS反復回数に従ってWUS信号を復号することを含む。いくつかの実施形態では、決定されたWUS反復回数に従ってWUS信号を復号することは更に、WUS復号ユニット34、処理回路84、プロセッサ86及び/又は無線インタフェース82等を介して、決定されたWUS反復回数に等しい回数受信されたWUS送信を合成することを含む。
【0090】
いくつかの実施形態では、アクティビティレベルは、間欠受信(DRX)サイクル長である。いくつかの実施形態では、送信アンテナ構成及びアクティビティレベルに基づいてWUSの反復回数を決定することは更に、WUS復号ユニット34、処理回路84、プロセッサ86及び/又は無線インタフェース82等を介して、テーブルからのWUS反復回数を選択することを含む。当該テーブルは、反復回数をDRXサイクル長にマッピングしうる。いくつかの態様では、WUS反復回数は、WDのカバレッジレベルが拡張されるか(否か)に更に基づいているとみなされうる。いくつかの実施形態では、当該テーブルからWUS反復回数が選択され、当該テーブルはWDのカバレッジレベルが拡張されるかどうかに依存する。いくつかの実施形態では、WUS反復回数が受信信号品質及び受信信号強度のうちの1つ以上に依存するように、カバレッジレベルは受信信号品質及び受信信号強度のうちの1つとして表される。
【0091】
いくつかの実施形態では、ネットワークノード16の送信アンテナ構成に関する情報は、WUS信号を送信するためにネットワークノード16によって使用される、ある数の送信アンテナを含む。いくつかの実施形態では、送信アンテナの数は、1送信アンテナ及び2送信アンテナのうちの1つである。いくつかの実施形態では、WUS反復回数を決定することは更に、WUS復号ユニット34、処理回路84、プロセッサ86及び/又は無線インタフェース82等を介して、アクティビティレベルが、5.12秒に等しい、5.12秒より大きい、及び5.12秒より小さい、のうちの1つであることに基づいて、WUS反復回数を決定することを含む。いくつかの実施形態では、WD22は、マシンタイプ通信(MTC)WD、及び狭帯域インターネット・オブ・シングス(NB-IoT)WDのうちの1つである。いくつかの実施形態では、WUS反復回数が選択されるテーブルは、送信アンテナ構成に依存する。
【0092】
いくつかの実施形態では、プロセスは、無線インタフェース82を介して、ネットワークノード16から送信アンテナ構成に関する情報を受信すること、及びWDのアクティビティレベルを決定することを含む。本プロセスは、送信アンテナ構成及びアクティビティレベルに基づいて、処理回路84を介して、ウェイクアップ信号8WUS)反復回数を決定することも含む(ブロックS142)。本プロセスは更に、WUS復号ユニット34を介して、決定されたWUS反復回数に等しい回数受信されたウェイクアップ信号を合成することによってWUSを復号することを含む。
【0093】
本開示の構成の一般的なプロセスフローを説明し、本開示のプロセス及び機能を実装するためのハードウェア及びソフトウェア構成の例を提供してきたが、以下のセクションは、伝送方式及び無線デバイス(WD)アクティビティレベルに基づいてウェイクアップ信号の反復を適応させるための構成の詳細及び例を提供する。
【0094】
一実施形態は、ウェイクアップ信号(WUS)の検出を試みている無線デバイス(WD)における方法である。WUSは、WD22がDL制御チャネル(例えば、MPDCCH、NPDCCH等のxDPCCH)を復号し続けるべきか又はスリープに戻るべきかを知るために、WD22によって使用される。WUSは、無線ネットワークノード16(例えば、eNBのような基地局)がWDのページングを試みている際に、当該ノードから送信される。図11は、いくつかの実施形態のフローチャートを示す。最初の番号付けされていないボックスに示されているように、図11のプロセスは、WUSがセル内に設定されていると仮定する(ブロックS149)。
【0095】
送信アンテナ構成の決定
第1のステップ(ブロックS150)で、WDは、ネットワークノード16からWUSを受信する/受信しようとする場合に当該ネットワークノードにおいて使用されるWD送信アンテナ構成に関する情報を取得する。例えば、WD22は、マスター情報ブロック(MIB)、システム情報ブロック(SIB)等のシステム情報を介して、ネットワークノード16から情報を受信することによって、セル内で使用されるWD送信アンテナ構成に関する情報を取得しうる。別の例では、WD22は、ブラインド判定によって(例えば、アンテナからの信号(例えば、参照信号)の存在を自律的に検出することによって)、セル内で使用されるWD送信アンテナ構成に関する情報を取得しうる。更に別の例では、WD22は、予め定められた情報(例えば、アンテナ構成とセル内で使用されるキャリア周波数又は帯域との間の関係、又はアンテナ構成とセル内で使用されるセルとの間の関係)によって、セル内で使用されるWD送信アンテナ構成に関する情報を取得しうる。更に別の例では、WD22は、統計又は過去の履歴(例えば、以前の時間にそのセルで使用されたアンテナ構成)に基づいて、セルで使用されたWD送信アンテナ構成に関する情報を取得しうる。
【0096】
1つの例では、ネットワークノード16は、少なくとも2つの異なる送信アンテナ構成、例えば、1つの送信アンテナを含む第1の送信アンテナ構成(TX1)と、2つの送信アンテナを含む第2の送信アンテナ構成(TX2)とをサポートしうる。更に別の例では、第1の送信アンテナ構成は2つの送信アンテナを含み、第2の送信アンテナ構成は4つの送信アンテナを含む。更に別の例では、ネットワークノード16は、3つ以上の送信アンテナ構成(例えば、TX1、TX2、及び第3の送信アンテナ構成(TX3))をサポートしうる。複数のアンテナを含む送信アンテナ構成は、アンテナ切り替え、アンテナ合成等のうちの1つ以上を更に含みうる。例えば、アンテナ切り替えでは、信号がセル内の異なる時間リソースにおいて異なるアンテナで送信される。この場合、WD22は、一度に1つのアンテナからWUS信号を受信する。別の例では、アンテナ合成では信号がセル内の同じ時間リソースにおいて異なるアンテナで送信される。この場合、WD22は、一度に複数のアンテナからWUS信号を受信する。同じ時間リソース内又は異なる時間リソース内の複数のアンテナからの信号は、WUS信号の1回の反復であると仮定されうる。
【0097】
WDアクティビティレベルの決定
第2のステップ(ブロックS152)で、WD22は、WD22のアクティビティレベルを決定する。アクティビティレベルは、より低いWDアクティビティレベルがより少ない同期を意味し、より高いWDアクティビティレベルがより良好な同期を意味するように、ネットワークに関する(例えば、セル1に関する)WD同期の状態のインジケーションである。同期レベルが低い場合、WD22は、同期レベルが高い場合と比較して、同じ信号を受信するためにより多くの試行を必要としうる。一例として、WDアクティビティレベルは、以下の基準のうちの1つ以上に関して表現又は決定されうる:
●WD22のDRX設定;及び/又は
●WD22によって使用されているサービス又はアプリケーションのタイプ。
上記の基準について例を用いて以下に詳述する。
【0098】
DRXサイクル設定
WD22によって取得されるDRX関連情報について上述してきた。使用されるDRX関連情報は、WD22がセルからこの設定を受信してそれを使用しているので、WD22には既知である。WD22は更に、サードパーティノード(IoTタイプのデバイスの場合でありうる)又は任意の他のネットワークデバイスから、この情報を取得しうる。この情報から、WD22は、WD22がどのくらいの頻度で起きるか、どのくらいの時間起きているか、及びそのアクティブ時間を把握する。
【0099】
IoTタイプのデバイスは、典型的には短いデータパケットのまれなバーストを受信又は送信することが予想されるので、WD22には、WD22が長時間スリープし、かつ、そのバッテリ寿命を節約することを可能にするDRX設定が設定されうる。しかしながら、異なるタイプのDRX設定を必要とする異なるタイプのIoT WDが存在しうる。例えば、オフィス環境に配置された1つのWD22は、比較的頻繁に起きるように設定されてもよく、一方、農業現場に配置された別のWD22は、1日の間に時折起きる設定されてもよい。前者のWD22は、2.56秒のDRX長を有する通常のDRXを設定されてもよく、後者のWD22は、40分以上のeDRX長を有するeDRXを設定されてもよい。
【0100】
DRXサイクル長と同様に、アクティビティ時間は、WD22のタイプに応じて異なってもよい。
【0101】
一実施形態では、アクティビティレベルは、DRX又はeDRXサイクル持続時間、PTW持続時間、及び/又はWUSが検出されないWUS試行の回数によって間接的に決定される。上記のすべての場合について、より長い持続時間はより低いアクティビティを意味し、ひいては、より長いWUS検出持続時間の必要性を意味する。
【0102】
DRXサイクルがより長い場合、DRXサイクルがより短い場合と比較して、WDアクティビティは低いと考えられる。また、DRXサイクルがより長い場合、DRXサイクルがより短い場合に比べてWD同期レベルが低くなる。例えば、1280msのDRXサイクルは、DRXサイクルが320msである場合と比較して、より低いWDアクティビティレベルに関連付けられる。
【0103】
サービス又はアプリケーションのタイプ
取得されるサービス又はアプリケーションのタイプに関する情報は、以下のうちの1つ以上を更に含みうる:
●WD22のモビリティ状態に関するWD22タイプであり、例えば、固定WD22であるか、又は移動WD22であるか、そのように半移動(semi-mobile)デバイスであるか、等である。これは、ひいては、WD22によって使用されるサービスのタイプを示しうる。例えば、センサでありうる固定WD22は、非常にまれに、例えば15~30分ごとに1回、データを送信及び/又は受信しうる。この場合、WDアクティビティレベルは低いと考えられうる。しかし、WD22が、あるレベルのモビリティを示す(即ち、頻繁に又は時折移動する)場合、そのアクティビティレベルは、中程度又は高いと考えられる。モビリティ状態は、WD22に知られるべきであり、以下のメカニズム、即ち、セル変更のレート(例えば、単位時間当たりのハンドオーバ数)、測定値の変化に基づいて、又はネットワーク内の他のノード(例えば、測位ノード、コアネットワーク、サードパーティノード等)から受信された情報に基づいて、WD22によって推定されたWD22のドップラー速度等、のうちの1つ以上に基づいて決定されうる。
●WD22が使用されている特定のタイプのサービス又はアプリケーションであり、例えば、温度監視のため、警報監視のための家庭内、アクティビティを検出するための建物内、農場内等である。このタイプの情報は、例えば、以下のうちの1つ以上から取得されうる:
●WD22によって、例えば、コアネットワークノード16、サードパーティノード等によって使用されるアプリケーション又はサービスに関する情報を記憶するネットワークノード16;
●サードパーティノード;
●アプリケーションサーバ;
●サブスクリプション情報又はオペレータデータ;
●加入者識別モジュール(SIM)カード;
●履歴データ又は統計値;及び/又は
●トラフィックアクティビティの推定、例えば、平均WD22ビットレート、平均WD22ビットレートとピークWD22ビットレートとの間の関係等。
【0104】
WD22のモビリティは、それが使用するサービス/アプリケーションのタイプにも依存しうる。例えば、フィールドに配置されたIoT WD22は静止している場合があり、一方、車両に配置されたIoT WD22は移動可能である場合がある。
【0105】
送信アンテナ構成及びWDアクティビティレベルに基づくWUS反復レベルの決定
第3のステップ(ブロックS154)で、WD22は、少なくとも送信アンテナ構成及びWDアクティビティレベルに関する決定された情報に基づいて、十分な検出確率でWUSを受信するために必要とされるWUS反復レベルを決定しうる。WUS信号は、典型的には、例えばセル内の8つのDLサブフレームを介して、連続するDL時間リソースで送信される。決定された数のWUS反復信号により更に、WD22が、WUS検出時間又はWD22内でWUS信号を取得する時間を決定することが可能になる。例えば、FDDセル又はHD-FDDセルでは、8回のWUS反復のためのWUS検出時間は少なくとも8サブフレーム又は8msである。フレーム当たり4つのDLサブフレームを有するTDDセルでは、8回のWUS反復のためのWUS検出時間が、(10番目のサブフレーム(SF)もDL SFであると仮定して)少なくとも20サブフレーム又は20msである。
【0106】
以下では、WD22がWUSの復号に成功するために、即ち、必要なWUS反復回数よりも多い又は少ない回数の反復を使用しない良好な確率で、WUSの反復回数を決定するために、送信アンテナ構成及びWD22アクティビティレベルに関する決定された情報をどのように使用するかについて説明する。当該決定は、WUS反復回数、送信アンテナ構成のタイプ及びWDアクティビティレベルの間の関係に基づきうる。当該関係は、(例えば、予め定義されたマッピングテーブルに関して)予め定められてもよいし、又は(例えば、SIBにおけるようなシステム情報において)WD22にシグナリングされてもよい。
【0107】
WUSの各反復は、時間リソース(例えば、スロット、サブフレーム、TTI、sTTI等)を含みうる。1つの反復グループ内の全ての反復は同じ信号を含む。これにより、WD受信機は、同じグループ内の全ての反復を合成することで復号性能を向上させることができる。
【0108】
一般に、WUSを復号するためにWD22によって必要とされる所要WUS反復回数は、DRXサイクル長の増加と共に増加する。所要WUS反復回数は更に、WUSを送信するために使用される送信アンテナ構成のタイプに依存しうる。
【0109】
例えば、同期が比較的良好である、より短いDRXサイクルの下では、単一アンテナ送信が、良好な検出確率(例えば、WUS信号の≦X%の不検出(missed detection)、例えば、X=WUS信号の1%の不検出率)でWUSを受信するのに十分でありうる。この場合、WD22は、WUSを受信するために多くの回数の反復を必要としなくてもよい。
【0110】
別の例では、同期が粗いより長いDRXサイクルの下では、単一アンテナ送信が、WD22が良好な検出確率でWUSを受信するのに十分でない場合がある。この場合、不検出率(missed detection rate)は、例えば、X=5%又はX=10%に増加しうる。その結果は2要素から成る。第1に、WD22は、ページングを見逃す可能性があり、WD22が短すぎる継続時間の間にページングを監視していた場合、ネットワーク要求に応答しない可能性がある。第2に、WD22がページングを長すぎる時間にわたって監視している場合、WUSで達成できる可能性のある省電力ゲインを達成できない可能性がある。したがって、低い誤警報率及び不検出確率を維持することが望ましい場合がある。ここで、誤警報確率(又は誤警報率)とは、ネットワークノード16からWUSが送信されていない場合に、WD22においてWUSの存在を誤って検出する確率である。誤警報確率を固定することによって計算される不検出確率は、WUSが実際に送信された場合に当該WUSを検出しない確率である。
【0111】
これは以下のいくつかの具体例で詳述される:
【0112】
第1の例では、所要反復回数又は反復レベルは、表1及び表2に示すような予め定められたマッピングテーブルからWD22によって取得されうる。表1及び表2において、反復回数は、DRXサイクル及びアンテナ構成の両方に依存する。この例において、表1及び表2は、それぞれアンテナ構成A及びアンテナ構成Bに基づいている。アンテナ構成Aでは、単一の送信アンテナを使用してWUSがセル内で送信されることが想定されている。アンテナ構成Bでは、2つの送信アンテナを使用してWUSがセル内で送信されることが想定されている。表1及び表2の両方において、WD22のCEレベルは、通常カバレッジレベルである。この例では、マッピングテーブルは、(WDアクティビティレベルの例として)設定されたDRX長、及び送信アンテナ構成に基づいて決定されうる。これらのテーブルは、WD22において、予め定められるか又はネットワークノード16によって設定される。WD22は、送信アンテナ構成とWDアクティビティレベル(例えば、DRXサイクル長)との間の関連付けに基づいて、適切な反復を用いてWUSの復号を行う。
【0113】
【表1】
【0114】
【表2】
【0115】
この例において、表3及び表4も、それぞれアンテナ構成A及びアンテナ構成Bに基づいている。しかし、表3及び4では、WDのCEレベルは拡張カバレッジレベルである。
【0116】
これらの表は、あるDRXサイクル長の間にWUSを受信するための所要反復回数がアンテナ構成に大きく依存することを示している。例えば、表1及び2の結果は、通常カバレッジの下では送信アンテナ構成Aで1%の誤警報率及び99%の検出確率を達成するために32回の反復が必要であり、一方、送信が送信アンテナ構成Bに基づく場合には2回で十分であることを示している。構成Aは、単一送信アンテナベースのWUS送信と呼ばれ、構成Bは、2つの送信アンテナ送信に基づいている。
【0117】
【表3】
【0118】
【表4】
【0119】
この実施形態の第2の態様によれば、WD22は更に、セルに関するWD22のカバレッジ拡張(CE)レベルを決定する。WD22は更に、送信アンテナ構成、WDアクティビティレベル及びWD CEレベルについての決定された情報に基づいて、十分な検出確率でWUSを受信するために必要とされるWUS反復レベルを決定する。異なるWDアクティビティレベルでWUSを送信するためのアンテナ構成の影響は、カバレッジレベルが増加することにつれて更に増加する。WD22が、DRXサイクル長が設定されている間に、ディープ・カバレッジ拡張レベルの下で動作し始めると、同期精度も低下する。これは、十分な確率でWUSを復号するために更に多くの回数の反復を必要とする。例えば、同じ送信アンテナ構成及び同じWDアクティビティレベルに対して、所要WUS反復回数は、より小さいCEレベルの場合と比較して、より大きいCEレベルに対してより大きくなる。本質的に、WD22は、いくつかの実施形態において、決定された送信アンテナ構成、WDアクティビティレベル、及びCEレベルの間の関係に基づいて、反復レベルを選択する。
【0120】
WD実施形態のこの第2の態様は、表1及び表3を含む第2の例を使用して説明される。表1及び表3は、構成A(即ち、単一アンテナ)である同じタイプのアンテナ構成に基づくものである。ただし、表1及び表3は、WD CEレベルの点で相違している。表3は、拡張CEレベルに関連付けられている。比較により、同じアンテナ構成及びWD DRXサイクルに対する通常CEレベルの下でのそれらと比較して、拡張CEレベルの下では所要WUS反復回数より高いことが示される。したがって、WUS反復回数は、WDのカバレッジレベルが拡張されているか又は通常であるかに依存するとみなされうる。
【0121】
WD実施形態のこの第2の態様は、表2及び表4を含む第3の例を使用して更に説明される。表2及び表4は、構成B(即ち、2アンテナ)である同じタイプのアンテナ構成に基づくものである。ただし、表2及び表4は、WD CEレベルの点で相違している。表4は、拡張CEレベルに関連付けられている。比較により、同じアンテナ構成及びWD DRXサイクルに対する通常CEレベルの下でのそれらと比較して、拡張CEレベルの下では所要WUS反復回数より高いことが示される。
【0122】
WUSを送信するために使用されるアンテナ構成に依存して、WD22は、WUSを復号するために異なるアルゴリズムを使用しうる。当該異なるアルゴリズムは、例えば、以下のように特徴付けられうる:
●同じ/異なる時間インスタンス(又は周波数)で送信された複数のアンテナからの信号を受信し、受信された信号にダイバーシチ合成技術を適用する。複数のアンテナから受信して最も強いブランチを選択する。
●例えば、サブフレームごと、1つおきのサブフレームごと等に、複数のアンテナ間で受信を切り替える。
【0123】
異なるWDアクティビティレベルでWUSを送信するためのアンテナ構成の影響は、カバレッジレベルが増加することにつれて更に増加する。WD22が、DRXサイクル長が設定されている間に、ディープ・カバレッジ拡張レベルの下で動作し始めると、同期精度も低下する。これは、十分な確率でWUSを復号するために更に多くの回数の反復を必要とする。表3及び4の結果は、1.28msのDRXサイクル長が設定された場合の拡張カバレッジの下で、WD22が、アンテナ構成Aを使用してWUSを受信するために256回の反復を必要しうる一方、アンテナ構成Bが使用される場合には対応する反復回数は64だけであることを示している。これは大きな相違点である。
【0124】
上記の原理は、任意の数のアンテナ構成、例えば4送信アンテナ、8送信アンテナ、16送信アンテナ等に適用可能である。期待されるゲインは送信アンテナの数と共に増加しうるが、動作シナリオにも基づきうる。例えば、より長いDRXサイクルでのカバレッジ拡張等の困難なシナリオの下では、アンテナ構成Bが、アンテナ構成A等よりも(反復回数の点で)大きなゲインをもたすことができる。
【0125】
(表4に示されるような)所要反復回数と、DRXサイクル長及びアンテナ構成に対するそれらの関係は、本明細書において予め定められうる。それは、予め定められて、WD22にシグナリングされうる。WD22が、これをネットワークしらせてもよいし、又はネットワークノード16が、いずれのテーブルを使用するかを知らせてもよい。
【0126】
取得された情報に基づくWUS信号の検出
最後に(ブロックS156,S158)、WD22は、前のステップで決定されたWUS反復レベルに基づいて、かつ、手順A又は手順Bのいずれの下で動作しているかに基づいて、WUSの復号を試みる。
【0127】
WD22は、復号されたWUS信号の結果を使用して、後続のDL制御チャネル(xPDCCH)を復号する試みを続けるかどうかを決定しうるか、又は、WD22は、非アクティブモードに切り替わりうる(即ち、次のWDアクティブ期間まで受信機チェーンをオフにしうる)。
【0128】
WD22は、WUSの復号に成功した場合、ページングを得るために、他の関連するDLチャネル(例えば、MPDCCH又はNPDCH)の復号を開始しうる。しかし、WD22がWUSの復号に成功できない場合、WD22は、他の関連するDLチャネルの復号を試みることができず、代わりにスリープ状態に移行しうる。
【0129】
ネットワークノードにおける方法
図12を参照して、ネットワークノード16における方法を要約及び説明する。番号付けされていないボックスに示されているように、図12のプロセスは、WUSがセルに対して設定されていると仮定する(ブロックS159)。
【0130】
送信アンテナ構成の決定
第1のステップ(ブロックS160)で、ネットワークノード16は、WUSを送信するためにネットワークノード16において使用されるWD送信アンテナ構成に関する情報を取得/決定する。取得された情報は更に、ネットワークによってサポートされうるが、現在使用されていないアンテナ構成のタイプを含みうる。送信アンテナ構成の決定に関係するステップは、WDについて説明したものと同様である。
【0131】
WDアクティビティレベルの決定
第2のステップ(ブロックS162)で、ネットワークノード16は、WD22のアクティビティレベルを決定する。WDアクティビティレベルの決定に関係するステップは、無線デバイスについて説明したものと同様である。
【0132】
WUS送信パラメータの適応
第3のステップ(ブロックS164)で、ネットワークノード16は、送信アンテナ構成及びWDアクティビティレベルに関する取得された情報に基づいて、WUS送信パラメータを適応させる。適応処理は2要素から成る。第1に、ネットワークノード16は、アンテナ構成及びDRX周期についての取得した情報に基づいて、所要反復回数を決定し、その反復レベルに従ってWUSを送信する。反復レベルの決定に関係するステップは、WD22について説明したものと同様である。
【0133】
第2に、この適応処理は、アンテナ構成及びWDアクティビティレベルに関する取得された情報に基づいて、最初に計画された又は以前に使用されたものに比べて修正された送信アンテナ構成を用いてWUSを送信することも含みうる。例えば、ネットワークノード16は、WDアクティビティレベルが変化した場合に、アンテナ構成Aからアンテナ構成Bに切り替えてもよく、ここで、構成Bは、より高度であり、かつ、複数のアンテナを含むものとする。より具体的な例では、ネットワークノード16は、DRXサイクル長が1.28秒から10.28秒に変化する場合に、1つの送信アンテナの代わりに2つの送信アンテナを使用してWUSの送信を開始しうる。
【0134】
更に、いくつかの実施形態は、以下の特徴のうちの1つ以上を含みうる。
【0135】
(例えばNB-IOT WD)のWUS受信
いくつかの実施形態では、サービングNB-IoTセル内でWUSが設定されていることを条件として、WUS受信に関してWD(例えば、WD22及び/又はUE)に対して以下のうちの1つ以上が必要とされうる及び/又は設定されうる。
【0136】
WDは、NB-IoTサービングセル内で設定される最小反復回数が以下の表(通常カバレッジの場合は表5、拡張カバレッジの場合は表6)に従うことを条件として、サービングNB-IoTセルのWUS信号を受信することが可能でありうる。
【0137】
【表5】
【0138】
【表6】
【0139】
NB-IoTのWUS受信についてのシミュレーション結果
第3世代パートナシッププロジェクト(3GPP)仕様(TS)36.133,V15.3.0のセクション4.6.2.9で定められている現行のリリース15のNB-IoT WUS受信要求条件は、決定されるべき多数の項目(TBD)を含む。本開示では、これらのTBDのうちの1つ以上を解決することを目的として、異なるDRXサイクル長及びカバレッジレベルに対するWUS受信性能についてのシミュレーション結果を提示する。
【0140】
シミュレーションは、例えばR1-1714993における特定の合意されたRAN1シミュレーション仮定に基づいて実行されている。以下の表は、当該仮定のうちの1つ以上を提供する。
【表7】
【0141】
図13乃至図16は、送信ダイバーシチ結果を示すシミュレーション結果を示している。
【0142】
図17乃至図20は、単一アンテナベースのWUS送信に対する結果を示すシミュレーション結果を示している。
【0143】
表8には結果をまとめている。
【0144】
【表8】
【0145】
上記結果に基づけば、以下の見解が得られ、そのうちの1つ以上は、本開示の1つ以上の実施形態に含まれうる、及び/又は本開示の1つ以上の実施形態に影響を与えうる:
●見解#1:通常カバレッジと拡張カバレッジとの間に所要WUS反復回数の大きな差異がある。
●見解#2:2送信アンテナを用いるWUS送信により、特に拡張カバレッジにおいて所要WUS反復回数が大きく低減される。
●提案:RAN4が、1送信アンテナ及び2送信アンテナの両方を前提として、最小WUS受信要求条件を定めること。
【0146】
本開示では、リリース15のfeNB-IoTの最小WUS受信性能のシミュレーション結果を提示する。上記結果に基づけば、以下の見解が得られ、そのうちの1つ以上は、本開示の1つ以上の実施形態に含まれうる、及び/又は本開示の1つ以上の実施形態に影響を与えうる:
●見解#1:通常カバレッジと拡張カバレッジとの間に所要WUS反復回数の大きな差異がある。
●見解#2:2送信アンテナを用いるWUS送信により、特に拡張カバレッジにおいて所要WUS反復回数が大きく低減される。
●提案#1:RAN4が、1送信アンテナ及び2送信アンテナの両方を前提として、最小WUS受信要求条件を定めること。
●提案#2:現在の最小WUS受信要求条件におけるTBDを、上記の表8の数値に置き換えること。
【0147】
いくつかの実施形態は、以下のもののうちの1つ以上を含みうる:
【0148】
実施形態A1.
無線デバイス(WD)と通信するように構成されたネットワークノードであって、前記ネットワークノードは、
WDアクティビティレベルを決定することと、
送信アンテナ構成を選択することと、
前記WDアクティビティレベル及び前記送信アンテナ構成に基づいて、ウェイクアップ信号(WUS)反復回数を決定することと、
前記決定されたWUS反復回数に従って、WUSを繰り返し前記WDへ送信することと、
を行うように構成されている、及び/又は、を行うように構成されている無線インタフェース及び/又は処理回路を備えている、ネットワークノード。
【0149】
実施形態A2.
実施形態A1のネットワークノードであって、前記WDアクティビティレベルは、間欠受信(DRX)サイクル長、及びWDビットレートのうちの少なくとも1つを含む、ネットワークノード。
【0150】
実施形態A3.
実施形態A1及びA2のいずれかのネットワークノードであって、前記WDアクティビティレベルは、ネットワーク同期の状態を示し、より低いアクティビティレベルはより少ない同期を示し、より高いアクティビティレベルはより良好な同期を示す、ネットワークノード。
【0151】
実施形態A4.
実施形態A1乃至A3のいずれかのネットワークノードであって、前記送信アンテナ構成は、前記WUSを送信するために使用される数の送信アンテナを含む、ネットワークノード。
【0152】
実施形態A5.
実施形態A1乃至A4のいずれかのネットワークノードであって、前記送信アンテナ構成に関する情報が前記WDへ送信される、ネットワークノード。
【0153】
実施形態B1.
ネットワークノードにおいて実行される方法であって、前記方法は、
WDアクティビティレベルを決定することと、
送信アンテナ構成を選択することと、
前記WDアクティビティレベル及び前記送信アンテナ構成に基づいて、ウェイクアップ信号(WUS)反復回数を決定することと、
前記決定されたWUS反復回数に従って、WUSを繰り返しWDへ送信することと、
を含む、方法。
【0154】
実施形態B2.
実施形態B1の方法であって、前記WDアクティビティレベルは、間欠受信(DRX)サイクル長、及びWDビットレートのうちの少なくとも1つを含む、方法。
【0155】
実施形態B3.
実施形態B1及びB2のいずれかの方法であって、前記WDアクティビティレベルは、ネットワーク同期の状態を示し、より低いアクティビティレベルはより低い同期を示し、より高いアクティビティレベルはより高い同期を示す、方法。
【0156】
実施形態B4.
実施形態B1乃至B3のいずれかの方法であって、前記送信アンテナ構成は、前記WUSを送信するために使用される数の送信アンテナを含む、方法。
【0157】
実施形態B5.
実施形態B1乃至B4のいずれかの方法であって、前記送信アンテナ構成に関する情報が前記WDへ送信される、方法。
【0158】
実施形態C1.
ネットワークノードと通信するように構成された無線デバイス(WD)であって、前記WDは、
前記ネットワークノードから送信アンテナ構成に関する情報を受信することと、
前記WDのアクティビティレベルを決定することと、
前記送信アンテナ構成及び前記アクティビティレベルに基づいて、ウェイクアップ信号(WUS)反復回数を決定することと、
前記決定されたWUS反復回数に等しい回数受信されたWUS送信を合成することによってWUSを復号することと、
を行うように構成されている、及び/又は、を行うように構成されている無線インタフェース及び/又は処理回路を備えている、WD。
【0159】
実施形態C2.
実施形態C1のWDであって、前記アクティビティレベルは、間欠受信(DRX)サイクル長であり、及び前記WUS反復回数は、反復率対DRXサイクル長のテーブルから選択され、当該テーブルから、前記WUS反復回数が前記送信アンテナ構成に応じて選択される、WD。
【0160】
実施形態C3.
実施形態C2のWDであって、前記WUS反復回数が選択される前記テーブルは、前記WDのカバレッジレベルが拡張されるかどうかに更に依存し、前記WUSを復号するための所要WUS反復回数は、カバレッジレベルとともに増加する、WD。
【0161】
実施形態C4.
実施形態C3のWDであって、前記WUS反復回数が受信信号品質及び受信信号強度のうちの1つに依存するように、前記カバレッジレベルは前記受信信号品質及び前記受信信号強度のうちの1つとして表される、WD。
【0162】
実施形態C5.
実施形態C1乃至C4のいずれかのWDであって、前記WUSを復号するために使用されるアルゴリズムは、前記受信されたウェイクアップ信号にダイバーシチ合成技術を適用することと、複数のアンテナ間で受信を切り替えることとのうちの1つによって特徴付けられる、WD。
【0163】
実施形態D1.
無線デバイス(WD)において実行される方法であって、前記方法は、
前記ネットワークノードから送信アンテナ構成に関する情報を受信することと、
前記WDのアクティビティレベルを決定することと、
前記送信アンテナ構成及び前記アクティビティレベルに基づいて、ウェイクアップ信号(WUS)反復回数を決定することと、
前記決定されたWUS反復回数に等しい回数受信されたWUS送信を合成することによってWUSを復号することと、
を含む、方法。
【0164】
実施形態D2.
実施形態D1の方法であって、前記アクティビティレベルは、間欠受信(DRX)サイクル長であり、及び前記WUS反復回数は、反復率対DRXサイクル長のテーブルから選択され、当該テーブルから、前記WUS反復回数が前記送信アンテナ構成に応じて選択される、方法。
【0165】
実施形態D3.
実施形態D2の方法であって、前記WUS反復回数が選択される前記テーブルは、前記WDのカバレッジレベルが拡張されるかどうかに更に依存し、前記WUSを復号するための所要WUS反復回数は、カバレッジレベルとともに増加する、方法。
【0166】
実施形態D4.
実施形態D3の方法であって、前記WUS反復回数が受信信号品質及び受信信号強度のうちの1つに依存するように、前記カバレッジレベルは前記受信信号品質及び前記受信信号強度のうちの1つとして表される、方法。
【0167】
実施形態D5.
実施形態D1乃至D4のいずれかの方法であって、前記WUSを復号するために使用されるアルゴリズムは、前記受信されたウェイクアップ信号にダイバーシチ合成技術を適用することと、複数のアンテナ間で受信を切り替えることとのうちの1つによって特徴付けられる、方法。
【0168】
当業者によって理解されるように、本明細書に記載の概念は、方法、データ処理システム、コンピュータプログラムプロダクト、及び/又は、実行可能なコンピュータプログラムを格納したコンピュータ記憶媒体として実施されうる。したがって、本明細書に記載の概念は、完全にハードウェアの実施形態、完全にソフトウェアの実施形態、又は本明細書で一般的に「回路」若しくは「モジュール」と称されるあらゆるソフトウェア及びハードウェアの態様を組み合わせた実施形態の形式を取りうる。本明細書に記載の任意のプロセス、ステップ、アクション及び/又は機能は、ソフトウェア及び/又はファームウェア及び/又はハードウェアで実装されうる対応するモジュールによって実行されうる、及び/又は関連付けられうる。更に、本開示は、コンピュータによって実行可能な、媒体内に具現化されたコンピュータプログラムコードを有する、有形のコンピュータ使用可能記憶媒体上のコンピュータプログラムプログラムの形式を取りうる。ハードディスク、CD-ROM、電子記憶デバイス、光記憶デバイス、又は磁気記憶デバイスを含む、任意の適切な有形のコンピュータ読取可能媒体が利用されうる。
【0169】
いくつかの実施形態は、本明細書において、方法、システム、及びコンピュータプログラムプロダクトのフローチャート図及び/又はブロック図を参照して説明されている。フローチャート図及び/又はブロック図の各ブロック、並びにフローチャート図及び/又はブロック図のブロックの組み合わせは、コンピュータプログラム命令によって実装できることを理解されたい。これらのコンピュータプログラム命令は、マシンを生成するために、汎用コンピュータ(それによって、専用コンピュータを作成するために)、専用コンピュータ、又は他のプログラマブル・データ処理装置のプロセッサに提供されてもよく、その結果、コンピュータ又は他のプログラマブル・データ処理装置のプロセッサを介して実行される命令が、フローチャート及び/又はブロック図の1つ以上のブロックで特定された機能/アクションを実装するための手段を作り出す。
【0170】
これらのコンピュータプログラム命令は更に、コンピュータ又は他のプログラマブル・データ処理装置に特定の方法で機能するように指示できる、コンピュータ読取可能メモリ又は記憶媒体に格納されてもよく、その結果、コンピュータ読取可能メモリに格納された命令は、フローチャート及び/又はブロック図の1つ以上のブロックで特定された機能/アクションを実装する命令手段を含む製品を生み出す。
【0171】
コンピュータプログラム命令は更に、コンピュータ実装プロセスを生成するために、コンピュータ又は他のプログラマブル・データ処理装置にロードされて、当該コンピュータ又は他のプログラマブル・データ処理装置上で、一連の動作ステップを実行させてもよく、その結果、当該コンピュータ又は他のプログラマブル・データ処理装置上で実行される当該命令は、フローチャート及び/又はブロック図の1つ以上のブロックで特定された機能/アクションを実装するためのステップを提供する。
【0172】
ブロックに記載された機能/動作は、動作図に記載された順序とは異なる順序で行われてもよいことを理解されたい。例えば、連続して示される2つのブロックは、実際には実質的に同時に実行されてもよく、又は、ブロックに含まれる機能/動作に応じて、場合によっては逆の順序で実行されてもよい。図のいくつかは通信の主方向を示すために通信経路上に矢印を含むが、通信は描かれた矢印と反対の方向に生じることがあることが理解されるべきである。
【0173】
本明細書に記載の概念の動作を実行するためのコンピュータプログラムコードは、Java(登録商標)又はC++等のオブジェクト指向プログラミング言語で記述されてもよい。しかし、本開示の動作を実行するためのコンピュータプログラムコードは、「C」プログラミング言語等の従来の手続き型プログラミング言語で記述されてもよい。プログラムコードは、ユーザのコンピュータ上で全体が実行されてもよく、ユーザのコンピュータ上で一部が実行されてもよく、スタンドアロン・ソフトウェアパッケージとして実行されてもよく、ユーザのコンピュータ上で一部が実行され、かつ、リモートコンピュータ上で一部が実行されてもよく、又は、リモートコンピュータ上で全体が実行されてもよい。後者のシナリオでは、リモートコンピュータは、ローカルエリアネットワーク(LAN)又はワイドエリアネットワーク(WAN)を介してユーザのコンピュータに接続されてもよく、又は、(例えば、インターネットサービスプロバイダを用いてインターネットを介して)外部コンピュータに接続されてもよい。
【0174】
多くの種々の実施形態が、上記の説明及び図面に関連して本明細書に開示されている。これらの実施形態のあらゆる組み合わせ及びサブコンビネーションを文字通りに説明及び例示することは、過度な繰り返し及び難読化になることが理解されよう。したがって、全ての実施形態は、任意の方法及び/又は組み合わせで組み合わされることができ、図面を含む本明細書は、本明細書に記載の実施形態の全ての組み合わせ及びサブコンビネーションの、並びにそれらを作成及び使用する方法及びプロセスの、完全な書面による説明を構成すると解釈されるべきであり、そのような任意の組み合わせ又はサブコンビネーションに対する請求項群をサポートすべきである。
【0175】
当業者であれば、本明細書に記載の実施形態が、本明細書において具体的に示され、上記で記載されたものに限定されないことを理解しよう。加えて、上記に反対の言及がなされていない限り、添付の図面の全てが縮尺どおりではないことに留意すべきである。上記の教示に照らして、以下の請求項群の範囲を逸脱することなく、様々な修正及び変形が可能である。
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