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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-18
(45)【発行日】2023-05-26
(54)【発明の名称】ビールテイスト飲料
(51)【国際特許分類】
   A23L 2/44 20060101AFI20230519BHJP
   A23L 2/52 20060101ALI20230519BHJP
   A23L 2/00 20060101ALI20230519BHJP
   A23L 2/38 20210101ALI20230519BHJP
   A23L 2/54 20060101ALI20230519BHJP
   C12C 5/02 20060101ALN20230519BHJP
   C12C 11/11 20190101ALN20230519BHJP
【FI】
A23L2/44
A23L2/52
A23L2/00 B
A23L2/38 J
A23L2/00 T
A23L2/54
A23L2/00 P
C12C5/02
C12C11/11
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2022533862
(86)(22)【出願日】2021-06-18
(86)【国際出願番号】 JP2021023187
(87)【国際公開番号】W WO2022004430
(87)【国際公開日】2022-01-06
【審査請求日】2022-11-30
(31)【優先権主張番号】P 2020114961
(32)【優先日】2020-07-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2020114966
(32)【優先日】2020-07-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】309007911
【氏名又は名称】サントリーホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100114409
【弁理士】
【氏名又は名称】古橋 伸茂
(74)【代理人】
【識別番号】100158481
【弁理士】
【氏名又は名称】石原 俊秀
(72)【発明者】
【氏名】加藤 悠一
【審査官】村松 宏紀
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第03936269(US,A)
【文献】中国特許出願公開第104711159(CN,A)
【文献】特開昭48-018495(JP,A)
【文献】国際公開第2018/143038(WO,A1)
【文献】DEZELAK, M. et al.,Processing of bottom-fermented gluten-free beer-like beverages based on buckwheat and quinoa malt wi,J. Inst. Brew.,2014年,Vol. 120, No. 4,pp. 360-370,DOI: 10.1002/jib.166
【文献】吉田重厚,第1章 ビールの一般成分,日本釀造協會雜誌,1976年,Vol. 71, No. 7,pp. 505-510,https://doi.org/10.6013/jbrewsocjapan1915.71.505
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12C、A23L
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
メタノール濃度が8.0~600mg/L、全窒素量が0.3mg/100mL以上、及びアパラントエキス濃度が0.25~3.8質量%であり、アルコール度数が1(v/v)%未満のノンアルコールビールテイスト飲料である、ビールテイスト飲料。
【請求項2】
メタノール濃度が8.0~600mg/L、全窒素量が0.3mg/100mL以上、及びアパラントエキス濃度が0.26~2.8質量%であって、非発酵ノンアルコールビールテイスト飲料である、請求項1に記載のビールテイスト飲料。
【請求項3】
全窒素量(単位:mg/100mL)とアパラントエキス濃度(単位:質量%)との比〔全窒素量/アパラントエキス濃度〕が、0.15~150である、請求項2に記載のビールテイスト飲料。
【請求項4】
さらに安息香酸、安息香酸塩、及び安息香酸エステルから選ばれる保存料を配合してなる、請求項1~のいずれか一項に記載のビールテイスト飲料。
【請求項5】
苦味価が5~50BUsである、請求項1~のいずれか一項に記載のビールテイスト飲料。
【請求項6】
炭酸ガス濃度が、0.460質量%以上である、請求項1~のいずれか一項に記載のビールテイスト飲料。
【請求項7】
容器詰め飲料である、請求項1~のいずれか一項に記載のビールテイスト飲料。
【請求項8】
二炭酸ジメチルを配合してなり、全窒素量が0.3mg/100mL以上、及びアパラントエキス濃度が0.25~3.8質量%であり、アルコール度数が1(v/v)%未満のノンアルコールビールテイスト飲料である、ビールテイスト飲料。
【請求項9】
二炭酸ジメチルを配合してなり、全窒素量が0.3mg/100mL以上、及びアパラントエキス濃度が0.26~2.8質量%であって、非発酵ノンアルコールビールテイスト飲料である、請求項に記載のビールテイスト飲料。
【請求項10】
請求項1~のいずれか一項に記載のビールテイスト飲料を製造する方法であって、二炭酸ジメチルを添加する工程を有する、ビールテイスト飲料の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビールテイスト飲料に関する。
【背景技術】
【0002】
水及び麦芽を原料の一部として使用した製造されたビールテイスト飲料について、様々な開発が行われている。
例えば、特許文献1には、後に残る渋味が非常に少なく、後キレのよい非発酵ビールテイスト飲料の提供を目的として、ポリフェノールの総含有量が100ppm以上であり、シクロデキストリン及びソーマチンから選択されるマスキング素材を含有する非発酵ノンアルコールビールテイスト飲料が開示されている。
また、特許文献2には、カフェインレスのコーヒー原料を用いながら、雑味が抑制され、かつキレが良好であると共に、コーヒーらしさを有する発酵ビールテイスト飲料の製造方法に関する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-221019号公報
【文献】特開2019-208417号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような状況下、よりビールテイスト飲料らしい新規なビールテイスト飲料が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、例えば、メタノール濃度が8.0~600mg/Lであり、全窒素量及びアパラントエキス濃度を所定の範囲に調整した非発酵ノンアルコールビールテイスト飲料を提供する。すなわち、本発明には、以下の態様の発明が含まれる。
【0006】
[1]
メタノール濃度が8.0~600mg/L、全窒素量が0.3mg/100mL以上、及びアパラントエキス濃度が0.25~3.8質量%である、ビールテイスト飲料。
[2]
メタノール濃度が8.0~600mg/L、全窒素量が0.3mg/100mL以上、及びアパラントエキス濃度が0.26~2.8質量%であって、非発酵ノンアルコールビールテイスト飲料である、上記[1]に記載のビールテイスト飲料。
[3]
全窒素量(単位:mg/100mL)とアパラントエキス濃度(単位:質量%)との比〔全窒素量/アパラントエキス濃度〕が、0.15~150である、上記[3]に記載のビールテイスト飲料。
[4]
メタノール濃度が8.0~600mg/L、全窒素量が2.0mg/100mL以上、及びアパラントエキス濃度が0.25~3.8質量%であって、発酵ビールテイスト飲料である、上記[1]に記載のビールテイスト飲料。
[5]
全窒素量(単位:mg/100mL)とアパラントエキス濃度(単位:質量%)との比〔全窒素量/アパラントエキス濃度〕が、1.0~700である、上記[4]に記載のビールテイスト飲料。
[6]
さらに安息香酸、安息香酸塩、及び安息香酸エステルから選ばれる保存料を配合してなる、上記[1]~[5]のいずれか一項に記載のビールテイスト飲料。
[7]
苦味価が5~50BUsである、上記[1]~[6]のいずれか一項に記載のビールテイスト飲料。
[8]
炭酸ガス濃度が、0.460質量%以上である、上記[1]~[7]のいずれか一項に記載のビールテイスト飲料。
[9]
容器詰め飲料である、請求項1~8のいずれか一項に記載のビールテイスト飲料。
[10]
二炭酸ジメチルを配合してなり、全窒素量が0.3mg/100mL以上、及びアパラントエキス濃度が0.25~3.8質量%である、ビールテイスト飲料。
[11]
二炭酸ジメチルを配合してなり、全窒素量が0.3mg/100mL以上、及びアパラントエキス濃度が0.26~2.8質量%であって、非発酵ノンアルコールビールテイスト飲料である、上記[10]に記載のビールテイスト飲料。
[12]
二炭酸ジメチルを配合してなり、全窒素量が2.0mg/100mL以上、及びアパラントエキス濃度が0.25~3.8質量%であって、発酵ビールテイスト飲料である、請求項10に記載のビールテイスト飲料。
[13]
メタノール濃度が8.0~600mg/Lである、ビールテイスト飲料。
[14]
メタノール濃度が8.0~600mg/Lであって、非発酵ノンアルコールビールテイスト飲料又は発酵ビールテイスト飲料である、ビールテイスト飲料。
[15]
上記[1]~[14]のいずれか一項に記載のビールテイスト飲料を製造する方法であって、二炭酸ジメチルを添加する工程を有する、ビールテイスト飲料の製造方法。
【発明の効果】
【0007】
本発明の好適な一態様のビールテイスト飲料は、よりビールテイスト飲料らしく、例えば、ビールテイスト飲料らしい良好な飲みごたえを有すると共に、ビールテイスト飲料には不適な甘い香り及び舌に残る甘い味が抑制された飲料である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
1.ビールテイスト飲料
本明細書において、「ビールテイスト飲料」とは、ビール様の風味をもつアルコール含有又はノンアルコールの炭酸飲料をいう。そのため、「ビールテイスト飲料」には、麦芽及び水、並びに、必要に応じてホップ等を原料として、これらを、酵母を用いて発酵させて得られる麦芽発酵飲料であるビールだけでなく、ビール風味を有する炭酸飲料をも包含する。つまり、本明細書において、「ビールテイスト飲料」は、特に断りが無い限り、エステルや高級アルコール(例えば、酢酸イソアミル、酢酸エチル、n-プロパノール、イソブタノール、アセトアルデヒド、カプロン酸エチル、リナロール、4-ビニルグアイアコール等)を含むビール香料が添加され、ビール風味を有するいずれの炭酸飲料をも包含する。
また、ビールテイスト飲料は、酵母を用いて発酵工程を経た発酵ビールテイスト飲料であってもよく、発酵工程を経ない非発酵ビールテイスト飲料であってもよい。
さらに、ビールテイスト飲料は、アルコール度数が1(v/v)%以上のアルコール含有ビールテイスト飲料であってもよく、アルコール度数が1(v/v)%未満のノンアルコールビールテイスト飲料であってもよい。
なお、アルコール含有ビールテイスト飲料は、酵母を用いて発酵工程を経た、アルコール含有発酵ビールテイスト飲料であってもよく、発酵工程を経ないアルコール含有非発酵ビールテイスト飲料であってもよい。
ノンアルコールビールテイスト飲料は、発酵工程を経た後、当該発酵工程で生じたアルコールを除去して製造されたノンアルコール発酵ビールテイスト飲料であってもよく、酵母を用いた発酵工程を、アルコール度数が1(v/v)%未満の段階で停止して製造された飲料であってもよく、発酵工程を経ずにビール様の風味をもつように調製したノンアルコール非発酵ビールテイスト飲料であってもよい。
加えて、ビールテイスト飲料は、原料として麦芽を用いた麦芽使用ビールテイスト飲料であってもよく、麦芽を用いない麦芽不使用ビールテイスト飲料であってもよいが、麦芽使用ビールテイスト飲料が好ましく、大麦麦芽使用ビールテイスト飲料がより好ましい。
他に、ビールテイスト飲料は、上面発酵酵母を用いた発酵工程を経て醸造されたエールビールテイスト飲料であってもよく、下面発酵酵母を用いた発酵工程を経て醸造されたラガービールテイスト飲料であってもよい。
そして、ビールテイスト飲料は、スピリッツ、ウイスキー、焼酎などの蒸留酒を含有する、蒸留酒含有ビールテイスト飲料であってもよい。
本発明の具体的な態様の飲料としては、発酵ビールテイスト飲料であってもよく、アルコール含有発酵ビールテイスト飲料であってもよく、麦芽使用発酵ビールテイスト飲料であってもよい。
【0009】
ところで、ビールテイスト飲料において、メタノールに起因したビールテイスト飲料には不適な甘い香りや不適な舌に残る甘い味が問題となる場合がある。例えば、ノンアルコールビールテイスト飲料においては、その不適な甘い香りや不適な舌に残る甘い味が強く感じやすい傾向にある。また、発酵ビールテイスト飲料においても、発酵過程で生じた香気成分等との相性が合わず、メタノールに起因した不適な甘い香りや不適な舌に残る甘い味がより強く感じやすくなる場合がある。
【0010】
飲料中のメタノールは、果実の果汁等に多く含まれており、原材料として果実を用いた場合にはメタノール濃度が高い飲料となり易い。
また、近年では、飲料中に殺菌作用を有する二炭酸ジメチルを配合することも検討されている。二炭酸ジメチルは、添加後に飲料中でアルコールデヒドロゲナーゼ及びグリセルアセデヒド-3-リン酸デヒドロゲナーゼのイミダゾールを含むヒスチジン基をメトキシカルボキシル化し、酵素反応を阻害することにより、殺菌作用を示す。そして、飲料中に添加した二炭酸ジメチルは、加水分解によって、数時間で二酸化炭素とメタノールに分解される。そのため、二炭酸ジメチルを配合してなる飲料においても、加水分解によりメタノールが生じ、当該メタノールに起因したビールテイスト飲料には不適な甘い香りや不適な舌に残る甘い味が問題となる。
【0011】
このような飲料中のメタノールに起因した問題に対して、本発明のビールテイスト飲料では、メタノール濃度が8.0~600mg/Lの飲料に対して、もしくは、二炭酸ジメチルを配合してなる飲料に対して、全窒素量を0.3mg/100mL以上とし、アパラントエキス濃度を0.25~3.8質量%となるように調整している。このような調整をすることで、ビールテイスト飲料らしい良好な飲みごたえを有すると共に、ビールテイスト飲料には不適な甘い香り及び舌に残る甘い味が抑制された飲料とすることができる。
【0012】
本発明の一態様のビールテイスト飲料は、非発酵ノンアルコールビールテイスト飲料としてもよい。
本明細書において、「ノンアルコールビールテイスト飲料」とは、平成30年4月1日が施行日の酒税法および酒類行政関係法令等解釈通達で定義された「酒類」には属さない、ビール様の風味を有する炭酸飲料を意味する。そして、「非発酵ノンアルコールビールテイスト飲料」とは、上記のノンアルコールビールテイスト飲料を、酵母を用いた発酵工程を経ずに製造した飲料を意味する。
本発明の非発酵ノンアルコールビールテイスト飲料のアルコール度数としては、1(v/v)%未満であればよいが、0.5(v/v)%未満、0.1(v/v)%未満、0.01(v/v)%未満、又は0.005(v/v)%未満としてもよい。
なお、本明細書において、アルコール度数は、体積/体積基準の百分率(v/v%)で示されるものとする。また、飲料のアルコール含有量は、公知のいずれの方法によっても測定することができるが、例えば、振動式密度計によって測定することができる。
【0013】
なお、本発明の一態様のビールテイスト飲料が、非発酵ノンアルコールビールテイスト飲料である場合、メタノール濃度が8.0~600mg/L、全窒素量が0.3mg/100mL以上、及びアパラントエキス濃度が0.26~2.8質量%である非発酵ノンアルコールビールテイスト飲料、もしくは、二炭酸ジメチルを配合してなり、全窒素量が0.3mg/100mL以上、及びアパラントエキス濃度が0.26~2.8質量%である非発酵ノンアルコールビールテイスト飲料であることが好ましい。
【0014】
また、本発明の一態様のビールテイスト飲料は、発酵ビールテイスト飲料としてもよい。
本明細書において、「発酵ビールテイスト飲料」とは、発酵工程を経て得られた、ビールの風味を呈する飲料であれば特に限定されない。発酵ビールテイスト飲料の種類としては、例えば、発酵工程を経て得られた、アルコール度数が1(v/v)%以上のアルコール含有発酵ビールテイスト飲料や、発酵工程で生じたアルコール分を除去してアルコール度数を1(v/v)%未満に調整したノンアルコール発酵ビールテイスト飲料等も含まれる。
発酵ビールテイスト飲料は、原料として麦芽を用いた麦芽使用発酵ビールテイスト飲料であってもよく、麦芽を用いない麦芽不使用発酵ビールテイスト飲料であってもよいが、麦芽使用発酵ビールテイスト飲料が好ましく、大麦麦芽使用発酵ビールテイスト飲料がより好ましい。
また、本発明の発酵ビールテイスト飲料は、スピリッツ、ウイスキー、焼酎などの蒸留酒を含有する、蒸留酒含有発酵ビールテイスト飲料であってもよく、その中でも、スピリッツ含有発酵ビールテイスト飲料が好ましい。
【0015】
本発明の一態様のビールテイスト飲料が、アルコール含有発酵ビールテイスト飲料である場合、当該アルコール含有発酵ビールテイスト飲料のアルコール度数としては、1(v/v)%以上であればよいが、爽快な刺激を感じることができる飲料とする観点から、3.0(v/v)%以上、3.5(v/v)%以上、4.0(v/v)%以上、4.5(v/v)%以上、5.0(v/v)%以上、又は5.5(v/v)%以上としてもよく、また、飲みやすいビールテイスト飲料とする観点から、20.0(v/v)%以下、15.0(v/v)%以下、12.0(v/v)%以下、又は10.0(v/v)%以下としてもよい。
また、本発明の一態様のビールテイスト飲料が、ノンアルコール発酵ビールテイスト飲料である場合、当該ノンアルコール発酵ビールテイスト飲料のアルコール度数としては、1(v/v)%未満であればよいが、0.5(v/v)%未満、0.1(v/v)%未満、0.01(v/v)%未満、又は0.005(v/v)%未満としてもよい。
【0016】
なお、本発明の一態様のビールテイスト飲料が、発酵ビールテイスト飲料である場合、メタノール濃度が8.0~600mg/L、全窒素量が2.0mg/100mL以上、及びアパラントエキス濃度が0.25~3.8質量%である発酵ビールテイスト飲料、もしくは、二炭酸ジメチルを配合してなり、全窒素量が2.0mg/100mL以上、及びアパラントエキス濃度が0.25~3.8質量%である発酵ビールテイスト飲料であることが好ましい。
【0017】
本発明のビールテイスト飲料(非発酵ノンアルコールビールテイスト飲料及び発酵ビールテイスト飲料である場合を含む)において、メタノール濃度は、8.0mg/L以上であるが、9.5mg/L以上、10mg/L以上、15mg/L以上、20mg/L以上、25mg/L以上、30mg/L以上、35mg/L以上、40mg/L以上、45mg/L以上、50mg/L以上、55mg/L以上、60mg/L以上、65mg/L以上、70mg/L以上、75mg/L以上、80mg/L以上、85mg/L以上、又は、90mg/L以上としてもよい。
また、前記メタノール濃度は、600mg/L以下、590mg/L以下、580mg/L以下、570mg/L以下、560mg/L以下、550mg/L以下、540mg/L以下、530mg/L以下、520mg/L以下、510mg/L以下、500mg/L以下、又は、490mg/L以下としてもよい。
【0018】
本明細書において、メタノール濃度は、ガスクロマトグラフィーによって測定することができる。
なお、上記のメタノール濃度は、飲料1L当たりに含まれるメタノール質量(mg)である。当該メタノール質量には、果汁を配合した場合には当該果汁に由来するメタノールや、二炭酸ジメチルを配合した場合には当該二炭酸ジメチルが加水分解して生じたメタノール等の質量も含まれる。
【0019】
本発明のビールテイスト飲料は、全窒素量を0.3mg/100mL以上とすることで、一定量のメタノール濃度を有する飲料に対して、ビールテイスト飲料らしい良好な飲みごたえを付与している。
上記観点から、本発明の一態様のビールテイスト飲料(非発酵ノンアルコールビールテイスト飲料及び発酵ビールテイスト飲料である場合を含む)において、全窒素量は、0.3mg/100mL以上であるが、好ましくは0.4mg/100mL以上、より好ましくは0.7mg/100mL以上、より好ましくは0.9mg/100mL以上、より好ましくは1.5mg/100mL以上、更に好ましくは2.0mg/100mL以上、更に好ましくは3.0mg/100mL以上、更に好ましくは4.0mg/100mL以上、より更に好ましくは4.5mg/100mL以上、より更に好ましくは5.0mg/100mL以上、より更に好ましくは6.0mg/100mL以上、特に好ましくは8.0mg/100mL以上である。
また、本発明の一態様のビールテイスト飲料が発酵ビールテイスト飲料の場合、発酵ビールテイスト飲料の全窒素量は、2.0mg/100mL以上、3.0mg/100mL以上、4.0mg/100mL以上、4.5mg/100mL以上、5.0mg/100mL以上、6.0mg/100mL以上、8.0mg/100mL以上、10mg/100mL以上、20mg/100mL以上、30mg/100mL以上、又は、40mg/100mL以上とすることがより好ましい。
また、本発明の一態様のビールテイスト飲料(非発酵ノンアルコールビールテイスト飲料及び発酵ビールテイスト飲料である場合を含む)において、全窒素量は、例えば、350mg/100mL以下、300mg/100mL以下、250mg/100mL以下、220mg/100mL以下、200mg/100mL以下、190mg/100mL以下、180mg/100mL以下、175mg/100mL以下、150mg/100mL以下、125mg/100mL以下、100mg/100mL以下、75mg/100mL以下、又は、60mg/100mL以下としてもよい。
【0020】
本発明において、「全窒素量」とは、タンパク質、アミノ酸等の全ての窒素化合物の総量である。
本発明の一態様のビールテイスト飲料の全窒素量は、比較的窒素含有量が多い原材料の使用量を調整することによって制御できる。具体的には、窒素含有量の多い麦芽等の使用量を増やすことにより全窒素量を増加させることができる。窒素含有量の多い原料としては、例えば、麦芽、大豆、酵母エキス、エンドウ、未発芽の穀物などが挙げられる。また未発芽の穀物としては、例えば、未発芽の大麦、小麦、ライ麦、カラス麦、オート麦、ハト麦、エン麦、大豆、エンドウ等が挙げられる。
また、原材料に関する事項以外に、全窒素量は、酵素の種類、酵素(タンパク分解酵素も含む)の添加量、酵素の添加のタイミング、仕込槽でのタンパク分解時間、仕込槽でのpH、麦汁を調製する際の各温度領域の設定温度及び保持時間、煮沸工程での煮沸時間及びpH、発酵前液のオリジナルエキス濃度、発酵工程でのオリジナルエキス濃度、発酵条件(酵母品種、酵母の添加量、酵母増殖数、酵母の除去タイミング、発酵温度、発酵時間、圧力設定等)等を適宜設定することでも、調整することができる。
また、本明細書において、ビールテイスト飲料の全窒素量は、例えば、改訂BCOJビール分析法(公益財団法人日本醸造協会発行、ビール酒造組合国際技術委員会〔分析委員会〕編集2013年増補改訂)に記載されている方法によって測定することができる。
【0021】
全窒素量を上述の範囲に調整したビールテイスト飲料とする観点から、本発明の一態様のビールテイスト飲料は、原材料として麦芽を用いた飲料であることが好ましい。
上記観点から、本発明の一態様のビールテイスト飲料において、麦芽比率は、水とホップを除く原材料の全量(100質量%)基準で、1質量%以上、5質量%以上、10質量%以上、15質量%以上、20質量%以上、25質量%以上、30質量%以上、35質量%以上、40質量%以上、45質量%以上、50質量%以上、55質量%以上、又は60質量%以上としてもよく、また、100質量%以下、95質量%以下、90質量%以下、85質量%以下、80質量%以下、75質量%以下、70質量%以下、65質量%以下、60質量%以下、55質量%以下、又は50質量%以下としてもよい。
本明細書において、麦芽比率は、平成30年4月1日が施行日の酒税法および酒類行政関係法令等解釈通達に従って計算することができる。
【0022】
また、本発明のビールテイスト飲料は、アパラントエキス濃度を0.25~3.8質量%としている。このようにアパラントエキス濃度を調整することで、一定量のメタノール濃度を有する飲料において生じるメタノールに起因したビールテイスト飲料には不適な甘い香りや舌に残る甘い味を抑制した飲料とすることができる。
上記観点から、本発明の一態様のビールテイスト飲料(非発酵ノンアルコールビールテイスト飲料及び発酵ビールテイスト飲料である場合を含む)において、アパラントエキス濃度は、0.25質量%以上であるが、好ましくは0.26質量%以上、より好ましくは0.28質量%以上、更に好ましくは0.30質量%以上であり、0.35質量%以上、0.40質量%以上、0.50質量%以上、又は、0.60質量%以上としてもよい。
また、当該アパラントエキス濃度は、3.8質量%以下であるが、好ましくは3.7質量%以下、より好ましくは3.5質量%以下であり、さらに、3.2質量%以下、3.0質量%以下、2.8質量%以下、2.7質量%以下、2.6質量%以下、2.5質量%以下、2.4質量%以下、2.3質量%以下、2.2質量%以下、2.0質量%以下、1.8質量%以下、1.7質量%以下、1.5質量%以下、1.3質量%以下、1.2質量%以下、1.1質量%以下、又は、1.0質量%以下としてもよい。
【0023】
なお、本発明の一態様のビールテイスト飲料のアパラントエキス濃度は、例えば、原材料の種類や配合量、水の配合量、糖化条件、原料を糖化させる際の酵素の使用有無、固形分除去処理の諸条件等を適宜調整することにより制御できる。
また、本明細書において、飲料の「アパラントエキス濃度」は、例えば、脱ガスした飲料をサンプルとして、改訂BCOJビール分析法(公益財団法人日本醸造協会発行、ビール酒造組合国際技術委員会〔分析委員会〕編集2013年増補改訂)に記載された方法によって測定することができる。
【0024】
本発明の一態様のビールテイスト飲料において、全窒素量(単位:mg/100mL)とアパラントエキス濃度(単位:質量%)との比〔全窒素量/アパラントエキス濃度〕が、好ましくは0.15以上、より好ましくは0.20以上、更に好ましくは0.30以上、より更に好ましくは0.50以上であり、好ましくは700以下、より好ましくは680以下、より好ましくは650以下、更に好ましくは620以下、更に好ましくは600以下、より更に好ましくは580以下、より更に好ましくは560以下、特に好ましくは540以下である。
当該比を上記範囲とすることで、ビールテイスト飲料らしい良好な飲みごたえをより向上させると共に、一定量のメタノール濃度を有する飲料において生じ得る当該メタノールに起因したビールテイスト飲料には不適な甘い香りや舌に残る甘い味をより効果的に抑制した飲料とすることができる。
【0025】
本発明の一態様のビールテイスト飲料がノンアルコールビールテイスト飲料である場合、当該ノンアルコールビールテイスト飲料の全窒素量(単位:mg/100mL)とアパラントエキス濃度(単位:質量%)との比〔全窒素量/アパラントエキス濃度〕は、上記観点から、好ましくは0.15以上、より好ましくは0.20以上、更に好ましくは0.30以上、より更に好ましくは0.50以上であり、また、好ましくは150以下、より好ましくは145以下、更に好ましくは140以下、より更に好ましくは135以下である。
【0026】
また、本発明の一態様のビールテイスト飲料が発酵ビールテイスト飲料である場合、当該発酵ビールテイスト飲料の全窒素量(単位:mg/100mL)とアパラントエキス濃度(単位:質量%)との比〔全窒素量/アパラントエキス濃度〕は、上記観点から、好ましくは1.0以上、より好ましくは1.3以上、より好ましくは1.5以上、更に好ましくは2.0以上、更に好ましくは5.0以上、より更に好ましくは10以上、より更に好ましくは15以上、特に好ましくは20以上であり、また、好ましくは700以下、より好ましくは680以下、より好ましくは650以下、更に好ましくは620以下、更に好ましくは600以下、より更に好ましくは580以下、より更に好ましくは560以下、特に好ましくは540以下である。
【0027】
本発明の一態様のビールテイスト飲料の苦味価は、ビールテイスト飲料らしい飲料とする観点から、好ましくは50BUs以下、より好ましくは45BUs以下、更に好ましくは40BUs以下であり、さらに、35BUs以下、32BUs以下、30BUs以下、28BUs以下、27BUs以下、又は25BUs以下としてもよい。
なお、本発明の一態様のビールテイスト飲料が原材料としてホップを用いた飲料である場合、当該飲料の苦味価は、5.0BUs以上、7.0BUs以上、10BUs以上、12BUs以上、15BUs以上、又は、17BUs以上としてもよい。
また、本発明の一態様のビールテイスト飲料が原材料としてホップを用いない飲料である場合、当該飲料の苦味価は、5.0BUs未満、3.0BUs以下、2.0BUs以下、1.0BUs以下、0.5BUs以下、又は0.3BUs以下としてもよい。
なお、本発明の一態様のビールテイスト飲料の苦味価は、イソフムロンを主成分とするホップ由来成分により与えられる苦味の指標であり、ホップまたはホップエキス等のホップ由来成分の使用量を適宜調整することにより制御できる。
また、本明細書において、飲料の「苦味価」は、改訂BCOJビール分析法(公益財団法人日本醸造協会発行、ビール酒造組合国際技術委員会〔分析委員会〕編集2013年増補改訂)の「8.15 苦味価」に記載された測定法よって測定することができる。
【0028】
本発明の一態様のビールテイスト飲料のpHは、特に限定されないが、好ましくは4.0未満であり、さらに、3.9以下、3.8以下、3.7以下、3.6以下、3.5以下、3.4以下、3.3以下、3.2以下、又は3.1以下としてもよく、また、微生物の発生を抑制し、香味を向上させた飲料とする観点から、好ましくは2.0以上であり、さらに、2.1以上、2.2以上、2.3以上、2.4以上、2.5以上、2.6以上、2.7以上、2.8以上、又は2.9以上としてもよい。
なお、本発明の一態様のビールテイスト飲料のpHは、後述の酸味料の配合量を適宜調整することにより制御できる。
【0029】
本発明の一態様のビールテイスト飲料の色は、特に限定されないが、通常のビールのような琥珀色や黄金色、黒ビールのような黒色、又は、無色透明であってもよく、あるいは着色料などを添加して、所望の色を付けてもよい。飲料の色は、肉眼でも判別することができるが、全光線透過率や色度等によって規定してもよい。
【0030】
本発明の一態様のビールテイスト飲料は、飲料が容器に詰められた容器詰め飲料の態様であってもよい。容器の例としては、例えば、ビン、ペットボトル、缶、又は樽が挙げられるが、特に持ち運びが容易であるとの観点から、缶、ビン又はペットボトルが好ましい。
【0031】
1.1 原材料
本発明の一態様のビールテイスト飲料の主な原材料は、水と共に麦芽を用いてもよく、また、麦芽を用いなくてもよい。さらに本発明の一態様のビールテイスト飲料は、原材料として、ホップを用いた飲料であってもよく、ホップを用いない飲料であってもよい。
そして、殺菌剤として、二炭酸ジメチルを用いてもよく、また、保存料として、安息香酸、安息香酸塩、及び安息香酸エステルから選ばれる保存料を用いてもよい。
その他に、甘味料、水溶性食物繊維、苦味料又は苦味付与剤、酸化防止剤、香料、酸味料、塩類等を用いてもよい。
【0032】
1.1.1 麦芽、麦芽以外の穀物
原材料として麦芽を用いる場合、当該麦芽とは、大麦、小麦、ライ麦、カラス麦、オート麦、ハト麦、エン麦などの麦類の種子を発芽させて乾燥させ、除根したものをいい、産地や品種は、いずれのものであってもよい。
本発明の一態様で用いる麦芽としては、大麦麦芽が好ましい。大麦麦芽は、日本のビールテイスト飲料の原料として最も一般的に用いられる麦芽の1つである。大麦には、二条大麦、六条大麦などの種類があるが、いずれを用いてもよい。さらに、通常麦芽のほか、色麦芽なども用いることができる。なお、色麦芽を用いる際には、種類の異なる色麦芽を適宜組み合わせて用いてもよいし、一種類の色麦芽を用いてもよい。
なお、本発明の一態様のビールテイスト飲料においては、使用する麦芽は、所望のビールテイスト飲料の色度に応じて、適宜選択されることが好ましく、選択する麦芽は、単独であってもよく、2種以上を併用してもよい。
【0033】
また、麦芽と共に、麦芽以外の穀物を用いてもよい。
そのような穀物としては、例えば、麦芽には該当しない麦(大麦、小麦、ライ麦、カラス麦、オート麦、ハト麦、エン麦等)、米(白米、玄米等)、とうもろこし、こうりゃん、ばれいしょ、豆(大豆、えんどう豆等)、そば、ソルガム、粟、ひえ、及びそれらから得られたデンプン、これらの抽出物(エキス)等が挙げられる。
【0034】
なお、麦芽を用いない場合には、炭素源を含有する液糖、麦芽以外の上述の穀物等のアミノ酸含有材料(例えば、大豆たんぱく等)としての窒素源を用いた、ビールテイスト飲料が挙げられる。
【0035】
本発明の一態様において、味わいに優れたビールテイスト飲料とする観点から、製麦前の麦の使用量は少ないほど好ましい。
上記の「製麦」とは、麦を発芽させ、麦芽をつくる工程を意味する。例えば、大麦は、製麦工程を経ることで大麦麦芽になる。製麦工程を経て、麦を麦芽とすることで、旨味を付与することができ、麦芽を用いることで、味わいが豊かなビールテイスト飲料とすることができる。一方で、製麦前の麦を用いたビールテイスト飲料は、味わいに乏しい。特に、製麦前の大麦を用いた飲料は、ビールテイスト飲料には不適な穀物様の香りが際立つ飲料となる恐れがある。
上記観点から、本発明の一態様のビールテイスト飲料は、製麦前の麦を実質的に用いない麦不使用ビールテイスト飲料であることが好ましく、少なくとも、製麦前の大麦を実質的に用いない大麦不使用ビールテイスト飲料であることがより好ましい。
【0036】
なお、本明細書において、「製麦前の麦(大麦)を実質的に用いない」との規定は、所定の目的をもって、製麦前の麦(大麦)を用いる態様を否定する規定であって、意図せずにもしくは不可避的に、原材料中に製麦前の麦(大麦)が混入又は存在してしまうような態様までを否定する規定ではない。
ただし、本発明の一態様のビールテイスト飲料において、製麦前の麦(大麦)の使用割合は、少ないほど好ましい。具体的には、製麦前の麦(大麦)の使用割合は、原材料として用いる麦芽の使用量100質量部に対して、意図せずにもしくは不可避的に混入又は存在してしまう場合も考慮して、通常20質量部未満であるが、10質量部未満、5質量部未満、1質量部未満、0.1質量部未満、0.01質量部未満、0.001質量部未満、又は0.0001質量部未満としてもよい。
【0037】
また、本発明の一態様においては、原材料として、果実(乾燥果実、果実を煮詰めたものも含む)、果皮、又は果汁(濃縮果汁を含む)を用いてもよい。
なお、上述のとおり、果実の果汁には、メタノールが含まれており、ビールテイスト飲料には不適な甘い香りや不適な舌に残る甘い味の要因ともなる。
しかしながら、本発明の一態様のビールテイスト飲料は、全窒素量及びアパラントエキス濃度を所定の範囲となるように調整しているため、メタノールに起因したビールテイスト飲料には不適な甘い香り及び舌に残る甘い味が抑制された飲料とすることができる。
【0038】
1.1.2 ホップ
本発明の一態様で用いるホップを用いる場合、当該ホップの形態としては、例えば、ペレットホップ、粉末ホップ、ホップエキス等が挙げられる。また、用いるホップは、イソ化ホップ、還元ホップ等のホップ加工品を用いてもよい。
本発明の一態様でホップを用いる場合、ホップの添加量としては、適宜調整されるが、飲料全量に対して、好ましくは0.0001~1質量%である。
【0039】
1.1.3 二炭酸ジメチル
本発明の一態様のビールテイスト飲料は、二炭酸ジメチルを配合してなる飲料としてもよい。
なお、ビールテイスト飲料は、加熱や殺菌剤の配合による殺菌工程を経て製造される場合もある。殺菌工程が加熱による殺菌のみの場合、熱により炭酸ガスが除去され易く、高炭酸ガス濃度の飲料の調整が難しいことや、容器詰め飲料とする場合には耐熱性を有する容器でなければならないといった容器の材料選択を狭めるといった問題点がある。一方で、二炭酸ジメチルは殺菌作用を有するため、飲料中に配合することで、殺菌温度を下げることができる他、一部の殺菌工程を省くことも可能であり、上記の問題を回避することができる。
つまり、二炭酸ジメチルによる殺菌を行うことで、高炭酸ガス濃度の飲料を効率的に製造することもできる。また、飲料を充填する容器の選択の自由度も向上する。さらに、二炭酸ジメチルは殺菌効果を有するため、飲料に用いる保存料の使用量を抑制することもできる。
【0040】
しかしながら、飲料中に配合された二炭酸ジメチルは、メトキシカルボニル化合物等となり殺菌作用を示すと共に、数時間後には二酸化炭素とメタノールに分解される。上述のとおり、飲料中のメタノールは、ビールテイスト飲料には不適な甘い香りや不適な舌に残る甘い味の要因となる。
これに対して、本発明では、二炭酸ジメチルを配合してなるビールテイスト飲料であっても、全窒素量及びアパラントエキス濃度を所定の範囲となるように調整することで、ビールテイスト飲料らしい良好な飲みごたえを有すると共に、ビールテイスト飲料には不適な甘い香り及び舌に残る甘い味が抑制された飲料とすることができる。
【0041】
本発明の一態様で用いる二炭酸ジメチルの配合量は、例えば、15mg/L以上、17mg/L以上、20mg/L以上、40mg/L以上、60mg/L以上、80mg/L以上、100mg/L以上、120mg/L以上、140mg/L以上、160mg/L以上、180mg/L以上、又は、200mg/L以上としてもよく、また、1500mg/L以下、1400mg/L以下、1300mg/L以下、1200mg/L以下、1100mg/L以下、又は、1000mg/L以下としてもよい。
【0042】
1.1.4 保存料
本発明の一態様のビールテイスト飲料は、さらに安息香酸、安息香酸塩、及び安息香酸エステルから選ばれる保存料を配合してなる飲料であってもよい。
前記保存料は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記安息香酸塩としては、例えば、安息香酸ナトリウム等が挙げられる。
前記安息香酸エステルとしては、例えば、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチル等が挙げられる。
また、前記保存料としては、強力サンプレザー(三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製、安息香酸ナトリウムと安息香酸ブチルの混合物)等の市販の製剤を用いてもよい。
【0043】
本発明の一態様で用いる前記保存料の配合量は、好ましくは5~1200質量ppm、より好ましくは10~1100質量ppm、更に好ましくは15~1000質量ppm、より更に好ましくは20~900質量ppmである。
【0044】
本発明の一態様のビールテイスト飲料は、安息香酸、安息香酸塩、及び安息香酸エステル以外の他の保存料を用いてもよい。
【0045】
1.1.5 甘味料
本発明の一態様のビールテイスト飲料は、さらに甘味料を配合してなる飲料としてもよい。
本発明の一態様で用いる甘味料としては、穀物由来のデンプンを酸又は酵素等で分解した市販の糖化液、市販の水飴等の糖類、三糖類以上の糖、糖アルコール、ステビア等の天然甘味料、人工甘味料等が挙げられる。
これらの甘味料は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの糖類の形態は、溶液等の液体であってもよく、粉末等の固体であってもよい。
また、デンプンの原料穀物の種類、デンプンの精製方法、及び酵素や酸による加水分解等の処理条件についても特に制限はない。例えば、酵素や酸による加水分解の条件を適宜設定することにより、マルトースの比率を高めた糖類を用いてもよい。その他、スクロース、フルクトース、グルコース、マルトース、トレハロース、マルトトリオース及びこれらの溶液(糖液)等を用いることもできる。
また、人工甘味料としては、例えば、アスパルテーム、アセスルファムカリウム(アセスルファムK)、スクラロース等が挙げられる。
【0046】
水溶性食物繊維としては、例えば、難消化性デキストリン、ポリデキストロース、グアーガム分解物、ペクチン、グルコマンナン、アルギン酸、ラミナリン、フコイジン、カラギーナン等が挙げられ、安定性や安全性等の汎用性の観点から、難消化性デキストリン又はポリデキストロースが好ましい。
【0047】
1.1.6 苦味料、苦味付与剤
本発明の一態様のビールテイスト飲料は、さらに苦味料及び苦味付与剤から選ばれる1種以上を配合してなる飲料としてもよい。
本発明の一態様のビールテイスト飲料において、苦味は、ホップによって付与してもよく、ホップと共に、下記に示す苦味料又は苦味付与剤を用いてもよい。また、ホップを用いずに、ホップに代えて下記に示す苦味料又は苦味付与剤を用いてもよい。
苦味料又は苦味付与剤としては、特に限定されず、通常のビールや発泡酒に苦味付与剤として用いられるものが使用でき、例えば、マンネンロウ、レイシ、姫茴香、杜松実、セージ、月桂樹、クワシン、カフェイン、アブシンチン、ナリンジン、柑橘抽出物、ニガキ抽出物、コーヒー抽出物、茶抽出物、ゴーヤ抽出物、ハス胚芽抽出物、キダチアロエ抽出物、マンネンロウ抽出物、レイシ抽出物、ローレル抽出物、セージ抽出物、キャラウェイ抽出物等が挙げられる。
これらの苦味料及び苦味付与剤は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0048】
1.1.7 酸化防止剤
本発明の一態様のビールテイスト飲料は、さらに酸化防止剤を配合してなる飲料としてもよい。
酸化防止剤としては、特に限定されず、通常のビールや発泡酒に酸化防止剤として用いられるものが使用でき、例えば、アスコルビン酸、エリソルビン酸、及びカテキン等が挙げられる。
これらの酸化防止剤は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0049】
1.1.8 香料
本発明の一態様のビールテイスト飲料は、さらに香料を配合してなる飲料としてもよい。
香料としては、特に限定されず、一般的なビール香料を用いることができる。ビール香料は、ビール様の風味付けのために用いるものである。
ビール香料としては、エステルや高級アルコール等が挙げられ、具体的には、酢酸エチル、酢酸イソアミル、n-プロパノール、イソブタノール、アセトアルデヒド、カプロン酸エチル、リナロール、4-ビニルグアイアコール等が挙げられる。
これらの香料は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0050】
1.1.9 酸味料
本発明の一態様のビールテイスト飲料は、さらに酸味料を配合してなる飲料としてもよい。
酸味料としては、例えば、酒石酸、リン酸、クエン酸、グルコン酸、乳酸、リンゴ酸、フィチン酸、酢酸、コハク酸、グルコノデルタラクトン又はそれらの塩が挙げられる。
これらの中でも、酒石酸、リン酸、クエン酸、グルコン酸、乳酸、リンゴ酸、フィチン酸、酢酸、コハク酸及びそれらの塩から選ばれる少なくとも1種が好ましく、酒石酸、リン酸、クエン酸、乳酸、酢酸及びそれらの塩から選ばれる少なくとも1種がより好ましく、酒石酸、リン酸、及び乳酸から選ばれる少なくとも1種が更に好ましい。
これらの酸味料は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0051】
1.1.10 塩類
本発明の一態様のビールテイスト飲料は、さらに塩類を配合してなる飲料としてもよい。
塩類としては、例えば、塩化ナトリウム、酸性リン酸カリウム、酸性リン酸カルシウム、リン酸アンモニウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、メタ重亜硫酸カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、硝酸カリウム、硫酸アンモニウム等が挙げられる。
これらの塩類は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0052】
1.2 炭酸ガス
本発明の一態様のビールテイスト飲料に含まれる炭酸ガスは、炭酸水との混和によって加えてもよく、または原料液に炭酸ガスを直接添加してもよい。
なお、炭酸ガスを加えた後に、殺菌工程を行うことが一般的であるが、当該殺菌工程が、二炭酸ジメチルの添加によるものであれば、殺菌温度を下げることができる他、一部の殺菌工程を省くことが可能となる。その結果、高炭酸ガス濃度の飲料を効率的に製造することができる。
【0053】
本発明の一態様のビールテイスト飲料の炭酸ガス濃度は、ビールテイスト飲料に適した炭酸感を有する飲料とする観点から、好ましくは0.460質量%以上、より好ましくは0.470質量%以上、更に好ましくは0.480質量%以上、より更に好ましくは0.490質量%以上、特に好ましくは0.500質量%以上であり、また、好ましくは0.680質量%以下、より好ましくは0.650質量%以下、更に好ましくは0.620質量%以下、より更に好ましくは0.600質量%以下、特に好ましくは0.580質量%以下である。
なお、本明細書において、炭酸ガス濃度は、対象となる飲料が入った容器を時々振りながら20℃の水槽に30分間以上浸して、当該飲料が20℃になるよう調整した後に、ガスボリューム測定装置(例えば、GVA-500(京都電子工業株式会社製)等)を用いて測定することができる。
【0054】
本発明の一態様のビールテイスト飲料が容器詰め飲料である場合、容器詰め飲料の炭酸ガス圧は、上記の炭酸ガス濃度となる範囲で適宜調整すればよいが、炭酸ガス圧は5.0kg/cm以下、4.5kg/cm以下、又は4.0kg/cm以下であってもよく、また、0.20kg/cm以上、0.50kg/cm以上、又は1.0kg/cm以上であってもよく、これらの上限及び下限のいずれを組み合わせてもよい。例えば、容器詰め飲料の炭酸ガス圧は、0.20kg/cm以上5.0kg/cm以下、0.50kg/cm以上4.5kg/cm以下、または、1.0kg/cm以上4.0kg/cm以下であってよい。
本明細書において、ガス圧とは、特別な場合を除き、容器内におけるガス圧をいう。
圧力の測定は、当業者によく知られた方法、例えば20℃にした試料をガス内圧計に固定した後、一度ガス内圧計の活栓を開いてガスを抜き、再び活栓を閉じ、ガス内圧計を振り動かして指針が一定の位置に達したときの値を読み取る方法を用いて、または市販のガス圧測定装置を用いて測定することができる。
【0055】
1.3 その他の添加物
本発明の一態様のビールテイスト飲料は、本発明の効果を妨げない範囲で、必要に応じて、様々な添加物を添加してもよい。
そのような添加物としては、例えば、着色料、泡形成剤、ペプチド含有物等のタンパク質系物質、アミノ酸等の調味料が挙げられる。
着色料は、飲料にビール様の色を与えるために使用するものであり、カラメル色素などを用いることができる。泡形成剤は、飲料にビール様の泡を形成させるため、あるいは飲料の泡を保持させるために使用するものであり、大豆サポニン、キラヤサポニン等の植物抽出サポニン系物質、コーンタンパク、大豆タンパクなどの植物タンパク、及びペプチド含有物、ウシ血清アルブミン等のタンパク質系物質等を適宜使用することができる。
【0056】
2. ビールテイスト飲料の製造方法
本発明の一態様のビールテイスト飲料の製造方法としては、特に制限は無く、二炭酸ジメチルを添加する工程を有する製造方法が挙げられる。
以下、本発明の一態様のビールテイスト飲料である、非発酵ノンアルコールビールテイスト飲料及び発酵ビールテイスト飲料についての具体的な製造方法を説明する。
【0057】
2.1 非発酵ノンアルコールビールテイスト飲料の製造方法
本発明の一態様の非発酵ノンアルコールビールテイスト飲料の製造方法としては、発酵工程を経ない製造方法あれば特に制限は無く、二炭酸ジメチルを添加する工程を有する製造方法が挙げられ、具体的には、下記工程(1a)~(3a)を有する方法が挙げられる。
・工程(1a):各種原材料を用いて、糖化処理、煮沸処理、及び固形分除去処理のうち少なくとも1つの処理を行い、飲料前液を得る工程。
・工程(2a):工程(1a)で得た飲料前液に、炭酸ガスを加える工程。
・工程(3a):二炭酸ジメチルを添加する工程。
【0058】
なお、本発明の一態様の非発酵ノンアルコールビールテイスト飲料の製造方法において、原材料として苦味価が5BUs以上の飲料を製造する場合には、ホップを添加する工程を有することが好ましい。また、原材料として苦味価が5BUs未満の飲料を製造する場合には、ホップを添加する工程を有しないことが好ましい。
以下、上記の各工程について説明する。
【0059】
<工程(1a)>
工程(1a)は、各種原材料を用いて、糖化処理、煮沸処理、及び固形分除去処理のうち少なくとも1つの処理を行い、飲料前液を得る工程である。
例えば、各種原材料として、麦芽を用いる場合には、水及び麦芽を含む各種原材料を仕込釜又は仕込槽に投入し、必要に応じてアミラーゼ等の酵素を添加する。麦芽以外の各種原材料としては、ホップ、食物繊維、保存料、甘味料、酸化防止剤、苦味付与剤、香料、酸味料、色素等を加えてもよい。
各種原材料の混合物は、加温し、原材料の澱粉質を糖化させて糖化処理を行う。糖化処理の温度及び時間は、使用する麦芽の種類や、麦芽比率、水及び麦芽以外の原材料等を考慮して、全窒素量及びアパラントエキス濃度が上述の範囲となるように適宜調整する。糖化処理後に、濾過を行い、糖化液が得られる。
【0060】
なお、この糖化液は煮沸処理を行うことが好ましい。
この煮沸処理を行う際に、原材料としてホップや苦味料等を用いる場合には、これらを加えることが好ましい。ホップや苦味料等は、糖化液の煮沸開始から煮沸終了前の間で加えてもよい。
煮沸処理終了後には、ワールプールに移送し、0~10℃に冷却して、冷却液とした後、凝固タンパク等の固形分の除去処理を行うことが好ましい。当該処理により、アパラントエキス濃度を上述の範囲に調整することができる。このようにして、飲料前液が得られる。
【0061】
なお、上記の糖化液の代わりに、麦芽エキスに温水を加えたものに、ホップや苦味料等を加えて煮沸処理を行い、飲料前液を調製してもよい。
【0062】
また、各種原材料として、麦芽を使用しない場合には、炭素源を含有する液糖、麦又は麦芽以外のアミノ酸含有原料としての窒素源、ホップ、食物繊維、保存料、甘味料、酸化防止剤、苦味付与剤、香料、酸味料、色素等を、温水と共に混合し、液糖溶液を調製し、その液糖溶液に対して煮沸処理を行い、飲料前液を調製してもよい。
ホップを用いる場合には、煮沸処理前に加えてもよく、液糖溶液の煮沸開始から煮沸終了前の間で加えてもよい。
【0063】
<工程(2a)>
工程(2a)は、工程(1a)で得た飲料前液に、炭酸ガスを加える工程である。
炭酸ガスを加える方法としては、工程(1a)で得た飲料前液と炭酸水との混和によって加えてもよく、または飲料原液に炭酸ガスを直接添加してもよい。
なお、炭酸ガスを加える際に、必要に応じて、保存料、甘味料、香料、酸味料、色素等の添加剤を加えてもよい。
【0064】
<工程(3a)>
工程(3a)は、二炭酸ジメチルを添加する工程である。二炭酸ジメチルの添加によって飲料の殺菌処理を行うことができる。なお、工程(3a)は、どのタイミングに行ってもよいが、工程(2a)の後に行うことが好ましい。
【0065】
工程(3a)を実施することで、殺菌温度を下げることができる他、一部の殺菌工程を省くことが可能となる。そのため、得られる飲料にかかる熱負荷を低減させることができ、炭酸ガス濃度の減少や香気成分の減少を防止し、よりビールテイスト飲料らしい非発酵ノンアルコールビールテイスト飲料を製造することができる。
【0066】
工程(3a)において配合する二炭酸ジメチルの配合量は、上述のとおりである。
配合後、二炭酸ジメチルによる飲料の殺菌効果を向上させると共に、二炭酸ジメチルの加水分解によりメタノールと水に分解させるために、1~48時間ほど静置することが好ましい。なお、この静置は、飲料を容器に充填・密閉後に行ってもよい。
【0067】
2.3 発酵ビールテイスト飲料の製造方法
本発明の一態様の発酵ビールテイスト飲料の製造方法としては、酵母を添加してアルコール発酵を行う工程、及び、二炭酸ジメチルを添加する工程を有する方法が挙げられ、具体的には、下記工程(1b)~(3b)を有する方法が挙げられる。
・工程(1b):各種原材料を用いて、糖化処理、煮沸処理、及び固形分除去処理のうち少なくとも1つの処理を行い、発酵前液を得る工程。
・工程(2b):工程(1b)で得た発酵前液に酵母を添加してアルコール発酵を行う工程。
・工程(3b):二炭酸ジメチルを添加する工程。
また、ノンアルコール発酵ビールテイスト飲料を製造する場合には、工程(1b)及び(2b)の後に、下記工程(4b)~(5b)を行った後に、工程(3b)を経ることが好ましい。
・工程(4b):工程(2b)の後の発酵溶液からアルコール分を除去する工程。
・工程(5b):炭酸ガスの量を調整する工程。
【0068】
なお、本発明の一態様の発酵ビールテイスト飲料の製造方法において、原材料として苦味価が5BUs以上の飲料を製造する場合には、ホップを添加する工程を有することが好ましい。また、原材料として苦味価が5BUs未満の飲料を製造する場合には、ホップを添加する工程を有しないことが好ましい。
以下、上記の各工程について説明する。
【0069】
<工程(1b)>
工程(1b)は、各種原材料を用いて、糖化処理、煮沸処理、及び固形分除去処理のうち少なくとも1つの処理を行い、発酵前液を得る工程である。
例えば、各種原材料として、麦芽を用いる場合には、水及び麦芽を含む各種原材料を仕込釜又は仕込槽に投入し、必要に応じてアミラーゼ、プロテアーゼ等の酵素を添加する。麦芽以外の各種原材料としては、液糖、ホップ、食物繊維、保存料、甘味料、酸化防止剤、苦味料又は苦味付与剤、香料、酸味料、塩類、色素等を加えてもよい。これらは、糖化処理を行う前に加えてもよく、糖化処理の途中で加えてもよく、糖化処理の終了後に加えてもよい。また、これらは、次工程のアルコール発酵後に加えてもよい。
各種原材料の混合物は、加温し、原材料の澱粉質を糖化させて糖化処理を行う。糖化処理の温度及び時間は、使用する麦芽の種類や、麦芽比率、水及び麦芽以外の原材料等を考慮して、全窒素量及びアパラントエキス濃度が上述の範囲となるように適宜調整する。糖化処理後に、濾過を行い、糖化液が得られる。
【0070】
なお、この糖化液は煮沸処理を行うことが好ましい。
この煮沸処理を行う際に、原材料としてホップや苦味料等を用いる場合には、これらを加えることが好ましい。ホップや苦味料等は、糖化液の煮沸開始から煮沸終了前の間で加えてもよい。この際、所望のビールテイスト飲料の苦味価の値に応じて、煮沸処理の諸条件(煮沸温度、煮沸時間等)を適宜調整することが好ましい。
煮沸処理終了後には、ワールプールに移送し、凝固タンパク等の固形分の除去処理を行うことが好ましい。当該処理により、アパラントエキス濃度を上述の範囲に調整することができる。ワールプールでの除去処理後、0~25℃に冷却をし、発酵前液が得られる。
【0071】
なお、上記の糖化液の代わりに、麦芽エキスに温水を加えたものに、ホップや苦味料等を加えて煮沸処理を行い、発酵前液を調製してもよい。
【0072】
また、各種原材料として、麦芽を使用しない場合には、炭素源を含有する液糖、麦又は麦芽以外のアミノ酸含有原料としての窒素源、ホップ、食物繊維、保存料、甘味料、酸化防止剤、苦味料又は苦味付与剤、香料、酸味料、塩類、色素等を、温水と共に混合し、液糖溶液を調製し、その液糖溶液に対して煮沸処理を行い、発酵前液を調製してもよい。
ホップを用いる場合には、煮沸処理前に加えてもよく、液糖溶液の煮沸開始から煮沸終了前の間で加えてもよい。
【0073】
<工程(2b)>
工程(1b)で得た発酵前液に酵母を添加してアルコール発酵を行う工程である。
本工程で用いる酵母は、製造すべき発酵飲料の種類、目的とする香味や発酵条件等を考慮して適宜選択することができ、本発明の飲料の製造には、上面発酵酵母も下面発酵酵母も用いることができ、また、Weihenstephan-34株(下面発酵酵母)等の市販の酵母を用いることができる。
酵母は、酵母懸濁液のまま原材料に添加しても良いし、遠心分離あるいは沈降により酵母を濃縮したスラリーを原材料に添加してもよい。また、遠心分離の後、完全に上澄みを取り除いたものを添加してもよい。酵母の原液への添加量は適宜設定できるが、例えば、5×10cells/mL~1×10cells/mL程度である。
【0074】
アルコール発酵を行う際の発酵温度および発酵期間等の諸条件は、適宜設定することができるが、例えば、通常のビールや発泡酒の製造のための発酵条件である、8~25℃、5~10日間、の条件で発酵させてもよい。発酵工程の途中で発酵液の温度(昇温または降温)もしくは圧力を変化させてもよい。
また、本工程の終了後に、ろ過機等で酵母を取り除き、必要に応じて水や香料、酸味料、色素等の添加剤を加えてもよい。
【0075】
<工程(3b)>
工程(3b)は、二炭酸ジメチルを添加する工程である。二炭酸ジメチルの添加によって飲料の殺菌処理を行うことができる。なお、工程(3b)は、どのタイミングに行ってもよいが、アルコール含有発酵ビールテイスト飲料の製造過程では、工程(2b)の後に行うことが好ましい。また、ノンアルコール発酵ビールテイスト飲料の製造過程では、工程(4b)又は(5b)の後に行うことが好ましく、工程(4b)を経て工程(5b)を実施した後に行うことがより好ましい。
【0076】
工程(3b)を実施することで、殺菌温度を下げることができる他、一部の殺菌工程を省くことが可能となる。そのため、得られる飲料にかかる熱負荷を低減させることができ、炭酸ガス濃度の減少や香気成分の減少を防止し、よりビールテイスト飲料らしい発酵ビールテイスト飲料を製造することができる。
【0077】
工程(3b)において配合する二炭酸ジメチルの配合量は、上述のとおりである。
配合後、二炭酸ジメチルによる飲料の殺菌効果を向上させると共に、二炭酸ジメチルの加水分解によりメタノールと水に分解させるために、1~48時間ほど静置することが好ましい。なお、この静置は、飲料を容器に充填・密閉後に行ってもよい。
【0078】
<工程(4b)>
ノンアルコール発酵ビールテイスト飲料を製造する場合には、工程(1b)及び(2b)を経た後、さらに工程(4b)及び(5b)を行うことが好ましい。
工程(4b)は、工程(2b)の後の発酵溶液からアルコール分を除去する工程である。
発酵溶液からアルコール分を除去する方法としては、加熱処理により除去する方法が好ましい。加熱処理の条件とはしては、一般的なノンアルコールビールテイスト飲料の製造方法と同様の条件を適用することができる。
【0079】
<工程(5b)>
工程(5b)は、炭酸ガスの量を調整する工程である。工程(4b)の後、溶液中からアルコール分が除去されると共に、炭酸ガスも除去されているため、炭酸ガスの量を調整する工程を経ることが好ましい。
炭酸ガスを加える方法としては、工程(4b)を行った後の溶液と炭酸水との混和によって加えてもよく、または工程(4b)を行った後の溶液に炭酸ガスを直接添加してもよい。
なお、炭酸ガスを加える際に、必要に応じて、保存料、甘味料、香料、酸味料、色素等の添加剤を加えてもよい。
工程(5b)を行った後に、上述の工程(3b)の二炭酸ジメチルを添加する工程を行うことが好ましい。
【0080】
このようにして得られた本発明の一態様のビールテイスト飲料は、所定の容器に充填され、製品として市場に流通する。
飲料の容器詰め方法としては、特に限定されず、当業者に周知の容器詰め方法を用いることができる。容器詰め工程によって、本発明の一態様のビールテイスト飲料は容器に充填・密閉される。容器詰め工程には、いずれの形態・材質の容器を用いてもよく、容器の例としては、上述のとおりである。
【実施例
【0081】
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例によっては制限されない。
【0082】
実施例1a~23a、比較例1a~3a
(非発酵ノンアルコールビールテイスト飲料の製造)
実施例1a~8a、実施例10a~23a、及び比較例1a~3aについては、以下のようにして冷却液を調整した。まず、水及び麦芽を仕込槽に投入して約50℃のマッシュを調整し、そのマッシュを65~72℃の範囲まで徐々に昇温した後、昇温後の所定の温度で一定時間保持し、糖化処理を行った。糖化処理後に酵素が失活する温度まで昇温した後、麦汁濾過槽に移して濾過を行って麦汁を得た。得られた麦汁に温水を加えて希釈し、ホップを投入し、煮沸釜を用いて100℃で煮沸処理を行った。煮沸処理後に、ワールプールタンクに移送して、麦汁オリを除去し、約2℃まで冷却し、冷却液を得た。なお、発酵は実施していないため、酵母の添加は行っていない。
【0083】
実施例9aについては、以下のようにして冷却液を調整した。まず、大豆たんぱくを50℃のお湯で溶かした後、ホップを投入し、煮沸釜を用いて100℃で煮沸処理を行った。煮沸処理後に、ワールプールタンクに移送して、オリを除去し、約2℃まで冷却し、冷却液を得た。なお、こちらも発酵は実施していないため、酵母の添加は行っていない。
【0084】
得られた冷却液に対して固形分除去処理を行い、アパラントエキス濃度を調整した。この際、実施例21a~23aについては、表4に示す量の安息香酸ナトリウムをさらに配合した。そして、ノンアルコールビールテイスト飲料として必要な香味を有するように香料と、pHが4.0未満となる量の酸味料を配合し、さらに炭酸ガスを加えて表1~4に示す炭酸ガス濃度となるように調整した。そして、表1~4に示す量の二炭酸ジメチルを配合し24時間静置して殺菌処理を行った後、アルコール濃度が1(v/v)%未満の非発酵ノンアルコールビールテイスト飲料を得た。なお、得られた飲料の全窒素量は、麦芽の種類及び配合量、糖化処理の温度及び時間を適宜設定することで表1~4に示す値に調整した。また、アパラントエキス濃度は、これらの設定に加えて、麦芽及び水の配合割合、並びに、固形分除去処理の条件を適宜設定することで表1~4に示す値に調整した。
【0085】
このように製造して、4℃程度に冷却した非発酵ノンアルコールビールテイスト飲料を、日頃から訓練を受けた6人のパネラーが試飲をし、「ビールテイスト飲料に不適な甘い香りの有無」、「ビールテイスト飲料に不適な舌に残る甘い味の有無」及び「ビールテイスト飲料らしい飲みごたえ」について、下記のスコア基準に基づき、3.0(最大値)~1.0(最小値)の範囲で、0.5刻みのスコアにて官能評価を行った。評価に際しては、下記基準「3.0」、「2.0」及び「1.0」に適合するサンプルを予め用意し、各パネラー間での基準の統一を図った。なお、表1~4のいずれの官能評価においても、同じ飲料に対して、各パネラー間での1.5以上のスコアの値の差異は確認されなかった。表1~4には、各パネラーのスコアの平均値を記載している。
【0086】
[ビールテイスト飲料に不適な甘い香りの有無のスコア基準]
・「3.0」:ビールテイスト飲料には不適な甘い香りが全く感じられない。
・「2.0」:ビールテイスト飲料には不適な甘い香りがわずかに感じられる。
・「1.0」:ビールテイスト飲料には不適な甘い香りが強く感じられる。
[ビールテイスト飲料に不適な舌に残る甘い味の有無のスコア基準]
・「3.0」:ビールテイスト飲料には不適な舌に残る甘い味が全く感じられない。
・「2.0」:ビールテイスト飲料には不適な舌に残る甘い味がわずかに感じられる。
・「1.0」:ビールテイスト飲料には不適な舌に残る甘い味が強く感じられる。
[ビールテイスト飲料らしい飲みごたえのスコア基準]
・「3.0」:ビールテイスト飲料らしい良好な飲みごたえが強く感じられる。
・「2.0」:ビールテイスト飲料らしい良好な飲みごたえがある程度感じられる。
・「1.0」:ビールテイスト飲料らしい飲みごたえが感じられない。
【0087】
また、上記の3つの官能評価項目についての各パネラーのスコアの平均値から、以下の評価基準にて、それぞれのビールテイスト飲料の総合評価を行った。その結果は、表1~4に示すとおりであった。
[総合評価]
・「A」:3つの官能評価項目のすべてのスコアの平均値が「2.0」以上であり、3つの官能評価項目のうち2項目以上でのスコアの平均値が「2.5」以上である。
・「B」:3つの官能評価項目のすべてのスコアの平均値が「2.0」以上である。
・「C」:3つの官能評価項目のいずれか1つ以上のスコアの平均値が「2.0」未満である。
【0088】
【表1】
【0089】
【表2】
【0090】
【表3】
【0091】
【表4】
【0092】
表1~4より、実施例1a~23aで製造した非発酵ノンアルコールビールテイスト飲料は、ビールテイスト飲料らしい良好な飲みごたえを有すると共に、ビールテイスト飲料には不適な甘い香り及び舌に残る甘い味が抑制されている結果となった。一方で、比較例1aの飲料は、ビールテイスト飲料らしい飲みごたえが不十分であるという結果であった。また、比較例2aの飲料は、ビールテイスト飲料には不適な甘い香りが強く感じられ、比較例3aの飲料は、ビールテイスト飲料には不適な舌に残る甘い味が強く感じられる結果となった。
【0093】
実施例24a~25a
表5に示す炭酸ガス濃度となるように炭酸ガスの添加量を調整した以外は、実施例1aと同様にして、非発酵ノンアルコールビールテイスト飲料を製造した。
このように製造した実施例24a~25aの飲料、及び、上述の実施例1aの飲料を、4℃程度に冷却し、日頃から訓練を受けた6人のパネラーが試飲をして、「ビールテイスト飲料に適した炭酸感」について、下記のスコア基準に基づき、3.0(最大値)~1.0(最小値)の範囲で、0.5刻みのスコアにて官能評価を行った。評価に際しては、下記基準「3.0」、「2.0」及び「1.0」に適合するサンプルを予め用意し、各パネラー間での基準の統一を図った。なお、表5のいずれの官能評価においても、同じ飲料に対して、各パネラー間での1.5以上のスコアの値の差異は確認されなかった。表5には、各パネラーのスコアの平均値を記載している。
[ビールテイスト飲料らしい炭酸感のスコア基準]
・「3.0」:ビールテイスト飲料らしい非常に優れた炭酸感がある。
・「2.0」:ビールテイスト飲料らしい良好な炭酸感がある。
・「1.0」:ビールテイスト飲料らしい炭酸感が弱い。
【0094】
【表5】
【0095】
表5より、実施例24a~25a及び実施例1aで製造した非発酵ノンアルコールビールテイスト飲料は、ビールテイスト飲料に適した炭酸感を有していることが確認された。
【0096】
実施例1b~26b、比較例1b~3b
(発酵ビールテイスト飲料の製造)
実施例1b~10b、実施例12b~26b、及び比較例1b~3bについては、以下のようにして冷却液を調整した。まず、水及び麦芽を仕込槽に投入して約50℃のマッシュを調整し、そのマッシュを65~72℃の範囲まで徐々に昇温した後、昇温後の所定の温度で一定時間保持し、糖化処理を行った。糖化処理後に酵素が失活する温度まで昇温した後、麦汁濾過槽に移して濾過を行って麦汁を得た。
得られた麦汁に温水を加えて希釈し、実施例1b~5b、実施例12b~16b、実施例18b~22b、実施例24b~26b、及び比較例1b~3bについてはホップを投入し、煮沸釜を用いて100℃で煮沸処理を行った。一方、実施例6b~10b、実施例17b、及び実施例23bについてはホップを投入せずに、煮沸釜を用いて100℃で煮沸処理を行った。
煮沸処理後に、ワールプールタンクに移送して、麦汁オリを除去し、約12℃まで冷却し、冷却液を得た。
【0097】
実施例11bについては、以下のようにして冷却液を調整した。まず、大豆たんぱくを50℃のお湯で溶かした後、ホップを投入し、煮沸釜を用いて100℃で煮沸処理を行った。煮沸処理後に、ワールプールタンクに移送して、オリを除去し、約12℃まで冷却し、冷却液を得た。
【0098】
得られた冷却液に対して酵母を添加して、発酵処理を行った。発酵処理後に、酵母を除去し、表6~9に示すアパラントエキスの濃度に調整した。さらに、実施例21b~23bについては、表9に示す量の安息香酸ナトリウムをさらに配合した。
そして、表6~9に記載の量の二炭酸ジメチルを配合し24時間静置して殺菌処理を行った。このようにして、表6~9の炭酸ガス濃度であり、アルコール濃度が1(v/v)%以上のアルコール含有発酵ビールテイスト飲料を得た。なお、得られた飲料の全窒素量は、麦芽の種類及び配合量、糖化処理の温度及び時間を適宜設定することで表6~9に示す値に調整した。
【0099】
このように製造して、4℃程度に冷却した発酵ビールテイスト飲料を、日頃から訓練を受けた6人のパネラーが試飲をし、「ビールテイスト飲料に不適な甘い香りの有無」、「ビールテイスト飲料に不適な舌に残る甘い味の有無」及び「ビールテイスト飲料らしい飲みごたえ」について、下記のスコア基準に基づき、3.0(最大値)~1.0(最小値)の範囲で、0.5刻みのスコアにて官能評価を行った。評価に際しては、下記基準「3.0」、「2.0」及び「1.0」に適合するサンプルを予め用意し、各パネラー間での基準の統一を図った。なお、表6~9のいずれの官能評価においても、同じ飲料に対して、各パネラー間での1.5以上のスコアの値の差異は確認されなかった。表6~9には、各パネラーのスコアの平均値を記載している。
【0100】
[ビールテイスト飲料に不適な甘い香りの有無のスコア基準]
・「3.0」:ビールテイスト飲料には不適な甘い香りが全く感じられない。
・「2.0」:ビールテイスト飲料には不適な甘い香りがわずかに感じられる。
・「1.0」:ビールテイスト飲料には不適な甘い香りが強く感じられる。
[ビールテイスト飲料に不適な舌に残る甘い味の有無のスコア基準]
・「3.0」:ビールテイスト飲料には不適な舌に残る甘い味が全く感じられない。
・「2.0」:ビールテイスト飲料には不適な舌に残る甘い味がわずかに感じられる。
・「1.0」:ビールテイスト飲料には不適な舌に残る甘い味が強く感じられる。
[ビールテイスト飲料らしい飲みごたえのスコア基準]
・「3.0」:ビールテイスト飲料らしい良好な飲みごたえが強く感じられる。
・「2.0」:ビールテイスト飲料らしい良好な飲みごたえがある程度感じられる。
・「1.0」:ビールテイスト飲料らしい飲みごたえが感じられない。
【0101】
また、上記の3つの官能評価項目についての各パネラーのスコアの平均値から、以下の評価基準にて、それぞれのビールテイスト飲料の総合評価を行った。その結果は、表6~9に示すとおりであった。
[総合評価]
・「A」:3つの官能評価項目のすべてのスコアの平均値が「2.0」以上であり、3つの官能評価項目のうち2項目以上でのスコアの平均値が「2.5」以上である。
・「B」:3つの官能評価項目のすべてのスコアの平均値が「2.0」以上である。
・「C」:3つの官能評価項目のいずれか1つ以上のスコアの平均値が「2.0」未満である。
【0102】
【表6】
【0103】
【表7】
【0104】
【表8】
【0105】
【表9】
【0106】
表6~9より、実施例1b~26bで製造した発酵ビールテイスト飲料は、ビールテイスト飲料らしい良好な飲みごたえを有すると共に、ビールテイスト飲料には不適な甘い香り及び舌に残る甘い味が抑制されている結果となった。一方で、比較例1bの飲料は、ビールテイスト飲料らしい飲みごたえが不十分であるという結果であった。また、比較例2bの飲料は、ビールテイスト飲料には不適な甘い香りが強く感じられ、比較例3bの飲料は、ビールテイスト飲料には不適な舌に残る甘い味が強く感じられる結果となった。
【0107】
実施例27b~29b
表10に示す炭酸ガス濃度となるように調整した以外は、実施例1bと同様にして、発酵ビールテイスト飲料を製造した。
このように製造した実施例27b~29bの飲料を、4℃程度に冷却し、日頃から訓練を受けた6人のパネラーが試飲をして、「ビールテイスト飲料に適した炭酸感」について、下記のスコア基準に基づき、3.0(最大値)~1.0(最小値)の範囲で、0.5刻みのスコアにて官能評価を行った。評価に際しては、下記基準「3.0」、「2.0」及び「1.0」に適合するサンプルを予め用意し、各パネラー間での基準の統一を図った。なお、表10のいずれの官能評価においても、同じ飲料に対して、各パネラー間での1.5以上のスコアの値の差異は確認されなかった。表10には、各パネラーのスコアの平均値を記載している。
[ビールテイスト飲料らしい飲みごたえのスコア基準]
・「3.0」:ビールテイスト飲料らしい非常に優れた炭酸感がある。
・「2.0」:ビールテイスト飲料らしい良好な炭酸感がある。
・「1.0」:ビールテイスト飲料らしい炭酸感が弱い。
【0108】
【表10】
【0109】
表10より、実施例27b~29bで製造した発酵ビールテイスト飲料は、ビールテイスト飲料に適した炭酸感を有していることが確認された。