IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ライトブラザーズ・カンパニー・リミテッドの特許一覧

特許7282409スケール値の変化量解析に基づく自転車非破壊検査装置、方法、およびコンピュータ読み取り可能な記録媒体
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-19
(45)【発行日】2023-05-29
(54)【発明の名称】スケール値の変化量解析に基づく自転車非破壊検査装置、方法、およびコンピュータ読み取り可能な記録媒体
(51)【国際特許分類】
   G01N 23/18 20180101AFI20230522BHJP
   G01N 23/04 20180101ALI20230522BHJP
【FI】
G01N23/18
G01N23/04
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2021204296
(22)【出願日】2021-12-16
(65)【公開番号】P2023043814
(43)【公開日】2023-03-29
【審査請求日】2021-12-16
(31)【優先権主張番号】10-2021-0123908
(32)【優先日】2021-09-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521550770
【氏名又は名称】ライトブラザーズ・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ヒ・ス・キム
【審査官】嶋田 行志
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-056136(JP,A)
【文献】特開平03-209582(JP,A)
【文献】特開平03-209583(JP,A)
【文献】特開2017-151083(JP,A)
【文献】特開2017-161499(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 23/00-G01N 23/2276
JSTPlus/JST7580/JSTChina(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の動作を行うようにする命令語を格納する1つ以上のメモリ;及び前記1つ以上のメモリと動作可能に連結されて前記命令語を実行するように設定された1つ以上のプロセッサを含み、
前記プロセッサの動作は、
自転車の部品にX線を放射する非破壊撮影装置の駆動を制御する制御信号を伝送する動作;
前記制御信号に基づいて前記非破壊撮影装置が前記自転車の部品に向かって前記X線を放射するように前記非破壊撮影装置の照射位置を制御する動作;
前記自転車の部品に放射されたX線透過された透過量情報を取得する動作;
前記透過量情報に基づいてグレースケール画像を生成する動作;
前記グレースケール画像に表された前記自転車の部品の一端から前記部品の延長された方向に沿って他端に至るまでグレースケールの値の変化量を測定する動作;及び、
前記グレースケールの値の変化量が閾値以上に発生する領域を異常領域として探知する動作を含み、
前記透過量情報を取得する動作において、
前記プロセッサは、
自転車の部品別スペック情報がマッピングされている自転車部品別の画像データセットに基づいて学習された第1神経網モデルに前記自転車の全体画像を入力して前記自転車の部品を特定する動作;および、
前記特定された部品に対して前記X線が放射される位置調節して前記特定された部品別X線の透過量情報を取得する動作を含む、
非破壊検査装置。
【請求項2】
前記制御信号は、
カーボンで形成された自転車の部品のグレースケールが得られるように、非破壊撮影装置のX線を発生するX線チューブに印加される電圧、電流および前記X線チューブが有する焦点距離がそれぞれ60kV以上70kV以下の範囲の電圧、11.0mA以上12.0mA以下の範囲の電流、0.4mm以上1.0mm以下の範囲の焦点(FOC)に設定されることを特徴とする請求項1に記載の非破壊検査装置。
【請求項3】
前記グレースケール画像を生成する動作において、
前記プロセッサは、
取得されたX線の透過量情報の最大値を3500 a.u.intensity(arbitrary unit intensity)、最小値を0 a.u.intensityで定義し、第1テンプレート、第2テンプレート、第3テンプレート、第4テンプレート、及び第5テンプレートのうち、前記自転車の部品に基づいていずれかのテンプレートを選択し、前記第1テンプレートが選択されると、前記X線の透過量の再調整された強度(rescaled intensity)が2216以上2500以下である前記部品の部位のみをグレースケールに変換し、前記第2テンプレートが選択されると、前記X線の透過量の再調整された強度(rescaled intensity)が2108以上3294以下である前記部品の部位のみをグレースケールに変換し、前記第3テンプレートが選択されると、前記X線の透過量の再調整された強度(rescaled intensity)が1893以上2878以下である前記部品の部位のみをグレースケールに変換し、前記第4テンプレートが選択されると、前記X線の透過量の再調整された強度(rescaled intensity)が1257以上2878以下である前記部品の部位のみをグレースケールに変換し、前記第5テンプレートが選択されると、前記X線の透過量の再調整された強度(rescaled intensity)が31以上2410以下である前記部品の部位のみをグレースケールに変換する動作を含むことを特徴とする請求項1に記載の非破壊検査装置。
【請求項4】
前記変化量を測定する動作において、
前記プロセッサは、
前記一端から前記部品の延長方向に沿って他端に向かう方向における前記一端からの距離をx軸、各位置における測定されたグレースケールの値をy軸として、グレースケールの値の変化量を測定した2次元グラフ情報を生成する動作を含むことを特徴とする請求項1に記載の非破壊検査装置。
【請求項5】
前記探知する動作において、
前記プロセッサは、
前記2次元グラフ情報のうち所定範囲内のx軸においてy軸の変化量が既設定された閾値以上に発生した場合、前記既設定された閾値以上にy軸変化量が発生したx軸の長さに対応する部分を異常領域として探知する動作を含むことを特徴とする請求項4に記載の非破壊検査装置。
【請求項6】
前記変化量を測定する動作において、
前記プロセッサは、
前記一端から前記部品を切断する切断線の長さをz軸、前記切断線が前記部品の延長方向に沿って他端に至るまで移動させた距離をx軸、前記切断線が移動しながら測定されたグレースケールの値をy軸としてグレースケールの値の変化量を測定した3次元グラフ情報を生成する動作を含むことを特徴とする請求項1に記載の非破壊検査装置。
【請求項7】
前記探知する動作において、
前記プロセッサは、
前記3次元グラフ情報のうち所定範囲内のx軸においてy軸の変化量が既設定された閾値以上に発生した場合、前記既設定された閾値以上にy軸変化量が発生したx軸の長さに対応する部分を異常領域として探知する動作を含むことを特徴とする請求項6に記載の非破壊検査装置。
【請求項8】
前記探知する動作において、
前記プロセッサは、
前記既設定された閾値以上にy軸変化量が発生したx軸の長さ及びz軸の長さからなる3次元領域を異常領域として探知する動作を含むことを特徴とする請求項7に記載の非破壊検査装置。
【請求項9】
前記透過量情報を取得する動作において、
前記プロセッサは、
自転車の部品別スペック情報がマッピングされている自転車部品別の画像データセットに基づいて学習された第1神経網モデルに前記自転車の全体画像を入力して前記自転車の部品を特定する動作;及び、
前記特定された部品を前記X線が放射される位置に調節して前記特定された部品別X線の透過量情報を取得する動作を含み、
前記部品別スペック情報は、
前記部品の種類を特定する情報及び前記部品に対して非破壊検査を行うように非破壊撮影装置のX線を発生するX線チューブに印加される電圧、電流、および前記X線チューブが有する焦点距離に関する情報を含むことを特徴とする請求項1に記載の非破壊検査装置。
【請求項10】
前記第1神経網は、
画像判別アルゴリズムに基づいて学習が行われ、
前記自転車部品別の画像データセットは、
画像の一部にフレーム、ホイール、および駆動系に対してラベリングされたデータセットを含むことを特徴とする請求項9に記載の非破壊検査装置。
【請求項11】
前記プロセッサの動作は、
前記異常領域として探知する動作の後、前記異常領域の画像に基づいて前記異常領域の種類を判別する動作をさらに含み、
前記異常領域の種類を判別する動作において、
前記プロセッサは、
自転車部品別異常画像データセットに基づいて学習された第2神経網モデルに前記異常領域の画像を入力して前記異常領域のクラスを判別する動作を含むことを特徴とする請求項1に記載の非破壊検査装置。
【請求項12】
前記異常領域の種類を判別する動作において、
前記プロセッサは、
自転車部品別異常画像データセットに基づいて学習された第2神経網モデルに前記異常領域の画像を入力して前記異常領域のクラスを判別する動作;及び、
前記異常領域を含む部品のスペック情報に前記異常領域のクラスに基づく減価情報を反映して価格を算定する動作をさらに含み、
前記部品別スペック情報は、
前記部品の価格を特定する情報を含むことを特徴とする請求項11に記載の非破壊検査装置。
【請求項13】
前記第2神経網は、
画像判別アルゴリズムに基づいて学習が行われ、
前記自転車部品別の異常画像データセットは、
画像の一部に部品の破損、修理、補強、接合、および気孔に対してラベリングされたデータセットを含むことを特徴とする請求項12に記載の非破壊検査装置。
【請求項14】
非破壊検査装置が行う非破壊検査方法において、
自転車の部品にX線を放射する非破壊撮影装置の駆動を制御する制御信号を伝送する段階;
前記制御信号に基づいて前記非破壊撮影装置が前記自転車の部品に向かって前記X線を放射するように前記非破壊撮影装置の照射位置を制御する段階;
前記自転車の部品に放射されたX線透過された透過量情報を取得する段階;
前記透過量情報に基づいてグレースケール画像を生成する段階;
前記グレースケール画像に表された前記自転車の部品の一端から前記部品の延長された方向に沿って他端に至るまでグレースケールの値の変化量を測定する段階;及び、
前記グレースケールの値の変化量が閾値以上に発生する領域を異常領域として探知する段階を含み、
前記透過量情報を取得する動作において、
前記プロセッサは、
自転車の部品別スペック情報がマッピングされている自転車部品別の画像データセットに基づいて学習された第1神経網モデルに前記自転車の全体画像を入力して前記自転車の部品を特定する動作;および、
前記特定された部品に対して前記X線が放射される位置調節して前記特定された部品別X線の透過量情報を取得する動作を含む、
非破壊検査方法。
【請求項15】
請求項14の方法をプロセッサが行うようにする命令語を含むコンピュータプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本文書の実施例は、X線透過量のスケール変化分析に基づいて自転車の部品に対する非破壊検査を行う技術に関する。
【背景技術】
【0002】
自転車は、人がペダルを踏んで動くようになる移動手段であって、軽く頑丈な材質で製作されるほど移動効率および安定性が高くなる。これにより、最近は重量が軽いながらも比較的強度の強いカーボン複合材(Carbon Composite)で製作された自転車が開発・製造されている。
【0003】
一方、自転車の部品の中には、カーボン複合材の厚さが1mmにもならないほど非常に薄く製作される部品もあるため、製造過程でカーボン複合材内部に気孔が発生したり、使用中において使用者の重量や衝撃により簡単に部品に亀裂が発生することもある。
【0004】
このような気孔や亀裂等が発生した異常部分は、自転車の安定性に大きな影響を与える。例えば、異常部分の欠陥は、危なく自転車の運行中に破損して大きな事故につながる可能性があり、異常な問題があるのに正常なものに化けて中古市場で取引され、このような問題を知らずに自転車を取引した買い手が事故や被害を受ける可能性がある。
【0005】
ただし、このようなカーボン複合材の異常部分は非常に微細であるため、専門家以外の人は確認が難しいうえに、自転車の接合部分を一々分解して検査しないと内部を確認できず、その検査過程もかかる時間および費用が相当なものであるという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】韓国登録特許第10-2157233号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本文書の実施例は、上述した問題を解決するために、非破壊検査(Non-destructive Inspection)によって自転車の異常部分を自動的に検出する技術を提供しようとする。
【0008】
特に、異常部分を自動的に正確に検出するためには、自転車から分析対象となる情報自体を分析に容易に取得する技術と、取得された情報を加工して情報の意味を分析する技術と、が求められる。そのために、本文書の実施例は、カーボンに対する非破壊検査に適した画像を生成する前処理情報取得過程と前処理情報取得過程とを通じて得た情報を加工して部品の異常部分を検出する技術を提示する。
【0009】
ただし、本発明が解決しようとする課題は、以上で言及したところに限定されず、言及されてはいないが、以下の記載から本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者に明確に理解され得る目的を含むことができる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
一実施例に係る非破壊検査装置は、所定の動作を行うようにする命令語を格納する1つ以上のメモリ;および前記1つ以上のメモリと動作可能に連結されて前記命令語を実行するように設定された1つ以上のプロセッサを含み、前記プロセッサの動作は、自転車の部品にX線を放射して透過された透過量情報を取得する動作;前記透過量情報に基づいてグレースケール画像を生成する動作;前記グレースケール画像に表された前記自転車の部品の一端から前記部品の延長された方向に沿って他端に至るまでグレースケールの値(gray value)の変化量を測定する動作;および、前記グレースケールの値の変化量が閾値以上に発生する領域を異常領域として探知する動作を含むことができる。
【0011】
また、前記X線はカーボンで形成された自転車の部品のグレースケールが得られるように、60kV以上70kV以下の範囲の電圧、11.0mA以上12.0mA以下の範囲の電流、0.4mm以上1.0mm以下の範囲の焦点(FOC)に設定され得る。
【0012】
また、前記グレースケール画像を生成する動作において、前記プロセッサは、X線透過量の強度を最小値0以上最大値3500以下のa.u.intensity(arbitrary unit intensity)に再調整(rescale)し、第1テンプレート、第2テンプレート、第3テンプレート、第4テンプレート、および第5テンプレートのうち、前記自転車の部品に基づいていずれかのテンプレートを選択し、前記第1テンプレートが選択されると、前記X線の透過量の再調整された強度(rescaled intensity)が2216以上2500以下である前記部品の部位のみをグレースケールに変換し、前記第2テンプレートが選択されると、前記X線の透過量の再調整された強度(rescaled intensity)が2108以上3294以下である前記部品の部位のみをグレースケールに変換し、前記第3テンプレートが選択されると、前記X線の透過量の再調整された強度(rescaled intensity)が1893以上2878以下である前記部品の部位のみをグレースケールに変換し、前記第4テンプレートが選択されると、前記X線の透過量の再調整された強度(rescaled intensity)が1257以上2878以下である前記部品の部位のみをグレースケールに変換し、前記第5テンプレートが選択されると、前記X線の透過量の再調整された強度(rescaled intensity)が31以上2410以下である前記部品の部位のみをグレースケールに変換する動作を含むことができる。
【0013】
また、前記変化量を測定する動作において、前記プロセッサは、前記一端に位置する一点が前記部品の延長方向に沿って他端に至るまで移動した距離をx軸、前記一点が移動するように制御しながら測定されたグレースケールの値(gray value)をy軸として、グレースケールの値の変化量を測定した2次元グラフ情報を生成する動作を含むことができる。
【0014】
また、前記探知する動作において、前記プロセッサは、前記2次元グラフ情報のうち所定範囲内のx軸においてy軸の変化量が既に設定されている閾値以上に発生した場合、前記既に設定されている閾値以上にy軸変化量が発生したx軸の長さに対応する部分を異常領域として探知する動作を含むことができる。
【0015】
また、前記変化量を測定する動作において、前記プロセッサは、前記一端から前記部品を切断する切断線の長さをz軸、前記切断線が前記部品の延長方向に沿って他端に至るまで移動させた距離をx軸、前記切断線が移動しながら測定されたグレースケールの値をy軸としてグレースケールの値の変化量を測定した3次元グラフ情報を生成する動作を含むことができる。
【0016】
また、前記探知する動作において、前記プロセッサは、前記3次元グラフ情報のうち所定範囲内のx軸においてy軸の変化量が既に設定されている閾値以上に発生した場合、前記既に設定されている閾値以上にy軸変化量が発生したx軸の長さに対応する部分を異常領域として探知する動作を含むことができる。
【0017】
また、前記探知する動作において、前記プロセッサは、前記既に設定されている閾値以上にy軸変化量が発生したx軸の長さおよびz軸の長さからなる3次元領域を異常領域として探知する動作を含むことができる。
【0018】
また、前記透過量情報を取得する動作において、前記プロセッサは、自転車の部品別スペック情報がマッピングされている自転車部品別の画像データセットに基づいて学習された第1神経網モデルに前記自転車の全体画像を入力して前記自転車の部品を特定する動作;および、前記特定された部品を前記X線が放射される位置に調節して前記特定された部品別X線の透過量情報を取得する動作を含み、前記部品別スペック情報は、前記部品の種類を特定する情報および前記部品に対して非破壊検査を行うように既に設定されているX線の電圧、電流、および焦点距離に関する情報を含むことができる。
【0019】
また、前記第1神経網は、画像判別アルゴリズムに基づいて学習が行われ、前記自転車部品別の画像データセットは、画像の一部にフレーム、ホイール、および駆動系に対してラベリングされたデータセットを含むことができる。
【0020】
また、前記プロセッサの動作は、前記異常領域として探知する動作の後、前記異常領域の画像に基づいて前記異常領域の種類を判別する動作をさらに含むことができる。
【0021】
また、前記異常領域の種類を判別する動作において、前記プロセッサは、自転車部品別異常画像データセットに基づいて学習された第2神経網モデルに前記異常領域の画像を入力して前記異常領域のクラスを判別する動作;および、前記異常領域を含む部品のスペック情報に前記異常領域のクラスに基づく減価情報を反映して価格を算定する動作をさらに含み、前記部品別スペック情報は、前記部品の価格を特定する情報を含むことができる。
【0022】
また、前記第2神経網は、画像判別アルゴリズムに基づいて学習が行われ、前記自転車部品別の異常画像データセットは、画像の一部に部品の破損、修理、補強、接合、および気孔に対してラベリングされたデータセットを含むことができる。
【0023】
一実施例に係る非破壊検査装置が行う非破壊検査方法は、自転車の部品にX線を放射して透過された透過量情報を取得する段階;前記透過量情報に基づいてグレースケール画像を生成する段階;前記グレースケール画像に表された前記自転車の部品の一端から前記部品の延長された方向に沿って他端に至るまでグレースケールの値の変化量を測定する段階;および、前記グレースケールの値の変化量が閾値以上に発生する領域を異常領域として探知する段階を含むことができる。
【発明の効果】
【0024】
本文書の実施例によれば、自転車を分解しなくても簡単に部品の異常部分を検出することができ、異常部分の種類を判別することができる。これによって、自転車製造時の検収過程を効果的に短縮しながら検収精度を向上させることができる。
【0025】
また、認証された機関が本文書の技術を使用することにより、自転車中古取引市場で自転車の品質を認証して健全な取引文化を獲得し、自転車使用者の安全を確保することができる。
【0026】
本発明で得られる効果は、以上で言及した効果に限定されず、言及されていないまた他の効果は、以下の記載から本開示の属する技術分野における通常の知識を有する者に明確に理解できるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】一実施例による非破壊検査装置の機能ブロック図である。
図2】一実施例によって自転車の全体画像に含まれる自転車の部品を分類する第1神経網の例示図である。
図3】一実施形態によって部品の異常領域を探知した結果画像でありながら、異常領域の種類を判別する第2神経網の学習に使用される画像の例示図である。
図4】一実施例による非破壊検査装置が非破壊検査方法を行う動作のフローチャートである。
図5A】対象に対して取得された情報から生成された各グレースケール画像の例示図である。
図5B図5Aと同じ対象に対してX線の性質を異にして取得された情報から生成された各グレースケール画像の例示図である。
図5C図5Aと同じ対象に対してX線の性質を異にして取得された情報から生成された各グレースケール画像の例示図である。
図6】X線の透過量の強度(intensity)を異にして部品をグレースケールに変換したグレースケール画像の例示図である。
図7】一実施例によって自転車部品の一端に位置した切断線が部品の方向に沿って他端に至るまで移動するように制御しながらグレースケールの値(gray value)の変化量を測定する動作を説明するための例示図である。
図8A】一実施例によって定常状態の部品を検出した動作の例示図である。
図8B】一実施例によって定常状態の部品を検出した動作の例示図である。
図8C】一実施例によって定常状態の部品を検出した動作の例示図である。
図9A】一実施例によって異常領域を含む部品を検出した動作の例示図である。
図9B】一実施例によって異常領域を含む部品を検出した動作の例示図である。
図9C】一実施例によって異常領域を含む部品を検出した動作の例示図である。
図10】一実施例によって測定されたグレースケールの値の変化量に基づいて生成された3次元グラフ情報の例示図である。
図11】一実施例によって自転車部品の一端に位置する一点が部品の方向に沿って他端に至るまで移動するように制御しながらグレースケールの値の変化量を側定する動作を説明するための例示図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の様々な実施例が添付された図面を参照して記載される。しかし、これは本発明を特定の実施形態に限定することを意図するのではなく、本発明の実施例の様々な変更(modification)、同等物(equivalent)、および/または代替物(alternative)を含むものと理解されるべきである。
【0029】
図1は、一実施例に係る非破壊検査装置100の機能ブロック図である。
【0030】
図1を参照すると、一実施例による非破壊検査装置100は、メモリ110、プロセッサ120、入出力インターフェース130および通信インターフェース140を含むことができる。
【0031】
メモリ110は、画像DB111、スペック情報(SPECIFICATION INFORAMTION)DB112、神経網DB113および命令語DB114を含むことができる。
【0032】
画像DB111は、自転車の全体画像、自転車の部品画像、自転車のX線撮影画像、自転車のX線撮影画像のうち異常領域が特定された画像のデータを格納することができる。画像DB111に格納された画像は、後術する第1神経網および第2神経網の学習に使用されることができる。
【0033】
スペック情報DB112は、自転車部品の詳細情報を格納することができる。例えば、部品の詳細情報は、材質、用途、メーカー、生産年度、各部品のブランド、カテゴリ、年式、動作方式、色、素材、モデル名、サイズ、最小推奨キー、最大推奨キー、ジオメトリ、製造時に排出される炭素量、価格、部品について非破壊検査を行うために設定する必要のあるX線の電圧、電流、および焦点距離、部品に対して取得されたX線透過量情報からグレースケールに変換するために設定する必要があるテンプレート情報を含むことができる。
【0034】
神経網DB113は、学習された神経網を格納することができる。例えば、神経網DB113は、自転車の部品別スペック情報がマッピングされている自転車部品別画像データセットに基づいて学習され、所定の自転車画像が入力されると、自転車画像に含まれた部品のクラスを特定(ex.フレーム、ホイール、および駆動系など)し、各部品のスペック情報を出力する第1神経網モデルを含むことができる。例えば、神経網DB113は、自転車部品別異常画像データセットに基づいて学習され、所定の異常領域画像を入力すると、当該異常領域のクラス(ex.破損、修理、補強、接合、および気孔など)を特定する第2神経網モデルを含むことができる。
【0035】
命令語DB114は、プロセッサ120の動作を実行させ得る命令語を格納することができる。例えば、命令語DB114は、後述するプロセッサ120の動作と対応する動作を実行するようにするコンピュータコードを格納することができる。
【0036】
プロセッサ120は、非破壊検査装置100の全般的な動作を制御することができる。プロセッサ120は、検査モジュール121、神経網モジュール122、画像モジュール123および制御モジュール124を具現することができる。プロセッサ120は、メモリ110に格納された命令語を実行して検査モジュール121、神経網モジュール122、画像モジュール123、および制御モジュール124を駆動させることができる。
【0037】
検査モジュール121は、X線を用いて製品の撮影を行う非破壊撮影装備(ex.X-RAY CT SCANNER)と連動でき、非破壊撮影装備を制御することができる。例えば、検査モジュール121は、自転車の部品にX線を放射するように非破壊撮影装備を制御し、自転車の部品を透過したX線の透過量情報を取得することができる。非破壊検査装置100は、非破壊撮影装備と有無線で連結され得る。
【0038】
神経網モジュール122は、実施例による第1神経網および第2神経網を学習および制御することができる。
【0039】
図2は、一実施例によって自転車の全体画像に含まれた自転車の部品を分類する第1神経網の例示図である。
【0040】
図2を参照すると、神経網モジュール122は自転車の全体画像において自転車を構成する各部品の位置がバウンディングボックスで特定され部品を特定するクラスがラベリングされた学習画像に基づいて、画像判別アルゴリズムを用いて第1神経網を学習させることができる。第1神経網の学習が完了すると、自転車画像が第1神経網に入力される場合、畳み込み演算によって画像の特徴値が抽出され、抽出された特徴値に基づいて入力された画像に含まれた自転車部品の位置を特定でき、特定された部品にマッピングされたスペック情報を出力することができる。
【0041】
一例として、第1神経網は、自転車の全体画像から個々の部品(ex.フレーム、クランク、フロントディレーラー、リアディレーラー、ホイール、レバーなど)を特定および分類することができ、互いに連動して動作する個々の部品のセット(ex.フレームセット、駆動系、ホイールセット、コンポーネントなど)をグループ化できる。神経網モジュール122は、分類された個々の部品と個々の部品のセットとに基づいて、入力された自転車画像に含まれた部品の情報を集合の形で格納することができる。例えば、神経網モジュール122はフレームセットに対応する要素の集合{フォーク、フレーム}、グループセットに対応する要素の集合{フロントディレーラー、リアディレーラー、ブレーキ、レバー、クランク、カセット、チェーン}、ホイールセットに対応する要素の集合{タイヤ、ハブ}、コンポーネントに対応する要素の集合{ステム、シートポスト、ハンドルバー、サドル}の形で、入力された自転車画像に含まれた部品情報をグループ化して特定することができる。
【0042】
神経網モジュール122は、特定された各部品に対応するスペック情報をスペック情報DB112から検索し、特定された各部品に対応するスペック情報をマッピングして格納することができる。
【0043】
図3は、一実施例によって部品の異常領域を探知した結果画像であり、異常領域の種類を判別する第2神経網の学習に使用される画像の例示図である。
【0044】
図3を参照すると、第2神経網の学習に使用される画像は、学習のために直接ラベリングした画像を含むか、または本発明の実施例(ex.図4のS1010~S1040の過程)により、自動的に異常領域が特定され、異常領域の種類がラベリングされた画像を含むことができる。異常領域の種類のクラスは、気孔、多気孔、塗装修理、レジン過多、剥離、繊維損傷、繊維不一致、繊維修理、熱損傷、異物、接合部の損傷、しわおよび脱接合に関するクラスを含むことができる。
【0045】
図3を参照すると、神経網モジュール122は、異常領域がバウンディングボックスで特定されて異常領域の種類のクラスがラベリングされた学習画像に基づいて所定の画像判別アルゴリズムを用いて第2神経網を学習させることができる。第2神経網の学習が完了すると、異常領域の特定された画像が第2神経網に入力される場合、第2神経網は畳み込み演算によって画像の特徴値を抽出し、抽出された特徴値に基づいて入力された画像に含まれた異常領域の位置および種類を特定することができる。
【0046】
画像モジュール123は、非破壊撮影装備から取得した透過量情報に基づいて撮影された自転車部品のグレースケール画像を生成することができる。
【0047】
制御モジュール124は、生成されたグレースケール画像を分析して撮影された部品に異常領域が含まれているか判別し、判別された異常領域の種類を特定することができる。制御モジュール124は、異常領域の種類に基づいて修理すべき方法を決定したり、該当部品の価格を算定することができる。
【0048】
上述した検査モジュール121、神経網モジュール122、画像モジュール123および制御モジュール124によって行われる動作は、プロセッサ120によって行われる動作として理解され得る。
【0049】
入出力インターフェース130は、非破壊検査装置100を制御する管理者が特定の情報を入力するようにしたり、管理者に特定の情報を出力したりするハードウェアインターフェースまたはソフトウェアインターフェースを含むことができる。
【0050】
通信インターフェース140は、非破壊検査装置100が通信網を介して外部装置(ex.非破壊撮影装備)と情報を送受信できるようにする。そのために、通信インターフェース140は、無線通信モジュールまたは有線通信モジュールを含むことができる。
非破壊検査装置100は、プロセッサ120を介して演算を行い、ネットワークを介して情報を送受信することができる様々な形態の装置で実現され得る。例えば、携帯用通信装置、スマートフォン、コンピュータ装置、携帯用マルチメディア装置、ノートパソコン、タブレットPCなどを含むことができる。
【0051】
以下、非破壊検査装置100が、上述した構成を介して行う動作の実施例を図4図11と共に見てみる。
【0052】
図4は、一実施例に係る非破壊検査装置100が非破壊検査方法を行う動作のフローチャートである。
【0053】
図4を参照すると、検査モジュール121は自転車の部品にX線を放射するように非破壊撮影装備を制御し、自転車の部品を透過したX線の透過量情報を獲得することができる(S1010)。
【0054】
検査モジュール121は、制御モジュール124または神経網モジュール122が異常部分を高精度で検出できるように、自転車の各部品に対応するX線制御を行って異常領域の判定に容易な情報を生成する。X線の性質をどのように制御するかにより、図5A図5Cに示すように異常領域に関する情報が含まれるか失われる可能性があるためである。
【0055】
図5A図5Cは、同一対象に対してX線の性質を異にして取得された情報から生成されたそれぞれのグレースケール画像の例示図である。
【0056】
図5A図5Cを参照すると、X線の透過量が低すぎると図5Aのような画像が生成され、X線の透過量が高すぎると図5Cのような画像が生成されるため、X線の性質を部品に適合するように調節して図5Bのような画像を得ることが重要である。
【0057】
検査モジュール121撮影対象である各部品の特性に基づいて各部品別にX線の性質を調節することができる。例えば、検査モジュール121はカーボンから形成された自転車の部品を撮影する場合、X線放射時60kV以上70kV以下の範囲の電圧、11.0mA以上12.0mA以下の範囲の電流、0.4mm以上1.0mm以下の範囲の焦点(FOC)環境に設定されるように非破壊撮影装備を制御してX線を放射することができる。
【0058】
検査モジュール121がX線撮影動作を行う前に、神経網モジュール122は自転車の部品別スペック情報がマッピングされている自転車部品別画像データセットに基づいて学習された第1神経網モデルに非破壊検査対象の自転車の全体画像を撮影および入力して、検査対象の自転車の部品の位置および部品の種類を特定することができる。検査モジュール121は、特定された部品別スペック情報をスペック情報DB112で検索することができる。部品別スペック情報は、各部品に対して非破壊検査を行うように既に設定されているX線の電圧、電流、および焦点距離に関する情報を含むことができる。検査モジュール121は、特定された部品の位置にX線が放射される位置を調節して、スペック情報に格納された情報を基にX線の性質を制御して、各部品に対して分析に適合する透過量情報を取得することができる。
【0059】
次に、画像モジュール123は、取得された透過量情報に基づいてグレースケール画像を生成することができる(S1020)。
【0060】
画像モジュール123は、制御モジュール124または神経網モジュール122が異常部分を高精度で検出できるように、取得された透過量情報のうちいかなる範囲の情報を活用してグレースケールに変換するかを判断し、異常領域の判断に容易な画像を生成する。取得された透過量情報のうちいかなる範囲に該当する情報をグレースケールに変換するのかにより、異常領域に関する情報が含まれるか失われる可能性があるためである。
【0061】
図6は、X線の透過量の強度(intensity)を異にして部品をグレースケールに変換したグレースケール画像の例示図である。
【0062】
図6を参照すると、画像モジュール123はX線透過量の強度を最小値0以上最大値3500以下のa.u.intensity(arbitrary unit intensity)に再調整(rescale)し、第1テンプレート、第2テンプレート、第3テンプレート、第4テンプレート、および第5テンプレートのうち、自転車の部品に応じていずれかのテンプレートを選択し、第1テンプレートが選択されると、X線の透過量の再調整された強度(rescaled intensity)が2216以上2500以下である部品の部位のみをグレースケールに変換し、第2テンプレートが選択されると、X線の透過量の再調整された強度(rescaled intensity)が2108以上3294以下である部品の部位のみをグレースケールに変換し、第3テンプレートが選択されると、X線の透過量の再調整された強度(rescaled intensity)が1893以上2878以下である部品の部位のみをグレースケールに変換し、第4テンプレートが選択されると、X線の透過量の再調整された強度(rescaled intensity)が1257以上2878以下である部品の部位のみをグレースケールに変換し、第5テンプレートが選択されると、X線の透過量の再調整された強度(rescaled intensity)が31以上2410以下である部品の部位のみをグレースケールに変換することができる。
【0063】
例えば、第1テンプレートを利用した変換はコントラストが大きく暗いグレースケール画像を生成するため、外郭線の形態や厚さなどのように側面または断面を確認しなければならない部品の場合、該当部品の検査に第1テンプレートが使用されるようにスペック情報に格納されることができる。
【0064】
第2テンプレートを利用した変換はコントラストが少なく暗いグレースケール画像を生成するため、面の状態を綿密に確認する必要がある部品の場合、その部品の検査に第2テンプレートが使用されるようにスペック情報に格納されることができる。
【0065】
第3テンプレートを利用した変換はコントラストおよび明るさがバランスのいいグレースケール画像を生成するため、全般的な面および線の要素を全て検討する必要がある部品の場合、その部品の検査に第3テンプレートが使用されるようにスペック情報に格納されることができる。
【0066】
第4テンプレートを利用した変換はコントラストが比較的大きく明るいグレースケール画像を生成するため、比較的厚さがあったり重なった構造によりX線の透過が少ない部品の場合、該当部品の検査に第4テンプレートが使用されるようにスペック情報に格納されることができる。
【0067】
第5テンプレートを利用した変換はコントラストが少なく明るいグレースケール画像を生成するため、三重以上に重なっている厚い部品および金属類の要素が混合されて製造される部品の場合、該当部品の検査に第5テンプレートが使用されるようにスペック情報に格納されることができる。
【0068】
次に、制御モジュール124は、グレースケール画像に表現された自転車の部品の一端からその部品の延長された方向に沿って他端に至るまでのグレースケールの値の変化量を測定し(S1030)、グレースケールの値の変化量が閾値以上に発生する領域を異常領域として探知することができる(S1040)。
【0069】
図7は、一実施例によって自転車部品の一端aに位置する切断線が部品の延長方向に沿って他端bに至るまで移動するように制御しながらグレースケールの値の変化量を測定する動作を説明するための例示図である。
【0070】
図7を参照すると、制御モジュール124はグレースケール画像で認識された部品の外郭面と直交する切断線に沿ってグレースケールの値を測定する。
【0071】
図8A図8Cは、一実施例により定常状態の部品を測定した例示図である。図8A図8Cは、理解の便宜のために、3つの部分a、b、cの離隔された切断線の位置で測定されたグレースケールの値を測定した例示である。
【0072】
図8A図8Cを参照すると、制御モジュール124は、グレースケール画像で認識された部品の外郭面と直交する切断線に沿ってグレースケールの値を測定する。図8A図8Cの3つの部分a、b、cの測定値に関するグラフを参照すると、各切断線の位置で測定されたグレースケールの値は急激に変化せずほぼ一定に保たれることが確認できる。
【0073】
図9A図9Cは、一実施例によって異常領域を含む部品を測定した例示図である。図9A図9Cは、理解の便宜のために3つの部分a、b、cの離間した切断線の位置で測定されたグレースケールの値を測定した例示である。
【0074】
図9A図9Cを参照すると、制御モジュール124はグレースケール画像で認識された部品の外郭面と直交する切断線に沿ってグレースケールの値を測定するように制御する。図9A図9Cの3つの部分a、b、cの測定値に関するグラフを参照すると、bの切断線の位置に関するグラフの一領域において、aまたはcの切断線の位置に関するグラフの形状に比べてグレースケールの大きさが急激に変化した領域が存在することが確認できる。
【0075】
本発明の実施例は、適合した性質のX線によって撮影されたグレースケール画像において異常領域にスケール値が急激に変化する区間が一つ以上発生することに着目して、図10のように連続して測定されたグレースケールの値の変化量に基づいて異常領域を探知することができる。
【0076】
図10は、一実施例によって測定されたグレースケールの値の変化量に基づいて生成された3次元グラフ情報の例示図である。
【0077】
図10を参照すると、制御モジュール124は、部品の一端から部品を切断する切断線の長さをz軸、切断線が部品の延長方向に沿って一端から他端に至るまで移動させた距離をx軸、切断線が移動しながら測定されたグレースケールの値をy軸にして、グレースケールの値の変化量を測定した3次元グラフ情報を生成することができる。制御モジュール124は、3次元グラフ情報のうち所定範囲内のx軸においてy軸の変化量が既に設定されている閾値以上に変化した地点が少なくとも1領域発生した場合、既に設定されている閾値以上にy軸変化量が発生したx軸長さに該当する部分を異常領域として探知することができる。また、制御モジュール124は、既に設定されている閾値以上にy軸変化量が発生したx軸長さおよびz軸長さからなる3次元領域を異常領域として探知することができる。
【0078】
図11は、一実施例によって自転車部品の一端aに位置した一点が部品の延長方向に沿って他端bに至るまで移動するように制御しながらグレースケールの値の変化量を測定する動作を説明するための例示図である。
【0079】
図11を参照すると、制御モジュール124はグレースケール画像で認識された部品の外郭面と平行な方向に沿ってグレースケールの値を測定する。制御モジュール124は、一端に位置した一点が前記部品の延長方向に沿って他端に至るまで移動した距離をx軸、一点が移動しながら測定されたグレースケールの値をy軸として、グレースケールの値の変化量を測定した2次元グラフ情報を生成することができる。制御モジュール124は、2次元グラフ情報のうち所定の範囲内のx軸においてy軸の変化量が既に設定されている閾値以上に変化した地点が少なくとも1地点発生した場合、既に設定されている閾値以上にy軸変化量が発生したx軸長さに該当する部分を異常領域として探知することができる。
【0080】
次に、制御モジュール124は、特定された異常領域の画像に基づいて異常領域の種類を判別することができる(S1050)。
【0081】
一例として、制御モジュール124は、自転車部品別異常画像データセットに基づいて学習された第2神経網モデルに探知された異常領域の画像を入力して異常領域のクラスを判別することができる。制御モジュール124は異常領域を含む部品のスペック情報に異常領域のクラスに基づいた減価情報を反映して価格を算定することができる。例えば、特定された部品のスペック情報を基に導出された元の価格に、探知された異常領域のクラスが気孔である場合は10%価格下落、接合の場合は15%の価格下落などの減価情報を反映して、異常領域の存在に応じた価格を再算定することができる。制御モジュール124は、当該部品の異常領域の種類に応じて修理する方法をスペック情報DB112で検索して、該当部品の異常領域を修理する方法、または修理価格を案内するように出力することができる。
【0082】
上述の実施例によると、自転車の分解がなくても簡単に部品の異常部分を検出することができ、異常部分の種類を判別することができる。これにより、自転車製造時の検収過程を効果的に短縮しながら、検収精度を向上させることができる。さらに、認定機関が本文書の技術を使用することによって自転車中古取引市場で自転車の品質を認証し、健全な取引文化を築き、自転車ユーザーの安全を保証することができる。
【0083】
本文書の様々な実施例およびそれに使用されている用語は、本文書に記載された技術的特徴を特定の実施例に限定することではなく、該当実施例の様々な変更、均等物、または代替物を含むものと理解されるべきである。図面の説明と関連し、類似または関連する構成要素に対しては同様の参照番号が使用され得る。アイテムに対応する名詞の単数形は、関連する文脈上明らかに異なる指示がない限り、1つのアイテムまたは複数のアイテムを含むことができる。
【0084】
本文書において、「AまたはB」、「AおよびBのうち少なくとも1つ」、「AまたはBのうち少なくとも1つ、「A、BまたはC、」「A、BおよびCのうち少なくとも1つ」、および「A、B、またはCのうち少なくとも1つ」などの語句それぞれは、その語句のうち該当する語句に一緒に列挙されている項目のすべての可能な組み合わせを含むことができる。「第1」、「第2」、または「1番目」または「2番目」などの用語は、単にその構成要素を他の側面(例:重要性または順序)で限定しない。ある(例:第1)構成要素が他の(例:第2)構成要素に、「機能的に」または「通信的に」という用語と一緒に、またはこれらの用語なしに、「カプルド(coupled)」または「コネクテッド」と言及された場合、それはある構成要素が他の構成要素に直接(例:有線で)、無線で、または第3の構成要素を介して連結され得るということを意味する。
【0085】
本文書で使用された用語「モジュール」は、ハードウェア、ソフトウェア、またはファームウェアで実現されたユニットを含むことができ、例えば、ロジック、論理ブロック、部品、または回路などの用語と相互互換的に使用され得る。モジュールは、一体で構成された部品または、1つまたはそれ以上の機能を実行する、部品の最小単位またはその一部である。例えば、一実施例によると、モジュールはASIC(application-specific integrated circuit)の形態で実現され得る。
【0086】
本文書の様々な実施例は、機器(例:電子機器)によって読み取ることができる記憶媒体(例:メモリ)に格納された1つ以上の命令語を含むソフトウェア(例:プログラム)で実現され得る。記憶媒体は、RAM(random access memory)、メモリバッファ、ハード・ドライブ、データベース、EPROM(erasable programmable read-only memory)、EEPROM(electrically erasable read-only memory)、ROM(read-only memory)および/または等を含むことができる。
【0087】
また、本文書の実施例のプロセッサは、記憶媒体から格納されている1つ以上の命令語のうちの少なくとも1つの命令を呼び出し、それを実行することができる。これは、機器が呼び出された少なくとも1つの命令語に従って少なくとも1つの機能を行うように運営されることを可能にする。これらの1つ以上の命令語はコンパイラーによって生成されたコードまたはインタープリターによって実行され得るコードを含むことができる。プロセッサは汎用プロセッサ、FPGA(Field Programmable Gate Array)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(Digital Signal Processor)および/または等であり得る。
【0088】
機器で読み取ることができる記憶媒体は、非一時的(non-transitory)記憶媒体の形で提供され得る。ここで、「非一時的」は記憶媒体が実在(tangible)する装置であり、信号(例:電磁波)を含まないということを意味するだけであり、この用語は、データが記憶媒体に半永久的に格納される場合と一時的に格納される場合を区別しない。
【0089】
本文書に開示された様々な実施例による方法は、コンピュータプログラム製品(computer program product)に含まれて提供され得る。コンピュータプログラム製品は商品として売り手と買い手との間で取引され得る。コンピュータプログラム製品は機器で読み取り可能な記憶媒体(例:compact disc read only memory(CD-ROM))の形で配布されたり、またはアプリケーションストア(例:プレイストア)を介して、または二つのユーザーデバイス(例:スマートフォンなど)間で直接、オンラインで配布(例:ダウンロード、またはアップロード)され得る。オンライン配布の場合、コンピュータプログラム製品の少なくとも一部はメーカーのサーバ、アプリケーションストアのサーバ、または中継サーバのメモリのような機器で読み取り可能な記憶媒体に少なくとも一時格納されるか、一時的に生成されることができる。
【0090】
様々な実施例によると、記載された構成要素の各々の構成要素(例:モジュールまたはプログラム)は、単数または複数の個体を含むことができる。様々な実施例によれば、前述の当該構成要素のうち1つ以上の構成要素または動作が省略されたり、または1つ以上の他の構成要素または動作が追加され得る。代替的または追加的に、複数の構成要素(例:モジュールまたはプログラム)は1つの構成要素に統合され得る。この場合、統合された構成要素は複数の構成要素の各構成要素の1つ以上の機能を、統合する前に複数の構成要素のうち当該構成要素によって行われるのと同じまたは同様に行うことができる。様々な実施例によれば、モジュール、プログラム、または他の構成要素によって行われる動作は順次、並列に、反復的に、またはヒューリスティックに行われたり、動作のうち1つ以上が異なる順序で行われたり、省略されたり、または1つ以上の他の動作が追加され得る。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図6
図7
図8A
図8B
図8C
図9A
図9B
図9C
図10
図11