(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-19
(45)【発行日】2023-05-29
(54)【発明の名称】ケーブル処理マシン制御システム、ケーブル処理マシンシステム、ならびに、ケーブル処理マシンを監視および制御するための方法
(51)【国際特許分類】
G05B 19/418 20060101AFI20230522BHJP
G06Q 50/04 20120101ALI20230522BHJP
【FI】
G05B19/418 Z
G06Q50/04
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2018208628
(22)【出願日】2018-11-06
【審査請求日】2021-11-05
(32)【優先日】2017-11-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】503231561
【氏名又は名称】コマツクス・ホールデイング・アー・ゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル・エンメネッガー
(72)【発明者】
【氏名】ビート・アルパガウス
【審査官】石田 宏之
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-178855(JP,A)
【文献】特開2002-343154(JP,A)
【文献】特開2004-145860(JP,A)
【文献】特開2014-002705(JP,A)
【文献】特開2017-194735(JP,A)
【文献】特開2002-313159(JP,A)
【文献】特開2008-201569(JP,A)
【文献】特開2016-206824(JP,A)
【文献】特開2014-199637(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05B 19/418
G06Q 50/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーブル処理マシン制御システム(5)であって、
複数のケーブル処理マシン(10、20)のデータ仲介器(16、26)とデータをやりとりするために設計されたミドルウェア(40)と、
ウェアラブル通信デバイス(70)であって、ミドルウェア(40)とデータをやりとりするために設計され、かつ、ケーブル処理マシン制御システム(5)のユーザ(72)がウェアラブル通信デバイス(70)にログインすると、ミドルウェア(40)によってアサインされた、ユーザ(72)の役割に応じて、
ユーザ(72)のアサインされた役割にアサインされたケーブル処理マシン(10、20)に関する異なる情報が、ユーザ(72)のために、ウェアラブル通信デバイス(70)に表示され、
か
つ、
ユーザ(72)のアサインされた役割にアサインされたケーブル処理マシン(10、20)を制御するための異なる作業の可能性が、ユーザ(72)のために、ウェアラブル通信デバイス(70)に提供されるように設計されて
おり、ケーブル処理マシン(10、20)が、ウェアラブル通信デバイスを介して提供される作業の可能性によって制御されている、
ウェアラブル通信デバイス(70)と、
を含む、ケーブル処理マシン制御システム(5)。
【請求項2】
ケーブル処理マシン制御システム(5)が、役割が、役割のデータベースおよび/または役割のシフトテーブルに応じて、ユーザ(72)にアサインされるように設計されている、請求項1に記載のケーブル処理マシン制御システム(5)。
【請求項3】
ケーブル処理マシン制御システム(5)が、ケーブル処理マシン(10、20)が、役割のデータベースおよび/または役割のシフトテーブルに応じて、アサインされるように設計されている、請求項1または請求項2に記載のケーブル処理マシン制御システム(5)。
【請求項4】
ウェアラブル通信デバイス(70)が、ラップトップ、スマートフォン、タブレットコンピュータ、スマートウォッチ、および/または、光学ディスプレイを有するゴーグルを含む、請求項1から3のいずれか一項に記載のケーブル処理マシン制御システム(5)。
【請求項5】
ケーブル処理マシン制御システム(5)が、ケーブル処理マシン(10、20)に関するケーブル処理ツールの位置、および/または、ケーブル処理マシン(10、20)に関する材料の位置が取得され、ケーブル処理ツールおよび/または材料の位置が、ウェアラブル通信デバイス(70)に表示されるように、設計されている、請求項1から4のいずれか一項に記載のケーブル処理マシン制御システム(5)。
【請求項6】
ケーブル処理マシン制御システム(5)が、ミドルウェア(40)が企業資源計画ユニット(50)および/または製造管理システム(55)とデータをやりとりするように、設計されている、請求項1から5のいずれか一項に記載のケーブル処理マシン制御システム(5)。
【請求項7】
複数のケーブル処理マシン(10、20)であって、各ケーブル処理マシン(10、20)がデータ仲介器(16、26)を備え、それぞれのデータ仲介器(16、26)が、一方の側でケーブル処理マシン(10、20)のセンサおよび/またはアクチュエータ(13から15、23から25)とデータをやりとりし、別の側でミドルウェア(40)とデータをやりとりする、複数のケーブル処理マシン(10、20)と、
請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のケーブル処理マシン制御システム(5)であって、ケーブル処理マシン制御システム(5)が、ケーブル処理マシン(10、20)とデータをやりとりし、かつ/または、ケーブル処理マシン(10、20)を制御する、ケーブル処理マシン制御システム(5)と、を含む、ケーブル処理マシンシステム(1)。
【請求項8】
ケーブル処理マシンシステム(1)が、ミドルウェア(40)が企業資源計画ユニット(50)および/または製造管理システム(55)とデータをやりとりするように、設計されている、請求項7に記載のケーブル処理マシンシステム(1)。
【請求項9】
ケーブル処理マシン(10、20)を監視および制御するための方法であって、
ユーザ(72)がウェアラブル通信デバイス(70)上でログインするステップであって、ウェアラブル通信デバイス(70)が、ミドルウェア(40)とデータのやりとりをするために設計され、ミドルウェア(40)が、複数のケーブル処理マシン(10、20)のデータ仲介器(16、26)とデータをやりとりするために設計されている、ログインするステップと、
ミドルウェア(40)によりユーザ(72)の役割を決定し、役割をユーザ(72)にアサインするステップと、
ケーブル処理マシン(10、20)を、ユーザ(72)の役割に応じてユーザ(72)にアサインするステップと、
ユーザ(72)にアサインされたケーブル処理マシン(10、20)の情報をウェアラブル通信デバイス(70)に表示するステップであって、表示される情報が、ユーザ(72)にアサインされた役割に応じる、表示するステップ、
およ
び、
アサインされた役割にアサインされたケーブル処理マシン(10、20)の制御に関する作業の可能性を、ウェアラブル通信デバイス(70)に表示し、ユーザ(72)によって選択された作業の可能性に応じてケーブル処理マシン(10、20)を制御するステップ
であって、ケーブル処理マシン(10、20)が、ウェアラブル通信デバイスを介して提供される作業の可能性によって制御されている、当該制御するステップと、
を含む、ケーブル処理マシン(10、20)を監視および制御するための方法。
【請求項10】
役割が、役割のデータベースおよび/または役割のシフトテーブルに応じて、ユーザ(72)にアサインされる、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
ユーザ(72)のためにウェアラブル通信デバイス(70)に表示される情報が、対応するケーブル処理マシン(10、20)がウェアラブル通信デバイス(70)のそれぞれのユーザ(72)の役割にアサインされる範囲で、ケーブル処理マシン(10、20)からミドルウェア(40)により受信され、ミドルウェア(40)によってウェアラブル通信デバイス(70)に送信される、請求項9または10に記載の方法。
【請求項12】
ミドルウェア(40)が企業資源計画ユニット(50)および/または製造管理システム(55)とデータをやりとりする、請求項9から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
ケーブル処理マシン(10、20)のためのケーブル処理ツールおよび/または材料の位置が取得され、ケーブル処理ツールおよび/または材料の位置が、ウェアラブル通信デバイス(70)に表示される、請求項9から12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
ケーブル処理マシン(10、20)が、役割のデータベースおよび/または役割のシフトテーブルに応じて役割に関連付けられる、請求項9から13のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケーブル処理マシン制御システム、ケーブル処理マシンシステム、ならびに、ケーブル処理マシンを監視および制御するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ケーブル処理マシンでは、複数のアクチュエータが制御され、かつ/または、データがセンサによって取得される。オペレータによるケーブル処理マシンへの入力が、やはり取得される。このデータは、しばしば、それぞれのケーブル処理マシンにおいて、たとえば、ケーブル処理マシンのモニタ上で、利用可能なだけである。ケーブル処理マシンシステムのオペレータまたはユーザは、通常、複数のケーブル処理マシンに対する責任を負っている。オペレータまたはユーザは、オペレータまたはユーザに関連付けられるか、アサインされたケーブル処理マシンを監視し、必要であれば、ケーブル処理ツールを交換し、かつ/または、ケーブル処理マシンによって処理される材料を交換するか、ケーブル処理マシンによって処理される材料を再充填する。
【0003】
しばしば、オペレータは、ケーブル処理マシンの特定のエラーメッセージ、すなわち、ケーブル処理マシンのエラーメッセージすべてではなく、を認識するか、受諾するか、バイパスすることのみが認められている。特定のエラーメッセージに関し、たとえば、数人のオペレータを監視するか、階層関係の中で数人のオペレータを下に持つ、監督者のみが認められているが、この理由は、監督者が、より多くの経験または知識を有するか、(それぞれの)ケーブル処理マシンのどのエラーメッセージを無視することができ、どのエラーメッセージを無視するべきではないかに関し、より訓練されているためである。それで、オペレータが、オペレータに関連付けられたケーブル処理マシンの1つにエラーメッセージを見つけると、オペレータは、責任のある監督者を探し(オペレータは、責任のある監督者を知らない場合がある)、その監督者にエラー、問題となっているケーブル処理マシン、および、問題となっているケーブル処理マシン上で行っているケーブル処理プロセスについて知らせ、次いで、監督者は、エラーを認識するか、エラーを受諾するために、ケーブル処理マシンに行かなければならない。
【0004】
このことは、過度に時間がかかり、オペレータは、どの者がオペレータの監督者であるかを知らなければならない。さらに、オペレータは、オペレータに関連付けられたケーブル処理マシンのモニタ上の情報を取得するために、ケーブル処理マシン間を常に行き来しなければならない。さらに、オペレータは、オペレータに関連付けられ、かつ/または、オペレータにアサインされたケーブル処理マシンの1つに必要な材料および/またはケーブル処理ツールに関する精密な調査をしなければならず、この理由は、オペレータが、材料および/または必要なケーブル処理ツールがどこに位置するかを知らないためである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
とりわけ、技術的にシンプルかつ場所に依存しない方式で、ケーブル処理マシンに関する情報に、ケーブル処理マシンのユーザ(たとえば、オペレータおよび/または監督者)がアクセス可能であるか、ケーブル処理マシンのユーザがアクセス可能であるようにすることができ、かつ/または、ケーブル処理マシンのユーザが、技術的にシンプルかつ場所に依存しない方式で、ケーブル処理マシンを制御することができる、ケーブル処理マシン制御システム、ケーブル処理マシンシステム、または、ケーブル処理マシンを監視および制御するための方法に関する必要性が存在する場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そのような必要性は、請求項1に係るケーブル処理マシン制御システム、または、請求項7に係るケーブル処理マシンシステム、または、請求項9に係る、ケーブル処理マシンを監視および制御するための方法によって満たすことができる。有利な実施形態は、従属請求項に規定されている。
【0007】
本発明の第1の態様によれば、ケーブル処理マシン制御システムであって、複数のケーブル処理マシンのデータ仲介器とデータをやりとりするために設計されたミドルウェアと、ウェアラブル通信デバイスであって、ミドルウェアとデータをやりとりするために設計され、かつ、ケーブル処理マシン制御システムのユーザがウェアラブル通信デバイスにログインすると、ミドルウェアによってアサインされた、ユーザの役割に応じて、ユーザのアサインされた役割にアサインされたケーブル処理マシンに関する異なる情報が、ユーザのためにウェアラブル通信デバイスに表示され、かつ/または、ユーザのアサインされた役割にアサインされたケーブル処理マシンを制御するための異なる作業の可能性が、ユーザのためにウェアラブル通信デバイスに提供されるように設計されている、ウェアラブル通信デバイスと、を含む、ケーブル処理マシン制御システムが提案されている。
【0008】
この利点は、一般に、技術的にシンプルかつ場所に依存しない方式で、ケーブル処理マシン上の情報またはデータ(エラーメッセージ、現在行われているケーブル処理プロセス、ケーブル処理マシン内に存在するケーブル処理ツール、収集トレーの充填レベル、ケーブル処理マシンの効率など)、または、階層関係における次に高いレベルの者のデータ(たとえば、オペレータに関する監督者がだれか)が、場所に依存せずに、ケーブル処理マシンのユーザ(たとえば、ユーザ、監督者など)に表示され得ることである。このことは、ケーブル処理マシン制御システムのユーザが、通常は、いくつかのケーブル処理マシンからの情報を読み、収集するために、ケーブル処理マシンからケーブル処理マシンに行く必要がないことを意味している。この情報またはデータは、通常は、場所に依存せずに、ウェアラブル通信デバイス上に表示することができる。ミドルウェアから得られた一次データから計算されたデータおよび集計したデータは、通常、技術的にシンプルかつ場所に依存しない方式で、ウェアラブル通信デバイス上に表示することができる。さらに、一般に、ユーザまたはユーザの役割にアサインされたケーブル処理マシンのデータのみが、ユーザのために表示される。ウェアラブル通信デバイスに示されているか、ダウンロードすることができる情報は、通常、ユーザの役割に依存するものとすることができる。たとえば、一般に、操作におけるケーブル処理マシンのすべての責任を負う工場長は、ケーブル処理マシンの個別のエラーメッセージに関して通知される必要はなく、または、前記情報は、工場長に対して表示される必要はない。一方、そのような情報は、通常、このケーブル処理マシンがアサインされるオペレータには非常に重要であり、前記オペレータのために、オペレータのウェアラブル通信デバイス上に表示される。さらに、一般に、ケーブル処理マシンが技術的にシンプルかつ、場所に依存しない方式で制御されること、または、データがケーブル処理マシンとやりとりされることが可能である。それにより、たとえば、ケーブル処理マシンのエラーメッセージを場所に依存せずに認識することが通常は可能である。こうして、たとえば、ケーブル処理マシンが関連付けられているか、アサインされているオペレータが、オペレータ自身に通知することを認められていない、ケーブル処理マシンのエラーが生じている場合では、ユーザは、ケーブル処理マシンのオペレータが、監督者を知り、かつ/または、監督者を探す必要なく、かつ、監督者がケーブル処理マシンに行く必要なく、通常、オペレータに対し責任がある監督者に、ケーブル処理マシンのエラーメッセージを知らせる要求を通常は発することができる。ケーブル処理マシンによって実施されるケーブル処理手順、または、ケーブル処理マシンのパラメータの変更は、やはり、通常は場所に依存せずに行われ得る。ケーブル処理マシンを制御するために提供される作業の可能性は、これによってケーブル処理マシンがウェアラブル通信デバイスを介して制御され得、一般に、ユーザにアサインされているか、アサインされた役割に依存する場合がある。こうして、通常、たとえば、監督者が、「自身の」ウェアラブル通信デバイスで利用可能であるケーブル処理マシンの制御のための、オペレータよりも多くの作業の可能性を有することができる。この理由は、監督者(より多くの訓練をし、より多くの経験を有し、かつ/または、より多くの知識を有している)が、それぞれのケーブル処理マシンに対するか、ミドルウェアにおいて/ミドルウェアを介しての、オペレータよりも多くのアクセスの権限を有するためである。こうして、一般に、ケーブル処理マシンの効率は、増大させることができ、ケーブル処理マシンの操作における停止の持続時間を短縮することができる。このことは、通常、コストを低減させる。
【0009】
特に、ウェアラブル通信デバイスとミドルウェアとの間、および、ミドルウェアとケーブル処理マシンとの間の、通信またはデータのやりとりが、内部ネットワーク(たとえば、イントラネット)において、すなわち、インターネットを介さずに、起こり得るか、行われ得る。こうして、一般に、やりとりされる情報またはデータが、許可されていないアクセスから、特に信頼性高く保護される。
【0010】
本発明の第2の態様によれば、複数のケーブル処理マシンであって、各ケーブル処理マシンがデータ仲介器を備え、それぞれのデータ仲介器が、一方の側でケーブル処理マシンのセンサおよび/またはアクチュエータとデータをやりとりし、別の側でミドルウェアとデータをやりとりする、複数のケーブル処理マシンと、上の3つのパラグラフに記載のケーブル処理マシン制御システムであって、ケーブル処理マシン制御システムが、ケーブル処理マシンとデータをやりとりし、かつ/または、ケーブル処理マシンを制御する、ケーブル処理マシン制御システムと、を含む、ケーブル処理マシンシステムが提案されている。
【0011】
本発明の第3の態様によれば、ケーブル処理マシンを監視および制御するための方法であって、ユーザがウェアラブル通信デバイス上でログインするステップであって、ウェアラブル通信デバイスが、ミドルウェアとデータのやりとりをするために設計され、ミドルウェアが、複数のケーブル処理マシンのデータ仲介器とデータをやりとりするために設計されている、ログインするステップと、ミドルウェアによりユーザの役割を決定し、役割をユーザにアサインするステップと、ケーブル処理マシンを、ユーザの役割に応じてユーザにアサインするステップと、ユーザに関連付けられたケーブル処理マシンの情報をウェアラブル通信デバイスに表示するステップであって、表示される情報が、ユーザにアサインされた役割に応じる、表示するステップ、および/または、アサインされた役割にアサインされたケーブル処理マシンの制御に関する作業の可能性を、ウェアラブル通信デバイスに表示し、ユーザによって選択された作業の可能性に応じてケーブル処理マシンを制御するステップと、を含む、ケーブル処理マシンを監視および制御するための方法が提案されている。
【0012】
この方法の利点は、技術的にシンプルかつ場所に依存しない方式で、ケーブル処理マシン上の情報またはデータ(エラーメッセージ、現在行われているケーブル処理プロセス、ケーブル処理マシン内に存在するケーブル処理ツール、収集トレーの充填レベル、ケーブル処理マシンの効率など)、または、階層関係における次に高いレベルの者のデータ(たとえば、オペレータに関する監督者がだれか)が、場所に依存せずに、ケーブル処理マシンのユーザ(たとえば、ユーザ、監督者など)に表示され得ることである。このことは、ケーブル処理マシン制御システムのユーザが、一般に、いくつかのケーブル処理マシンからの情報を読み、収集するために、ケーブル処理マシンからケーブル処理マシンに行く必要がないことを意味している。この情報またはデータは、場所に依存せずに、ウェアラブル通信デバイス上に表示される。ミドルウェアから得られた一次データから計算されたデータおよび集計したデータは、通常、技術的にシンプルかつ場所に依存しない方式で、ウェアラブル通信デバイス上に表示することができる。さらに、通常は、ユーザまたはユーザの役割にアサインされたケーブル処理マシンのデータのみが、ユーザのために表示される。ウェアラブル通信デバイスに示されているか、ダウンロードすることができる情報は、一般に、ユーザの役割に依存するものとすることができる。たとえば、通常、操作におけるケーブル処理マシンのすべての責任を負う工場長は、ケーブル処理マシンの個別のエラーに関して通知される必要はなく、または、前記情報は、工場長に対して表示される必要はない。一方、一般に、そのような情報は、このケーブル処理マシンがアサインされるオペレータには非常に重要であり、前記オペレータのために、オペレータのウェアラブル通信デバイス上に表示される。さらに、通常は、ケーブル処理マシンが技術的にシンプルかつ、場所に依存しない方式で制御されること、または、データがケーブル処理マシンとやりとりされることが可能である。それにより、一般に、たとえば、ケーブル処理マシンのエラーメッセージを場所に依存せずに認識することが可能である。こうして、たとえば、ケーブル処理マシンが関連付けられているか、アサインされているオペレータが、オペレータ自身に通知することを認められていない、ケーブル処理マシンのエラーが生じている場合では、ユーザは、ケーブル処理マシンのオペレータが、監督者を知り、かつ/または、監督者を探す必要なく、かつ、監督者がケーブル処理マシンに行く必要なく、通常、オペレータに対し責任がある監督者に、ケーブル処理マシンのエラーメッセージを知らせる要求を通常は発することができる。ケーブル処理マシンによって実施されるケーブル処理手順、または、ケーブル処理マシンのパラメータの変更は、やはり、通常は場所に依存せずに行われ得る。ケーブル処理マシンを制御するために提供される作業の可能性は、これによってケーブル処理マシンがウェアラブル通信デバイスを介して制御され得、通常は、ユーザにアサインされているか、アサインされた役割に依存する場合がある。こうして、通常、たとえば、監督者が、「自身の」ウェアラブル通信デバイスで利用可能であるケーブル処理マシンの制御のための、オペレータよりも多くの作業の可能性を有することができる。この理由は、監督者(より多くの訓練をし、より多くの経験を有し、かつ/または、より多くの知識を有している)が、それぞれのケーブル処理マシンに対するか、ミドルウェアにおいて/ミドルウェアを介しての、オペレータよりも多くのアクセスの権限を有するためである。こうして、通常は、ケーブル処理マシンの効率は、増大させることができ、ケーブル処理マシンの操作における停止の持続時間を短縮することができる。一般に、このことは、コストを低減させる。
【0013】
本発明の実施形態の可能性のある特徴および利点は、とりわけ、本発明を限定することなく、以下に記載のアイデアおよび発見に基づくものとして考慮され得る。
【0014】
一実施形態によれば、ケーブル処理マシン制御システムは、役割が、役割のデータベースおよび/または役割のシフトテーブルに応じて、ユーザにアサインされるように設計されている。このことの利点は、役割が、通常は、技術的にシンプルな方式でユーザにアサインされ得ることである。
【0015】
一実施形態によれば、ケーブル処理マシン制御システムは、ケーブル処理マシンが、役割のデータベースおよび/または役割のシフトテーブルに応じて、役割にアサインされるように設計されている。このことの利点は、ケーブル処理マシンが、通常は、技術的にシンプルな方式で役割にアサインされ得ることである。
【0016】
一実施形態によれば、ウェアラブル通信デバイスは、ラップトップ、スマートフォン、タブレットコンピュータ、スマートウォッチ、および/または、光学ディスプレイを有するゴーグルを含んでいる。このことの利点は、ウェアラブル通信デバイスが、一般に、コスト効率が高いことである。さらに、通常は、標準化されたウェアラブル通信デバイスが使用され得る。
【0017】
一実施形態によれば、ケーブル処理マシン制御システムは、ケーブル処理マシンに関するケーブル処理ツールの位置、および/または、ケーブル処理マシンに関する材料の位置が取得され、ケーブル処理ツールおよび/または材料の位置が、ウェアラブル通信デバイスに表示されるように、設計されている。このことの利点は、ケーブル処理マシン制御システムにおいて、ケーブル処理ツールおよび/または材料が、通常、迅速かつシンプルに見つけられ得、また、こうして、ケーブル処理ツールおよび/または材料の交換が迅速に実施され得ることである。一般に、このことは、ケーブル処理マシンの操作が停止するタイムスパンまたは持続時間を短縮し、こうして、通常はコストが低減される。
【0018】
一実施形態によれば、ケーブル処理マシン制御システムは、ミドルウェアが企業資源計画ユニットおよび/または製造管理システムとデータをやりとりするように、設計されている。このことの利点は、ケーブル処理マシン制御システムが、通常は、特に効率的に動作し得ることである。
【0019】
一実施形態によれば、ケーブル処理マシンシステムは、ミドルウェアが企業資源計画ユニットおよび/または製造管理システムとデータをやりとりするように、設計されている。このことの利点は、ケーブル処理マシンシステムが、一般に、特に効率的に動作し得ることである。
【0020】
一実施形態によれば、役割は、役割のデータベースおよび/または役割のシフトテーブルに応じて、ユーザに関連付けられる。この方法の利点は、役割が、通常は、技術的にシンプルな方式でユーザにアサインされ得ることである。
【0021】
一実施形態によれば、ユーザのためにウェアラブル通信デバイスに表示される情報が、対応するケーブル処理マシンが、ウェアラブル通信デバイスのそれぞれのユーザの役割にアサインされる範囲で、ケーブル処理マシンからミドルウェアにより受信され、ミドルウェアによってウェアラブル通信デバイスに送信される。それにより、ユーザは、技術的にシンプルな方式で、ウェアラブル通信デバイスがデータをケーブル処理マシンと直接やりとりすることなく、ケーブル処理マシンとデータをやりとりすることができる。こうして、ケーブル処理マシンと、ミドルウェアまたはウェアラブル通信デバイスを伴うミドルウェアとの間の通信が、通常は、互いに独立に変更され得る。
【0022】
一実施形態によれば、ミドルウェアは、企業資源計画ユニットおよび/または製造管理システムとデータをやりとりする。この方法の利点は、ケーブル処理マシンシステムが、一般に、特に効率的に動作し得ることである。
【0023】
一実施形態によれば、ケーブル処理マシンのためのケーブル処理ツールおよび/または材料の位置が取得され、ケーブル処理ツールおよび/または材料の位置が、ウェアラブル通信デバイスに表示される。この方法の利点は、ケーブル処理マシン制御システムにおいて、ケーブル処理ツールおよび/または材料が、通常、迅速かつシンプルに見つけられ得、また、こうして、ケーブル処理ツールおよび/または材料の交換が迅速に実施され得ることである。一般に、このことは、ケーブル処理マシンの操作が停止するタイムスパンまたは持続時間を短縮し、こうして、通常はコストが低減される。
【0024】
本方法の一実施形態によれば、ケーブル処理マシンが、役割のデータベースおよび/または役割のシフトテーブルに応じて役割に関連付けられる。この方法の利点は、役割が、通常は、技術的にシンプルな方式でユーザにアサインされることである。
【0025】
本発明の可能性のある特徴および利点のいくつかが、様々な実施形態を参照して本明細書に記載されていることが指摘される。当業者には、特徴は、本発明のさらなる実施形態に到達するために、適切に組み合わされ、適合され、または置き換えられ得ることを理解されたい。
【0026】
以下に、本発明の実施形態を、添付図面を参照して記載するが、図面も詳細な説明も、本発明を限定するものとは解釈されないものとする。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】いくつかのケーブル処理マシンおよびケーブル処理マシン制御システムを含む、本発明のケーブル処理マシンシステムの実施形態の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図面は、純粋に概略的なものであり、拡縮は真のものではない。図中の同一の参照符号は、同一の特徴または均等の特徴を示す。
【0029】
図1は、いくつかのケーブル処理マシン10、20、およびケーブル処理マシン制御システム5を含む、本発明のケーブル処理マシンシステム1の実施形態の概略図である。
【0030】
ケーブル処理マシン制御システム5は、ウェアラブル通信デバイス70(いわゆる、ウェアラブル)、および、ミドルウェア40(中間システムとしても知られている)を含んでいる。
【0031】
ウェアラブル通信デバイス70は、たとえば、スマートフォン、ラップトップ、タブレットコンピュータ、スマートウォッチ、および/または、光学ディスプレイを有するゴーグルとすることができるか、含むことができる。ウェアラブル通信デバイス70は、ケーブル処理マシン制御システム5のユーザ72または複数のユーザによって着用される。ウェアラブル通信デバイス70は、特にタッチ・スクリーン・ディスプレイを含むことができる。
【0032】
ウェアラブル通信デバイス70は、ミドルウェア40から受信した情報またはデータを処理するか、一次データから追加のデータを計算することができる。
【0033】
ウェアラブル通信デバイス70の数は、ケーブル処理マシン制御システム5の同時のユーザ72の数に少なくとも等しい。このことは、各ユーザ72が、そのユーザの作業時間またはシフト時間の間、ユーザ自身で持ち歩く、そのユーザの「自身の」ウェアラブル通信デバイス70を有することを意味している。
【0034】
ミドルウェア40は、ウェアラブル通信デバイス70とケーブル処理マシン10、20との間のインターフェースである。ミドルウェア40は、ケーブル処理マシン10、20からのデータまたは情報を受信および収集する。
図1では、2つのケーブル処理マシン10、20が示されている。しかし、この数はより多いか、相当に多くすることができる。ケーブル処理マシン10、20の数は、特に、約10、50、または100とすることができる。ミドルウェア40は、ハードウェアおよび/またはソフトウェアとすることができるか、含むことができる。
【0035】
ミドルウェア40は、各々が機能43から47を含む、いくつかの処理ユニットを備えている。これら機能は、それぞれの処理ユニットで実行される。処理ユニットは、各々が、ソフトウェアまたはハードウェアの1つまたは複数のインスタンスを含むか、これらインスタンスとすることができる。
【0036】
ミドルウェア40は、ユーザ72が自身のウェアラブル通信デバイス70によってログインするか、ログインしている場合に、ある役割をユーザ72にアサインする。様々な役割が、様々なケーブル処理マシン10、20に関連付けられるか、アサインされる。通常、一定数(たとえば、10または20)のケーブル処理マシン10、20が各役割にアサインされる。異なる役割には、ケーブル処理マシン10、20、または、ケーブル処理マシン10、20のいくつかに対する、異なるアクセスの権限がある。このことは、いくつかの役割が、特定のプロセスまたは作業のみを実行する(たとえば、特定のタイプのみのエラーメッセージを通知する)場合があり、一方、他の役割が、すべてのタイプのプロセスまたは作業を実行する(たとえば、すべてのタイプのエラーメッセージを通知する)場合があることを意味している。それぞれの役割の作業の可能性は、ウェアラブル通信デバイス70上に表示されるか、表示/検索することができる。さらに、いくつかの役割は、それら役割にアサインされたそれぞれのケーブル処理マシン10、20に対するアクセスの権限のみを有することができる。作業の可能性を選択することにより、対応する制御コマンドが、ウェアラブル通信デバイス70を介し、ミドルウェア40を介して、対応するケーブル処理マシン10、20のデータ仲介器16、26に伝達される。ここで、制御コマンドがこうして実行されるか実施される。
【0037】
役割は、これに対応して、シフトプラン、シフトテーブル、またはシフトデータベースにアサインされ得る。このシフトテーブルまたはシフトデータベースでは、どのケーブル処理マシン10、20が、特定の人または特定の役割に、特定の時間において関連付けられているか、また、ケーブル処理マシン10、20に対するどのアクセスの権限を、特定の者が特定の時間において有しているかを確立する。
【0038】
さらに、シフトプラン、シフトテーブル、またはシフトデータベースに応じて、異なるケーブル処理マシン10、20が、異なる役割に関連付けられる。
【0039】
特に、役割として、いわゆるオペレータ、および、いわゆる監督者が存在し得る。オペレータは、そのオペレータにアサインされたそれぞれのケーブル処理マシン10、20を操作する。すなわち、オペレータは、ケーブル処理マシン10、20に材料を供給し、製品を搬送し、かつ/または、ケーブル処理マシン10、20によって使用されたケーブル処理ツールを交換する。オペレータは、オペレータにアサインされたケーブル処理マシン10、20を制御することに関する、制限されたアクセスの権限または作業の可能性のみを有している。監督者は、階層関係でオペレータの上に位置する。数名のオペレータは、各場合において、1人の監督者に関連付けられている。監督者は、監督者に関連付けられているか、その監督者の下位のオペレータに関連付けられたケーブル処理マシン10、20に関する、より多くのアクセスの権限もしくは作業の可能性、または、完全なアクセスの権限もしくは作業の可能性さえ有している。特に、監督者は、オペレータが知ることができないか、知らない場合があるエラーメッセージを知ることができる。
【0040】
たとえば、マシンの設定者(マシンの設定者は、マシンの設定者にアサインされたケーブル処理マシン10、20の特定の設定を変更することが認められている)、管理者(管理者は、ケーブル処理マシン10、20すべての設定の任意のタイプの変更を変えることが認められている)などの追加の役割も存在し得る。
【0041】
作業の可能性には、とりわけ、エラーメッセージの通知、ケーブル処理マシン10、20の状態のリセット(リセット)、ケーブル処理マシン10、20のケーブル処理プロセスのパラメータの変更、ケーブル処理マシン10、20の始動もしくは停止、および/または、ケーブル処理マシン10、20に存在するいくつかのケーブル処理ツール間の切替えが含まれ得る。
【0042】
ケーブル処理マシン10、20の情報には、とりわけ、それぞれのケーブル処理マシン10、20の、ちょうど行われたケーブル処理プロセス、それぞれのケーブル処理マシン10、20のエラーメッセージ、それぞれのケーブル処理マシン10、20が現在行われているケーブル処理プロセスを完了するのに、どれだけの期間が必要か、それぞれのケーブル処理マシン10、20の効率、それぞれのケーブル処理マシン10、20の責任を負うオペレータ、監督者、および/もしくは管理者、それぞれのケーブル処理マシン10、20の位置、それぞれのケーブル処理マシン10、20によって現在使用されているケーブル処理ツール、それぞれのケーブル処理マシン10、20の完成品に関する取り入れ/充填トレーの充填レベル、ならびに/または、それぞれのケーブル処理マシン10、20の処理されることになる材料の充填レベルが含まれ得る。
【0043】
さらに、ミドルウェア40は、企業資源計画ユニット50(たとえば、SAP R/3)および/または製品管理システム55とデータを通信またはやりとりすることができる。企業資源計画ユニット50または製品管理システム55は、ケーブル処理マシン10、20を部分的または完全に制御することができる。
【0044】
ケーブル処理マシン10、20の各々は、データ仲介器16、26と、データベース17、27と、1つまたは複数のセンサおよび/またはアクチュエータ13から15、23から25と、制御ソフトウェア12、22と、ユーザインターフェース11、21とを含んでいる。データ仲介器16、26は、ケーブル処理マシン10、20の追加の要素、および、ミドルウェア40と通信し、ミドルウェア40とデータをやりとりする。制御ソフトウェア12、22は、ケーブル処理マシン10、20内の手順を制御する。
【0045】
データベース17、27は、いくつかのケーブル処理マシン10、20の共通のデータベース、または、すべてのケーブル処理マシン10、20の共通のデータベースとすることもできる。データベース17、27では、処理パラメータ、ケーブル処理マシン10、20がそれまでに処理したケーブル処理マシン10、20のジョブまたはオーダー、品質フィードバックデータ、ケーブル処理マシン10、20の状態のデータなどを格納することができる。
【0046】
センサまたはアクチュエータ13から15、23から25は、ケーブル処理マシン10、20の特定の状態を測定するか、ケーブル処理マシン10、20での特定の機械的処理、液圧的処理、電気的処理、または電気機械的処理を実施または実行する。
【0047】
オペレータの入力、または、ケーブル処理マシンシステム1のオペレータの入力、または、オペレータのケーブル処理マシンシステム1との相互作用、または、それらの一部が、ケーブル処理マシンシステム1のセンサまたはアクチュエータから来るものとして解釈されるか、それとして処理されることも可能である。特に、ケーブル処理マシンシステム1のオペレータの入力は、センサおよび/またはアクチュエータからのデータとして、ミドルウェアによって解釈され得る。ケーブル処理マシンシステム1のオペレータの特定の作用が、認識され得る。
【0048】
オペレータは、たとえば、ケーブル処理マシンシステム1のマシンインターフェースを介して、ケーブル処理マシンシステム1にデータまたは値を入力することができ、このデータまたは値は、ケーブル処理マシンシステム1により、センサおよび/またはアクチュエータからのデータまたは値として解釈されるか、それとして処理される。
【0049】
ケーブル処理マシンシステム1のオペレータがロボットまたはいくつかのロボットを含むことも考えられる。ロボットの入力は、ケーブル処理マシンシステム1のセンサおよび/またはアクチュエータからのデータとして解釈されるか、それとして処理され得る。ロボットに加え、1人または複数人の人間が、ケーブル処理マシンシステム1のオペレータとなることもできる。
【0050】
ケーブル処理マシンシステム1のオペレータは、各々が、特別な能力または個別の能力、および、ケーブル処理マシンシステム1、またはその一部、または、ケーブル処理マシン10、20への、個別または特別なアクセスの権限を有している。
【0051】
ユーザインターフェース11、21は、ユーザ72との通信のために使用される。ユーザインターフェース11、21は、たとえば、キーボード、コンピュータのマウス、およびモニタを含むことができる。
【0052】
データ仲介器16、26は、ミドルウェア40とデータをやりとりする。データ仲介器16、26(仲介器または情報仲介器とも呼ばれる)は、一方の、それぞれのケーブル処理マシン10、20の個別の要素と、他方の、ミドルウェア40との間のインターフェースを示している。データ仲介器16、26は、ハードウェアおよび/またはソフトウェアを含むか、ハードウェアおよび/またはソフトウェアとすることができる。
【0053】
ケーブル処理マシン10、20のデータ仲介器16、26と、ミドルウェア40との間のデータ接続は、各場合において、有線または無線で行うことができる。ミドルウェア40とウェアラブル通信デバイス70との間のデータ接続は、無線で行われる。
【0054】
ケーブル処理マシン10、20は、特に、圧着機とすることができる。ケーブル処理ツールは、圧着ツールとすることができる。材料には、たとえば、ケーブル、ケーブル要素、および/または接触ストリップなどを含むことができる。
【0055】
ケーブル処理マシン制御システム5は、材料、ケーブル処理ツールなどの位置を取得することができる。このことは、たとえば、RFIDチップによって行うことができる。このため、ケーブル処理マシン10、20の材料またはケーブル処理ツールが必要である場合、ユーザ72は、自身のウェアラブル通信デバイス70を介して、材料またはケーブル処理ツールの位置または場所を迅速に知ることができ、あるいは、この位置または場所は、ユーザのためにユーザのウェアラブル通信デバイス70上に表示することができる。この位置または場所へのルートも、ユーザのためにウェアラブル通信デバイス70上に表示することができる。さらに、材料またはケーブル処理ツールに関して現在責任を負う者は、ウェアラブル通信デバイス70を介して、材料またはケーブル処理ツールがすぐにだれかによってピックアップされることになること、および、どの材料またはケーブル処理ツールがピックアップされるかに関して通知され得る。
【0056】
ケーブル処理マシン制御システム5により、たとえば、材料のロジスティクスを簡略化し、特に、材料と識別とのサポートをすることが可能である。このことは、第1の例を参照して以下に説明される。
【0057】
ケーブル処理マシン10、20のユーザ72は、各々が、ユーザの作業時間の間のすべての時点においてユーザが着用することができる、ウェアラブル通信デバイス70(ウェアラブル)を有している。この通信デバイスにより、現在行われようとしているオーダーに関する材料に関し、それぞれのユーザ72に利用可能となる情報は、場所に依存しない方式で提供することができる。シフトの開始時には、オペレータは、自身のウェアラブル通信デバイス70にログインする。オペレータの役割(「オペレータ」)、および、オペレータまたはオペレータの役割にアサインされたケーブル処理マシン10、20は、役割のデータベースおよび/またはシフトテーブルに基づいて決定される。このことは、特に、ミドルウェア40によって行われ得る。このため、オペレータの役割、および、オペレータにアサインされたケーブル処理マシン10、20が確立される。
【0058】
自身のウェアラブル通信デバイス70を介して、ユーザは、ユーザが、ケーブル処理マシン10、20の、現在行われようとしているジョブまたはプロセスに関するケーブルを交換すべきこと、および、交換すべきケーブルの識別番号の通信を受信する。ケーブルの交換の間、オペレータは、自身のウェアラブル通信デバイス70上に、(オペレータが利用可能であるドラムに選択肢がある場合)どのケーブルドラムが正しいケーブルドラムであるかを示す表示をしている。この理由は、その時、オペレータはケーブル処理マシン10、20の操作モニタの前にいないためである。オペレータ自身が「ケーブルストレージ」から対応するケーブルを取得しに行かなければならない場合であっても、いくつかのケーブルのうちのどのケーブルが、正しいケーブルであるかが、オペレータのウェアラブル通信デバイス70に表示されている。
【0059】
材料の供給者の役割が規定される場合、供給者も(供給者のシフトまたは供給者の作業時間の開始時に)ウェアラブル通信デバイス70上でログインする。このため、供給者の役割、および、供給者にアサインされたケーブル処理マシン10、20がやはり規定されるか確立される。上述のケーブル処理マシン10、20のケーブルの交換が行われようとしている場合、材料の供給者のウェアラブル通信デバイス70に、供給者のために、材料の交換が行われることになる供給者にアサインされたケーブル処理マシン10、20について表示されるか、前記材料の供給者に、供給者のウェアラブル通信デバイス70を介して、材料の交換が行われることになる供給者にアサインされたケーブル処理マシン10、20について通知されることになり、材料の供給者が、正しい材料を対応するケーブル処理マシン10、20に提供することができる。材料の供給者は、材料または複数の材料を、対応するケーブル処理マシン10、20に移動することができ、あるいは、材料の供給者は、材料または複数の材料をピックアップするオペレータに、材料または複数の材料を利用可能にする。この方法で、ケーブル処理マシン10、20の材料の交換が簡略化され、加速される。
【0060】
ケーブル処理マシン制御システム5により、たとえば、ケーブル処理マシン10、20のケーブル処理ツールの交換の簡略化および加速が可能である。このことは、第2の例を参照して以下に説明される。
【0061】
ケーブル処理マシン10、20に関する次のオーダーのために、オペレータは、ケーブル処理マシン10、20に装着されているか、現在使用されているケーブル処理ツール以外のケーブル処理ツールが必要である。シフトの開始時には、オペレータは、自身のウェアラブル通信デバイス70(ウェアラブル)にログインする。シフトテーブル、シフトデータベースなどの基づく役割は、オペレータのログインデータに基づき、ミドルウェア40によってオペレータにアサインされる。いくつかのケーブル処理マシン10、20が、役割にアサインされ、こうして、ユーザ72またはオペレータにもアサインされる。このため、オペレータの役割、および、オペレータにアサインされたケーブル処理マシン10、20が確立される。
【0062】
新たなオーダーをロードする間、オペレータは、新たなオーダーに関し、ケーブル処理マシン10、20のディスプレイと、やはり、オペレータのウェアラブル通信デバイス70(ウェアラブル)との両方を見る。オペレータは、ケーブル処理マシン10、20に存在するもの以外のコンタクトロールと圧着ツールとを必要とする。ミドルウェア40により、どのケーブル処理ツールが使用されることになり、この材料がその時点でどこに位置するか(たとえば、ストレージ内、ケーブル処理マシン10、20の隣の棚上、隣接するケーブル処理マシン10、20上)がわかる。それにより、オペレータは、この情報、すなわちケーブル処理ツールがどこに位置しているかを、自身のウェアラブル通信デバイス70を介して検索することができるか、この情報が能動的にオペレータに対して表示される。ケーブル処理ツールがストレージ内にある場合、ストレージの従業員(やはり、自身のウェアラブル通信デバイス70でログインしており、その役割は、このため、規定および確立されている)はこうして、表示を受信するか、自身のウェアラブル通信デバイス70を介して、ストレージの従業員が前記ケーブル処理ツールをオペレータに渡さなければならないことが通知される。ケーブル処理ツールが別のケーブル処理マシン10、20上に位置する場合、このケーブル処理マシン10、20のオペレータは、自身のウェアラブル通信デバイス70のディスプレイを介して、自身のケーブル処理ツールが、別のオペレータによってピックアップされ、使用されることになることを知る。こうして、ケーブル処理ツールのやりとりまたは交換が、簡略化されるとともに加速され得る。
【0063】
ケーブル処理マシン制御システム5により、ケーブル処理マシン10、20からのエラーメッセージの通知が、たとえば、こうして簡略化および加速され得る。このことは、第3の例を参照して以下に説明される。
【0064】
シフトの開始時には、オペレータとシフトの監督者との両方が、各々、自身のウェアラブル通信デバイス70にログインする。こうして、オペレータと監督者との両方に関し、各々にアサインされた役割とケーブル処理マシン10、20とが決定される。オペレータのシフトの間、オペレータは、自身のウェアラブル通信デバイス70に表示された、エラーが生じたケーブル処理マシン10、20の指示を含む、自身にアサインされたケーブル処理マシン10、20のエラーメッセージをすべて受信する(任意選択的に、対応する音声指示、および/または、触覚による指示、すなわち、たとえば、振動アラームによる触覚による指示を伴う)。このことは、特に、オペレータが、エラーを表示する、対応するケーブル処理マシン10、20のモニタの前に直に位置していない場合に重要であるが、やはり、オペレータにアサインされたケーブル処理マシン10、20の2つが両方ともエラーを示す場合にも重要である。このため、オペレータは、やはり、ウェアラブル通信デバイス70により、ケーブル処理マシン10、20のモニタ上のエラーを読むために、ケーブル処理マシン10、20周りに最初に行く必要なしに、何をする必要があるかを知る。監督者は、自身に対して、オペレータのウェアラブル通信デバイス70のディスプレイ上に表示された、オペレータにアサインされたケーブル処理マシン10、20の「通常の」エラー、または、重要ではないエラーを受信しないが、この理由は、通常、監督者がそれらエラーに関わる必要がないためである。
【0065】
しかし、ケーブル処理マシン10、20が次には、オペレータによってではなく、監督者によってのみ、認識されるか、確認されるか、訂正される場合があるエラーを示した(そうでなければ、オペレータまたはケーブル処理マシン10、20は、作業を継続できない)場合、このエラーメッセージは、監督者に対し、対応するケーブル処理マシン10、20を含めて監督者のウェアラブル通信デバイス70上に表示され、および、このケーブル処理マシン10、20が現在関連付けられているか、アサインされている、ユーザに表示される。このエラーは、やはり、どの監督者がそのエラーについて責任を負うかを示す、追加の情報とともに、ウェアラブル通信デバイス70上で、オペレータにも表示される。監督者は、こうして、迅速に、対応するケーブル処理マシン10、20に行き、適切である場合はそのマシンにログインし、エラーを確認または訂正することができ、それにより、対応するケーブル処理マシン10、20のオペレータ、または、ケーブル処理マシン10、20が、作業を継続できるようになっている。ウェアラブル通信デバイス70によりケーブル処理マシン10、20のエラーを遠隔で知らせることも可能である。したがって、エラーメッセージの通知は、加速されるとともに簡略化されることになるか、加速されているとともに、簡略化されている。このことは、ケーブル処理マシン10、20の操作の妨げがより短くなることに繋がる。
【0066】
ケーブル処理マシン制御システム5により、たとえば、ケーブル処理マシン10、20の性能劣化または非効率性を迅速に訂正するか除去することが可能である。このことは、第4の例を参照して以下に説明される。
【0067】
シフトの開始時には、オペレータとシフトの監督者との両者が、それぞれ、自身のウェアラブル通信デバイス70にログインする。こうして、オペレータと監督者との両者に関し、彼らにアサインされた役割とケーブル処理マシン10、20とが決定される。
【0068】
シフトの間、監督者は、自身の、モニタリングされることになるケーブル処理マシン10、20のいずれが、理想的ではない処理パラメータ、または、非常に多くの処理エラーに起因して、最適に動作していないかがわかる。しかし、監督者は、いつ、ケーブル処理マシン10、20が、ジョブをセットアップし、製造を開始するのに長い時間がかかるかもわかる。処理パラメータが良くない場合、監督者は、ケーブル処理マシン10、20、またはケーブル処理マシン10、20のオペレータに、より最適な処理パラメータで製造を行うことを提案することができる。
【0069】
オペレータは、自身に対して、自身のウェアラブル通信デバイス70上に、監督者が、オペレータにアサインされたケーブル処理マシン10、20を最適化することに関する提案を行ったこと、および、オペレータが、その提案を承諾するか拒絶することができることを示す表示が与えられる。プロセスエラーが非常に多いか、セットアップ時間が過度に長い場合、監督者は、自らケーブル処理マシン10、20に行き、現場で問題を訂正することを試みる。こうして、ケーブル処理マシン10、20の非効率性を迅速に訂正することができる。このことは、処理されることになるケーブルの製造時間および製造コストを低減する。
【0070】
ウェアラブル通信デバイス70上で実行されるアプリケーションおよびソフトウェアには、一般的な技術(ネイティブアプリケーション、docker/LXC/LXDなどのコンテナ、および、やはり、ウェブアプリケーションなど)がすべて含まれる。同じことが、中間システムまたはミドルウェア40のソフトウェアにも適用される。
【0071】
ウェアラブル通信デバイス70のソフトウェア、および/または、中間システムもしくはミドルウェア40のソフトウェアは、異なる方法で、ウェアラブル通信デバイス70上および/またはミドルウェア上にインストール/セットアップされるか、配信されるか、展開され得る。このことは、局所的に、および/または遠隔のメンテナンスにより、行うことができる。
【0072】
各場合において、異なる役割は、それらのウェアラブル通信デバイス70上で異なる情報を受信する。たとえば、オペレータにアサインされた、ケーブル処理マシン10、20のOEE(総合設備効率)パラメータが、オペレータのために表示され、それら値が検索され得る。各ケースにおいて、マシンの設定者は、自身にアサインされたケーブル処理マシン10、20、および、ケーブル処理マシン10、20に関連付けられたかアサインされたオペレータのOEEパラメータの表示を受信し、または、この情報が検索される。ケーブル処理マシン10、20すべてのOEEパラメータは、ケーブル処理マシン10、20にアサインされたオペレータに知られずに、工場長のために、ウェアラブル通信デバイス70上に表示される。
【0073】
複数のミドルウェア40が互いに隣り合って存在することが考えられる。複数のミドルウェア40は、追加のミドルウェア40の存在を知らない。ウェアラブル通信デバイス70は、存在するミドルウェア40すべてとデータを通信またはやりとりする。
【0074】
ケーブル処理マシンシステム1またはケーブル処理マシン制御システム5の異なるユーザ72のログインの間、各ケースにおいて、認証(たとえば、パスワードまたは双方向認証)が要求され得る。
【0075】
最後に、「備える(comprising)」、「含む(including)」などの用語は、他の要素またはステップを除外せず、また、「一つの(a)」または「一つの(an)」などの用語は、複数であることを除外しないことが指摘される。さらに、上述の実施形態の例の1つを参照して記載した特徴またはステップが、やはり、上述の他の実施形態の他の特徴またはステップと組み合わせて使用される場合があることも、指摘されるものとする。特許請求の範囲における参照符号は、限定とは解釈されないものとする。
【符号の説明】
【0076】
1 ケーブル処理マシンシステム
5 ケーブル処理マシン制御システム
10、20 ケーブル処理マシン
11、21 ユーザインターフェース
12、22 制御ソフトウェア
13から15、23から25 センサおよび/またはアクチュエータ
16、26 データ仲介器
17、27 データベース
40 ミドルウェア
43から47 機能
50 企業資源計画ユニット
55 製造管理システム
70 ウェアラブル通信デバイス
72 ユーザ