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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-19
(45)【発行日】2023-05-29
(54)【発明の名称】情報管理装置および情報管理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/083 20230101AFI20230522BHJP
   G06F 16/903 20190101ALI20230522BHJP
【FI】
G06Q10/083
G06F16/903
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019106440
(22)【出願日】2019-06-06
(65)【公開番号】P2020201599
(43)【公開日】2020-12-17
【審査請求日】2021-11-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】前田 匡哉
(72)【発明者】
【氏名】高田 瑛央
【審査官】渡邉 加寿磨
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-289634(JP,A)
【文献】特表2017-532691(JP,A)
【文献】特開2010-152455(JP,A)
【文献】特開2002-362730(JP,A)
【文献】特表2006-505020(JP,A)
【文献】特開2004-178258(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0135552(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G06F 16/903
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷物の情報を取得する情報取得装置荷物を段階毎に検査する検査装置、および、検索端末と通信する通信インタフェースと、
前記通信インタフェースを介して、荷物を識別するための識別情報、荷物を撮影した画像データ、荷物の宛先情報、荷物の差出人情報のうち少なくともいずれか一つを含む前記情報取得装置から得る荷物の情報と、前記検査装置から得る荷物に対する各段階の検査結果が正常か否か、若しくは未だ検査が実施されていないことを示す情報を含む検査結果とを記憶するメモリと、
前記検索端末から前記メモリに記憶した情報を検索するために指定された識別情報と前記メモリに記憶した荷物の情報の一部とが合致する荷物を対象荷物として抽出し、前記対象荷物に対する検査結果に基づいて、前記対象荷物の現在位置を前記検索端末に表示させるプロセッサと、を具備し、
前記プロセッサは、当該識別情報の荷物が前記メモリに存在しない場合、前記メモリに荷物の識別情報が登録されていない荷物の固有情報を前記検索端末に表示させる、
情報管理装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、前記荷物の情報がメモリに記憶されているか否かと、各段階の検査結果が正常か否かの組合せに基づいて前記対象荷物の現在位置を判定する、
請求項に記載の情報管理装置。
【請求項3】
前記メモリに荷物の識別情報が登録されていない荷物の情報を前記検索端末に表示させた後、前記検索端末から1つの荷物が選択された場合、選択された荷物の固有情報に前記検索端末から検索された荷物の識別情報を登録する、
請求項1又は2の何れか1項に記載の情報管理装置。
【請求項4】
荷物の検査を行う検査システムに用いる情報管理装置のプロセッサによって実行される情報管理プログラムであって、
前記プロセッサに、
荷物の情報を取得する情報取得装置荷物を段階毎に検査する検査装置、および、検索端末と通信インタフェースを介して通信させ、
前記通信インタフェースを介して、荷物を識別するための識別情報、荷物を撮影した画像データ、荷物の宛先情報、荷物の差出人情報のうち少なくともいずれか一つを含む前記情報取得装置から得る荷物の情報と、前記検査装置から得る荷物に対する各段階の検査結果が正常か否か、若しくは未だ検査が実施されていないことを示す情報を含む検査結果とをメモリに記憶させ、
前記検索端末から前記メモリに記憶した情報を検索するために指定された識別情報と前記メモリに記憶した荷物の情報の一部とが合致する荷物を対象荷物として抽出し、前記対象荷物に対する検査結果に基づいて、前記対象荷物の現在位置を前記検索端末に表示させ
当該識別情報の荷物が前記メモリに存在しない場合、前記メモリに荷物の識別情報が登録されていない荷物の固有情報を前記検索端末に表示させる、
情報管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、情報管理装置および情報管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、荷物について外観の画像(外観画像)およびX線による撮影画像(X線画像)などをオペレータが検査し、オペレータの検査結果に基づいて荷物を区分する検査システムがある。検査システムは、複数段階の検査を含む各種の処理を異なる場所で実施することがある。例えば、検査システムは、荷物から情報を取得する処理、荷物を目視で確認する処理、および、外装などを開梱して荷物の内容を詳細に検査する処理などを別の場所で実施することがある。
【0003】
従来の検査システムでは、検査結果を含む荷物に関する情報をデータベースに記憶して管理するが、実際の荷物が現在どこにあるかが管理されていない。このため、従来の検査システムでは、特定の荷物の現在位置を確認するのが容易ではなく、特定の荷物を探すことが困難であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2018-13939号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、荷物の状況が容易に検索できる情報管理装置および情報管理プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態によれば、情報管理装置は、通信インタフェースとメモリとプロセッサとを具備する。通信インタフェースは、荷物の情報を取得する情報取得装置、および、荷物を段階毎に検査する検査装置と通信する。メモリは、通信インタフェースを介して情報取得装置から得る荷物の情報と検査装置から得る荷物に対する段階毎の検査結果とを記憶する。プロセッサは、メモリに記憶した情報を検索するために指定された情報とメモリに記憶した荷物の情報の一部とが合致する荷物を対象荷物として抽出し、対象荷物に対する段階毎の検査結果に基づいて対象荷物の現在位置を表示装置に表示させる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、実施形態に係る検査システムの全体構成を概略的に示すブロック図である。
図2図2は、実施形態に係る検査システムにおける上位装置の構成例を示すブロック図である。
図3図3は、実施形態に係る検査システムにおける0次処理システムの構成例を示す図である。
図4図4は、実施形態に係る検査システムにおける0次処理システムの制御系の構成例を示すブロック図である。
図5図5は、実施形態に係る検査システムにおける1次検査システムおよび2次検査システムの構成例を示す図である。
図6図6は、実施形態に係る検査システムにおける1次検査システムおよび2次検査システムの制御系の構成例を示すブロック図である。
図7図7は、実施形態に係る検査システム全体の動作の流れを概略的に説明するためのフローチャートである。
図8図8は、実施形態に係る検査システムにおける情報取得(0次処理)システムの動作例を説明するためのフローチャートである。
図9図9は、実施形態に係る検査システムの0次処理システムが収集する情報によって生成されるデータベースの例を示す図である。
図10図10は、実施形態に係る検査システムにおける1次検査システムによる1次検査処理の例を説明するためのフローチャートである。
図11図11は、実施形態に係る検査システムにおける1次検査において荷物IDが登録されていない失敗データのリストの表示例を示す図である。
図12図12は、実施形態に係る検査システムにおける荷物の1次検査のために表示される確認画面の例を示す図である。
図13図13は、実施形態に係る検査システムの1次検査処理によって情報が登録されたデータベースの例を示す図である。
図14図14は、実施形態に係る検査システムにおける2次検査システムの動作例を説明するためのフローチャートである。
図15図15は、実施形態に係る情報管理装置としての上位装置による検索処理の動作例を説明するためのフローチャートである。
図16図16は、実施形態に係る情報管理装置としての上位装置による検索処理において荷物の現地位置を探索するための一覧を示す図である。
図17図17は、実施形態に係る情報管理装置としての上位装置が検索した荷物の情報を詳細に表示する詳細画面の例を示す図である。
図18図18は、実施形態に係る情報管理装置としての上位装置が検索した荷物の情報を一覧で表示する一覧表示画面の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、実施形態に係る検査システム1の概略的な構成例について説明する為の説明図である。
検査システム1は、検査対象とする荷物などの物品を検査するためのシステムである。検査システム1は、例えば、規制品や課税品を含む物品、特定の差出人や特定の受取人の物品(荷物)を発見するための検査を実施する。例えば、規制品は、国内への輸入が規制されている物品、および、国外への輸出が規制されている物品などが想定される。なお、国内への輸入または国外への輸出が規制される規制品としては、具体的には、武器、麻薬、動植物などが想定される。
【0009】
本実施形態に係る検査システム1は、検査対象とする物品が荷物に限定されるものではないが、以下の説明では物品が荷物であるものとして説明する。検査対象とする物品としての荷物には、帳票およびタグが貼り付けられる。帳票は、例えば、荷物の差出人および受取人などを示す宛先票、および、内容物を示す物品内容申告書などを含む。タグは、当該荷物に割り当てられた識別情報を示す情報であり、識別情報をコード化したバーコードが印刷されても良いし、当該荷物に割り当てられた識別情報や他の検査機関等で検査した結果が記憶されたRFID(Radio Frequency Identifier)タグでも良い。ただし、タグは、検査対象とする荷物によっては貼られていないこともあり得るものとする。
【0010】
図1に示す構成例において、検査システム1は、上位装置2、0次処理システム3、1次検査システム4および2次検査システム5を有する。また、上位装置2には、荷物の位置あるいは荷物の情報を確認するための検索端末6が通信接続される。
上位装置2は、検査システム1における情報を管理するための情報管理装置である。上位装置2は、検査対象とする荷物に関する情報を管理する。上位装置2は、例えば、検査対象とする荷物に関する情報としての事前データをデータベースに記憶し、各システム3、4、5から取得する情報に基づいて荷物に関する検査結果を含む情報を記憶するデータベースを更新する。
【0011】
0次処理システム3は、荷物を検査するための情報を取得する情報取得システムである。0次処理システム3は、コンベアにより搬送する各荷物から各種の情報を取得し、取得した情報を上位装置2に設けるデータベースに登録する。例えば、0次処理システム3は、各荷物から、タグ情報、帳票情報、外観画像、および、X線画像を取得する。0次処理システム3は、各荷物から取得した、タグ情報、帳票情報、外観画像およびX画像を各荷物に付与される、若しくは各荷物から取得した識別情報(荷物ID)に対応づけてデータベースに登録する。
【0012】
1次検査システム4は、0次処理システムで登録した情報に基づいて各荷物を検査するシステムである。1次検査システム4は、各荷物について0次処理で得た情報をオペレータに提示し、オペレータによる荷物に対する検査結果の入力を受け付ける。例えば、1次検査システム4は、検査対象とする荷物から取得したタグ情報、帳票情報、外観画像およびX線画像を表示装置に表示する。オペレータは、表示された情報を視認して2次検査が必要な荷物と不要な荷物とに分別する。
【0013】
例えば、オペレータは、規制品が含まれていることが疑われる荷物については2次検査が必要であると判定し、2次検査が必要である旨を操作端末によって入力する。また、オペレータは、差出人情報、受取人(宛先)情報、物品内容などの帳票に記載された情報などに2次検査が必要な情報が含まれている場合なども2次検査が必要であると判定し、2次検査が必要である旨を操作端末によって入力する。また、オペレータは、荷物が正常な物品である(検査が合格である)と判定した場合、当該荷物に対する検査結果が正常である旨を操作端末により入力する。
【0014】
1次検査システム4において2次検査が必要であると判定された荷物は、2次検査システム5が設置される2次検査場へ送られる。また、1次検査システム4において正常であると判定された荷物は、正常と判定した荷物を処理する場所へ送られる。なお、本実施形態においては、1次検査システム4または2次検査システム5で正常であると判定された荷物は、帳票に記載された宛先に応じて区分する宛先区分装置(以下、単にソータとも称する)へ送られるものとする。
【0015】
2次検査システム5は、1次処理システムで2次検査が必要であると判定された荷物を詳細に検査する。例えば、2次検査システム5において、オペレータは、荷物を開梱して荷物の内容を詳細に検査する。2次検査システム5は、1次処理システム4における1次検査の結果および0次処理で得た情報などを表示し、オペレータが荷物を開梱して詳細に検査した結果を示す情報の入力を受け付ける。
例えば、2次検査システム5において、荷物に規定品が含まれていることを確認した場合、オペレータは、当該物品がリジェクトすべき荷物であることを操作端末により入力する。また、オペレータは、荷物を開梱して検査した結果として規制品が含まれていない正常な荷物であることを確認した場合、当該荷物に対する検査結果が正常である旨を操作端末により入力する。
【0016】
次に、上位装置2の構成について説明する。
図2は、上位装置2の構成例を示すブロック図である。
上位装置2は、検査システム1全体の情報を管理する情報管理装置である。上位装置2は、各システム3、4、5に通信接続されるコンピュータである。上位装置2は、例えば、サーバ装置によって構成される。
【0017】
図2に示す構成例において、上位装置2は、プロセッサ11、メモリ12、通信インタフェース13、および、ストレージ14を有する。
プロセッサ11は、演算処理を実行する。プロセッサ11は、例えば、CPUとして構成される。プロセッサ11は、メモリ12に記憶されているプログラムを実行することにより種々の処理を実現する。
【0018】
メモリ12は、プログラムおよびデータを記憶する記憶装置である。メモリ12は、例えば、読み出し専用の不揮発性メモリであるROM、データを一時的に記憶するRAM、および、書き換え可能な不揮発性メモリなどを含む。
プロセッサ11は、メモリ12におけるROMまたは不揮発性メモリに記憶したプログラムをRAMを用いて実行することにより種々の処理を実行する処理部として機能する。
【0019】
通信インタフェース13は、0次処理システム3、1次検査システム4、2次検査システム5と通信するためのインタフェースである。通信インタフェース13としては、システム3、4、5ごとに通信インタフェースを具備しても良い。また、通信インタフェース13は、オペレータが特定の荷物がある場所あるいは荷物の検査状況などを確認するための操作する検索端末6と通信するインタフェースとしても機能する。この場合、通信インタフェース13は、ネットワークを介して検索端末6と通信するインタフェースであっても良い。なお、検索端末6と通信するインタフェースは、通信インタフェース13とは別に設けても良い。例えば、検査員が携帯する検索端末6と無線により通信するための無線通信インタフェースを設けても良い。
【0020】
ストレージ14は、書き換え可能な不揮発性メモリを含む記憶装置である。ストレージ14は、例えば、ハードディスクドライブ(HDD)、ソリッドステートドライブ(SSD)などで構成する。ストレージ14は、第1データベース15および第2データベース16を有する。
第1データベース15は、検査対象とする荷物に関する情報(事前データ)を記憶するデータベースである。第1データベース15に記憶する事前データは、例えば、携帯型の記憶デバイスなどの記憶媒体から読み取るようにしても良いし、通信回線を介して取得するようにしても良いし、オペレータが入力するようにしても良い。
【0021】
第2データベース16は、検査対象とする荷物から取得した情報および検査結果などを示す情報を記憶するデータベースである。例えば、第2データベース16は、第1データベース15に登録された事前データと0次処理システム3によって取得する情報(タグ情報、外観画像、X線画像、帳票情報など)とを識別情報に対応づけて登録する。また、第2データベース16には、1次検査システム3および2次検査システム4による検査結果を示す情報が登録される。
【0022】
第2データベース16は、荷物の検査を行うごとに記憶するデータ量が増加する。このため、第2データベース16に登録されるデータは、保存するデータ量の削減と検索機能の精度向上を目的として、予め設定した特定のルールに従って削除するようにしても良い。例えば、第2データベース16に記憶されるデータは、定期的に古いデータから順番に削除するようにしても良い。
【0023】
また、第2データベース16において、2次検査でNGとなった荷物(最終的にリジェクトされた荷物)に関する情報(データセット)は、削除しないようにしても良い。例えば、2次検査でNGとなった荷物(最終的にリジェクトされた荷物)に関する情報(データセット)に削除を禁止するフラグをセットして削除しないようにする。また、2次検査でNGとなった荷物(最終的にリジェクトされた荷物)に関する情報(データセット)は、第2データベース16とは別に設けた記憶領域にコピーして保存することにより削除しないようにしても良い。
【0024】
次に、実施形態に係る0次処理システム(情報取得システム)3の構成について説明する。
図3は、実施形態に係る0次処理システム3の構成例を概略的に示す図である。
0次処理システム3は、情報取得装置(0次処理装置)20、コンベア22、タグリーダ23、カメラ24、X線撮影装置25、帳票リーダ26、操作端末27を備える。情報取得装置20は、コンベア22、タグリーダ23、カメラ24、X線撮影装置25、帳票リーダ26および操作端末27に通信可能に構成されている。
【0025】
検査システム1が検査対象とする物品の一例としての荷物Mには、図3に示すように、帳票M1とタグM2とが貼り付けられている。帳票M1は、例えば、荷物の差出人および宛先などを示す宛先票、および、内容物を示す物品内容申告書などが含まれる。宛先票には、宛先の住所を示す宛先情報、受取人を示す受取人情報、差出人の住所を示す差出人住所情報、差出人を示す差出人情報などが記載される。物品内容申告書は、差出人が申告する荷物Mに含まれる物品を示す情報が記載される。
【0026】
また、タグM2は、荷物Mに割り当てられる荷物IDとしての識別情報(物品の識別情報)を含むタグ情報を示す。例えば、タグM2は、識別情報を含むタグ情報を示すバーコードが印刷されても良いし、当該荷物に割り当てられた識別情報や他の検査機関等で検査した結果が記憶されたRFIDタグでも良く、荷物Mの表面に貼り付けられる。本実施形態において、タグM2は、識別情報を含むタグ情報を示すバーコートが印刷されるのとする。ただし、検査対象とする荷物Mによっては、タグM2が貼られていないものもあり得るものとする。
【0027】
タグM2は、例えば、Electronic Advance Data(EAD)タグである。EADタグは、例えば、他国の税関での検査結果であるEAD情報に含まれる識別コード(EAD識別コード)が印刷されたものである。この場合、タグM2は、EAD識別コードなどの識別情報を含むタグ情報がバーコードとして印刷されたものであっても良い。EAD情報は、EAD識別コード、住所氏名情報、内容物の品名及び重量などを示す情報(内容物情報)などを含む情報である。住所氏名情報は、例えば、荷物Mの受取人(宛先)を示す情報(受取人情報)、及び/または差出人を示す情報(差出人情報)である。
【0028】
コンベア22は、検査対象とする荷物Mを搬送する装置である。0次処理システム3における処理(0次処理)では、所定の方向に搬送する荷物Mから各種の情報を取得する。このため、コンベア22は、各種のデバイスが各種の情報を取得する位置を通過するように荷物Mを搬送させる。すなわち、コンベア22は、タグリーダ23、カメラ24、X線撮影装置25および帳票リーダ26が情報を取得する位置(撮像位置)を通過するように、荷物Mを所定の方向に搬送させる。また、コンベア22は、タグリーダ23、カメラ24、X線撮影装置25および帳票リーダ26が情報を確実に取得できる搬送速度で荷物Mを移動させる。また、コンベア22によってタグリーダ23、カメラ24、X線撮影装置25および帳票リーダ26の撮像位置を通過した荷物Mは、1次検査システム4へ送られる。
【0029】
なお、コンベア22の上流側の端部には、ロボットアームなどによって荷物Mが供給される構成としても良い。また、コンベア22の下流側の端部には、0次処理が終了した荷物Mを1次検査システム4へ送るための無人搬送車(AGV)などを配置しても良い。
【0030】
タグリーダ23は、コンベア22により搬送されている荷物MからタグM2を読み取る。タグM2は、識別情報を含むものであるものとする。タグリーダ23は、タグM2から識別情報を読み取り、読み取った識別情報を情報取得装置20に供給する。例えば、タグM2に識別情報を示すバーコードが印刷されている運用であれば、タグリーダ23は、バーコードリーダとして構成される。例えば、タグM2は、EADタグである。この場合、タグリーダ23は、タグM2としてのEADタグからEAD識別コードを読み取る。
【0031】
カメラ24は、コンベア22により搬送される荷物Mの外観(外装)の画像(外観画像、外装画像)を取得(撮像)する。カメラ24は、取得した荷物Mの外観画像を情報取得装置20に供給する。例えば、カメラ24は、レンズとレンズにより結像された光を画像に変換する撮像素子とが組み合わされて構成される。カメラ24は、荷物Mに対して上方からだけでなく、上方以外の方向からも外観画像を撮影するようにしても良い。
【0032】
X線撮影装置25は、コンベア22により搬送される荷物MのX線画像を取得する。X線撮影装置25は、取得した荷物MのX線画像を情報取得装置20に供給する。例えば、X線撮影装置25は、X線を荷物Mに照射するX線管と荷物Mを透過したX線を検出するX線検出器とを組み合わされて構成される。X線撮影装置25は、一方向からだけでなく、複数の方向からX線を照射して複数のX線画像を撮像するようにしても良い。
【0033】
帳票リーダ26は、コンベア22により搬送される荷物Mに貼り付けられた帳票M1から種々の情報を読み取る。例えば、帳票リーダ26は、帳票M1の宛先票から受取人情報および差出人情報などの情報を取得し、帳票M1の物品内容申告書から荷物の内容物を示す情報を取得する。帳票リーダ26が帳票M1から読み取る情報は帳票情報と称するものとする。帳票リーダ26は、荷物Mに添付されている帳票M1から読み取った帳票情報を情報取得装置20に供給する。
【0034】
例えば、帳票リーダ26は、光を画像に変換する画素がライン状に配列された撮像素子と画素に光を結像させるレンズとを有し、帳票M1の画像(帳票画像)を取得するラインイメージセンサを備える。また、帳票リーダ26は、ラインイメージセンサにより読み取った帳票画像から受取人情報、差出人情報、および、内容物の情報などの帳票情報を認識する光学文字認識処理(OCR)を行うプロセッサを備える。帳票リーダ26によるOCRに用いる辞書データは、情報取得装置20のメモリに記憶されるものとする。
【0035】
操作端末27は、オペレータの操作入力に応じた信号(操作信号)を生成し、操作信号を情報取得装置20に供給する。また、操作端末27は、ユーザインタフェースとして機能するタッチパネル28を有する。タッチパネル28は、オペレータに種々の情報を提供するディスプレイとオペレータが画面に触れることによって入力する操作指示を受け付けるタッチセンサとを具備する。さらに、操作端末27は、外部メモリを接続するメモリインタフェース(I/F)29が接続される。メモリI/F29は、外部メモリ装置に対するデータの入出力を行う装置である。なお、操作端末27は、後述する検索キーの入力および検索結果としての情報の表示などを行う検索端末6として機能するものとしても良い。
【0036】
次に、実施形態に係る0次処理システム(情報取得システム)3における制御系の構成について説明する。
図4は、実施形態に係る0次処理システム3における制御系の構成例を示すブロック図である。
図4に示すように、0次処理システム3は、情報取得装置(0次処理装置)20に各デバイス(コンベア22、タグリーダ23、カメラ24、X線撮影装置25、帳票リーダ26、操作端末27)が接続される構成を有する。
【0037】
情報取得装置20は、検査対象とする荷物Mから種々の情報を取得する。情報取得装置20は、外観画像、X線画像、帳票情報およびタグ情報などを取得する。情報取得装置20は、取得した情報を上位装置2が管理するデータベースに登録する。情報取得装置20は、パーソナルコンピュータ(PC)などのデータの通信、データの処理およびデータの保存を行うことができる装置により構成される。
【0038】
図4に示すように、情報取得装置20は、プロセッサ31、メモリ32、上位通信インタフェース33および通信インタフェース34を備える。
プロセッサ31は、演算処理を実行する。プロセッサ31は、例えば、CPUである。プロセッサ31は、プログラムを実行することにより種々の処理を実現する。
メモリ32は、プログラムおよびデータを記憶する記憶装置である。メモリ32は、例えば、読み出し専用の不揮発性メモリであるROM、データを一時的に記憶するRAM、および、書き換え可能な不揮発性メモリなどを含む。
プロセッサ31は、メモリ32のROMまたは不揮発性メモリに記憶したプログラムをRAMを用いて実行することにより種々の処理を実行する処理部として機能する。
【0039】
また、メモリ32は、帳票リーダ26によるOCRに用いる辞書データを記憶する辞書DB32aを有する。辞書DB32aに記憶する辞書データは、運用形態に応じて更新可能である。例えば、辞書データは、記憶媒体あるいはネットワークを介して外部から取得するデータに記憶される情報によって更新しても良いし、第2データベース16に登録する情報に基づいて更新するようにしても良い。
【0040】
すなわち、辞書DB32aに記憶する辞書データは、メモリI/F29に接続される外部メモリに記憶される情報との差分によって更新するようにしても良い。この場合、メモリI/F29に接続される外部メモリには、通常の文字認識用の辞書として用いるデータだけでなく、荷物をNGまたは要検査とすべき特定の差出人情報または宛先情報などの情報(ブラックリストの情報)を含むものであっても良い。なお、ブラックリストなどの情報は、OCRに用いる辞書データの更新だけでなく、検査に利用するためにブラックリストデータとして上位装置2のストレージ14に記憶させる。
また、辞書データは、通信インタフェースにより通信可能なネットワークを介して取得する情報との差分によって更新するようにしても良い。
【0041】
また、辞書データは、上位装置2の第2データベース16に記憶される情報によって更新するようにしても良い。例えば、辞書データは、第2データベース16に登録されるタグ情報に含まれる差出人情報や宛先情報などによって更新しても良い。さらに、辞書データは、後述する検査(2次検査)によってNGと判定された荷物に関する情報に基づいて更新するようにしても良い。これにより、辞書データは、過去にNGと判定された荷物と同様な情報を有する帳票を精度良く認識できるものとなる。さらに、NGと判定された荷物に関する情報に基づいて辞書データを更新することは、単に新しいデータを追加して認識精度を上げるだけでなく、NGと判定された荷物に類似する荷物を精度良く認識することで、NGと判定された荷物に類似する荷物を確実に検出できるという効果を奏するものである。
【0042】
上位通信インタフェース33は、上位装置(情報管理装置)2と通信するためのインタフェースである。プロセッサ31は、上位通信インタフェース33を介して上位装置2に設けた第2データベース16にアクセスする。上位通信インタフェース33は、データベースにアクセスするためのインタフェースでもある。また、上位通信インタフェース33は、1次検査システム4の1次検査装置50および2次検査システム5の2次検査装置50などと通信接続する機能を有するものとしても良い。
【0043】
通信インタフェース34は、0次処理システム3における各デバイスと通信するためのインタフェースである。通信インタフェース34は、0次処理システム3における各デバイスと通信するための通信規格などに対応した端子及び回路を備える。例えば、通信インタフェース34は、タグリーダ23、カメラ24、X線撮影装置25、帳票リーダ26および操作端末27などとプロセッサ31が通信するためのインタフェースを含む。
【0044】
次に、操作端末27の構成について説明する。
操作端末27は、図4に示すように、プロセッサ41、メモリ42、通信インタフェース43、タッチパネル28およびメモリI/F29を備える。
プロセッサ41は、演算処理を実行する。プロセッサ41は、例えば、CPUである。プロセッサ41は、プログラムを実行することにより種々の処理を実現する。
メモリ42は、プログラムおよびデータを記憶する記憶装置である。メモリ42は、例えば、読み出し専用の不揮発性メモリであるROM、データを一時的に記憶するRAM、および、書き換え可能な不揮発性メモリなどを含む。
プロセッサ41は、メモリ42のROMまたは不揮発性メモリに記憶したプログラムをRAMを用いて実行することにより種々の処理を実行する処理部として機能する。
【0045】
通信インタフェース43は、情報取得装置(0次処理装置)20と通信するためのインタフェースである。通信インタフェース43は、0次処理システム3における他のデバイスと通信するものとしても良い。
【0046】
タッチパネル28は、画面の表示とオペレータの操作に応じた操作信号の生成とを行うユーザインタフェースの一例である。タッチパネル28は、一体に構成されたディスプレイ45およびタッチセンサ46を備える。ただし、操作端末27は、ユーザインタフェースとして、タッチパネル28の他に、操作に応じた操作信号を生成する操作機器などを備える構成としても良い。操作機器としては、マウス、トラックボール、キーボード、トラックパッドなど如何なるものであっても良い。
【0047】
ディスプレイ45は、プロセッサ41または図示しないグラフィックコントローラから供給される表示用のデータ(画面データ)を画面に表示する。タッチセンサ46は、ディスプレイ45に表示された画面上において操作端末27を操作するオペレータがタッチした位置を示す操作信号を生成する。これにより、タッチパネル28は、ディスプレイ45に表示した操作キーとしてのアイコンへの入力をタッチセンサ46で検知するユーザインタフェースとして機能する。
【0048】
メモリI/F29は、外部メモリ装置を接続する。メモリI/F29は、外部メモリ装置に対してデータの入出力を行う装置である。例えば、メモリI/F29は、オペレータによってセットされた外部メモリ装置からデータを読み込む。メモリI/F29は、外部メモリ装置から読み込んだ情報を操作端末27のプロセッサ41へ供給する。プロセッサ41は、メモリI/F29によって外部メモリ装置から読み込んだ情報を情報取得装置20へ供給する。情報取得装置20は、メモリI/F29によって外部メモリ装置から読み込んだ情報をさらに上位装置2へ供給するようにしても良い。
【0049】
次に、実施形態に係る1次検査システム4および2次検査システム5の構成について説明する。
図5は、実施形態に係る1次検査システム4および2次検査システム5の構成例を概略的に示す図である。
なお、本実施形態においては、1次処理システム4と2次処理システム5とは図5に示すような同様な構成を含むものとして説明する。ただし、実際には、1次検査システム4と2次検査システム5とは別々のシステムであり、1次検査システム4は1次検査場に設置され、2次検査システム5は1次検査場とは異なる2次検査場に設置される。このため、1次検査システム4と2次検査システム5とは、異なる構成を具備しても良い。例えば、2次検査システム5では、後述するように、オペレータが荷物Mを開梱して検査するため、開梱および検査の作業を実施するためのスペースを確保するようにしても良い。
【0050】
1次検査システム4(2次検査システム5)は、検査装置(1次検査装置、2次検査装置)50、第1コンベア51、第2コンベア52、区分機構53、帳票リーダ54、操作端末55を備える。検査装置50は、第1コンベア51、第2コンベア52、区分機構53、帳票リーダ54および操作端末55に通信可能に構成されている。
【0051】
第1コンベア51は、検査対象とする荷物Mを第1の方向へ搬送する。検査システム1が検査対象とする荷物Mは、図3に示すような0次処理システム3で情報が読み取られたものである。第1コンベア51は、検査装置50の制御に応じて、荷物Mの搬送および停止などを繰り返し行う。第1コンベア51にある荷物Mに対するオペレータによる検査等の作業が容易に実施できるように、第1コンベア51の動作が制御される。例えば、第1コンベア51による荷物Mの搬送を停止させた状態において、オペレータによる検査等の作業が第1コンベア51上にある荷物Mに対して実施されるように運用する。また、第1コンベア51の後端部には、検査結果がOK(例えば、配達可能な正常な荷物)と判断された荷物Mが送られる。第1コンベア51の後端部には、正常と判定された荷物Mを宛先ごとに区分する区分装置(ソータ)へ導く機構を設けても良い。
【0052】
また、第1コンベア51による荷物Mの搬送経路上には、区分機構53により駆動されるゲート53aが設けられる。区分機構53は、ゲート53aを回動させて第1コンベア51により搬送された荷物Mをそのまま第1コンベア51で搬送させるか第2コンベア52で搬送させるかを振り分ける(区分する)。荷物Mを第2コンベア52へ振り分ける場合、ゲート35aは、第1コンベア51が搬送する荷物Mを第2コンベア52へ導くように位置にセットされる。また、荷物Mをそのまま第1コンベア51で搬送させる場合、ゲート35aは、第1コンベア51が搬送する荷物Mに干渉しない位置にセットされる。
【0053】
第2コンベア52は、ゲート53aによって第1コンベア51から振り分けられた荷物Mを第2の方向へ搬送する。第2コンベア52の後端部には、検査結果がNG(2次検査要またはリジェクト)と判断された荷物Mが送られる。第2コンベア52の後端部には、2検査システム5またはリジェクト集積部へ荷物Mを送るための機構を設けても良い。例えば、1次検査システム4の第2コンベア52の後端部には、荷物Mを2次検査システム5へ送るための機構が設けても良い。また、2次検査システム4の第2コンベア52の後端部には、荷物Mをリジェクトされた荷物を集積するリジェクト集積部へ送るための機構を設けても良い。
【0054】
区分機構53は、ゲート53aを駆動させて第1コンベア51により搬送される荷物Mを区分する。ゲート53aは、第1コンベア51上において、荷物Mに対する検査作業を行う位置よりも下流側に設置される。例えば、区分機構53は、第1コンベア51により搬送される荷物Mの検査結果がOKである場合、当該荷物Mをそのまま第1コンベア51で搬送させるようにゲート53aを駆動させる。また、区分機構53は、第1コンベア51により搬送される荷物Mの検査結果がNG(2次検査要、または、リジェクト)である場合、当該荷物Mを第2コンベア52へ導くようにゲート53aを駆動させる。
【0055】
さらに、区分機構53は、第1コンベア51により搬送される荷物Mをゲート53aにより滞留させる滞留機構としても良い。例えば、区分機構53は、第1コンベア51によって搬送される荷物Mをせき止める位置にゲート53aを動かすことにより、荷物Mを第1コンベア51上で滞留させる。これにより、区分機構53は、1セットとなる複数の荷物(複数口の荷物)を処理する場合、先行して検査された荷物をゲート53aによって第1コンベア51上に滞留させることができる。すなわち、検査装置50は、区分機構53によって複数口の各荷物を滞留させることにより、複数口の複数の荷物に対する総合的な判定結果(複数判定の結果)に基づいて複数口の複数の荷物をまとめて同一方向へ区分する制御が可能となる。
【0056】
なお、第1コンベア51により搬送される荷物を滞留する機構は、ゲート53aの駆動によって実現されるものに限定されるものではない。荷物を滞留する機構は、複数口の複数の荷物をまとめて同一の区分先へ搬送できるように、各荷物を滞留させる機構であればどのような構成であっても良い。
【0057】
帳票リーダ54は、第1コンベア51上の荷物Mに貼り付けられた帳票M1またはタグM2から識別情報を読み取るものである。帳票リーダ54は、オペレータが手にもってスキャンするハンディスキャナであっても良いし、固定位置に設置されて第1コンベア51によって搬送される荷物Mに貼り付けられた帳票M1またはタグM2から識別情報を読み取るものであっても良い。
【0058】
操作端末55は、オペレータの操作入力に応じた信号(操作信号)を生成し、操作信号を検査装置50に供給する。操作端末55は、ディスプレイおよびタッチセンサを有するタッチパネル56を有する。操作端末55は、検査する荷物Mの識別情報をオペレータがタッチパネル56のタッチセンサを用いてキー入力するようにしても良い。なお、操作端末55は、後述する検索キーの入力および検索結果としての情報の表示などを行う検索端末6として機能するものとしても良い。
【0059】
操作端末55は、帳票リーダ54によって読み取った識別情報またはキー入力によって入力された識別情報の荷物Mに関する情報を表示するタッチパネル56のディスプレイに表示する。操作端末55は、0次処理システム3において荷物Mから取得した情報(外観画像、X線画像、帳票情報、タグ情報など)をディスプレイに表示する。1次検査システム4において、オペレータは、タッチパネル56のディスプレイに表示された情報に基づいて当該荷物Mが正常か否かを判定する検査を実施する。当該荷物Mが正常(OK)であるという検査結果であれば、オペレータは、当該荷物Mが配達可である旨をタッチパネルを用いて指示する。当該荷物Mが正常でない(NG)という検査結果であれば、オペレータは、当該荷物Mが2次検査あるいはリジェクトが必要である旨をタッチパネルを用いて指示する。
【0060】
次に、実施形態に係る1次検査システム4または2次検査システム5における制御系の構成について説明する。
図6は、実施形態に係る1次検査システム4または2次検査システム5における制御系の構成例を示すブロック図である。
図6に示すように、1次検査システム4(2次検査システム5)は、検査装置(1次検査装置、2次検査装置)50に各デバイス(第1コンベア51、第2コンベア52、区分機構53、帳票リーダ54、操作端末55)が接続される構成を有する。
【0061】
検査装置50は、パーソナルコンピュータ(PC)などのデータの通信、データの処理およびデータの保存を行うことができる装置により構成される。
検査装置50は、検査する荷物Mの情報(外観画像、X線画像、帳票情報およびタグ情報)を操作端末55に表示させ、オペレータが操作端末55によって入力する検査結果を取得する。検査装置50は、検査作業および検査結果に応じて第1コンベア51、第2コンベア52および区分機構53の駆動を制御する。検査装置50は、帳票リーダ54が読み取る識別情報(荷物ID)または操作端末55でオペレータがキー入力する識別情報に対応する荷物Mの情報を上位装置2から取得し、上位装置2から取得する荷物Mの情報を操作端末55に供給する。
【0062】
図6に示すように、検査装置50は、プロセッサ61、メモリ62、上位通信インタフェース63および通信インタフェース64を備える。
プロセッサ61は、演算処理を実行する。プロセッサ61は、例えば、CPUである。プロセッサ61は、プログラムを実行することにより種々の処理を実現する。
メモリ62は、プログラムおよびデータを記憶する記憶装置である。メモリ62は、例えば、読み出し専用の不揮発性メモリであるROM、データを一時的に記憶するRAM、および、書き換え可能な不揮発性メモリなどを含む。
プロセッサ61は、メモリ62のROMまたは不揮発性メモリに記憶したプログラムをRAMを用いて実行することにより種々の処理を実行する処理部として機能する。
【0063】
上位通信インタフェース63は、上位装置(情報管理装置)2と通信するためのインタフェースである。プロセッサ61は、上位通信インタフェース63を介して上位装置2に設けた第2データベース16にアクセスする。上位通信インタフェース63は、検査装置50がデータベースにアクセスするためのインタフェースである。上位通信インタフェース63は、0次処理システム3の情報取得装置20などと通信する機能を有するものとしても良い。
【0064】
通信インタフェース64は、1次検査システム4(2次検査システム5)における各デバイスと通信するためのインタフェースである。通信インタフェース64は、各デバイスと通信するための通信規格などに対応した端子及び回路を備える。
【0065】
次に、操作端末55の構成について説明する。
操作端末55は、図6に示すように、プロセッサ71、メモリ72、通信インタフェース73及びタッチパネル56を備える。
プロセッサ71は、演算処理を実行する。プロセッサ71は、例えば、CPUである。プロセッサ71は、プログラムを実行することにより種々の処理を実現する。
メモリ72は、プログラムおよびデータを記憶する記憶装置である。メモリ72は、例えば、読み出し専用の不揮発性メモリであるROM、データを一時的に記憶するRAM、および、書き換え可能な不揮発性メモリなどを含む。
プロセッサ71は、メモリ72のROMまたは不揮発性メモリに記憶したプログラムをRAMを用いて実行することにより種々の処理を実行する処理部として機能する。
【0066】
通信インタフェース73は、検査装置50と通信するためのインタフェースである。通信インタフェース73は、1次検査システム4(2次検査システム5)における他のデバイスと通信するものとしても良い。
【0067】
タッチパネル56は、画面の表示とオペレータの操作に応じた操作信号の生成とを行うユーザインタフェースの一例である。タッチパネル56は、一体に構成されたディスプレイ75およびタッチセンサ76を備える。ただし、操作端末55は、ユーザインタフェースとして、画面を表示するディスプレイ、操作に応じた操作信号を生成する操作機器などを備える構成としても良い。操作機器としては、マウス、トラックボール、キーボード、トラックパッドなどであっても良い。
【0068】
ディスプレイ75は、プロセッサ71または図示しないグラフィックコントローラから供給される表示用のデータ(画面データ)を画面に表示する。タッチセンサ76は、ディスプレイ75に表示された画面上において操作端末55を操作するオペレータがタッチした位置を示す操作信号を生成する。これにより、タッチパネル56は、ディスプレイ75に表示した操作キーとしてのアイコンへの入力をタッチセンサ76で検知するユーザインタフェースとして機能する。
【0069】
次に、実施形態に係る検査システム1の動作について説明する。
図7は、実施形態に係る検査システム1全体の動作を概略的に説明するためのフローチャートである。
検査システム1は、0次処理システムによる0次処理(情報取得処理)、1次検査システムによる1次検査処理、および、2次検査システムによる2次検査処理を順番に実施する。
【0070】
0次処理システム2は、検査対象の荷物Mから外観画像、X線画像、帳票情報およびタグ情報を取得する情報取得処理(0次処理)を実行する(ST11)。0次処理システム2は、コンベア22に置かれる検査対象の荷物に付与されている荷物ID(郵便物番号などの荷物ごとの識別情報)を取得し、荷物IDに対応づけて外観画像、X線画像、帳票情報およびタグ情報などの情報を上位装置2の第2データベース16に登録する。
【0071】
ただし、荷物IDの取得に失敗した場合、0次処理システム2は、仮の識別情報(仮ID)に対応づけて外観画像、X線画像、帳票情報およびタグ情報などの荷物Mから取得した各種の情報を上位装置2の第2データベース16に登録する。この場合、上位装置2は、仮の識別情報(仮ID)に対応づけた各種の情報を荷物ID無しのデータセットとして第2データベース16に登録する。荷物ID無しのデータセットは、荷物IDの取得失敗データとして検索できるように第2データベース16に登録するものとする。
【0072】
0次処理が実施された荷物Mは、1次検査場に設置された1次検査システム4へ送られる。1次検査システム4は、入力される荷物IDの荷物に対してオペレータが検査(1次検査)を実施するための情報を提供し、オペレータによる検査結果(1次検査結果)を取得する1次検査を実施する(ST12)。1次検査処理では、入力される荷物IDに対応する荷物の外観画像、X線画像および帳票情報などをタッチパネル56に表示する。オペレータは、表示された情報を視認して2次検査が必要であるか否かを判定(検査)し、検査結果をタッチパネル56に入力する。例えば、荷物内に規制品が含まれることが疑われる場合、オペレータは、当該荷物を2次検査が必要であると判定する。
【0073】
1次検査システム4は、2次検査が不要(正常、OK)であると判定された場合(ST13、NO)、当該荷物に対する検査を終了し、当該荷物の区分先が宛先区分装置(ソータ)であるとする(ST14)。また、1次検査システム4は、2次検査が必要である(NG)と判定した場合(ST13、YES)、当該荷物の区分先が2次検査場に設置された2次検査システムであるとする。
【0074】
ここで、1次検査システム4は、入力した荷物IDが第2データベース16にない場合、荷物IDの取得失敗データとして荷物ID無しのデータセットのリストを取得する。この場合、1次検査システム4は、荷物ID無しのデータセットのリストをタッチパネル56に表示し、オペレータがリストから選択するデータセットを検査対象の荷物のデータセットとして表示し、オペレータによる検査を実施する。また、第2データベース16には、オペレータが選択するデータセットに入力された荷物IDが登録される。
【0075】
1次検査によって2次検査が必要と判定された荷物は、2次検査場に設置された2次検査システム5へ送られる。2次検査システム5は、検査対象とする荷物をオペレータが開梱して詳細な検査(2次検査)を実施する2次検査処理を実施する(ST15)。2次検査処理において、オペレータは、荷物を開梱して荷物の内容を検査する。例えば、荷物内に規制品が含まれることが確認された場合、オペレータは、当該荷物を異常(NG)と判定する。オペレータは、検査(2次検査)の結果をタッチパネル56で入力する。ここで、オペレータは、荷物が異常であると判定した場合には異常と判定した理由(規制品、危険物、差出人異常、受取人異常、課税品など)をタッチパネル56で入力するようにしても良い。
【0076】
2次検査システムは、オペレータによるタッチパネル56への入力に応じて、検査対象の荷物が異常であるか正常であるかを判定する(ST16)。2次検査システム3は、タッチパネル56に荷物が異常(NG)である旨が入力された場合(ST16、YES)、当該荷物の区分先をリジェクトとする(ST17)。また、2次検査システム5は、タッチパネル56に荷物が正常である旨が入力された場合(ST16、NO)、当該荷物の区分先が宛先ごとに区分する宛先区分装置(ソータ)であるとする(ST14)。
【0077】
次に、上述した0次処理システム3による情報取得処理(0次処理)について詳細に説明する。
図8は、0次処理システム3による情報取得処理の例を説明するためのフローチャートである。
【0078】
0次処理システム3において、検査対象の荷物Mは、帳票M1およびタグM2をタグリーダ23、カメラ24および帳票リーダ26が読み取れる向きでコンベア22に置かれる。プロセッサ31は、コンベア22によって各荷物Mを順次搬送させて、タグリーダ23、カメラ24、X線撮影装置25および帳票リーダ26からの情報を順次取得する。
【0079】
0次処理システム3のタグリーダ23は、コンベア22により搬送されている荷物Mに添付されるタグM2からタグ情報を読み取る。タグリーダ23は、読み取ったタグ情報、または、タグが読み取れなかった旨の情報を情報取得装置20に供給する。これにより、情報取得装置20は、通信インタフェース34を介してタグリーダ23から供給される荷物Mのタグ情報を取得する(ST21)。
【0080】
0次処理システム3のカメラ24は、コンベア22により搬送されている荷物Mを撮影する。カメラ24は、コンベア22上の荷物Mを撮影した画像を外観画像として情報取得装置20へ供給する。これにより、情報取得装置20は、通信インタフェース34を介してカメラ24から供給される荷物Mの外観画像を取得する(ST22)。
【0081】
0次処理システム3のX線撮影装置35は、コンベア22により搬送されている荷物MのX線画像を撮像する。X線撮影装置35は、コンベア22上の荷物Mに対してX線を照射して撮影した画像をX線画像として情報取得装置20へ供給する。これにより、情報取得装置20は、通信インタフェース34を介してX線撮影装置25から供給されるX線画像を取得する(ST23)。
【0082】
0次処理システム3の帳票リーダ26は、コンベア22により搬送されている荷物Mに添付される帳票M1から帳票情報を読み取る。帳票リーダ26は、辞書DB31aの辞書を用いたOCR処理によって帳票M1に記載された帳票情報を認識し、認識結果として得られた帳票情報を情報取得装置20に供給する。これにより、情報取得装置20は、通信インタフェース34を介して帳票リーダ26から供給される荷物に貼り付けられた帳票M1に記載される帳票情報を取得する(ST24)。
【0083】
情報取得装置20のプロセッサ31は、各種の情報を取得した荷物の荷物IDが取得できたか否かを確認する(ST25)。例えば、プロセッサ31は、タグリーダ23により荷物Mから荷物IDとする識別情報を含むタグ情報が読み取れたか否かにより、荷物IDが取得できたか否かを確認する。
【0084】
また、荷物IDが取得できた場合(ST25、YES)、プロセッサ31は、当該荷物Mから取得した各種の情報(外観画像、X線画像、帳票情報など)に荷物IDを紐付けしたデータセットを当該荷物の情報として上位装置2の第2データベース16に登録する(ST26)。
上位装置2は、1次検査システム3から荷物IDを含むデータセットを受信すると、荷物IDに対応づけて取得した各種の情報を第2データベース16に登録する。
【0085】
また、荷物IDの取得に失敗した場合(ST25、NO)、プロセッサ31は、各種の情報を取得した荷物に対する仮の識別情報(仮ID)を発行する(ST27)。仮IDを発行すると、プロセッサ31は、当該荷物Mから取得した各種の情報(外観画像、X線画像、帳票情報など)に仮IDをセットしたデータセットを当該荷物の情報として上位装置2の第2データベース16に登録する(ST26)。
【0086】
上位装置2は、1次検査システム3から仮IDを含むデータセットを受信すると、荷物ID無しで当該荷物から取得した各種の情報を1つの荷物に対するデータセットとして第2データベース16に登録する。この場合、第2データベース16は、荷物ID無しで登録された各荷物のデータセットを荷物IDの取得が失敗した失敗データとして検索できるように登録する。
【0087】
図9は、0次処理で得られる荷物の情報を登録した第2データベース16の例を示す図である。
図9は、第2データベース16に登録するデータセットのうち0次処理で取得される情報を登録した例を示す。図9に示すデータ例において、受付番号は、処理日時などに応じて発行される情報である。図9では、受付番号として、日付、時間、作業場番号などを組み合わせた例を示す。また、受付番号は、仮IDとして利用しても良い。
荷物ID、差出人情報および宛先(受取人)情報は、タグM2または帳票M1から取得される情報である。図9に示す荷物ID、差出人情報、宛先(受取人)情報、品名およびその他情報は、タグ情報などの事前データであっても良い。
【0088】
本実施形態において、0次処理システムは、荷物IDをタグリーダ23によってタグM2から読み取るタグ情報に含まれるものとする。このため、タグリーダ23が荷物IDを含むタグ情報を読み取れなかった場合、荷物IDの取得に失敗したものとする。また、差出人情報および宛先情報は、OCRの辞書データとして辞書DB32aを更新するために用いても良い。また、品名は、当該荷物の内容となる物品を示す情報である。その他の情報は、帳票M1に含まれる物品内容申告書に記載される文字をOCR処理して得られた情報などである。
【0089】
X線画像は、X線撮影装置25がX線を用いて撮像する画像である。X線画像としては、一方向からの画像だけでなく、複数の軸で撮影した複数のX画像を登録しても良い。外観画像は、カメラ24が撮影した画像である。外観画像としては、異なるデータ形式の複数の画像データを登録するようにしても良い。また、X線画像および外観画像は、ファイル名だけでなく格納パス付きで第2データベース16に登録するようにしても良い。
【0090】
また、情報取得装置20のプロセッサ31は、複数口の各荷物について各種の情報を第2データベース16に登録するとともに、複数口の各荷物をコンベア22で搬送させて1次検査システム4が設置されている1次検査場へ送る(ST28)。0次処理システム3で処理された荷物は、コンベア22から1次検査システム4へ送られるようにしても良いし、コンベア22の下流側の後端から別の搬送手段(例えば、AGV)で1次検査システム4へ搬送するようにしても良い。
【0091】
次に、1次処理システム4による1次検査処理について詳細に説明する。
図10は、1次検査システム4による複数口の荷物に対する1次検査処理の例を説明するためのフローチャートである。
1次検査システム4では、0次処理システムによって第2データベース16に情報が登録された荷物Mに対する検査(1次検査)を実施する。1次検査では、0次処理によって荷物Mから取得した情報をオペレータが目視することにより2次検査が必要であるか否かが判定される。
【0092】
まず、1次検査システム4において、1次検査の対象とする荷物Mが第1コンベア51に乗せられ、当該荷物Mの荷物IDが入力される。帳票リーダ54は、荷物Mに貼り付けられたタグM2または帳票M1を読み取ることによって当該荷物Mの荷物IDを入力する。また、荷物IDは、オペレータが操作端末55のタッチパネル56などを用いて入力しても良い。
【0093】
検査装置50のプロセッサ61は、通信インタフェース64を介して帳票リーダ54または操作端末55で入力された荷物IDを取得する(ST31)。荷物IDを取得すると、検査装置50のプロセッサ61は、上位通信インタフェース63により上位装置2にアクセスし、第2データベース16に登録されている取得した荷物IDに対応する情報を要求する。
【0094】
検査装置50のプロセッサ61は、第2データベース16に荷物IDが登録されいない場合(ST32、YES)、上位装置2から荷物ID無しで登録されているデータセット(失敗データ)のリストを受信する。上位装置2のプロセッサ11は、検査装置50からの指定された荷物IDが第2データベース16に存在しない場合、荷物ID無しで登録されているデータセット(失敗データ)のリストを検査装置50へ供給する。
【0095】
失敗データのリストを受信した場合、検査装置50のプロセッサ61は、上位装置2から取得した各失敗データの情報を荷物(データセット)ごとのリスト形式でタッチパネル56のディスプレイ75に表示する(ST33)。プロセッサ61は、ディスプレイ75にリスト形式で表示した失敗データに対し、オペレータがタッチセンサ76で指示する1つの失敗データの選択を受け付ける(ST34)。
【0096】
図11は、1次検査システム4においてタッチパネル56に表示する失敗データのリストを表示する表示画面80の例である。
図11に示す例によれば、タッチパネル56は、荷物ID無しで登録されたデータセットに含まれる情報を荷物ごとのリスト形式で表示する。図11に示す表示画面80では、各荷物の情報として、仮ID、差出人情報、宛先情報、品名、その他、外観画像などを表示する。オペレータは、実際に検査する荷物(荷物IDを取得した荷物)と一致する情報を含む失敗データの表示部位をタッチすることで、失敗データ(データセット)が検査する荷物の情報であることを選択する。
【0097】
なお、失敗データのリストの表示画面80に表示する情報は、図11に示す情報に限定されるものでなく、オペレータが検査する荷物を特定できる情報を表示すれば良い。例えば、失敗データのリストとしては、各荷物の情報として、差出人情報、宛先情報あるいは外観画像などの情報を表示するものであれば良い。
【0098】
タッチパネル56に失敗データのリストを表示した後にオペレータが何れかの失敗データを選択すると、プロセッサ61は、選択された失敗データとしてのデータセットにST31で取得した荷物IDを対応づけて第2データベース16に登録する(ST35)。
【0099】
一方、上位装置2のプロセッサ11は、失敗データのリストを検査装置50へ送信した後、検査装置50からの検査する荷物に対応するデータセットとして選択された失敗データを示す情報(例えば、仮ID)を取得する。検査する荷物に対応する失敗データを示す情報を取得すると、プロセッサ11は、検査装置50で選択された失敗データに対して当該検査装置50から指定された荷物IDを対応づけて第2データベース16に登録する。これにより、第2データベース16には、荷物IDに対応づけて0次処理システムが荷物から取得した各種の情報が登録されるものとなる。
【0100】
また、取得した荷物IDに対応する荷物に関する情報を取得した場合、あるいは、オペレータの選択に応じて取得した荷物IDに対応づけたデータセットに含まれる荷物に関する情報を取得した場合、プロセッサ61は、取得した荷物IDに対する荷物に関する情報(1次検査のためにオペレータに提示する参照情報)をタッチパネル56に表示する(ST36)。例えば、プロセッサ61は、オペレータに提示する情報(参考情報)として、X線画像、外観画像、帳票情報などをタッチパネル56のディスプレイ75に表示する。
【0101】
図12は、オペレータに参照情報を提示するために操作端末27のタッチパネル56に表示する画面(確認画面)81の例を示す図である。
確認画面81には、荷物に対して2次検査(開封確認)する必要があるか否かをオペレータが判断する際に用いられる情報が表示される。確認画面81に表示される情報は、オペレータの判断の参考に用いられる参考情報である。確認画面81は、荷物ID82、外観画像83、X線画像84、事前データ(またはタグ情報)85、帳票情報86、OKボタン87、および、NGボタン88などの表示を有する。
【0102】
荷物ID82は、個々の荷物に付与されるユニークな識別情報である。
外観画像83は、カメラ24により取得した荷物の外観画像である。X線画像84は、X線撮影装置25により取得した荷物のX線画像である。X線画像84、または、外観画像83は、タッチパネル56とは別に設けたディスプレイに表示するようにしても良い。
【0103】
事前データ85は、タグリーダ23が荷物に貼り付けられたタグを認識することにより取得したタグ情報、または、荷物IDに対応して第1データベース15に登録されている情報である。なお、タグリーダ23がタグコードを読み取れなかった場合、荷物ID81および事前データ85は、空欄としてオペレータに荷物ID(郵便物番号などの識別情報)の入力を促すようにしても良い。
帳票情報86は、帳票リーダ26によって荷物の帳票から読み取った帳票情報である。図12に示す例では、事前データ85及び帳票情報86は、荷物の差出人情報、受取人情報および物品の内容物情報などの情報を表示するものである。
【0104】
OKボタン87およびNGボタン88は、タッチセンサ76により選択可能なボタンである。オペレータは、確認画面81に表示された参考情報を確認し、荷物Mを2次検査(開封確認)する必要があるか否か判断する。即ち、オペレータは、確認画面81に表示する外観画像83、X線画像84、事前データ85、帳票情報86などを確認して、荷物に対して2次検査を行う必要があるか否か判断し、OKボタン87またはNGボタン88とのいずれかを選択して入力する。すなわち、オペレータは、2次検査を行う必要がないと判断した場合にはOKボタン87を入力する。また、オペレータは、当該荷物に対して2次検査を行う必要があると判断した場合にはNGボタン88を入力する。
【0105】
オペレータに提示する参考情報として確認画面81を表示した後、プロセッサ61は、オペレータによる検査結果の入力を受け付ける(ST38)。プロセッサ61は、オペレータが入力する検査結果を第2データベース16に登録する(ST39)。例えば、オペレータによりOKボタン87が入力されると、プロセッサ61は、当該荷物が2次検査を不要とする正常な荷物であると判定する。また、オペレータによりNGボタン88を入力されると、プロセッサ61は、当該荷物が2次検査を必要する荷物であると判定する。
【0106】
図13は、図9に示す第2データベース16に対して1次検査の結果などの情報を追記した例である。また、図13では、第2データベース16に2次検査の結果などの情報も追記した例を示している。
【0107】
図13に示す例では、1次検査に関する情報として、1次検査結果、1次検査内容、処理日時などが記憶される。1次検査結果は、正常(OK)と判定したか異常(NG)と判定したかを示す。1次検査内容は、NGと判定した場合の理由が示される。図13では、1次検査内容として、「X線」、「EAD(タグ)確認」、「犬検査」、「申告書」などを例示している。「X線」はX線画像から異常が疑われたことを示す。「EAD確認」は、EAD(タグ)の情報の確認が必要と判定されたことを示す。「犬検査」は犬(麻薬犬など)による検査が必要と判定されたことを示す。「申告書」は申告書の内容の確認が必要と判定されたことを示す。
【0108】
また、図13では、2次検査に関する情報も例示している。図13に示す例では、2次検査に関する情報として、2次検査結果、2次検査内容、処理日時などが記憶される。2次検査結果は、正常(OK)と判定したか異常(NG)と判定したかを示す。2次検査内容は、NGと判定した理由などが示される。図13では、2次検査内容として、「爆発物」、「禁止物品」を例示している。「爆発物」は荷物に爆発物が含まれると判定されたことを示す。「禁止物品」は荷物に禁止物品が含まれると判定されたことを示す。
【0109】
また、オペレータによって検査結果が入力されると、プロセッサ61は、検査結果に応じて当該荷物の区分先を決定する。2次検査が不要な正常な荷物であると判定された場合(ST40、YES)、プロセッサ61は、当該荷物の区分先を宛先ごとに荷物を区分するソータとし、当該荷物をソータへ搬送させる。また、2次検査が必要な荷物であると判定された場合(ST40、NO)、プロセッサ61は、当該荷物の区分先が2次検査システム5であるとし、当該荷物を2次設定システム5が配置されている2次検査場へ搬送する(ST42)。
【0110】
以上のように、1次検査処理システムの検査装置は、0次処理によって荷物から取得した情報に基づく1次設定処理が実施され、1次検査結果が第2データベースに登録される。また、上述の動作によれば、1次検査処理システムの検査装置は、0次処理で荷物IDが確定できていなかった荷物についても、オペレータが指定するデータセットに荷物IDを対応づけてデータベースに登録できる。
【0111】
次に、2次処理システム5による2次検査処理について詳細に説明する。
図14は、2次検査システム5による2次検査処理の例を説明するためのフローチャートである。
2次検査システム5では、1次処理システム4によって2次検査が必要であると判定された荷物に対する検査(2次検査)を実施する。2次検査システム5では、2次検査として荷物を開梱することにより荷物の内容をオペレータが詳細に検査する。
【0112】
まず、2次検査システム5において、2次検査の対象とする荷物Mが第1コンベア51に乗せられ、荷物IDが入力される。例えば、帳票リーダ54で、タグM2または帳票M1を読み取ることによって当該荷物Mの荷物IDを入力する。また、荷物IDは、操作端末55においてタッチパネル56などを用いてオペレータが入力しても良い。
【0113】
2次検査システム5の検査装置50のプロセッサ61は、通信インタフェース64を介して帳票リーダ54で入力された荷物IDを取得する(ST51)。荷物IDを取得すると、プロセッサ61は、上位通信インタフェース63により上位装置2にアクセスし、荷物IDに対応する荷物に関する各種の情報を第2データベース16から取得する(ST52)。2次検査では、プロセッサ61は、第2データベース16から1次検査における検査結果も取得する。
【0114】
荷物IDに対応する荷物の情報を取得すると、プロセッサ61は、第2データベース16から取得した情報(2次検査のためにオペレータに提示する情報)を操作端末55のタッチパネル56に表示させる(ST53)。プロセッサ61は、オペレータに提示する情報として1次検査における検査結果を表示する。また、プロセッサ61は、1次検査における検査結果と共に、0次処理で取得したX線画像、外観画像、帳票情報などの情報もタッチパネル56のディスプレイ75に表示して良い。
【0115】
また、プロセッサ61は、当該荷物に対する2次検査を実施する(ST54)。2次検査では、オペレータが荷物を開梱して内容を確認し、オペレータは、開梱した荷物の内容の確認結果を2次検査の検査結果としてタッチパネル56により入力する。ここで、プロセッサ61は、オペレータによるタッチパネル56を用いた検査結果の入力を受け付ける(ST55)。
【0116】
タッチパネル56を用いて検査結果が入力されると、プロセッサ61は、入力された検査結果を第2データベース16に登録する(ST56)。図13に示す例によれば、第2データベース16aには、2次検査に関する情報として、2次検査結果、2次検査内容および検査日時などが登録される。この場合、検査装置50のプロセッサ61は、第2データベース16に登録すべき情報として、荷物IDに対応づけて、2次検査結果、2次検査内容および検査日時などの2次検査に関する情報を上位装置2へ供給する。これにより、上位装置2は、検査装置50からの2次検査に関する情報を第2データベース16に登録する。
【0117】
また、2次検査の検査結果が入力された場合、プロセッサ61は、検査結果に応じて当該荷物の区分先を決定する。2次検査によって正常な荷物であると判定された場合(ST57、YES)、プロセッサ61は、当該荷物の区分先を宛先ごとに荷物を区分するソータとし、当該荷物をソータへ搬送させる(ST58)。また、2次検査によって当該荷物に異常があると判定した場合(ST57、NO)、プロセッサ61は、当該荷物の区分先をリジェクトとし、当該荷物をNGと判定された荷物を集積するリジェクト集積部へ搬送する(ST59)。
【0118】
以上のように、実施形態に係る2次検査処理システムの検査装置は、1次検査によって2次検査が必要と判定された荷物に対して開梱などを行った詳細な2次検査が実施され、2次検査の結果が第2データベースに登録される。
【0119】
次に、検索端末6を用いて荷物の処理状況を検索する処理について説明する。
本実施形態において、検索端末6は、荷物の現地位置などの処理状況を検索するために用いられる。検索端末6は、荷物の処理状況を検索するため、荷物に関する情報を記憶するデータベース16を具備する上位装置2と通信可能なコンピュータで実現できる。また、検索端末6は、タッチパネルなどのユーザインタフェースと上位装置2と通信可能な通信インタフェースとを具備する電子機器であれば良く、例えば、検査システム1のオペレータが携帯する携帯端末であっても良い。また、0次処理システム3における操作端末27、1次検査システム4または2次検査システム5における操作端末55を検索端末6として実現しても良い。
【0120】
上位装置2は、検索端末6からの検索要求に応じて第2データベース16に登録されているデータなどを検索し、検索結果を検索要求元の検索端末6に返信する。また、上位装置2は、検索端末6からの検索要求に応じて検索した荷物の現在位置を判定し、判定結果として得られた現在位置を示す情報を検索結果として検索端末6に提供する。
【0121】
図15は、実施形態に係る情報管理装置としての上位装置2による荷物の処理状況を検索する検索処理を説明するためのフローチャートである。
まず、上位装置2は、検索端末6から要求に応じて利用者認証(ログオン)処理を実行する(ST71)。例えば、オペレータは、検索端末6においてIDおよびパスワードなどの認証情報を入力する。検索端末6は、オペレータが入力する認証情報によるログオン要求を上位装置2へ送信する。上位装置2のプロセッサ11は、通信インタフェース13を介して通信する検索端末6からのログオン要求に応じて利用者認証を行う。
【0122】
上位装置2のプロセッサ11は、利用者認証処理が成功すると、ログオンを要求した検索端末6からの検索要求を受け付ける(ST72)。オペレータは、検索端末6において処理状況を確認したい荷物を検索するための検索キーを入力する。検索端末6は、オペレータによって入力された検索キーによる荷物の検索を上位装置2へ依頼する。
【0123】
検索キーは、第2データベース16に登録されているワードであれば良い。例えば、特定の荷物を指定する場合、検索キーとして荷物IDが入力される。また、差出人あるいは受取人を検索キーしても良いし、差出人あるいは受取人の電話番号もしくは住所などを検索キーとしても良い。さらには、第2データベース16における項目に対して検索キーを指定しても良い。例えば、2次検査結果または1次検査結果でNGとなった荷物を検索したい場合には、「2次検査、NG」または「1次検査、NG」などを検索キーとしても良い。
【0124】
上位装置2のプロセッサ11は、検索端末6からの検索キーを受信すると、受信した検索キーにより第2データベース16を検索する(ST73)。検索キーが荷物IDなどの1つの荷物を指定するものであれば、プロセッサ11は、検索結果として1つの荷物を第2データベース16から検出する。また、検索キーが複数の荷物に共通するワードであれば、プロセッサ11は、検索キーを含む複数の荷物を第2データベース16から検出する。
【0125】
ここで、検索キーが荷物IDである場合(ST74、YES)、プロセッサ11は、検索キーとして指定された荷物IDが第2データベース16に存在するかを判定する(ST75)。指定された荷物IDが第2データベース16に登録されていない場合(ST75、YES)、プロセッサ11は、荷物ID無しで登録されているデータセット(失敗データ)のリストを検索端末6へ供給し、失敗データのリストを検索端末6に表示させる(ST76)。例えば、検索端末6には、失敗データのリストとして図11に示すような表示画面を表示させる。
【0126】
失敗データのリストを表示した検索端末6において、例えば、オペレータは、何れかの失敗データの表示部位をタッチすることで検索キーとして指定した荷物IDに対応する失敗データを選択する。検索端末6は、失敗データのリストから選択された失敗データを示す情報を上位装置2へ送信する。
【0127】
上位装置2のプロセッサ11は、検索端末6で選択された失敗データを検索キーで指定された荷物IDで検索したデータセットとして選択する(ST77)。さらに、プロセッサ11は、選択された失敗データとしてのデータセットにST71で指定されている荷物IDを対応づけて第2データベース16に登録する(ST78)。ただし、検索端末6からの検索処理においては、指定された荷物IDと選択された失敗データとを対応づけて登録する処理(ST78の処理)は省略しても良い。
【0128】
以上の処理によって、検索キーで検索した荷物のデータセットを特定すると、プロセッサ11は、検索したデータセットから当該荷物の処理状況と現在位置とを判定する(ST79)。検索キーで検索した荷物が複数であれば、プロセッサ11は、それぞれの荷物について処理状況と現在位置とを判定する。検索した荷物の現在位置は、第2データベース16から検索した当該荷物のデータセットが示す1次検査結果および2次検査結果などの処理状況に基づいて判定する。
【0129】
図16は、荷物の処理状況に応じて荷物の現在位置を探索するための一覧表(位置探索の一覧表)の例を示す図である。
プロセッサ11は、図16に示すような位置探索の一覧表を参照して各荷物のデータセットから各荷物の現在位置を判定する。図16に示すような位置探索の一覧表は、例えば、メモリ12またはストレージ14内の不揮発性のメモリに記憶される。
図16に示す一覧表では、画像データ(外観画像またはX線画像)の有無と1次検査結果と2次検査結果との組み合わせによって当該荷物の処理状況と現在位置とが判定できるように構成されている。
【0130】
例えば、0次処理で得られる画像データ(外観画像、X線画像)が存在しない場合、プロセッサ11は、位置探索の一覧表を参照して、当該荷物が0次処理前であると判定され、現在位置が0次検査場であるとは判定される。
また、画像データが存在し、1次検査結果と2次検査結果とが登録されていない場合、プロセッサ11は、当該荷物が1次検査前であり、当該荷物の現在位置が0次作業場から1次検査場間の搬送経路であると判定する。
また、1次検査結果がOKである場合、プロセッサ11は、当該荷物が検査終了であり、当該荷物の現在位置が宛先ごとに区分処理を行うソータであると判定する。
【0131】
1次検査結果がNGで2次検査結果が登録されていない場合、プロセッサ11は、当該荷物が2次検査前であり、当該荷物の現在位置が1次検査場から2次検査場間の搬送経路であると判定する。
1次検査結果がNGで2次検査結果がOKである場合、プロセッサ11は、当該荷物が検査終了であり、当該荷物の現在位置がソータであると判定する。
1次検査結果がNGで2次検査結果がNGである場合、プロセッサ11は、当該荷物が検査終了であり、当該荷物の現在位置がリジェクトであると判定する。
【0132】
検索した荷物の処理状況と現在位置とを判定すると、プロセッサ11は、検索した荷物の情報を検索端末6に表示させる。プロセッサ11は、検索した荷物の情報を詳細表示とするか一覧表示するかを選択する。一覧表示とするか否かは、検索キーで指定された項目で選択しても良い。例えば、検索キーとして荷物IDが指定された場合は、詳細表示とし、荷物ID以外の検索キーが指定された場合は一覧表示とするようにしても良い。また、詳細表示とするか一覧表示とするかは、オペレータが指定するようにしても良い。また、検索した荷物が複数であれば一覧表示し、検索した荷物が1つであれば詳細表示とするようにしても良い。
【0133】
検索した荷物の情報を詳細表示とする場合(ST80、NO)、プロセッサ11は、検索した荷物の情報を詳細に示す詳細画面を検索端末6に表示させる(ST81)。例えば、詳細画面は、検索した荷物の情報を1つの荷物ごとに表示するものとし、0次処理で荷物から取得した各種の情報、当該荷物の処理状況、および、当該荷物の現在位置を示す情報を検索端末6に表示させる。
【0134】
図17は、検索した荷物の情報を詳細に表示する詳細画面100の表示例を示す図である。
図17に示す詳細画面100では、図11に示す確認画面81と同様に、外観画像83、X線画像84、事前データ85、帳票情報86などが表示される。また、詳細画面100には、検索項目の表示欄101、検索キーの表示欄102、検索結果の件数の表示欄103が表示される。検索項目の表示欄111には、指定された検索項目が表示される。例えば、検索項目の指定がなけば、検索項目の表示欄111は空欄としても良いし、「すべて」としても良い。検索キーの表示欄112は、検索キーとして指定されたキーワードが表示される。例えば、表示欄112に表示される検索キーは、荷物IDである。ただし、表示欄112に表示される検索キーは、荷物IDに限定されるものではなく、例えば、差出人情報あるいは宛先情報に含まれる情報などであっても良い。
【0135】
さらに、詳細画面100には、当該荷物の処理状況を表示する表示欄104、現在位置を表示する表示欄105が表示される。表示欄104には、上述したST79で判定した、当該荷物の処理状況を示す情報が表示される。また、表示欄105には、上述したST79で判定した当該荷物の現在位置を示す情報が表示される。
【0136】
また、検索した荷物の情報を一覧表示とする場合(ST80、YES)、プロセッサ11は、検索した各荷物の情報を一覧で表示する一覧画面を検索端末6に表示させる(ST82)。例えば、一覧画面は、検索した各荷物の情報をリスト形式で一覧として表示するものとし、各荷物について、0次処理で取得した情報の一部、当該荷物の処理状況、および、当該荷物の現在位置を示す一覧を検索端末6に表示させる。
【0137】
図18は、検索した荷物の情報を一覧で表示する一覧表示画面110の表示例を示す図である。
図18に示す一覧表示画面110では、検索項目の表示欄111、検索キーの表示欄112および検索ボタン113とともに、検索した各荷物の情報をリスト形式で示す一覧114が表示される。検索項目の表示欄111には、指定された検索項目が表示される。例えば、検索項目の指定がなけば、検索項目の表示欄111は空欄としても良いし全てと表示しても良い。検索キーの表示欄112は、検索キーとして指定されたキーワードが表示される。例えば、表示欄112に表示される検索キーとしては、荷物IDに限定されるものではなく、例えば、差出人情報あるいは宛先情報に含まれる情報などであっても良い。検索ボタン113は、検索の実行を指示するボタンである。例えば、検索項目あるいは検索キーを変更した場合に検索ボタンを指示することで検索を実行させることができる。
【0138】
また、図18に示す例では、一覧114には、検索した荷物ごとに、荷物ID、差出人情報、宛先情報、外観画像、検査段階、検査結果、現在位置などが表示される。差出人情報、宛先情報、外観画像などの情報は、表示スペースを考慮して一部の情報の表示を省略しても良い。検査段階および検査結果は、ST79で判定した処理状況に相当する情報を表示するものである。また、現在位置としては、ST79で判定した当該荷物の現在位置を示す情報が表示される。
【0139】
以上のような荷物の検索処理によれば、各荷物について、検索システムにおけるどの検査工程で処理中であるか、現在のどこにあるのかをオペレータが簡単に確認できる。また、オペレータが指定する検索項目および検索キーによって、該当する荷物を簡単に検索することができ、多様な検索条件で検索した荷物に関して現在位置および処理状況などを容易にオペレータが知ることができる。この結果、特定の荷物を検査システムから探しだす場合に、オペレータが簡単に現在位置を把握できるため、探している荷物の現物を簡単に発見することが可能となる。
【0140】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
以下、本願の出願当初の特許請求の範囲に記載した内容を付記する。
[1]
荷物の情報を取得する情報取得装置、および、荷物を段階毎に検査する検査装置と通信する通信インタフェースと、
前記通信インタフェースを介して、前記情報取得装置から得る荷物の情報と、前記検査装置から得る荷物に対する段階毎の検査結果とを記憶するメモリと、
前記メモリに記憶した情報を検索するために指定された情報と前記メモリに記憶した荷物の情報の一部とが合致する荷物を対象荷物として抽出し、前記対象荷物に対する段階毎の検査結果に基づいて、前記対象荷物の現在位置を表示装置に表示させるプロセッサと、
を具備する情報管理装置。
[2]
前記通信インタフェースは、さらに、検索端末と通信し、
前記プロセッサは、前記通信インタフェースを介して前記対象荷物の現在位置を前記検索端末に表示させる、
[1]に記載の情報管理装置。
[3]
前記情報取得装置から得る荷物の情報は、荷物を識別するための識別情報、荷物を撮影した画像データ、荷物の宛先情報、荷物の差出人情報のうち少なくともいずれか一つを含み、
前記検査結果は、各段階の検査結果が正常か否か、若しくは未だ検査が実施されていないことを示す情報を含む、
[2]に記載の情報管理装置。
[4]
前記プロセッサは、前記荷物の情報がメモリに記憶されているか否かと、各段階の検査結果が正常か否かの組合せに基づいて前記対象荷物の現在位置を判定する、
[3]に記載の情報管理装置。
[5]
前記検索端末から前記メモリに記憶した情報を検索するために指定された情報が前記識別情報であり、当該識別情報の荷物が前記メモリに存在しない場合、前記メモリに荷物の識別情報が登録されていない荷物の固有情報を前記検索端末に表示させる、
[3]又は[4]に記載の情報管理装置。
[6]
前記メモリに荷物の識別情報が登録されていない荷物の情報を前記検索端末に表示させた後、前記検索端末から1つの荷物が選択された場合、選択された荷物の固有情報に前記検索端末から検索された荷物の識別情報を登録する、
[5]に記載の情報管理装置。
[7]
荷物の検査を行う検査システムに用いる情報管理装置のプロセッサによって実行される情報管理プログラムであって、
前記プロセッサに、
荷物の情報を取得する情報取得装置および荷物を段階毎に検査する検査装置と通信インタフェースを介して通信させ、
前記通信インタフェースを介して、前記情報取得装置から得る荷物の情報と、前記検査装置から得る荷物に対する段階毎の検査結果とをメモリに記憶させ、
前記メモリに記憶した情報を検索するために指定された情報と前記メモリに記憶した荷物の情報の一部とが合致する荷物を対象荷物として抽出し、前記対象荷物に対する段階毎の検査結果に基づいて、前記対象荷物の現在位置を表示装置に表示させる、
情報管理プログラム。
【符号の説明】
【0141】
1…検査システム、2…上位装置、3…情報取得(0次処理)システム、4…1次検査システム、5…2次検査システム、11…プロセッサ、12…メモリ、13…通信インタフェース、14…ストレージ、15…第1データベース、16…第2データベース、20…情報取得装置、22…コンベア、23…タグリーダ、24…カメラ、25…X線撮影装置、26…帳票リーダ、27…操作端末、28…タッチパネル、29…メモリインタフェース、31…プロセッサ、32…メモリ、32a…辞書データ、33…上位通信インタフェース、34…通信インタフェース、41…プロセッサ、42…メモリ、43…通信インタフェース、50…検査装置、51…第1コンベア、52…第2コンベア、53…区分機構、53a…区分ゲート、54…帳票リーダ、55…操作端末、61…プロセッサ、62…メモリ、63…上位通信インタフェース、64…通信インタフェース、71…プロセッサ、72…メモリ、73…通信インタフェース。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18