(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-19
(45)【発行日】2023-05-29
(54)【発明の名称】半導体デバイス、半導体デバイスの接続処理方法および電子装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/822 20060101AFI20230522BHJP
H01L 27/04 20060101ALI20230522BHJP
G06F 15/78 20060101ALI20230522BHJP
【FI】
H01L27/04 M
G06F15/78 514
H01L27/04 E
(21)【出願番号】P 2019192993
(22)【出願日】2019-10-23
【審査請求日】2022-03-14
(73)【特許権者】
【識別番号】302062931
【氏名又は名称】ルネサスエレクトロニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】近越 一真
【審査官】田付 徳雄
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2002/045168(WO,A1)
【文献】特開2001-331471(JP,A)
【文献】特開2003-198549(JP,A)
【文献】特表2005-536913(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0335219(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/822
G06F 15/78
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部デバイスと
プリント配線基板上で配線接続される半導体デバイスであって、
複数の外部接続端子と、
機能ブロックと、
複数の接続確認信号を生成し、前記複数の接続確認信号を前記複数の外部接続端子を介して出力し、前記外部デバイスが前記複数の接続確認信号に対応して出力する複数の応答信号を前記複数の外部接続端子を介して受け、前記複数の応答信号に基づいて前記複数の外部接続端子のそれぞれに割り当てられる信号を特定し、特定結果に基づいて前記複数の外部接続端子と前記機能ブロックとの間の信号経路を切り替える接続切替制御回路と、
を有
し、
前記半導体デバイスは、
前記複数の外部接続端子に対応して設けられる複数の双方向バッファ回路をさらに備え、
前記接続切替制御回路は、前記複数の外部接続端子のそれぞれにプルアップ抵抗またはプルダウン抵抗を接続するように制御し、前記複数の外部接続端子のそれぞれにプルアップ抵抗またはプルダウン抵抗を接続した状態で、前記複数の外部接続端子のそれぞれのレベルを検知し、検知結果に基づいて各双方向バッファ回路の入出力方向を決定する、
半導体デバイス。
【請求項2】
外部デバイスとプリント配線基板上で配線接続される半導体デバイスであって、
複数の外部接続端子と、
機能ブロックと、
複数の接続確認信号を生成し、前記複数の接続確認信号を前記複数の外部接続端子を介して出力し、前記外部デバイスが前記複数の接続確認信号に対応して出力する複数の応答信号を前記複数の外部接続端子を介して受け、前記複数の応答信号に基づいて前記複数の外部接続端子のそれぞれに割り当てられる信号を特定し、特定結果に基づいて前記複数の外部接続端子と前記機能ブロックとの間の信号経路を切り替える接続切替制御回路と、
を有し、
前記接続切替制御回路は、
前記複数の接続確認信号を生成し、前記複数の接続確認信号に対応する前記複数の応答信号に基づいて接続設定情報を生成する接続情報確認回路と、
前記複数の外部接続端子と前記接続情報確認回路を接続するか、前記複数の外部接続端子と前記機能ブロックを接続するかを切り替えるデータライン切替回路と、
前記接続設定情報に基づいて、前記機能ブロックと前記外部接続端子との間の接続を切り替える接続切替部と、
を有
する半導体デバイス。
【請求項3】
前記接続切替制御回路は、前記外部デバイスの動作モードを切り替える動作モード制御回路を有する、
請求項1記載の半導体デバイス。
【請求項4】
外部デバイスとプリント配線基板上で配線接続される半導体デバイスであって、
複数の外部接続端子と、
機能ブロックと、
複数の接続確認信号を生成し、前記複数の接続確認信号を前記複数の外部接続端子を介して出力し、前記外部デバイスが前記複数の接続確認信号に対応して出力する複数の応答信号を前記複数の外部接続端子を介して受け、前記複数の応答信号に基づいて前記複数の外部接続端子のそれぞれに割り当てられる信号を特定し、特定結果に基づいて前記複数の外部接続端子と前記機能ブロックとの間の信号経路を切り替える接続切替制御回路と、
を有し、
前記半導体デバイスは、イーサネット媒体アクセス制御ブロック内蔵デバイスであり、イーサネット物理層デバイスである前記外部デバイスに接続される、
半導体デバイス。
【請求項5】
前記複数の応答信号は、ループバックモードに設定された前記イーサネット物理層デバイスが前記複数の接続確認信号に応じて出力する信号である、
請求項
4に記載の半導体デバイス。
【請求項6】
外部デバイスとプリント配線基板上で配線接続される半導体デバイスであって、
複数の外部接続端子と、
機能ブロックと、
複数の接続確認信号を生成し、前記複数の接続確認信号を前記複数の外部接続端子を介して出力し、前記外部デバイスが前記複数の接続確認信号に対応して出力する複数の応答信号を前記複数の外部接続端子を介して受け、前記複数の応答信号に基づいて前記複数の外部接続端子のそれぞれに割り当てられる信号を特定し、特定結果に基づいて前記複数の外部接続端子と前記機能ブロックとの間の信号経路を切り替える接続切替制御回路と、
を有し、
前記半導体デバイスは、メモリコントローラ搭載のマイクロコンピュータであり、メモリデバイスである前記外部デバイスに接続される、
半導体デバイス。
【請求項7】
前記応答信号は、前記メモリデバイスからの読出しデータである、
請求項
6記載の半導体デバイス。
【請求項8】
第1の半導体デバイスと、前記第1の半導体デバイスに
プリント配線基板上で配線接続される第2の半導体デバイスとを具備する電子装置であって、
前記第1の半導体デバイスは、
複数の第1外部接続端子と、
第1機能ブロックと、
を有し、
前記第2の半導体デバイスは、
前記複数の第1外部接続端子に接続される複数の第2外部接続端子と、
第2機能ブロックと、
複数の接続確認信号を生成して前記第1の半導体デバイスに出力し、前記第1の半導体デバイスから前記複数の接続確認信号に対する複数の応答信号を受け、前記複数の応答信号に基づいて前記複数の第2外部接続端子と前記複数の第1外部接続端子との接続状態を確認し、確認結果に基づいて、前記複数の第2外部接続端子へ前記第2機能ブロックの信号の割り当てる接続切替制御回路と、
を有
し、
前記第1の半導体デバイスはイーサネット物理層デバイスであり、
前記第1機能ブロックは物理層ブロックであり、
前記第2の半導体デバイスはイーサネット媒体アクセス制御ブロック内蔵デバイスであり、
前記第2機能ブロックはイーサネット媒体アクセス制御ブロックであり、
前記応答信号は、前記第1の半導体デバイスがループバックモードに設定されたときの前記接続確認信号に対する前記第1機能ブロックの出力信号である、
電子装置。
【請求項9】
前記接続切替制御回路は、前記確認結果に基づいて、前記複数の第2外部接続端子と前記第2機能ブロックとの間の信号経路を切り替える接続切替部を有する、
請求項
8記載の電子装置。
【請求項10】
第1の半導体デバイスと、前記第1の半導体デバイスにプリント配線基板上で配線接続される第2の半導体デバイスとを具備する電子装置であって、
前記第1の半導体デバイスは、
複数の第1外部接続端子と、
第1機能ブロックと、
を有し、
前記第2の半導体デバイスは、
前記複数の第1外部接続端子に接続される複数の第2外部接続端子と、
第2機能ブロックと、
複数の接続確認信号を生成して前記第1の半導体デバイスに出力し、前記第1の半導体デバイスから前記複数の接続確認信号に対する複数の応答信号を受け、前記複数の応答信号に基づいて前記複数の第2外部接続端子と前記複数の第1外部接続端子との接続状態を確認し、確認結果に基づいて、前記複数の第2外部接続端子へ前記第2機能ブロックの信号の割り当てる接続切替制御回路と、
を有し、
前記第2の半導体デバイスはマイクロコンピュータであり、
前記第2機能ブロックはメモリコントローラであり、
前記第1の半導体デバイスはメモリデバイスであり、
前記応答信号は、前記メモリデバイスの読み出しデータである、
電子装置。
【請求項11】
複数の外部接続端子と機能ブロックと接続切替制御回路とを有し、外部デバイスと前記複数の外部接続端子を介して
プリント配線基板上で配線接続される半導体デバイスの接続処理方法であって、
前記複数の外部接続端子を介して前記外部デバイスに接続確認信号を送信し、
前記複数の外部接続端子を介して前記外部デバイスの前記接続確認信号に対する応答信号を受信し、
前記応答信号に基づいて前記複数の外部接続端子の機能を特定し、
特定結果に基づいて前記機能ブロックと前記複数の外部接続端子との間の信号経路を切り
替え、
前記半導体デバイスは前記接続確認信号を送信する前に、
前記複数の外部接続端子にプルアップ抵抗またはプルダウン抵抗を接続し、
前記複数の外部接続端子のそれぞれのレベルを検知し、
検知結果に基づいて前記複数の外部接続端子が入力端子か出力端子かを決定し、
前記出力端子に決定された外部接続端子を介して前記接続確認信号を送信する、
半導体デバイスの接続処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体デバイスに関し、例えば、複数の半導体デバイスと搭載した電子装置に好適に利用できる。
【背景技術】
【0002】
イーサネット(登録商標)の物理層デバイス(PHY-LSI)やSRAM(Static Random Access Memory)など高速信号伝送が求められるデバイスをプリント配線基板に搭載する場合、これらデバイスと通信するデバイスとの間は、短く、且つ、耐ノイズ性の高い配線で接続することが求められている。
【0003】
例えば、イーサネット物理層デバイスとイーサネット媒体アクセス制御(MAC:Media Access Control)ブロック内蔵デバイス間のインターフェースには、一般的にMII(media-independent interface)が用いられるが、速度の向上を目的としたRGMII(reduced gigabit media-independent interface)やGMII(gigabit media-independent interface)なども存在する。このような高速通信を目的としたインターフェース規格に準拠して、イーサネット物理層デバイスとイーサネットMACブロック内蔵デバイスとをプリント配線基板上で接続するとき、これらデバイスの少なくとも高速信号を伝送する端子間は、それぞれ等長で、最短で、且つストレートな接続配線で接続されることが好ましい。
【0004】
しかしながら、イーサネットMACブロック内蔵デバイスやイーサネット物理層デバイスの種類、または、それぞれのデバイスの外部接続端子の並びによっては、高速信号を伝送するための接続配線が基板の複数の層を介して交差したり、接続配線の引き回し距離が長くなったりする可能性がある。そのため、基板ノイズの影響を受けたり、信号波形のなまりが生じたりする。結果、通信品質が低下する可能性がある。また、接続配線を引き回すことで、プリント配線基板上の配線レイアウトが増加し実装面積が増加するおそれがある。
【0005】
特許文献1には、マスタデバイスとスレーブデバイスとの外部接続端子を接続した後に、外部接続端子の機能を割り付けることができる半導体集積回路装置が記載されている。具体的には、マスタデバイスが有するマスタインターフェースが、指定された信号に対応する外部ピンから割り付け設定信号を出力する。スレーブデバイスが有するスレーブインターフェースは、割り付け設定信号がスレーブデバイスのどのピンに入力されたかを検出し、その検出結果に基づいて機能ブロックと外部ピン間の接続を切り換える。このように、マスタインターフェースとスレーブインターフェースとによって自動的に外部接続端子の割付けを行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述のように、特許文献1では、プリント配線基板上の配線後に外部接続端子割り付けを行うことで、プリント配線基板の配線パターン設計を短時間で効率よく行っている。特許文献1では配線後に外部接続端子割り付けを行うにあたって、マスタインターフェースおよびスレーブインターフェースに専用回路をそれぞれ設けている。したがって、いずれか一方のデバイス、例えば、イーサネット物理層デバイスがこのようなインターフェースを持たない汎用デバイスである場合には、互いの信号の位置が特定できないため、プリント配線基板上の配線後の外部接続端子機能設定を行うことができない。
【0008】
その他の課題および新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0009】
一実施の形態に係る半導体デバイスは、外部デバイスと接続される半導体デバイスであって、複数の外部接続端子と、機能ブロックと、接続切替制御回路とを有し、接続切替制御回路は、接続確認信号を生成して複数の外部接続端子を介して出力し、外部デバイスによって出力される接続確認信号に対する応答信号を複数の外部接続端子を介して受け、応答信号に基づいて複数の外部接続端子の機能を特定し、特定結果に基づいて複数の外部接続端子と機能ブロック間の接続関係を切り替える。
【発明の効果】
【0010】
前記一実施の形態によれば、互いに接続される二つの半導体デバイスのうち一方が汎用デバイスであっても、プリント基板配線上での接続配線後に、他方の半導体デバイスの外部接続端子の機能を割り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、実施の形態の概要に係る電子装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、実施の形態1に係る電子装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、実施の形態1に係る双方向バッファ部の構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、実施の形態1に係る接続切替制御回路の構成の一例を示すブロック図である。
【
図5】
図5は、実施の形態1に係る接続切替部の構成の一例を示すブロック図である。
【
図6】
図6は、実施の形態1に係る接続処理の一例を示すフローチャートである。
【
図7A】
図7Aは、実施の形態1に係る第1の接続処理の一例を示すフローチャートである。
【
図7B】
図7Bは、実施の形態1に係る第1の接続処理の一例を示すフローチャートである。
【
図7C】
図7Cは、実施の形態1に係る第1の接続処理の一例を示すフローチャートである。
【
図8】
図8は、実施の形態1に係る第1の接続処理において特定される端子を示す図である。
【
図9A】
図9Aは、実施の形態1に係る第2の接続処理の一例を示すフローチャートである。
【
図9B】
図9Bは、実施の形態1に係る第2の接続処理の一例を示すフローチャートである。
【
図10】
図10は、実施の形態1に係る第2の接続処理において特定される端子を示す図である。
【
図11】
図11は、実施の形態2に係る電子装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図12】
図12は、実施の形態2に係る接続切替制御回路の構成の一例を示すブロック図である。
【
図13A】
図13Aは、実施の形態2に係る接続処理の一例を示すフローチャートである。
【
図13B】
図13Bは、実施の形態2に係る接続処理の一例を示すフローチャートである。
【
図13C】
図13Cは、実施の形態2に係る接続処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、一実施の形態に係る電子装置について、図面を参照して詳細に説明する。なお、明細書および図面において、同一の構成要件または対応する構成要件には、同一の符号を付し、重複する説明は省略する。また、図面では、説明の便宜上、構成を省略または簡略化している場合もある。また、各実施の形態の少なくとも一部は、互いに任意に組み合わされてもよい。
【0013】
<実施の形態の概要>
実施の形態の詳細について説明する前に、実施の形態の概要について説明する。
図1は、実施の形態の概要に係る電子装置1の構成の一例を示すブロック図である。
図1に示すように、電子装置1は、第1の半導体デバイス2と第2の半導体デバイス3とを備える。第1の半導体デバイス2の複数の第1外部接続端子(以下、単に、複数の外部接続端子と言う)P2_1~P2_nと第2の半導体デバイス3の複数の第2外部接続端子(以下、単に、複数の外部接続端子と言う)P3_1~P3_nとがプリント配線基板上の接続配線4を介して接続されている。
【0014】
第1の半導体デバイス2は、第1機能ブロック5を有する。第1機能ブロック5は、外部接続端子P2_1~P2_nを介して第2の半導体デバイス2とデータの受け渡しを行う。
【0015】
第2の半導体デバイス3は、第2機能ブロック7と、双方向バッファ部8と、接続切替制御回路9とを有する。双方向バッファ部8は、第2の半導体デバイス3の複数の外部接続端子P3_1~P3_nのそれぞれに対応して設けられる双方向バッファ回路を有する。接続切替制御回路9は、第1の半導体デバイス2に対して接続確認信号を出力し、接続確認信号を受信した第1の半導体デバイス2によって出力される応答信号を、外部接続端子P_31~P3_nを介して受信する。ここで、応答信号は、第1の半導体デバイス2内の第1機能ブロック5が接続確認信号に応じて出力する信号である。接続切替制御回路9は、受信した応答信号に基づいて、双方向バッファ部8の双方向バッファ回路の入出力方向を決定するとともに、第2の半導体デバイス3の各外部接続端子P3_1~P3_nに割り当てられる信号を特定する。つまり、応答信号に基づいて、各外部接続端子P3_1~P3_nの機能が特定される。そして、接続切替制御回路9は、外部接続端子P3_1~P3_nの機能特定結果に基づいて、外部接続端子P3_1~P3_nと機能ブロック7との間の信号経路を切り替える。つまり、外部接続端子P3_1~P3_nと機能ブロック7に接続される信号線との接続関係を切り替え、外部接続端子P3_1~P3_nへの第2機能ブロック7の信号の割り当てを、第1の半導体デバイス2の外部接続端子P2_1~P2_nの配列順序に合わせる。
【0016】
このように、第2の半導体デバイス3は、外部デバイスである第1の半導体デバイス2によって出力される応答信号に基づいて、第2の半導体デバイス3の外部接続端子と機能ブロック7に接続される信号線との接続関係を切り替える。したがって、第1の半導体デバイス2に接続確認用の専用回路を設けることなく、第2の半導体デバイス3の外部接続端子の機能を割り付けることができ、結果、第2の半導体デバイス3の外部接続端子の配列順序を、第1の半導体デバイス2の外部接続端子の配列順序に合わせることができる。
【0017】
<実施の形態1>
以下、図面を参照して実施の形態1について説明する。
【0018】
図2は、実施の形態1に係る電子装置10の構成の一例を示すブロック図である。
図2に示されるように、電子装置10には、プリント配線基板上に第1の半導体デバイスである半導体デバイス20と第2の半導体デバイスである半導体デバイス30が実装され、半導体デバイス20の複数の第1外部接続端子(以下、単に、複数の外部接続端子と言う)P20_1~P20_nと半導体デバイス30の複数の第2外部接続端子(以下、単に、複数の外部接続端子と言う)P30_1~P30_nはプリント配線基板上の接続配線40を介して接続されている。半導体デバイス20は、第1機能ブロック50およびバッファ部60を有する。半導体デバイス30は、第2機能ブロック70、双方向バッファ部80および接続切替制御回路90を備える。以下の説明において、外部接続端子P30_1~P30_nを、単に、外部接続端子P30として説明する場合がある。
【0019】
まず、半導体デバイス20について説明する。実施の形態1に係る半導体デバイス20は、イーサネット物理層(PHY)デバイスである。以下、半導体デバイス20をイーサネット物理層デバイス20と称する。イーサネット物理層デバイス20は、第1機能ブロック50として物理層(PHY)ブロックを備える。以下、第1機能ブロック50をPHYブロック50と称する。PHYブロック50は、不図示の伝送媒体に接続されており、受信したデータTXDを伝送媒体に適した信号波形に変換して送出する。また、PHYブロック50は、不図示の伝送媒体から受信したデータに対して必要な処理を行い、処理後の受信データを受信データRXDとして半導体デバイス30に送信する。
【0020】
イーサネット物理層デバイス20に含まれるバッファ部60は、イーサネット物理層デバイス20の複数の外部接続端子P20_1~P20_nとPHYブロック50間に設けられる。バッファ部60は、予め入出力方向が決定されている複数のバッファ回路で構成されている。
【0021】
実施の形態1に係る半導体デバイス30は、イーサネット媒体アクセス制御(MAC)ブロック内蔵デバイスである。以下、半導体デバイス30をイーサネットMACブロック内蔵デバイス30と称する。イーサネットMACブロック内蔵デバイス30は、第2機能ブロック70として媒体アクセス制御(MAC)ブロックを備える。以下、第2機能ブロック70をMACブロック70と称する。MACブロック70は、イーサネット規格に沿った送信データTXDを生成し、受信したデータRXDを処理する。
【0022】
双方向バッファ部80は、イーサネットMACブロック内蔵デバイス30の複数の外部接続端子P30_1~P30_nのそれぞれに対応して設けられた複数の双方向バッファ回路で構成されている。これら双方向バッファ回路は、接続切替制御回路90の制御に応じてその入出力方向を切り替える。
【0023】
接続切替制御回路90は、双方向バッファ部80とMACブロック70との間に設けられ、双方向バッファ部80を構成する双方向バッファ回路とMACブロック間の接続を切り替える。接続切替制御回路90は、双方向バッファ回路とMACブロック間の接続切替に際して、双方向バッファ部80に含まれる複数の双方向バッファ回路のそれぞれに対応する外部接続端子の機能を確認するための接続確認信号TX_data、および、双方向バッファ回路に対してPU/PD制御信号を生成する。接続切替制御回路90は、接続確認信号TX_dataを、外部接続端子P30を介してイーサネット物理層デバイス20に出力し、接続確認信号TX_dataに対応してイーサネット物理層デバイス20が出力する応答信号RX_dataを、外部接続端子P30を介して受け取る。そして、接続切替制御回路90は、応答信号RX_dataに基づいて各外部接続端子P30に対してどの信号が割り当てられているかを検出し、各外部接続端子P30とMACブロック70との間の接続関係を切り替える。また、接続切替制御回路90は、双方向バッファ部80からのレベル検知信号DETに基づいて、信号の有無を検出する。
【0024】
PHYブロック50およびMACブロック70間はMII(media-independent interface)およびマネジメントインターフェースで接続される。イーサネット物理層デバイス20およびイーサネットMACブロック内蔵デバイス30はそれぞれマネジメントインターフェースのための管理情報インターフェース端子(MD)を備え、互いの管理情報MDを交換する。
【0025】
図3は、実施の形態1に係るイーサネットMACブロック内蔵デバイス30の双方向バッファ部80を構成する双方向バッファ回路の一例を示すブロック図である。
図3に示されるように、双方向バッファ回路81は、出力バッファBUF1、入力バッファBUF2、プルアップ抵抗Rp、プルダウン抵抗Rdを含む。
【0026】
出力バッファBUF1は、MACブロック70からの出力信号TXDまたは接続確認信号TX_dataを受けて外部接続端子P30に出力する。入力バッファBUF2は、外部接続端子P30を介して入力された信号RXDまたは応答信号RX_dataをイーサネットMACブロック内蔵デバイス30内部へ送る。また、外部接続端子P30のレベルの検知結果はレベル検知信号DETとして接続切替制御回路90に送られる。なお、双方向バッファ回路81は、イネーブル信号ENBによって出力バッファBUF1と入力バッファBUF2を制御することによって、その入出力方向が決定される。
【0027】
プルアップ抵抗Rpおよびプルダウン抵抗Rdは、それぞれ接続切替制御回路90からのPU/PD制御信号によって制御される。
【0028】
図4は、実施の形態1に係る接続切替制御回路90の構成の一例を示すブロック図である。
図4に示されるように、接続切替制御回路90は、外部デバイス制御回路910、接続情報確認回路920、データライン切替回路930、接続切替部940および動作モード制御回路950を備える。
【0029】
外部デバイス制御回路910は、接続されているイーサネット物理層デバイス20と管理情報MDを交換する。外部デバイス制御回路910は、動作モード制御回路950から動作モード変更要求を受けて、イーサネット物理層デバイス20に対して、動作モード変更要求に基づく管理情報MDを送信する。また、外部デバイス制御回路910はイーサネット物理層デバイス20の動作モード変更完了を示す管理情報MDを受けて、動作モード制御回路950に動作モード変更完了通知を通知する。
【0030】
接続情報確認回路920は、動作モード制御回路950からの接続確認開始要求(START)に基づいて、接続確認シーケンスを開始する。接続情報確認回路920は、接続確認シーケンスにしたがって、双方向バッファ部80を構成する複数の双方向バッファ回路81のそれぞれに対する制御信号PU/PD、および、接続確認信号TX_dataを生成する。また、接続情報確認回路920は、各双方向バッファ回路81からのレベル検知信号DETを受け、レベル検知信号DETに基づいて各双方向バッファ回路81の入出力方向を決定し、各双方向バッファ回路81の入出力方向を切り替えるイネーブル信号ENBを生成する。また、接続情報確認回路920は、接続確認信号TX_dataまたは管理情報MDに対応してイーサネット物理層デバイス20から出力される応答信号RX_dataを受け、当該応答信号に基づいて、イーサネットMACブロック内蔵デバイス30の外部接続端子とイーサネット物理層デバイス20の外部接続端子との接続を確認する。つまり、イーサネットMACブロック内蔵デバイス30の各外部接続端子に割り当てられている信号、すなわち、外部接続端子の機能を特定する。そして、MACブロック70と外部接続端子間の信号経路を切り替えるべく接続設定信号SETを生成する。
【0031】
データライン切替回路930は、動作モード制御回路950の指示に従って、MACブロック70からの送信信号TXDと接続情報確認回路920からの接続確認信号TX_dataのいずれか一方を選択し、不図示の信号線を通じて接続切替部940に供給する。すなわち、MACブロック70からの送信信号TXDと接続情報確認回路920からの接続確認信号TX_dataのいずれか一方を、外部接続端子に供給する。また、データライン切替回路930は、動作モード制御回路950の指示に従って、イーサネット物理層デバイス20からの信号をMACブロック70または接続情報確認回路920に伝達する。すなわち、外部接続端子に供給されたイーサネット物理層デバイス20からの信号を、MACブロック70または接続情報確認回路920に受信信号RXDまたは応答信号RX_dataとして供給する。このように、データライン切替回路930は、動作モード制御回路950の指示に従って、外部接続端子P30_1~P30_nと接続情報確認回路920とを接続するか、外部接続端子P30_1~P30_nとMACブロック70とを接続するかを切り替える。言い換えると、データライン切替回路930は、MACブロック70とイーサネット物理層デバイス20間で通信するか、接続情報確認回路920とイーサネット物理層デバイス20間で通信するかを切り替える。
【0032】
接続切替部940は、接続情報確認回路920から出力される接続設定情報SETに基づいて、各外部接続端子とデータライン切替回路930間の信号経路を切り替える。これによって、MACブロック70と外部接続端子との間の信号経路を切り替えることができる。
【0033】
動作モード制御回路950は、外部デバイス制御回路910、接続情報確認回路920およびデータライン切替回路930の制御を行う。動作モード制御回路950は、外部デバイス制御回路910に対して動作モード変更要求を送信する。例えば動作モードは、通常動作モードおよびループバックモードなどを含む。また、動作モード制御回路950は、データライン切替回路930にデータパスの切り替えを指示し(SW_REQ)、データパス切替完了(SW_END)を受ける。また、動作モード制御回路950は、接続情報確認回路920に対して接続情報確認シーケンスの開始要求STARTを指示する。さらに、動作モード制御回路950は、接続処理の完了後に、イーサネットMACブロック内蔵デバイス30内のCPU(Central Processing Unit)等(不図示)へ接続処理完了を通知する。
【0034】
図5は、実施の形態1に係る接続切替部940の構成の一例を示すブロック図である。
図5に示されるように、接続切替部940は、複数の双方向バッファ回路81_0~81_nのそれぞれに対応して設けられる複数の接続切替回路941_0~941_nを有する。
【0035】
接続切替回路941_0~941_nは同じ構成のため、接続切替回路941_0について説明する。接続切替回路941_0は、入力選択回路942と出力選択回路943を有する。入力選択回路942は、各双方向バッファ回路81_0~81_nと接続され、接続設定信号SETに含まれる設定信号SET_in_0に基づいて双方向バッファ回路81_0~81_nからの信号を選択し、接続切替部940およびデータライン切替回路930間の対応する信号線に出力する。同様に、出力選択回路943は、各双方向バッファ回路81_0~81_nと接続し、接続設定信号SETに含まれる設定信号SET_out_0に基づいて、接続切替部940およびデータライン切替回路930間の信号線を介して供給される信号を選択し、対応する双方向バッファ回路81へ出力する。これにより、データライン切替回路930と外部接続端子間の信号経路を切り替えることができる。すなわち、イーサネットMACブロック内蔵デバイス30の外部接続端子の配列順序を、イーサネット物理層デバイス20の外部接続端子の配列順序に合わせることができる。
【0036】
<接続処理の概要>
次に、
図6を参照しながら、実施の形態1に係る接続処理の概要について説明する。
【0037】
まず、プリント配線基板設計において、イーサネット物理層デバイス20の管理情報インターフェース端子に接続される配線が、イーサネットMACブロック内蔵デバイス30の管理情報インターフェース端子に接続されるように設計される。また、イーサネット物理層デバイス20の外部接続端子に接続される配線は、必要な本数だけイーサネットMACブロック内蔵デバイス30の任意の外部接続端子と接続されるように設計される。すなわち、イーサネット物理層デバイス20の特定の外部接続端子が、イーサネットMACブロック内蔵デバイス30の特定の外部接続端子に接続されるのではなく、高速信号伝送に適した配線パターンでもって、イーサネットMACブロック内蔵デバイス30の任意の外部接続端子に接続される。
【0038】
デバイス間の接続が終了し、イーサネット物理層デバイス20およびイーサネットMACブロック内蔵デバイス30に電源電圧が供給される。イーサネットMACブロック内蔵デバイス30に電源電圧が供給されシステムリセットが解除されると、接続処理が開始される。なお、接続処理開始要求用の入力端子を設け、この入力端子に外部から信号が入力されるときに接続処理が開始されてもよい。
【0039】
接続処理が開始されると、動作モード制御回路950は、外部デバイスであるイーサネット物理層デバイス20を接続処理に必要な動作モードに設定するために、外部デバイス制御回路910に対して動作モード変更要求を通知する(ステップS1)。たとえば、動作モード制御回路950は、イーサネット物理層デバイス20に対してループバックモードを設定するための動作モード変更要求を行う。
【0040】
外部デバイス制御回路910は、動作モード制御回路950からの指示に基づき、イーサネット物理層デバイス20へ動作モード変更を通知する。そして、外部デバイス制御回路910は、イーサネット物理層デバイス20の動作モード変更完了後に、動作モード制御回路950へ動作モード変更完了通知を行う(ステップS2)。
【0041】
また、動作モード制御回路950は、データライン切替回路930へデータパスの切り替え(SW_REQ)を指示する。データライン切替回路930によって、イーサネット物理層デバイス20が接続情報確認回路920と接続するようにデータラインの接続が切り替えられると(SW_END)(ステップS3)、動作モード制御回路950は、接続情報確認回路920に接続シーケンス開始要求(START)を通知する(ステップS4)。
【0042】
次に、接続情報確認回路920は、イーサネット物理層デバイス20と接続状況確認のために必要な通信を行う。まず、接続情報確認回路920は、双方向バッファ回路の入出力方向を決定するために、プルアップ抵抗Rpまたはプルダウン抵抗Rdを接続した状態で得られるレベル検知信号DETに基づいて、それぞれの双方向バッファ回路81の入出力方向を決定する。その後、接続情報確認回路920は、接続確認信号TX_dataを送信し、接続確認信号TX_dataに対応してイーサネット物理層デバイス20から出力される応答信号RX_dataを受ける(ステップS5)。接続情報確認回路920は手順にしたがってイーサネット物理層デバイス20の動作モードを切り替えながら、データの送受信を繰り返す。
【0043】
接続情報確認回路920は、データの送受信を繰り返しながら、イーサネットMACブロック内蔵デバイス30の外部接続端子に、イーサネット物理層デバイス20のどの外部接続端子が接続されているかの接続状態を確認する。すなわち、接続情報確認回路920は、イーサネットMACブロック内蔵デバイス30の外部接続端子の機能を特定し、接続状態の確認結果として接続設定信号SETを生成する。接続切替部940は、特定された外部接続端子から順に生成される接続設定信号SETに基づいて、外部接続端子とMACブロック70間の信号経路を切り替える(ステップS6)。
【0044】
そして、接続情報確認回路920は、イーサネットMACブロック内蔵デバイス30の全外部接続端子が特定されるまで(ステップS7のNo)、ステップS5およびS6を繰り返す。イーサネットMACブロック内蔵デバイス30の全外部接続端子とイーサネット物理層デバイス20の外部接続端子との接続が確認され、イーサネットMACブロック内蔵デバイス30の外部接続端子とMACブロック70間の信号経路が切り替えられると(ステップS7のYes)、接続情報確認回路920は接続確認シーケンス完了を動作モード制御回路950に通知する。
【0045】
動作モード制御回路950は、データライン切替回路930にデータラインの切替(SW_REQ)を指示し、イーサネット物理層デバイス20とMACブロック70間の通信が可能になる。動作モード制御回路950は、データライン切替回路930からのデータパス切り替え完了(SW_END)の通知を受け取ると(ステップS8)、イーサネット物理層デバイス20に対して通常動作モードを設定する(ステップS9)。その後、イーサネットMACブロック内蔵デバイス30内のCPU等(不図示)へ接続処理完了を通知する。
【0046】
以上のように、イーサネットMACブロック内蔵デバイス30の外部接続端子に割り当てられている信号は、イーサネット物理層デバイス20から出力される接続確認信号に対する応答信号に基づいて判別することができる。そして、MACブロック70に接続される信号線と外部接続端子との信号経路を切り替えることで、MACブロック70とイーサネット物理層間の通信が可能になる。このように、イーサネット物理層デバイス20が接続確認用の専用回路を持たない場合であっても、イーサネットMACブロック内蔵デバイス30の外部接続端子の配列順序を、イーサネット物理層デバイス20の端子の配列順序に合わせることができる。よって、互いの外部接続端子の位置を考慮した設計が不要となり、プリント配線基板の配線パターン設計を短時間で効率よく、容易に行うことができると共に、通信品質の低下も防ぐことができる。
【0047】
<第1の接続処理方法>
図7A、7B、7Cを参照しながら、
図6のステップS5およびS6に係る接続処理方法の具体例について説明する。また、
図7A、7B、7Cにおける各ステップで特定する信号を
図8に示す。ここでは、イーサネット物理層デバイス20とイーサネットMACブロック内蔵デバイス30との間のインターフェースがGMII(gigabit media-independent interface)であるときの接続処理方法(第1の接続処理方法)について説明する。
【0048】
GMIIは、MIIの上位互換であるため、GMIIを用いて、1Gbpsによる通信のみならず、100M/10Mbpsによる通信もできる。1Gbpsデータ通信と100M/10Mbpsデータ通信では、使用するデータ信号の数とクロック周波数が異なるが、同一のインターフェースを用いることができる。したがって、1Gbps対応のイーサネット物理層デバイスは、GMII用のインターフェースを用いて、1Gbpsデータ通信のみならず100M/10Mbpsデータ通信も行うことができる。本実施の形態においては、イーサネット物理層デバイス20を1Gbps転送モードと100M/10Mbps転送モードに切り替えながら、接続処理を行う。
【0049】
まず前提として、接続処理を行う前のステップS2において、イーサネット物理層デバイス20がループバックモードに設定されるものとする。
【0050】
まず、イーサネット物理層デバイス20と接続した各外部接続端子が、入力端子か出力端子かを確認する(ステップS100)。最初に、接続切替制御回路90は、双方向バッファ部80の各双方向バッファ回路81を入力モードに設定する。その後、接続切替制御回路90は、各外部接続端子にプルダウン抵抗Rdを接続し、そのときのレベル検知信号DETを確認する。イーサネット物理層デバイス20の出力端子は、リセット解除後、通信していない期間はハイレベルおよびロウレベルのいずれかを出力している。したがって、プルダウン抵抗Rdが接続された外部接続端子のレベル検知信号DETがハイレベルを示した場合は、当該外部接続端子において信号が衝突していることを示す。したがって、当該外部接続端子はイーサネット物理層デバイス20からの出力信号を受けている、すなわち、当該外部接続端子は入力端子であると判断する。レベル検知信号DETがロウレベルを示した外部接続端子には、プルダウン抵抗Rdに代えてプルアップ抵抗Rpを接続し、再度レベル検知信号DETを確認する。このとき、レベル検知信号DETがロウレベルを示している外部接続端子はイーサネット物理層デバイス20からの出力信号を受けている、すなわち、入力端子であると判断される。一方、レベル検知信号DETがハイレベルを示している場合は、対応する外部接続端子はイーサネット物理層デバイス20からの出力信号を受けていない、すなわち、出力端子であると判断する(ステップS100_1)。このように信号衝突を検出することで入力端子か出力端子かを判断する。なお、この判断の順番は逆に行ってもよい。この結果、イーサネットMACブロック内蔵デバイス30のGMIIインターフェースに係る外部接続端子の入出力方向が特定され、接続切替制御回路90が対応する各双方向バッファ回路81を入力モードまたは出力モードに設定する(ステップS100_2、ステップS100_3)。
【0051】
次に、受信クロック信号用の外部接続端子(RXCLK端子)を特定する(ステップS101)。接続切替制御回路90は、イーサネット物理層デバイス20を1Gbps転送モードに設定する。1Gbps転送モードに設定されたイーサネット物理層デバイス20は、イーサネットMACブロック内蔵デバイス30に対して、受信クロック信号として125MHzのクロック信号を出力する。接続切替制御回路90は、外部接続端子のうちどの外部接続端子に125MHzのクロック信号が入力されたかを検出する(ステップS101_1)。接続切替制御回路90は、125MHzのクロック信号が供給される外部接続端子をRXCLK端子として特定し、当該端子と、MACブロック70に接続される受信クロック信号線とを接続する(ステップS101_2)。
【0052】
続けて、送信クロック信号用の外部接続端子(TXCLK端子)を特定する(ステップS102)。接続切替制御回路90は、イーサネット物理層デバイス20を100M/10Mbps転送モードに設定する。100M/10Mbps転送モードに設定されたイーサネット物理層デバイス20は、イーサネットMACブロック内蔵デバイス30に対して、受信クロック信号および送信クロック信号として25MHzのクロック信号を出力する。RXCLK端子はステップS101_2にて特定されているため、接続切替制御回路90は、25MHzのクロック信号が供給される端子を検出することで、TXCLK端子を特定することができる(ステップS102_1)。TXCLK端子の特定後、接続切替制御回路90は、当該端子と、MACブロック70に接続される送信クロック信号線とを接続する(ステップS102_2)。
【0053】
次に、送信イネーブル信号用の外部接続端子(TXEN端子)を特定する(ステップS103)。接続切替制御回路90は、イーサネット物理層デバイス20を100Mbps転送ループバックモードに設定する。接続切替制御回路90は、ステップS100_3で設定された出力端子のうちの一つから送信イネーブル信号のアクティブレベルを出力し、残りの出力端子から「0」のデータが出力されるように接続確認信号を送信する。イーサネット物理層デバイス20は送信イネーブル信号を正しく受信すると、送信データをループバックする。したがって、ループバックされたデータがトグルし始めたときに送信イネーブル信号のアクティブレベルを出力する外部接続端子をTXEN端子と特定することができる(ステップS103_1)。TXEN端子が特定されると、接続切替制御回路90は、当該端子と、MACブロック70に接続される送信イネーブル信号線とを接続する(ステップS103_2)。
【0054】
次に、受信データイネーブル信号用の外部接続端子(RXDV端子)およびキャリアセンス信号用の外部接続端子(CRS端子)を特定する(ステップS104)。接続切替制御回路90は、イーサネット物理層デバイス20を100Mbps転送モードに設定してデータ通信を行い、データ送受信時に一定期間アクティブとなる信号が供給される端子を特定する。接続切替制御回路90は、イーサネット物理層デバイス20のデータ送信時にアクティブとなる信号が供給される端子を特定し(ステップS104_1)、当該端子をCRS端子として、イーサネットMACブロック内蔵デバイス30内部のキャリアセンス信号線と接続する(ステップS104_2)。また、接続切替制御回路90は、イーサネット物理層デバイス20のデータ受信時にアクティブとなる信号が供給される端子を検出し(ステップS104_3)、当該端子をRXDV端子として特定する。接続切替制御回路90は、特定されたRXDV端子と、MACブロック70に接続される受信データイネーブル信号線とを接続する(ステップS104_4)。
【0055】
次に、衝突検出信号用の外部接続端子(COL端子)を特定する(ステップS105)。COL端子は、イーサネット物理層デバイス20を衝突テストモードに設定した状態で、イーサネットMACブロック内蔵デバイス30よりデータ(接続確認信号)を送信するとアクティブになる信号が供給される端子を検出することで特定できる。そして、特定されるCOL端子と、MACブロック70に接続される衝突検出信号線とを接続される(ステップS105_1)。
【0056】
次に、送信エラー信号用の外部接続端子(TXER端子)および受信エラー信号用の外部接続端子端子(RXER端子)を特定する(ステップS106)。接続切替制御回路90は、イーサネット物理層デバイス20を100Mbps転送ループバックモードに設定する。接続切替制御回路90は、ステップS105_1までに特定された端子以外の出力端子を順に一端子ずつアクティブにして、残りの出力端子からは「0」のデータとなるように接続確認信号を送信する。このとき、イーサネット物理層デバイス20が正しく送信エラー信号を受信すると、イーサネットMACブロック内蔵デバイス30はループバックされたデータと共に受信エラー信号を受信する(ステップS106_1)。このようにして、TXER端子およびRXER端子を特定し、これら端子と、MACブロック70に接続される送信エラー信号線および受信エラー信号線とを接続する(ステップS106_2)。
【0057】
次に、送信データ信号用の外部接続端子(TXD[3:0]端子)と受信データ用の外部接続信号(RXD[3:0]端子)を特定する(ステップS107)。イーサネット物理層デバイス20は、ステップS107において100Mbps転送ループバックモードに設定される。イーサネットMACブロック内蔵デバイス30は、ステップS106_2までに特定された端子以外の出力端子を一端子ずつにアクティブにした接続確認信号を出力し、応答信号を受けることで、それぞれの端子のビット位置を特定する(ステップS107_1)。そして、これら端子と、MACブロック70に接続される送信データ信号線および受信データ信号線とを接続する(ステップS107_2)。
【0058】
次に、1Gbps送信クロック信号用の外部接続端子(GTXC端子)を特定する(ステップS108)。イーサネット物理層デバイス20は、1Gbps転送ループバックモードに設定される。イーサネットMACブロック内蔵デバイス30は、ステップS107_2で特定された送信データ端子からすべて「0」のデータを送信しつつ、ステップS107までに特定されていない出力端子を一端子ずつアクティブにし、送信したデータが正しくループバックされるか否かを確認する(ステップS108_1)。正しくループバックされたときにアクティブとなっている端子をGTXC端子とする。特定されたGTXC端子は、MACブロック70に接続される1Gbps送信クロック信号線に接続される(ステップS108_2)。
【0059】
最後に、送信データ信号端子(TXD[7:4]端子)および受信データ信号端子(RXD[7:4]端子)として機能する外部接続端子を特定する(ステップS109)。イーサネット物理層デバイス20を1Gbps転送ループバックモードに設定した状態で、ステップS107~S107_2と同様に、端子機能が特定されていないイーサネットMACブロック内蔵デバイス30の出力端子を一端子ずつ順にアクティブにしてデータの送受信を行う(ステップS109_1)。これによって、それぞれの端子のビット位置が特定され、これら端子と、MACブロック70に接続される各ビットに対応する送信データ信号線および受信データ信号線とを接続する(ステップS109_2)。
【0060】
以上のような手順で、イーサネット物理層デバイス20と接続したときに、イーサネットMACブロック内蔵デバイス30の外部接続端子に割り当てられる信号を特定することができる。外部接続端子に割り当てられる信号に基づいて、MACブロック70に接続される各信号線と外部接続端子間の接続を切り替えることで、イーサネットMACブロック内蔵デバイス30の外部接続端子をイーサネット物理層デバイス20の外部接続端子の配列順序に合わせることができる。したがって、イーサネット物理層デバイス20が接続確認用専用回路を持たない汎用デバイスであっても、プリント配線基板上で配線後に、イーサネットMACブロック内蔵デバイス30の外部接続端子に割り当てる信号を設定することができる。その結果、プリント配線基板上の接続配線は、予め高速信号伝送に適した配線パターンでもって形成することができ、通信品質の低下を防止することができる。
【0061】
<第2の接続処理方法>
前述のとおり、1Gbps対応のイーサネット物理層デバイスは、1Gbpsデータ通信のみならず100M/10Mbpsデータ通信も行うことができる。イーサネットMACブロック内蔵デバイスが1Gpbs通信および100M/10Mbpsデータ通信に対応している場合、以下のような手順で、100M/10Mbpsデータ通信用のインターフェース(MII)の接続処理(第2の接続処理)を行う。
【0062】
図9A、9Bを参照しながら、イーサネット物理層デバイス20とイーサネットMACブロック内蔵デバイス30との間のインターフェースがMIIである場合の接続処理方法について説明する。また、
図9A、9Bにおける各ステップで特定される信号を
図10に示す。
【0063】
まず、イーサネットMACブロック内蔵デバイス30の外部接続端子が入力端子か出力端子かを確認し、各外部接続端子に接続されている各双方向バッファの入出力方向を切り替える。入出力方向の切替手順に係るステップS200~S200_2、S200_3は、
図7A、7B、7Cで示すGMII接続処理のステップS100~S100_2、S100_3と同様であるため、説明を省略する。
【0064】
次に、受信クロック信号用の外部接続端子(RXCLK端子)および送信クロック信号今日の外部接続端子(TXCLK端子)を特定する(ステップS201)。接続切替制御回路90は、イーサネット物理層デバイス20を100Mbps転送モードに設定する。100Mbps転送モードに設定されたイーサネット物理層デバイス20は、受信クロック信号および送信クロック信号として25MHzのクロック信号を出力する。したがって、25MHzのクロック信号が供給される端子を検出し(ステップS201_1)、RXCLK端子およびTXCLK端子とする(ステップS201_2)。なお、この段階では、RXCLK端子とTXCLK端子とは区別できないが、仮に、これらRXCLK端子およびTXCLK端子と、MACブロック70に接続される受信クロック信号線および送信クロック信号線とを接続する。
【0065】
続けて、送信イネーブル信号用の外部接続端子(TXEN端子)、受信データイネーブル信号用の外部接続端子(RXDV端子)、キャリアセンス信号用の外部接続端子(CRS端子)、衝突検出信号用の外部接続端子(COL端子)、送信エラー信号用の外部接続端子(TXER端子)および受信エラー信号用の外部接続端子(RXER端子)を順に特定する。これら端子を特定するステップS202~S205_2は、
図7A、7B、7Cに示すGMII接続処理における端子特定手順ステップS103~ステップS106_2と同様であるため、説明を省略する。
【0066】
次に、送信データ信号用の外部接続端子(TXD[3:0]端子)と受信データ信号用の外部接続端子(RXD[3:0]端子)を特定すると共に、ステップS201_2で特定したRXCLK端子とTXCLK端子を特定する(ステップS206)。接続切替制御回路90は、イーサネット物理層デバイス20を100Mbps転送ループバックモードに設定し、イーサネットMACブロック内蔵デバイス30のステップS205_2までに特定された端子以外の出力端子から一端子ずつ順にアクティブなデータを送信し、ループバックモードに設定されたイーサネット物理層デバイス20からの応答信号を受信する(ステップS206_1)。ループバックモードに設定されたイーサネット物理層デバイス20からの応答信号に基づいて、送信データ信号および受信データ信号の各ビットに対応する外部接続端子が特定される(ステップS206_2)。そして、これら端子と、MACブロック70が各ビットに接続される送信データ信号線および受信データ信号線とを接続する。
【0067】
外部接続端子のビット位置が特定できず(ステップS206_1のNo)、且つ、送信データとイーサネット物理層デバイス20からの応答信号とが一致しない場合(ステップS206_3のYes)は、ステップS201_2で仮に接続したTXCLK端子およびRXCLK端子と信号線との接続関係を入れ替えて(ステップS206_4)再度データの送受信を行う。一方、送信データとイーサネット物理層デバイス20からの応答信号とが一致する場合(ステップS206_3のNo)、再度データ送受信を行いビット位置の特定が行われる。これによって、データ信号端子、TXCLK端子およびRXCLK端子が特定される。特定されたTXCLK端子およびRXCLK端子は、MACブロック70に接続される送信クロック信号線および受信クロック信号線にそれぞれ接続される(ステップS206_2)。
【0068】
以上のような手順で、MIIインターフェースにおけるイーサネットMACブロック内蔵デバイス30の外部接続端子の機能を特定することができる。
【0069】
なお、イーサネットMACブロック内蔵デバイス30のMACブロック70は、GMIIモード、または、MIIモードの設定機能を有していてもよい。このモード設定に応じて接続確認シーケンスを切り替えることができる。このモード設定は、レジスタによって設定されてもよいし、専用端子を設け、外部から直接設定されてもよい。
【0070】
<実施の形態2>
図11は、実施の形態2に係る電子装置100の構成を示すブロック図である。
図11に示されるように、電子装置100は、実施の形態1で示す
図2と同様に、第1の半導体デバイス200と第2の半導体デバイス300とがプリント配線基板上の接続配線400を介して接続されている。
【0071】
実施の形態2において、第1の半導体デバイス200はメモリデバイスであり、第2の半導体デバイス300はマイクロコンピュータである。以下、第1の半導体デバイス200をメモリデバイス200、第2の半導体デバイス300をマイクロコンピュータ300と称する。
【0072】
メモリデバイス200は、第1機能ブロックとして、メモリアレイ、制御ロジックなどを含む。メモリデバイス200は接続配線400を介してマイクロコンピュータ300と大容量のデータ伝送を行う。このとき、プリント配線基板上の接続配線は、大容量データ伝送の信号波形品質を担保する必要がある。そのため、メモリデバイス200のデータバス配線としての接続配線400は、並行で且つ等長であることが好ましい。したがって、実施の形態2では、実施の形態1と同様に、メモリデバイス200とマイクロコンピュータ300間を大容量データ伝送に適した配線パターンで接続後に、マイクロコンピュータ300の外部接続端子に割り当てられる信号を特定するための接続処理について説明する。
【0073】
メモリデバイス200は、不図示のメモリアレイ、制御ロジックなどを含む。なお、実施の形態2においてメモリデバイス200がSRAMである場合について説明する。
【0074】
マイクロコンピュータ300は、第2機能ブロック700、双方向バッファ部800および接続切替制御回路900を含む。第2機能ブロック700はメモリコントローラであり、以下、メモリコントローラ700と称する。つまり、マイクロコンピュータ300は、メモリコントローラ700を搭載したマイクロコンピュータである。メモリコントローラ700は、マイクロコンピュータ300に含まれる不図示のCPU等の指示に基づきメモリデバイス200を制御する機能を有する。メモリコントローラ700はメモリデバイス200へ、アドレス信号ADD、リードストローブ信号RSTB、ライトストローブ信号WSTB、および、バイトイネーブル信号BENを送る。以下、これらの信号を制御系信号と総称する。メモリデバイス200は、メモリコントローラ700からの制御系信号に基づいてライト動作およびリード動作を行う。
【0075】
双方向バッファ部800は、マイクロコンピュータ300の複数の外部接続端子それぞれに対応して設けられた複数の双方向バッファ回路で構成されている。これら双方向バッファ回路は、接続切替制御回路900の制御に基づいてその入出力方向を切り替える。なお、双方向バッファ回路の回路構成は、
図3に示す実施の形態1の双方向バッファ回路81と同様の構成であるため、説明を省略する。
【0076】
接続切替制御回路900は、メモリデバイス200への制御系信号および書込みデータW_dataを含む接続確認信号を生成する点、および、メモリデバイス200からの読出しデータR_dataを応答信号として外部接続端子の機能を特定する点が実施の形態1に係る接続切替制御回路90と異なる。
【0077】
図12は、実施の形態2に係る接続切替制御回路900の構成の一例を示すブロック図である。
図12に示されるように、接続切替制御回路900は、接続情報確認回路9201、データライン切替回路9301、接続切替部9401、および、動作モード制御回路9501を備える。
【0078】
接続情報確認回路9201は、接続確認シーケンスに従って、メモリデバイス200への制御系信号と書込みデータW_dataを含む接続確認信号を生成し、これら接続確認信号に対するメモリデバイス200からの読出しデータR_dataに基づいて外部接続端子の機能を特定する点を除き、実施の形態1に係る接続情報確認回路920と同等の機能を有する。したがって、ここではその詳細な説明を省略する。
【0079】
データライン切替回路9301は、動作モード制御回路9501の指示に従って、メモリコントローラ700とメモリデバイス200間でデータのやりとりを行うか、接続情報確認回路9201とメモリデバイス200間でデータのやりとりを行うかを切り替える。
【0080】
接続切替部9401は、接続情報確認回路9201から出力される接続設定情報SETに基づいて、各外部接続端子とメモリコントローラ700に間の信号経路を切り替える。
【0081】
動作モード制御回路9501は、接続情報確認回路9201およびデータライン切替回路9301の制御を行う。
【0082】
次に、本実施の形態2における接続処理について説明する。
【0083】
実施の形態1と同様に、プリント配線基板設計において、メモリデバイス200の外部接続端子にそれぞれ接続される接続配線400は、大容量のデータ伝送に適した配線パターンになるように、マイクロコンピュータ300のメモリインターフェース700に係る任意の外部接続端子に接続されている。
【0084】
プリント配線基板上での接続が終了し、メモリデバイス200およびマイクロコンピュータ300に電源電圧が供給される。マイクロコンピュータ300に電源電圧が供給されシステムリセットが解除されると、接続処理が開始される。
【0085】
本実施の形態2において、メモリデバイス200とマイクロコンピュータ300との接続処理は
図6と同様に行われる。したがって、ここでは、
図6のステップS5およびS6に相当する、メモリデバイス200とマイクロコンピュータ300間の接続処理の具体例について
図13A、13B、13Cを参照しながら説明する。
【0086】
図13A、13B、13Cは、本実施の形態2に係る接続処理フローである。
【0087】
まず、データ信号用の外部接続端子群(DATA端子群)とリードストローブ信号用の外部接続端子(RSTB端子)の特定を開始する(ステップS300)。
【0088】
最初に、接続切替制御回路900は、メモリインターフェースに係る外部接続端子に対応する双方向バッファ回路を入力モードに設定し、且つ、これら外部接続端子が制御系信号の非アクティブレベルとなるようにプルアップまたはプルダウンする。なお、最初に外部接続端子を入力端子に設定するのは、接続処理開始時における信号衝突による破壊を防止するためである。その後、RSTB端子の位置を確認するために、接続切替制御回路900は双方向バッファ回路を一つずつ順に出力モードに切り替えて、リードストローブ信号のアクティブレベルとなる信号をメモリデバイス200に送信する。リードストローブ信号がメモリデバイス200に正しく入力されると、メモリデバイス200は読出しデータR_dataを出力するため、各双方向バッファ回路のレベル検知信号DETをモニタし、端子における信号衝突の有無を確認する(ステップS300_1)ことで、RSTB端子およびDATA端子を特定することができる(ステップS300_2)。例えば、メモリデバイス200が16ビットデータ幅を有するメモリである場合、このステップにおいて16個の端子がデータ端子群として特定される。そして、接続切替制御回路900は、メモリコントローラ700に接続されるリードストローブ信号線とRSTB端子とを接続する。また、接続切替制御回路900は、メモリコントローラ700に接続されるデータ信号線群とDATA端子群とを接続する。
【0089】
次に、ライトストローブ信号用の外部接続端子(WSTB端子)の特定を開始する(ステップS301)。
【0090】
接続切替制御回路900は、ステップS300_2で特定された端子以外の外部接続端子が、ライトストローブ信号およびバイトイネーブル信号の非アクティブレベルとなるようにプルダウン抵抗を接続する。そして、RSTB端子およびDATA端子群を除く外部接続端子の中から、ライトストローブ信号およびデータバス幅に応じたバイトイネーブル信号の信号数に対応する数の端子を同時にアクティブレベルにする。例えば、16ビットのバス幅の場合は、バイトイネーブル信号は2ビットで構成され、ライトストローブ信号とバイトイネーブル信号を合わせると3つの端子が必要となる。したがって、RSTB端子およびDATA端子群を除く外部接続端子の中から3つの端子をWSTB端子およびBEN端子候補として、同時にアクティブレベルにする(ステップS301_1)。このとき、メモリデバイス200に正しくアクティブなライトストローブ信号およびバイトイネーブル信号が入力されると、DATA端子群を通じてデータが書き込まれる(ステップS301_2)。接続切替制御回路900は、データ書き込み後に、WSTB端子およびBEN端子候補を非アクティブレベルに、RSTB端子をアクティブレベルに設定してデータを読み出して、全ビットデータが書き込まれたか否かを確認する(S301_3)。さらに、データ端子群に接続されたプルダウン抵抗をプルアップ抵抗に切り替えて、RSTB端子を非アクティブレベル、WSTB端子およびBEN端子候補をアクティブレベルに設定してデータを書き込む(ステップS301_2)。再度、WSTB端子およびBEN端子候補を非アクティブレベルに、RTSB端子をアクティブレベルにして、データが書き込まれたか否かを確認する(ステップS301_3)。このように、書込むべきデータを変えて、正しく書き込まれているかを確認する。
【0091】
ステップS301_3にて、データが書き込まれたことを確認した場合には、次のステップに進む。続いて、WSTB端子とBEN端子とを区別するために、これら端子のうち2つの端子から出力される信号をアクティブにしてデータを書き込み(ステップS301_4)、書き込まれたデータを読み出す、ことを繰り返し、メモリデバイス200にデータが書き込まれるか否かを確認する(ステップS301_5)。データが書き込まれている場合には(ステップS301_5のYes)、2つの端子のうち一方がWSTB端子であることが分かる。したがって、この2つの端子の一方の信号を非アクティブにして(ステップS301_6)、再度データが書き込まれることを確認する(S301_7)。データが書き込まれる場合には(ステップS301_7のYes)、非アクティブレベルにしなかった端子をWSTB端子とし(ステップS301_8)、データが書き込まれなかった場合には、非アクティブレベルにした端子をWSTB端子として特定する(ステップS301_8)。接続切替制御回路900は、特定されたWSTB端子と、メモリコントローラ700に接続されるライトストローブ信号線とを接続する。
【0092】
次に、DATA端子のビット位置およびBEN端子を特定する(ステップS302)。一般的なマイクロコンピュータのメモリインターフェースにおけるデータ端子は双方向端子であり、メモリのビット情報が入れ替わった場合でもメモリ内で記憶される位置が異なるだけで問題なく動作する。しかし、バイトイネーブル信号のようにバイトレーンを示す信号がある場合には、バイトレーンで示したビット単位ごとでなければメモリへ正しく書込まれない。したがって、ステップS301_8またはステップS301_9によって特定されたBEN端子候補を1つずつアクティブにしてライト/リードを行うことでデータのビット位置が特定することができる。例えば、全ビットにオール0のデータを書き込み初期化した後、バイトイネーブル信号を1つアクティブにしてオール1のデータをメモリに書き込む。そのあと、リードを行うことで、バイトイネーブル信号に対応するビット位置が分かる。このような動作をバイトイネーブル信号の数だけ繰り返すことで、バイトイネーブル信号のそれぞれに対応するデータ信号のビット位置を特定することができる(ステップS302_1)。
【0093】
最後に、アドレス信号用の外部接続端子(ADD端子)を特定する(ステップS303)。一般的なマイクロコンピュータのメモリインターフェースのアドレス信号端子は、メモリのサイズによって、上位ビットに対応するアドレス信号端子が未使用となる可能性がある。したがって、以下の手順で、使用するアドレス信号端子を特定する。
【0094】
まず、接続切替制御回路900は、ステップS302_1までに特定された端子を除いた残りの未特定端子を入力端子に設定するとともに、これら残りの端子にプルダウン抵抗を接続する。これによって、アドレス0番地が指定されたことになる。接続切替制御回路900は、メモリデバイス200に対して、アドレス0番地を指定した状態で任意の初期確認データを書き込む。次に、接続切替制御回路900は、未特定端子のうち1つをプルアップ抵抗に接続するように切り替え、初期確認データとは異なるデータを書き込む。その後、接続切替制御回路900は、再度アドレス0番地を指定するようにプルアップ抵抗およびプルダウン抵抗接続を制御してアドレス0番地のデータを読み出し、読み出されたデータが初期確認データと一致するか(上書きされているか)否かを確認する(ステップS303_1)。読み出されたデータが初期確認データと一致せず上書きされた場合には(ステップS303_1のYes)、プルアップ抵抗に接続するように切り替えられた端子はアドレス端子としては使用されていないため、未使用端子として設定される(ステップS303_2)。一方、読み出されたデータが初期確認データと一致した場合には、プルアップ抵抗に接続するように切り替えられた端子はアドレス端子として使用されていると判定される(ステップS303_3)。このようにして、全未特定端子の使用状況を確認し(ステップS303_4)、ADD端子を特定する(ステップS303_5)。
【0095】
上述のとおり、マイクロコンピュータ300の外部接続端子の機能を自動的に確認し、外部接続端子とマイクロコンピュータ300内のメモリコントローラ700が使用する信号線と間の接続を切り替えることで、マイクロコンピュータ300の外部接続端子の配列をメモリデバイス200の端子配列に合わせることができる。また、メモリデバイス200に接続確認用専用回路を設ける必要はなく、メモリデバイス200が汎用デバイスであっても、マイクロコンピュータ300の外部接続端子配列をメモリデバイス200の端子配列に合わせることができる。したがって、メモリデバイス200およびマイクロコンピュータ300間の接続配線は、予め伝送される信号に適した配線パターンで形成することができる。
【0096】
このように、本実施の形態によれば、二つのデバイス間をプリント配線基板上で配線した後に、一方のデバイスの外部接続端子の配列順序に合わせて、他方のデバイスの外部接続端子の配列順序を変更することができる。したがって、プリント配線基板上で配線する際には、予め伝送される信号に適した配線パターンで形成することができ、プリント配線基板の配線パターン設計を短時間で行うことができる。また、接続配線を伝送される信号に適した配線パターンで形成することができるため、通信品質の低下を防止することができる。
【0097】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は既に述べた実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0098】
1、10、100 電子装置
2、3、20、30、200、300 半導体デバイス
4、40、400 接続配線
5、7、50、70 機能ブロック
6、60 バッファ部
8、80、800 双方向バッファ部
9、90、900 接続切替制御回路
700 メモリコントローラ
910 外部デバイス制御回路
920、9201 接続情報確認回路
930、9301 データライン切替回路
940、9401 接続切替部
950、9501 動作モード制御回路