(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-19
(45)【発行日】2023-05-29
(54)【発明の名称】ミキシングコネクタ及びエンジン
(51)【国際特許分類】
F02M 26/19 20160101AFI20230522BHJP
F02M 35/10 20060101ALI20230522BHJP
【FI】
F02M26/19 301
F02M35/10 311E
(21)【出願番号】P 2019547533
(86)(22)【出願日】2019-08-07
(86)【国際出願番号】 JP2019031110
(87)【国際公開番号】W WO2019230994
(87)【国際公開日】2019-12-05
【審査請求日】2022-07-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000001236
【氏名又は名称】株式会社小松製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】弁理士法人志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】神山 知大
(72)【発明者】
【氏名】小田 智徳
(72)【発明者】
【氏名】三木 章弘
【審査官】津田 真吾
(56)【参考文献】
【文献】独国特許出願公開第102013223053(DE,A1)
【文献】実開平2-119970(JP,U)
【文献】中国特許出願公開第108150316(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第107191295(CN,A)
【文献】欧州特許出願公開第1270918(EP,A1)
【文献】特開2000-73877(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02M 26/19
F02M 35/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外気をエンジン本体に導入するための吸気通路と、
前記エンジン本体から排出された排気ガスの一部をEGRガスとして取り出して前記吸気通路に戻すEGR通路と、
前記吸気通路及び前記EGR通路の長手方向が互いに交差するように、前記EGR通路を前記吸気通路の長手方向の中途部に接続する合流部と、を備え、
前記吸気通路の内面を構成し前記吸気通路の長手方向に直交する方向において前記合流部と反対側に位置する反対壁面のうち、前記合流部よりも前記吸気通路の導入口側に位置する上流側領域は、前記吸気通路の長手方向において前記合流部側から前記導入口に向けて順番に間隔をあけて配された第一壁面及び第二壁面と、前記第一壁面及び前記第二壁面の間
に配置された第三壁面と、を
含み、
前記第二壁面は、前記第一壁面に対して前記吸気通路の径方向内側に位置しており、
前記第三壁面は、前記第一壁面の前記導入口側の端から前記導入口側に延びるに従って、前記第一壁面に対して前記吸気通路の径方向内側に向けて延びるように傾斜して、前記第二壁面の前記合流部側の端に接続された傾斜面であるミキシングコネクタ。
【請求項2】
前記吸気通路の内面を構成し、前記吸気通路の長手方向に直交する方向において前記第一壁面、前記第二壁面及び前記第三壁面に対向するとともに、前記第二壁面との間隔が前記第一壁面との間隔よりも大きくなるように湾曲していることで、前記吸気通路を先細り形状とする上流対向領域を有する請求項1に記載のミキシングコネクタ。
【請求項3】
前記第一壁面と前記第三壁面とが湾曲した面で連続し、且つ、前記第二壁面と前記第三壁面とが湾曲した面で連続する請求項1
又は2に記載のミキシングコネクタ。
【請求項4】
外気をエンジン本体に導入するための吸気通路と、
前記エンジン本体から排出された排気ガスの一部をEGRガスとして取り出して前記吸気通路に戻すEGR通路と、
前記吸気通路及び前記EGR通路の長手方向が互いに交差するように、前記EGR通路を前記吸気通路の長手方向の中途部に接続する合流部と、を備え、
前記吸気通路の内面を構成し前記吸気通路の長手方向に直交する方向において前記合流部と反対側に位置する反対壁面のうち、前記合流部よりも前記吸気通路の導入口側に位置する上流側領域は、前記吸気通路の長手方向において前記合流部側から前記導入口に向けて順番に間隔をあけて配された第一壁面及び第二壁面と、前記第一壁面及び前記第二壁面の間で前記第一壁面に対して
前記吸気通路の径方向内側に張り出す第三壁面と、を含み、
前記吸気通路は、前記導入口を含む上流側通路と、前記上流側通路の下流端側に位置し、前記上流側通路と異なる方向に延びる下流側通路と、前記上流側通路と前記下流側通路とを接続する屈曲通路と、を有し、
前記合流部は、少なくとも前記屈曲通路側に位置する前記下流側通路の上流端部に位置し、
前記下流側通路の内面のうち前記屈曲通路の径方向内側に対応する内側領域から突出し、前記合流部と前記反対壁面のうち前記合流部に対向する対向領域との間に位置して前記合流部に対向する凸部を備え、
前記凸部の突出方向の先端と、前記下流側通路の内面のうち前記内側領域に対向する外側領域と、の間には、隙間が形成されているミキシングコネクタ。
【請求項5】
前記凸部の上流側の端部は、前記凸部の突出方向の基端から先端に向かうにしたがって前記上流側通路から前記下流側通路に向かうように傾斜している請求項
4に記載のミキシングコネクタ。
【請求項6】
外気をエンジン本体に導入するための吸気通路と、
前記エンジン本体から排出された排気ガスの一部をEGRガスとして取り出して前記吸気通路に戻すEGR通路と、
前記吸気通路及び前記EGR通路の長手方向が互いに交差するように、前記EGR通路を前記吸気通路の長手方向の中途部に接続する合流部と、を備え、
前記吸気通路の内面を構成し前記吸気通路の長手方向に直交する方向において前記合流部と反対側に位置する反対壁面のうち、前記合流部よりも前記吸気通路の導入口側に位置する上流側領域は、前記吸気通路の長手方向において前記合流部側から前記導入口に向けて順番に間隔をあけて配された第一壁面及び第二壁面と、前記第一壁面及び前記第二壁面の間で前記第一壁面に対して
前記吸気通路の径方向内側に張り出す第三壁面と、を含み、
前記反対壁面のうち前記合流部に対向する対向領域には、前記反対壁面から窪む窪み部が形成されているミキシングコネクタ。
【請求項7】
前記第三壁面は、前記第一壁面の前記導入口側の端から、
前記導入口側に延びるに従って前記第一壁面に対して前記吸気通路の径方向内側に向けて延びるように傾斜する傾斜面であり、
前記第一壁面と前記第三壁面とが湾曲した面で連続し、且つ、前記第二壁面と前記第三壁面とが湾曲した面で連続する請求項
4から6のいずれか一項に記載のミキシングコネクタ。
【請求項8】
外気をエンジン本体に導入するための吸気通路と、
前記エンジン本体から排出された排気ガスの一部をEGRガスとして取り出して前記吸気通路に戻すEGR通路と、
前記吸気通路及び前記EGR通路の長手方向が互いに交差するように、前記EGR通路を前記吸気通路の長手方向の中途部に接続する合流部と、を備え、
前記吸気通路は、前記吸気通路の導入口を含む上流側通路と、前記上流側通路の下流端側に位置し、前記上流側通路と異なる方向に延びる下流側通路と、前記上流側通路と前記下流側通路とを接続する屈曲通路と、を有し、
前記合流部は、少なくとも前記屈曲通路側に位置する前記下流側通路の上流端部に位置し、
前記下流側通路の内面のうち前記屈曲通路の径方向内側に対応する内側領域から突出し、前記合流部と前記吸気通路の長手方向に直交する方向において前記合流部と反対側に位置して前記合流部に対向する対向領域との間に位置して前記合流部に対向する凸部を備え、
前記凸部の突出方向の先端と、前記下流側通路の内面のうち前記内側領域に対向する外側領域と、の間には、隙間が形成されているミキシングコネクタ。
【請求項9】
請求項1から請求項
8のいずれか一項に記載のミキシングコネクタと、エンジン本体と、を備えるエンジン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ミキシングコネクタ及びエンジンに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1~3には、エンジン本体から排出される排気ガス中のNOxを低減するために、エンジン本体から排気された排気ガスの一部をEGRガス(排気再循環ガス)として外気(新気)と混合してエンジン本体に戻すエンジンが開示されている。特許文献1~3のエンジンでは、外気を暖めるヒータが、外気をエンジン本体に導入する吸気通路のうち、EGRガスとの合流部分よりも上流側に設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】米国特許出願公開第2012/0180478号明細書
【文献】特開2018-188983号公報
【文献】特開2010-144669号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、この種のエンジンでは、EGRガスが合流部分よりも吸気通路の上流側に逆流することがある。この場合、EGRガスに含まれる煤がヒータに付着して、ヒータの性能が低下してしまう、という問題がある。
なお、吸気通路におけるEGRガスの逆流は、稼働中のエンジンにおいて、エンジン本体の全ての吸気バルブが瞬間的あるいは一時的に閉じて、吸気通路からエンジン本体に向かう外気の流れが一時的に停止することで生じる。
【0005】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであって、EGRガスがヒータに到達することを抑えてヒータの性能低下を抑制できるミキシングコネクタ及びエンジンを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第一の態様に係るミキシングコネクタは、外気をエンジン本体に導入するための吸気通路と、前記エンジン本体から排出された排気ガスの一部をEGRガスとして取り出して前記吸気通路に戻すEGR通路と、前記吸気通路及び前記EGR通路の長手方向が互いに交差するように、前記EGR通路を前記吸気通路の長手方向の中途部に接続する合流部と、を備え、前記吸気通路の内面を構成し前記吸気通路の長手方向に直交する方向において前記合流部と反対側に位置する反対壁面のうち、前記合流部よりも前記吸気通路の導入口側に位置する上流側領域は、前記吸気通路の長手方向において前記合流部側から前記導入口に向けて順番に間隔をあけて配された第一壁面及び第二壁面と、前記第一壁面及び前記第二壁面の間に配置された第三壁面と、を含み、前記第二壁面は、前記第一壁面に対して前記吸気通路の径方向内側に位置しており、前記第三壁面は、前記第一壁面の前記導入口側の端から前記導入口側に延びるに従って、前記第一壁面に対して前記吸気通路の径方向内側に向けて延びるように傾斜して、前記第二壁面の前記合流部側の端に接続された傾斜面である。
【0007】
本発明の第二の態様に係るミキシングコネクタは、外気をエンジン本体に導入するための吸気通路と、前記エンジン本体から排出された排気ガスの一部をEGRガスとして取り出して前記吸気通路に戻すEGR通路と、前記吸気通路及び前記EGR通路の長手方向が互いに交差するように、前記EGR通路を前記吸気通路の長手方向の中途部に接続する合流部と、を備え、前記吸気通路の内面を構成し前記吸気通路の長手方向に直交する方向において前記合流部と反対側に位置する反対壁面のうち、前記合流部よりも前記吸気通路の導入口側に位置する上流側領域は、前記吸気通路の長手方向において前記合流部側から前記導入口に向けて順番に間隔をあけて配された第一壁面及び第二壁面と、前記第一壁面及び前記第二壁面の間で前記第一壁面に対して前記吸気通路の径方向内側に張り出す第三壁面と、を含み、前記吸気通路は、前記導入口を含む上流側通路と、前記上流側通路の下流端側に位置し、前記上流側通路と異なる方向に延びる下流側通路と、前記上流側通路と前記下流側通路とを接続する屈曲通路と、を有し、前記合流部は、少なくとも前記屈曲通路側に位置する前記下流側通路の上流端部に位置し、前記下流側通路の内面のうち前記屈曲通路の径方向内側に対応する内側領域から突出し、前記合流部と前記反対壁面のうち前記合流部に対向する対向領域との間に位置して前記合流部に対向する凸部を備え、前記凸部の突出方向の先端と、前記下流側通路の内面のうち前記内側領域に対向する外側領域と、の間には、隙間が形成されている。
本発明の第三の態様に係るミキシングコネクタは、外気をエンジン本体に導入するための吸気通路と、前記エンジン本体から排出された排気ガスの一部をEGRガスとして取り出して前記吸気通路に戻すEGR通路と、前記吸気通路及び前記EGR通路の長手方向が互いに交差するように、前記EGR通路を前記吸気通路の長手方向の中途部に接続する合流部と、を備え、前記吸気通路の内面を構成し前記吸気通路の長手方向に直交する方向において前記合流部と反対側に位置する反対壁面のうち、前記合流部よりも前記吸気通路の導入口側に位置する上流側領域は、前記吸気通路の長手方向において前記合流部側から前記導入口に向けて順番に間隔をあけて配された第一壁面及び第二壁面と、前記第一壁面及び前記第二壁面の間で前記第一壁面に対して前記吸気通路の径方向内側に張り出す第三壁面と、を含み、前記反対壁面のうち前記合流部に対向する対向領域には、前記反対壁面から窪む窪み部が形成されている。
本発明の第四の態様に係るミキシングコネクタは、外気をエンジン本体に導入するための吸気通路と、前記エンジン本体から排出された排気ガスの一部をEGRガスとして取り出して前記吸気通路に戻すEGR通路と、前記吸気通路及び前記EGR通路の長手方向が互いに交差するように、前記EGR通路を前記吸気通路の長手方向の中途部に接続する合流部と、を備え、前記吸気通路は、前記吸気通路の導入口を含む上流側通路と、前記上流側通路の下流端側に位置し、前記上流側通路と異なる方向に延びる下流側通路と、前記上流側通路と前記下流側通路とを接続する屈曲通路と、を有し、前記合流部は、少なくとも前記屈曲通路側に位置する前記下流側通路の上流端部に位置し、前記下流側通路の内面のうち前記屈曲通路の径方向内側に対応する内側領域から突出し、前記合流部と前記吸気通路の長手方向に直交する方向において前記合流部と反対側に位置して前記合流部に対向する対向領域との間に位置して前記合流部に対向する凸部を備え、前記凸部の突出方向の先端と、前記下流側通路の内面のうち前記内側領域に対向する外側領域と、の間には、隙間が形成されている。
【0008】
本発明の第一の態様に係るエンジンは、前記ミキシングコネクタと、エンジン本体と、を備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、EGRガスが吸気通路の導入口に設けられたヒータに到達することを抑えてヒータの性能低下を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の一実施形態に係るエンジンを示す模式図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係るミキシングコネクタの外観を示す斜視図である。
【
図3】
図2のミキシングコネクタの内部の吸気通路及びEGR通路を示す斜視図である。
【
図8】
図5~7のVIII-VIII断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一実施形態について
図1~
図8を参照して詳細に説明する。本実施形態に係るミキシングコネクタ100は、
図1に例示するエンジン1に備える。はじめに、エンジン1について説明する。
【0012】
<エンジン>
図1に示すように、エンジン1は、後述するミキシングコネクタ100の他に、内部に複数の燃焼室2Aを有するエンジン本体2を備える。
図1に例示するエンジン本体2は、3つの燃焼室2Aを有する3気筒エンジンである。
【0013】
また、エンジン1は、吸気経路3と、エアクリーナ4と、タービン5A及びコンプレッサ5Bを有する排気ターボ過給機5と、アフタークーラ6と、吸気マニホールド7と、をさらに備える。
吸気経路3は、外気をエンジン本体2に導入するための経路である。エアクリーナ4、排気ターボ過給機5のコンプレッサ5B、アフタークーラ6は、吸気経路3においてエンジン本体2に向かう方向にこの順番で並んでいる。
【0014】
排気ターボ過給機5は、エンジン本体2から排出される排気ガスを利用して、エアクリーナ4を通して吸気された外気を圧縮する。排気ターボ過給機5のタービン5Aは、排気ガスの排気エネルギーによって回転する。排気ターボ過給機5のコンプレッサ5Bは、タービン5Aと共に回転して外気を圧縮する。
アフタークーラ6は、排気ターボ過給機5で圧縮されて高温になった空気(外気)を冷却する。
【0015】
吸気マニホールド7は、エンジン本体2と吸気経路3との間に設けられ、吸気経路3から流れてきた空気(外気)を各燃焼室2Aに分配する。本実施形態の吸気マニホールド7は、燃焼室2Aの配列方向に延びて吸気経路3からの空気が流れる主流部分7Aと、主流部分7Aから各燃焼室2Aまで延びる複数(図示例では3つ)の分流部分7Bと、を有する。複数の分流部分7Bは、主流部分7Aの延長方向に互いに間隔をあけた位置で各々主流部分7Aに接続される。このため、本実施形態の吸気マニホールド7では、その入口から各燃焼室2Aに至る複数の経路の長さが互いに異なる。なお、吸気マニホールド7では、例えば上記した複数の経路の長さが互いに等しくてもよい。
【0016】
また、エンジン1は、排気経路8と、排気マニホールド9と、EGR経路10と、EGRクーラ11と、EGRバルブ12と、をさらに備える。
排気経路8は、エンジン本体2から排気ガスを排出するための経路である。排気経路8の途中には、前述した排気ターボ過給機5のタービン5Aが配される。
排気マニホールド9は、エンジン本体2と排気経路8の間に設けられ、エンジン本体2の各燃焼室2Aから排出された排気ガスを集めて排気経路8に流入させる。
【0017】
EGR経路10は、排気マニホールド9から吸気経路3のうちアフタークーラ6と吸気マニホールド7との間の部位まで延びる。なお、EGR経路10は、例えば排気経路8から吸気経路3まで延びてもよい。EGR経路10は、エンジン本体2から排出された排気ガスの一部をEGRガスとして取り出して吸気経路3に戻すための経路である。EGRクーラ11とEGRバルブ12とは、EGR経路10において吸気経路3に向かう方向にこの順番で並んでいる。
【0018】
EGRクーラ11は、EGRガスを冷却する。
EGRバルブ12は、EGR経路10を開閉する。EGRバルブ12は、EGR経路10におけるEGRガス(排気ガス)の圧力が吸気経路3を通る外気の圧力よりも高い場合にEGR経路10を開く。これにより、EGRガスを吸気経路3に戻すことができる。EGRバルブ12の開閉制御は、排気経路8や排気マニホールド9に設けられたNOx量検出手段(不図示)からの検出信号に応じて、エンジンコントローラ(不図示)によって行われる。
【0019】
<ミキシングコネクタ>
ミキシングコネクタ100は、吸気経路3とEGR経路10とが合流する部分を構成する。以下、ミキシングコネクタ100について説明する。
本実施形態のミキシングコネクタ100は、鋳物である。
図2,3に示すように、ミキシングコネクタ100は、吸気通路101と、ヒータ102と、EGR通路103と、合流部104と、を備える。
図3は、吸気通路101及びEGR通路103を含むミキシングコネクタ100の内部の通路を示している。
【0020】
吸気通路101は、外気をエンジン本体2に導入するための通路であり、導入口101Aと導出口101Bとを有する。吸気通路101の導入口101Aは、
図1に示す吸気経路3のうちアフタークーラ6の下流側に接続される。吸気通路101の導出口101Bは、
図1に示すエンジン本体2側に接続される。これにより、アフタークーラ6からの外気は、ミキシングコネクタ100の吸気通路101を通ってエンジン本体2に向けて流れる。吸気通路101は、例えば吸気経路3の途中に配されてもよいし、例えば吸気経路3と吸気マニホールド7との間に配されてもよい。
【0021】
吸気通路101は、例えば直線状に形成されてよい。本実施形態の吸気通路101は、
図5,6に示すように、吸気通路101の長手方向の中途部で屈曲している。具体的に、吸気通路101は、上流側通路111と、上流側通路111と異なる方向に延びる下流側通路112と、上流側通路111と下流側通路112とを接続する屈曲通路113と、を有する。
【0022】
上流側通路111は、吸気通路101の導入口101Aを含む。下流側通路112は、上流側通路111の下流端側に位置し、吸気通路101の導出口101Bを含む。図示例における下流側通路112の長さは上流側通路111の長さよりも短いが、これに限ることはない。上流側通路111及び下流側通路112は、それぞれ直線状に延びている。上流側通路111と下流側通路112とは、任意の角度で交差してよいが、本実施形態では直交する。図示例において、上流側通路111はZ軸方向に延び、下流側通路112はZ軸方向に直交するX軸方向に延びている。屈曲通路113は少なくとも屈曲した通路であればよい。本実施形態の屈曲通路113は、上流側通路111と下流側通路112とを滑らかに接続するように湾曲している。
【0023】
本実施形態の吸気通路101は、その導入口101Aから導出口101Bに向かうにしたがって流路断面が小さくなる先細り状に形成されている。特に、上流側通路111が先細り状に形成されている。
【0024】
ヒータ102は、吸気通路101の導入口101Aに設けられる。ヒータ102は、例えば外気の温度が低い場合に当該外気を暖める。これにより、過度に温度の低い外気がエンジン本体2の燃焼室2A(
図1参照)に導入されることを抑制又は防止できる。
【0025】
図3,4,8に示すように、EGR通路103は、エンジン本体2から排出された排気ガスの一部をEGRガスとして取り出して吸気通路101に戻すための通路である。本実施形態において、EGR通路103は前述したEGR経路10(
図1参照)の下流側の端部を構成する。EGR経路10に接続されるEGR通路103の導入口103Aは、
図2,3に例示するように複数(図示例では二つ)であってもよいが、例えば一つであってもよい。
図3に例示するEGR通路103は、その導入口103Aから吸気通路101側に向かうにしたがって流路断面が小さくなる先細り状に形成されているが、これに限ることはない。
【0026】
図3,4,8に示すように、合流部104は、吸気通路101及びEGR通路103の長手方向が互いに交差するように、EGR通路103を吸気通路101の長手方向の中途部に接続する。本実施形態の合流部104は、吸気通路101及びEGR通路103の長手方向が互いに直交するように、EGR通路103を吸気通路101の中途部に接続する。
合流部104は、吸気通路101の内面に開口するEGR通路103の下流端を含む。EGR通路103の下流端は、吸気通路101に対するEGRガスの流入口104Aである。以下の説明では、EGR通路103の下流端を合流部104の流入口104Aと呼ぶことがある。
【0027】
図5,7に示すように、合流部104(特に流入口104A)は、下流側通路112の長手方向において屈曲通路113側に位置する下流側通路112の上流端部に位置する。また、本実施形態では、合流部104(特に流入口104A)の一部が下流側通路112の上流端側に位置する屈曲通路113の下流端部にも位置する。
図5に示す方向(Y軸方向)から見て、合流部104は後述する凸部105の後側に位置する。
【0028】
また、本実施形態における合流部104の流入口104Aは、
図4,5に示すように、下流側通路112の内面のうち、当該下流側通路112の内面の周方向において、屈曲通路113の径方向内側に対応する下流側通路112の内側領域112Aと、屈曲通路113の径方向外側に対応する下流側通路112の外側領域112Bとの間の領域に開口する。これにより、EGRガスがEGR通路103から吸気通路101に流入する方向は、概ね、下流側通路112の長手方向(
図5においてX軸方向)、及び、屈曲通路113の下流端における屈曲通路113の径方向(
図5においてZ軸方向)に直交する方向(
図5においてY軸方向)となる。
【0029】
図8に示すように、吸気通路101の内面は、当該内面を構成して吸気通路101の長手方向に直交する方向(
図8においてZ軸方向)において合流部104(特に流入口104A)と反対側に位置する反対壁面115のうち、合流部104よりも吸気通路101の導入口101A側に位置する上流側領域116を含む。本実施形態における上流側領域116は、吸気通路101のうち上流側通路111の内面を構成する。
【0030】
上流側領域116は、第一壁面116Aと、第二壁面116Bと、第三壁面116Cと、を含む。第一壁面116A及び第二壁面116Bは、吸気通路101の長手方向において合流部104側から導入口101Aに向けてこの順番で間隔をあけて配される。第三壁面116Cは、第一壁面116A及び第二壁面116Bの間で第一壁面116Aに対して内側(吸気通路101の径方向内側)に張り出す。
【0031】
本実施形態においては、第三壁面116Cが、第一壁面116Aの導入口101A側の端から、第一壁面116Aの内側に延びるにしたがって、吸気通路101の長手方向において導入口101Aに向けて延びるように傾斜する傾斜面となっている。
そして、第一壁面116Aと第三壁面116Cとは、湾曲した面で連続している。同様に、第二壁面116Bと第三壁面116Cとは、湾曲した面で連続している。すなわち、第一壁面116Aと第三壁面116Cとが滑らかに連なり、かつ、第二壁面116Bと第三壁面116Cとが滑らかに連なる。
【0032】
また、本実施形態では、第二壁面116Bが第一壁面116Aよりも内側に位置する。第一壁面116Aと第二壁面116Bとは、図示例のように吸気通路101の長手方向において互いに平行となるように配置されてもよいが、これに限ることはない。
さらに、吸気通路101の内面のうち、吸気通路101の径方向において第一~第三壁面116A~116Cに対向する上流対向領域117は、第二壁面116Bとの間隔が第一壁面116Aとの間隔よりも大きくなるように湾曲している。これにより、吸気通路101(特に上流側通路111)を先細り状に形成できる。
【0033】
図4~6に示すように、本実施形態のミキシングコネクタ100は、凸部105をさらに備える。凸部105は、下流側通路112の内側領域112Aから外側領域112Bに向かってZ軸負方向に突出する。凸部105は、
図7に示すように、吸気通路101の反対壁面115のうち合流部104(流入口104A)に対向する対向領域118との間に位置して合流部104(流入口104A)に対向する。凸部105は、Y軸方向において対向領域118及び合流部104の流入口104Aの両方に対して間隔をあけて配される。
【0034】
図4~6に示すように、凸部105の突出方向の先端と、下流側通路112の外側領域112Bとの間には、隙間が形成されている。すなわち、凸部105の先端は下流側通路112の外側領域112Bに到達しない。本実施形態における凸部105の突出長さは、内側領域112Aから外側領域112Bに至る長さの半分程度となっているが、これに限ることはない。
【0035】
凸部105は、
図5に示すように凸部105と合流部104の流入口104Aとが並ぶ方向(Y軸方向)から見て、例えば合流部104の流入口104Aの全体に対向してもよいが、本実施形態では合流部104の流入口104Aの一部に対向している。具体的に、凸部105は、流入口104Aのうち下流側通路112の内側領域112Aに近い部分に対向し、下流側通路112の外側領域112Bに近い部分には対向しない。
これにより、EGR通路103から下流側通路112のうち内側領域112Aに近い部分に流入するEGRガスの流れは、凸部105によってせき止められる。一方、EGR通路103から下流側通路112のうち外側領域112Bに近い部分に流入するEGRガスの流れは、凸部105によってせき止められずに対向領域118(
図4参照)まで到達する。
【0036】
図5,6に示すように、凸部105のうち吸気通路101の上流側に位置する端部105Aは、凸部105の突出方向の基端から先端に向かうにしたがって上流側通路111から下流側通路112に向かうように(すなわち吸気通路101の導出口101Bに向かうように)傾斜している。
凸部105の上流側の端部105Aは、図示例のように下流側通路112の上流端に位置してもよいし、例えば下流側通路112の上流端に対して下流側に間隔をあけて位置してもよい。一方、凸部105の下流側の端部105Bは、図示例のように吸気通路101の導出口101Bに位置してもよいし、吸気通路101の導出口101Bに対して下流側通路112の上流側に間隔をあけて位置してもよい。
【0037】
凸部105は、任意の形状に形成されてよい。本実施形態の凸部105は、
図4,8に示すように、凸部105及び合流部104の流入口104Aが並ぶ方向(
図4,8においてY軸方向)を板厚方向とする板状に形成されている。
【0038】
図4,6~8に示すように、吸気通路101の反対壁面115の対向領域118には、反対壁面115から窪む窪み部120が形成されている。本実施形態において、窪み部120は対向領域118のうち下流側通路112の上流端部に形成されている。また、本実施形態の窪み部120は、屈曲通路113の下流端部まで延びて形成されている(特に
図6,7参照)。窪み部120の内面は、任意の形状に形成されてよいが、本実施形態では、
図8に示すように下流側通路112の長手方向(X軸方向)に直交する断面で滑らかに湾曲した円弧状に形成されている。
【0039】
<作用効果>
以上のように構成される本実施形態のミキシングコネクタ100において、EGR通路103から吸気通路101に流入するEGRガスは、
図8に示すように、主に、合流部104の流入口104Aから流入口104Aに対向する反対壁面115の対向領域118に向けて流れる。
そして、吸気通路101に流入するEGRガスの流れの一部は、凸部105によって遮られる。すなわち、吸気通路101に流入するEGRガスの一部の流れが、凸部105によって弱められる。これにより、EGRガスが合流部104から吸気通路101の導入口101Aに向けて逆流することを抑制できる。
図8における矢印F1は、凸部105によって遮られるEGRガスの流れの一例を示している。
【0040】
また、EGR通路103から吸気通路101に流入するEGRガスの流れの一部は、凸部105の先端と下流側通路112の外側領域112Bとの隙間などを通過して、合流部104の流入口104Aに対向する対向領域118に到達する。ここで、対向領域118には窪み部120が形成されているため、EGRガスの一部が窪み部120に流れ込む。このため、EGRガスを窪み部120において滞留させることができる。これにより、EGRガスが合流部104から吸気通路101の導入口101Aに向けて逆流することを抑制することができる。
図8における矢印F2は、窪み部120において滞留するEGRガスの流れの一例を示している。
【0041】
また、反対壁面115の対向領域118に到達したEGRガスの一部は、対向領域118よりも上流側に位置する反対壁面115の第一壁面116Aに沿って吸気通路101の導入口101Aに向けて流れることがある。この場合、第一壁面116Aに沿うEGRガスの流れ方向は、第一壁面116Aの内側に張り出す第三壁面116Cによって変えられる。具体的には、第三壁面116Cによって、導入口101Aに向かうEGRガスの流れの成分が小さくなり、上流側内面の径方向内側に向かうEGRガスの流れの成分が大きくなる。すなわち、導入口101Aに向かうEGRガスの流れが、第三壁面116Cによって弱められる。これにより、EGRガスが吸気通路101の導入口101A及びヒータ102に到達することを抑制できる。
図8における矢印F3は、第三壁面116Cによって弱められるEGRガスの流れの一例を示している。
【0042】
また、本実施形態のミキシングコネクタ100においては、
図5に示すように、外気が吸気通路101の導入口101Aから導出口101Bまで上流側通路111、屈曲通路113及び下流側通路112に順番に流れる。このため、屈曲通路113では、その径方向外側における外気の流れF41の流速が、径方向内側における外気の流れF42の流速よりも大きい。また、凸部105は、下流側通路112のうち屈曲通路113の径方向内側に対応する領域に配され、屈曲通路113の径方向外側に対応する領域には配されない。このため、屈曲通路113の径方向外側における速い外気の流れF41は、凸部105によって遮られずに減速されずに吸気通路101の導出口101Bまで到達する。
【0043】
一方、凸部105は、下流側通路112のうち屈曲通路113の径方向内側に対応する領域(すなわち外気の流速が小さい領域)で吸気通路101に流入するEGRガスの流れを遮る(特に
図8の矢印F1参照)。このため、吸気通路101に流入するEGRガスの流速を効果的に下げることができる。これにより、屈曲通路113の径方向外側における速い外気の流れF41は、吸気通路101に流入するEGRガスの流れによって妨げられない、あるいは、妨げられにくくなる。また、外気の流速が小さい屈曲通路113の径方向内側に対応する領域では、凸部105によって流速が低下したEGRガスが、流速の小さい外気と良好に混合される。
【0044】
そして、凸部105によって流速が低下したEGRガスは、屈曲通路113の径方向外側における速い外気の流れF41に乗せられる。これにより、EGRガスは、外気と共に速い流速で吸気通路101の導出口101Bからエンジン本体2に向けて流れる。
【0045】
以上説明したように、本実施形態に係るミキシングコネクタ100及びエンジン1によれば、合流部104と反対側に位置する吸気通路101の反対壁面115の上流側領域116には、第一壁面116A、第三壁面116C、第二壁面116Bが合流部104側から導入口101Aに向けて順番に並んでいる。そして、第三壁面116Cは、第一壁面116Aに対して内側に張り出している。このため、合流部104において吸気通路101に流入したEGRガスが第一壁面116Aに沿って導入口101Aに向けて逆流しても、当該EGRガスの流れ方向は、第三壁面116Cによって変えられる。これにより、EGRガスが吸気通路101の導入口101Aに到達することを抑制できる。したがって、EGRガスに含まれる煤が導入口101Aに設けたヒータ102に付着することを抑え、ヒータ102の性能低下を抑制できる。
【0046】
また、本実施形態のミキシングコネクタ100によれば、第三壁面116Cが傾斜面であると共に、第一壁面116A及び第三壁面116Cが湾曲した面で滑らかに連続し、かつ、第二壁面116B及び第三壁面116Cも湾曲した面で滑らかに連続する。このため、第一~第三壁面116A~116Cに基づいて吸気通路101(特に上流側通路111)において流れる外気に圧力損失が生じることを抑制できる。
【0047】
また、本実施形態のミキシングコネクタ100によれば、下流側通路112の内面に設けられた凸部105は、合流部104の流入口104Aから吸気通路101に流入するEGRガスの流れを弱めるように設けられている。また、凸部105は、屈曲通路113の径方向外側における速い外気の流れF41を阻害しないように設けられている。このため、外気を速い流速で吸気通路101の導出口101Bからエンジン本体2に向けて流すことができる。また、凸部105によって流速が低下したEGRガスを、屈曲通路113の径方向外側における速い外気の流れF41に乗せて、外気と共に速い流速で吸気通路101の導出口101Bからエンジン本体2に向けて流すことができる。
これにより、比重の大きいEGRガスを外気の速い流れに乗せてエンジン本体2の燃焼室2Aに確実に供給することができる。また、本実施形態の吸気マニホールド7のように、入口から各燃焼室2Aに至る複数の経路の長さが互いに異なっていても、比重の大きいEGRガスを外気の速い流れに乗せて全ての燃焼室2Aに均等に供給することができる。すなわち、エンジン本体2の全ての燃焼室2Aに、EGRガスの濃度が均等な混合ガスを供給することが可能となる。
【0048】
また、本実施形態のミキシングコネクタ100によれば、凸部105の上流側の端部105Aが、凸部105の突出方向の基端から先端に向かうにしたがって上流側通路111から下流側通路112に向かうように傾斜している。このため、凸部105に起因して、吸気通路101において流れる外気(特に屈曲通路113の径方向内側において流れる外気)の圧力損失を減らすことができる。すなわち、吸気通路101における外気の流れが、凸部105によって弱められることを抑制できる。
【0049】
また、本実施形態のミキシングコネクタ100によれば、吸気通路101の内面のうち合流部104に対向する対向領域118に窪み部120が形成されていることで、合流部104の流入口104Aから吸気通路101に流入したEGRガスを窪み部120において滞留させることができる。これにより、EGRガスが合流部104から吸気通路101の導入口101Aに向けて逆流することを抑制して、EGRガスに含まれる煤が導入口101Aに設けたヒータ102に付着することをさらに効果的に抑えることができる。
【0050】
合流部104から吸気通路101の導入口101Aに向かうEGRガスの逆流は、本実施形態のように燃焼室2A(気筒数)が3つであるエンジン1において生じやすい。このため、EGRガスの逆流を抑制できる本実施形態のミキシングコネクタ100は、本実施形態のような3気筒のエンジンに適用されることが特に有効である。
【0051】
<その他の実施形態>
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこれに限定されることなく、その発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0052】
本発明のミキシングコネクタにおいて、第二壁面116Bが第一壁面116Aよりも内側に位置する場合、第一壁面116Aと第二壁面116Bとの間に位置する第三壁面116Cは、例えば第一壁面116Aと第二壁面116Bとを階段状に接続する段差面であってもよい。すなわち、第三壁面116Cが第一壁面116Aに対して直交してもよい。
また、第一壁面116Aと第二壁面116Bとの間に位置する第三壁面116Cは、例えば第一壁面116A及び第二壁面116Bよりも内側に突出する突起によって構成されてもよい。この場合、第二壁面116Bは、上記実施形態と同様に第一壁面116Aよりも内側に位置してもよいが、これに限ることはない。
【0053】
本発明のミキシングコネクタにおいて、凸部105は、例えば下流側通路112の外側領域112Bから内側領域112Aに向けて突出してもよい。この場合でも、EGR通路103から吸気通路101に流入するEGRガスの流れを凸部105によって弱める(流速を下げる)ことができる。したがって、EGRガスがヒータ102に到達することを抑制できる。
【0054】
本発明のミキシングコネクタにおいて、合流部104の流入口104Aは、例えば下流側通路112の内面のうち外側領域112Bや内側領域112Aに開口してもよい。
【0055】
本発明のミキシングコネクタにおいて、合流部104は、例えばEGR通路103が吸気通路101の径方向において吸気通路101から離れるにしたがって吸気通路101の長手方向に延びるように、EGR通路103を吸気通路101の中途部に接続してもよい。この場合、EGRガスがEGR通路103から吸気通路101に流入する方向は、吸気通路101の下流側に向かう方向の成分を含むとよい。これにより、EGRガスが合流部104よりも吸気通路101の上流側に逆流することを抑制できる。
【0056】
本発明のエンジンは、ダンプトラック、油圧ショベル、ブルドーザー、モータグレーダ、クレーンなど任意の作業車両に適用されてよい。
【符号の説明】
【0057】
1…エンジン、2…エンジン本体、3…吸気経路、7…吸気マニホールド、8…排気経路、9…排気マニホールド、10…EGR経路、100…ミキシングコネクタ、101…吸気通路、101A…導入口、101B…導出口、102…ヒータ、103…EGR通路、104…合流部、105…凸部、105A…凸部105の上流側の端部、111…上流側通路、112…下流側通路、112A…内側領域、112B…外側領域、113…屈曲通路、115…反対壁面、116…上流側領域、116A…第一壁面、116B…第二壁面、116C…第三壁面、118…対向領域、120…窪み部