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▶ アーク バイオ, エルエルシーの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-19
(45)【発行日】2023-05-29
(54)【発明の名称】ガイド核酸の作製および使用
(51)【国際特許分類】
   C12N 15/10 20060101AFI20230522BHJP
   C40B 50/06 20060101ALI20230522BHJP
   C12Q 1/6806 20180101ALI20230522BHJP
   C12Q 1/686 20180101ALI20230522BHJP
   C12N 15/09 20060101ALN20230522BHJP
   C12N 15/11 20060101ALN20230522BHJP
   C12N 15/12 20060101ALN20230522BHJP
   C12Q 1/6869 20180101ALN20230522BHJP
【FI】
C12N15/10 Z ZNA
C40B50/06
C12Q1/6806 Z
C12Q1/686 Z
C12N15/09 110
C12N15/11 Z
C12N15/12
C12Q1/6869 Z
【請求項の数】 28
(21)【出願番号】P 2019567332
(86)(22)【出願日】2018-06-07
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-08-20
(86)【国際出願番号】 US2018036563
(87)【国際公開番号】W WO2018227025
(87)【国際公開日】2018-12-13
【審査請求日】2021-05-17
(31)【優先権主張番号】62/516,619
(32)【優先日】2017-06-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/548,036
(32)【優先日】2017-08-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517213223
【氏名又は名称】アーク バイオ, エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】グーギュッチョン, ステファン ビー.
(72)【発明者】
【氏名】カーペンター, メレディス エル.
(72)【発明者】
【氏名】ラスムッセン, モーテン
(72)【発明者】
【氏名】ラダクリシュナン, スリハリ
(72)【発明者】
【氏名】エルマー, アンナ カタリーナ
【審査官】竹内 祐樹
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/100955(WO,A2)
【文献】国際公開第2016/054032(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/081097(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/031360(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12N 15/00-15/90
C12Q 1/68-1/6897
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
核酸の収集物を作製する方法であって、
a.核酸ガイド化ヌクレアーゼのPAM部位をそれぞれ含む標的核酸を得るステップと、b.第1のプライマーを前記標的核酸の前記PAM部位にハイブリダイズさせるステップであって、前記第1のプライマーが、(i)前記PAM部位に相補的なMAP部位、(ii)前記核酸ガイド化ヌクレアーゼの認識部位に相補的な相補的認識部位であって、前記相補的認識部位がランダムに生成されている、相補的認識部位、および(iii)プロモーター部位に相補的な相補的プロモーター部位を含み、前記標的核酸のうちの少なくとも1つは、リボソームDNA、セントロメアDNA、Aluエレメント、長鎖散在核要素(LINE)、および短鎖散在核要素(SINE)を含む、ステップと、
c.鋳型として前記標的核酸を使用して、前記第1のプライマーを伸長させるステップであって、これによって、前記第1のプライマーの配列および前記標的核酸に相補的な配列を含む第1の伸長産物を産生するステップと、
d.第2のプライマーを前記第1の伸長産物にハイブリダイズさせるステップであって、前記第2のプライマーが、5’から3’に、PAM部位および少なくとも6つのランダムに生成されたヌクレオチドを含む、ステップと、
e.鋳型として前記第1の伸長産物を使用して、前記第2のプライマーを伸長させるステップであって、これによって、前記PAM部位、前記認識部位および前記プロモーター部位を含む第2の伸長産物を産生するステップと
を含む方法。
【請求項2】
前記第2のプライマーが、(i)前記核酸ガイド化ヌクレアーゼのPAM部位、および(ii)ランダム配列を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ランダム配列が、約6~約8塩基長の間である、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1のプライマーが、制限酵素の制限酵素部位をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
f.アダプタを前記第2の伸長産物にライゲーションするステップであって、前記アダプタが、制限酵素の制限酵素部位を含む、ステップと、
g.前記PAM部位および前記制限部位が、前記認識部位から切断されるように、前記制限酵素で前記第2の伸長産物を切断するステップと
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記制限酵素が、MmeI、FokIまたはMlyIを含む、請求項4または請求項5に記載の方法。
【請求項7】
結合していない第1のプライマーまたは結合していない第2のプライマーを除去するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記第1のプライマーを伸長させる前記ステップまたは前記第2のプライマーを伸長させる前記ステップが、標識されたヌクレオチドにより行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記標識されたヌクレオチドが、ビオチン化ヌクレオチドを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記認識部位が、約20ヌクレオチドの長さである、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記認識部位が、約15~約25ヌクレオチドの長さである、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記核酸ガイド化ヌクレアーゼが、Cas系タンパク質を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記核酸ガイド化ヌクレアーゼが、Cas9系タンパク質を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記標的核酸が、ゲノムDNAまたはcDNAを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記標的核酸が、ヒトDNAを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記標的核酸が、宿主DNAを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記標的核酸が、真核生物DNAを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記相補的認識部位が、少なくとも1個の改変された核酸結合を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記改変された核酸結合が、ロックド核酸(LNA)、架橋された核酸(BNA)、ペプチド核酸(PNA)、ジップ核酸(ZNA)、グリコール核酸(GNA)、トレオース核酸(TNA)およびホスホロチオエート(PTO)からなる群から選択される、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記プロモーター部位を使用して、前記第2の伸長産物を転写するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項21】
核酸の収集物を作製する方法であって、
a.核酸ガイド化ヌクレアーゼのPAM部位をそれぞれ含む標的核酸を得るステップと、b.プライマーを前記標的核酸の前記PAM部位にハイブリダイズさせるステップであって、前記プライマーが、(i)前記PAM部位に相補的なMAP部位、(ii)前記核酸ガイド化ヌクレアーゼの認識部位に相補的な相補的認識部位であって、前記相補的認識部位がランダムに生成されている、相補的認識部位、および(iii)プロモーター部位に相補的な相補的プロモーター部位を含み、前記プライマーは、前記MAP部位に対して5’の少なくとも1個のロックド核酸(LNA)を含む、ステップと、
c.鋳型として前記標的核酸を使用して、前記プライマーを伸長させるステップであって、これによって、前記PAM部位、前記認識部位および前記プロモーター部位を含む伸長産物を産生するステップと、
d.前記標的核酸をCViPIIでニッキングするステップと、
e.前記ニッキングされた標的核酸を消化するステップと
を含む方法。
【請求項22】
核酸の収集物を作製する方法であって、
a.核酸ガイド化ヌクレアーゼのPAM部位をそれぞれ含む標的核酸を得るステップと、b.第1のループアダプタを前記標的核酸の両末端にライゲーションするステップであって、前記第1のループアダプタが、プロモーター部位を含む、ステップと、
c.前記PAM部位で前記標的核酸をCviPIIで切断するステップであって、これによって、第1の末端における前記第1のループアダプタおよび第2の末端におけるPAM部位のうち1つをそれぞれ含むDNA切断産物を産生するステップと、
d.第2のループアダプタを前記切断産物の前記第2の末端にライゲーションするステップであって、前記第2のループアダプタが、前記核酸ガイド化ヌクレアーゼのステムループ配列に相補的な相補的ステムループ配列を含み、かつ前記相補的ステムループ配列に対して3’のNt.AlWI制限部位および1つまたは複数のウラシルを含む、ステップと、
e.NtAlWIと、ウラシルDNAグリコシラーゼまたはウラシル特異的切除酵素(USER)のいずれかとで前記ループアダプタをニッキングして線状の切断産物を生成するステップと、
f.前記線状の切断産物を環状リガーゼでライゲーションして目的の環状配列を生成するステップと、
g.前記目的の環状配列を増幅し、これにより、前記プロモーター部位、認識部位および前記ステムループ配列を含む増幅産物を産生するステップであって、前記認識部位が、前記標的核酸の1つにおいて前記PAM部位に隣接した配列を含む、ステップと
を含む方法。
【請求項23】
核酸ガイド化ヌクレアーゼタンパク質結合配列またはその相補体を含む核酸を前記第2の伸長産物にライゲーションするステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項24】
前記核酸の収集物のPCR増幅をさらに含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記PAM部位がNGGまたはNAGを含む、請求項1、21または22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
前記核酸の収集物が、少なくとも10個の特異な核酸を含む、請求項1、21または22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
前記認識部位が、目的のゲノムにわたって10,000bpまたはそれ未満毎の間隔にある、請求項1、21または22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
伸長させるステップが、試料を鎖置換ポリメラーゼと接触させることを含む、請求項1または21のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
相互参照
本出願は、2017年6月7日に出願された米国特許仮出願第62/516,619号、および2017年8月21日に出願された米国特許仮出願第62/548,036号に基づく優先権の利益を主張しており、これら仮出願は全て、これにより、その全体が参考として本明細書によって援用される。
【背景技術】
【0002】
背景
RNAに由来するcDNAライブラリー等、ヒト臨床DNA試料および試料ライブラリーは、情報価値が殆どなく配列決定コストを増加させる、非常に豊富な配列を含有する。このような所望されない配列を枯渇させる方法(例えば、ハイブリダイゼーション捕捉による)が開発されたが、このような方法は時間がかかることが多く、非効率的であり得る。
【0003】
ガイド核酸(gNA)媒介性ヌクレアーゼ系(ガイドRNA(gRNA)媒介性Cas系等)は、任意の標的DNAを効率的に枯渇させることができるが、非常に多い数の特異なDNA分子の標的化された枯渇は実現不可能である。例えば、ヒト血液に由来する配列決定ライブラリーは、>99%ヒトゲノムDNAを含有し得る。ヒト血液中を循環する感染病原体を検出するために、このゲノムDNAを枯渇させようと、gRNA媒介性Cas9系に基づく方法を使用するということは、30~50塩基対(bp)毎にgRNAが存在し、標的DNAが見逃されないことを確実にするために、極めて多い数のgRNA(約1千万~1億個のgRNA)を必要とするであろう。非常に多数のgRNAが計算によって予測され、次いで化学合成され得るが、これは法外に高いコストがかかる。
【0004】
したがって、当技術分野には、例えば、その配列に関する予備知識なしで、目的のDNAからの所望されないDNA配列のゲノムワイド枯渇を可能にする、任意のDNAをgNA(例えば、gRNA)ライブラリーへと変換する、対費用効果の高い方法を提供する必要がある。この必要に取り組む方法および組成物が、本明細書に提供される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
概要
ガイド核酸の収集物、これを作製する方法、およびこれを使用する方法が、本明細書に提供される。
【0006】
一態様では、核酸の収集物を作製する方法であって、(a)核酸ガイド化ヌクレアーゼのPAM部位をそれぞれ含む標的核酸を得るステップと、(b)第1のプライマーを標的核酸のPAM部位にハイブリダイズさせるステップであって、第1のプライマーが、(i)PAM部位に相補的なMAP部位、(ii)核酸ガイド化ヌクレアーゼの認識部位に相補的な相補的認識部位、および(iii)プロモーター部位に相補的な相補的プロモーター部位を含む、ステップと、(c)鋳型として標的核酸を使用して、第1のプライマーを伸長させるステップであって、これによって、第1のプライマーの配列および標的核酸に相補的な配列を含む第1の伸長産物を産生するステップと、(d)第2のプライマーを第1の伸長産物にハイブリダイズさせるステップと、(e)鋳型として第1の伸長産物を使用して、第2のプライマーを伸長させるステップであって、これによって、PAM部位、認識部位およびプロモーター部位を含む第2の伸長産物を産生するステップとを含む方法が、本明細書に提供される。
【0007】
別の態様では、核酸の収集物を作製する方法であって、(a)核酸ガイド化ヌクレアーゼのPAM部位をそれぞれ含む標的核酸を得るステップと、(b)プライマーを標的核酸のPAM部位にハイブリダイズさせるステップであって、プライマーが、(i)PAM部位に相補的なMAP部位、(ii)核酸ガイド化ヌクレアーゼの認識部位に相補的な相補的認識部位、および(iii)プロモーター部位に相補的な相補的プロモーター部位を含む、ステップと、(c)鋳型として標的核酸を使用して、プライマーを伸長させるステップであって、これによって、PAM部位、認識部位およびプロモーター部位を含む伸長産物を産生するステップと、(d)標的核酸をニッキングするステップと、(e)ニッキングされた標的核酸を消化するステップとを含む方法が、本明細書に提供される。
【0008】
別の態様では、核酸の収集物を作製する方法であって、(a)核酸ガイド化ヌクレアーゼのPAM部位をそれぞれ含む標的核酸を得るステップと、(b)第1のループアダプタを標的核酸の両末端にライゲーションするステップであって、第1のループアダプタが、プロモーター部位を含む、ステップと、(c)PAM部位において標的核酸を切断するステップであって、これによって、第1の末端における第1のループアダプタおよび第2の末端におけるPAM部位のうち1つをそれぞれ含むDNA切断産物を産生するステップと、(d)第2のループアダプタを切断産物の第2の末端にライゲーションするステップであって、第2のループアダプタが、核酸ガイド化ヌクレアーゼのステムループ配列に相補的な相補的ステムループ配列を含む、ステップと、(e)切断産物を増幅し、これにより、プロモーター部位、認識部位およびステムループ配列を含む増幅産物を産生するステップであって、認識部位が、標的核酸の1つにおけるPAM部位に隣接した配列を含む、ステップとを含む方法が、本明細書に提供される。
【0009】
別の態様では、核酸の収集物を作製する方法であって、(a)標的核酸の配列リードを得るステップと、(b)配列リードを少なくとも1つの参照配列にマッピングするステップと、(c)配列リードの存在量値を決定するステップと、(d)配列リード由来の認識部位を同定するステップであって、認識部位が、核酸ガイド化ヌクレアーゼのPAM部位に隣接する、ステップと、(e)存在量値に基づき認識部位を選別するステップとを含む方法が、本明細書に提供される。
【0010】
別の態様では、ガイド核酸の収集物を作製する方法であって、(a)標的核酸の配列リードを得るステップと、(b)配列リードから最も高頻度の認識部位を決定するステップであって、認識部位が、核酸ガイド化ヌクレアーゼのPAM部位に隣接する、ステップと、(c)配列リードからその次に高頻度の認識部位を決定するステップと、(d)条件が満たされるまでステップcを反復するステップであって、条件が、(i)設定された数の認識部位が決定されること、(ii)さらなる認識部位を決定することができないこと、(iii)設定されたパーセンテージの標的核酸が、認識部位によって網羅されること、(iv)認識部位におけるまたはその近傍における標的核酸の切断が、設定されたサイズを下回る最大断片サイズを生じることからなる群から選択される、ステップとを含む方法が、本明細書に提供される。
【0011】
別の態様では、ガイド核酸の収集物を含む組成物であって、各ガイド核酸が、核酸ガイド化ヌクレアーゼの認識部位およびステムループ配列を含み、各認識部位が、核酸ガイド化ヌクレアーゼのPAM部位に隣接する標的核酸の標的部位に相補的であり、ガイド核酸の収集物の認識部位が相補的である標的部位が、約10,000塩基対未満の平均間隔で標的核酸内に分布する、組成物が、本明細書に提供される。
【0012】
別の態様では、標的核酸を枯渇させる方法であって、(a)標的核酸および非標的核酸を含む核酸を得るステップと、(b)標的核酸がニック部位でニッキングされるように、核酸を核酸ガイド化ニッカーゼタンパク質-gNA複合体と接触させるステップであって、gNAが、5’ステムループ配列および3’標的化配列を含む、ステップと、(c)ニック部位でニックトランスレーションを行うステップであって、ニックトランスレーションが、標識されたヌクレオチドにより行われる、ステップと、(d)標識されたヌクレオチドを有する標的核酸を捕捉するステップと、(e)非標的核酸から標的核酸を分離するステップとを含む方法が、本明細書に提供される。
【0013】
別の態様では、標的核酸を枯渇させる方法であって、(a)標的核酸および非標的核酸を含む核酸を得るステップであって、核酸が、第1の末端にヘアピンループを含む、ステップと、(b)ループアダプタを核酸の第2の末端にハイブリダイズさせるステップと、(c)標的核酸がニッキングされるように、核酸を核酸ガイド化ニッカーゼタンパク質と接触させるステップと、(d)ニッキングされた標的核酸を消化するステップとを含む方法が、本明細書に提供される。
【0014】
別の態様では、配列決定ライブラリーを調製する方法であって、(a)本開示の枯渇または捕捉方法を経た後に得られる、目的の部位を含むDNA分子を提供するステップと、(b)3’末端をポリメラーゼによって伸長することができないように、DNA分子の3’末端をブロックするステップと、(c)第1のプライマーをDNA分子にハイブリダイズさせるステップと、(d)第1のプライマーを伸長させて、第1のプライマーの配列および目的の部位の配列を含む伸長産物を生じるステップと、(e)第2のプライマーを伸長産物にハイブリダイズさせるステップと、(f)第2のプライマーを使用して伸長産物を増幅するステップとを含む方法が、本明細書に提供される。
【0015】
別の態様では、配列決定ライブラリーを調製する方法であって、(a)gNA枯渇または捕捉方法に起因するRNA分子を提供するステップと、(b)第1のハイブリダイゼーション部位をRNA分子に付着させるステップと、(c)第1のオリゴヌクレオチドを第1のハイブリダイゼーション部位にハイブリダイズさせるステップと、(d)プライマーとして第1のオリゴヌクレオチドを使用して、RNA分子の少なくとも一部を逆転写するステップであって、これによって、cDNAを生成するステップと、(e)第2のオリゴヌクレオチドをcDNAのテイルにハイブリダイズさせるステップと、(f)プライマーとして第2のオリゴヌクレオチドおよび/または第1のオリゴヌクレオチドを使用して、cDNAを増幅するステップとを含む方法が、本明細書に提供される。
【0016】
別の態様では、核酸の収集物を作製する方法であって、(a)DNA試料を制限エンドヌクレアーゼで消化して、DNA断片の収集物を産生するステップと、(b)DNA断片の収集物をヌクレアーゼで処理するステップと、(c)第1のアダプタをDNA断片の収集物にライゲーションして、第1のアダプタDNA断片の収集物を産生するステップであって、第1のアダプタをコードする配列が、MmeI制限部位およびFokI制限部位を含み、MmeI部位が、ライゲーション後にFokI部位およびDNA断片の間に位置する、ステップと、(d)第1のアダプタDNA断片の収集物を、第1にMmeIで、第2にFokIで消化して、N20 DNA断片の収集物を産生するステップと、(e)第2のアダプタをN20 DNA断片の収集物にライゲーションするステップであって、第2のアダプタをコードする配列が、プロモーター配列および核酸ガイド化ヌクレアーゼ系タンパク質結合配列を含み、核酸ガイド化ヌクレアーゼ系タンパク質結合配列が、第2のアダプタのライゲーション後に、N20配列およびプロモーターの間に位置する、ステップとを含む方法が、本明細書に提供される。
【0017】
別の態様では、核酸の収集物を作製する方法であって、(a)DNA試料における少なくとも2個の連続したアデノシンをイノシンに置き換えるステップと、(b)DNA試料をヒトアルキルアデニンDNAグリコシラーゼ(hAAG)で処理するステップと、(c)DNA試料をエンドヌクレアーゼで処理して、DNA断片の収集物を産生するステップと、(d)第1のライゲーションステップにおいて第1のアダプタをDNA断片の収集物にライゲーションして、第1のアダプタDNA断片の収集物を生成するステップであって、第1のアダプタが、二本鎖DNA分子および二本鎖DNA分子の5’末端における5’NAA3’の一本鎖DNAオーバーハングを含み、第1のアダプタが、MmeI部位およびFokI部位を含み、MmeI部位が、第1のアダプタのライゲーション後にFokI部位およびDNA断片の間に位置する、ステップと、(e)第1のアダプタライゲーションされた断片の収集物を、第1にMmeIで、第2にFokIで消化して、N20 DNA断片の収集物を産生するステップと、(f)第2のライゲーションステップにおいて第2のアダプタをN20 DNA断片の収集物にライゲーションするステップであって、第2のアダプタをコードする配列が、プロモーター配列および核酸ガイド化ヌクレアーゼ系タンパク質結合配列を含み、核酸ガイド化ヌクレアーゼ系タンパク質結合配列が、第2のアダプタのライゲーション後にN20配列およびプロモーターの間に位置する、ステップとを含む方法が、本明細書に提供される。
【0018】
別の態様では、核酸の収集物を作製する方法であって、(a)DNA試料における少なくとも1個のチミジンをウラシルに置き換えて、少なくとも1個の塩基対ミスマッチを含むDNA試料を産生するステップと、(b)少なくとも1個のウラシルを少なくとも1種のDNA修復酵素で切除して、少なくとも1塩基対の少なくとも1個の一本鎖領域を有するDNA試料を産生するステップと、(c)DNA試料をヌクレアーゼで処理して、DNA断片の収集物を産生するステップと、(d)第1のライゲーションステップにおいてDNA断片の収集物に第1のアダプタをライゲーションして、第1のアダプタDNA断片の収集物を産生するステップであって、第1のアダプタが、MmeI部位およびFokI部位を含み、MmeI部位が、ライゲーション後にFokI部位およびDNA断片の間に位置する、ステップと、(e)第1のアダプタDNA断片の収集物を、第1にMmeIで、第2にFokIで消化して、N20 DNA断片の収集物を産生するステップと、(f)第2のライゲーションステップにおいて第2のアダプタをN20 DNA断片の収集物にライゲーションするステップであって、第2のアダプタをコードする配列が、プロモーター配列および核酸ガイド化ヌクレアーゼ系タンパク質結合配列を含み、核酸ガイド化ヌクレアーゼ系タンパク質結合配列が、ライゲーション後にN20配列およびプロモーターの間に位置する、ステップとを含む方法が、本明細書に提供される。
【0019】
別の態様では、核酸の収集物を作製する方法であって、(a)DNA試料をランダムに断片化して、DNA断片の収集物を産生するステップと、(b)第1のライゲーションステップにおいて第1のアダプタをDNA断片の収集物にライゲーションするステップであって、第1のアダプタが、二本鎖DNA分子および二本鎖DNA分子の5’末端における5’NAA3’の一本鎖DNAオーバーハングを含み、第1のアダプタが、FokI部位およびMmeI部位を含み、MmeI部位が、ライゲーション後にFokI部位およびDNA断片の間に位置する、ステップと、(c)第1のアダプタライゲーションされた断片の収集物を、第1にMmeIで、第2にFokIで消化して、N20 DNA断片の収集物を産生するステップと、(d)第2のライゲーションステップにおいて第2のアダプタをN20 DNA断片の収集物にライゲーションするステップであって、第2のアダプタをコードする配列が、プロモーター配列および核酸ガイド化ヌクレアーゼ系タンパク質結合配列を含み、核酸ガイド化ヌクレアーゼ系タンパク質結合配列が、ライゲーション後にN20配列およびプロモーターの間に位置する、ステップとを含む方法が、本明細書に提供される。
【0020】
別の態様では、核酸の収集物を作製する方法であって、(a)DNA試料をランダムに剪断して、DNA断片の収集物を産生するステップと、(b)DNA断片をメチラーゼでメチル化するステップと、(c)DNA断片の収集物を末端修復して、平滑末端にされたDNA断片の収集物を産生するステップと、(d)第1のライゲーションステップにおいて第1のアダプタを平滑末端化されたDNA断片の収集物にライゲーションして、第1のアダプタDNA断片の収集物を産生するステップであって、第1のアダプタが、5’から3’に、NtBstNBI制限部位、第1のアダプタのリン酸骨格における改変された切断抵抗性結合、およびPAM配列に相補的な配列を含む、ステップと、(e)第1のアダプタDNA断片を制限酵素およびNtBstNBIで消化するステップと、(f)第2のライゲーションステップにおいて第2のアダプタを消化された第1のアダプタDNA断片にライゲーションして、第2のアダプタDNA断片の収集物を産生するステップであって、第2のアダプタが、FokI部位およびMmeI部位を含み、MmeI部位が、ライゲーション後にFokI部位およびDNA断片の間に位置する、ステップと、(g)第2のアダプタライゲーションされた断片の収集物を、第1にMmeIで、第2にFokIで消化して、N20 DNA断片の収集物を産生するステップと、(h)第3のライゲーション反応において第3のアダプタをN20 DNA断片の収集物にライゲーションするステップであって、第3のアダプタをコードする配列が、プロモーター配列および核酸ガイド化ヌクレアーゼ系タンパク質結合配列をコードする配列を含み、核酸ガイド化ヌクレアーゼ系タンパク質結合配列が、ライゲーション後にN20配列およびプロモーターの間に位置する、ステップとを含む方法が、本明細書に提供される。
【0021】
別の態様では、核酸の収集物を作製する方法であって、(a)DNA試料をランダムに剪断して、DNA断片の収集物を産生するステップと、(b)DNA断片の収集物を末端修復して、平滑末端化されたDNA断片を産生するステップと、(c)第1のライゲーションステップにおいて第1のアダプタを平滑末端化されたDNA断片にライゲーションして、第1のアダプタDNA断片の収集物を産生するステップであって、第1のアダプタが、5’から3’に、Nt.BstNBI制限部位、およびPAM配列に相補的な配列を含む、ステップと、(d)第1のアダプタDNA断片をNt.BstNBIでニッキングするステップと、(e)ニックから5’末端へと、3’から5’への方向で、第1のアダプタDNA断片のトップ鎖を分解するステップと、(f)第2のライゲーションステップにおいて第2のアダプタを分解された第1のアダプタDNA断片にライゲーションして、第2のアダプタDNA断片の収集物を産生するステップであって、第2のアダプタが、5’から3’の向きで、MlyI配列、PAM配列に相補的な配列、およびPAM配列を含む、ステップと、(g)第2のアダプタ断片をMlyIで消化するステップと、(h)第3のライゲーションステップにおいて第3のアダプタをMlyI消化された第2のアダプタライゲーションされた断片にライゲーションして、第3のアダプタDNA断片の収集物を産生するステップであって、第3のアダプタが、FokI部位およびMmeI部位を含み、MmeI部位が、ライゲーション後にFokI部位およびDNA断片の間に位置する、ステップと、(i)第3のアダプタDNA断片の収集物を、第1にMmeIで、第2にFokIで消化して、N20 DNA断片の収集物を産生するステップと、(j)第4のライゲーション反応において第4のアダプタをN20 DNA断片の収集物にライゲーションするステップであって、第4のアダプタをコードする配列が、プロモーター配列および核酸ガイド化ヌクレアーゼ系タンパク質結合配列を含み、核酸ガイド化ヌクレアーゼ系タンパク質結合配列が、ライゲーション後にN20配列およびプロモーターの間に位置する、ステップとを含む方法が、本明細書に提供される。
【0022】
別の態様では、核酸の収集物を作製する方法であって、(a)DNA試料をランダムに剪断して、DNA断片の収集物を産生するステップと、(b)第1のライゲーション反応において環状アダプタをDNA断片の収集物にライゲーションして、環状アダプタDNA断片の収集物を産生するステップであって、環状アダプタが、PAM配列に相補的な配列を含む、ステップと、(c)環状アダプタDNA断片の収集物をメチラーゼでメチル化するステップと、(d)環状アダプタDNA断片の収集物をエキソヌクレアーゼで消化するステップと、(e)環状アダプタDNA断片の収集物を制限酵素で消化するステップと、(f)第2のライゲーション反応において第2のアダプタを環状アダプタDNA断片の収集物にライゲーションして、第2のアダプタDNA断片の収集物を産生するステップであって、第2のアダプタが、5’から3’に、PAM部位に相補的な配列、PAM部位、およびMlyI部位を含む、ステップと、(g)第2のアダプタDNA断片の収集物をPCR増幅して、PCR増幅された第2のアダプタDNA断片の収集物を産生するステップであって、PCRプライマーが、第2のアダプタの配列または第2のアダプタの配列に相補的な配列を含む、ステップと、(h)PCR増幅された第2のアダプタDNA断片の収集物をMlyIで消化するステップと、(i)第3のライゲーション反応において第3のアダプタをPCR増幅された第2のアダプタDNA断片の収集物にライゲーションして、第3のアダプタDNA断片の収集物を産生するステップであって、第3のアダプタが、FokI部位およびMmeI部位を含み、MmeI部位が、ライゲーション後にFokI部位およびDNA断片の間に位置する、ステップと、(j)第3のアダプタライゲーションされた断片の収集物を、第1にMmeIで、第2にFokIで消化して、N20 DNA断片の収集物を産生するステップと、(k)第4のライゲーション反応において第4のアダプタをN20 DNA断片の収集物にライゲーションするステップであって、第4のアダプタをコードする配列が、プロモーター配列および核酸ガイド化ヌクレアーゼ系タンパク質結合配列を含み、核酸ガイド化ヌクレアーゼ系タンパク質結合配列が、ライゲーション後にN20配列およびプロモーターの間に位置する、ステップとを含む方法が、本明細書に提供される。
【0023】
本開示の組成物および方法の一部の実施形態では、標的核酸は、ゲノムDNAまたはcDNAを含む。一部の実施形態では、標的核酸は、ヒトDNAを含む。一部の実施形態では、標的核酸は、真核生物DNAを含む。
特定の実施形態では、例えば、以下が提供される:
(項目1)
核酸の収集物を作製する方法であって、
a.核酸ガイド化ヌクレアーゼのPAM部位をそれぞれ含む標的核酸を得るステップと、b.第1のプライマーを前記標的核酸の前記PAM部位にハイブリダイズさせるステップであって、前記第1のプライマーが、(i)前記PAM部位に相補的なMAP部位、(ii)前記核酸ガイド化ヌクレアーゼの認識部位に相補的な相補的認識部位、および(iii)プロモーター部位に相補的な相補的プロモーター部位を含む、ステップと、
c.鋳型として前記標的核酸を使用して、前記第1のプライマーを伸長させるステップであって、これによって、前記第1のプライマーの配列および前記標的核酸に相補的な配列を含む第1の伸長産物を産生するステップと、
d.第2のプライマーを前記第1の伸長産物にハイブリダイズさせるステップと、
e.鋳型として前記第1の伸長産物を使用して、前記第2のプライマーを伸長させるステップであって、これによって、前記PAM部位、前記認識部位および前記プロモーター部位を含む第2の伸長産物を産生するステップと
を含む方法。
(項目2)
前記第2のプライマーが、(i)前記核酸ガイド化ヌクレアーゼのPAM部位、および(ii)ランダム配列を含む、項目1に記載の方法。
(項目3)
前記ランダム配列が、約6~約8塩基長の間である、項目2に記載の方法。
(項目4)
前記第1のプライマーが、制限酵素の制限酵素部位をさらに含む、項目1に記載の方法。
(項目5)
f.アダプタを前記第2の伸長産物にライゲーションするステップであって、前記アダプタが、制限酵素の制限酵素部位を含む、ステップと、
g.前記PAM部位および前記制限部位が、前記認識部位から切断されるように、前記制限酵素で前記第2の伸長産物を切断するステップと
をさらに含む、項目1に記載の方法。
(項目6)
前記制限酵素が、MmeI、FokIまたはMlyIを含む、項目4または項目5に記載の方法。
(項目7)
結合していない第1のプライマーまたは結合していない第2のプライマーを除去するステップをさらに含む、項目1に記載の方法。
(項目8)
前記第1のプライマーを伸長させる前記ステップまたは前記第2のプライマーを伸長させる前記ステップが、標識されたヌクレオチドにより行われる、項目1に記載の方法。
(項目9)
前記標識されたヌクレオチドが、ビオチン化ヌクレオチドを含む、項目8に記載の方法。
(項目10)
前記認識部位が、約20ヌクレオチドの長さである、項目1に記載の方法。
(項目11)
前記認識部位が、約15~約25ヌクレオチドの長さである、項目1に記載の方法。
(項目12)
前記核酸ガイド化ヌクレアーゼが、Cas系タンパク質を含む、項目1に記載の方法。
(項目13)
前記核酸ガイド化ヌクレアーゼが、Cas9系タンパク質を含む、項目1に記載の方法。
(項目14)
前記標的核酸が、ゲノムDNAまたはcDNAを含む、項目1に記載の方法。
(項目15)
前記標的核酸が、ヒトDNAを含む、項目1に記載の方法。
(項目16)
前記標的核酸が、宿主DNAを含む、項目1に記載の方法。
(項目17)
前記標的核酸が、真核生物DNAを含む、項目1に記載の方法。
(項目18)
前記相補的認識部位が、少なくとも1個の改変された核酸結合を含む、項目1に記載の方法。
(項目19)
前記改変された核酸結合が、ロックド核酸(LNA)、架橋された核酸(BNA)、ペプチド核酸(PNA)、ジップ核酸(ZNA)、グリコール核酸(GNA)、トレオース核酸(TNA)およびホスホロチオエート(PTO)からなる群から選択される、項目18に記載の方法。
(項目20)
前記プロモーター部位を使用して、前記第2の伸長産物を転写するステップをさらに含む、項目1に記載の方法。
(項目21)
核酸の収集物を作製する方法であって、
a.核酸ガイド化ヌクレアーゼのPAM部位をそれぞれ含む標的核酸を得るステップと、b.プライマーを前記標的核酸の前記PAM部位にハイブリダイズさせるステップであって、前記プライマーが、(i)前記PAM部位に相補的なMAP部位、(ii)前記核酸ガイド化ヌクレアーゼの認識部位に相補的な相補的認識部位、および(iii)プロモーター部位に相補的な相補的プロモーター部位を含む、ステップと、
c.鋳型として前記標的核酸を使用して、前記プライマーを伸長させるステップであって、これによって、前記PAM部位、前記認識部位および前記プロモーター部位を含む伸長産物を産生するステップと、
d.前記標的核酸をニッキングするステップと、
e.前記ニッキングされた標的核酸を消化するステップと
を含む方法。
(項目22)
前記伸長産物に、前記核酸ガイド化ヌクレアーゼのステムループ配列またはその相補体を含む核酸をライゲーションするステップをさらに含む、項目21に記載の方法。
(項目23)
互い違いになっている二本鎖ステムループを前記伸長産物に付加するステップをさらに含む、項目21に記載の方法。
(項目24)
前記プロモーター部位を使用して、前記伸長産物を転写するステップをさらに含む、項目21に記載の方法。
(項目25)
結合していないプライマーを除去するステップをさらに含む、項目21に記載の方法。
(項目26)
前記プライマーを伸長させる前記ステップが、標識されたヌクレオチドにより行われる、項目21に記載の方法。
(項目27)
前記標識されたヌクレオチドが、ビオチン化ヌクレオチドを含む、項目26に記載の方法。
(項目28)
前記相補的認識部位が、約20ヌクレオチドの長さである、項目21に記載の方法。
(項目29)
前記相補的認識部位が、約15~約25ヌクレオチドの長さである、項目21に記載の方法。
(項目30)
前記核酸ガイド化ヌクレアーゼが、Cas系タンパク質を含む、項目21に記載の方法。
(項目31)
前記核酸ガイド化ヌクレアーゼが、Cas9系タンパク質を含む、項目21に記載の方法。
(項目32)
前記標的核酸が、ゲノムDNAまたはcDNAを含む、項目21に記載の方法。
(項目33)
前記標的核酸が、ヒトDNAを含む、項目21に記載の方法。
(項目34)
前記標的核酸が、宿主DNAを含む、項目21に記載の方法。
(項目35)
前記標的核酸が、真核生物DNAを含む、項目21に記載の方法。
(項目36)
前記相補的認識部位が、少なくとも1個の改変された核酸結合を含む、項目21に記載の方法。
(項目37)
前記改変された核酸結合が、ロックド核酸(LNA)、架橋された核酸(BNA)、ペプチド核酸(PNA)、ジップ核酸(ZNA)、グリコール核酸(GNA)、トレオース核酸(TNA)およびホスホロチオエート(PTO)からなる群から選択される、項目36に記載の方法。
(項目38)
核酸の収集物を作製する方法であって、
a.核酸ガイド化ヌクレアーゼのPAM部位をそれぞれ含む標的核酸を得るステップと、b.第1のループアダプタを前記標的核酸の両末端にライゲーションするステップであって、前記第1のループアダプタが、プロモーター部位を含む、ステップと、
c.前記PAM部位で前記標的核酸を切断するステップであって、これによって、第1の末端における前記第1のループアダプタおよび第2の末端におけるPAM部位のうち1つをそれぞれ含むDNA切断産物を産生するステップと、
d.第2のループアダプタを前記切断産物の前記第2の末端にライゲーションするステップであって、前記第2のループアダプタが、前記核酸ガイド化ヌクレアーゼのステムループ配列に相補的な相補的ステムループ配列を含む、ステップと、
e.前記切断産物を増幅し、これにより、前記プロモーター部位、認識部位および前記ステムループ配列を含む増幅産物を産生するステップであって、前記認識部位が、前記標的核酸の1つにおいて前記PAM部位に隣接した配列を含む、ステップと
を含む方法。
(項目39)
ガイド核酸の収集物を作製する方法であって、
a.標的核酸の配列リード配列リードを得るステップと、
b.前記配列リードを少なくとも1つの参照配列にマッピングするステップと、
c.前記配列リードの存在量値を決定するステップと、
d.前記配列リードから認識部位を同定するステップであって、前記認識部位が、核酸ガイド化ヌクレアーゼのPAM部位に隣接する、ステップと、
e.前記存在量値に基づき前記認識部位を選別するステップと
を含む方法。
(項目40)
前記ガイド核酸の収集物を合成するステップをさらに含み、前記ガイド核酸が、前記核酸ガイド化ヌクレアーゼの前記認識部位およびステムループ配列のうち1つをそれぞれ含む、項目39に記載の方法。
(項目41)
前記ガイド核酸の収集物が、上位100個の選別された認識部位、上位1000個の選別された認識部位、または上位10,000個の選別された認識部位を有するガイド核酸を含む、項目40に記載の方法。
(項目42)
前記認識部位が、少なくとも100塩基対、少なくとも200塩基対、少なくとも500塩基対または少なくとも1000塩基対だけ、前記少なくとも1つの参照配列において互いに間隔をあけるように、前記認識部位をフィルタリングするステップをさらに含む、項目39に記載の方法。
(項目43)
前記認識部位を選別する前記ステップが、前記配列リードを選別することにより行われる、項目39に記載の方法。
(項目44)
前記認識部位が、約20塩基を含む、項目39に記載の方法。
(項目45)
前記核酸ガイド化ヌクレアーゼが、Cas系タンパク質を含む、項目39に記載の方法。
(項目46)
前記核酸の標的部位が、前記PAM部位の5’に位置し、前記認識部位が、ステムループ配列の5’にある、項目39に記載の方法。
(項目47)
前記PAM部位が、NGGまたはNAGを含む、項目46に記載の方法。
(項目48)
前記核酸ガイド化ヌクレアーゼが、Cas9系タンパク質を含む、項目47に記載の方法。
(項目49)
前記核酸の標的部位が、前記PAM部位の3’に位置し、前記認識部位が、ステムループ配列の3’にある、項目39に記載の方法。
(項目50)
前記PAM部位が、TTN、TCNまたはTGNを含む、項目49に記載の方法。
(項目51)
前記核酸ガイド化ヌクレアーゼが、Cpf1系タンパク質を含む、項目50記載の方法。
(項目52)
前記核酸ガイド化ヌクレアーゼが、Cas9系タンパク質を含む、項目39に記載の方法。
(項目53)
前記標的核酸が、ゲノムDNAまたはcDNAを含む、項目39に記載の方法。
(項目54)
前記標的核酸が、ヒトDNAを含む、項目39に記載の方法。
(項目55)
前記標的核酸が、宿主DNAを含む、項目39に記載の方法。
(項目56)
前記標的核酸が、真核生物DNAを含む、項目39に記載の方法。
(項目57)
前記ガイド核酸を基材に結合させるステップをさらに含む、項目39に記載の方法。
(項目58)
前記基材が、フローセル、流体チャネル、マイクロ流体チャネルまたはビーズを含む、項目57に記載の方法。
(項目59)
ガイド核酸の収集物を作製する方法であって、
a.標的核酸の配列リードを得るステップと、
b.前記配列リードから最も高頻度の認識部位を決定するステップであって、認識部位が、核酸ガイド化ヌクレアーゼのPAM部位に隣接する、ステップと、
c.前記配列リードからその次に高頻度の認識部位を決定するステップと、
d.条件が満たされるまでステップcを反復するステップであって、前記条件が、(i)設定された数の認識部位が決定されること、(ii)さらなる認識部位を決定することができないこと、(iii)設定されたパーセンテージの前記標的核酸が、前記認識部位によって網羅されること、(iv)前記認識部位におけるまたはその近傍における前記標的核酸の切断が、設定されたサイズを下回る最大断片サイズを生じること、からなる群から選択される、ステップと
を含む方法。
(項目60)
前記設定された数の認識部位が、少なくとも約100、少なくとも約1000または少なくとも約10,000個である、項目59に記載の方法。
(項目61)
前記設定されたパーセンテージが、少なくとも約10%、少なくとも約30%、少なくとも約50%、少なくとも約70%、少なくとも約90%、少なくとも約95%または少なくとも約99%である、項目59に記載の方法。
(項目62)
前記設定されたサイズが、多くても約1000bp、多くても約500bp、多くても約200bpまたは多くても約100bpである、項目59に記載の方法。
(項目63)
前記ガイド核酸の収集物を合成するステップをさらに含み、前記ガイド核酸が、前記核酸ガイド化ヌクレアーゼの前記認識部位およびステムループ配列のうち1つをそれぞれ含む、項目59に記載の方法。
(項目64)
前記認識部位が、約20塩基を含む、項目59に記載の方法。
(項目65)
前記核酸ガイド化ヌクレアーゼが、Cas系タンパク質を含む、項目59に記載の方法。
(項目66)
前記核酸の標的部位が、前記PAM部位の5’に位置し、前記認識部位が、ステムループ配列の5’にある、項目59に記載の方法。
(項目67)
前記PAM部位が、NGGまたはNAGを含む、項目66に記載の方法。
(項目68)
前記核酸ガイド化ヌクレアーゼが、Cas9系タンパク質を含む、項目67に記載の方法。
(項目69)
前記核酸の標的部位が、前記PAM部位の3’に位置し、前記認識部位が、ステムループ配列の3’にある、項目59に記載の方法。
(項目70)
前記PAM部位が、TTN、TCNまたはTGNを含む、項目69に記載の方法。
(項目71)
前記核酸ガイド化ヌクレアーゼが、Cpf1系タンパク質を含む、項目70記載の方法。
(項目72)
前記標的核酸が、ゲノムDNAまたはcDNAを含む、項目59に記載の方法。
(項目73)
前記標的核酸が、ヒトDNAを含む、項目59に記載の方法。
(項目74)
前記標的核酸が、宿主DNAを含む、項目59に記載の方法。
(項目75)
前記標的核酸が、真核生物DNAを含む、項目59に記載の方法。
(項目76)
前記ガイド核酸を基材に結合させるステップをさらに含む、項目59に記載の方法。
(項目77)
前記基材が、フローセル、流体チャネル、マイクロ流体チャネルまたはビーズを含む、項目76に記載の方法。
(項目78)
ガイド核酸の収集物を含む組成物であって、
各ガイド核酸が、核酸ガイド化ヌクレアーゼの認識部位およびステムループ配列を含み、各認識部位が、前記核酸ガイド化ヌクレアーゼのPAM部位に隣接する標的核酸の標的部位に相補的であり、
前記ガイド核酸の収集物の前記認識部位が相補的である前記標的部位が、約10,000塩基対未満の平均間隔で、前記標的核酸内に分布される、
組成物。
(項目79)
前記平均間隔が、約5,000塩基対未満、約2,500塩基対未満、約1,000塩基対未満、約500塩基対未満、約250塩基対未満または約100塩基対未満である、項目78に記載の組成物。
(項目80)
前記ガイド核酸の収集物が、少なくとも約100種の異なる認識部位、少なくとも1,000種の異なる認識部位、少なくとも10,000種の異なる認識部位、少なくとも100,000種の異なる認識部位、または少なくとも1,000,00種の異なる認識部位を有するガイド核酸を含む、項目78に記載の組成物。
(項目81)
前記認識部位が、約20塩基を含む、項目78に記載の組成物。
(項目82)
前記核酸の標的部位が、前記PAM部位の5’に位置し、前記認識部位が、ステムループ配列の5’にある、項目78に記載の組成物。
(項目83)
前記PAM部位が、NGGまたはNAGを含む、項目82に記載の組成物。
(項目84)
前記核酸ガイド化ヌクレアーゼが、Cas9系タンパク質を含む、項目83に記載の組成物。
(項目85)
前記核酸の標的部位が、前記PAM部位の3’に位置し、前記認識部位が、ステムループ配列の3’にある、項目78に記載の組成物。
(項目86)
前記PAM部位が、TTN、TCNまたはTGNを含む、項目85に記載の組成物。
(項目87)
前記核酸ガイド化ヌクレアーゼが、Cpf1系タンパク質を含む、項目86記載の組成物。
(項目88)
前記標的核酸が、ゲノムDNAまたはcDNAを含む、項目78に記載の組成物。
(項目89)
前記標的核酸が、ヒトDNAを含む、項目78に記載の組成物。
(項目90)
前記標的核酸が、宿主DNAを含む、項目78に記載の組成物。
(項目91)
前記標的核酸が、真核生物DNAを含む、項目78に記載の組成物。
(項目92)
前記ガイド核酸が基材に結合している、項目78に記載の組成物。
(項目93)
前記基材が、フローセル、流体チャネル、マイクロ流体チャネルまたはビーズを含む、項目92に記載の組成物。
(項目94)
標的核酸を枯渇させる方法であって、
a.標的核酸および非標的核酸を含む核酸を得るステップと、
b.前記標的核酸が、標的部位においてまたはその近傍で切断されるように、前記標的核酸を、項目78から91のいずれか一項に記載の収集物のガイド核酸と複合体形成した核酸ガイド化ヌクレアーゼの複合体と接触させるステップと
を含む方法。
(項目95)
前記非標的核酸が、免疫応答シグナル核酸を含む、項目94に記載の方法。
(項目96)
前記非標的核酸が、アポトーシスシグナル核酸を含む、項目94に記載の方法。
(項目97)
前記非標的核酸が、がん関係のアポトーシスシグナル核酸を含む、項目94に記載の方法。
(項目98)
核酸ガイド化ヌクレアーゼの前記複合体が、基材に結合している、項目94に記載の方法。
(項目99)
前記基材が、フローセル、流体チャネル、マイクロ流体チャネルまたはビーズを含む、項目98に記載の方法。
(項目100)
標的核酸を枯渇させる方法であって、
a.標的核酸および非標的核酸を含む核酸を得るステップと、
b.前記標的核酸がニック部位でニッキングされるように、前記核酸を核酸ガイド化ニッカーゼタンパク質-gNA複合体と接触させるステップであって、前記gNAが、5’ステムループ配列および3’標的化配列を含む、ステップと、
c.前記ニック部位でニックトランスレーションを行うステップであって、前記ニックトランスレーションが、標識されたヌクレオチドにより行われる、ステップと、
d.前記標識されたヌクレオチドを有する前記標的核酸を捕捉するステップと、
e.前記非標的核酸から前記標的核酸を分離するステップと
を含む方法。
(項目101)
前記標識されたヌクレオチドが、ビオチン化ヌクレオチドを含む、項目100に記載の方法。
(項目102)
前記標的核酸が、基材に結合させることにより捕捉される、項目100に記載の方法。
(項目103)
前記基材が、フローセル、流体チャネル、マイクロ流体チャネルまたはビーズを含む、項目102に記載の方法。
(項目104)
前記非標的核酸を解析するステップをさらに含む、項目100に記載の方法。
(項目105)
前記解析ステップが、配列決定を含む、項目104に記載の方法。
(項目106)
前記解析ステップが、ハイブリダイゼーションを含む、項目104に記載の方法。
(項目107)
前記標的核酸が、宿主に由来し、前記非標的核酸が、非宿主に由来する、項目100に記載の方法。
(項目108)
前記非宿主が、感染病原体を含む、項目107に記載の方法。
(項目109)
前記核酸ガイド化ニッカーゼタンパク質が、Cpf1系ニッカーゼタンパク質を含む、項目100に記載の方法。
(項目110)
前記Cpf1系ニッカーゼタンパク質が、FrancisellaまたはAcidaminococcusから単離されるまたはこれに由来するCpf1系タンパク質を含む、項目109に記載の方法。
(項目111)
前記標的核酸が、ゲノムDNAまたはcDNAを含む、項目100に記載の方法。
(項目112)
前記標的核酸が、ヒトDNAを含む、項目100に記載の方法。
(項目113)
前記標的核酸が、真核生物DNAを含む、項目100に記載の方法。
(項目114)
標的核酸を枯渇させる方法であって、
a.標的核酸および非標的核酸を含む核酸を得るステップであって、前記核酸が、第1の末端にヘアピンループを含む、ステップと、
b.ループアダプタを前記核酸の第2の末端にハイブリダイズさせるステップと、
c.前記標的核酸がニッキングされるように、前記核酸を核酸ガイド化ニッカーゼタンパク質と接触させるステップと、
d.ニッキングされた標的核酸を消化するステップと
を含む方法。
(項目115)
前記非標的核酸の前記ループアダプタを切断するステップをさらに含む、項目114に記載の方法。
(項目116)
前記切断ステップが、前記ループアダプタの制限部位で行われる、項目115に記載の方法。
(項目117)
前記切断ステップが、前記ループアダプタの核酸ガイド化ヌクレアーゼ認識部位で行われる、項目115に記載の方法。
(項目118)
前記非標的核酸を解析するステップをさらに含む、項目117に記載の方法。
(項目119)
前記解析ステップが、配列決定を含む、項目118に記載の方法。
(項目120)
前記解析ステップが、ハイブリダイゼーションを含む、項目118に記載の方法。
(項目121)
前記消化ステップが、エキソヌクレアーゼにより行われる、項目114に記載の方法。
(項目122)
前記核酸ガイド化ニッカーゼタンパク質が、基材に結合している、項目114に記載の方法。
(項目123)
前記基材が、フローセル、流体チャネル、マイクロ流体チャネルまたはビーズを含む、項目122に記載の方法。
(項目124)
配列決定ライブラリーを調製する方法であって、
a.項目100から123のいずれか一項に記載の枯渇方法、または捕捉方法を経た後に得られる、目的の部位を含むDNA分子を提供するステップと、
b.3’末端をポリメラーゼによって伸長することができないように、前記DNA分子の3’末端をブロックするステップと、
c.第1のプライマーを前記DNA分子にハイブリダイズさせるステップと、
d.前記第1のプライマーを伸長させて、前記第1のプライマーの配列および前記目的の部位の配列を含む伸長産物を生じるステップと、
e.第2のプライマーを前記伸長産物にハイブリダイズさせるステップと、
f.前記第2のプライマーを使用して、前記伸長産物を増幅するステップと
を含む方法。
(項目125)
前記第2のプライマーをハイブリダイズさせる前記ステップに先立ち、テイルを前記伸長産物に付加するステップをさらに含む、項目124に記載の方法。
(項目126)
前記第2のプライマーが、前記テイルにハイブリダイズされる、項目125に記載の方法。
(項目127)
ステップdの後に、ステップcおよびdを反復するステップをさらに含む、項目124に記載の方法。
(項目128)
前記第2のプライマーをハイブリダイズさせる前記ステップに先立ち、ハイブリダイズしていない第1のプライマーを除去するステップをさらに含む、項目124に記載の方法。
(項目129)
前記除去ステップが、消化を含む、項目128に記載の方法。
(項目130)
前記消化が、エキソヌクレアーゼ消化を含む、項目129に記載の方法。
(項目131)
前記除去ステップが、前記伸長産物中に取り込まれた標識されたヌクレオチドを結合させるステップを含む、項目128に記載の方法。
(項目132)
前記標識されたヌクレオチドが、ビオチン化ヌクレオチドを含む、項目131に記載の方法。
(項目133)
前記第1のプライマーおよび/または前記第2のプライマーが、配列決定アダプタ配列を含む、項目124に記載の方法。
(項目134)
前記目的の部位が、一塩基多型(SNP)を含む、項目124に記載の方法。
(項目135)
前記目的の部位が、短いタンデム反復(STR)を含む、項目124に記載の方法。
(項目136)
前記STRが、ミニSTRである、項目135に記載の方法。
(項目137)
配列決定ライブラリーを調製する方法であって、
a.gNA枯渇または捕捉方法に起因するRNA分子を提供するステップと、
b.第1のハイブリダイゼーション部位を前記RNA分子に付着させるステップと、
c.第1のオリゴヌクレオチドを前記第1のハイブリダイゼーション部位にハイブリダイズさせるステップと、
d.プライマーとして前記第1のオリゴヌクレオチドを使用して、前記RNA分子の少なくとも一部を逆転写するステップであって、これによって、cDNAを生成するステップと、
e.第2のオリゴヌクレオチドを前記cDNAのテイルにハイブリダイズさせるステップと、
f.プライマーとして前記第2のオリゴヌクレオチドおよび/または前記第1のオリゴヌクレオチドを使用して、前記cDNAを増幅するステップと
を含む方法。
(項目138)
前記第1のハイブリダイゼーション部位が、テイルを含む、項目137に記載の方法。
(項目139)
前記第1のハイブリダイゼーション部位が、ポリAテイルを含む、項目137に記載の方法。
(項目140)
前記第1のオリゴヌクレオチドが、少なくとも1個のバーコード配列を含む、項目137に記載の方法。
(項目141)
前記第2のオリゴヌクレオチドが、少なくとも1個のバーコード配列を含む、項目137に記載の方法。
(項目142)
前記第1のオリゴヌクレオチドおよび/または前記第2のオリゴヌクレオチドが、(i)所与のRNA分子に特有の、特有の分子識別子配列、および(ii)同じ供給源由来のRNA分子の間で共有される、供給源バーコード配列からなる群から選択される1個または複数のバーコード配列を含む、項目137に記載の方法。
(項目143)
前記第1のオリゴヌクレオチドおよび/または前記第2のオリゴヌクレオチドが、配列決定アダプタ配列を含む、項目137に記載の方法。
(項目144)
核酸の収集物を作製する方法であって、
a.DNA試料を制限エンドヌクレアーゼで消化して、DNA断片の収集物を産生するステップと、
b.前記DNA断片の収集物をヌクレアーゼで処理するステップと、
c.第1のアダプタを前記DNA断片の収集物にライゲーションして、第1のアダプタDNA断片の収集物を産生するステップであって、
前記第1のアダプタをコードする配列が、MmeI制限部位およびFokI制限部位を含み、
前記MmeI部位が、ライゲーション後に前記FokI部位および前記DNA断片の間に位置する、ステップと、
d.前記第1のアダプタDNA断片の収集物を、第1にMmeIで、第2にFokIで消化して、N20 DNA断片の収集物を産生するステップと、
e.第2のアダプタを前記N20 DNA断片の収集物にライゲーションするステップであって、
前記第2のアダプタをコードする配列が、プロモーター配列および核酸ガイド化ヌクレアーゼ系タンパク質結合配列を含み、
前記核酸ガイド化ヌクレアーゼ系タンパク質結合配列が、前記第2のアダプタのライゲーション後に、前記N20配列および前記プロモーターの間に位置する、ステップと
を含む方法。
(項目145)
前記ヌクレアーゼが、マングビーンヌクレアーゼを含む、項目144に記載の方法。
(項目146)
前記制限エンドヌクレアーゼが、MseI、MluCI、HaeIII、AluI、DnpIIおよびFatIからなる群から選択される、項目144に記載の方法。
(項目147)
前記プロモーター配列が、T7プロモーター配列、SP6プロモーター配列およびT3プロモーター配列からなる群から選択される、項目144に記載の方法。
(項目148)
前記第1のアダプタが、二本鎖DNAアダプタである、項目144に記載の方法。
(項目149)
前記第2のアダプタが、二本鎖DNAアダプタである、項目144に記載の方法。
(項目150)
前記核酸ガイド化ヌクレアーゼ系タンパク質結合配列が、CRISPR/Cas系タンパク質と適合性である、項目144に記載の方法。
(項目151)
CRISPR/Cas系が、Cpf1系タンパク質である、項目150に記載の方法。
(項目152)
前記DNA試料が、ゲノムDNAまたはcDNAを含む、項目144に記載の方法。
(項目153)
前記DNA試料が、ヒトDNAを含む、項目144に記載の方法。
(項目154)
前記DNA試料が、宿主DNAを含む、項目144に記載の方法。
(項目155)
前記DNA試料が、真核生物DNAを含む、項目144に記載の方法。
(項目156)
核酸の収集物を作製する方法であって、
a.DNA試料における少なくとも2個の連続したアデノシンをイノシンに置き換えるステップと、
b.前記DNA試料をヒトアルキルアデニンDNAグリコシラーゼ(hAAG)で処理するステップと、
c.前記DNA試料をエンドヌクレアーゼで処理して、DNA断片の収集物を産生するステップと、
d.第1のライゲーションステップにおいて第1のアダプタを前記DNA断片の収集物にライゲーションして、第1のアダプタDNA断片の収集物を生成するステップであって、
前記第1のアダプタが、二本鎖DNA分子および前記二本鎖DNA分子の5’末端における5’NAA3’の一本鎖DNAオーバーハングを含み、
前記第1のアダプタが、MmeI部位およびFokI部位を含み、
前記MmeI部位が、前記第1のアダプタのライゲーション後に、前記FokI部位および前記DNA断片の間に位置する、ステップと、
e.前記第1のアダプタライゲーションされた断片の収集物を、第1にMmeIで、第2にFokIで消化して、N20 DNA断片の収集物を産生するステップと、
f.第2のライゲーションステップにおいて、第2のアダプタを前記N20 DNA断片の収集物にライゲーションするステップであって、
前記第2のアダプタをコードする配列が、プロモーター配列および核酸ガイド化ヌクレアーゼ系タンパク質結合配列を含み、
前記核酸ガイド化ヌクレアーゼ系タンパク質結合配列が、前記第2のアダプタのライゲーション後に、前記N20配列および前記プロモーターの間に位置する、ステップと
を含む方法。
(項目157)
前記エンドヌクレアーゼが、T7エンドヌクレアーゼIを含む、項目156に記載の方法。
(項目158)
前記プロモーター配列が、T7プロモーター配列、SP6プロモーター配列およびT3プロモーター配列からなる群から選択される、項目156に記載の方法。
(項目159)
前記第2のアダプタが、二本鎖DNAアダプタである、項目156に記載の方法。
(項目160)
前記第1のライゲーションステップが、高温リガーゼを使用して実行される、項目156に記載の方法。
(項目161)
前記第2のアダプタが、二本鎖DNAアダプタである、項目156に記載の方法。
(項目162)
前記核酸ガイド化ヌクレアーゼ系タンパク質結合配列が、CRISPR/Cas系タンパク質と適合性である、項目156に記載の方法。
(項目163)
前記CRISPR/Cas系タンパク質が、Cpf1系タンパク質である、項目162に記載の方法。
(項目164)
前記DNA試料が、ゲノムDNAまたはcDNAを含む、項目156に記載の方法。
(項目165)
前記DNA試料が、ヒトDNAを含む、項目156に記載の方法。
(項目166)
前記DNA試料が、宿主DNAを含む、項目156に記載の方法。
(項目167)
前記DNA試料が、真核生物DNAを含む、項目156に記載の方法。
(項目168)
核酸の収集物を作製する方法であって、
a.DNA試料における少なくとも1個のチミジンをウラシルに置き換えて、少なくとも1個の塩基対ミスマッチを含むDNA試料を産生するステップと、
b.少なくとも1種のDNA修復酵素により前記少なくとも1個のウラシルを切除して、少なくとも1塩基対の少なくとも1個の一本鎖領域を有するDNA試料を産生するステップと、
c.前記DNA試料をヌクレアーゼで処理して、DNA断片の収集物を産生するステップと、
d.第1のライゲーションステップにおいて前記DNA断片の収集物に第1のアダプタをライゲーションして、第1のアダプタDNA断片の収集物を産生するステップであって、
前記第1のアダプタが、MmeI部位およびFokI部位を含み、
前記MmeI部位が、ライゲーション後に前記FokI部位および前記DNA断片の間に位置する、ステップと、
e.前記第1のアダプタDNA断片の収集物を、第1にMmeIで、第2にFokIで消化して、N20 DNA断片の収集物を産生するステップと、
f.第2のライゲーションステップにおいて、第2のアダプタを前記N20 DNA断片の収集物にライゲーションするステップであって、
前記第2のアダプタをコードする配列が、プロモーター配列および核酸ガイド化ヌクレアーゼ系タンパク質結合配列を含み、
前記核酸ガイド化ヌクレアーゼ系タンパク質結合配列が、ライゲーション後に前記N20配列および前記プロモーターの間に位置する、ステップと
を含む方法。
(項目169)
(b)前記少なくとも1個のウラシルを切除するステップの後、かつ(c)前記ヌクレアーゼで処理するステップの前に、前記DNA試料をホスファターゼで処理するステップをさらに含む、項目168に記載の方法。
(項目170)
少なくとも1個のddTTPを、前記DNA試料における少なくとも1塩基対の前記少なくとも1個の一本鎖領域の5’にある二本鎖DNA領域の3’末端に付加するステップをさらに含む、項目169に記載の方法。
(項目171)
前記ヌクレアーゼが、マングビーンヌクレアーゼを含む、項目168または169に記載の方法。
(項目172)
前記少なくとも1種のDNA修復酵素が、ウラシルDNAグリコシラーゼ(UDG)およびエンドヌクレアーゼVIIIを含む、項目168から170のいずれか一項に記載の方法。
(項目173)
前記プロモーター配列が、T7プロモーター配列、SP6プロモーター配列およびT3プロモーター配列からなる群から選択される、項目168に記載の方法。
(項目174)
前記第2のアダプタが、二本鎖DNAアダプタである、項目168に記載の方法。
(項目175)
前記第1のライゲーションステップが、高温リガーゼを使用して実行される、項目168に記載の方法。
(項目176)
前記核酸ガイド化ヌクレアーゼ系タンパク質結合配列が、CRISPR/Cas系タンパク質と適合性である、項目168に記載の方法。
(項目177)
前記CRISPR/Cas系タンパク質が、Cpf1系タンパク質である、項目176に記載の方法。
(項目178)
前記DNA試料が、ゲノムDNAまたはcDNAを含む、項目169に記載の方法。
(項目179)
前記DNA試料が、ヒトDNAを含む、項目168に記載の方法。
(項目180)
前記DNA試料が、宿主DNAを含む、項目168に記載の方法。
(項目181)
前記DNA試料が、真核生物DNAを含む、項目168に記載の方法。
(項目182)
核酸の収集物を作製する方法であって、
a.DNA試料をランダムに断片化して、DNA断片の収集物を産生するステップと、
b.第1のライゲーションステップにおいて、第1のアダプタを前記DNA断片の収集物にライゲーションするステップであって、
前記第1のアダプタが、二本鎖DNA分子および前記二本鎖DNA分子の5’末端における5’NAA3’の一本鎖DNAオーバーハングを含み、
前記第1のアダプタが、FokI部位およびMmeI部位を含み、
前記MmeI部位が、ライゲーション後に前記FokI部位および前記DNA断片の間に位置する、ステップと、
c.前記第1のアダプタライゲーションされた断片の収集物を、第1にMmeIで、第2にFokIで消化して、N20 DNA断片の収集物を産生するステップと、
d.第2のライゲーションステップにおいて、第2のアダプタを前記N20 DNA断片の収集物にライゲーションするステップであって、
前記第2のアダプタをコードする配列が、プロモーター配列および核酸ガイド化ヌクレアーゼ系タンパク質結合配列を含み、
前記核酸ガイド化ヌクレアーゼ系タンパク質結合配列が、ライゲーション後に前記N20配列および前記プロモーターの間に位置する、ステップと
を含む方法。
(項目183)
前記DNAが、非特異的ニッカーゼおよびエンドヌクレアーゼによりランダムに断片化される、項目182に記載の方法。
(項目184)
前記エンドヌクレアーゼが、T7エンドヌクレアーゼIである、項目183に記載の方法。
(項目185)
前記プロモーター配列が、T7プロモーター配列、SP6プロモーター配列およびT3プロモーター配列からなる群から選択される、項目182に記載の方法。
(項目186)
前記第2のアダプタが、二本鎖DNAアダプタである、項目182に記載の方法。
(項目187)
前記第1のライゲーションステップが、高温リガーゼを使用して実行される、項目182に記載の方法。
(項目188)
前記核酸ガイド化ヌクレアーゼ系タンパク質結合配列が、CRISPR/Cas系タンパク質と適合性である、項目182に記載の方法。
(項目189)
前記CRISPR/Cas系タンパク質が、Cpf1系タンパク質である、項目188に記載の方法。
(項目190)
前記DNA試料が、ゲノムDNAまたはcDNAを含む、項目182に記載の方法。
(項目191)
前記DNA試料が、ヒトDNAを含む、項目182に記載の方法。
(項目192)
前記DNA試料が、宿主DNAを含む、項目182に記載の方法。
(項目193)
前記DNA試料が、真核生物DNAを含む、項目182に記載の方法。
(項目194)
核酸の収集物を作製する方法であって、
a.DNA試料をランダムに剪断して、DNA断片の収集物を産生するステップと、
b.前記DNA断片をメチラーゼでメチル化するステップと、
c.前記DNA断片の収集物を末端修復して、平滑末端化されたDNA断片の収集物を産生するステップと、
d.第1のライゲーションステップにおいて第1のアダプタを前記平滑末端化されたDNA断片の収集物にライゲーションして、第1のアダプタDNA断片の収集物を産生するステップであって、
前記第1のアダプタが、5’から3’に、NtBstNBI制限部位、前記第1のアダプタのリン酸骨格における改変された切断抵抗性結合、およびPAM配列に相補的な配列を含む、ステップと、
e.前記第1のアダプタDNA断片を制限酵素およびNtBstNBIで消化するステップと、
f.第2のライゲーションステップにおいて第2のアダプタを前記消化された第1のアダプタDNA断片にライゲーションして、第2のアダプタDNA断片の収集物を産生するステップであって、
前記第2のアダプタが、FokI部位およびMmeI部位を含み、
前記MmeI部位が、ライゲーション後に前記FokI部位および前記DNA断片の間に位置する、ステップと、
g.前記第2のアダプタライゲーションされた断片の収集物を、第1にMmeIで、第2にFokIで消化して、N20 DNA断片の収集物を産生するステップと、
h.第3のライゲーション反応において、第3のアダプタを前記N20 DNA断片の収集物にライゲーションするステップであって、
前記第3のアダプタをコードする配列が、プロモーター配列および核酸ガイド化ヌクレアーゼ系タンパク質結合配列をコードする配列を含み、
前記核酸ガイド化ヌクレアーゼ系タンパク質結合配列が、ライゲーション後に前記N20配列および前記プロモーターの間に位置する、ステップと
を含む方法。
(項目195)
前記ランダム剪断ステップが、機械的、酵素的または化学的剪断を含む、項目194に記載の方法。
(項目196)
前記メチラーゼが、EcoGII DNAメチルトランスフェラーゼを含む、項目194に記載の方法。
(項目197)
前記改変された切断抵抗性結合が、ホスホロチオエート結合を含む、項目194に記載の方法。
(項目198)
前記PAM部位が、Cpf1系タンパク質と適合性であるPAM部位を含む、項目194に記載の方法。
(項目199)
前記PAM部位が、TTNを含み、前記制限酵素が、MluCIまたはMseIを含む、項目194に記載の方法。
(項目200)
前記PAM部位が、TCNを含み、前記制限酵素が、DpnIIを含む、項目194に記載の方法。
(項目201)
前記PAM部位が、TGNを含み、前記制限酵素が、FatIを含む、項目194に記載の方法。
(項目202)
前記プロモーター配列が、T7プロモーター配列、SP6プロモーター配列およびT3プロモーター配列からなる群から選択される、項目194に記載の方法。
(項目203)
前記核酸ガイド化ヌクレアーゼ系タンパク質結合配列が、CRISPR/Cas系タンパク質と適合性である、項目194に記載の方法。
(項目204)
CRISPR/Cas系タンパク質が、Cpf1系タンパク質である、項目203に記載の方法。
(項目205)
前記DNA試料が、ゲノムDNAまたはcDNAを含む、項目194に記載の方法。
(項目206)
前記DNA試料が、ヒトDNAを含む、項目194に記載の方法。
(項目207)
前記DNA試料が、宿主DNAを含む、項目194に記載の方法。
(項目208)
前記DNA試料が、真核生物DNAを含む、項目194に記載の方法。
(項目209)
核酸の収集物を作製する方法であって、
a.DNA試料をランダムに剪断して、DNA断片の収集物を産生するステップと、
b.前記DNA断片の収集物を末端修復して、平滑末端化されたDNA断片を産生するステップと、
c.第1のライゲーションステップにおいて第1のアダプタを前記平滑末端化されたDNA断片にライゲーションして、第1のアダプタDNA断片の収集物を産生するステップであって、
前記第1のアダプタが、5’から3’に、Nt.BstNBI制限部位、およびPAM配列に相補的な配列を含む、ステップと、
d.前記第1のアダプタDNA断片をNt.BstNBIでニッキングするステップと、e.前記ニックから5’末端へと、3’から5’への方向で、前記第1のアダプタDNA断片のトップ鎖を分解するステップと、
f.第2のライゲーションステップにおいて第2のアダプタを前記分解された第1のアダプタDNA断片にライゲーションして、第2のアダプタDNA断片の収集物を産生するステップであって、
前記第2のアダプタが、5’から3’の向きで、MlyI配列、前記PAM配列に相補的な配列、および前記PAM配列を含む、ステップと、
g.前記第2のアダプタ断片をMlyIで消化するステップと、
h.第3のライゲーションステップにおいて第3のアダプタを前記MlyI消化された第2のアダプタライゲーションされた断片にライゲーションして、第3のアダプタDNA断片の収集物を産生するステップであって、
前記第3のアダプタが、FokI部位およびMmeI部位を含み、
前記MmeI部位が、ライゲーション後に前記FokI部位および前記DNA断片の間に位置する、ステップと、
i.前記第3のアダプタDNA断片の収集物を、第1にMmeIで、第2にFokIで消化して、N20 DNA断片の収集物を産生するステップと、
j.第4のライゲーション反応において、第4のアダプタを前記N20 DNA断片の収集物にライゲーションするステップであって、
前記第4のアダプタをコードする配列が、プロモーター配列および核酸ガイド化ヌクレアーゼ系タンパク質結合配列を含み、
前記核酸ガイド化ヌクレアーゼ系タンパク質結合配列が、ライゲーション後に前記N20配列および前記プロモーターの間に位置する、ステップと
を含む方法。
(項目210)
前記第2のアダプタが、一本鎖DNA分子である、項目209に記載の方法。
(項目211)
前記第3のアダプタが、二本鎖DNA分子である、項目209に記載の方法。
(項目212)
(f)の前記ライゲーションステップの後、かつMlyI消化(g)の前に、前記第2のアダプタDNA断片の収集物のPCR増幅をさらに含む、項目209に記載の方法。
(項目213)
前記ランダム剪断ステップが、機械的、酵素的または化学的剪断を含む、項目209に記載の方法。
(項目214)
エキソヌクレアーゼ3が、(e)において前記トップ鎖を分解する、項目209に記載の方法。
(項目215)
前記第2のライゲーションステップが、高温リガーゼにより実行される、項目209に記載の方法。
(項目216)
前記PAM部位が、Cpf1系タンパク質と適合性であるPAM部位を含む、項目209に記載の方法。
(項目217)
前記PAM部位が、TTN、TCNまたはTGNを含む、項目209に記載の方法。
(項目218)
前記プロモーター配列が、T7プロモーター配列、SP6プロモーター配列およびT3プロモーター配列からなる群から選択される、項目209に記載の方法。
(項目219)
前記核酸ガイド化ヌクレアーゼ系タンパク質結合配列が、CRISPR/Cas系タンパク質と適合性である、項目209に記載の方法。
(項目220)
前記CRISPR/Cas系タンパク質が、Cpf1系タンパク質である、項目219に記載の方法。
(項目221)
前記DNA試料が、ゲノムDNAまたはcDNAを含む、項目209に記載の方法。
(項目222)
前記DNA試料が、ヒトDNAを含む、項目209に記載の方法。
(項目223)
前記DNA試料が、宿主DNAを含む、項目209に記載の方法。
(項目224)
前記DNA試料が、真核生物DNAを含む、項目209に記載の方法。
(項目225)
核酸の収集物を作製する方法であって、
a.DNA試料をランダムに剪断して、DNA断片の収集物を産生するステップと、
b.第1のライゲーション反応において環状アダプタを前記DNA断片の収集物にライゲーションして、環状アダプタDNA断片の収集物を産生するステップであって、
前記環状アダプタが、PAM配列に相補的な配列を含む、ステップと、
c.前記環状アダプタDNA断片の収集物をメチラーゼでメチル化するステップと、
d.前記環状アダプタDNA断片の収集物をエキソヌクレアーゼで消化するステップと、e.前記環状アダプタDNA断片の収集物を制限酵素で消化するステップと、
f.第2のライゲーション反応において第2のアダプタを前記環状アダプタDNA断片の収集物にライゲーションして、第2のアダプタDNA断片の収集物を産生するステップであって、
前記第2のアダプタが、5’から3’に、PAM部位に相補的な配列、PAM部位、およびMlyI部位を含む、ステップと、
g.前記第2のアダプタDNA断片の収集物をPCR増幅するステップであって、
PCRプライマーが、前記第2のアダプタの配列または前記第2のアダプタの配列に相補的な配列を含み、PCR増幅された第2のアダプタDNA断片の収集物を産生するステップと、
h.前記PCR増幅された第2のアダプタDNA断片の収集物をMlyIで消化するステップと、
i.第3のライゲーション反応において第3のアダプタを前記PCR増幅された第2のアダプタDNA断片の収集物にライゲーションして、第3のアダプタDNA断片の収集物を産生するステップであって、
前記第3のアダプタが、FokI部位およびMmeI部位を含み、
前記MmeI部位が、ライゲーション後に前記FokI部位および前記DNA断片の間に位置する、ステップと、
j.前記第3のアダプタライゲーションされた断片の収集物を、第1にMmeIで、第2にFokIで消化して、N20 DNA断片の収集物を産生するステップと、
k.第4のライゲーション反応において、第4のアダプタを前記N20 DNA断片の収集物にライゲーションするステップであって、
前記第4のアダプタをコードする配列が、プロモーター配列および核酸ガイド化ヌクレアーゼ系タンパク質結合配列を含み、
前記核酸ガイド化ヌクレアーゼ系タンパク質結合配列が、ライゲーション後に前記N20配列および前記プロモーターの間に位置する、ステップと
を含む方法。
(項目226)
前記ランダム剪断ステップが、機械的、酵素的または化学的剪断を含む、項目225に記載の方法。
(項目227)
前記エキソヌクレアーゼが、ラムダエキソヌクレアーゼを含む、項目225に記載の方法。
(項目228)
前記メチラーゼが、EcoGIIメチルトランスフェラーゼを含む、項目225に記載の方法。
(項目229)
前記第2のライゲーションステップが、高温リガーゼを含む、項目225に記載の方法。
(項目230)
前記PAM部位が、Cpf1系タンパク質と適合性であるPAM部位を含む、項目225に記載の方法。
(項目231)
前記PAM部位が、TTN、TCNまたはTGNを含む、項目225に記載の方法。
(項目232)
前記核酸ガイド化ヌクレアーゼ系タンパク質結合配列が、CRISPR/Cas系タンパク質と適合性である、項目225に記載の方法。
(項目233)
CRISPR/Cas系タンパク質が、Cpf1系タンパク質である、項目232に記載の方法。
(項目234)
前記DNA試料が、ゲノムDNAまたはcDNAを含む、項目226に記載の方法。
(項目235)
前記DNA試料が、ヒトDNAを含む、項目225に記載の方法。
(項目236)
前記DNA試料が、宿主DNAを含む、項目225に記載の方法。
(項目237)
前記DNA試料が、真核生物DNAを含む、項目225に記載の方法。
(項目238)
核酸の収集物を作製する方法であって、
a.DNA試料をランダムに剪断して、DNA断片の収集物を産生するステップと、
b.前記DNA断片の収集物をT7エキソヌクレアーゼで消化するステップと、
c.前記DNA断片の収集物にアダプタをアニールするステップであって、
前記アダプタが、5’から3’に、5’リン酸、12塩基対ランダム配列、プロモーター配列、核酸ガイド化ヌクレアーゼ系タンパク質結合配列、FokI制限部位、FokI制限部位に相補的な配列、PAM配列、および8塩基対ランダム配列を含む、ステップと、
d.前記アダプタを前記DNA断片の収集物にライゲーションして、アダプタDNA断片の収集物を産生するステップと、
e.前記アダプタDNA断片の収集物をDNAエキソヌクレアーゼで処理するステップと、
f.前記アダプタDNA断片の収集物に、前記FokI部位の配列および前記FokI部位に相補的な配列に相補的な配列を含む一本鎖DNAをアニールするステップと、
g.FokIで消化して、FokI消化されたアダプタDNA断片の収集物を産生するステップと、
h.前記FokI消化されたアダプタDNA断片をリガーゼで自己環状化するステップと
を含む方法。
(項目239)
PCR増幅をさらに含む、項目238に記載の方法。
(項目240)
前記PCR増幅が、ローリングサークルPCR反応を含む、項目239に記載の方法。
(項目241)
前記FokI消化されたアダプタDNA断片を線状にするステップをさらに含む、項目238に記載の方法。
(項目242)
前記FokI消化されたアダプタDNA断片が、少なくとも1種のDNA修復酵素により直鎖化される、項目241に記載の方法。
(項目243)
前記少なくとも1種のDNA修復酵素が、ウラシルDNAグリコシラーゼ(UDG)およびエンドヌクレアーゼVIIIを含む、項目242に記載の方法。
(項目244)
PCR増幅をさらに含む、項目242または243に記載の方法。
(項目245)
前記PAM部位が、Cpf1系タンパク質と適合性であるPAM部位を含む、項目238に記載の方法。
(項目246)
前記PAM部位が、TTN、TCNまたはTGNを含む、項目238に記載の方法。
(項目247)
前記リガーゼが、HiFidelity Taqリガーゼを含む、項目238に記載の方法。
(項目248)
前記DNAエキソヌクレアーゼが、エキソヌクレアーゼ1、エキソヌクレアーゼ3、またはそれらの組合せを含む、項目238に記載の方法。
(項目249)
前記核酸ガイド化ヌクレアーゼ系タンパク質結合配列が、CRISPR/Cas系タンパク質と適合性である、項目238に記載の方法。
(項目250)
前記CRISPR/Cas系タンパク質が、Cpf1系タンパク質である、項目249に記載の方法。
(項目251)
前記DNA試料が、ゲノムDNAまたはcDNAを含む、項目238に記載の方法。
(項目252)
前記DNA試料が、ヒトDNAを含む、項目238に記載の方法。
(項目253)
前記DNA試料が、宿主DNAを含む、項目238に記載の方法。
(項目254)
前記DNA試料が、真核生物DNAを含む、項目238に記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1図1は、ゲノムDNAからgRNAの収集物(gRNAライブラリー)を生成するための例示的なスキームを図解する。
【0025】
図2図2は、ゲノムDNAからgRNAの収集物(gRNAライブラリー)を生成するための別の例示的なスキームを図解する。
【0026】
図3図3は、DNAをニッキングし、その後にポリメラーゼ処理して平滑末端を生成するための例示的なスキームを図解する。
【0027】
図4図4は、3種のアダプタを使用した、gNAのライブラリーの逐次生成のための例示的なスキームを図解する。
【0028】
図5図5は、1種のアダプタおよび1種のオリゴ(oligo)を使用した、gNAのライブラリーの逐次生成のための例示的なスキームがどのようかを図解する。
【0029】
図6図6は、ニッキング酵素媒介性DNA増幅(NEMDA)を使用した、平滑末端を有するDNA断片の大規模プールの生成のための例示的なスキームがどのようかを図解する。
【0030】
図7図7は、核酸断片の生成のための例示的なスキームを図解する。
【0031】
図8A図8Aは、インプット核酸からガイド核酸ライブラリーを構築するための例示的なスキームを図解する。
【0032】
図8B図8Bは、インプット核酸からガイド核酸ライブラリーを構築するための例示的なスキームを図解する。
【0033】
図8C図8Cは、インプット核酸からガイド核酸ライブラリーを構築するための例示的なスキームを図解する。
【0034】
図8D図8Dは、インプット核酸からガイド核酸ライブラリーを構築するための例示的なスキームを図解する。
【0035】
図9A図9Aおよび図9Bは、インプット核酸からガイド核酸ライブラリーを構築するための例示的なスキームを図解する。
図9B図9Aおよび図9Bは、インプット核酸からガイド核酸ライブラリーを構築するための例示的なスキームを図解する。
【0036】
図10図10は、ガイド核酸の収集物を設計するための例示的なスキームを図解する。
【0037】
図11図11は、ガイド核酸の収集物を設計するための例示的なスキームを図解する。
【0038】
図12図12は、標的化された核酸を枯渇、分配または捕捉するための例示的なスキームを図解する。
【0039】
図13図13は、鎖スイッチング方法の例示的な模式図を図解する。
【0040】
図14図14は、単一のワークフローでのライブラリー生成および濃縮のための例示的なスキームを図解する。
【0041】
図15図15は、MseIまたはMluCIのいずれかで切断され、マングビーンヌクレアーゼで処理されて一本鎖オーバーハングを分解した、DNA供給源からのガイド核酸ライブラリーのための例示的なスキームを図解する。
【0042】
図16A図16Aおよび図16Bは、アデノシンがイノシンに置き換えられた、DNA供給源からのガイド核酸ライブラリーのための例示的なスキームを図解する。
図16B図16Aおよび図16Bは、アデノシンがイノシンに置き換えられた、DNA供給源からのガイド核酸ライブラリーのための例示的なスキームを図解する。
【0043】
図17A図17Aおよび図17Bは、チミジンがウラシルに置き換えられた、DNA供給源からのガイド核酸ライブラリーのための例示的なスキームを図解する。
図17B図17Aおよび図17Bは、チミジンがウラシルに置き換えられた、DNA供給源からのガイド核酸ライブラリーのための例示的なスキームを図解する。
【0044】
図18図18は、非特異的ニッカーゼおよびT7エンドヌクレアーゼI(フラグメンターゼ(fragmentase))でランダムに断片された、DNA供給源からのガイド核酸ライブラリーのための例示的なスキームを図解する。
【0045】
図19A図19Aおよび図19Bは、ランダムに剪断され、メチル化された、DNA供給源からのガイド核酸ライブラリーのための例示的なスキームを図解する。
図19B図19Aおよび図19Bは、ランダムに剪断され、メチル化された、DNA供給源からのガイド核酸ライブラリーのための例示的なスキームを図解する。
【0046】
図20A図20A図20Bおよび図20Cは、ランダムに剪断されたDNA供給源からのガイド核酸ライブラリーのための例示的なスキームを図解する。
図20B図20A図20Bおよび図20Cは、ランダムに剪断されたDNA供給源からのガイド核酸ライブラリーのための例示的なスキームを図解する。
図20C図20A図20Bおよび図20Cは、ランダムに剪断されたDNA供給源からのガイド核酸ライブラリーのための例示的なスキームを図解する。
【0047】
図21A図21Aおよび図21Bは、環状アダプタのライゲーションを使用した、ランダムに剪断されたDNA供給源からのガイド核酸ライブラリーのための例示的なスキームを図解する。
図21B図21Aおよび図21Bは、環状アダプタのライゲーションを使用した、ランダムに剪断されたDNA供給源からのガイド核酸ライブラリーのための例示的なスキームを図解する。
【0048】
図22A図22A図22B図22Cおよび図22Dは、平滑末端修復された、ランダムに剪断されたDNA供給源からのガイド核酸ライブラリーのための例示的なスキームを図解する。
図22B図22A図22B図22Cおよび図22Dは、平滑末端修復された、ランダムに剪断されたDNA供給源からのガイド核酸ライブラリーのための例示的なスキームを図解する。
図22C図22A図22B図22Cおよび図22Dは、平滑末端修復された、ランダムに剪断されたDNA供給源からのガイド核酸ライブラリーのための例示的なスキームを図解する。
図22D図22A図22B図22Cおよび図22Dは、平滑末端修復された、ランダムに剪断されたDNA供給源からのガイド核酸ライブラリーのための例示的なスキームを図解する。
【0049】
図23A図23A図23Bおよび図23Cは、平滑末端修復された、ランダムに剪断されたDNA供給源からのガイド核酸ライブラリーのための例示的なスキームを図解する。
図23B図23A図23Bおよび図23Cは、平滑末端修復された、ランダムに剪断されたDNA供給源からのガイド核酸ライブラリーのための例示的なスキームを図解する。
図23C図23A図23Bおよび図23Cは、平滑末端修復された、ランダムに剪断されたDNA供給源からのガイド核酸ライブラリーのための例示的なスキームを図解する。
【0050】
図24図24は、環状化された、ランダムに剪断されたDNA供給源からのガイド核酸ライブラリーのための例示的なスキームを図解する。
【発明を実施するための形態】
【0051】
発明の詳細な説明
当技術分野には、種々の下流適用のための多数の多様なガイド核酸(gNA)(例えば、gRNA、gDNA)を生成するための、拡大縮小が可能な(scalable)低コストアプローチの必要がある。
【0052】
本明細書で特に定義されない限り、本明細書で使用される全ての専門用語および科学用語は、この発明が属する分野の当業者が一般に理解するのと同じ意味を有する。本明細書に記載されるそれらに類似するまたは同等であるいかなる方法および材料も本発明の実施または試験で使用することができるが、好ましい方法および材料を記載する。
【0053】
数値範囲は、その範囲を規定する数を含む。
【0054】
本明細書を解釈する目的で、次の定義が適用されるが、適切であれば、単数形で使用されている用語は、複数形も含み、その逆もまた真であり得る。下に示す任意の定義が、参照により本明細書に組み込まれる任意の文書と矛盾する場合、示されている定義が優先されるものとする。
【0055】
本明細書で使用するように、単数形である「1つの(a)」、「1つの(an)」および「その(the)」は、他に断りがなければ、複数形の参照を含む。
【0056】
本明細書に記載されている本発明の態様および実施形態が、「を含む」、「からなる」および「から本質的になる」態様および実施形態を含むことが理解される。
【0057】
本明細書で使用する用語「約」は、当技術分野の当業者には直ちに分かる、それぞれの値の通常の誤差範囲を指す。本明細書における、「約」によるある値またはパラメータの参照は、当該値またはパラメータそれ自体を対象とする実施形態を含む(および記載する)。
【0058】
本明細書で使用する用語「核酸」は、1個または複数の核酸サブユニットを含む分子を指す。核酸は、アデノシン(A)、シトシン(C)、グアニン(G)、チミン(T)およびウラシル(U)、ならびにこれらの改変バージョンから選択される1個または複数のサブユニットを含むことができる。核酸は、デオキシリボ核酸(DNA)、リボ核酸(RNA)、これらの組合せまたは誘導体を含む。核酸は、一本鎖および/または二本鎖であってよい。
【0059】
核酸は、「ヌクレオチド」を含み、これは、本明細書で使用するように、プリンおよびピリミジン塩基、ならびにこれらの改変バージョンを含有する部分を含むことが意図される。そのような改変には、メチル化されたプリンまたはピリミジン、アシル化されたプリンまたはピリミジン、アルキル化されたリボースまたは他の複素環が含まれる。さらに、用語「ヌクレオチド」または「ポリヌクレオチド」にはハプテンまたは蛍光標識を含有する部分が含まれ、従来のリボースおよびデオキシリボース糖だけでなく、他の糖も同様に含有することができる。改変ヌクレオシド、改変ヌクレオチドまたは改変ポリヌクレオチドには、例えば、ヒドロキシル基の1つまたは複数がハロゲン原子または脂肪族基で置き換えられるか、エーテル、アミンなどとして官能基化される、糖部分の改変も含まれる。
【0060】
用語「核酸」および「ポリヌクレオチド」は、本明細書において互換的に使用される。ポリヌクレオチドは、ヌクレオチド、例えばデオキシリボヌクレオチドまたはリボヌクレオチドで構成される、任意の長さ、例えば、約2塩基より大きい、約10塩基より大きい、約100塩基より大きい、約500塩基より大きい、1000塩基より大きい、最高約10,000またはそれより多くの塩基の核酸ポリマーを記載するために使用され、酵素的または合成的に生成することができ(例えば、米国特許第5,948,902号およびその中の引用文献に記載されるPNA)、それは2つの天然に存在する核酸のそれに類似した配列特異的方法で天然に存在する核酸とハイブリダイズすることができ、例えば、ワトソン-クリック型塩基対形成相互作用に関与することができる。天然に存在するヌクレオチドには、グアニン、シトシン、アデニンおよびチミン(それぞれG、C、AおよびT)が含まれる。DNAおよびRNAはデオキシリボースおよびリボース糖骨格をそれぞれ有するが、PNAの骨格は、ペプチド結合によって連結されている反復するN-(2-アミノエチル)-グリシン単位で構成される。PNAでは、様々なプリンおよびピリミジン塩基がメチレンカルボニル結合によって骨格に連結される。しばしばアクセス不可能なRNAと呼ばれるロックト核酸(LNA)は、改変RNAヌクレオチドである。LNAヌクレオチドのリボース部分は、2’酸素および4’炭素を接続する余分の橋で改変される。橋は3’-エンド(北(North))コンフォメーションでリボースを「ロック」し、それはA形二重鎖でしばしば見出される。所望のときはいつでも、LNAヌクレオチドがオリゴヌクレオチドのDNAまたはRNA残基と混合していてもよい。用語「非構造化核酸」または「UNA」は、低い安定性で互いに結合する非天然ヌクレオチドを含有する核酸である。例えば、非構造化核酸は、G’残基およびC’残基を含有することができ、ここで、これらの残基は、低い安定性で互いと塩基対を形成するが、天然に存在するCおよびGの残基とそれぞれ塩基対を形成する能力を保持する、GおよびCの天然に存在しない形、すなわち類似体に対応する。非構造化核酸は米国特許出願公開第20050233340号に記載され、それはUNAの開示のために参照により本明細書に組み込まれる。
【0061】
本明細書で使用するように、用語「オリゴヌクレオチド」は、ヌクレオチドの一本鎖多量体を表す。
【0062】
特に明記しない限り、核酸は左から右に5’から3’の向きで記述される。アミノ酸配列は、左から右にそれぞれアミノからカルボキシの向きで記述される。
【0063】
本明細書で使用するように、用語「切断する」は、二本鎖DNA分子の両方の鎖における2つの隣接したヌクレオチドの間のホスホジエステル結合を切断し、それによってDNA分子において二本鎖切断をもたらす反応を指す。
【0064】
本明細書で使用する用語「ニッキング」は、二本鎖DNA分子の一方の鎖のみにおける2個の隣接するヌクレオチドの間のホスホジエステル結合を切断し、これにより、DNA分子の一方の鎖における切断をもたらす反応を指す。
【0065】
本明細書で使用するように、用語「切断部位」は、二本鎖DNA分子が切断された部位を指す。
【0066】
「核酸ガイド化ヌクレアーゼ-gNA複合体」は、核酸ガイド化ヌクレアーゼタンパク質とガイド核酸(gNA、例えばgRNAまたはgDNA)とを含む複合体を指す。例えば、「Cas9-gRNA複合体」は、Cas9タンパク質とガイドRNA(gRNA)とを含む複合体を指す。核酸ガイド化ヌクレアーゼは、野生型核酸ガイド化ヌクレアーゼ、触媒活性がない核酸ガイド化ヌクレアーゼまたは核酸ガイド化ヌクレアーゼであるニッカーゼを非限定的に含む、任意のタイプの核酸ガイド化ヌクレアーゼであってよい。
【0067】
用語「核酸ガイド化ヌクレアーゼ関連ガイドNA」は、ガイド核酸(ガイドNA)を指す。核酸ガイド化ヌクレアーゼ関連ガイドNAは、単離された核酸として、または核酸ガイド化ヌクレアーゼ-gNA複合体、例えばCas9-gRNA複合体の一部として存在することができる。
【0068】
用語「捕捉」および「濃縮」は、本明細書で互換的に使用され、目的の配列、目的の標的化部位、目的外の配列または目的外の標的化部位を含有する核酸領域を選択的に単離するプロセスを指す。
【0069】
用語「ハイブリダイゼーション」は、当技術分野で公知のように、核酸鎖が塩基対形成を通して相補鎖と結合するプロセスを指す。その2つの配列が中等度から高いストリンジェンシーのハイブリダイゼーションおよび洗浄条件の下でお互いと特異的にハイブリダイズするならば、核酸は参照核酸配列と「選択的にハイブリダイゼーションが可能である」と考えられる。中等度および高いストリンジェンシーのハイブリダイゼーション条件は公知である(例えば、Ausubelら、Short Protocols in Molecular Biology、第3版、Wiley & Sons 1995年およびSambrookら、Molecular Cloning: A Laboratory Manual、第3版、2001年、Cold Spring Harbor、N.Y.を参照)。高ストリンジェンシー条件の1つの例は、50%ホルムアミド、5×SSC、5×デンハルト液、0.5%SDSおよび100μg/mlの変性担体DNA中で約42℃でのハイブリダイゼーション、続いて、室温での2×SSCおよび0.5%SDSにおける2回の洗浄と42℃での0.1×SSCおよび0.5%SDSにおける2回の追加の洗浄を含む。
【0070】
本明細書で使用する用語「二重鎖」または「二重鎖の(duplexed)」は、塩基対を形成した、すなわち一緒にハイブリダイズした2つの相補的ポリヌクレオチドを記載する。
【0071】
本明細書で使用するように用語「増幅する」は、鋳型として標的核酸を使用して標的核酸の1つまたは複数のコピーを生成することを指す。
【0072】
本明細書で使用するように、用語「ゲノム領域」は、ゲノム、例えば動物または植物のゲノム、例えばヒト、サル、ラット、魚類または昆虫または植物のゲノムの領域を指す。ある特定の場合には、本明細書に記載される方法で使用されるオリゴヌクレオチドは、参照ゲノム領域、すなわち、公知のヌクレオチド配列のゲノム領域、例えば、その配列は例えばNCBIのGenbankデータベースまたは他のデータベースに寄託される染色体領域を使用して設計することができる。
【0073】
本明細書で使用するように、用語「ゲノム配列」は、ゲノムに存在する配列を指す。RNAはゲノムから転写されるので、この用語は、生物体の核ゲノムに存在する配列、ならびにそのようなゲノムから転写されるRNA(例えば、mRNA)のcDNAコピーに存在する配列を包含する。
【0074】
本明細書で使用するように、用語「ゲノム断片」は、ゲノム、例えば動物または植物のゲノム、例えばヒト、サル、ラット、魚類または昆虫または植物のゲノムの領域を指す。ゲノム断片は、染色体全体または染色体の断片であってもよい。ゲノム断片は、アダプタでライゲートされても(この場合、それは断片の片方もしくは両方の末端に、または分子の少なくとも5’末端にライゲートされたアダプタを有する)、またはアダプタでライゲートされなくてもよい。
【0075】
ある特定の場合には、本明細書に記載される方法で使用されるオリゴヌクレオチドは、参照ゲノム領域、すなわち、公知のヌクレオチド配列のゲノム領域、例えば、その配列は例えばNCBIのGenbankデータベースまたは他のデータベースに寄託される染色体領域を使用して設計することができる。そのようなオリゴヌクレオチドは、試験ゲノムを含有する試料を使用するアッセイにおいて用いることができ、ここで試験ゲノムはオリゴヌクレオチドのための結合部位を含有する。
【0076】
本明細書で使用するように、用語「ライゲートする」は、第1のDNA分子の5’末端の末端ヌクレオチドと第2のDNA分子の3’末端の末端ヌクレオチドとの、酵素によって触媒される結合を指す。
【0077】
2つの核酸が「相補的である」場合は、核酸のうち1つの各塩基は他の核酸の中の対応するヌクレオチドと塩基対を形成する。用語「相補的な」および「完全に相補的な」は、本明細書において同義的に使用される。
【0078】
本明細書で使用するように、用語「分離する」は、2つのエレメントの(例えば、サイズまたは親和性等による)物理的分離、ならびに1つのエレメントが分解し、他はインタクトなまま残ることを指す。例えば、切断された標的化配列を含む核酸を分離するために、サイズ排除を用いることができる。
【0079】
細胞では、DNAは通常二本鎖の形態で存在し、このように、本明細書において「トップ」および「ボトム」鎖と呼ばれる2つの相補的な核酸鎖を有する。ある特定の場合には、染色体領域の相補鎖は、「プラス」および「マイナス」鎖、「第1」および「第2」の鎖、「コード」および「非コード」鎖、「ワトソン」および「クリック」鎖または「センス」および「アンチセンス」鎖と呼ぶことができる。トップまたはボトム鎖への鎖の割り当ては恣意的であり、いかなる特定の配向、機能または構造も意味しない。それらが共有結合するまで、第1および第2の鎖は別個の分子である。記載の容易さのために、トップおよびボトム鎖が共有結合している二本鎖核酸の「トップ」および「ボトム」鎖は、「トップ」および「ボトム」鎖としてなお記載される。言い換えると、この開示のために、二本鎖DNAのトップおよびボトム鎖は分離された分子である必要はない。いくつかの例示的な哺乳動物の染色体領域(例えば、BAC、アセンブリー、染色体等)の第1の鎖のヌクレオチド配列が公知であり、例えば、NCBIのGenbankデータベースに見出すことができる。
【0080】
本明細書で使用する用語「トップ鎖」は、核酸の両方の鎖でなく核酸のいずれかの鎖を指す。オリゴヌクレオチドまたはプライマーが「トップ鎖だけに」結合またはアニールするとき、それは1つの鎖だけに結合し、他には結合しない。本明細書で使用する用語「ボトム鎖」は、「トップ鎖」に相補的である鎖を指す。オリゴヌクレオチドが「1本の鎖だけに」結合またはアニールするとき、それは1本の鎖だけ、例えば第1または第2の鎖だけに結合し、他の鎖には結合しない。オリゴヌクレオチドが二本鎖DNAの両方の鎖に結合またはアニールする場合は、オリゴヌクレオチドは2つの領域を有することができ、第1の領域は二本鎖DNAのトップ鎖とハイブリダイズし、第2の領域は二本鎖DNAのボトム鎖とハイブリダイズする。
【0081】
用語「二本鎖DNA分子」は、トップおよびボトム鎖が共有結合していない二本鎖DNA分子、ならびにトップおよびボトム鎖が共有結合している二本鎖DNA分子の両方を指す。二本鎖DNAのトップおよびボトム鎖は、ワトソン-クリック相互作用により互いと塩基対を形成する。
【0082】
本明細書で使用するように、用語「変性する」は、適する変性条件に二重鎖を置くことによる、核酸二重鎖の塩基対の少なくとも一部の分離を指す。変性条件は、当技術分野で周知である。一実施形態では、核酸二重鎖を変性させるために、二重鎖を二重鎖のTmより上の温度に曝露させ、それによって二重鎖の1本の鎖を他から解放することができる。ある特定の実施形態では、適する時間(例えば、少なくとも30秒から30分まで)、少なくとも90℃の温度にそれを曝露させることによって、核酸を変性させることができる。ある特定の実施形態では、二重鎖の塩基対を完全に分離するために、完全変性条件を使用することができる。他の実施形態では、二重鎖のある特定の部分の塩基対を分離するために(例えば、A-T塩基対が濃縮された領域は分離することができ、G-C塩基対が濃縮された領域は対を形成したままでいることができる)、部分的変性条件(例えば、完全変性条件より低い温度による)を使用することができる。核酸は、化学的に変性させることもできる(例えば、尿素またはNaOHを使用する)。
【0083】
本明細書で使用するように、用語「遺伝子型決定」は、核酸配列の任意のタイプの分析を指し、配列決定、多型(SNP)分析および再配列を同定するための分析を含む。
【0084】
本明細書で使用するように、用語「配列決定」は、ポリヌクレオチドの連続するヌクレオチドの同一性が得られる方法を指す。
【0085】
用語「次世代配列決定」は、いわゆる並行化された合成による配列決定またはライゲーションによる配列決定プラットホーム、例えば、Illumina、Life TechnologiesおよびRoche等によって現在用いられるものを指す。次世代配列決定方法は、ナノポア配列決定方法または電子検出に基づく方法、例えば、Life Technologiesによって商品化されたIon Torrent技術を含むこともできる。
【0086】
用語「相補的DNA」またはcDNAは、RNAの(ランダムヘキサマーまたはオリゴdTプライマーなどのプライマーを使用した)逆転写と、続くRNaseHによるRNAの消化およびDNAポリメラーゼによる合成による第2の鎖の合成によってRNA試料から生成された二本鎖DNA試料を指す。
【0087】
用語「RNAプロモーターアダプタ」は、バクテリオファージRNAポリメラーゼ、例えば、バクテリオファージT3、T7、SP6などからのRNAポリメラーゼのためのプロモーターを含有するアダプタである。
【0088】
用語の他の定義は、明細書全体で出現することがある。
【0089】
本明細書に記載されている構造的および機能的特徴のいずれかに関して、これらの特徴を決定する方法は、当技術分野で公知である。
【0090】
ガイド核酸(gNA)
任意の核酸供給源から得ることができるガイド核酸(gNA)が、本明細書に提供される。gNAは、ガイドRNA(gRNA)またはガイドDNA(gDNA)であってよい。核酸供給源は、DNAまたはRNAであってよい。単一の生物由来のDNA、または複数の生物由来のDNAの混合物、または複数の種由来のDNAの混合物、または臨床試料由来のDNA、または法医学的試料由来のDNA、または環境試料由来のDNA、またはメタゲノムDNA試料(例えば、2以上の生物種を含有する試料)由来のDNAを含む、任意の供給源核酸からgNAを生成するための方法が、本明細書に提供される。任意の供給源DNAの例は、任意のゲノム、任意のゲノム断片、cDNA、合成DNAまたはDNA収集物(例えば、SNP収集物、DNAライブラリー)を非限定的に含む。本明細書に提供されているgNAは、ゲノムワイド適用に使用することができる。
【0091】
一部の実施形態では、gNAは、ゲノム配列(例えば、ゲノムDNA)に由来する。一部の実施形態では、gNAは、哺乳動物ゲノム配列に由来する。一部の実施形態では、gNAは、真核生物ゲノム配列に由来する。一部の実施形態では、gNAは、原核生物ゲノム配列に由来する。一部の実施形態では、gNAは、ウイルスゲノム配列に由来する。一部の実施形態では、gNAは、細菌ゲノム配列に由来する。一部の実施形態では、gNAは、植物ゲノム配列に由来する。一部の実施形態では、gNAは、微生物ゲノム配列に由来する。一部の実施形態では、gNAは、寄生生物、例えば、真核寄生生物由来のゲノム配列に由来する。
【0092】
一部の実施形態では、gNAは、反復性DNAに由来する。一部の実施形態では、gNAは、豊富なDNAに由来する。一部の実施形態では、gNAは、ミトコンドリアDNAに由来する。一部の実施形態では、gNAは、リボソームDNAに由来する。一部の実施形態では、gNAは、セントロメアDNAに由来する。一部の実施形態では、gNAは、Aluエレメントを含むDNA(Alu DNA)に由来する。一部の実施形態では、gNAは、長鎖散在核要素を含むDNA(LINE DNA)に由来する。一部の実施形態では、gNAは、短鎖散在核要素を含むDNA(SINE DNA)に由来する。一部の実施形態では、豊富なDNAは、リボソームDNAを含む。一部の実施形態では、豊富なDNAは、宿主DNA(例えば、宿主ゲノムDNAまたは全宿主DNA)を含む。一例では、宿主DNA(例えば、ヒト、動物、植物)を枯渇させて、存在する他のDNA(例えば、細菌、ウイルスまたは他のメタゲノムDNA)のより容易な解析を可能にするために、gNAは、宿主DNAに由来し得る。別の例では、gNAは、メタゲノム試料中の1または複数の最も豊富な細菌種等、混合試料中の1または複数の最も豊富な型(例えば、種)に由来し得る。1または複数の最も豊富な型(例えば、種)は、2、3、4、5、6、7、8、9、10または10を超える最も豊富な型(例えば、種)を含むことができる。最も豊富な型は、最も豊富な界、門(phylumまたはdivision)、綱、目、科、属、種または他の分類であり得る。最も豊富な型は、上皮細胞、骨細胞、筋肉細胞、血液細胞、脂肪細胞または他の細胞型等、最も豊富な細胞型であり得る。最も豊富な型は、非がん性細胞であり得る。最も豊富な型は、がん性細胞であり得る。最も豊富な型は、動物、ヒト、植物、真菌、細菌またはウイルスであり得る。gNAは、ヒトDNAおよび1または複数の最も豊富な細菌種のDNAの両方に由来等、試料中の宿主および1または複数の最も豊富な非宿主型(例えば、種)の両方に由来し得る。一部の実施形態では、豊富なDNAは、試料中のより豊富な方のまたは最も豊富な細胞由来のDNAを含む。例えば、特異的な試料のため、非常に豊富な細胞を抽出することができ、そのDNAを使用して、gNAを生成することができる;このようなgNAを使用して、枯渇ライブラリーを生成し、本来の試料に適用して、低存在量標的の配列決定または検出を可能にまたは増強することができる。
【0093】
一部の実施形態では、gNAは、短い末端反復(STR)を含むDNAに由来する。
【0094】
一部の実施形態では、gNAは、ゲノムの領域を含むゲノム断片、または全ゲノムそれ自体に由来する。一実施形態では、ゲノムはDNAゲノムである。別の実施形態では、ゲノムはRNAゲノムである。
【0095】
一部の実施形態では、gNAは、真核生物または原核生物の生物体;哺乳動物の生物体または非哺乳動物の生物体;動物または植物;細菌またはウイルス;動物寄生生物;または病原体に由来する。
【0096】
一部の実施形態では、gNAは、任意の哺乳動物の生物体に由来する。一実施形態では、哺乳動物はヒトである。別の実施形態では、哺乳動物は畜産動物、例えばウマ、ヒツジ、ウシ、ブタまたはロバである。別の実施形態では、哺乳動物の生物体は、家庭用ペット、例えばネコ、イヌ、スナネズミ、マウス、ラットである。別の実施形態では、哺乳動物はサルの一種である。
【0097】
一部の実施形態では、gNAは、任意のトリまたは鳥類の生物体に由来する。鳥類の生物体には、ニワトリ、シチメンチョウ、カモおよびガチョウが限定されずに含まれる。
【0098】
一部の実施形態では、目的の配列は、昆虫に由来する。昆虫として、ミツバチ、単生バチ、アリ、ハエ、スズメバチまたは蚊が挙げられるがこれらに限定されない。
【0099】
一部の実施形態では、gNAは、植物に由来する。一実施形態では、植物は、イネ、トウモロコシ、コムギ、バラ、ブドウ、コーヒー、果実、トマト、ジャガイモまたはワタである。
【0100】
一部の実施形態では、gNAは、細菌の種に由来する。一実施形態では、細菌は、結核を引き起こす細菌である。
【0101】
一部の実施形態では、gNAは、ウイルスに由来する。
【0102】
一部の実施形態では、gNAは、真菌類の種に由来する。
【0103】
一部の実施形態では、gNAは、藻類の種に由来する。
【0104】
一部の実施形態では、gNAは、任意の哺乳動物寄生生物に由来する。
【0105】
一部の実施形態では、gNAは、任意の哺乳動物寄生生物に由来する。一実施形態では、寄生生物は虫である。別の実施形態では、寄生生物は、マラリアを引き起こす寄生生物である。別の実施形態では、寄生生物は、リーシュマニア症を引き起こす寄生生物である。別の実施形態では、寄生生物はアメーバである。
【0106】
一部の実施形態では、gNAは、核酸標的に由来する。企図される標的は、病原体;一塩基多型(SNP)、挿入、欠失、タンデム反復もしくは転座;ヒトSNPもしくはSTR;潜在的な毒素;または動物、真菌および植物を非限定的に含む。一部の実施形態では、gRNAは、病原体に由来し、病原体特異的gNAである。
【0107】
一部の実施形態では、本発明のガイドNAは、15~250bpである標的化配列を含む、第1のNAセグメントと;核酸ガイド化ヌクレアーゼ系(例えば、CRISPR/Cas系)タンパク質結合配列を含む、第2のNAセグメントとを含む。一部の実施形態では、標的化配列は、21bpを超える、22bpを超える、23bpを超える、24bpを超える、25bpを超える、26bpを超える、27bpを超える、28bpを超える、29bpを超える、30bpを超える、40bpを超える、50bpを超える、60bpを超える、70bpを超える、80bpを超える、90bpを超える、100bpを超える、110bpを超える、120bpを超える、130bpを超える、140bpを超える、またはさらには150bpを超える。例示的な実施形態では、標的化配列は、30bpを超える。一部の実施形態では、本発明の標的化配列は、サイズが30~50bpに及ぶ。一部の実施形態では、本発明の標的化配列は、サイズが30~75bpに及ぶ。一部の実施形態では、本発明の標的化配列は、サイズが30~100bpに及ぶ。例えば、標的化配列は、少なくとも15bp、20bp、25bp、30bp、35bp、40bp、45bp、50bp、55bp、60bp、65bp、70bp、75bp、80bp、85bp、90bp、95bp、100bp、110bp、120bp、130bp、140bp、150bp、160bp、170bp、180bp、190bp、200bp、210bp、220bp、230bp、240bpまたは250bpであり得る。特定の実施形態では、標的化配列は、少なくとも20bpである。特定の実施形態では、標的化配列は、少なくとも22bpである。特定の実施形態では、標的化配列は、少なくとも30bpである。
【0108】
一部の実施形態では、標的特異的gNAは、核酸ガイド化ヌクレアーゼ系(例えば、CRISPR/Cas系)タンパク質によって認識され得る、PAM配列に対し5’にある標的化された核酸配列の反対の鎖における領域と相補的な核酸配列を含むことができる。一部の実施形態では、標的化された核酸配列は、PAM配列に対しすぐ接して5’にある。特異的な実施形態では、標的核酸における領域と相補的なgNAの核酸配列は、15~250bpである。特異的な実施形態では、標的核酸における領域と相補的なgNAの核酸配列は、20、22、23、24、25、30、35、40、45、50、60、70、75、80、90または100bpである。
【0109】
一部の特定の実施形態では、標的化配列は、20bpではない。一部の特定の実施形態では、標的化配列は、21bpではない。
【0110】
一部の実施形態では、gNAは、任意のプリンまたはピリミジン(および/またはこれらの改変バージョン)を含む。一部の実施形態では、gNAは、アデニン、ウラシル、グアニンおよびシトシン(および/またはこれらの改変バージョン)を含む。一部の実施形態では、gNAは、アデニン、チミン、グアニンおよびシトシン(および/またはこれらの改変バージョン)を含む。一部の実施形態では、gNAは、アデニン、チミン、グアニン、シトシンおよびウラシル(および/またはこれらの改変バージョン)を含む。
【0111】
一部の実施形態では、gNAは、標識を含むか、標識に付着されるか、または標識され得る。一部の実施形態では、gNAは、標識にさらに付着されることができる部分を含む。標識は、酵素、酵素基質、抗体、抗原結合性断片、ペプチド、発色団、発光団(lumiphore)、フルオロフォア、色素原、ハプテン、抗原、放射性同位元素、磁性粒子、金属ナノ粒子、酸化還元活性マーカー基(酸化還元反応を起こすことができる)、アプタマー、結合ペアの一方のメンバー、FRETペアのメンバー(ドナーまたはアクセプターフルオロフォアのいずれか)およびこれらの組合せを非限定的に含む。
【0112】
一部の実施形態では、gNAは、基材に付着されている。基材は、ガラス、プラスチック、シリコン、シリカベースの材料、官能化ポリスチレン、官能化ポリエチレングリコール、官能化有機ポリマー、ニトロセルロースまたはナイロン膜、紙、綿および合成に適した材料でできていてよい。基材は、平坦である必要はない。一部の実施形態では、基材は、2次元アレイである。一部の実施形態では、2次元アレイは、平坦である。一部の実施形態では、2次元アレイは、平坦でなく、例えば、アレイは、波状アレイである。基材は、球形(例えば、ビーズ)を含む任意の型の形状を含む。基材に付着される材料は、基材の任意の部分に付着されてよい(例えば、多孔性基材材料の内側部分に付着されてよい)。一部の実施形態では、基材は、3次元アレイ、例えば、マイクロスフェアである。一部の実施形態では、マイクロスフェアは、磁性である。一部の実施形態では、マイクロスフェアは、ガラスである。一部の実施形態では、マイクロスフェアは、ポリスチレンでできている。一部の実施形態では、マイクロスフェアは、シリカベースである。一部の実施形態では、基材は、内側表面を有するアレイであり、例えば、ストロー、チューブ、キャピラリー、円柱状またはマイクロ流体チャンバーアレイである。一部の実施形態では、基材は、複数のストロー、キャピラリー、チューブ、シリンダーまたはチャンバーを含む。
【0113】
gNAをコードする核酸
gNA(例えば、gRNAまたはgDNA)をコードする核酸も、本明細書に提供される。一部の実施形態では、コードするとは、gNAが、gNA(例えば、gRNA)をコードする核酸の転写に起因することを意味する。T7プロモーターが、本開示に記述されているが、他の適切なプロモーターの使用も企図される。一部の実施形態では、コードするとは、核酸が、gNA(例えば、gRNA)の転写のための鋳型であることを意味する。一部の実施形態では、コードするとは、gNAが、gNAをコードする核酸の逆転写に起因することを意味する。一部の実施形態では、コードするとは、核酸が、gNAの逆転写のための鋳型であることを意味する。一部の実施形態では、コードするとは、gNAが、gNAをコードする核酸の増幅に起因することを意味する。一部の実施形態では、コードするとは、核酸が、gNAの増幅のための鋳型であることを意味する。
【0114】
一部の実施形態では、gNAをコードする核酸は、調節領域を含む第1のセグメントと;標的化配列を含む第2のセグメントであって、15bp~250bpに及び得る第2のセグメントと;核酸ガイド化ヌクレアーゼ系(例えば、CRISPR/Cas系)タンパク質結合配列をコードする核酸を含む第3のセグメントとを含む。
【0115】
一部の実施形態では、gNAをコードする核酸は、DNAを含む。一部の実施形態では、第1のセグメントは、二本鎖DNAである。一部の実施形態では、第1のセグメントは、一本鎖DNAである。一部の実施形態では、第2のセグメントは、一本鎖DNAである。一部の実施形態では、第3のセグメントは、一本鎖DNAである。一部の実施形態では、第2のセグメントは、二本鎖DNAである。一部の実施形態では、第3のセグメントは、二本鎖DNAである。
【0116】
一部の実施形態では、gNAをコードする核酸は、RNAを含む。
【0117】
一部の実施形態では、gNAをコードする核酸は、DNAおよびRNAを含む。
【0118】
一部の実施形態では、調節領域は、転写因子に結合することができる領域である。一部の実施形態では、調節領域は、プロモーターを含む。一部の実施形態では、プロモーターは、T7、SP6およびT3からなる群から選択される。
【0119】
gNAの収集物
gNAの収集物(ライブラリーと互換的に称される)が、本明細書に提供される。
【0120】
本明細書で使用するように、gNAの収集物は、少なくとも10個の特異なgNAを含有するgNAの混合物を意味する。一部の実施形態では、gNAの収集物は、少なくとも10、少なくとも10、少なくとも10、少なくとも10、少なくとも10、少なくとも10、少なくとも10、少なくとも10、少なくとも1010個の特異なgNAを含有する。一部の実施形態では、gNAの収集物は、総計で少なくとも10、少なくとも10、少なくとも10、少なくとも10、少なくとも10、少なくとも10、少なくとも10、少なくとも10、少なくとも1010個のgNAを含有する。
【0121】
一部の実施形態では、gNAの収集物は、標的化配列を含む第1のNAセグメントと;核酸ガイド化ヌクレアーゼ系(例えば、CRISPR/Cas系)タンパク質結合配列を含む第2のNAセグメントとを含み、収集物中のgNAの少なくとも10%のサイズが変動する。一部の実施形態では、第1および第2のセグメントは、5’から3’への順序である。一部の実施形態では、第1および第2のセグメントは、3’から5’への順序である。
【0122】
一部の実施形態では、第1のセグメントのサイズは、gNAの収集物にわたって15~250bp、または20bp、または30~100bp、または20~30bp、または22~30bp、または15~50bp、または15~75bp、または15~100bp、または15~125bp、または15~150bp、または15~175bp、または15~200bp、または15~225bp、または15~250bp、または22~50bp、または22~75bp、または22~100bp、または22~125bp、または22~150bp、または22~175bp、または22~200bp、または22~225bp、または22~250bp変動する。
【0123】
一部の実施形態では、収集物における第1のセグメントの少なくとも10%または少なくとも15%または少なくとも(at last)20%または少なくとも25%または少なくとも30%または少なくとも35%または少なくとも40%または少なくとも45%または少なくとも50%または少なくとも55%または少なくとも60%または少なくとも65%または少なくとも70%または少なくとも75%または少なくとも80%または少なくとも85%または少なくとも90%または少なくとも95%または100%は、20bpを超えるまたはそれに等しい。一部の実施形態では、収集物における第1のセグメントの少なくとも10%または少なくとも15%または少なくとも20%または少なくとも25%または少なくとも30%または少なくとも35%または少なくとも40%または少なくとも45%または少なくとも50%または少なくとも55%または少なくとも60%または少なくとも65%または少なくとも70%または少なくとも75%または少なくとも80%または少なくとも85%または少なくとも90%または少なくとも95%または100%は、20bpに等しい。
【0124】
一部の実施形態では、収集物中の第1のセグメントの少なくとも10%、または少なくとも15%、または少なくとも(at last)20%、または少なくとも25%、または少なくとも30%、または少なくとも35%、または少なくとも40%、または少なくとも45%、または少なくとも50%、または少なくとも55%、または少なくとも60%、または少なくとも65%、または少なくとも70%、または少なくとも75%、または少なくとも80%、または少なくとも85%、または少なくとも90%、または少なくとも95%、または100%は、21bpを超える。
【0125】
一部の実施形態では、収集物中の第1のセグメントの少なくとも10%、または少なくとも15%、または少なくとも(at last)20%、または少なくとも25%、または少なくとも30%、または少なくとも35%、または少なくとも40%、または少なくとも45%、または少なくとも50%、または少なくとも55%、または少なくとも60%、または少なくとも65%、または少なくとも70%、または少なくとも75%、または少なくとも80%、または少なくとも85%、または少なくとも90%、または少なくとも95%、または100%は、25bpを超える。
【0126】
一部の実施形態では、収集物中の第1のセグメントの少なくとも10%、または少なくとも15%、または少なくとも(at last)20%、または少なくとも25%、または少なくとも30%、または少なくとも35%、または少なくとも40%、または少なくとも45%、または少なくとも50%、または少なくとも55%、または少なくとも60%、または少なくとも65%、または少なくとも70%、または少なくとも75%、または少なくとも80%、または少なくとも85%、または少なくとも90%、または少なくとも95%、または100%は、30bpを超える。
【0127】
一部の実施形態では、収集物中の第1のセグメントの少なくとも10%、または少なくとも15%、または少なくとも(at last)20%、または少なくとも25%、または少なくとも30%、または少なくとも35%、または少なくとも40%、または少なくとも45%、または少なくとも50%、または少なくとも55%、または少なくとも60%、または少なくとも65%、または少なくとも70%、または少なくとも75%、または少なくとも80%、または少なくとも85%、または少なくとも90%、または少なくとも95%、または100%は、15~50bpである。
【0128】
一部の実施形態では、収集物中の第1のセグメントの少なくとも10%、または少なくとも15%、または少なくとも(at last)20%、または少なくとも25%、または少なくとも30%、または少なくとも35%、または少なくとも40%、または少なくとも45%、または少なくとも50%、または少なくとも55%、または少なくとも60%、または少なくとも65%、または少なくとも70%、または少なくとも75%、または少なくとも80%、または少なくとも85%、または少なくとも90%、または少なくとも95%、または100%は、30~100bpである。
【0129】
一部の特定の実施形態では、第1のセグメントのサイズは、20bpではない。
【0130】
一部の特定の実施形態では、第1のセグメントのサイズは、21bpではない。
【0131】
一部の実施形態では、gRNAの収集物中のgNAおよび/またはgNAの標的化配列は、特異な5’端を含む。一部の実施形態では、gNAの収集物は、収集物のメンバーにわたる、標的化配列の5’端の配列に可変性を呈する。一部の実施形態では、gNAの収集物は、収集物のメンバーにわたる、標的化配列の5’端の配列に少なくとも5%または少なくとも10%または少なくとも15%または少なくとも20%または少なくとも25%または少なくとも30%または少なくとも35%または少なくとも40%または少なくとも45%または少なくとも50%または少なくとも55%または少なくとも60%または少なくとも65%または少なくとも70%の可変性または少なくとも75%可変性を呈する。
【0132】
一部の実施形態では、gNA標的化配列の3’端は、任意のプリンまたはピリミジン(および/またはこれらの改変バージョン)であってよい。一部の実施形態では、gNA標的化配列の3’端は、アデニンである。一部の実施形態では、gNA標的化配列の3’端は、グアニンである。一部の実施形態では、gNA標的化配列の3’端は、シトシンである。一部の実施形態では、gNA標的化配列の3’端は、ウラシルである。一部の実施形態では、gNA標的化配列の3’端は、チミンである。一部の実施形態では、gNA標的化配列の3’端は、シトシンではない。
【0133】
一部の実施形態では、gNAの収集物は、標的化されたDNAと塩基対形成することができる標的化配列を含み、目的の標的は、目的のゲノムにわたって、少なくとも1bp毎の、少なくとも2bp毎の、少なくとも3bp毎の、少なくとも4bp毎の、少なくとも5bp毎の、少なくとも6bp毎の、少なくとも7bp毎の、少なくとも8bp毎の、少なくとも9bp毎の、少なくとも10bp毎の、少なくとも11bp毎の、少なくとも12bp毎の、少なくとも13bp毎の、少なくとも14bp毎の、少なくとも15bp毎の、少なくとも16bp毎の、少なくとも17bp毎の、少なくとも18bp毎の、少なくとも19bp毎の、20bp、少なくとも25bp毎の、少なくとも30bp毎の、少なくとも40bp毎の、少なくとも50bp毎の、少なくとも100bp毎の、少なくとも200bp毎の、少なくとも300bp毎の、少なくとも400bp毎の、少なくとも500bp毎の、少なくとも600bp毎の、少なくとも700bp毎の、少なくとも800bp毎の、少なくとも900bp毎の、少なくとも1000bp毎の、少なくとも2500bp毎の、少なくとも5000bp毎の、少なくとも10,000bp毎の、少なくとも15,000bp毎の、少なくとも20,000bp毎の、少なくとも25,000bp毎の、少なくとも50,000bp毎の、少なくとも100,000bp毎の、少なくとも250,000bp毎の、少なくとも500,000bp毎の、少なくとも750,000bp毎のまたはさらには少なくとも1,000,000bp毎の間隔にある。
【0134】
一部の実施形態では、gNAの収集物は、標的化配列を含む第1のNAセグメントと;核酸ガイド化ヌクレアーゼ系(例えば、CRISPR/Cas系)タンパク質結合配列を含む第2のNAセグメントとを含み、収集物中のgNAは、核酸ガイド化ヌクレアーゼ系(例えば、CRISPR/Cas系)のタンパク質メンバーに対し様々な特異性を有する種々の第2のNAセグメントを有することができる。例えば、本明細書に提供されているgNAの収集物は、その第2のセグメントが、第1の核酸ガイド化ヌクレアーゼ系(例えば、CRISPR/Cas系)タンパク質に特異的な核酸ガイド化ヌクレアーゼ系(例えば、CRISPR/Cas系)タンパク質結合配列を含むメンバーを含むことができ;また、その第2のセグメントが、第2の核酸ガイド化ヌクレアーゼ系(例えば、CRISPR/Cas系)タンパク質に特異的な核酸ガイド化ヌクレアーゼ系(例えば、CRISPR/Cas系)タンパク質結合配列を含むメンバーも含み、この場合、第1および第2の核酸ガイド化ヌクレアーゼ系(例えば、CRISPR/Cas系)タンパク質は、同じものではない。一部の実施形態では、本明細書に提供されているgNAの収集物は、少なくとも1、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19またはさらには少なくとも20種の核酸ガイド化ヌクレアーゼ系(例えば、CRISPR/Cas系)タンパク質に対する特異性を呈するメンバーを含む。特異的な一実施形態では、本明細書に提供されているgNAの収集物は、Cas9タンパク質、ならびにCpf1、Cas3、Cas8a~c、Cas10、Cse1、Csy1、Csn2、Cas4、Csm2およびCm5からなる群から選択される別のタンパク質に対する特異性を呈するメンバーを含む。一部の実施形態では、第1および第2の核酸ガイド化ヌクレアーゼ系タンパク質に特異的な核酸ガイド化ヌクレアーゼ系タンパク質結合配列は、両者共に、標的化配列を含む第1のNAセグメントの5’にある。一部の実施形態では、第1および第2の核酸ガイド化ヌクレアーゼ系タンパク質に特異的な核酸ガイド化ヌクレアーゼ系タンパク質結合配列は、両者共に、標的化配列を含む第1のNAセグメントの3’にある。一部の実施形態では、第1の核酸ガイド化ヌクレアーゼ系(例えば、CRISPR/Cas系)タンパク質に特異的な核酸ガイド化ヌクレアーゼ系タンパク質結合配列は、標的化配列を含む第1のNAセグメントの5’にあり、第2の核酸ガイド化ヌクレアーゼ系タンパク質に特異的な第2の核酸ガイド化ヌクレアーゼ系タンパク質結合配列は、標的化配列を含む第1のNAセグメントの3’にある。標的化配列を含む第1のNAセグメントおよび核酸ガイド化ヌクレアーゼ系タンパク質結合配列を含む第2のNAセグメントの順序は、核酸ガイド化ヌクレアーゼ系タンパク質に依存する。第1および第2のNAセグメントの適切な5’から3’への配置、ならびに核酸ガイド化ヌクレアーゼ系タンパク質の選択は、当業者には明らかである。
【0135】
一部の実施形態では、収集物の複数のgNAメンバーは、標識に付着されるか、標識を含むか、または標識され得る。一部の実施形態では、gNAは、標識にさらに付着されることができる部分を含む。例示的だが非限定的な部分は、ジゴキシゲニン(DIG)およびフルオレセイン(FITC)を含む。標識は、酵素、酵素基質、抗体、抗原結合性断片、ペプチド、発色団、発光団、フルオロフォア、色素原、ハプテン、抗原、放射性同位元素、磁性粒子、金属ナノ粒子、酸化還元活性マーカー基(酸化還元反応を起こすことができる)、アプタマー、結合ペアの一方のメンバー、FRETペアのメンバー(ドナーまたはアクセプターフルオロフォアのいずれか)およびこれらの組合せを非限定的に含む。
【0136】
一部の実施形態では、収集物の複数のgNAメンバーは、基材に付着される。基材は、ガラス、プラスチック、シリコン、シリカベースの材料、官能化ポリスチレン、官能化ポリエチレングリコール、官能化有機ポリマー、ニトロセルロースまたはナイロン膜、紙、綿、および合成に適した材料でできていてよい。基材は、平坦である必要はない。一部の実施形態では、基材は、2次元アレイである。一部の実施形態では、2次元アレイは、平坦である。一部の実施形態では、2次元アレイは、平坦でなく、例えば、アレイは、波状アレイである。基材は、球形(例えば、ビーズ)を含む任意の型の形状を含む。基材に付着される材料は、基材の任意の部分に付着されてよい(例えば、多孔性基材材料の内側部分に付着されてよい)。一部の実施形態では、基材は、3次元アレイ、例えば、マイクロスフェアである。一部の実施形態では、マイクロスフェアは、磁性である。一部の実施形態では、マイクロスフェアは、ガラスである。一部の実施形態では、マイクロスフェアは、ポリスチレンでできている。一部の実施形態では、マイクロスフェアは、シリカベースである。一部の実施形態では、基材は、内側表面を有するアレイであり、例えば、ストロー、チューブ、キャピラリー、円柱状またはマイクロ流体チャンバーアレイである。一部の実施形態では、基材は、複数のストロー、キャピラリー、チューブ、シリンダーまたはチャンバーを含む。
【0137】
gNAをコードする核酸の収集物
gNA(例えば、gRNAまたはgDNA)をコードする核酸の収集物(ライブラリーと互換的に称される)が、本明細書に提供される。一部の実施形態では、コードするとは、gNAが、gNAをコードする核酸の転写に起因することを意味する。一部の実施形態では、コードするとは、核酸が、gNAの転写のための鋳型であることを意味する。
【0138】
本明細書で使用するように、gNAをコードする核酸の収集物は、少なくとも102個の特異な(unique)核酸を含有する核酸の混合物を意味する。一部の実施形態では、gNAをコードする核酸の収集物は、少なくとも102、少なくとも103、少なくとも104、少なくとも105、少なくとも106、少なくとも107、少なくとも108、少なくとも109、少なくとも1010個の特異なgNAをコードする核酸を含有する。一部の実施形態では、gNAをコードする核酸の収集物は、総計で少なくとも102、少なくとも103、少なくとも104、少なくとも105、少なくとも106、少なくとも107、少なくとも108、少なくとも109、少なくとも1010個の、gNAをコードする核酸を含有する。
【0139】
一部の実施形態では、gNAをコードする核酸の収集物は、調節領域を含む第1のセグメントと;標的化配列を含む第2のセグメントと;核酸ガイド化ヌクレアーゼ系(例えば、CRISPR/Cas系)タンパク質結合配列をコードする核酸を含む第3のセグメントとを含み、収集物中の核酸の少なくとも10%のサイズが変動する。
【0140】
一部の実施形態では、第1、第2および第3のセグメントは、5’から3’への順序である。
【0141】
一部の実施形態では、第1、第2および第3のセグメントは、5’から3’への順序で、第1のセグメント、第3のセグメント、次いで第2のセグメントを配置される。
【0142】
一部の実施形態では、gNAをコードする核酸は、DNAを含む。一部の実施形態では、第1のセグメントは、一本鎖DNAである。一部の実施形態では、第1のセグメントは、二本鎖DNAである。一部の実施形態では、第2のセグメントは、一本鎖DNAである。一部の実施形態では、第3のセグメントは、一本鎖DNAである。一部の実施形態では、第2のセグメントは、二本鎖DNAである。一部の実施形態では、第3のセグメントは、二本鎖DNAである。
【0143】
一部の実施形態では、gNAをコードする核酸は、RNAを含む。
【0144】
一部の実施形態では、gNAをコードする核酸は、DNAおよびRNAを含む。
【0145】
一部の実施形態では、調節領域は、転写因子に結合することができる領域である。一部の実施形態では、調節領域は、プロモーターを含む。一部の実施形態では、プロモーターは、T7、SP6およびT3からなる群から選択される。
【0146】
一部の実施形態では、収集物中の第2のセグメント(標的化配列)のサイズは、gNAの収集物にわたって15~250bp、または30~100bp、または22~30bp、または15~50bp、または15~75bp、または15~100bp、または15~125bp、または15~150bp、または15~175bp、または15~200bp、または15~225bp、または15~250bp、または22~50bp、または22~75bp、または22~100bp、または22~125bp、または22~150bp、または22~175bp、または22~200bp、または22~225bp、または22~250bp変動する。
【0147】
一部の実施形態では、収集物中の第2のセグメントの少なくとも10%、または少なくとも15%、または少なくとも(at last)20%、または少なくとも25%、または少なくとも30%、または少なくとも35%、または少なくとも40%、または少なくとも45%、または少なくとも50%、または少なくとも55%、または少なくとも60%、または少なくとも65%、または少なくとも70%、または少なくとも75%、または少なくとも80%、または少なくとも85%、または少なくとも90%、または少なくとも95%、または100%は、20bpを超えるかまたは20bpに等しい。
【0148】
一部の実施形態では、収集物中の第2のセグメントの少なくとも10%、または少なくとも15%、または少なくとも(at last)20%、または少なくとも25%、または少なくとも30%、または少なくとも35%、または少なくとも40%、または少なくとも45%、または少なくとも50%、または少なくとも55%、または少なくとも60%、または少なくとも65%、または少なくとも70%、または少なくとも75%、または少なくとも80%、または少なくとも85%、または少なくとも90%、または少なくとも95%、または100%は、21bpを超える。
【0149】
一部の実施形態では、収集物中の第2のセグメントの少なくとも10%、または少なくとも15%、または少なくとも(at last)20%、または少なくとも25%、または少なくとも30%、または少なくとも35%、または少なくとも40%、または少なくとも45%、または少なくとも50%、または少なくとも55%、または少なくとも60%、または少なくとも65%、または少なくとも70%、または少なくとも75%、または少なくとも80%、または少なくとも85%、または少なくとも90%、または少なくとも95%、または100%は、25bpを超える。
【0150】
一部の実施形態では、収集物中の第2のセグメントの少なくとも10%、または少なくとも15%、または少なくとも(at last)20%、または少なくとも25%、または少なくとも30%、または少なくとも35%、または少なくとも40%、または少なくとも45%、または少なくとも50%、または少なくとも55%、または少なくとも60%、または少なくとも65%、または少なくとも70%、または少なくとも75%、または少なくとも80%、または少なくとも85%、または少なくとも90%、または少なくとも95%、または100%は、30bpを超える。
【0151】
一部の実施形態では、収集物における第2のセグメントの少なくとも10%または少なくとも15%または少なくとも20%または少なくとも25%または少なくとも30%または少なくとも35%または少なくとも40%または少なくとも45%または少なくとも50%または少なくとも55%または少なくとも60%または少なくとも65%または少なくとも70%または少なくとも75%または少なくとも80%または少なくとも85%または少なくとも90%または少なくとも95%または100%は、15~50bpである。
【0152】
一部の実施形態では、収集物における第2のセグメントの少なくとも10%または少なくとも15%または少なくとも20%または少なくとも25%または少なくとも30%または少なくとも35%または少なくとも40%または少なくとも45%または少なくとも50%または少なくとも55%または少なくとも60%または少なくとも65%または少なくとも70%または少なくとも75%または少なくとも80%または少なくとも85%または少なくとも90%または少なくとも95%または100%は、30~100bpである。
【0153】
一部の特定の実施形態では、第2のセグメントのサイズは、20bpではない。
【0154】
一部の特定の実施形態では、第2のセグメントのサイズは、21bpではない。
【0155】
一部の実施形態では、gNAの収集物中のgNAおよび/またはgNAの標的化配列は、特異な5’端を含む。一部の実施形態では、gNAの収集物は、収集物のメンバーにわたる、標的化配列の5’端の配列に可変性を呈する。一部の実施形態では、gNAの収集物は、収集物のメンバーにわたる、標的化配列の5’端の配列に少なくとも5%または少なくとも10%または少なくとも15%または少なくとも20%または少なくとも25%または少なくとも30%または少なくとも35%または少なくとも40%または少なくとも45%または少なくとも50%または少なくとも55%または少なくとも60%または少なくとも65%または少なくとも70%の可変性または少なくとも75%可変性を呈する。
【0156】
一部の実施形態では、核酸の収集物は、標的化配列を含み、目的の標的は、目的のゲノムにわたって、少なくとも1bp毎の、少なくとも2bp毎の、少なくとも3bp毎の、少なくとも4bp毎の、少なくとも5bp毎の、少なくとも6bp毎の、少なくとも7bp毎の、少なくとも8bp毎の、少なくとも9bp毎の、少なくとも10bp毎の、少なくとも11bp毎の、少なくとも12bp毎の、少なくとも13bp毎の、少なくとも14bp毎の、少なくとも15bp毎の、少なくとも16bp毎の、少なくとも17bp毎の、少なくとも18bp毎の、少なくとも19bp毎の、20bp、少なくとも25bp毎の、少なくとも30bp毎の、少なくとも40bp毎の、少なくとも50bp毎の、少なくとも100bp毎の、少なくとも200bp毎の、少なくとも300bp毎の、少なくとも400bp毎の、少なくとも500bp毎の、少なくとも600bp毎の、少なくとも700bp毎の、少なくとも800bp毎の、少なくとも900bp毎の、少なくとも1000bp毎の、少なくとも2500bp毎の、少なくとも5000bp毎の、少なくとも10,000bp毎の、少なくとも15,000bp毎の、少なくとも20,000bp毎の、少なくとも25,000bp毎の、少なくとも50,000bp毎の、少なくとも100,000bp毎の、少なくとも250,000bp毎の、少なくとも500,000bp毎の、少なくとも750,000bp毎のまたはさらには少なくとも1,000,000bp毎の間隔にある。
【0157】
一部の実施形態では、gNAをコードする核酸の収集物は、核酸ガイド化ヌクレアーゼ系(例えば、CRISPR/Cas系)タンパク質結合配列をコードする第3のセグメントを含み、収集物中のこのセグメントは、核酸ガイド化ヌクレアーゼ系(例えば、CRISPR/Cas系)のタンパク質メンバーに対するその特異性が変動する。例えば、本明細書に提供されているgNAをコードする核酸の収集物は、その第3のセグメントが、第1の核酸ガイド化ヌクレアーゼ系(例えば、CRISPR/Cas系)タンパク質に特異的な核酸ガイド化ヌクレアーゼ系(例えば、CRISPR/Cas系)タンパク質結合配列をコードするメンバーを含むことができ;また、その第3のセグメントが、第2の核酸ガイド化ヌクレアーゼ系(例えば、CRISPR/Cas系)タンパク質に特異的な核酸ガイド化ヌクレアーゼ系(例えば、CRISPR/Cas系)タンパク質結合配列をコードするメンバーも含み、この場合、第1および第2の核酸ガイド化ヌクレアーゼ系(例えば、CRISPR/Cas系)タンパク質は、同じものではない。一部の実施形態では、本明細書に提供されているgNAをコードする核酸の収集物は、少なくとも1、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19またはさらには少なくとも20種の核酸ガイド化ヌクレアーゼ系(例えば、CRISPR/Cas系)タンパク質に対する特異性を呈するメンバーを含む。特異的な一実施形態では、本明細書に提供されているgNAをコードする核酸の収集物は、Cas9タンパク質、ならびにCpf1、Cas3、Cas8a~c、Cas10、Cse1、Csy1、Csn2、Cas4、Csm2およびCm5からなる群から選択される別のタンパク質に対する特異性を呈するメンバーを含む。一部の実施形態では、第1および第2の核酸ガイド化ヌクレアーゼ系タンパク質に特異的な核酸ガイド化ヌクレアーゼ系タンパク質結合配列は、両者共に、標的化配列を含む第1のNAセグメントの5’にある。一部の実施形態では、第1および第2の核酸ガイド化ヌクレアーゼ系タンパク質に特異的な核酸ガイド化ヌクレアーゼ系タンパク質結合配列は、両者共に、標的化配列を含む第1のNAセグメントの3’にある。一部の実施形態では、第1の核酸ガイド化ヌクレアーゼ系(例えば、CRISPR/Cas系)タンパク質に特異的な核酸ガイド化ヌクレアーゼ系タンパク質結合配列は、標的化配列を含む第1のNAセグメントの5’にあり、第2の核酸ガイド化ヌクレアーゼ系タンパク質に特異的な第2の核酸ガイド化ヌクレアーゼ系タンパク質結合配列は、標的化配列を含む第1のNAセグメントの3’にある。標的化配列を含む第1のNAセグメントおよび核酸ガイド化ヌクレアーゼ系タンパク質結合配列を含む第2のNAセグメントの順序は、核酸ガイド化ヌクレアーゼ系タンパク質に依存する。第1および第2のNAセグメントの適切な5’から3’への配置、ならびに核酸ガイド化ヌクレアーゼ系タンパク質の選択は、当業者には明らかである。
【0158】
目的の配列
濃縮、枯渇、捕捉、分配、標識、調節および編集を非限定的に含む種々の適用のため、試料における目的の配列の標的化に使用することができる、任意の供給源DNA(例えば、ゲノムDNA、cDNA、人工DNA、DNAライブラリー)に由来するgNAおよびgNAの収集物が、本明細書に提供される。gNAは、目的の配列へと向けられた標的化配列を含む。
【0159】
一部の実施形態では、目的の配列は、ゲノム配列(ゲノムDNA)である。一部の実施形態では、目的の配列は、哺乳動物ゲノム配列である。一部の実施形態では、目的の配列は、真核生物ゲノム配列である。一部の実施形態では、目的の配列は、原核生物ゲノム配列である。一部の実施形態では、目的の配列は、ウイルスゲノム配列である。一部の実施形態では、目的の配列は、細菌ゲノム配列である。一部の実施形態では、目的の配列は、植物ゲノム配列である。一部の実施形態では、目的の配列は、微生物ゲノム配列である。一部の実施形態では、目的の配列は、寄生生物、例えば、真核寄生生物由来のゲノム配列である。一部の実施形態では、目的の配列は、宿主ゲノム配列(例えば、マイクロバイオーム(microbiome)、寄生生物または病原体の宿主生物)である。一部の実施形態では、目的の配列は、豊富なゲノム配列(例えば、試料中の1または複数の最も豊富な種のゲノム由来の配列)である。
【0160】
一部の実施形態では、目的の配列は、反復性DNAを含む。一部の実施形態では、目的の配列は、豊富なDNAを含む。一部の実施形態では、目的の配列は、ミトコンドリアDNAを含む。一部の実施形態では、目的の配列は、リボソームDNAを含む。一部の実施形態では、目的の配列は、セントロメアDNAを含む。一部の実施形態では、目的の配列は、Aluエレメントを含むDNA(Alu DNA)を含む。一部の実施形態では、目的の配列は、長鎖散在核要素(LINE DNA)を含む。一部の実施形態では、目的の配列は、短鎖散在核要素(SINE DNA)を含む。一部の実施形態では、豊富なDNAは、リボソームDNAを含む。
【0161】
一部の実施形態では、目的の配列は、一塩基多型(SNP)、短いタンデム反復(STR)、がん遺伝子、挿入、欠失、構造的変種、エクソン、遺伝的突然変異または調節領域を含む。
【0162】
一部の実施形態では、目的の配列は、ゲノムの領域を含むゲノム断片、または全ゲノムそれ自体であり得る。一実施形態では、ゲノムはDNAゲノムである。別の実施形態では、ゲノムはRNAゲノムである。
【0163】
一部の実施形態では、目的の配列は、真核生物または原核生物の生物体;哺乳動物の生物体または非哺乳動物の生物体;動物または植物;細菌またはウイルス;動物寄生生物;または病原体からである。
【0164】
一部の実施形態では、目的の配列は、任意の哺乳動物の生物体からである。一実施形態では、哺乳動物はヒトである。別の実施形態では、哺乳動物は畜産動物、例えばウマ、ヒツジ、ウシ、ブタまたはロバである。別の実施形態では、哺乳動物の生物体は、家庭用ペット、例えばネコ、イヌ、スナネズミ、マウス、ラットである。別の実施形態では、哺乳動物はサルの一種である。
【0165】
一部の実施形態では、目的の配列は、任意のトリまたは鳥類の生物体からである。鳥類の生物体には、ニワトリ、シチメンチョウ、カモおよびガチョウが限定されずに含まれる。
【0166】
一部の実施形態では、目的の配列は、昆虫に由来する。昆虫として、ミツバチ、単生バチ、アリ、ハエ、スズメバチまたは蚊が挙げられるがこれらに限定されない。
【0167】
一部の実施形態では、目的の配列は、植物からである。一実施形態では、植物は、イネ、トウモロコシ、コムギ、バラ、ブドウ、コーヒー、果実、トマト、ジャガイモまたはワタである。
【0168】
一部の実施形態では、目的の配列は、細菌の種からである。一実施形態では、細菌は、結核を引き起こす細菌である。
【0169】
一部の実施形態では、目的の配列は、ウイルスからである。
【0170】
一部の実施形態では、目的の配列は、真菌類の種からである。
【0171】
一部の実施形態では、目的の配列は、藻類の種からである。
【0172】
一部の実施形態では、目的の配列は、任意の哺乳動物寄生生物からである。
【0173】
一部の実施形態では、目的の配列は、任意の哺乳動物寄生生物から得られる。一実施形態では、寄生生物は虫である。別の実施形態では、寄生生物は、マラリアを引き起こす寄生生物である。別の実施形態では、寄生生物は、リーシュマニア症を引き起こす寄生生物である。別の実施形態では、寄生生物はアメーバである。
【0174】
一部の実施形態では、目的の配列は、病原体からである。
【0175】
標的化配列
本明細書で使用するように、標的化配列は、gNAを試料中の目的の配列に向ける配列である。例えば、標的化配列は、特定の目的の配列を標的とし、例えば、標的化配列は、目的のゲノム配列を標的とする。
【0176】
標的化配列を含むセグメントを含むgNAおよびgNAの収集物が、本明細書に提供される。標的化配列をコードするセグメントを含むgNAをコードする核酸およびgNAをコードする核酸の収集物も、本明細書に提供される。
【0177】
一部の実施形態では、標的化配列は、DNAを含む。
【0178】
一部の実施形態では、標的化配列は、RNAを含む。
【0179】
一部の実施形態では、標的化配列は、RNAを含み、RNAが、チミンの代わりにウラシルを含むことを除いて、目的の配列におけるPAM配列に対し5’にある配列に対し、少なくとも70%配列同一性、少なくとも75%配列同一性、少なくとも80%配列同一性、少なくとも85%配列同一性、少なくとも90%配列同一性、少なくとも95%配列同一性を共有する、または100%配列同一性を共有する。一部の実施形態では、標的化配列は、RNAを含み、RNAが、チミンの代わりにウラシルを含むことを除いて、目的の配列上のPAM配列に対し3’にある配列に対し、少なくとも70%配列同一性、少なくとも75%配列同一性、少なくとも80%配列同一性、少なくとも85%配列同一性、少なくとも90%配列同一性、少なくとも95%配列同一性を共有する、または100%配列同一性を共有する。一部の実施形態では、PAM配列は、AGG、CGG、TGG、GGGまたはNAGである。一部の実施形態では、PAM配列は、TTN、TCNまたはTGNである。
【0180】
一部の実施形態では、標的化配列は、DNAを含み、目的の配列上のPAM配列に対し5’にある配列に対し、少なくとも70%配列同一性、少なくとも75%配列同一性、少なくとも80%配列同一性、少なくとも85%配列同一性、少なくとも90%配列同一性、少なくとも95%配列同一性を共有する、または100%配列同一性を共有する。一部の実施形態では、標的化配列は、DNAを含み、目的の配列上のPAM配列に対し3’にある配列に対し、少なくとも70%配列同一性、少なくとも75%配列同一性、少なくとも80%配列同一性、少なくとも85%配列同一性、少なくとも90%配列同一性、少なくとも95%配列同一性を共有する、または100%配列同一性を共有する。
【0181】
一部の実施形態では、標的化配列は、RNAを含み、PAM配列に対し5’にあるヌクレオチドの配列の反対の鎖に対し相補的である。一部の実施形態では、標的化配列は、PAM配列に対し5’にあるヌクレオチドの配列の反対の鎖に対し、少なくとも70%相補的、少なくとも75%相補的、少なくとも80%相補的、少なくとも85%相補的、少なくとも90%相補的、少なくとも95%相補的である、または100%相補的である。一部の実施形態では、標的化配列は、RNAを含み、PAM配列に対し3’にあるヌクレオチドの配列の反対の鎖に対し相補的である。一部の実施形態では、標的化配列は、PAM配列に対し3’にあるヌクレオチドの配列の反対の鎖に対し、少なくとも70%相補的、少なくとも75%相補的、少なくとも80%相補的、少なくとも85%相補的、少なくとも90%相補的、少なくとも95%相補的である、または100%相補的である。一部の実施形態では、PAM配列は、AGG、CGG、TGG、GGGまたはNAGである。一部の実施形態では、PAM配列は、TTN、TCNまたはTGNである。
【0182】
一部の実施形態では、標的化配列は、DNAを含み、PAM配列に対し5’にあるヌクレオチドの配列の反対の鎖に対し相補的である。一部の実施形態では、標的化配列は、PAM配列に対し5’にあるヌクレオチドの配列の反対の鎖に対し、少なくとも70%相補的、少なくとも75%相補的、少なくとも80%相補的、少なくとも85%相補的、少なくとも90%相補的、少なくとも95%相補的である、または100%相補的である。一部の実施形態では、標的化配列は、DNAを含み、PAM配列に対し3’にあるヌクレオチドの配列の反対の鎖に対し相補的である。一部の実施形態では、標的化配列は、PAM配列に対し3’にあるヌクレオチドの配列の反対の鎖に対し、少なくとも70%相補的、少なくとも75%相補的、少なくとも80%相補的、少なくとも85%相補的、少なくとも90%相補的、少なくとも95%相補的である、または100%相補的である。一部の実施形態では、PAM配列は、AGG、CGG、TGG、GGGまたはNAGである。一部の実施形態では、PAM配列は、TTN、TCNまたはTGNである。
【0183】
一部の実施形態では、gRNAの標的化配列をコードするDNAは、PAM配列に対し5’にあるヌクレオチドの配列の反対の鎖に対し、少なくとも70%配列同一性、少なくとも75%配列同一性、少なくとも80%配列同一性、少なくとも85%配列同一性、少なくとも90%配列同一性、少なくとも95%配列同一性を共有する、または100%配列同一性を共有する。一部の実施形態では、gRNAの標的化配列をコードするDNAは、PAM配列に対し3’にあるヌクレオチドの配列の反対の鎖に対し、少なくとも70%配列同一性、少なくとも75%配列同一性、少なくとも80%配列同一性、少なくとも85%配列同一性、少なくとも90%配列同一性、少なくとも95%配列同一性を共有する、または100%配列同一性を共有する。一部の実施形態では、PAM配列は、AGG、CGG、TGG、GGGまたはNAGである。一部の実施形態では、PAM配列は、TTN、TCNまたはTGNである。
【0184】
一部の実施形態では、gRNAの標的化配列をコードするDNAは、PAM配列に対し5’にあるヌクレオチドの配列の反対の鎖に対し相補的であり、目的の配列におけるPAM配列に対し5’にある配列に対し、少なくとも70%相補的、少なくとも75%相補的、少なくとも80%相補的、少なくとも85%相補的、少なくとも90%相補的、少なくとも95%相補的である、または100%相補的である。一部の実施形態では、gRNAの標的化配列をコードするDNAは、PAM配列に対し5’にあるヌクレオチドの配列の反対の鎖に対し相補的であり、目的の配列上のPAM配列に対し3’にある配列に対し、少なくとも70%相補的、少なくとも75%相補的、少なくとも80%相補的、少なくとも85%相補的、少なくとも90%相補的、少なくとも95%相補的である、または100%相補的である。一部の実施形態では、PAM配列は、AGG、CGG、TGG、GGGまたはNAGである。一部の実施形態では、PAM配列は、TTN、TCNまたはTGNである。
【0185】
異なるCRISPR/Cas系タンパク質は、異なるPAM配列を認識する。PAM配列は、標的化配列の5’または3’に位置することができる。例えば、Cas9は、標的化配列の3’末端に直に位置するNGG PAMを認識することができる。Cpf1は、標的化配列の5’末端に直に位置するTTN PAMを認識することができる。全てのCRISPR/Cas系タンパク質によって認識される全てのPAM配列が、本発明の範囲内にあるものとして想定される。当業者には、いずれのPAM配列が、特定のCRISPR/Cas系タンパク質と適合性であるか容易に明らかとなる。
【0186】
核酸ガイド化ヌクレアーゼ系タンパク質
核酸ガイド化ヌクレアーゼ系(例えば、CRISPR/Cas系)タンパク質結合配列を含むセグメントを含む、gNAおよびgNAの収集物が、本明細書に提供される。核酸ガイド化ヌクレアーゼ系(例えば、CRISPR/Cas系)タンパク質結合配列をコードするセグメントを含む、gNAをコードする核酸およびgNAをコードする核酸の収集物も、本明細書に提供される。核酸ガイド化ヌクレアーゼ系は、RNAガイド化ヌクレアーゼ系であってよい。核酸ガイド化ヌクレアーゼ系は、DNAガイド化ヌクレアーゼ系であってよい。
【0187】
本開示の方法は、核酸ガイド化ヌクレアーゼを利用し得る。本明細書で使用する場合、「核酸ガイド化ヌクレアーゼ」は、DNA、RNAまたはDNA/RNAハイブリッドを切断し、特異性を付与するために1つまたは複数の核酸ガイド核酸(gNA)を使用する任意のヌクレアーゼである。核酸ガイド化ヌクレアーゼには、CRISPR/Cas系タンパク質ならびに非CRISPR/Cas系タンパク質が含まれる。
【0188】
本明細書で提供される核酸ガイド化ヌクレアーゼは、DNAによって誘導されるDNAヌクレアーゼ;DNAによって誘導されるRNAヌクレアーゼ;RNAによって誘導されるDNAヌクレアーゼ;またはRNAによって誘導されるRNAヌクレアーゼであってよい。ヌクレアーゼはエンドヌクレアーゼであり得る。ヌクレアーゼは、エキソヌクレアーゼであり得る。一実施形態では、核酸ガイド化ヌクレアーゼは、核酸ガイド化DNAエンドヌクレアーゼである。一実施形態では、核酸ガイド化ヌクレアーゼは、核酸ガイド化RNAエンドヌクレアーゼである。
【0189】
核酸ガイド化ヌクレアーゼ系タンパク質結合配列は、核酸ガイド化ヌクレアーゼ系の任意のタンパク質メンバーに結合する核酸配列である。例えば、CRISPR/Cas系タンパク質結合配列は、CRISPR/Cas系の任意のタンパク質メンバーに結合する核酸配列である。
【0190】
一部の実施形態では、核酸ガイド化ヌクレアーゼは、CASクラスI I型、CASクラスI III型、CASクラスI IV型、CASクラスII II型およびCASクラスII V型からなる群から選択される。一部の実施形態では、CRISPR/Cas系タンパク質は、CRISPR I型系、CRISPR II型系およびCRISPR III型系由来のタンパク質を含む。一部の実施形態では、核酸ガイド化ヌクレアーゼは、Cas9、Cpf1、Cas3、Cas8a~c、Cas10、Cse1、Csy1、Csn2、Cas4、Csm2、Cm5、Csf1、C2c2およびNgAgoからなる群から選択される。
【0191】
一部の実施形態では、核酸ガイド化ヌクレアーゼ系タンパク質(例えば、CRISPR/Cas系タンパク質)は、任意の細菌または古細菌種由来であってよい。
一部の実施形態では、核酸ガイド化ヌクレアーゼ系タンパク質(例えば、CRISPR/Cas系タンパク質)は、Streptococcus pyogenes、Staphylococcus aureus、Neisseria meningitidis、Streptococcus thermophiles、Treponema denticola、Francisella tularensis、Pasteurella multocida、Campylobacter jejuni、Campylobacter lari、Mycoplasma gallisepticum、Nitratifractor salsuginis、Parvibaculum lavamentivorans、Roseburia intestinalis、Neisseria cinerea、Gluconacetobacter diazotrophicus、Azospirillum、Sphaerochaeta globus、Flavobacterium columnare、Fluviicola taffensis、Bacteroides coprophilus、Mycoplasma mobile、Lactobacillus farciminis、Streptococcus pasteurianus、Lactobacillus johnsonii、Staphylococcus pseudintermedius、Filifactor alocis、Legionella pneumophila、Suterella wadsworthensis、Corynebacter diphtheria、Acidaminococcus、Lachnospiraceae bacteriumまたはPrevotella由来の核酸ガイド化ヌクレアーゼ系タンパク質(例えば、CRISPR/Cas系タンパク質)由来であるまたはこれに由来する。
【0192】
一部の実施形態では、核酸ガイド化ヌクレアーゼ系(例えば、CRISPR/Cas系)タンパク質の例は、天然に存在するまたは操作されたバージョンであってよい。
【0193】
一部の実施形態では、天然に存在する核酸ガイド化ヌクレアーゼ系(例えば、CRISPR/Cas系)タンパク質は、Cas9、Cpf1、Cas3、Cas8a~c、Cas10、Cse1、Csy1、Csn2、Cas4、Csm2およびCm5を含む。斯かるタンパク質の操作されたバージョンを用いることもできる。
【0194】
一部の実施形態では、核酸ガイド化ヌクレアーゼ系(例えば、CRISPR/Cas系)タンパク質の操作された例は、触媒活性がない核酸ガイド化ヌクレアーゼ系タンパク質を含む。用語「触媒活性がない」は一般に、失活したヌクレアーゼ(例えば、HNHおよびRuvCヌクレアーゼ)を有する核酸ガイド化ヌクレアーゼ系タンパク質を指す。斯かるタンパク質は、任意の核酸における標的部位に結合することができる(標的部位が、ガイドNAによって決定される場合)が、このタンパク質は、標的核酸(例えば、二本鎖DNA)を切断するまたはこれにニックを入れることができない。一部の実施形態では、核酸ガイド化ヌクレアーゼ系の触媒活性がないタンパク質は、触媒活性がないCas9(dCas9)等、触媒活性がないCRISPR/Cas系タンパク質である。したがって、dCas9は、混合物を非結合核酸およびdCas9結合断片へと分離することを可能にする。一実施形態では、dCas9/gRNA複合体は、gRNA配列によって決定される標的に結合する。結合したdCas9は、他のマニピュレーションを進める間、Cas9による切断を防止することができる。別の実施形態では、dCas9は、トランスポサーゼ等、別の酵素に融合して、該酵素の活性を特異的部位へと標的化することができる。天然に存在する触媒活性がない核酸ガイド化ヌクレアーゼ系タンパク質を用いることもできる。
【0195】
一部の実施形態では、核酸ガイド化ヌクレアーゼ(例えば、CRISPR/Cas)系タンパク質の操作された例は、核酸ガイド化ニッカーゼ(例えば、Casニッカーゼ)も含む。核酸ガイド化ニッカーゼは、単一の不活性触媒ドメインを含有する、核酸ガイド化ヌクレアーゼ系タンパク質の改変バージョンを指す。一実施形態では、核酸ガイド化ニッカーゼは、Cas9ニッカーゼ等、Casニッカーゼである。Cas9ニッカーゼは、単一の不活性触媒ドメイン、例えば、RuvC-またはHNH-ドメインのいずれかを含有することができる。1個のみの活性ヌクレアーゼドメインにより、Cas9ニッカーゼは、標的DNAの一方の鎖のみを切断し、一本鎖切断または「ニック」を作製する。どちらの突然変異体が使用されるかに応じて、ガイドNAハイブリダイズ鎖または非ハイブリダイズ鎖を切断することができる。反対の鎖を標的とする2個のgNAに結合した核酸ガイド化ニッカーゼは、標的二本鎖DNAに二本鎖切断を作製する。この「二重ニッカーゼ」戦略は、両方の核酸ガイド化ヌクレアーゼ/gNA(例えば、Cas9/gRNA)複合体が、二本鎖切断が形成される前に、部位に特異的に結合することを必要とするため、切断の特異性を増加させることができる。天然に存在するニッカーゼ核酸ガイド化ヌクレアーゼ系タンパク質を用いることもできる。
【0196】
一部の実施形態では、核酸ガイド化ヌクレアーゼ系タンパク質の操作された例は、核酸ガイド化ヌクレアーゼ系融合タンパク質も含む。例えば、核酸ガイド化ヌクレアーゼ(例えば、CRISPR/Cas)系タンパク質は、別のタンパク質、例えば、活性化因子、リプレッサー、ヌクレアーゼ、蛍光分子、放射性タグまたはトランスポサーゼに融合されてよい。
【0197】
一部の実施形態では、核酸ガイド化ヌクレアーゼ系タンパク質結合配列は、gNA(例えば、gRNA)ステムループ配列を含む。
【0198】
異なるCRISPR/Cas系タンパク質は、異なる核酸ガイド化ヌクレアーゼ系タンパク質結合配列と適合性である。当業者には、いずれのCRISPR/Cas系タンパク質が、いずれの核酸ガイド化ヌクレアーゼ系タンパク質結合配列と適合性であるか容易に明らかとなる。
【0199】
一部の実施形態では、gNA(例えば、gRNA)ステムループ配列をコードする二本鎖DNA配列は、一方の鎖に次のDNA配列(5’>3’、GTTTTAGAGCTAGAAATAGCAAGTTAAAATAAGGCTAGTCCGTTATCAACTTGAAAAAGTGGCACCGAGTCGGTGCTTTTTTT)を、他方の鎖にその逆相補的DNA(5’>3’、AAAAAAAGCACCGACTCGGTGCCACTTTTTCAAGTTGATAACGGACTAGCCTTATTTTAACTTGCTATTTCTAGCTCTAAAAC)を含む。
【0200】
一部の実施形態では、gNA(例えば、gRNA)ステムループ配列をコードする一本鎖DNA配列は、次のDNA配列:(5’>3’、AAAAAAAGCACCGACTCGGTGCCACTTTTTCAAGTTGATAACGGACTAGCCTTATTTTAACTTGCTATTTCTAGCTCTAAAAC)を含み、この一本鎖DNAは、転写鋳型として働く。
【0201】
一部の実施形態では、gNA(例えば、gRNA)ステムループ配列は、次のRNA配列:(5’>3’、GUUUUAGAGCUAGAAAUAGCAAGUUAAAAUAAGGCUAGUCCGUUAUCAACUUGAAAAAGUGGCACCGAGUCGGUGCUUUUUUU)を含む。
【0202】
一部の実施形態では、gNA(例えば、gRNA)ステムループ配列をコードする二本鎖DNA配列は、一方の鎖に次のDNA配列(5’>3’、GTTTTAGAGCTATGCTGGAAACAGCATAGCAAGTTAAAATAAGGCTAGTCCGTTATCAACTTGAAAAAGTGGCACCGAGTCGGTGCTTTTTTTC)を、他方の鎖にその逆相補的DNA(5’>3’、GAAAAAAAGCACCGACTCGGTGCCACTTTTTCAAGTTGATAACGGACTAGCCTTATTTTAACTTGCTATGCTGTTTCCAGCATAGCTCTAAAAC)を含む。
【0203】
一部の実施形態では、gNA(例えば、gRNA)ステムループ配列をコードする一本鎖DNA配列は、次のDNA配列:(5’>3’、GAAAAAAAGCACCGACTCGGTGCCACTTTTTCAAGTTGATAACGGACTAGCCTTATTTTAACTTGCTATGCTGTTTCCAGCATAGCTCTAAAAC)を含み、この一本鎖DNAは、転写鋳型として働く。
【0204】
一部の実施形態では、gNA(例えば、gRNA)ステムループ配列は、次のRNA配列:(5’>3’、GUUUUAGAGCUAUGCUGGAAACAGCAUAGCAAGUUAAAAUAAGGCUAGUCCGUUAUCAACUUGAAAAAGUGGCACCGAGUCGGUGCUUUUUUUC)を含む。
【0205】
一部の実施形態では、CRISPR/Cas系タンパク質は、Cpf1タンパク質である。一部の実施形態では、Cpf1タンパク質は、Francisella属の種またはAcidaminococcus属の種から単離されるまたはこれに由来する。一部の実施形態では、gNA(例えば、gRNA)CRISPR/Cas系タンパク質結合配列は、次のRNA配列を含む:(5’>3’、AAUUUCUACUGUUGUAGAU)。
【0206】
一部の実施形態では、CRISPR/Cas系タンパク質は、Cpf1タンパク質である。一部の実施形態では、Cpf1タンパク質は、Francisella属の種またはAcidaminococcus属の種から単離されるまたはこれに由来する。一部の実施形態では、gNA(例えば、gRNA)CRISPR/Cas系タンパク質結合配列をコードするDNA配列は、次のDNA配列を含む:(5’>3’、AATTTCTACTGTTGTAGAT)。一部の実施形態では、DNAは、一本鎖である。一部の実施形態では、DNAは、二本鎖である。
【0207】
一部の実施形態では、調節領域を含む第1のセグメントと;標的化配列をコードする第2のセグメントと;核酸ガイド化ヌクレアーゼ(例えば、CRISPR/Cas)系タンパク質結合配列をコードする核酸を含む第3のセグメントとを含むgNA(例えば、gRNA)をコードする核酸が、本明細書に提供されている。一部の実施形態では、第3のセグメントは、転写後に、NA(例えば、RNA)ステムループ配列を生じる、単一の転写構成成分を含む。一部の実施形態では、gNA(例えば、gRNA)ステムループ配列をコードする単一の転写構成成分を含む第3のセグメントは、二本鎖であり、一方の鎖に次のDNA配列(5’>3’、GTTTTAGAGCTAGAAATAGCAAGTTAAAATAAGGCTAGTCCGTTATCAACTTGAAAAAGTGGCACCGAGTCGGTGCTTTTTTT)を、他方の鎖にその逆相補的DNA(5’>3’、AAAAAAAGCACCGACTCGGTGCCACTTTTTCAAGTTGATAACGGACTAGCCTTATTTTAACTTGCTATTTCTAGCTCTAAAAC)を含む。一部の実施形態では、gNA(例えば、gRNA)ステムループ配列をコードする単一の転写構成成分を含む第3のセグメントは、一本鎖であり、次のDNA配列:(5’>3’、AAAAAAAGCACCGACTCGGTGCCACTTTTTCAAGTTGATAACGGACTAGCCTTATTTTAACTTGCTATTTCTAGCTCTAAAAC)を含み、この一本鎖DNAは、転写鋳型として働く。一部の実施形態では、単一の転写構成成分からの転写後に、その結果生じるgNA(例えば、gRNA)ステムループ配列は、次のRNA配列:(5’>3’、GUUUUAGAGCUAGAAAUAGCAAGUUAAAAUAAGGCUAGUCCGUUAUCAACUUGAAAAAGUGGCACCGAGUCGGUGCUUUUUUU)を含む。一部の実施形態では、gNA(例えば、gRNA)ステムループ配列をコードする単一の転写構成成分を含む第3のセグメントは、二本鎖であり、一方の鎖に次のDNA配列(5’>3’、GTTTTAGAGCTATGCTGGAAACAGCATAGCAAGTTAAAATAAGGCTAGTCCGTTATCAACTTGAAAAAGTGGCACCGAGTCGGTGCTTTTTTTC)を、他方の鎖にその逆相補的DNA(5’>3’、GAAAAAAAGCACCGACTCGGTGCCACTTTTTCAAGTTGATAACGGACTAGCCTTATTTTAACTTGCTATGCTGTTTCCAGCATAGCTCTAAAAC)を含む。一部の実施形態では、gNA(例えば、gRNA)ステムループ配列をコードする単一の転写構成成分を含む第3のセグメントは、一本鎖であり、次のDNA配列:(5’>3’、GAAAAAAAGCACCGACTCGGTGCCACTTTTTCAAGTTGATAACGGACTAGCCTTATTTTAACTTGCTATGCTGTTTCCAGCATAGCTCTAAAAC)を含み、この一本鎖DNAは、転写鋳型として働く。一部の実施形態では、単一の転写構成成分からの転写後に、生じたgRNAステムループ配列は、次のRNA配列:(5’>3’、GUUUUAGAGCUAUGCUGGAAACAGCAUAGCAAGUUAAAAUAAGGCUAGUCCGUUAUCAACUUGAAAAAGUGGCACCGAGUCGGUGCUUUUUUUC)を含む。一部の実施形態では、第3のセグメントは、転写後のcrRNAおよびtracrRNAをコードする2個のサブセグメントを含む。一部の実施形態では、crRNAは、認識部位(例えば、N20配列)、およびtracrRNAとハイブリダイズすることができる余分な配列を含まない。一部の実施形態では、crRNAは、tracrRNAとハイブリダイズすることができる余分な配列を含む。一部の実施形態では、2個のサブセグメントは、独立して転写される。一部の実施形態では、2個のサブセグメントは、単一の単位として転写される。一部の実施形態では、crRNAをコードするDNAは、N標的GTTTTAGAGCTATGCTGTTTTGを含み、式中、N標的は、標的化配列を表す。一部の実施形態では、tracrRNAをコードするDNAは、配列、GGAACCATTCAAAACAGCATAGCAAGTTAAAATAAGGCTAGTCCGTTATCAACTTGAAAAAGTGGCACCGAGTCGGTGCTTTTTTTを含む。
【0208】
一部の実施形態では、調節領域を含む第1のセグメントと;標的化配列をコードする第2のセグメントと;核酸ガイド化ヌクレアーゼ(例えば、CRISPR/Cas)系タンパク質結合配列をコードする核酸を含む第3のセグメントとを含むgNA(例えば、gRNA)をコードする核酸が、本明細書に提供されている。一部の実施形態では、第3のセグメントは、転写後に、核酸ガイド化ヌクレアーゼ(例えば、CRISPR/Cas)系タンパク質に結合することができるgRNAステムループ配列を生じるDNA配列を含む。一実施形態では、DNA配列は、二本鎖であってよい。一部の実施形態では、第3のセグメント二本鎖DNAは、一方の鎖に次のDNA配列(5’>3’、GTTTTAGAGCTAGAAATAGCAAGTTAAAATAAGGCTAGTCCGTTATCAACTTGAAAAAGTGGCACCGAGTCGGTGCTTTTTTT)を、他方の鎖にその逆相補的DNA(5’>3’、AAAAAAAGCACCGACTCGGTGCCACTTTTTCAAGTTGATAACGGACTAGCCTTATTTTAACTTGCTATTTCTAGCTCTAAAAC)を含む。一部の実施形態では、第3のセグメント二本鎖DNAは、一方の鎖に次のDNA配列(5’>3’、GTTTTAGAGCTATGCTGGAAACAGCATAGCAAGTTAAAATAAGGCTAGTCCGTTATCAACTTGAAAAAGTGGCACCGAGTCGGTGCTTTTTTTC)を、他方の鎖にその逆相補的DNA(5’>3’、GAAAAAAAGCACCGACTCGGTGCCACTTTTTCAAGTTGATAACGGACTAGCCTTATTTTAACTTGCTATGCTGTTTCCAGCATAGCTCTAAAAC)を含む。一実施形態では、DNA配列は、一本鎖であってよい。一部の実施形態では、第3のセグメント一本鎖DNAは、次のDNA配列(5’>3’、AAAAAAAGCACCGACTCGGTGCCACTTTTTCAAGTTGATAACGGACTAGCCTTATTTTAACTTGCTATTTCTAGCTCTAAAAC)を含み、この一本鎖DNAは、転写鋳型として働く。一部の実施形態では、第3のセグメント一本鎖DNAは、次のDNA配列(5’>3’、GAAAAAAAGCACCGACTCGGTGCCACTTTTTCAAGTTGATAACGGACTAGCCTTATTTTAACTTGCTATGCTGTTTCCAGCATAGCTCTAAAAC)を含み、この一本鎖DNAは、転写鋳型として働く。一部の実施形態では、第3のセグメントは、転写後に、第2のRNA配列とハイブリッドを形成することができる第1のRNA配列を生じるDNA配列を含み、このハイブリッドは、CRISPR/Cas系タンパク質結合が可能である。一部の実施形態では、第3のセグメントは、一方の鎖にDNA配列:(5’>3’、GTTTTAGAGCTATGCTGTTTTG)を、他方の鎖にその逆相補的DNA配列:(5’>3’、CAAAACAGCATAGCTCTAAAAC)を含む二本鎖DNAである。一部の実施形態では、第3のセグメントは、(5’>3’、CAAAACAGCATAGCTCTAAAAC)のDNA配列を含む一本鎖DNAである。一部の実施形態では、第2のセグメントおよび第3のセグメントは共に、crRNA配列をコードする。一部の実施形態では、gRNAをコードする核酸の第3のセグメントによってコードされる第1のRNA配列とハイブリッドを形成することができる第2のRNA配列は、tracrRNAである。一部の実施形態では、tracrRNAは、配列(5’>3’、GGAACCAUUCAAAACAGCAUAGCAAGUUAAAAUAAGGCUAGUCCGUUAUCAACUUGAAAAAGUGGCACCGAGUCGGUGCUUUUUUU)を含む。一部の実施形態では、tracrRNAは、(5’>3’、GGAACCATTCAAAACAGCATAGCAAGTTAAAATAAGGCTAGTCCGTTATCAACTTGAAAAAGTGGCACCGAGTCGGTGCTTTTTTT)の配列を含む二本鎖DNAによってコードされ、任意選択で、その5’端において調節配列と融合される。一部の実施形態では、調節配列は、転写因子が結合し得る。一部の実施形態では、調節配列は、プロモーターである。一部の実施形態では、調節配列は、(5’>3’、GCCTCGAGCTAATACGACTCACTATAGAG)の配列を含むT7プロモーターである。一部の実施形態では、T7プロモーターは、5’-TAATACGACTCACTATAGG-3’の配列を含む。一部の実施形態では、T7プロモーターは、5’-TAATACGACTCACTATAGGG-3’の配列を含む。
【0209】
一部の実施形態では、gNA(例えば、gRNA)をコードする核酸であって、調節領域を含む第1のセグメントと、標的化配列をコードする第2のセグメントと、核酸ガイド化ヌクレアーゼ(例えば、CRISPR/Cas)系タンパク質結合配列をコードする核酸を含む第3のセグメントとを含む核酸が、本明細書に提供される。一部の実施形態では、例えば、CRISPR/Cas系タンパク質がCpf1系タンパク質である実施形態では、第1、第2および第3のセグメントは、5’から3’に、第1のセグメント(調節領域)、第3のセグメント(核酸ガイド化ヌクレアーゼ系タンパク質結合配列)および第2のセグメント(標的化配列)に配置される。一部の実施形態では、第3のセグメントは、転写後にNA(例えば、RNA)ステムループ配列を生じる、単一の転写される構成成分を含む。一部の実施形態では、gNA(例えば、gRNA)ステムループ配列をコードする、単一の転写される構成成分を含む第3のセグメントは、二本鎖であり、次のDNA配列を一方の鎖に(5’>3’、AATTTCTACTGTTGTAGAT)、その逆相補的DNAを他方の鎖に(5’>3’、ATCTACAACAGTAGAAATT)含む。一部の実施形態では、gNA(例えば、gRNA)ステムループ配列をコードする、単一の転写される構成成分を含む第3のセグメントは、一本鎖であり、次のDNA配列:(5’>3’、ATCTACAACAGTAGAAATT)を含み、一本鎖DNAは、転写鋳型として機能する。一部の実施形態では、単一の転写される構成成分からの転写後に、得られるgNA(例えば、gRNA)ステムループ配列は、次のRNA配列:(5’>3’、AAUUUCUACUGUUGUAGAU)を含む。
【0210】
一部の実施形態では、調節領域を含む第1のセグメントと;標的化配列をコードする第2のセグメントと;核酸ガイド化ヌクレアーゼ(例えば、CRISPR/Cas)系タンパク質結合配列をコードする核酸を含む第3のセグメントとを含むgNAをコードする核酸が、本明細書に提供されている。一部の実施形態では、第3のセグメントは、転写後切断後に、第1のRNAセグメントおよび第2のRNAセグメントを生じる、RNA配列をコードする。一部の実施形態では、第1のRNAセグメントは、crRNAを含み、第2のRNAセグメントは、tracrRNAを含み、これらは、ハイブリッドを形成し、共に、核酸ガイド化ヌクレアーゼ(例えば、CRISPR/Cas)系タンパク質結合をもたらすことができる。一部の実施形態では、第3のセグメントは、第1のRNAセグメントおよび第2のRNAセグメントの転写単位の間にスペーサーをさらに含み、このスペーサーは、酵素切断部位を含む。
【0211】
一部の実施形態では、標的化配列を含む第1のNAセグメントと、核酸ガイド化ヌクレアーゼ(例えば、CRISPR/Cas)系タンパク質結合配列を含む第2のNAセグメントとを含むgNA(例えば、gRNA)が、本明細書に提供されている。一部の実施形態では、第1のセグメントのサイズは、30bpを超える。一部の実施形態では、第2のセグメントは、gRNAステムループ配列を含む単一のセグメントを含む。一部の実施形態では、gRNAステムループ配列は、次のRNA配列:(5’>3’、GUUUUAGAGCUAGAAAUAGCAAGUUAAAAUAAGGCUAGUCCGUUAUCAACUUGAAAAAGUGGCACCGAGUCGGUGCUUUUUUU)を含む。一部の実施形態では、gRNAステムループ配列は、次のRNA配列:(5’>3’、GUUUUAGAGCUAUGCUGGAAACAGCAUAGCAAGUUAAAAUAAGGCUAGUCCGUUAUCAACUUGAAAAAGUGGCACCGAGUCGGUGCUUUUUUUC)を含む。一部の実施形態では、第2のセグメントは、2個のサブセグメントを含み、第1のRNAサブセグメント(crRNA)は第2のRNAサブセグメント(tracrRNA)とハイブリッドを形成し、これらは共に、核酸ガイド化ヌクレアーゼ(例えば、CRISPR/Cas)系タンパク質結合を向けるように作用する。一部の実施形態では、第2のサブセグメントの配列は、GUUUUAGAGCUAUGCUGUUUUGを含む。一部の実施形態では、第1のRNAセグメントおよび第2のRNAセグメントは共に、crRNA配列を形成する。一部の実施形態では、第2のRNAセグメントとハイブリッドを形成する他のRNAは、tracrRNAである。一部の実施形態では、tracrRNAは、5’>3’、GGAACCAUUCAAAACAGCAUAGCAAGUUAAAAUAAGGCUAGUCCGUUAUCAACUUGAAAAAGUGGCACCGAGUCGGUGCUUUUUUUの配列を含む。
【0212】
一部の実施形態では、標的化配列を含む第1のNAセグメントと、核酸ガイド化ヌクレアーゼ(例えば、CRISPR/Cas)系タンパク質結合配列を含む第2のNAセグメントとを含む、gNA(例えば、gRNA)が、本明細書に提供される。一部の実施形態では、例えば、CRISPR/Cas系タンパク質がCpf1系タンパク質である実施形態では、第2のセグメントは、第1のセグメントの5’にある。一部の実施形態では、第1のセグメントのサイズは、20bpである。一部の実施形態では、第1のセグメントのサイズは、20bpを超える。一部の実施形態では、第1のセグメントのサイズは、30bpを超える。一部の実施形態では、第2のセグメントは、gRNAステムループ配列を含む単一のセグメントを含む。一部の実施形態では、gRNAステムループ配列は、次のRNA配列を含む:(5’>3’、AAUUUCUACUGUUGUAGAU)。
【0213】
CRISPR/Cas系核酸ガイド化ヌクレアーゼ
一部の実施形態では、CRISPR/Cas系タンパク質が、本明細書に提供されている実施形態において使用される。一部の実施形態では、CRISPR/Cas系タンパク質は、CRISPR I型系、CRISPR II型系およびCRISPR III型系由来のタンパク質を含む。
【0214】
一部の実施形態では、CRISPR/Cas系タンパク質は、任意の細菌または古細菌種に由来し得る。
【0215】
一部の実施形態では、CRISPR/Cas系タンパク質は、単離される、組換えにより産生されるか、または合成による。
【0216】
一部の実施形態では、CRISPR/Cas系タンパク質は、Streptococcus pyogenes、Staphylococcus aureus、Neisseria meningitidis、Streptococcus thermophiles、Treponema denticola、Francisella tularensis、Pasteurella multocida、Campylobacter jejuni、Campylobacter lari、Mycoplasma gallisepticum、Nitratifractor salsuginis、Parvibaculum lavamentivorans、Roseburia intestinalis、Neisseria cinerea、Gluconacetobacter diazotrophicus、Azospirillum、Sphaerochaeta globus、Flavobacterium columnare、Fluviicola taffensis、Bacteroides coprophilus、Mycoplasma mobile、Lactobacillus farciminis、Streptococcus pasteurianus、Lactobacillus johnsonii、Staphylococcus pseudintermedius、Filifactor alocis、Legionella pneumophila、Suterella wadsworthensis、Corynebacter diphtheria、Acidaminococcus、Lachnospiraceae bacteriumまたはPrevotellaからであるか、またはこれらに由来するCRISPR/Cas系タンパク質に由来する。
【0217】
一部の実施形態では、CRISPR/Cas系タンパク質の例は、天然に存在し得るか、または操作されたバージョンであってよい。
【0218】
一部の実施形態では、天然に存在するCRISPR/Cas系タンパク質は、CASクラスIタイプI、IIIもしくはIV、またはCASクラスIIタイプIIもしくはVに属することができ、Cas9、Cas3、Cas8a~c、Cas10、Cse1、Csy1、Csn2、Cas4、Csm2、Cmr5、Csf1、C2c2およびCpf1を含むことができる。
【0219】
例示的な実施形態では、CRISPR/Cas系タンパク質は、Cas9を含む。
【0220】
例示的な実施形態では、CRISPR/Cas系タンパク質は、Cpf1を含む。
【0221】
「CRISPR/Cas系タンパク質-gNA複合体」は、CRISPR/Cas系タンパク質およびガイドNA(例えば、gRNAまたはgDNA)を含む複合体を指す。gNAがgRNAである場合、gRNAは2つの分子、すなわち標的とハイブリダイズし、配列特異性を提供する1つのRNA(「crRNA」)、およびcrRNAとハイブリダイズすることが可能である1つのRNA「tracrRNA」で構成することができる。あるいは、ガイドRNAは、crRNAおよびtracrRNA配列を含有する単一の分子(すなわち、gRNA)であってよい。あるいは、ガイドRNAは、crRNA配列を含有する単一の分子(すなわち、gRNA)であってよい。
【0222】
CRISPR/Cas系タンパク質は、野生型CRISPR/Cas系タンパク質と少なくとも60%同一(例えば、少なくとも70%、少なくとも80%または90%同一、少なくとも95%同一または少なくとも98%同一、または少なくとも99%同一)であってよい。CRISPR/Cas系タンパク質は、野生型CRISPR/Cas系タンパク質の全ての機能、または、結合活性、ヌクレアーゼ活性およびヌクレアーゼ活性を含む機能のうち1つもしくは一部だけを有することができる。
【0223】
用語「CRISPR/Cas系タンパク質関連ガイドNA」は、ガイドNAを指す。CRISPR/Cas系タンパク質関連ガイドNAは、単離されたNAとして、またはCRISPR/Cas系タンパク質-gNA複合体の一部として存在することができる。
【0224】
Cas9
一部の実施形態では、CRISPR/Cas系タンパク質、核酸ガイド化ヌクレアーゼは、Cas9であるかまたはそれを含む。本発明のCas9は、単離されるか、組換えで生成されるか、または合成のものであってよい。
【0225】
本明細書の実施形態において使用することができるCas9タンパク質の例は、F.A. Ran、L. Cong、W.X. Yan、D. A. Scott、J.S. Gootenberg、A.J. Kriz、B. Zetsche、O. Shalem、X. Wu、K.S. Makarova、E.V. Koonin、P.A. SharpおよびF. Zhang;「In vivo genome editing using Staphylococcus aureus Cas9」、Nature520巻、186~191頁(2015年4月9日)doi:10.1038/nature14299、に見出すことができ、それは参照により本明細書に組み込まれる。
【0226】
一部の実施形態では、Cas9は、Streptococcus pyogenes、Staphylococcus aureus、Neisseria meningitidis、Streptococcus thermophiles、Treponema denticola、Francisella tularensis、Pasteurella multocida、Campylobacter jejuni、Campylobacter lari、Mycoplasma gallisepticum、Nitratifractor salsuginis、Parvibaculum lavamentivorans、Roseburia intestinalis、Neisseria cinerea、Gluconacetobacter diazotrophicus、Azospirillum、Sphaerochaeta globus、Flavobacterium columnare、Fluviicola taffensis、Bacteroides coprophilus、Mycoplasma mobile、Lactobacillus farciminis、Streptococcus pasteurianus、Lactobacillus johnsonii、Staphylococcus pseudintermedius、Filifactor alocis、Legionella pneumophila、Suterella wadsworthensisまたはCorynebacter diphtheriaに由来するII型CRISPR系である。
【0227】
一部の実施形態では、Cas9は、S.pyogenesに由来するII型CRISPR系であり、PAM配列は、標的特異的ガイド配列の3’末端に直に位置するNGGである。例示的な細菌種からのII型CRISPR系のPAM配列は、以下を含むこともできる:Streptococcus pyogenes(NGG)、Staph aureus(NNGRRT)、Neisseria meningitidis(NNNNGA TT)、Streptococcus thermophilus(NNAGAA)およびTreponema denticola(NAAAAC)、これらは全て本発明から逸脱することなく使用可能である。
【0228】
例示的な一実施形態では、Cas9配列は、例えば、細菌で発現させ、組換え6Hisタグ付きタンパク質を精製するために、PCRによって再増幅され、次にpET30(EMD biosciencesから)にクローニングされる、pX330プラスミド(Addgeneから入手可能)から得ることができる。
【0229】
「Cas9-gNA複合体」は、Cas9タンパク質およびガイドNAを含む複合体を指す。Cas9タンパク質は、野生型Cas9タンパク質と、例えばStreptococcus pyogenesのCas9タンパク質と少なくとも60%同一(例えば、少なくとも70%、少なくとも80%、または90%同一、少なくとも95%同一、または少なくとも98%同一、または少なくとも99%同一)であってよい。Cas9タンパク質は、野生型Cas9タンパク質の全ての機能、または、結合活性、ヌクレアーゼ活性およびヌクレアーゼ活性を含む機能のうち1つもしくは一部だけを有することができる。
【0230】
用語「Cas9関連ガイドNA」は、前記のようなガイドNAを指す。Cas9関連ガイドNAは、単離されて、またはCas9-gNA複合体の一部として存在することができる。
【0231】
非CRISPR/Cas系の核酸ガイド化ヌクレアーゼ
【0232】
一部の実施形態では、非CRISPR/Cas系タンパク質が、本明細書で提供される実施形態で使用される。
【0233】
一部の実施形態では、非CRISPR/Cas系タンパク質は、任意の細菌または古細菌種からのものであってよい。
【0234】
一部の実施形態では、非CRISPR/Cas系タンパク質は、単離されるか、組換えで生成されるか、または合成のものである。
【0235】
一部の実施形態では、非CRISPR/Cas系タンパク質は、Aquifex aeolicus、Thermus thermophilus、Streptococcus pyogenes、Staphylococcus aureus、Neisseria meningitidis、Streptococcus thermophiles、Treponema denticola、Francisella tularensis、Pasteurella multocida、Campylobacter jejuni、Campylobacter lari、Mycoplasma gallisepticum、Nitratifractor salsuginis、Parvibaculum lavamentivorans、Roseburia intestinalis、Neisseria cinerea、Gluconacetobacter diazotrophicus、Azospirillum、Sphaerochaeta globus、Flavobacterium columnare、Fluviicola taffensis、Bacteroides coprophilus、Mycoplasma mobile、Lactobacillus farciminis、Streptococcus pasteurianus、Lactobacillus johnsonii、Staphylococcus pseudintermedius、Filifactor alocis、Legionella pneumophila、Suterella wadsworthensis、Natronobacterium gregoryiまたはCorynebacter diphtheriaからのものであるかまたはそれに由来する。
【0236】
一部の実施形態では、非CRISPR/Cas系タンパク質は、天然に存在するものまたは操作されたバージョンであってよい。
【0237】
一部の実施形態では、天然に存在する非CRISPR/Cas系タンパク質は、NgAgo(Natronobacterium gregoryiからのアルゴノート)である。
【0238】
「非CRISPR/Cas系タンパク質-gNA複合体」は、非CRISPR/Cas系タンパク質およびガイドNA(例えば、gRNAまたはgDNA)を含む複合体を指す。gNAがgRNAである場合、gRNAは2つの分子、すなわち標的とハイブリダイズし、配列特異性を提供する1つのRNA(「crRNA」)、およびcrRNAとハイブリダイズすることが可能である1つのRNA「tracrRNA」で構成することができる。あるいは、ガイドRNAは、crRNAおよびtracrRNA配列を含有する単一の分子(すなわち、gRNA)であってよい。
【0239】
非CRISPR/Cas系タンパク質は、野生型非CRISPR/Cas系タンパク質と少なくとも60%同一(例えば、少なくとも70%、少なくとも80%、または90%同一、少なくとも95%同一、または少なくとも98%同一、または少なくとも99%同一)であってよい。非CRISPR/Cas系タンパク質は、野生型非CRISPR/Cas系タンパク質の全ての機能、または、結合活性、ヌクレアーゼ活性およびヌクレアーゼ活性を含む機能のうち1つもしくは一部だけを有することができる。
【0240】
用語「非CRISPR/Cas系タンパク質関連ガイドNA」は、ガイドNAを指す。非CRISPR/Cas系タンパク質関連ガイドNAは、単離されたNAとして、または非CRISPR/Cas系タンパク質-gNA複合体の一部として存在することができる。
【0241】
Cpf1
一部の実施形態では、CRISPR/Cas系タンパク質核酸ガイド化ヌクレアーゼは、Cpf1系タンパク質であるまたはこれを含む。本発明のCpf1系タンパク質は、単離することができる、組換えにより産生することができる、または合成による。
【0242】
Cpf1系タンパク質は、クラスII、V型CRISPR系タンパク質である。一部の実施形態では、Cpf1タンパク質は、Francisella tularensisから単離されるまたはこれに由来する。一部の実施形態では、Cpf1タンパク質は、Acidaminococcus、Lachnospiraceae科の細菌またはPrevotellaから単離されるまたはこれに由来する。
【0243】
Cpf1系タンパク質は、核酸ガイド化ヌクレアーゼ系タンパク質結合配列(例えば、ステムループ)および標的化配列を含むシングルガイドRNAに結合する。Cpf1標的化配列は、標的核酸におけるCpf1 PAM配列の3’に直に位置する配列を含む。Cas9とは異なり、Cpf1核酸ガイド化ヌクレアーゼ系タンパク質結合配列は、Cpf1 gRNAにおける標的化配列の5’に位置する。Cpf1は、標的核酸において平滑末端の切断ではなく互い違いの切断を生じることもできる。標的核酸へ向けたCpf1タンパク質-gRNAタンパク質複合体の標的化後に、Francisella由来のCpf1は、例えば、互い違いの様式で標的核酸を切断し、標的化配列の3’末端においてPAMから18~23塩基離れた箇所で、およそ5ヌクレオチドの5’オーバーハングを生成する。対照的に、野生型Cas9による切断は、Cas9 PAMの3ヌクレオチド上流に平滑末端を産生する。
【0244】
例示的なCpf1 gRNAステムループ配列は、次のRNA配列を含む:(5’>3’、AAUUUCUACUGUUGUAGAU)。
【0245】
「Cpf1タンパク質-gNA複合体」は、Cpf1タンパク質およびガイドNA(例えば、gRNA)を含む複合体を指す。gNAが、gRNAである場合、gRNAは、標的にハイブリダイズし、配列特異性をもたらす、単一分子、すなわち、1個のRNA(「crRNA」)で構成され得る。
【0246】
Cpf1タンパク質は、野生型Cpf1タンパク質と少なくとも60%同一(例えば、少なくとも70%、少なくとも80%もしくは90%同一、少なくとも95%同一、または少なくとも98%同一、または少なくとも99%同一)であり得る。Cpf1タンパク質は、結合活性およびヌクレアーゼ活性を含む、野生型Cpf1タンパク質の機能の全てを、または機能の1種のみもしくは一部を有することができる。
【0247】
Cpf1系タンパク質は、種々のPAM配列を認識する。Cpf1系タンパク質によって認識される例示的なPAM配列として、TTN、TCNおよびTGNが挙げられるがこれらに限定されない。追加的なCpf1 PAM配列として、TTTNが挙げられるがこれに限定されない。Cpf1 PAM配列の特色の1つは、Cas9タンパク質によって使用されるNGGまたはNAG PAM配列よりも高いA/T含量を有することである。標的核酸、例えば、異なるゲノムは、そのパーセントG/C含量が異なる。例えば、ヒトマラリア寄生虫Plasmodium falciparumのゲノムは、A/Tリッチであることが公知である。あるいは、ゲノム内のタンパク質コード配列は、高頻度で、ゲノム全体としてよりも高いG/C含量を有する。標的ゲノムにおけるA/TヌクレオチドのG/Cヌクレオチドに対する比は、当該ゲノムにおける所与のPAM配列の分布および頻度に影響を与える。例えば、A/Tリッチゲノムは、より少ないNGGまたはNAG配列を有することができる一方、G/Cリッチゲノムは、より少ないTTN配列を有することができる。Cpf1系タンパク質は、当業者に利用できるPAM配列のレパートリーを拡大し、gRNAライブラリーの優れた柔軟性および機能をもたらす。
【0248】
触媒活性がない核酸ガイド化ヌクレアーゼ
一部の実施形態では、核酸ガイド化ヌクレアーゼの操作された例には、触媒活性がない核酸ガイド化ヌクレアーゼ(CRISPR/Cas系の核酸ガイド化ヌクレアーゼまたは非CRISPR/Cas系の核酸ガイド化ヌクレアーゼ)が含まれる。用語「触媒活性がない」は、不活性化ヌクレアーゼ、例えば、不活性化HNHおよびRuvCヌクレアーゼを有する核酸ガイド化ヌクレアーゼを一般的に指す。そのようなタンパク質は任意の核酸中の標的部位に結合することができるが(標的部位はガイドNAによって決定される)、タンパク質は核酸を切断することもニックを入れることもできない。
【0249】
したがって、触媒活性がない核酸ガイド化ヌクレアーゼは、未結合の核酸および触媒活性がない核酸ガイド化ヌクレアーゼに結合した断片への混合物の分離を可能にする。例示的な一実施形態では、dCas9/gRNA複合体はgRNA配列によって決定される標的に結合する。dCas9結合はCas9による切断を阻止できるが、他の操作は進行する。
【0250】
別の実施形態では、触媒活性がない核酸ガイド化ヌクレアーゼは、トランスポザーゼなどの別の酵素に融合させて、その酵素の活性を特異的部位に標的化させることができる。
【0251】
一部の実施形態では、触媒活性がない核酸ガイド化ヌクレアーゼは、dCas9、dCpf1、dCas3、dCas8a~c、dCas10、dCse1、dCsy1、dCsn2、dCas4、dCsm2、dCm5、dCsf1、dC2C2またはdNgAgoである。
【0252】
例示的な一実施形態では、触媒活性がない核酸ガイド化ヌクレアーゼタンパク質は、dCas9である。
【0253】
核酸ガイド化ヌクレアーゼであるニッカーゼ
一部の実施形態では、核酸ガイド化ヌクレアーゼの操作された例には、核酸ガイド化ヌクレアーゼであるニッカーゼ(ニッカーゼ-核酸ガイド化ヌクレアーゼと互換的に呼ばれる)が含まれる。
【0254】
一部の実施形態では、核酸ガイド化ヌクレアーゼの操作された例には、単一の不活性触媒ドメインを含有する、CRISPR/Cas系ニッカーゼまたは非CRISPR/Cas系ニッカーゼが含まれる。
【0255】
一部の実施形態では、核酸ガイド化ヌクレアーゼであるニッカーゼは、Cas9ニッカーゼ、Cpf1ニッカーゼ、Cas3ニッカーゼ、Cas8a~cニッカーゼ、Cas10ニッカーゼ、Cse1ニッカーゼ、Csy1ニッカーゼ、Csn2ニッカーゼ、Cas4ニッカーゼ、Csm2ニッカーゼ、Cm5ニッカーゼ、Csf1ニッカーゼ、C2C2ニッカーゼまたはNgAgoニッカーゼである。
【0256】
一実施形態では、核酸ガイド化ヌクレアーゼであるニッカーゼは、Cas9ニッカーゼである。
【0257】
一部の実施形態では、核酸ガイド化ヌクレアーゼであるニッカーゼは、標的配列に結合するために使用することができる。1つの活性ヌクレアーゼドメインだけのため、核酸ガイド化ヌクレアーゼであるニッカーゼは、標的DNAの1本の鎖だけを切断し、一本鎖切断または「ニック」を生成する。どの変異体が使用されるかによって、ガイドNAとハイブリダイズした鎖またはハイブリダイズしていない鎖を切断することができる。反対側の鎖を標的にする2つのgNAに結合した核酸ガイド化ヌクレアーゼであるニッカーゼは、核酸において二本鎖切断を起こすことができる。この「二重ニッカーゼ」戦略は、両方の核酸ガイド化ヌクレアーゼ/gNA複合体が、二本鎖切断が形成される前の部位で特異的に結合することを必要とするので、切断特異性を増加させる。
【0258】
例示的な実施形態では、Cas9ニッカーゼは、標的配列に結合するために使用することができる。用語「Cas9ニッカーゼ」は、単一の不活性触媒ドメイン、すなわち、RuvC-またはHNH-ドメインを含有する、Cas9タンパク質の改変バージョンを指す。1つの活性ヌクレアーゼドメインだけのため、Cas9ニッカーゼは、標的DNAの1本の鎖だけを切断し、一本鎖切断または「ニック」を生成する。どの変異体が使用されるかによって、ガイドRNAとハイブリダイズした鎖またはハイブリダイズしていない鎖を切断することができる。反対側の鎖を標的にする2つのgRNAに結合したCas9ニッカーゼは、DNAにおいて二本鎖切断を起こす。この「二重ニッカーゼ」戦略は、両方のCas9/gRNA複合体が、二本鎖切断が形成される前の部位で特異的に結合することを必要とするので、切断特異性を増加することができる。
【0259】
DNAの捕捉は、核酸ガイド化ヌクレアーゼであるニッカーゼを使用して実行することができる。例示的な一実施形態では、核酸ガイド化ヌクレアーゼであるニッカーゼは二本鎖核酸の1本の鎖を切断し、二本鎖の領域はメチル化ヌクレオチドを含む。
【0260】
解離可能および耐熱性の核酸ガイド化ヌクレアーゼ
一部の実施形態では、耐熱性の核酸ガイド化ヌクレアーゼが本明細書で提供される方法で使用される(耐熱性のCRISPR/Cas系の核酸ガイド化ヌクレアーゼまたは耐熱性の非CRISPR/Cas系の核酸ガイド化ヌクレアーゼ)。そのような実施形態では、反応温度が上昇し、タンパク質の解離を誘導する。反応温度は低下し、さらなる切断された標的配列の生成を可能にする。一部の実施形態では、少なくとも75℃で少なくとも1分の間維持されるとき、耐熱性の核酸ガイド化ヌクレアーゼは、少なくとも50%の活性、少なくとも55%の活性、少なくとも60%の活性、少なくとも65%の活性、少なくとも70%の活性、少なくとも75%の活性、少なくとも80%の活性、少なくとも85%の活性、少なくとも90%の活性、少なくとも95%の活性、少なくとも96%の活性、少なくとも97%の活性、少なくとも98%の活性、少なくとも99%の活性または100%の活性を維持する。一部の実施形態では、耐熱性の核酸ガイド化ヌクレアーゼは、少なくとも75℃で、少なくとも80℃で、少なくとも85℃で、少なくとも90℃で、少なくとも91℃で、少なくとも92℃で、少なくとも93℃で、少なくとも94℃で、少なくとも95℃、96℃で、少なくとも97℃で、少なくとも98℃で、少なくとも99℃で、または少なくとも100℃で少なくとも1分の間維持されるとき、少なくとも50%の活性を維持する。一部の実施形態では、耐熱性の核酸ガイド化ヌクレアーゼは、少なくとも75℃で少なくとも1分、2分、3分、4分または5分の間維持されるとき、少なくとも50%の活性を維持する。一部の実施形態では、耐熱性の核酸ガイド化ヌクレアーゼは、温度を上昇させ、25℃~50℃に低下させたとき、少なくとも50%の活性を維持する。一部の実施形態では、温度は、25℃に、30℃に、35℃に、40℃に、45℃に、または50℃に低下させられる。例示的な一実施形態では、耐熱性酵素は、95℃で1分間の後に少なくとも90%の活性を保持する。
【0261】
一部の実施形態では、耐熱性の核酸ガイド化ヌクレアーゼは、耐熱性Cas9、耐熱性Cpf1、耐熱性Cas3、耐熱性Cas8a~c、耐熱性Cas10、耐熱性Cse1、耐熱性Csy1、耐熱性Csn2、耐熱性Cas4、耐熱性Csm2、耐熱性Cm5、耐熱性Csf1、耐熱性C2C2または耐熱性NgAgoである。
【0262】
一部の実施形態では、耐熱性CRISPR/Cas系タンパク質は、耐熱性Cas9である。
【0263】
耐熱性の核酸ガイド化ヌクレアーゼは、単離すること、例えば、高温菌Streptococcus thermophilusおよびPyrococcus furiosusのゲノムにおける配列相同性によって同定することができる。核酸ガイド化ヌクレアーゼ遺伝子は、発現ベクターに次にクローニングすることができる。例示的な一実施形態では、耐熱性のCas9タンパク質は単離される。
【0264】
別の実施形態では、耐熱性の核酸ガイド化ヌクレアーゼは、非耐熱性の核酸ガイド化ヌクレアーゼのin vitro進化によって得ることができる。核酸ガイド化ヌクレアーゼの配列は、その耐熱性を改善するために変異誘発させられ得る。
【0265】
gNAの収集物を作製する方法
任意の供給源核酸(例えば、DNA)からの多数の多様なgRNA、gNAの収集物の生成を可能にする方法が、本明細書に提供される。本明細書に提供されている方法は、消化、ライゲーション、伸長、オーバーハングを埋めること、転写、逆転写、増幅を非限定的に含む、酵素による方法を用いることができる。
【0266】
一般に、本方法は、核酸(例えば、DNA)を提供するステップと;PAM配列由来の残っているヌクレオチド配列が残るような仕方で、核酸におけるPAM配列の部分で切断する第1の酵素(または第1の酵素の組合せ)を用いるステップと;PAM配列を排除するための距離に制限酵素IIS型部位(その認識モチーフの外側だがその近傍を切断する酵素)が位置しているアダプタをライゲートするステップと;第2のIIS型酵素(または第2の酵素の組合せ)を用いるステップであって、アダプタと共にPAM配列を排除するステップと;核酸ガイド化ヌクレアーゼ(例えば、CRISPR/Cas)系のタンパク質メンバーによって認識され得る配列、例えば、gRNAステムループ配列を融合させるステップとを含むことができる。一部の実施形態では、PAM配列由来の残っているヌクレオチド配列が残り、PAM配列に対しすぐ接して5’にあるヌクレオチド配列が、単にPAM配列に対し5’にあるシトシンを有するものではなく、例えば、単にC/NGGまたはC/TAG等であるものではなく、任意のプリンまたはピリミジンであり得るような仕方で、第1の酵素反応は、PAM配列の部分を切断する。
【0267】
表1は、異なる制限酵素を使用して、任意の供給源核酸(例えば、DNA)をgNA(例えば、gRNA)の収集物へと変換するための例示的な戦略/プロトコールを示す。
【表1】
【0268】
表2は、異なる制限酵素を使用して、任意の供給源核酸(例えば、DNA)をgNA(例えば、gRNA)の収集物へと変換するためのさらなる例示的な戦略/プロトコールを示す。
【表2】
【0269】
本明細書に記載されている組成物および方法の例示的な適用は、図1図2図3図4図5および図6に提示されている。これらの図面は、ゲノムDNA(例えば、ヒトゲノムDNA)等、インプット核酸(例えば、DNA)からgNAライブラリー(例えば、gRNAライブラリー)を構築する方法を含む、本発明の非限定的な例示的な実施形態を描写する。本明細書におけるプロトコールの多くは、例えば、CCDの相補的配列(「MAP」部位)と共に、NGGまたはHGGのPAM部位を参照しつつ記載されている。これらの例は、非限定的なものであり、様々な核酸ガイド化ヌクレアーゼのための他のPAM部位が企図される。同様に、本明細書における方法と共に記載される例示的な制限酵素は、他のPAM配列と適合性の他の制限酵素の代わりになることができる。
【0270】
図1において、出発材料は、断片化されたゲノムDNA(例えば、ヒト)または他の供給源DNAであってよい。このような断片は、ライブラリーを構築する前に平滑末端化される(101)。T7プロモーターアダプタが、平滑末端化されたDNA断片にライゲートされ(102)、次いでこれはPCR増幅される。次に、Nt.CviPIIを使用して、CCD配列に対しすぐ接して5’に、PCR産物の一方の鎖にニックを生成する(103)。T7エンドヌクレアーゼIは、反対の鎖において、ニックの1、2または3bp 5’を切断する(104)。その結果生じるDNA断片は、DNA断片の末端にHGG配列を残しつつ、T4 DNAポリメラーゼにより平滑末端化される(105)。その結果生じるDNAは、ビーズにおいて浄化および回収される。MlyI認識部位を保有するアダプタが、HGG配列のすぐ接して3’に、平滑末端化されたDNA断片にライゲートされる(106)。MlyIは、HGG配列に対しすぐ接して5’に平滑末端切断を生成し、アダプタ配列と共にHGGを除去する(107)。その結果生じるDNA断片は、再度ビーズにおいて浄化および回収される。次に、gRNAステムループ配列が、MlyIによって切断された平滑末端にライゲートされ、ヒトゲノムを網羅するgRNAライブラリーを形成する(108)。次に、このDNAライブラリーは、PCR増幅され、ビーズにおいて浄化され、in vitro転写の準備が整う。
【0271】
図2において、出発材料は、インタクトなゲノムDNA(例えば、ヒト)または他の供給源DNAであってよい(201)。Nt.CviPIIおよびT7エンドヌクレアーゼIを使用して、ヒトゲノムDNAの各鎖にニックを生成し、より小型のDNA断片をもたらす(202)。200~600bpのDNA断片が、ビーズにおいてサイズ選択され、次いで、5’にGGオーバーハングを保有するY字型アダプタとライゲートされる。Y字型アダプタの一方の鎖は、MlyI認識部位を含有し、他方の鎖は、突然変異したMlyI部位およびT7プロモーター配列を含有する(203)。これらの特色のため、PCR増幅後に、T7プロモーター配列は、HGG配列の遠位端にあり、MlyI配列は、HGGの後端(rear end)にある(204)。MlyIによる消化は、HGG配列のすぐ接して5’に切断を生成する(205)。MlyIは、HGG配列に対しすぐ接して5’に平滑末端切断を生成し、アダプタ配列と共にHGGを除去する(206)。次に、gRNAステムループ配列が、MlyIによって切断された平滑末端にライゲートされ、ヒトゲノムを網羅するgRNAライブラリーを形成する。次に、このDNAライブラリーは、PCR増幅され、ビーズにおいて浄化され、in vitro転写の準備が整う。
【0272】
図3において、例えば、ニッキング酵素により、供給源DNA(例えば、ゲノムDNA)にニックを入れることができる(301)。場合によっては、ニッキング酵素は、3個またはそれよりも少ない塩基の長さである認識部位を有することができる。場合によっては、CCD(式中、Dは、C以外の塩基を表す)の配列を認識し、そこにニックを入れることができるCviPIIが使用される。ニックは、ガイドRNA認識部位(例えば、N20配列)を得るために使用され得る、配列(より太い線によって表す)を含有する領域を囲む近位であってよい。ニックが近位である場合、二本鎖切断が生じ、5’または3’オーバーハングをもたらすことができる(302)。これらのオーバーハングは、例えば、ポリメラーゼ(例えば、T4ポリメラーゼ)により修復され得る。場合によっては、例えば5’鎖がある場合、修復は、相補鎖の合成を含むことができる。場合によっては、例えば3’鎖がある場合、修復は、オーバーハングの除去を含むことができる。修復は、認識部位(例えば、N20ガイド配列)と、ニック認識配列に相補的な配列(例えば、HGG、式中、Hは、G以外の塩基を表す)を含む平滑末端をもたらすことができる。
【0273】
図4において、例えば、図3の終わりから続けて、所望の切断を可能にするために、アダプタの異なる組合せがDNAにライゲートされ得る。この部位から3塩基対を切断するヌクレアーゼ酵素の認識部位を有するアダプタ(例えば、MlyI)が、ライゲートされてよく(401)、該部位における消化を使用して、HGG配列等、余剰の配列を除去することができる(402)。この部位から20塩基対を切断するヌクレアーゼの認識部位を有するアダプタ(例えば、MmeI)(403)。これらのアダプタは、後に第1の認識部位(例えば、BsaXI)を除去するためにこの部位から適正な数のヌクレオチドを切断するヌクレアーゼの第2の認識部位を含んでいてもよい。第1の酵素を使用して、20ヌクレオチドを切り出し、これにより、認識部位(例えば、N20配列)を維持することができる(404)。次に、プロモーターアダプタ(例えば、T7)を認識部位(例えば、N20配列)の隣にライゲートすることができる(405)。次に、第2の認識部位(例えば、BsaXI)に対応するヌクレアーゼを使用して、20ヌクレオチドを切断する部位のためのアダプタを除去することができる(例えば、MmeI)(406)。最後に、ガイドRNAステムループ配列アダプタは、認識部位(例えば、N20配列)にライゲートして(407)、ガイドRNA生成に備えることができる。
【0274】
あるいは、図5に示すプロトコールは、図3に示すもの等のプロトコールの終わりに続くことができる。この部位から25ヌクレオチドを切断するヌクレアーゼ酵素の認識部位を有するアダプタ(例えば、MmeIまたはEcoP15I)を、DNAにライゲートすることができる(501)。このようなアダプタは、後に第1の認識部位(例えば、FokIまたはBaeI)およびHGG等の任意の他の余剰の配列を除去するためにこの部位から適正な数(またはそれより多く)のヌクレオチドを切断するヌクレアーゼの第2の認識部位を含んでいてもよい。次に、第1の認識部位(例えば、MmeIまたはEcoP15I)に対応する酵素を使用して、認識部位(例えば、N20配列)の後を切断することができる(502)。次に、プロモーターアダプタ(例えば、T7)を、認識部位(例えば、N20配列)の隣にライゲートすることができる(503)。次に、第2の認識部位(例えば、FokIまたはBaeI)に対応する酵素を使用して、認識部位および残っている任意の配列(例えば、HGG)を除去することができる(504)。最後に、ガイドRNAステムループ配列アダプタを、認識部位(例えば、N20配列)にライゲートすることができる(例えば、一本鎖ライゲーションによって)(505)。
【0275】
図3に示すもの等のプロトコールの代替として、図6に示すプロトコールを、図4または図5に示すもの等のプロトコールの調製において使用することができる。ニッキング酵素(例えば、CviPII)によってニックを導入することができる(601)。場合によっては、ニック認識部位は、3個またはそれよりも少ない塩基の長さである。場合によっては、CCDの配列を認識し、そこにニックを入れることができるCviPIIが使用される。次に、ポリメラーゼ(例えば、Bst大断片DNAポリメラーゼ)を使用して、古い鎖を置換しつつ、ニックから開始する新しいDNA鎖を合成することができる(602)。DNA合成により、ニックが塞がれ、再度ニックを入れるために利用することができる(603)。ニッキングおよび合成のその後のサイクルを使用して、大量の標的配列を得ることができる(604)。例えば、ランダムプライミングおよび伸長によって、標的配列のこれらの一本鎖コピーを二本鎖にすることができる。次に、図4または図5に示すもの等、本明細書に開示されている方法によって、認識部位(例えば、N20配列を含むこれらの二本鎖核酸をさらに処理することができる。
【0276】
図3または図6に示すもの等のプロトコールの別の代替として、図7に示すプロトコールを、図4または図5に示すもの等のプロトコールの調製において使用することができる。ニッキング酵素(例えば、CviPII)によってニックを導入することができる(701)。場合によっては、ニッキング酵素認識部位は、3個またはそれよりも少ない塩基の長さである。場合によっては、CCDの配列を認識し、そこにニックを入れることができるCviPIIが使用される。次に、ポリメラーゼ(例えば、Bst大断片DNAポリメラーゼ)を使用して、古い鎖を置換しつつ、ニックから開始する新しいDNA鎖を合成することができる(例えば、ニッキングエンドヌクレアーゼ媒介性鎖置換DNA増幅(NEMDA))。反応パラメータを調整して、生成される一本鎖DNAのサイズを制御することができる。例えば、ニッカーゼ:ポリメラーゼ比(例えば、CviPII:Bts大断片ポリメラーゼ比)を調整することができる。反応温度を調整することもできる。次に、プロモーター(例えば、T7プロモーター)(702)に続いてランダムn-mer(例えば、ランダム6-mer、ランダム8-mer)(703)を(5’>3’方向で)有するオリゴヌクレオチドを付加することができる(704)。ランダムn-mer領域は、以前に生成された一本鎖DNAの領域に結合することができる。例えば、結合は、高温で変性させ、続いて急速にクールダウンさせることにより行うことができ、これにより、ランダムn-mer領域に、NEMDAによって生成された一本鎖DNAに結合させることができる。場合によっては、DNAは、98℃で7分間変性され、次いで10℃まで急速にクールダウンされる。伸長および/または増幅を使用して、二本鎖DNAを生成することができる。例えば、酵素により(例えば、20℃におけるDNAポリメラーゼI処理によって)、平滑末端を生成することができる。これは、プロモーター(例えば、T7プロモーター)で終わる一端と、任意のニッキング酵素認識部位(例えば、任意のCCD部位)で終わる他端とをもたらすことができる。次に、例えば、サイズ選択(例えば、ゲル精製、キャピラリー電気泳動または他の断片分離技法による)によって、このような断片を精製することができる。場合によっては、標的断片は、約50塩基対の長さである(アダプタ配列(例えば、T7アダプタ)+標的認識(例えば、N20)配列+ニッキング酵素認識部位または相補体(例えば、HGG))。次に、断片は、適切な距離を切断してニッキング酵素認識部位を除去するヌクレアーゼのヌクレアーゼ認識部位を含むアダプタにライゲートすることができる(705)。例えば、3ヌクレオチド長のニッキング酵素認識部位(例えば、CviPIIのCCD)のため、BaeIを使用することができる。FokI等、認識部位から少し遠く離れた箇所で切断する制限酵素を使用することもできる。次に、適切なヌクレアーゼ(例えば、FokIまたはBaeI)を使用して、ヌクレアーゼ認識部位およびニッキング酵素認識部位を除去することができる(706)。次に、残る核酸配列(例えば、認識部位)は、ガイドRNAのための最終ステムループ配列にライゲートすることができる(707)。増幅(例えば、PCR)を行うことができる。ガイドRNAを生成することができる。
【0277】
図8A図8B図8Cおよび図8Dは、インプット核酸(例えば、DNA)、例えばゲノムDNA(例えば、ヒトゲノムDNA、mRNA等から逆転写されたcDNA)からgNAライブラリー(例えば、gRNAライブラリー)を構築するための追加的な技法を示す。
【0278】
図8Aは、剪断されたゲノムDNAまたはmRNAから逆転写されたcDNA等、核酸断片801から始まるプロトコールを示す。次いで、プライマー802をGGH位置または他のPAM部位にハイブリダイズさせることができる。プライマーは、配列、MAP-認識-制限-プロモーターを含むことができ、MAPは、核酸ガイド化ヌクレアーゼのPAM部位に対する相補体を表し、認識は、核酸ガイド化ヌクレアーゼの認識部位を表し、制限は、制限酵素認識部位を表し、プロモーターは、プロモーター部位を表す。核酸ガイド化ヌクレアーゼの認識部位は、所与の核酸ガイド化ヌクレアーゼにとって適切な長さ(例えば、約15~約25ヌクレオチドの間、場合によっては、20ヌクレオチド)であり得る。一例では、プライマーは、配列、CCDN(17)+NNN-Rest-T7またはその相補体を含むことができ、CCDは、MAP部位を表し、+は、改変された核酸結合を表し、Restは、適切な制限部位を表し、T7は、T7プロモーター部位または他の適切なプロモーター部位を表す。N核酸配列は、ランダムに生成することができ、各プライマーは、そのランダムN-merセグメントとマッチする配列を含む核酸断片にハイブリダイズする。改変された核酸の位置は、プライマー内で変動することができ、2個以上の改変された核酸部位を使用することができる。改変された核酸は、ロックド核酸(LNA)、架橋された核酸(BNA)、ペプチド核酸(PNA)、ジップ(zip)核酸(ZNA)、グリコール核酸(GNA)、トレオース核酸(TNA)、および結合特異性または感受性が増加した改変された核酸等の他の改変された核酸を含むことができる。次いで、伸長反応803を行って、プライマーを伸長させ804、核酸断片に相補的な配列を取り込むことができる。次いで、鎖置換ポリメラーゼによりリバースプライミング805を行い、リバースプライマー806を伸長させて、例えば、制限酵素認識部位およびT7(または他のプロモーター)部位を含む第1のプライマーに相補的な配列807を取り込むことができる。リバースプライマーは、配列、N(6~8)GGHを含むことができる。リバースプライマーの長さは、断片の末端における制限酵素(例えば、MmeI)活性に依存することができる。次いで、これらの産物をさらに処理して、本明細書に記述される通り、例えば、図4または図7に関して記述される通り、ガイド核酸(例えば、gRNA)を産生することができる。
【0279】
図8Bは、剪断されたゲノムDNAまたはmRNAから逆転写されたcDNA等、核酸断片810から始まるプロトコールを示す。次いで、プライマー811をGGH位置または他のPAM部位にハイブリダイズさせることができる。プライマーは、配列、MAP-認識-プロモーターを含むことができ、MAPは、核酸ガイド化ヌクレアーゼのPAM部位に対する相補体を表し、認識は、核酸ガイド化ヌクレアーゼの認識部位を表し、プロモーターは、プロモーター部位を表す。核酸ガイド化ヌクレアーゼの認識部位は、所与の核酸ガイド化ヌクレアーゼにとって適切な長さ(例えば、約15~約25ヌクレオチドの間、場合によっては、20ヌクレオチド)であり得る。一例では、プライマーは、配列、CCDN(16)+N(3)-T7Nまたはその相補体を含むことができ、+は、改変された核酸結合を表し、は、ホスホロチオエート(PTO)核酸結合を表し、T7は、T7プロモーター部位または他の適切なプロモーター部位を表す。一例では、プライマーは、配列、CCDH(4)(12)+N(3)-T7Nを含むことができる。改変された核酸は、ロックド核酸(LNA)、架橋された核酸(BNA)、ペプチド核酸(PNA)、ジップ核酸(ZNA)、グリコール核酸(GNA)、トレオース核酸(TNA)、および結合特異性または感受性が増加した改変された核酸等の他の改変された核酸を含むことができる。企図されるプライマー変種は、さらに改変されたおよび/またはPTO核酸を含むことができる。PTOの使用は、エキソヌクレアーゼによる分解から目的の産物(例えば、ガイド核酸)を保護することができる。次いで、プライマーを伸長させて812、核酸断片に相補的な配列813を取り込むことができる。場合によっては、伸長は、その後の精製のために、標識されたヌクレオチド(例えば、ビオチン化ウラシル)を使用して行うことができる。次に、伸長していないまたは結合していないプライマーを除去することができる814。場合によっては、プライマーは、標識を取り込んでいる伸長産物を捕捉することにより除去することができる(例えば、ビオチン化ヌクレオチドを捕捉するためにストレプトアビジンを使用して)。場合によっては、プライマーは、サイズ選択によって除去することができる(例えば、電気泳動、固相可逆的固定化(SPRI)ビーズ)。場合によっては、プライマーは、捕捉およびサイズ選択等、方法の組合せによって除去することができる。次に、核酸は、CviPII酵素等によりニッキングし、一本鎖エキソヌクレアーゼ(例えば、5’から3’エキソヌクレアーゼおよび3’から5’エキソヌクレアーゼの両方)等により消化することができる815。この操作は、核酸断片におけるGGH部位または他のPAM部位に隣接する配列に相補的な配列と共に、T7部位または他の適切なプロモーター部位を含むことができる、一本鎖産物816を後に残すことができる。次に、ライゲーション817を使用して、3’ブロックを有する5’ステムループ818を一本鎖産物にライゲーションすることができる。次いで、これらの産物を転写して(例えば、T7部位または他の適切なプロモーター部位を使用して)、ガイド核酸(例えば、gRNA)を産生することができる。
【0280】
図8Cは、剪断されたゲノムDNAまたはmRNAから逆転写されたcDNA等、核酸断片820から始まるプロトコールを示す。次いで、プライマー821を、図中に「MAP」で示される、プロトスペーサー隣接モチーフ(PAM)に相補的な位置にハイブリダイズさせることができる。プライマーは、配列、PAM-認識-プロモーターを含むことができ、PAMは、核酸ガイド化ヌクレアーゼのPAM部位を表し、認識は、核酸ガイド化ヌクレアーゼの認識部位を表し、プロモーターは、プロモーター部位を表す。核酸ガイド化ヌクレアーゼの認識部位は、所与の核酸ガイド化ヌクレアーゼにとって適切な長さ(例えば、約15~約25ヌクレオチドの間、場合によっては、20ヌクレオチド)であり得る。一例では、プライマーは、配列、PAM-N(16)+N(3)-T7Nまたはその相補体を含むことができ、+は、改変された核酸結合を表し、は、ホスホロチオエート(PTO)核酸結合を表し、PAMは、プロトスペーサー隣接モチーフを表し、T7は、T7部位または他の適切なプロモーター部位を表す。改変された核酸は、ロックド核酸(LNA)、架橋された核酸(BNA)、ペプチド核酸(PNA)、ジップ核酸(ZNA)、グリコール核酸(GNA)、トレオース核酸(TNA)、および結合特異性または感受性が増加した改変された核酸等の他の改変された核酸を含むことができる。一例では、プライマーは、配列、PAM-H(4)(12)+N(3)-T7Nを含むことができる。HH領域は、非PAM配列によって置き換えることもできる。企図されるプライマー変種は、さらに改変されたおよび/またはPTO核酸結合を含むことができる。企図されるプライマー変種は、異なる長さのランダムヌクレオチド(例えば、約15~約25ヌクレオチドの間)も含む。次いで、プライマーを伸長させて822、核酸断片に相補的な配列823を取り込むことができる。場合によっては、伸長は、その後の精製のために、標識されたヌクレオチド(例えば、ビオチン化ウラシル)を使用して行うことができる。次に、伸長していないまたは結合していないプライマーを除去することができる824。場合によっては、プライマーは、標識を取り込んでいる伸長産物を捕捉することにより除去することができる(例えば、ビオチン化ヌクレオチドを捕捉するためにストレプトアビジンを使用して)。場合によっては、プライマーは、サイズ選択によって除去することができる(例えば、電気泳動、固相可逆的固定化(SPRI)ビーズ)。次に、核酸は、CviPII酵素またはウラシル特異的切除酵素(例えば、USERまたはウラシルDNAグリコシラーゼ(UDG))等によりニッキングし、一本鎖エキソヌクレアーゼ(例えば、5’から3’エキソヌクレアーゼおよび3’から5’エキソヌクレアーゼの両方)等により消化することができる825。この操作は、核酸断片におけるGGH部位または他のPAM部位に隣接する配列に相補的な配列と共に、T7部位または他の適切なプロモーター部位を含むことができる、一本鎖産物826を後に残すことができる。次に、ライゲーション827を使用して、3’ブロックを有する5’ステムループ828を一本鎖産物にライゲーションすることができる。次いで、これらの産物を転写して(例えば、T7部位または他の適切なプロモーター部位を使用して)、ガイド核酸(例えば、gRNA)を産生することができる。
【0281】
図8Dは、剪断されたゲノムDNAまたはmRNAから逆転写されたcDNA等、核酸断片830から始まるプロトコールを示す。次いで、プライマー831を、図中に「MAP」で示される、プロトスペーサー隣接モチーフ(PAM)に相補的な位置にハイブリダイズさせることができる。プライマーは、配列、PAM-認識-プロモーターを含むことができ、PAMは、核酸ガイド化ヌクレアーゼのPAM部位を表し、認識は、核酸ガイド化ヌクレアーゼの認識部位を表し、プロモーターは、プロモーター部位を表す。核酸ガイド化ヌクレアーゼの認識部位は、所与の核酸ガイド化ヌクレアーゼにとって適切な長さ(例えば、約15~約25ヌクレオチドの間、場合によっては、20ヌクレオチド)であり得る。一例では、プライマーは、配列、PAM-N(16)+N(3)-T7Nまたはその相補体を含むことができ、+は、改変された核酸結合を表し、は、ホスホロチオエート(PTO)核酸結合を表し、PAMは、プロトスペーサー隣接モチーフを表し、T7は、T7部位または他の適切なプロモーター部位を表す。改変された核酸は、ロックド核酸(LNA)、架橋された核酸(BNA)、ペプチド核酸(PNA)、ジップ核酸(ZNA)、グリコール核酸(GNA)、トレオース核酸(TNA)、および結合特異性または感受性が増加した改変された核酸等の他の改変された核酸を含むことができる。一例では、プライマーは、配列、PAM-H(4)(12)+N(3)-T7Nを含むことができる。企図されるプライマー変種は、さらに改変されたおよび/またはPTO核酸結合を含むことができる。次いで、プライマーを伸長させて832、核酸断片に相補的な配列833を取り込むことができる。場合によっては、伸長は、その後の精製のために、標識されたヌクレオチド(例えば、ビオチン化ウラシル)を使用して行うことができる。次に、伸長していないまたは結合していないプライマーを除去することができる834。場合によっては、プライマーは、標識を取り込んでいる伸長産物を捕捉することにより除去することができる(例えば、ビオチン化ヌクレオチドを捕捉するためにストレプトアビジンを使用して)。場合によっては、プライマーは、サイズ選択によって除去することができる(例えば、電気泳動、固相可逆的固定化(SPRI)ビーズ)。次に、核酸は、CviPII酵素またはウラシル特異的切除酵素(例えば、USERまたはウラシルDNAグリコシラーゼ(UDG))等によりニッキングし、一本鎖エキソヌクレアーゼ(例えば、5’から3’エキソヌクレアーゼおよび3’から5’エキソヌクレアーゼの両方)等により消化することができる335。この操作は、核酸断片におけるGGH部位または他のPAM部位に隣接する配列に相補的な配列と共に、T7部位または他の適切なプロモーター部位を含むことができる、一本鎖産物836を後に残すことができる。次に、ライゲーション837を使用して、3’ブロックを有する5’ステムループ828を一本鎖産物にライゲーションすることができる。互い違いになっている二本鎖ステムループ839を付加することもできる。ステムループの末端D-Dは、HH領域に相補的な配列またはPAM配列に相補的な配列を含むことができる。次いで、これらの産物を転写して(例えば、T7部位または他の適切なプロモーター部位を使用して)、ガイド核酸(例えば、gRNA)を産生することができる。
【0282】
図9Aおよび図9Bは、インプット核酸(例えば、DNA)、例えばゲノムDNA(例えば、ヒトゲノムDNA、mRNA等から逆転写されたcDNA)からgNAライブラリー(例えば、gRNAライブラリー)を構築するための追加的な技法を示す。プロトコールは、剪断されたゲノムDNAまたはmRNAから逆転写されたcDNA等、核酸断片901から始まることができ、これは、末端に環状アダプタがライゲーションされて、環状核酸を形成する。環状アダプタは、T7プロモーター部位または他の適切なプロモーター部位等、プロモーター部位を含むことができる。次いで、核酸は、例えば、CviPIIを使用して、ニッキングすることができる902。近傍のニックは、二本鎖切断を生じることができ、これは次いで、平滑末端化することができる(例えば、T4 DNAポリメラーゼを使用して)。産物903の平滑末端は、HGG/GGH配列(または他のPAM部位)またはそれらの相補体(例えば、MAP部位)を有することができる。環状アダプタ905を、産物の末端にライゲーションすることができる904。この環状アダプタは、ガイド核酸ステムループ配列に相補的な配列、1個または複数の制限部位(例えば、Nt.AlwI部位)を含むことができ、1個または複数のウラシルヌクレオチドを含有することができる。次いで、この産物は、ウラシルDNAグリコシラーゼ(UDG)およびDNAグリコシラーゼ-リアーゼエンドヌクレアーゼVIII等、ウラシル特異的切除酵素で処理して、U残基を除去し、その前および後に切断を生じることができる907。Nt.AlwIによる処理を使用して、CCDモチーフまたは他のMAP部位の下流にニック908を導入することができる。次いで、ガイド核酸ステムループ配列に相補的な配列が、ガイド核酸910の認識領域(例えば、N20領域)のための相補体の直接上流にライゲーションされるように、産物をライゲーションすることができる909(例えば、CircIILigase等、環状リガーゼを使用して)。図9Bへと続き、次いで、産物は、プライマー914により、例えば、プロモーター部位(例えば、T7部位または他の適切なプロモーター部位)において、プライミングすることができる913。次いで、産物は、例えば、ローリングサークル増幅を使用して増幅することができる915。増幅は、Phi29ポリメラーゼ等、ポリメラーゼにより行うことができる。増幅は、ガイド核酸のプロモーター部位、認識部位領域およびステムループ領域の多くの一本鎖コンカテマーを産生することができる。プロモーター-認識部位-ステムループ配列は、例えば、配列に対して5’および3’に位置する制限部位を使用して、いずれかの隣接配列から切除することができる917。これらのプロモーター-認識部位-ステムループ配列918の各々を、ガイド核酸前駆体として使用することができる。
【0283】
一部の実施形態では、核酸ガイド化ヌクレアーゼ(例えば、Cas9)標的配列を含む、核酸ガイド化ヌクレアーゼ(例えば、Cas9)タンパク質を方向付けるために使用することができる、ヒトミトコンドリアDNA(mtDNA)を標的とするgNA(例えば、gRNA)の収集物が生成される。一部の実施形態では、このgNA(例えば、gRNA)の収集物の標的化配列は、表3の最右列に示される少なくとも20nt配列を含むDNA配列によってコードされる(例えば、NGG配列がマイナス鎖にある場合)。一部の実施形態では、ヒトミトコンドリアDNAに対する特異性を有する、本明細書に提供されるgRNA核酸の収集物は、複数のメンバーを含み、メンバーは、表3の最右列に示される複数の標的化配列を含む。
【表3】
【0284】
CRISPR/Cas系エンドヌクレアーゼと共に使用することができるいずれかの供給源核酸(例えば、DNA)から多数の多様なgRNA、gNAの収集物の生成を可能にする方法が、本明細書に提供される。3’核酸ガイド化ヌクレアーゼ系タンパク質結合配列および5’標的化配列を有するgRNAの収集物の効率的合成のための一部の方法は、セグメントの当該配置を有するgNAに特異的であり得る。5’核酸ガイド化ヌクレアーゼ系タンパク質結合配列および3’標的化配列を有するgRNAの収集物の合成のための方法が、本明細書に提供される。5’核酸ガイド化ヌクレアーゼ系タンパク質結合配列および3’標的化配列を有するgRNAと適合性の、あらゆるCRISPR/Casエンドヌクレアーゼが、本開示の方法の範囲内として想定される。
【0285】
本明細書に提供される方法は、消化、ライゲーション、伸長、オーバーハングフィリング、転写、逆転写、増幅が挙げられるがこれらに限定されない、酵素による方法を用いることができる。
【0286】
いくつかの戦略が用いられる。一実施形態では、方法は、核酸(例えば、DNA)を提供するステップと、PAM配列由来の残渣ヌクレオチド配列が残される仕方で、核酸におけるPAM配列の一部で切断する第1の酵素(または第1の酵素の組合せ)を用いるステップと、PAM配列を排除する距離に制限酵素IIS型部位(その認識モチーフの外側であるがその近傍を切断する酵素)を配置するアダプタをライゲーションするステップと、第2のIIS型酵素(または第2の酵素の組合せ)を用いて、アダプタと共にPAM配列を排除するステップと、核酸ガイド化ヌクレアーゼ(例えば、CRISPR/Cas)系のタンパク質メンバーによって認識され得る配列、例えば、gRNAステムループ配列を融合するステップとを含むことができる。一部の実施形態では、第1の酵素反応は、PAM配列由来の残渣ヌクレオチド配列が残され、PAM配列に対して直接3’にあるヌクレオチド配列が任意のプリンまたはピリミジンとなり得る仕方で、PAM配列の一部を切断する。提供される核酸(例えば、DNA)を、Cpf1 PAM部位で特異的に断片化するための代替戦略は、アデニンをイノシンにまたはチミジンをウラシルに置き換えるステップと、次いで、脱塩基またはミスマッチした部位で切断するステップに続いて、上に概要を述べる追加的なステップを行うステップを含む。
【0287】
追加的な代替法として、提供される核酸(例えば、DNA)をランダムに剪断することができる。ランダムな機会で、ランダムな剪断によって生成される断片化部位の比率は、TTN PAM配列と重複する。断片は、相補的オーバーハングを有するアダプタ、または末端PAMを有する断片にライゲーションされた場合にのみ機能的制限部位を再構成する平滑末端化されたアダプタのいずれかにライゲーションすることができる。これらの戦略は、提供される本来の核酸においてPAM配列の3’にあった断片のみを選択的に処理してgRNAとすることを可能にする。
【0288】
図15は、インプット核酸(例えば、DNA)、例えばゲノムDNA(例えば、ヒトゲノムDNA、mRNA等から逆転写されたcDNA)からgNAライブラリー(例えば、gRNAライブラリー)を構築するための追加的な技法を示す。プロトコールは、MseI(1501)またはMluCI(1502)のいずれかで切断された核酸断片から始まることができる。MseIは、TTAA部位内を切断する一方、MluCIは、AATT部位で切断する。MseIおよびMluCI認識部位の両方が、TTNを含み、TTNは、ある特定の実施形態では、PAM部位として機能する。例えば、Francisella tularensisから単離されたCpf1タンパク質は、TTNをPAMとして認識する。MseIまたはMluCIで消化された出発DNAは、断片の末端が潜在的PAM配列を含むような、消化された断片の収集物をもたらす。他のPAM配列内をまたはその隣接部を切断するMseIおよびMluCI以外の酵素も、本発明の範囲内にあるものとして想定される。末端PAM配列を有する消化された断片を産生する制限酵素の例示的だが非限定的な例は、表7に収載されている。MseIまたはMluCI消化されたDNA断片は、次いで、マングビーンヌクレアーゼで処理して、一本鎖オーバーハングを分解する(1503、1504、1505)。次いで、MmeIおよびFokI制限部位を含むアダプタが、これらのDNA断片にライゲーションされる。アダプタ配列は、出発核酸材料が、MseI(1506)で切断されたかまたはMluCI(1507)で切断されたかに依存する。次いで、MmeI酵素を使用して、アダプタ配列におけるMmeI部位から20bp離れた箇所でDNA断片を切断し、20ヌクレオチド核酸標的化配列(N20)から所望されないDNA配列を除去する。MmeI消化後に、次いでFokI酵素を使用して、アダプタの隣接部を切断し、20ヌクレオチド核酸標的化配列(N20)を遊離させる(1508、1509)。T7プロモーター配列等のプロモーター配列および核酸ガイド化ヌクレアーゼ系タンパク質結合配列を含む追加的なアダプタは次いで、N20配列を含むDNA断片にライゲーションされる(1510、1511)。この操作は、crRNA N20ユニットのin vitro転写のための最終鋳型を産生して、gNAを産生する。
【0289】
図16は、インプット核酸(例えば、DNA)、例えばゲノムDNA(例えば、ヒトゲノムDNA、mRNA等から逆転写されたcDNA)からgNAライブラリー(例えば、gRNAライブラリー)を構築するための追加的な技法を示す。ある特定の実施形態では、gNAライブラリーを構築するための核酸出発材料は、アデニンがイノシンに置き換えられたDNAを含む(図16)。アデニンがイノシンに置き換えられた場合(1602)、ヒトアルキルアデニンDNAグリコシラーゼ(hAAG)を使用して、チミンと塩基対形成(based-paired)したイノシンを除去して、非塩基部位を後に残す(1603)。これらの非塩基部位は、塩基対形成することができず、これにより、T7エンドヌクレアーゼIによって認識および切断されるミスマッチを生じ(1604)、例えば、TTNオーバーハングを有するDNA断片をもたらす(1605)。ある特定の実施形態では、TTNは、PAM部位として機能する。例えば、Francisella tularensisから単離されたCpf1タンパク質は、TTNをPAMとして認識する。このTTNオーバーハングを使用して、AANオーバーハングを有するアダプタをライゲーションすることができる。このオーバーハングは、5’から3’方向で、5’-NAA-3’であり、本方法によって産生されるDNA断片のTTNオーバーハングに相補的である(1606)。このようなAANオーバーハング含有アダプタの特色は、このようなアダプタが、非塩基部位または他のミスマッチにライゲーションしないということであり、これにより、オーバーハングとしてTTN PAM部位を含むN20含有断片に特異的なアダプタライゲーションがもたらされる。例えば、本方法のT7エンドヌクレアーゼIによって切断されたTNN末端配列を有するDNA断片は、アダプタにライゲーションすることができない。この操作は、FokIおよびMmeI制限部位を含むアダプタ等のアダプタ、TTN配列、ならびに核酸標的化配列(N20)を含む、核酸分子の収集物を産生する(1606)。次いで、MmeI制限酵素を使用して、アダプタ配列におけるMmeI部位から20bp離れた箇所で切断し、20ヌクレオチド核酸標的化配列(N20)から所望されないDNA配列を除去する。MmeI消化後に、FokIを使用して、アダプタの隣接部を切断し、20ヌクレオチド核酸標的化配列(N20)を遊離させる(1607)。T7プロモーター配列等のプロモーター配列および核酸ガイド化ヌクレアーゼ系タンパク質結合配列を含む追加的なアダプタは次いで、N20配列を含むDNA断片にライゲーションされる(1608)。この操作は、crRNA N20ユニットのin vitro転写のための最終鋳型を産生して、gNAを産生する。
【0290】
図17は、インプット核酸(例えば、DNA)、例えばゲノムDNA(例えば、ヒトゲノムDNA、mRNA等から逆転写されたcDNA)からgNAライブラリー(例えば、gRNAライブラリー)を構築するための追加的な技法を示す。ある特定の実施形態では、gNAライブラリーを構築するための核酸出発材料は、チミジンがウラシルに置き換えられたDNAを含む(1702)。USER酵素(ウラシル特異的切除試薬、NEB#M5505S)は、ウラシルを除去および切除し、5’および3’リン酸を後に残す(1704)。USERにより、ウラシルDNAグリコシラーゼ(UDG)は、ウラシル塩基の切除を触媒して、非塩基部位を生成し、エンドヌクレアーゼVIIIは、非塩基部位の3’および5’側でホスホジエステル骨格を切断する。
【0291】
本方法のある特定の実施形態では、ホスファターゼ処理は、非塩基部位に隣接する3’リン酸を除去し、続いて、マングビーンヌクレアーゼによる処理に先立ち、ジデオキシリボ核酸ddTTPを使用して、単一塩基対伸長を行う。本発明の範囲内として、非塩基部位を産生することができる他のDNA修復酵素が構想される。例えば、ヒトオキソグアニングリコシラーゼ(hOGG1)等、DNAグリコシラーゼを使用して、ミスマッチした塩基対を切除し、非塩基部位を生成することができる。本方法の特色は、例えばTN部位ではなく、TTN部位における出発DNAの断片化に対する特異性が、一部には、USER媒介性切除およびddTTP伸長の組合せに端を発することである。TN部位に関し、最終産物はニックであり、これは不十分な基質を作製する。TTN(または2個を超えるT)に関し、少なくとも1塩基対ギャップが存在し、これはより効率的に切断される。代替実施形態では、USER媒介性ウラシル切除に続いて直ちに、一本鎖領域のマングビーンヌクレアーゼ分解が行われる。次いで、マングビーンヌクレアーゼは、一本鎖領域を認識および分解する(1705)。マングビーンヌクレアーゼ処理は、その5’末端がTTN部位のTTに隣接するDNA断片の収集物を産生する。ある特定の実施形態では、TTNは、PAM部位として機能する。例えば、Francisella tularensisから単離されたCpf1タンパク質は、TTNをPAMとして認識する。FokIおよびMmeI部位を含むアダプタは、その結果得られる核酸断片にライゲーションされる(1706)。このようなアダプタの特色は、このようなアダプタが、3’リン酸にライゲーションしないということである。MmeI制限酵素を使用して、アダプタ配列におけるMmeI部位から20bp離れた箇所で切断し、20ヌクレオチド核酸標的化配列(N20)から所望されないDNA配列を除去し、FokIを使用して、アダプタの隣接部を切断し、20ヌクレオチド核酸標的化配列(N20)を遊離させる(1707)。T7プロモーター配列等のプロモーター配列および核酸ガイド化ヌクレアーゼ系タンパク質結合配列を含む追加的なアダプタは次いで、N20配列を含むDNA断片にライゲーションされる(1708)。この操作は、crRNA N20ユニットのin vitro転写のための最終鋳型を産生して、gNAを産生する。
【0292】
図18は、インプット核酸(例えば、DNA)、例えばゲノムDNA(例えば、ヒトゲノムDNA、mRNA等から逆転写されたcDNA)からgNAライブラリー(例えば、gRNAライブラリー)を構築するための追加的な技法を示す。ある特定の実施形態では、gNAライブラリーを構築するための核酸出発材料は、非特異的ニッカーゼおよびT7エンドヌクレアーゼI(フラグメンターゼ)でランダムに断片化されたDNAを含む。ある特定の実施形態では、16個の断片化部位につき1個が、TTN PAM部位と完全に重複し(1802)、AANオーバーハングを含むアダプタにライゲーションされ得るTTNオーバーハングを産生する。この操作は、TTN PAM配列に隣接したN20配列を含むアダプタライゲーションDNA断片の収集物を産生する。例えば、FokIおよびMmeI制限部位を含むアダプタが、DNA断片にライゲーションされる(1803)。次いで、MmeI酵素を使用して、アダプタ配列におけるMmeI部位から20bp離れた箇所で切断し、20ヌクレオチド核酸標的化配列(N20)から所望されないDNA配列を除去し、FokIを使用して、アダプタの隣接部を切断し、20ヌクレオチド核酸標的化配列(N20)を遊離させる(1804)。T7プロモーター配列等のプロモーター配列および核酸ガイド化ヌクレアーゼ系タンパク質結合配列を含む追加的なアダプタは次いで、N20配列を含むDNA断片にライゲーションされる(1805)。この操作は、crRNA N20ユニットのin vitro転写のための最終鋳型を産生して、gNAを産生する。
【0293】
図19は、インプット核酸(例えば、DNA)、例えばゲノムDNA(例えば、ヒトゲノムDNA、mRNA等から逆転写されたcDNA)からgNAライブラリー(例えば、gRNAライブラリー)を構築するための追加的な技法を示す。ある特定の実施形態では、gNAライブラリーを構築するための核酸出発材料は、ランダムに剪断されたDNAを含む。ある特定の実施形態では、16個の断片につき1個が、5’PAM末端を有する(1901)。ランダムに剪断されたDNA断片の5’末端は、EcoGII DNAメチルトランスフェラーゼ等、DNAメチラーゼを使用してメチル化し、末端修復して、平滑末端を産生することができる(1901)。NtBstNBIcPAMは、N20核酸標的化配列を含む、剪断されメチル化され末端修復されたDNA断片の末端にライゲーションされる(1902)。()は、第2の鎖のカッティングを無効にする、切断抵抗性ホスホロチオエート結合を意味する。次いで、NtBstNBI(Nt.NstNBIとも呼ばれる)は、ホスホロチオエート結合から4塩基対離れた箇所でDNAのトップ鎖をニッキングする(1903)。一部の実施形態では、NtBstNBIcPAMアダプタは、DNA断片のPAM配列へのアダプタの相補的PAM(cPAM)配列の付加が、制限部位を生成するような配列を含む(PAMならびに関連する配列および制限酵素については、下の表7を参照)。この制限部位は、HaeIII、MluCI、AluI、DpnIIまたはFatI等の制限酵素によって切断され得る。PAM部位を含む剪断されたDNA断片へのNtBstNBIcPAMアダプタ(1903)のライゲーションによる制限部位の生成、および新たに生成された制限部位のその後の切断(1903、1904)は、末端PAM配列を含有するDNA断片のみの選択的処理を可能にする。アダプタにおける切断抵抗性ホスホロチオエート結合は、制限酵素による第2の鎖のカッティングを無効にし、内部部位は、メチル化のため使用されない。例としてAATT PAMおよびMluCIを使用すると、両方の鎖を切断するMluCIでカッティングする前に、NtBstNBIによりPAM部位でトップ鎖をニッキングしてAATT(切断)位置を産生することにより、ニックまたは4bpオーバーハングとは対照的に、平滑末端化断片が産生される。平滑末端化断片のみが、アダプタにライゲーションすることができる。NtBstNBIニック(1903)および制限酵素切断は、N20配列の隣に平滑末端を産生し(1905)、これに対して、FokI部位およびMmeI部位を含むアダプタがライゲーションされる(1906)。次いで、MmeI酵素は、アダプタ配列から20bp離れた箇所で切断し、20ヌクレオチド核酸標的化配列(N20)から所望されないDNA配列を除去し、FokIは、アダプタの隣接部を切断し、20ヌクレオチド核酸標的化配列(N20)を遊離させる(1907)。T7プロモーター等のプロモーター配列および核酸ガイド化ヌクレアーゼ系タンパク質結合配列を含む追加的なアダプタは次いで、N20配列を含むDNA断片にライゲーションされる(1908)。この操作は、crRNA N20ユニットのin vitro転写のための最終鋳型を産生して、gNAを産生する。
【表7】
【0294】
図20は、インプット核酸(例えば、DNA)、例えばゲノムDNA(例えば、ヒトゲノムDNA、mRNA等から逆転写されたcDNA)からgNAライブラリー(例えば、gRNAライブラリー)を構築するための追加的な技法を示す。ある特定の実施形態では、gNAライブラリーを構築するための核酸出発材料は、ランダムに剪断され、平滑末端化するように修復されたDNAを含む。ある特定の実施形態では、16個の断片につき1個が、5’PAM末端を有する(2001、PAMおよび相補的PAM(cPAM)配列、示される通り)。NtBstNBIAAアダプタは、ランダムに剪断され平滑末端化されたDNA断片にライゲーションされ(2002)、次いで、NtBstNBIは、4塩基対離れた場所でトップ鎖をニッキングする(2003)。エキソヌクレアーゼ3は、ニックを認識し(2004)、3’から5’方向でトップ鎖を分解し、ボトム鎖を露出させる(2005)。ボトム鎖およびPAMcPAM配列に正確にアニールする、MlyIプライマーが付加される。高温リガーゼは、ニックを塞ぎ(2006)、これは、末端PAM配列を含む剪断され平滑末端化されたDNA断片のみに対する特異性を生じ、NtBstNBIアダプタのライゲーション後にPAMcPAM配列を生じた。PAMcPAM配列の生成のみが、正確なライゲーションを可能にする。他のいずれかの断片が、ライゲーション部位の近傍にミスマッチを有すると、これは、リガーゼの活性を無効にする。一部の実施形態では、回復されたMlyIアダプタは、2006のTT含有配列のみの選択的PCR増幅を可能にし(図20B)、2007のMlyI断片、すなわち、MlyI配列およびPAM隣接N20配列の両方を含有するPCR増幅されたDNA断片を産生する。PCR増幅は、プルーフリーディング3’から5’エキソヌクレアーゼ活性がない酵素により実行される。次いで、MlyIは、5塩基対離れた場所で両方の鎖を切断し、平滑末端を後に残し、PAMcPAM配列を除去する(2008)。FokIおよびMmeI制限部位を含む平滑末端化アダプタが次いで、MlyI消化されたDNA断片にライゲーションされる(2009)。次いで、MmeI酵素は、アダプタ配列から20bp離れた箇所で切断し、20ヌクレオチド核酸標的化配列(N20)から所望されないDNA配列を除去し、FokIは、アダプタの隣接部を切断し、20ヌクレオチド核酸標的化配列(N20)を遊離させる(2010)。T7プロモーター配列等のプロモーター配列および核酸ガイド化ヌクレアーゼ系タンパク質結合配列を含有する追加的なアダプタが次いで、N20配列を含むDNA断片にライゲーションされる(2011)。この操作は、crRNA N20ユニットのin vitro転写のための最終鋳型を産生して、gNAを産生する。
【0295】
図21は、インプット核酸(例えば、DNA)、例えばゲノムDNA(例えば、ヒトゲノムDNA、mRNA等から逆転写されたcDNA)からgNAライブラリー(例えば、gRNAライブラリー)を構築するための追加的な技法を示す。ある特定の実施形態では、gNAライブラリーを構築するための核酸出発材料は、ランダムに剪断され、平滑末端を有するように修復されたDNAを含む。ある特定の実施形態では、16個の断片につき1個が、5’PAM末端を有する(2101、PAMおよび相補的(complimentary)PAM(cPAM)、示される通り)。環状アダプタ(circアダプタ)は、このような平滑末端化されたDNA断片にライゲーションされ、両末端に環状アダプタがない断片は、ラムダエキソヌクレアーゼを使用して分解される(2102)。一部の実施形態では、DNA断片のPAM配列への、アダプタ由来のcPAM配列の付加は、制限部位を生成する(表7および2103を参照)。この制限部位は、HaeIII、MluCI、AluI、DpnIIまたはFatI等の制限酵素によって切断され得る。この部位が、HaeIII、MluCI、AluI、DpnIIまたはFatI等の制限酵素によって切断される場合、これは、ライゲーション可能末端を生成する。PAM部位を含む剪断されたDNA断片への環状アダプタのライゲーションによる制限部位の生成(2102)、および新たに生成された制限部位のその後の切断(2103)は、末端PAM配列を含有するDNA断片のみの選択的処理を可能にする。PAM部位でライゲーションされていないアダプタを有する断片は、このステップにおいて制限酵素(例えば、MluCI)によって切断されず、よって、環状のままとなる。このような環状断片は、その後のライゲーションのラウンドに利用できない。PAM部位でライゲーションされたアダプタを有する断片のみが、ラムダヌクレアーゼに抵抗し(2102)、次いで、制限酵素(例えば、MluCIおよび2103)によって切断され、これにより、その後のライゲーションラウンドのために開環する。内部制限部位は、メチル化のため使用されない。前処理としてEcoGII等のメチルトランスフェラーゼを使用することができる。次いで、MlyI配列を含む追加的なアダプタが、DNA断片にライゲーションされる(2104)。DNA断片は、MlyIアダプタ特異的PCRプライマーを使用してPCR増幅される(2105)。PAM配列を含有するDNA分子のみが増幅される。次いで、増幅されたPCR産物をMlyIで切断して、アダプタを除去し(図21B、2105)、FokIおよびMmeI制限部位を含むアダプタが、その結果得られるDNA断片にライゲーションされる(2106)。次いで、MmeI酵素は、アダプタ配列から20bp離れた箇所で切断し、20ヌクレオチド核酸標的化配列(N20)から所望されないDNA配列を除去し、FokIは、アダプタの隣接部を切断し、20ヌクレオチド核酸標的化配列(N20)を遊離させる(2107)。T7等のプロモーターおよび核酸ガイド化ヌクレアーゼ系タンパク質結合配列を含有する追加的なアダプタは次いで、N20配列を含むDNA断片にライゲーションされる(2108)。この操作は、crRNA N20ユニットのin vitro転写のための最終鋳型を産生して、gNAを産生する。
【0296】
図22は、インプット核酸(例えば、DNA)、例えばゲノムDNA(例えば、ヒトゲノムDNA、mRNA等から逆転写されたcDNA)からgNAライブラリー(例えば、gRNAライブラリー)を構築するための追加的な技法を示す。ある特定の実施形態では、gNAライブラリーを構築するための核酸出発材料は、ランダムに剪断され、平滑末端を有するように修復されたDNAを含む。ある特定の実施形態では、16個の断片につき1個が、5’TT末端を有する(2201、TTNおよびAAN、示される通り)。ある特定の実施形態では、TTNは、PAM部位として使用することができる。例えば、TTNは、Cpf1および関連するファミリーメンバーによって認識される。末端AAを含むNtBstNBIアダプタ(NtBstNBIAA)が次いで、TT末端にライゲーションされる(2202)。DNA断片由来の5’末端TTへの、アダプタ由来の3’末端AAの付加は、MluCI制限部位を生成する。MluCIは、この新たに生成された部位において切断し(2203)、AATT一本鎖オーバーハングを後に残し(2204)、これは、マングビーンヌクレアーゼによって分解されて、平滑末端化された断片を後に残す(2205)。末端TTを有する剪断されたDNA断片への末端AAを有するNtBstNBIアダプタのライゲーションによるAATT MluCI制限部位の生成は、TTN PAM配列に隣接するN20 DNA断片の選択的処理を可能にする。FokIおよびMmeI制限部位を含むアダプタは、その結果得られるDNA断片にライゲーションされる(2206)。
【0297】
あるいは、NtBstNBIアダプタのライゲーション後に、NtBstNBIを使用して、4塩基対離れた場所でトップ鎖をニッキングすることができ(2207)、MluCIを使用して、トップおよびボトム鎖を切断することができる(2208)。NtBstNBI由来のニックおよびMluCI由来の切断は、N20配列の隣に平滑末端を産生し(2209)、これに対して、FokIおよびMmeI制限部位を含む平滑末端化されたアダプタがライゲーションされる(2210)。ある特定の実施形態では、NtBstNBIアダプタは、NtBstNBIAAアダプタであり得、()は、切断抵抗性ホスホロチオエート結合を意味する(2211)。NtBstNBIを使用して、4塩基対離れた場所でトップ鎖をニッキングする(2212)。DNA断片由来のTTへのアダプタ由来のAAの付加は、MluCI制限部位を生成し、MluCIは、この制限部位のボトム鎖を切断する(2213)。NtBstNBI由来のニックおよびMluCI由来の切断は、N20配列の隣に平滑末端を産生し(2214)、これに対して、FokIおよびMmeI制限部位を含む平滑末端化されたアダプタがライゲーションされる(2215)。FokIおよびMmeI制限部位を含む平滑末端化されたアダプタが、N20配列を含むDNA断片にライゲーションされた後に、次いで、MmeI酵素は、アダプタ配列から20bp離れた箇所で切断し、20ヌクレオチド核酸標的化配列(N20)から所望されないDNA配列を除去し、FokIは、アダプタの隣接部を切断し、20ヌクレオチド核酸標的化配列(N20)を遊離させる(2216)。T7等のプロモーターおよびcrRNA配列を含有する追加的なアダプタは次いで、N20配列を含むDNA断片にライゲーションされる(2217)。この操作は、crRNA N20ユニットのin vitro転写のための最終鋳型を産生する。
【0298】
図23は、インプット核酸(例えば、DNA)、例えばゲノムDNA(例えば、ヒトゲノムDNA、mRNA等から逆転写されたcDNA)からgNAライブラリー(例えば、gRNAライブラリー)を構築するための追加的な技法を示す。ある特定の実施形態では、gNAライブラリーを構築するための核酸出発材料は、ランダムに剪断され、平滑末端を有するように修復されたDNAを含む。ある特定の実施形態では、16個の断片につき1個が、5’TT末端を有する(2301、TTNおよびAAN、示される通り)。ある特定の実施形態では、TTNは、PAM部位として使用することができる。例えば、Francisella tularensisから単離されたCpf1タンパク質は、TTNをPAMとして認識する。末端AAを含むNtBstNBIアダプタ(NtBstNBIAA)は、剪断され平滑末端化されたDNA断片の末端にライゲーションされる(2302)。剪断され平滑末端化されたDNA断片が、末端TTを含む場合、NtBstNBIアダプタのライゲーションは、AATT配列を生成する(2302)。NtBstNBI酵素を使用して、4塩基対離れた場所でトップ鎖をニッキングする(2303)。エキソヌクレアーゼ3は、ニックを認識し、3’から5’方向でトップ鎖を分解し、ボトム鎖を露出させる(2305)。ボトム鎖およびAATT配列に正確にアニールする、MlyIプライマーが付加される(2306)。高温リガーゼは、ニックを塞ぎ(図23A、2306)、これは、末端TT配列を含む剪断され平滑末端化されたDNA断片のみに対する特異性を生じ、NtBstNBI AAアダプタのライゲーション後にAATT配列を生じた。一部の実施形態では、回復されたMlyIアダプタは、AATT含有DNA断片、すなわち、TTN PAM隣接N20配列を有する断片のPCR選択的増幅を可能にする(2307、図23B)。次いで、MlyIは、5塩基対離れた場所で両方の鎖を切断し、平滑末端を後に残し、AATT配列を除去する(2308)。FokIおよびMmeI制限部位を含む平滑末端化アダプタは次いで、MlyI消化されたDNA断片にライゲーションされる(2309)。次いで、MmeI酵素は、アダプタ配列から20bp離れた箇所で切断し、20ヌクレオチド核酸標的化配列(N20)から所望されないDNA配列を除去し、FokIは、アダプタの隣接部を切断し、20ヌクレオチド核酸標的化配列(N20)を遊離させる(2310)。T7等のプロモーターおよび核酸ガイド化ヌクレアーゼ系タンパク質結合配列を含有する追加的なアダプタは次いで、N20配列を含むDNA断片にライゲーションされる(2311)。この操作は、crRNA N20ユニットのin vitro転写のための最終鋳型を産生して、gNAを産生する。
【0299】
図24は、インプット核酸(例えば、DNA)、例えばゲノムDNA(例えば、ヒトゲノムDNA、mRNA等から逆転写されたcDNA)からgNAライブラリー(例えば、gRNAライブラリー)を構築するための追加的な技法を示す。本方法の特色は、高温でのライゲーションであり、これは、オリゴの環状化をもたらし、ランダム化されたN20配列をN20レパートリーに変換すると共に、crRNA分子のライブラリーを建設する。ある特定の実施形態では、gNAライブラリーを構築するための核酸出発材料は、ランダムに剪断され、平滑末端を有するように修復されたDNAを含む。ある特定の実施形態では、16個の断片につき1個が、5’TT末端を有する(2401、TTNおよびAAN、示される通り)。二本鎖DNA断片は、T7エキソヌクレアーゼで処理して、一本鎖を露出させる(2402)。T7エキソヌクレアーゼによる処理後に、5’リン酸、5’末端におけるランダムN12配列、T7+ステムループ配列、2個の対向したFok1部位、およびTTN配列と、それに続く3’におけるN8配列を含む直鎖状オリゴ(2403)が付加され、露出された一本鎖DNAにアニールされ、HiFidelity Taqリガーゼを使用してライゲーションされる(2404)。高温リガーゼは、ライゲーションするために、ニックのどちらか側における10bpを超える完全相同性を要求する。低い相同性、ギャップまたはミスマッチが存在する場合、これはライゲーションしない。この操作は、環状化された産物を産生し、よって、ランダムヌクレオチド(N8+N12)は、TTN PAM部位に隣接するN20配列のライブラリーを形成する(例えば、図24に示す通り、ヒトN20配列のライブラリー)。残っているDNAは全て、エキソヌクレアーゼ1およびエキソヌクレアーゼ3を使用して分解される。2個の対向したFok1領域に相補的なオリゴが、環状DNAにアニールされ(2405)、その結果得られる産物は、Fok1で切断される。この操作は、(二本鎖の)対向したFokI部位を切除し、直鎖状一本鎖DNA断片の収集物を産生する。ステムループの末端およびN20の間のTTNおよび所望されない配列は排除される(2406)。このようなDNA断片は、CircLigase(一本鎖DNAリガーゼ、Lucigen)を使用して自己環状化される(2407)。その結果得られる環状DNAを次いでローリングサークル増幅、またはUSERによる直鎖化に続くPCRのいずれかにより増幅して、crRNA(gNA)生成のための鋳型を得る。
【0300】
設計および合成
ガイド核酸の収集物を設計し(例えば、計算によって)、次いで使用のために合成することができる。gNAの合成は、標準オリゴヌクレオチド合成技法を用いることができる。場合によっては、gNAの前駆体を合成し、これからgNAを産生することができる。一例では、DNA前駆体が合成され、DNA前駆体からgNAが転写される(例えば、in vitro転写により)。
【0301】
図10は、ガイド核酸の収集物を設計するための技法を図解する。標的核酸配列(例えば、標的ゲノム、標的トランスクリプトーム)の配列情報を得ることができる。標的核酸を含む複数の配列決定ライブラリーを生成することができ、このようなライブラリーを所望のカバレッジまで配列決定することができ、未加工の配列決定リードデータを生成することができる。配列決定されたライブラリーの各々に由来するリードは、適した参照配列(単数または複数)にマッピングすることができる。参照配列(単数または複数)に確実にマッピングする全てのリードを考慮して、配列リードアライメントファイル(例えば、バイナリーリードアライメントまたは「BAM」ファイル)を作成することができ、所与の参照配列に起源を持つ標的リードの数(「存在量」)を計算することができる。標的配列につき得られる存在量尺度は、降順で選別することができる。複数の配列決定ライブラリー由来のファイルを統合して、単一のファイルを作成することができる。最小数のリードによって網羅される、配列アライメントの領域(本明細書では「標的領域」)を同定することができる。ガイド核酸配列(例えば、いずれかのDNA鎖上の「NGG」モチーフもしくは他のPAM部位に直接先行する20ヌクレオチド、またはいずれかのDNA鎖上の「TTN」モチーフもしくは他のPAM部位に続く20ヌクレオチド)は、標的領域から抽出することができる。次に、追加的なフィルタリング(filtration)ステップを行って、gNAが、最小数のヌクレオチドだけ間隔をあけていることを確実にすることができる。配列決定されたライブラリーの各々に由来するリードを、適した参照配列(単数または複数)にマッピングする。このアプローチは、標的配列におけるより豊富な配列(例えば、トランスクリプトームのためのより豊富なmRNA分子由来のcDNA)にウェイトを置くことができる。例えば、配列決定リードが、cDNAに由来する場合、リードの数は、関連する転写物の存在量と相関し得る。
【0302】
図11は、ガイド核酸の収集物を設計するための技法を図解する。標的核酸配列(例えば、標的ゲノム、標的トランスクリプトーム)の配列情報を得ることができる。最も高頻度のガイド核酸認識配列(別名、標的化配列)(例えば、いずれかのDNA鎖上の「NGG」モチーフもしくは他のPAM部位に直接先行する20ヌクレオチド(N20)、またはいずれかのDNA鎖上の「TTN」モチーフもしくは他のPAM部位に続く20ヌクレオチド)を標的領域から抽出することができ、この最も高頻度のガイドを使用して、消化を行うまたはシミュレートすることができる。短い断片を除去することができ、2番目に高頻度のガイドを見出し、消化に使用することができる。短い断片を再度除去することができ、3番目に高頻度のガイドを見出し、消化に使用することができる。ガイドの数が、予め設定された数(例えば、アレイ等の合成方法の能力によって決定される予め設定された数)にマッチするまで、残っている断片が全て短くなるまで、ガイドを見出すことができなくなるまで、または許容される量の消化もしくは枯渇が、見出されたガイドによって可能にされるまで、このプロセスを繰り返すことができる。このプロセスは、ガイドの位置を特定し、標的核酸配列における消化をシミュレートして、計算によって行うことができる。所与の繰り返しにおいて、複数のガイドを見出すことができる。例えば、繰り返し毎により少ない潜在的ガイドを生じ得るため、場合によっては、何回か繰り返した後に、所与の繰り返しにおいて複数のガイドを見出すことができる。場合によっては、繰り返しにおいて最も高頻度のガイドを決定するのではなく、同定されるガイドは、カッティング後にある特定の閾値を下回る大部分の断片(例えば、短い断片)を生じるガイドである。このアプローチは、標的配列におけるより豊富な配列(例えば、トランスクリプトームのためのより豊富なmRNA分子由来のcDNA)にウェイトを置くことができる。
【0303】
短い断片は、約10000bp、9000bp、8000bp、7000bp、6000bp、5000bp、4000bp、3000bp、2000bp、1000bp、500bp、450bp、400bp、350bp、300bp、250bp、200bp、150bp、100bp、90bp、80bp、70bp、60bp、50bp、40bp、30bp、20bpまたは10bp未満の核酸であり得る。ガイドの予め設定された数は、少なくとも約100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、2000、3000、4000、5000、6000、7000、8000、9000、10000、20000、30000、40000、50000、60000、70000、80000、90000、100000、200000、300000、400000、500000、600000、700000、800000、900000、1000000、2000000、3000000、4000000、5000000、6000000、7000000、8000000、9000000または10000000個であり得る。枯渇の許容される量は、少なくとも約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、99%、99.9%、99.99%、99.999%または100%であり得る。枯渇の量は、場合によっては、短い断片に切断される出発標的核酸のパーセンテージであり得る。
【0304】
適用
本明細書に提供されるgNA(例えば、gRNA)およびgNA(例えば、gRNA)の収集物は、目的の標的配列の枯渇、分配、捕捉または濃縮;ゲノムワイド標識;ゲノムワイド編集;ゲノムワイド機能スクリーニング;およびゲノムワイド調節を含む、種々の適用に有用である。
【0305】
一実施形態では、gNAは、宿主由来の生体試料における宿主核酸に対して選択的であるが、宿主由来の試料における非宿主核酸に対して選択的ではない。一実施形態では、gNAは、宿主由来の生体試料由来の非宿主核酸に対して選択的であるが、試料における宿主核酸に対して選択的ではない。一実施形態では、gNAは、宿主由来の生体試料における宿主核酸および非宿主核酸のサブセットの両方に対して選択的である。例えば、複合生体試料が、宿主核酸および2以上の非宿主生物由来の核酸を含む場合、gRNAは、非宿主種のうち2以上に対して選択的であってよい。斯かる実施形態では、gNAは、目的外の配列を連続的に枯渇または分配するために使用される。例えば、ヒト由来の唾液は、ヒトDNAと共に、2以上の細菌種のDNAを含有するが、未知の病原生物のゲノム材料を含有する場合もある。斯かる実施形態では、ヒトDNAおよび公知細菌へと向けられたgNAを使用して、ヒトDNAおよび公知細菌のDNAを連続的に枯渇させ、これにより、未知の病原生物のゲノム材料を含む試料をもたらすことができる。
【0306】
例示的な実施形態では、gNAは、宿主由来の生体試料から得られるヒト宿主DNAに対して選択的であるが、試料から同様に得られる未知の病原体(単数または複数)由来のDNAとハイブリダイズしない。
【0307】
一部の実施形態では、gNAは、試料における標的化された配列の枯渇および分配、非宿主核酸についての試料の濃縮、または試料における標的化された核酸の連続的な枯渇に有用であり、これらの方法は、試料から抽出された核酸を提供するステップと;(i)本明細書に記載されているgNAの収集物のうち任意の1種、および(ii)核酸ガイド化ヌクレアーゼ(例えば、CRISPR/Cas)系タンパク質を含む複数の複合体と試料とを接触させるステップとを含む。
【0308】
一部の実施形態では、gNAは、試料における標的化された配列の枯渇および分配方法であって、試料から抽出された核酸を提供するステップであって、抽出された核酸が、枯渇および分配の一方のための目的の配列および標的化された配列を含むステップと;核酸ガイド化ヌクレアーゼ系タンパク質が、試料における核酸を切断する条件下で、(i)本明細書に提供されているgNAの収集物;および(ii)核酸ガイド化ヌクレアーゼ(例えば、CRISPR/Cas)系タンパク質を含む複数の複合体と試料とを接触させるステップとを含む方法に有用である。
【0309】
場合によっては、核酸ガイド化ヌクレアーゼ系タンパク質(例えば、CRISPR/Cas系タンパク質)由来のドメインを含む融合タンパク質を、gNAと共に使用することができる。核酸ガイド化ヌクレアーゼ系タンパク質由来のドメインは、ガイド核酸複合体形成ドメイン、標的核酸認識および結合ドメイン、ヌクレアーゼドメイン、ならびに他のドメインを含むことができる。ドメインは、触媒活性があるバリアント、ニッカーゼバリアント、触媒失活したバリアント、およびこれらの組合せが挙げられるがこれらに限定されない、核酸ガイド化ヌクレアーゼ系タンパク質の異なるバリアントに由来し得る。融合タンパク質における他のドメインは、制限酵素、他のエンドヌクレアーゼ(例えば、FokI)、DNAを改変する酵素(例えば、メチルトランスフェラーゼ)、またはタグ(例えば、アビジン、またはGFP等の蛍光タンパク質)を含むタンパク質に端を発することができる。例として、ガイド核酸と複合体形成し、標的核酸に結合するための核酸ガイド化ヌクレアーゼ系タンパク質ドメインは、融合タンパク質において、制限酵素由来の核酸切断またはニッキングドメインと組み合わせることができる。場合によっては、融合タンパク質は、制限酵素の触媒ドメイン、プラス、核酸ガイド化ヌクレアーゼドメインを含む。場合によっては、融合タンパク質は、制限酵素の触媒ドメイン、プラス、触媒失活した核酸ガイド化ヌクレアーゼドメインを含む。例えば、制限酵素の触媒ドメインは、FokIの触媒ドメインであり得る。核酸ガイド化ヌクレアーゼドメインは、触媒失活したCas9ドメインを含むCas9ドメインであり得る。場合によっては、融合タンパク質は、制限酵素の触媒ドメイン、プラス、ヌクレオチド配列認識ドメインを含む。場合によっては、融合タンパク質は、制限酵素ドメイン、プラス、核酸ガイド化ヌクレアーゼドメインを含む。制限酵素ドメインは、機能するヌクレオチド配列認識ドメインを欠く突然変異体であり得る。例えば、制限酵素ドメインは、FokIであり得、これは場合によっては、ヌクレオチド配列認識ドメインを不活性化させるN13Y突然変異を有する。場合によっては、融合タンパク質は、制限酵素ドメイン、プラス、触媒失活した核酸ガイド化ヌクレアーゼドメインを含む。場合によっては、融合タンパク質は、制限酵素ドメイン、プラス、ヌクレオチド配列認識ドメインを含む。ヌクレオチド配列認識ドメインは、例えば、制限酵素または核酸ガイド化ヌクレアーゼに由来し得る。
【0310】
一部の実施形態では、gNAは、試料における標的化された核酸(例えば、宿主核酸)の枯渇、分配または捕捉に有用である。例えば、標的(例えば、宿主)核酸へと向けられた標的化配列を含むgNAは、核酸ガイド化ニッカーゼ系タンパク質と複合体形成され、標的核酸のニッキングに使用される。次いで、ビオチン化ヌクレオチド等、標識されたヌクレオチドにより、ニックトランスレーションを行うことができる。ニックトランスレーションによって生成された標識された核酸配列を使用して、ストレプトアビジンを有する等、標的化された配列に結合することができる。この結合を使用して、標的核酸を捕捉することができる。次いで、捕捉された標的核酸を、捕捉されていない核酸から分離することができる。捕捉されていない核酸(例えば、非宿主核酸)は、配列決定等によりさらに解析することができる。それに代えてまたはその上、捕捉された標的核酸をさらに解析することもできる。図12は、そのような方法の例示的な模式図を示す。図12において、ヒトおよび非ヒト核酸を含む試料は、ヒト標的化ガイド核酸(例えば、gRNA)によってガイド化された、核酸ガイド化ヌクレアーゼニッカーゼ(例えば、Cas9ニッカーゼ)と接触させられる。ニッキングされた部位において、標識されたヌクレオチド(例えば、ビオチン化ヌクレオチド)によりニックトランスレーションが行われ、標識(例えば、ストレプトアビジン基質における)を使用して、標識された(例えば、ビオチン化された)核酸を捕捉することができる。次いで、例えば、配列決定または他のアッセイ(例えば、ハイブリダイゼーション、PCR)によって、残っている非ヒト核酸をさらに解析することができる。
【0311】
ヘアピンループ(例えば、ナノポア配列決定アダプタ)を有する核酸を、枯渇のために標的化することもできる。核酸の一方の側にループ(例えば、配列決定アダプタ)を有する核酸の収集物(例えば、配列決定ライブラリー)を得ることができる。次いで、第2のループを核酸の他方の側に付加、核酸を環状にすることができる。第2のループは、公知制限部位または特定の核酸ガイド化ヌクレアーゼ部位を含むことができる。次いで、環状核酸の収集物を、標的特異的(例えば、宿主特異的、ヒト特異的)核酸ガイド化ヌクレアーゼまたはニッカーゼと接触させることができる。このような核酸ガイド化ヌクレアーゼまたはニッカーゼは、収集物中の他の核酸をインタクトに保ちながら、核酸収集物の標的化された構成物を切断またはニッキングすることができる。次いで、インタクトな核酸は消化せずに置きながら、切断またはニッキングされた核酸をエキソヌクレアーゼで消化し、これにより、収集物から標的化された核酸を枯渇させることができる。次いで、制限部位または特定の核酸ガイド化ヌクレアーゼ部位における消化により、第2のループを除去することができる。次いで、配列決定(例えば、ナノポア配列決定プラットフォームにおける配列決定)等により、枯渇されていない核酸(例えば、非宿主核酸)をさらに解析することができる。形成されるいずれかのアダプタ二量体が、アダプタ二量体に公知部位(例えば、制限酵素部位または特異的核酸ガイド化ヌクレアーゼ部位)をもたらし、これを適切な制限酵素または核酸ガイド化ヌクレアーゼによって消化することができるように、第2のループ等、アダプタを設計することもできる。そのようなアプローチは、例えば、第2のループの消化後にライブラリーを増幅することによる、Illuminaライブラリー等、ヘアピンアダプタを用いない配列決定プラットフォームのための配列決定ライブラリーのために用いることもできる。
【0312】
一部の実施形態では、枯渇のために標的化される核酸は、ヒトリボ核酸を含むことができる。場合によっては、全ヒトリボ核酸を、枯渇のために標的化することができる。
【0313】
一部の実施形態では、枯渇のために標的化される核酸は、対象において一般的なまたは蔓延した核酸を含む。例えば、枯渇される核酸は、免疫系因子に関連する核酸(例えば、mRNA)が挙げられるがこれらに限定されない、全ての細胞型に一般的な、または典型的なもしくは健康な細胞においてより豊富な核酸を含むことができる。枯渇後に、解析されるべき残っている核酸は、細胞型特異的核酸等、より一般的でないまたはより蔓延していない核酸を含むことができる。このようなより一般的でない核酸は、1種または複数の特定の細胞型の細胞死を含む、細胞死のシグナルであり得る。そのようなシグナルは、感染、がん、および他の疾患を示すことができる。場合によっては、シグナルは、特定の組織(単数または複数)におけるがん関係のアポトーシスのシグナルである。
【0314】
一部の実施形態では、gNAは、非宿主核酸についての試料の濃縮であって、宿主核酸および非宿主核酸を含む試料を提供するステップと;核酸ガイド化ヌクレアーゼ系タンパク質が、試料における宿主核酸を切断する条件下で、(i)宿主核酸へと向けられた標的化配列を含む本明細書に提供されているgNAの収集物;および(ii)核酸ガイド化ヌクレアーゼ(例えば、CRISPR/Cas)系タンパク質を含む複数の複合体と試料とを接触させ、これにより、宿主核酸の試料を枯渇させ、非宿主核酸の濃縮を可能にするステップとを含む濃縮に有用である。
【0315】
一部の実施形態では、gNAは、試料における標的化された核酸の連続的な枯渇のための一方法であって、宿主核酸および非宿主核酸を含む宿主由来の生体試料を提供するステップであって、非宿主核酸が、少なくとも1つの公知非宿主生物由来の核酸および未知の非宿主生物由来の核酸を含むステップと;(i)宿主核酸へと向けられた本明細書に提供されているgNAの収集物;および(ii)核酸ガイド化ヌクレアーゼ(例えば、CRISPR/Cas)系タンパク質を含む複数の複合体を提供するステップと;宿主核酸における標的化された配列にハイブリダイズするように構成されたgNA-核酸ガイド化ヌクレアーゼ系タンパク質複合体(例えば、gRNA-CRISPR/Cas系タンパク質複合体)と生体試料由来の核酸とを混合するステップであって、複合体の少なくとも一部分が、宿主核酸における標的化された配列にハイブリダイズし、宿主核酸の少なくとも一部分が切断されるステップと;少なくとも1つの公知非宿主核酸における標的化された配列にハイブリダイズするように構成されたgNA-核酸ガイド化ヌクレアーゼ系タンパク質複合体と生体試料由来の残る核酸とを混合するステップであって、複合体の少なくとも一部分が、少なくとも1つの非宿主核酸における標的化された配列にハイブリダイズし、非宿主核酸の少なくとも一部分が切断されるステップと;未知の非宿主生物から残る核酸を単離し、さらなる解析に備えるステップとを含む方法に有用である。
【0316】
一部の実施形態では、本明細書で生成されるgNAは、細胞集団におけるゲノムワイドまたは標的化された機能的スクリーニングの実行に使用される。斯かる実施形態では、in vitro転写されたgNA(例えば、gRNA)のライブラリーまたはgNAをコードするベクターは、gNA指向性の核酸ガイド化ヌクレアーゼ系タンパク質編集が、ゲノム全体にわたる配列またはゲノムの特異的領域に対して達成され得るような仕方で、核酸ガイド化ヌクレアーゼ(例えば、CRISPR/Cas)系タンパク質と共に、トランスフェクションまたは当技術分野で公知の他の実験室技法により細胞集団に導入することができる。一実施形態では、核酸ガイド化ヌクレアーゼ系タンパク質は、DNAとして導入され得る。一実施形態では、核酸ガイド化ヌクレアーゼ系タンパク質は、mRNAとして導入され得る。一実施形態では、核酸ガイド化ヌクレアーゼ系タンパク質は、タンパク質として導入され得る。例示的な一実施形態では、核酸ガイド化ヌクレアーゼ系タンパク質は、Cas9である。別の例示的な実施形態では、核酸ガイド化ヌクレアーゼ系タンパク質は、Cpf1である。
【0317】
一部の実施形態では、本明細書で生成されるgNAは、目的の核酸配列の選択的な捕捉および/または濃縮に使用される。例えば、一部の実施形態では、本明細書で生成されるgNAは、複数の核酸を含む試料を提供するステップと;(i)本明細書に提供されているgNAの収集物;および(ii)核酸ガイド化ヌクレアーゼ(例えば、CRISPR/Cas)系タンパク質を含む複数の複合体と試料とを接触させるステップとを含む、標的核酸配列の捕捉に使用される。目的の配列が捕捉されると、さらにこれをライゲートして、例えば、配列決定ライブラリーを作製することができる。
【0318】
一部の実施形態では、本明細書で生成されるgNAは、(a)複数の核酸断片を含む試料を提供するステップと;(b)(i)本明細書に提供されているgNAの収集物;および(ii)核酸ガイド化ヌクレアーゼ(例えば、CRISPR/Cas)系タンパク質-ニッカーゼ(例えば、Cas9-ニッカーゼ)を含む複数の複合体と試料とを接触させるステップであって、gNAが、核酸断片における標的化された目的の部位に対して相補的であり、これにより、標的化された目的の部位に複数のニック核酸断片を生成するステップと;(c)ニック部位において核酸合成を開始させることができる酵素および標識されたヌクレオチドと複数のニック核酸断片とを接触させるステップであって、これにより、標的化された目的の部位に標識されたヌクレオチドを含む複数の核酸断片を生成するステップとを含む、標的化された目的の部位における標識されたヌクレオチドの導入に使用される。
【0319】
一部の実施形態では、本明細書で生成されるgNAは、(a)複数のアダプタライゲート核酸を含む試料を提供するステップであって、核酸が、一端において第1のアダプタにライゲートされ、他端において第2のアダプタにライゲートされているステップと;(b)複数の活性がない核酸ガイド化ヌクレアーゼ-gNA複合体(例えば、dCas9-gRNA複合体)を含むgNAの収集物と試料とを接触させるステップであって、活性がない核酸ガイド化ヌクレアーゼ(例えば、dCas9)が、トランスポサーゼに融合されており、gNAが、核酸のサブセットに含有される標的化された目的の部位に対して相補的であり、活性がない核酸ガイド化ヌクレアーゼ-gNAトランスポサーゼ複合体(例えば、dCas9-gRNAトランスポサーゼ複合体)が、複数の第3のアダプタをロードされており、一端に第1または第2のアダプタのいずれかを、他端に第3のアダプタを含む複数の核酸断片を生成するステップとを含む、目的の標的核酸配列の捕捉に使用される。一実施形態では、本方法は、第1または第2のアダプタおよび第3のアダプタ特異的PCRを使用して、ステップ(b)の産物を増幅するステップをさらに含む。
【0320】
一部の実施形態では、本明細書で生成されるgNAは、細胞集団におけるゲノムワイドまたは標的化された活性化または抑圧の実行に使用される。斯かる実施形態では、in vitro転写されたgNA(例えば、gRNA)のライブラリーまたはgNAをコードするベクターは、gNA指向性の触媒活性がない核酸ガイド化ヌクレアーゼ系タンパク質媒介性の活性化または抑圧が、ゲノム全体にわたる配列においてまたはゲノムの特異的領域に対して達成され得るような仕方で、活性化因子またはリプレッサードメインに融合された触媒活性がない核酸ガイド化ヌクレアーゼ(例えば、CRISPR/Cas)系タンパク質(触媒活性がない核酸ガイド化ヌクレアーゼ系タンパク質-融合タンパク質)と共に、トランスフェクションまたは当技術分野で公知の他の実験室技法により、細胞集団に導入され得る。一実施形態では、触媒活性がない核酸ガイド化ヌクレアーゼ系タンパク質-融合タンパク質は、DNAとして導入され得る。一実施形態では、触媒活性がない核酸ガイド化ヌクレアーゼ系タンパク質-融合タンパク質は、mRNAとして導入され得る。一実施形態では、触媒活性がない核酸ガイド化ヌクレアーゼ系タンパク質-融合タンパク質は、タンパク質として導入され得る。一部の実施形態では、gNAまたはgNAをコードする核酸の収集物は、2種以上の核酸ガイド化ヌクレアーゼ系タンパク質に対する特異性を呈する。例示的な一実施形態では、触媒活性がない核酸ガイド化ヌクレアーゼ系タンパク質は、dCas9である。
【0321】
一部の実施形態では、収集物は、Cas9、ならびにCpf1、Cas3、Cas8a~c、Cas10、Cse1、Csy1、Csn2、Cas4、Csm2およびCm5からなる群から選択される1種または複数のCRISPR/Cas系タンパク質に対する特異性を有するgRNAまたはgRNAをコードする核酸を含む。一部の実施形態では、収集物は、例えば、異なるゲノムまたはゲノムの部分の標識および/または可視化における使用のための、異なる染色体領域の標識および/または可視化における使用のための、またはゲノムへのウイルス遺伝子/ゲノムの組込みの標識および/または可視化における使用のための、異なるフルオロフォアに融合された、触媒活性がない様々なCRISPR/Cas系タンパク質に対する特異性を有するgRNAまたはgRNAをコードする核酸を含む。
【0322】
一部の実施形態では、gNA(またはgNAをコードする核酸)の収集物は、異なる核酸ガイド化ヌクレアーゼ(例えば、CRISPR/Cas)系タンパク質に対する特異性を有し、例えば、異なる種に由来する異なる目的の配列を標的とする。例えば、第1の種由来のゲノムを標的とする、gNA(または斯かるgNAをコードする核酸の集団から転写される)の収集物由来のgNAの第1のサブセットは、先ず、第1の核酸ガイド化ヌクレアーゼ系タンパク質メンバー(または操作されたバージョン)と混合することができ;第2の種由来のゲノムを標的とする、gNA(または斯かるgNAをコードする核酸の集団から転写される)の収集物由来のgNAの第2のサブセットは、第2の異なる核酸ガイド化ヌクレアーゼ系タンパク質メンバー(または操作されたバージョン)と混合することができる。一実施形態では、異なる目的の標的化された配列、例えば、異なる種のゲノムまたはある一種の異なる染色体が、異なる蛍光標識によって標識され得るように、核酸ガイド化ヌクレアーゼ系タンパク質は、異なるフルオロフォアと融合された、触媒活性がないバージョン(例えば、dCas9)であってよい。例えば、異なる染色体領域は、遺伝的転座の可視化のため、異なるgRNA標的化dCas9-フルオロフォアによって標識することができる。例えば、異なるウイルスゲノムは、宿主ゲノムへの異なるウイルスゲノムの組込みの可視化のため、異なるgRNA標的化dCas9-フルオロフォアによって標識することができる。別の実施形態では、異なる目的の標的化された配列、例えば、ゲノムの異なる染色体が、差次的に調節され得るように、核酸ガイド化ヌクレアーゼ系タンパク質は、活性化または抑圧ドメインのいずれかと融合されたdCas9であってよい。別の実施形態では、異なる目的の標的化された配列、例えば、試料混合物内の異なるDNA配列が、差次的に単離され得るように、核酸ガイド化ヌクレアーゼ系タンパク質は、異なる抗体によって認識され得る異なるタンパク質ドメインと融合されたdCas9であってよい。
【0323】
RNAは、鎖スイッチング方法を使用して、配列決定のために調製することができる(例えば、cDNAとして)。図13は、そのような鎖スイッチング方法の例示的な模式図を示す。RNA分子1301をポリアデニル化することができる1302、またはそこに他の仕方でテイル(例えば、ポリAテイル)1303を付与することができる。アダプタ(本明細書では、「アダプタ2」)を含むオリゴヌクレオチド1304を、例えば、オリゴヌクレオチドのポリT領域を介して、RNAテイルにハイブリダイズさせることができる。次いで、逆転写1305を使用して、cDNA1306を合成することができる。ポリC領域1307等の領域を、例えば、鎖スイッチングを可能にすることができるMMLVを逆転写酵素として使用することにより、cDNAに付加することができる。鎖スイッチングオリゴヌクレオチド1309を次いで、例えば、オリゴヌクレオチドのポリG領域を介して、cDNAテイル(例えば、ポリCテイル)にハイブリダイズさせることができる。鎖スイッチングオリゴヌクレオチドは、アダプタ(本明細書では、「アダプタ1」)を含むことができる。次いで、アダプタを、二本鎖cDNA配列決定ライブラリーの増幅および/または指標付け1310に使用することができる。
【0324】
アダプタは、配列決定アダプタ(例えば、Illumina配列決定アダプタ)を含むことができる。アダプタは、特有の分子識別子(UMI)配列を含むことができる。UMI配列は、本来のRNA分子の各々に特有の配列(例えば、ランダム配列)を含むことができる。これは、配列決定バイアスから免れた、RNA量の定量化を可能にすることができる。アダプタは、「バーコード」配列を含むことができる。バーコード配列は、特定の供給源(対象、患者、環境試料、区画(例えば、液滴、ウェル、ビーズ)等)由来のRNA分子の間で共有されるバーコード配列を含むことができる。これは、その後の解析のために配列決定情報のプールを可能にすることができ、相互汚染の検出および排除を可能にすることができる。アダプタは、各RNA分子に特有のUMI、特定の供給源由来のRNA分子の間で共有されるバーコード、および配列決定アダプタ等、複数の別個の配列を含むことができる。
【0325】
cDNAライブラリーは、標的化された消化または他の枯渇による等、本開示の方法に従ってさらに処理することができる。例えば、宿主(例えば、ヒト)由来のcDNAを消化または他の仕方で枯渇させることができる一方、非宿主(例えば、感染病原体)由来のcDNAを残すことができる。cDNAは、配列決定するまたは他の仕方で解析することができる(例えば、ハイブリダイゼーションアッセイ、増幅アッセイ)。
【0326】
gNAの収集物、核酸ガイド化ヌクレアーゼまたはそれらの複合体は、1個または複数の表面に配置することができる。表面における配置を使用して、試料がgNA、核酸ガイド化ヌクレアーゼまたはそれらの複合体に遭遇する量、タイミングおよび/または順序を制御することができる。例えば、gNA、核酸ガイド化ヌクレアーゼまたはそれらの複合体は、試料が流動されるチャネルの表面に結合させることができる;チャネルの始めにより近い表面に結合されたgNA、核酸ガイド化ヌクレアーゼまたはそれらの複合体は、チャネルの終わりに向けて結合されたものの前に遭遇される。場合によっては、本アプローチを使用して、試料を、本明細書に記述される通りに設計および産生され得る、最も高頻度の認識配列に標的化されたgNA、核酸ガイド化ヌクレアーゼまたはそれらの複合体に遭遇させることができる。場合によっては、本アプローチを使用して、試料を、標的核酸におけるgNAの頻度に比例して等、異なる量または相対量で、gNA、核酸ガイド化ヌクレアーゼまたはそれらの複合体に遭遇させることができる。一例では、第1のgNA-核酸ガイド化ヌクレアーゼ複合体は、第2のgNA-核酸ガイド化ヌクレアーゼ複合体と比較して、2倍の頻度で標的ゲノムに出現する配列に標的化され、表面に結合される第2の複合体の数と比較して、2倍の数の第1の複合体が、表面に結合される。
【0327】
gNAの収集物、核酸ガイド化ヌクレアーゼまたはそれらの複合体は、アレイ、フローセル、チャネル、マイクロ流体チャネル、ビーズ、および他の基材が挙げられるがこれらに限定されない、種々の表面に結合させることができる。
【0328】
ライゲーションを用いない標的化配列決定
標的化配列決定は、アダプタをライゲーションせずに行うことができる。これは、高度に分解された試料等、他の仕方では配列決定が困難な試料の配列決定を可能にすることができる。高度に分解されたDNAは、元来短い断片を含有することに加えて、他の分子への架橋を有することが多く、ライブラリーの配列決定に要求される端から端までの増幅を非効率的または不可能なものとする。その上、現存するプロトコールは、アダプタをライゲーションし、続いて時間のかかる濃縮および複数回のPCR増幅を行うことによる、試料全体からDNAライブラリーへの変換を要求する場合がある。
【0329】
図14は、ライブラリー生成および濃縮を単一のワークフローに統合するプロトコールを図解し、このプロトコールは、分解されたDNAの回収において、より速くかつより効率的であり得る。先ず、抽出物におけるDNA分子1401の3’末端が改変されてブロックされ1403、いかなるポリメラーゼによっても伸長されなくなる。次に、配列決定アダプタテイル付けされたプライマー1404が、目的の部位1402(ほとんどの場合でSNPだが、ミニSTRまたは他の部位であってもよい)の近傍に結合するように設計され、目的の部位を越えてDNA断片の末端へと伸長される。使用されていないプライマーを除去した後に、ターミナルトランスフェラーゼが添加され、他の断片はブロックされているため、伸長されたプライマーのみがテイル1405を付与される。使用されていないプライマーの除去は、酵素により(例えば、エキソヌクレアーゼによる消化により)、または伸長に取り込まれた標識されたヌクレオチド(例えば、ビオチン化ヌクレオチド)の結合により行うことができる。テイルは、別のアダプタ含有プライマー1406によるリバースプライミングに使用され、DNAを、増幅および配列決定の準備ができているライブラリー1407へと変換する。より高い感度のため、伸長されていないプライマーの除去に先立つ第1の伸長ステップのサイクリングにより、線形増幅ステップを加えることができる。
【0330】
プライマーは、バーコードまたは特有の分子識別子配列を取り込み、定量的情報を獲得するための標的化された部位の分布の追跡、増幅エラーの除去、および他の試料からの相互汚染の防止を可能にすることもできる。2×8-mer UMIにより、プライマーあたり40億を超える組合せ(416)が可能となり、追加的な測定基準として、本来の分子のための3’ブレイクポイントが公知であり、同じ組合せに複数回遭遇することを事実上不可能にする。プライマー毎の以前に使用されたUMIのデータベースにより、以前に取り扱った試料からの汚染をモニターすることができる。重要なことに、これらのデータは、プライバシー保護のために同定可能な情報を留めることなく保管することができる。
【0331】
そのようなプロトコールは、法医学または他の個体同定に使用することができる。例えば、目的の標的化された部位は、母方および父方ハプログループの割当てのためにmtDNAおよびY染色体部位におけるSNPおよび他のマーカーを含むことができる。ミニSTRまたは他の同定領域を用いることができる。分解された試料に関して、その高コピー数および十分に特徴付けされたハプログループツリーのため、ミトコンドリアDNAに目を向けることが有利な場合がよくある。
【0332】
そのようなプロトコールは、疾患診断学に使用することができる。例えば、目的の標的化された部位は、クレイドマーカーを含む分類学的マーカーを含むことができる。目的の標的化された部位は、病原性、ビルレンス、抵抗性、系統同定および他のマーカー等、疾患形質マーカーを含むことができる。
【0333】
目的の部位を使用して、対象の同一性を決定することができる。場合によっては、同一性は、状態同一性(identity by state)(IBS)または家系同一性(identity-by-decent)(IBD)を使用して決定することができる。異なる系統学的関係性の同定において、関係性は、R=(k、k、k)として定義することができ、kは、ゲノムの画分にマッチし、2個体は、m個のアレルを共有する。表4は、法医学において典型的に関連性がある関係性の期待値を有する。これは、次の通りにベイジアン項において公式化することができる:
【数1】
【0334】
これを表4の期待値と組み合わせると、次の通りに尤度比検定をセットアップすることができる:
【数2】
【0335】
有意性の尺度は、次の漸近的特性を活用することにより得られる:
【数3】
式中、dは自由度である。
【表4】
【0336】
ハイスループット配列決定は、現在のSTRに基づく遺伝子型判定方法では手に負えない、分解された/微量の法医学試料の莫大なプールの解析を可能にすることができる。HTSによって生成されたSNPデータは、研究の手掛かりの生成に使用することができる祖先および表現型予測を含む、STRプロファイルにはない情報も含有する。したがって、本明細書に開示される方法は、部分的なCODISプロファイルが生成され得るまたは生成されない試料の補足として機能することができ、CODISデータベースにおいてマッチが見出されない場合に、研究の手掛かりのための追加的なデータを加えることができる。しかし、法医学コミュニティが、HTSへと移行するには、可能な最も効率的、安価かつ標的化された仕方で、SNPデータを収集および解析するためのツールを必要とする。本明細書に開示される方法は、より短いDNA断片における抽出方法に着目し、配列決定を目的の部位に標的化し、続いて強い統計解析によって後援される合理化されたインフォマティクスパイプラインにより解析することにより、高度に分解された試料を検査する信頼のおける仕方を与えることができる。
【0337】
例示的組成物
一実施形態では、核酸断片、ニッカーゼ核酸ガイド化ヌクレアーゼ-gNA複合体および標識ヌクレオチドを含む組成物が本明細書で提供される。例示的な一実施形態では、核酸断片、ニッカーゼCas9-gRNA複合体および標識ヌクレオチドを含む組成物が本明細書で提供される。そのような実施形態では、核酸はDNAを含むことができる。ヌクレオチドは、例えばビオチンで標識することができる。ヌクレオチドは、抗体-コンジュゲート対の一部であってよい。
【0338】
一実施形態では、核酸断片および触媒活性がない核酸ガイド化ヌクレアーゼ-gNA複合体を含む組成物であって、触媒活性がない核酸ガイド化ヌクレアーゼはトランスポザーゼに融合されている、組成物が本明細書で提供される。例示的な一実施形態では、DNA断片およびdCas9-gRNA複合体を含む組成物であって、dCas9はトランスポザーゼに融合されている、組成物が本明細書で提供される。
【0339】
一実施形態では、メチル化ヌクレオチドを含む核酸断片、ニッカーゼ核酸ガイド化ヌクレアーゼ-gNA複合体、およびメチル化されていないヌクレオチドを含む組成物が本明細書で提供される。例示的な一実施形態では、メチル化ヌクレオチドを含むDNA断片、ニッカーゼCas9-gRNA複合体およびメチル化されていないヌクレオチドを含む組成物が本明細書で提供される。
【0340】
一実施形態では、核酸ガイド化DNAエンドヌクレアーゼと複合体を形成したgDNAが本明細書で提供される。例示的な実施形態では、核酸ガイド化DNAエンドヌクレアーゼは、NgAgoである。
【0341】
一実施形態では、核酸ガイド化RNAエンドヌクレアーゼと複合体を形成したgDNAが本明細書で提供される。
【0342】
一実施形態では、核酸ガイド化DNAエンドヌクレアーゼと複合体を形成したgRNAが本明細書で提供される。
【0343】
一実施形態では、核酸ガイド化RNAエンドヌクレアーゼと複合体を形成したgRNAが本明細書で提供される。一実施形態では、核酸ガイド化RNAエンドヌクレアーゼは、C2c2を含む。
【0344】
一実施形態では、本開示の方法によって産生または設計されるgNAの収集物が、本明細書に提供される。
【0345】
キットおよび製造品
本願は、アダプタ、gNA(例えば、gRNA)、gNA収集物(例えば、gRNA収集物)、gNA収集物をコードする核酸分子その他に限定されない、本明細書に記載されている組成物のうち任意の1種または複数を含むキットを提供する。
【0346】
例示的な一実施形態では、キットは、gRNAのライブラリーとなるように転写することができるDNA分子の収集物を含み、gRNAは、ヒトゲノムまたは他の供給源のDNA配列へと標的化される。
【0347】
一実施形態では、キットは、gNAの収集物を含み、gNAは、ヒトゲノムまたは他の供給源のDNA配列へと標的化される。
【0348】
一部の実施形態では、本明細書に記載されているgNAをコードする核酸の収集物のいずれかを含むキットが、本明細書に提供される。一部の実施形態では、本明細書に記載されているgNAの収集物のいずれかを含むキットが、本明細書に提供される。
【0349】
本願は、本明細書に記載されているgNAおよびgNAをコードする核酸の収集物を作製する方法を実施するための、あらゆる必須の試薬および説明書も提供する。一部の実施形態では、本明細書に記載されている個々のgNAおよびgNAの収集物を作製する方法を実施するための、あらゆる必須の試薬および説明書を含むキットが、本明細書に提供される。
【0350】
本明細書で生成されるgNA収集物と試料とを接触させる前後の情報をモニターするためのコンピュータソフトウェアも、本明細書に提供されている。例示的な一実施形態では、ソフトウェアは、オフターゲット標的化が生じないこと確実にするために、gNA収集物を提供する前後の試料における非標的配列の存在量を算出および報告することができ、ソフトウェアは、試料へとgNA収集物を提供する前後の標的配列の存在量を比較することにより、標的化された枯渇/濃縮/捕捉/分配/標識/調節/編集の有効性をチェックすることができる。
【0351】
以下の実施例は例示目的のために含まれ、本発明の範囲を限定するものではない。
【0352】
実施形態の列挙
本発明は、次に列挙される図解的な実施形態を参照することにより定義することができる:
【0353】
実施形態1. 核酸の収集物を作製する方法であって、
(a)核酸ガイド化ヌクレアーゼのPAM部位をそれぞれ含む標的核酸を得るステップと、
(b)第1のプライマーを前記標的核酸の前記PAM部位にハイブリダイズさせるステップであって、前記第1のプライマーが、(i)前記PAM部位に相補的なMAP部位、(ii)前記核酸ガイド化ヌクレアーゼの認識部位に相補的な相補的認識部位、および(iii)プロモーター部位に相補的な相補的プロモーター部位を含む、ステップと、
(c)鋳型として前記標的核酸を使用して、前記第1のプライマーを伸長させるステップであって、これによって、前記第1のプライマーの配列および前記標的核酸に相補的な配列を含む第1の伸長産物を産生するステップと、
(d)第2のプライマーを前記第1の伸長産物にハイブリダイズさせるステップと、
(e)鋳型として前記第1の伸長産物を使用して、前記第2のプライマーを伸長させるステップであって、これによって、前記PAM部位、前記認識部位および前記プロモーター部位を含む第2の伸長産物を産生するステップと
を含む方法。
【0354】
実施形態2. 前記第2のプライマーが、(i)前記核酸ガイド化ヌクレアーゼのPAM部位、および(ii)ランダム配列を含む、実施形態1に記載の方法。
【0355】
実施形態3. 前記ランダム配列が、約6~約8塩基長の間である、実施形態2に記載の方法。
【0356】
実施形態4. 前記第1のプライマーが、制限酵素の制限酵素部位をさらに含む、実施形態1に記載の方法。
【0357】
実施形態5. (f)アダプタを前記第2の伸長産物にライゲーションするステップであって、前記アダプタが、制限酵素の制限酵素部位を含む、ステップと、
(g)前記PAM部位および前記制限部位が、前記認識部位から切断されるように、前記制限酵素で前記第2の伸長産物を切断するステップと
をさらに含む、実施形態1に記載の方法。
【0358】
実施形態6. 前記制限酵素が、MmeI、FokIまたはMlyIを含む、実施形態4または実施形態5に記載の方法。
【0359】
実施形態7. 結合していない第1のプライマーまたは結合していない第2のプライマーを除去するステップをさらに含む、実施形態1に記載の方法。
【0360】
実施形態8. 前記第1のプライマーを伸長させる前記ステップまたは前記第2のプライマーを伸長させる前記ステップが、標識されたヌクレオチドにより行われる、実施形態1に記載の方法。
【0361】
実施形態9. 前記標識されたヌクレオチドが、ビオチン化ヌクレオチドを含む、実施形態8に記載の方法。
【0362】
実施形態10. 前記認識部位が、約20ヌクレオチドの長さである、実施形態1に記載の方法。
【0363】
実施形態11. 前記認識部位が、約15~約25ヌクレオチドの長さである、実施形態1に記載の方法。
【0364】
実施形態12. 前記核酸ガイド化ヌクレアーゼが、Cas系タンパク質を含む、実施形態1に記載の方法。
【0365】
実施形態13. 前記核酸ガイド化ヌクレアーゼが、Cas9系タンパク質を含む、実施形態1に記載の方法。
【0366】
実施形態14. 前記標的核酸が、ゲノムDNAまたはcDNAを含む、実施形態1に記載の方法。
【0367】
実施形態15. 前記標的核酸が、ヒトDNAを含む、実施形態1に記載の方法。
【0368】
実施形態16. 前記標的核酸が、宿主DNAを含む、実施形態1に記載の方法。
【0369】
実施形態17. 前記標的核酸が、真核生物DNAを含む、実施形態1に記載の方法。
【0370】
実施形態18. 前記相補的認識部位が、少なくとも1個の改変された核酸結合を含む、実施形態1に記載の方法。
【0371】
実施形態19. 前記改変された核酸結合が、ロックド核酸(LNA)、架橋された核酸(BNA)、ペプチド核酸(PNA)、ジップ核酸(ZNA)、グリコール核酸(GNA)、トレオース核酸(TNA)およびホスホロチオエート(PTO)からなる群から選択される、実施形態18に記載の方法。
【0372】
実施形態20. 前記プロモーター部位を使用して、前記第2の伸長産物を転写するステップをさらに含む、実施形態1に記載の方法。
【0373】
実施形態21. 核酸の収集物を作製する方法であって、
(a)核酸ガイド化ヌクレアーゼのPAM部位をそれぞれ含む標的核酸を得るステップと、
(b)プライマーを前記標的核酸の前記PAM部位にハイブリダイズさせるステップであって、前記プライマーが、(i)前記PAM部位に相補的なMAP部位、(ii)前記核酸ガイド化ヌクレアーゼの認識部位に相補的な相補的認識部位、および(iii)プロモーター部位に相補的な相補的プロモーター部位を含む、ステップと、
(c)鋳型として前記標的核酸を使用して、前記プライマーを伸長させるステップであって、これによって、前記PAM部位、前記認識部位および前記プロモーター部位を含む伸長産物を産生するステップと、
(d)前記標的核酸をニッキングするステップと、
(e)前記ニッキングされた標的核酸を消化するステップと
を含む方法。
【0374】
実施形態22. 前記伸長産物に、前記核酸ガイド化ヌクレアーゼのステムループ配列またはその相補体を含む核酸をライゲーションするステップをさらに含む、実施形態21に記載の方法。
【0375】
実施形態23. 互い違いになっている二本鎖ステムループを前記伸長産物に付加するステップをさらに含む、実施形態21に記載の方法。
【0376】
実施形態24. 前記プロモーター部位を使用して、前記伸長産物を転写するステップをさらに含む、実施形態21に記載の方法。
【0377】
実施形態25. 結合していないプライマーを除去するステップをさらに含む、実施形態21に記載の方法。
【0378】
実施形態26. 前記プライマーを伸長させる前記ステップが、標識されたヌクレオチドにより行われる、実施形態21に記載の方法。
【0379】
実施形態27. 前記標識されたヌクレオチドが、ビオチン化ヌクレオチドを含む、実施形態26に記載の方法。
【0380】
実施形態28. 前記相補的認識部位が、約20ヌクレオチドの長さである、実施形態21に記載の方法。
【0381】
実施形態29. 前記相補的認識部位が、約15~約25ヌクレオチドの長さである、実施形態21に記載の方法。
【0382】
実施形態30. 前記核酸ガイド化ヌクレアーゼが、Cas系タンパク質を含む、実施形態21に記載の方法。
【0383】
実施形態31. 前記核酸ガイド化ヌクレアーゼが、Cas9系タンパク質を含む、実施形態21に記載の方法。
【0384】
実施形態32. 前記標的核酸が、ゲノムDNAまたはcDNAを含む、実施形態21に記載の方法。
【0385】
実施形態33. 前記標的核酸が、ヒトDNAを含む、実施形態21に記載の方法。
【0386】
実施形態34. 前記標的核酸が、宿主DNAを含む、実施形態21に記載の方法。
【0387】
実施形態35. 前記標的核酸が、真核生物DNAを含む、実施形態21に記載の方法。
【0388】
実施形態36. 前記相補的認識部位が、少なくとも1個の改変された核酸結合を含む、実施形態21に記載の方法。
【0389】
実施形態37. 前記改変された核酸結合が、ロックド核酸(LNA)、架橋された核酸(BNA)、ペプチド核酸(PNA)、ジップ核酸(ZNA)、グリコール核酸(GNA)、トレオース核酸(TNA)およびホスホロチオエート(PTO)からなる群から選択される、実施形態36に記載の方法。
【0390】
実施形態38. 核酸の収集物を作製する方法であって、
(a)核酸ガイド化ヌクレアーゼのPAM部位をそれぞれ含む標的核酸を得るステップと、
(b)第1のループアダプタを前記標的核酸の両末端にライゲーションするステップであって、前記第1のループアダプタが、プロモーター部位を含む、ステップと、
(c)前記PAM部位で前記標的核酸を切断するステップであって、これによって、第1の末端における前記第1のループアダプタおよび第2の末端におけるPAM部位のうち1つをそれぞれ含むDNA切断産物を産生するステップと、
(d)第2のループアダプタを前記切断産物の前記第2の末端にライゲーションするステップであって、前記第2のループアダプタが、前記核酸ガイド化ヌクレアーゼのステムループ配列に相補的な相補的ステムループ配列を含む、ステップと、
(e)前記切断産物を増幅し、これにより、前記プロモーター部位、認識部位および前記ステムループ配列を含む増幅産物を産生するステップであって、前記認識部位が、前記標的核酸の1つにおいて前記PAM部位に隣接した配列を含む、ステップと
を含む方法。
【0391】
実施形態39. ガイド核酸の収集物を作製する方法であって、
(a)標的核酸の配列リード配列リードを得るステップと、
(b)前記配列リードを少なくとも1つの参照配列にマッピングするステップと、
(c)前記配列リードの存在量値を決定するステップと、
(d)前記配列リードから認識部位を同定するステップであって、前記認識部位が、核酸ガイド化ヌクレアーゼのPAM部位に隣接する、ステップと、
(e)前記存在量値に基づき前記認識部位を選別するステップと
を含む方法。
【0392】
実施形態40. 前記ガイド核酸の収集物を合成するステップをさらに含み、前記ガイド核酸が、前記核酸ガイド化ヌクレアーゼの前記認識部位およびステムループ配列のうち1つをそれぞれ含む、実施形態39に記載の方法。
【0393】
実施形態41. 前記ガイド核酸の収集物が、上位100個の選別された認識部位、上位1000個の選別された認識部位、または上位10,000個の選別された認識部位を有するガイド核酸を含む、実施形態40に記載の方法。
【0394】
実施形態42. 前記認識部位が、少なくとも100塩基対、少なくとも200塩基対、少なくとも500塩基対または少なくとも1000塩基対だけ、前記少なくとも1つの参照配列において互いに間隔をあけるように、前記認識部位をフィルタリングするステップをさらに含む、実施形態39に記載の方法。
【0395】
実施形態43. 前記認識部位を選別する前記ステップが、前記配列リードを選別することにより行われる、実施形態39に記載の方法。
【0396】
実施形態44. 前記認識部位が、約20塩基を含む、実施形態39に記載の方法。
【0397】
実施形態45. 前記核酸ガイド化ヌクレアーゼが、Cas系タンパク質を含む、実施形態39に記載の方法。
【0398】
実施形態46. 前記核酸の標的部位が、前記PAM部位の5’に位置し、前記認識部位が、ステムループ配列の5’にある、実施形態39に記載の方法。
【0399】
実施形態47. 前記PAM部位が、NGGまたはNAGを含む、実施形態46に記載の方法。
【0400】
実施形態48. 前記核酸ガイド化ヌクレアーゼが、Cas9系タンパク質を含む、実施形態47に記載の方法。
【0401】
実施形態49. 前記核酸の標的部位が、前記PAM部位の3’に位置し、前記認識部位が、ステムループ配列の3’にある、実施形態39に記載の方法。
【0402】
実施形態50. 前記PAM部位が、TTN、TCNまたはTGNを含む、実施形態49に記載の方法。
【0403】
実施形態51. 前記核酸ガイド化ヌクレアーゼが、Cpf1系タンパク質を含む、実施形態50記載の方法。
【0404】
実施形態52. 前記核酸ガイド化ヌクレアーゼが、Cas9系タンパク質を含む、実施形態39に記載の方法。
【0405】
実施形態53. 前記標的核酸が、ゲノムDNAまたはcDNAを含む、実施形態39に記載の方法。
【0406】
実施形態54. 前記標的核酸が、ヒトDNAを含む、実施形態39に記載の方法。
【0407】
実施形態55. 前記標的核酸が、宿主DNAを含む、実施形態39に記載の方法。
【0408】
実施形態56. 前記標的核酸が、真核生物DNAを含む、実施形態39に記載の方法。
【0409】
実施形態57. 前記ガイド核酸を基材に結合させるステップをさらに含む、実施形態39に記載の方法。
【0410】
実施形態58. 前記基材が、フローセル、流体チャネル、マイクロ流体チャネルまたはビーズを含む、実施形態57に記載の方法。
【0411】
実施形態59. ガイド核酸の収集物を作製する方法であって、
(a)標的核酸の配列リードを得るステップと、
(b)前記配列リードから最も高頻度の認識部位を決定するステップであって、認識部位が、核酸ガイド化ヌクレアーゼのPAM部位に隣接する、ステップと、
(c)前記配列リードからその次に高頻度の認識部位を決定するステップと、
(d)条件が満たされるまでステップcを反復するステップであって、前記条件が、(i)設定された数の認識部位が決定されること、(ii)さらなる認識部位を決定することができないこと、(iii)設定されたパーセンテージの前記標的核酸が、前記認識部位によって網羅されること、(iv)前記認識部位におけるまたはその近傍における前記標的核酸の切断が、設定されたサイズを下回る最大断片サイズを生じること、からなる群から選択される、ステップと
を含む方法。
【0412】
実施形態60. 前記設定された数の認識部位が、少なくとも約100、少なくとも約1000または少なくとも約10,000個である、実施形態59に記載の方法。
【0413】
実施形態61. 前記設定されたパーセンテージが、少なくとも約10%、少なくとも約30%、少なくとも約50%、少なくとも約70%、少なくとも約90%、少なくとも約95%または少なくとも約99%である、実施形態59に記載の方法。
【0414】
実施形態62. 前記設定されたサイズが、多くても約1000bp、多くても約500bp、多くても約200bpまたは多くても約100bpである、実施形態59に記載の方法。
【0415】
実施形態63. 前記ガイド核酸の収集物を合成するステップをさらに含み、前記ガイド核酸が、前記核酸ガイド化ヌクレアーゼの前記認識部位およびステムループ配列のうち1つをそれぞれ含む、実施形態59に記載の方法。
【0416】
実施形態64. 前記認識部位が、約20塩基を含む、実施形態59に記載の方法。
【0417】
実施形態65. 前記核酸ガイド化ヌクレアーゼが、Cas系タンパク質を含む、実施形態59に記載の方法。
【0418】
実施形態66. 前記核酸の標的部位が、前記PAM部位の5’に位置し、前記認識部位が、ステムループ配列の5’にある、実施形態59に記載の方法。
【0419】
実施形態67. 前記PAM部位が、NGGまたはNAGを含む、実施形態66に記載の方法。
【0420】
実施形態68. 前記核酸ガイド化ヌクレアーゼが、Cas9系タンパク質を含む、実施形態67に記載の方法。
【0421】
実施形態69. 前記核酸の標的部位が、前記PAM部位の3’に位置し、前記認識部位が、ステムループ配列の3’にある、実施形態59に記載の方法。
【0422】
実施形態70. 前記PAM部位が、TTN、TCNまたはTGNを含む、実施形態69に記載の方法。
【0423】
実施形態71. 前記核酸ガイド化ヌクレアーゼが、Cpf1系タンパク質を含む、実施形態70記載の方法。
【0424】
実施形態72. 前記標的核酸が、ゲノムDNAまたはcDNAを含む、実施形態59に記載の方法。
【0425】
実施形態73. 前記標的核酸が、ヒトDNAを含む、実施形態59に記載の方法。
【0426】
実施形態74. 前記標的核酸が、宿主DNAを含む、実施形態59に記載の方法。
【0427】
実施形態75. 前記標的核酸が、真核生物DNAを含む、実施形態59に記載の方法。
【0428】
実施形態76. 前記ガイド核酸を基材に結合させるステップをさらに含む、実施形態59に記載の方法。
【0429】
実施形態77. 前記基材が、フローセル、流体チャネル、マイクロ流体チャネルまたはビーズを含む、実施形態76に記載の方法。
【0430】
実施形態78. ガイド核酸の収集物を含む組成物であって、
各ガイド核酸が、核酸ガイド化ヌクレアーゼの認識部位およびステムループ配列を含み、
各認識部位が、前記核酸ガイド化ヌクレアーゼのPAM部位に隣接する標的核酸の標的部位に相補的であり、
前記ガイド核酸の収集物の前記認識部位が相補的である前記標的部位が、約10,000塩基対未満の平均間隔で、前記標的核酸内に分布される、
組成物。
【0431】
実施形態79. 前記平均間隔が、約5,000塩基対未満、約2,500塩基対未満、約1,000塩基対未満、約500塩基対未満、約250塩基対未満または約100塩基対未満である、実施形態78に記載の組成物。
【0432】
実施形態80. 前記ガイド核酸の収集物が、少なくとも約100種の異なる認識部位、少なくとも1,000種の異なる認識部位、少なくとも10,000種の異なる認識部位、少なくとも100,000種の異なる認識部位、または少なくとも1,000,00種の異なる認識部位を有するガイド核酸を含む、実施形態78に記載の組成物。
【0433】
実施形態81. 前記認識部位が、約20塩基を含む、実施形態78に記載の組成物。
【0434】
実施形態82. 前記核酸の標的部位が、前記PAM部位の5’に位置し、前記認識部位が、ステムループ配列の5’にある、実施形態78に記載の組成物。
【0435】
実施形態83. 前記PAM部位が、NGGまたはNAGを含む、実施形態82に記載の組成物。
【0436】
実施形態84. 前記核酸ガイド化ヌクレアーゼが、Cas9系タンパク質を含む、実施形態83に記載の組成物。
【0437】
実施形態85. 前記核酸の標的部位が、前記PAM部位の3’に位置し、前記認識部位が、ステムループ配列の3’にある、実施形態78に記載の組成物。
【0438】
実施形態86. 前記PAM部位が、TTN、TCNまたはTGNを含む、実施形態85に記載の組成物。
【0439】
実施形態87. 前記核酸ガイド化ヌクレアーゼが、Cpf1系タンパク質を含む、実施形態86記載の組成物。
【0440】
実施形態88. 前記標的核酸が、ゲノムDNAまたはcDNAを含む、実施形態78に記載の組成物。
【0441】
実施形態89. 前記標的核酸が、ヒトDNAを含む、実施形態78に記載の組成物。
【0442】
実施形態90. 前記標的核酸が、宿主DNAを含む、実施形態78に記載の組成物。
【0443】
実施形態91. 前記標的核酸が、真核生物DNAを含む、実施形態78に記載の組成物。
【0444】
実施形態92. 前記ガイド核酸が基材に結合している、実施形態78に記載の組成物。
【0445】
実施形態93. 前記基材が、フローセル、流体チャネル、マイクロ流体チャネルまたはビーズを含む、実施形態92に記載の組成物。
【0446】
実施形態94. 標的核酸を枯渇させる方法であって、
(a)標的核酸および非標的核酸を含む核酸を得るステップと、
(b)前記標的核酸が、標的部位においてまたはその近傍で切断されるように、前記標的核酸を、実施形態78から91のいずれか一項に記載の収集物のガイド核酸と複合体形成した核酸ガイド化ヌクレアーゼの複合体と接触させるステップと
を含む方法。
【0447】
実施形態95. 前記非標的核酸が、免疫応答シグナル核酸を含む、実施形態94に記載の方法。
【0448】
実施形態96. 前記非標的核酸が、アポトーシスシグナル核酸を含む、実施形態94に記載の方法。
【0449】
実施形態97. 前記非標的核酸が、がん関係のアポトーシスシグナル核酸を含む、実施形態94に記載の方法。
【0450】
実施形態98. 核酸ガイド化ヌクレアーゼの前記複合体が、基材に結合している、実施形態94に記載の方法。
【0451】
実施形態99. 前記基材が、フローセル、流体チャネル、マイクロ流体チャネルまたはビーズを含む、実施形態98に記載の方法。
【0452】
実施形態100. 標的核酸を枯渇させる方法であって、
(a)標的核酸および非標的核酸を含む核酸を得るステップと、
(b)前記標的核酸がニック部位でニッキングされるように、前記核酸を核酸ガイド化ニッカーゼタンパク質-gNA複合体と接触させるステップであって、前記gNAが、5’ステムループ配列および3’標的化配列を含む、ステップと、
(c)前記ニック部位でニックトランスレーションを行うステップであって、前記ニックトランスレーションが、標識されたヌクレオチドにより行われる、ステップと、
(d)前記標識されたヌクレオチドを有する前記標的核酸を捕捉するステップと、
(e)前記非標的核酸から前記標的核酸を分離するステップと
を含む方法。
【0453】
実施形態101. 前記標識されたヌクレオチドが、ビオチン化ヌクレオチドを含む、実施形態100に記載の方法。
【0454】
実施形態102. 前記標的核酸が、基材に結合させることにより捕捉される、実施形態100に記載の方法。
【0455】
実施形態103. 前記基材が、フローセル、流体チャネル、マイクロ流体チャネルまたはビーズを含む、実施形態102に記載の方法。
【0456】
実施形態104. 前記非標的核酸を解析するステップをさらに含む、実施形態100に記載の方法。
【0457】
実施形態105. 前記解析ステップが、配列決定を含む、実施形態104に記載の方法。
【0458】
実施形態106. 前記解析ステップが、ハイブリダイゼーションを含む、実施形態104に記載の方法。
【0459】
実施形態107. 前記標的核酸が、宿主に由来し、前記非標的核酸が、非宿主に由来する、実施形態100に記載の方法。
【0460】
実施形態108. 前記非宿主が、感染病原体を含む、実施形態107に記載の方法。
【0461】
実施形態109. 前記核酸ガイド化ニッカーゼタンパク質が、Cpf1系ニッカーゼタンパク質を含む、実施形態100に記載の方法。
【0462】
実施形態110. 前記Cpf1系ニッカーゼタンパク質が、FrancisellaまたはAcidaminococcusから単離されるまたはこれに由来するCpf1系タンパク質を含む、実施形態109に記載の方法。
【0463】
実施形態111. 前記標的核酸が、ゲノムDNAまたはcDNAを含む、実施形態100に記載の方法。
【0464】
実施形態112. 前記標的核酸が、ヒトDNAを含む、実施形態100に記載の方法。
【0465】
実施形態113. 前記標的核酸が、真核生物DNAを含む、実施形態100に記載の方法。
【0466】
実施形態114. 標的核酸を枯渇させる方法であって、
(a)標的核酸および非標的核酸を含む核酸を得るステップであって、前記核酸が、第1の末端にヘアピンループを含む、ステップと、
(b)ループアダプタを前記核酸の第2の末端にハイブリダイズさせるステップと、
(c)前記標的核酸がニッキングされるように、前記核酸を核酸ガイド化ニッカーゼタンパク質と接触させるステップと、
(d)ニッキングされた標的核酸を消化するステップと
を含む方法。
【0467】
実施形態115. 前記非標的核酸の前記ループアダプタを切断するステップをさらに含む、実施形態114に記載の方法。
【0468】
実施形態116. 前記切断ステップが、前記ループアダプタの制限部位で行われる、実施形態115に記載の方法。
【0469】
実施形態117. 前記切断ステップが、前記ループアダプタの核酸ガイド化ヌクレアーゼ認識部位で行われる、実施形態115に記載の方法。
【0470】
実施形態118. 前記非標的核酸を解析するステップをさらに含む、実施形態117に記載の方法。
【0471】
実施形態119. 前記解析ステップが、配列決定を含む、実施形態118に記載の方法。
【0472】
実施形態120. 前記解析ステップが、ハイブリダイゼーションを含む、実施形態118に記載の方法。
【0473】
実施形態121. 前記消化ステップが、エキソヌクレアーゼにより行われる、実施形態114に記載の方法。
【0474】
実施形態122. 前記核酸ガイド化ニッカーゼタンパク質が、基材に結合している、実施形態114に記載の方法。
【0475】
実施形態123. 前記基材が、フローセル、流体チャネル、マイクロ流体チャネルまたはビーズを含む、実施形態122に記載の方法。
【0476】
実施形態124. 配列決定ライブラリーを調製する方法であって、
(a)実施形態100から123のいずれか一項に記載の枯渇方法または捕捉方法を経た後に得られる、目的の部位を含むDNA分子を提供するステップと、
(b)3’末端をポリメラーゼによって伸長することができないように、前記DNA分子の3’末端をブロックするステップと、
(c)第1のプライマーを前記DNA分子にハイブリダイズさせるステップと、
(d)前記第1のプライマーを伸長させて、前記第1のプライマーの配列および前記目的の部位の配列を含む伸長産物を生じるステップと、
(e)第2のプライマーを前記伸長産物にハイブリダイズさせるステップと、
(f)前記第2のプライマーを使用して、前記伸長産物を増幅するステップと
を含む方法。
【0477】
実施形態125. 前記第2のプライマーをハイブリダイズさせる前記ステップに先立ち、テイルを前記伸長産物に付加するステップをさらに含む、実施形態124に記載の方法。
【0478】
実施形態126. 前記第2のプライマーが、前記テイルにハイブリダイズされる、実施形態125に記載の方法。
【0479】
実施形態127. ステップdの後に、ステップcおよびdを反復するステップをさらに含む、実施形態124に記載の方法。
【0480】
実施形態128. 前記第2のプライマーをハイブリダイズさせる前記ステップに先立ち、ハイブリダイズしていない第1のプライマーを除去するステップをさらに含む、実施形態124に記載の方法。
【0481】
実施形態129. 前記除去ステップが、消化を含む、実施形態128に記載の方法。
【0482】
実施形態130. 前記消化が、エキソヌクレアーゼ消化を含む、実施形態129に記載の方法。
【0483】
実施形態131. 前記除去ステップが、前記伸長産物中に取り込まれた標識されたヌクレオチドを結合させるステップを含む、実施形態128に記載の方法。
【0484】
実施形態132. 前記標識されたヌクレオチドが、ビオチン化ヌクレオチドを含む、実施形態131に記載の方法。
【0485】
実施形態133. 前記第1のプライマーおよび/または前記第2のプライマーが、配列決定アダプタ配列を含む、実施形態124に記載の方法。
【0486】
実施形態134. 前記目的の部位が、一塩基多型(SNP)を含む、実施形態124に記載の方法。
【0487】
実施形態135. 前記目的の部位が、短いタンデム反復(STR)を含む、実施形態124に記載の方法。
【0488】
実施形態136. 前記STRが、ミニSTRである、実施形態135に記載の方法。
【0489】
実施形態137. 配列決定ライブラリーを調製する方法であって、
(a)gNA枯渇または捕捉方法に起因するRNA分子を提供するステップと、
(b)第1のハイブリダイゼーション部位を前記RNA分子に付着させるステップと、
(c)第1のオリゴヌクレオチドを前記第1のハイブリダイゼーション部位にハイブリダイズさせるステップと、
(d)プライマーとして前記第1のオリゴヌクレオチドを使用して、前記RNA分子の少なくとも一部を逆転写するステップであって、これによって、cDNAを生成するステップと、
(e)第2のオリゴヌクレオチドを前記cDNAのテイルにハイブリダイズさせるステップと、
(f)プライマーとして前記第2のオリゴヌクレオチドおよび/または前記第1のオリゴヌクレオチドを使用して、前記cDNAを増幅するステップと
を含む方法。
【0490】
実施形態138. 前記第1のハイブリダイゼーション部位が、テイルを含む、実施形態137に記載の方法。
【0491】
実施形態139. 前記第1のハイブリダイゼーション部位が、ポリAテイルを含む、実施形態137に記載の方法。
【0492】
実施形態140. 前記第1のオリゴヌクレオチドが、少なくとも1個のバーコード配列を含む、実施形態137に記載の方法。
【0493】
実施形態141. 前記第2のオリゴヌクレオチドが、少なくとも1個のバーコード配列を含む、実施形態137に記載の方法。
【0494】
実施形態142. 前記第1のオリゴヌクレオチドおよび/または前記第2のオリゴヌクレオチドが、(i)所与のRNA分子に特有の、特有の分子識別子配列、および(ii)同じ供給源由来のRNA分子の間で共有される、供給源バーコード配列からなる群から選択される1個または複数のバーコード配列を含む、実施形態137に記載の方法。
【0495】
実施形態143. 前記第1のオリゴヌクレオチドおよび/または前記第2のオリゴヌクレオチドが、配列決定アダプタ配列を含む、実施形態137に記載の方法。
【0496】
実施形態144. 核酸の収集物を作製する方法であって、
(a)DNA試料を制限エンドヌクレアーゼで消化して、DNA断片の収集物を産生するステップと、
(b)前記DNA断片の収集物をヌクレアーゼで処理するステップと、
(c)第1のアダプタを前記DNA断片の収集物にライゲーションして、第1のアダプタDNA断片の収集物を産生するステップであって、
前記第1のアダプタをコードする配列が、MmeI制限部位およびFokI制限部位を含み、
前記MmeI部位が、ライゲーション後に前記FokI部位および前記DNA断片の間に位置する、ステップと、
(d)前記第1のアダプタDNA断片の収集物を、第1にMmeIで、第2にFokIで消化して、N20 DNA断片の収集物を産生するステップと、
(e)第2のアダプタを前記N20 DNA断片の収集物にライゲーションするステップであって、
前記第2のアダプタをコードする配列が、プロモーター配列および核酸ガイド化ヌクレアーゼ系タンパク質結合配列を含み、
前記核酸ガイド化ヌクレアーゼ系タンパク質結合配列が、前記第2のアダプタのライゲーション後に、前記N20配列および前記プロモーターの間に位置する、ステップと
を含む方法。
【0497】
実施形態145. 前記ヌクレアーゼが、マングビーンヌクレアーゼを含む、実施形態144に記載の方法。
【0498】
実施形態146. 前記制限エンドヌクレアーゼが、MseI、MluCI、HaeIII、AluI、DnpIIおよびFatIからなる群から選択される、実施形態144に記載の方法。
【0499】
実施形態147. 前記プロモーター配列が、T7プロモーター配列、SP6プロモーター配列およびT3プロモーター配列からなる群から選択される、実施形態144に記載の方法。
【0500】
実施形態148. 前記第1のアダプタが、二本鎖DNAアダプタである、実施形態144に記載の方法。
【0501】
実施形態149. 前記第2のアダプタが、二本鎖DNAアダプタである、実施形態144に記載の方法。
【0502】
実施形態150. 前記核酸ガイド化ヌクレアーゼ系タンパク質結合配列が、CRISPR/Cas系タンパク質と適合性である、実施形態144に記載の方法。
【0503】
実施形態151. CRISPR/Cas系が、Cpf1系タンパク質である、実施形態150に記載の方法。
【0504】
実施形態152. 前記DNA試料が、ゲノムDNAまたはcDNAを含む、実施形態144に記載の方法。
【0505】
実施形態153. 前記DNA試料が、ヒトDNAを含む、実施形態144に記載の方法。
【0506】
実施形態154. 前記DNA試料が、宿主DNAを含む、実施形態144に記載の方法。
【0507】
実施形態155. 前記DNA試料が、真核生物DNAを含む、実施形態144に記載の方法。
【0508】
実施形態156. 核酸の収集物を作製する方法であって、
(a)DNA試料における少なくとも2個の連続したアデノシンをイノシンに置き換えるステップと、
(b)前記DNA試料をヒトアルキルアデニンDNAグリコシラーゼ(hAAG)で処理するステップと、
(c)前記DNA試料をエンドヌクレアーゼで処理して、DNA断片の収集物を産生するステップと、
(d)第1のライゲーションステップにおいて第1のアダプタを前記DNA断片の収集物にライゲーションして、第1のアダプタDNA断片の収集物を生成するステップであって、
前記第1のアダプタが、二本鎖DNA分子および前記二本鎖DNA分子の5’末端における5’NAA3’の一本鎖DNAオーバーハングを含み、
前記第1のアダプタが、MmeI部位およびFokI部位を含み、
前記MmeI部位が、前記第1のアダプタのライゲーション後に、前記FokI部位および前記DNA断片の間に位置する、ステップと、
(e)前記第1のアダプタライゲーションされた断片の収集物を、第1にMmeIで、第2にFokIで消化して、N20 DNA断片の収集物を産生するステップと、
(f)第2のライゲーションステップにおいて、第2のアダプタを前記N20 DNA断片の収集物にライゲーションするステップであって、
前記第2のアダプタをコードする配列が、プロモーター配列および核酸ガイド化ヌクレアーゼ系タンパク質結合配列を含み、
前記核酸ガイド化ヌクレアーゼ系タンパク質結合配列が、前記第2のアダプタのライゲーション後に、前記N20配列および前記プロモーターの間に位置する、ステップと
を含む方法。
【0509】
実施形態157. 前記エンドヌクレアーゼが、T7エンドヌクレアーゼIを含む、実施形態156に記載の方法。
【0510】
実施形態158. 前記プロモーター配列が、T7プロモーター配列、SP6プロモーター配列およびT3プロモーター配列からなる群から選択される、実施形態156に記載の方法。
【0511】
実施形態159. 前記第2のアダプタが、二本鎖DNAアダプタである、実施形態156に記載の方法。
【0512】
実施形態160. 前記第1のライゲーションステップが、高温リガーゼを使用して実行される、実施形態156に記載の方法。
【0513】
実施形態161. 前記第2のアダプタが、二本鎖DNAアダプタである、実施形態156に記載の方法。
【0514】
実施形態162. 前記核酸ガイド化ヌクレアーゼ系タンパク質結合配列が、CRISPR/Cas系タンパク質と適合性である、実施形態156に記載の方法。
【0515】
実施形態163. 前記CRISPR/Cas系タンパク質が、Cpf1系タンパク質である、実施形態162に記載の方法。
【0516】
実施形態164. 前記DNA試料が、ゲノムDNAまたはcDNAを含む、実施形態156に記載の方法。
【0517】
実施形態165. 前記DNA試料が、ヒトDNAを含む、実施形態156に記載の方法。
【0518】
実施形態166. 前記DNA試料が、宿主DNAを含む、実施形態156に記載の方法。
【0519】
実施形態167. 前記DNA試料が、真核生物DNAを含む、実施形態156に記載の方法。
【0520】
実施形態168. 核酸の収集物を作製する方法であって、
(a)DNA試料における少なくとも1個のチミジンをウラシルに置き換えて、少なくとも1個の塩基対ミスマッチを含むDNA試料を産生するステップと、
(b)少なくとも1種のDNA修復酵素により前記少なくとも1個のウラシルを切除して、少なくとも1塩基対の少なくとも1個の一本鎖領域を有するDNA試料を産生するステップと、
(c)前記DNA試料をヌクレアーゼで処理して、DNA断片の収集物を産生するステップと、
(d)第1のライゲーションステップにおいて前記DNA断片の収集物に第1のアダプタをライゲーションして、第1のアダプタDNA断片の収集物を産生するステップであって、
前記第1のアダプタが、MmeI部位およびFokI部位を含み、
前記MmeI部位が、ライゲーション後に前記FokI部位および前記DNA断片の間に位置する、ステップと、
(e)前記第1のアダプタDNA断片の収集物を、第1にMmeIで、第2にFokIで消化して、N20 DNA断片の収集物を産生するステップと、
(f)第2のライゲーションステップにおいて、第2のアダプタを前記N20 DNA断片の収集物にライゲーションするステップであって、
前記第2のアダプタをコードする配列が、プロモーター配列および核酸ガイド化ヌクレアーゼ系タンパク質結合配列を含み、
前記核酸ガイド化ヌクレアーゼ系タンパク質結合配列が、ライゲーション後に前記N20配列および前記プロモーターの間に位置する、ステップと
を含む方法。
【0521】
実施形態169. (b)前記少なくとも1個のウラシルを切除するステップの後、かつ(c)前記ヌクレアーゼで処理するステップの前に、前記DNA試料をホスファターゼで処理するステップをさらに含む、実施形態168に記載の方法。
【0522】
実施形態170. 少なくとも1個のddTTPを、前記DNA試料における少なくとも1塩基対の前記少なくとも1個の一本鎖領域の5’にある二本鎖DNA領域の3’末端に付加するステップをさらに含む、実施形態169に記載の方法。
【0523】
実施形態171. 前記ヌクレアーゼが、マングビーンヌクレアーゼを含む、実施形態168または169に記載の方法。
【0524】
実施形態172. 前記少なくとも1種のDNA修復酵素が、ウラシルDNAグリコシラーゼ(UDG)およびエンドヌクレアーゼVIIIを含む、実施形態168から170のいずれか一項に記載の方法。
【0525】
実施形態173. 前記プロモーター配列が、T7プロモーター配列、SP6プロモーター配列およびT3プロモーター配列からなる群から選択される、実施形態168に記載の方法。
【0526】
実施形態174. 前記第2のアダプタが、二本鎖DNAアダプタである、実施形態168に記載の方法。
【0527】
実施形態175. 前記第1のライゲーションステップが、高温リガーゼを使用して実行される、実施形態168に記載の方法。
【0528】
実施形態176. 前記核酸ガイド化ヌクレアーゼ系タンパク質結合配列が、CRISPR/Cas系タンパク質と適合性である、実施形態168に記載の方法。
【0529】
実施形態177. 前記CRISPR/Cas系タンパク質が、Cpf1系タンパク質である、実施形態176に記載の方法。
【0530】
実施形態178. 前記DNA試料が、ゲノムDNAまたはcDNAを含む、実施形態169に記載の方法。
【0531】
実施形態179. 前記DNA試料が、ヒトDNAを含む、実施形態168に記載の方法。
【0532】
実施形態180. 前記DNA試料が、宿主DNAを含む、実施形態に記載の方法。
【0533】
実施形態181. 前記DNA試料が、真核生物DNAを含む、実施形態168に記載の方法。
【0534】
実施形態182. 核酸の収集物を作製する方法であって、
(a)DNA試料をランダムに断片化して、DNA断片の収集物を産生するステップと、
(b)第1のライゲーションステップにおいて、第1のアダプタを前記DNA断片の収集物にライゲーションするステップであって、
前記第1のアダプタが、二本鎖DNA分子および前記二本鎖DNA分子の5’末端における5’NAA3’の一本鎖DNAオーバーハングを含み、
前記第1のアダプタが、FokI部位およびMmeI部位を含み、
前記MmeI部位が、ライゲーション後に前記FokI部位および前記DNA断片の間に位置する、ステップと、
(c)前記第1のアダプタライゲーションされた断片の収集物を、第1にMmeIで、第2にFokIで消化して、N20 DNA断片の収集物を産生するステップと、
(d)第2のライゲーションステップにおいて、第2のアダプタを前記N20 DNA断片の収集物にライゲーションするステップであって、
前記第2のアダプタをコードする配列が、プロモーター配列および核酸ガイド化ヌクレアーゼ系タンパク質結合配列を含み、
前記核酸ガイド化ヌクレアーゼ系タンパク質結合配列が、ライゲーション後に前記N20配列および前記プロモーターの間に位置する、ステップと
を含む方法。
【0535】
実施形態183. 前記DNAが、非特異的ニッカーゼおよびエンドヌクレアーゼによりランダムに断片化される、実施形態182に記載の方法。
【0536】
実施形態184. 前記エンドヌクレアーゼが、T7エンドヌクレアーゼIである、実施形態183に記載の方法。
【0537】
実施形態185. 前記プロモーター配列が、T7プロモーター配列、SP6プロモーター配列およびT3プロモーター配列からなる群から選択される、実施形態182に記載の方法。
【0538】
実施形態186. 前記第2のアダプタが、二本鎖DNAアダプタである、実施形態182に記載の方法。
【0539】
実施形態187. 前記第1のライゲーションステップが、高温リガーゼを使用して実行される、実施形態182に記載の方法。
【0540】
実施形態188. 前記核酸ガイド化ヌクレアーゼ系タンパク質結合配列が、CRISPR/Cas系タンパク質と適合性である、実施形態182に記載の方法。
【0541】
実施形態189. 前記CRISPR/Cas系タンパク質が、Cpf1系タンパク質である、実施形態188に記載の方法。
【0542】
実施形態190. 前記DNA試料が、ゲノムDNAまたはcDNAを含む、実施形態182に記載の方法。
【0543】
実施形態191. 前記DNA試料が、ヒトDNAを含む、実施形態182に記載の方法。
【0544】
実施形態192. 前記DNA試料が、宿主DNAを含む、実施形態182に記載の方法。
【0545】
実施形態193. 前記DNA試料が、真核生物DNAを含む、実施形態182に記載の方法。
【0546】
実施形態194. 核酸の収集物を作製する方法であって、
(a)DNA試料をランダムに剪断して、DNA断片の収集物を産生するステップと、
(b)前記DNA断片をメチラーゼでメチル化するステップと、
(c)前記DNA断片の収集物を末端修復して、平滑末端化されたDNA断片の収集物を産生するステップと、
(d)第1のライゲーションステップにおいて第1のアダプタを前記平滑末端化されたDNA断片の収集物にライゲーションして、第1のアダプタDNA断片の収集物を産生するステップであって、
前記第1のアダプタが、5’から3’に、NtBstNBI制限部位、前記第1のアダプタのリン酸骨格における改変された切断抵抗性結合、およびPAM配列に相補的な配列を含む、ステップと、
(e)前記第1のアダプタDNA断片を制限酵素およびNtBstNBIで消化するステップと、
(f)第2のライゲーションステップにおいて第2のアダプタを前記消化された第1のアダプタDNA断片にライゲーションして、第2のアダプタDNA断片の収集物を産生するステップであって、
前記第2のアダプタが、FokI部位およびMmeI部位を含み、
前記MmeI部位が、ライゲーション後に前記FokI部位および前記DNA断片の間に位置する、ステップと、
(g)前記第2のアダプタライゲーションされた断片の収集物を、第1にMmeIで、第2にFokIで消化して、N20 DNA断片の収集物を産生するステップと、
(h)第3のライゲーション反応において、第3のアダプタを前記N20 DNA断片の収集物にライゲーションするステップであって、
前記第3のアダプタをコードする配列が、プロモーター配列および核酸ガイド化ヌクレアーゼ系タンパク質結合配列をコードする配列を含み、
前記核酸ガイド化ヌクレアーゼ系タンパク質結合配列が、ライゲーション後に前記N20配列および前記プロモーターの間に位置する、ステップと
を含む方法。
【0547】
実施形態195. 前記ランダム剪断ステップが、機械的、酵素的または化学的剪断を含む、実施形態194に記載の方法。
【0548】
実施形態196. 前記メチラーゼが、EcoGII DNAメチルトランスフェラーゼを含む、実施形態194に記載の方法。
【0549】
実施形態197. 前記改変された切断抵抗性結合が、ホスホロチオエート結合を含む、実施形態194に記載の方法。
【0550】
実施形態198. 前記PAM部位が、Cpf1系タンパク質と適合性であるPAM部位を含む、実施形態194に記載の方法。
【0551】
実施形態199. 前記PAM部位が、TTNを含み、前記制限酵素が、MluCIまたはMseIを含む、実施形態194に記載の方法。
【0552】
実施形態200. 前記PAM部位が、TCNを含み、前記制限酵素が、DpnIIを含む、実施形態194に記載の方法。
【0553】
実施形態201. 前記PAM部位が、TGNを含み、前記制限酵素が、FatIを含む、実施形態194に記載の方法。
【0554】
実施形態202. 前記プロモーター配列が、T7プロモーター配列、SP6プロモーター配列およびT3プロモーター配列からなる群から選択される、実施形態194に記載の方法。
【0555】
実施形態203. 前記核酸ガイド化ヌクレアーゼ系タンパク質結合配列が、CRISPR/Cas系タンパク質と適合性である、実施形態194に記載の方法。
【0556】
実施形態204. CRISPR/Cas系タンパク質が、Cpf1系タンパク質である、実施形態203に記載の方法。
【0557】
実施形態205. 前記DNA試料が、ゲノムDNAまたはcDNAを含む、実施形態194に記載の方法。
【0558】
実施形態206. 前記DNA試料が、ヒトDNAを含む、実施形態194に記載の方法。
【0559】
実施形態207. 前記DNA試料が、宿主DNAを含む、実施形態194に記載の方法。
【0560】
実施形態208. 前記DNA試料が、真核生物DNAを含む、実施形態194に記載の方法。
【0561】
実施形態209. 核酸の収集物を作製する方法であって、
(a)DNA試料をランダムに剪断して、DNA断片の収集物を産生するステップと、
(b)前記DNA断片の収集物を末端修復して、平滑末端化されたDNA断片を産生するステップと、
(c)第1のライゲーションステップにおいて第1のアダプタを前記平滑末端化されたDNA断片にライゲーションして、第1のアダプタDNA断片の収集物を産生するステップであって、
前記第1のアダプタが、5’から3’に、Nt.BstNBI制限部位、およびPAM配列に相補的な配列を含む、ステップと、
(d)前記第1のアダプタDNA断片をNt.BstNBIでニッキングするステップと、
(e)前記ニックから5’末端へと、3’から5’への方向で、前記第1のアダプタDNA断片のトップ鎖を分解するステップと、
(f)第2のライゲーションステップにおいて第2のアダプタを前記分解された第1のアダプタDNA断片にライゲーションして、第2のアダプタDNA断片の収集物を産生するステップであって、
前記第2のアダプタが、5’から3’の向きで、MlyI配列、前記PAM配列に相補的な配列、および前記PAM配列を含む、ステップと、
(g)前記第2のアダプタ断片をMlyIで消化するステップと、
(h)第3のライゲーションステップにおいて第3のアダプタを前記MlyI消化された第2のアダプタライゲーションされた断片にライゲーションして、第3のアダプタDNA断片の収集物を産生するステップであって、
前記第3のアダプタが、FokI部位およびMmeI部位を含み、
前記MmeI部位が、ライゲーション後に前記FokI部位および前記DNA断片の間に位置する、ステップと、
(i)前記第3のアダプタDNA断片の収集物を、第1にMmeIで、第2にFokIで消化して、N20 DNA断片の収集物を産生するステップと、
(j)第4のライゲーション反応において、第4のアダプタを前記N20 DNA断片の収集物にライゲーションするステップであって、
前記第4のアダプタをコードする配列が、プロモーター配列および核酸ガイド化ヌクレアーゼ系タンパク質結合配列を含み、
前記核酸ガイド化ヌクレアーゼ系タンパク質結合配列が、ライゲーション後に前記N20配列および前記プロモーターの間に位置する、ステップと
を含む方法。
【0562】
実施形態210. 前記第2のアダプタが、一本鎖DNA分子である、実施形態209に記載の方法。
【0563】
実施形態211. 前記第3のアダプタが、二本鎖DNA分子である、実施形態209に記載の方法。
【0564】
実施形態212. (f)の前記ライゲーションステップの後、かつMlyI消化(g)の前に、前記第2のアダプタDNA断片の収集物のPCR増幅をさらに含む、実施形態209に記載の方法。
【0565】
実施形態213. 前記ランダム剪断ステップが、機械的、酵素的または化学的剪断を含む、実施形態209に記載の方法。
【0566】
実施形態214. エキソヌクレアーゼ3が、(e)において前記トップ鎖を分解する、実施形態209に記載の方法。
【0567】
実施形態215. 前記第2のライゲーションステップが、高温リガーゼにより実行される、実施形態209に記載の方法。
【0568】
実施形態216. 前記PAM部位が、Cpf1系タンパク質と適合性であるPAM部位を含む、実施形態209に記載の方法。
【0569】
実施形態217. 前記PAM部位が、TTN、TCNまたはTGNを含む、実施形態209に記載の方法。
【0570】
実施形態218. 前記第2のアダプタが、二本鎖DNAアダプタである、実施形態209に記載の方法。
【0571】
実施形態219. 前記核酸ガイド化ヌクレアーゼ系タンパク質結合配列が、CRISPR/Cas系タンパク質と適合性である、実施形態209に記載の方法。
【0572】
実施形態220. 前記CRISPR/Cas系タンパク質が、Cpf1系タンパク質である、実施形態219に記載の方法。
【0573】
実施形態221. 前記DNA試料が、ゲノムDNAまたはcDNAを含む、実施形態209に記載の方法。
【0574】
実施形態222. 前記DNA試料が、ヒトDNAを含む、実施形態209に記載の方法。
【0575】
実施形態223. 前記DNA試料が、宿主DNAを含む、実施形態209に記載の方法。
【0576】
実施形態224. 前記DNA試料が、真核生物DNAを含む、実施形態209に記載の方法。
【0577】
実施形態225. 核酸の収集物を作製する方法であって、
(a)DNA試料をランダムに剪断して、DNA断片の収集物を産生するステップと、
(b)第1のライゲーション反応において環状アダプタを前記DNA断片の収集物にライゲーションして、環状アダプタDNA断片の収集物を産生するステップであって、
前記環状アダプタが、PAM配列に相補的な配列を含む、ステップと、
(c)前記環状アダプタDNA断片の収集物をメチラーゼでメチル化するステップと、
(d)前記環状アダプタDNA断片の収集物をエキソヌクレアーゼで消化するステップと、
(e)前記環状アダプタDNA断片の収集物を制限酵素で消化するステップと、
(f)第2のライゲーション反応において第2のアダプタを前記環状アダプタDNA断片の収集物にライゲーションして、第2のアダプタDNA断片の収集物を産生するステップであって、
前記第2のアダプタが、5’から3’に、PAM部位に相補的な配列、PAM部位、およびMlyI部位を含む、ステップと、
(g)前記第2のアダプタDNA断片の収集物をPCR増幅するステップであって、
PCRプライマーが、前記第2のアダプタの配列または前記第2のアダプタの配列に相補的な配列を含み、PCR増幅された第2のアダプタDNA断片の収集物を産生するステップと、
(h)前記PCR増幅された第2のアダプタDNA断片の収集物をMlyIで消化するステップと、
(i)第3のライゲーション反応において第3のアダプタを前記PCR増幅された第2のアダプタDNA断片の収集物にライゲーションして、第3のアダプタDNA断片の収集物を産生するステップであって、
前記第3のアダプタが、FokI部位およびMmeI部位を含み、
前記MmeI部位が、ライゲーション後に前記FokI部位および前記DNA断片の間に位置する、ステップと、
(j)前記第3のアダプタライゲーションされた断片の収集物を、第1にMmeIで、第2にFokIで消化して、N20 DNA断片の収集物を産生するステップと、
(k)第4のライゲーション反応において、第4のアダプタを前記N20 DNA断片の収集物にライゲーションするステップであって、
前記第4のアダプタをコードする配列が、プロモーター配列および核酸ガイド化ヌクレアーゼ系タンパク質結合配列を含み、
前記核酸ガイド化ヌクレアーゼ系タンパク質結合配列が、ライゲーション後に前記N20配列および前記プロモーターの間に位置する、ステップと
を含む方法。
【0578】
実施形態226. 前記ランダム剪断ステップが、機械的、酵素的または化学的剪断を含む、実施形態225に記載の方法。
【0579】
実施形態227. 前記エキソヌクレアーゼが、ラムダエキソヌクレアーゼを含む、実施形態225に記載の方法。
【0580】
実施形態228. 前記メチラーゼが、EcoGIIメチルトランスフェラーゼを含む、実施形態225に記載の方法。
【0581】
実施形態229. 前記第2のライゲーションステップが、高温リガーゼを含む、実施形態225に記載の方法。
【0582】
実施形態230. 前記PAM部位が、Cpf1系タンパク質と適合性であるPAM部位を含む、実施形態225に記載の方法。
【0583】
実施形態231. 前記PAM部位が、TTN、TCNまたはTGNを含む、実施形態225に記載の方法。
【0584】
実施形態232. 前記核酸ガイド化ヌクレアーゼ系タンパク質結合配列が、CRISPR/Cas系タンパク質と適合性である、実施形態225に記載の方法。
【0585】
実施形態233. CRISPR/Cas系タンパク質が、Cpf1系タンパク質である、実施形態232に記載の方法。
【0586】
実施形態234. 前記DNA試料が、ゲノムDNAまたはcDNAを含む、実施形態に記載の方法。
【0587】
実施形態235. 前記DNA試料が、ヒトDNAを含む、実施形態225に記載の方法。
【0588】
実施形態236. 前記DNA試料が、宿主DNAを含む、実施形態225に記載の方法。
【0589】
実施形態237. 前記DNA試料が、真核生物DNAを含む、実施形態225に記載の方法。
【0590】
実施形態238. 核酸の収集物を作製する方法であって、
(a)DNA試料をランダムに剪断して、DNA断片の収集物を産生するステップと、
(b)前記DNA断片の収集物をT7エキソヌクレアーゼで消化するステップと、
(c)前記DNA断片の収集物にアダプタをアニールするステップであって、
前記アダプタが、5’から3’に、5’リン酸、12塩基対ランダム配列、プロモーター配列、核酸ガイド化ヌクレアーゼ系タンパク質結合配列、FokI制限部位、FokI制限部位に相補的な配列、PAM配列、および8塩基対ランダム配列を含む、ステップと、
(d)前記アダプタを前記DNA断片の収集物にライゲーションして、アダプタDNA断片の収集物を産生するステップと、
(e)前記アダプタDNA断片の収集物をDNAエキソヌクレアーゼで処理するステップと、
(f)前記アダプタDNA断片の収集物に、前記FokI部位の配列および前記FokI部位に相補的な配列に相補的な配列を含む一本鎖DNAをアニールするステップと、
(g)FokIで消化して、FokI消化されたアダプタDNA断片の収集物を産生するステップと、
(h)前記FokI消化されたアダプタDNA断片をリガーゼで自己環状化するステップと
を含む方法。
【0591】
実施形態239. PCR増幅をさらに含む、実施形態238に記載の方法。
【0592】
実施形態240. 前記PCR増幅が、ローリングサークルPCR反応を含む、実施形態239に記載の方法。
【0593】
実施形態241. 前記FokI消化されたアダプタDNA断片を線状にするステップをさらに含む、実施形態238に記載の方法。
【0594】
実施形態242. 前記FokI消化されたアダプタDNA断片が、少なくとも1種のDNA修復酵素により直鎖化される、実施形態241に記載の方法。
【0595】
実施形態243. 前記少なくとも1種のDNA修復酵素が、ウラシルDNAグリコシラーゼ(UDG)およびエンドヌクレアーゼVIIIを含む、実施形態242に記載の方法。
【0596】
実施形態244. PCR増幅をさらに含む、実施形態242または243に記載の方法。
【0597】
実施形態245. 前記PAM部位が、Cpf1系タンパク質と適合性であるPAM部位を含む、実施形態238に記載の方法。
【0598】
実施形態246. 前記PAM部位が、TTN、TCNまたはTGNを含む、実施形態238に記載の方法。
【0599】
実施形態247. 前記リガーゼが、HiFidelity Taqリガーゼを含む、実施形態238に記載の方法。
【0600】
実施形態248. 前記DNAエキソヌクレアーゼが、エキソヌクレアーゼ1、エキソヌクレアーゼ3、またはそれらの組合せを含む、実施形態238に記載の方法。
【0601】
実施形態249. 前記核酸ガイド化ヌクレアーゼ系タンパク質結合配列が、CRISPR/Cas系タンパク質と適合性である、実施形態238に記載の方法。
【0602】
実施形態250. 前記CRISPR/Cas系タンパク質が、Cpf1系タンパク質である、実施形態249に記載の方法。
【0603】
実施形態251. 前記DNA試料が、ゲノムDNAまたはcDNAを含む、実施形態238に記載の方法。
【0604】
実施形態252. 前記DNA試料が、ヒトDNAを含む、実施形態238に記載の方法。
【0605】
実施形態253. 前記DNA試料が、宿主DNAを含む、実施形態238に記載の方法。
【0606】
実施形態254. 前記DNA試料が、真核生物DNAを含む、実施形態238に記載の方法。
【実施例
【0607】
(実施例1)
T7プロモーターヒトDNAライブラリーからのgRNAライブラリーの構築
T7プロモーターライブラリー構築
S2 Covaris超音波処理器(Covaris)を8サイクル使用して、ヒトゲノムDNA(400ng)を断片化して、200~300bpの長さの断片を得た。NEBNext End Repair Module(NEB)を使用して、断片化されたDNAを修復し、25℃で30分間インキュベートし、次いで75℃で20分間熱失活させた。T7プロモーターアダプタを作製するために、オリゴT7-1(5’GCCTCGAGC*T*A*ATACGACTCACTATAGAG3’、*は、ホスホロチオエート骨格連結を表示)およびT7-2(配列5’Phos-CTCTATAGTGAGTCGTATTA3’)を15μMで混合し、98℃で3分間加熱し、次いで30℃までゆっくり冷却した(0.1℃/分)。次に、T7プロモーター平滑アダプタ(総計15pmol)を、平滑末端化されたヒトゲノムDNA断片に添加し、Blunt/TAリガーゼマスターミックス(NEB)と共に25℃で30分間インキュベートした(図1中の(2))。10サイクルのPCR(98℃で20秒間、63℃で20秒間、72℃で35秒間)のため、Hi-Fidelity 2×マスターミックス(NEB)を使用して、2μMオリゴT7-1によりライゲーションを増幅した。アガロースゲル電気泳動において少量のアリコートを泳動することにより、増幅を検証した。PCR増幅された産物は、製造業者の説明書に従って0.6×AxyPrepビーズ(Axygen)を使用して回収し、15μLの10mMトリス-HCl、pH8に再懸濁した。T7以外の他の適切なプロモーター部位を使用することもできる。
【0608】
DNAの消化
PCR増幅されたT7プロモーターDNA(消化につき総計2μg)を、10μLのNEBバッファー2(50mM NaCl、10mMトリス-HCl、pH7.9、10mM MgCl、100μg/mL BSA)における0.1μLのNt.CviPII(NEB)により10分間37℃で消化し(図1中の(3))、次に、75℃で20分間熱失活させた。さらなる10μLのNEBバッファー2と1μLのT7エンドヌクレアーゼI(NEB)を反応液に添加し、37℃で20分間インキュベートした(図1中の(4))。DNAの酵素消化をアガロースゲル電気泳動によって検証した。製造業者の説明書に従って、0.6×AxyPrepビーズ(Axygen)を添加することにより、消化されたDNAを回収し、15μLの10mMトリス-HCl、pH8に再懸濁した。
【0609】
アダプタのライゲーションおよびHGGの除去
次に、T4 DNAポリメラーゼ(NEB)を20分間25℃で使用して、DNAを平滑末端化し、続いて熱失活を75℃で20分間行った(図1中の(5))。
【0610】
MlyIアダプタを作製するために、オリゴMlyI-1(配列5’>3’、5’Phos-GGGACTCGGATCCCTATAGTGATACAAAGACGATGACGACAAGCG)およびMlyI-2(配列5’>3’、TCACTATAGGGATCCGAGTCCC)を15μMで混合し、98℃で3分間加熱し、次いで30℃までゆっくり冷却した(0.1℃/分)。次に、MlyIアダプタ(総計15pmol)を、T4 DNAポリメラーゼ平滑末端化DNAに添加し、Blunt/TAリガーゼマスターミックス(NEB)と共に25℃で30分間インキュベートした(図1中の(6))。ライゲーションを75℃で20分間熱失活させ、次に、HGGモチーフが排除できるように、MlyIおよびXhoI(NEB)により1時間37℃で消化した(図1中の(7))。次に、0.8×AxyPrepビーズ(Axygen)を使用して、消化物を浄化し、DNAを10μLの10mMトリス-Cl、pH8に再懸濁した。
【0611】
StlgRアダプタを作製するために、オリゴstlgR(配列5’>3’、5’Phos-GTTTTAGAGCTAGAAATAGCAAGTTAAAATAAGGCTAGTCCGTTATCAACTTGAAAAAGTGGCACCGAGTCGGTGCTTTTTTTGGATCCGATGC)およびstlgRev(配列5’>3’、GGATCCAAAAAAAGCACCGACTCGGTGCCACTTTTTCAAGTTGATAACGGACTAGCCTTATTTTAACTTGCTATTTCTAGCTCTAAAAC)を15μMで混合し、98℃で3分間加熱し、次いで60℃までゆっくり冷却した(0.1℃/分)。StlgRアダプタ(総計5pmol)を、HGG除去DNA断片に添加し、Blunt/TAリガーゼマスターミックス(NEB)と共に25℃で30分間インキュベートした(図1中の(8))。次に、2μMの両方のオリゴT7-1およびgRU(配列5’>3’、AAAAAAAGCACCGACTCGGTG)を使用して、ライゲーションをHi-Fidelity 2×マスターミックス(NEB)と共にインキュベートし、20サイクルのPCR(98℃で20秒間、60℃で20秒間、72℃で35秒間)を使用して増幅させた。アガロースゲル電気泳動において少量のアリコートを泳動することにより、増幅を検証した。PCR増幅された産物は、製造業者の説明書に従って0.6×AxyPrepビーズ(Axygen)を使用して回収し、15μLの10mMトリス-HCl、pH8に再懸濁した。
【0612】
in vitro転写
次に、HiScribe T7 In Vitro転写キット(NEB)を使用して、PCR産物のT7/gRU増幅されたライブラリーを、in vitro転写のための鋳型として使用した。製造業者の説明書に従って、500~1000ngの鋳型を一晩37℃でインキュベートした。ガイドライブラリーをgRNAへと転写するために、次のin vitro転写反応混合物をアセンブルした:10μLの精製されたライブラリー(ほぼ500ng)、6.5μLのHO、2.25μLのATP、2.25μLのCTP、2.25μLのGTP、2.25μLのUTP、2.25μLの10×反応バッファー(NEB)および2.25μLのT7 RNAポリメラーゼミックス。反応液を37℃で24時間インキュベートし、次いで、RNAクリーンアップ(cleanup)キット(Life Technologies)を使用して精製し、100μLのRNaseフリーの水により溶出し、定量化し、使用まで-20℃で貯蔵した。
【0613】
(実施例2)
インタクトなヒトゲノムDNAからのgRNAライブラリーの構築
DNAの消化
ヒトゲノムDNA(図2中の(1);消化につき総計20μg)を、40μLのNEBバッファー2(50mM NaCl、10mMトリス-HCl、pH7.9、10mM MgCl、100μg/mL BSA)における0.1μLのNt.CviPII(NEB)により10分間37℃で消化し、次いで75℃で20分間熱失活させた。さらなる40μLのNEBバッファー2および1μLのT7エンドヌクレアーゼI(NEB)を反応液に添加し、37℃で20分間インキュベーションを行った(例えば、図2中の(2))。アガロースゲル電気泳動によって、少量のアリコートによりゲノムDNAの断片化を検証した。0.3×AxyPrepビーズ(Axygen)を添加し、25℃で5分間インキュベートし、磁気スタンドにおいてビーズを捕捉し、上清を新しいチューブに移すことにより、200~600bpの間のDNA断片を回収した。600bpを下回るDNA断片は、このビーズ/DNA比ではビーズに結合せず、上清中に残る。次に、0.7×AxyPrepビーズ(Axygen)を上清に添加し(これは、200bpよりも長い全DNA分子に結合し得る)、5分間結合させた。ビーズを磁気スタンドにおいて捕捉し、80%エタノールで2回洗浄し、風乾した。次に、DNAを15μLの10mMトリス-HCl、pH8に再懸濁した。Qbitアッセイ(Life Technologies)を使用して、DNA濃度を決定した。
【0614】
アダプタのライゲーション
T7/MlyIアダプタを作製するために、オリゴMlyI-1(配列5’>3’、5’Phos-GGGGGACTCGGATCCCTATAGTGATACAAAGACGATGACGACAAGCG)およびT7-7(配列5’>3’、GCCTCGAGC*T*A*ATACGACTCACTATAGGGATCCAAGTCCC、*は、ホスホロチオエート骨格連結を表示)を15μMで混合し、98℃で3分間加熱し、次いで30℃までゆっくり冷却した(0.1℃/分)。次に、Blunt/TAリガーゼマスターミックス(NEB)を25℃で30分間使用して、精製された、Nt.CviPII/T7エンドヌクレアーゼI消化DNA(100ng)を、15pmolのT7/MlyIアダプタにライゲートした(図2中の(3))。次に、Hi-Fidelity 2×マスターミックス(NEB)、ならびに2μMの両方のオリゴT7-17(GCCTCGAGC*T*A*ATACGACTCACTATAGGG、*は、ホスホロチオエート骨格連結を表示)およびFlag(配列5’>3’、CGCTTGTCGTCATCGTCTTTGTA)を使用して、10サイクルのPCR(98℃で20秒間、60℃で20秒間、72℃で35秒間)によってライゲーションを増幅した。PCR増幅は、DNAの収量を増加させ、使用したY字型アダプタの性質を考慮すると、常に、HGG部位に対し遠位に付加されたT7プロモーターと、HGGモチーフの隣に付加されたMlyI部位をもたらした(図2中の(4))。
【0615】
次に、PCR産物をMlyIおよびXhoI(NEB)により1時間37℃で消化し、75℃で20分間熱失活させた(図2中の(5))。その後に、Blunt/TAリガーゼマスターミックス(NEB)を25℃で30分間使用して、5pmolのアダプタStlgR(実施例1における)をライゲートした(図2中の(6))。次に、Hi-Fidelity 2×マスターミックス(NEB)、2μMの両方のオリゴT7-7およびgRU(実施例1における)ならびに20サイクルのPCR(98℃で20秒間、60℃で20秒間、72℃で35秒間)を使用したPCRによって、ライゲーションを増幅した。アガロースゲル電気泳動において少量のアリコートを泳動することにより、増幅を検証した。PCR増幅された産物は、製造業者の説明書に従って0.6×AxyPrepビーズ(Axygen)を使用して回収し、15μLの10mMトリス-HCl、pH8に再懸濁した。
【0616】
次に、実施例1に記載されている通り、試料をin vitro転写反応のための鋳型として使用した。
【0617】
(実施例3)
CviPIIによる直接的切断
30μgのヒトゲノムDNAを、2ユニットのNtCviPII(New England Biolabs)により1時間37℃で消化し、続いて、75℃で20分間熱失活を行った。断片分析計装置(Advanced Analytical)を使用して、断片のサイズを200~1,000塩基対であると検証した。100ユニットのT4 DNAポリメラーゼ(New England Biolabs)、100μM dNTPを添加し、12℃で30分間インキュベートすることにより、5’または3’突出末端(例えば、図3に示す通り)を平滑末端に変換した。次に、PCRクリーンアップキット(Zymo)を使用して、DNAを回収し、20μL溶出バッファー中に溶出した。次に、DNAを、MlyIアダプタ(例えば、実施例4を参照)またはFokI/MmeIアダプタもしくはBaeI/EcoP15Iアダプタ(例えば、実施例5を参照)にライゲートした。
【0618】
(実施例4)
MlyIアダプタの使用
40μLの水において2μモルのMlyI Ad1およびMly Ad2を組み合わせることにより、アダプタMlyIを作製した。40μLの水において2μモルのオリゴBsMm-Ad1および2μモルのオリゴBsMm-Ad2を組み合わせることにより、アダプタBsaXI/MmeIを作製した。100μLの水において1.5μモルのT7-Ad1およびT7-Ad2オリゴを組み合わせることにより、T7アダプタを作製した。100μLの水において1.5μモルのgR-topおよびgR-botオリゴを組み合わせることにより、ステムループアダプタを作製した。全ての事例において、混合後に、アダプタを98℃で3分間加熱し、次いでサーマルサイクラーにおいて1℃/分の冷却速度で室温まで冷却した。T7以外の他の適切なプロモーター部位を使用することもできる。
【0619】
次に、blunt/TAライゲーションマスターミックス(New England Biolabs)を室温で30分間使用して、CCD平滑末端を含有するDNA(先のセクションから)を50pモルのアダプタMlyIにライゲートした。次に、0.6×Kapa SPRIビーズ(Kapa Biosystems)と共に5分間インキュベートし、ビーズを磁気ラックにより捕捉し、80%エタノールで2回洗浄し、ビーズを5分間風乾し、最後にDNAを50μLのバッファー4(50mM酢酸カリウム、20mMトリス酢酸塩、10mM酢酸マグネシウム、100μg/mL BSA、pH7.9)に再懸濁することにより、DNAを回収した。これらのステップは、小型の(<100ヌクレオチド)DNAおよびMlyIアダプタ二量体を排除する。
【0620】
次に、20ユニットのMlyI(New England Biolabs)を添加し、37℃で1時間インキュベートすることにより、精製されたDNAを消化して、アダプタ由来の配列およびCCD(および相補的HGG)モチーフの両方を排除した。0.6×Kapa SPRIビーズ(Kapa Biosystems)と共に5分間インキュベートし、ビーズを磁気ラックにより捕捉し、80%エタノールで2回洗浄し、ビーズを5分間風乾し、最後にDNAを30μLのバッファー4に再懸濁することにより、消化物からDNAを回収した。
【0621】
次に、blunt/TAライゲーションマスターミックス(New England Biolabs)を室温で30分間使用して、精製されたDNAを50pモルのアダプタBsaXI/MmeIにライゲートした。次に、0.6×Kapa SPRIビーズ(Kapa Biosystems)と共に5分間インキュベートし、ビーズを磁気ラックにより捕捉し、80%エタノールで2回洗浄し、ビーズを5分間風乾し、最後にDNAを50μLのバッファー4(50mM酢酸カリウム、20mMトリス酢酸塩、10mM酢酸マグネシウム、100μg/mL BSA、pH7.9)に再懸濁することにより、DNAを回収した。次に、20ユニットのMmeI(New England Biolabs)および40pmol/μLのSAM(S-アデノシルメチオニン)を添加して37℃で1時間放置し、続いて75℃で20分間熱失活させることにより、DNAを消化した。次に、blunt/TAライゲーションマスターミックス(New England Biolabs)を室温で30分間使用して、DNAを30pモルのT7アダプタにライゲートした。次に、PCRクリーンアップキット(Zymo)を使用してDNAを回収し、20μLのバッファー4中に溶出し、次いで20ユニットのBsaXIにより1時間37℃で消化した。15pモルのステムループアダプタを添加し、blunt/TAライゲーションマスターミックス(New England Biolabs)を室温で30分間使用することにより、ガイドRNAステムループ配列を付加した。次に、PCRクリーンアップキット(Zymo)を使用してDNAを回収し、20μLの溶出バッファー中に溶出し、HiFidelity 2×マスターミックス(New England Biolabs)を使用してPCR増幅した。プライマーT7-Ad1およびgRU(配列5’>3’、AAAAAAGCACCGACTCGGTG)を使用して、次の設定(98℃で3分間;98℃で20秒間、60℃で30秒間、72℃で20秒間を30サイクル)により増幅した。PCRアンプリコンは、PCRクリーンアップキットを使用してクリーンアップし、DNA配列決定によって検証し、次いで、in vitro転写反応のための鋳型として使用して、ガイドRNAを生成した。
【0622】
(実施例5)
BaeI/EcoP15Iアダプタの使用
40μLの水において2μモルのBE Ad1およびBE Ad2を組み合わせることにより、アダプタBaeI/EcoP15Iを作製した。100μLの水において1.5μモルのT7-Ad3およびT7-Ad4オリゴを組み合わせることにより、T7-Eアダプタを作製した。全ての事例において、混合後に、アダプタを98℃で3分間加熱し、次いでサーマルサイクラーにおいて1℃/分の冷却速度で室温まで冷却した。T7以外の他の適切なプロモーター部位を使用することもできる。
【表5】
【0623】
次に、blunt/TAライゲーションマスターミックス(New England Biolabs)を室温で30分間使用して、CCD平滑末端を含有するDNA(先のセクションから)を50pモルのアダプタBaeI/EcoP15Iにライゲートした。次に、0.6×Kapa SPRIビーズ(Kapa Biosystems)と共に5分間インキュベートし、ビーズを磁気ラックにより捕捉し、80%エタノールで2回洗浄し、ビーズを5分間風乾し、最後にDNAを50μLのバッファー4(50mM酢酸カリウム、20mMトリス酢酸塩、10mM酢酸マグネシウム、100μg/mL BSA、pH7.9)に再懸濁することにより、DNAを回収した。次に、回収されたDNAを20ユニットのPmeIにより30分間37℃で消化し;次いで、1.2×Kapa SPRIビーズ(Kapa Biosystems)と共に5分間インキュベートし、ビーズを磁気ラックにより捕捉し、80%エタノールで2回洗浄し、ビーズを5分間風乾し、最後にDNAを50μLのバッファー4に再懸濁することにより、DNAを回収した。これらのステップは、小型の(<100ヌクレオチド)DNAおよびBaeI/EcoP15Iアダプタ多量体を排除する。
【0624】
次に、20ユニットのEcoP15I(New England Biolabs)および1mM ATPを添加して37℃で1時間放置し、続いて75℃で20分間熱失活させることにより、DNAを消化した。次に、blunt/TAライゲーションマスターミックス(New England Biolabs)を室温で30分間使用して、DNAを30pモルのT7-Eアダプタにライゲートした。次に、PCRクリーンアップキット(Zymo)を使用してDNAを回収し、20μLのバッファー4中に溶出した。
【0625】
次に、20ユニットのBaeI(New England Biolabs)、40pmol/μLのSAM(S-アデノシルメチオニン)を添加し、37℃で1時間インキュベートすることにより、精製されたDNAを消化して、アダプタ由来の配列およびCCD(および相補的HGG)モチーフの両方を排除した。次に、PCRクリーンアップキット(Zymo)を使用してDNAを回収し、20μLの溶出バッファー中に溶出した。
【0626】
次に、20μLのssライゲーションバッファー(10mMビス-トリス-プロパン-HCl、10mM MgCl、1mM DTT、2.5mM MnCl、pH7、25℃で)における20ユニットのリガーゼ、20pmolのstlgRオリゴを添加し、65℃で1時間インキュベートし、続いて90℃で5分間熱失活させることにより、熱安定性5’AppDNA/RNAリガーゼ(New England Biolabs)を使用して、回収されたDNAをstlgRオリゴにライゲートした。次に、HiFidelity 2×マスターミックス(New England Biolabs)を使用して、DNA産物をPCR増幅した。プライマーT7-Ad3およびgRU(配列5’>3’、AAAAAAGCACCGACTCGGTG)を使用して、次の設定(98℃で3分間;98℃で20秒間、60℃で30秒間、72℃で20秒間を30サイクル)により増幅した。PCRアンプリコンは、PCRクリーンアップキットを使用してクリーンアップし、DNA配列決定によって検証し、次いで、in vitro転写反応のための鋳型として使用して、ガイドRNAを生成した。
【0627】
(実施例6)
FokI/MmeIアダプタの使用
【0628】
2μモルのcircMFオリゴを40μLの水に希釈することにより、アダプタFokI/MmeIを作製した。1.5μモルのT7-Ad3およびT7-Ad4オリゴを100μLの水において組み合わせることにより、T7-Eアダプタを作製した。1.5μモルのN4UstlgRおよびMNAオリゴを100μLの水において組み合わせることにより、N4stlgRアダプタを作製した。全ての事例において、混合後に、アダプタを98℃に3分間加熱し、次いで、サーマルサイクラーにおいて1℃/分の冷却速度で室温に冷却した。T7以外の他の適切なプロモーター部位を使用することもできる。
【表6】
【0629】
次いで、平滑末端/TAライゲーションマスターミックス(New England Biolabs)を使用して、室温で20分間、CCD平滑末端(前のセクションより)を含有するDNAを、50ピコモルのアダプタFokI/MmeIにライゲーションした。次いで、10ユニットのMfeIおよび10ユニットのラムダエキソヌクレアーゼ(New England Biolabs)を補充した50ulのバッファー4(50mM酢酸カリウム、20mMトリス・酢酸、10mM酢酸マグネシウム、100μg/mL BSA、pH7.9)を添加することにより、ライゲーション反応を停止し、37℃で30分間インキュベートした。次いで、0.6×Kapa SPRIビーズ(Kapa Biosystems)と共に5分間インキュベートし、ビーズを磁気ラックで捕捉し、80%エタノールで2回洗浄し、ビーズを5分間風乾し、最後に、DNAを50μLのバッファー4に再懸濁することにより、DNAを回収した。次いで、回収されたDNAを、20ユニットのPmeIにより、30分間37℃で消化した;次いで、1.2×Kapa SPRIビーズ(Kapa Biosystems)と共に5分間インキュベートし、ビーズを磁気ラックで捕捉し、80%エタノールで2回洗浄し、ビーズを5分間風乾し、最後に、DNAを50μLのバッファー4に再懸濁することにより、DNAを回収した。これらのステップは、ライゲーションされていないDNA、ライゲーションされていないFokI/MmeIアダプタ、FokI/MmeIアダプタ多量体、および部分的にライゲーションされたDNAを排除する。
【0630】
次いで、37℃で45分間の20ユニットのMmeI(New England Biolabs)および0.05mM SAM(S-アデノシルメチオニン)の添加によりDNAを消化し、続いて75℃で20分間熱失活させた。次いで、平滑末端/TAライゲーションマスターミックス(New England Biolabs)を使用して、室温で30分間、DNAを30ピコモルのT7-Eアダプタにライゲーションした。次いで、1.6×Kapa SPRIビーズ(Kapa Biosystems)と共に5分間インキュベートし、ビーズを磁気ラックで捕捉し、80%エタノールで2回洗浄し、ビーズを5分間風乾し、最後に、DNAを20μLのバッファー4に再懸濁することにより、DNAを回収した。
【0631】
次いで、20ユニットのFokI(New England Biolabs)を添加し、37℃で20分間インキュベートすることにより、精製されたDNAを消化して、アダプタ由来の配列およびCCD(および相補的HGG)モチーフの両方を排除した。次いで、Quickライゲーションキット(New England Biolabs)を室温で20分間使用して、DNAを10ピコモルのN4stlgRアダプタにライゲーションした。次いで、反応物を75℃で20分間熱失活させた。
【0632】
次いで、ライゲーションされたDNAを、ウラシル(U)残基を切除するUSER酵素(New England Biolabs)で処理して、N4stlgRアダプタ二量体を排除した。次いで、1.6×Kapa SPRIビーズ(Kapa Biosystems)と共に5分間インキュベートし、ビーズを磁気ラックで捕捉し、80%エタノールで2回洗浄し、ビーズを5分間風乾し、最後に、DNAを20μLのバッファー4に再懸濁することにより、DNAを回収した。
【0633】
次いで、HiFidelity 2×マスターミックス(New England Biolabs)を使用して、DNA産物をPCR増幅した。プライマーT7-Ad3およびgRU(配列5’>3’ AAAAAAGCACCGACTCGGTG)を使用して、次の設定(98℃3分間;98℃で20秒間、60℃で30秒間、72℃で20秒間、30サイクル)により増幅した。PCRアンプリコンを、PCR浄化キットを使用して浄化し、DNA配列決定によって検証し、次いで、in vitro転写反応のための鋳型として使用して、ガイドRNAを生成した。
【0634】
(実施例7)
NEMDA方法(BaeI/EcoP15I)
50ngのヒトゲノムDNAを使用して、NEMDA(ニッキングエンドヌクレアーゼ媒介性DNA増幅)を実行した。0.3mM dNTP、40ユニットのBst大断片DNAポリメラーゼおよび0.1ユニットのNtCviPII(New England Biolabs)を補充した100μLのサーモ(thermo)ポリメラーゼバッファー(20mMトリス-HCl、10mM (NHSO、10mM KCl、6mM MgSO、0.1%Triton(登録商標)X-100、pH8.8)において、DNAをサーマルサイクラーにおいて55℃で45分間、続いて65℃で30分間、最後に80℃で20分間インキュベートした。
【0635】
次に、200pモルのT7-RND8オリゴ(配列5’>3’、gcctcgagctaatacgactcactatagagnnnnnnnn)を補充した300μLのバッファー4でDNAを希釈し、98℃で10分間煮沸し、続いて10℃まで5分間急速に冷却した。T7以外の他の適切なプロモーター部位を使用することもできる。次に、反応液に、40ユニットのE.coli DNAポリメラーゼIおよび0.1mM dNTP(New England Biolabs)を補充し、室温で20分間インキュベートし、続いて75℃で20分間熱失活させた。次に、PCRクリーンアップキット(Zymo)を使用してDNAを回収し、30μLの溶出バッファー中に溶出した。
【0636】
次に、blunt/TAライゲーションマスターミックス(New England Biolabs)を室温で30分間使用して、DNAを50pモルのアダプタBaeI/EcoP15Iにライゲートした。次に、0.6×Kapa SPRIビーズ(Kapa Biosystems)と共に5分間インキュベートし、ビーズを磁気ラックにより捕捉し、80%エタノールで2回洗浄し、ビーズを5分間風乾し、最後にDNAを50μLのバッファー4(50mM酢酸カリウム、20mMトリス酢酸塩、10mM酢酸マグネシウム、100μg/mL BSA、pH7.9)に再懸濁することにより、DNAを回収した。次に、回収されたDNAを20ユニットのPmeIにより30分間37℃で消化し;次いで、1.2×Kapa SPRIビーズ(Kapa Biosystems)と共に5分間インキュベートし、ビーズを磁気ラックにより捕捉し、80%エタノールで2回洗浄し、ビーズを5分間風乾し、最後にDNAを50μLのバッファー4に再懸濁することにより、DNAを回収した。これらのステップは、小型の(<100ヌクレオチド)DNAおよびBaeI/EcoP15Iアダプタ多量体を排除する。
【0637】
次に、20ユニットのBaeI(New England Biolabs)、40pmol/μLのSAM(S-アデノシルメチオニン)を添加し、37℃で1時間インキュベートすることにより、精製されたDNAを消化して、アダプタ由来の配列およびCCD(および相補的HGG)モチーフの両方を排除した。次に、PCRクリーンアップキット(Zymo)を使用してDNAを回収し、20μLの溶出バッファー中に溶出した。
【0638】
次に、20μLのssライゲーションバッファー(10mMビス-トリス-プロパン-HCl、10mM MgCl、1mM DTT、2.5mM MnCl、pH7、25℃で)における20ユニットのリガーゼ、20pmolのstlgRオリゴを添加し、65℃で1時間インキュベートし、続いて90℃で5分間熱失活させることにより、熱安定性5’AppDNA/RNAリガーゼ(New England Biolabs)を使用して、回収されたDNAをstlgRオリゴにライゲートした。次に、HiFidelity 2×マスターミックス(New England Biolabs)を使用して、DNA産物をPCR増幅した。プライマーT7-Ad3(配列5’>3’、gcctcgagctaatacgactcactatagag)およびgRU(配列5’>3’、AAAAAAGCACCGACTCGGTG)を使用して、次の設定(98℃で3分間;98℃で20秒間、60℃で30秒間、72℃で20秒間、30サイクル)により増幅した。PCRアンプリコンを、PCR浄化キットを使用して浄化し、DNA配列決定によって検証し、次いで、in vitro転写反応のための鋳型として使用して、ガイドRNAを生成した。
【0639】
(実施例8)
NEMDA方法(FokI/MmeI)
50ngのヒトゲノムDNAを使用して、NEMDA(ニッキングエンドヌクレアーゼ媒介性DNA増幅)を行った。0.3mM dNTP、40ユニットのBst大断片DNAポリメラーゼおよび0.1ユニットのNtCviPII(New England Biolabs)を補充した100μLのthermoポリメラーゼバッファー(20mM Tris-HCl、10mM (NHSO、10mM KCl、6mM MgSO、0.1%Triton(登録商標)X-100、pH8.8)において、55℃で45分間、続いて65℃で30分間、最後に80℃で20分間、サーマルサイクラー内でDNAをインキュベートした。
【0640】
次いで、DNAを、200ピコモルのT7-RND8オリゴ(配列5’>3’ gcctcgagctaatacgactcactatagagnnnnnnnn)を補充した300μLのバッファー4で希釈し、98℃で10分間煮沸し、続いて10℃に5分間急速冷却した。T7以外の他の適切なプロモーター部位を使用することもできる。次いで、反応物に、40ユニットのE.coli DNAポリメラーゼIおよび0.1mM dNTP(New England Biolabs)を補充し、室温で20分間インキュベートし、続いて75℃で20分間熱失活を行った。次いで、PCR浄化キット(Zymo)を使用してDNAを回収し、30μLの溶出バッファー中に溶出した。
【0641】
次いで、平滑末端/TAライゲーションマスターミックス(New England Biolabs)を室温で30分間使用して、DNAを50ピコモルのアダプタFokI/MmeIにライゲーションした。次いで、10ユニットのMfeIおよび10ユニットのラムダエキソヌクレアーゼ(New England Biolabs)を補充した50ulのバッファー4(50mM酢酸カリウム、20mMトリス・酢酸、10mM酢酸マグネシウム、100μg/mL BSA、pH7.9)を添加することにより、ライゲーション反応を停止し、37℃で30分間インキュベートした。次いで、0.6×Kapa SPRIビーズ(Kapa Biosystems)と共に5分間インキュベートし、ビーズを磁気ラックで捕捉し、80%エタノールで2回洗浄し、ビーズを5分間風乾し、最後に、DNAを50μLのバッファー4に再懸濁することにより、DNAを回収した。次いで、回収されたDNAを、20ユニットのPmeIにより30分間37℃で消化した;次いで、1.2×Kapa SPRIビーズ(Kapa Biosystems)と共に5分間インキュベートし、ビーズを磁気ラックで捕捉し、80%エタノールで2回洗浄し、ビーズを5分間風乾し、最後に、DNAを50μLのバッファー4に再懸濁することにより、DNAを回収した。これらのステップは、ライゲーションされていないDNA、ライゲーションされていないFokI/MmeIアダプタ、FokI/MmeIアダプタ多量体、および部分的にライゲーションされたDNAを排除する。
【0642】
次いで、20ユニットのFokI(New England Biolabs)を添加し、37℃で20分間インキュベートすることにより、精製されたDNAを消化して、アダプタ由来の配列およびCCD(および相補的HGG)モチーフの両方を排除した。次いで、Quickライゲーションキット(New England Biolabs)を室温で20分間使用して、DNAを10ピコモルのN4stlgRアダプタにライゲーションした。次いで、反応物を75℃で20分間熱失活させた。
【0643】
次いで、ライゲーションされたDNAを、ウラシル(U)残基を切除するUSER酵素(New England Biolabs)で処理して、N4stlgRアダプタ二量体を排除した。次いで、1.6×Kapa SPRIビーズ(Kapa Biosystems)と共に5分間インキュベートし、ビーズを磁気ラックで捕捉し、80%エタノールで2回洗浄し、ビーズを5分間風乾し、最後に、DNAを20μLのバッファー4に再懸濁することにより、DNAを回収した。次いで、HiFidelity 2×マスターミックス(New England Biolabs)を使用して、DNA産物をPCR増幅した。プライマーT7-Ad3(配列5’>3’ gcctcgagctaatacgactcactatagag)およびgRU(配列5’>3’ AAAAAAGCACCGACTCGGTG)を使用して、次の設定(98℃で3分間;98℃で20秒間、60℃で30秒間、72℃で20秒間、30サイクル)により増幅した。PCRアンプリコンを、PCR浄化キットを使用して浄化し、DNA配列決定によって検証し、次いで、in vitro転写反応のための鋳型として使用して、ガイドRNAを生成した。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図8C
図8D
図9A
図9B
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16A
図16B
図17A
図17B
図18
図19A
図19B
図20A
図20B
図20C
図21A
図21B
図22A
図22B
図22C
図22D
図23A
図23B
図23C
図24
【配列表】
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