(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-19
(45)【発行日】2023-05-29
(54)【発明の名称】極端な影響後に原子力発電所を安全な状態にする方法とシステム
(51)【国際特許分類】
G21C 15/18 20060101AFI20230522BHJP
G21D 3/04 20060101ALI20230522BHJP
【FI】
G21C15/18 M
G21C15/18 T
G21C15/18 F
G21C15/18 P
G21C15/18 R
G21D3/04 D
(21)【出願番号】P 2019572567
(86)(22)【出願日】2018-12-28
(86)【国際出願番号】 RU2018000895
(87)【国際公開番号】W WO2020067918
(87)【国際公開日】2020-04-02
【審査請求日】2021-12-24
(32)【優先日】2018-09-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】RU
(73)【特許権者】
【識別番号】517197118
【氏名又は名称】ジョイント・ストック・カンパニー サイエンティフィック リサーチ アンド デザイン インスティテュート フォー エナジー テクノロジーズ アトムプロエクト
(74)【代理人】
【識別番号】110001900
【氏名又は名称】弁理士法人 ナカジマ知的財産綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】ベズレプキン ウラジミール ヴィクトロヴィチ
(72)【発明者】
【氏名】ガヴリーロフ マクシム ウラジーミロヴィチ
(72)【発明者】
【氏名】トレチャコフ エフゲニー アレクサンドロヴィチ
(72)【発明者】
【氏名】コズロフ ヴャチェスラフ ボリソビッチ
(72)【発明者】
【氏名】オブラツコフ エフゲニー パブロビッチ
(72)【発明者】
【氏名】メゼニン エフゲニー イーゴレヴィチ
(72)【発明者】
【氏名】シルバニャン アントン エドゥアルドヴィッチ
(72)【発明者】
【氏名】アルトブレゲン ダリヤ ロベルトフナ
(72)【発明者】
【氏名】ノサンコバ レイン ヴィヤノフナ
(72)【発明者】
【氏名】エゴロフ エフゲニー ユレーヴィチ
(72)【発明者】
【氏名】ルキナ アンジェラ ヴァシリエヴナ
(72)【発明者】
【氏名】ヴァイブ ドミトリー ヤコヴレヴィチ
【審査官】大門 清
(56)【参考文献】
【文献】特開昭63-221293(JP,A)
【文献】特表2017-538134(JP,A)
【文献】特表2016-523355(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0148533(US,A1)
【文献】特開2015-040751(JP,A)
【文献】特開2017-072379(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G21C 15/18
G21D 3/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
蒸気発生器と入口パイプライン及び出口パイプラインと貯蔵タンクと熱交換器と冷却剤を供給するためのポンプとを備えるシステムを用い、極端な影響の後、原子力発電所を安全な状態にする方法であって、
前記システムのその後の動作を含み、
前記冷却剤の沸騰を回避するために、監視によりシステム圧力が維持され、
前記蒸気発生器の上に分離タンクを設置し、
前記冷却剤を前記貯蔵タンクに供給する前に、まず前記分離タンクに供給し、
前記貯蔵タンクと補給水パイプラインとの間のバルブを開いて、補給水を、あるレベルまで、前記貯蔵タンクに流し、
前記熱交換器と前記蒸気発生器の間の第3水バルブが開き、
前記蒸気発生器と前記貯蔵タンクの間の第1水バルブが閉じ、
前記冷却剤を供給するための前記ポンプが作動し、
前記蒸気発生器内で、ある水位が前記ポンプにより維持され、
入口パイプライン及び出口パイプラインが加熱され、
前記蒸気発生器に接続された第2空気バルブを用いて、前記システム内において
、0.27MPaの圧力が維持され、
前記分離タンクの壁面の温度が125°C以上になると、前記第1水バルブが開き、一定の流速を維持するように設定され、
前記システム内の圧力
を0.27MPaに保つため、前記貯蔵タンクと前記分離タンクとの間の第1空気バルブを開き、
前記分離タンク内で一定のレベルに達すると、前記貯蔵タンクと前記分離タンクとの間の第2水バルブが液面維持モードで作動を開始し、
前記蒸気発生器と前記入口パイプライン及び前記出口パイプラインとの浸水後、第3水バルブを増加した流体流量を維持するモードに切り替え、次に反応器を70°Cまで冷却する。
【請求項2】
水が前記冷却剤として使用される
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
蒸気圧が98kPaまで低下すると、第1及び第2空気バルブを開く
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明のグループは、原子力発電所(NPP)の安全運転の分野、特に、原子力発電所からの緊急熱除去のための方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
原子力の重要な問題は、重大な事故後の原子炉からの熱の除去である。原子炉の運転停止後、かなりの時間、原子力発電所からの熱除去が必要であることがよく知られている。標準的なスプリンクラータイプの冷却システムは、このような熱除去に使用できるが、極端な影響の下では、例えば、そのようなシステムが設置されている安全ビルに飛行機が落下した場合、その動作が損なわれる可能性がある。壊滅的な事態の発生を回避するために、このような場合、受動的熱除去の原理によって組織化されたシステムが使用される。つまり、それらは、蒸気エネルギーによりすべてのNPPサポートシステムがオフになると、自動的に動作する。蒸気エネルギーは、熱交換器で凝縮し、熱を失い、冷水の形で戻る。
【0003】
蒸気発生器からの受動的熱除去システム(SPOT GHG)が知られている。ここで、蒸気発生器、入口及び出口パイプラインに接続された部分熱交換器が蒸気発生器の上に配置されている。SPOT GHGの動作中、蒸気は、蒸気発生器から入口パイプラインを介して熱交換器に移動し、そこで熱を放出し、凝縮し、その後、形成された水が出口パイプラインを通って蒸気発生器に戻る。
【0004】
しかし、このようなシステムは、蒸気の凝縮による冷却を使用するため、適切な条件下での水の沸点に対応する特定の値、つまり、約110-130°Cまでのみ冷却剤の温度を下げることができる。一方、現在、熱除去システムへの要求が高まっており、これらのシステム内の水を70°Cの温度にする必要があり、急激な圧力低下を伴って、130°Cの温度で、飽和水を沸騰させる心配なくカバーを上げることで、原子炉にアクセスできるようになる。その結果、熱爆発。こうして、たとえば受動的熱除去システムを使用する場合、SPOT GHGシステムの動作後、一次システムで循環し、水をさらに冷却し、約130°Cから70°Cの温度にする必要がある。SPOT GHGの水温が130°Cに低下するまで、非常事態の発生から約72時間が経過するため、電源の復旧に頼ることが可能になり、ポンプ、バルブなどを使用したアクティブな除熱システムを使用できるようになる。これを行うには、水-水エネルギー反応器(WWER:water-water energetic reactor)とそれに接続された給水器を備えた二次冷却液循環システムを使用できる。しかし、蒸気発生器内の給水と蒸気の温度の差に関連する問題があり、既存の配管配置にも問題がある。これは、一部のエリアでは負の勾配を持ち、詰まりや水圧の影響につながる可能性があり、これにより、システムパイプラインが破壊される可能性がある。本発明のグループは、この問題を解決することを目的としている。
【0005】
蒸気発生器から熱を除去するように設計されたさまざまな緊急熱除去システムが知られている。
【0006】
既知の電源設備(ロシア連邦公報第95117882号、1997年10月10日公開)がある。この電源設備は、熱及び冷却媒体用の循環パイプラインを備え、蒸気発生器に斜めに接続された水-水原子炉、蒸気発生器から受動的に熱を除去するためのシステムと、入口及び排水枝管を備えた揚水貯蔵タンクから構成されている。揚水貯蔵タンクは、水-水原子炉と接続し、一方、揚水貯蔵タンクの入口枝管の自由端は、蒸気発生器と接続するゾーンで冷却された熱媒体に対して、パイプラインで接続されている。
【0007】
また、水-水原子炉施設の主循環ポンプからのガス除去の既知のシステムがある(ロシア連邦公報第2107344号、1998年3月20日公開)。このシステムは、原子炉、アクティブゾーン、主循環パイプライン、水及び蒸気スペースを備えた圧力補償器、「ホット」及び「コールド」垂直収集ヘッダーを備えた蒸気発生器、ガス除去パイプラインに設置された隔離バルブを備えた「コールド」垂直収集ヘッダーからガスを除去するためのパイプライン、上部にガス除去パイプラインが接続されている主循環ポンプを含み、主循環ポンプの上部からのガス除去パイプラインは、「冷」垂直収集ヘッダーから隔離バルブまでのガス除去パイプラインに接続されている。
【0008】
また、緊急の熱除去のための既知のシステムがある(ロシア連邦公報第2646859号、2018年2月19日公開)。このシステムは、昇降ブランチによって互いに接続された熱交換器ヒーターと熱交換器クーラー、パイプによって下降ブランチに接続された給水タンク、及び熱交換器クーラーと給水タンクの間の下降ブランチに接続された非凝縮性ガスを収集するためのタンクを含み、逆止弁が給水タンクと非凝縮性ガスを収集するためのタンクの間に設置され、制御弁が後者と熱交換器冷却器の間に設置される。
【0009】
また、蒸気発生器を介した受動的な熱除去の既知のシステムがある(ロシア連邦実用新案公報第96283号、2010年7月20日公開)。このシステムは、入口及び出口パイプラインによって熱交換器に接続された、蒸気発生器を含む冷却剤循環回路を含む。また、異なるフロー領域の2つの起動バルブを含む起動デバイスが熱交換器出口パイプラインに設置される。
【0010】
また、クレームされたシステムに最も近い類似物は、緊急冷却システム(ロシア連邦実用新案公報第111336号、2011年10月12日公開)である。このシステムは、蒸気及び水レッグ、熱交換器と凝縮器の組み合わせ、ワンススルー型の蒸気発生器、水貯蔵タンク、緊急冷却用の水貯蔵タンクから構成されている。緊急冷却用の水貯蔵タンクに仕切り板が取り付けられ、2つのセクションに分割され、それぞれが水位より上の上部の大気に接続されている。セクションは、水位の下に位置する仕切り板の穴によって相互接続されている。上記のシステムの動作中に、極端な影響下で原子力発電所を安全な状態にする方法が実装されている。
【0011】
また、特に、水-水原子炉施設の主循環ポンプからのガス除去システム(ロシア連邦公報第2107344号、1998年3月20日公開)において、原子力発電所を安全な状態に移行する方法が実装されている。これには、主循環ポンプの上部から、ガス除去パイプラインを介して、圧力補償器の蒸気空間に、蒸気ガス混合物を供給し、静水圧のために、「コールド」垂直収集ヘッダーからガス除去パイプライン11を介して圧力補償器の蒸気空間へ供給する。この場合、蒸気ガスのシールは回路に現れず、自然循環は中断しない。
【0012】
また、緊急熱除去システム(ロシア連邦公報第2646859号、2018年2月19日公開)では、ライザーレッグのパイプライン、コレクター及び熱交換器のパイプシステムに含まれる非凝縮性ガスは、熱交換器ヒーターから来る蒸気によって圧縮され、より重い物質として回路の下部に濃縮され、非凝縮性ガスを収集するためのタンクに移される。
【0013】
また、蒸気発生器を介した受動的熱除去システム(ロシア連邦実用新案公報第96283号、公開2010年7月20日)では、緊急時に、原子炉の熱が蒸気発生器を介し、1つ以上の熱交換器を介して、除去される。この場合、適切な信号に応じて、起動装置の2つのバルブの1つを開くことで、システムが自動的に起動し、その後、SPOT GHG回路で自然循環が確立される。蒸気流が熱交換器のセクションで凝縮すると、熱が蒸気発生器からタンク水に伝達される。形成された凝縮液は、出口パイプラインを介して蒸気発生器にフィードバックされる。そして、熱エネルギーがSPOT GHG回路から来ると、タンク内の水が加熱されて沸騰し、その結果生じる二次蒸気が環境に排出される。
【0014】
また、クレームされた方法に最も近いものは、複合熱交換器を備えた緊急冷却システムの動作中に実施される方法である(ロシア連邦実用新案公報第111336号、2011年12月10日公開)。緊急の場合、蒸気発生器は、隔離弁によって原子力発電所の二次システムから切断され、別の隔離弁を開くことにより、システムの水レッグがそれに接続され、水が中間回路の水レグを通して供給される。熱は、熱交換器-コンデンサーを介して貯蔵タンクに貯蔵された水に移され、加熱及び蒸発し、貯蔵タンクを排出した後、熱は大気に放出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【文献】ロシア連邦公報第95117882号
【文献】ロシア連邦公報第2107344号
【文献】ロシア連邦公報第2646859号
【文献】ロシア連邦実用新案公報第96283号
【文献】ロシア連邦実用新案公報第111336号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
上記のシステムと冷却方法の欠点は、これらのシステムのすべての熱伝達プロセスが冷却剤の沸騰と凝縮のために行われるという事実のために、それらを使用して原子炉を沸点未満の温度に冷却できないことである。さらに、このようなシステムでは、蒸気発生器と熱交換器の相対位置が重要である。熱交換器が蒸気発生器の下にある場合、ポンプを使用してもクーラントの動きを整理することが困難になる。この場合のクーラント内の蒸気の存在は、エアジャムの形成につながり、その結果、水圧衝撃につながる可能性がある。
【0017】
このグループの発明の目的は、極端な暴露後に原子力発電所を安全な状態に移行させる方法とシステムを作成し、蒸気と水が分離することによるシステム内の水圧衝撃の可能性を排除しながら、原子力発電所の冷却剤を沸点以下の温度に冷却できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
このグループの発明の技術的結果は、蒸気と水の分離によるシステム内の水圧衝撃の可能性を排除しながら、沸点以下の冷却液の温度を下げる機能を提供することにより、極端な衝撃下での原子力発電所の運転の安全性を高めることである。
【0019】
技術的結果は、極端な衝撃後に原子力発電所の運転の安全性を高めるためのシステムにおいて、入口及び出口パイプライン、蒸気発生器、貯蔵タンク及び熱交換器を含み、さらに、蒸気発生器の上にあり、2つのパイプラインによって貯蔵タンクに接続された分離タンク、ポンプ、コントロールユニットを含み、熱交換器は、出口パイプラインに設置され、第1水バルブは、入口パイプラインに設置され、分離タンクは、第2水バルブが取り付けられたパイプラインと第1空気バルブが取り付けられたパイプラインによって貯蔵タンクに接続されている、という事実によって達成される。
【0020】
システムから蒸気を除去するように構成された脱気装置を貯蔵タンクとして使用することが好ましい。
【0021】
外部冷却剤源に接続された補給パイプを貯蔵タンクに装備することは合理的である。 蒸気発生器には、第2空気弁が取り付けられた垂直蒸気排出パイプラインが装備されることが勧められる。
【0022】
入口及び出口パイプラインに接続され、互いに平行に設置された、いくつかの蒸気発生器をシステムに備えることが好ましい。
【0023】
入口パイプラインの少なくとも一部を、分離タンクに向かって上向きの傾斜を備えた傾斜で実施するのが合理的である。
【0024】
技術的結果は、極端な衝撃後に原子力発電所を安全な状態に移行する方法であって、蒸気発生器、入口及び出口パイプライン、貯蔵タンク、熱交換器を含むシステムを使用し、さらに、冷却剤を供給するためのポンプとシステムのその後の操作を含み、冷却剤が沸騰しないことを確認するための監視によってシステム圧力をサポートし、蒸気発生器の上に、分離タンクを設置し、貯蔵タンクに冷却剤を供給する前に、分離タンクに供給される、という事実によっても達成される。
【0025】
冷却剤として水を使用することは合理的である。
【0026】
外部源から冷却剤を貯蔵タンクに供給することが好ましい。
【0027】
NPPの補給水タンクを外部源として使用することが勧められる。
【0028】
貯蔵タンクと分離タンクにおいて、一定のレベルを維持することは合理的である。
【0029】
システム内の圧力が0.27MPaのレベル以上に増加した場合、圧力が特定のレベルを下回るまで、第1及び第2空気バルブを開くことが望ましい。
【0030】
冷却剤を供給する前に、パイプラインを120度から140度の温度に加熱することが勧められる。
【0031】
蒸気圧が98kPaに低下した場合、第1及び第2空気バルブを開くことは合理的である。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】極度の被ばく後に原子力発電所を安全な状態に移行するシステムを示す。
【発明を実施するための形態】
【0033】
極度の暴露後に原子力発電所を安全な状態に移行するシステムは、第2の空気弁2の蒸気排出管によって接続された蒸気発生器1、第1の水弁5が取り付けられた供給管3、蒸気発生器1と分離タンク4を接続し、2つのパイプラインを介して貯蔵タンク8に接続されている第2の水バルブ6と第1の空気バルブ7が取り付けられている。貯蔵タンクは、ポンプ10、熱交換器11及び第3の水バルブ12が設置されている排出パイプ9によって蒸気発生器1に接続されている。好ましい実施形態では、貯蔵タンクは、パイプによって補給水タンク(図示せず)に接続される。
【0034】
好ましい実施形態
好ましい実施形態における極度の曝露後に原子力発電所を安全な状態に移行するシステムは、以下のように機能する。
【0035】
たとえば、SPOT GHGなどの受動的熱除去システムまたは他の熱除去システムを使用すると、原子力発電所の冷却液の温度は130°Сに低下する。システム制御ユニットは、貯蔵タンク8と補給水パイプラインの間のバルブを開き、それにより約25°Cの温度の補給水を一定レベルまで貯蔵タンク8に入れ、第3水バルブ12を開き、第1水バルブ5を閉じる。ポンプ10をオンにし、蒸気発生器1の一定の水位(約3.7m)を維持し、供給パイプ3と排出パイプ8を加熱する。システムで2番目のエアバルブ2を使用すると、約0.27MPaの圧力が維持される。次に、分離タンク4の壁の温度125°Сに達すると、制御ユニットは、第1水バルブ5を開き、液体の一定の流れを維持するように設定する。(システムで4台の蒸気発生器1を使用する場合、蒸気発生器1あたり約7.5kg/s)
その後、第1エアバルブ7が開き、第2エアバルブ2と同様に、圧力を約0.27MPaのレベルに維持するモードで作動を開始し、分離タンク4があるレベルに達すると、第2水バルブ6が液面を維持するモードで作動を開始する。圧力が低下したときに蒸気発生器内の飽和水の沸騰を回避するために、システム内の指示された蒸気圧を維持する必要がある。次に、蒸気発生器1及びパイプラインの浸水後、第3の水バルブ12は、増加した流体流量を維持するモードに移行することができる。(最大12.5kg/s、最大4つの蒸気発生器で最大50kg/s)。次に、反応器を70°Сの温度に冷却する。これには数日かかる場合がある。温度が70°Сに達すると、受動的熱除去システムにより、これに必要なすべての時間(最大60日間)の残留熱が確実に除去される。この場合、好ましい実施形態では、システム内の圧力が98kPaを下回ると、最初の7及び2番目のエアバルブが全断面まで開かれ、システム内の圧力を維持するモードからオフになる。同時に、蒸気発生器1内の冷却剤の沸騰の危険性はこの時点ではすでに存在せず、圧力を調整する必要はなく、大気圧は最も効率的な熱伝達プロセスに十分である。上記のプロセスはすべて、制御ユニット(図には示されていない)によって制御される。
【0036】
発明群の好ましい実施形態では、脱気装置が貯蔵タンク8として使用され、原子力発電所の通常運転ですでに使用されている二次回路を備えたWPR原子力発電所の二次回路の配管システムが供給3及び排出9パイプラインとして使用される。この場合、脱気器は蒸気発生器の下にあり、WPR NPPシステムで現在使用されている供給パイプ3は、蒸気発生器1から脱気器に向かって減少して配置される。WPRを使用した原子力発電所の2番目の回路の正常な動作にとって合理的なものは、蒸気がこのセクションを下点で通過した後に水分を収集し、それを排水システムに迂回させて、原子力発電所のタービンへの供給を避けるためである。このソリューションにより、NPPシステムの2番目の回路で既に使用してNPPを安全な状態に移行できるが、本発明のシステムの緊急運転モードでは、蒸気が蒸気ライン3を通過するのではなく、蒸気と水の混合物、したがって供給パイプ3の減少により、パイプ3で蒸気閉塞が発生する条件が作成される。これにより、水圧衝撃。このため、蒸気発生器1の上にある分離タンク4がシステムに追加され、供給パイプ3の少なくとも一部が分離タンク4に向かって増加する傾斜で配置される。このソリューションは、蒸気閉塞の蓄積を回避する。さらに、蒸気発生器1からの過剰蒸気を迂回させるために、第2の空気弁2を備えた垂直蒸気排出パイプがシステムに追加的に導入され、圧力が低いと水が沸騰し、システムのパイプラインの完全性を脅かす可能性があるため、圧力が0.27MPaを超えると蒸気が減圧される可能性がある。蒸気排出パイプは、蒸気排出中の乱流効果を避けるために、直径3メートルまで十分に広くすることができる。
【0037】
貯蔵タンクとして脱気装置8を使用すると、そのパージシステムを使用してシステムから蒸気をそらすことができる。さらに、WPR原子力発電所の他の標準的な二次システムを使用することも合理的である。特に、クレームされた発明グループの好ましい実施形態では、原子力発電所の標準補給水システムが補給水の外部供給源として使用され、WPRを備えた二次発電所の標準二次ポンプがポンプとして使用され、原子力発電所の重要でない消費者の標準冷却システムが熱交換器11として使用される。
【0038】
水をシステムに供給する場合、蒸気発生器1及びパイプライン3及び9を飽和水で満たすプロセスが発生するように、その流量を選択できる。これにより、蒸気と冷たい液体の出会いから生じる凝縮水圧衝撃を回避することができる。凝縮水圧衝撃の主な発生条件の1つは、蒸気に対する水の未過熱であり、その臨界値は15°C以上である。充填中に凝縮水圧衝撃が発生する可能性が最も高いエリアは、蒸気発生器1の蒸気コレクターである。計算が示したように、システムを充填するとき、水を飽和温度に近い温度に維持し、パイプ3と9が完全に充填された後にのみ水を減らすことが合理的である。
【0039】
ソフトウェアを使用して行われた計算では、危機的でない消費に対する供給システムと冷却システムからの水を使用して、本発明のシステムに並列に接続された4つの蒸気発生器を使用すると、60時間水圧衝撃せずに原子力発電所を130°Cから70°Cに冷却できることが示された。さらに、計算により、蒸気発生器の1つが故障した場合でも、提案された方法とシステムに従って3つの蒸気発生器を使用してシステムを冷却することは非常に安全であり、70°Cの温度でNPPを安全な状態にすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0040】
極度の衝撃後に原子力発電所を安全な状態に移行するための方法及びシステムを、加圧水型原子炉を備えた原子力発電所に適用して、極度の衝撃後にそれらを安全な状態に移行することができる。