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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-19
(45)【発行日】2023-05-29
(54)【発明の名称】マットレスおよびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   A47C 27/05 20060101AFI20230522BHJP
【FI】
A47C27/05
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020155509
(22)【出願日】2020-09-16
(65)【公開番号】P2022049348
(43)【公開日】2022-03-29
【審査請求日】2022-03-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000010032
【氏名又は名称】フランスベッド株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】永野 正洋
(72)【発明者】
【氏名】竹内 穏博
(72)【発明者】
【氏名】倉崎 奈々実
【審査官】杉▲崎▼ 覚
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-336086(JP,A)
【文献】特開2004-016341(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47C 27/05
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スプリングユニット、前記スプリングユニットの上面側に配置されたクッション材、および、前記スプリングユニットと前記クッション材の側周面を囲う発泡体で形成された壁部材を含む内装体と、
前記内装体を覆う外装体と、を備え、
前記壁部材の内周面は、前記クッション材の側周面に接触し、
前記壁部材は、前記内装体の角部において、前記壁部材の外周面から前記スプリングユニットと前記クッション材の境界に向けたスリットを有している、
マットレス。
【請求項2】
スプリングユニット、前記スプリングユニットの上面側に配置されたクッション材、前記スプリングユニットと前記クッション材の間に配置されたシート材、および、前記スプリングユニットと前記クッション材の側周面を囲う発泡体で形成された壁部材を含む内装体と、
前記内装体を覆う外装体と、を備え、
前記壁部材の内周面は、前記クッション材の側周面に接触し、
前記内装体の角部において、前記シート材の一部が前記壁部材を貫通して前記壁部材の外周面側にはみ出ている、
マットレス。
【請求項3】
スプリングユニットを含む内装体と、
前記内装体の下面を覆う第1部分および前記内装体の上面を覆う第2部分を含む外装体と、
第1端部と第2端部を有し、これら第1端部および第2端部が重ねられた状態で前記第1部分および前記第2部分の各々の周縁部に縫い付けられた、前記第1部分および前記第2部分を接続するエッジテープと、
前記エッジテープのうち前記第1端部および前記第2端部が重なる領域とともに前記第1部分および前記第2部分の少なくとも一方に縫い付けられたタブと、
を備え
前記タブの一部が前記領域において前記第1端部と前記第2端部の間に位置するとともに、前記タブの他の一部が前記外装体の外側に位置している、
マットレス。
【請求項4】
請求項1または2に記載のマットレスの製造方法であって、
前記スプリングユニットおよび前記クッション材を含む積層体を作業台に置く工程と、
前記作業台に置かれた前記積層体の側周面を囲う枠体を配置する工程と、
前記側周面と前記枠体の間に発泡体の前記壁部材を形成する工程と、
を含む製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マットレスおよびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
マットレスは解体が難しく、廃棄時には埋め立てて処理することもある。ところが昨今、日本国内においてはごみの埋め立て地が十分に確保できず、ごみの処理方法に困窮している。そこで、解体が容易でリサイクルに適したマットレスが望まれていた。
【0003】
例えば特許文献1には、マットレスの外装体とスプリングユニットの分離作業に用いられる解体処理装置が開示されている。また、特許文献2には、解体しやすいように工夫されたマットレスの構造が開示されている。これら特許文献1,2を考慮しても、マットレスを解体するための技術に関しては、種々の改善の余地がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第3459221号公報
【文献】特開平9-191976号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、解体時の作業効率を改善可能なマットレスおよびその製造方法を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係るマットレスは、スプリングユニット、前記スプリングユニットの上面側に配置されたクッション材、および、前記スプリングユニットと前記クッション材の側周面を囲う発泡体で形成された壁部材を含む内装体と、前記内装体を覆う外装体と、を備え、前記壁部材の内周面は、前記クッション材の側周面に接触し、前記壁部材は、前記内装体の角部において、前記壁部材の外周面から前記スプリングユニットと前記クッション材の境界に向けたスリットを有している。
【0007】
本発明の他の態様に係るマットレスは、スプリングユニット、前記スプリングユニットの上面側に配置されたクッション材、前記スプリングユニットと前記クッション材の間に配置されたシート材、および、前記スプリングユニットと前記クッション材の側周面を囲う発泡体で形成された壁部材を含む内装体と、前記内装体を覆う外装体と、を備え、前記壁部材の内周面は、前記クッション材の側周面に接触し、前記内装体の角部において、前記シート材の一部が前記壁部材を貫通して前記壁部材の外周面側にはみ出ている。
【0008】
本発明のさらに他の態様に係るマットレスは、スプリングユニットを含む内装体と、前記内装体の下面を覆う第1部分および前記内装体の上面を覆う第2部分を含む外装体と、第1端部と第2端部を有し、これら第1端部および第2端部が重ねられた状態で前記第1部分および前記第2部分の各々の周縁部に縫い付けられた、前記第1部分および前記第2部分を接続するエッジテープと、前記エッジテープのうち前記第1端部および前記第2端部が重なる領域とともに前記第1部分および前記第2部分の少なくとも一方に縫い付けられたタブと、を備え、前記タブの一部が前記領域において前記第1端部と前記第2端部の間に位置するとともに、前記タブの他の一部が前記外装体の外側に位置している
【0009】
本発明の一態様に係るマットレスの製造方法は、前記スプリングユニットおよび前記クッション材を含む積層体を作業台に置く工程と、前記作業台に置かれた前記積層体の側周面を囲う枠体を配置する工程と、前記側周面と前記枠体の間に発泡体の前記壁部材を形成する工程と、を含む。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、解体時の作業効率を改善可能なマットレスおよびその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、一実施形態に係るマットレスの概略的な斜視図である。
図2図2は、図1に示したタブの近傍を拡大して示す概略的な斜視図である。
図3図3は、マットレスの解体作業の一場面を概略的に示す斜視図である。
図4図4は、マットレスが備える内装体の概略的な斜視図である。
図5図5は、角部近傍における内装体の概略的な断面図である。
図6図6は、内装体のうち壁部材の内側に配置される要素を下面側から見た概略的な分解図である。
図7図7は、スプリングユニットに含まれるブロックおよびフェルトシートの概略的な断面図である。
図8図8は、壁部材の形成に関する工程を示す概略的な断面図である。
図9図9は、壁部材の形成時におけるプレートの配置位置の一例を示す概略的な平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
一実施形態につき図面を参照しながら説明する。
以下の説明において、マットレスを構成する各要素の「上面」はマットレスの使用時に人が乗る側を向く面を意味し、各要素の「下面」はマットレスの使用時に床側を向く面を意味する。また、各要素の「側周面」や「外周面」は、上面と下面を繋ぐ面を意味する。
【0013】
図1は、本実施形態に係るマットレス1の概略的な斜視図である。図示したように、互いに直交するX方向、Y方向およびZ方向を定義する。X方向は、マットレス1の幅方向に相当する。Y方向は、マットレス1の長さ方向に相当する。Z方向は、マットレス1の厚さ方向(マットレス1の下面から上面に向かう方向)に相当する。Z方向と平行にマットレス1を見ることを平面視と呼ぶ。
【0014】
マットレス1の平面視における形状は、X方向に沿う短辺と、Y方向に沿う長辺とを有した略矩形状である。この場合におけるマットレス1の4つの角部は、滑らかな曲面状(R状)であってもよい。
【0015】
マットレス1は、外装体2と、エッジテープ3と、タブ4(引張りテープ)とを備えている。外装体2は、その内部に配置された内装体5(図4参照)の下面および側面を覆う第1部分21と、内装体5の上面を覆う第2部分22とを有している。第1部分21および第2部分22は、いずれも布材で構成されている。第1部分21および第2部分22は、キルティング加工されたものであってもよい。
【0016】
エッジテープ3は、第1部分21と第2部分22を接続している。これにより、外装体2が袋状に閉じられている。エッジテープ3の平面視における形状は、X方向に沿う短辺と、Y方向に沿う長辺とを有する略矩形状である。タブ4は、エッジテープ3の短辺における略中央部に設けられている。
【0017】
図2は、タブ4の近傍を拡大して示す概略的な斜視図である。エッジテープ3は、平行な一対の縫合ラインLによって第1部分21の周縁部と第2部分22の周縁部とに縫い付けられている。
【0018】
エッジテープ3は、第1端部31と、第2端部32とを有している。第1端部31は、エッジテープ3を第1部分21と第2部分22に縫い付ける際に縫い始めとなる端とその近傍を含む部分である。第2端部32は、エッジテープ3を第1部分21と第2部分22に縫い付ける際に縫い終わりとなる端とその近傍を含む部分である。
【0019】
第2端部32は、第1端部31の外側に重ねられている。これにより、第1端部31と第2端部32が重なった領域Rが形成されている。タブ4は、例えばループ状であり、一部が領域Rと重なっている。タブ4は、第2端部32のうち領域Rを除く部分(図中の領域Rの右側部分)とも重なっているが、第1端部31のうち領域Rを除く部分(図中の領域Rの左側部分)とは重なっていない。
【0020】
図2に示す例において、タブ4は、一対の縫合ラインLの一方のみと重なり、他方とは重なっていない。タブ4は、第2端部32の下方(第1部分21側)に配置され、好ましくは領域Rにおいて第1端部31と第2端部32の間に位置している。
【0021】
エッジテープ3は、縫い始めの端から縫い方向D1に沿って外装体2に縫い付けられる。この縫合作業が第2端部32に差し掛かったとき、タブ4は、第2端部32とともに外装体2に縫い付けられる。
【0022】
以上のような構成のエッジテープ3およびタブ4は、マットレス1の解体時において外装体2を剥がす作業の円滑化に寄与する。この効果につき、図2および図3を用いて説明する。
【0023】
図3は、マットレス1の解体作業の一場面を概略的に示す斜視図である。マットレス1の解体作業においては、図示したようにタブ4を引っ張ってエッジテープ3から引きちぎる。このとき、エッジテープ3の第2端部32を外装体2に縫い付ける下糸が破断する。そのため、第2端部32を外装体2から剥がしやすくなる。
【0024】
その後、図2および図3に示す引張方向D2(縫い方向D1の反対方向)にエッジテープ3を引っ張って外装体2から剥がしていく。第1端部31まで剥がし終えると、外装体2の第1部分21と第2部分22が完全に分離される。これにより、外装体2の内側に配置された内装体5を取り出すことができる。
【0025】
続いて、図4乃至図7を参照して内装体5の構造を説明する。
図4は、内装体5の概略的な斜視図である。内装体5は、上面FAと、下面FBとを有している。図4の例において、内装体5は、平面視における形状が略矩形状であり、4つの角部C1,C2,C3,C4を有している。角部C1,C2,C3,C4は、滑らかな曲面状(R状)であってもよい。
【0026】
図5は、角部C1近傍における内装体5の概略的な断面図である。内装体5は、スプリングユニット6と、保護材71A,71Bと、クッション材72A,72Bと、シート材8と、壁部材9とを備えている。
【0027】
保護材71Aはスプリングユニット6の上面側に配置され、保護材71Bはスプリングユニット6の下面側に配置されている。クッション材72Aは保護材71Aの上面側に配置され、クッション材72Bは保護材71Bの下面側に配置されている。シート材8は、スプリングユニット6と保護材71Aの間に配置されている。保護材71A,71Bは、例えばフェルト、サイザルまたは圧縮綿で形成することができる。クッション材72A,72Bは、例えばウレタンフォームなどの発泡体で形成することができる。シート材8は、例えば不織布で形成することができる。
【0028】
スプリングユニット6は、ブロック60Aと、フェルトシート62Aと、カバー63とを備えている。ブロック60Aは、例えば鋼線などの金属線61で高密度に編み込まれた連続ばねであり、Z方向に沿う弾性力を発揮する。ただし、ブロック60Aは、独立した複数のコイルスプリングで構成されてもよい。
【0029】
フェルトシート62Aは、図示した断面においてはブロック60Aと保護材71Bの間に位置している。カバー63は、ブロック60Aの側周面、ブロック60Aの上面のうち側周面近傍の縁部、および、ブロック60Aの下面のうち側周面近傍の縁部を覆っている。
【0030】
壁部材9は、図4に示すように枠状であり、図5に示すようにスプリングユニット6、保護材71A,71Bおよびクッション材72A,72Bの側周面を覆っている。壁部材9は、スプリングユニット6側の内周面90と、内周面90の反対側の外周面91とを有している。内周面90は、カバー63、保護材71A,71Bおよびクッション材72A,72Bの側周面に接触している。壁部材9は、例えばコールドフォーム等の発泡体で形成することができる。
【0031】
このような内装体5の構成においては、クッション材72Aおよび壁部材9の上面が内装体5の上面FAに相当し、クッション材72Bおよび壁部材9の下面が内装体5の下面FBに相当する。
【0032】
本実施形態においては、シート材8の一部が壁部材9を貫通し、外周面91側にはみ出している。以下、このはみ出した部分を延出部80と呼ぶ。
【0033】
さらに、本実施形態においては、壁部材9がスリット92を有している。スリット92は、外周面91からスプリングユニット6とクッション材72Aの境界、より具体的にはカバー63と保護材71Aの境界に向けて形成されている。図5の断面においては、スリット92が内周面90に到達している。ただし、スリット92は、外周面91から内周面90の手前までの範囲に形成されてもよい。
【0034】
図5に示すように、スリット92は、シート材8の直下に形成されていることが好ましい。このようにスリット92を形成した場合、シート材8のうち壁部材9内に位置する部分がスリット92の内面の一部を形成する。
【0035】
図4に示すように、スリット92および延出部80は、角部C1,C2,C3,C4のそれぞれに設けられている。隣り合う延出部80の間には、間隔が設けられている。壁部材9のうちシート材8よりも上側に位置する部分と下側に位置する部分は、隣り合う延出部80の間の領域で繋がっている。
【0036】
なお、スリット92は、角部C1,C2,C3,C4のいずれか1つ、2つ、または3つに対して設けられてもよい。また、スリット92は、角部C1,C2,C3,C4以外の位置に設けられてもよい。
【0037】
図6は、内装体5のうち壁部材9の内側に配置される要素を下面FB側から見た概略的な分解図である。スプリングユニット6は、上述のブロック60Aおよびフェルトシート62Aに加え、ブロック60B,60Cおよびフェルトシート62B,62Cを備えている。ブロック60B,60Cはブロック60Aと同様の構成を有し、Z方向に沿う弾性力を発揮する。
【0038】
ブロック60A,60B,60Cは、いずれも平面視における形状が略矩形状であり、Y方向に並んでいる。カバー63は、ブロック60A,60B,60Cの側周面と、これらの上面および下面のうち側周面近傍の縁部とを覆うことにより、ブロック60A,60B,60Cを束ねている。
【0039】
シート材8は、保護材71A,71B、クッション材72A,72Bおよび束ねられたブロック60A,60B,60Cよりも大きい平面形状を有している。また、シート材8は、各辺に凹部81を有している。シート材8の周縁部のうちこれら凹部81を除く部分は、壁部材9をさらに設けて図4に示す内装体5を製造した際に、延出部80を形成する。
【0040】
図7は、ブロック60A,60B,60Cおよびフェルトシート62A,62B,62Cの概略的な断面図である。フェルトシート62Aは、ブロック60Aの下面を覆っている。フェルトシート62Bは、ブロック60Bの下面を覆っている。フェルトシート62Cは、ブロック60Cの下面を覆っている。
【0041】
フェルトシート62Bの一部は、ブロック60A,60Bの間を通り、ブロック60Aの上面の一部を覆っている。フェルトシート62Bの他の一部は、ブロック60B,60Cの間を通り、ブロック60Cの上面の一部を覆っている。
【0042】
ここで、マットレス1の製造方法のうち、壁部材9の形成に関する工程について説明する。
図8は、壁部材9の形成に関する工程を示す概略的な断面図である。壁部材9の形成に際しては、クッション材72B、保護材71B、シート材8、スプリングユニット6、保護材71Aおよびクッション材72Aが順に積み重ねられた積層体Mが作業台100の上に置かれる。さらに、シート材8とスプリングユニット6の間に複数のプレートPLが配置される。プレートPLは、例えばプラスチックで形成されている。
【0043】
作業台100には、複数の枠体110が設けられている。枠体110は、例えばヒンジによって作業台100の端部に連結され、破線で示すように寝た状態から実線で示すように起立した状態に回動可能である。枠体110は、積層体Mの4辺に対して設けられている。枠体110を起立させると、積層体Mの側周面が枠体110で囲われる。
【0044】
図9は、プレートPLの配置位置の一例を示す概略的な平面図である。プレートPLは、積層体Mの各角部において、積層体Mからはみ出すようにそれぞれ配置される。各プレートPLは、図8に示すように起立した枠体110と接触する。
【0045】
枠体110を起立させた状態で、枠体110の内側に壁部材9の元となる液剤Qが注入される。注入された液剤Qが発泡することにより、壁部材9が形成される。壁部材9の形成の後、各プレートPLが取り除かれる。これにより、各プレートPLの形状に応じたスリット92が壁部材9に形成される。その後、外装体2の第1部分21および第2部分22をエッジテープ3により接続する工程などを経てマットレス1が完成する。
【0046】
マットレス1の解体時には、図3を用いて説明した通りエッジテープ3を外装体2から剥がし、第1部分21と第2部分22を分離して内装体5を取り出す。
【0047】
続いて、保護材71Aおよびクッション材72Aをスプリングユニット6および壁部材9から分離する。本実施形態においてはスリット92およびシート材8が設けられているので、この作業が容易となる。
【0048】
すなわち、スリット92の近傍で壁部材9の上面FA側の端部を持ち上げると、スリット92を起点として容易に壁部材9が裂ける。壁部材9を貫通し外周面91側にはみ出した延出部80も一緒に持ち上げることで、延出部80が設けられた領域において壁部材9がさらに裂けやすくなる。シート材8は保護材71Aおよびクッション材72Aの下面側に位置するので、シート材8とともに保護材71Aおよびクッション材72Aがスプリングユニット6から分離される。
【0049】
保護材71A、クッション材72Aおよびシート材8を分離すると、スプリングユニット6の上面側が露出する。この状態において、ブロック60A,60B,60Cをそれぞれ取り出す。図7に示したように、フェルトシート62A,62B,62Cは、主にブロック60A,60B,60Cの下面側を覆い、上面側を覆っていない。そのため、フェルトシート62A,62B,62Cは、ブロック60A,60B,60Cを取り出す作業の邪魔になりにくい。
【0050】
このように、本実施形態に係るマットレス1の構造であれば、マットレス1の解体時にブロック60A,60B,60Cを取り出すまでの作業を極めて効率的に実施できる。
【0051】
以上の実施形態は、本発明の範囲を当該実施形態にて開示した構成に限定するものではない。本発明は、本実施形態にて開示した構成を種々の態様に変形して実施することができる。
【0052】
例えば、上記実施形態においてはスプリングユニット6が3つのブロック60A,60B,60Cを備える場合を例示したが、スプリングユニット6が備えるブロックの数は3つに限られず、1つ、2つまたは4つ以上であってもよい。
【0053】
上記実施形態における外装体2と、上記実施形態とは異なる構造の内装体とを組み合わせてマットレスを構成することもできる。また、上記実施形態における内装体5と、上記実施形態とは異なる構造の外装体とを組み合わせてマットレスを構成することもできる。
【符号の説明】
【0054】
1…マットレス、2…外装体、21…第1部分、22…第2部分、3…エッジテープ、4…タブ、5…内装体、6…スプリングユニット、60…ブロック、71A,71B…保護材、72A,72B…クッション材、8…シート材、80…延出部、9…壁部材、92…スリット。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9