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特許7282773ゲームコンソールによる表示要素の制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-19
(45)【発行日】2023-05-29
(54)【発明の名称】ゲームコンソールによる表示要素の制御方法
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/24 20140101AFI20230522BHJP
   A63F 13/55 20140101ALI20230522BHJP
   G06F 3/0338 20130101ALI20230522BHJP
   G06F 3/038 20130101ALI20230522BHJP
【FI】
A63F13/24
A63F13/55
G06F3/0338
G06F3/038 330
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2020530723
(86)(22)【出願日】2018-08-10
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-11-05
(86)【国際出願番号】 EP2018071781
(87)【国際公開番号】W WO2019034560
(87)【国際公開日】2019-02-21
【審査請求日】2021-06-28
(31)【優先権主張番号】17306074.0
(32)【優先日】2017-08-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】520055685
【氏名又は名称】ナコン ソシエテ パ アクシオンス シンプリフィエ
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ファルク,アラン
(72)【発明者】
【氏名】アラルト,ヤニック
(72)【発明者】
【氏名】ノートバート,アレクサンドル
(72)【発明者】
【氏名】デュドワイエ,スティーブン
【審査官】池田 剛志
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-105328(JP,A)
【文献】国際公開第97/014088(WO,A1)
【文献】特開2004-178102(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00 -13/98
A63F 9/24
B25J 1/00 -21/02
G06F 3/033- 3/039
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
機械的停止部によって区切られた範囲の少なくとも2つの自由度によってユーザによって動かされるように構成された操作レバー(10)を含むゲームコントローラに結合されたビデオゲームコンソールによって表示画面上に生成される表示要素の位置および/または移動の制御プロセスであって、
自由度毎に少なくとも1つの電気信号を出力する少なくとも1つのセンサ(12)を用いて、前記区切られた範囲内の前記操作レバー(10)の位置を測定するステップ、
前記少なくとも1つのセンサ(12)で測定された前記操作レバー(10)の前記位置を基準面に投影して、投影位置および第1の座標セットを決定するステップ、
前記操作レバー(10)の静止位置を中心とし、前記基準面内で前記操作レバー(10)の前記投影位置を通る前記基準面内の前記機械的停止部の相似形(FH)を決定するステップ、
前記相似形(FH)上に外接方形(Ccfh)を決定するステップ、
前記第1の座標セットの少なくとも1つの座標を前記外接方形(Ccfh)に投影するステップ、
前記第1の座標セットのイメージである、デカルト座標系における第2の座標セットを前記ビデオゲームコンソールに送ることができるように、前記第1の座標セットの前記少なくとも1つの座標の前記外接方形(Ccfh)への前記投影に基づいて、前記デカルト座標系における前記第2の座標セットを計算するステップ、からなるステップを含む、制御プロセス。
【請求項2】
前記機械的停止部は多角形の形状を有し、前記相似形(FH)を決定するステップは、前記操作レバーの前記投影位置を含む角度セクタを前記基準面で決定するステップからなるステップと、次に、前記投影位置を通り、前記決定された角度セクタに含まれる前記基準面内の前記機械的停止部の多角形投影の1つの辺に平行な直線を決定するステップからなるステップとを含む、請求項1に記載の制御プロセス。
【請求項3】
前記機械的停止部は楕円形の形状を有し、前記相似形(FH)を決定するステップは、前記操作レバー(10)の前記静止位置を中心とし、前記基準面内の前記操作レバー(10)の前記投影位置を通る位置楕円を決定するステップからなるステップを含む、請求項1に記載の制御プロセス。
【請求項4】
前記外接方形(Ccfh)上への前記第1の座標セットの前記少なくとも1つの座標を投影するステップは、投影位置点を決定するために、前記投影位置点を、前記操作レバー(10)の前記静止位置および前記投影位置を通る軸と前記外接方形(Ccfh)との交点として決定するステップからなるステップを含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の制御プロセス。
【請求項5】
前記外接方形(Ccfh)上への前記第1の座標セットの前記少なくとも1つの座標を投影するステップは、投影位置点を決定するために、前記投影位置を通る前記相似形(FH)の半径によって定義される投影方向によって前記外接方形(Ccfh)上に前記投影位置を投影するステップからなるステップを含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の制御プロセス。
【請求項6】
前記第2の座標セットを計算するステップは、
前記静止位置(Cp)と前記投影位置とを結ぶ線分の長さとして第1の長さを計算するステップからなるステップ、
前記静止位置(Cp)と前記投影位置点とを結ぶ線分の長さとして第2の長さを計算するステップからなるステップ、
前記第1の座標セットの各座標に、前記第1の長さに対する前記第2の長さの比によって定義される係数を乗じるステップからなるステップを含む、請求項4または5に記載の制御プロセス。
【請求項7】
前記外接方形(Ccfh)上への前記第1の座標セットの前記少なくとも1つの座標を投影するステップは、正規直交系の軸によって定義される投影方向によって、前記外接方形(Ccfh)上に前記投影位置を投影するステップからなる少なくとも1つのステップを含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の制御プロセス。
【請求項8】
前記外接方形上への前記第1の座標セットの前記少なくとも1つの座標を投影するステップは、
前記投影位置と前記外接方形(Ccfh)との間の最短距離を定義する正規直交系の軸によって定義される第1の投影方向によって、前記外接方形(Ccfh)に前記投影位置を投影して、単一の投影点を定義するステップからなる単一ステップを含む、請求項1から3または7のいずれか一項に記載の制御プロセス。
【請求項9】
前記第2の座標セットは、前記単一の投影点のデカルト座標によって定義される、請求項8に記載の制御プロセス。
【請求項10】
前記相似形(FH)を決定するステップと、前記相似形(FH)上の前記外接方形(Ccfh)を決定するステップと、前記少なくとも1つの座標を前記外接方形(Ccfh)上に投影するステップと、前記デカルト座標系における前記第2の座標セットを計算するステップと、からなるステップは、前記第2の座標セットに対する前記第1の座標セットの事前定義変換テーブルを定義するために、前記基準面における前記操作レバー(10)のすべての可能な投影位置に対して予め実行される、請求項1から8のいずれか一項に記載の制御プロセス。
【請求項11】
前記事前定義変換テーブルは、前記第1の座標セットを入力し、前記第1の座標セットの各座標に乗じるための係数を出力して、前記第2の座標セットを計算する、請求項10に記載の制御プロセス。
【請求項12】
前記事前定義変換テーブルは、前記第1の座標セットを入力し、前記第2の座標セット
を出力する、請求項10に記載の制御プロセス。
【請求項13】
前記第2の座標セットを前記ビデオゲームコンソールに送信するステップからなるステップを含む、請求項1から12のいずれか一項に記載の制御プロセス。
【請求項14】
前記第2の座標セットを計算するステップまで前記ステップは第1の解像度で実行され、前記第1の解像度より低い第2の解像度によって前記第2の座標セットを送信するための、前記第2の座標セットを送信する前記ステップの前に前記解像度を下げるステップからなるステップが提供される、請求項13に記載の制御プロセス。
【請求項15】
前記表示画面上に生成される前記表示要素の前記位置および/または前記移動は、前記第2の座標セットに基づいて修正される、請求項1から14のいずれか一項に記載の制御プロセス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、ゲームコントローラに結合されたビデオゲームコンソールによって表示画面上に生成される表示要素の制御プロセスに関する。特に、本発明は、ゲームコントローラが表示要素の位置および/または移動を制御するためにユーザによって動かされるレバーまたはジョイスティックを含むときの表示要素の制御に関し、表示要素は、例えば、ゲーム内の位置または制御ステーションからユーザのアバターによって見られる表示カーソルまたは背景であり得る。
【背景技術】
【0002】
欧州特許出願公開第2450776(A1)号明細書に開示されているように、レバーの位置の測定を管理するために、デカルト座標系による座標系を極座標として使用することが従来技術において知られている。さらに、ゲームコンソール用の標準化された形式のために、デカルト座標系によってゲームコンソール座標を送ることが依然として必要であることが多い。
【0003】
測定された位置を基準面(例えばレバーが静止位置で垂直である場合は、例えばレバーに垂直方向)に投影するのが一般的な方法である。機械的停止部によって制限された移動範囲(六角形、その他の多角形、任意の形状、さらには楕円形など)でレバーが展開する可能性がある場合は、レバーが停止しているときに、基準面の対角線のうちの1つによって、フルスケールの信号をコンソールに送信し、レバーが機械的停止部の投影部分に内接する方形の縁を越えた範囲に入ったときはこの信号を増加させないようにし、上記の対角線上に方形の頂点が来るようにするのが一般的である。
【0004】
レバーの所定の移動範囲は、例えばゲームコントローラのケーシングで停止する前にレバーが動くことができる空間の範囲として定義される。知られているように、この停止部は、例えば、八角形または六角形などの多角形、あるいはさらに楕円形であり得る。
【0005】
結果として、この管理モードは、移動範囲(多角形、任意の形状、さらには楕円形の形状で投影された形状を有する)を、有効な測定範囲(機械的停止部の投影に内接する方形)に限定する。
【発明の概要】
【0006】
本発明の目的は、上述した従来技術の文書の不利な点に対処することであり、特に、ゲームコンソールにデカルト座標を送信しながら、操作レバーの完全な移動範囲を利用する決定された範囲の少なくとも2つの自由度によってユーザによって動かされるように構成された操作レバーを含むゲームコントローラに結合されたビデオゲームコンソールによって表示画面上に生成される表示要素の位置および/または移動の制御プロセスという第1の目的に対処することである。
【0007】
このために、本発明の第1の態様は、機械的停止部によって区切られた範囲の少なくとも2つの自由度によってユーザによって動かされるように構成された操作レバーを含むゲームコントローラに結合されたビデオゲームコンソールによって表示画面上に生成される表示要素の位置および/または移動の制御プロセスに関し、
-自由度毎に少なくとも1つの電気信号を出力する少なくとも1つのセンサを用いて、決定された範囲内の操作レバーの位置を測定するステップ、
-前記少なくとも1つのセンサで測定された操作レバーの位置を基準面に投影して、第1の座標セットを決定するステップ、
-操作レバーの静止位置を中心とし、基準面内で操作レバーの投影位置を通る基準面内の機械的停止部の投影の相似形を決定するステップ、
-相似形上に外接方形を決定するステップ、
-第1の座標セットの少なくとも1つの座標を外接方形に投影するステップ、
-第1の座標セットのイメージである第2のデカルト座標セットをコンソールに送ることができるように、第1の座標セットの前記少なくとも1つの座標の外接方形への投影に基づいて、デカルト座標系における第2の座標セットを計算するステップ、からなるステップを含む。
【0008】
上記の実行によるプロセスは、相似形上の外接方形(すなわち、相似形を囲み、それぞれの少なくとも2辺が相似形の接線となる方形)を画定するステップを含み、基準面における投影位置の外接方形の一辺に投影を実行する可能性を提供する。この第2の投影は、相似形上にある投影位置から、その一部が外接方形上にある第2の投影位置(投影位置の座標のうちの少なくとも1つの座標の投影によって定義される)に移動する。これはデカルト座標を容易に画定し、操作レバーが六角形または多角形、任意の形状、さらには楕円形の機械的停止部上の機械的停止部にある場合に、機械的停止部の投影に対する外接方形上にある座標が自然に得られる(操作レバーが機械的停止部にある場合)。
【0009】
結果として、外接方形への投影は第2の位置点(座標として第2の座標セットを有する)を画定し、これにより原点(静止位置)と第2の点との間に第2のベクトルが構成され、ここで第2のベクトルのノルムは、原点と基準面内の投影位置との間に構成された第1のベクトルのノルム以上である。
【0010】
投影への外接方形と相似形との接点を通る軸によって操作レバーが動かされる場合(つまり、投影点は両方の図形に同時に属する)、座標の変更はないことに留意されたい。結果として、操作レバーが、軸に沿った位置以外の場所に動かされると、外接方形への投影は、測定座標のうちの1つを増加または拡張して、第2のデカルト座標セットを定義することになる。
【0011】
また、レバーは、ゲームコントローラに対してボールソケット結合として取り付けることができ、すなわち、2回転では可動であるが、並進または第3の回転(一般的にはレバーの周り)では可動ではない。しかしながら、このプロセスは、平面内での2つの並進運動によって可動であり、かつ3つの回転および並進運動によって阻止されるレバーにも適用される。示すように、本発明の主題を形成する方法が適用されるためには、レバーが2つの自由度によって可動であれば十分である。
【0012】
また、基準面内の投影は、基準面に対して直角投影であることが有利であるが、斜め投影も可能である、すなわち、投影方向は、基準面に対して垂直ではなく、基準面に対して(例えば、少なくとも数度)傾斜している。言い換えれば、レバーが静止位置にあるとき、基準面はレバーに対して垂直であり得るが、これは本発明の主題を形成する方法を実行するために必要ではない。しかしながら、良好な解像度は維持される必要があり、それによって投影方向は、例えば基準面に対して20°を超えて傾くことはないだろう。これは、静止位置にある操作レバーに対して垂直ではない基準面に投影することに等しい。
【0013】
特に、投影位置を通過する決定されるべき相似形は、円ではない。言い換えれば、レバーの機械的停止部は、円形の形状を有するケーシング部分に対して作られていない。したがって、本発明は、非円形の形状の停止部によって区切られた範囲内で展開するレバーの座標の管理に関する。
【0014】
有利には、機械的停止部は多角形の形状を有し、相似形を決定するステップは、操作レ
バーの投影位置を含む角度セクタを基準面で決定するステップからなるステップと、次に、投影位置を通り、決定された角度セクタに含まれる基準面内の機械的停止部の多角形投影の1つの辺に平行な直線を決定するステップからなるステップとを含む。この実施形態によれば、機械的停止部が多角形の形状を有する場合、相似形の決定は、投影位置を含む角度セクタを識別するステップにより2段階で行われ、どちらがポリゴンの近い辺であるかを決定できるようになる。
【0015】
有利には、機械的停止部は楕円形の形状を有し、相似形を決定するステップは、操作レバーの静止位置を中心とし、基準面内の操作レバーの投影位置を通過する位置楕円を決定するステップからなるステップを含む。
【0016】
有利には、外接方形上の第1の座標セットの前記少なくとも1つの座標の投影ステップは、投影位置点を、操作レバーの静止位置および投影位置を通る軸と外接方形との交点として決定するステップからなるステップを含む。言い換えれば、投影位置は、極座標系または円柱座標系の座標のうちの1つ(原点からの距離)を定義する軸方向によって再度投影される。
【0017】
好ましい方法によれば、外接方形上への第1の座標セットの前記少なくとも1つの座標の投影ステップは、投影位置を通る相似形の半径によって定義される投影方向によって外接方形上に投影位置を投影するステップからなるステップを含む。
【0018】
有利には、第2のデカルト座標セットの計算ステップは、
-静止位置と投影位置とを結ぶ線分の長さとして第1の長さを計算するステップからなるステップ、
-静止位置と(外接方形上に位置する)投影位置点とを結ぶ線分の長さとして第2の長さを計算するステップからなるステップ、
-第1の座標セットの各座標に、第1の長さに対する第2の長さの比によって定義される係数を乗じるステップからなるステップを含む。第1の座標セットはデカルト座標系によっており、この実行の最終ステップは、第1の座標セットの各座標について相似性を実行することになる。相似比は1以上であり、投影位置の原点(相似形に属する)からの距離に対する投影位置点の原点(外接方形に属する)からの距離の比に等しい。相似比は、操作レバーが、外接方形と相似形との接点を通る方向によって動かされる場合にのみ1に等しい。他のすべての場合では、1より大きい。
【0019】
第1の代替案によれば、外接方形上への第1の座標セットの前記少なくとも1つの座標の投影ステップは、正規直交系の軸によって定義される投影方向によって、外接方形上に投影位置を投影するステップからなる少なくとも1つのステップを含む。
【0020】
第1の代替案の特定の事例によれば、外接方形上への第1の座標セットの前記少なくとも1つの座標の投影ステップは、
-投影位置と外接方形との間の最短距離を定義する正規直交系の軸によって定義される第1の投影方向によって、外接方形上に投影位置を投影して、単一の投影点を定義するステップからなる単一ステップを含む。この方法では、変換係数の計算が回避され、第2の座標セットがすばやく送信される。
【0021】
有利には、第2のデカルト座標セットは、単一の投影点のデカルト座標によって定義される。
【0022】
有利には、相似形を決定するステップと、相似形上の外接方形を決定するステップと、前記少なくとも1つの座標を外接方形上に投影するステップと、(好ましい実行または第
1の代替案によって)デカルト座標系における第2の座標セットを計算するステップと、からなるステップは、第2の座標セットに対する第1の座標セットの事前定義変換テーブルを定義するために、基準面における操作レバーのすべての可能な投影位置に対して予め実行される。言い換えれば、投影に関連するステップは、ゲームコントローラを使用する前に実行されて、ゲームコントローラのコンピュータ記憶手段に記憶される事前定義変換テーブルを作成する。結果として、ゲームコントローラの使用中の計算は制限される。
【0023】
有利には、前記事前定義変換テーブルは、第1の座標セットを入力し、第1の座標セットの各座標に乗じるための係数を出力して、第2の座標セットを計算する。計算は、第1の座標セットに係数を乗じることに限定されている。
【0024】
有利には、前記事前定義変換テーブルは、第1の座標セットを入力し、第2の座標セットを出力する。
【0025】
言い換えれば、相似形を決定するステップと、相似形上の外接方形を決定するステップと、前記少なくとも1つの座標を外接方形上に投影するステップと、デカルト座標系における第2の座標セットを計算するステップと、からなるステップは、事前定義変換テーブルを使用して実行され、前記事前定義変換テーブルは、第1の座標セットを入力し、前記第1の座標セットの各座標に乗じるための係数を出力して、第2の座標セットを計算する。
【0026】
有利には、制御プロセスは、第2のデカルト座標セットをゲームコンソールに送信するステップからなるステップを含む。
【0027】
有利には、表示画面上に生成される表示要素の位置および/または移動は、第2のデカルト座標セットに基づいて修正される。
【0028】
有利には、第2の座標セットの計算ステップまでステップは第1の解像度で実行され、第1の解像度より低い第2の解像度によって第2の座標セットを送信するための、第2の座標セットを送信するステップの前に解像度を下げるステップからなるステップが提供される。この実行は計算中に良好な精度を維持し、ゲームコンソールのための計算時間またはコントローラとコンソールとの間の伝送時間をあまり必要としないフォーマットによって第2の座標セットを送信する。
【図面の簡単な説明】
【0029】
本発明の他の特徴および利点は、非限定的な例として示され、添付の図面によって示される本発明の3つの実施形態の以下の詳細な説明からより明らかになるだろう。
図1図1は、本発明による方法によって、ゲームコントローラに結合されたビデオゲームコンソールによって表示画面上に生成される表示要素の位置および/または移動を制御するためのゲームコントローラビデオの操作レバーの断面図である。
図2図2は、本発明による方法によって実行される図1の操作レバーの測定位置の処理の第1の実行を示す図である。
図3図3は、本発明による方法によって実行される図1の操作レバーの測定位置の処理の第2の実行を示す図である。
図4図4は、操作レバーの機械的停止部を作成するために採用されている形状の可能性を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
図1は、ゲームコントローラの操作レバー10を示す。このような操作レバー10は、「ジョイスティック」または「スティック」とも呼ばれる。典型的には、そのような操作
レバー10は、例えば人物の移動、標的視野の移動、またさらにはビデオゲームの仮想カメラの移動を引き起こすためにビデオゲームコンソールのユーザによって作動および動かすことができるように、ゲームコントローラの上面に配置される。
【0031】
したがって、一般に、操作レバー10は、ゲームコントローラビデオのケーシング20に対して可動であり、図1に示すように、ボールソケット結合によってケーシング20に対して連結することができる。操作レバー10とケーシング20との間の他の結合、例えば、操作レバー10の1回の水平移動を可能にする結合機構が可能である。
【0032】
しかしながら、操作レバー10は所定の移動範囲内でのみ移動可能であり、停止部20aによって制限されている。図示の場合、停止部20aはケーシング20の隆起部であり、操作レバー10がケーシング20を貫通する穴を形成している。操作レバー10の動きを検出するために、操作レバーはポテンショメータのような少なくとも1つの位置センサ12に接続されている。このような位置センサ12は、操作レバー10の動きを検出することで、例えば操作レバー10の点PLの位置を計算する。
【0033】
この場合、2つの自由度によって操作レバー10を動かすことができるので、もちろん2つの位置センサを設けることができ、あるいは操作レバー10が占めることができるすべての位置を正確に測定するための2つの測定トラックを有する単一の位置センサを設けることができる。
【0034】
停止部20aは、例えば、多角形(五角形、六角形、七角形、八角形、十二角形、楕円形など)であり、操作レバーが(図1に実線で示すように)静止位置にあるときに点PLの位置が操作レバーに垂直にまたは実質的に垂直に基準面に投影されると、投影位置はすべて、図2または図3に示され、頂点としてA、B、C、D、EおよびFを有する停止部六角形Hb内に含まれる。操作レバーが静止位置にあるとき、基準面は操作レバーに垂直な平面から数度だけ傾斜することができ、機械的停止部が六角形の場合、投影はすべて非正規六角形に含まれる。
【0035】
実際、図2および図3は、操作レバー10の移動限界である停止部六角形Hbを示している。従来の用語では、操作レバー10が停止されると、ゲームコントローラは、移動の強度が最大であることを示す情報をゲームコンソールに送信しなければならないことが理解される。
【0036】
しかしながら、操作レバー10の動きは六角形によって制限されるが、ゲームコンソールはデカルト座標のセットの形で操作レバー10からの位置を受け取らなければならず、デカルト座標系の原点と基準面内の投影位置との間のベクトルのノルムは最大でなければならない。
【0037】
図2および図3に示すデカルト座標系(x-x’;y-y’)において、45°の対角線によって操作レバー10が上向きに停止されると、コンソールに送信される信号はフルスケールでなければならず、したがってデカルト座標は例えば(1、1)である。しかし、内接矩形Rimが停止部六角形Hb内をたどり、操作レバー10が内接矩形Rimから外れて上向きに動かされ、停止されずに依然として停止部六角形Hb内にある場合、軸y’-yによる座標はさらに増加させなければならないであろうが、これはコンソールによる解釈を歪めるであろう、なぜなら、原点と基準面における投影位置との間のベクトルのノルムは、操作レバー10が対角線上で停止したときのベクトルのノルムよりも大きいからである。
【0038】
結果として、操作レバーの投影位置が45°で対角線上にあり、および停止部六角形H
b上にあるときの強度1(操作レバー10は45°で停止)と、操作レバーの投影位置が内接矩形Rimよりも外であるが、停止部六角形Hb上にない(操作レバー10は停止)ときのより大きな強度という、コンソールによって回復された移動の強度の不一致があるかもしれない。
【0039】
この不一致を回避するために、操作レバー10の投影位置が内接矩形Rimを出ると、デカルト座標の1つに1が課され、これは内接矩形Rimの外にある停止部六角形Hbの範囲によって画定される平面の範囲である4つの移動範囲を無視することになる。
【0040】
基本方向(したがって投影位置は軸yy’またはxx’のうちの1つにある)による操作レバー10の移動の間、投影位置が内接方形Rim上にあるかそれを超えると、フルスケールに達することが理解される。
【0041】
この欠点を修正し、停止部六角形Hbの全移動範囲を考慮するために、本発明は、基準面における操作レバー10の投影位置から相似性を作り出すことによってゲームコンソールに送信される座標のセットを計算することを提案する。
【0042】
図2は、2つの具体例における、この計算の最初の実行を示す。
【0043】
第1の具体例では、操作レバーは位置X1にあり、基準面内の投影位置は座標(a1、a2)となる。最初に、座標の投影位置(a1、a2)を通り、操作レバーの静止位置(基準フレームの原点(xx’、yy’))を中心とする停止部六角形Hbの相似形FHが決定される。これが六角形abcdefである。
【0044】
このステップでは、プロセスはまず、基準フレーム軸xx’と投影位置を通る半径との間の角度αを決定し、平面のどの角度セクタに投影位置が含まれるかを決定する。実際、この角度の決定は、停止部六角形Hbに平行な縁を見つけるためにどの直線方程式を解く必要があるかを決定するために必要である。
【0045】
図示の例では、角度αは、投影位置が停止部六角形Hbの縁FAに平行な直線上にあることを決定する。ここで、(FA)に平行な直線と、頂点abcdefの六角形である座標(a1、a2)の投影位置を通る相似形FHを確実に決定することができる。
【0046】
次に、相似形FH上に外接方形Ccfh(これは辺として長さOaの2倍、つまり縦座標a’2を有する方形)が決定され、座標(a1、a2)の投影位置を通る半径と座標(a’1、a’2)を有する外接方形Ccfhとの交点が求められる。
【0047】
ゲームコンソールに送信されるのは、座標(a’1、a’2)である。それらを計算するために、点(a1、a2)を通る相似形FHの半径R1の長さが、ピタゴラスの定理(方程式1)によって決定される。次に、その終点に座標系の原点と座標(a’1、a’2)を有する線分の長さR2が、タレスの定理(方程式2)によって決定される。
方程式1
【数1】

方程式2
【数2】
【0048】
ここで、第2の座標セット(a’1、a’2)の座標を得るために、第1の座標セット(a1、a2)の各座標に比R2/R1を乗じることが残っている。
【0049】
したがって、相似形FHとその外接方形Ccfhとの間の寸法の差に基づいて相似性が実行される。投影位置は、第2の座標セットを得るために外接方形Ccfhに向けて人為的に「拡大」または「変位」される。これは径方向に合わせた投影である。
【0050】
操作レバーが(軸xx’またはyy’に沿って)垂直基本方向にのみ動かされるとき、第2の座標セットは第1の座標セットに等しいことに留意されたい、そしてその場合、相似性は1の比を有する。また、相似比は、操作レバー10が45°で対角線に沿って動かされたときに最大となる。
【0051】
結果として、コンソールは操作レバーが停止しているときにのみフルスケールで第2のデカルト座標セットを受け取り、これは測定範囲を無視することなく行われる。
【0052】
図2の位置X2は、操作レバー10が停止したことを正確に示しており、投影位置の座標は、停止部六角形Hb上に位置する(b1、b2)である。変換は、コンソールに送られる第2の座標セット(b’1、b’2)を計算するために、投影位置を通る半径方向によって外接方形Ccm上への投影位置の投影を計算することになる。
【0053】
本発明によるプロセスは、相似形FHおよび外接方形Ccfhを決定するためのステップ、および相似比を有する第2の座標セットを計算するために、操作レバー10の位置を各測定値へ投影するためのステップを実行することができ、あるいはすべての可能な位置について相似比を計算することによって事前定義テーブルを構築することができ、この事前定義テーブルはゲームコントローラに記憶され、測定された位置の関数として適切な比が単に検索され、測定された座標に適切な比率が乗じられて第2の座標セットが得られる。代替として、第2の座標セットは、事前定義テーブルに直接記憶することができる。
【0054】
図3は第1の代替案を示す。この代替案では、相似形FHおよび外接方形Ccfhの決定は同一である。しかしながら、半径方向によって投影位置を投影する代わりに、プロセスでは、軸xx’またはyy’のうちの1つに平行に、特に最も近い外接方形の辺に向けて単一の投影が実行され、ゲームコンソールに送信される第2のデカルト座標セットが得られる。
【0055】
特に、操作レバー10が位置X1にある具体例では、投影位置の第1の座標セットは(a1、a2)である。外接方形Ccfhの最も近い辺は水平方向の上辺であるので、第2の座標セットの座標は(a’1、a’2)となり、
a’1=a1
a’2=距離Oa(相似形FHの決定の間に決定される)
である。
【0056】
図4は、左から右に八角形、五角形、または楕円形で、操作レバーの移動領域を定義する機械的停止部の形状のバリエーションを示す。
【0057】
多角形の場合、投影位置を通る相似形の方程式を決定する前に、この方法は、投影位置を含む角度セクタの決定を使用して、機械的停止部のどの辺が投影位置を通る平行直線であるかを特定し、相似形の定義を決定する必要がある。八角形の場合、8つの角度セクタがあり、五角形の場合、5つの角度セクタがある。
【0058】
楕円の場合、事前に角度セクタを決定する必要はなく、基準面にレバーの位置を投影した後、プロセスは停止部上の相似楕円の方程式を直接決定でき、これは投影位置を通る。
【0059】
添付の特許請求の範囲によって規定される本発明の範囲から逸脱することなく、本明細書に記載される本発明の異なる実施形態に対して、当業者に明らかな様々な修正および/または改良がなされ得ることが理解されよう。特に、第1の座標セットが参照され、この第1の座標セットにどのフォーマットが使用されるかは規定されていない。本発明は、第1のセットの円柱座標、球座標、さらにはデカルト座標で機能することができる。
【0060】
さらに、本発明が多角形または楕円形の停止部を提供するステップからなるステップを含むことは明らかである。実際、本発明は、機械的停止部の範囲内で操作されるレバーの座標の変換に関する。したがって、ゲームコントローラ上にこのような多角形または楕円形の機械的停止部を製造および提供するステップからなるステップがある。
【0061】
最後に、上記で説明した本発明の態様のいずれかについて、事前定義変換テーブルを設定することが可能である。
図1
図2
図3
図4