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特許7282788テンションレグ装置を備えた浮体式風力発電プラットフォーム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-19
(45)【発行日】2023-05-29
(54)【発明の名称】テンションレグ装置を備えた浮体式風力発電プラットフォーム
(51)【国際特許分類】
   B63B 35/00 20200101AFI20230522BHJP
   B63B 75/00 20200101ALI20230522BHJP
   B63B 21/50 20060101ALI20230522BHJP
   B63B 35/34 20060101ALI20230522BHJP
   B63B 35/44 20060101ALI20230522BHJP
   F03D 13/25 20160101ALI20230522BHJP
【FI】
B63B35/00 T
B63B75/00
B63B21/50 A
B63B35/34 B
B63B35/44 Z
F03D13/25
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2020539807
(86)(22)【出願日】2019-01-16
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-05-06
(86)【国際出願番号】 SE2019050028
(87)【国際公開番号】W WO2019143283
(87)【国際公開日】2019-07-25
【審査請求日】2021-12-07
(31)【優先権主張番号】1850064-5
(32)【優先日】2018-01-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SE
(31)【優先権主張番号】1850590-9
(32)【優先日】2018-05-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SE
(73)【特許権者】
【識別番号】520260430
【氏名又は名称】フレイア オフショア アーベー
【氏名又は名称原語表記】FREIA OFFSHORE AB
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100213436
【弁理士】
【氏名又は名称】木下 直俊
(72)【発明者】
【氏名】ニクラス ヒュンメル
(72)【発明者】
【氏名】マグヌス ラーム
(72)【発明者】
【氏名】エデュアルド ダチュク
【審査官】渡邊 義之
(56)【参考文献】
【文献】特表2012-518736(JP,A)
【文献】特表2005-504205(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0006539(US,A1)
【文献】特開2010-280301(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B63B 35/00
B63B 75/00
B63B 21/50
B63B 35/34
B63B 35/44
F03D 13/25
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
浮体ユニット(2)と、
前記浮体ユニット(2)の各角にそれぞれ配置された、第1、第2及び第3の相互に接続された半潜水式コラム(3a,3b,3c)と、
第1及び第2のタワー(5a,5b)を介して前記第1及び第2の半潜水式コラム(3a,3b)にそれぞれ配置された第1及び第2の風力タービン(4a,4b)と、
前記第3の半潜水式コラム(3c)のみに配置されたテンションレグ装置(6)と、
前記テンションレグ装置(6)と相互に接続され、前記第3の半潜水式コラム(3c)に配置されたタレット(9)と、を備え、
前記テンションレグ装置(6)は、当該テンションレグ装置(6)を海底(8)に固定するアンカー装置(60)を有し、
前記第3の半潜水式コラム(3c)は前記テンションレグ装置(6)を緊張状態とする浮力を提供し、
風向きに対応する風見鶏のように風向きにあわせて向きを変える浮体式風力発電プラットフォーム(1)。
【請求項2】
前記第3の半潜水式コラム(3c)は前記テンションレグ装置(6)を緊張状態とする、浮による上昇力を提供する、請求項1に記載の浮体式風力発電プラットフォーム(1)。
【請求項3】
前記テンションレグ装置(6)は前記第3の半潜水式コラム(3c)の基端部(30c)に配置され、前記第3の半潜水式コラム(3c)の直径D3cは、該半潜水式コラム(3c)の前記基端部(30c)の直径D30cに対して0.1*D30c≦D3c≦0.3*D30cの範囲である、請求項1又は2に記載の浮体式風力発電プラットフォーム(1)。
【請求項4】
前記第3の半潜水式コラム(3c)の直径D3cは、前記第1及び第2の半潜水式コラム(3a,3b)の直径 3a 及びD 3b に対して0.2* 3a ≦D3c≦0.6* 3a 及び0.2*D 3b ≦D 3c ≦0.6*D 3b の範囲である、請求項1~3のいずれか一項に記載の浮体式風力発電プラットフォーム(1)。
【請求項5】
前記第3の半潜水式コラム(3c)の基端部(30c)は完全に水に沈むように構成された、請求項1~4のいずれか一項に記載の浮体式風力発電プラットフォーム(1)。
【請求項6】
前記テンションレグ装置(6)は少なくとも一つのテンションレグ装置部材(6a,6b,6c,6d,6e,6f)を備える、請求項1~5のいずれか一項に記載の浮体式風力発電プラットフォーム(1)。
【請求項7】
前記テンションレグ装置(6)は複数のテンションレグ装置部材(6a,6b,6c,6d,6e,6f)を備える、請求項1~6のいずれか一項に記載の浮体式風力発電プラットフォーム(1)。
【請求項8】
前記テンションレグ装置(6)は海底(8)と前記第3の半潜水式コラム(3c)の間に実質的に垂直に配置されるように構成された、請求項1~7のいずれか一項に記載の浮体式風力発電プラットフォーム(1)。
【請求項9】
前記少なくとも一つのテンションレグ装置部材(6a,6b,6c,6d,6e,6f)は、テンション係留索、ケーブル、チェーン、ロープ、ワイヤ又は筒状スチール部材のうちのいずれか一つを備える、請求項に記載の浮体式風力発電プラットフォーム(1)。
【請求項10】
前記テンションレグ装置(6)はアンカー装置(60)によって海底(8)に固定されるように構成される、請求項1~9のいずれか一項に記載の浮体式風力発電プラットフォーム(1)。
【請求項11】
前記浮体ユニット(2)は三角形であり、該三角形の角は前記浮体ユニット(2)の角を形成する、請求項1~10のいずれか一項に記載の浮体式風力発電プラットフォーム(1)。
【請求項12】
前記浮体ユニット(2)は、前記第1、第2及び第3の半潜水式コラム(3a,3b,3c)を接続して前記三角形を形成する接続部材(10a,10b,10c)を有し、
前記第3の半潜水式コラム(3c)と、前記第1及び第2の半潜水式コラム(3a,3b)を接続する前記接続部材(10b)との距離である前記三角形の高さ(h)は30m≦h≦70mの範囲である、請求項11に記載の浮体式風力発電プラットフォーム(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、浮体式風力発電プラットフォームに関する。
【背景技術】
【0002】
洋上発電用の浮体式風力発電プラットフォームのアンカーシステムとして、カテナリー係留システムを使用することが知られている。カテナリー係留システムは、カテナリーを介した複数の係留点を海底に備えている。このような浮体式風力発電プラットフォームの水平面における安定性を高めるためには、すなわち、プラットフォームを風の強い条件下で実質的に直立状態に保ち、転倒を防ぐためには、サイズ、形状及び重量配分が、バランスをとらなくてはならない重要なパラメータとなる。例えば、複数のタワー及びタービンを備える大規模なプラットフォームは、ウェザーベーニング(weather vaning)に適合されることが多く、回転点からタワーまで十分な距離が必要であるが、十分な安定のため、回転点に十分な重量が必要な場合もある。このように、大きなウェザーベーニングシステムの安定性を達成することは非常に重要である。上述の従来技術において、係留は、プラットフォームのステーションを正しい位置に保つ(station keeping)という唯一の目的を提供し、その目的を持っているが、安定性には影響を与えず、プラットフォームは、アンカーシステムによって海底に固定されているいないにかかわらず、海中で同様の動きのパターンを有するように構築されている。カテナリー係留システムの本来の特徴として、さらに、海底における係留索の保持力とシステムの剛性とに十分な張力を生み出すために、かなりの重量の係留索が必要となることである。従って、カテナリー係留システムはかなりの海底スペースと材料とを必要とする。
【0003】
従来の解決策の欠点は、浮体ユニットが材料及びスペースを消費するため、製造及び輸送の両方にコストがかかることである。その結果、製造コストがさらに増加することとなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、従来技術の欠点のいくつかを軽減し、製造中に必要な材料が少なく、製造コストが安く、スペースの消費が少なく、よりコンパクトでありながら十分な安定性を提供する、ウェザーベーニング機能を備えた浮体式風力発電プラットフォームを提供することである。本発明の更なる目的は、効率が向上した浮体式風力発電プラットフォームを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態によれば、浮体ユニットを備える洋上発電用の浮体式風力発電プラットフォームが提供され、浮体ユニットは、該浮体ユニットの各角に配置され、相互に接続された、第1、第2、及び第3の半潜水式コラムを備え、第3の半潜水式コラムにはテンションレグ装置が配置され、テンションレグ装置はアンカー装置によって海底に固定されるように構成され、第3の半潜水式コラムはテンションレグ装置に張力を生成するように構成された浮力を提供し、浮体式風力発電プラットフォームは風向きに対応するウェザーベーンにさらに適合される(風向きに対応する風見鶏のように風向きにあわせて向きを変える)
【0006】
一実施形態によれば、第3の半潜水式コラムは、テンションレグ装置に張力を生成するように構成された過剰浮力を提供する。
【0007】
一実施形態によれば、テンションレグ装置は第3の半潜水式コラムのみに配置される。
【0008】
一実施形態によれば、テンションレグ装置は第3の半潜水式コラムの基端部に配置され、第3の半潜水式コラム3cの直径D3cは、半潜水式コラムの基端部の直径D30cに対して0.1*D30c≦D3c≦0.3*D30cの範囲である。
【0009】
一実施形態によれば、第3の半潜水式コラム3cの直径D3cは、第1及び第2の半潜水式コラムのそれぞれの直径 3a 及びD 3b に対して0.2* 3a ≦D3c≦0.6* 3a 及び0.2*D 3b ≦D 3c ≦0.6*D 3b の範囲である。
【0010】
一実施形態によれば、第3の半潜水式コラムの基端部は、完全に水に沈められるように構成されている。
【0011】
一実施形態によれば、テンションレグ装置は少なくとも一つのテンションレグ装置部材を備える。
【0012】
一実施形態によれば、テンションレグ装置は複数のテンションレグ装置部材を備える。
【0013】
一実施形態によれば、テンションレグ装置は海底と第3の半潜水式コラムとの間に実質的に垂直に配置されるように構成されている。
【0014】
一実施形態によれば、テンションレグ装置は、海底と第3の半潜水式コラムとの間に、基準方向zに対して角度βで半径方向外側に配置されるように構成されている。
【0015】
一実施形態によれば、角度βは0°≦β≦45°の範囲である。
【0016】
一実施形態によれば、少なくとも一つのテンションレグ装置部材は、張力係留索、ケーブル、チェーン、ロープ、ワイヤ又は管状スチール部材のうちのいずれか一つを備える。
【0017】
一実施形態によれば、テンションレグ装置はアンカー装置によって海底に固定されるように構成されている。
【0018】
一実施形態によれば、第3の半潜水式コラムにはタレットが配置されている。
【0019】
一実施形態によれば、浮体ユニットは三角形であり、三角形の角は浮体ユニットの角を形成している。
【0020】
一実施形態によれば、三角形の高さhは30m≦h≦70m、より好ましくは40m≦h≦60m、最も好ましくは45m≦h≦55mの範囲である。
【0021】
一実施形態によれば、浮体式風力発電プラットフォームは、第1及び第2のタワーを介して第1及び第2の半潜水式コラムにそれぞれ配置されている、第1及び第2の風力タービンをさらに備える。
【0022】
一実施形態によれば、基準方向zは垂直方向zである。
【0023】
一実施形態によれば、相互に接続された半潜水式コラムはそれぞれ長手方向コラム中心軸を有し、第1及び第2のタワーはそれぞれ第1及び第2の長手方向タワー中心軸を有し、第1及び第2の半潜水式コラムは、基準方向zに対してそれぞれ第1及び第2の角度α1,αで浮体ユニットに配置され、互いに離れた方向に向けられ、第1及び第2の長手方向タワー中心軸はそれぞれ第1及び第2の長手方向コラム中心軸に平行である。
【0024】
一実施形態によれば、第1及び第2の角度α1,αは同じである。
【0025】
一実施形態によれば、第1及び第2の角度は5°≦α1,α≦25°、より好ましくは10°≦α1,α≦20°、最も好ましくは12°≦α1,α≦17°の範囲である。
【0026】
一実施形態によれば、第1及び第2の角度α1,αは15°である。
【0027】
一実施形態によれば、浮体ユニットはトラス構造を備える。
【0028】
一実施形態によれば、半潜水式コラムは、上部接続部材及び平行に配置された対応する下部接続部材を介して相互に接続され、下部接続部材は上部接続部材よりも短い。
【0029】
一実施形態によれば、第1及び第2のタワーはそれぞれ第1及び第2の半潜水式コラムと相互に接続される。
【0030】
一実施形態によれば、第1及び第2のタワーと第1及び第2の半潜水式コラムとの間に界面を形成する当接面はそれぞれ、第1及び第2の長手方向タワー中心軸と第1及び第2の長手方向コラム中心軸とに平行な法線方向を有する。
【0031】
一実施形態によれば、第1及び第2のタワーはそれぞれ第1及び第2の半潜水式コラムと一体的に形成される。
【0032】
一実施形態によれば、第1及び第2のタワーの直径及び断面積は同じであり、第1及び第2の半潜水式コラムの直径及び断面積は同じである。
【0033】
一実施形態によれば、第1及び第2の半潜水式コラムは平面にまたがり、平面は水平方向に法線方向を有する。
【0034】
一実施形態によれば、第1及び第2の長手方向タワー中心軸は、それぞれ第1及び第2の長手方向コラム中心軸と一直線上にある。
【0035】
一実施形態によれば、第1及び第2の支持部材は、第1及び第2のタワーをそれぞれ浮体ユニットと相互に接続するように配置される。
【0036】
一実施形態によれば、アンカー装置60は重力によって海底8に配置されるように構成されたおもりを備える。
【0037】
一実施形態によれば、アンカー装置は海底に固定されるように構成された少なくとも一つのアンカー装置部材を備える。
【0038】
一実施形態によれば、アンカー装置は海底に固定されるように構成された複数のアンカー装置部材を備える。
【0039】
一実施形態によれば、少なくとも一つのアンカー装置部材はサクションパイルアンカーである。
【0040】
本発明の一実施形態によれば、洋上発電用の浮体式風力発電プラットフォームが提供され、該プラットフォームは、浮体ユニットと第1及び第2の風力タービンとを備え、
浮体ユニットは、それぞれが長手方向コラム中心軸を有し、浮体ユニットの各角に配置された、第1、第2の及び第3の、相互に接続された半潜水式コラムを有し、
第1及び第2の風力タービンはそれぞれ、第1及び第2のタワーを介して第1及び第2の半潜水式コラムに配置され、第1及び第2のタワーはそれぞれ第1及び第2の長手方向タワー中心軸を有し、第1及び第2の半潜水式コラムは、基準方向(z)に対してそれぞれ第1及び第2の角度(α1, α2)で浮体ユニットに配置され、互いに離れた方向に向けられ、第1及び第2の長手方向タワー中心軸はそれぞれ第1及び第2の長手方向コラム中心軸に対して平行である。
【0041】
一実施形態によれば、第1及び第2の角度(α1, α2)は同じである。
【0042】
一実施形態によれば、第1及び第2の角度は5°≦(α1,α)≦25°、より好ましくは10°≦(α1,α)≦20°、最も好ましくは12°≦(α1,α)≦17°の範囲である。
【0043】
一実施形態によれば、第1及び第2の角度(α1,α)は15°である。
【0044】
一実施形態によれば、浮体ユニットは三角形に形成され、三角形の角は浮体ユニットの角を形成する。
【0045】
一実施形態によれば、浮体ユニットはトラス構造を有する。
【0046】
一実施形態によれば、半潜水式コラムは上部接続部材及び平行に配置された対応する下部接続部材を介して相互に接続され、下部接続部材は上部接続部材よりも短い。
【0047】
一実施形態によれば、第1及び第2のタワーはそれぞれ第1及び第2の半潜水式コラムと相互に接続される。
【0048】
一実施形態によれば、第1及び第2のタワーと第1及び第2の半潜水式コラムとの間に界面を形成する当接面はそれぞれ、第1及び第2の長手方向タワー中心軸と第1及び第2の長手方向コラム中心軸とに平行な法線方向を有する。
【0049】
一実施形態によれば、第1及び第2のタワーはそれぞれ第1及び第2の半潜水式コラムと一体的に形成される。
【0050】
一実施形態によれば、第1及び第2のタワーの直径及び断面積は同じであり、第1及び第2の半潜水式コラムの直径及び断面積は同じである。
【0051】
一実施形態によれば、第1及び第2の半潜水式コラムは平面にまたがり、平面は水平方向に法線方向を有する。
【0052】
一実施形態によれば、第1及び第2の長手方向タワー中心軸は、それぞれ第1及び第2の長手方向コラム中心軸と一直線上にある。
【0053】
一実施形態によれば、第1及び第2の支持部材は、第1及び第2のタワーが浮体ユニットとそれぞれ相互に接続されるように配置される。
【0054】
一実施形態によれば、浮体式風力発電プラットフォームは風向きに対応するウェザーベーンにさらに適合されている。
【0055】
一実施形態によれば、基準方向(z)は垂直方向(z)である。
【0056】
本発明を、例として、添付の図面を参照して以下に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0057】
図1】洋上発電用の浮体式風力発電プラットフォームの斜視図である。
図2図1に示す浮体式風力発電プラットフォームの側面図である。
図3図1及び図2に示す浮体式風力発電プラットフォームの側面図である。
図4図1図3に示す浮体式風力発電プラットフォームの側面図である。
図5図1図4に示す浮体式風力発電プラットフォームの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0058】
本発明の詳細を以下に説明する。同じ参照符号は図全体にわたって同一の、又は対応する要素を示している。これらの図面は説明のみのために使用され、本発明の範囲を制限するものではないことを理解されよう。本出願人によるスウェーデン特許出願第1850064-5号全体を本明細書に参照として取り込む。参照したスウェーデン特許出願第1850064-5号の特徴に対して保護を求めることができる。
【0059】
図1は浮体ユニット2を備える洋上発電用の浮体式風力発電プラットフォーム1の斜視図である。一実施形態によれば、浮体ユニット2は、3つの相互に接続された半潜水式コラム3a,3b,3c、すなわち、第1、第2及び第3の半潜水式コラム3a,3b,3cを備え、これらはそれぞれ、図2に示すように、長手方向コラム中心軸3a’,3b’,3c’をさらに有する。一実施形態によれば、浮体ユニット2は複数の半潜水式コラムを備える。一実施形態によれば、浮体ユニット2は3つ以上の半潜水式コラムを備える。一実施形態によれば、浮体ユニット2は少なくとも3つの半潜水式コラム3a,3b,3cを備える。一実施形態によれば、半潜水式コラムは少なくとも3つの接続部材10a,10b,10c,20a,20b,20cを介して相互に接続される。3つ以上の半潜水式コラムを備える浮体ユニット2の場合、第1、第2及び第3の半潜水式コラムは間接的に相互に接続されてもよい。一実施形態によれば、半潜水式コラムは、上部接続部材10a,10b,10c及び平行に配置された対応する下部接続部材20a,20b,20cを介して相互に接続される。一実施形態によれば、下部接続部材20a,20b,20cは上部接続部材10a,10b,10cよりも短い。その結果、浮体ユニット2における材料の総使用量は、上部及び下部の接続部材が同じ長さである浮体ユニット2の場合と比較して、減少され得る。一実施形態によれば、浮体式風力発電プラットフォーム1の使用中の通常の水位すなわち水線7は、上部接続部材10a,10b,10cと下部接続部材20a,20b,20cとの間のそれぞれの距離の半分である。一実施形態によれば、半潜水式コラムは浮体ユニット2の各角に配置される。一実施形態によれば、半潜水式コラムは浮力構造体である。一実施形態によれば、半潜水式コラムは少なくとも上部接続部材10a,10b,10cの上まで延在し、上端を有する。一実施形態によれば、半潜水式コラム3a,3b,3cはそれぞれ増径された基端部30a,30b,30cを有し、これによって、半潜水式コラム3a,3b,3cの浮力及び変位ならびにそれらのそれぞれの面積が増加し、これによって、水中での移動に対する抵抗を増加させることができる。一実施形態によれば、基端部30a,30b,30cは、それぞれ中心軸30a’,30b’,30c’(図示せず)を備える円筒形であり、各中心軸30a’,30b’,30c’は基準方向zに対して平行である。一実施形態によれば、中心軸30a’と中心軸30b’の距離は約100mであり、これはプラットフォームの長さとも称される。一実施形態によれば、中心軸30c’と中心軸30a’又は30b’のいずれかとの距離はおよそ70mである。一実施形態によれば、基準方向zは、半潜水式コラム3a,3b,3cのそれぞれの長手方向コラム中心軸3a’,3b’,3c’の端点がまたがる平面の法線方向に実質的に平行、又は平行である。一実施形態によれば、基準方向zは、上部接続部材10a,10b,10cもしくは下部接続部材20a,20b,20c、又は両方がまたがる平面の法線方向に実質的に平行、又は平行である。一実施形態によれば、基準方向zは、風力発電プラットフォーム1の通常の使用中、垂直線すなわち測鉛線に実質的に平行、又は平行である。一実施形態によれば、基準方向zは垂直方向zである。一実施形態によれば、浮体ユニット2は三角形であり、三角形の角は浮体ユニット2の角を形成する。一実施形態によれば、三角形は二等辺三角形である。一実施形態によれば、接続部材10a,10c,及び/又は20a,20cはそれぞれ異なる長さを有し、そのため、非二等辺三角形又は不均一三角形、すなわち斜三角形を形成する。一実施形態によれば、浮体ユニットは各角に半潜水式コラムを有する多角形として形成される。一実施形態によれば、半潜水式コラムは浮体ユニット2の中央に配置され得る。一実施形態によれば、浮体ユニット2はトラス構造を備える。一実施形態によれば、浮体ユニット2は骨格構造体を備える。一実施形態によれば、複数の接続部材は上部及び下部の接続部材を相互に接続するように配置される。
【0060】
一実施形態によれば、テンションレグ装置6は第3の半潜水式コラム3cに配置され、テンションレグ装置6は海底8に固定されるように構成される。一実施形態によれば、テンションレグ装置6は第3の半潜水式コラム3cの基端部30cに配置される。一実施形態によれば、第3の半潜水式コラム3cの基端部30cは、第3の半潜水式コラム3cと比較して大幅に大きな径を有する。一実施形態によれば、図2にさらに示すように、第3の半潜水式コラム3cの直径D3cは、半潜水式コラム3cの基端部30cの直径D30cに対して、0.1*D30c≦D3c≦0.3*D30cの範囲である。一実施形態によれば、第3の半潜水式コラム3cの直径D3cは、第1及び第2の半潜水式コラム3a,3bのそれぞれの直径 3a 及びD 3b に対して0.2* 3a ≦D3c≦0.6* 3a 及び0.2*D 3b ≦D 3c ≦0.6*D 3b の範囲である。一実施形態によれば、第1及び第2の半潜水式コラム3a,3bのそれぞれの直径 3a 及びD 3b は、使用中、水線7で測定される。一実施形態によれば、第3の半潜水式コラム3cの直径D3cは、使用中、水線7で測定される。一実施形態によれば、第3の半潜水式コラム3cは、第1及び第2の半潜水式コラム3a,3bよりも著しく小さい直径を有する。一実施形態によれば、半潜水式コラム3a,3bの直径は5m≦ 3a ≦10m及び5m≦D 3b ≦10mの範囲である。一実施形態によれば、半潜水式コラム3a,3bの直径は6m≦ 3a ≦8m及び6m≦D 3b ≦8mの範囲である。一実施形態によれば、D30cに対して直径D3cを減少させることにより、第3の半潜水式コラム3cの水線面積が低減され、このため波への露出が減少し、結果として生じる浮体式風力発電プラットフォーム1の望ましくない動きのリスクが減少する。一実施形態によれば、第3の半潜水式コラム3cは、テンションレグ装置6内に張力を生成するように構成された浮力を提供する。一実施形態によれば、第3の半潜水式コラム3cは、テンションレグ装置6内に過剰張力を生成するように構成された過剰浮力を提供する。一実施形態によれば、過剰浮力は、変位した水の重さがプラットフォーム1の重さよりも大きい場合に起こる浮力と定義される。一実施形態によれば、上方に向かう力はテンションレグ装置6によって抑えられ、プラットフォーム1の上昇が防止される。一実施形態によれば、過剰浮力中、プラットフォーム1の浮力はその重さを超え、プラットフォーム1に、z方向に上昇する、すなわち上方に向かう力が生成される。一実施形態によれば、浮体式風力発電プラットフォーム1の安定性は、テンションレグ装置6の過剰浮力、及び結果として生じる張力によって提供される。一実施形態によれば、浮体式風力発電プラットフォームの安定性は、一部はプラットフォームの浮力によって提供され、一部はウェザーベーニング能力を持つテンションレグ装置係留システムによって提供される。一実施形態によれば、第3の半潜水式コラム3cの基端部30cは完全に水に沈むように構成される。一実施形態によれば、第3の半潜水式コラム3cの基端部30cは、図2に示すように、水線7、すなわち基準海面7よりも下に完全に沈むように構成される。一実施形態によれば、テンションレグ装置6は第3の半潜水式コラムのみに配置される。すなわち、第1及び第2の半潜水式コラム3a,3bにはテンションレグ装置6が設けられない。一実施形態によれば、テンションレグ装置6は少なくとも一つのテンションレグ装置部材6a,6b,6c,6d,6e,6fを備える。一実施形態によれば、テンションレグ装置6は複数のテンションレグ装置部材6a,6b,6c,6d,6e,6fを備える。一実施形態によれば、テンションレグ装置6は少なくとも6つのテンションレグ装置部材6a,6b,6c,6d,6e,6fを備える。一実施形態によれば、テンションレグ装置6は少なくとも6つのテンションレグ装置部材6a,6b,6c,6d,6e,6fを備えるが、アプリケーション又は環境条件に基づき、任意の適切な数のテンションレグ装置部材6a,6b,6c,6d,6e,6fを必要としてもよい。一実施形態によれば、テンションレグ装置6は海底8と第1半潜水式コラム3cの間に実質的に垂直に配置されるように構成される。一実施形態によれば、テンションレグ装置6は海底8と第1半潜水式コラム3cの間に垂直に配置されるように構成される。一実施形態によれば、テンションレグ装置部材6a,6b,6c,6d,6e,6fは、海底8と第3の半潜水式コラム3cの間に、基準方向zに対して角度βで配置されるように構成される。一実施形態によれば、テンションレグ装置部材6a,6b,6c,6d,6e,6fの少なくとも一つは、海底8と第3の半潜水式コラム3cの間に、基準方向zに対して角度βで配置されるように構成される。一実施形態によれば、テンションレグ装置部材6a,6b,6c,6d,6e,6fは、基準方向zに対して、角度β、すなわち0°≦β≦45°の範囲で、半径方向外側に配置されるように構成される。一実施形態によれば、少なくとも一つのテンションレグ装置部材6a,6b,6c,6d,6e,6fは、テンション係留索、ケーブル、チェーン、ロープ又はワイヤを備える。一実施形態によれば、少なくとも一つのテンションレグ装置部材6a,6b,6c,6d,6e,6fは、テンドンと称されることもある筒状のスチール部材を備える。一実施形態によれば、テンションレグ装置6はアンカー装置60によって海底8に固定されるように構成される。一実施形態によれば、アンカー装置60は重力によって海底8に配置されるように構成されたおもりを備える。一実施形態によれば、アンカー装置60は海底8に固定されるように構成された少なくとも一つのアンカー装置部材60a,60b,60c,60d,60e,60fを備える。一実施形態によれば、アンカー装置60は海底8に固定されるように構成された複数のアンカー装置部材60a,60b,60c,60d,60e,60fを備える。一実施形態によれば、テンションレグ装置部材6a,6b,6c,6d,6e,6fにはそれぞれアンカー装置部材60a,60b,60c,60d,60e,60fが設けられる。一実施形態によれば、アンカー装置部材60a,60b,60c,60d,60e,60fはサクションパイルアンカーである。
【0061】
一実施形態によれば、浮体式風力発電プラットフォーム1は風向きに対応するウェザーベーンに適合される(風向きに対応する風見鶏のように風向きにあわせて向きを変える)。一実施形態によれば、ウェザーベーニングは浮体ユニット2に配置されたタレット9によって提供される。一実施形態によれば、タレット9は半潜水式コラム3a,3b,3cのうちの一つに配置される。一実施形態によれば、タレット9は第3の半潜水式コラム3cに配置される。一実施形態によれば、タレット9は第3の半潜水式コラム3cの基端部30cに配置される。一実施形態によれば、タレット9は係留システムと相互に接続される。一実施形態によれば、タレット9はテンションレグ装置6と相互に接続される。一実施形態によれば、タレット9は第3の半潜水式コラム3cを介してテンションレグ装置6と相互に接続される。
【0062】
一実施形態によれば、図2にさらに示すように、重量配分、すなわち重心は、プラットフォーム1においてバラストシステム12によって変更され得る。プラットフォーム1はバラストシステム12を備え、バラストシステム12は、少なくとも第1及び第2の半潜水式コラム3a,3bにそれぞれ設けられたバラストタンク12a,12bを備える。一実施形態によれば、バラストシステム12は、少なくとも第1、第2、第3の半潜水式コラム3a,3b,3cにそれぞれ設けられたバラストタンク12a,12b,12cを備える。バラストタンク内の水量を制御するように構成された制御システム11がさらに設けられる。一実施形態によれば、バラストシステム12は、例えば潮の干満によって水位が変化する際、プラットフォーム1を水平にさせることができる。一実施形態によれば、第3の半潜水式コラム3cのバラストタンク12c内の水量を制御することによって、半潜水式コラム3cの喫水及び浮力の制御が可能となり、これによってテンションレグ装置6内の張力がさらに制御され得る。一実施形態によれば、プラットフォーム1の輸送中又は設置中の暫定的又は一時的な安定性は、バラストタンク12a,12b,12c内のバラスト水量の減少を利用して達成することができ、これによってプラットフォーム1の喫水が減少し、第3の半潜水式コラム3cの基端部30cが水線7の位置となり、輸送及び設置中の水線面積及び安定性が増大する。一実施形態によれば、プラットフォーム1の輸送中又は設置中の暫定的又は一時的な安定性は、暫定的又は一時的なボリュームを第3の半潜水式コラム3cに配置し、付加的な浮力を提供することによって達成することができ、そうすることによって水線面積が増大し、その結果、輸送、設置中のプラットフォーム1の安定性が高まる。一実施形態によれば、ボリュームは第3の半潜水式コラム3cにボルト留め又は溶接される。設置ステップとして、第3の半潜水式コラム3cからボリュームを取り除き、そうすることによってテンションレグ装置6を第3の半潜水式コラム3cに配置する。
【0063】
従来技術の解決策において、一般に、ウェザーベーニングプラットフォーム又は構造体は、全ての安定性を浮力から得ている。このような従来技術における係留は、ステーションを正しい位置に保つという唯一の目標を提供し、その目標を持っている。ウェザーベーニングプラットフォーム又は構造体は、それらが海底に接続される1点の周りを回転し、又は構造体の浮力によって自由に浮かぶ際に、さらなる安定性を必要とする。ウェザーベーニングは同じプラットフォームで複数のタワーを効率良く使用できるようにするので、このような構造体はたいてい大型である。大型サイズは、必要とされる変位と構造物のサイズとの両方を反映する。安定したプラットフォームを提供するためには、タワーから回転点までのy方向の十分な距離、回転点における十分な重さと浮力、そして材料が必要である。従来技術による、ウェザーベーニング能力を有するプラットフォーム又は構造体は、よって、本質的に安定して、海底から切り離されても転倒しないように構成されている。同時に、十分な安定性を達成するためにウェザーベーニングプラットフォームを大きくすると、ウェザーベーニング中の回転能力に否定的な影響を与える可能性がある、というのも、変位が大きくなると、タワーのサイズとも関連して、水中での動きが遅くなり、例えば風向きなどの天候条件の変化への適合が遅くなる。さらに、変位が大きくなると、風向きよりも水流の向きの変化に適合するようにプラットフォームの傾斜が大きくなり、これは潮及び風によるプラットフォーム1の平衡状態にマイナスの影響を与える。全体として、このようなプラットフォームの効率の低下という欠点が生じる。
【0064】
一実施形態によれば、浮体ユニット2を形成する三角形は、高さ、すなわち、上部接続部材10bから第3の半潜水式コラム3cまでのy方向の距離を有し、これは、本発明の実施形態によるテンションレグ装置6の一定張力に依存しない風力発電プラットフォームの浮体ユニットと比較して、大幅に削減させることができる。この高さはプラットフォームビーム又はプラットフォーム幅とも称される。一実施形態によれば、プラットフォームの高さ、すなわちビームは、従来技術のこのような風力発電プラットフォームと比較して、40~60%減少させることができる。一実施形態によれば、プラットフォームビームは約50メートルであり、ここで、プラットフォームの長さは、[0031]に記載したように、約100メートルである。一実施形態によれば、三角形の高さhは30m≦h≦70m、より好ましくは40m≦h≦60m、最も好ましくは45m≦h≦55mの範囲である。一実施形態によれば、プラットフォーム1のビームとハブの高さの比率、すなわち、使用中の水線7から第1及び第2の長手方向タワー中心軸5a’,5b’の交点におけるタービンロータの回転軸4a’,4b’までの距離の比率rb-hhは、0.3≦rb-hh≦0.70、より好ましくは0.4≦rb-hh≦0.60、最も好ましくは0.5≦rb-hh≦0.6の範囲である。一実施形態によれば、プラットフォーム1のビームとロータ径の比率rb-rdは、0,25≦rb-rd≦0.60、より好ましくは0.3≦rb-rd≦0.55、最も好ましくは0.35≦rb-rd≦0.50の範囲である。先にも述べたように、本発明では従来技術による解決策よりも比率を小さくすることが可能であり、このためコストが削減され、プラットフォーム1の効率が上がる。
【0065】
一実施形態によれば、浮体式風力発電プラットフォームは、第1及び第2のタワー5a,5bを介して第1及び第2の半潜水式コラム3a,3bにそれぞれ配置された第1及び第2の風力タービン4a,4bを備える。一実施形態によれば、浮体ユニット2が3つ以上の半潜水式コラムを備えるのであれば、例えば半潜水式コラムの浮体ユニット2に、さらに風力タービンを配置してもよい。一実施形態によれば、浮体ユニット2にさらに風力タービンを配置する場合、それらは一列に配置され得る。一実施形態によれば、第3の半潜水式コラム3cにタレットが取り付けられる。一実施形態によれば、図2に示すように、第1及び第2のタワー5a,5bはそれぞれ第1及び第2の長手方向タワー中心軸5a’,5b’を有する。一実施形態によれば、第1及び第2のタワー5a,5bはそれぞれ、第1及び第2の半潜水式コラム3a,3bと相互に接続される。一実施形態によれば、3つの半潜水式コラムが一列に配置される場合、真ん中の半潜水式コラム及び風力タワーは、基準方向zに平行な長手方向コラム中心軸及び長手方向タワー中心軸を有し得る。一実施形態によれば、第1及び第2のタワー5a,5b及び第1及び第2の半潜水式コラム3a,3bの直径及び断面積は、それぞれ同じである。一実施形態によれば、第1及び第2のタワー5a,5bと第1及び第2の半潜水式コラム3a,3bとの間の界面をそれぞれ形成する当接面3a”,5a”及び3b”, 5b”は、第1及び第2の長手方向タワー中心軸5a’,5b’と第1及び第2の長手方向コラム中心軸3a’,3b’とに平行な法線方向をそれぞれ有する。一実施形態によれば、当接面3a”,5a”及び3b”,5b”は円形リング形状を有する。一実施形態によれば、当接面3a”,5a”及び3b”,5b”は円形領域形状を有する。このように、当接面のこのような法線方向を選択することにより、長手方向タワー中心軸及び/又は長手方向コラム中心軸に非平行な法線方向を有するタワー及び/又はコラムの当接面から生じる楕円形の当接面とは対照的に、円形、円形リング又は円形領域の使用が可能となる。楕円形の当接面の成形は、タワー5a,5bと半潜水式コラム3a,3bとの間の取り付けの際に必要な、2つの楕円形の当接面間の必要な嵌合を可能とするような十分な精度で達成するのは困難である。当接面は一般に、取り付け工程中に合わせる必要のある、ボルト又はボルト接合用の穴を含むボルトフランジとして形成されるので、特にそうである。その結果、標準的な風力タワー5a,5bを本発明による浮体式風力発電プラットフォーム1に使用することができ、製造コストを増加させる、特別に製造又は設計される風力タワーを使用する必要はない。さらに、タワー5a”,5b”及びコラム当接面3b”,5b”のいずれも長手方向タワー中心軸5a’,5b’及び長手方向コラム中心軸3a’,3b’のそれぞれに平行な法線方向を有するのであれば、円形、円形リング、又は円形領域形状のものを楕円形、楕円リング又は楕円領域形状のものと組み合わせる、又はこれらに取り付けようとすることによる困難が回避される。一実施形態によれば、第1及び第2のタワー5a,5bは、第1及び第2の半潜水式コラム3a,3bとそれぞれ一体的に形成される。
【0066】
図2は、タービンロータの回転軸4a’,4b’に実質的に平行な方向から見た、洋上発電用の浮体式風力発電プラットフォーム1の側面図である。一実施形態によれば、第1及び第2の半潜水式コラム3a,3bは、基準方向zに対してそれぞれ第1及び第2の角度α1, α2で浮体ユニット2に配置され、互いに離れた方向に向けられている。一実施形態によれば、互いに離れた方向に向けられているということは、風力タービンが、それらのそれぞれの半潜水式コラム3a,3bの他の部分、又は半潜水式コラム3a,3bの少なくとも最も下にある基端部よりもさらに相互に離れていることを意味している。一実施形態によれば、第1及び第2の半潜水式コラム3a,3bは、第1及び第2の半潜水式コラム3a,3bがまたがる平面において、α12の総角度で相互に離れた方向に向けられている。一実施形態によれば、第1及び第2の長手方向タワー中心軸5a’,5b’はそれぞれ、第1及び第2の長手方向コラム中心軸3a’,3b’と平行である。一実施形態によれば、第1及び第2の長手方向タワー中心軸5a’,5b’はそれぞれ第1及び第2の長手方向コラム中心軸3a’,3b’と一直線上にある。一実施形態によれば、第1及び第2の半潜水式コラム3a,3bと第1及び第2のタワー5a,5bとの傾斜により、浮体ユニット2をさらに小型化することができ、一方で同時に、風力タービン4a,4b間は、十分な距離、又は傾斜のない場合と同様の距離に保つことができ、これによって、傾斜のない場合と同様に、エネルギー生産のための十分な大きさのサイズ又は同様のサイズのタービンの回転翼も使用できるようになる。この点において、浮体ユニット2は、サイズ/コスト対そのエネルギー生産能力を最適化することを目的とする。一実施形態によれば、第1及び第2の角度α1,α12は同じである。一実施形態によれば、第1及び第2の角度は5°≦(α1,α)≦25°、より好ましくは10°≦(α1,α)≦20°、最も好ましくは12°≦(α1,α)≦17°の範囲である。一実施形態によれば、第1及び第2の角度(α1, α2)は15°である。基準方向zに対してそれぞれ第1及び第2の角度α1, α2で浮体ユニット2に配置された、第1及び第2の半潜水式コラム3a,3bを使用するさらなる効果として、より高い流体力学的剛性、すなわち水中でのより大きな抵抗を提供する、より大きな水線面積を有する浮体ユニット2が設けられる。より大きな水中での抵抗は、浮体ユニット2の使用時における所望しない動きに対する抵抗を提供する。その結果、例えば半潜水式コラム3a,3b,3c及びそれらの端部30a,30b,30cによる浮体ユニット2の変位が低減され得る。変位の低減によって材料の削減が可能となり、これにより、浮体ユニット2及び風力発電プラットフォーム1の製造コストがさらに低減される。一実施形態によれば、第1及び第2の半潜水式コラム3a,3bは浮体ユニット2に配置され、第1及び第2の角度α1, α2 はゼロである、すなわち、第1及び第2の半潜水式コラム3a,3bは相互に離れた方向に向けられていない。
【0067】
図3は、タービンロータの回転軸4a’,4b’に対して垂直に見た、洋上発電用の浮体式風力発電プラットフォーム1の側面図である。本図を見ればわかるように、一実施形態によれば、第1及び第2の半潜水式コラム3a,3bは平面にまたがり、平面は水平方向yに法線方向を有する。一実施形態によれば、第1及び第2の半潜水式コラム3a,3bは平面にまたがり、平面は基準方向zに垂直な法線方向yを有する。一実施形態によれば、z方向及びy方向は、図2に示すように、座標系の軸を形成するか、又はそれに対応するように定義され、さらに水平方向xを含む。一実施形態によれば、第3の半潜水式コラム3cの縦方向中心軸3c’は基準方向zに平行である。一実施形態によれば、浮体ユニット2が斜め三角形の場合、第1及び第2の半潜水式コラム3a,3bがまたがる平面は、使用中にプラットフォーム1及び浮体ユニット2が平衡状態に達した場合、ウェザーベーニング中の風向きに対して平行ではない。従ってこれらの場合、第1及び第2の風力タービンロータのまたがる平面はそれぞれ異なる平面であり、第1及び第2のコラム3a,3bの内の一つは風上のコラムであり、他方は風下のコラムとなる。
【0068】
図4は負のz方向から見た洋上発電用浮体式風力発電プラットフォーム1の側面図である。
【0069】
図5は洋上発電用浮体式風力発電プラットフォーム1の側面図である。本図を見ればわかるように、一実施形態によれば、第1及び第2の支持部材40a,40bは、第1及び第2のタワー5a,5bをそれぞれ浮体ユニット2と相互に接続するように配置されている。一実施形態によれば、少なくとも一つの支持部材40a,40bは2つのタワー5a,5bの間に配置され、これらを相互に接続することができる。一実施形態によれば、支持部材40a,40bを使用することにより、例えば、当接面3a”,5a”及び3b”,5b”におけるボルト接続などにおいて、重力により、タワー5a,5bのコラム3a,3bとのそれぞれの接続点において応力が低減される。一実施形態によれば、支持部材40a,40bの使用により、風力発電プラットフォーム1の安定性が高まる。一実施形態によれば、風力タービン4a,4bは風力タワー5a,5bに対してそれぞれ回転可能に構成され、回転軸は長手方向タワー中心軸5a’,5b’に対して平行である。一実施形態によれば、風力タービン4a,4bは風力タワー5a,5bに対してそれぞれ回転可能に構成され、回転軸は基準方向zに対して平行である。一実施形態によれば、回転、すなわち風力タワー5a,5bに対する風力タービンの相対角変位は制限され、それにより、例えば使用中、風力タービンの回転翼と風力タワーの係合が回避される。一実施形態によれば、制限は、例えば機械的止め部などの機械的構造によって設定されるように構成される。一実施形態によれば、制限はソフトウェアによって設定されるように構成される。一実施形態によれば、風力発電プラットフォーム1は風力タービンの回転翼の回転によってエネルギーを生産するように構成され、例えば発電機により、風力タービン又はナセル内で発電される。一実施形態によれば、洋上発電/エネルギー生産は、エネルギーを移送するように構成されたエネルギーケーブルを介して陸上に移送する、すなわち運ぶことができる。
【0070】
洋上発電用の浮体式風力発電プラットフォーム1の好ましい実施形態について説明してきたが、当業者であれば、これは、本発明の思想から逸脱することなく、添付の請求項の範囲内で変更することが可能であることを認識する。
【0071】
上述のすべての代替的な実施形態又は実施形態の一部は、本発明の思想から逸脱することなく、矛盾しない限り、自由に組み合わせることができる。

図1
図2
図3
図4
図5